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殲神封神大戦⑯〜咲き誇れ、我愛你

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●存分に愛を滾らせてください!
「俺は、心から愛している。甘味ともふもふをな」
 ……とはいえ箱で在ったためか、まだ愛という感情がよくは分からないが、と。
 そう言いながらも、いきなり甘味ともふもふに告白した筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、いつもの様に微笑んだ後。話を聞きに来てくれた皆へと礼を告げ、予知の詳細を語り始める。

「封神武侠界の人類の祖とされる神、三皇『女媧』の祠まで辿り着いたが。女媧はオブリビオンとして蘇ってはいないようではあるものの、それでもこの祠は「消えることのない炎」と「固まることのない泥」で満たされていて、恐ろしい魔力が充満している」
 猟兵が塒に踏み込めば、突如として「固まることのない泥」に四方を囲まれて。
 その後、泥は速やかに固まり、そして変わるのだという。
「美しい彫刻の施された「愛を語らないと出られない部屋」にな。閉じ込められた者は、愛する誰か、あるいは大好きなもの等について真摯に語ることができれば、この魔力を浄化できるのだという」
 どれだけ自分が、対象の人やものを愛しているのか。大好きで堪らないのか。
 それを熱く語れば、泥が変じた部屋から出られるのだという。
 逆に言えば、愛を語れないと出られないというわけだ。
「言の葉で伝えることは勿論だが、全身で愛を表現してみても良いだろうし。ただひたすら想いのまま語りまくっても良いし。行動で示して見たり、つんでれというような高等な技を使っても良いだろう」
 恋人でも家族でもペットでも趣味でも無機物でも料理でも等々、対象は何でも良い。
 真摯にでも、耽美にでも、甘々やツンデレでも、カオスでも、限界オタク等々でも。
 一人で語りまくるのは勿論、誰かと一緒でも、はたまた愛を告げる相手とでも。それに団体で共通して愛するものがあれば、複数人ででも構わない。
 どのような方向性でも、それは問わないようなので。
 一行で言えば、愛という名のパッションを全力で迸らせればいいと、そういうわけだ。

「俺は、甘味ならば種類問わず愛しているが。特に好きなのは、くれーぷだな。あの、様々な甘味をくるりとひとまとめにした見事な味わいに、様々なものを組み合わせられる無限の可能性。それは語り尽くせぬほどだ。もふもふも、まさに全身全霊、この身を捧げたいほどに愛おしい」
 清史郎はにこにこと、謎にそう甘味やもふもふへの愛を語りつつも。
 掌に満開桜を咲かせ、愛のパッション咲き誇る戦場へと皆を送り届ける。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いいたします!

 こちらは1フラグメントで完結する「殲神封神大戦」の依頼です。
 確実に受付している期間は【1/23(日)朝8:31~1/25(月)朝8:30迄】です。
 追加冒頭はありません。

●プレイングボーナス
 誰か(あるいは何か)への愛を語る。

●シナリオ概要等
 貴方が愛する人やものへの想いを、ご自由に語ってください!
 言葉で紡ぐだけでなく、全身で表現してみたり等、皆様らしくどうぞ!
 真摯にでも、耽美にでも、甘々やツンデレ、カオスでも、限界オタクでも等々。
 全年齢対象のものであれば、どのような方向性でも構いません。
 どうぞ、存分に愛を迸らせてください!
 お一人様からペア、お相手さんと一緒、団体さんででも、お気軽にどうぞ!

 お声掛けあれば、案内役の清史郎や当方のグリモア猟兵もお手伝いします。
 愛を語るための演出や相槌役、聞き役など、ご自由に使っていただければ。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお願いします。

 グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
 ですが、同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 期間内に送っていただいた皆様は、可能な限り全員採用したく思っています。
 ご参加お待ちしております!
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第1章 日常 『愛を語らないと出られない部屋』

POW   :    情熱的に愛を語る

SPD   :    淀みなく愛を語る

WIZ   :    語彙を尽くして愛を語る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

山吹・慧
なるほど、これは中々ですね。
まあ、他に誰もいませんしね。
想いの丈をブチまけるとしましょうか。

あの人に初めて出逢ってからどれ位経ったのでしょう?
所詮は叶わぬ恋とも思いました。
ですが……全て諦めたとしたら
何処へ捨てるというのですッ!
殺しても殺し足りないこの想いをッ!
だからオレは誓ったッ!
オレの宿星にッ! この魂にッ!
届かぬ想いであったとしても
あの人を護るとッ!
あの人の為に終える宿命ならば
この命はおろか魂すら燃やしつくせるッ!
オレがオレであり続ける限り、
オレが戦いぬく場所はあの人の傍だけだッ!
アリス、貴女を愛しているッ!

ふぅ、久方ぶりに熱くなってしまいましたね。
フフフ。



 辿り着いたのは、三皇『女媧』の祠。
 いや……その塒に足を踏み込んだ瞬間、泥に四方を囲まれて。
 あっという間に閉じ込められたのは、予知に聞いていた通り、美しい彫刻の施された部屋であった。
 それも、ただの部屋ではない。
「なるほど、これは中々ですね」
 だが山吹・慧(人間の宿星武侠・f35371)は特に動じることもなく、そうぐるりと視線を巡らせた後。
「まあ、他に誰もいませんしね」
 ……想いの丈をブチまけるとしましょうか、と。
 閉じ込められたこの部屋――愛を語らないと出られない部屋で、いつだって心にある聖女への想いを存分に語り始める。
「あの人に初めて出逢ってからどれ位経ったのでしょう? 所詮は叶わぬ恋とも思いました」
 想いを寄せる聖女は、始めは銀誓館と幾度にも及んでぶつかっては翻弄してきた存在であった。
 そんな彼女と初めて出逢ったのがどのくらい前なのか、正確にはすぐには出てこないくらい前であるけれど。
 でも、当時叶わぬとも思った恋は、その想いは……今でも慧の中で燃え滾っているのだ。
 だって、所詮は叶わぬ恋とも思ったけれど、それ以上に。
「ですが……全て諦めたとしたら、何処へ捨てるというのですッ! 殺しても殺し足りないこの想いをッ!」
 慧は捨てられなかったのだ。狂おしいほど愛しいという狂気にも近いこの想いを。
 そして溢れる想いを言の葉と声にして、続ける。
「だからオレは誓ったッ! オレの宿星にッ! この魂にッ! 届かぬ想いであったとしても、あの人を護るとッ!」
 ――あの人の為に終える宿命ならば、この命はおろか魂すら燃やしつくせるッ!
 それは銀誓館学園を卒業した後、人狼騎士団本部へと向かった時に決めた、己の進むべき道。
 この時代を共に駆け抜けていきたいと――彼女の力になりたいと、そう強く思ったし。
「オレがオレであり続ける限り、オレが戦いぬく場所はあの人の傍だけだッ!」
 自分の居場所は、彼女の傍。だから慧はあの時、一歩を踏み出したのだ。
 そして今も尚、この想いは強くなる一方である。
 ――アリス、貴女を愛しているッ!
 聖女へと向ける、まさに愛というこの気持ちは。
 それから、泥で覆われていた部屋がぽろぽろと崩れ落ちる様を見遣りながら、慧は瞳を細める。
「ふぅ、久方ぶりに熱くなってしまいましたね」
 愛する聖女の微笑みを思い返しつつも、フフフ、とやり遂げた様な笑みを宿しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

深山・鴇
ぜひ聞いて欲しいんだが、いいかい?
(語り足りないの顔をして)
まずは猫、これは俺の御影という猫でね
すごく伸びるんだ、それはもう伸びる
そこが可愛くて仕方ないんだが、時折うちに来る子猫もまたかわいい
手のひらに乗るようなサイズなんだが、へそ天したまま膝の上で寝たり甘えたように鳴くのもすごくかわいいんだ
蛇もいるんだが、これもまた表情はないがその分近くでそっととぐろを巻いていたりしてね…かわいい
あとは鳥だな、筧君はひよこさんだったか
俺に懐いているのはこのくらいの雀なんだが
(手のひらサイズのまんまるを作り)
これが手の中に入ろうとするのが…!
和毛もふわふわで、何時までも触っていられる
まさに皆違って皆良い、だ



