殲神封神大戦⑩〜熾火は赫く昌盛
●建業の都
鋼鉄の巨人が大地を疾駆する。
その威容を目の当たりにした建業の都の人々は恐怖した。如何なる抵抗も無意味たらしめるほどの力を鋼鉄の巨人たちは持ち、抵抗らしい抵抗などできなかった。
鋼鉄の巨人――『陸戦量産型哪吒』は瞬く間に建業の都を占領せしめた。あまりにも圧倒的な力を前にした時、人々は抵抗を捨てる。
己の生命を守るためだろう。
それは正しい。
一機の鋼鉄の巨人が降り立ち、建業の都において空を見上げる。
「六番目の猟兵、吾が言葉を聞け」
抑揚のない声であった。
ただ端的に事実を述べるだけの言葉の羅列。オブリビオンマシンであるからか、それとも特別な何かがあるのかはわからない。
だが、そのオブリビオンマシンは他の鋼鉄の巨人とは異なるようであった。
「吾が名は『哪吒』、自律型オブリビオンマシンにして『殲禍炎剣の代行者』」
名指しを受けた猟兵たちは、他世界において知る戦乱の原因たる暴走衛生の名を、この封神武侠界において聞くとは思わなかった。
空に在りて、地上を睨めつける存在。
往来を封じ、人々に疑心暗鬼を生み出す暴走衛生の名。それが『殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)』。
そして、オブリビオンマシン『哪吒』は告げる。
「吾はこれより、攻撃衛生『九竜神火罩』を起動し、世界に『炎の破滅(カタストロフ)』をもたらす」
宣言であった。
抑揚無き声は、事実を知らしめるためだけの言葉。
反論も異議も許さぬ決定事項のみを伝える音声でしかなかった。そこに感情はなく。静かに進む世界の破滅を執り行う、一種の厳かな雰囲気すらあった。
「止められるか、猟兵よ。建業の都にて待つ」
その言葉は世界にあって唯一己を止める可能性を持つ者を名指しする。封神武侠界に存在する英傑、武侠、仙人を差し置き、猟兵のみを指名する。
オブリビオンマシンを止める事ができるのは猟兵のみ。
それ以外は有象無象であるというようにオブリビオンマシン『哪吒』は静かに建業の都の大地にて待ち続けるのであった――。
●殲神封神大戦
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。建業の都が鋼鉄の巨人……体高5mほどもある『陸戦量産型哪吒』によって占拠されてしまいました。これを開放するために、どうか皆さんのお力を貸して頂きたいのです」
ナイアルテが告げる『陸戦量産型哪吒』は瞬く間に建業の都を占拠した。
そして、それらを統括するであろう一機のオブリビオンマシン『哪吒』は途方も無い強さを誇る強敵である。
かのオブリビオンマシンの目的は唯一。
衛星軌道上に攻撃衛生『九竜神火罩』を打ち上げ、『炎の破滅』をもたらさんとしている。それはオブリビオン・フォーミュラが世界に為さしめようとすることと同じだ。
「この攻撃衛生『九竜神火罩』は謂わば、クロムキャバリア世界の『殲禍炎剣』に似た大量殺戮兵器です。打ち上がれば『衛星軌道上から無限にレーザーをお放つ』ことが可能になります」
ナイアルテの顔色を見れば、これが如何に異常な事態か伺い知ることができるだろう。
この打ち上げは絶対に阻止しなければならない。
しかし、その攻撃衛生を守るオブリビオンマシン『哪吒』は途方も無い強さを誇る。
「オブリビオンマシン『哪吒』は皆さんに必ず先制攻撃を仕掛けてきます。ですが、『九竜神火罩』が打ち上げ前であったこと幸いしました」
そう、オブリビオンマシン『哪吒』は強力なオブリビオンマシンである。
だが、『九竜神火罩』を守るようにして戦っている。付け入る隙はそこにしかないのだ。
「守るものが存在するがゆえに、己の機体よりも『九竜神火罩』の無事を優先するでしょう。しかし、それでもなお、強力な機体であることに変わりはありません」
猟兵達が人々を守らんと戦う時、尋常ならざる力を発揮するようにオブリビオンマシン『哪吒』もまた攻撃衛生を守らんとするがゆえに、強大な力を振るう。
戦うにはあまりにも強大すぎる相手。
しかし、猟兵たちはこれまでもそうであったように、臆することはないだろう。
「攻撃衛生『九竜神火罩』が打ち上がれば、多くの生命が危機に晒されてしまいます。『炎の破滅』――カタストロフを引き起こさせるわけには参りません。どうか、これを撃破し、攻撃衛生の打ち上げを阻止してください」
ナイアルテは危険な戦いに赴く猟兵たちを見送る。
もしも、オブリビオンマシン『哪吒』の目論見が成就すれば、封神武侠界もまたクロムキャバリアと同じように空を失い、人々の心に疑心暗鬼を生む。
統一を為さしめた世界に、再び戦乱が巻き起こることにだろう。
ならばこそ、猟兵たちは恐れずに一歩を踏み出すのだ――。
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『殲神封神大戦』の戦争シナリオとなります。
オブリビオンマシン『哪吒』が目論む『炎の破滅(カタストロフ)』を阻止するために、建業の都へと赴き、これを撃破するシナリオになります。
建業の都はすでに『陸戦量産型哪吒』によって占拠されており、オブリビオンマシン『哪吒』が攻撃衛生『九竜神火罩』の打ち上げまで防衛しています。
オブリビオンマシン『哪吒』は体高5m程の巨体です。
オブリビオンマシン『哪吒』の力は言うまでもなく途方も無い強さと表現されるほどのものです。
付け入る隙は、攻撃衛生『九竜神火罩』を防衛しているという点のみ。
この状況を利用し、先制攻撃に対処しましょう。
※このシナリオには特別なプレイングボーナスがあります。これに基づく行動をすると有利になります。
プレイングボーナス……哪吒が九竜神火罩を守護する状況を利用し、哪吒の先制攻撃に対処する。
それでは、『炎の破滅』をもたらさんとするオブリビオンマシン『哪吒』と攻撃衛生を破壊し、封神武侠界を守らんとする皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 ボス戦
『オブリビオンマシン『哪吒』』
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POW : RX金蛟剪(きんこうせん)
【二刃一対のハサミ型刀剣兵器】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【新型オブリビオンマシン】に変身する。
SPD : EP風火輪(ふうかりん)
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【両足の火炎車輪型フロートユニット】から【火炎竜巻】を放つ。
WIZ : RXS-A乾坤圏(けんこんけん)
【腕】を向けた対象に、【空飛ぶロケットパンチ】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:雲間陽子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
朱鷺透・小枝子
オブリビオンマシン、中に人がいないなら!遠慮はいらないな!
主よ!壊すぞ!!
亡国の主を【操縦】スラスターで【推力移動】飛翔。
サーベルユニット2基を【早業念動力】回転させて暴風を生み【属性攻撃】火炎竜巻を打ち払い、真っ直ぐに九竜神火罩へと突撃!
哪吒が自分を止めにくるのを、人工魔眼の動体視力と【瞬間思考力】で認識。
そうだッ!止めに入るんだろう!!もっと進め主よ!ぶっこわせぇええええ!!!
『戦塵侵撃』更に速度を増したサーベルユニットで【重量攻撃】!
2方向からの九竜神火罩ごと巻き込まんとした攻撃を防いだ哪吒に、亡国の主の【呪詛ブレス攻撃】を叩きつける!
オブリビオンマシン。
それは他世界に存在するオブリビオンの総称である。この封神武侠界において、その名を聞くことになろうとは猟兵たちも思わなかったことだろう。
「吾の名を知れ、六番目の猟兵」
オブリビオンマシン『哪吒』。
それが脅威の名であり、自立型オブリビオンマシンであるがゆえに、そのコクピットブロックには人が存在していない。
だからこそ、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は何も躊躇わなかった。ジャイアントキャバリア『亡国の主』と共に建業の都において打ち上げられようとしている攻撃衛生『九竜神火罩』へとひた走る。
装甲の内に宿したのは破壊の意志。
内包されし霊物質が装甲の隙間から放出され、その戦場を奔る軌跡を刻む。
「オブリビオンマシン、中に人がいないなら! 遠慮はいらない! 主よ! 壊すぞ!!」
スラスターが凄まじい推力を生み出し、サーベルユニットを抜き払い、念動力でもって回転さえ暴風を生み出す。
しかし、オブリビオンマシン『哪吒』の脚部に備えられたフロートユニットである『風火輪』より放たれる炎の竜巻はそれすらも超えるものであった。
超高熱の炎の竜巻が5mを超える戦術兵器すら飲み込むほどの巨大な姿となって『亡国の主』と小枝子に迫る。
「六番目の猟兵。愚かなり。その程度のそよ風で吾の『風火輪』を防ごうなどと」
オブリビオンマシン『哪吒』の力は凄まじい。
途方も無い強さと呼ばれるだけはある。あからこそ、小枝子は真っ直ぐに突き進む。
どれだけ炎の竜巻が『亡国の主』の装甲を溶解させていくのだとしても、愚かだとそしられようとも。
変わらない。
自分が歩むべき道をすでに小枝子は見つけている。
すなわちそれは『破壊』である。
「邪魔を、するなああああ!!」
サーベルユニットが炎の竜巻の中に消失する。念動力をもってしても止められな居炎。
ならば、己の人工魔眼が燃える。
自分の狙いはオブリビオンマシン『哪吒』ではない。
彼女が狙うのは、攻撃衛生『九竜神火罩』のみ。あれさえ破壊できれば、己の身がどうなろうと構わない。
炎の竜巻を突っ切るジャイアントキャバリアをオブリビオンマシン『哪吒』は見ただろう。
狙いは己ではない。
そう判断した瞬間、オブリビオンマシン『哪吒』が『亡国の主』の前に姿を顕す。「そうだっ! 止めに入るんだろう! もっと進め主よ!」
その声に『亡国の主』のセンサーアイがユーベルコードに輝く。
進め、という言葉に従う。
溶解した装甲を食い止める『哪吒』の腕部が食い込む。
けれど、構わなかった。今の『亡国の主』を止められる者など存在しない。
戦塵侵撃(アクティブ・キャバリア)。
それこそが、己が手繰るジャイアントキャバリアの本領である。
止まらない。止められない。破壊されても進む。その意志が強固であればあるほどに『亡国の主』は霊物質を噴出させながら突き進む。
飛び出すサーベルユニットが念動力でもって『哪吒』へと迫る。
それを副腕で受け止めた『哪吒』の技量は凄まじいと呼ぶに相応しい。砕けるサーベルユニット。
だが、その一瞬で良かったのだ。
「隙を見せたな、『哪吒』ッ! お前は――! 壊れろッ!!」
「――何を言っている。壊れるのは、六番目の猟兵、お前だ」
振るわれる副腕。
その一撃で『亡国の主』の両腕が落ちる。砕け、破片が吹き荒れながら小枝子は咆哮する。
その咆哮はまさに『亡国の主』と同じくするものであり、そのアイセンサーの向こうにし、そして小枝子の瞳に戦意が未だ漲ることをオブリビオンマシン『哪吒』知らなかった。
「いいや、お前だッ! お前が、壊れろッ!!」
咆哮とともに放たれる呪詛のブレスが『亡国の主』の口腔から放たれ、『哪吒』の装甲焼きながら吹き飛ばす。
それは尽きぬ破壊の意志が齎す一撃。
絶えぬ破壊への渇望が、『炎の破滅』をもたらさんとする『哪吒』を上回った瞬間であった――。
大成功
🔵🔵🔵
サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう!
私はクノイチ、胸が大きくて忍べないとかそんなことないもんっ!!
誰も 聞いて いない!?
まぁそんな場合じゃないですかね?
かもんっ!『ファントムシリカ』!
まさか封神武侠界でシリカ呼び出すことになるとは!
それではいきまぎにゃあああああ?!
まだ何もしてませんけど?!
しかし真面目にただ突っ込むとやられそうな気配!
こーゆー時は【快刀乱麻】が最適解ですね!
ファントムクォーツユニット起動!
完全回避はともかく
かく乱して詠唱時間を稼ぎます
狙いはもちろん
『九竜神火罩』のみ!
そっち狙えば哪吒も巻き込めるでしょう!
ロケットパンチごと叩き落としてみせましょう!
「クノイチパワーを思い知れー!」
「お呼びとあらば参じましょう! 私はクノイチ、胸が大きくて忍べないとかそんなことないもんっ!!」
それは封神武侠界に響き渡る前口上であった。
誰にも邪魔されず、そして特にひねり無く放たれた前口上は戦場に虚しく響く。
建業の都はオブリビオンマシン『哪吒』によって占拠されている。
聞く者は存在せず、『陸戦量産型哪吒』ばかりが埋め尽くされている。
木枯らしでも吹いているかのような、シン静まり返った建業の都において、サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)はあまりの事態に驚愕する。
「誰も 聞いて いない!?」
ショックな事実である。
誰もいないのだ。悲しいけれど、サージェの渾身の前口上は不発に終わってしまう。まともに言えたときは誰も聞いていないというのは、これもまた運命であろうか。
しかしながら、オブリビオンマシン『哪吒』はそんなこと気にも止めてはくれない。
「まぁそんな場合じゃないですかね? かもんっ!『ファントムシリカ』!」
サージェは己のサイキックキャバリア、白と紫を基調とした機体を呼び出し、コクピットの中に収まる。
まさか封神武侠界において己のサイキックキャバリアを呼び出すことになるとは思っても居なかった。
「それではいきまぎにゃああああ?!」
えっ、なんで? とサージェは白猫又のシリカが己のほっぺをひっかくのを咎める。
マジでなんで?
