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銀河帝国攻略戦⑱~液体に形作られた猛者と

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「ジャミング装置の撃破、お疲れさまでした」
 猟兵達に頭を下げたフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)は難攻不落の帝国大要塞「エンペラーズマインド」も突破しましたしこれで先に進めますねと続ける。
「それで皆さんに向かっていただく先なんですが、先の作戦で所在の判明した帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチが乗る『実験戦艦ガルベリオン』……へ向かう行く手を塞ぐ、アマルテア情報艦隊の元になります」
 このアマルテア情報艦隊はドクター・オロチがブラックタールから着想を得て開発したと言われる『リキッドコンピューター』を搭載した艦隊であり、艦内には粘性の液体が満ちた広いプール空間が存在する。
「この液体自体が情報を蓄積、処理するコンピューターの様ですね」
 その情報処理性能は宇宙屈指で、帝国工作員達が宇宙各地で収集する多種多様な情報を集積、最適な作戦計画を立案してきたのだとか。
「それで、このアマルテア情報艦隊自体の武装は通常艦隊と比べて劣ってはいるんですけど、僕が皆さんを送り出すと皆さんの存在に反応して『強力なオブビリオンを液体で強化再現したモノ』を作りだし、迎撃してくるみたいなんですよ」
 ただでさえ強いオブリビオンを強化再現しているのだ、手を焼くことになるのは間違いないだろう。
「もっとも、相手も本体のリキッドコンピューターという弱点を抱えています」
 その弱点をうまく突くことができたなら、楽に倒すこともできるかもしれない。
「戦いは、僕が皆さんを艦内に送り込みますので、基本的に白兵戦になります。皆さんが戦うことになるのは、地獄宇宙人アビ星人の液体再現体ですね」
 策謀に長け変装もこなす宇宙人だ。
「近接格闘術と光弾の使い手の様ですから、注意すべきはそちらでしょうね。白兵戦ですし。では――」
 グリモア猟兵の少年は、よろしくお願いしますと君たちに頭を下げるのだった。


聖山 葵
 と言う訳で、今回も戦争のお話です。

 液体で作られたボスオブリビオンを撃破するだけのお仕事、ですね。
 弱点をつけば楽に勝てるかもしれませんが、それは皆様次第。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 では、ご参加お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『地獄宇宙人アビ星人』

POW   :    宇宙地獄近接格闘術
単純で重い【宇宙マーシャルアーツ 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    宇宙地獄超次元殺法
【短距離テレポートを駆使した近接格闘術 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【超高速連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    宇宙地獄プラズマ弾
【掌から100,000,000℃の光弾 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠砲撃怪獣・ガンドドンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

高柳・零
POW
なるほど、強力な攻撃をするオブリビオンを作り出すですか。
その攻撃、コンピューターに当てたら…?

先ずは敵の攻撃を受けながら前に進みます。
オーラ防御付きの盾受けで耐えつつ、液状コンピューターの容器に近付きます。攻撃が厳しければ、無敵城塞も使います。

容器に辿り着いたら、容器を背に戦います。
近接格闘2種類は武器受けで方向を変え、 容器に「当てさせ」ます。
プラズマ弾は見切りで避けて容器に当たるようにします。相手も容器に当たらない角度で撃って来るかもしれませんが、その時はオーラ防御+盾受け+無敵城塞で弾いて当てます。
自力でも、メイスの鎧砕きで容器破壊を行います。

アドリブ、絡み歓迎です。


中村・裕美
リキッドコンピューターに【ハッキング】を仕掛け【破壊工作】
ユーベルコードで相手の常識となっているような行動パターンを書き換えて誤作動を起こさせる(例えば「自分を含めた戦闘力の最も高い存在を優先的に攻撃する」「テレポートは必ず相手の背後に出現するのを最優先し、攻撃の仕掛けやすさや出現地点の安全性は二の次」など)
「……電脳魔術……思う存分…味わいなさい」

ユーベルコードを併用していいなら、ハッキング中に【オルタナティブ・ダブル】を使用してもう一つの人格・シルヴァーナに戦闘をしてもらい【時間稼ぎ】
「まあ、ここは適材適所ですわ」
ドラゴンランスで適度に裕美から距離を離しつつ戦ってもらう。


黒岩・りんご
なんとなくですが、わたくしよりもむしろ『喜久子さん』が、あの脳みそパーカーなドクターに一泡ふかせたがっているような感じですよ?
むろん、わたくしもですが…その前に目の前のこれを倒さないとですね

