殲神封神大戦⑬〜桃月桃源郷〜桃花の儀
●破魔の力
ひらり、はらりと舞うのは桃の花弁。そのどれもが淡く光って破魔の力を湛えている。
そこはいにしえの仙界『紫霄宫』にある、仙界随一の枯れない桃花に彩られた、極めて美しいとされる桃源郷。
悠久ともいえる時の間咲き誇り、またこの先も枯れることのない桃花は不思議な力を宿している。それが破魔の力――封神仙女『妲己』の凶悪ともいえる魅了の力への対抗策ともなるであろう力であった。
●グリモアベースにて
「連日の戦争お疲れさまだよ。ところでね、桃の花は好きかい?」
そう問いかけたのは深山・鴇(黒花鳥・f22925)で、煙管を片手に笑っている。
「いにしえの仙界、紫霄宫……しあいきゅう、と読むそうだが」
この先も戦い続けるのであれば、ぜひ訪れてほしい場所があるのだと鴇が言う。
「そこはね、枯れぬ桃の花が咲き誇る仙界でも随一の桃源郷でね。そこの桃の花には破魔の力が宿っているんだとか」
それだけではなく、その桃の花に宿る力はこの先待ち構えているであろう封神仙女『妲己』の魅了の力への耐性も秘めているようなのだ。
「普通に近付けば妲己の魅了能力に猟兵であっても正気を保つのは難しい。けれどね、この桃の花を摘み集め、『破魔の宝貝』を作り出すことで、妲己の力に抗えるんだ」
桃の花や花弁を集め、ただ意識を集中させれば望む通りの形に成るだろうと鴇が言う。
「宝具の形は千差万別、それこそどんな形にだってなる」
武器の形にも、防具にも、飾りにも……願い、想う形になるだろう。
「宝具を作り終わったら、そこで暫しの休息を取るのもいいと思うよ」
長丁場の戦争だ、疲労回復に努めるのも猟兵の役目だよ、と鴇が笑ってグリモアに触れる。
「ついでに桃のひとつも食べてくるといい」
そう言って、鴇がゲートを開いた。
波多蜜花
閲覧ありがとうございます、波多蜜花です。
桃源郷で宝具作りと参りましょう!
●できること
桃の花や花びらを集めての宝具作り。
あなたの想いを籠めれば、どんなものにだってなるでしょう。キャバリアだってできるはず。思いつかない場合は☆をプレイングの頭に書いて頂ければ、こちらで何か見繕います。ステシやアイテム欄を参考にいたします、どんなアイテムでも許せる方向けです。
宝具作りが終わってからの桃源郷探索や休憩、桃が食べ放題です。いいな。
●プレイング受付期間について
公開されてからすぐの受付となります。早めに書き上げるつもりですので〆切は儲けませんが、目安としての日にちはタグに記載します。プレイングが送れる間は送ってくださって大丈夫です。
●同行者について
同行者が三人以上の場合は【共通のグループ名か旅団名+人数】でお願いします。例:【聖3】同行者の人数制限は特にありません。
プレイングの失効日を統一してください、失効日が同じであれば送信時刻は問いません。朝8:31~翌朝8:29迄は失効日が同じになります。
未成年者の飲酒喫煙、公序良俗に反するプレイングなどは一律不採用となりますのでご理解よろしくお願いいたします。
それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『破魔の宝貝』
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POW : 大量の花を集め、多くの霊力を得る。
SPD : 仙界の他の素材と組み合わせ、更なる力を引き出す。
WIZ : 魔術的な加工を施し、宝貝の性能を高める。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
白幡・修理亮
◎
いやはや、宝貝を作って妲己仙女と戦えとは!
読み親しんだ中華の伝奇物語その物でござるなあ。
いかなる宝貝にしたものか。
太刀や鎧は既に愛用の物がござれば、飾りが良いかな。
兜の鍬形に桃の実の意匠をあしらえば、破邪の護りが得られそうですな!
これなら妲己仙女の誘惑も振り切れる……といいなあ(あんまり自信がない)
何やら昔話の有名人の剽窃がごとき有様でござるが……某太郎氏のパク……
ま、まあ、りすぺくと! りすぺくとにござれば!!
さても良き香りにござる。
故郷を思い出しますな……
桃源郷には及ばねど、綱島の桃は絶品でござった。
せっかくじゃて、ひとつ桃の実も頂いて帰りましょうぞ。
それがし甘い物には目が無いのじゃ。
●破邪の香
いやはや、と頭を掻きながら白幡・修理亮(薪割り侍・f10806)があちらこちらと視線を忙しなく動かし、桃の花弁舞い散る桃源郷を歩く。
「宝貝を作って妲己仙女と戦えとは!」
猟兵といえど中々に見ぬ機会ぞ、と修理亮が笑う。
「猟兵生活、奥が深うござるな」
何せ実家伝来のヤベー鎧もキャバリアと合体してヤベーキャバリアになるくらいだ、これくらいはきっと普通なのだろうと思い込むことにした。
「読み親しんだ中華の伝奇物語その物と思えば、思えば……いやでも鎧がキャバリアになるのはまだちょっとよくわからんでござるが」
まあそういう事もある、猟兵だもの。
「さて、いかなる宝貝にしたものか」
四方八方を桃の木に囲まれた場所で立ち止まり、修理亮がううんと唸る。
太刀や鎧は既に愛用の物があるゆえ、これ以上増やしても場所に困るし持ち歩くのも……と考えてはたと気付く。
「ならば、飾りが良いでござるな」
そうと決まればまずは桃の花を集めようかと、羽織を脱いだ。
「これをこのように……」
羽織を器代わりにし、桃の木に近寄ると手ずから摘み始める。
「淡く光る花とは、このままでも充分に思えますな」
けれどそれがし、このままでは失くす気しかせぬゆえ。
「兜の鍬形に桃の実の意匠をあしらえば……」
なんともありがたい破邪の護りが得られそうだと、羽織の中に集めた花と花弁に想いを籠めた。
淡い光りが強くなり、その形を変えていく。
「……良い出来にござる」
淡い光が消えた羽織の中には、桃の意匠が付いた鍬形と小さな房飾りが付いた忍緒があった。
「これなら妲己仙女の誘惑も振り切れる……といいなあ」
あんまり自信はないけれど、この宝貝がきっと自身の助けとなるだろう。
「何やら昔話の有名人の剽窃がごとき有様でござるが……」
何某太郎氏のパク……それ以上はいけない。
「そ、そう、りすぺくと! りすぺくとにござれば!!」
誰に言うでもなくそう言い、鍬形と忍緒を大事に懐へと仕舞うと改めて桃源郷の空気をめいっぱいに吸い込んで。
「さても良き香りにござる」
まるで故郷を思い出すような、そんな郷愁を誘うような――。
「桃源郷には及ばねど、綱島の桃は絶品でござった」
綱島の土壌に桃は最適で、味も香りも良いのだ。
「うむ、せっかくじゃて、ひとつ桃の実も頂いて帰りましょうぞ」