まだ何もしてないんだけど、とサージェの涙目の訴えに『シリカ』はどうせまた真正面から突っ込むつもりであっただろうと爪をにゅっとしている。
「……」
なんとか言ってくれよ、サージェさん!
実際、真正面から突っ込むつもりであったのだろう。何も言えないところを見ると図星であった。
「って、言ってる場合じゃないです!」
迫るはオブリビオンマシン『哪吒』より放たれた乾坤圏。
腕部がロケットのように凄まじい速度で『ファントムシリカ』へと打ち込まれる。装甲を掠めた衝撃だけで機体が傾ぐほどの一撃であり、躱せたのは運がよかったと言わざるをえない。
大地に打ち込まれたロケットパンチの一撃が抉り、粉塵を撒き散らす。
その中から『ファントムシリカ』が飛び出し、ファントムクォーツユニットを起動し、幻影と共に戦場を疾走る。
しかし、次々と放たれる乾坤圏の一撃に幻影は吹き飛ばされていくのだ。
「撹乱してと思いましたが、これっ、きっつい!」
無数の幻影。
だが、それが何の意味があるのかというように『哪吒』の攻撃は、次々と幻影を打ち払っていく。
「吾の前には無意味。六番目の猟兵よ、吾を止められぬことを悟るがいい」
絶え間ない攻撃。
腕部を飛ばす乾坤圏。しかし、敵の腕部は6本。それぞれが射出のラグを埋め、間断ない攻撃で『ファントムシリカ』を追い込んでいくのだ。
「確かにっ! ですが!」
躱す。躱し続ける。
だが、どれだけ幻影を撒き散らそうとも、敵はすでに『ファントムシリカ』本体を捉えていた。
「幻影なれど、その熱までは生み出せない。本体は其処だな」
放たれる乾坤圏の一撃が『ファントムシリカ』の片腕を吹き飛ばす。
破片が散らばる。
更に打ち込まれる一撃が機体の頭部を吹き飛ばす。強すぎる。途方も無い強さとは此の事を言うのだと示すような『哪吒』の力。
だが、サージェは見据えていたのだ。
かの『哪吒』が守るは攻撃衛生。ならばこそ、彼女の瞳はユーベルコードに輝く。
「クノイチパワーを思い知れー!」
迫る乾坤圏の一撃。
だが、これまで幻影と共に時間を稼いでいたのは、詠唱時間を得るためであった。
詠唱がながければ長いほどに威力を増すユーベルコード。
それが、快刀乱麻(ブレイクアサシン)である。
残された片腕で放たれる巨大な三日月状のエネルギー波はたしかに強力であったが、それは隙の多い一撃であった。
巨大であるからこそ、躱すことができる。
だが、サージェの狙いは唯一。
「狙うは、『九竜神火罩』のみ!」
己の機体が破壊されようとも、攻撃衛生は打ち上げさせはしない。
そして、同時に『哪吒』は『九竜神火罩』を守らんとするだろう。膨大なエネルギーの前に姿を晒した『哪吒』の装甲が弾けていく。
これほどまでに詠唱を紡いでも尚、『哪吒』の機体は傾ぐのみ。けれど、サージェは『哪吒』のガードに使った腕部が軋むのを見た。
「これがクノイチパワーってやつですよ! それはそうと、シリカ、今回は流石に許して」
最後までいわしてもらえず、お約束の爪が炸裂するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
紅・麗鳳
まーそーですのー建業で。
……わたくしの地元じゃねーか!
今となっては良い思い出の無い故郷ですが座視できませんわ。
どうせなら私の美しさを宣伝するものでも発射なさい!
馬のまーちゃんに【騎乗】し、全速力で突撃しますわ。
哪吒が飛んで来て風火輪を放つ寸前、即座に鞍から跳躍。
まーちゃんには予めまっすぐ走り抜くよう指示。
既に導火線に点火した火竜砲を牽引させてね!
わたくしを狙えばその隙にも砲撃が九竜神火罩を襲いますわよ!
と、それで一瞬でも狙いが逸れれば上等。
【国色無双】の力で建物の壁か地面を蹴り【空中機動】で哪吒に接近、方天戟でぶっ叩いてやります。
荒々しい? こんな強敵に勝つ為なら多少の評判低下も諦めますわ!
建業の都はオブリビオンマシン『哪吒』率いる『陸戦量産型哪吒』によって占拠された。
その力は凄まじく、抵抗の一切を許さないものであった。
三日月状のエネルギーの奔流がオブリビオンマシン『哪吒』を打ち据える。攻撃衛生『九竜神火罩』を守るため、猟兵からの攻撃を甘んじて受け止めてもなお、その機体は傾ぐのみ。
六本の腕の内、その一組が火花を散らしているが、戦闘継続には未だ支障はなかった。
「吾を追い込むか。無駄である。吾は『殲禍炎剣の代行者』。『炎の破滅』を世界に齎す者。六番目の猟兵が吾を止めるのは必定。されど、それが為さしめるかと問われれば、それは否定しよう」
フロートユニットである脚部より放たれる『風火輪』の炎の竜巻が建業の都に吹き荒れる。
それは凄まじい高熱を持ち、近づくもの全てを焼き滅ぼす力であった。
それだけの力の奔流を目の当たりにしながらも、一人の赤髪の女性が立ちふさがる。
彼女の名は、紅・麗鳳(国色無双・f32730)。
嘗ては、朝露に映る雪の如き肌と桃花の如き御髪、瞳は爛然たる紅玉とまで言わしめた稀有なる美しさを誇った女性。
されど、家の没落と共に零落した後に己の力のみで武闘の限りを尽くしてきた姫。
そんな彼女はこの建業の都を故郷としていた。
今となっては良い思い出の無い故郷であるが、座視することなどできようはずもない。
「どうせなら、わたくしの美しさを宣伝するものでも発射なさい!」
違う。
どう考えても今いうべきはそれではなかった。けれど、麗凰は躊躇いもせずに言い切った。
汗血馬と共に建業の都を疾駆する。
吹き荒れる炎を躱し、『風火輪』の放つ炎の竜巻が彼女を狙った瞬間、鞍を蹴って跳躍する。
5mを超える戦術兵器に相対するには、それはあまりにも無謀なる行いであった。けれど、麗凰にとって、それこそが最善策。
彼女の汗血馬は導火線を点火させた火竜砲を牽引させている。
「――」
オブリビオンマシン『哪吒』は考えるだろう。
それは己を穿つためか、それとも己が守るべき攻撃衛生を穿つためか。
二者択一。
されど、答えはでている。なんのために麗凰が己の前に跳躍して迫っているのか。
「わたくしを狙えば、その隙にも砲撃が『九竜神火罩』を襲いますわよ!」
その言葉で『哪吒』は判断した。
それはブラフではない。
己の防衛目標である攻撃衛生を破壊されては、己が戦う意味がなくなってしまう。だからこそ、オブリビオンマシンであるがゆえに『哪吒』は目の前の猟兵と己が防衛すべきものとの間で揺らぎを検知してしまう。
「どれだけオブリビオンマシンと言えども!」
此処に在るは、国色無双(ナゼカヒロマルハブメイトアクメイ)。
その美しさ、その麗しさ。
天衣無縫の極みに至りしものであればあるほどに。彼女の美しさは全てを凌駕するだろう。
振るわれた『哪吒』の腕部を蹴って彼女は高く、かのオブリビオンマシンの頭上へと飛ぶ。
手にしたのは美姫が持つには似つかわしい方天戟。
「美なる一人あり、清揚にして婉たり――さぁ、わたくしの美しさの前に道を譲りなさい!」
彼女の美姫としての勇名は、千里を駆ける。
されどそれは、美姫としての美しさを誇るものではなく、彼女の武名。そして、悪名である。
きっと此度の戦いもまた彼女の美姫としての評判を下げることだろう。
だが、それでも構わない。
目の前のオブリビオンマシン『哪吒』は言うまでもなく強敵である。
それを打倒するためならば、多少の評判低下を厭う理由もない。振り上げた方天戟の一撃が三面たる『哪吒』の頭部ユニットを強かに打ち据え、鋼鉄の巨人を打ち倒す美姫としての姿を世界に示すだろう。
「わたくしの地元で好き勝手してれやがりました報いですわ!」
放つ一撃は重く。
如何に5mを超える戦術兵器であろうと、こらえきれるものではない。凄まじい地響きを立て、大地に打ち倒された『哪吒』を見やり、麗凰は声高々に勝利を宣言するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
久遠寺・遥翔
殲禍炎剣の代行者か。俺がお話で知ってる哪吒とはずいぶん違うな…
いや、似たようなもんか。あれも宝貝ロボだったわ。
連携アドリブ歓迎
俺の愛機イグニシオンに[騎乗]して戦う
これまで蓄えた[戦闘知識]と研ぎ澄まされた[視力]からなる観察で
相手が衛星を守護することも念頭に置いて動作予測
さらに[第六感]をも加えた心眼で予想外の動きも[見切り]
[残像]を捕らえさせる形で敵の先制攻撃を回避する
こちらも高速機動戦闘を得意としているがさすがにあちらの方が早い
[オーラ防御]と[結界術]による多重障壁で守っておく
まぁ俺もイグニシオンも焔は得意分野だ
当たっても[火炎耐性]である程度は弾くけどな
まずひとつかわしたらあとは全力で駆けるのみ
オーバーロード、イグニシオン・ソーリス!