 ひとりで延々と語るのも良いのだが、やはり誰かに聞いて欲しいというもの。
 ということで、全然語り足りない様子の深山・鴇(黒花鳥・f22925)が声をかけたのは、この祠へと案内した彼であった。
 ふたりで塒に踏み込めば、あっという間に泥に四方を囲まれ、部屋を成し始めるのだけれど。
 こうなることは分かっていたし、そんなことよりも早く固まって語らせて欲しいと、そわりとすらしてしまう程だ。
 そしてやっと固まれば、早速。
「ぜひ聞いて欲しいんだが、いいかい?」
 ああ、勿論、と。つられてどこかわくそわしている清史郎の眼前に、びよーんと鴇が差し出したのは。
「まずは猫、これは俺の御影という猫でね。すごく伸びるんだ、それはもう伸びる」
「おお、猫さん……! しかも、とても伸びているな」
 ものすごく伸びる黒い猫。さらに、賢くて可愛い。
 かみさまの影から出てきたからか、その黒い猫・御影は毛足こそ短めだが、撫でた感触は艶々しっとり。
 謎の貫禄があって、そしてやはり何といっても、ものすごくめっちゃ伸びる。
 猫さん大好きな清史郎も、ぶらーんと伸びている御影にすっかり釘付けである。
 だが、鴇が語る猫さん愛は、御影だけに留まらない。
「御影のすごく伸びるそこが可愛くて仕方ないんだが、時折うちに来る子猫もまたかわいい」
「子猫さんもくるのか?」
 ますますそわりとしながらも瞳を輝かせて言った清史郎に、こくりと頷く鴇。
「手のひらに乗るようなサイズなんだが、へそ天したまま膝の上で寝たり甘えたように鳴くのもすごくかわいいんだ」
「おお……それは何という可愛さ。俺も愛でたいな」
 何それ想像しただけで可愛いに決まっている……!
 いや、そんな猫さんたちもきゅんとくる可愛さなのだけれど。
「蛇もいるんだが、これもまた表情はないがその分近くでそっととぐろを巻いていたりしてね……かわいい」
 何を考えているのか、じいっとその表情をいくら見ても読めた試しはないのだが。
 くるっととぐろを巻いて、ちょろっと舌とか出したりしたらもう、またかわいいのだ。
 いやいや、猫や蛇もかわいいのだけれど。
「あとは鳥だな、筧君はひよこさんだったか。俺に懐いているのはこのくらいの雀なんだが」
 そう言いながらも鴇が作るのは、手のひらサイズのまんまる。
「これが手の中に入ろうとするのが……! 和毛もふわふわで、何時までも触っていられる」
「ああ、俺もポポ丸というひよこを飼っているから、その気持ちはよーく分かるぞ」
 こう……と同じ様に、清史郎も手のひらサイズのまんまるを作って。
 ぴぃぴぃ、ちぃちぃ、とか共に鳴いてみせながらも、ふふ、と幸せそうに笑う大の男達。
 そんな迸るかわいいものたちへの愛を語っているうちに、四方を囲んでいた泥も気が付けば消え失せていて。
 猫さんも蛇さんも鳥さんも皆愛くるしいな、と笑む清史郎に、鴇はもう一度こくりと大きく頷くのだった。
 ――まさに皆違って皆良い、だ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルクアス・サラザール
清史郎さん、聞いてくださいますか
どうして、俺の魔王陛下はあんなにも愛らしいのでしょう…
いえ、容姿だけの話ではありません
勿論容姿もウルトラハイパーキュートですよ。超完璧美幼女ですよ
ですがその容姿の完璧さを助長するものが幾つもあるんです
魔王としての威厳を磨くべく日々奮闘する姿!
大好きなものを目の前にしてはしゃぐ笑顔!
寂し気に眉を下げる姿や大きな瞳を潤ませて涙を耐える姿だって愛らしくないわけがないんです!
勿論陛下には笑顔で居て頂きたい!けれど色んな経験をしてより大きく成長していく姿を見守りたい!
これは…父性…?いいえ、敬愛です。そして忠誠です
良き臣下として主の成長の機会を妨げるべきではないのです…!



 そしてまた、語っても語っても語っても、語り足りない強火な男がひとり。
「清史郎さん、聞いてくださいますか」
 やはりひとりで存分に思いを語りまくるのも良いが、誰かに話したいもの。
 というか、まだ何も話していないうちから既に顔を覆っているルクアス・サラザール(忠臣ソーダ・f31387)に、ああ聞かせてくれ、と清史郎も微笑んで。
「どうして、俺の魔王陛下はあんなにも愛らしいのでしょう……」
 ルクアスは語り始める。可愛いがすぎる魔王陛下への思いを。パッションを迸らせながら。
 そう、魔王陛下は可愛い。あまりに可愛すぎるのだけれど。
「いえ、容姿だけの話ではありません。勿論容姿もウルトラハイパーキュートですよ。超完璧美幼女ですよ。ですがその容姿の完璧さを助長するものが幾つもあるんです」
 容姿も勿論、超完璧美幼女なのだが。しかし、ただの超完璧美幼女ではないのだ。
 ふむふむ、と聞いている清史郎にルクアスが熱く語るのは、魔王陛下の超絶可愛い日々の姿。
 ――魔王としての威厳を磨くべく日々奮闘する姿!
 ――大好きなものを目の前にしてはしゃぐ笑顔!
「寂し気に眉を下げる姿や大きな瞳を潤ませて涙を耐える姿だって愛らしくないわけがないんです!」
「確かに、聞くだけでも愛らしい御方だな」
「でしょう、そうでしょう! 愛らしい御方なんです!!」
 魔王陛下全肯定過激派なルクアスは、清史郎とぶんぶん握手しながらも。
 けれど、そっと刹那、ふるふると首を横に振る。
 だって、寂しげだったり涙目な魔王陛下も可愛すぎるのだけれど。
「勿論陛下には笑顔で居て頂きたい! けれど色んな経験をしてより大きく成長していく姿を見守りたい!」
 やはり笑顔でいて欲しいし、でもでも、そんな試練を乗り越えてより立派な魔王に成長していく姿もすごく見守りたいのだ。
 そしてルクアスはそんな思いの狭間をいたりきたりしながらも、自ら、己のこの感情に問う。
 ――これは……父性……? と。
 けれどすぐにもう一度首を振り、すぐさまきっぱりとこう紡ぐ。
「いいえ、敬愛です。そして忠誠です」
 だって、勇者の嗜みとしてタンスは漁るしツボは割るけれど、でも自分は魔王陛下の忠実な配下なのだから。
「良き臣下として主の成長の機会を妨げるべきではないのです……!」
「臣下として立派な愛だな」
 清史郎もそう大きく頷くほどの、魔王陛下への愛。
 四方を囲んでいた泥も、いつの間にか消え失せているが。
「それにまた、魔王陛下の可愛さといったら……」
 溢れんばかりの気持ちを綴った団扇を振りながら、ルクアスは清史郎へと魔王陛下の愛をまだまだ語り続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
本当に愛を叫ばなければならないのですか……?
むしろ聞く相手が傍に居る方が問題なのでは
出る為ならば、やむを得ないですが恥ずかしいですよ

真っ先に語り始める倫太郎の言葉に狼狽えて
それでも止める訳にもいかず、耳を塞ぐ訳にもいかず
熱くなった頬を隠すように片手で顔を覆う

……褒め過ぎです
あぁ、でも……応えない訳にはいきませんね

深呼吸して、覚悟を決めて

私は!倫太郎が!好きです!
どんな私も、私だと受け止めてくださる彼の包容力
普段の姿は無邪気な笑顔、少し成長した姿の優しい笑顔
どちらも彼であり、その表情が好きです

それから……私への気持ちを包み隠さずに言える所
直球ではありますが、とても嬉しく思っています


篝・倫太郎
【華禱】
っし!遠慮無く!愛を!叫ぶっ!(バンザーイ)
どうしてこんな……みたいな顔しないでよ、夜彦
ま、聴いてるのは俺だけだし?
大丈夫大丈夫、問題ナシナシ

俺は!夜彦が!好き!
数多ある世界の誰にも負けないくらいに愛してる

生き方も有り様も大切で愛おしくて仕方ないし
その末にある真っ直ぐで、柔軟さも併せ持つ立ち振る舞いも敬愛してる
真っ直ぐ過ぎて不器用で
実は結構怖がりで寂しがり屋な処も
お酒に弱くてすぐに俺の『う』迷子にしちゃうとこも
知的好奇心旺盛なとこも、可愛いモノ好きなとこも
綺麗な髪も優しかったり強かったりする瞳も!
月舘夜彦を構成する……その全てを俺は全身全霊で愛してる

不満も異論も認めない!(ドヤッ)



 いつものように、ふたり一緒に。
 三皇『女媧』の祠へとやって来て、塒に踏み込めば……泥が成した部屋に閉じ込められる。
 けれどそうなることは分かっていたし、何も驚くことなどなかったけれど。
 共に在るふたりの様子は、ある意味対照的であった。
 ここは、愛を語らないと出られない部屋。
 ということで。
「っし! 遠慮無く! 愛を! 叫ぶっ!」
 気合もめっちゃ十分、もういつだってオッケー。
 バンザーイと天へと両腕を掲げるほど、やる気満々な篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)であるが。
「本当に愛を叫ばなければならないのですか……?」
「どうしてこんな……みたいな顔しないでよ、夜彦」
 月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)はまさに倫太郎の言う様に、どうしてこんな、みたいな困り顔。
 けれどそんな夜彦に、倫太郎は笑ってみせて。
「ま、聴いてるのは俺だけだし? 大丈夫大丈夫、問題ナシナシ」
「むしろ聞く相手が傍に居る方が問題なのでは」
 夜彦はそう、倫太郎をちらりと見遣るけれど。
 だが大事なことなので2回言うが、ここは何せ『愛を語らないと出られない部屋』なのだから。
 そう、愛を語る必要があるのだ。
 それは分かっているのだけれど、でもやはり。
「……出る為ならば、やむを得ないですが恥ずかしいですよ」
 本人がいる前で面と向かって言うのは、仕方ないのだけれど……恥ずかしい。
 なんて、夜彦が思っている間にも。
「俺は! 夜彦が! 好き!」
 ――数多ある世界の誰にも負けないくらいに愛してる、って。
 琥珀の瞳に見つめられ、真っ先に語り始める倫太郎の言葉に狼狽えてしまう夜彦だけれど。
 でも、愛を語らないとここから出られないのだ。
 そんなちょっぴりおろおろしている夜彦を見つめたまま、倫太郎は続ける。
「生き方も有り様も大切で愛おしくて仕方ないし、その末にある真っ直ぐで、柔軟さも併せ持つ立ち振る舞いも敬愛してる」
 ……真っ直ぐ過ぎて不器用で、実は結構怖がりで寂しがり屋な処も。
 ……お酒に弱くてすぐに俺の『う』迷子にしちゃうとこも。
 ……知的好奇心旺盛なとこも、可愛いモノ好きなとこも。
「綺麗な髪も優しかったり強かったりする瞳も!」
 倫太郎は愛し気に彼のいろで己の琥珀を満たしてから。
 そして、こう告げる。一等甘く優しい声で。
 ――月舘夜彦を構成する……その全てを俺は全身全霊で愛してる、って。
 それから、ドヤッと胸を張ってビシッと言い切る。
「不満も異論も認めない!」
「……褒め過ぎです」
 愛を語らないと出られないが故に、倫太郎の紡ぐ言の葉を止める訳にもいかず、耳を塞ぐ訳にもいかずに。
 夜彦には片手で顔を覆うことしかできなかったのだ。熱くなったその頬を隠すように。
 けれど、自分をじいと見つめて待っている彼へと視線を向けながらも。
「あぁ、でも……応えない訳にはいきませんね」
 深呼吸して、覚悟を決めて――いざ。
「私は! 倫太郎が! 好きです!」
 耳まで赤く染めながらも、夜彦も心にあるままに想いを紡ぐ。先程の彼と、同じように。
 そして真っ直ぐ向けた翡翠の瞳に、倫太郎の姿だけを映しながらも。
「どんな私も、私だと受け止めてくださる彼の包容力。普段の姿は無邪気な笑顔、少し成長した姿の優しい笑顔」
 ……どちらも倫太郎であり、その表情が好きです、って。
 そして――夜彦それから? なんて。
 そうねだるように笑ってみせる彼に、夜彦は柔い笑みと共に返す。
「それから……私への気持ちを包み隠さずに言える所」
 ……直球ではありますが、とても嬉しく思っています、って。
 まだ火照ったまま引く気配のない頬を、そうっと片手で覆いながらも。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鹿村・トーゴ
愛か
『あい?』(相棒の鸚鵡ユキエが見てくるの逸らさず見つめ返し)
そんじゃ果てしなーく恒久的にたぶん届かない愛の話をするかね?
『ユキエへの愛?』
それは種族の壁的に届かないねェ
『同じ二本足だから大丈夫よ?』
足の数だけじゃ届かねん愛もあるんだぜ…
届かいないっていやぁ星かね
『…ユキエ鳥目だから星よく解んない』
オレは星好きよ?小っちゃい時は漠然と憧れとか…すばる星好きとかだったけど
UDCアースの本とか読んで。
もー!
途方もない距離、億とか超越してるぶっ飛んだ単位に規模
光で過去を見る、嘘みたいな深淵
光と電波、高温ガスの爆発、飛散する塵って色気ナシの饗宴が見せる華麗な現象
どーお?すげー
『…うん(呆』

