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吹き荒ぶ赤錆の荒野

作者：橄欖石

●　グリモアベース
「あふぅ、今回はダークセイヴァーで辺境の開拓をして欲しいの」
　溜息をついたのはグリモア猟兵のリュート・アドラー（f26123）だ。
　今日も眠たそうにほわほわと猟兵たちに依頼の説明を続けていく。
「理性を持たないことから『狂えるオブリビオン』のいる未開の土地はまだヴァンパイアの物になっていない貴重な土地なの」
　ヴァンパイアにも甚大な被害を与えた事から『狂えるオブリビオン』がいる荒野の支配を他のオブリビオンたちは断念したようです。

「今回の目的地は誰も居ない辺境の荒野なのだけど、周囲は赤錆だらけで『狂えるオブリビオンの声が聞こえる』事に注意してほしいの」
「特に首無し騎士の亡霊が出る場所では、その音がより大きく響いていているから注意が必要なの」
　首無し騎士の亡霊を相手すると同時に、これに対処する何らかの方法を考案しないと、狂気に魂を支配されてしまうかもしれない。
「この荒野について調べたら、かつて吸血鬼と戦った騎士団長によく似た姿の赤錆に塗れた騎士の姿を見たという噂があったの」
　もしかしたら……とは思うが、この辺境を開放するには『狂えるオブリビオン』の討伐が必要だ。どのような相手であろうと倒さなければいけないだろう。
「もし、この荒野を開放する事ができれば安全に住める場所が増えるはずなの、だから手伝って欲しいの！」
　ヴァンパイアの支配下にない居住地を作り出すため、力を貸して欲しいと、リュートは猟兵たちに助けを求めた。
　――このダークセイヴァーに新たな光を見つけるには、君たち猟兵の力が必要だ。

「あふぅ……辺境の荒野について調べたせいで全然眠れてないの……」
　とびきり大きなため息と主に吐かれた綿雲は、もこもこと大きな雲の魔法陣になる。
「あ、その綿雲から落ちないように乗ってほしいの、それじゃあいくのー」
　猟兵たちは綿雲の魔法陣で、ダークセイヴァーの墓地付近へと転移された。

第1章 冒険 『首なし騎士の亡霊』

POW   :    力でねじ伏せる。 SPD   :    速さでねじ伏せる。 WIZ   :    魔力でねじ伏せる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

　数宮・多喜（撃走サイキックライダー・f03004）は常に狂えるオブリビオンの声が聞こえるに対し、高い狂気耐性だけでなくサイキッカーとして持ち得たテレパス技能を駆使し、必要最小限の情報のみを取得することで狂気に身を委ねる事はなく無事に歩みを進める。声の内容からこの先で待ち受けるオブリビオンについての情報を知り得る事も忘れない、熟練のサイキッカーでもある猟兵でならば、知る事と知らない事を両立するくらいは難なくこなせてしまうのだ。
　行く手を阻むように現れた無数の首無し亡霊騎士たちへ、サイキックエナジーを強化する特殊なナックルによってユーベルコードという異能に形成されてすらいない原始的な出力が、無加工のまますべてを消し去る熱量となって炸裂。そして無論――この程度では止まらない、亡霊と猟兵ではあまりにも力が、速度が、頑丈さが違いすぎるのだ。出力の差は絶望的に隔絶しており、今や単純な身体能力値は猫と虎を比較しているに等しいほどの開き、そのまま障害を猟兵は踏破したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　音というのは空気の振動そのものだ。周囲の空気を震わせ音波となり猟兵へと伝播する事でそれは初めて音として成立する、つまりは――念動力でそれを制御すれば常に狂えるオブリビオンの声が聞こえるという厄介な状況すらも対応可能だ。彼から伝わる慟哭や怨嗟の内容は情報として伝わるが、狂気の伝播には決して至ることはない。まして先ほどから行く手を阻むように現れた亡霊騎士たちのように、狂気の使途となる要因は皆無だ。
　実体を持たぬ彼らは物理的な攻撃に対しては比類無き防御力を見せるが、エリー・マイヤー（被造物・f29376）の念動力の前にはその異能を十分に発揮できない。理由は単純明快あらゆる攻撃に念動力が付与され、霊体そのものに負傷を与えて行くからだ。無限怒涛と押し寄せる念動の波濤。重ねて言おう、念動力の猛攻は終わらない。残弾数というものが存在しない出力であるからこそ、それはまさに目も眩むような絶滅技巧の乱れ打ちだ。容易く亡霊が受け止められる許容量を念動力が凌駕し、対敵を滅ぼしていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　戦場に吹き荒れる狂えるオブリビオンの声も、藍原・蒼夜（蒼き宝刀・f23131）のユーベルコード『ポジティブ・マインド』の前には脅威にならない。何事にも前向きに頑張ろうとするその気持ちで、精神を蝕む狂気でさえもポジティブに凌駕。吸血鬼との戦いに敗れ吸血鬼化させられた元騎士団長から届くその声も、猟兵の精神を腐食する事はなかった。
　こうなればあとは猟兵の独壇場だ、蒼い月の意匠が凝らされ、高い霊力を持っているとされる刀身が長い退魔刀は亡霊に対する特攻武器と言っても他ならないだろう。切っ先が届く距離に至るだけで亡霊の全身が炙られ、水泡の浮かぶ火傷のように浄化の光が次々と体表面を塗り潰していく。退魔刀の刀身から発される眩い光輝、躊躇なくさらに追撃。受け止めた亡霊騎士の防御ごと敵手を軋ませ弾き飛ばす。集束された退魔の力はそのまま波濤となり、首なし騎士の亡霊を猟兵は順当に圧倒していくと目的地への歩みを早めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「狂気に満ちた亡霊の荒野か――――」
　辺境の荒れ地に足を踏み入れた瞬間、猟兵であるジン・マキハラ（ブレイズ・オブ・マキナ・f36251）は悍ましい狂気が大地を染め上げている事に気づき、警戒のギアを意識して数段上に引き上げていく。当然、生半可な生物ではこの地にやってくるだけでも常に吹き荒れる狂気のオブリビオンの声に飲まれて正気を喪い、狂気に身を委ねてしまうだろう。胸の永久機関と同調し、武器や手足に纏う事ができる蒼い炎の様なオーラ『蒼炎覇気』を身に纏うことで、狂気を猟兵は遮断していく。当然、音という媒介によって猟兵へと伝播するそれを全てを遮断するに至らないが、それもまた卓越した闘争心を持ってねじ伏せる。そんなに相手をしてほしいなら直ぐに言ってやる、せいぜいその錆を落として待っていろ――『赤錆の騎士』、と。
「だがな、この位の障害で足を止めると思うなよ。この地を切り拓き、人々の安住の地にする為に押し通らせて貰うぞ！」
　その猟兵たちの行く手を阻む『首なし騎士の亡霊』たちへ、覇気を弾丸と換えて打ち抜いていく。先を行く猟兵たちを追うようにした亡霊も例外ではない。意識外からの奇襲を受けた亡霊たちの狼狽は目に見えて明らかだった、その隙逃さず、一気呵成と逆る闘気の光条弾雨。この好機にすべてを決めると猛りながら、左胸の動力を駆動させ出力を高めに高めた蒼炎覇気を放射状に撒き散らして必滅必死の一矢となった。煌めき輝く蒼い閃光、加速をつけたオーラ刃が大気ごと亡霊を斜めに断ち切っていく。奇襲を受けて体勢の崩れた敵手にこれを覆す術はない。余波と呼ぶには苛烈すぎる勢いと威力をもって双眸に収めた亡霊たちを全て殲滅しつくしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　つくづく呪われた大地だな。そう、レクス・マグヌス（嵐をもたらすもの・f07818）はダークセイヴァーの状況に心情を吐露せざるを得ない。しかしながら、この荒れ地を開放すればこの世界にも多くの希望を届ける事が出来るはずだ。それほどまでにヴァンパイアを初めとしたオブリビオンの手垢がついていない安全に暮らせる土地というのは貴重なのだ。その土地を開放するためにも『赤錆の騎士』の命を絶つべく、レクスは歩みを続けて行く。
「吹き荒ぶ赤錆の荒野、の呼び名は伊達じゃなさそうだ」
　すっかりと常に吹き荒れる狂気の声からの影響を受けたのか、いま現在も赤錆に荒れ地は侵され続けている。高速詠唱とオーラによる多重障壁による付与魔術で狂気の声の対策を講じている猟兵であっても、肌を蝕むような狂気が隙を見せれば直ぐさま喰らいついてくるだろう。こうして平時と同様に行動が出来ているのはひとえにレクスが、この環境と狂気に対して優れた耐性を持ち合わせているからに他ナラな掛かった。
「狂える声達、お前たちは何に苦しんでいる？」
　狂気に侵されぬよう細心の注意を払いながらも、首なし騎士の亡霊からこの荒れ地の主である赤錆の騎士についての情報を猟兵は集めていく。曰く、吸血鬼との戦いに敗れ吸血鬼化させられた元騎士団長であると。曰く、狂気に呑まれ荒野へと落ち延びたと。曰く、辺境の地に立ち入るのならば等しく狂えるオブリビオンの赤錆となると。
「――――つまるところ……この錆は狂気の結露のようなものか、全くどれほどの者を抱えているのか」
　恐らくはこれでも赤錆騎士は守るべき何かの為に狂気をその身に抑えているのだろう。騎士はいつか己を打ち倒すものが現れる時を希う。狂気の声が形となった首なし騎士の亡霊へとレクスは携えた魔剣を抜き放つ。生前の無念を晴らすのは我々猟兵だと証明するように、残った亡霊たちを残さずに巻き起こる絶大な災厄如き出力の大瀑布、高らかに鳴り響く刃音、それが死闘の幕開けを告げる合図として鳴り響く。もはや決して赤錆の騎士を終焉から、逃しはしないと言うかのように――。

　かくして猟兵たちによって吹き荒れる狂気の具現は打ち倒された。障害を乗り越えた一同はさらなる強敵の待つ奥地へとその歩みを続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 集団戦 『オルトロス』