碧の焔を纏いUCを起動
発射台めがけて急加速
奴の速度なら当然割り込んでくるだろうがそのまま奴へ太刀を撃ち込みつつ
[2回攻撃]で空いた掌から焔を発射
発射台を[焼却]するぜ
『殲禍炎剣の代行者』。
その言葉の意味を知るのは、他世界を知る猟兵だけであろう。
『殲禍炎剣』とはクロムキャバリア世界の衛星軌道上に存在する暴走衛星の名である。地上を常に狙い続け、拘束飛翔体を余さず撃ち落とす空の支配者。
人々に疑心をもたらし、不和をもって戦乱だけの世界へと変貌せしめた原因。だからこそ、猟兵たちは封神武侠界にて、その名を聞いたことに驚愕したのだ。
しかし、それ以上に久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)は己の知るところの『哪吒』との違いに驚いていた。
「『殲禍炎剣の代行者』か。俺がお話で知っている『哪吒』とは随分違うな……いや、似たようなもんか。あれも宝貝ロボだったわ」
己の愛機である『イグニシオン』を駆り、オブリビオンマシン『哪吒』と対峙する。これまで他の猟兵たちの攻撃に寄って大地に打倒されていた機体が立ち上がる。
同じ体高5m級の戦術兵器とは思えぬほどの重圧。
それを感じ、遥翔は己のこれまで蓄えた戦闘知識を十全に使ったととしても、途方も無い強さ、その力の差があることを感じたことだろう。
「吾を知るか。だが、六番目の猟兵よ。吾は止められぬ。吾は『殲禍炎剣の代行者』ゆえに。必ずや、打ち上げる。『炎の破滅』は避けられぬ」
フロートユニットである脚部より噴出する炎の竜巻が『イグニシオン』を襲う。
「そうかよ。やってみなければわからんものだがな」
炎の竜巻は凄まじき勢いで『イグニシオン』に迫る。
己の力の源流を知るがゆえに、その炎への耐性には自身があった。だが、迫るオブリビオンマシンの機動は、確実に己たちを上回っていた。
炎の竜巻は、己の張り巡らせた多重障壁すら容易く打ち砕いてくる。熱波が機体の中にある遥翔にさえ及ぶ。
「――これでもかよ」
心眼が捕らえるのは、己のいずれの動きも『哪吒』が補足せしめ、追従してくるという未来。
残像すらも意味をなさない。
己の機体が高速機動戦闘を得意としていなかったのならば、それで終わりであったことだろう。
障壁は砕かれ、己の機体は炎の竜巻の中に消えた。
だが、今も尚己は生きている。機体もまた無事である。熱波に煽られながら、機体を立て直す。
「吾を超えるか。己を超えるか。六番目の猟兵」
抑揚のない声。それがオブリビオンマシンの齎す言葉であった。どこまで行っても、目の前の存在はオブリビオンマシンだ。
人の乗らぬ機体。
『イグニシオン』と『哪吒』の間にある差異はただそれだけ。ならばこそ。
「オーバーロード、イグニシオン・ソーリス!」
機体から碧の炎が噴出する。全身全霊を以て、己は空を翔ける。ユーベルコードに輝く『イグニシオン』のアイセンサーが軌跡となって炎の竜巻の間隙を縫うようにして翔ぶ。
熱波に装甲が溶解していく。
しかし、それでも翔ぶ。
己の機体は、今此の時を以て、太陽を灼く黄昏の剣(ラグナレク・キャリバー)と為さしめる。
「狙いは、やはり『九竜神火罩』か」
そう、遥翔の狙いは最初から攻撃衛星『九竜神火罩』である。『哪吒』がそれを守ることを優先することは分かっていた。
だからこそ、己の機体と共に超克せしめた速度が『 』を初めて上回る。
炎が噴出し、機体が傾ぐ。
しかし、それでも翔ぶ。己の名と機体の名を世界に示すために。
割り込むようにして迫る『哪吒』の三つの顔が煌めく。だが、構うことはない。手にした機神太刀"迦具土"が焔を噴出させる。
「これも防ぐか」
「防衛目標を最優先」
打ち込まれた一撃を『哪吒』の六本腕の一本が受け止める。さらに掌から放たれた焔が攻撃衛星を狙う。
「これならどうだよ!」
それさえも尋常ならざる速度で持ってもう一本の腕が防ぐ。しかし、放たれた炎は『哪吒』の放つ炎の竜巻すら吹き飛ばす。
撒き散らされた炎が戦場に爆炎を上げる。
それは途方も無い強さを誇るオブリビオンマシンを追い詰める一手となるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ルクレツィア・アストリュード
世界は違えど、強大なるオブリビオンマシン。そして殲禍炎剣に似たるもの。
『答え』を示す為、避けられない敵。
――征こう。
建造物を利用し、可能な限り九竜神火罩打ち上げ地点まで接近。
隠密裏の行動が不可能となった時点で、同地点へ【ダッシュ】。
哪吒の挙動に意識を振り向けておき、攻撃が来たら【瞬間思考力】で軌道を【見切り】、剣を以て【受け流し】。この際【ジャンプ】しておき、受け流した反動で九竜神火罩の方向へ飛べるよう調整。
敵が直接、攻撃の妨害に来たところで、中空を蹴り【空中機動】、飛翔軌道を変えつつUC発動。
懐に飛び込み斬撃を繰り出す。
この剣で、クロムキャバリアに未来を拓く――『答え』を示す為、負けない。
世界を滅ぼす者。
それがオブリビオンである。
ならば、世界に戦乱を齎すものは一体なんであろうか。その一つの答えが『殲禍炎剣』であった。
衛星軌道上に存在する暴走衛星はクロムキャバリア世界にあって、人々の疑心を生み出し、互いに争わせる。
相互理解などさせないというかのように天上に在りて、人の営みを、その空を閉ざす。目的も何もない。ただそこに在るだけで人々は争わざるを得ない。
限られた資源を、より良きを求めるために己が正義を掲げて争うのだ。
それが愚かであるというのならば、それを齎す存在は一体何を気取るのか。
「世界は違えど、強大なるオブリビオンマシン。そして『殲禍炎剣』に似たるもの」
ルクレツィア・アストリュード(終極フラガラッハ・f30398)は戦場と成った建業の都を疾走る。
そこにあったのは体高5mほどもあろうかという鋼鉄の巨人の姿であった。
三面六臂。
その姿はそう表現することができたことだろう。だが、それも他の猟兵達が残した傷跡が残っている。
頭部には殴打の痕。
一本腕はひしゃげ火花を散らす。しかし、その力の発露は未だ凄まじいものであった。
「吾を打倒することを望むか。六番目の猟兵。見果てぬ答えを求めて」
オブリビオンマシン『哪吒』が咆哮する。
自立型のオブリビオンマシンであるがゆえに、その機動には人を載せているという制限がない。
凄まじい速度で迫る巨人を前にルクレツィアは落ち着いていた。隠密行動を為そうとしていた己を即座にオブリビオンマシン『哪吒』は睨めつけていた。
あの三面は、索敵の力も尋常ならざるのだろう。己が猟兵であると認識した瞬間に、体躯の差など関係ないというように迫ってきたのだ。
放たれる乾坤圏の飛来がルクレツィアを狙う。
瞬間、彼女の思考は高速化する。
避けられない敵。『答え』を示すため、それはどうあっても避けてはならぬ敵であると認識する。
飛来する腕部。
その直撃を受ければ、生身単身である己は耐えきれないだろう。
だからこそ、彼女は疾走る。
「――征こう」
答えはすでにでている。放たれた腕部。その軌跡が過たず、精密な狙いであればあるほどに己の手にした対キャバリア用の身の丈はある剣が弾く。否――受け流すのだ。
「見切ることができる。どれだけ強力な武装であっても」
腕部が大地に穿たれ、その衝撃波がルクレツィアの背を押す。目指す先に存在しているのは、攻撃衛星。
彼女は瞬間的に判断していたのだ。己に加えられる攻撃の力の作用を。敵の攻撃さえも利用して彼女は飛ぶ。
眼前に在るのは敵が防衛しようとしている最優先目標。
手にした剣は身の丈ほども在る。
しかし、彼女の瞳に輝くはユーベルコード。
今まで彼女が己のよりも巨大な存在を相手に如何にして生き残ってきたのか。それは彼女が、機兵斬壊(フラガラッハ)為さしめる猟兵であり、到達した『答え』であるからだ。
「させぬ。吾が在る限り、それは――」
「だから、わかっていた。そう来ると。必ずキミはボクを止めようとする。ボクの斬撃から、防衛目標を守ろうとする」
ルクレツィアは空中を蹴る。
彼女の剣の切っ先がオブリビオンマシン『哪吒』へと振り下ろされる。
軌道を変え、放たれるユーベルコードにまで昇華した彼女の斬撃が放たれる。その一閃は鋭く、そして己よりも巨躯を打倒するための奇跡の如き御業。
斬撃の一撃が『哪吒』の胴を縦一閃に刻む。
「この剣で、クロムキャバリアに未来を拓く――『答え』を示す為、負けない」
斬撃の閃光がほとばしり、その言葉を真なるものにするため。
ルクレツィアは振り抜いた斬撃の行方を知るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
鞍馬・景正
猟兵への直の名指し、応えなくば武士ではありますまい。
――しかし六番目、とはこれ如何に。
◆
疑問は今は捨て置き、戦場へ向かいましょう。
敵がキャバリア並みの巨躯ならば、こちらも大蛇麁に【騎乗】して参る。
九竜神火罩目指して進撃しつつ、哪吒の接近を確認すれば応戦。
金蛟剪の太刀筋を【見切り】、大蛇麁に【残像】を発生させ攻撃を掻い潜りつつ、それでも食らい付かれれば【結界術】を発動させて刃が届くのを防ぎましょう。
その間に大蛇麁の力を以て【天候操作】を発動。
雷雨を招き、【神罰】の稲妻を九竜神火罩のある辺りへと落とさせていきます。
如何か、哪吒。
伊吹明神の分霊を宿したる大蛇麁の落雷、九竜神火罩の炎とて消し去るには不足は無いぞ。
そう揺さぶりをかけ、哪吒に人間でいうところの『隙』や『動揺』を見出せれば反撃の好機。
鋏を【怪力】で引き剥がし、そのまま【倫魁不羈】の力で殴打して九竜神火罩近くまで投げ飛ばします。
そのまま九竜神火罩もろとも両断する勢いで、居合の【斬撃波】を浴びせましょう。
閃光の如き斬撃の一閃がオブリビオンマシン『哪吒』の機体に縦に刻まれる。
本来であればコクピットブロックが存在しているであろう場所。しかし、オブリビオンマシン『哪吒』には搭乗者は存在しない。
自立型であるがゆえに、搭乗者を必要としないオブリビオンマシンなのだ。
「吾を阻むか。六番目の猟兵。吾が齎すは『炎の破滅』。これこそが望まれたもの」
その言葉を聞き、鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)は、占拠された建業の都を疾走る。
建物の屋根を蹴り、飛びながらオブリビオンマシンの威容を見つめる。
「猟兵への直の名指し、応えなくば武士ではありますまい――しかし六番目、とはこれ如何に」
疑問が沸き上がる。
オブリビオンの中でも己達猟兵のことを『六番目』と呼ぶ者が存在していることは周知の事実である。
だが、何故そう呼ばれるのかを猟兵たち自身が理解していない。
「疑念は今は捨て置き……ならば、いざ!」
景正が纏うは銀河帝国の外骨格スーツを憑坐とした式神。
それはまさに飛翔する甲冑ともいうべき威容であった。対するは体高5mはある戦術兵器。
出し惜しみができるわけもない。対峙するオブリビオンマシン『哪吒』は途方もない強さをもつ存在。
なればこそ、景正は己の力の全てを出し切る。
「来るか、六番目の猟兵。知っているぞ、吾は」
放たれるは巨大な鋏をばらしたかの如き二本一対の剣。
その斬撃の鋭さを景正は知る。
振るわれる斬撃の速度、重さ、どれをとっても己が受け止めることはできない。例え、強固な結界であったとしても、その斬撃は切り裂き喰らうだろう。
「―――ッ! これで防げないとは!」
結界を切り裂かれ、迫る刃の切っ先。
それを景正は既のところで躱す。いや、躱せたのではない。己の纏う式神の力でもって放たれた神罰の稲妻が僅かに切っ先をずらしたのだ。
その稲妻はそのまま大地へと流れ込む。
しかし、再び放たれる稲妻の一撃が攻撃衛星の直近へと打ち込まれる。その稲妻にオブリビオンマシン『哪吒』は反応する。
そう、即座に理解したのだ。
あの稲妻は己を狙ったのではなく、防衛目標である攻撃衛星を狙ったのだと。
「如何か、『哪吒』。伊吹明神の分霊を宿したる落雷、『九竜神火罩』の炎とて消し去るには不足はないぞ」
戦いにおいて揺さぶりは基本にして鉄則。
なればこそ、景正はオブリビオンマシンの持つ自律性に賭けたのだ。
もしも、そこに機体自体の意志が存在しているのならば、人間で言うところの『隙』や『動揺』と行ったものが見いだせるはずだと。
それは、分の悪い賭けであったことだろう。
本来であれば、存在し得ないものであった。オブリビオンマシンは人を狂わせる。思想を狂わせ、戦乱を求めるように歪ませる。
搭乗者在りきの存在のはず。
「しかし、貴様は、自身で答えを見出す。『代行者』であるがゆえに、己の責務と存在意義に挟まれるのであろう」
己の眼前に振り下ろされた鋏の如き剣を蹴り飛ばし、景正は飛ぶ。
敵はこちらの狙いが攻撃衛星だと理解している。
ならばこそ、それを守ろうとする。そこに『隙』を見出す。そう何度も通じる相手ではない。
なにせ、敵は猟兵たちの一部を切り裂き奪って新型オブリビオンマシンへと変貌するユーベルコードを有する。
景正の結界を切り裂いた宝貝『金蛟剪』は、その力を読み取り、確実に二撃目でもって己を切り裂くだろう。
「知っている。吾は知っている。『これ』を知っている」
煌めくオブリビオンマシン『哪吒』のアイセンサー。力が増大していると、怖気走るほどの重圧を感じ、景正は己の身に宿る羅刹の力を以て、『金蛟剪』の片割れを掴み上げる。
切り裂くためには振り下ろさねばならない。
煌めくユーベルコードが世界を明滅させる。此処にあるのは、倫魁不羈(バカヂカラ)たる膂力を持つ超克せし猟兵である。
「羅刹の剛力、篤とその身でご堪能あれ」
式神の力を得ているとはいえ、体高差あるオブリビオンマシンを彼の敵の武装ごと持ち上げる景正。
それはあまりにも現実離れした光景であったことだろう。
持ち上げるだけでも凄まじい。されど、景正の凄まじきは、ここからであった。
「どれだけ此方の力を喰らい、進化するのだとしても!」
巨体を投げ、大地へと叩きつける。
そこから跳躍し、景正は居合の斬撃をオブリビオンマシン『哪吒』へと浴びせる。土煙と共に沈む巨体を見下ろす景正は、敵の重圧を物ともせず、その力で持ってこれを打倒せしめるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
御剣・刀也
くくく
オブリビオンマシンか。機械とやりあうのははじめてだ。
でかけりゃ勝てると思ったか?バカが、斬りたい放題、殴りたい放題だ
さて、動かなくなるまで斬ってやるよ!木偶の坊!