わたくし自身は【巫覡載霊の舞】の神霊体、銀髪に白銀の角の姿になり
同時に相棒の懸糸傀儡『喜久子さん』を準備

十指から伸びる糸で喜久子さんを操りながら、わたくし自身も神龍偃月刀を振るう、ツーマンセルです
喜久子さんを操ってアビ星人と戦わせ、
わたくしはその隙に糸を目一杯伸ばして、プールに向かい、偃月刀を振るっての衝撃波でプールそのものを攻撃しますね
「こちらが弱点、なのでしょう?」
背を向いてても喜久子さんは操れますので



「なるほど、強力な攻撃をするオブリビオンを作り出すですか」
 転送されるなり視界の中、遠方に見えたソレの水面が盛り上がるのを見て、高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)はポツリとこぼした。ただの膨張ではなく、次の瞬間には水面を蹴って飛び出した人型が零たちめがけて走り出す。
「再現体を作りだした時点でわたくしたちの存在は認知されていた訳ですし……」
 迎撃の為に向かってくるには特に驚くことなく、黒岩・りんご(禁断の果実・f00537)は姿を変じた。髪は藍から銀へ。角もまた白銀となり、はいからないで立ちの少女が隣に立って構えをとる。
「それから」
 なんとなくですがと続けたりんごは傍らの少女へちらりと目をやった。それは生身の少女ではなく、戦闘用の懸糸傀儡だ。
「わたくしよりもむしろ『喜久子さん』が、あの脳みそパーカーなドクターに一泡ふかせたがっているような感じですよ?」
 だから、まるで感情が、自我があるように頷くしぐさを人形がしたとしてもそれはりんごの操作によるものなのだろう。
「むろん、わたくしもですが……その前に」
 言葉の途中でりんごは十指から伸びた糸を繰る。それだけで人形は前方に飛ぶ。
「ぐっ」
 ちょうどオーラを纏わせた分厚い魔導書を盾に零が液体で構成された宇宙人のかかと落としを受け止めたところだった。
「目の前のこれを倒さないとですね」
 魔導書の表面を滑って床を打ったかかとは殆ど威力を殺されていたにも関わらず床材を砕き。撒き散らかされる金属片の輝きの中、かかとを床につけ動きの止まった再現体へりんごの懸糸傀儡が襲いかかる。
「まだ、ですよ」
 攻撃直後の硬直を狙われては捌きようもなかったのだろう。だが、人形をけしかけつつりんごもまた動いていた。神龍偃月刀を振りかぶり衝撃波を放つ構えをとりつつも、視線を向けた先は、再現体ではなく、そのはるか先。
「考えることは同じですね」
 一撃を何とか受け止めた零もまた同じ方向へと走り出す。そこにあるのは、液状コンピューターの本体だ。解かりやすい弱点があれば狙わない手はない。再現体を作りだした液体コンピューターから一番勘弁してほしい事態であっただろうが。当然宇宙人は液体コンピューターを守るべく零の後を追おうとし。
「……電脳魔術……思う存分……味わいなさい」
 背を向けた再現体の向こう、仲間が近寄りつつある敵の弱点を渦巻き眼鏡越しに見やりつつ中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は電脳魔術デバイスへと手を伸ばす。
「……ハッキング開始…………これが……貴方の新しい世界」
 電脳空間を展開し、凄まじい指さばきで無表情のまま、彼女なりの戦いを始める。いつかの飛竜と対峙した時の様に足を竦ませていないのは、敵意と攻撃を変わりに受け止めてくれる仲間が、居るからか。
「え?」
 自身を追いかけていた再現体の行動に異常が生じ零が声を上げたのは、この直後。宇宙人はなぜか自分自身を殴ろうとし。
「……直接攻撃するだけが……全てでもない」
 と裕美は言うが、液体コンピューターからすればここまで接近されてからサイバー攻撃に遭うというのは想定外だった。
「こちらが弱点、なのでしょう?」
 だから、衝撃波を放とうとするりんごの言と意図を知覚はできても、おかしくなった再現体を正常に戻し自らの盾とすることは能わない。遮るもののない衝撃波はまっすぐ進んで液体コンピューターへとさく裂し、びくんと身体を震わせた宇宙人が何もない場所ですっ転ぶ。
「これは……やはり、弱点への攻撃は有効そうですね。なら、あの再現体の攻撃をコンピューターに当てたら――」
 一撃の威力については、受け止めたとはいえもはや身をもって知っている零である。液体コンピューターを背にすべく走り続け。
「まあ、ここは適材適所ですわ」
 起き上がると一瞬こちらを見、明らかに迷うそぶりを見せつつも結局零を追った宇宙人を視界にいれつつ呟きながらも裕美はハッキングを続ける。仲間への有効な援護となるのはもう既に証明されていたから。
「そちらばかりに気をとられて、いいのですか?」
 それ以上の接近をやめさせようと零へ追いすがる再現体だが、一人をマークし続けるということは、他の猟兵が完全にやりたい放題出来るということでもある。りんごの声に宇宙人が方向転換しようとした時にはもう遅く、再度衝撃波は放たれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

明石・真多子
宇宙地獄超次元殺法…軟体魔忍として受けて立つよ!

