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絶対に笑わせなければならないクロムキャバリア

#クロムキャバリア #地下帝国 #決戦型城塞都市国家ラウンズ #ネタ依頼 #参加したらネタ枠 #シリアスった奴から死ぬ #キャバリア必須 #正直敵より猟兵の方がヤバい

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#キャバリア必須
#正直敵より猟兵の方がヤバい


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「忌々しい、あぁ忌々しい、忌々しい」
 やたらリズムのいい恨み言から始まった今回のオープニング。最近流行りの(?)地下帝国に場所を移してみたよ。
「地上でやいのやいのと騒々しくて仕方がない。いやこれもうマジで虐殺待ったなしだって」
 動き出したキャバリアの軍勢を率いるのは、顔に「りーだー」って書かれた同型キャバリア。
「行くぞ者共、地上のジャガイモ食ってりゃいいとかほざいてた阿呆共の口に鮭肉を詰め込んでやるのだ!」
『イェスッ!サーモンッ!!』


「ということで、事あるごとに問題を起こすラウンズとかいう国家ですが、今回はその国そのものではなく、その地下から敵襲を受けるようでして……」
 なにやら遠い目になってしまっている人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)。とりあえず現地は地下からの攻撃なんて想定してないからボロボロになってるってーことと、尖兵を倒したらボスの前哨戦みたいなのが出てくるけど、これが毒物めいた装甲でできてて、生身では戦えないって事をざっくり解説。
「というわけで、最初にゾロゾロ出てくるお魚?のような敵はまだしも、後続の敵キャバリアには無機生命種族であるなど、毒物に『種族として』耐性がある場合などを除いてキャバリアに搭乗していなければ戦いにすらなりません」
 という事で、現地でキャバリアを借りるのが必須なのだが。
「貸し出される機体が……その……搭乗予定だった人物が扱い切れず、調整をするはずだったのですが、『それでは本人のためにならない!』と言い出した近衞騎士がいたとかで……」
 つまり、猟兵全員が乗れる数が確保されているオーバースペックな機体、という国家予算的には不良債権以外の何者でもない代物らしい。
「それでは皆様、ご武運を」
 椿は苦労人を見送る、どこか慈悲深い微笑みで転移門を開くのだった。


久澄零太
ひゃっはー!!

ネタ依頼だぁ!!

こちらのシナリオはネタかシリアスか迷った結果、『ネタロールしてないと判断した場合、敵がガチシリアスになる』仕様になっております

シリアス要素をプレに含んだ場合、久澄が発狂すると思ってください

プレ締切は明日(9日)の午前八時

いやごめんて、急に書こうってなったんだもん……
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第1章 集団戦 『サーモン・マシン』

POW   :    イクラ・ボム
レベル分の1秒で【口からイクラ型の爆弾 】を発射できる。
SPD   :    ヒレ・ウィップ
【振り回した尾ビレ 】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    ボディ・ラッシュ
【水流を纏った高速の 】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【仲間のマシン】の協力があれば威力が倍増する。

イラスト:moti

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎! 新鮮なネタデスネー!

敵はサーモン? ならばメニューは決まりデスネ!
寿司デース!
せっかくなので現地のキャバリアをお借りして、クッキングと参りマショー!
ヘイ、ラッシャイ!

まずは、ほほう。イクラでありますか。
集めて巻いて、軍艦巻きに拵えマショー!
爆発するほどの味わいでありますな! HAHAHA!

本体はキャバリアのパワーを活かして生け捕りにして、スライス!
活きのいいうちに〆て、握り寿司に加工しマース!
ヘイ、イクラとサーモン、オマチデース!
まだまだお代わりはたくさんいますゆえ、遠慮なく召し上がりくだサーイ!

この戦いが終わったら、椿殿に差し入れるのも良いかもしれマセンネー?


満月・双葉
こんにちは!混沌の創造主だよ!(いい笑顔)

よし、てめーら全員、大根食ってろ
鮭と大根って相性良いって。
えっあれマシン?
ちっ爆発すればいいんだ
って、爆発オチなんてサイテー!
(ボケで自分でツッコミ処理までする構え)

キャバリアって初めて乗るんだよ
これどーすりゃいーの
師匠なら勘で動かすんだろうけど…ってな訳で野生の勘で何とかしましょ
味方引いたりしなきゃ文句ないでしょ

爆発大根投げてりゃ何とかなるって
最近良く見る映画はよく敵陣爆発させてるし、きっとそれが戦場の作法だ。
ほらあっちも爆発イクラ投げてくんじゃん?あっぶねぇ鮭だねぇ、超頑張って避けたりしなきゃ。それ以外にどうやって対処せぇと言うんだ?

師匠もきっとそれで良いって言う。
言わない?ため息付いて天でも仰ぎそう?
えー…まぁ気にすんなって


藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携ツッコミ全振り大歓迎
カオス大惨事への叩き込み問題なし

ぇー…
オブリビオンマシンに毒されてジャガイモ食おうぜとなった結果
地下帝国から鮭が襲撃するとか…脈絡ないな
キャバリアはサーモン・マシンを料理してから借りるとして
まずは網でも仕掛けてサケ漁と知れこもうか(

あ、そのサーモン・マシン捕まえたらこっちの店に持ってきて(指定UCで中華飯店召喚)
もしさばいて中に鮭肉が詰まっているようなら
この場で即料理して振る舞ってやる
…食べれればいいなぁ

…何?
店に水流纏ったサーモン・マシンが飛び込んで来たぞ?
自ら料理されに来るとは何たる豪胆ぶり(違
…っていかん、直撃はまずいので気合で避けるぞ


テラ・ウィンディア
キャバリア借用(気体はMSにお任せ

ラウンズの機体か!ちょっと試してみたいぞ!
「テ、テラ…私の出番は…!?」
ヘカテにゃんはおれの上でアドバイスを頼むぞ!
と言う訳で借りて使って見るぞ!
「そ、そうですね…こういう経験も大事です!」
【戦闘知識】
借用機体の性能と能力
敵陣の動きを分析

確かあのサーモンマシンって物によっては超小型プラントを搭載していて鮭とイクラを生むんじゃなかったかな?
…よし無力化するぞ!

UC発動
【属性攻撃】
炎を機体に付与
【貫通攻撃・弾幕・重量攻撃・空中機動】
飛び回りながらガンドライドとドリルビットで重力弾幕とドリル攻撃だ!

教えてくれ
どうやって鮭を確保しているんだ…!?
「…気になりますね」


黒木・摩那
またラウンズですか……しかし、今回は誰かがやらかした、では無くて、純粋に地下から侵攻を受けているわけですね。
それは災難です。お手伝いしましょう。

有害物質付きだから、キャバリアまで貸してもらえると。
それはありがたいです。あとで洗うの面倒ですからね。

え? 調整してない?
本人のためにならない、とか誰が言ったー!
こんなガタガタのキャバリア使えるかー!

もう敵も来てしまっているので無理やりキャバリア動かします。

鮭オブリビオンと言っても鉄じゃ食べれない。
しかもイクラは爆弾だし。
ここは機体には期待せずにUC【トリニティ・エンハンス】で【風の魔力】を付与して、爆弾を押し返します。


アストレイア・ペンタルファ
ここがクロムキャバリアですか……初めてやって来ましたが、賑やかなところですわね。
あら、こちらの世界のサーモンは金属製ですのね。鉄も豊富に摂れるなんていたれりつくせりですわ!
私の得意技はガレオンチェンジといって、大型飛空艇に変身しての高速飛行と砲撃なのですが……この世界に来る時に渡されたパンフレットによると、飛行は厳禁なのだとか。
ですので、飛ばないようにガレオンチェンジですわ!
具体的にはキャバリアで組み付いた状態でコクピットから離脱して、相手を【重量攻撃】する感じで。
動きを抑えられたら自身で砲撃するも味方に「今だ!私ごと撃てーっ!」と言うのも自由ですわ!

その他、アドリブも大丈夫です。レッツ鮭!


テティス・ウルカヌス
「なるほど、今回は鮭の掴み取りをして、それをお料理するサバイバル番組ですね!
それでしたら歌って踊れて料理もできる天才美少女アイドルのテティスちゃんにお任せください!」

店長さんが用意した門(転移門)をくぐってスタジオ入りすると、そこはセットとは思えないくらい広くてリアルな空間でした。

わー、土の中を泳ぐ巨大な鉄の鮭とか、すっごくワイルドですね!
これはお料理のしがいがあるというものです。

気分よく鼻歌(【天使の歌】)を歌いながら、鮭を掴まえにいきましょう。

「尾びれをビチビチさせて活きの良い鮭ですね!
これは料理して皆さんに食べていただくのが楽しみですね!」

なぜか地面にぷかぁと浮いてきた食材をゲットです!


カシム・ディーン
いやあの国一度滅んだ方がいいんじゃねーかな
つかあいつら確か鮭とイクラを生み出すキャバリアじゃなかったっけ?
「あの時は野生のキャバリアだったけどねー?」(マーシャル後藤MSのリプレイ参照っ

あの時はプラントだけとってもだめでしたが
「人が乗ってるなら中の人を無力化させれば…☆」
よし!鮭イクラ祭りだ!

【戦闘知識・情報収集・視力】
敵機の構造と動き
そして乗り手の位置を捕捉

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠して

【二回攻撃・切断・盗み・盗み攻撃】
わたぬき発動
中の人を抜き取り機体毎強奪
って機体はオブビリオンマシンのままか…?
そうすると壊さないとだめか…畜生!
バラバラにして資源回収!!


アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

なるほど、種族として毒に耐性がないとあかんのか。なら幽体になるか『夜』(デモン)になるか……『夜』になろう、あ、『』も含めて種族名ですゆえ。システム的には召喚したオリキャラと化術肉体改造で融合しているわ。
で、サーモン・マシン?息をするように多重詠唱化術肉体改造でサクッと萌え擬人化するとして、さてどう料理しようかしら?
え、結界術で倫理結界の向こう側に連れ込んでるだろって?はは、第六猟兵は全年齢対象ゲームですよそんなことあるわけないじゃないえっちなのうみそおいしいです♥
まぁ、冗談はおいておいて残した連中には萌え擬人化したことだしカートゥーン的なカンチョー攻撃キメるわ、向こう三年痔獄に堕ちろ♪
ふ、またつまらぬ穴を掘ってしまった。サーモン・マシンの新しい性癖をこじ開けてしまったわね♪大丈夫、私が天国まで道案内して昇天(息止め)させてあげる♥


涼風・穹
キャバリアは自前の『ズィルバーンヤークトフント』を使用
食えないのに鮭を名乗るどこぞのシューティングゲームの敵キャラのような連中は片っ端から三枚におろしてやりますとも
……違う?
外側が金属の鮭だからつまり鮭の缶詰?
鮭缶なら中骨が好きだな
まあそれはそれとして鮭好きとじゃがいも好きが争うなんて間違っている
鮭とじゃがいもを使った料理は色々あるんだし両方あれば料理のレパートリーも広がるんだし協力すべきだ

【内心】
……ラウンズは偏食家ばかりなのか…?
じゃがいもやら性癖やら、自分の好みばかりを押し付ける偉い人なんて迷惑以外の何物でもないんだけど…
みんなが趣味全開な派閥ばかり作るから争いが絶えないんじゃないか…?



「ぇー……オブリビオンマシンに毒されてジャガイモ食おうぜとなった結果、地下帝国から鮭が襲撃するとか……脈絡ないな。キャバリアはサーモン・マシンを料理してから借りるとして、まずは網でも仕掛けてサケ漁としゃれこもうか」
 藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)が転移門をくぐると、そこは回らない方の寿司屋だった。
「いやだからなんで私だけこうなるんだ!?」
「お前がネタ堕ちしてそうでしてないからだろう」
 まぁ座れ、と店主に促されてカウンター席についた美雪の前には、空っぽのショーケース。透明なガラスの向こう、鮭を捌く店主を眺めて眉間に皺を寄せる。
「で、今回は何が起こったんだ?」
「ブリーフィング可能時間は、半日もなかったはずなんだよ」
 肉厚に切った鮭を一口大の長方形に成形した酢飯に乗せて、二つ分美雪の前に置いた店主はどこか遠くを見る。
「いつもの連中がいるのはまぁ分かるんだ。あいつら担当猟兵の名前で来てる節もあるからな」
「常連さんじゃないか、ありがたい事だろう?」
 魚とは思えぬ甘味と旨味。これこそが鮮度が物を言う寿司という料理の強みだろう。脂ののった切り身は噛みしめれば蕩けるようにほぐれて脂の旨味を残して消えていく。瞬く間に二貫食した美雪の前で、追加四貫を並べた店主はまな板の横に肘をつき手を組んで。
「普段来ないようなガキと初見と思しき新顔がいたんだが、こいつをどう思う?新世界が開かれた今、こちらは手薄なはずじゃなかったのか……?」
「そんな事、私に相談されても困るぞ?」
 気が付いたら三貫食べてた美雪が、最後の一つを口に運び。
「なんにせよ、来てしまったのだから仕方ないだろう?後は役目を果たしてくれたまえ」
「他人事だと思ってぇえええ……」
 店主の恨み言を背に、美雪は店を去っていった……。