RX金蛟剪で攻撃してきたら、相手の武器の大きさから逃げたら食らうのは確定なので、勇気で恐怖心を殺し、ダッシュで速度をあげて更に前進し、相手の武器に飛び乗り、そこから頭まで一気に駆け上がり、捨て身の一撃で斬り捨てる
「機械だろうがなんだろうが、俺の剣に斬れないものはない」
大地に投げ放たれた巨躯が地響きを立てて沈む。
しかし、それは僅かな時間でしかなかった。すぐさま体勢を立て直し、脚部のフロートユニットから炎を噴出させながらオブリビオンマシン『哪吒』は手にした二振りの鋏の如き刀剣を以て、猟兵達と対峙する。
守るは攻撃衛星。
これまで猟兵たちは、オブリビオンマシン『哪吒』が攻撃衛星を守るためならば、己の機体が傷つくことを厭わぬという性質を利用して攻撃を重ねてきた。
どれもが軽くはない攻撃であったことだろう。
頭部ユニットの一面が打撃の痕にひしゃげ、機体に刻まれた縦一文字の斬撃や、装甲のあちこちを傷つける斬撃。
だが、それだけの打撃の後を受けて尚、オブリビオンマシン『哪吒』の咆哮は建業の都に轟く。
「くくく、オブリビオンマシンか。機械とやりあうのははじめてだ」
御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は途方も無いほどの強さと表現されたオブリビオンマシン『哪吒』を前にしても不敵に笑っていた。
体高5mの戦術兵器。
それがオブリビオンマシンである。体高差は純粋な力の差でもある。猟兵は個としての力ではオブリビオンに劣る。
それは歴然とした事実である。
だが、これまでも猟兵たちは己よりも強大な存在たちを打倒してきた。それもまた事実。
「ゆえに吾は油断などしない。六番目の猟兵。お前達が生身であろうとも。吾は獅子が如き全力で持ってお前達を打倒せしめる」
振るう鋏のような刀剣が躊躇いなく刀也へと振るわれる。
その一撃は躱しようのない斬撃であった。
速さも重さも、どれもが桁違いである。
だからこそ、刀也は退かなかった。逃げれば、躱しようのない斬撃は、確実なものとなって己の背から肉体を両断せしめるだろう。
だからこそ、己の中にある恐怖は殺す。恐怖を殺すのは刃ではない。己の中に存在する勇気である。
一歩を踏み出す勇気。
どれだけ敵との体高差があろうとも関係ない。一歩を踏み出す勇気を得たのならば、続く足を踏み出すこともまたできるはずなのだ。
「でかけりゃ勝てると思ったか? バカが――」
笑う。
笑ってのける。己の中にある勇気が叫ぶのだ。負けるわけには行かないのだと。負けて失われるのは生命だ。
己の生命だけではないと知るからこそ、その斬撃を前にして一歩を踏み出す。打ち込まれた斬撃の成す衝撃波が刀也の体を強かに打ち据える。
体が軋む。痛みが走り抜ける。
けれど、それでも躱したのだ。刀剣の峰を蹴って走る。飛ぶようにしてゃ知る。恐ろしさはもう切り捨てた。
「斬りたい放題、殴りたい放題だ」
蹴って飛ぶ。その瞳が輝くはユーベルコード。
持てる力を振り絞る。骨が、肉が、臓腑が痛みに悲鳴を上げる。けれど、構わなかった。
「さて、動かなくなるまで斬ってやるよ! 木偶の坊! 機械だろうがなんだろうが、俺の剣に切れないものはない」
放つ斬撃の一撃は雲耀の太刀(ウンヨウノタチ)。
三面六臂の異形なるオブリビオンマシンを前にして放たれる斬撃は最上段よりの一撃。
狙うは頭部。
三面を有する頭部が刀也を睨めつけていた。今更である。そんなもので怯むわけがない。振り下ろされた斬撃が、その一面を切り裂き、両断する。
内部の機構にまで食い込んだ刃。
フェイスガードを破壊された頭部が爆発を引き起こし、機体が傾ぐのを刀也は見た。
どれだけ巨大な存在であっても猟兵たちは繋ぐ。
一人で倒せなくても、続く者たちが必ず成すと知るからこそ、刀也は己の一刀に全てを掛けることができるのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
フレスベルク・メリアグレース
我が名はフレスベルク・メリアグレース
メリアグレース聖教皇国第十六代教皇にして神子代理
聖教の名において、『殲禍炎剣の代行者』を名乗り異世界とはいえ攻撃衛星による地上の壊滅(カタストロフ)を目論む貴公の存在を看過する事は出来ない
名乗りと共に先制攻撃に対し教皇用帰天召喚器の両方を使い、時空間と因果律を歪めて『先制攻撃を受けた』という因果を破却
これにより先制攻撃を凌いでいきます
そして、衛星を使うのは貴公だけではない
わたくしも、神子代理として扱えるのです
――Unlimited Grail『天空に坐すは王笏ならざぬ焔の聖槍』……Open Combat
食らいなさい、封神武侠界とクロムキャバリアを生きる者の怒りを
『殲禍炎剣の代行者』を名乗るならば、避けては通れぬ怒りです
……『殲禍炎剣の代行者』と名乗るならば、『代行を頼んだ者』へと言葉を届けなさい
『その時が来れば、全力を以て『終焉(終わり)』にする』、と
二つの世界に対応した二基の衛星に現段階で稼働できる18基の衛星の全出力を注ぎ込み、両機とも破壊します
ついにオブリビオンマシン『哪吒』の三面六臂、その頭部ユニットの一面が両断され爆発を引き起こしひしゃげる。
されど、その頭部に配された面は三つ。その一つが損失したとしてもオブリビオンマシン『哪吒』は戦い続けるだろう。
そういう存在なのだ。
「我が名はフレスベルク・メリアグレース。メリアグレース聖教皇国第十六代教皇にして神子代理。聖教の名において、『殲禍炎剣の代行者』を名乗り異世界とはいえ攻撃衛星による地上の壊滅(カタストロフ)を目論む貴公の存在を看過する事は出来ない」
フレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)は未来と過去を操る権能を持つ黒と白のデバイスを手に戦場である建業の都に降り立つ。
クロムキャバリアに存在する衛星軌道上の暴走衛星『殲禍炎剣』。
それはかの世界にありて、人の心に疑心を生み出すものである。人と人との繋がりを隔て、空を覆う見えぬ網。
それこそが戦乱だけの世界へと成り果てた最大の原因ともいえるだろう。
だからこそ、オブリビオンマシン『哪吒』が『殲禍炎剣の代行者』を名乗るのであれば、クロムキャバリアに生きるフレスベルクにとっては許しがたい存在であったのだろう。
「吾は『炎の破滅』を齎す者。六番目の猟兵。お前達の存在が如何に吾を否定するのだとしても、吾は吾の存在意義を全うする。それこそが吾の存在する意味」
六本の腕より放たれる乾坤圏が飛来する。
凄まじい衝撃波をもたらしながら建業の都の建造物をなぎ倒しながら、その一撃はフレスベルクに迫る。
「過去と未来を操るデバイス。棄却されるは貴公の放つ因果」
彼女が手繰るデバイスは、時空間と因果律を歪めるもの。
権能持つ召喚獣。それを招来する帰天の力の発露によって、『今』に干渉するのであれば、己を穿つはずであった乾坤圏の一撃は消え失せる。
オブリビオンマシン『哪吒』にとって、それは己の攻撃をなかったことにされたことと同義であった。
「知っている。知っているぞ。吾は知っている」
「そして、衛星を使うのは貴公だけではない。わたくしも、神子代理として扱えるのです。空を見よ。その輝きが照らすのは聖杯ならざぬ焔の剣ではなく、王笏ならざぬ焔の聖槍。その世界を灼く一撃は骸の海に浮かぶ全てを司る」
煌めくはユーベルコードの輝き。
次元湾曲現象により、骸の海に浮かぶ三十六世界に対応した衛星兵器が取り囲む。
「天空に坐すは王笏ならざぬ焔の聖槍(グングニル・アスガルド・ザ・サーティーシックス)」
それは封神武侠界とクロムキャバリアに生きる者の怒りそのものであった。
世界を越えた世界体現兵装による爆撃。
それこそがフレスベルクのユーベルコード。
「『殲禍炎剣の代行者』を名乗るならば、避けては通れぬ怒りです」
放つ一撃は極大の光となってオブリビオンマシン『哪吒』へと降り注ぐだろう。
爆撃の如き一撃をして、建業の都に凄まじい爆風が吹き荒れる。
それはあらゆるものを巻き込む一撃であったことだろう。建造物の尽くが破壊されていく中、それは攻撃衛星をも巻き込むものであった。
「――」
オブリビオンマシン『哪吒』は攻撃衛星の防衛を優先する。
己の機体が損壊しようとも、それは変わらないのだ。
「……『殲禍炎剣の代行者』を名乗るならば、『代行を頼んだ者』にへと言葉を届けなさい」
フレスベルクは爆心地に上がる炎を見下ろして告げる。
そこに滲む怒りは、これまで積層されてきたものを知らしめるものであった。
「その時が来れば、全力を以て『終焉(終わり)』にする、と」
ユーベルコードの煌めきが力の奔流となって注ぐ。
戦乱に消えた生命がある。
人が人を信じられぬ疑心があるからこそ、終わらぬ戦乱がある。
それらを生み出したのが、房総衛星の存在であるというのならば、許してはならぬものがある。
そして、明らかにならざる存在が裏で糸を引くのであれば。
それを許さぬ鉄槌となることをフレスベルクは躊躇わないだろう。
明滅する世界に打ち込まれた一撃は、その楔であると言うように建業の都を極大なる光に包み込むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイミィ・ブラッディバック
任務了解。作戦内容、オブリビオンマシン「哪吒」の排除。
戦場から離れた場所で、セラフィム・リッパー隊を展開する。
全機、WHITE KNIGHTとデータリンク。九竜神火罩を包囲せよ。
私は戦域から離れた位置で待機する。
まずはセラフィム・リッパー隊と哪吒を交戦させる。各機、WHITE KNIGHTの未来予測に従い空中機動で乾坤圏を回避しろ。攻撃の際は九竜神火罩を優先して狙え。
その間に、私がTYPE[JM-E]に搭乗して戦場に到達。敵機がセラフィム・リッパー隊に対処する間、YESODを利用した最大戦速で接近する。
そして、タキオン粒子を戦場全体に放出。各機の敗北に繋がる致命的な損傷も後方因果関係の構築により回復する。
CHESEDとGEVURAHを連結させ、九竜神火罩を狙う。
貴様の勝利する可能性は「ゼロ」だ、哪吒…!
セフィロトウェポン、最大出力! ターゲット、ロックオン…破壊する!
私は。私は…私は、死なない…ッ!
(ジェネレーターの限界を突破させた一撃が哪吒と九竜神火罩目掛けて放たれる)
「任務了解。作戦内容、オブリビオンマシン『哪吒』の排除」
ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)は己が受諾した任務を反芻する。
建業の都に降り注ぐユーベルコードの光。
その極大なる一撃をもってしても、オブリビオンマシン『哪吒』の排除は叶わなかった。他の猟兵たちの打撃はどれも軽くないものばかりであった。
だが、それでも途方も無いほどの強さと表現されたオブリビオンマシンは爆心地の中に立つ。
それは己の機体を守ったからではなく、防衛目標である攻撃衛星を庇いながら尚、その機体の健在さを示すものであった。
唸りを上げる拳。
乾坤圏の一撃はあらゆるものをうち貫くだろう。
「セラフィム・リッパー隊展開。全機、データリンク。攻撃衛星を包囲せよ」
ジェイミィは戦場より放たれた場所で待機し、命令を下した全十二機の無人機たちが戦場へと疾駆する背中を見送る。
十二機がオブリビオンマシン『哪吒』と接触するのにそう時間はかからなかった。
そして、全十二機が瞬く間に撃破されるのもまた同様であった。
「――……回避が間に合っていない」
メガリス『白騎士の鎧』から作られた事象予測AIを持ってしても、導き出される未来は、撃墜唯一。
如何なる挙動を持ってしても、オブリビオンマシン『 』の放つ乾坤圏の一撃から逃れることは無人機にはできなかった。
撃ち抜かれた機体が建業の都に落ちた瞬間、ジェイミィは『WMX-005 JM-E』を最大出力で持って到達した速度でもってオブリビオンマシン『哪吒』へと接近する。
タキオン粒子が戦場に放出され、撃ち落とされたセラフィム・リッパーの損傷を因果関係の構築により回復せしめる。
それこそがジェイミィの至るオーバーロードの極地。
「START FOMULA: Imperet illi Deus, supplices deprecamur.」
TACHYONIC HALO FIELD(ショウリヲヤクソクサレルジカン)。光輪と後光より放たれる領域は、己の勝利を妨げるあらゆる因果を無力化する。
ジェイミィの真の姿をさらけ出すからこそ発動できるユーベルコードの輝きにより、無人機が次々と立ち上がる。
「吾に抵抗するなど無意味だ。六番目の猟兵。吾は知っている」
何を、と問う暇もなかった。
それを問うことに意味はなかった。戦術AIが見せる未来。それは己の機体の破壊を意味するものばかりであった。
すぐそこにある滅びを体現した存在が齎す未来は、AIから伝えられている。
「私は。私は……私は」
幻惑のように迫る未来。
破滅する未来。どれもが己の電脳を焼く。だが、その零に等しい勝利を掴むのが己であると知る。
何故、滅びを否定するのか。拒絶するのか。
「私は、死なない……ッ! セフィロトウェポン、最大出力! ターゲット、ロックオン……破壊する!」
戦術AIが知らしめる未来が、結実する。
己の敗北ではなく。
己の勝利を掴み取る未来。それは目の前の敵を穿つために放つ一撃ではなく。
かの敵が防衛する攻撃衛星に向けられる。己の生命を賭してでも破壊しなければならないもの。そして、敵が己の機体を捨ててでも守らねばならぬもの。
ジェネレーターが限界を越えている。
熱が機体に伝播し、冷却が追いつかない。そして、迫るオブリビオンマシン『哪吒』の姿があった。
「セラフィム・リッパー!」
無人機たちが一斉にオブリビオンマシン『哪吒』へと組み付く。だが、それらも全て振り払われる。
「貴様の勝利する可能性は『ゼロ』だ、『哪吒』……!」