網島の地で鍛えた、甘い桃を見極める眼力を今こそ使うべき。それがし、甘い物には目が無いのじゃと目を細め、いっとう良い桃をと目利きに勤しむのであった。
大成功
🔵🔵🔵
朱酉・逢真
心情)パオペエ。宝貝。攻撃的なモンから使い方限定過ぎるモンまで様様だが…ああ、生きモンみてェのも居たな。作れるかな? もしできるなら、それはたいそう便利だが…。願い想う形になるなら、時間かけてみようか。こォ見えて魔じゃない。座り込むのは得意ってなモンさ。
行動)圧縮の風で桃花を集め、俺の氣を混ぜつつ腐らぬように編み込んで。蛇とおなり。宝貝の生きモンは生命体でなく、狂的に高度なアニマロイドみてェなモンだ。そのくせ機械よか神秘寄り。なら俺にも使えるだろう。破魔の氣宿る桃花の蛇だ。どンな姿になるかねェ。(*デザインおまかせ)
●香蛇、桃香を放ちて
軍馬サイズの子猫に乗った朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)がゆらゆらと揺られながら、桃の花舞い散る道を往く。
「パオペエ、宝貝……」
進むを眷属に任せ、逢真は目を閉じて宝貝について考える。
「あれは攻撃的なモンから使い方限定過ぎるモンまで様々だが……」
さて、作れと言われて作るとなると、何にしたものかと少々迷う。
「ああ、生きモンみてェのも居たな」
もしできるなら、それはたいそう便利だ。
作れるだろうかと考えて、願い想う形になるというならば、多少の時間を掛ければいけるだろうと結論付ける。
「こォ見えて、魔じゃないンでねェ」
よく過去に属する者だろうと言われはするが、それは少しばかり違うのだ。確かに陽の氣はちょっと……そこそこ、それなりに苦手だけれど。
この場は陽の氣に満ちてはいるが、陰の中に陽があるように混ぜ合わせることはできる――そこまで考えて、薄っすらと瞳を開けて朱色を覗かせた。
「ここでいいぜ、ちびすけ」
にゃーう、と鳴いた眷属が立ち止まると、その背から降りて地面にどかりと座り込んだ。
「座り込むのは得意ってなモンだが……ちょいと背もたれになっとくれ」
にあ、と返事をした子猫が逢真の背に添うように寝そべる。丁度良い背もたれになったちびすけを撫で、逢真が目を薄っすらと閉じた。
枯れぬ桃花とはいえ、自分が触れれば腐り落ちてしまう。ならばと圧縮した風で桃花を集め、つむじ風のようにその場に留める。そうして淡く光る桃花踊る風の中に、慎重に己の氣を混ぜていく。
「こォいった細かい作業は得意なンだぜ」
唇の端を軽く持ち上げて、氣を流す。
柔く細い糸のように、舞う花びらが地に落とす影のように、最初からそこにあるもののように。
「お前さんのカタチがわかるだろい? さァ、蛇とおなり」
つむじ風の中心で、一際明るく桃花が輝いたかと思えばそれがゆっくりと姿を変えていく。
「宝貝の生きモンは生命体でなく、狂的に高度なアニマロイドみてェなモンだ」
そのくせ、機械よりも神秘寄りとくれば、逢真との相性は悪くない。寧ろ良いくらいだろう。
「さァ、おいでェ」
破魔の氣宿る、桃花の蛇よ。
風の中心に手を伸ばせば、ゆっくりと繭が開くように風が勢いを弱め、その中心から桃色の蛇が姿を現した。
体鱗は桃花色で蛇腹は淡黄、瞳は逢真の色を写し取ったかのような朱色と――。
「おや、オッドアイかい」
朱色と薄紅色のうつくしい宝石のような瞳が逢真を見つめている、破魔の力を持ちつつも逢真の力となる蛇はどことなく甘い香りがしていた。
「桃の香りってやつかねェ」
悪かない、そう言いながら名をどうしようかと蛇を手の上で遊ばせながら呟いた。
大成功
🔵🔵🔵
凶月・陸井
枯れない桃の花が咲き誇る仙界か
今回は妲己の対策の為だけど
次はゆっくりできる時に来たいな
「あぁ…本当に、文字通りの桃源郷だ」
見惚れてる場合じゃないな
まだ戦ってる仲間達も戦場もあるし急がないとだ
妲己に負けないようにと考えながら花弁を集める
可能なら自分の分だけでなく仲間達の分も
形は望む通りに、っていうのであれば
「武器とか防具だと嵩張るし…そうだな…」
思いついたのは根付だ
部着飾りでも着ている物に付けるでもいい
破魔の宝貝の、桃華の根付
「ん…こんな感じかな。これなら邪魔にならないだろう」
作り終わったら桃を一個貰って一息つくけど
やっぱり本当にすごい景色だ
「この戦いに勝って、次は皆と一緒に遊びに来ないとな」
●桃華燦然
百花繚乱ならぬ、桃花繚乱――。
桃の花咲き乱れる桃源郷の道を歩きながら、凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)が清浄な空気を肺いっぱいに吸い込む。
「枯れない桃の花が咲き誇る仙界か」
目に映るのはどこまでも咲き誇る桃色、そして桃色の合間に見える緑の山々、見上げれば青く澄み渡る空。
「あぁ……本当に、文字通りの桃源郷だ」
小さく感嘆の言葉を零し、陸井が笑う。
今回は妲己が持つ魅了の力に抗う為の宝貝を作る為に来たけれど、できればゆっくりできる機会に訪れたかったと頬を掻いた。
ゆるりと吹いた桃花を揺らす風に、花びらが舞う。そのどれもが淡く光っていて、陸井が本来の目的を思い出す。
「っと、見惚れている場合じゃないな」
まだ戦っている仲間達も、戦場もある。
のんびりしたいのは山々だが、急がねばなるまい。そう思いながら、陸井が淡く輝く花弁を一枚一枚丁寧に拾う。妲己の魅了の力に負けぬよう、力となって欲しいと願いながらその手に花弁を集めた。
「できれば、共に戦う仲間の分も作ってやりたいな」
想うままに、願う形になるのであればそれも可能かもしれない。
「やってみるか」
桃の樹の前に座り込み、両の手の平いっぱいに集めた桃の花弁を見つめながら、さてまずは形だと陸井が考える。
「武器とか防具だと嵩張るし……そうだな……」
気軽に付け外しが出来て、邪魔にならない大きさで。
「人によっては使う武器も防具も違うから……」
武器の飾りにもなれば、いつも持ち歩く物や着ている物に付けられるような。
「……根付」
古来より伝わる物は根付部分を帯に引っ掛けて煙草入れや印籠等を腰に下げる物だが、現代では様々な物がある。
「ストラップ風にすれば応用も利くってものだ」
そうと決まれば意識を集中し、想いを籠める。
組紐のストラップに桃華が象られた根付、魔を破り、自分と仲間の力となる宝貝。
手の中の淡く光る花弁が、一際明るく輝いて。
「ん……こんな感じかな。これなら邪魔にならないだろう」
光が収まる頃には、陸井の手の中には幾つかの桃華の根付があった。
小さな桃の花が集り花鞠のようになった先に房飾りが付いている、かわいらしくも綺麗な根付だ。
「良いものが出来てよかった」
ふう、と息を吐き、目の前の美味しそうな桃に手を伸ばす。