アドリブ可



 一歩祠へと足を踏み入れれば、どろりと四方から泥が這い寄ってきて。
 あっという間に、閉じ込められてしまう。
 三皇『女媧』の恐ろしい魔力で成された『愛を語らないと出られない部屋』に。
 けれどそれは予知で聞いていたし、出る手段も把握しているから。
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は慌てることなく、周囲を見回しつつも呟く。
「愛か」
『あい?』
 そうこてりと首を傾け反復するように言ったのは、相棒である白い鸚鵡のユキエ。
 そんなユキエが見てくるのを逸らさずに見つめ返しながらも。
 トーゴは語り始める。
「そんじゃ果てしなーく恒久的にたぶん届かない愛の話をするかね?」
 どれだけ手を伸ばしても多分掴むことができないだろう、ひとつの愛のことを。
 ユキエはその言葉に、今度は反対側へと首をこてん。 
『ユキエへの愛?』 
 やはり、じいっと見つめてくるけれど。
「それは種族の壁的に届かないねェ」
『同じ二本足だから大丈夫よ?』
 すぐさま、ほら見て、とアピールするかのように片足を上げてみせるユキエ。
 そんな彼女の様子に、トーゴはそっと溜息をつきつつも。
「足の数だけじゃ届かねん愛もあるんだぜ……」
 そう呟きを落とすけれど……きっと、言って聞かせようとしたところで。
 賢いが気も強いユキエのことだ、納得もしないだろうから。
「届かいないっていやぁ星かね」
 さり気なく話を変えるトーゴ。
 そして少し考えてから、ユキエはふるりと首を横に振る。
『……ユキエ鳥目だから星よく解んない』
「オレは星好きよ? 小っちゃい時は漠然と憧れとか……すばる星好きとかだったけど」
 故郷は鄙びた忍びの隠れ里であったから、夜になると煌めく星が沢山見えて。
 星は意外と身近なものであったけれど。
 同時に、とてもとても遠い憧れでもあって。
 UDCアースの本とか読んで、色々なことを知った。
 それは思っていたよりもずっとずっと、ものすごく壮大で。
「もー! 途方もない距離、億とか超越してるぶっ飛んだ単位に規模。光で過去を見る、嘘みたいな深淵。光と電波、高温ガスの爆発、飛散する塵って色気ナシの饗宴が見せる華麗な現象」
 ――どーお? すげー。
 トーゴは興奮気味に愛を込めて語る。
 きっと届かないけれど、でも、こんなにもわくわくする星の話を。
 そして、星の様に瞳をキラキラ輝かせ語るトーゴの様子を、ちらりと見て。
『……うん』
 部屋を成していた泥が消え去っていく中、ユキエは相槌を一応打ちつつも。
 呆れたような顔でもう一度、こてりと首を傾けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

英比良・與儀
ため息ひとつ、零して
なんで俺がとも思うが、俺は――だから

いろんな愛がある
俺がもつそれは激しいものではないのだと思う
俺がそれを傾けるのは、いつの間にか人の身を得ていた、そう…子とはちょっと違うは、俺が生み出したモノたち
あっちは俺がこの思いを向けてるのを知らねェ
でもそれでいい

俺はあいつらと一緒にいないけれど、何かあれば助けてやりたいと思うし
…いや、本当なら、俺の目の届く所にいて守りたい
けどそれは、きっとよくないだろうから、離れて
何があっても俺からは、手をださない
どうにもならねぇって時以外は

俺は受け入れられなくてもいい、俺が傾けるだけのそれしかない
受け入れてもらえたら、それは幸福なことなんだろうな



 塒に一歩踏み込めば、四方を途端に覆いうねる『固まることのない泥』。
 そんな己を飲み込まんとする泥にも、敢えて抗うことなく。
 英比良・與儀(ラディカロジカ・f16671)が零すのは、ため息ひとつ。
 なんで俺が、とも思うけれど。でも、こうも思いもするのだ。
 ……俺は――だから、と。
 そして泥が固まれば閉じ込められる。『愛を語らないと出られない部屋』に。
 閉じ込められても、出る手段さえ分かっていれば何という事もない。
 隣にいつものように従者がいれば、また違っただろうが……幸いと言っていいのか、今はひとり。
 溜息はやはり零してしまうも、與儀は語り始める。己が思う、愛を。
 愛といっても、それは千差万別。
「いろんな愛がある。俺がもつそれは激しいものではないのだと思う」
 敢えて言の葉で愛を伝えるなんてことは、余りしない與儀だけれど。
 でも、その心の中には、確かに愛という感情を抱く存在がいくつか容易に思い当たるのだ。
「俺がそれを傾けるのは、いつの間にか人の身を得ていた、そう……子とはちょっと違うは、俺が生み出したモノたち」
 最初は、いきなり招かれたどこぞの世界で生計を立てる為に、ということが大きかったけれど。
 刀匠として過ごすうちに、生み出した沢山のモノたち。
 それは、戯れに生んだ花鋏であったり、笑顔と福を呼ぶ招き猫型ガジェットであったり、妖しい医者に頼まれて打った脇差であったりと様々であるが。
 やがて百有余年大事にされた、神が生み出したモノ達は、ひとの身を得て。
 今、それぞれが在るべき場所で、ひととしての時を過ごしている。
「あっちは俺がこの思いを向けてるのを知らねェ」
 ……でもそれでいい、と。
 與儀はそう思うのだ。
「俺はあいつらと一緒にいないけれど、何かあれば助けてやりたいと思うし」
 それはやはり、ちょっと違う感覚はあっても。
 神の水と炎で打った彼ら彼女らは全て、己の子であるから。
 けれどそこまで言って、ふと一瞬言葉を切ってから。
 與儀はこう続ける。
「……いや、本当なら、俺の目の届く所にいて守りたい」
 それはひとりだからこそ紡がれる、心に秘める本音。
「けどそれは、きっとよくないだろうから、離れて。何があっても俺からは、手をださない」
 だがそれでもやはり、與儀は生み出した子達と共に在ることは選ばない。
 それが與儀なりの愛であるし、己にとっても子達にとっても最善だと、そう思うから。
 それに、自分から手は出さないけれど。でも、いつだってこうは思っているのだ。
 ……どうにもならねぇって時以外は、って。
 ちょっとパパだよって言った時に、娘に嫌がられたことは地味にショックであったけれど。
「俺は受け入れられなくてもいい、俺が傾けるだけのそれしかない」
 だって、與儀は――だから。
 けれど泥がほろほろと解けてゆく様を見つめながら、こうもそっと思うのだった。
 ……受け入れてもらえたら、それは幸福なことなんだろうな、なんて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朝沼・狭霧
【風月華】
布団に対する愛を語ります

布団に対する愛
そうそれは、柔らかいと暖かい
語るならばたった二つの言葉だけで語れてしまいます
ですが、寒い寒い冬の朝
布団の外は冷たい空気
でも布団の中にいる私だけは暖かいのです
それだけで幸せです

また布団をかぶると私は外の世界から私が切り離され
ただ暖かくて柔らかくなれます

起きてもいい、また寝てもいい、穏やかな朝の時間
そんな時私はとても幸せだなって思います

そう語りながらそっとリュックサックから布団を取り出し
光ちゃんとベイメリアを包み込んで一緒に寝ようとします

もふもふへの愛も可愛いモノへの愛も
とっても楽しく素晴らしいです(二人をなでなで)

それでは、すやぁ、おやすみなさい


那雪・光
【風月華】
狭霧先生のお布団への愛、ベイメリアのもふもふへの愛、素敵だね! あたしも分かる分かる! お布団ももふもふも、あたしも愛してる!
え、あたしも愛を語らないと駄目……? 何があるかなあ……? BLへの愛? でも、それはこの場に相応しくない気がするし……じゃあ、あたしは、可愛いモノへの愛を語る~!
可愛いモノはいいよね、可愛いモノを愛でてると、すごーい癒される~! ベイメリアのペットのフジモトちゃんも、狭霧先生のフワリちゃんも、ううん、ベイメリアも狭霧先生もみんな、かわいいよね~! あたしも愛でたいな~!
一緒にお布団、入っていいの! わーい、寝る寝る! ありがとう、おやすみなさーい! 幸せ~!