POW   :    くらいつく 自身の身体部位ひとつを【もうひとつ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。 SPD   :    ほえる 【悲痛な咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。 WIZ   :    なかまをよぶ 自身が戦闘で瀕死になると【影の中から万全な状態の同一個体】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

「理性を喪ったオブリビオンの群れか、残念だったな集団の殲滅戦は俺も得意なのでな！」
　ユーベルコード『終焉炎獄炎式内蔵兵装（ヴァリアブル・ブレイズ・ウェポン）』をジン・マキハラ（ブレイズ・オブ・マキナ・f36251）は解き放つ事で現れた、降り注ぐ真紅の雨。反射的に頭上を見やった視界へ、無数のナパーム弾が空から降り注いでいるのに気付いて正気を失っているオブリビオンと言えど、生のへの執着は当然あるのだろう背を震わせる。吹き荒ぶ大出力の追尾する拡散レーザーと地獄の炎の嵐は爆心地を一瞬にして葬り去り、陣列を崩壊させた。
「――自慢の集団戦も足が止まればただの烏合の衆だな。撃ち抜かせて貰うぞ！」
　演算装置と連動する事で高い命中率を誇る『B.V.W レイジングストーム』は猟兵の知識と経験を下地に、永久機関と接続された大口径の内蔵突撃銃から放たれた銃弾の雨は複数の外敵を鳥を落とすように射抜いていく。
「貴様ら如きに費やす時間はない、悪いが容赦なく殲滅させてもらうぞ！」
　このままでは出力の波濤に圧殺されると状況を理解したオルトロスたち。自身を治療するをせんとオブリビオンは猟兵へと振った前脚を頭部に変形し、噛みつき攻撃で敵手の生命力を奪うために強襲を仕掛ける。新たな顎が生まれ敵手の命を貪るその姿こそが、このオブリビオンがオルトロスと呼ばれる所以だろう、しかし、その猛攻に合わせる形で蒼炎覇気を猟兵は纏いながらオブリビオン腹を蹴り上げた。怪力と功夫を宿す衝撃が魔獣を木の葉のように吹き飛ばし、強かに壁面へと衝突させる。ぐはっ、と肺から搾り出された微かな悲鳴が決着を告げる音色だった。まさに電光石火、並み居るオブリビオンの集団をジン練り上げた蹴撃を数体纏めて追撃を叩きこんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　流れるような夜鳥・藍（宙の瞳・f32891）の斬閃が、いとも容易くオブリビオンの胸部を斬り裂いた。解き放たれたユーベルコードの居合の刃は神速流麗、容赦なし。絶叫する本能に従う魔獣の動きすらも凌駕し、横一文字の一閃をその身に刻み込む。噴出する血飛沫を抑えながら恐るべき鮮やかさにオルトロスたちに震えが走った。単純な速度や背力で測れない技の冴えこそ、まるで異能と呼べるユーベルコードだ。
神速の居合――実体を消して浮かび上がる幻のような刀を前にオブリビオンたちは全身が総毛立つのを止められない。
　しかし、ユーベルコード『彗星（コミティス）』の本領は其れに収まらない。電撃を帯びた衝撃は敵手の動きを一時的に封じ、神速の剣戟で魔獣の側面を刈るように薙ぎ墜とす。確実に削ぎ落とされていくと同時に、未来予知じみた判断力で群れを成して反撃を企てるオブリビオンの手管すらも許さない。絶技を湯水のように惜しみなく披露しつつ、猟兵はオルトロスの頭数を見る間に減らしいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「我が血で此の地を洗い流してやろう…！」
　猟兵の詠唱と共に生まれる無数の溢れ出る超高温の血の種子。百、千、万と、空が落涙したかの如く、地獄の炎が驟雨となりて炎の海へと降り注ぐ。放たれた死の棘は全方位に万遍なく襲来し、贔屓も区別もすることなくオブリビオンを平等に鏖殺しせんと燃やし尽くす。仇死原・アンナ（処刑人 魔女 或いは焔の花嫁・f09978）は戦場をユーベルコードの名の通りに『鮮血の海（プール・オブ・ブラッド）』としていく、仮に回避できたとしてもその生み出された異能の海で空間そのものを支配下に置くという、二段構えの絨毯穿撃。直撃せずとも以後の戦闘に大きな有利をもたらし、そもそも魔獣の躱せるような速度ではない。そして当然、それら一刺しどれを取っても、受けることが出来るような軽い脅威では断じてなく。故に必殺、王手詰み。完成された攻、防、量の三要素がどれも揃っているために、もはやオブリビオンには太刀打ちできない。仮にあと一群のオルトロスたちがいたとて、傷一つつけることすら不可能だろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

　首のない騎士の亡霊たちが漂う辺境の荒野を越えて、さらに歩みを続けるレクス・マグヌス（嵐をもたらすもの・f07818）の前へと魔獣のオブリビオンが姿を現しだした。『赤錆の騎士』の前の肩慣らしとばかりに襲来したオルトロスへと使い手の命を蝕む災厄の名を冠する妖剣を抜きは抜き放つ。
「嵐よ起きろ！　戦いの時だ！」
　悪の力を持って悪を葬る目的のため作られた妖剣の魔力が爆光と共に煌めいた。それは、まさしく災厄の嵐が如き波濤。戦場を二分しかねない輝きの暴風は、冗談のようなエネルギーを伴い炸裂した。オブリビオンの引き裂きながら、赤錆の荒野へと直線的な軌跡を描いていく。それでもなお、敵手の数が減っている様子は見られない。彼奴等は影の中から万全な状態の同一個体をオブリビオンは作り出しているのだ。
「随分と出てくるものだ、これは切りがない。ならば……！」
　レクスは敵手の命を喰らう特性を妖剣へと付与し、さらにはあらゆる体運び、癖、すべてを見、予測し、オルトロスたちの攻撃すらも隠れ蓑に死角からの一撃を叩き込む。同時にただでは朽ちぬと死に際に放った魔獣の瘴気の波濤はオーラの障壁でどうにか躱し、トドメの瞬間にユーベルコード『束縛の魔手（マヌス・オプリガーディオ）』を解き放つ。
「災厄を穿て！　――我こそが最悪の災厄なり！」
　目には目を、異能には異能を、単純明快にしてまさに正しさで染め上げた最善手だ。影の中から現れようとするオブリビオンの動きをそのユーベルコードにより捕縛し、その数秒の間に十数合を遥かに超える、無数の剣嵐烈風が荒れ狂い咲き乱れた。圧倒的な優勢を手に入れると同時にレクスの身体が悲鳴、胸の奥底がじくじくと熱を持ち、流れ出す血が口内へと流れ込む。重ねて――痛い、痛い、痛い、痛いと脳を埋め尽くす電気信号。
「さて、ここからが本番だ」
　言わずもがな、それは肉体への負荷を無視したユーベルコードの短時間での連続使用が要因だ。この程度の反動構うものかと、猟兵は溢れた鮮血を拭う。そうともこの通り息切れさえ起こしていない。ダークセイヴァーへ希望で照らすためにレクスは颶風の嵐と化す。魔獣の群れになぞ屈するものか、赫怒を刃に乗せながら渾身の力を込めて猟兵は妖剣の柄を握り締め、余すことなくその実力を発揮させていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　宙に向かって空砲を放つシェーラ・ミレディ（金と正義と・f00296）、ユーベルコードの発動に特化した『鮮美透涼』の撃鉄を合図にあらかじめ仕掛けため仕掛けておいた複数の精霊で立体積層型魔法陣を展開し、陣で囲まれた内部に居るオブリビオンへと魔を祓う月長石の流星群を展開させていく。自身が戦闘で瀕死になると影の中から万全な状態の同一個体が召喚されるという、非常に厄介な特性を持つオルトロスたちであるが、それならば瀕死に追い込む前に完全に滅すれば良い、シェーラはそんな単純明快な解決方法をとることにしたのだ。それが成せるのも全てユーベルコード『彩色銃技・花燭洞房（アトラクティブガンアーツ・フォールダウン）』の出力があまりに圧倒的であるからこそ。ならばこそ、放たれた流星群は過去最大の殲滅光として具象した。吼えながら、天井知らずに力が高まっていく無限の暴星。渦を成すその力は極彩色に煌めいて周囲を押し潰さんと猛り狂い、オブリビオンたちを鏖殺したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　藤・美雨（健やか殭屍娘・f29345）は全身を強い闘争心で作り上げた気のオーラで覆うことで溢れ出す万能感。漲る力は平均的な猟兵の域を大きく逸脱して、強靭に。ユーベルコード『嶺上開花（リンシャンカイホウ）』の加護を受け、体内で波濤のようにうねる、負けられない、生き抜いてやるという意志力に比例したのぼせ上がるような力の奔流。飛び上がり、宙を反転しながら余裕をもってオブリビオンたちを見下ろす。空中三回転半捻りからの着地と同時に、肘打ち、裏拳、回し蹴り。時には蜥蜴のように地を滑りながら逆手の匕首を奔らせて。対峙するオルトロスたちより速く的確に、手数を追求することで敵手を刻み駆け抜ける。胴体を両断する斬撃は、脇腹を深く抉り魔獣の悲鳴が無造作に耳朶を擽る。こうなってしまえば順当に魔獣は解体されていくだけだ。優れた者が順当に勝つことこそが基本であり、逆は不出来で歪な齟齬。そこに疑問は挟まれないし、闘争という極限状態でもその方程式は聖典として機能していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　見せつけるように、片腕をかざし照準完了。音を奏でるように、指先を躍らせて、眼前に映ったオブリビオンたちの捕捉を完了。死を刻み付けろと言わんばかりに、まるで施しであるかの如く一方的な裁定が紡がれる、全武装の一斉発射。ユーベルコード『フルバースト・マキシマ』の発動と共に放たれた無数の弾丸。
「フルバースト・マキシマをお見舞いするのデース！」
　百、千、万と、空が落涙したかの如く、弾丸が驟雨となりてオブリビオンたちの頭上へと降り注ぐ。放たれた死の礫は全方位に万遍なく襲来し、贔屓も区別もすることなくオルトロスたちを平等に鏖殺していく。バルタンの武装から放たれる密度と圧力はまさに暴風、火力に特化したユーベルコードに相応しい理不尽さだった。天井知らずに上昇していく危険度。歪み、蹂躙されていく景色。破滅のカウントダウンが無慈悲に頂点めがけて駆けあがって圧倒的な出力を掲げてオブリビオンたちを追い詰めたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　銃の内部で光子を強化増幅させて一斉に放つ、高度な科学技術で作られた兵器を重武装モードに変形し、コーデリア・リンネル（月光の騎士・f22496）は自身の移動速度を代償に、フォトンサイクロンの攻撃力と射程距離をユーベルコード『ヘビーアームド・ウェポナイズ』によって強化させていく。次瞬、咆哮と共に猟兵を狙うオルトロスへ爆発的な光子が波濤と化して押し寄せた。本来は隠密性や精密性を重視した武装だが、しかしユーベルコードの出力で放たれたそれはまさしく凶悪な絶殺技だ。武装自体の性能もさることながら、コーデリアの操作技術が脅威度を何倍にも高めていた。優れた兵器を用いることで、操り手の技量が十全に発揮されている。しかしながら、あまりに反動も甚大で衝撃が骨を軋ませ、内臓を揺さぶっていく。脳が震盪し、一撃を放つたびに視界が霞む。其れでも尚――コーデリアは狙いを違えることはなく、オルトロスたちを一体また一体と的確に対処していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ユーベルコード『ぜんそくぜんしん～（ゼンソクゼンシン）』によって生み出された、アリス・ラーヴァ（狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787）の可愛い妹たち。大地を埋め尽くす数というあまりに分かりやすい暴力がオブリビオンたちを後退させていく。たおやかな円舞を描くアリスの鋭腕。その采配に呼応して、愛らしい妹たちもまた一糸乱れぬ陣形で総攻撃を掛けていく。かと思えば、不規則な攻撃パターンを突発的に織り交ぜこちらの前進を揺さぶってくる。オブリビオンの心理を読む機微に関してはまるで蜘蛛のようで実に巧み。幾重にも張り巡らされた策がオルトロスたちを逃さないと言っている。魔獣たちは必至に最短距離で血路を切り開いていく。だがそれも、数え切れない妹たちの軍団にとってみれば可愛い抵抗のようなもの。その程度で総体は揺るぎない。十や百と減った程度で、この猛攻撃からオブリビオンたちが逃れる術はどこにもなかったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　扇ぐことで風や雲や雨を呼ぶ、芭蕉の葉に似た形状の美しい中国扇から生み出された炎を纏ったクロアゲハはオルトロスたちを瞬く間に包囲していく。陽殿蘇・燐（元悪女NPC・f33567）は炎を纏う蝶というあり得ないはずの異常現象を形にしている。轟音と共に空を焦がす爆炎のクロアゲハ。当たれば火達磨を通り越し、骨肉を炭化させる威力を持つそれは呆れることに連射可能というユーベルコードだった。さらに副次効果として、燃焼を起こしながら四方八方へ飛び散る火花が空間を大きく埋める。オブリビオンたちが逃げる場所を限定化しながら、縦横無尽に駆ける敵手を許さない。しかもユーベルコード『炎術：芭蕉扇（エンジュツバショウセン）』を発動するためのアクションは、単に武装を振るうそれだけ。ほんの少し指先に力を入れた瞬間、そこを起点に空間がユーベルコードの法へと組み込まれる。一秒のラグもなく炎を纏ったクロアゲを形成する。そして、脅威はこの出力だけに留まらない、炎上、猛毒、暗闇と――数多な手管で魔獣たちは成す術なく追い詰められていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「UDCメカニックたる者、このクライ動けなくては研究が終わりませんカラネ」
　亜音速に迫る高速移動に加えて、質量を持った空間の歪みによる絶対防御。完成された攻、防、速の三要素がどれも揃っているために、オブリビオンでさえもラハミーム・シャビィット（黄金に光り輝く慈悲の彗星・f30964）には太刀打ちできない。殺し合いにおいて多勢を決する要素は常に出力、速度、防御力。すなわち純然たる能力値であり、大が小を圧倒するという子供でも分かる方程式が厳然と存在するのは、誰の目にも明らかだ。鼠は猫に噛みつけたとして、獅子を前には死を悟る。たとえ攻撃できたとしても、それはあまりに無駄な蛮勇だ。ラハミームのユーベルコード『邪神殺方（ジャシンサッポウ）』のあらゆるに場面において技量が生かされていない箇所など見当たらない。余すことなく、すべてが絶技。あらゆるオブリビオンの不条理をねじ伏せ、その絶技をもって敵手を圧倒していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　戦闘技能と判断速度が常軌を逸して凄まじすぎる。練達などという評価さえ水心子・真峰（ヤドリガミの剣豪・f05970）には侮辱にしかならないだろう、技の極みがそこはあった。悪魔的に積み重ねた経験の量が一挙一動から伺える。あまりの完成度は、よく出来た円舞でも観劇している気分だった。一眼、一足、一考、一刀に至るまで、悉くに意味があり、無駄な行動が微塵もない。歯車のような正確さでオブリビオンたちが繰り出す暴力の風雨を捌くその姿。かと思えば、時に息を呑むほどの博打に打って出る、その豪胆さはまさに猟兵と呼ぶべきか。勝利の流れを嗅ぎつけ、そこに躊躇なく命を懸ける、不合理の中にて生きる理合。王道に、邪道。正統に、我流。機械の持つ合理性と、手繰り寄せた勝ち筋へと、水心子は一迅の影となる。轟雷のような二連、流れるように続けて三連、ユーベルコード『剣刃一閃』を繰り出し続けることで数多のオブリビオンたちを圧倒する。