打ち込まれるは極大の一撃。
出力の限界を超えた熱量がビームライフルの銃口を溶解させながら放たれる。その一撃を一身に受け止めながら、オブリビオンマシン『哪吒』の装甲が融解していくのをジェイミィは見ただろう。
爆炎が立ち上り、炎の中をジェイミィは無人機たるセラフィム・リッパー達に随伴されながら、砕けた四肢がショートするのを感じる。
死してはいない。
そして、敗北でもない。
ジェイミィは己達猟兵の勝利を革新している。なぜならば、己の戦術AIが予測した未来に、オブリビオンマシン『哪吒』の姿はなかったのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
強大なオブリビオンが異なる世界に移動する例はこれまでもあったが、まさかオブリビオンマシンとは
相手の攻撃はハサミ型の剣……神刀を引き抜き、まずは接近
サイズ差もあるし、接近した方が相手も多少は狙いづらくなる筈。動きを見極めて刀で受け流し、紙一重で凌いでいこう
足元に飛び込み立ち位置を調整後、敢えて攻撃を真正面から受け止めて吹き飛び、九竜神火罩の元へ
ヤツが下手に攻撃を行えば、自身の手で壊しかねない……勿論それでも攻撃はしてくるだろうが、手が緩まればその隙を狙う
奥義【無想】――今までの攻防でヤツの手の内も読めた
剣の一撃を凌いで飛び乗り、身体を蹴って跳躍
顔面近くまで飛び上がって渾身の一刀を叩き込もう
オブリビオンマシン。
それはクロムキャバリアにおけるオブリビオン存在である。
搭乗者の思想や心を歪め、戦乱へと導くためだけに存在している戦術兵器。体高5mを越える鋼鉄の巨人は、建業の都において猟兵たちの猛攻を受けて尚、健在である。
打ち込まれた惑星すら破壊せしめるという光条を受けても、オブリビオンマシン『哪吒』は立ち上がる。
守らねばならぬ攻撃衛星を必ずかばうという決定的な隙を猟兵に与えながらも、途方も無いほどの強さを誇るオブリビオンマシン『哪吒』は未だ攻撃衛星の打ち上げを死守するべく咆哮するのだ。
「吾は滅びぬ。吾に与えられし意義を果たすために」
抑揚のない声が響き渡る。
それを聞いた夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は驚愕する。これまで強大なオブリビオンが異なる世界に移動する例はこれまでも見てきた。
しかし、目の前の存在がオブリビオンマシンであり、此処までの力を示すことは、彼をしても驚愕に値するものであった。
「六番目の猟兵。お前達に吾は止められぬ。『炎の破滅』は止められぬ。定めであるがゆえに」
鏡介の姿を捉えたオブリビオンマシン『哪吒』が迫る。
その手にしたのは鋏を分離させたかのように二本一対の剣。その一撃は振るうだけで凄まじい衝撃波を生み出し、鏡介を襲う。
動きを見極める。
サイズ差があるからこそ、敵は己を狙いづらいだろうと思われたが、そんなことを感じさせないほどの卓越した剣技。
斬撃は重たく、受け流したと思った瞬間己の腕がきしみを上げる。
鈍い痛みが体を走り抜け、紙一重などと考えていては、削り取られると予感させるものであった。
「ならば、踏み込む!」
足元に飛び込み、鏡介は己の開放した神刀でもって斬撃を受け止める。真正面から受け止めた一撃は容易く鏡介の体を吹き飛ばす。
肉体に掛かる負荷は尋常ならざるものであった。しかし、彼はこれを狙っていたのだ。
振るう一撃。
確かに重たく、ただ受け止めただけであったのならば、骨が砕け、肉体はひしゃげただろう。
けれど、鏡介は、その一撃を受け流しながら衝撃波と共に後方に飛んだのだ。
「ぐっ――」
受け止めた神刀は刃こぼれこそしなかったが、その開放された神気を取り込み、損壊した機体を復元していく。
目の前の敵を倒すためだけに己を変貌せしめるのがオブリビオンマシン『哪吒』である。
鏡介の持つ神刀の神気を喰らい、その力は凄まじきものと成る。
だが、それでも鏡介は勝機を見据える。
己がただで吹き飛ばされたわけではない。どれだけ神気を喰らい、凄まじき力を得たのだとしても、その力の振るい方を誤れば、己の吹き飛ばされた先にある攻撃衛星を巻き込んでしまう。
「できないだろう。その力の大きさゆえに、俺の背後にある『これ』を守らねばならぬお前には」
鏡介は、その躊躇いの一瞬を見逃さなかった。
敵がオブリビオンマシンであり、命令を絶対遵守しようとするのならばこそ、此の瞬間が最大の勝機であると知る。
ゆえに輝くユーベルコードは唯一。
「いつか辿り着く剣の極致。即ち――奥義【無想】(オウギ・ムソウ)」
あらゆる存在を切り裂く刃。
その剣術。想像から創造し、無敵たらしめる斬撃の一撃。
今までの攻防で鏡介はオブリビオンマシン『哪吒』の途方も無いほどの強さを知る。
されど、勝てぬと思ったことは一度もない。
揺らがぬ己の勝利を見据えるからこそ、放たれる一撃は迷いなく。一切の防御を切り捨てる剣技となって放たれ、その一閃を持ってオブリビオンマシン『哪吒』が喰らい、まとった神気そのものを斬って捨てるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
正直こえぇですわ
でもヴリちゃんがいれば平気ですわ!
なんですヴリちゃん?
守ったら負ける?攻めろ?安地は九竜神火罩の近く?
なるほど!攻撃は最大の防御ですわね!
ゲイルカイゼルユニットでフルブーストして九竜神火罩に突撃ですわ
当然火炎竜巻が来ますわね
でも止まりませんわ
耐えるのですわ
哪吒ご本人が道を阻むならヴリちゃんが噛み付きますわ
この距離で火炎竜巻を使えば哪吒も無事では済みませんわ
凌いだら暴竜狂襲ですわ
マシンガンで九竜神火罩を撃ちまくりますわ
防御無視効果が乗っておりますから凄い瞬間火力ですわよ
庇わないと蜂の巣ですわよ!
庇っても哪吒が蜂の巣ですわよ!
また竜巻ですの?
九竜神火罩を巻き込んでも知りませんわよ!
猟兵たちの猛攻を退けるオブリビオンマシン『哪吒』の威容は凄まじいものであった。
これまで他の猟兵達が叩き込んだユーベルコードは、激烈なるものばかりであったが、それらの尽くを凌ぎ、未だに健在。
それはあまりにも強大な存在であることの証左。
途方も無いほどの強さと表現されたオブリビオンマシンの力は、猟兵の持つ力すら取り込みつつ、己の損壊を埋めていく。
「吾は知る。吾は知っている。吾は知った。六番目の猟兵。お前達こそが吾の障害。吾が存在の証明なり」
迸るフロートユニットより放たれる炎の竜巻が、建業の都を灰燼に帰さしめる。
猛烈なる炎は、キャバリアの装甲すら溶解させる。
「正直こえぇですわ。でも!」
『ヴリトラ』がいるのならば、何も恐れることはないと、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は叫ぶ。
心が臆すれば負ける。
しかし、迫る炎の竜巻は、生命としての本能を呼び起こすだろう。原初の恐怖。されど、人は、祖先はこれらを克服してきたからこそ、知を自在に手繰ることができた。
それを進化と呼ぶのは簡単なことだ。
されど、『ヴリトラ』の声がメサイアの中に響く。
『守ったら負ける。攻めろ。安地はかの攻撃衛星の近くに』
いつだってそうだ。
メサイアが挫けそうな時も、恐ろしさに足がすくむ時も。
どんなときだって傍にいたのは『ヴリトラ』である。ならば、その言葉がどれほどのものであるかは言うまでもない。
信じるに値する。だからこそ、メサイアは『ヴリトラ』に備えられた『ゲイルカイゼルユニット』の出力を上げる。
故郷であるクロムキャバリアでは空を飛ぶことができない。
けれど、ここは封神武侠界である。暴走衛星によって閉じられた空ではないからこそ、『ヴリトラ』は飛翔し、攻撃衛星へと突撃する。
背に追いかける炎の竜巻。
「でも止まりませんわ!」
そう、止まらない。例え、目の前に恐ろしき炎が迫るのだとしても。それでもメサイアは踏み込む。
目の前にオブリビオンマシン『哪吒』が追いついている。高機動仕様の『ヴリトラ』にすら追いつく圧倒的な機動。
それを前に『ヴリトラ』が咆哮する。
躊躇うことなく炎を吹き飛ばしながら、機体の装甲が融解しながら、その牙がオブリビオンマシン『哪吒』の首元へと食いつく。
「此の距離ならば、フロートユニットも使えないはずですわ! わたくしとヴリちゃんは誰にも止められませんわ!」
暴竜狂襲(シュトゥルムベルセルク)たる一撃。
それはオブリビオンマシン『哪吒』の首元を食い破り、至近距離で放たれるマシンガンの弾丸が機体に穿たれる。
装甲を穿ち、防御するであろう六本腕の尽くを打ち据える。
「攻撃衛星をかばわないと蜂の巣ですわよ! かばっても蜂の巣ですわよ!」
この距離ならば、防衛目標である攻撃衛星にまで累が及ぶ。
だからこそ、メサイアは攻めるのだ。恐ろしさなどもう何処かに吹き飛んでいた。
なぜなら、己は『ヴリト』と共に在るからだ。
このコクピットの中にこそ、メサイアは安らぎを見出す。砲火飛び荒ぶ戦場にあっても、この鋼鉄のゆりかごの如き機体は己を守ってくれる。
共に戦いに歩んでくれる。
だからこそ、メサイアは己の瞳をユーベルコードに輝かせ、叫ぶのだ。
「やってしまいなさい、ヴリちゃん!」
はなたれ続けるマシンガンはまさに銃弾の嵐。
迫るもの全てに破壊を齎す暴竜の咆哮は、オブリビオンマシン『哪吒』すらも撃滅せしめる膨大な火力でもって押し返すのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
衛星打ち上げが浪漫なのは認めるけど、これは看過出来ない。
九竜神火罩、逃がしはしないわ。
ここが荒野で助かった。戦場の主導権、もらうわ。
「高速詠唱」「全力魔法」炎の「属性攻撃」「範囲攻撃」「竜脈使い」「呪詛」で、烈焔陣。
戦場全域の大地を割り砕き、濁気に塗れた三昧火が噴き上がるわよ。
この戦場にいる限り、九竜神火罩も哪吒太子も、圧倒的な暗い炎に飲み込まれる。
で、足下からの攻撃からどうやって衛星を守るつもりかしら?
まるで活火山の火口ね。群竜大陸で帝竜ガイオウガと戦った時を思い出す。
確実に状況を変化させるなら、術者を狙うでしょうね。
反撃の刃は、「式神使い」で操る偶神兵装『鎧装豪腕』の「怪力」で受け止める。
「衛星打ち上げが浪漫なのは認めるけど、これは看過出来ない」
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は建業の都に吹き荒れるオブリビオンマシン『哪吒』との戦いの凄まじさを見る。
猟兵とオブリビオンマシン『哪吒』との戦いは激烈の一言であった。
乱舞するユーベルコードの輝きは、凄まじい火力でもって打ち込まれ、周囲は破壊に満ちていた。
それでもなお、オブリビオンマシン『哪吒』は健在であった。
猟兵たちの力の一端を喰らい、己の損壊を埋めるように進化しながら戦う姿は、まさに戦いの申し子と呼ぶに相応しい。
手にした鋏が分離したかのごとき二本一対の剣が振るわれる度に、重たい衝撃波が建業の都に破壊を齎すのだ。
「もはや更地ね……でも!」
戦場の主導権を握る。ゆかりは即座にユーベルコード烈焔陣(レツエンジン)を展開し、戦場全域の地表を割り、吹き上がる無数の火柱でもってオブリビオンマシン『 』と彼が守る攻撃衛星を飲み込ませんとする。
放たれた怨念に満ちた呪詛の炎がオブリビオンマシン『哪吒』へと迫る。
しかし、その炎を切り裂くのが二本一対の剣であった。
「六番目の猟兵よ。吾は知る。お前達の力を。その炎、吾の力とする」
暗い炎に飲み込まれた戦場にありて、オブリビオンマシン『哪吒』が振るう二本一対の剣が、炎を刈り取り、その力を持って揺らめく炎の中にその機体を蠢かすのだ。
「で、足元からの攻撃をどうやって防ぐつもり?」
まるで活火山の火口そのもの。
この戦場に在りて、攻撃衛星の打ち上げは最早できないだろう。だが、オブリビオンマシンだからこそ、出せる答えがある。
「打ち上げる場所がなくなっても、衛星さえ無事であれば良い。お前達を打倒し、別の都にて打ち上げればよい。ただそれだけのこと」
振るわれる剣の一撃をゆかりは見ただろう。
その一撃が重たく鋭いことはもう判っている。
だからこそ、彼女は式神使いで操る偶神兵装『鎧装豪腕』で受け止める。衝撃波が体を打ち据える。
途方も無いほどの強さを誇るオブリビオンマシン『哪吒』の一撃がこれほどとは思いもしなかっただろう。
敵の力を奪い、弱点をつく力。
これがオブリビオンマシン『哪吒』を戦いの申し子たらしめる所以。
しかし、ゆかりはわかっている。
「どれだけ強かろうとも、あなたはオブリビオンマシン。そして『殲禍炎剣の代行者』だっていうのなら、その存在意義があなたの強さの足かせよ!」
彼女の意志に応えるようにして活火山の如き様相となった戦場より炎が噴出する。
それはかつて群竜大陸で戦った帝竜ガイオウガとの記憶を想起させるものであった。彼女のユーベルコードに寄って生み出された炎は、呪詛を伴って、オブリビオンマシン『哪吒』の守る攻撃衛星を飲み込まんとしていた。
「――」
オブリビオンマシンだからこそ、防衛目標は守らねばならない。
ともすれば、それは己の機体の損壊を度外視するものであったことだろう。ゆかりの言葉は真実だ。
防衛するものがあるからこそ、オブリビオンマシン『哪吒』は、途方も無い強さに足かせを嵌められる。
吹き上がる炎から攻撃衛星を守らんとしたオブリビオンマシン『哪吒』の背から『鎧装豪腕』の一撃が強かに打ち据えられる。
それは背のありし六腕を支える基部を破壊する一撃。
軋む機体は、呪詛の炎に飲み込まれていく。ゆかりは、その存在意義をこそゆるしてはならぬと、再び手繰る豪腕の一撃を叩き込み、大地と炎に失墜させるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
……まだだ、まだ戦える…!