ベイメリア・ミハイロフ
【風月華】

狭霧さま、なんと魅力的なものをお語りに…!
光さま、BL、とは…
はっ!ブラウンロングヘア―!
光さまの美しい御髪の事でございますね!

どちらも素敵でございますけれど
わたくしはもふもふへの愛を語りたく

わたくしのフジモト然り、狭霧さまのフワリちゃん然り
毛皮のふわふわ、温かみそして柔らかさ
そしてその表情や仕草
撫でたり触れたりした際に湧き上がるこの愛おしき気持ち
これに勝るものを、わたくしは存じ上げません!

更にお布団と掛け合わせます事により、より
最強の柔らかさと温かみを感じる事が可能になるのでございます!

さあ、狭霧さま、光さま
お布団にくるまれつつふわふわもふもふ致しましょう!

あ…なんだか、眠気が…



 皆で辿り着いたのは、三皇『女媧』の祠。
 そして『固まることのない泥』で満たされていた塒に踏み込んだ瞬間、突如として泥に四方を囲まれて。
 美しい彫刻の施された部屋に閉じ込められてしまったのだけれど。
 でもこれは聞いていた通りで、出られる手段も把握済みだから。
 慌てることなく、朝沼・狭霧(サギリ先生・f03862)はこう宣言する。
「布団に対する愛を語ります」
 そう……泥で成されたこの部屋は『愛を語らないと出られない部屋』であるのだ。
 しかし逆に言えば、愛を語れば出られるというので。
 狭霧は早速、心に抱くその愛を紡ぎ始める。
「布団に対する愛。そうそれは、柔らかいと暖かい。語るならばたった二つの言葉だけで語れてしまいます」
 柔らかくて暖かい。
 それだけで、愛する布団の魅力は語れてしまうのだが。
 でも、このふたつの言葉に込められた思いはとても奥深い。
 だって、柔らかくて暖かい……それによって齎されるものを、狭霧はよく知っているのだ。
「ですが、寒い寒い冬の朝。布団の外は冷たい空気。でも布団の中にいる私だけは暖かいのです」
 ――それだけで幸せです、と。
 特に今の季節は、布団と離れたくない衝動に毎朝駆られてしまう。
 このぬくぬくふわふわな幸せにずっと埋もれていたい、と。
「また布団をかぶると私は外の世界から私が切り離され、ただ暖かくて柔らかくなれます」
 起きてもいい、また寝てもいい、穏やかな朝の時間。
 これは、布団にくるまっているからこそ感じられる特別なもの。
 だからその柔らかさや暖かさを感じる度に、やはり狭霧は感じるのだ。
「そんな時私はとても幸せだなって思います」
 ほんわか心地良い、この上ない幸せを。
「狭霧さま、なんと魅力的なものをお語りに……!」
 そう狭霧が語る愛に感嘆の声をあげるのは、キラキラと瞳を輝かせるベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)。
 那雪・光(慈愛の聖乙女・f16157)も勿論、同じ様にこくこくと頷くけれど。
「え、あたしも愛を語らないと駄目……? 何があるかなあ……?」
 でも、語られる愛を聞いているだけではこの部屋から出られないようだから。
 うーんと首を傾け考えてみながらも、悩まし気に続ける。
 愛するもの、好きなもの、といえば、まず光思い浮かんだのはこれなのだけれど。
「BLへの愛? でも、それはこの場に相応しくない気がするし……」
 語っていいものか、ちょっと躊躇してしまう。
 いえ、そこに愛があれば、きっとBLを語ってもいいしむしろ聞きたいところであるが……正直、人を選ぶかもしれないし。
 同じBLへ愛があっても、人によっては流派だの地雷などが存在するという、とても繊細なものであるのだ。
 そしてそんな悩まし気な様子の光に、ベイメリアはきょとりとするけれど。
「光さま、BL、とは……」
 すぐさま、はっと顔を上げる。
 BLとは、きっとこれのことだろう。
(「はっ! ブラウンロングヘア―! 光さまの美しい御髪の事でございますね!」)
 そう、にこにこと自分の髪を見つめるベイメリアがそんなことを思っているとは露知らずに。
 光は心に決める。
「じゃあ、あたしは、可愛いモノへの愛を語る~!」
 語るのは、そう……可愛いモノへの愛!
「可愛いモノはいいよね、可愛いモノを愛でてると、すごーい癒される~!」
 そこに存在するだけでも、目にすればたちどころにきゅんっとなってしまう可愛いモノ。
 愛でれば心癒され、幸せでいっぱいになるし。
 何よりも、可愛いは、この世界にあふれているのだ。
 光の周囲にだって、可愛いモノは沢山。
「ベイメリアのペットのフジモトちゃんも、狭霧先生のフワリちゃんも、ううん、ベイメリアも狭霧先生もみんな、かわいいよね~!」
 そう――みんなみんな、可愛くて。
 光はそして、心からこう思うのだ。
「あたしも愛でたいな~!」
 それは、まさに愛。
 可愛いモノは正義、愛でたくなるほどに可愛い。
 そしてベイメリアも、そんなふたりの愛に大きく頷いてから。
「どちらも素敵でございますけれど。わたくしはもふもふへの愛を語りたく」
 続いて語るのは、もふもふへの迸る愛!
 先程、光も言っていたけれど。
「わたくしのフジモト然り、狭霧さまのフワリちゃん然り。毛皮のふわふわ、温かみそして柔らかさ。そしてその表情や仕草、撫でたり触れたりした際に湧き上がるこの愛おしき気持ち……」
 ――これに勝るものを、わたくしは存じ上げません!
 ベイメリアは声高に、そう力説し断言する。
 だって、フジモトもフワリも、柔らかくて温くて可愛くて、もふもふ愛おしい存在なのだ。
 これを愛といわず何という。まさに愛である、愛。
「狭霧先生のお布団への愛、ベイメリアのもふもふへの愛、素敵だね!」
 光もふたりの語る愛の強さを、その言の葉から確りと感じつつも。
「あたしも分かる分かる! お布団ももふもふも、あたしも愛してる!」
 迸る愛に、同意しかない。
 けれど、ひとりひとりが愛すると語ったもの。
 それが合体なんてしたら、一体どうなってしまうのだろうか。
 もふもふへの愛を語りながらも、その無限大の可能性を口にするベイメリア。
「更にお布団と掛け合わせます事により、より最強の柔らかさと温かみを感じる事が可能になるのでございます!」
 柔らかくて暖かくて可愛いもふもふ……なんという愛の倍々増し増し、いや掛け算は掛け算でも、増し増しの累乗!
 そしてその愛と尊さを、身をもって示す。
「さあ、狭霧さま、光さま。お布団にくるまれつつふわふわもふもふ致しましょう!」
 ベイメリアが颯爽と言い放てば、布団愛を語る狭霧がそっとリュックサックから取り出すのは勿論、お布団。
 狭霧はそんなふわふわぬくぬくな布団で、光とベイメリアをくるりと包み込んで。
 そう……仲良く一緒にお昼寝する気です!
 そしてやはり、ふわふわほわほわ。
「一緒にお布団、入っていいの! わーい、寝る寝る!」
「あ……なんだか、眠気が……」
「ありがとう、おやすみなさーい! 幸せ~!」
 布団に包まれれば即、うとうと気持ち良くなって。
 狭霧もふたりとくっつきながら布団に身を委ねれば、すやぁ。
 ――それでは、おやすみなさい。
 すっかり周囲の泥も消えてどこへやら……ぬくぬくもふもふ、幸せと愛でいっぱいな夢の中へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

不知火・藍
【琥藍荘】愛してるぞ選手権
…選手権?
盛り上げておいて私に振るのか

愛か…私にとっては琥珀様そのもの、ですね

そう
気高く愛らしい御姿
無垢な瞳
その奥に隠された芯の強さ
真直ぐで素直な精神
海より深い慈愛の心
何より尊く、愛おしい
琥珀様のためならば例え火の中水のなkへぶっ
何をする…!

こ、琥珀様…っ
主からの愛の言葉に昇天しかけるが
…ぜんも、か…
複雑な感情で世に留まる
殺気?気の所為だ

次はもちろん善人殿の番だぞ
仕返しに煽ってみる、が
…何故私まで
撫でられ瞬き

よし、お返してやろう
遠慮するな

琥珀様?
思考の渦に嵌った主にふと笑み
愛をする、というならば

こういうことでしょう

主の手を取り
ついでに善人も連れて

ほら
扉が開きましたよ


不知火・琥珀
【琥藍荘】
愛してるぞ選手権?
何だそれは
面白そうだな!

らん、らん、愛って、何だ?
ふむ?よくわからんが、らんから大好きを感じる
つまり、大好きが愛なのか
それならかんたんだ

こはくはな、らんが大好きだし、ぜんも大好きだ!
どれくらいかっていうとな、ええとな、ええと…
この部屋より、ずっとずっと、いーっぱい、大好きだぞ!
らんとぜんがいれば、なんだって楽しいし
いつだって幸せだ!
これが、愛だ!

どうだ、合ってるか?
そうか、合ってるか!えっへん!
あっ、こんぺいとう!
こんぺいとうも、大好きだ!
これも、愛?

ところでな、気になってたんだけどな
愛してるって、何だ?
愛を、してる?愛を、する?
愛って、するものなのか?
どうやって?


津々楽・善人
【琥藍荘】
第一回愛してるぞ選手権〜
ぱふぱふ〜
第二回?無いよ

言語化苦手なんで
無垢な問いはまるっと丸投げ
藍さん愛ってなーに?

いやすげぇわ
照れとか無いんか…
瓢箪傾け金平糖ざらざらもぐもぐ観客モード
コイツらほんっまアホやなぁ
(ま 悪かねぇけど)
のんびり笑い

でもね

長ぇ(でこぴん

はーい
俺にも愛をあんがとさん
藍、やめなさい
その殺気仕舞いなさい
俺の事大好きな琥珀くんには金平糖のご褒美

2人が散々語ったし
俺はもう良いっしょ
…だめ?
…ああそう
少し考え2人纏めて頭わしゃわしゃ
はい終わり〜
あっやだ
ときめくから仕返しやめてェ!