「食べていい……んだったな」
手の中のふくよかな桃の香りに癒されつつ、改めて桃源郷の景色に目を細める。
心身ともに浄化されるような、本当にすごい景色だと自然と笑みが浮かぶ。
「この戦いに勝って、次は皆と一緒に遊びに来ないとな」
この美しい桃源郷を失くすわけにはいかない、勿論、人が住む都や里も。破魔の宝貝を手にし、再び戦場に向かう為に陸井が立ち上がる。
その動きには、一つの迷いもなかった。
大成功
🔵🔵🔵
稷沈・リプス
☆
自称人間な男、樊城サバイバルの中から来た。
もしかしたら、俺も行くかもしれねーっすし。そう考えたら、一つ作っておくのもいいって思ったんすよ。
あと、『明け呑む蛇』が桃の花見たいってねだってきて。見たことないんすよ、俺も。
想いを込めて。聞いた妲己の性質からして、放っておいていいもんじゃないっすし。
俺としては、世界を滅ぼさせてたまるかってやつっすよ。初めて訪れたとか、関係ないっすね。
ここに生きる人がいるなら、戦うが俺。他の(神としての)同僚に色々託された、(故郷滅びたため信仰なき神の)俺の役目。
戦うなら、全力っすよ。
終わったら桃食べるっすよー。『明け呑む蛇』にも好評っすね、桃。
●明鏡に香る
「綺麗なとこっすね。ね、明け呑む蛇」
続く樊城の戦いの中から来た男、稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)が胸元からひょっこりと顔を出した小さな黒蛇に語り掛けた。
ひとりと一匹が居るのは桃源郷の中でも極めて美しいとされる場所。まるで夢のような風景だとリプスが笑うと、明け呑む蛇も笑うように頭を揺らす。それから、リプスを見遣った。
まるで、どうして此処へ来たのかと問うような視線にリプスが誰に言うともなく言葉を零す。
「まあね、もしかしたら俺も妲己のとこに行くかもしれねーっすし」
一つあっても邪魔になるものではない、寧ろ助けになるはず。ならば、作っておくのもいいかと思ったのだ。
「それに折角の封神武侠界、仙界の桃の花が見たいってねだったのはお前さんっすよ」
指の先でちょん、と明け呑む蛇に触れ、リプスがまた桃の花咲き誇る景色を見遣る。
「ま、俺も見たことなかったんで丁度良かったっすけど」
綺麗だとまた口の端が綻ぶ、全体に淡く輝くような桃の花――とまで考えて、あっとリプスが声を上げた。
「そうっすよ、宝貝を作るのが本来の目的っす」
美しい景色に気を取られ、危うく忘れる所だったとリプスが桃の樹の前に立つ。
「うん、お前さんが良いっすね」
だから少しだけ桃の花をわけてほしいっすと囁き、枝に咲く桃花を優しい手付きでひとつ摘んだ。
「聞いた妲己の性質からして、放っておいていいもんじゃないっすし。俺としては世界を滅ぼさせてたまるかってやつっすよ」
それはどの世界でも同じ、初めて訪れたとかそういったことは関係ない。
手の中で淡く光る桃の花、さてどんな形の宝貝になることやらと想いを籠める。
ここに生きる人々がいるなら、戦うのが俺。
神として、他の神々に色々と託された――故郷が滅び、信仰無き神たる俺の役目。
「戦うなら、全力っすよ」
当然っす、と笑んだリプスの手の中には房飾りのついた小さな鏡があった。
「鏡……良いじゃないっすか」
鏡は魔を暴き退ける力を持つもの、旧き時代には蛇の目とも言われたもの。鏡面を返せば絡み合う蛇の模様があり、より一層自分にぴったりだと笑った。
「さーて、宝貝作りはこれでいいとして」
失くさぬように小さな鏡を仕舞いこみ、大人しく待っていた明け呑む蛇に声を掛ける。
「桃食べるっすよー」
待っていたとばかりに黒蛇が目の前で揺れる桃の実を頭で押し、早く食べさせろとばかりにリプスをせっついた。
「そんなに慌てなくても桃は逃げないっすよ」
そう言いつつ、桃を捥いで軽く皮を剥いて明け呑む蛇へと差し出す。それから自分もともう一つ捥いで剥き、嚙り付いた。
「あっま、めちゃくちゃ甘いっすね、この桃」
さすが桃源郷の桃、ひと味違うとリプスが小さく唸ると明け呑む蛇が次の桃をとリプスにねだる。
「食べるの早すぎじゃないっすか? 好評で何よりっすけど」
もう一つ、もう一つと食べて、とうとう桃でお腹がいっぱいになるまでリプスと明け呑む蛇は桃を堪能したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
スキアファール・イリャルギ
☆◎
コローロとラトナを呼んで一緒に花集め
桜は見慣れているけど桃は新鮮だ
コローロは嬉しそうに飛び回っている
あ、ラトナの頭に花が……ふふ、かわいい
しかし、妲己の魅了の力は聞くだけで恐ろしい
私も似た技を会得していますが、きっと効果はそれ以上
無意識にふたりを傷つけることになったら、私は……
……あぁ、ごめん
そうならない為の桃花集めだった
ありがとう、ふたりとも
ラトナは大切な"夜の宝"
コローロは大切なひかりで……こ、こんやくしゃ、だから
ふたりの想いを裏切らないように頑張る
(他の猫さんには浮気してるのに? と瞬くひかり
(自分という存在が居るのにな、とジト目のねこさん
うっ
そ、それはそれ、これはこれ……(目逸らし
●大切な宝物
見渡す限りの桃の花を前にして、スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)は感嘆の吐息を零す。
「これは……見事ですね」
サクラミラージュに住む身として、桜は見慣れたものだけれど桃は新鮮に感じるとスキアファールが桃源郷に咲き誇る桃の花に笑みを浮かべた。
「コローロ、ラトナ」
そっと囁くように名を呼べば、火花のように瞬くひかりと極上のふわふわ毛並みを持つ猫がスキアファールの足元に現れる。
「一緒に花を集めてくれますか?」
彼の呼び掛けにコローロが瞬き、ラトナが心得たとばかりに尻尾を揺らす。
「よろしくお願いします」
そう言って、自分も花を集める為に桃の樹に向かって歩き出した。
いざ花集め、コローロは嬉しそうに飛び回っては、この花! とばかりに気に入った桃の花の前でスキアファールを呼び、ラトナは尻尾を箒のようにして、わさっと花弁を集めている。
「コローロもラトナとも働き者で助かります」
淡く光る桃の花を摘んだり落ちている花弁を拾ったりと、スキアファールが彼らの助けを借りてせっせと花を集める。
「あ、ラトナの頭に花が……ふふ、かわいい」
花弁を集めるラトナの頭に付いた桃の花はまるで飾りのようで可愛らしい、猫は癒し。
「しかし、妲己の魅了の力は聞くだけで恐ろしいですね」
スキアファールも似たような技を会得しているが、怪奇の目と視線が合うよりも妲己が放つ香気の方が効果は上だろう。もしも自分がその魅了に掛かり、無意識にコローロとラトナのふたりを傷付けることになったら――。