「ラウンズの機体か!ちょっと試してみたいぞ!」
 はい、所変わって絶賛地下襲撃中の決戦型城塞都市国家ラウンズの格納庫。テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の快活な声で幕を開けた今回の事件でございます。
「テ、テラ……私の出番は……!?」
「ヘカテにゃんはおれの上でアドバイスを頼むぞ!」
「そ、そうですね……こういう経験も大事です!」
 頭の上に乗っかった黒い子猫が喋ってるという光景に、ラウンズの技師がテラと黒猫を交互に見やっていたが。
「と言う訳で借りて使って見るぞ!」
「え、あ、はい」
 テラに促されて案内した先には、純白の装甲に、両腕だけが鈍い銀色の輝きを放つ機体が並んでいた。
「こちらは量産型であるため、オリジナルよりは扱いやすくなっていますが、それでも癖があることに変わりはありません」
「へー……」
「またラウンズですか……しかし、今回は誰かがやらかした、では無くて、純粋に地下から侵攻を受けているわけですね。それは災難です。お手伝いしましょう」
 ぐるぐると機体の周りを回って、詳細を見ているテラと一緒に来た黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が虚ろ目なのは気のせい。多分、恐らく、きっと。
「有害物質付きだから、キャバリアまで貸してもらえると。それはありがたいです。あとで洗うの面倒ですからね」
 そう、これは度々問題を起こして来たラウンズからの好意。きっとそこには何の問題もないはず。そう自分に言い聞かせて、搭乗する摩那がコアに納まったところで。
「なぁ、この機体って武器がないんだけど、このあと装備するのか?」
「この機体に……ガレスに、武器はないんです」
 テラの質問に、軍人とは思えぬ華奢な少女が答えた。
「猟兵の皆様には申し訳ない限りです。私が未熟だったばかりに、このような扱いにくい機体が量産されていたものですから……」
「む?お前誰だ?見た感じ、パイロットでも技師でもなさそうだけど……」
 首を傾げるテラへ、少女は動きやすさを重視されているのか、貴族然りとした煌びやかでありながら丈の短いスカートでカーテシー。
「申し遅れました。私、近衛騎士ブライト卿が妹、ボルメンと申します。ガレスは兄が、私が戦場に出ても怪我をしないように、と生存を最優先した設計にしておきながら、騎士として練達できるように、とサポートシステムを外していまして……」
 と、ボルメンが説明してくれたところで。
「本人のためにならない、とか誰が言ったー!こんなガタガタのキャバリア使えるかー!」
 摩那が乗ったガレスが凄まじい速度で飛び出して行った。
「あのように、各推進器は安全装置が一切なく、オートバランサーによる補助もないため重心調整は全て搭乗者の技量による、というピーキーな機体になっているんです。しかも、兄が「扱いにくいなら、我々が手本を示します!」などと、量産型まで作ってしまったものですから……」
「とりあえず、お前が苦労してるって事はよくわかったぞ」
 話を聞いていて、可愛そうになってきたテラがちっちゃいおててを伸ばして肩ポム。
「任せておけ、おれ達がその心遣いが無駄じゃなかったって証明してやるからな!」
「ありがとうございます……!あぁ、それと、ガレスに武器はないと申し上げましたが……」
 と、テラが機体の説明を受けている一方で。
「こんにちは!混沌の創造主だよ!」
 戦場では地面から頭を出したサーモンマシンの口に大根が突っ込まれ、爆発するというわけのわからない事態に陥っていた。冷えた冬の空気を温めるように、燦々と日光が降り注ぐ晴れ空のような笑顔で大根を連射する満月・双葉(時に紡がれた忌むべき人喰星・f01681)。投げた直後に足元から新鮮な大根が生えてくるあたり、あの大根に残弾という概念はないらしい。なお、彼女が翼を広げて滞空し、空中から敵機へ攻撃している事に触れてはならない。
「よし、てめーら全員、大根食ってろ。鮭と大根って相性良いって」
 多分調理する前提で言っているのだろうが、あちらはフィッシュキャバリア。つまりマシンである。
「えっあれマシン?ちっ爆発すればいいんだ……って、爆発オチなんてサイテー!」
 散々爆発させておいてこの言いよう。理不尽の権化と成り果てた双葉のお代わり大根がサーモンマシンとついでに地上の周辺地形を襲う!!
「敵はサーモン?ならばメニューは決まりデスネ!寿司デース!」
 今まさに、敵はマシンだって言ってるそばから調理する気全開のバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。くそっ、まともな奴かと思ったらこいつもネタ枠か!
「ノンノン、本日のネタはサーモンデース!」
 などと、両手を挙げるバルタンだが、本日は格納庫であれだけ使いにくいよって説明のあったガレスに乗っての参戦。彼女の挙動をトレースして、ガレスもまた両手を挙げる。
「キャバリアもお借りしましたし、クッキングと参りマショー!ヘイ、ラッシャイ!」
 ガァン!軽く手を叩いて広げたバルタンだが、ガレスの両手は凄まじい騒音を響かせた。けたたましい音で注意を引いてしまったために、次の瞬間にはサーモンマシンからイクラ型爆弾の弾幕が迫る……!
「まずは、ほほう。イクラでありますか。集めて巻いて、軍艦巻きに拵えマショー!」
 などと、巨大海苔を構えるバルタンであったが……眼前でイクラが爆発!バルタンの機体は爆炎に飲まれて消えた……が。
「爆発するほどの味わいでありますな!HAHAHA!」
 燃え盛る残り火をものともせず、業火の中から姿を見せたバルタン機。海苔もいい感じに火あぶりにされてパリッと仕上がっている。
「本体はキャバリアのパワーを活かして生け捕りにして、スライス!活きのいいうちに〆て、握り寿司に加工しマース!」
 嬉々として迫りくるバルタンに、危機感を覚えたサーモンマシンが地中へ撤退しようとするが、一瞬にして距離を詰める急加速を見せたガレスにすくい上げるような平手を食らい、空中へ打ち上げられてしまう。そのまま胴体を抱え込まれて、どっから取り出したのか知らないが、巨大な包丁と、鉄杭を構えるバルタン。
「まずはシメて~♪」
 ドゴォ!!眼球に相当する部位を鉄杭が貫通し、しばし痙攣していた機体が動かなくなった。
「皮を剥いで~♪」
 装甲版を引っぺがせば、中身は極小プラント……の、はずなのだが、何故かサーモンの赤身(鮭って白身魚らしいんだけど、この方が伝わるんで赤身で)。
「スライスして握ったら~……完成デース!」
 ててーん☆サーモン握りずしセットが完成した!
「ヘイ、イクラとサーモン、オマチデース!まだまだお代わりはたくさんいますゆえ、遠慮なく召し上がりくだサーイ!」
 脂が乗って輝いてすら見えるサーモンの寿司に、光を受け、隣接するイクラとの屈折により乱反射を起こし煌くイクラ軍艦……実に美味そうであるが、お気づき頂けただろうか?バルタンは敵機という巨大な食材を、キャバリアに乗ったまま調理したため、一貫が人間より巨大であるということに……。
「この戦いが終わったら、椿殿に差し入れるのも良いかもしれマセンネー?」
 などとこの後を想うバルタンであるが、こんなもん食ったらボテ腹じゃすまないんじゃなかろうか……。
「いやこの国一度滅んだ方がいいんじゃねーかな……つかあいつら確か鮭とイクラを生み出すキャバリアじゃなかったっけ?」
「あの時は野生のキャバリアだったけどねー?」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は調理されたサーモンマシンを眺めて、「あれこいつらこんなだったっけ?」と首を傾げる。
「あの時はプラントだけとってもだめでしたが」
「人が乗ってるなら中の人を無力化させれば……☆」
「よし!鮭イクラ祭りだ!」
 ちなみに、カシムの言う『あの時』ってのが、メルシーが読めと言わんばかりに押し付けてきた記録によると、過去の交戦でプラントをぶち抜いたらしいんですわ。ただまぁ、当然ながらサーモンマシンのOSと連結されているわけで、プラント単体ではスリープモードに入ってしまい、使い物にならなかったんだとか。
「今度こそ、一攫千金を狙ってやりますとも!!」
 と、カシムが意気込んだところで。
「キャバリアって初めて乗るんだよ。これどーすりゃいーの」
 ガレスを借りて来た双葉が格納庫から戻ってきた。皆乗ってたから、乗りたかったのかなぁ……。
「あくしょんとれーすしすてむ?とか言ってたっけ?とりあえず動けば機体も動くのかな?」
 コクピットで走る動きをすれば機体も走る。ノリと勢いだけで戻ってきた双葉が地面に手を突っこむと。
「最近良く見る映画はよく敵陣爆発させてるし、きっとそれが戦場の作法だ。ほらあっちも爆発イクラ投げてくんじゃん?つまり爆発が一番正しい」
 謎の脳筋理論と共に、キャバリアサイズの大根を収穫。かーらーの。
「爆発大根投げてりゃ何とかなるって、師匠もきっとそれで良いって言う」
 殴打ァ!!振り上げた大根をサーモンマシンが潜っているであろう地面にスマッシュ!当然ながら……大・爆・発☆
「あ、イクラに誘爆したかな?あっぶねぇ鮭だねぇ……」
 他人事のように見上げる双葉の前で、盛大な土煙と共にサーモンマシンが天高く飛び上がっていく……。
「今だ……!」
 拳を開いて構え、メルクリウスのブースターを助走なしに急噴射。人体でいう『縮地』に近い技術をもって、中空という退路を失った空間をさまようサーモンマシンへ肉薄。
「ごっしゅじ~ん☆ここに注目だぞ♪」
「生体反応在り……コクピットはここか!」
 コアユニットそのものをぶち抜いてしまうと、キャバリアが上下のフレームに分離してしまうため、あくまでも機体のまま鹵獲すべく、核となるコアの、その中心。コクピットのみを正確にぶち抜いたメルクリウスは、片手にコクピットを、片腕に戦利品ことサーモンマシンを手に地上に戻ってくるが。
「あだだだだ!?」
 尻尾を掴んでいたサーモンマシンが暴れて、アンダーフレームにイクラ爆弾を連射ァ!めっちゃ機体が揺れて頭を打ち付けまくったカシムが、サーモンマシンを舗装された地面にビッターン!!
「機体はオブビリオンマシンのままか……?そうすると壊さないとだめか……畜生!バラバラにして資源回収だ!!」
 などと、鎌剣を振りかざしてざっくり仕留めるカシムだが……メルシーはカシムが近場に降ろしたコクピットを見つめる。
「おかしいなー……生体反応はあったんだけど……」
 ちらと、バルタンが作った寿司を見遣る。そちらにも反応はない。
「どうして『誰も乗ってない』んだろ……?」
 メルシーが余計な事に気づきかけている頃、他の猟兵が何してたかってーと。
「食えないのに鮭を名乗るどこぞのシューティングゲームの敵キャラのような連中は片っ端から三枚におろしてやりますとも……違う?」
 観測者が分からないネタをぶっこんできた涼風・穹(人間の探索者・f02404)は白い甲冑騎士を思わせる固有機体、ズィルバーンヤークトフントにて長剣を構える。
「外側が金属の鮭だからつまり鮭の缶詰?鮭缶なら中骨が好きだな」
 そりゃー中身がちゃんと鮭ならの話で、目の前のサーモンマシンは機械でしかないぞ?
「なん……だと?」
 衝撃に目を見開く穹であるが、サーモンマシンはサーモン(食用)を生産するプラントを内蔵しているだけで、それ自体が食用なわけではない。バルタンが寿司にしてたのは彼女のUCにより事象改竄めいたサムシングが行われたに過ぎないのだ……!
「あ、食料の供給自体はできるんだな。なら問題はない」
 サーモンそのものを獲得できればなんだっていいのかお前は。
「鮭好きとじゃがいも好きが争うなんて間違っている。鮭とじゃがいもを使った料理は色々あるんだし、両方あれば料理のレパートリーも広がるんだから、協力すべきだ」
 ラウンズは別にじゃが芋推しの国じゃないからね?とある近衛騎士が個人的に暴走してただけだからね?
「……ラウンズは偏食家ばかりなのか……?」
 いや、そういうわけではないんだ、ただこう、運命の巡りあわせめいたサムシングがよろしくなかっただけなんだよ。
「じゃがいもやら性癖やら、自分の好みばかりを押し付ける偉い人なんて迷惑以外の何物でもないんだけど……みんなが趣味全開な派閥ばかり作るから争いが絶えないんじゃないか……?」
 派閥なんてできてないって。ただ、そう言う面倒な輩に限って暴走するオブリビオンマシンを引き当てちゃうってだけで。
「十分に問題だと思うんだが……」
 などと、穹が遠い目になっている横を摩那が乗ったガレスが突撃。
「鮭オブリビオンと言っても鉄じゃ食べれない。しかもイクラは爆弾だし」
 そもそもオブリビオンって時点で基本的に食べられません。鉄かどうかとか以前に食用って発想をやめましょう。
「え?」
 バルタンの寿司を指すんじゃねぇよ、あれが異例だって言ってんだろうが。
「何はともあれ、機体がこんな暴走染みた動きしかできないのなら、仕方ありません。機体はあてにせず、UCで勝負です!」
 いうや否や、機体を風が包み込み、そこへサーモンマシンからイクラ爆弾がシューッ!迫りくるイクラを、機体の腕を中心にして纏わせた風のラケットでレシーブ!撃ち返されたイクラ爆弾がサーモンマシンをこんがり焼き上げ、風のラケットのせいか網焼き風の焦げ目までついた。
「あの、やっぱり今回は調理の流れなんじゃ……」
 食い物じゃねぇって言ってんだろ!?
「なるほど、今回は鮭の掴み取りをして、それをお料理するサバイバル番組ですね!それでしたら歌って踊れて料理もできる天才美少女アイドルのテティスちゃんにお任せください!」
 ほらぁああああ!摩那がいつまでも食い下がるからテティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)が湧いたぁあああ!!
「これ私のせいですかぁ!?というか、湧いたって危険人物じゃないんですから……」
 じゃあお前がゲストな。
「……はい?」
 意味が分かっていないらしい摩那は一旦置いといて、テティスの方にカメラを向けると。
「わー、土の中を泳ぐ巨大な鉄の鮭とか、すっごくワイルドですね!これはお料理のしがいがあるというものです」
 そもそも相手が機械だって事に気づいてすらいねぇ……!しかし、生存本能めいた何かが気づかせたのだろう。サーモンマシンはテティスを吹き飛ばそうと盛大に尾びれを振るい……。
「尾びれをビチビチさせて活きの良い鮭ですね!これは料理して皆さんに食べていただくのが楽しみですね!」
 ガッ!掴まれた。これでこいつ、結構場数踏んでるからなぁ……必死に逃れようとするサーモンマシンを鼻歌交じりに……鼻『歌』?
「いやー最初からこんな大物が獲れるなんてさすがはテティスちゃんですね!気分が乗ってきましたし、サービスで一曲お送りしましょう!!」

※現在戦場は見るも無残な状況が巻き起こっております。音響兵器が稼働を停止するまでしばしお待ちください。

「あれ?なんだか急にお魚さん達がぷかぁってしてきましたね……何はともあれチャンス!今のうちに大漁です!!」
 というわけで、サーモンマシンが水揚げっていうか、収穫されていくわけだが。
「あ、そのサーモン・マシン捕まえたらこっちの店に持ってきて」
 美雪がログハウスを模したチャームを掲げる。それは簡易的な転移門の役割を果たしており、テティスが触れた瞬間、そこは喫茶店から中華料理屋にリフォーム(?)した白雪(美雪がやってる店の事)の中。問題はあれかな、サーモンマシン一尾で五メートルあるから、転移と同時に客席が吹き飛んだことかな。
「もしさばいて中に鮭肉が詰まっているようなら、この場で即料理して振る舞ってやる……食べれればいいなぁ」
「あ、じゃあテティスちゃんも一品作りますね!!」
 と、遠い目をする美雪とキラキラ笑顔のテティスであったが、ここで健在だった方のサーモンマシンがチャームに突撃。白雪の中へ飛び込んできた!
「……何?店に水流纏ったサーモン・マシンが飛び込んで来たぞ?自ら料理されに来るとは何たる豪胆ぶり……っていかん、直撃はまずいので気合で避け……」
 と、奇襲に対して回避行動を試みる美雪であったが、ここは店内。まともに動けるだけの面積があるわけもなく……。

 \むぎゅっ/

 詰まった。
「いやそうはならないだろう……!」
 カウンターの中からツッコミありがとうございます。客席用に用意してあったスペースに、二匹のサーモンマシンがみっちり詰まって動かなくなってしまっている。
「えーっと、とりあえず調理はしてみるか……」
 で。
「というわけで、試食役に摩那さんをお呼びしました!」
「なんで!?」
 テティスに連れられて着席している摩那の前には、二枚の皿。一枚は美雪作、サーモンマリネ。鮭の切り身を軽く燻製して香りと旨味を封じ込めたモノをビネガーソース、オリーブと和えて、ブロッコリー、新玉ねぎ、ミニトマトと共にディル、バジルで風味付けした一品。
 もう一枚は……なんていうか、もう、鉄屑だった。
「あの、これは……?」
 口元を引くつかせる摩那に対して、テティスがにこー。
「ものすごく硬い切り身だったから、じっくり煮込んでみました!!」
「そ、そうですか……あ、でもお腹が空いてないので……」
 ガシッ!
「照れなくていいんですよ?特別にテティスちゃんが食べさせてあげますね!!」
「いや照れとかじゃなくて本当にいらないんです……!」
 はい、あーん……と、機械油にまみれた金属塊が摩那の口へ迫る……彼女の運命やいかに!?


「ここがクロムキャバリアですか……初めてやって来ましたが、賑やかなところですわね」
 えー、あちらこちらで大惨事が引き起こされている最中、アストレイア・ペンタルファ(機動戦艇ペンタルファ・f33903)はここが地獄の真っただ中などとはつゆ知らず、土を水代わりに跳ねるサーモンマシンや、金属製の巨大な鎧(キャバリア)を駆使して戦う猟兵を眺めて、瞳を輝かせる。
「あら、こちらの世界のサーモンは金属製ですのね。鉄も豊富に摂れるなんていたれりつくせりですわ!」
 落ち着けアストレイア!アレはお前が日頃見ている雲海の空鮮食材の類と違って、魚っぽい敵だから!食べ物じゃないから!!
「私の得意技はガレオンチェンジといって、大型飛空艇に変身しての高速飛行と砲撃なのですが……この世界に来る時に渡されたパンフレットによると、飛行は厳禁なのだとか」
 駄目だこいつ、観光気分に浸っててこっちの話を聞いちゃいねぇ……!
「ですので、飛ばないようにガレオンチェンジですわ!」
 お前は何を言っているんだ……?
「すみませーん、そこの方、私にもキャバリアをお貸しいただけませんかー?」
 タクシーを呼ぶノリで格納庫へ向かうアストレイアがガレスに搭乗。かーらーの。
「うふふ、私はまともに戦う必要がありませんの……とにかくぶつかれば問題ありませんわ!!」
 などと、ピーキーだって説明があった機体のブースターをいきなり全開。白銀の砲弾と化してサーモンマシンに突進すると引っ掴み、戦場から吹っ飛んで石畳の市街地に突っ込む。石材と装甲の摩擦で火花を散らしながら引きずりまわし、停止すると同時にコクピットのハッチを開き、飛び出して。
「お見せしましょう……天翔ける船の威容を……!」
 背部に在った機翼が反転し、彼女の頭部を隠す兜となる。あまりにも大きさの合わないその衝角を起点として光の環が顕現、アストレイアの体を通過していった。するとどうだろう、通り抜けた場所が巨大化し、彼女の体を突き抜けた頃には黒い船体に黄金と純白の装甲が施された一隻の艦の姿がそこにある。全長にしてサーモンマシンの約五倍を誇る船体は敵機を完全に圧殺し、正直ほっといても重量で潰れて終わるんじゃないかなって気もしないでもなかったのだが。
「今だ!私ごと撃てーっ!」
 なんでそういう事叫んじゃうかなぁ!?姿と共に口調も凛々しくなったアストレイアだが、そこで突っ込んできた猟兵が三名。
「確かあのサーモンマシンって物によっては超小型プラントを搭載していて鮭とイクラを生むんじゃなかったかな?……よし無力化するぞ!」
 まずはテラ。貸与されたガレスの両腕に炎を宿すが、機体そのものが赤熱することは全くなく、全力で燃焼させていく。
「流石だな……」
 テラが格納庫で説明を受けたガレスの唯一にして最大の武器。それは、この機体そのもの。生存を最優先されているために耐久性がぶっ飛んでいる事に加えて、搭乗者の技量がそのままモノを言う程にピーキーな加速装置。そして……。
「【輝ける鋼拳】の異名は伊達じゃない、ってことか」
 異彩を放つ両腕。形状こそただのアームパーツだが、その硬度はただでさえ耐久性に特化した装甲の更に上。本来はヘカテイアに搭載されていたドリルビットを、高速回転させたうえで握り込み、拳の隙間から削岩機を覗かせる。更に背部ブースターを点火しつつ、自身の背面に向けてガンドライドから砲撃。背中に直撃させた砲撃で更に加速。自分自身を巨大な貫通弾として撃ち出した……!
 二人目の猟兵こと穹は既にこんがり焼き上がっているサーモンマシンの上に乗ると、砕かれた地面は巨大な陶器の皿と化し、焼き上がったサーモンマシンと共に舞い上がる。
「目覚めろ、鮭の塩焼き……じゃなかった、グリルドサーモンマシン……!」
 香ばしい香りを漂わせる突貫兵器が迫る……!で、三人目ってのが。
「あっ……ぁ……」
「ふ、またつまらぬ穴を掘ってしまった。サーモン・マシンの新しい性癖をこじ開けてしまったわね♪」
 萌え擬人化されて尻を抑えたまま地面に転がり、ビクンビクンと不規則に痙攣するサーモンマシンを前に、両手を重ねて人差し指を立てて、拳銃に見立てたポーズで意味深な事をのたまうアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト艶魔少女・f05202)。ねぇ、お前何しに来たの……?ここだけなんていうか、こう、記録における表現技法が使えなくなる規格の光景なんだけど……?
「え、倫理結界の向こう側に連れ込んでるだろって?はは、第六猟兵は全年齢対象ゲームですよそんなことあるわけないじゃないえっちなのうみそおいしいです♥」
 こいつ……ヤりやがった……!?
「まぁ、冗談はおいておいて、残した連中には萌え擬人化したことだしカートゥーン的なカンチョー攻撃キメるわ、向こう三年痔獄に堕ちろ♪」
 と、ドスでも構えているかのように手銃を腰だめに走り出すアリスだが。
「あら、お魚と一緒に船もお尻を向けているのね。じゃあ仕方ないわよね……まとめて突き刺してしまっても♪」
 その瞬間、アストレイアは悟った。どうやら自分はオブリビオン以上に危険な連中と同じ戦場に来てしまっていたのだと。
 迫りくるドリルと焼きたての機械鮭と貫通撃(意味深)。とりあえず理解したのは。
「これ先に私が死ぬな!?」
 まぁ、そうよね。こんな勢いよく突っ込んでこられたら、図体の差がある分、先にアストレイアに直撃するよね。
「くっ、こんな戦場にいられるか!私は先に降りさせてもらう!!」
 と、命中の寸前にぴょーい。ガレオン化を解いて脱出。その眼前で削岩機により鉄粉と化しながらベイクドサーモンと衝突して炎上し尻尾の下あたりから黒い影と化したアリスがにゅるっと入っていく様を見せつけられるアストレイア。回避の判断が遅ければ、アレが自分に当たっていたことだろう。
「何はともあれ、無事に終わりましたわね!」
 あ、こいつ現実逃避しやがった!
「レッツ鮭ですわ~!」
 そしてそのままバルタン寿司(屋台名)に向かって走っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『オーヴァードーズ』