成功 🔵​🔵​🔴​

「邪魔をするな、オブリビオン――復讐のためなら明日はいらねぇ！」
　獄炎の血に覚醒し、ヴェルンド・ラスリス（獄炎の復讐鬼・f35125）は怨嗟の復讐鬼に変身することで、戦闘能力が爆発的に増大させていく。次瞬――獰猛かつ精密な復讐鬼の轟撃に、悲鳴すら奏でる間もなく壊され続けた。抵抗も、逃走し、防御すらも許されない。突風に吹かれた木の葉のように、ただ哀れに翻弄される。兇悪な体躯似合わぬ異様な高速機動を駆使しながら復讐鬼はオブリビオンを容易く死の間際へと追い込むのだ。これこそがユーベルコード『覚醒する怨嗟の復讐鬼（デッドライン・アヴェンジャー）』、翻弄される光景は、まさに蟻と鬼の力比べ。戦力比はまさに一対百というところか。隔絶していて、ゆえに絶対敵わない。しかし、身が引き裂け裏返るような激痛と悪寒が、細胞レベルでヴェルンドを苛む。禁断のユーベルコードを解き放った報いが、猟兵の血肉を蹂躙。だが、その程度と――反動を踏み越えて放たれる一撃がオルトロスたちを引裂いていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

　戦場に突如、顕現したのは絶対零度の氷結凍園。嵐に吹き飛ぶ瓦礫が如く、氷杭が弾雨と化して襲来した。もはやそれを受けようだとか切り払おうとか、それを探す、避ける、逃げる―そんなことは思いもしない、その数、そして速度に質量。魔獣を藁のように貫通する氷の杭が、散弾に等しい密度で空を裂いて飛翔してくる。しかもこれら、一撃たりとて当たれば必殺というべき程だった。即座に終壁に、床に、天井に、着弾した箇所から咲き誇っていく絶対零度。氷咲・雪菜（晴天の吹雪・f23461）が心を静める事により、視認している対象に放ち続けるユーベルコード『絶零氷柱（アイシクル・ミサイル）』の氷杭がオブリビオンの皮膚を裂き、血管を凍てつかせた。
「絶対零度の氷柱よ、敵に向かい発射しなさい！」
　そこへ駄目押しと言わんばかりに、氷咲は掛け声と共に繊細な動きで眼前の樹氷群をぶち砕く。瞬間、砲撃でも受けたかのように爆砕した氷の破片。恐るべき勢いで撒き散らされた大小様々の氷片は、獲物を追い込む面征圧の弾幕と化してオブリビオンを打ち倒す。

成功 🔵​🔵​🔴​

　戦闘力が増加する巨大狸に変貌した雁野・リジ（たぬき・f34917）は、その巨体で颶風の如く疾走し鉄の爪が唸り、眼前のオルトロスたちを薙ぎ払っていく。突く、殴る、振り回すといった闘争本能に直結した原始的な格闘の動作に、そのままユーベルコード『トリプルどろんチェンジ』の殺傷力が付随する。野獣めいた戦闘センスの主が使うなら、否。魔獣そのものである猟兵が使うならばこれほど厄介な代物もないだろう。結果として、極限にまで研ぎ澄まされたユーベルコードが生み出す猛威は、形容に多言を要さなかった。ご覧の通り、ただ強く。瞭然なほど、ただ速く。ひたすらに圧倒的な武威を見せつけながら、続けて二閃、重ねて三閃、怯むオブリビオンたちへ更に四閃。体勢を崩した相手へと乱れ舞う血風の中、無謬の解体が降り注ぐ。もはや様子見はもう終わりだと、地を這う四足の獣が如く雁野は疾走を開始して更に殲滅の勢いを数段上へと引き上げていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「力というものは、こういうときに使うんだろう？」
　アス・ブリューゲルト（蒼銀の騎士・f13168）は容赦の一欠片すらも見せないと、サイキックエナジーでできた光の剣。刃は青白く光り輝いているフォースセイバーの出力をユーベルコード『コード：ドライブ・ザ・ヒドゥンパワー』で限界を超えて引き上げていく。オルトロスたちのその眼は光彩に眩み、明らかに標的の姿を見失っていた。隙を見逃さず圧縮させた光源を解放し背後へと噴出させる。光の翼を後方にたなびかせながら圧倒的な速度で飛翔、そして加速。向かうは当然、前方直進。オブリビオンたちとの距離を一気に詰め、翼を表面に走らせながら進む光輝は、まさに水平の落雷。踏み込んでの袈裟斬り一刀から、瞬時に返した飛燕の二刀。達磨落としのごとく崩れる肉塊とサイキックエナジーの光を目眩ましとし、飛びこんでの三太刀目は地から天への逆流。流れる閃光、弾ける絶剣。時すら微塵に斬り裂きながら刃の嵐がオブリビオンへと弾け飛んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