まずは牽制で【タコスミケン】を適当に投げまくるよ。
狙いはこちらへ先に近接攻撃させること!

テレポート近接格闘をしてきたら触手で防御!
それと同時に【アシキリダコ】で身代わりしたら、すぐに足元のタコスミに潜って【タコスミセンプク】で相手の後ろに転移返しで裏を取るよ!

この隙に思いっきり【カイトアッパー】で打ち揚げたら、テレポートできないように【ヒッパリダコ】で伸ばした触手で一気に引き寄せる!

この位置!
ラッシュするのに丁度良い距離に迫ったら四方八方六本の腕で【タコ殴りの術】をブチかます!

宇宙地獄超次元殺法…軟体忍法ほどじゃないけど強かったよ。
サラバッ!


奇亜求・清和
セプテントリオンの皆と協力しつつ戦闘する
ビルドロボットを使い強化したらアビ星人を攻撃する(一撃が重いので注意しつつ、他の人を狙った際など妨害するために攻撃を刺していくであります)
フェイラにはコンピューターの攻撃に集中してもらいアビ星人の足止めを重視する
また他の人が何かしら作戦やコンピューター狙いの場合は援護など協力します

他の人との連携や絡み、アドリブはお任せするであります


ナンナ・ニルヴァーナ
セプテントリオンのみんなと参加。

ナンナ、戦いはちょっと怖い…けど。今は、みんなが一緒。だから、大丈夫。
それに、何もせずに見てるのも、いや、だもん。

強い宇宙人…だけど、コンピューター、壊しちゃったら、きっと困る、はず。相手の攻撃に注意しながら、みんなと一緒に進む。

防御は、まかせて。ナンナを狙ってごらん?小さいから当たらない、かな?なんて挑発しつつ、相手が攻撃体制に入ったら、【オペラツィオン・マカブル】を使用。脱力状態になって受けるよ。
ひっかかったね。その攻撃、お月様(ナンナの操り人形の月のぬいぐるみ)が食べちゃったよ。

みんな、いまのうち、だよ。コンピューター、やっつけちゃえっ。


フェイラ・ノースウィンド
セプテントリオンの皆と参加します
私の役目は弱点のリキッドコンピューターをジャッジメント・クルセイドなどで攻撃していきます
ナンナさん達に防御や足止めをお願いしつつどんどん攻撃していきます(結果的にそのほうが被害が少なくなりそうですし)
またナンナさんが倒されたり足止めする人がいなくなった場合は逃げながらもコンピューターをジャッジメント・クルセイドで攻撃します
何か動きがあれば他の人に声をかけつつ対応できるように注意します
他の参加者がいれば協力して戦います

絡みやアドリブはお任せします


櫻井・クロ
セプテントリオンの皆と頑張るのにゃ!
作戦としてはフェイラお姉ちゃんにコンピューターを攻撃してもらって他の皆でカバーするのにゃ
「たしかに強そうにゃけど皆で頑張れば問題ないにゃ!」
ガチキマイラで攻撃と回復を重視して相手を足止めするにゃ!
高い攻撃力に注意して立ち回るのにゃ
またアビ星人の足止めが十分でコンピューターへの攻撃が足りなそうならそっちのお手伝いにいくのにゃ
「やっぱり本体への攻撃が効いてるにゃね、押しきるのにゃ!」
戦争に勝つためにも負けられないのにゃ!