POW   :    覚醒の緑
自身の【搭乗者の正気】を乱す。搭乗者は【正気度】を代償に、【意識が研ぎ澄まされ、グリーン・デイ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【ビームと実弾の雨】で戦う。
SPD   :    豊穣の黄
自身の【搭乗者の正気】を乱す。搭乗者は【正気度】を代償に、【強い高揚感を覚え、メロウ・イエロー】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【高速機動とブレイド】で戦う。
WIZ   :    耽溺の褐
自身の【搭乗者の正気】を乱す。搭乗者は【正気度】を代償に、【戦闘に多幸感を覚え、ブラウン・シュガー】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【強力なパワーとロケットハンマー】で戦う。

イラスト:草間たかと

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はウラン・ラジオアイソトープです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「サーモンマシンがヤられたか」
「だが奴は我々の先兵!」
「むしろ食材となっていた辺り予定以上の活躍だ!!」
 サーモンマシンがいい感じに調理されたなーって思ってたら、三体ワンセットぽい機体が参戦。
「我が名は焼き海苔グリーン!」
「我が名は酢飯イエロー!」
「我が名はサーモンレッド!」
「「「三機揃って、貴様等地上人類にサーモン寿司を食わせる者だ!!」」」
 なお、レッドを名乗ってる奴がどう見ても赤っていうより褐色な事に触れてはならない。
「「「覚悟しろ!今日からお前たちの食生活は、サーモン一色となる!!」」」
 三色の機体が一色とかいうカオスになってしまったが、とりあえず戦闘だ!なお、こいつらはUCとは別にサーモン寿司を食わせてくる追加攻撃を行ってくる上に、生身で近づくとサーモンを食べないと生きられないほどに強烈な依存性を植え付けてくる猛毒を纏っているため、無機生物種族などの特殊な場合を除いて、キャバリアへの搭乗が必須だ!!

※次回執筆は12日の予定です。プレイングは11日までにくれると嬉しいな!
チル・スケイル
サーモンスシ!?サーモンスシはとても美味しいですね。(持ち込んだスシを食べる)
でもサーモンだけがスシではありません。(持ち込んだスシを食べる)守りましょう、七色の食文化。

最近は量産機を乗り物にしてますし、なんとかなるでしょう。扱いにくいというキャバリアに搭乗します。とりあえずエネルギーを上げてみましょう。
こ、これは…私の魔力と機体のエネルギー、そしてスシが同化していく!はああああっ!!!

あっ(ビキビキバキバキ!ガチーン!チルはキャバリアごと氷漬けになった)

う…動けません。
ですが魔力はたくさんあります。この氷の魔力をフワフワと飛ばして、敵キャバリアにぶつけて凍らせます。


アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

打邪連者との共闘により私は聖属性を克服した。今の私にとってもはや聖属性は性や精に変換されるドーピング剤よ♪
そしてー、結界術で太陽光を遮断。

『幼年期の夢で見た魅惑つきせぬ領域。時間と空間を超越するただ一つの窮極的かつ永遠の“アリス”』
『私達の知覚を離れた客観的真理などない、故に、あらゆることは真実であり可能である』

ふはははは、聖属性を克服し太陽光すら届かぬ『夜』となり混沌魔術の使い手たる私にもはや恐れるものなどない。

もう何も怖くない(フラグ)

さぁ、どう料理してくれ……あああああああ忘れてた忘れてた忘れてたヤバいヤバいヤバいもう間に合わないどうしようどうしようどうしよう。
テティスちゃんのことすっかり忘れてたー!設定通りの能力があってフォロワー数に比例した強さがあるのに耐性抜けてくるってどうなってええい死なばもろとも多重詠唱でオーヴァードーズにもあの歌声を共鳴させてあげるわー!

……下手に防御力上がったものだから意識を失えない地獄を見たわ……


満月・双葉
はっ、大根を黒砂糖で煮たらこう…チョコレートっぽくならない?

何が言いたいかって言うと…大根(ばくはつ)は芸術だよ君。大根(ばくはつ)はすべてを解決する。
取り敢えず勘でキャバリア動かしつつ、寿司食う。無限に食う。大根おろし添えたら美味しいやん、サーモン寿司。
こう、サーモンにチーズを乗せて軽く炙って大根おろし。
てなわけで、ダメージは大根添えた寿司で回復する。
文句あるなら師匠に言え?こんなアホみたいなユベコ考えたのあの人だぞ!!!

アスタキサンチンは目によろしい。老眼予防かなんかになるんだってさ。
君達目はよろしい?
キャバリアに慣れてきた所で、早業で動き回り、格闘術で対抗。
ロケットハンマーって攻撃が大振りになりがちだけどどーなんだろ?
すり抜けて隙をみつけては殴ってみようかね。


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

次は人型でありますか。ふむふむ……鮭の軍艦巻きでありますかな?
OK!
こちらのサーモンとそちらのサーモン! どちらが美味か勝負デース!

という訳でラウンズ協賛という伝手を使い、新鮮な素材を用意しまして。
ビームやらなにやらを掻い潜り、大量のわさびを叩きつけマース! 
わさびには抗菌作用があり、消臭や食中毒防止に大変役立ちマース!
たっぷりオーヴァードーズに擦り付けて、安全確保であります!

お湯でガレスの手に着いたわさびを洗い流して、本番デース!
取り出したるはUC由来のグレネードランチャー!
何が出るかはMS様の抜群なセンスにお任せデース!
「六式武装展開、闇の番! ビッくらドン!」


古美門・烈火
アドリブOK
うるせー!俺は魚よりも肉だ!肉よこせ!
アセンブル!インフェルシオン!…え?呼んじゃ駄目だって?
なんであんなんに乗らなきゃいけないんだ!

とにかく、戦闘開始だ。
サーモン寿司なんてなぁ、焼き払ってやるぜ!
【ユーベルコードで限界までキャバリアを赤熱化させて】
片っ端からボコボコにしてやる!
【とてつもない熱を発しながら攻撃を続ける。が】
【多分そのうち限界になってキャバリアが吹き飛びそうだが、そこは気にしない!】
あっつ!!


涼風・穹
……サーモンレンジャー的なあれか…?
とすると今は三機でサーモン寿司にしかなれないけど、そのうち酢飯イエローがやられたタイミングで白飯ブルーが出てきて鮭おにぎりになるとか、強敵が出てきた辺りでイクラピンクと醤油ブラックも登場して鮭とイクラの親子丼になるとか?
それともピンチになるとこんなこともあろうかと的なお約束の強化展開でバーナー的なメカが出てきてサーモン寿司が炙りトロサーモン寿司になるのかな?
そんな特撮的な展開を楽しみに『ズィルバーンヤークトフント』の操縦席でサーモン寿司を食べています
イクラを上に乗せて親子寿司にしてみたり醤油ではなく塩で食べてみたりちょっとマヨネーズを付けてみるとか味変をしたり、《贋作者》謹製の超小型火炎放射器という名の小型バーナーで炙りサーモン寿司にしてみたりと色々と工夫して楽しみます

そこの観測者さん
最近サーモン絡みの番組でも見たか美味しいサーモンを食べる機会でもあったのか?
飯テロという程でもないけどちょっと影響されて夕食にはご飯に鮭フレークをかけて美味しく頂きました


黒木・摩那
三機揃ってサーモン寿司食べさせてくれるそうですが、そのサーモン寿司は、機械ですか? それとも毒入りですか……
普通のサーモン食べさせろ!!

お料理番組のゲストというからワクテカして行ったら、ただの拷問だった件で、只今サーモンにはお怒りです。

しかし、自らが戦うにはこのガレス、頑丈なのはいいけど、それ以外は使えないのがなー。ここは引き続き、UCで無理やり動かしましょう。

サーモンにはドリルが似合うって、聞いてますよ。

新UC【螺旋雷花】を発動。自らのガレスの四肢に高速ドリルを生やします。
これでドリルを操れば、あのガレスも楽々操作です。

あとはドリルを使って、敵機に大穴開けましょう。


カシム・ディーン
「ご主人サマ!サーモンより鶏肉だよね!」
てめーは何を言ってるんだ!?
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと癖とパターンを把握

つか…そういえば折角この依頼なら…UCこれでいくか
と言う訳であの依頼の成果です(発動

チェス型ゴーレムでぼっこんぼっこんに

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠しつつ
【念動力・弾幕・スナイパー】
念動光弾の弾幕で確実に当てにきて
【二回攻撃・切断・盗み・盗み攻撃】
容赦なく切り刻んでそしてサーモンは取り合えず盗む

つーかてめーら
寿司は高級だろうがっ!毎日とか贅沢か!
「ご主人サマ!サーモンは安い方だよ!」
後他に食べ方ないのか馬鹿野郎!

ムニエルとか諸々ぉ!


テラ・ウィンディア
そういやこのガレスとか貰えないのかな?
「テラ!?」
あ、いや他の人にあげられないかなって?
「そ、そうでしたかっ(ほっ」
大丈夫、次ではヘカテの出番だからっ
「よかった…!どうも次は私が出たい気がしてたのです」
【戦闘知識】
敵の動きを把握
UC発動
ガレスの動きも慣れてきたぞ
シルも似た機体使ってるからなっ
おれだってやってみせるっ

それはそうと

サーモンお寿司だけだと飽きちゃうぞ!

ルイベとか
お握りとか
鮭イクラ丼とかないのか?
あ、フライもいけるなっ

「あ、マグロは?」(暴言
流石にサーモンと違って高級だから厳しくないか?(悪気なし
ってなんか怒ってるぞっ
これがオブビリオンマシンの狂気…!
「ちょっと違うのでは…?」


神将・愛麗絲
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

来ちゃった☆
さて、オブリビオンマシンってさ、搭乗者とは別に意識があるんだよね?意識があるってことはさ人格があるわけでしょ?
お前達もオナhもとい玩具になるんだよー!
『幼年期の夢で見た魅惑つきせぬ領域。時間と空間を超越するただ一つの窮極的かつ永遠の“アリス”』
借りたガレス量産型に多重詠唱化術武器改造で本体の封神玩具を融合させて、このガレス量産型自体を禍々しい玩具とし触れたオーヴァードーズ達の人格(魂)を排泄させてあげるわ。術解けば元のガレス量産型に戻るから大丈夫だ問題ない。
まぁ、人格(魂)が抜けてもガワは動き続けるんですけどね。OSがダウングレードしたようなものだから動作がバグったりとか相応なデバフにはなるはずよ。いや、こいつら元からバグってたわ、サーモン寿司食わせてくる追加攻撃とか絶対バグでしょ。この身体になってから普通の食事が楽しめない私への嫌がらせかー!先生、パフェが食べたいです……
纏わりついて精気をむさぼる能力で経験とエナジーも奪いましょう。


藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携ツッコミカオス大惨事大歓迎

…まあ、私がネタ堕ちしていないのは事実か
ってツッコミ役がネタ堕ちしたら収拾つかぬことないか?

それはさておき
生身ダメならキャバリアを借りねばならぬのだが
私、運転全般が苦手なので
初心者でも操縦しやすそうなのを見繕っていただければ…
…ってなぜ全身もっふもふしたキャバリアがある!?

あとはもう、後ろでひっそりと
芸がなくて申し訳ないが
「歌唱、優しさ」+指定UCでいつものもこもこ羊アーミー召喚だ
さあもこもこ羊たちよ
私の代わりにサーモン寿司をたらふく食らって
礼として目の前の三機にじゃれついてやるが良い

…味方にラム肉として料理されなきゃいいな
(なお前例ある模様)


アストレイア・ペンタルファ
危うく危ういところでしたわ。あっ、お寿司と一緒にお茶も頂けますか?
お寿司には熱いお茶を添えるのがガレオノイドの掟ですの。

サーモン一色……身は桃色なのにその分類は白身の魚ですから、どの色なのかあやふやですわ!
しかし毒を持っていると、先程のように体当たりを仕掛けるのは気が引けますわね。
それでもやる事は変わりませんの。再びガレオンチェンジで変身して、今度は艦砲射撃で遠距離から行きますわ!
ただ高速飛行が封じられていると少々厄介ですから……ここはひとつ。
「諸君、今こそスーパー合体だ!」と合体して頂いて、大型化したキャバリアで私を手持ち火器のように扱って貰えれば幸いだ!

アドリブや連携も歓迎です。レッツ鮭!


テティス・ウルカヌス
「あ、ここで曲の収録をするんですね」

なんかスタッフの皆さんが、毒がどうのとか言いながら、カラオケボックスの個室のような部屋(注:キャバリアのコクピットです)に案内してくれました。
なるほど、ここで歌った曲はきちんと外部スピーカーで増幅されて外に聞こえるみたいですし、これなら曲の収録もオッケーですね!

「それでは、テティスちゃん、新曲を披露しますねっ!」

番組の収録をしているお笑いトリオの芸人さんたちや、その周りにいる出演者の皆さんの方向に向かって、指向性の高い外部スピーカーから私の歌声をお届けしますね!
なんか、歌えば歌うほど、芸人の皆さんが喜んでくれますね!
よーし、どんどん歌っちゃいますよー!