「お生憎、まともにやりあう気はないよ♪」
　ユーベルコード『メルク・フィクターズ・フェクター』によって、サエ・キルフィバオム（突撃！社会の裏事情特派員・f01091）は液体金属装甲製の分身を召喚し、その猟兵と同じく液体金属装甲を操る能力により巨大な金属の水流を生み出す。このユーベルコードの特性は戦場でこそ何倍にも高まる。こと多数の意思と行動が入り乱れる流動性の高い状況においては、特に。戦場という状況が荒れれば荒れるほど、彼女の優位性は凄まじく高まる。そして戦場を遍く覆い尽くす液体金属装甲の豪雨が雪崩のようにオブリビオンたちへと降り注ぐ。数多の分身たちから殺到した無数の煌めきが、一帯すべてを蹂躙する。もはやそれは範囲全域に対する飽和殲滅を目的とした爆撃だ。手当たり次第オブリビオンたちを呑込んだ濁流。当然、そこに敵手の逃げ場は欠片もなかった。基本の型など知らぬ存ぜぬ。オブリビオンたちの隙を軽やかに嗅ぎつけて、自由自在な液体金属装甲を捌きにより魔獣を打倒した。

成功 🔵​🔵​🔴​

「そこで、寝ていて、くださいっ」
　集団で襲いかかるオブリビオン、オルトロスの集団の猛攻を掻い潜ると同時に素早い接近からアニカ・エドフェルト（小さな小さな拳闘士見習い・f04762）はユーベルコード『転投天使（スロゥイングエンジェル）』による得意の投げ技を披露していく。挙動は迅速に、足先は精密に、判断は的確に、総じて見切は抜群に――。だからこそ、恐ろしいのはユーベルコード『転投天使（スロゥイングエンジェル）』は敵手へ微塵も干渉しない完全な身体強化だから。己一つを押し上げて、アニカ・エドフェルトという人間兵器が高性能化を果たして、姿勢を崩したオブリビオンへ槌のような回し蹴り、敵手の身体をボールのように吹き飛ばす。躊躇なくさらに追撃、受け止めた魔獣の防御ごと敵手を軋ませ弾き飛ばす。オブリビオンを無理矢理押しのける脊力は今や隕石に匹敵していた。数百トンを優に超える単純な暴力があらゆる相性を突き破り、標的に痛恨の一撃をお見舞いする。

成功 🔵​🔵​🔴​

「…今を生きる人々を害する存在を討つ。それが猟兵としての私の使命よ」
　人間を超越した凄まじい速度、圧倒的な臂力だが、リーヴァルディ・カーライル（ダンピールの黒騎士・f01841）の何よりも恐るべきはその力を制御する戦闘技巧だ。間合いの遥か外から一瞬にしてオルトロスの目と鼻の先へと斬り込む。死者の想念を吸収して力にする、過去を刻み未来を閉ざす黒い大鎌を振るう腕部だけの完全な吸血鬼化を発動。それは暴走する腕を全身で制御し、大鎌の斬撃圏内に入った物を細切れにする最速最多の連撃。紙一重でオブリビオンの攻撃を躱し、捌き、ときに刃の機動を膂力によって強引で変えて剣閃を逸らす。ユーベルコード『限定解放・血の閃刃（リミテッド・ブラッドレイ）』により絶技を惜しみなく駆使しながら、必殺の刃を雨霰とオルトロスたちへと降らせ続ける。手加減なく、躊躇なく、見くびる事無く、徹底的に、完璧に。破裂したオブリビオンの真紅の花が絶命の証と散華した。

成功 🔵​🔵​🔴​

「悪いな。この蒼穹の瞳なら未来を読める……！」
　オルトロスたちの心でも読んでいるのか、攻撃をしかけようとした瞬間に魔獣はその初動から潰される。敵手が跳躍を試みれば、神速の戦神と呼ばれたオブリビオンの呪詛を纏った白銀の妖刀の切っ先が進行方向に飛来した。戦いが始まってから北条・優希斗（人間の妖剣士・f02283）の判断力と先読みが異常なほど正確無比に向上していた。それは蒼穹の瞳で数秒先の未来を視る事で敵手の攻撃を予想する、ユーベルコード『剣王の瞳（ケンオウノヒトミ）』。オルトロスたちからしてみればとにかくすべてが完封されて、何もさせてもらえないのだ。攻撃、防御、回避のどれもが猟兵の剣嵐に追いつかない。炸裂する火花の嵐、乱れ飛ぶ刃の絶風。荒い息が虚しく虚空に溶けていき、悔しさと共に噛み締めた牙からこぼれていく。まさに嵌め殺しと言う他なく、未来予知じみた制圧力にオブリビオンは追い詰められていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　先端に刃をつけた、振り回して戦う長柄の武器のなぎなた。それがオルトロスたちへと戦うために島津・有紗（人間のシャーマン・f04210）が抜き放った武装であった。神霊体に変身することで肉体のスペックを引き上げると、弛まぬ鍛錬と経験が生んだ比類なき戦技が遺憾無く発揮されていく。見た目こそ若い女性だがその実、戦闘の経験は見た目と比例しないほどに積み重ねられている。その結果、並外れた予知能力、経験則から導かれた戦闘者の思考回路が、オルトロスたち異能の発生に先駆けて既に自らの行くべき道を彼女の中に示していた。圧倒的なその判断力と決断速度、オブリビオンは当然追いつけない。紙一重で死の顎門を回避して返礼の一閃。すれ違いざまに二閃。猛然たる速度で間合いが縮まる。時空が歪曲、猟兵は挨拶代わりの一手目を仕掛け無駄や余分など一切なく、呆れるほど的確になぎなたから衝撃波を放つと魔獣たちを次々と血の噴水を生み出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

　刹那、防御など知らぬとばかりにラムダ・ツァオ（影・f00001）は猛攻を仕掛けていく。光の反射を抑えた諸刃の黒い短剣、白鋼を鍛えた脇差の二つのコンビネーションは絶妙でまさに天衣無縫の鋭さで迫り来る。右かと思えば左、左かと思えば右。フェイントを織り交ぜて意識を揺さぶり、少しでも釣られれば神速の一撃がお見舞いされる。オブリビオンの胴体を貫く刃ごと身を翻し、両手の短刀が煌めいたかと思った瞬間、ユーベルコード『剣刃一閃』が解き放たれ、敵手の首があった座標に真紅の噴水が溢れていた。そして追撃の剣戟一閃、次は横一文字の振り抜きがオルトロスたちの身体を上下に別けた。防御に用いた前足ごと、並外れた脊力によってバターのように裁断していく。さらには五月雨の如く迫る魔獣たちの猛攻を、最低限の動作で舞うように躱す、いなす。そして最適な時機を見計らっては反撃の刃を放ち、一体ずつ的確にラムダはオブリビオンたちを解体していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ルーヴェニア・サンテチエンヌ（命短し吼えよ狼　夜は明けねど歌えよ乙女・f13108）は激しい咆哮を放ち、自身の周囲にいるオブリビオンたちを高出力の音波により無差別攻撃する。本来であれば美しい歌声であるが、それをそのまま暴力的な出力に変換すれば見ての通り防御も回避も許さない、絶対的な範囲攻撃を実現する事が出来る。結果――戦場を席巻するは、空間を丸ごと包み込まんとするルーヴェニアのユーベルコード『人狼咆哮』だ。広範囲の音波に飲まれたオブリビオンたちは次々と生命活動を次第に嫁めていく、危機を感じ猟兵へと襲撃をかけるがすべて無駄だ。近づくことで更に咆哮の出力は高まっていくのだ、もはやこうなればオブリビオンたちに為す術もない。開幕からしてオルトロスたちの即座に詰み。それが魔獣たちにもたらされた結末だったのだ。高威力で無差別攻撃の空気振動に飲まれ、オルトロスたちは苦悶と恐怖を浮かべながら無残に死に絶えていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