うわお子様が何か言い始めた
特に答えない代わり
藍に倣い小さな手を取って
この温もりも愛って奴かもね



 足を踏み入れた刹那閉じ込められたのは、周囲の泥が作り上げた部屋であった。
 そして、そこでいざ、開催されるのは。
「第一回愛してるぞ選手権〜」
 ――ぱふぱふ〜!
 津々楽・善人(綴れ生く・f12578)の言う様に、第一回愛してるぞ選手権〜!
「第二回? 無いよ」
「愛してるぞ選手権? 何だそれは、面白そうだな!」
 第二回は今のところ無いらしいが、善人の言葉に不知火・琥珀(不知火家当主・f06806)も興味津々。
 何せこの部屋は、愛を語らなければ出られないという仕様なのだ。
 まさにここは、愛してるぞ選手権会場に相応しい場所なのである。
 いや、愛を語らなければ出られないという話は確かに聞いていたが。
「愛してるぞ選手権……選手権?」
 そう首を傾ける不知火・藍(藍澄鏡・f06808)に、善人はまるっと丸投げする。
「藍さん愛ってなーに?」
 言語化苦手なんで、とすかさずパス!
「盛り上げておいて私に振るのか」
 丸投げされた藍はそう抗議めいた視線を善人に投げるけれど。
「らん、らん、愛って、何だ?」
 主に見上げられ訊ねられれば、考える間もなく即答するのだった。
「愛か……私にとっては琥珀様そのもの、ですね」
 愛のパッションを迸らせることなど、藍にとっては常なのだ。
 まさに愛してるぞ選手権に相応しく、主への溢れんばかりの愛を語り始める藍選手。
「そう、気高く愛らしい御姿。無垢な瞳、その奥に隠された芯の強さ。真直ぐで素直な精神、海より深い慈愛の心」
 ――何より尊く、愛おしい、と。
 ……いえ、すごくよく知っていましたけど。
「いやすげぇわ。照れとか無いんか……」
 善人は滔々と主への愛を語る藍にそう呟きつつも、瓢箪を傾けてざらざらと。
 甘い言の葉を聞きながら、甘い金平糖をもぐもぐ観客モード。
 そしてぽつりと呟きを落とす。
「コイツらほんっまアホやなぁ」
 ……ま、悪かねぇけど、なんて。
 そうのんびり笑いながら。
 いや、うん……悪かないのだけれど。
「でもね」
「不知火家当主としての立派な振舞い、なのに穢れを知らぬ純粋で尊愛おしい仕草……」
「藍、長ぇ」
「琥珀様のためならば例え火の中水のな……へぶっ」
 ――ビシッ。
 放っておけば、いつまでたってもずっと私のターン状態な従者へと善人が見舞ったのは、でこぴん。
 そんな、全然語り足りない愛の言の葉に水を差されて。
「何をする……!」
 おでこをさすさす擦りながらも、再び善人へと抗議の視線を向ける藍だけれど。
 琥珀は、ある意味素晴らしき模範的なお手本をみせた彼をじいと見つめて。
「ふむ? よくわからんが、らんから大好きを感じる」
 そしてこう結論に至るのだった。
 ――つまり、大好きが愛なのか、と。
 それから、こくりとひとつ大きく頷く……それならかんたんだ、と。
 ということで。
「こはくはな、らんが大好きだし、ぜんも大好きだ! どれくらいかっていうとな、ええとな、ええと……この部屋より、ずっとずっと、いーっぱい、大好きだぞ!」
 琥珀も愛、大好きを語り始める。
「らんとぜんがいれば、なんだって楽しいし。いつだって幸せだ!」
 それから、堂々たる姿で言い放つのだった。
 ――これが、愛だ! と。
「どうだ、合ってるか?」
「こ、琥珀様……っ」
 そんな主からのあまりにも尊い愛の言葉に、昇天しかける藍であるが。
「はーい、俺にも愛をあんがとさん」
「そうか、合ってるか!」
 えっへん! と胸を張る主の尊みを浴びながらも、複雑な感情で世に留まるのだった。
「……ぜんも、か……」
 そう地を這うような怨めしげな声色で呟きをぽつりと落としながら。
 そんな渦巻く感情を自分へと向ける藍に善人は苦笑しつつも、どうどうと嗜める。
「藍、やめなさい。その殺気仕舞いなさい」
「……殺気? 気の所為だ」
 殺気とか気のせいです、ええ!
 むしろこれも主への愛ゆえである。
 いや、主が愛を向けるライバルは何も、善人だけではない。
「俺の事大好きな琥珀くんには金平糖のご褒美~」
「あっ、こんぺいとう! こんぺいとうも、大好きだ!」
 それから琥珀は、手のひらに貰った星の如き金平糖をじっと見つめつつも紡ぐ。
 ――これも、愛? って。
 善人だけではなく金平糖にまで愛を向ける主の姿は、藍にとっては複雑な気持ちながらも、でも何よりやはり尊いのだった。
 ということで、これでもかと愛を語った主従であるが。
「2人が散々語ったし、俺はもう良いっしょ」
「次はもちろん善人殿の番だぞ」
「……だめ? ……ああそう」
 まだ部屋は閉ざされたままであるから。
 仕返しに煽ってみた藍の声に、そう言って少し考えてから。
 ふと、善人は両腕を伸ばす。
 やっぱり、言語化は苦手だから。
 伸ばしたその手で――ふたり纏めて、頭をわしゃわしゃ。
「はい終わり〜」
「……何故私まで」
 琥珀だけでなく思いがけず自分も撫でられ、ぱちりと藍は思わず瞬くけれど。
「……よし、お返してやろう。遠慮するな」
「あっやだ、ときめくから仕返しやめてェ!」
 すかさず手を伸ばし返して、仕返しを。
 そんなわちゃわちゃ戯れているふたりに、琥珀はふと改めてこう訊ねるのだった。 
「ところでな、気になってたんだけどな」
 ――愛してるって、何だ? って。
 それから、うーんと首を傾けつつも、自分でも考えてみる琥珀。
「愛を、してる? 愛を、する? 愛って、するものなのか? どうやって?」
 愛が大好きみたいなものだということは、何となくはわかったけれど。
 でも、愛するということが、考えてみてもよくわからなくて。
「うわお子様が何か言い始めた」
 それを口にすることがやはり苦手な善人は、思わずそう呟きを落とすけれど。
「琥珀様?」
 思考の渦に嵌った主に、藍はふと笑んでから。
「愛をする、というならば」
 ――こういうことでしょう、と。
 そっと手を伸ばして取るのは、主の小さな手のひら。
 善人も、言葉では特に答えない代わりに。
 藍に倣って反対側の小さなその手を取って。
「ほら、扉が開きましたよ」
 仲良く3人で手を繋いで、開いた部屋の出口へと。
 そして、ふたりと並んで歩きながらも、琥珀は笑みを向けて。
「らん、ぜん、愛はあったかいな!」
 こはくも、愛をするぞ! と、握る両手をぎゅうっ。
 そんな無垢な主の愛を与えられ、またその尊みに天に召されかける従者に笑いながらも。
 善人は、手から伝わるあたたかさに思うのだった。
 ――この温もりも愛って奴かもね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
語る対象、甘味でもいいと聞いて
もふもふとも悩んだけどね
筧さん、一緒に閉じ込められて(言い方

あ、ところで…この前の毒料理戦場での事は忘れてくだしゃい…
うろ覚えだけど…なんかやらかした気がする…(恥

疲れてる時もそうじゃない時も、甘いもの食べると幸せな気分になるよね
種類によって食感も全然違うけど
甘味には等しく魔法でもかかってるんじゃないかと思うくらい
フルーツ系なんかは色合いも鮮やかで、見てるだけでも楽しくなっちゃう
…語ってたらお腹空いてきちゃった

そうだ、僕新しくこの世界の甘味も覚えたんだ
筧さん、この世界の甘味だったら何が好き?
まだレシピに忠実にしか作れないけど
もっと練習して、今度作ってあげるね!