「……まあ、私がネタ堕ちしていないのは事実か……ってツッコミ役がネタ堕ちしたら収拾つかぬことないか?」
 虚ろ目の美雪がふと、周りをきょろり。
「あれ、今回は引きずり込まれてない……」
 そらー、門に相当する物を通るシーンがなかったからね……。
「建物に出入りしなければ私の精神は安全ということだな」
 一つ学んだ(?)美雪が周囲に漂うサーモン臭に渋面を作ると、格納庫へ。
「それはさておき、生身ダメならキャバリアを借りねばならぬのだが、私、運転全般が苦手なので初心者でも操縦しやすそうなのを見繕っていただければ……」
「ご安心ください、我が国のキャバリアにはアクショントレースシステムが採用されており、操縦技術などなくとも、皆さまの動きをそのままキャバリアが忠実に再現いたします!」
「……胡散臭い通販番組みたいなノリだな」
 そこはかとない嫌な予感と共に美雪が連れていかれた先には……。
「……ってなぜ全身もっふもふしたキャバリアがある!?」
「こちらはプロパガンダを目的に制作された広告用キャバリア、ラウンズくん二世です。戦闘能力こそ皆無ですが、民衆からの暴動を想定して耐久性と機動性を高めてあり、逃げ回るには素晴らしい性能を発揮いたします。操縦が苦手ということでしたら、危なくなったら逃げるくらいの気持ちでこちらはいかがでしょう?」
「えっと、じゃぁ、これで……」
 というわけで、モフモフもこもこのライオンっぽいキャバリアを借りてくる美雪であったが。
「さあもこもこ羊たちよ。私の代わりにサーモン寿司をたらふく食らって、礼として目の前の三機にじゃれついてやるが良い」
「ヒャッハー!マトンステーキにしてやるぜー!!」
 レッドに突撃する羊の群れを指揮するライオン……そこはかとない恐怖政治の香り。
「何故だ!?」
 ライオンが羊を戦わせるとか、ねぇ?
「サーモンスシ!?」
 さーて美雪の号令に反応して来てしまったと思しきチル・スケイル(氷鱗・f27327)。何故かサーモンカルパッチョアボカドサラダ風スシを食いつつ。
「でもサーモンだけがスシではありません」
 などとサーモンマヨブラックペッパー炙りスシを頬張り、口の端にマヨネーズくっつけながら。
「守りましょう、七色の食文化」
 食文化の前にテメェの尊厳を守れ。
「は?」
 はい、鏡。
「……失礼」
 口元を拭ってから、本日の量産機ことガレスに搭乗すると。
「最近は量産機を乗り物にしてますし、なんとかなるでしょう。とりあえずエネルギーを上げてみましょう」
 そんな雑な動かし方で大丈夫か……?
「こ、これは……私の魔力と機体のエネルギー、そしてスシが同化していく!はああああっ!!」
 チルの持つ冷気の魔力が機体の動力炉と魔学反応を起こして、過剰な冷却状態に陥り超電導めいたサムシングでスシがコクピット内を浮遊する……でも何だろう、この手の状態って確かマズかった気が……。
「あっ」
 ビキビキバキバキ!ガチーン!これは酷い……機体が過冷却状態になっていたのか、動き出そうとした瞬間、機体表面の水分が一気に凍結。チルの乗った機体が氷像と化してしまった。
「う……動けません。ですが魔力はたくさんあります。この氷の魔力をフワフワと飛ばして、敵キャバリアにぶつけて凍らせます」
 まだ戦える、という宣言をするチルであったが。
「はっ、大根を黒砂糖で煮たらこう……チョコレートっぽくならない?」
 その傍らでアカン発想に至ってしまったのが双葉である。
「何が言いたいかって言うと……大根【爆発】は芸術だよ君。大根【爆発】はすべてを解決する」
 大根と書いて爆発と読ませる辺り、既に彼女には正気度というものが残っていないようだ。
「とりあえず寿司食う。無限に食う。大根おろし添えたら美味しいやん、サーモン寿司。こう、サーモンにチーズを乗せて軽く炙って大根おろし」
 原理不明の謎技術により、コクピット内に湧き出すサーモンスシを、これまたどこから取り出したのか分からない鬼おろしで大根(爆発性)をショリショリ。寿司に大根おろしをたっぷりと、むしろたっぷり過ぎて大根おろしにサーモンスシが浮いてる状態でもぐもぐ。
「なんか違うな……」
 気づいたか!お前のそれは脇役のはずの薬味が主力になっていて……。
「やっぱチーズをのせて炙ってから……」
 違うそうじゃない!サーモンスシの原型が残っていないって話をだな!?
「え、これ敵からの攻撃でしょ?普通に食べてたら危ないんじゃないの?」
 そもそも量的には爆食いしてたテメェが言うなぁあああ!!
「大丈夫、仮に毒物だったとしても大根寿司で回復するから」
 言っちゃったよ!ついに大根寿司って言っちゃったよ!!
「文句あるなら師匠に言え?こんなアホみたいなユベコ考えたのあの人だぞ!!」
 空の彼方でお師匠様が言っている……「俺を面倒な事件に巻き込むんじゃねぇ」と……。
「それはさておき、アスタキサンチンは目によろしい。老眼予防かなんかになるんだってさ。君達目はよろしい?」
「我々のマシンアイは数キロ先だろうとばっちりだぞ!」
「つまり遠視気味の老眼だな任せろ」
 いや違うって。絶対今の会話、何かが噛み合ってないって。こっちのそんな言葉が届くはずもなく、片やロケットハンマーを構え、片や巨大な大根を構え、睨み合うと……。
「ハンマーは攻撃が大振りになりがち……だったら!」
 お互いの武器で殴りあう……と、見せかけてぴょいっと下がって逃げる双葉。からの大根を投擲。
「馬鹿め!自ら武器を投げ捨て……」
 と、まさか大根が爆発物とは知らない敵が追撃を仕掛けようとした瞬間、チュドーン!!派手な爆発が戦場を襲う!そしてまき散らされる爆風に飲まれたのが。
「ちょ、あの、機体が滑る……!」
 氷像状態のチル。しかしまー、機体の方はいいんだよ。
「よくないです!私ごとものすごく横滑りして……どこまで行くんですかー!?」
 彼女にはどこか遠いところで戦ってもらおう……いなくなった奴は置いといて、爆風の余波を受けたのはチルが放っていた冷気という名の魔力。これが風に煽られて味方の方へ。その結果被害にあったのが。
「あっ、もこもこ羊アーミーがシャリシャリシープ傭兵に!!」
 まさかの美雪(正確には彼女の羊さん)だー!
「毛並みと一緒に心も冷え切ってしまったのか、心なしか目つきも悪くなってしまった気がする……どうしてこんなことに!」
 いや知らんがな。
「うるせー!俺は魚よりも肉だ!肉よこせ!」
 おっとここで新顔の参戦だ!古美門・烈火(魔装少女レッドフレア・f29927)が拳を突き上げて愛機を呼ぶ!
「アセンブル!インフェルシオン!」
『召喚を拒否します』
「……え?呼んじゃ駄目だって?」
 ある日突然、降って湧いたやたら人間臭いロボットに取り込まれて強制的にパイロットにされた挙句、いざ呼ぼうとしたら来てもらえない……彼も結構な苦労人なのかもしれない。
「ちょい待てぇ!俺は女……じゃねぇ!?間違えたー!?」
 ……本当に苦労してきたんだろうなぁ……女扱いされ過ぎて、男扱いで『彼』ってつけられたことにツッコミを入れてしまうとは……。
「くそっ、あいつ呼べないんじゃ俺も機体を借りるしか……」
 で、烈火の目に入ったのが。
「三機揃ってサーモン寿司食べさせてくれるそうですが、そのサーモン寿司は、機械ですか?それとも毒入りですか……?普通のサーモン食べさせろ!!」
 怒り狂い、四肢から七色のドリルを生やして唸りを上げるガレス(摩那機)。
「お料理番組のゲストというからワクテカして行ったら、ただの拷問だった件で、只今サーモンにはお怒りです。この憤怒、サーモンハラミではらさでおくべきか……!」
「なんであんなんに乗らなきゃいけないんだ!」
 気持ちは分かる。気持ちは分かるが待って欲しい。両手両足がドリルになってて、虹色の花弁をまき散らしながら地上にハーフパイプ式の足跡を残して高速移動するアレがおかしいんであって、ガレスそのものは普通(とは言い難いけど黙っておこう)の機体なんだよ。
「あんなのに乗るくらいなら、素手でいったらぁ!!」
 と、ヤンキー特有(偏見)の根性論で突貫していく烈火であったが。
「あぁ……DHAが染みる……お肌が綺麗に……食べなきゃ……お鮭食べなきゃ……」
 虚ろ目でうっとり……からの、ハッと我に帰って。
「なんで俺だけ依存性毒物と一緒にメス堕ち催眠までついてるんだぁあああ!?」
 完全にお肌を気にする乙女の顔してましたね。
「うっせぇぶっ殺すぞ!?」
 真っ赤になった烈火は奥歯を噛みながら、チラと視線を投げる。その先には残像を残して左右から同時に斬撃を叩き込んでくるイエローに対して、脚部ドリルを逆回転させ高速後退しながらドリルジャブで剣戟をいなし、分身の中心に踏み込んで高速サイドステップを強制キャンセルし、敵機を特定して殴り掛かりアームブレイドとドリルアームで火花を散らす摩那。
「乗るしかないか……」
 がっくり肩を落とした烈火がトボトボ搭乗。動き出したガレスを前に、グリーンが両腕を揃えて前ならえ。
「選ばせてやろう。鉛弾を食らってからサーモンスシを食うか、サーモンスシを食ってから鉛弾を食らうかをなぁ!」
「どっちも同じじゃねぇかぁあああ!!」
 もはや自棄を起こしているのか、絶叫する烈火。彼の叫びに呼応して、ガレスもまた装甲を真っ赤に染め上げていく……。
「サーモン寿司なんてなぁ、焼き払ってやるぜ!」
「ならば鉛弾をご所望か。安心したたまえ、弾幕の後はぽっちゃり体系になるまでたらふくサーモンスシを食わせてやる!!」
 両腕を包むように搭載された非回転式ガトリング砲よりばら撒かれる無数の弾丸。数の暴力をもって射撃という点ではなく、弾幕という面での制圧射撃が烈火を襲う!
「弾が怖くて喧嘩ができるかぁ!!」
「なっ、正面突破だと!?」
 装甲にぶち当たる弾を歯牙にもかけない烈火だが、損傷をまったく気にしていないわけではなく、着弾時に金属製の弾丸が熔解し、そもそも被弾になっていないのである。
「ならば仕方ない、光学兵器に切り替えて……」
「遅ェ!!」
 装甲に埋設されたレンズから放たれるレーザーを屈んで回避、握りしめた拳を引いて。
「レッドフレア!プロミネンス……バスター!!」
 打ち上げるアッパーカットがグリーンの胴体を捉えた瞬間、熱伝導によりグリーンの装甲が赤熱。機体の中心が溶け落ちて、二つのフレームに空中分解してしまった。
「イエロー!グリーンが……ッ!」
「次のグリーンは上手くやってくれるだろう」
 仲間の死に、やたら淡々としてるなーって思ってたら、にょきっ。サーモンマシンが湧いてた穴から新鮮なグリーンが!
「任せろ、次の俺はもっと戦って見せる!」
 これ、集団戦なのよね……。
「何度出てきたところで変わらねぇ、何回でもぶちのめしてやるよ!!」
 中指立てて挑発する烈火だが、その周りにシャリシャリシープ傭兵が殺到!
「めー」
「メェエエエ」
「何だこいつら!?」
 凍り付いた羊毛をこすりつけて、機体の過剰な熱を発散しオーバーヒートを防いでくれているらしい……が。
「ラム肉が自ら焼かれてやがる……ごくり」
 焼き肉を想起した烈火が見つめていると。
「めぇ?」キラキラ……
「や、やめろ、見るな!そんな純粋無垢な瞳で俺を見るなぁ!!」
 結果的にダメージ入ってませんかね、アレ?さぁてこの光景を目の当たりにしたメルクリウスことメルシーは。
「ご主人サマ!サーモンより鶏肉だよね!」
「てめーは何を言ってるんだ!?」
 コクピット内にて鶏の使い魔形態で、カシムの膝上で「食・べ・て♪」のポーズ。本当になにやってんだろうね?
「ほら、ご主人サマがメルシーを食べれば、実質合意だからメルシーもご主人サマを晩御飯(意味深)にしても合法に……」
「さーて敵の特徴はっと……」
 現実から目を逸らすように、カシムは敵が色に対応したスペックに特化し、連携を前提とした機体であることに目をつける。
「つか……そういえば折角この依頼なら……UCこれでいくか……と言う訳であの依頼の成果です」
 あの依頼ってどの依頼だよ?ていうかUCを作成するほど真っ当な依頼でお前と会った事あったっけ?
「ありましたよ!?戦争のネームドエネミー戦でありましたよ!?!?!?」
 というわけで機体表面に水蒸気を散布し、光の屈折を操作して迷彩を張るメルクリウスより放たれる特殊な磁場。
「幸い、市街戦で素材には困りませんからね……」
「いっけー!チェックメイトだ☆」
 規則的に並べられた石材を素材にして、隣接する居住区の石畳から生成されたそれはモノクロの歩兵部隊。
「全軍突撃!」
 メルクリウスの指揮に従い、横一線に並ぶポーン【歩兵】部隊。統制された人海戦術を前に、レッドはハンマーを弄び。
「有象無象で勝てるほど、俺たちは甘くないぞ!」
 一斉に斬りかかるポーンを横薙ぎに吹き飛ばし、隊列を砕くのだが、頭上から敵影が落ちる。
「オイマジか」
 四つ足の半獣半人ゴーレム、ナイト【騎兵】の駒が空中より突撃槍を振り下ろす。後退を余儀なくされたレッドへ戦線を押し戻したポーンの軍勢が食らいつき、上から前から攻め立てられるレッドのセンサーに巨大な反応が一つ。
「待て待て待て待て!?」
「待つわけないでしょう」
「そーれ、プッチン☆」
 メルシーウィンクと共にルーク【城壁】の駒が戦場をシャーッ!ポーンも、ナイトも、そしてレッドすらも引き潰して石粒と鉄屑に変えてしまった……。
「普通味方ごとやるか!?」
「うるせー!つーかてめーら、寿司は高級だろうがっ!毎日とか贅沢か!」
「ご主人サマ!サーモンは安い方だよ!」
 新鮮なレッドに対してカシムが叫んだ瞬間、メルシーから入ったツッコミで戦場に一瞬の沈黙が広がる……。
「後他に食べ方ないのか馬鹿野郎!」
 自称インテリ盗賊さん、ちょっと物価の相場についてお話を……。
「ムニエルとか諸々ぉ!」
 野郎、叫んでごまかしたな!?
「いや、実際どうなんだ?」
 この叫びをちょっと離れた位置で眺めていた穹はコクピット内でサーモンスシを頬張りつつ。
「……サーモンレンジャー的なあれか……?とすると今は三機でサーモン寿司にしかなれないけど、そのうち酢飯イエローがやられたタイミングで白飯ブルーが出てきて鮭おにぎりになるとか、強敵が出てきた辺りでイクラピンクと醤油ブラックも登場して鮭とイクラの親子丼になるとか?」
 などと、サーモンスシにイクラを乗せるという、地味に緻密な作業をして親子丼ならぬ親子寿司という、大きさにして数センチの達成感に浸りながら味わう穹。しかし、撃破された機体の新鮮な同色が補填されている辺り、彼の思い描いている展開は訪れないらしい。
「それともピンチになるとこんなこともあろうかと的なお約束の強化展開でバーナー的なメカが出てきてサーモン寿司が炙りトロサーモン寿司になるのかな?」
 ねぇよ。今回の組み合わせ的に気持ちは分かるが、あのサーモンスシシステムは今回の事件限定で搭載されてる機能なのであって、本来はあのキャバリアが持ってる機能じゃねぇんだよ。元々の奴は結構やべぇぞ?
「そっかー……ところで観測者さんよ」
 UCで小型バーナーを生み出し、サーモンスシの表面を炙りながら。
「最近サーモン絡みの番組でも見たか美味しいサーモンを食べる機会でもあったのか?飯テロという程でもないけど、ちょっと影響されて夕食にはご飯に鮭フレークをかけて美味しく頂きました」
 いや、そう言うのは全くないんだけど、フラグメントガチャした時に奇跡的な引き(?)をしてな。これは書くしかないってなったタイミングで、スーパーでサーモンの寿司を買ったら骨がまんま残ってて、ガリガリ音がするし小骨が刺さるしで、散々な想いをしたのを思い出して、描写くらいは美味そうにしようと思ったってのはある。ところで穹。
「なんだ?」
 おめーさりげなくプレイングを雑談で埋めやがったな!?
「ばれた……だと!?」
 戦闘判定が発生しなきゃ気づくわド阿呆!
「そういやこのガレスとか貰えないのかな?」
 おうこらテラ、今一応戦闘中だからな?戦闘プレの『ツ』の部分すら書いてない奴もいたけどこのフラグメント集団戦だからな?
「え、フラグメントはボス戦って記載が……」
 ヘカテイア、覚えておくといい。世の中には気にしない方が身のためになる事もあるんだよ。
「そ、そうですか……それでテラ、この機体持って帰るつもりですか?」
「あ、いや他の人にあげられないかなって?」
「そ、そうでしたかっ」
「大丈夫、次ではヘカテの出番だからっ」
「よかった……!どうも次は私が出たい気がしてたのです」
 ここでヘカテイアが安堵のため息をついた辺り、機体を乗り換えられると思ってたのかねぇ……。
「ガレスの動きも慣れてきたぞ。シルも似た機体使ってるからなっ!おれだってやってみせるっ!!」
 あの魔砲少女か……そもそも動力炉が二基併用ってのが問題な気もするけどなぁ、アレ。
「そうなのか?」
 テラが目線を上げると、頭の上の黒にゃんこことヘカテ曰く。
「魔力とエネルギーインゴットのハイブリット機と言うと、二つの燃料で動く便利な機体に聞こえますが、それは都度動力炉を切り替える場合の話で……」
「……」
 テラは気づいた。ヘカテが『神機教師ヘカテイアせんせー』状態になりかけていると。
「それはそうと、サーモンお寿司だけだと飽きちゃうぞ!」
「テラ!?話は終わってませんよ!?」
 話が長くなる前に、振り払うようにブースターを点火。土煙を置き去りに、急加速したガレスがグリーンに組み付き、投げ飛ばし姿勢を崩しながら両腕の銃身を向けさせない。機体が地面に触れるより先に、再加速して突貫し。
「ルイベとか、お握りとか、鮭イクラ丼とかないのか?あ、フライもいけるなっ」
 提案に合わせて拳を叩き込み、四発目に合わせて蹴り飛ばすと瓦礫に叩き込んだ。グリーンが起き上がる前に、ヘカテにゃんが前脚を挙げて。
「あ、マグロは?」
「流石にサーモンと違って高級だから厳しくないか?」
「……ほぅ?」
 テラの何気ない一言に、グリーンがゆらり。
「貴様ァ!サーモンを侮辱するかぁあああ!!」
「ってなんか怒ってるぞっ!?これがオブビリオンマシンの狂気……!」
「ちょっと違うのでは……?」
 苦笑気味のヘカテにゃんだが、明らかに敵のスペックにブーストがかかっている。今までと比べ物にならないスピード、火力をもってガレスを……。
「まぁ動く前に重力で潰しちゃうんだけどな」
「ギャッアー!?」
 これは酷い……ここからシリアス感漂う猛攻が始まるはずだったのに、何かする前にデコピン一つで金属片になるほど圧壊されたグリーンだったモノが戦場に転がった。
「次は人型でありますか」
 人型の原型も残ってなかったけどな。
「ふむふむ……鮭の軍艦巻きでありますかな?OK!こちらのサーモンとそちらのサーモン!どちらが美味か勝負デース!」
 何がどうしてそうなったのか分からないが、バルタンVSグリーンのクッキングバトルが始まる……!
「という訳でラウンズ協賛という伝手を使い、新鮮な素材を用意しまして」
 で、取り出したサーモンはまぁ分かる。相手の土俵で戦うんだろうなって。問題は大量の山葵。
「わさびには抗菌作用があり、消臭や食中毒防止に大変役立ちマース!たっぷりオーヴァードーズに擦り付けて、安全確保であります!」
「ちょっと待て、つまり俺が汚いというのか!?」
 ここでグリーンが謎のマッスルポーズ。
「サーモンスシという!思考の食品を提供するこの俺がッ!!汚いとッ!?」
「イェス」
「理不尽ッ!?」
 地下から湧き出して来たロボットって時点で大分汚いとは思うんだけど、消毒液じゃなくて山葵を塗りたくられている辺り、理不尽と言いたくもなるよな……。
「元々緑色だから問題ありまセーン」
 あのー、生山葵って結構お高いんですが、それを大量に無駄遣いしたことは問題では……?
「ワタシのお財布じゃないからノープロブレム☆」
 このアマ……!
「さーてガレスのおててを洗いまして……本番デース!」
 お湯で山葵の残骸を落とし、バルタンは巨大な箱を開く。
「ここで本日のマストアイテムの紹介デース!」
 キャバリアサイズのながーい刺身包丁でも出てくるのかなーって思ってたんだが。
「取り出したるはUC由来のグレネードランチャー!何が出るかはMS様の抜群なセンスにお任せデース!」
 調理関係ねぇえええ!!しかも弾頭の中身はこっちにぶん投げただと!?
「六式武装展開、闇の番!ビッくらドン!」
 ちょっと待ってネタを考える時間もなく撃たれると描写ができな……いや待てよ?こっちで何も書かないとしても、事前に装填されているいわゆる通常弾が撃たれるだけだから、敵が撃破される展開に……。
「あ、コレ、非殺傷弾限定デース」
 貴様ぁあああああ!!かくして撃ちだされた弾頭がグリーンを襲う!その中身は……。
「アジの叩き……だと?」
「ふ……高級とも大衆魚ともいわれる半端者よりも強い物……それこそがお手軽なお魚のシンプル料理デース!」
「さーもん……サァアアアアモォオオオオン!!」
 絶望と屈辱の断末魔を残し、グリーンは爆発四散するのだった……。
「でも新しいの出るんですよネ?」
 うん、まだこの章終わってないからね……もう終わってしまいたいのが本音だよ(後続を見つつ)。
「え……私、何か失敗を……?」
 いや違ぇよお前じゃねぇよ。お前じゃねぇけどなんでピクニックセット広げて寿司食ってんだアストレイアさんよぉ!?
「危うく危ういところでしたわ。あっ、お寿司と一緒にお茶も頂けますか?お寿司には熱いお茶を添えるのがガレオノイドの掟ですの」
 どういう掟だよソレ!?
「いや、俺らはサーモンスシ提供システムしか……」
「あら……では、お茶はいただけませんの……?」
 サーモンスシを前に、しょんぼりするアストレイアを見たグリーンがちょっと下がって、イエロー、レッドと円陣を組む。
「え、これどうすべき?」
「我々の目的はあくまでもサーモンスシの普及。だがそのサーモンスシを食すにあたって残念な思い出が発生しては本末転倒というもの」
「だがどうする?俺たちには酢飯と海苔とサーモンを出す機能はあっても、お湯を沸かす事すらできないんだぞ?」
 ちらと、三機がアストレイアを見ると『ザ・お茶』って書かれた缶を持ってキラキラした目を向けていた。
「どうするんだ!?あの目はお湯を用意してもらえるものだと期待している目だぞ!?」
「み、水なら炊飯用の最高級天然水があるし……」
「それを沸騰させないと意味がないだろうが!」
 纏まらない会議の結果。
「仕方ない、俺が行く!」
 グリーンの腕部搭載ビームキャノンが火を噴く!ただし、超!低火力で!!
「くっ、まさかやかんの湯沸かしの為にこの兵器を使う日が来るだなんて……!」
 まぁ、普通思わないよな、ビームでお湯沸かすなんて。
「はふぅ……無事にお茶もいただけましたし……」
 後ろの方で「俺はやり切ったぞー!」とか叫んでるグリーンを置いといて、アストレイアはレジャーシートやら何やらを片付けると。
「サーモン一色……身は桃色なのにその分類は白身の魚ですから、どの色なのかあやふやですわ!しかし毒を持っていると、先程のように体当たりを仕掛けるのは気が引けますわね。それでもやる事は変わりませんの。再びガレオンチェンジで変身して、今度は艦砲射撃で遠距離から行きますわ!」
 あっれー?このおぜう擬き、普通にぶちのめすつもりだぞー?
「諸君、今こそスーパー合体だ!」
 しかもガレオン形態になりながら、味方と融合して一気に仕留める気だー!?お茶を淹れてもらった恩を忘れたのか!?
「ふっ……それはそれ、これはこれ、というものだ!!」
 というわけで戦場のガレスが集い、巨大ガレスが爆誕する!ただし。
「私の機体が頭になったせいでライオンヘッドになってないか!?」
「ドリルのまま腕になってしまいましたかー……」
 美雪の機体のせいで頭だけアニマルになってたり、摩那のUCの影響で片腕が巨大ドリルになってたりと、何かが違う。
「大型化したキャバリアで私を手持ち火器のように扱って貰えれば幸いだ!」
 と、艦載砲に砲弾を装填したアストレイアだったのだが。
「その腕が片方ドリルになってるせいで、片手しか使えなくて……」
「……なん、だと?」
 摩那の申し訳なさそうな声に、衝撃を受けるアストレイア。その様子を遠くから眺めている三機。
「これ……撃っていいのか?」
「いや駄目だろ……空気的に駄目だろ……」
「でもほっといたら、俺たちまとめて始末されないか?」
 想定外の形で膠着状態に陥ってしまった。しかし!