「空を戦乙女の如き、剣の舞を受けてみなさい！」
　藍原・蒼夜（蒼き宝刀・f23131）はユーベルコード『蒼霊の戦乙女（ソウレイノイクサオトメ）』の力で飛翔しながら、蒼い月の意匠が凝らされ、高い霊力を持っているとされる刀身が長い刀でオブリビオンたちを連撃する。最大速度から一気に急制動をかけ、時にその逆を起こすことで積極的に錯覚の誘導を起こすことも忘れない。直線と円を織り交ぜた動きも攪乱に一役買い、ひたすら感覚をかき混ぜながらオブリビオンの隙に付けこんでいく。一つ、しくじれば腕を切りつけ。二つ、連携に隙間が出来れば肉を剥ぐ。ひたすら相手の心が乱れるように、手間取るように、連携が崩れてしまうように。ついには完全なる死角から撃ち放った、意識の継ぎ目を狙う首刈り一閃。卓越した絶世の剣技で呆気なく捻じ伏せていく。そして、オルトロスたちの複数ゆえに生じた隙を見逃さない。オブリビオンが態勢を立て直すその前に、ユーベルコードを纏いし刃が襲い掛かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　スチームアーマー『Floral Fallal -Full Tune-』を軽々と操り、ニコリネ・ユーリカ（花屋・f02123）はその重量と質量で周囲の雑兵を圧殺した。その様、まさに鎧袖一触。自動車がオブリビオンに衝突し打ち叩くたび、周囲には轟轟たる地響きが生じた。武装それ自体による殺傷力、破壊力もさることながら、恐ろしいのは精神に与える衝撃力だろう。地面を、大気を震わせる一撃に対して本能的な恐れを抱いてしまうのは致し方ない。恐れるなという方が無理な相談であり、オブリビオンでも生物である以上どうしても二の足を踏んでしまう。そんなオルトロスたちの動揺をニコリネは当然逃すはずもなく、ユーベルコード『自走車輌定常円旋回（マッシヴ・ヒップアタック）』から生み出された自動車による超高速スピンを放つことで、敵手を轢殺すべく更に踏み込む。嵐のように吹き荒び、衝突を繰り返す自動車の乱舞。爆発のように轟く衝撃が眼前のオブリビオンを壊滅させていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「回転動力炉の制限を一時解除……これなら！」
　猟兵と共生の関係にある白燐蟲へ力を分け与える補助の効果を持つ白燐蟲使いの術扇に施された、魔力を秘めた扇の回転動力炉の封印をユーベルコード『詠唱兵器のリミットオーバー（エイショウヘイキノリミットオーバー）』によって、天日・叶恵（小さな神社のお狐様・f35376）は解放させていく。そして炉の自動詠唱機能がさらに加速、そして――展開される猛攻は、戦闘ではなく戦争という有様だった。解き放たれた魔力の波濤は点ではなく面による戦いで、相手をねじ伏せ打ち砕くべく凄まじい余波を生みながらオブリビオンたちを侵略していく。天日のたおやかな指先はまさしく指揮者の棒だ。右へ左へ振られるたびに轟音を響かせて破壊の演奏を奏でている。放たれ続ける怒涛の攻めは、まさに正しさで染め上げた最善手だ。正しいことを、正しいとき、正しい様に行い続けてただの一度も間違えず、猟兵はオブリビオンに何もさせぬまま死ぬまで殺しにかかるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「花吹雪は星の煌めき寄りて、禍の者を攻め立てん！」
　レイカ・ヴァンスタイン（銀光精・f00419）は和装人形たち無数の雪柳の花びらに変え、星明りを重ね合わせてきらめく吹雪とする。そして飛び交う花吹雪は、全てがレイカの意思下に統制された軍勢と化す。猟兵のしなやかな指先がオブリビオンを指した。同時に、明らかな指向性と秩序を帯びた雪柳の編隊飛行が進軍を始める。その数、万、億、あるいは兆か、数えきれない量の究極、煌めく吹雪が飛翔する。ユーベルコード『煌星野分（キラボシノワキ）』により生み出された花びらは高速機動する出力の礫であり、斬撃として命中しただけでも結構なダメージがある。その花吹雪の射程に入ったあらゆるものをバターのように容易く微塵に切り刻む。止まらない、止まらない、早く鋭くもっともっと、と――加速を果たす煌星野分。音と風を断ちながら尚激しく、花びらの舞いは続行する。そして不格好なオブリビオンは藁のように蹂躙されたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「もう私の攻撃からは逃れられませんよ」
　稼働音を最小限に抑え悪夢へ誘うかの様に攻撃する、自身のエナジーを増幅する装置のサイレントナイトメアから放たれた光線によって、オルトロスに孔が空く、刳り貫かれる、穿たれ抉られ賜られながら、痛みにのけ反り天を仰ぐ。胸に一つ、肩に三つ、脇腹に左右で二つ、前足に一つ、敵手の五体の各部から湧き出した血の噴水。さらにはユーベルコード『サイレント・ブラッド（サイレント・ブラッド）』によって、レイン・ファリエル（クールビューティー・f17014）はオブリビオンの血の匂いを覚え、敵手への命中力と威力を増強させていく。しかし、重要なのは強化された感覚を適切に活かせるかということであり、だからこそレインは桁外れの戦闘者だった。不和や綻びは欠片もなく、練磨された宝石みたいにすべてが高次元でまとまっている。知覚器官は絶好調、サイレントナイトメアから放たれた光線の回転速度は超高域で安定したまま継続中、あらゆる抵抗を許さずオルトロスを追い詰める。

成功 🔵​🔵​🔴​

「――――斬ります！」
　斬撃と衝撃波同時に放つたび九ツの得物を自由自在に持ち替えながら、燈夜・偽葉（黄昏は偽らない・f01006）はオルトロスたちへひたすらに攻め手を続ける。一切の無駄を削ぎ落とした動きは冴えわたる一方で、まさにオブリビオンを成敗する武神の如く。燈夜が動くたびに斬撃と共に放たれた衝撃波があらゆるものを貫通、無論魔獣のオブリビオンも例外なく、そのユーベルコード『剣よ、風を凪げ（ザンフウ）』に削られるのみだった。鮮やかな黄昏色の刀身はあまりに美しさは、華々しく、幻想的で目が潰れそうなほど眩しく強く。猟兵の操る武装は二刀流どころか九刀流。もはや芸術品とも呼べる絶対無敵の剣術を余すことなく秘技を発揮、納刀と抜刀を繰り返しすことで敵手は残りは数を減らし、オブリビオンは着々と追い詰められるのみ。もはや詰将棋の如き有り様だ。体勢が崩れた一瞬を完璧に予測して放たれる刑戮方程式は、いかなオブリビオンとて回避不能だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「この改造された肉体に、恐れ戦くが良いよ」
　蒼月・暦（デッドマンの闇医者・f27221）は敵を解体する際に用いられる医療器具――細かなノコギリ状の刃を持っている、改造ナノブレードに装着した形状へと、ユーベルコード『デルタ・フォース』によってその身を変貌させていく。もはや猟兵が振るう腕に直撃すればオブリビオンの骨肉を断ち切り、腕を根こそぎもぎ取るだけの暴力を持ち合わせる。血が飛び、肉が削げ、骨ごと命を断ち切らんと交差する斬閃の嵐。必滅を求める改造ナノブレードが驚異的な速度と威力で相手の身体を破壊していく。オブリビオンらは今、暴力的に駆動するミキサーにたたき込まれたようなものだ。ここが勝負どころと見極め、一気に駆け出すと正真正銘真っ直ぐに突っ込み武装を振り抜く。激しく回転するノコギリの刃、驚異的な砕断装置に挟まれた存在は岩であろうと、大地であろうと樹木であろうと大気であろうと、木端微塵の塵と化すまでその存在を許されない。

成功 🔵​🔵​🔴​

　シフォン・メルヴェイユ（夢見る少女・f19704）は自らの体を切り裂き噴出する地獄の炎を纏いながら、オルトロスたちへと柄の部分に金色の時計の装飾が施された、不思議な力をもつ三叉鉾の時詠みのトライデントを抜きは放つ。まさにその一瞬後、オブリビオンの視界を炎が埋め尽くした。轟き渡る爆音と衝撃、熱波、火炎の華。ブレンドされた破壊の焔が、前面から押し寄せて魔獣の身体を焼き焦がす。放たれた紅蓮の炎はシフォンによって、まるで指向性地雷でも浴びたかのように万遍なく、複数の傷を刻み込んでいた。ユーベルコード『ブレイズフレイム』によって凝縮した爆炎を大上段から叩き込めば、地獄の炎によって向上した背力との相乗効果でかつてない破壊力が戦場に響き渡る。激突する斬撃、刹那に咲き誇る火炎の華がオブリビオンの体躯を弾き飛ばす。体勢を整える前に追撃を果たし、さらに二度、三度四度とシフォンは見事に敵手を嵌め殺したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「さぁ、気付く間もなく、仕留めてあげますよ！」
　スピネル・クローバルド（家族想いな女の子・f07667）はオーラを放ち周囲と同系色の見えづらい姿にユーベルコード『ステルス・ハンティング（ステルス・ハンティング）』を解き放つ事で変身し、射程距離と射撃精度共に超一級品のSSWの超技術を用いて作られた、木製の弓『フォレストスナイパー』の威力増強と、背景に同化しつつ移動する事による飛翔能力を得ることでオルトロスたちとの戦いを優位に進めていく。弓の性能本来の有効射程外から貫通した射撃、弓矢は本来の性能ならばありえない精度と速度でもって、激しい螺旋を描きながら飛来していく。ユーベルコードによって実現したその一撃は天を穿つ衝撃を持ってオブリビオンの身体に巨大な穴を造り上げる。よって当然、この機会を逃す手はない。後は不要な逆転劇など許す間もなく、次々に追撃を放ちオルトロスたちの肉体を滅多打ちにするだけだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「この薔薇のように綺麗に滅して差し上げますわ」
　響納・リズ（オルテンシアの貴婦人・f13175）が愛用している魔導杖を無数の白薔薇の花びらに変え、オルトロスを瞬く間に包囲していく。月を象った杖に、青いクリスタルから花びらへと変貌したそれは響納によって手足のように操られると瞬時に白薔薇の刃を最大展開する。無数に包囲された薔薇の花弁はオブリビオンの胴体を嵐の如くが蹂躙し、何十、何百もの鋭い薔薇の刃が魔獣の身体を嬲り尽くす。そしてすかさずもう一陣。可憐な刃が骨格ごと切り離さんと敵手の真芯を貫通した。戦闘が開始して以来、ユーベルコード『白薔薇の嵐（シロバラノアラシ）』による攻撃回数は実に五桁を超えていた。オルトロスが一撃を見舞うたびに最低十回、多い時には数百も斬撃を繰りだしているのだから回転速度の差は歴然と言うべきだろう。もはやこの空間は響納によって掌握されている、しかし――オブリビオンの怪物性、超越性は嫌になるほど痛感しているが故に、最後まで攻撃の手を緩めることは無かったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「あら、口が多いのね、そんなに悪食なら――これでも食らいなさい！」
　チューブ弾倉で固定銃床付きのポンプアクション式の意匠を凝らした装飾を施した散弾銃、漆玖式散弾銃：雷光をオルトロスの頭部を目がけて、風薙・澪（ウィザードウォーリア・f17869）がその撃鉄を鳴らす。至近距離から散弾銃の高速連射射撃によって掃射される銃弾の雨霰は、もはや横殴りの土砂崩れに等しかった。銃口が一斉に暴力を吐き出し、オブリビオンを討ち滅ぼさんと使命を乗せて飛翔する。さらにはユーベルコード『散弾連射（サンダンレンシャ）』によって強化された連射性能によって攻撃の切れ間というものは存在しないに等しいほどで、迫り来る弾丸の煌めきは僅か一瞬で総数四桁に達しながら、数も出力も今なお激しく増大中だ。堅固な城壁さえ貫通する出力が、閉鎖空間に解き放たれ花火のように猛襲している。オブリビオンは幾度と穴を抉られて、無限の苦痛を届けられる。前面から後面に貫通していく殺意の棘は多く、速く、逃げられない。当然、このまま訳も分からず、一方的に蹂躙され命果てるしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「ふむ、君たちなら僕1人で相手をしてみるとしよう。しばしの間、付き合って貰おうかな。オブリビオンさん」
　ガジェッティアである琳谷・花咲音（気ままな異邦人・f35905）の発明した、魔導蒸気機械であるフリントロック式銃から吹き荒ぶ殺戮の熱量。衝撃で耳を襲さんばかりの轟音が響き渡る。容赦も無ければ前兆もない先制は徹底的だ、直ぐさまガジェッティアのしての腕前と武装の特性を遺憾なく発揮し、その銃の形状を散弾銃と変化。今度は点ではなく面で解き放たれる轟火砲。近接の間合いへと潜り込んだ魔獣に対しては、銃身に刃を形成することで銃の勢いを利用したまま流麗な半月の斬撃を描く。そして無論、その攻撃は一度や二度で終わらない。薙ぎ払うように回避した直後、連続して変型と攻撃を同時に行うガジェット、斬、弾、斬、弾と響けば、絶え間なく。到底技師で無ければ理解できないコンビネーション、美しいとさえ思うその連係、銃口が煌めきが瞬くとまるで出来の悪い喜劇のように魔獣の体躯が別たれる。恐ろしいほど綺麗な断面を晒しながら、真っ二つに両断されたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「――全力全開！　一撃必殺っ、喰らえっ！」
　細身の刀身に破魔の文字がびっしり描かれている、仕込み杖のタイプの破魔刀を鳳凰院・ひりょ（天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864）は抜き放った。超高速かつ大威力の一撃を放つユーベルコード『灰燼一閃（カイジンイッセン）』はオブリビオンたちを押しのけて、前へ、前へ、前へ、前へと鳳凰院の追撃は止まらない。唸り来るオルトロスたちの死爪の軌道を読んで探せるのは、冷静な予測と視認が出来ているから。魔獣の剛力に打ち負けないだけの一撃を放てるのは、怖れず前に踏み込めているから。防御も回避も、すべては生存ではなく前進と攻撃のために。回避のための余力すべてを削ぎ落としてここで一気に、攻勢をかける速度へとぶち込んで、オブリビオンたちの胸元に頭から突っ込んで、そして深く斬り裂いた。刃越しの手応えは十二分。紙一重まで引きつけ放った要撃は、リスクに見合った戦果を残していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