自分はまだちゃんと壊せていない…!!
亡国の主【操縦】
【ブレス攻撃】を九竜神火罩へ放つ為【エネルギー充填】
……!ダメだ!なら…!!
ロケットパンチを、スラスター【推力移動】に、亡国の主の落ちた両腕、竜骨爪を【念動力】で操り、亡国の主を攻撃、強引に機体を【空中機動】させでパンチの直撃だけでも回避!
まだだ、もっと、戦え!戦え!!朱鷺透小枝子!!!
【継戦能力】真の姿:主と融合。躯体再生。『熾火の塵芥』発動。
サーベルユニット118基を放ち、九竜神火罩へ包囲射出【重量攻撃】
たしか哪吒、だったか…お前は……敵だ!強い敵だ!!
お前を壊せたら、きっと、空にある殲禍炎剣の破壊に一歩近付く!!!
【呪詛】黒い闘争心の炎を全てRXSハルバードに集中。
巨大翼で自身を【吹き飛ばし】飛翔。サーベルユニットの対処を行う哪吒に【怪力】で、黒炎を纏ったハルバードの【切断】攻撃!
お前らに自分達が、彼等が生きる世界を、くれてやるものか!!
【早業】切断面から追撃、黒炎の呪詛侵食で破滅の炎を【焼却属性攻撃】!
戦場は様変わりし続ける。
建業の都は活火山の如き様相を見せ、吹き荒れる炎がオブリビオンマシン『哪吒』の機体を焼く。
しかし、それでもなおオブリビオンマシン『哪吒』を打倒するには至らない。
恐るべきは、その強さである。
これまで相対してきたオブリビオンマシンとは一線を画する強さ。
凄まじいの一言である。
だからこそ、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は両腕を失ったジャイアントキャバリア『亡国の主』のコクピットの中でうわ言のようにつぶやく。
「……まだだ、まだ戦える……! 自分はまだちゃんと壊せていない……!!」
機体の状態は良いとは言えない。
両腕を失っている上に、放つ霊物質放つブレスの一撃さえもオブリビオンマシン『哪吒』によって阻まれる。
「無駄だ。吾はもうすでに知った。お前を知った。破壊の徒よ。吾は知ったのだ」
放たれる呪詛を振り払うが如き、乾坤圏の一撃が『亡国の主』へと迫る。
直撃は免れない。
「……! ダメだ! なら……!!」
念動力でもって叩き落された『亡国の主』の両腕を操り、己の機体とのぶつける。それは機体をきしませるほどの一撃であり、しかしながら乾坤圏の一撃に比べれば軽微たる損傷であった。
しかし、コクピットにある小枝子には痛烈なる打撃であった。
己の念動力でもって放った一撃であるが、それでも頭がクラクラと揺れる。敵の痛烈なる一撃を回避せしめたことは褒められるべきであっただろう。
「まだだ、もっと、戦え! 戦え!! 朱鷺透小枝子!!!」
己はなんだ。
その問いかけに応えるようにして小枝子は叫ぶ。
機体はボロボロである。己も連戦によって消耗している。だが、それは相手も同じだ。己の後に続いた猟兵達が紡いだ戦いは無駄ではない。
無駄にしてはならない。
己が此処で戦うことをやめれば、それこそ無駄になってしまう。
だからこそ、小枝子は咆哮する。己の弱さを彫刻する。どれだけ力の差があろうとも奸計など無い。
「戦え」
命ずる言葉はあまりにもシンプルであった。
熾火の塵芥(フューリアス・レギオン)は今此処に再燃する。
黒い闘争心が吹き上がる。己の体が『亡国の主』と融合していく。みるみるまに躯体が復元されていき、サーベルユニットが宙に舞う。
それは実に百を越えるユニット。一斉に放たれる斬撃は攻撃衛星を狙っていた。わかっている。それらの全てをオブリビオンマシン『哪吒』は防ぐだろう。
だが、それでいいのだ。
「たしか『哪吒』、だったか……お前は」
敵が己を知るというのならば、己もまた敵を知る。
そう、目の前のそれは。
「お前は……敵だ! 強い敵だ!! お前を壊せたら、きっと、空にある『殲禍炎剣』の破壊に一歩近づく!!!」
噴出する闘争心が黒い炎と成って手にしたハルバードに宿る。
「吾を知るか。六番目の猟兵。だが、それは無意味だ。それを為さしめさせぬために吾は在る」
サーベルユニットの尽くを蹴散らしながらオブリビオンマシン『哪吒』はその力を示す。
強敵と認めたからこそ、さらけ出された真の姿。
その力の強大さに小枝子自身が振り回される。オーバーロードとは、すなわち、超克。
己の中にある黒き闘争心を制することこそが、本来の力。
されど、めぐる炎は黒き織火。
何故此処まで染まる。
その理由はただ一つ。己が悪霊であるからだ。自覚なき悪霊の闘争心は膨れ上がって、際限なく天を衝く。
いつかあの空へと届かせると言わんばかりの炎。
「お前らに自分たちが、彼等が生きる世界を、くれてやるものか!!」
打ち込まれるハルバードの一撃がオブリビオンマシン『哪吒』の機体へと打ち込まれる。
斬撃は背部にまで到達し、六本腕の半数を切断せしめる。
吹き荒れる呪詛の炎が切断面から機体へと侵入し、回路を焼き切っていく。
「お前は、此処で斃す! 必ずだ! 私が、お前を、必ず壊す!!!」
叫ぶ小枝子の闘争心は黒き織火となって、戦場に煌々と立ち上る。
それはこの地に集う猟兵たちにとっての篝火そのものであったことだろう。攻撃衛星を打ち上げてはならない。
かの世界と同じ轍を踏むわけにはいかない。
小枝子は、漲る闘争心をもってオブリビオンマシン『哪吒』に滅びの楔を打ち込むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロット・シフファート
アンタは強い
だけど、アンタも、護るべき物も『機械』である事が致命的な弱点よ
禁断のコンピュータウイルス――『ジャバウォック』!!
衛星兵器に向けて射出、そのまま衛星兵器に禁断のコンピュータウィルスを射出された……動揺はするわよね?
その隙が出来た哪吒に向けても誘導性能を有したジャバウォックを射出していく
護るべき物か先制攻撃、どちらかを選びなさい!
一応念の為、黒白兵装を用いて『先制攻撃を受けた』という因果を破却し、先制攻撃そのものも無効化して見るわ
後はこちらのUC
アポカリプスヘル!禁断のコンピュータウィルス特化型兵装具現化!
機械にとって致命的なプログラムを付与した兵装を携え、哪吒を撃滅して見せるわ
ついにオブリビオンマシン『哪吒』、その三面六臂たる威容の一角を猟兵が突き崩す。
打ち込まれた黒き炎を纏う斬撃は、六本腕の半数を切り落とし、内部から焼き付く勢いで躯体を押し返すのだ。
「吾は知る。吾は、知った。だが、まだ足りぬというのであれば」
放たれるは乾坤圏の一撃。
空中を飛ぶ腕部は衝撃波を伴い、戦場と成った建業の都の建造物を破壊しながら進む。
「アンタは強い。だけど、アンタも、護るべきものも『機械』であることが致命的な弱点よ!」
シャルロット・シフファート(異界展開式現実改変猟兵『アリス・オリジン』・f23708)は転移した建業の都の崩れ果てた瓦礫の上に立ち、言い放つ。
彼女が手繰るは禁断のコンピュータウィルス『ジャバウォック』。
打ち込まれるウィルスは、あらゆるコンピュータを狂わせる禁断のもの。シャルロットがアリスの力を用いて改造したウィルスであれば、攻撃衛星を狂わせることができるだろう。
その結果がどうなるかなど言うまでもない。
打ち上げられた後に狂った攻撃衛星は、まともには動かないだろう。
滅ぼすべきものを見定めることができないかもしれない。
だからこそ、この攻撃衛星を防衛目標とするオブリビオンマシン『哪吒』にとっては、看過出来ぬ自体であった。
飛翔する腕部を射出されたウィルスを防ぐために使うのは当然であったのかもしれない。
究極のコンピュータウィルスを受け止めた腕部が大地を抉りながら止まる。
ピクリとも動かないのは、きっと内部でのウィリスの除去が始まっているからだろう。途方も無いほどの強さと表現されたオブリビオンマシン。
「護るべきものを選んだというわけね! ならば! 我は魔術師にして簒奪者。征服者の王笏を黄泉返りの禁呪を用い、ここにその王権を我が手の中にしよう」
シャルロットの瞳がユーベルコードに輝く。
それはカルロス・グリードではない虚構の『王笏』の霊を召喚せしめて、具現化するは世界体現兵装。
即座に装着されたそれは、アポカリプスヘルにて見出した禁断のコンピュータウィルス特化型兵装。
「機械にとって致命的なプログラムなら、オブリビオンマシンだって、恐れるでしょう!」
放たれる兵装の一撃がオブリビオンマシン『哪吒』へと放たれる。
それは機体の装甲に打ち込まれれば、たちまちに装甲を分解するウィルス。機体の防御を鉄壁のものとしていた装甲が、これまで猟兵たちの攻撃をもって穿たれてきた打撃の痕からたちまちに崩れていく。
認めるほかない。
途方も無いほどの強さとは、オブリビオンマシン『哪吒』の如き存在を示すものであると。
軋む機体の音が響き渡る。
「そのまま撃滅してみせる」
打ち込まれ続けるウィルス。それを除去しようと機体の中で攻防が行われている。動きが明らかに鈍くなっているのを見やり、シャルロットは後に繋ぐ。
猟兵の戦いはいつだって一人で覆せるものではない。
弛まない戦いの連続に寄ってのみ、為さしめることであるからこそ、猟兵たちの打ち込んだ打撃が楔と成って強大な敵さえも打倒する。
終わらぬ戦いに終わりは垣間見える。
されど咆哮は轟く。それが例え、オブリビオンマシンのジェネレーターが唸る音であったとしても、これまで抑揚無き声を紡いでいたオブリビオンマシン『哪吒』を追い込んだ証であったのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
董・白
あれが哪吒太子…密かに憧れてたんですけど…がっかりです
色んな意味で…
あいてがオブビリオンマシンなら…
飛来椅…発進です
封神武侠界の宝貝とクロムキャバリアの技術の融合です
何故か途中でオブビリオンマシンになっちゃったけど(半泣き)
『道術』で『操縦』いたします
『空中機動』の回避行動と『オーラ防御』と『結界術』で先制攻撃を受け流します
「おびき寄せ」の術をかけた霊符を戦場にバラまきます
これで哪吒には九竜神火罩を攻撃する存在を誤認させます
宝貝「飛来椅」ここが本領発揮です
飛来椅に『破魔』術をかけました
最大速度で突撃します
私を回避したらそのまま九竜神火罩に突撃しますよ
あれ後で回収できないかなぁ。
己の躯体を侵食する炎とウィルスによってオブリビオンマシン『哪吒』は苦悶の如きジェネレーターの音を響かせる。
唸りを上げ、それでもなお崩れぬ機体。
途方も無いほどの強さと評されたオブリビオンマシンは、その威容を持って示した。
されど、猟兵たちの繋ぐ戦いは結実しかけている。
打ち込まれた攻撃のどれもが通常のオブリビオンにとっての致命打。
「吾は知る。それゆえに吾は在り。ゆえに、吾は」
命ぜられた『殲禍炎剣の代行者』としての意義を果たすのだと、その炉心の出力を上げ、半数を失った腕部より放たれる乾坤圏の一撃を猟兵へと叩き込まんとするのだ。
「あれが……密かに憧れてたんですけど……がっかりです」
いろんな意味で、と董・白(尸解仙・f33242)は息を吐き出す。
戦いの申し子。
それがオブリビオンマシン『哪吒』である。5m級の戦術兵器である巨躯が戦場となった建業の都を走る。
あらゆる障害を破壊し、己の存在意義である攻撃衛星の防衛を為さしめるために放つ一撃が白へと迫る。
「相手がオブリビオンマシンだというのなら……『飛来椅』……発進です」
封神武侠界の宝貝とクロムキャバリアの技術の融合たる機体。
それが『飛来椅』である。
開発の途中で何故かオブリビオンマシンへと変貌を遂げた時には白とて半泣きになってしまったものであるが、道術によって制御することが可能であるがゆえに、彼女はこの恐るべき機体を御すのだ。
「異世界の技術と宝貝の融合。新たな可能性。使いこなしてみせます!!」
宝貝「飛来椅」(パオペエヒライイ)の速度は凄まじいものであった。
まさに空間歪曲とも呼べるほどの速度で飛ぶ機体をオブリビオンマシン『哪吒』と言えど捉えることはできなかっただろう。
乾坤圏はたしかに強力な武装であろう。しかし、それは直線的な射撃と同じ。
機動を即座に変えることができないからこそ、『飛来椅』には追いつくことができない。
さらにばらまかれる霊符が乾坤圏の挙動を幻惑する。
謂わば、現代兵器で言うところのチャフであろう。腕部が本体である『哪吒』によってコントロールされるというのならば、制御を失った腕部は大地を抉り止まるしかない。
「『飛来椅』、ここからが本領発揮ですよ!」
白の指が手繰るは、破魔の術。
彼女が見据えるのはオブリビオンマシン『哪吒』。あれは彼女にとって邪悪そのものである。
憧れがあった。
戦の申し子。数多の宝貝を手繰り、あらゆる敵を穿つ英傑。それが、オブリビオンマシンへと成り果てていることをこそ彼女は嘆いたのだ。
ならばこそ、白は己の宝貝でもって、これを穿つと決めたのだ。
「私を回避したら、そのまま攻撃衛星に突っ込みますよ! だから、避けられないんでしょう、あなたは!」
凄まじ速度によって到達するは、宝貝自体を弾丸に変えるユーベルコード。
煌めくユーベルコードの弾丸と化した『飛来椅』は、オブリビオンマシン『哪吒』の躯体へと激突し、盛大に吹き飛ばされる。
破壊の痕より撒き散らされる躯体を構成する部品の数々が大地に落ちていく。
それを見やり、白はアレを後で回収できないかと思いを巡らせる。それは憧れが裏切られたからこそ、思うこともであったのだろう。
過去の化身として見えた敵としての『哪吒』ではなく。
憧れの象徴である、本当の英傑としての『哪吒』を白は欲する。それがいつになるのか、そもそもできるのかはわからない。
けれど、諦めてはならないのだと白は知る。それが彼女が僵尸になり、仙人になって歩んできた道程で得たものだからだ――。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
自律型オブリビオンマシン…漸く、かの地に蠢く“障害”では無く“敵手”として相対出来るというものです
その作戦目標、騎士として阻ませて頂きます、『哪吒』!