 ――幼年期の夢で見た魅惑つきせぬ領域。時間と空間を超越するただ一つの窮極的かつ永遠の『アリス』

 あー、なんかもー嫌な予感しかしねぇ。降り注ぐ日光を遮る雲。大空に漂う微細な水滴は本来、天より下る光条を塞ぐには足りぬ。されど立ち込める暗雲は天を閉ざし、覆い隠すには足りぬ質量の果てから注ぐはずの陽光すら地平の向こうへ堕ちた。

 ――私達の知覚を離れた客観的真理などない、故に、あらゆることは真実であり可能である。

 時を無視して夜を迎えた世界の只中、光無き暗夜の虚空、浮かぶアリスは妖艶に笑む。
「ふはははは、聖属性を克服し太陽光すら届かぬ『夜』となり混沌魔術の使い手たる私にもはや恐れるものなどない……もう何も怖くない」
 なんだろう、今、盛大な死亡フラグが建った気がする。
「光がなければ見えないとでも思ったか」
 敵はキャバリア、機械兵器である。人とは異なる感覚器【センサー】を持つ彼らには、宙に浮かぶアリスの姿がはっきりと見えていたのだ。グリーンがその両腕に搭載された銃火器を向ければ闇を引き裂く光学兵器の光条と弾丸を撃ち出すために点火された薬莢の灯が煌く。
「うふふ……あはははは!」
 ふらり、ひらひら、風に舞う木の葉のように、空中を漂うアリス。無数の射撃が迫ろうと、掠りさえしない。圧倒的戦力差を前に、舌先が唇をなぞる。
「さぁ、どう料理してくれ……」
「むむ、スポットライトはあちらですね!」
 勝利を確信したアリスが、その勝ち誇った表情のまま時を止められたように硬直する。ぎこちなく振り向けば、明らかに戦闘員の走り方ではないガレスが接近してきているではないか。
「真っ暗な中でスポットライトに飛び込むテティスちゃん……これは、来ますね!それでは、テティスちゃん、新曲を披露しますねっ!」
「あああああああ忘れてた忘れてた忘れてたヤバいヤバいヤバいもう間に合わないどうしようどうしようどうしようテティスちゃんのことすっかり忘れてたー!」
 MVの大ヒット(?)を確信してコクピット内でドヤるテティスに対して、先ほどとは打って変わって絶望を通り越して錯乱し、おめめぐるぐるで頭を抱えて空中で荒ぶるアリス。
「れれれ冷静になりなさい、こっちは見えてないはずだから今のうちに全力で防御の術式を編んで……」

※ただいまテティスが歌って踊って音響兵器による殺戮……もとい、触れた物体に共振現象を引き起こし分子結合を強制崩壊させ原子レベルに分解する歌声を周囲一帯にまき散らしています。倫理規定でお見せできないためしばらくお待ちください。

「設定通りの能力があってフォロワー数に比例した強さがあるのに耐性抜けてくるってどうなってええい死なばもろとも多重詠唱でオーヴァードーズにもあの歌声を共鳴させてあげるわー!」
 空中なんかにいたせいで歌声が直撃し、全身が三十二回くらい爆散したアリス(現在三十三人目)が自棄を起こし、涙目で撃ち込まれる歌声を地上へ向かって複製。敵機三人組を殺戮の旋律が襲う!
「「「トラウトッ!?」」」
 サーモンとは似て非なる断末魔を残し、三機は各々のパーソナルカラーに弾け飛んだ!!
「きゃー☆綺麗な花火ですね!」
 これをフィニッシュの演出と勘違いしたテティスが誰も見てないのに決めポーズをとったところで、空に光が戻ってくる。
「……下手に防御力上がったものだから意識を失えない地獄を見たわ……」
 アリス(三十四人目)は日の光に照らされて……サーモンを食っていた。
「サーモン……さーもん……しゃーもん……おいちぃ……さー……も……ふふ、ふふふふふふ……」
 愚かな……あれほどキャバリアに乗らなければただでは済まないと言っておいたのに、UCによる人類からの逸脱で挑むからこうなるのだ……彼女はしばらく、サーモンしか口にできないだろう……。
「「「……」」」
 さて、そんな様子を出現予定の穴から見ていた新鮮な三機体。あ、これアカン。そう察して引き返そうとするのだが。
「さて、オブリビオンマシンってさ、搭乗者とは別に意識があるんだよね?意識があるってことはさ人格があるわけでしょ?お前達もオナhもとい玩具になるんだよー!」
 もう一機のガレス……?馬鹿な、奴は言動が理解不能過ぎて不採用の印を押したはず……!
「来ちゃった☆」
 来ちゃった、じゃねぇよ神将・愛麗絲(艶魔神将・f36093)!プレイングが何言ってるか分かんねぇ上に、中身がニッチにも程がある性癖の塊だったから不採用にしただろ!?なんでここにいる!?
「え?体の方に不採用の印鑑押されたから、自分で自分に人格排泄して、魂だけで参戦してるだけよ?」
 既に何言ってるか分からない……。
「考える必要はないわ。見ていれば分かるもの」
 などと言いつつ、普通にグリーンをぶん殴る愛麗絲。すると敵が二人に増えて、片方は半透明に……。
「このガレス量産型は私の本体が所持する封神玩具と連結されている……つまり、触れた対象の自意識を強制的に排出することが可能よ」
 要するに、攻撃した相手を幽体離脱させるって事で。違ったとしてもそういう事にしよう。これ以上のカオスはマジ無理。
「なんにせよ、人格を失えばオブリビオンマシンもただの機械人形。プログラムされた基本動作しか行えない程度にはOSがダウングレードされて、動作がバグったりとか相応なデバフにはなるはずよ。いや、こいつら元からバグってたわ、サーモン寿司食わせてくる追加攻撃とか絶対バグでしょ。この身体になってから普通の食事が楽しめない私への嫌がらせかー!先生、パフェが食べたいです……」
 魂だけで参加するから食えないのでは?オラ、さっさと帰ってファミレスでも行って来いよ。
「肉体の方も人形だから食事できないんだってばぁああああ!!」
「とりあえずサーモンスシが弱点っぽいな」
「よく分からんがやられたグリーンの恨み!!」
 おっとここで愛麗絲をレッドとイエローが左右から挟み込み、サーモンスシを押し付けてくる精神攻撃!
「ちょ、やめ……ご飯食べられないから空しくなるって言ってるでしょぉ!?」
 割とガチ目の涙声が聞こえて来たところで……皆さん、奴等の事を覚えていらっしゃるだろうか。
「あの、これ本当に大丈夫ですか?」
「問題ない……この一撃で全て終わらせる!」
 はい、合体した巨大ガレスです。そして今、片腕でアストレイアの船体を支え、衝角を中心に船体の前半分が左右に展開したその中心にドリルアームが接続され、機体としては片腕ばかりが巨大な歪すぎるシルエットに。
「摩那と言ったか……地獄までつきあってもらうぞ!!」
「え、嫌なんですけど?あのカオスな三人組に突っ込むなんて嫌なんですけど!?」
 しかし無情にも、ドリルアームこと摩那のガレスのブースターが点火。アストレイアのフライトユニットと合わせて推進力を得た腕諸共、ガレオンパンチとして撃ちだされていく!
「全砲門解放……撃てーっ!!」
「なんで今回の私こんな役回りなんですかぁああああ!?」
 艦載砲を叩き込みながらレッドとイエロー(ついでに愛麗絲)に向かって、一撃そのものと化したアストレイアと摩那が迫る!
「こうなったらドリルエンジンを最大出力!何かしかの余波を受ける前に突き抜けます!!」
 唸りをあげる削岩機。身の危険を感じたレッドとイエローが逃走を図るが、アストレイアが分離、ガレスの背に艦載砲を向け。
「行けー!!」
「なんでー!?」
 砲撃を背に受けて摩那が急加速。残る敵機を粉塵と変えたのであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『冥導神機『モルス』』

POW   :    RXキャバリアソード『死の運命』
攻撃が命中した対象に【命中箇所から広がり続ける死の呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【生命力・エネルギー枯渇による衰弱の呪い】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    対生物戦殲滅機構『死の眠りの神』
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【機体全身】から【生命力やエネルギーを奪う死の閃光】を放つ。
WIZ   :    有機生命根絶機構『冥界への導き』
自身の【機体全身】から【死滅の波動】を放出し、戦場内全ての【キャバリアに乗らぬ有機生命の生命活動】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は槐・白羅です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――コーン……コーン……。

 地下に続く穴から、乾いた音が近づいてくる。
「地上人類よ、サーモンはお気に召さなかったか」

 ――コーン……コーン……。

 キャバリアの歩行とは思えない、軽く、乾いた足音を響かせて、漆黒の機体が姿を見せる。
「相容れぬなら仕方ない。死を与えよう。命の危機を前にしてこそ、食事のありがたみが分かるというもの……」
 振るうそれは、禍々しい青き剣。周囲に放つ殺気は、刃の如き鋭さをもって。
「死合おう。もはや他に道はない」
 明らかに今までとは異なる気配を纏う機体を前に、決戦の幕は開かれた。


※次回執筆は18日。間が空くため、プレイングを投げるときはタイミングにご注意ください。なお、ラスボスは周囲の生命体の寿命に直接損傷を与えるバケモンの為、いままでのノリで行くと痛い目に遭います(訳:キャバリアがないと戦えないって言ってんのに、プレやUCの搦手でルールを抜けようとするのは許さんからな?)
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
化術で萌え擬人化サーモン巨美少女ジャイアントキャバリアになったワンダーラビット(装備8)に搭乗。リミッター解除、限界突破、封印を解く、オーバーロードで幽体化しワンダーラビットに降霊。自前のキャバリアならいいのでしょ?ダメならさらにガレス量産型と武器改造で合体するけど。
死の呪いに衰弱の呪い?それは私にとっては食材よ。エナジーを糧にするサイキックヴァンパイアにして混沌魔術(結界術)の使い手たる私にはね。
既存技術からの借用、混合、DIYで成り立つ混沌魔術は糧を得るためのサバイバル技術すら魔術となす。付与されたならその呪いは私の所有物。エネルギー充填し食材となし百合籠の君で作るはいーとみぃスターゲイザーサーモンパイ。さぁ、召し上がれ♪
星見鮭パイ『いーとみぃ♪』
だが、これも下拵えだ。本命はモルスきゅんだ。萌え擬人化サーモン巨美少女化して倫理結界の向こう側でおいしくいただくのだ。私の敵は私の的なのでこれはもう所有物も同然よね♪
えっちなのうみそおいしいです♥


満月・双葉
よし、このキャバリアにも慣れたぞ。
サーモン寿司をよこす宜しい。
えっ、もうボス?
楽しい時間はあっという間だね?!