「さぁって―――――ボクから逃げられるかな？」
　ワイヤーと蒸気の力で戦場を飛び回り、戦場に残ったオブリビオンたちを阿紫花・スミコ（ガジェットガール・f02237）は次々と打ち倒して行く。縦横無尽なその機動は フック付ワイヤーの射出・巻取りと蒸気噴射により立体的な機動を実現したガジェットにより実現している、さらにはその超高速移動に対処出来るようにユーベルコード『スリーディメンジョンモビリティ』によって知覚が強化されている。一時的な知覚の強化を使いこなせる技量は並大抵のものではない。普通であれば千里眼を手に入れてもそれを十全に活用できず、逆に目に頼る癖がついてしまい総合的にはマイナスだろう。しかし、阿紫花はそれを使いこなすことでどこまでも効率的な死の乱舞を実現していた。既に敗走寸前であるオブリビオンに、もはや太刀打ちできるものではない。速く、速く、速く速く速く速くと――小細工など一切使わず、魔獣をその実力で捻じ伏せる。弛まぬ鍛錬と経験が生んだ比類なき戦技。――それが残ったオルトロスたちを見事に殲滅したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

第3章 ボス戦 『赤錆の騎士』

POW   :    強撃 【瞬時に間合いを詰め、二刀の剣】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。 SPD   :    致命へと繋がる 【剣による打ち払い】が命中した対象に対し、高威力高命中の【刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 WIZ   :    切り裂き詰める 対象のユーベルコードに対し【超常すら切り裂く斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　向・存（葭萌の幽鬼・f34837）は自らの封魂符を捨てると同時に、ユーベルコード『屍身超越』を解き放つことで半オブリビオンモードに変身していく。そんな猟兵へと赤錆の騎士は瞬時に間合いを詰め、二刀の剣による超高速かつ大威力の一撃を放ち、ずぶりとその腹部に一文字を刻み込む。当然、だくだくと溢れる血だったが瞬く間に猟兵からの鮮血の雨だれは止まる。同時に、猟兵は獣が如く疾駆。そして繰り出された前後左右に乱れ狂う打撃の軌跡はまさに変幻自在だ、半オブリビオンモードとなった猟兵は凄まじい程の再生能力と同時に、無限に等しいスタミナを手に入れている。殴る。殴る。殴る――手が砕けんばかりに殴り続ける。骨が軋み、肉が裂けても繰り出す拳を止めはしない。ただただ拳を振りかぶり、相手の顔目がけて突き出し続けた。防御や小手先の技術はもはや関係ない。猟兵そのものを強化するユーベルコードによって底上げされた猟兵、その振るわれる拳がオブリビオンの鎧を打ち叩くたび、周囲には轟轟たる地響きが生じた。十度オブリビオンに斬られるのならば、向はその赤錆の騎士へと二十殴り返していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　連続する復讐の黒十字架の斬撃――武器の構造上ありえないはずの動きで放たれる、それは奇怪な乱斬の嵐。それは地獄の炎を纏わせることで大剣や、斧槍に姿を変える長さ2メートル程の呪われた黒い十字架を繰り出すヴェルンド・ラスリス（獄炎の復讐鬼・f35125）だからこそ可能とするあまりに異能な芸当。斬る、斬る、斬る、斬る――斬って斬って斬り刻みつける、ユーベルコード『変幻自在の憎悪（オーバーフレームヘイト）』によって地獄の炎が更に燃え上がり、眼前の怨敵に相応しい武装へと見る度にその姿を変貌させていく。触れるものみな焼き切る復讐の黒十字架。高出力で叩き込まれる灼熱の雨報のその猛威は、並のオブリビオン相手ならば根こそぎ焼殺していると確信できるほどに凄まじい。単純な強さという王道を武器に、オブリビオンの二刀の剣による超高速かつ大威力の一撃を真っ向から切り伏せ、捻じ伏せ、叩き落とす。更に駄目押し、まだ足らないと、唸る追撃の兜割りでオブリビオンを追い詰めていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

「魔技、メルハンマー！　そぉれどっしーん！」
　高々と戦の名乗りを上げるメル・メドレイサ（蕩けるウサメイド・f25476）の咆哮が響く。鉄甲船『黍団号』の旗、自称船長より予知を出しているのでメルが持たされている『桃印の旗』をユーベルコード『メルハンマー』から解き放たれた魔力で覆う事で巨大なハンマーへと変貌させる。その大型武器をメルは軽々と操り、彼はその重量と質量で眼前のオブリビオンを押し込んでいく。その様、まさに鎧袖一触。単純に重いという武器を繰り出すその武装が地面に叩きこまれると、蜘蛛の巣状の鱗が刻まれその威力を証明させていく。超高速で振り回される巨大な武装というのはあまりに暴力的で、攻撃の速さも射程も、肉弾戦におけるあらゆる要素でオブリビオンに不利を押し付けている。そもそも接近戦という同じ勝負の土台に立とうということが間違いの、圧倒的な武装の隔たりがそこにあった。それでもなお、食い下がるオブリビオンはまさしく脅威でしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　眼前の最大の脅威たる猟兵へと、赤錆の騎士は超常すら切り裂く斬撃を放ち続ける。恐らくオブリビオンの斬撃範囲は目視内全域に至っているのだろう。すべてが必殺という神速の刃に、逃げ場など一寸たりとも存在しない、オブリビオンのそれはさながら弾丸ではなく、剣を放つ機関銃と言うべき異能だろう。それでもなお、音駆螺・鬱詐偽（帰ってきたネガティブアイドル・f25431）を追い詰めきる事を赤錆の騎士は出来なかった。どういうわけか、徐々にだが音駆螺の動きそのものが良くなっているのだ。その絡繰りは当然……ユーベルコード『グッドナイス・ブレイヴァー』から召喚されたライブ配信を行うドローンから届く、視聴者の声援に他ならない。やられてばかりでは番組の盛り上がりに欠けるという、プロデューサーと視聴者の無茶ぶりに答えるべく、なけなしの勇気と魔力を振り絞り最大限まで出力を凝縮、圧縮、圧搾――。ついに放たれた反撃の一撃、肉眼では認識不能な超音速が叩き出す出力の礫がオブリビオンを貫いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