「私は……」
そう呟いて動きを止めたスキアファールの目の前で、コローロが火花を散らすように光る。それに加え、神ふみな肉球をラトナが彼の頬に押し付けた。
「……あぁ、ごめん」
そうならない為の桃花集めだったと、脳裏に浮かんだもしもをスキアファールが吹き飛ばす。
「ありがとう、ふたりとも」
集まった桃の花の前に膝を突いて、スキアファールがふたりに微笑む。
「ラトナは大切な『夜の宝』」
その名が示す通り、夜の宝石のようなあなた。
「コローロは大切なひかりで……こ、こんやくしゃ、だから」
色々な過程をすっ飛ばして、結婚してくれますかと言った夜をきっと忘れない。
ふわり、集まった桃の花が光りを増して、やがて緩やかに形を変えていく。
「……猫とひかり」
スキアファールの手の中に現れたのは淡く光りを湛えた蜻蛉玉の様な丸い石と猫の形をしたチャームで、見ただけでは宝貝とはわからないような小さなストラップ。
「はい、はい……ふたりの想いを裏切らないように、頑張る」
負けたりなんかしませんと、スキアファールが二人に微笑む。
そんな彼の周囲を『他の猫さんには浮気してるのに?』と、コローロが瞬き、ラトナが『自分という存在がいるのにな』と、ジト目で見上げていた。
「うっ」
スキアファールが気まずそうに目を泳がせる。
「そ、それはそれ、これはこれ……」
だって猫は猫というだけで皆須らく可愛いので。
「で、でもうちの子が一番、一番ですから!」
猫と共に暮らす人が全員言うような事を力説しながら、スキアファールが自分とふたり、さんにんの想いが込められたストラップを大事そうに握り締めた。
大成功
🔵🔵🔵
結・縁貴
【金翠】
妲己に興味があるんだ
…書に綴られるは仙に手玉に取られて散った狐狸精。慟哭を聞きたいなァ!
で、会う為に純度の高そうな宝貝が創れそうなマナセの力を借りたい
拜托(お願い)、聖者様!祈ってよ、平和や慈愛をさ
(妲己の話を聞きたいだけで、封神武侠界を救いたい訳じゃない
…この世界を戦が焼くなら仙界が好かった)
人界の戦渦を他所に平穏な桃源郷の下、心中だけで思う
仙の耳に入れば不敬と首が落ちかねない
だから口は噤んで、唇は弧を描く
噫、でも
真摯に祈る様を見て翠の眼を細めた
マナセの宝貝は麗しいな
真白な光は持つ気質の善性の如き!俺には真似できない宝貝の出来だ
謝謝、マナセ
さァて、桃を楽しんでから帰ろうか
腹一杯ね!
マナセ・ブランチフラワー
【金翠】
封神武侠界のお話についてはあまり知らないので、縁の語る話をなるほどと聞きます
純度の高そうな……ですか。ご期待にそえるかはわからないのですが、まあとりあえずやってみましょう
桃の花を摘んで、祈る。この戦争で傷つく人たちが、少しでも減りますようにと
桃の花が変じたのは、白く輝く水晶玉。少しだけ歪な形をしたそれの内部に、小さな炎が燃えている
これが僕の宝貝ですか。自分の想いから生まれたなどと言われると、ちょっと気恥ずかしくもありますね
まあさておき、桃の花が綺麗ですね。ええ、見て帰りましょう
桃もいただけるんですか?これは甘くて美味しそうですね。沢山いただきます
●輝白の内に燃ゆる炎
実のところ、この世界の出身であり、瑞獣たる結・縁貴(翠縁・f33070)にとって桃源郷は然程珍しいものではない。けれど、共にこの紫霄宫にある桃源郷を訪れているマナセ・ブランチフラワー(ダンピールの聖者・f09310)にとってはそうではなかった。
「とても美しいですね……」
「也许吧、俺でもここは特別綺麗だと思うよ」
マナセに合わせて、縁貴も桃花絢爛と咲き誇る桃の花に視線を向ける。それから、滔々とこの場にマナセを連れてきた理由を語りだす。
「俺はね、マナセ。妲己に興味があるんだ」
「妲己……此度の戦争の……敵の一人ですね」
「そう、それさ。書に綴られるは仙に手玉に取られて散った狐狸精」
女媧の命を受けて商王朝の命数を縮めるために紂王に近づいた女、その性格は残忍非道で狡猾――それ故に粛清された狐狸精。
「その真実や如何たるや! 慟哭を聞きたいなァ!」
うきうきと語る縁貴の話をなるほど、と聞いていたマナセが首を傾げる。
「それと、僕が必要なのはどうしてですか?」
「そこが重要なんだ、妲己は魅了の力を持ってるらしくってさ」
この桃源郷に咲き誇る桃花の力を借りて、魅了の力への耐性を上げる宝貝を作ることが対策となるのだと縁貴が笑う。
「で、会う為に純度の高そうな宝貝が創れそうなマナセの力を借りたい」
「純度の高そうな……ですか」
僕に出来る事ならば、それは構いませんがとマナセが淡く光る桃の花弁を手にして縁貴を見遣る。
「拜托、聖者様! 祈ってよ、平和や慈愛をさ」
お願い、と縁貴が手を合わせるとマナセがわかりましたと頷いた。
「ご期待にそえるかはわからないのですが、まあとりあえずやってみましょう」
「そうこなくっちゃ!」
桃の花に意識を集中させれば望む通りの形に成るらしいよ! と縁貴に言われるままにマナセが桃の樹に近付き、ひとつ頂きますね、と声を掛けて桃の花を摘む。
マナセが手にした淡く光る桃の花を手に目を閉じるのを眺めながら、縁貴が薄く笑う。
自分でも作ることはできたかもしれない、けれど同じ宝貝を作るなら聖者の祈りの方が力強いものが出来るだろうと思ったのだ。
何せ、自分は妲己の話を聞きたいだけで、別にこの世界を救いたい訳じゃない。どうせなら、この世界を戦が焼くというのなら仙界が好かったと思っているほどなのだから。
こんなことを考えているのだ、万が一にも宝貝が形に成らなければ困る。
なんて――人界の戦渦を他所に平穏な桃源郷の下、胸の内だけで思う。こんなこと、仙人共の耳に入ってみろ、不敬と首が落ちかねないのだから。
だから口は噤んだまま、マナセが桃の花へ意識を集中させる様を見ていた。
隠し切れない思いに、唇は弧を描いていたけれど。
一方、宝貝作りを任されたマナセは縁貴の想いも視線も知らぬまま、ただ手の中の桃花に意識を集中させていた。
どうか、この戦争で傷付く人達が少しでも減りますように、それだけを胸に祈る。真に聖者たる、たらんとするマナセの祈りはどこまでも真っ直ぐに桃の花へと捧げられ、やがて形を成す。
淡い光が強くなり、パッと花が散るように霧散するとマナセの手の中には白く輝く水晶玉がふたつあった。
「噫」
真摯に祈り、宝貝を作り出す様に縁貴の翠色をした瞳が細まった。
「マナセの宝貝は美しいな」
少しだけ歪な形をした水晶玉の内部に揺れるのは、小さな炎。
「これが僕の宝貝ですか」
「真白な光は持つ気質の善性の如き! 俺には真似できない宝貝の出来だ」
それは真実、心の底から出た言葉だ。