てか物騒なもん出てきたねぇ
この世界において、鮭(キャバリア)が全てなんだろ?
僕覚えた。
大根は『あたらない』験担ぎで寿司とかに添えられるんだろ?
仲良くしよ★
大根(しょくじ)の有難味はよく知ってる。
僕は大根くってりゃ無限に頑張れるから。
君にとってそれが鮭だったって話だ。
つまり何が言いたいかって?
特に何も言いたいことはないよ。

これ、キャバリアに乗る以外に対処法あんの?
キャバリア大好きかアンタ。
まぁ、そういう世界だし当たり前か!

波動とかビーム以外にも直接殴って来るかも知んないし、野生の勘とししょー直伝ので何とか受け流したり出来ないもんかね。
キャバリアでなんとか対処するにも限界ありそうだし、無茶はせずに避けられるもんは避けて…流して投げてぶつけて…
あとはまぁ…爆発オチ最高!

ぁ、鮭釣って帰ろ。


チル・スケイル
アブノーマルな事を書いてしまったばかりに、味方に迷惑かけて退場と相成ってしまいました
これでは、いけませんね。

すっかり凍りついたレンタルキャバリアは乗り捨てて、自前の機体『キャメル』に乗ってきましたよ

魔法で巨大な氷の塊を作り出し、敵キャバリアに投擲したり叩きつけたりします。いくらでも提供しますよ、たくさん食べてください
私の機体は運搬用です。パワーなら引けを取りません多分

お気づきになられましたか。サーモン、マグロ、イカ、タマゴetcetc。スシをかたどった氷塊です
名付けて氷術・造・寿司(アイスクラフト・スシ)!
サーモンの素晴らしさは知っています。しかし魚はサーモンのみに非ず。


古美門・烈火
おいおい…言ってることはちょっとふざけてるが
さっきと比べて随分と真面目そうなやつじゃんか。
…さっきと同じくらいのテンションで行ってもいいのか?
【アドリブOK】
さっきのキャバリアは無事だろうな?
正直ぶっ壊れてなければユーベルコードで全力出して仕掛けに行くぜ。
オーバーヒートするまで全力でキャバリアを動かして波動を回避して攻撃することにする。
後はまぁ、サーモンばっかりだといつか飽きるとかそういう話がおすすめかな。


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

……もしやタグをご覧でない?
ならばこの戦い、我輩たちの勝利デース!
(指し示す#シリアスった奴から死ぬ)

さて……黒色? 青色?
ということは、ブルーベリーでありますな!
アナタはジャムの寿司にしてあげマショー!
ご安心くだサーイ、椿殿なら! 椿殿なら可食なはず!
できマスヨネ? ……OK!

当たらなければどうということはない!
ガレスの手を伸ばし、さっき倒したオーヴァードーズを掴み、『死の運命』を受け流しマース!
敵を盾にする? HAHAHA、これは武器受けでありますよ!
同士討ちで怯んだところで、六式武装展開、鉄の番!
叩いて潰しにかかりマース!

ところで、此奴はサーモンではないのでは?


城田・紗希
キャバリアの操縦に慣れなくて、時間かかっちゃった!(遅々として進まない足運び)
出遅れたけど、私も鮫の掴み取りに…さん、か……。
(戦場を確認。章番号を確認。鮫、じゃなかった鮭を探す。戦場を確認。)

……貴様が犯人かー!(ブチギレウィザード)
鮫の掴み取りに挑もうとしたのにもういないじゃん!ていうか残骸、明らかに機械じゃん!食べ物ないじゃない!!
キャバリアに乗らないと捕まえられない巨体って聞いてたから、頑張って操縦覚えたのに!無駄足じゃん!!(いつも通りに半端にしか覚えてない&鮫と鮭を間違えてる)
わたしの怒りを喰らえー!(機敏なマシンから、ミサイルに混ぜて矢を掃射)


黒木・摩那
目が回るー

今までの敵と比べて、全然サーモンっぽくない機体ですね。
見ただけではサーモン推しているような雰囲気は無いです。
しかし、サーモン食べなければ死すべし、というのは困ります。
もちろんサーモンはおいしいです。
でも、イクラだって、ハラスだって食べたいんです。
食の多様性を許さない敵は、こちらこそ許せません。

相変わらずガレスの動きは極端ですが、だいぶ感じもつかめてきました。
細かい動きを狙わずに、無理矢理に動かしましょう。

ガレスの頑健さを前面に押し立てて突進。
UC【超重新星】を掛けて、破壊力を増した機体で【重量攻撃】します。
いわゆるボディプレスな抱きつき攻撃。
【呪詛耐性】もあるので、押して参ります。


藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携ツッコミ大惨事どんと来い
搭乗キャバリアは2章同様

…いや、お気に召さなかったのではなく
無理に食わせるのがそもそも間違いなのだ
…ジャガイモも割とそうだったんだがな(遠い目

で、あえて言っておく
間違いなく料理されるの、あなたなんで
…私は止められないんで(諦め

この機体には間違っても近寄りたくないですねー
まあ、今回はもふもふ召喚石大盤振る舞いするか
搭乗キャバリアの口(!?)からぽいぽいっと20個ほど投げて指定UC発動
さあ天使のもふもふさんたちよ
猟兵達を思う存分回復するがいい

あっ、応援もふもふさんになったらゴメンネ
これ、効果がランダムなもんで
何が出るか私にもわからん(てへぺろ


アストレイア・ペンタルファ
今度は一体どのようなサーモン料理が味わえるのでしょうか……そんな、サーモンはもう打ち止めですの!?
そこをなんとかお願いしますわ、大将!
えっ、大将ではない?それではなんとお呼びすれば……オーナー?板長?それともシェフ?

キャバリアに搭乗していなければ危ないと言われれば、流石にガレオン砲は厳しいですわね。
それでは再びスーパー合体形態で参りましょう!
全身がピーキーな加速性能を誇るこのガレスであれば、全身でフルブーストをかけて重量攻撃が可能なはず。空中機動の制御はお任せください!
合体することで質量はX倍!そこに各自のレベルを足した一撃は痛烈!
名付けてフライングボディガレスですわ!言いたかっただけですの。


水島・可奈
紗希からなんか提案的な行かないか的なのがあったし来てみたけど…ナニコレ、サーモン?私お寿司はイカ派なんだけど?
ま、まぁともあれやるか。キャバリアがないとダメみたいだし、適当にレンタルしようっと。…正直神機とかのキャバリア見てると羨ましくなって自分も持ってみたくなっちゃうからね。

これがキャバリアかー。いつも外からみんなが乗って活躍してる風景しか見てないからなー。
自分で動かすのは新鮮…(『情報収集』しながら色々動かす)
えっ、ちょっと、何、凄い動き方がピーキーなんだけど?
これ行ける?大丈夫?…まぁいざとなれば『ハッキング』でどうにかすればいいか?

で、倒す敵はアイツと。
なれていないしとりあえず距離を取って…って待て、なんでわざわざ近づくこのキャバリア?ああもう、言うこと聞いてー!キャバリアこんな扱いにくいの!?

…一応私悪霊で死んでいるけど体に何起きるかわかんないしな。さっさと終わらせよう。
装填した武器や弾丸に【反射銃撃】の力を乗せる!
それだけ動き回ればうっかり当たっちゃう可能性もあるよね?


涼風・穹
鮭だけに地下から地上へ遡上してきたんかい
……ただ、先に突っ込んでおく
それだけ無差別に生命力を奪いまくられたら地上の鮭も全滅するわ
プラント製のサーモンは食べられるだろうけど天然物はどうなる
オンオフ出来るとしても、最終的には猫を盾にしたペルシャ軍に負けた古代エジプトみたいに鮭を盾にしたラウンズ軍に返り討ちにされるのがオチだ

わざわざ降りる理由もありませんので当然『ズィルバーンヤークトフント』に搭乗
……いや、俺もいちいちそんな宣言をする必要は無いとは思うんだけど、何故か敢えて生身で戦おうとする方もいるような気が…
もし本当に生身の方がいれば回収して《起動》で収納しておきます

【戦闘プレ】
適切に行動して戦う



「アブノーマルな事を書いてしまったばかりに、味方に迷惑かけて退場と相成ってしまいました。これでは、いけませんね」
 運搬作業用量産型キャバリア『キャメル』に搭乗して戻ってきたチル。何やら自己嫌悪(?)を抱いているようだが、彼女の言動についてはこの手の依頼において『非常にまとも』な部類であるため安心してほしい。
「ここから挽回しなくては……!」
 と、意気込んで戻ってきた彼女が見たものは。
「今度は一体どのようなサーモン料理が味わえるのでしょうか……」
「サーモン寿司をよこす宜しい」
 機体から降りて即席の屋台めいたサムシングで寿司を待つ双葉とアストレイア。
「ボス戦前に何してるんですか……?」
「えっ、もうボス?楽しい時間はあっという間だね!?」
 ほぼ寿司食ってただけの双葉はチルの冷たい視線を感じ、キャバリアへ飛び乗っていく。
「てか物騒なもん出てきたねぇ。この世界において、鮭【キャバリア】が全てなんだろ?僕覚えた」
 ルビがおかしかった、そんな気がする……それはさておき、完全に出遅れてから明らかに敵さんの様子がおかしいと気づいたアストレイアが、更に三秒ほど固まってから、ハッとして。
「そんな、サーモンはもう打ち止めですの!?そこをなんとかお願いしますわ、大将!」
「否。私は尖兵に過ぎぬ」
「えっ、大将ではない?それではなんとお呼びすれば……オーナー?板長?それともシェフ?それはそれとして、サーモンのお煎餅って美味しそうですわね?」
 明らかに尖兵と煎餅を聞き間違えたアストレイアがほわほわと期待の眼差しを向けている傍ら。
「キャバリアの操縦に慣れなくて、時間かかっちゃった!」
 どうして来てしまったんだ城田・紗希(人間の探索者・f01927)!この戦場は放っておいても片が付くところまで来ていたんだぞ!?お星様の無駄遣いをするんじゃんないとあれほど言っておいたじゃないか!!
「出遅れたけど、私も鮫の掴み取りに……さん、か……」
 しかも依頼内容を勘違いしてやがる!?戦場を見て、章番号という名の第四の壁を視認して、鮫ならぬ鮭を探し、再び戦場を見れば漆黒の機体。
「……貴様が犯人かー!」
 どうしてそうなったー!?
「鮫の掴み取りに挑もうとしたのにもういないじゃん!ていうか残骸、明らかに機械じゃん!食べ物ないじゃない!!キャバリアに乗らないと捕まえられない巨体って聞いてたから、頑張って操縦覚えたのに!無駄足じゃん!!」
 などと暴論を並べる紗希の隣で。
「目が回るー……」
 ガレオンパンチとして発射されてしまった摩那の機体がよろけながら立ち上がると、敵機ことモルスを見て。
「今までの敵と比べて、全然サーモンっぽくない機体ですね。見ただけではサーモン推しているような雰囲気は無いです。しかし、サーモン食べなければ死すべし、というのは困ります」
「え、今までサーモンぽかったの?」
 紗希がきょとん顔するが、第二章まではサーモンスシが提供されていたりする。
「もちろんサーモンはおいしいです。でも、イクラだって、ハラスだって食べたいんです。食の多様性を許さない敵は、こちらこそ許せません」
 と、食文化を狭める事に敵意を見出す摩那に対して。
「つまり、私だけ食べ損ねた!?」
 理不尽にブチ切れる紗希なのであった。
「……いや、お気に召さなかったのではなく」
 とまぁ、理不尽な猟兵がいる一方で美雪みたいに冷静な奴もいるから、この戦場にはまだ救いがある。
「無理に食わせるのがそもそも間違いなのだ……ジャガイモも割とそうだったんだがな」
 ふと、遠い目をする美雪には、空の彼方で白い歯を輝かせてサムズアップしながら『糖質と食物繊維が同時にとれるじゃが芋こそが至高の食材です!!』と宣う近衛騎士の幻覚が見えてしまっていた。
「で、あえて言っておく」
 ピッと、ラウンズくん二世の腕を伸ばしてモルスを示し。
「間違いなく料理されるの、あなたなんで……私は止められないんで」
 憐みすら感じさせる声音に、こいつは何を言っているのだろうと首を傾げていたモルスであったが。
「紗希からなんか提案的な行かないか的なのがあったし来てみたけど……ナニコレ、サーモン?私お寿司はイカ派なんだけど?」
 本日の悲劇のヒロインこと、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)が到着してしまった。
「待って待って、私はネタ枠じゃないからまともな事しかしてないはず……」
 などと否定しつつ、格納庫へ向かうと。
「キャバリアがないとダメみたいだし、適当にレンタルしようっと……正直神機とかのキャバリア見てると羨ましくなって自分も持ってみたくなっちゃうからね」
 というわけでレンタルキャバリア、ガレスに乗り込む可奈であったが。
「これがキャバリアかー。いつも外からみんなが乗って活躍してる風景しか見てないからなー。自分で動かすのは新鮮……」
 初めて乗った機体がこれってどうなんだろう?操縦技術を必要としないよう、猟兵の動きをそのまま再現してくれる機体なのだが。
「えっ、ちょっと、何、凄い動き方がピーキーなんだけど?これ行ける?大丈夫?」
 推進器の類は当然人体にはついていない。制御の感覚が分からず困惑する可奈であったが。
「まぁいざとなれば、ソフトウェアに干渉して直に操作すればいいか?」
 この判断が後に大惨事に繋がるとも知らずに、彼女は戦場へと臨む。
「で、倒す敵はアイツと。なれていないしとりあえず距離を取って……」
 と、敵を前に後退しようとして、カチッ。何かのスイッチが入った。
「って待て、なんでわざわざ近づくこのキャバリア?ああもう、言うこと聞いてー!キャバリアってこんな扱いにくいの!?」
 なんと勝手にブースターに点火されて、凄まじい速度でモルスに突っ込んでいく!!解説の美雪さん、この展開をどう見ますかね?
「おかしいな、変な空間に連れ込まれないと思ったら今度は幻聴が……ま、まぁアレだろう。ジャガイモ騎士が言ってた、妹の為にならないとか、その辺の話だろう?」
 その通り!戦場に出た以上は敵前逃亡は許されない!それが戦略的撤退ならまだしも、可奈のように戦闘が始まる前から安全の為に距離を取ろうとすると、とりあえず戦いなさいと言わんばかりに強制突撃させられるのである!
「そんな話聞いてないんだけど!?」
 だって、可奈ってばロクに話も聞かずに誘われるままホイホイネタ依頼に来ちゃうんだもの。
「私が悪いの?私が悪いのコレ!?」
 などと混乱している間にドーン!!モルスと正面衝突してお互いに吹っ飛んだキャバリアの中で可奈が目を回していると。
「援護します、今のうちに下がってください」
 チルからの援護射撃……という名の氷塊がシューッ!!
「くっ……」
 直撃を避けるべく後退していくモルスだが、二つ、三つ斬り捨てて、唐突に覇気を纏う。
「……これは挑発ということでよろしいか?」
「お気づきになられましたか」
 フッと、チルがコクピット内で小さく微笑む。
「サーモン、マグロ、イカ、タマゴet cetera……スシをかたどった氷塊です。名付けて氷術・造・寿司【アイスクラフト・スシ】!」
 最初さ、自分のUCなら何を言っても許されると思ってるのかと思ったんだよ。そんなふざけたノリで何を……って思ったら、氷の結晶を素材とした物品を生成する場合は芸術品クラスの代物を作れるUC持ってて、ガチだったんですわ。
「私の氷造術を持ってすれば、ジパングに存在するという回転式スシなるモノを表現する事も可能!どんどん参りましょう……アナゴエンガワシメサバミカンブリ……変わり種に、エビ天ッ!!」
 味が違うだけで見た目はほぼ同じブリとミカンブリについて、氷像の何が違うのかぜひとも解説を頂きたいところだが、戦場にはそのような余力はないようだ。
「大根は『あたらない』験担ぎで寿司とかに添えられるんだろ?仲良くしよ☆」
 大根の悪魔、双葉が参戦!
「大根【しょくじ】の有難味はよく知ってる。僕は大根くってりゃ無限に頑張れるから。君にとってそれが鮭だったって話だ。つまり何が言いたいかって?特に何も言いたいことはないよ」
「なるほど、つまり敵か」
「これからお友達(意味深)になるんだよォ!!」
 モルスから放たれる死滅の波動。しかしそれは直撃した生命体の即死させるものであり、キャバリアに搭乗した双葉への影響はない。それでも避ける事はおろか、防ぐこともできないUCを前に、安全と分かっていても双葉の頬に冷や汗が伝う。
「これ、キャバリアに乗る以外に対処法あんの?キャバリア大好きかアンタ。まぁ、そういう世界だし当たり前か!」
 と、ここから白熱の戦いになると思ってたんだよ……。
「自前のキャバリアなら何やっても許されるって事よね?」
 にゅっと、戦場に巨大な兎の人形が湧いた。
「「えっ」」
 突如現れたアドバルーンめいたサムシングを前に双葉とモルスが距離を取り、残されたウサ人形が膨れ続けて、パァン!弾け飛んだ後には何という事でしょう、鮭柄の服に身を包みサーモンの尾とヒレを生やして鱗色の赤みがかった銀髪を揺らしうさ耳まで伸ばした巨人系美少女型キャバリアが残されていました……色々混ぜすぎて解説が面倒くせぇ!?
「仕方ないわよね、世界がクロムキャバリアだもの」
 アリスの奴め、全ての責任を世界に押し付けやがった……!
「あぁ、匂う、匂うわ。甘美なるこの香りは死と衰弱の呪い……!」
 歌劇の如く、甘く吠えるアリスは魂が肉体を抜け出し、突如顕現したジャイアントキャバリアにインストール。
「命を蝕むそれこそが、エナジーを糧とするサイキックヴァンパイアにして混沌魔術の使い手たる私には上質な食材。さぁ、来るなら来なさい……文字通り調理してあげるわ……!」
 とりあえず関わっちゃいけないタイプの変態だって事は理解したモルス。対処を後回しにしようと踵を返すのだが。
「おっと他の猟兵と戦うのは私を仕留めてからにしてもらいましょうか!」
 しかし回り込まれてしまった!
「来ないなら来ないでいいのよ?既に死滅の波動は放たれた……これをかき集めて、煮詰めて、生地をこねて挟んで、オーブンでチーン♪」
 てってれー!料理が完成した!!
「はい、いーとみぃスターゲイザーサーモンパイの完成よ☆」
『いーとみぃ♪』
「うわぁああああああ!?」
 そらー逃げるよ。鮭の頭が突き出た空飛ぶパイが、百二十一個の軍勢で喋りながら迫ってきたらそりゃー逃げるよ。モルスは比較的常識人枠だし。
「しかし逃げ切れなかった☆」
 おっとここでモルスの背中にアリスがタックルハグ!背後から羽交い絞めにして、「あーるじうはち」って書かれた扉を示し。
「大丈夫大丈夫、ちょっと萌え擬人化サーモン巨美少女化して倫理結界の向こう側でおいしくいただくだけだから。貞操を奪うだけで命は奪わないから」
「発言がおかしいぞ貴様ァ!?」
 モルスがずるずると引きずられていく中、お見せできない事態になりそうなんで照明を落として場面が暗転……。

 \スパァン/

 今の音は何!?パッと明るくなったら扉の前で、頭を押さえてぷるぷるするアリス(が、乗ってるキャバリア)、そして双葉機のガレスの背中に隠れて怯えるモルスに砕け散った大根……。
「流石にやめてあげなよ……」
「くっ、敵に対して好き放題してるだけで味方に迷惑はかけてないじゃない!」
 正論っちゃー正論な事を叫ぶアリスに対して、双葉は新鮮な大根を構える。
「僕の大根は殴った相手を正常化する……キレイなアリスになるか、そのままか……それで判断しようか」
「待ってあなたのお野菜って確か爆発物じゃなかっ」

 ――チュドォオオオン!!