「ようやく会えたな、赤錆の騎士。今こそお前に終焉をくれてやる」
　その双眸に映ったオブリビオンへと、ユーベルコード『デッドエンド・ディアボリカ（デッドエンド・ディアボリカ）』をジン・マキハラ（ブレイズ・オブ・マキナ・f36251）は解き放つ。パイルバンカーには左胸にある終焉炎獄式永久機関の蒼炎を限界まで凝縮し、形成した杭が装填されている。そのような脅威をオブリビオンは当然見逃すはずもなく、瞬時に間合いを詰め、二刀の剣による超高速かつ大威力の一撃を放つ。身のこなし、足運び、そしてパイルバンカーの軌跡を予測する戦術眼、何よりも不屈の胆カ――それらを駆使して圧倒的数的不利においてもなお食い下がっていく様は素晴らしい。なによりも、強大な悪に叛逆し、狂気の堕ちてなお絶望に抗い戦わんとするオブリビオンに対して、ジンはある種の敬意すら抱いている。
「喰らい、貫け、罪狩りの蒼牙――これはお前の黄泉路への手向の一撃だ」
　赤錆の騎士と同時に距離を詰めて二刀の一撃を潜り抜けてその心臓に杭の先端を向ける、“だからこそ”パイルバンカーで心臓を撃ち抜く。吸血鬼を葬る為に心臓を白木の杭で貫くように後は俺達に任せろ、この地は必ず守るという強い意思をその杭に乗せて赤錆の騎士へと放つのだ。止まらない、止まらない、早く鋭くもっともっと加速を果たす英雄舞踏。音と風を断ちながら尚激しく、剣の舞いは続行する。それがあまりに激しいためか、生まれる余波で赤錆の大地の大地は捲り上がるようだった。
「だから、この地で暮らすであろう人々を見守ってくれ。さらばだ赤錆の、いや、この地を守護した一人の高潔な騎士よ」
　的確に自らへ飛来する蒼炎の杭を前に、赤錆の騎士は同時に臆することなく地を蹴り進む。恐らくは完全に朽ちるまで自らが災厄で有り続けるという事を本能的に察しているのだろう。だからこそ、この地に欠片の怨嗟も狂気も錆1つとして残さぬように、その躰が動く限り猟兵へと刃を振るうのだ。
「――吐き出す狂気がまだ足りないっていのなら、その錆が消え去るまで付き合ってやるからよ、とことんやろうぜ」
　そんなオブリビオンに対してジンは再び、相まみえた時のように永久機関の蒼炎を限界まで凝縮し、形成した杭を装填したパイルバンカーを必ず俺たちがお前に勝つと言い放つかのように赤錆の騎士へと構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「吸血鬼化された元騎士団長ですか、一体何を思って日々を過ごしているのでしょうか」
　常に狂えるオブリビオンの声が聞こえると、この赤錆に塗れた大地こそがオブリビオンの騎士の内情を吐露しているのだろう。痛ましい程に伝わる赤錆の騎士の狂気をスピネル・クローバルド（家族想いな女の子・f07667）はその肌に感じ、どうにか騎士へと届けようとＳＳＷの超技術を用いて作られた木製の弓をその手に強く握りしめる。
「――それでは……気付く間もなく、仕掛けていきましょうか」
　ユーベルコード『ステルス・ハンティング』によって、スピネルはオーラを放ち周囲と同系色の見えづらい背景に擬態する迷彩能力を活用しながら、敵手の目を欺くとその死角からの攻撃を試みる。本来であれば擬態する際に必ず残ってしまう痕跡も、ユーベルコードで同時に獲得した飛行能力によって完全に打ち消す事が出来ている。そうして完全なる死角から撃ち放った、意識の継ぎ目を狙う『フォレストスナイパー』の一撃は赤錆の騎士へと吸い込まれるように直撃していく。囮の殺気と、その影で放たれた影矢の本命。速度と威力とともに猟兵のアベレージ、最大出力には至らないその一撃であっても完全に意識の死角を衝かれるという事実はあまりにも綺麗にオブリビオンは翻弄されてしまう。
「さぁ、貴方に私の姿が捕らえられますか？」
　猟兵のユーベルコードに対し超常すら切り裂く斬撃を放ち、相殺するというオブリビオンの特異な異能でさえも起死回生の手管に至らない。常に敵の死角や背後に回り攻撃する事で、スピネルはユーベルコードという手札を伏せたまま赤錆の騎士に立ち回る。
「ずっと吸血鬼化されているのも、辛いものでしょうからせめて私の手で解放してあげましょう」
　人間の神経伝達を遥かに凌駕する速度で自在に振るわれるスピネルの奇襲攻撃、どれだけオブリビオンが全力を尽くそうとも、戦闘機械の予想を超える超常を切り裂く斬撃は繰り出せない。ならば後は罅が入った器から水が零れているように、じわじわと敵手の体力は奪われていく。初見殺しのユーベルコードは初見である限りその真価を発揮し続ける、見識によって対策を講じる赤錆の騎士にとってこの上ない程に致命的な鬼札で敵手を追い詰めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　紬雁・紅葉（剣樹の貴女・f03588）はユーベルコード『巫覡載霊の舞・八威刃（フゲキサイレイノマイ・ヤイバ）』によってその姿をオブリビオンの攻撃を軽減する"剣神"布都主の神霊体に変身しつつ、断ち切った全ての対象を断ち切ったままにできるという、神木から鍛刀した二振りの妖刀の『手名椎・足名椎』の性能を最大限に引き上げていく。
「掛けまくも畏き布都主の遍く剣とす御力お越し畏み畏み申し賜う……！」
　オブリビオンもまた猟兵のユーベルコードに対し超常すら切り裂く斬撃を放ち、相殺する異能を用いて応戦。図らずも同系統の異能対決になった紬雁であったが、流れるように打ち合い、斬りあい、結び合い。スピードのギアを上げながら、より激しく剣神の力を滾らせて赤錆の騎士を睨む。切り返しで跳ね上がって迫る切っ先を迎撃し、ユーベルコード『巫覡載霊の舞・八威刃』を解き放ち高めた背力で大上段から打ち落とすと、必殺の兜割りを騎士へと叩き込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ユーベルコード『最低なオチ要因（サイテイナオチヨウイン）』によって、巨大爆弾を生み出すと赤錆の騎士へと放ち続ける高宮・朝燈（蒸気塗れの子狐・f03207）。圧倒的な出力が恐るべき質量をもってオブリビオンの二刀の剣による超高速かつ大威力の一撃を喰らい、蹂躙する。いつの世も兵器に求められるのは、当たり前に強いということ。切り札以外は脆弱だったり、状況や敵に応じて極端に相性が変化する、そんな力が脚光を浴びるのは往々にして御伽話の中ばかりだ。
「おっきなプレゼント、いっくよー！」
　紛れもなく単純に巨大な爆弾はユーベルコードの最終形態の一つだった。さらに異能の力で弾頭コーティングされた強化巨大爆弾を作りだすとびりびりと大気が振動する。群衆型のオブリビオンであれば、心の臓が潰れているかもしれないほどのプレッシャー。そして――高宮が異能の爆弾をオブリビオンへと投げ込む、その圧倒的な出力が大気そのものを震撼させて破壊を周囲に撒き散らしていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　赤錆の騎士が瞬時に間合いを詰め、二刀の剣による超高速かつ大威力の一撃を受ける装甲の角度一つさえ完璧だ。手首をひねるだけで魔法のように衝撃を受け流し、時に反動すら利用して仇死原・アンナ（処刑人 魔女 或いは焔の花嫁・f09978）は拷問器具『鉄の処女』をモチーフにした、鉄塊の如き巨大剣を振るう加速の燃料に変えてしまう。ユーベルコード『ゲヘナ・フレイム』によって増強された反射神経、圧倒的な臂力を前にオブリビオンの超高速の強撃でさえも真正面からは通じはしない単純な強さという王道を武器に、あらゆる苦難を真っ向から切り伏せ、捻じ伏せ、叩き落とす。更に駄目押し――まだ足らないと、唸る追撃の兜割り。全身を切り裂き噴出する地獄の炎で覆い、敵手を絶対に仕留めるという覚悟と殺意によって全てのステータスを引き上げる、それはかつて英雄たちの戦いを糧に身に着けた戦闘技法。オブリビオンの怪物性、超越性は嫌になるほど痛感している、故に仇死原は手加減なく、躊躇なく、見くびる事無く、徹底的に、完璧に攻撃を繰り出し続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　スーパー・ジャスティス、それは石森・ユリ（強化人間のスーパーヒーロー・f27532）を黄金のオーラで覆い、自らの意志の力に比例した戦闘力増強と飛翔能力を獲得するユーベルコード。その姿は、猛々しくも美々しい英雄の姿そのもの。石森・ユリは、圧倒的な威風を纏いながらオブリビオンの前に単騎で駆ける。平均出力から最大出力へと、ギアを一気に切り替えて石森は赤錆のオブリビオンへと疾駆。素早く滑り込むよう、立ちはだかってみせた。漆黒の髪が舞い上がり、怒髪天を衝くかのように逆巻き躍った。オーラを纏った皮膚が金色の燐光を放ち、スーパーヒーローの総身を輝く神威で彩っている。瞳の中には小さな雷が走っていた。光速で放たれる石森の拳は熱く雄々しく、そして強固で揺るぎなかった。天に轟く雷霆が如く、稲妻のような煌めきは狂気の騎士であろうとも食い止められるものではない、狂おしいばかりの情緒の氾濫を乗せて必殺の一撃をオブリビオンへと猟兵は叩きこんだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　流れる閃光、弾ける絶剣。時すら微塵に斬り裂きながら刃の嵐が弾け飛ぶ。剣による打ち払いが命中した対敵に対し、オブリビオンは更に追撃の高威力と高命中を両立させた刺突を放つ。そんな未来予測を過去・現在・未来の特異点となる座標演算式を纏ったマホルニア・ストブルフ（欠けた年代記・f29723）は瞬時に読み取り、猟兵に対する赤錆の狙いを完全に把握し尽くしたのだ。ユーベルコード『年代記（アカシックレコード）』の積み重ねた記録によって、まるで手に取るように赤錆の騎士の次なる動作がわかる。弓成りの両刃剣の『レヴィアスク』を分割して二刀流の要領で構えると、右刀で上段から振り下ろし、今度は左刀を持って牽制。防御した隙を逆に振り上げた右刀の反動でもって襲撃。迎撃完了――すべて予測通り。一秒以下の時間で繰り出される妙にして剛なる戦技も、理解さえしていれば後は超人としての反射神経で対応すればいいだけだ。そして最後は強引に抉じ開けた騎士の懐に躯の海に引き摺り込む無数の腕を御見舞いさせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