だって、自分には逆立ちしたってこんなものは生み出せない。
「自分の想いから生まれたなどと言われると、ちょっと気恥ずかしくもありますね」
そう言いながら手の中の水晶玉をひとつ、縁貴へと渡す。
「謝謝、マナセ」
これで妲己に会える、と縁貴が心底嬉しそうに笑んだ。
「これで僕の役目は終わりですね。まあそれはさておき、桃の花が綺麗ですね」
「お疲れさまだよ、マナセ。もう少し見ていく?」
「ええ、もう少しだけ見てから帰りましょう」
それくらいの時間はあるし、マナセに付き合って桃の花を見ていくのも悪くない。
「そうだ、折角だから桃を楽しんでから帰ろうか」
「桃もいただけるんですか?」
「食べ放題だよ、マナセ」
食べ放題、確かに周囲の樹には桃が鈴生りと言わんばかりに生っている。
「甘くて美味しそうですね……」
「嗯、桃源郷の桃はどれも甘くて美味しいからね」
「ぜひ、沢山いただいて帰りましょう」
「腹一杯ね!」
二人がお腹いっぱいになるほど食べたって、無くなりはしないのだからと縁貴が手にした水晶玉を眺めながら笑った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジョヴァンニ・カフカ
☆
花は知識が浅いので、作業前に端末で花について下調べ
桃の花の花言葉は、チャーミング、私はあなたの虜、と…天下無双
天下無双…(つよい)
可憐な花に見えても随分頼もしい
宝貝作りに相応しい花言葉ですね
確かに、魅了に対抗し得る物になりそうです
何処をみても桃花の景色。花集めも苦労しないでしょう
桃源郷の名に違わぬ景色で、思わずため息が
こんな場所もあるのですねぇ。世界は広い
集めた桃花に意識を向ければ、さて何が出来るやら
完成は天にお任せです
桃食べ放題と聞きましたが、良いのでしょうか
良いのですね?
とは言え、桃源郷の桃と言うだけでご利益凄そう
一つ頂き手近な場所に寝転んでのんびり花見でもしましょう
アドリブ、連携お任せ
●天下に香る
「桃源郷の桃の花、やっぱり見事なものですね」
ここに来るのは二度目、一度目はつい最近で桃尽くしのご馳走をたんまりと食べたのは記憶に新しい。惜しむべきはそれが毒入りだったという点、毒入りでもあれだけ美味しかったのだから、入っていなければもっと美味しかったのではないでしょうか……? と思いつつ、ジョヴァンニ・カフカ(暁闇・f28965)が手にした端末で桃の花について調べる。
「花は知識が浅くて……それにしても桃源郷でも使える端末、地味にすごくないですか?」
Wi-Fi飛んでるんですかね? と思いつつも検索結果に目を走らせる。
「桃の花……花言葉はチャーミング、私はあなたの虜、と……天下無双」
天下無双、天下無双! なんとも強そうな花言葉に、思わず端末から顔を上げて桃の花を見遣る。
「可憐な花に見えて、随分頼もしいんですね」
妲己に対抗する宝貝を作るには相応しすぎる程だと、ジョヴァンニが仮面の上から顎を擦った。
「確かに、魅了に対抗し得るものになりそうです」
そう言って、端末を仕舞うと改めて桃源郷の景色に視線を向ける。何処を見ても桃花の咲き誇る見事な景色に、思わず溜息が零れてしまう。
「こんな場所もあるのですねぇ」
いや、世界は広いと笑い、そういえば年中桜が咲き乱れる世界もあったなとふと思い出す。そうして、しみじみ世界は広いのだなと思った所で花を集めるんだったと桃花咲き乱れる道を歩き出した。
この辺りでいいですかね、と立ち止まった場所で桃色の絨毯の中に落ちる花を拾い上げる。両手いっぱいに集めた桃花へと意識を向けた。
形は特に決めていなかったけれど、きっと自分に役立つ形に成るはずと信じて、どうか妲己の力に抗う破魔の力をと願い、静かに目を閉じる。仄かに手のひらが温かくなった気がして目を開ければ、そこには桃花ではなく小さな烏の付いた組紐があった。
中国結びされた飾りの下にちょこんと揺れる烏はなんとも可愛らしく、ジョヴァンニが指先で触れる。
「これなら何処にでも付けられそうですね」
破魔の宝貝は手に入れた、あとは――。
「桃食べ放題ですね」
食べ放題ですよね? と誰にともなく言葉を零し、良いのでしょうかと辺りを見回す。
どの桃の樹にも艶のある美味しそうな桃が鈴生りで、ジョヴァンニの瞳が鋭く煌めく。
「……良いのですね?」
では遠慮なく、と一つ捥いでその場に座り込む。
「なんだか霊験あらたかというか、ご利益が凄そうですね」
浄化されそうな桃だと思いつつ、手で軽く剥いて嚙り付いた。
「甘い……美味しい……!」
なんとも美味な桃源郷の桃、一つ二つと食べて、思わず寝転がる。
見上げた先にも桃の花、舞い散る花弁は淡く光って美しい。
「花見をしてもバチはあたりませんよね」
少しだけのんびりしていきましょうと、ジョヴァンニが満足気に仮面の下で微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵
神臣・薙人
紫霄宫…とても綺麗な所ですね
桃の花はあまり目にする事が無いので新鮮です
まずは宝具を作らなければ
地面に落ちている花びらのうち
比較的状態の良いものを拾い集めます
こんな綺麗な花に破魔の力が宿っているなんて
不思議な気持ちがします
両手いっぱい程度集められたら
宝具作りに着手
花びらに意識を集中させて…
小さな蝶々の形に出来るでしょうか
髪に挿せるような飾りに出来れば
戦いの時も邪魔にならないかと
手先は器用ではないのですが
宝具作りには関係無い…ですよね
うまく行ったら
紫霄宫の中を散策します
のんびりしていて良いのかという気にもなりますけど
戦いの疲労を回復させる事も
また必要な事ですよね
休んでも良い時は
しっかり休まなければ
●桃の香に舞う
ほう、とその美しさに思わず息を零したのは神臣・薙人(落花幻夢・f35429)で、目の前に広がる光景に魅入られたように少しの間動きを止めた。
「紫霄宫の桃源郷……とても綺麗な所ですね」
梅と桜……特に桜は目にする機会も多いけれど、桃の花と言われるとあまりない。それが目の前に数え切れぬ程の咲き誇る桃の樹があるのだから、目を奪われるのも仕方のないこと。
「なんだか新鮮です」
梅とも桜とも違う枝ぶりと花の付き方をしているのだなと思いながら、桃の花咲き誇る道を歩いた。
「枝の花を摘むのは気が引けますね」
摘んでもすぐに蕾が花開くのだけれど、薙人は桃の花弁で絨毯のようになっている地に膝を突く。
「この花弁達で充分でしょう」
ひらり、ふわりと積み重なっていく花弁の中でも、特に薙人の気を引く淡い光を放つ花弁を拾い集める。どの花弁も薄く光っているけれど、その中でもなんとなく自分を呼んでいるように感じる花弁があるのだ。
「これも縁というものです」