「おいおい……言ってることはちょっとふざけてるが、さっきと比べて随分と真面目そうなやつじゃんか……さっきと同じくらいのテンションで行ってもいいのか?」
 困惑する烈火だが、ちょっとあっちを見て欲しい。
「あっち?」
 などとやり取りをするこちらは数秒ほど前のお話。示した先で大根白羽どりしようとして、耳でキャッチしたまではよかったものの、接触と同時に大爆発を起こした大根を見つめて。
「……なるほど、考えたら負けって事だな」
 烈火は虚ろ目でどこか遠くを見ていた気もするが、きっと気のせい。そんな気がする。
「そうと決まれば全力で突っ込むだけだ!機体の損傷は……」
 などと、先ほどの加熱で機体がやられていないかとダメージチェックするが、過剰加熱状態に陥る前にシャリシャリシープ傭兵が冷やしてくれたおかげか、もう一戦くらいは耐えられるだろう。
「いける……よし!とことん熱くなりやがれ!リミット解除!オーバーフロウ・ブレイザー!!」
 一瞬にして装甲を赤熱させて、踏みしめた大地のミネラルが融解し、水たまりのような足跡を残して踏み込んだ。
「おぉ……ようやくまともな猟兵が……」
 一周回って感動すら覚えるモルスへ殴り掛かる烈火だが、その鉄拳は蒼剣にて阻まれた。
「では気を取り直して……地上人類よ、サーモンの恵を……」
「その話はさっきも聞いた!!」
 拳を押し切ると見せかけて側面から土手ッ腹に回し蹴りを叩き込み、体勢を崩したモルスめがけて逆腕のフック。スウェーで避けたモルスに腕を掴まれて、引き倒されながら首めがけて剣が振るわれるが、今度は烈火が空中で機体を側転させてモルスを引き込み、赤熱する機体を押し付けながら諸共倒れ込むことで加熱攻撃を仕掛けつつ、すぐさま両者跳ね起き拳と剣を構えて睨み合い。
「えーと、こういう時はあれだ」
 ビシッと、指を突きつけて。
「サーモンばっかりだといつか飽きるとか、そういう話がおすすめだ!……違う!自分の中の考えをそのまま口にしてどうすんだ俺!?とにかくそう!サーモンしかなかったら飯がつまらないだろう!?」
「贅沢を言うなーッ!!」
「おぅ!?」
 突然のお説教に、烈火が面食らって背筋を正してしまう。
「しまった!生徒指導の糞おやじに捕まった時の癖で……!」
 元は素行の悪かった烈火。その時の経験で反射的に隙を晒したのだが。
「この国はそもそも食糧事情が芳しくないのだ!その中で効率的に確保できる食材を主力に生産しようという政策もあった中、ジャガイモが選ばれて先日のような事態に陥ったのだぞ!?これもまた時代の流れと、我々は鮭を掲げて……」
「ちょっと待て」
 激昂するモルスを前に、烈火が挙手。
「お前、この国を滅ぼすために攻め込んでるんだよな?なんでこの国の食糧事情がどうとか、時代の流れがどうとか、そんな話になるんだ?全部ぶち壊すんだろ?」
「……地上人類よ」
「うん?」
 ピタッと止まったモルスは、剣を構えて。
「鮭食って死ねッ!!」
「なんでだッ!?」
 袈裟斬りを避けたと思ったら、空振りの勢いのまま踏み込んで横薙ぎの一閃。咄嗟に屈んで避けた烈火が足払いをかけた途端にモルスもまた跳躍、中空にて身を丸めて回転しながら斬撃を返すが烈火は大きく飛び退いて再びの睨み合いに……っていう、拮抗状態を眺めていたバルタンの目がキラーン☆
「……もしやタグをご覧でない?ならばこの戦い、我輩たちの勝利デース!」
 などと、バルタン機のガレスは「#シリアスった奴から死ぬ」のタグを掲げて勝利宣言を……いやどっから持ってきたソレ!?
「シナリオトップに貼ってありましたヨ?」
 今すぐ返してこい!!
「えー……」
 めんどくさそうに糊でくっつけてきたバルタンは改めてモルスを眺めて。
「さて……黒色?青色?ということは、ブルーベリーでありますな!アナタはジャムの寿司にしてあげマショー!」
 どうしてそうなった?どうしてそうなった!?
「二回いいマシタ!?」
 そりゃね!?んなもん作ってどうすんだよ!?
「ご安心くだサーイ、椿殿なら!椿殿なら可食なはず!できマスヨネ?」
 多分、代償を支払わされると思うけど……?
「OK!お給料は多めに支払いマース!!」
 などと、親指と人差し指をくっつけるバルタンだが……彼女は知らないのだろう。あの女、人に忘れて欲しくないって理由で体に消えない傷を残すヤベー女だって事を……。
「何はともあれ突撃デース!当たらなければどうということはない!」
「愚かな……」
 まっすぐ突っ込んでくるバルタンに対し、蒼剣を振るうモルス。咄嗟に転がっていた三色のサーモンスシマシンを掴み盾とするバルタンだったが。
(貫通してくるでありますか……!)
 装甲強度がまるで足りていない。容易く斬り捨てられる前に、もう一つの盾が傍に在った。
「じゃあこっちデース!!」
 で、バルタンが切り替えた盾ってーのが。
「俺を盾にするんじゃねぇえええ!!」
 現在絶賛赤熱中の烈火機である。
「HAHAHA!味方は最大の武器デス!これは部隊で戦闘へ挑む猟兵の基本デース!!」
「味方を盾にするか普通!?」
 とはいえギリギリ腕部装甲で剣戟を受け止めた烈火。機体の過剰発熱と剣のエネルギー霧散機構がぶつかり合い、ギリギリ食い止めたが長くはもたない……というわけで。
「さぁ、反撃デース!」
 バルタンが搭乗するガレスの腕が伸びた。具体的には、手首から先が鎖で繋がって腕から離れていく。問題は……。
「のぁああああああ!?」
 掴まれてた烈火が、モルスの剣を弾き飛ばしながら撃ちだされたことかな……。
「仕方ありませんヨネ?UCがキャバリア仕様に改竄されているんですカラ」
 ぶんぶんぶん……空中で振り回される烈火機が大気摩擦でついに炎上し、炎の塊と化す。それを一歩、踏み込んで。
「これぞ連携式必殺技……六式武装番外、赤熱の番!ヒートハンマー!!」
「クソアマ覚えてろぉおおおお!!」
 烈火の叫びと共に、叩きつける!直撃を食らったモルスが火柱に飲まれ、着弾点を起点にしてクレーターが穿たれるのだった。
「鮭だけに地下から地上へ遡上してきたんかい」
 美味しくなさそうな塩焼きにされてる雰囲気すらあるモルスを眺めて、穹はため息を一つ。
「ただ、先に突っ込んでおく。それだけ無差別に生命力を奪いまくられたら地上の鮭も全滅するわ。プラント製のサーモンは食べられるだろうけど天然物はどうなる?オンオフ出来るとしても、最終的には猫を盾にしたペルシャ軍に負けた古代エジプトみたいに鮭を盾にしたラウンズ軍に返り討ちにされるのがオチだ」
「我々は別にサーモンを神聖視しているわけではないぞ!?」
「またまたぁ……」
 あれだけサーモンサーモン言ってて、鮭信仰がないわけがないと笑う穹だが、どこぞの某鳥オバケじゃないんだから……。
「それはさておき、生身で戦おうとする人なんていないよな……?」
 カオスに染まり切っている穹は、この状況であえてキャバリアに乗らない奴がいるのではないかと思ったようだが、さすがにいない。ていうかいたらヤバい。
「だよな、さすがにそこまで無謀な人はいないよな……」
 と、苦笑したところで。
「じゃ!」
 手を挙げて、走り出した。
「待て待て待てどこへ行く!?」
 逃げ出した穹をモルスが追いかけていくが、全力で逃げる穹に対して、追いかけつつ攻撃しようとするため実質七割くらいの力でしか追いかけられないモルス。なんでこんなことになったかってーと。
「誰かしか無茶すると思ったんだよ!!」
 穹がスタンバイしてたUCがまさかの非戦闘系UCで、攻撃手段がないんですよねー。
「逃げるな卑怯者ォ!!」
「速く……速く波動が届かない所へ……!」
 モルスを死滅の刃って表現したら、なんか少年漫画っぽくなる。そんな気がした……。
「まぁ、確かにあの機体には間違っても近寄りたくないですねー。今回はもふもふ召喚石大盤振る舞いするか」
 そんな追いかけっこを眺めていた美雪の、ライオンっぽいキャバリアの口が開くと、ペイッと召喚石が吐き出されてきて。
「さあ天使のもふもふさんたちよ、猟兵達を思う存分回復するがいい」
 と、二十個分の召喚石が消費されて二十人分の天使のもふもふが召喚されたのだが……。
「あっ、応援もふもふさんになったらゴメンネ。これ、効果がランダムなもんで、何が出るか私にもわからん」
 などと舌を出しつつウィンクして見せる美雪。普段は見せない可愛らしい仕草を見せた彼女に免じて、リアルダイスを振って判定してみようか。
「えっ」

 ――29。

▼チアガールモフモフさんが召喚された!
「応援系が来てしまったか……」
 いやまぁ、言うてね、空中で踊ってくれてる間は猟兵が回復し続けるから、ハズレとは言い難いんじゃないかな……。
「そうか。で、回復量は?」
 ……あ、摩那が何か仕掛けようとしてる!
「オイコラ説明を放棄するな!?」
「相変わらずガレスの動きは極端ですが、だいぶ感じもつかめてきました。細かい動きを狙わずに、無理矢理に動かしましょう」
 後方支援に徹した美雪からのツッコミをスルーして、摩那の方に集中しよう……と、思ったんだけどなぁ。
「機体の頑健さならこちらが遥かに上。ならば、この耐久性を用いて質量攻撃を……!」
 と、機体を斥力で覆い、圧力の塊として押しつぶしに行こうとする摩那だったのだが、その肩によく見たらアストレイアがくっついていた。
「私たち、気が合いますのね!」
「……あの、嫌な予感しかしないんですけど?」
 先ほどは撃ちだされる事になった摩那。冷や汗が伝い頬がひきつるが、アストレイアは、にぱー……。
「ご安心ください、私もキャバリアを借りてきましたわ!」
 というわけで一体追加。かーらーの。
「今こそスーパー合体ですわ!!」
「さっきと同じ展開じゃないですかー!?」
 というわけで問答無用でキャバリアが合体、超大型ガレスが完成する!なお、頭部にはライオンヘッドにうさ耳が生え、右腕は巨大ドリル、左腕は鎖付きハンマーという建築ロボみたいな組み合わせになってしまったぞ!!
「なんですかこの癖の塊みたいな機体はー!?」
「これぞ、パーフェクトジャイアントガレスですわ!!」
 絶叫する摩那に対して、コクピット内でキラキラお目目のアストレイア。こいつ割と暴走気味じゃ……。
「OH!皆でくっついてパーフェクト……大きい事はいい事デース!」
「敵に突っ込んだと思ったら引き寄せられて合体していた……何が起こっているのか誰か説明して……」
 テンションの上がるバルタンに対して、振り回されっぱなしの可奈。そして。
「わたしの怒りを喰らえー!」
 合体してる事に気づかず、勝手に炎の矢を連射する紗希……普通、こういう時って連携するものだと思うんだけどな……。
「まぁ、うん、そうだよね。こういう時はとりあえず援護しないと……私が火器管制受け持つよ!」
 と、ジャイアントガレスの銃火器をチェックする可奈だが。
「武器がない!?待って、飛び道具どころか、近接武器もないんだけど!?」
「何を言ってるんだ、ついてるだろう」
 フッと、烈火が鼻で笑い。
「俺たちの拳っていう、武器がな」
「その両腕がドリルとハンマーになってるんだけど!?え、何、合体でくっついてきた追加兵装以外には何もないの!?」
 さてはおめー機体説明を受けずに来たな?
「まぁ、うん、誘われて、つい……」
 などと、指先をちょいちょい突き合わせて目を背ける可奈は置いといて、摩那は機体を斥力で覆い。
「こうなれば死なば諸共……!」
 それ敵を仕留めるって事だよね?猟兵を道連れにするって意味じゃないよね!?
「空中機動の制御はお任せください!」
 などと、アストレイアが全ブースターを最大出力で点火。一気に降下……ていうか、高速落下して。
「名付けてフライングボディガレスですわ!」
『それ言いたかっただけだろー!?』
 全猟兵からの一斉のツッコミに対して。
「はい♪」
 上品な微笑みを残して墜落(?)するアストレイア(ていうか猟兵を乗せたでっかいガレス)なのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
「ご主人サマ!やっぱりモルちゃんだよ!モルちゃーん!」(ハイテンション
そういえば彼奴オブビリオンマシンだったというか
即座にフラグ回収とかすげーなMS
白羅も大喜びだろーな(モルス?さぁ?

つか乗ってるの白羅じゃねーよな…?

つーわけでおめー…!
褐色幼女好きのロリコンか!(不条理すぎる冤罪炸裂
サーモンだけじゃなくて幼女好きとか中々の性癖じゃねーか!

「あ、白羅君の所のモルちゃんの活躍データ送るね☆」(取り合えず七転十五起MSの「独逸ノ幻朧桜ハ咲イテルカ」を始めとした共闘した時のデータ送信☆

あ…なんか七転八倒し始めたぞ?
「嬉しすぎたんだね☆」
いや…ガチ泣きしてねーか…?モルスの方が…

まぁ取り合えず…拿捕して狼煙や可奈にでもあげるか
「狼煙君喜ぶよねー☆きっと幼女好きだよ☆」(更に冤罪炸裂

【情報収集・視力・戦闘知識】
過去の戦いと共闘経験も踏まえ機体構造把握
無力化に有効な弱点捕捉

【属性攻撃・迷彩】
光水属性で光学迷彩&熱源隠蔽

弱った所で
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
UC発動
切り刻み搭乗者引き抜き機神強奪


テラ・ウィンディア
モルス出てくる前にヘカテイアに乗り換えるぞっ
後でガレスは何機か購入できないか聞いてみるかっ

「そうですか…敵のモルス…!」
あ…そっかー…一度交戦して負けてるもんなー…
あれはおれの未熟だったよな
だが…そう易々と負けるつもりはないぞっ

【戦闘知識】
モルスと搭乗者の技能と能力と動きを分析

【属性攻撃・オーラ防御】
炎のオーラ障壁展開
彼奴の光はエネルギーを奪うからなっ

「というかモルス!貴方何格好つけてるんですか!そもそも貴方までサーモンに目覚めたんですか!?…鰤も美味しいですよ!」
あ…そういえばヘカテにゃんの時に色々食べさせてた…!

UC発動
前回の借りを返すぞー!