　周囲に狂気を吹き晒す赤錆の騎士へと、ジェイソン・スカイフォール（界境なきメディック・f05228）は制圧を目的とした攻防一体の軍隊格闘術を繰り出す。そんなユーベルコード『正当防衛（セルフディフェンス・アーツ）』に対して、超常すら切り裂く斬撃を放ち、相殺する切り裂き詰めるオブリビオン。打ち合う攻防、大地を揺るがす震脚が鳴り響く。赤錆の大地に蜘蛛の巣状の線が走り、二人の圧倒的な性能を暴力として表現している。
「正当防衛により制圧します！」
　地を踏みしめて拳を鳴らす攻防一体の軍隊格闘術の姿、ゆらりと揺れる身体の動き、それ一つで次の予備動作が途端に予測しにくくなる。オブリビオンにとってはその道理がまったく分からない、完全な未知の技術だ。出鱈目な我流などとは一線を画する独特の奇怪さを有している。緩急を巧みに使い、速度ではなく意識の隙間にねじ込むことで命中精度を引き上げている。つまり極限まで到達した肉弾戦闘の専門家、そんなジェイソンを前にオブリビオンは順当に負傷を重ねていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　高々と狂気を撒き散らす赤錆の騎士の咆哮が響く。その間にも両手に携えた大型武器を軽々と操り、オブリビオンはその重量と質量で周囲から飛来する攻撃の礫を圧殺する、その様はまさに鎧袖一触。ニケ・ブレジニィ（桜の精の王子様・f34154）はそんな赤錆のオブリビオンに対抗すべく、ユーベルコード『ドレスアップ・プリンセス』を解き放つ事で豪華絢爛なドレス姿に変身し、武装の威力増強と、舞い散る花びらによる能力値の底上げをする。ニケは飛来する数条の衝撃波を弾き飛ばした。世界を革命する意志に呼応して光輝く、美しい細身の剣が撓らないよう細心の注意を払いつつ、神速の剣戟で側面を刈るように薙ぎ墜とす。鞘走りを利用した抜刀術の一閃が、狙い澄ましたように赤錆のオブリビオンが繰り出す衝撃波を見事に断ち切る。圧倒的なその判断力と決断速度、オブリビオンが剛ならばニケは柔で押し返す。心技体の体では決して及ばぬなら、猟兵は心技に重きを置くのだ。単純な出力で圧倒的に向こうが勝っている以上、その差を埋め合わせるために他のあらゆる場所から力を調達するだけのこと。オブリビオンの攻撃による反動、遠心力、重力と武器を振るうための単純な腕力以外を手中に収めて、赤錆の騎士を追い詰めていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　剣による打ち払い、その一撃一撃が致命へと繋がる衝撃が間隙を縫うように夕闇霧・空音（凶風・f00424）へと赤錆の騎士は放ち続ける。その密度は線では無く面による絨毯爆撃のような有り様だ。
「全力で全開よ！　――フリーズゼロ、ヒューロニアンモード！」
　そんな苛烈なオブリビオンの攻め手に対して、夕闇霧が繰り出したのはユーベルコード『最終兵装フリーズゼロ・ヒューロニアンモード（フリーズゼロヒューロニアンモード）』。両手を超巨大な冷凍光線砲台に変形し、夕闇霧は身体をその場に固定し、移動不能にすることを代償にフリーズゼロの性能を引き上げていく。その規模、先のオブリビオンの衝撃波すらも圧倒する破壊の礫。仮に回避できたとしても凍結の庭園を生み出して、今度こそこちらが空間そのものを支配下に置くという、二段構えの絨毯爆撃ならぬ絨毯穿撃。直撃せずとも以後の戦闘に大きな有利をもたらしていく。そして当然、それら一刺しどれを取っても、受けることが出来るような軽い脅威では断じてなく。ゆえに必殺、王手詰み。どんなオブリビオン相手でもこれで縊り殺せる、そんな必殺の方程式で眼前の敵手で追い詰めていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

　赤錆の騎士はミスティ・ストレルカ（白羽に願う・f10486）へと瞬時に間合いを詰め、二刀の剣による超高速かつ大威力の一撃を放つ。視界に映るあらゆるものをバターのように容易く微塵に切り刻む、抜刀される無双の神剣。そんな一撃に対してミスティは全身を重心を下げて障壁を張る為に頭を守る姿勢に変えることで、ユーベルコード『魔力性防御障壁（カリスマ・ガード）』を解き放ち無敵の盾を展開させていく。どんな攻撃も防ぐ絶対防御、そんな不条理すらも実現するのが猟兵の繰り出すユーベルコードという名の異能の頂上。それは身も蓋もなく言えば、圧倒的な才能の差だ。陳腐な言葉で表すなら、ミスティ・ストレルカは天才だった。彼女はその神剣を数度防ぐ間で強撃に順応し、僅かに綻んだ攻撃の切れ間へと反撃の牙を突き立てる。右手首の聖痕を保護する白グローブを媒介に美しい散光が赤錆の騎士へと放たれ、続けて二閃、重ねて三閃、突然の反撃に怯む敵手へ更に四閃、怒涛の攻めを繰り出したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「武装ユニットに魔力を集中……。――アウターコード、発動です！」
　それは、無数の円盤状の遠隔操作武装ユニット群。いつの間にか赤錆の大地を埋め尽くすほど膨大なブレードガーディアンユニット『アジサイ』が、数多の浮遊する盾となって月守・咲凛（空戦型カラーひよこ・f06652）の周囲を滞空している。空を震わすユーベルコード『アウターコード・セルディヴィジョン』によって複製された、武装ユニット一機一機が、赤錆の騎士が手に持つ刃に等しいそのおぞましさ。感じる気配の底知れなさは凡百な群像オブリビオンを隔絶している。そして飛び交う遠隔操作武装ユニット群は、全てが月守の意思下に統制された軍勢と化す。月守のしなやかな指先がオブリビオンの騎士を指した。同時に、念動力によって明らかな指向性と秩序を帯びた編隊飛行が進軍を始める。たおやかな円舞を描く猟兵の細腕。その采配に呼応して、ブレードガーディアンユニットたちが一糸乱れぬ陣形で総攻撃を掛け、敵手へと負傷を与えていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ルネ・ロッサ（ブラック・メイドナイト・f27104）は真紅の瞳に覚醒し、ヴァンパイアへとその躰を変貌させていく。ユーベルコード『血統覚醒』によって、戦闘能力が爆発的に増大させる事で張る臂力、避る剛力、爆発する力、力、力、カ――。単純な筋力だけで語るなら、これほど増大させるユーベルコードもそう多くはないだろう。総合力を投げ捨てた握撃を逃れる術など存在せず、同時にヴァンパイアとなった猟兵は密着距離で鋭爪の刃を振るい、オブリビオンの心臓へと突き立てる。ユーベルコードを駆使する猟兵とはいえ、血肉通う生物だ。身体能力、反射神経、代謝の活性化による治癒力の上昇は見込めても、肉体の防御力という概念はそうそう上げられるものではない。ゆえに身体を造り替えるこの異能は単純ながら強力だった。ヴァンパイアとしての能力値と猟兵としての技量による翻弄を合わせれば、まさに移動要塞。並みの攻撃では傷一つつけることさえ叶わず、圧倒的なスペックという暴力を押し付けていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

　猟兵たちの苛烈な猛攻を受け続けて、姿勢を崩した赤錆の騎士へと天玲寺・夢彩（春の大嵐少女・f22531）は強襲を仕掛ける。濃い桜色に金桜の柄の鞘から引き抜かれた、清水と神鋼で鍛え上げられた退魔の霊刀はユーベルコード『桜嵐』により、破魔属性の巨大な桜吹雪を纏ってオブリビオンへと迸る。武装それ自体による殺傷力、破壊力もさることながら、恐ろしいのは精神に与える衝撃力だろう、どれほど訓練された騎士であっても、地面を、大気を震わせる一撃に対して本能的な恐れを抱いてしまうのは致し方ない。恐れるなという方が無理な相談であり、オブリビオンでも元は人の騎士という存在であった以上どうしても二の足を踏んでしまう。
「バーッンとぶつけちゃうよー！」
　神秘的な桜吹雪を背負い、繰り出すその一撃は敵には畏怖を、味方には勇気をというやつである。そう、見映えのするユーベルコードの一撃は単純に格好いいのだ。理にそぐわないと侮るなかれ、この手の異能は実際の優劣以上に戦意高揚を高めてくれる。頼れる味方の活躍は強烈な戦術的優位性を生む重要な決定打だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「聞くがいい！　我が名はレクス・マグヌス！　滅びし都の最後の王！」
　首のない騎士の亡霊たちが漂う辺境の荒野から聞き入れた情報から吸血鬼との戦いに敗れた騎士と、赤錆の騎士の素性を見抜いたレクス・マグヌス（嵐をもたらすもの・f07818）。常に狂えるオブリビオンと成り果てとは言え、部下の忠誠を見るに高潔な騎士だったのかもしれない。ならば、ならばこそ、その魂の安息のため、命脈を断つのが猟兵の使命だと、ハザードを握るその手のひらに一層の力を込める。
「――君のその怨嗟を、慟哭を！　滂沱の狂気を今こそ終わらせて見せる」
　ユーベルコード『妖剣解放』を解き放つことで、致命へと繋がる大剣による打ち払いに立ち向かう。対してオブリビオンはそんな猟兵の瞬時に間合いを詰め、二振りの大剣による超高速かつ大威力の一撃を放つが、しかし遅い。撃ち貫けたのはレクスの高速移動により生み出した囮の残像のみ。赤錆の騎士が強撃を浴びせる場所へ既にレクスは存在せず、地を這うように疾走しながら猟兵は静かにオブリビオンの衝撃波を潜り抜けていた。右へ左へ、風のごとく不規則に。されど時には迅雷と化し、恐るべき緩急をつけながら。迫り来る致命の一撃を紙一重で探しつつ、接近と離脱を繰り返す。
「ダークセイヴァーを救うためにも喰らってやるわけにはいかない、何より、目の前にいる騎士を救うためにもだ！」
　オブリビオンの前進に更にレクスも踏み込みを合わせ、より懐深くへ斬撃を放つ。弾かれた。弾かれた。二振りの大剣と災厄の妖刀が寒気を呼ぶ激突音を鳴らすが、構うものかと。大剣の末端に触れた毛髪が塵に解体されていく様を、スローモーションのように網膜へと焼き付けた。回避の足は止まらない。いや、止められない。一撃致命の攻撃は、捌くだけでも危険を背負ってしまうからこそ駆け抜ける。
「――君の最後を僕は忘れない、だから……安らかに眠ってくれ」
　刹那、戦場を切り裂く災厄の焔を花開かせた。抉り、捻じる、脛骨に食い込んだ禍々しい使い手の命を蝕む災厄の名を冠する魔剣、災厄のその力を極限まで凝縮し、迫る赤錆の騎士をついに――両断した。
　ついに現れた自身を越える者、ようやく生前の無念を晴らせたことに自らの返り血を浴びつつ赤錆の騎士は最後に小さく笑う。破裂したオブリビオンの心臓と共に、鮮血の花が絶命の証と散華した。猟兵たちは狂える騎士を赤錆の大地から解放し、安寧の大地をダークセイヴァーの人々へと届けることができた。この活躍は必ずや、このダークセイヴァーの新たな光となったはずだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年02月17日