 三皇『女媧』の祠に満ちているのは、恐ろしいほどの魔力。
 そして足を踏み入れた者を、たちどころに泥が呑み込んで閉じ込めるのだという。
 美しい彫刻が施された、『愛を語らないと出られない部屋』に。
 だがこの祠を通らないことには、戦争に勝利をすることもできないから。
「語る対象、甘味でもいいと聞いて。もふもふとも悩んだけどね」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、女媧の塒に踏み込む。
「筧さん、一緒に閉じ込められて」
 此処への転送を担った、彼と共に。
 そんな澪の誘いに、ああいいぞ、といつも通り微笑む清史郎であるが。
 澪はちらりと彼を見上げながらも、こう続ける。
「あ、ところで……この前の毒料理戦場での事は忘れてくだしゃい……」
 うろ覚えだけど……なんかやらかした気がする……、なんて。
 ちょっぴり恥ずかしそうに告げるけれど。
 返ってきたのは、あの桃源郷の宴もとても楽しかったな、とにこにこ紡がれる言の葉。
 でも今回はあの時みたいに、妙な毒とかはないみたいだから。
 澪は気を取り直して愛を語る。大好きな甘味への愛を。
「疲れてる時もそうじゃない時も、甘いもの食べると幸せな気分になるよね」
 どんなスイーツでも、口にひとたび含めば、ふわりと広がる幸せな甘い味わい。
 ひとことに甘いものといっても、その種類は無限大であるのに。
 だがどの甘味においても、共通して感じるのだ。ほわほわと癒されるような幸せを。
「種類によって食感も全然違うけど、甘味には等しく魔法でもかかってるんじゃないかと思うくらい」
「甘味には魔法がかかっている、か。確かにそうかもしれないな」
 そうこくりと強く頷く、とんでもない甘党な清史郎。
 いや、味は勿論のことなのだけれど。
「フルーツ系なんかは色合いも鮮やかで、見てるだけでも楽しくなっちゃう」
 鮮やかな彩りで飾られた見目のスイーツは、食べる前からわくわくと心踊るのだ。
 そしてふたりでキャッキャと、甘味への愛を語り合っていれば、ぽろぽろと泥の部屋が崩れ落ちはじめて。
 その様を見ながらも、澪はこう呟きを零すのだった。
 ……語ってたらお腹空いてきちゃった、って。
 それから、何も阻むもののなくなった祠を並んで歩きながらも、澪はこう清史郎へと訊ねてみる。
「そうだ、僕新しくこの世界の甘味も覚えたんだ。筧さん、この世界の甘味だったら何が好き?」
「マンゴープリンはとても美味で気に入ったが、杏仁豆腐やごま団子も捨てがたいな」
「まだレシピに忠実にしか作れないけど、もっと練習して、今度作ってあげるね!」
 そんな澪の言葉に、清史郎は楽しみだ、と笑んでから。
 にこにことこう続ける――美味な甘味を作ってくれる澪は魔法使いの様だな、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふええ、愛を語るなんて無理ですよ。
恋だってまだなのに。
アヒルさん、どうしましょう。
ふええ、アヒルさん痛いですよ。
泣き言を言っている暇があったら、私が好きな物を探せって確かにそうですけど突かなくてもいいじゃないですか。
それに好きなものはもう見つけていますよ。
私はアヒルさんのことが好きです。
いつも厳しく時々理不尽なことをするけど、いつも私についてきてくれる。
そんなアヒルさんが大好きです。
・・・、ふええ、アヒルさん何で突っつくんですか?
いつもより激しいような、もしかしてアヒルさん照れているんですか?
ふええ、私だって恥ずかしいんですから突かないでください。



 やってきた三皇『女媧』の祠で、大きなつばの帽子を押さえながら、おたおた。
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)は大きな問題に直面していた。
 あっという間に四方を泥に囲まれて、できた部屋に閉じ込められたことは、予知で聞いていたけれど。
 この部屋は何せ、『愛を語らないと出られない部屋』。
 読んで字の如く、愛を語るしか出る手段がないのだけれども。
「ふええ、愛を語るなんて無理ですよ」
 フリルはそう、ふるふると大きく首を横に振るばかり。
 ……恋だってまだなのに、って。
 恋をして、そして恋が愛へと変化する……みたいな段階を踏むものであると認識しているけれど。
 愛の前提である恋も、フリルにとってははっきりとまだ意識したことがないのだ。
「アヒルさん、どうしましょう」
 フリルはそうアヒルさんへと、ヘルプの視線と言葉を向けてみるけれど。
「ふええ、アヒルさん痛いですよ」
 ……泣き言を言っている暇があったら、好きな物を探せ。
 そう、鋭いくちばしでツンツンと突かれてしまう。
「確かにそうですけど突かなくてもいいじゃないですか」
 フリルはアヒルさんに訴えた後、こう続けるのだった。
「それに好きなものはもう見つけていますよ」
 ――私はアヒルさんのことが好きです、って。
 そしてアヒルさんへと視線を向けながら、心に抱いている想いを紡ぐフリル。
「いつも厳しく時々理不尽なことをするけど、いつも私についてきてくれる。そんなアヒルさんが大好きです」
 けれど……語り終わった刹那、ツンツンツンッと。
 再びアヒルさんに突かれて、思わず瞳をぱちくり。
「……、ふええ、アヒルさん何で突っつくんですか?」
 しかも何だか、いつもより激しいような気がして。
 瞬間その理由に、ピンとくるフリル。
「もしかしてアヒルさん照れているんですか?」
 そしてそんな言葉に、アヒルさんは。
「ふええ、私だって恥ずかしいんですから突かないでください」
 その心境は、嬉し恥ずかしの照れなのかどうなのかは、答えてはくれないけど。
 閉じ込められていた泥の部屋も、いつの間にか跡形なく消え失せている中で。
 いつもより余計に、ツンツンフリルのことを突きまくるアヒルさんであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
❄花狼

愛……ヴォルフのことは勿論大好きよ
孤独だったわたくしを救い、守って、共に人生を歩んでくれた人

ヴォルフだけじゃない
精霊のたまごから孵ったルミナにフランム
海の泡から生まれたアジュア
この子達は二人の子供にも等しい存在
大切な家族

勿論、愛が齎すものが良いものばかりではないことを
時に深い悲しみや争いや絶望を生み出すことも知っている
此度の戦争で戦った妲己のように……

それでも、その絶望に苛まれた心を救ってくれるのもやはり『愛』
大切な家族が、仲間がいたからわたくしは何度も立ち上がれた

妲己とも約束したの
彼女が望み果たせなかった『憂いなき希望の未来』を築くと
この暖かい光が、人々の心に満ちるように……


ヴォルフガング・エアレーザー
❄花狼
ヘルガと出会う前の俺は、愛というものを知らなかった
実の両親の顔も知らず、幼少期は狼に育てられ、長じてからは傭兵稼業
愛の意味を知る前に、周囲の人々は死んでゆく

刹那に生きる孤独な心を永遠の大地に繋ぎとめてくれたのは
ヘルガ、お前の優しい心だ
精霊の子らと出会えたのも、そして新たな『家族』を得ることが出来たのも
お前がいてくれたからだ

悪意に貶められ絶望に涙した彼女の姿
そして彼女を傷つけた者への激しい怒り
それらの負の感情もまた愛が齎すもの
だがそれすらも、邪悪を滅する力と変えられるならば

お前と出会わなければ、俺はこの暖かさを知ることはなかっただろう
何度でも言おう
俺は愛するお前をいつまでも守り抜くと誓おう



 訪れた祠には、予知に聞いていた通り、恐ろしい魔力が充満しているのを感じて。
 塒に踏み込めば、突如として自分達を飲み込まんと、泥が周囲を覆うけれど。
 だが、ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)に微塵も動揺した様子などない。
 泥が成した部屋に閉じ込められても、隣にいつも在るヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)と一緒であるし。
 それにこの部屋から出る手段を知っているから。
 そう……ここは『愛を語らないと出られない部屋』。
 逆に言えば、愛を語れば出られるという事だ。
 愛、それをヴォルフガングは知らなかった。
「実の両親の顔も知らず、幼少期は狼に育てられ、長じてからは傭兵稼業」
 愛の意味を知る前に、周囲の人々は死んでいったから。
 けれど、彼はそれを知ったのだ。ヘルガと出逢ったことで。
「刹那に生きる孤独な心を永遠の大地に繋ぎとめてくれたのは、ヘルガ、お前の優しい心だ」
「愛……ヴォルフのことは勿論大好きよ。孤独だったわたくしを救い、守って、共に人生を歩んでくれた人」
 それはまた、ヘルガも同じで。
 孤独だったその心を満たしてくれたもの。それこそヴォルフガングの、そして彼への愛であった。
 そして彼と出逢って、ヘルガは沢山の愛を知ったのだ。
「ヴォルフだけじゃない。精霊のたまごから孵ったルミナにフランム、海の泡から生まれたアジュア。この子達は二人の子供にも等しい存在」
 ――大切な家族、と。
 自分達に寄り添う愛し子たちへと抱く想いもまた、愛で。
「精霊の子らと出会えたのも、そして新たな『家族』を得ることが出来たのも、お前がいてくれたからだ」
 大切な家族との出逢いもまた、愛があったからこそ成せた絆であるのだから。
 けれど、愛を知ったからこそ、分かったこともある。
 愛は心を満たすものであると同時に。
「勿論、愛が齎すものが良いものばかりではないことを、時に深い悲しみや争いや絶望を生み出すことも知っている」
 時には、悲しみや憎しみなどを引き起こす可能性も孕んでいることを、ヘルガは知っているのだ。
 此度の戦争で戦った、妲己のように……。
 ヴォルフガングもまた、愛を抱くが故に、己の心に生じる様々な感情を知っている。
(「悪意に貶められ絶望に涙した彼女の姿。そして彼女を傷つけた者への激しい怒り。それらの負の感情もまた愛が齎すもの」)
 けれどふたりはそれでも、愛することを決して止めることなどないのだ。
 だって、それ以上に思うから。
 ――だがそれすらも、邪悪を滅する力と変えられるならば。
 ――それでも、その絶望に苛まれた心を救ってくれるのもやはり『愛』。
「大切な家族が、仲間がいたからわたくしは何度も立ち上がれた」
「お前と出会わなければ、俺はこの暖かさを知ることはなかっただろう」
 今の自分達が在るのは、愛があったからこそなのだから。
 だからヴォルフガングは、ヘルガへと告げる。
「何度でも言おう。俺は愛するお前をいつまでも守り抜くと誓おう」
 彼女への愛が、誓いが、自分を奮い立たせ強くする。
 だから、ヴォルフガングは何度だって誓うのだ。何よりも誇れる、この愛という想いを。
 そんな彼の愛に、ヘルガも微笑んで返して。
「妲己とも約束したの。彼女が望み果たせなかった『憂いなき希望の未来』を築くと」
 そしてそれを果たすべく、崩壊した部屋から前へと歩み出す。愛する彼と一緒に。
 この暖かい光が、人々の心に満ちるように……そう、願いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイ・ストレイス
【黒】
君は何だか僕の事を誤解している節がある様だから、一度きちんと話しておかねばと思ったんだよ
という訳で、語らおう

先ずは、そうだな――イマジナリー猫様を喚んでおくね(突然の召喚)
ふふ、この艶々の毛並、極上の感触
好奇心や首領本能に応じて輝く宝石の双眸、愛らしく働くお耳やお鼻
爪先から尻尾に至るまで、時にまるく時にしなやかなラインを描く、伸縮自在の完璧な肉体
ぷにぷにとした魅惑の肉球
ふっくら可愛い口元や手元から不意に閃く鋭い爪牙
ごろごろと心地好い音を響かせる喉
突然のごろ寝、突然のお戯れ――気紛れに人を魅せて止まぬ仕草の数々
(以外略)
嗚呼、全身でくまなく可愛いを体現する至高の存在!