かつて運命を予測していた薙人には、それがどれほど大切なことかを知っている。だから、一枚一枚丁寧に拾い集めてそれが両手いっぱいになると柔らかな笑みを浮かべた。
「こんなに綺麗な花に破魔の力が宿っているなんて、不思議な気持ちがします」
それと共に、こんなにも綺麗だからこそ破魔の力を宿しているのかもしれない、とも。
「この花弁に意識を集中させる……」
こうだろうか、と思いながらそっと目を閉じて意識を手のひらの僅かな重みに向ける。
妲己の魅了の力を弾くよう、魔を祓う守りとなるようにと願いを籠めながら、想う形は小さな蝶々。髪に挿せるような飾りになれば、戦いの時も邪魔にならないはず。
手先は器用な方ではないけれど、宝貝作りには関係ないはず……そう信じて目を開けば、手のひらの花弁が強く光り、やがて形を成していく。
「本当に形になって……」
艶やかな桃のような色をした小さな蝶が舞う、髪留め。
「上手くいって何よりです、どうぞこれからよろしくお願いしますね」
出来上がった宝貝はきっと妲己を倒した後も心強い守りとなるはずだと、薙人が蝶に語り掛けながら髪に挿す。
「うん、いい感じです」
まるで桜の花に惹かれた蝶のように、薙人が作り上げた宝貝はしっくりと彼に馴染んでいた。
「さて、このまま帰るのもいいですが折角です」
紫霄宫の中を散策しましょうか、と気の向くままにゆるりと歩き出す。
戦いの最中だ、のんびりしていて良いのかという気にもなるけれど、戦いの疲労を回復させるのもまた猟兵にとっては必要な事。
「休める時にはしっかり休まなければ」
戦争は待ってはくれないけれど、今このひと時くらいは。
そう微笑んで、蝶の飾りを揺らしながら薙人が桃花咲き誇る景色に目を細めた。
大成功
🔵🔵🔵
花房・英
【ミモザ】◎☆
寿のペースに合わせて花を摘んでいく
桃の香りは嫌いじゃない
作られたものより自然なものの方が好きなのかもしれない
寿はなんでも楽しく捉えられていいな
そういうところすごいと思う
とはいえ花から形を変えて出来上がるのは俺も楽しみ
寿の傍で力になれるように、と
こうして何かを願うのは未だに慣れないけれど
考え込みはじめた寿を眺めていたら
急に自分の名前が出てくるから少し驚いて
は?いきなり何
尋ねるけど反応がないから
人の話聞いてないな…
ぶつぶつ言いながら、何そんなに考え込んでんの?
軽く袖を引いてみれば、やっと目が合う
ホントに?
いや、絶対桃の話じゃなかっただろ…
まぁ食べて帰るのは構わないけど
太宰・寿
【ミモザ】◎☆
折角だからのんびり花弁を集めよう
ふわっと香る桃の香りに眦を緩め
宝具かぁ
物語でしか知らなかったものが手に出来るなんてすごいね、わくわくする
すっかり守ってもらってばかりだけど
英を守れるような宝具になるといいな
そういう能力だと分かってても、魅了されるの見たくない…とは恥ずかしくて言葉にはできないけれど
そもそも英って、普段の様子が様子だから魅了されてる姿って想像できないね…?
花弁を見ながらそんな事を考えていたら、気付けば心の声が溢れてしまって
お庭の花たちに接するみたいに優しくなるのなら、それはやっぱり…むむ
ななななんでもない!
宝具が出来たら桃も食べて帰りたいなって
折角だもんね!(早口)
●あなたを護る力
桃源郷を訪れた人というのはきっと皆一様に同じことを言うのではないかと、口をぽかんと開けた太宰・寿(パステルペインター・f18704)の横に立つ花房・英(サイボーグのグールドライバー・f18794)は思う。
「綺麗……すごいね、綺麗だね」
「ああ、そうだな」
何度目かの同じやり取りだ、けれど綺麗なのは事実なので英は繰り返し同じ言葉を呟く寿に、同じように返事をしていた。
でも、そろそろ本来の目的を思い出してもらうべきだろうかと英が考えた瞬間に、寿が開いていた口を閉じて英に視線を移す。
「あの、淡く光っている桃の花が宝貝になるんだよね?」
「そう言ってたな」
妲己の魅了の力に対抗する力を持つ宝貝になるのだと――だからこそ、ここに来たんじゃないのかと英が寿に問う。
「そうだけど、不思議だなぁって……こんなに綺麗な花が宝貝になるなんて」
「そもそも、花が宝貝になるのが不思議じゃないか?」
それもそうだね、と寿が英の言葉に笑って、ゆっくりと桃の花咲き乱れる桃源郷の道を歩き出した。
「折角だから、のんびり花弁を集めない?」
「別に構わないけど」
寿の好きにしたらいい、と英が頷く。
「ありがとう! 楽しみだね」
宝貝を作るのも、桃の花を眺めながら歩くのも、と嬉しそうに微笑んで寿があの花がいい、こっちの花も綺麗! と、桃の樹の枝に咲く数多ある花を集めていく。それに倣うように、英も彼女のペースに合わせてなんとなく目に付いた花を摘んだ。
「いい香り……」
ふわりと香る桃の香りに寿が眦を緩め、英に向かって振り返る。
「英は桃の香りは好き?」
「嫌いじゃない」
桃の香りは鼻につくこともなく、いい香りだと思う。きっと作られたものより、自然なものの方が自分の好みなのだろうと思う。
「じゃあ、好きってことだね」
きっと香料などではない、自然な桃の香りがと寿が笑った。
「これだけあれば、作れるかな?」
両手にいっぱいの桃の花を掲げ、寿が英を見遣る。
「大丈夫じゃないか?」
桃の樹の下、二人向かい合わせになって、お椀のようにした両手にはいっぱいの桃花。
「宝貝かぁ、物語でしか知らなかったものが手に出来るなんてすごいね、わくわくする」
「寿はなんでも楽しく捉えられていいな」
そういうところは本当にすごいと思う、と口にはしなかったけれど、本心だ。
とはいえ、花から形を変えて宝貝になるというのは英だって楽しみで。
「それじゃ、作ろっか!」
花に意識を集中して、想いをこめて、想うままの形に――。
寿が一番に思ったのは、英を守れるような宝貝になるといいな、であった。
そして、英もまた寿の傍で力になれるようなものになればいいと願い、淡く光る桃花に目を細めた。
暫くの間黙って想いを巡らせていれば、手の中の花が姿を変えていく。
やがて手の中に残されたのは、桃の香がふわりと漂う直刀の匕首。懐に忍ばせるのにも丁度良さそうな小振りなサイズだ。出来た、と英が寿を見れば、彼女はまだ思案中のようで暫し眺めて待つことにした。
彼女が考えるのはやっぱり英のことで、妲己の能力のこと。そういう、誰もが惑わされる魅了の力だとは分かっていても、実際に彼が魅了されてしまうのは見たくない……こんなこと、恥ずかしくて本人には言っていないけれど――あれ? そもそも英って、普段の様子が様子だから……なんていうかクールっていうか、感情を表に出すのが得意じゃないっていうか、そんな彼が魅了される姿って……想像できないね?