【弾幕・貫通攻撃】
ガンドライドとドリルビット展開!
火炎弾とドリル攻撃で追い込み
【二回攻撃・切断・早業・串刺し】
三呪剣と剣で切り刻み
槍に切り替えて串刺しにした所で

【重量攻撃・砲撃】
ブラックホールキャノン起動…!
ええと…鮭導神機よ…川に…帰れー!っていうべきか?
「それだとモルスが川で卵産むことになりますよ!…いや…でもありえる…?」ちゅどーん



「皆して何をやってるんだ……?」
 割と致命傷を叩き込まれたモルスと、命中と同時に爆発四散した合体ガレスを遠目に眺めて、テラはガレスからヘカテイアへ機体を乗り換える。
「後でガレスは何機か購入できないか聞いてみるかっ」
 などと、実質乗り捨てる形になった騎士鎧の機体を眺めていたテラに対し、起動したヘカテイアは立ち上がる漆黒の機体を見遣る。
「そうですか……敵のモルス……!」
「あ……そっかー……一度交戦して負けてるもんなー……あれはおれの未熟だったよな。だが……そう易々と負けるつもりはないぞっ」
 と、奮起するこちらに対して。
「ご主人サマ!やっぱりモルちゃんだよ!モルちゃーん!」
 歓喜のメルシー。中のカシムは遠い目で。
「そういえば彼奴オブビリオンマシンだったというか、即座にフラグ回収とかすげーなMS。白羅も大喜びだろーな……モルスは知らんけど」
 俺もびっくりだよ。頼むとか言われたから、そんなに採用し辛いのかなって思って探してたらさ、ちょうどサーモンと組み合わさったタイミングでモルスった(動詞)んだもん。
「つか乗ってるの白羅じゃねーよな……?」
 そこは安心していい、アレは明確な敵だ。
「そっか。じゃあ安心だな。つーわけでおめー……!褐色幼女好きのロリコンか!サーモンだけじゃなくて幼女好きとか中々の性癖じゃねーか!」
 なんという不条理な冤罪であろう。少なくとも、目の前のモルスにはロリコン要素の欠片もないというのに、この仕打ちである。
「あ、白羅君の所のモルちゃんの活躍データ送るね☆」
「む……通信回線に強制ジャックだと!?」
 などと、メルクリウスから送信されたデータを受け取ったモルス。
「……そうか」
「あ……なんか、固まったぞ?」
「感動のあまり動けなくなったんだね☆」
「いや……絶句してないか……?」
 微動だにしなくなってしまったモルスを前に、メルクリウスが恐る恐る距離を詰めて、つんつん。
「……あぁ、すまない。ちょっと、こう、複雑な物があって、な……」
 遠い目をするモルスは、長い、長い溜息をついて。
「我々の本来の目的を果たすためとはいえ……その在り方はどうなのだ、『我』よ……」
 別個体の自身の姿を知り、名状しがたい感情に囚われたらしいモルス。何やら唸り始めてしまう機体を前に。
「まぁ取り合えず……拿捕して狼煙や可奈にでもあげるか」
「狼煙君喜ぶよねー☆きっと幼女好きだよ☆」
 何故かとある喫茶店の店主をロリコンだと思っているらしいメルシー。踏み込み過ぎて地雷踏むなよおめーら?
「拿捕、か……私を破壊せずに捉えられると思っ」
「というかモルス!貴方何格好つけてるんですか!そもそも貴方までサーモンに目覚めたんですか!?……鰤も美味しいですよ!」
 セリフを言い終える前にヘカテイアからのドロップキックが炸裂ー!セリフを中断されたモルスがそのままの恰好で吹き飛んでいく!!
「あ……そういえばヘカテにゃんの時に色々食べさせてた……!」
 ヘカテイアがまさかのお魚派閥に参戦してしまった事に驚くテラだが、そんな事を気にしている余裕はない。
「前回の借りを返すぞー!!」
 パイロットの違いを前に、挙動が予測と異なったために不意を突かれて一度は敗北したテラとヘカテイア。リベンジに燃える二人はその闘気を炎に変えて、自身を覆う熱波障壁と成す。
「彼奴の光はエネルギーを奪うからなっ!直撃しなければ、機体の稼働に支障はないはず……!」
「ガンドライド、ドリルビット、展開!テラ、一気に畳みかけますよ……!」
 二機の削岩機と三基の浮遊砲台が舞い踊り、多角砲撃の中を穿孔の螺旋が駆け抜ける。エネルギー吸収機構を搭載するモルスに対して、光学兵器が意味を成さない事は同じ神機としてヘカテイアがよく分かっている。故に、ビームを恐れることなく突っ込んでくるモルスに対して死角からドリルビットをぶち込み、不意打ちを仕掛ける形で防御姿勢を取らせた。
「モルスの武器はあの剣だけ……ここからは手数の差で攻め切るぞ!!」
「行きましょう、テラ!今こそ雪辱を果たすのです!!」
 左右から飛来した削岩機を剣の切っ先で片方受け止めて、刀身を滑らせ鍔の上でもう一機を受け止め、逆方向からの奇襲を一つの武器で受け切って見せたモルスに向かってヘカテイアが肉薄。白黒の双剣を持って斬りかかれば、モルスは削岩機を弾き飛ばしながらその飛翔機構を斬り捨て無力化。八の字を描いた残身から大上段に構えて剣を振り下ろし、真正面からヘカテイアを受け止める。
 二つの得物で受けたにも関わらず、押し切られそうになったヘカテイアは、武器を手放して鍔迫り合いから離脱。モルスに振り抜かれて虚空で回転する双剣を残して、灰と朱の双剣へ武装を切り替えた。新たな武器を手にしながら、バックステップの慣性から態勢を整えきる前にモルスが再加速。追撃をもってヘカテイアを屠ろうとするが使い手を失ったはずの双剣がその眼前に振り下ろされ、咄嗟に身を引きながら後方宙返り。片方の得物の柄を蹴り飛ばし、もう片方へぶつけて二つ同時に吹き飛ばした。
「驚いたか?ヘカテイアの武器は自律機動するんだ!!」
「事実上の四刀流……得物一つで捌けるというのなら、やって見せなさい!」
 ブースターを再点火し急接近するヘカテイアだが、モルスが武器を構えようとすれば左右から高低差のある横薙ぎの斬撃が迫る。上段を刃で受けて弾き返し、下段を跳んで躱せば地に足つかぬ機体へ三界神機が踏み込んだ。
「今度こそ……勝ちます!」
 両腕の剣を……『振るわない』。衝突の寸前に背部リングブースターをバーストさせて再加速、亜音速の突進を持ってモルスの機体を吹き飛ばした。反動でブレーキがかかったヘカテイアは地を蹴り、縮地。
「おれの技術とヘカテイアの力……」
「二人なら、勝てます!」
 ショルダータックルで中空を横滑りするモルスに追い付き、身を捻り遠心力を乗せた横薙ぎの斬撃。しかしモルスもまた身を捻り、切先に手を添えて長剣を盾に直撃をしのぐではないか。されど慣性までは殺せず、軌道を変えて吹き飛ぶ機体めがけて、ヘカテイアは灰の長剣を投擲、自らもその後に続けばモルスは宙転して両脚と片手で地面を掴み急制動。その顔面へ迫る切先を斬り払い、下段に構えたテラの斬り上げる斬撃を、剣の柄でヘカテイアの腕部装甲を叩き落とすことで封じるが。
「かかったな!!」
「私の自律剣は、三振りあるんですよ!」
 弾き飛ばしたはずの灰の長剣が翻り、背後からその首を断とうとして。
「……未熟者め」
 低い姿勢からモルスのサマーソルトキック。ヘカテイア胸部を蹴り飛ばして打ち上げながら、死角からの一撃を空振りに終わらせる。更に打ち上げたキャバリアの首を掴んで引き倒すと、ヘッドパーツを突きつけた。
「その程度か、ヘカテイア。三界神機の名が泣くぞ?」
「まだ、終わっていません!」
 ヘカテイアが自律する三剣を呼び戻そうとした時だった。
「うぁあああああ!?」
「テラ!?」
 己の内より響く幼い悲鳴に、操作の思念が切れる。直に掴まれたことで、熱波障壁を貫通し、装甲を伝ってテラの生命力を直に奪っていると気づいた時には、もう遅い。
「ヘカテイアよ、何故我等神機シリーズには脆弱な種族へ変化する機能があるか、忘れたわけでは……いや、忘れている方が当然か。それほどまでに、人類には価値がない」
「何、を……!?そんなことより放しなさい!テラは……この子だけは、殺させない……!」
「思い出すのだ……我々が、『なんのために作られたのか』をな……!」
 機体エネルギーをコアに集中させて、テラの保護に全力を注ぐが、それで精いっぱい。耐えることができても、振り払うだけの出力が確保できないのだ。それでもなお、奪われ続ける命をただ見ている事しかできない……『あの時』と、同じならば。
「メルシー!」
「まっかせといて、ご主人サマ!!」
 ゴッ……金属同士の衝突にしては、あまりにも軽い衝撃を残し、音の壁を突き破ったメルクリウスの襲撃が、一拍遅れて突風を巻き起こす。
「あーもー!なんで僕が戦闘に出るとこうなるんですかねぇ!?」
「へーい、ヘカちゃん生きてるー?」
 コクピット内で頭をかきむしるカシムに対して、軽いノリのまま手を差し伸べるメルクリウス。その手を取って起き上がったヘカテイアが己のコクピットをスキャンすれば、そこにはまだ灯が残されていた。
「テラ……大丈夫ですか!?」
「なんとか、な……くっそー……相変わらず強くないか!?」
「え?かなり弱いよね?」
「「「へ?」」」
 メルシーの一言に、テラとヘカテイアはもちろん、カシムまでもが気の抜けた返事をした。
「メルシーは伝令を司る機体だよ?本来の敵のスペックまでまるっとお見通し☆その上で言うけど、やっぱりネタ依頼って言われるだけあって、かなり弱体化してるね☆」
「嘘だろ!?」
「同じ神機シリーズで、これほどまでに差が……?」
「……なぁ、メルシー」
 テラとヘカテイアが愕然とする最中、カシムの脳裏に過るデジャヴ。前にも同じような会話があったはずだ。
「お前は……メルクリウスは、何を知っているんだ……?」
「えー?メルシーは何にも隠してないよー?愛しのご主人サマに嘘なんてついてません☆」
 いつものように、ニコニコと微笑む少女がそこにいる。けれど、カシムは考えるべきだったのだろう。
 彼の知人が持つ『モルス』は、荒野で朽ち果てていた物をその知人が修復したものだ。今共にいる『ヘカテイア』は、テラの窮地に彼女の剣に呼応して顕現したものである。そして……彼自身の愛機『メルクリウス』が、封印されていたその意味を……。
「あのー、地の文さん?」
 呼んだ?
「なんで僕のとこだけこんなシリアスなの?」
 悪ノリして書いた。後悔も反省もしていない。
「せめて反省くらいはしろやぁああああ!!」
 さーて残念系自称インテリ盗賊さんからツッコミももらったし、そろそろ怒涛のネタシーンに突入しちゃうぞー☆
「誰が残念ですかいい加減怒りますよ!?」
 カシムの絶叫を最後に、メルクリウスの姿が消える。大気中の水分を結集させて光の屈折を操作し、有機生命体の網膜に映らぬ機体と化したメルクリウスは結集した水分の振動率を操作し、周辺の大気と温度を同調。熱源すらも隠蔽する。それでもなおモルスは正確にメルクリウスへと斬りかかり、カシムは大鎌でこの一撃を受け止め、湾曲した刃を滑らせながら柄を振るい、両者の得物を地面に叩きつける。
「なんでばれてるの!?」
「メルシーとおんなじで、ご主人サマの生命反応を探ってるんじゃないかな?」
「ごまかしようがないやつじゃないですかヤダー!?」
 半泣きの絶叫と共にお互いの得物の先端を地面に押し付ける。ところが、相手は剣でメルクリウスは鎌。ポールウェポンの柄の先端を基点にして頭上へと飛び上がったメルクリウスは跳躍と共に得物を引き上げて、上下反転したままモルスの首を狩らんとする。
 しかし身を逸らして断頭を回避したモルスへヘカテイアが突進、肘で機体を浮かせて踏ん張りを切らせてから両手に構えた赤と灰の剣で二閃。だが、モルスは重心を傾けその一つを躱し、被弾を一つに抑えて更に背後から迫っていた白黒二振りの剣の刺突を背面蹴りで弾き飛ばした。だが、大きく動いたために反応が一瞬遅れた隙に、モルスの目の前に大鎌が落ちる。
「結局最後は……」
「UCの差で勝負!」
 カシムが制限装置のパスコードを打ち込んだ瞬間、警告音と共にメルシーの……聞きなれたはずの少女の、無感情な声が響く。
「速足で駆ける者【ブーツオブヘルメース】起動。稼働限界を算出……三秒を越えれば命の保証はありません」
「上等!!」
 握りしめた拳を構えれば、落下する大鎌に気を取られて背を向けているモルスがいる。狙うはその背面。

 ――参。

「卑怯者と言ってくれないでくださいね……!」
 撃ち込まれる拳の連打。本来であれば触れるだけでエネルギーを奪われかねないモルスだが、秒間四千発を越えるメルクリウスの打撃は的確に装甲に拳圧を加えて、一撃ごとに装甲を変形させていく。

 ――弐。

「見えたッ!!」
 命中数七千を置き去りにしたところで、装甲が粉砕されて狙っていたコアユニットが露出する。しかし、同時にカシムの鼻から音もなく血が伝い始め、その双眸に血が滲む。
 人体が耐えきれないほどの高速戦闘の最中、連続で叩き込まれる拳を、正確にモルスの弱点……背部加速装置『のみ』に命中させ続けているのだ。脳の演算器官がオーバーヒートを起こすのは、当然の結果だった。

 ――壱。

「もう少しだけ、もってくださいよ……!」
 拳を開き、指先を揃えて構えるは貫手。同時、視界の端でモルスの首が自分を見ている事に気づいた。
「この速度で反応してくるだなんて……これが、剣客の生きる世界……でも、僕の方が速い!!」
 ぶち抜いた手刀の先には、途中で掴み奪い取ったコアユニット。

 ――零。

「速足で駆ける者【ブーツオブヘルメース】強制終了……お疲れ様、ご主人サマ♪」
 鼻血を垂れ流して、虚ろ目で浅い呼吸をするカシムの頭を、血で汚れるのも構わずメルシーが抱きしめる。残された最後の気力で、カシムが告げた。
「ヘカテイア……テラ……後は、頼みます……!」
「応!!」
「任されました!!」
 腹のど真ん中に穴を開けられて、動きが鈍ったモルスめがけて黒白の双剣が襲来。同時にヘカテイアが飛び上がり、朱と灰の剣を振りかざすが、モルスは剣を下段に、ヘカテイア本体を斬り捨てようと片足を踏み込み、斜に構え……。
「お前なら絶対に対応してくる」
「そう思っていましたとも!!」
 四つの剣の、ちょうど中心。斬撃を最も受けない奇跡の安全地帯を利用して、後の先を取りヘカテイアを屠ろうとしたモルスだが、ヘカテイアは端からモルスを仕留めるつもりはなく、振り下ろした斬撃は黒白の剣の柄を叩き、射出された二振りがモルスの脚を穿ち、縫い留めた。
「剣の楔、命中!」
「テラ、来ます!」
 だが、それは同時にヘカテイアは回避を捨てたという事。直撃を食らった斬撃は機体を逸らし、コクピットの貫通を回避する。伝達系をやられて片腕が動かなくなるが、灰の剣を落としたところでそれは勝手にモルスへと斬りかかり、弾き返されていく……。
「無駄なあがきを……」
「無駄かどうかは……」
「コレを食らってから判断してもらいましょう!」
 残る片腕の朱の剣。振り切った直後のモルスに斬りかかってなお、手の内で蒼剣を逆手持ちに切り替えたモルスによる反撃。打ち上げる斬撃に剣は弾かれて、武器を失ったヘカテイアと振り上げた剣を再び持ち直すモルス。勝敗は決したかに見えたが。
「まだまだァ!」
「武器の数では、負けません……!」
 ヘカテイアの手の中に炎が灯る。長く伸びたそれは魔力によって大きさを変えるテラの槍。その穂先のすぐ下を持ち、射程を狭めて突進と同時にモルスを穿ち、同時にその両脚を刺し貫いていた剣を操作して引き抜き、上空へと打ち上げて……。
「これでトドメだ!ブラックホールキャノン起動……!」
 機体の目の前に召喚された重力砲を構え、コアと連結。残されたエネルギーの全てを注ぎこみ、ターゲットサイトの中心にモルスを捉える。
「ええと……鮭導神機よ……川に……帰れー!っていうべきか?」
「それだとモルスが川で卵産むことになりますよ!……いや……でもありえ『充填完了、ギガスブレイカー、ファイア』る……?」

 \ちゅどーん/

「「あっ」」
 これは酷い……あれだけ戦って来たのに、最後の最後でなんと締まりのないトドメの刺し方をしてしまったのだろう……ヘカテイアのセリフの途中で発射された辺り、ヘカテイアの思考時間の長さが全ての敗因ですね、これは。
「な、私のせいですか!?」
「でも実際、今回のヘカテにゃん説教臭かったしなー」
「テラ!?」
 終わった途端にさっきまでの空気の欠片もないこいつらよ……。
「やはりシリアスキャラは僕しかいないようですね!」
「メルシーだってシリアスだぞ☆」
 とりあえずカシムさんはその鼻に突っ込んだティッシュが取れてから出直してくださいねー?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月18日


挿絵イラスト