君も解ってくれるよね!


呉羽・伊織
【黒】
あの~、何でココにオレと??オカシイよネ??
(既に嫌な予感しかしないんで、同類には同類をぶつけ――コホン、話が合いそーな清史郎を呼んでおく)

いやいきなり何喚んでんの!?
対抗手段お呼びして正解だった…清史郎…後の相手は頼むヨ…
(止まりそーにない熱弁に遠い目で――
イマジナリーネコチャンと遊ぼーとしたらいきなりパンチされ更に遠い目)

カワイイのは同意ヨ
甘えてくれるどころか素気ない塩対応もある意味良い…
ヒトをはむはむざりざり玩具にして弄ぶ小悪魔っぷりとかもいっそ良い…っ
ツンデレ最高…っ

でもキミと同類にはされたくないカナ~!

益々愛が深まったよーで何よりダヨ(誤解てかヤバイ輩という理解が深まった顔で)



 三皇『女媧』の祠へと踏み込めば、泥に覆われた部屋に呑まれ、閉じ込められしまったけれど。
 それは聞いていたから分かるし、別に驚かない。
 けれど、閉じ込められた呉羽・伊織(翳・f03578)には疑問しかなかった。
「あの~、何でココにオレと?? オカシイよネ??」
 だってここは、『愛を語らないと出られない部屋』であるというのに。
「君は何だか僕の事を誤解している節がある様だから、一度きちんと話しておかねばと思ったんだよ」
 そう自分の前で微笑んでいるのは、レイ・ストレイス(狂咲・f16504)である。
 愛を語らないと出られない部屋に、野郎と閉じ込められているという現状。
 それに疑問しかないうえに、既に嫌な予感しかしないし。
 同類には同類をぶつけ……いや、話が合いそうな清史郎も呼んだものだから、野郎度が上がっている。
 けれど、そんな伊織の憂いもどこ吹く風で。
「という訳で、語らおう」
 レイは颯爽とそう紡いだ後。
「先ずは、そうだな――イマジナリー猫様を喚んでおくね」
 溺愛している不思議な猫さんを、突然の召喚……!?
 さらに。
「いやいきなり何喚んでんの!?」
「おお、猫さん……!」
 イマジナリー猫さんに瞳をキラキラとさせている同類の姿が。
 そんな清史郎のわくそわした様子を見遣りつつ、伊織は思うのだった。
「……清史郎……後の相手は頼むヨ……」
 対抗手段お呼びして正解だった……なんて。
 けれど、直接相手することは一応回避できたかもしれないが。
「ふふ、この艶々の毛並、極上の感触。好奇心や首領本能に応じて輝く宝石の双眸、愛らしく働くお耳やお鼻」
「さすがは猫さん、何とも愛らしい」
「爪先から尻尾に至るまで、時にまるく時にしなやかなラインを描く、伸縮自在の完璧な肉体。ぷにぷにとした魅惑の肉球」
「ああ、ぷにっとした肉球は皆を幸せにする」
「ふっくら可愛い口元や手元から不意に閃く鋭い爪牙、ごろごろと心地好い音を響かせる喉、突然のごろ寝、突然のお戯れ――気紛れに人を魅せて止まぬ仕草の数々」
「ふふ、全てにおいて可愛いがすぎるな」
 何だか、対抗というよりも何倍にもなっている気が……?
 そしてレイと清史郎は散々猫様の尊みを語り合いつつも、顔を見合わせてこくりと頷いて。
「嗚呼、全身でくまなく可愛いを体現する至高の存在!」
「ああ、同意しかないな」
 愛という名のパッションを全開に迸らせる。
 そんな全く止まりそうにない熱弁に、伊織は遠い目をしつつも。
 イマジナリー猫様と遊ぼうと手を伸ばしてみたら。
 ――べしぃっ!
 さらに遠い目になってしまう。いきなりめっちゃ猫パンチされて。
 でもそんなの、慣れっこであるし。
 めげずに伊織も愛を語ってみる。じゃないと、ずっとこの謎な状況の部屋から出られないから。
「カワイイのは同意ヨ。甘えてくれるどころか素気ない塩対応もある意味良い……」
 ――かぷっ、てしてしぃっ!
「ヒトをはむはむざりざり玩具にして弄ぶ小悪魔っぷりとかもいっそ良い……っ」
 噛まれたり爪立てられたって……ウン、可愛いです!
 そして、ツンデレ最高……っ、と。はむはむざりざりされながらも自棄気味に言った伊織に。
 レイはにこにこ、満面の笑みで言い放つ。
「君も解ってくれるよね!」
「でもキミと同類にはされたくないカナ~!」
「ふふ、やはり猫さんは可愛いな」
「……同類がいて、ヨカッタネ……」
 何故か自分には猫パンチするのに、雅やかに笑む友には甘えているイマジナリー猫様を伊織は見遣りながらも。
 泥の部屋はとっくに消えているのに、さらに嬉々と猫様への愛を語りまくるレイへと、こう紡ぐのだった。
「益々愛が深まったよーで何よりダヨ」
 誤解というかヤバイ輩という理解が深まったという顔で。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

荻原・志桜
あっ清史郎くん!
ちょこっとだけお喋り付き合ってもらえないかな?

確か清史郎くんは甘いものが好きだったよね
にひひ、甘いもの談義したいなぁと思ってたんだ
清史郎くんはクレープが好きなの? 分かる。わかるー!
クレープって何を包んでも最強に美味しいよね
ちなみにオススメクレープは何かな?

わたしはアップルパイが好き!食べたことある?
あのさっくりとしたパイ生地に甘く煮詰めたリンゴをこれでもかーってぐらい敷き詰めてるの!
蕩けるぐらい煮詰まってるものや食感が残ってあるもの
どちらも甲乙付けられないぐらい良さがある!
それにあのシナモン独特の風味もないと物足りないんだよね

あとアップルパイの形もかわいいと思わない?!
ホール型の綺麗な網目模様は王道!って感じだよね
こんな長方形とか半月型もお手軽に食べられるし
可愛いリンゴ型のパイもあったんだよ
お花の形にリンゴを飾ってるものも見た目がおしゃれで大好きっ
トッピングは生クリームとアイス!
これもどっちにするかすごく悩んじゃう

わたしが一番大好きなスイーツ!
うう、食べたくなってきた…



 辿り着いた三皇『女媧』の祠にいざ、足を踏み入れる……その前に。
 きょろりと視線を巡らせてみた荻原・志桜(春燈の魔女・f01141)が見つけたのは、見知った顔。
「あっ清史郎くん! ちょこっとだけお喋り付き合ってもらえないかな?」
 この先、女媧の恐るべき魔力によって閉じ込められることは分かっている。
 そう……周囲の泥が変化し出来上がった、『愛を語らないと出られない部屋』に。
 この部屋はそのまんま、何かへの愛を語らないことには出られないのであるが。
 逆に言ってしまえば、愛を語れば出られるということだから。
 ひとりでよりも、誰かとキャッキャお喋りした方が、楽しいに違いないから。
 そして掛けた誘いの声に、勿論お供しよう、とにこにこ笑む彼と一緒に。
 早速、祠の中へと進んで。予知通り閉じ込められた部屋の中で、愛を語り合う。
「確か清史郎くんは甘いものが好きだったよね。にひひ、甘いもの談義したいなぁと思ってたんだ」
 そう……甘いものへの愛を、存分に!
「ああ、甘い物はとても好きだ。志桜もか?」
「うん! 清史郎くんはクレープが好きなの? 分かる。わかるー!」
 そういえば転送前のグリモアベースでクレープが好きだと、フライングで語っていた彼の言葉を思い出しながらも。
 同意するように、こくこくと頷いてから。
「クレープって何を包んでも最強に美味しいよね。ちなみにオススメクレープは何かな?」
 志桜がそう訊ねてみれば、にこにこと答える清史郎。
「どのようなクレープも好きだが、苺のものが好きだな。特に原宿で初めて食した、カスタードイチゴチョコケーキスペシャルショコラソースがけのホイップクリーム2倍、というクレープはとても甘くて非常に美味だった」
「カスタードイチゴチョコケーキ……えっ?」
 いきなり唱えられた呪文の如きクレープに、一瞬ぱちくりと瞳を瞬かせるけれど。
「なんだかすごいクレープだね、わたしも食べてみたいー!」
「ふふ、原宿に言ったら食べてみてくれ」
 そう瞳を細め笑みながらも、今度は清史郎が志桜に訊ねる。
「志桜はどのような甘味が好きなんだ?」
「わたしはアップルパイが好き! 食べたことある?」
「アップルパイか、そういえば食べたことがないな」
 林檎を甘く煮詰めてパイにしたものだと知ってはいるが、と首を傾けた彼に。
 そうそう、でも食べたことないんだね! と。
「あのさっくりとしたパイ生地に甘く煮詰めたリンゴをこれでもかーってぐらい敷き詰めてるの!」
 志桜は大好きなアップルパイへの愛を、いっぱい語る。
「蕩けるぐらい煮詰まってるものや食感が残ってあるもの。どちらも甲乙付けられないぐらい良さがある!」
「ふむ、ひとことにアップルパイと言っても、煮詰め方でまた色々楽しめるのか」
「それにあのシナモン独特の風味もないと物足りないんだよね」
 そんな味や食感は勿論のこと。
 アップルパイの大好きなところは、それだけではないのだ。
「あとアップルパイの形もかわいいと思わない!? ホール型の綺麗な網目模様は王道! って感じだよね」
「確かに、あの格子状の模様は美しくも愛らしく、とても美味しそうだな」
「でしょ、こんな長方形とか半月型もお手軽に食べられるし、可愛いリンゴ型のパイもあったんだよ。お花の形にリンゴを飾ってるものも見た目がおしゃれで大好きっ」
「おお、それはとても洒落ているな」
 ふむふむ、と興味深げに聞き入っている清史郎に、さらに志桜は続ける。
「それにやっぱり、トッピングは生クリームとアイス! これもどっちにするかすごく悩んじゃう」
 甘くてしっとりしたリンゴがぎっしりつまった、さくさく食感のパイ。
 そんなアップルパイに、さらに生クリームやアイスを添えれば……それもう、最強である。
 この際、ちょっぴり欲張って、どっちも乗せちゃってもいいかもしれない。
 それから志桜は満面の笑みを咲かせて、高らかに愛を綴る。
 ――わたしが一番大好きなスイーツ! って。
 アップルパイへの、ありったけの愛を。
 そして、そんな愛を存分に語り合えば、やっぱり。 
「聞いているだけでも美味しそうだが、俺も是非食べたいな」
「うう、わたしも食べたくなってきた……」
 部屋を成していた泥が消え失せる中、ふたりは顔を見合わせ思わず笑ってしまう。
 だって、沢山大好きな甘いもののことを楽しくお喋りしていたら……すっかり食べたくなっちゃったから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロト・ラトキエ
千之助(f00454)への…愛を、語る…