ロシナンテⅣに搭乗し、RX金蛟剪の斬撃を瞬間思考力にて見切り、剣と盾での切り結びで迎撃
装甲片を取り込んで……遠距離兵装!
この機体が近接が得手と弾き出しましたか
ですが!
キャバリアより脱出する事で追撃を躱しUC使用
ウォーマシンがキャバリアに劣る道理など無し
遠距離大規模火力兵装…切り札は我が身その物!
民草の安寧の為、消し飛んでいただく!
己の胸部装甲パージ
コアユニットを抉り出し、電脳魔術で仮想砲身を展開
九竜神火罩目掛け発射
割り込んだ哪吒を閃光に飲み込み
攻撃衛星『九竜神火罩』は他世界であるクロムキャバリアの衛星軌道上に存在する暴走衛星と同じく人々に疑心と不和を齎すものである。
手出し出来ぬ衛星軌道上に位置し、あらゆるものを狙撃する無限レーザー。
それは争乱を生み出す火種以外の何物でもない。
封神武侠界にもまたそれを打ち上げ、『炎の破滅』をもたらさんとするのがオブリビオンマシン『哪吒』である。
その途方も無いほどの強さと評されたオブリビオンマシン『哪吒』も猟兵たちの猛攻の前に膝をつく。
三面六臂の如き様相の機体。
その六本腕の内、半数は損失し、頭部の三面の内一面は砕けて消失している。だが、それでもなお、その威容から放たれる重圧は消えることはなかった。
「自立型オブリビオンマシン……漸く、かの地に蠢く“障害”ではなく、“敵手”として相対できるというものです」
トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)は一気に勝負を決めるために戦場を疾駆する。
駆るは『ロシナンテⅣ』。
その機動を前にして、損壊した機体であるオブリビオンマシン『哪吒』は一面失われた頭部のアイセンサーをきらめかせ、相対する。
「六番目の猟兵。吾は知っている。知った。お前達は吾の存在意義を阻むもの」
振るわれる二本一対の鋏の如き剣。
その危険性をトリテレイアは知る。あの剣は食い破った猟兵たちの力を取り込んで己を新型オブリビオンマシンへと変貌せしめる。
更には相対する猟兵の弱点を衝くように進化するのだ。
切り結ぶことは、相手に力を与えるようなものであった。
「その作戦目標、存在意義……騎士として阻ませて頂きます、『哪吒』!」
盾と剣が打ち合い、一瞬の内に切断させられる。
迎撃したと思っても、力量の差は歴然であった。凄まじい力。相対する『哪吒』を途方も無いほどの強さと表現するのは損壊してもなお、当然と思えるほどであった。
「出力の差は歴然……!」
勝負は一瞬であった。煌めき鋏の如き剣が『ロシナンテⅣ』の腕部を切り裂く。
さらにその腕部を取り込み、『哪吒』の失われた腕部が再生していく。その腕部にあるのは指頭部分が砲になったオールレンジ攻撃。
ロケットパンチのように腕部を飛ばし、指頭の砲からビームを乱舞する姿は、まさに鬼神めいていた。
「オールレンジ攻撃……! この機体が近接を得てとすると!」
だが、トリテレイアは迫るビームのオールレンジ攻撃の飽和射撃に穿たれるキャバリアより脱出する。
「ですが!」
「無駄だ。六番目の猟兵。吾は知る」
ウォーマシンたるトリテレイアの体が空を飛ぶ。
オールレンジ攻撃のビームを躱しながら、トリテレイアのアイセンサーが煌めく。己の胸部装甲がパージし、現れるはコアユニット。
「ウォーマシンがキャバリアに劣る道理など無し……切り札は我が身そのもの!」
「身を賭すか、六番目の猟兵。吾は知っている。その理念を。ゆえに」
トリテレイアの目論見を看破したオブリビオンマシン『哪吒』の斬撃が襲い来る。距離を詰めてきたのだ。
手中のコアユニットから膨大なエネルギーが手にした仮想砲身へと流れ込んでいく。
己の身を賭す行い。
それは騎士として当然のことであった。迷うべくもない。だからこそ、トリテレイアの狙う砲身は攻撃衛星へと向けられていた。
振るわれる斬撃が己の躯体を切り裂くか、放たれる極大の光条が攻撃衛星を貫くか。
どちらが早いかなどオブリビオンマシン『哪吒』にはわかっていた。だからこそ、己の防衛目標を優先するのだ。
身を挺するのはトリテレイアだけではない。オブリビオンマシン『哪吒』もまた防衛目標を優先するのだ。
「民草の安寧の為、消し飛んで頂く!」
割り込むオブリビオンマシン『哪吒』を巻き込みながら、閃光が戦場を包み込んでいく。
極大の一撃は爆炎を建業の都に立ち上らせ、その威力の凄まじさを物語る。
トリテレイアの片腕を切り裂いた剣が大地に音を立てて崩れ落ち、そして、騎士は己の電脳が過負荷によってシャットダウンするのを自覚する。
されど、恐れはない。
なぜなら、後に続く猟兵達が必ず事を為してくれることを信じているから――。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…例え故郷の世界とは違うとしても、
世界を破滅させる敵を討つのが猟兵としての私の使命よ
…覚悟しなさい、悪しき機神。お前の目論みは直に潰える事になる
衛星に向け無数の「写し身の呪詛」の残像を乱れ撃ち、
敵UCを分身の集団戦術で受け流し六腕を使い果たした瞬間、
「影精霊装」の力で闇に紛れて陽光を遮断しUCを発動
…例えそれが明らかな囮であったとしても、
かの禍星が狙われれば迎撃せざるをえない
…だからこそ至極、読み易い
大鎌を武器改造して巨大剣の柄に変型し吸血鬼化した自身の血の魔力を溜め、
長大な"闇の重力"刃を形成して怪力任せになぎ払い敵を切断した後、
超重力のオーラで防御ごと敵を圧潰して追撃する闇属性攻撃を行う
『炎の破滅』をもたらさんとするのがオブリビオンマシン『哪吒』であるというのならば、世界の垣根を越えて戦いに赴くのが猟兵である。
オブリビオンマシン『哪吒』はその事をよく理解していた。
「六番目の猟兵。吾を止めるか。吾の障害となるか。吾の存在意義を否定するか」
攻撃衛星『九竜神火罩』を守らんとするオブリビオンマシン『哪吒』の機体は数多の猟兵たちの攻撃を受けて、凄まじい損傷へと追い込まれている。
しかし、その度に猟兵たちの力を食い破り、進化し続ける戦いの申し子『哪吒』。
その威容は猟兵たちをして途方も無いほどの強さと言わしめるほどであった。
「……例え、故郷の世界とは違うとしても、世界を破滅させる敵を討つのが猟兵としての私の使命よ」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は故郷の暗闇を知る。そして、他世界に満ちる陽光を知る。
だからこそ、『炎の破滅』によって世界を滅ぼさんとする者を赦してはおけなかったのだ。
如何に体高5mを越える鋼鉄の巨人が相手であっても構わなかった。
己に打ち込まれる飛来する腕部が音速を越えて、衝撃波を伴いながら迫るのを見た。
「……覚悟しなさい、悪しき機神。お前の目論見は直ちに潰えることになる」
放たれる写し身の呪詛が残像となって攻撃衛星へと走る。
それを防衛目標としても持つオブリビオンマシン『哪吒』にとって、看過できぬものであった。
しかし、己の躯体は今、猟兵たちの猛攻によって損壊の憂き目に立たされている。
光条の一撃が尾を引いているのだ。残像など即座に理解していた。あれがブラフであることを。
だが、今のオブリビオンマシン『哪吒』にとって、それは捨て置けぬ可能性であった。他の猟兵の一撃で三面六臂たる頭部の一面が砕けている。
誤作動を起こさぬという可能性はない。
だからこそ、放たれた腕部で幻影を追わざるを得ない。
「……例え、それが明らかな囮であったとしても、かの禍星が狙われれば迎撃せざるを得ない」
それがオブリビオンマシンとしての本能であり、『殲禍炎剣の代行者』たる『哪吒』に命ぜられたものであったのだ。
「……だからこそ至極、読み易い」
リーヴァルディの瞳がユーベルコードに輝き、闇に紛れていく。陽光を遮断し、煌めく瞳は、限定解放・血の教義(リミテッド・ブラッドドグマ)。
吸血姫のオドと精霊のマナ。
リーヴァルディは大鎌を大剣へと変貌させしめる。吸血鬼化した自身の血の魔力が大剣に溜め込まれていく。
それは精霊のマナを持ってして闇の重力の刃を形成し、囮に引寄されるオブリビオンマシン『哪吒』の背後より放たれる。
「吾を欺くか」
「……ええ。お前ならば、そう動くとわかっていたから」
迫る超重力の刃が『哪吒』の防御ごと圧潰する。鋼鉄の巨人と打ち合うリーヴァルディは、己の力の暴走を抑える。
彼女のユーベルコードは、己を吸血鬼化するがために制御が難しい。
だが、だからなんだというのだ。
あの攻撃衛星が空へと上がれば、失われるのは人の生命だ。
この世界もまた己の故郷の世界と同じようにオブリビオン支配を受ける。そうなった時に、流れる血は途方も無いものだ。
それを知るからこそ、暗獄の刃は振るわれる。力任せに振り抜かれた斬撃は鋭さではなく、重さとなってオブリビオンマシン『哪吒』を大地に叩きつける。
斬れぬのならば、叩き潰す。
その一撃は封神武侠界の大地を揺らし、リーヴァルディの吸血鬼化の終わりと共に終わりを見せる。
己が目指すべきものを見据えるからこそ、リーヴァルディは歩むことができる。
あの常闇の世界を広げさせぬため。
そのために彼女は己の使命を全うし続けるだろう――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……まさかここで殲禍炎剣の名前を聞くとはね……
…あんな物を打ち上げさせる訳にはいかないから止めさせて貰うとしよう…
…飛行式箒【リンドブルム】に乗って高速接近…
…ロケットパンチは術式障壁を張って防御…受け止めずに受け流す形に張るとしよう…
…攻撃衛星の周囲を回って攻め込む隙を探しつつ術式装填銃【アヌエヌエ】で九竜神火罩を囲むように銃弾を撃ち込もう…
…この際、九竜神火罩がロケットパンチを撃つ邪魔になるように立ち回りたいね…
…周囲に銃弾を撃ち込み終わったら【夜空染め咲く星の華】を発動……弾に仕込んだ【クロノス】の障壁で衛星を囲むよ…
…これを防ぐなら『上』に対して全力で守るしかない…その隙は逃さないよ…
『殲禍炎剣』――その名を聞いたのは、クロムキャバリア世界が初めてであろう。
衛星軌道上に座し、天より見下ろす鉄槌を振り下ろす恐怖の象徴。
クロムキャバリア世界にあって、空が自由なるもののではなく蓋をする天井としての意味しかなくなったのは、かの暴走衛星が為である。
ゆえに、他世界でその名を聞くことになるとは、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は思いもしなかっただろう。
「……あんな物を打ち上げさせるわけにはいかない……」
飛行式箒『リンドブルム』に乗って戦場となった建業の都へと急行する。
そこはあらゆる建造物が破壊され、瓦礫の山と化した戦場だった。
その中心にあるのはオブリビオンマシン『哪吒』である。猟兵たちの猛攻を受けて、機体は損壊し、今、大地に叩き伏せられてもなお立ち上がってくる。
途方も無いほどの強さと表現されたオブリビオンマシン『哪吒』の威容は遠く離れていても、重圧となってメンカルの肌を焼く。
「来たか、六番目の猟兵。吾を止めることなど能わず。諦めよ。吾は必ずや、己の存在意義を果たす」
放たれるロケットパンチが『リンドブルム』を駆るメンカルへと放たれる。
それは術式障壁に阻まれる……だが、まともに受け止めれば障壁が砕けることは容易に想像ができる。
これまで防ごうとしても砕かれていたのだ。
もしも、オブリビオンマシン『哪吒』が十全の状態であったのならば、この受け流すという選択すら無意味であったことだろう。