なんて、花弁を見つめながら考えていたせいだろうか、思わず心の声が口から零れ落ちていて。
「英が魅了……されたらお庭の花たちに接するみたいに優しく……? え、妲己に……そ、それはやっぱり……むむぅ」
それを聞いた英は寝耳に水である、考え込み始めた寿を眺めていたら急に自分の名前が出てきたのだから。
「は? いきなり何……反応がないな」
これはあれだ、寿のいつものやつだ。
人の話を聞いていない――とくれば、英がすることはひとつ。
「寿、ぶつぶつ言いながら、何そんなに考え込んでんの?」
そう言って、彼女の袖を軽く引く。
「ひゃっ!? な、ななななんでもない!」
「ホントに?」
「ホント! 宝貝が出来たら桃も食べて帰りたいなって!」
不自然なほど早口になる寿に疑惑の目を向け、絶対桃の話じゃなかっただろ……と思いはするが口を割る気のない彼女の袖をそっと離す。
「まぁ、食べて帰るのは構わないけど」
「折角だもんね! あっ、宝貝作っちゃうね!」
誤魔化せた、とその勢いのままに寿が再び桃の花へと意識を向ける。
今度は余計なことを考えないように――ただ、英を守る事だけを考えて。ふわりと香った桃のそれに目を開ければ、手の中には桃の香気を湛えた手のひらに収まるような小さな振り香炉。
「すごい、本当に出来たよ!」
「うん、俺も」
互いの手にある宝貝が艶やかな桃のような光を放つ。
きっと、互いを守る力になるはずだと寿が嬉しそうに微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヘルガ・リープフラウ
◎☆
妲己の操る妖術は、人の心を惑わせ絆を引き裂くもの
甘やかな牢獄に閉じ込め、堕落へと誘う悍ましいもの
それはこれまでにも、わたくしたちが何度も苦しめられた「呪い」
こんなものを「愛」などとは決して呼ばせない
誘惑に屈さぬよう心を強く保つこと
愛する夫の想いを信じ、二人の絆を決して忘れないこと
そう願い、護りの宝貝を作り出してきた
だけどきっと、それだけでは足りない
今のわたくしに必要なのはきっと、意志を貫く覚悟
意に添わぬ誘惑と呪縛を断ち切る、研ぎ澄まされた刃
願わくば、一振りの守り刀を
愛を愚弄し踏み躙る者を討ち
己の弱さを断ち切る鋼の意志を
過酷な戦いに立ち向かう不安を
咲き誇る桃花が慰めてくれるような気がした
●破魔光耀
幾度めかになる桃源郷の地に足を踏み入れ、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)はその美しさに何度目になるかもわからない吐息を零す。
「変わらず美しい地……」
けれど、この桃源郷を離れた地では、戦火はまだ続いている。
ヘルガがこの地に再び足を踏み入れたのは、妲己に対抗し得る宝貝を作り出す為。
妲己が操る妖術は、妲己の意に反して作用するとはいえ人の心を惑わし絆を引き裂くもの。甘やかな牢獄に人々を繋ぎ止め、閉じ込め、堕落へと誘う悍ましいものだ。
「わたくしは、その苦しみを知っています」
今までにも何度も苦しめられた『呪い』ともいうべきもの、そんなものをヘルガは決して『愛』などとは呼ばせない。その為に、ヘルガは幾つかの宝貝を作り出してきた。
妲己の力に屈さぬように心を強く保つこと、愛する夫の想いを信じ、二人の絆を決して忘れないこと――。
「武器飾り……竪琴、鏡、羽衣……宝珠」
匂い袋にベール、数々の宝貝を作り出してきたけれど、それは全て護る為のもの。
「だけど、きっとそれだけでは足りない……今のわたくしに必要なのは意志を貫く覚悟」
意に添わぬ誘惑と呪縛を断ち切る、研ぎ澄まされた刃のような、そんな。
「ならば、作り出しましょう」
ヘルガが桃花舞う道を進み、淡く光る桃の花を一つ一つ丁寧に摘んでいく。
どうぞ力を貸してくださいと、摘む花に願いながら手のひらに集めればいつのまにか両手いっぱいの桃の花。
「願わくは、一振りの守り刀を」
そう囁いて、目を閉じる。
意識は手のひらの上の桃の花へ向け、想うは一振りの刃。
強く強く、真っ直ぐな愛する夫の様な強さを持つ、そんな。
「愛を愚弄し踏み躙る者を討ち、己の弱さを断ち切る鋼の意志を」
言葉を紡げばまるでそれに反応したかのように、手のひらの桃花が強い光を放つ。その光が収まった頃、目を開ければヘルガの手の中には桃の花を写し取ったかのような鞘持つ一振りの守り刀があった。
「綺麗……」
鞘を抜けば、魔を断つ白刃が陽光を受けて煌めく。
「これからよろしくね」
きっと長い付き合いになると、ヘルガが刃を鞘に納めて胸に抱きしめる。
「ここを出れば、再び過酷な戦いが待っているでしょう」
不安に思う気持ちはここへ置いていく、そう決意して視線を上げれば咲き誇る桃の花。そよ風に揺れる桃花がまるでヘルガを慰めるように、柔らかな香気を放っていた。
大成功
🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】◎☆
桃をいっぱい食べられるんだって、楽しみだねぇ
桃源郷の桃ってどれくらい美味しいんだろうな~
何個か持って帰っても大丈夫かな?