好き。大好き。
逢えないとさみしい。
戀を知らなければ、こんな想いも知らずにいられたのかもしれないけど、
そんなの絶対嫌だと思う程に。
正しく…我愛你だと、心から言える。

うぅ、語彙が、レパートリーが…っ。
え?レパートリーとは何のこっちゃ?気にせずどうぞ!

チラリ彼を見る。
もうそれだけで…
今までの僕、どこ行った!と恥ずかしく…

えーい!ならば、真の姿で!

(だがしかし!
つい数ヶ月前まで真の姿に成れなかったアラフォーである!
それ故か、真の姿になる場合、大変半端者な事であるが、
必ずしも自信に満ち、身体・思考・戦闘力の上がる人型に成れるとは限らない…
しかも動揺し切った今、成った姿は!
黒猫仔猫でした…)

にゃんたるぜつぼう…。

(ふやふやで肉球真っピンク、どうにか歩ける程度の心許なさ…
遺憾である!
雅殿…基、清史郎に祈ってみる。
無論、何も起こるまい…
…でも。
千之助が楽しそうだから、いいか)(結局甘い

せーさんはねこがいいですか?
おんもはたぶんもとにもどっちゃうから、だめですよー!


佐那・千之助
クロト(f00472)が、
さみしがるときは申し訳ないのだけれど
たまらなく可愛いとも思う

不安になったり何故か妬いたり、そんな感情に戸惑ったり
クロト自身も知らないクロトを見て来たけれど
どんなときでもその奥には『好き』があって…ほんとうに、愛い。
本当に初めての戀なのだな、と…

こちらの鼓動も少々早いけれど
恥じらうクロトはとりわけ可愛いので堪能を怠らず…

えっ真の姿はクールに愛を語れると…?!
あわわ、そんな完全無欠のイケメンに愛を語られたら私は私は
って
こねこー…!

仮にも戦場でこんなかわうい姿になっては危険なのじゃ(即抱っこ
軽くてちまくてか弱くて護りたい
ふぁっふぁの毛並みも一生もふりたい
ぴゃぁとかにゃぁとかか弱い声でなくのがたまらぬ
よいこ、よいこ、存在している時点でえらすぎる
小さくてやわこいお腹を撫でるのが一等好きじゃよ
将来が楽しみな美猫じゃのう
この子を愛情いっぱいに育んでゆこう(母の境地

どの姿も愛してる(すりすり
おんもに出る前に人に戻らないとかわいすぎて攫われるのでは…
抱いて隠してゆこうか
我愛ニャン



 何時に在っても飄々と戦場を駆けてきて、今だってそれはそうなのだけれど。
 でも、思ってもいなかったのだ。
 こんな気持ちに自分が陥ってしまうなんてこと――。
 足を踏み入れたのは、三皇『女媧』の祠。
 その塒にひとたび踏み込めば、突如として四方を囲まれ、閉じ込められてしまうという。
 美しい彫刻の施された、『愛を語らないと出られない部屋』に。
 そしてまさに今、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)はそこにいる。
 愛を語らないと出ることができない部屋に……佐那・千之助(火輪・f00454)と、一緒に。
 出る手段が判明しているのだから、あとはそれを実行するだけ。
 だからクロトは語らんとしていた。千之助への、愛を。
「好き。大好き。逢えないとさみしい」
 そんな風に思うなんて、こんな気持ちになるだなんて……自分でも、驚いていて。
「戀を知らなければ、こんな想いも知らずにいられたのかもしれないけど」
 でもそれ以上に、そんなの絶対嫌だと思う程に。
 今のクロトは心から言えるのだ――正しく……我愛你だと。
 そこまで紡いで、堪らずクロトは唸ってしまう。
「うぅ、語彙が、レパートリーが……っ」
 いつだって、どんなときだって、どんなに激しい戦火の只中にあった時でさえも。
 こんなにもどうすれば分からないほど、頭の中がまとまらない状態になるなんてこと、なかったから。
 ……え? レパートリーとは何のこっちゃ? 気にせずどうぞ!
 もう、自分のことは気にせずにって、言いたいところなのだけれど。
 千之助はむしろ目の前でわたわたしているその姿をじっと見つめながらも、こう思わずにはいられない。
(「クロトが、さみしがるときは申し訳ないのだけれど」)
 ――たまらなく可愛いとも思う、って。
 今、自分の前にいる彼がまさにそうなのだけれど。
(「不安になったり何故か妬いたり、そんな感情に戸惑ったり。クロト自身も知らないクロトを見て来たけれど」)
 でもそんな、彼自身も戸惑うような、彼の知らないクロトの心が、その姿が。
「どんなときでもその奥には『好き』があって……ほんとうに、愛い」
 千之助には、可愛くて愛しくて、たまらないのだ。
 同時に、やはりこうも思う――本当に初めての戀なのだな、と……。
 そして千之助の鼓動も少々早いのだけれど。
 ――今までの僕、どこ行った!
 そうクロトは恥ずかしくなってしまうのだ。
 チラリ彼を見る。もう、ただそれだけで……。
 そんな彼の一挙一動を見逃さぬよう、確りと瞳に焼き付ける千之助。
(「恥じらうクロトはとりわけ可愛いので堪能を怠らず……」)
 だって、可愛くて仕方がないから。一瞬たりとも見逃したくない。
 でももう、己も自覚している正しくも初めての我愛你に、クロトは色々と限界で。
 素面で愛を語るだなんて、そんなこと……恥ずかしいから。
「えーい! ならば、真の姿で!」
 刹那変じるのは、真の姿!?
 そんなクロトに、千之助は大きく目を見開いてしまう。
「えっ真の姿はクールに愛を語れると……!?」
 だって、今でもこんなにも可愛いのに。
 ……あわわ、そんな完全無欠のイケメンに愛を語られたら私は私は――。
 なんて、千之助が思った瞬間。
「ふにゃん……?」
「って、こねこー……!」
 ぽんっと彼が姿を変えたのは、完全無欠のクールイケメン……ではなく、キュートな黒猫仔猫ちゃんであった。
 いえ、クロトはつい数ヶ月前まで、真の姿に成れなかったアラフォーである。
 それ故か、真の姿になる場合、大変半端者な事であるが……必ずしも自信に満ち、身体・思考・戦闘力の上がる人型に成れるとは限らない。
 しかも動揺し切った今、成った姿。それがこの、黒猫仔猫なのだ。
 ――にゃんたるぜつぼう……。
 だって、ふやふやで肉球真っピンク、どうにか歩ける程度のこの心許なさ。
(「遺憾である!」)
 うにゃーんと試しにクロトは、雅殿……もとい、ここに送り届けた彼に祈ってみるも。
 彼自身、分かっていた。無論、何も起こるまい……と。仮にここに雅殿がいても、せいぜいにこにこ桜吹雪を舞わせるくらいだろう。
 クロトは、にゃぁ、と鳴きながらも。彼を見上げ、思う。
 ……でも、と。
「仮にも戦場でこんなかわうい姿になっては危険なのじゃ」
 千之助に即、秒で抱っこされながら。
「軽くてちまくてか弱くて護りたい。ふぁっふぁの毛並みも一生もふりたい。ぴゃぁとかにゃぁとかか弱い声でなくのがたまらぬ」
 ――千之助が楽しそうだから、いいか、って。
「よいこ、よいこ、存在している時点でえらすぎる」
 よしよしされながらも、結局は甘いクロトなのである。
 そして、円らな瞳でじいと彼を見つめながらも。
「小さくてやわこいお腹を撫でるのが一等好きじゃよ。将来が楽しみな美猫じゃのう」
 ……この子を愛情いっぱいに育んでゆこう。
 そうぐっと、目覚めた母性のまま決意する、母の境地にまで達している千之助に。
 にゃーと、クロトは鳴いてみせる。
 ――せーさんはねこがいいですか? なんて。
 そんな可愛い仔猫ちゃんへと、千之助は迷わずに即答する。
「どの姿も愛してる」
 愛し気に、もふもふすりすりしながら。
 けれど同時に、こんな不安にも陥ってしまう。
「おんもに出る前に人に戻らないとかわいすぎて攫われるのでは……」
 そして、抱いて隠してゆこうか、ときりり口にするけれど。
 クロトはふるふる首を振りつつも再び、にゃぁっ。
 ――おんもはたぶんもとにもどっちゃうから、だめですよー! って。
 物理的な問題はともかく、でも千之助にとっては。
 どっちのクロトだって、抱いて隠していきたいくらいなのだ。
 だって、どんなクロトにだって、ありったけの愛を抱いているのだから。
 だから心のまま、千之助はクロトへと紡ぐ――我愛ニャン、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月28日


挿絵イラスト