ネタや絡みはお任せするのにゃ



「これは――」
 転送されて着地した奇亜求・清和(七星軍曹・f01844)が見たのは、急に足が止まりつんのめる宇宙人の姿だった。おそらくは、衝撃波で弱点の液体コンピューターがダメージを受けた影響なのだろう。
「好機でありますな」
 無機物と合体変形しロボになりながら清和は床を蹴る。新手の接近に液体で強化再現された宇宙人の注意は清和へと向き。
「今の内ですね」
 再現体ではなく、本体のコンピューターを狙うフェイラ・ノースウィンド(白にして十字架・f02134)からすれば、この機を逃す手はない。
「申し訳ありませんが」
「うん」
 とは言え、弱点を狙われれば清和を無視して宇宙人が襲ってくることも十分ありそうで、フェイラの言わんとすることを察したのか、ナンナ・ニルヴァーナ(チャンドラ・f03664)は小さく頷いた。
「ナンナ、戦いはちょっと怖い……けど。今は、みんなが一緒。だから、大丈夫」
 そう、この場には清和、フェイラ、そして櫻井・クロ(トラベルキャット・f12090)とセプテントリオンの仲間たちが居るのだ。もちろん、それだけでもない。
「防御は、まかせて」
 ただ何もせず見ているだけは、嫌だったから。スクラップを組み合わせて作った武器で再現体に突きかかる清和の背を追いかけたナンナは追い付くと、その勢いのまま清和の横に進み出る。
「ナンナを狙ってごらん? 小さいから当たらない、かな?」
 ハッキングの影響、本体への攻撃、様々な要因で動きこそおかしくなったりはするものの、再現体とてまったく無抵抗ということもない。挑発したナンナを見据え身体をたわめた宇宙人は、次の瞬間姿を消し。
「宇宙地獄超次元殺法……」
 発せられた声は宇宙人以外のものだった。
「相手にとって不足なし、受けて立つよ! まずは――」
 牽制に明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)の投げつけた墨手裏剣が現れた再現体の身体をかすめ。
「やっぱり、こっちにっ」
 更にもう一度消えてから出現するなり叩きつけて来た拳を真多子は切り取った自らの触腕を身代わりにして回避すれば、攻守は逆転する。
「自分を忘れて貰っては困るでありますな」
 畳みかけるような連続攻撃に移れず足が止まった宇宙人へ繰り出されたのは狙った相手からの反撃ではなく、後方から追いすがってきた清和によるものであったが。
「短距離テレポートもその格闘術も厄介ではありますが――」
 清和には仲間が居る、そして。
「たしかに強そうにゃけど、皆で頑張れば問題ないにゃ!」
 清和たちのカバーに回るつもりだったクロは、宇宙人の方ではなく液体コンピューター本体側へと駆けだしていた。その前方で上方から降り注いだ光が液体コンピュータに突き刺さり、視界の端にコンピューターを指さすフェイラを認めて言う。
「手伝うにゃ」
「助かります」
 どちらかと言えば弱点狙いの猟兵が多かったからだろうか。コンピューター本体を収めておくプールの外壁にはいくつかのヒビが走っており、損傷が酷い個所に至っては裂け目まで生じている。
「いくにゃ!」
 そこにクロが追い打ちをかけるのだ。ネコ科の動物を彷彿させる身軽さで高く跳躍すると身体の一部を獅子の頭に変え、プールの縁を液体ごと噛み千切る。膨大な大きさのプールからすれば、ホンの僅かな損傷のはずだった、だが、そこはすでに衝撃波で裂け目ができて居た場所であり。
「にゃっ?!」
 裂け目が広がり、流れ出て来た液体を着地したてのクロが慌てて避ける。
「これだけダメージを受けて居るようなら、本体を破壊する方が早いかもしれませんね。もっとも――」
 ここまで本体を攻撃されて、守護者である再現体がこちらを全く気にしないとは、フェイラも思わない、だからこそ振り向いて、そこに見た。
「オラオラオラオラオラオラァ!」
 本体のダメージで動きが止まったのであろう宇宙人が真多子に引き寄せられ、複数の腕でサンドバックにされている光景を。ただの雑魚であればそれで終わりだっただろう、だが嵐の様な殴打に曝されつつも再現体は手のひらを突き出し。
「っ」
 殴りつけた反動で後方に仰け反った真多子が先ほどまで居た場所を光弾が通過する。
「あの状況で反撃に出られるとは、敵もさるものでありますな」
 戦慄する清和を気にするそぶりもなく、再現体は再び光弾を作り出す。ただ、宇宙人にとっての不幸は攻撃を待ち構えていた猟兵も居たことであろう。
「ひっかかったね。その攻撃、お月様が食べちゃったよ」
 光弾はナンナの手にしたぬいぐるみの口に吸い込まれたかと思えば、ファンシーなお星さまに変じてぬいぐるみの口から飛び出し。
「みんな、いまのうち、だよ。コンピューター、やっつけちゃえっ」
「やっぱり本体への攻撃が効いてるにゃね、押しきるのにゃ!」
「はい」
 振り返ったナンナと隣のクロの言葉で我に返ったフェイラが再び液体コンピューターのプールを指さした。
「また動きがおかしくなったでありますな」
 こうも弱点を攻撃されてはいかに強化再現されていようとたまったものではない。三人を相手取り、宇宙人は手数でも負けていたのだ。
「宇宙地獄超次元殺法……強かったよ。弱点を突かれていなかったらどうなっていたか」
 ある意味猟兵たちの作戦勝ちとも言えるだろう。本体がかなり深刻なダメージを受けたのか、再現体は真多子を前に棒立ちであり。
「トドメであります」
「サラバッ!」
 清和たち二人の攻撃が突き刺さると傾いだ宇宙人は液体に戻りながら金属質の床へと倒れこんだ。
「後はこのコンピューターを壊すだけですね」
 守護者を失った液体コンピューターに抗う術などない。液体コンピューターの破壊によってその船が完全に沈黙したのは、それからしばし後のことであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月14日


挿絵イラスト