梓に桃のスイーツ作ってもらうんだ
思い浮かべるだけで望んだ通りのものが作れるだなんて
何だかクリスマスの練り香水作りを思い出すね
そうだなぁ…焔と零の巨大な抱き枕とか?
もしくは可動式のフィギュアとか?
ドラゴンになりきれる着ぐるみとかもいいねー
作りたい形状だけ決めて、あとは天に任せるのもありかもね
俺はやっぱり刃物や鈍器といった武器系かな
でも新しいアクセもいいな~ピアスとか指輪とかネックレスとか
作り終えたらお楽しみの桃食べ放題タイム
梓の腕をぐいぐい引っ張り桃源郷探索へGO
乱獅子・梓
【不死蝶】◎☆
いや違う違う、本来の目的はそっちじゃないから!
本気なのかジョークなのか分からん綾にいつものようにツッコミ
確かに桃の味やそれで作ったスイーツとかは俺も気になるが…
その話は仕事が終わってからだ!
ああ、確かにあの時と状況は似ているかもな
そして今回も何を作っていいものか思い付かない…
というわけで綾、今回も何かアイデアをよこせ
お前…俺を5歳児くらいの子供と思っていないか?
と言いつつ内心「ちょっとそれ欲しいな…」と
思ってしまったことは口には出さない
なるほど、それもありだな
俺もアクセサリとかだろうか
もしくはちょっとした日用品なんかも良いな
掃除道具とかキッチン用品とか(思考が完全にオカン
●桃の香に福来る
桃の花咲き乱れ、桃の実も至る所に生っている――これぞまさに桃源郷!
「そうは思わない? 梓」
「いやまぁ、桃源郷だからな」
ここを訪れるのは数回目、自分達にとって珍しい場所であることに変わりはないが、どうしてこんなにこいつはテンションが高いのか? と、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)が首を傾げて灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)を見遣った。
「だってさ、桃をいっぱい食べられるんだよ? 楽しみだよねぇ」
桃源郷の桃ってどれくらい美味しいんだろうな~、頬っぺたが落ちちゃうくらいかな~? なんて、綾がご機嫌で桃の樹に向かって歩く。
「いやいやいや、違う違う! 本来の目的はそっちじゃないから!」
確かに本来の目的である宝貝作りを終えたら、少しばかり休憩して羽を伸ばしてくるといい、桃も食べられるとは聞いたけれども!
「わかってるって。でもさ、桃だよ、桃」
基本的に夏にしか食べられない桃がここでは年中食べ放題なのだ、心がときめくのは仕方がないというもの。
「お前のは本気なのかジョークなのか分からんからな……」
「やだな、いつだって本気だよ? 何個か持って帰っても大丈夫かなって真剣に悩んでる」
ここで採れたばかりの桃を食べるのも勿論だけれど、梓にスイーツ作ってもらうんだと綾が笑う。
「確かにここの桃で作ったスイーツは俺も気になるが……」
歩いているだけで桃の香りが漂ってくるのだ、絶対美味しいに決まっている。
「その話は仕事が終わってからだ!」
「はーい」
まずは妲己の魅了の力を防ぐ効果を持つ宝貝を作る、それが先だと梓が桃の樹へを近寄った。
「花を集めるんだったな」
「花弁でもいいみたいだよ」
枝の花を摘んでも構わないし、落ちている花弁でもいい。
そう聞いて、少し考えてから二人が顔を見合わせて、どちらからともなくしゃがみこむ。
「落ちてる花でも綺麗だよね」
「そうだな」
実際、地面に落ちている花弁も花の形を保ったまま落ちているそれも、枝に咲く花と変わらぬ美しさだ。
二人で特に綺麗な花を拾いつつ、何を作ろうかと考える。
「思い浮かべるだけで望んだ通りのものが作れるだなんて、何だかクリスマスの練り香水作りを思い出すね」
あれも楽しかったなあ、と綾が笑う。
「ああ、確かにあの時と状況は似ているな」
想いの力というのは世界が違っても意味があり、大きな力になるのだろう。
「そしてな、綾」
「どうしたの?」
「今回も何を作っていいものか思い付かない……というわけで綾、今回も何かアイデアをよこせ」
梓の言葉に、思わず綾が笑いだす。
「あはは、いいよ。俺がとっておきを考えるから」
そうだなぁ、と小さく呟いて暫し考える。その間にも花弁を拾うけれど、上から舞い落ちてくる花弁の方が多いくらいだ。
「焔と零の巨大な抱き枕とか……もしくは可動式のフィギュアとか?」
「それは宝貝なのか???」
「じゃあ、ドラゴンになりきれる着ぐるみとか!」
「お前……俺を五歳児くらいの子供と思っていないか?」
「ドラゴンのことに関しては、そう思ってるかもしれない」
そう言われると、梓はちょっと反論ができない。何せ、内心ではちょっと欲しいな? って思ってしまったのだから。勿論、口には出さないのだけれど。
「それならさ、作りたい形状だけ決めて、あとは天に任せるのもありかもね」
「天に……なるほど、それもありだな」
何せここは仙界、俗界を離れた清らかなる世界。
「何かいいようになる気がしてきたな」
「うんうん、俺はやっぱり刃物や鈍器かな。でも新しいアクセもいいな~ピアスとか指輪とかネックレスとか」
悩むなぁ、と言う綾の手のひらには花弁がこんもりと積もっていた。
「俺もアクセサリとかかな……ちょっとした日用品もいい」
普段使いできるような、掃除道具やキッチン用品とか。
その思考は完全にオカンなのだが、梓は気が付いていない。
「ま、作ってみてのお楽しみだよ梓」
「よし、作ってみるか」
願うは妲己の魅了に抵抗し得る破魔の力、護りの力――。
集めた花弁が淡い光から徐々に強い光を放ち、形を変えていく。
強い光が収まった頃には、二人の手の上には宝貝がその姿を現していた。
「わ、見てみて梓」
ほら、と綾が見せたのは黒と赤のリングが連なる二連の指輪。
「俺のはこれだな」
梓の手の中に在ったのはピンクゴールド色をした鋏、持ち手の部分には龍が絡みついていた。
「日用品だ」
「これがまた、手にしっくり馴染むんだよな」
懐に入れておけば悪い縁を断ち切ってくれそうな、そんな。
「梓らしくっていいと思うよ、それにほら、キッチンバサミ新調しようかなって言ってたよね」
「これをキッチンバサミに……?」
いいのかな、いやまぁ日用品だしな、と思いつつ梓が懐へ鋏を仕舞うと綾も指輪を身に付けた。
「無事に宝貝もできたし、お楽しみの桃食べ放題タイムだよ、梓」
さあ行こう、今すぐ行こうと綾が梓の腕を取り、ぐいぐいと引っ張る。
「わかった、わかったから引っ張るんじゃない」
持ち帰り分もしっかり採るぞー! と意気込む綾の後ろを梓が帰ったら何を作ろうか……桃のコンポートにカスタードパイもいいな、なんて考えながら付いていくのであった。
大成功
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