だが、他の猟兵達が消耗させたオブリビオンマシン『哪吒』の放つ一撃は明らかに弱っていたからこそ、受け流すことができた。
「……中々どうしてうまく立ち回る……出力にかまけた一点推しじゃないのか……」
それはまるでメンカルの意図を読んでいるかのような動きであった。
攻撃衛星を取り囲むようにしてメンカルは立ち回る。
ロケットパンチの射線に攻撃衛星が入るようにして飛べば、オブリビオンマシン『哪吒』は攻撃をやめ、フロートユニットでもって空を飛びながら攻撃を仕掛けてくるのだ。
「面倒な……戦術も理解しているのか……あれでパイロットが居ないなんていうのは、幸いとすべきか不幸とすべきか」
メンカルは術式装填銃『アヌエヌエ』から弾丸を放ちながら飛ぶ。
迫るロケットパンチの衝撃波が体を揺らす。
追い込まれている。確実に伝わる圧にメンカルは背筋が寒くなる思いであったことだろう。
これまでメンカルの計算通りに事が運んでいる。けれど、戦術を解するオブリビオンマシン『哪吒』に此方の目論見が看破されれば、それだけで戦局はひっくり返ってしまう。
「でもね……お前はそれを選べない」
メンカルの瞳がユーベルコードに輝く。空高く飛び上がったメンカルの唇が紡ぐは詠唱。
「天の耀きよ、咲け、放て。汝は光芒、汝は落輝。魔女が望むは闇夜を穿つ星月の矢」
展開されるは巨大魔法陣。
その魔法陣が見下ろすのは攻撃衛星とオブリビオンマシン『哪吒』であった。
彼女がこれまで打ち込んでいた術式弾丸は、複数の遅発連動術式『クロノス』であった。
その術式に寄って囲われた中にあるのは、オブリビオンマシン『哪吒』が守らんとしている攻撃衛星。
そして、その内部――頭上より輝く魔法陣より放たれるのは数多の星の力を宿した光柱たる夜空染め咲く星の華(ダイ・ザ・スカイ)。
「……これを防ぐなら『上』に対して全力で護るしか無い……」
「――……吾ごと滅ぼすとするか」
明滅する天上。
それはオブリビオンマシン『哪吒』が奪おうとしていた封神武侠界の空。
降り注ぐ光柱は、その尽くが攻撃衛星へと振り落とされる。
「……奪わせはしない。あの世界のように、空も自由に飛べぬような世界にはさせない。だからこそ……この隙は逃さないよ」
放たれる光柱は遅発連動術式『クロノス』によって溜め込まれた魔力を変換し、間断なくはなたれ続ける。
光の雨は空へと上がらんとする『炎の破滅』を鎮火させるようにオブリビオンマシン『哪吒』ごと打ち据えるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
最強の機神と言えるかもしれないな
だけど…ヘカテは負けたりしないぞ
【戦闘知識】
敵の動きと攻撃パターンの把握
更に九竜神火罩の位置と周辺状況を捕捉
対SPD
【貫通攻撃】
ドリルビット展開
九竜神火罩を狙い発射させて敵の先制を九竜神火罩の防衛に使わせ
UC発動
超高速戦闘開始
【見切り・第六感・残像・空中機動・オーラ防御・武器受け】
高速で激突を繰り返し敵の攻撃は可能な限り残像を残して回避
オーラを纏い武器で受け止め致命を避
【弾幕・属性攻撃】
ガンドライド展開
火炎弾を乱射して敵の動きを制限
【二回攻撃・切断・早業・串刺し】
剣と三呪剣による連続斬撃から槍で串刺しにして動きを止め
【砲撃・重量攻撃】
ブラックホールキャノン発射!
戦いの申し子。
それがオブリビオンマシン『哪吒』であった。数多の猟兵たちの猛攻を受けて尚、そのフロートユニットより放たれる炎は勢いを衰えさせることはなかった。
吹き荒れる炎は、建業の都を巻き込みながら炎の竜巻と成って猟兵を襲う。
「吾は滅ぼす者。『炎の破滅』を齎す者」
オブリビオンマシン『哪吒』は光の柱放たれる天上から攻撃衛星を守りきっていた。
その代償は機体の損壊であったが、それを気にした様子は何処にもなかった。
三面六臂たる機体の、腕部の半数は失われ、頭部の一面は砕け爆ぜている。機体のあちこちに刻まれた傷跡は、もはや満身創痍であり、機体の状況を見ても、何故これで爆発していないのかと思うほどであった。
「最強の機神といえるかもしれない……だけど……ヘカテは負けたりしないぞ」
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は己の駆る三界神機『ヘカテイア』と共に戦場に降り立つ。
これまで先行した猟兵たちとの戦いによってオブリビオンマシン『哪吒』は消耗している。しかし、溢れるようにして放たれる炎の竜巻は超高温でもってあらゆる装甲を溶解させる。
だからこそ、テラはかのオブリビオンマシンが攻撃衛星の防衛を優先することを利用するのだ。
「守らないといけないものがあるっていうのは、戦いづらいよな、『哪吒』!」
いつもとは逆であった。
猟兵としての戦いはいつだって、背に誰かを護るための戦いだ。此度の戦いにあっては、それは真逆。
こちらがそれを利用する。
展開されたドリルビットが攻撃衛星を穿つために飛ぶ。しかし、そのどれもが炎の竜巻で溶解させられ、届くことはなかった。
「無駄だ、六番目の猟兵。吾の力はお前達を凌駕している」
その言葉は事実であった。
「なら、なんで圧されてる! リミッター解除…グラビティリアクターフルドライブ…!ブラックホールキャノン…起動…!とっておきだ!たっぷり味わえー!」
テラの瞳がユーベルコードに輝き、へカティアと共に戦場を飛ぶ。
それは、冥界の炎『ギガスブレイカー』(キョジンヲウチヤブルモノ)たる彼女のユーベルコード。
凄まじい速度で戦場を飛び、超高速戦闘を繰り広げる。空中で乱舞し、互いに打ち合う。
だが、へカティアの超高速戦闘にさえ、『哪吒』は付いてくる。いや、損壊した機体状況でありながら、それを凌駕するのだ。
残像残す速度であっても反応してくる。
オーラが激突し砕ける。
ガンドライドの展開も即座に叩き落され、火炎の中に消えてく。
「これでも、まだ!」
剣と剣が打ち合う。
三面六臂は戦いの申し子たる『哪吒』の力を示すものであった。だが、その半数は失われている。だからこそ、へカティアのアイセンサーが煌めく。
負けては成るものかというテラの気合に応えるように振るう斬撃の一撃が二本一対の鋏の如き剣を持つ一本の腕を跳ね飛ばす。
さらに白と黒、そして灰色の呪い剣が飛翔し、『哪吒』の胴体へと叩き込まれる。
「――吾の動きを止めるか」
ぎりぎりと三本の剣を持ってしても、『哪吒』の躯体は止められない。今にも動き出しそうな気配を感じていたが、テラは構わなかった。
「僅かでも良い。止められるのなら! ブラックホールキャノン発射!」
放たれるはマイクロブラックホール砲の一撃。
暗獄の一撃が『哪吒』の体を穿つ。
胴体に備えられたコクピットブロックに相当する部分を貫き、その機体が大地に落ちる。
失墜する機体をテラは荒い息を吐き出しながら見送る。
負けないと言った言葉は偽りなきもの。どれだけ強大な者であっても、自分とへカティアなら乗り越えられる。
それを証明するように、建業の都、その瓦礫の上に落ちる『哪吒』を見下ろすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
うーん、世界観!
世界観守れ!!
まあ、中華風にしてるのは分かるけどさあ
そんな世界で衛星を打ち上げようとか、もうちょっと自重しなよ
しかし九竜神火罩…ね
本当にその宝貝を持ち出して来るとは…
けど衛星ってどうなのさ、衛星って
ま、だからこそ付け入る隙があるんだろうけど
使える物は何でも使おう
まさか卑怯者なんて誹りは言わないよね?
さてと、こっちも本気で出し惜しみは無しで行こう
超克、オーバーロード
出力全開、外装転送
模造神器、全抜刀
哪吒が九竜神火罩を守るのに注力するのなら、飽和攻撃でその状況を利用させてもらう!
【Load[Summon Data]】起動
雷龍、不死鳥、そして機神召喚!
雷龍と不死鳥を九竜神火罩の破壊へ向かわせよう
合計130体、この飽和攻撃から九竜神火罩を守りきれるかな?
雷龍は『ブレス攻撃』も交えつつ、不死鳥は蒼炎の体で体当たり
全方位から攻撃して哪吒にはしっかりと守護して貰おうか
悪いね、こっちも戦いだからその隙を狙わせてもらう!
隙をみて召喚した右腕で哪吒に殴りかかり、私も4剣で『串刺し』だ
オブリビオンマシン『哪吒』は体高5mを越える鋼鉄の巨人である。
しかし、その姿を見た猟兵は知っている。
それがオブリビオンマシンと呼ばれる他世界の戦術兵器と酷似していることを。オーバーフレームは三面六臂たる三つのマルチセンサーと副腕をあわせた六本腕。
コクピットブロックに相当する部分はパイロットを必要としていないがために簡略化されている。
そして、アンダーフレームはフロートユニットとなり、炎を撒き散らしながらの高速戦闘を可能としている。
まさに戦いの申し子。
途方も無いほどの強さと評された力は、たしかに言葉通りであった。数多の猟兵たちの猛攻をして、さらには防衛目標である攻撃衛星を最優先にするという命令を持ちながらも、未だ防衛しながら健在であったのだから。
「うーん、世界観! 世界観守れ!!」
まあ、中華風にしているのはわからんでもないと月夜・玲(頂の探究者・f01605)は瓦礫の山が積み上げられたかの如き戦場である建業の都に立つ。
攻撃衛星はかのクロムキャバリア世界における『殲禍炎剣』と同じものだ。もしも、それが衛星軌道上に打ち上がれば、もはや防ぐ手立てはない。
無限に放たれるレーザーは世界のあらゆる場所を狙い撃ち、『炎の破滅』を齎すだろう。
「吾の存在意義に世界は必要なし。なればこそ、吾はお前達六番目の猟兵を障害とみなす」
その機体はすでに胴を穿たれ、機体のあちこちに傷を刻まれ……三面六臂たる面影は最早なかった。
残った腕部は二本のみ。
そして、三面たるマルチセンサーの一つは砕けている。しかし、それでもなお、存在している。
戦うために生み出され、破滅を齎すことだけが存在意義である『哪吒』の言葉は抑揚のないものであったが、それでもそこに悲哀は一つもなかったのだ。
「こんな世界で衛星打ち上げようとか、もうちょっと自重しなよ」
その言葉は『哪吒』には届かなかっただろう。意味のない問答であったがゆえに、『哪吒』は二本一対の鋏の如き剣を構える。
目の前の猟兵は、これまで対峙してきた猟兵と同じである。己を越え、あらゆる障害を滅ぼしてきた存在である。
だからこそ、生身単身であろうと構わなかったのだ。
振るわれる斬撃を前に玲は、その瞳をオーバーロードの輝きにきらめかせる。
「超克、オーバーロード」
瞬時に転送されてくるのは、彼女の生み出した模造神器とそれを振るう副腕にして鎧装である。
瓦礫の山を押しつぶしながら展開された模造神器の刀身が、『哪吒』の振るう斬撃を受け止める。
「出力全開――キミがそれを護るのに注力するなら、それを利用させてもらう。使えるものはなんでも使う。まさか――」
卑怯者とは誹ることはないだろうと、玲は笑う。
その力の発露は、ユーベルコードとなって荒れ狂う。
「読み込み制限解除。さあお祭りといこう!」
「させぬ。六番目の猟兵。お前達の狙いはわかっている。ここで押しつぶす」
押し込まれる剣の重量に副腕が悲鳴を上げる
だが、玲の瞳より放たれるユーベルコードの輝きに寄って将来されるは、雷で構成された巨龍たちであった。
さらに蒼炎で構成された不死鳥が飛ぶ。
それらの尽くが玲に剣を振るう『哪吒』ではなく、攻撃衛星へと走る。
オブリビオンマシン『哪吒』は即座に動いていた。押しつぶさんとしていた玲を捨て置き、攻撃衛星の防衛へと走る。
しかし、それは無謀と呼ぶに相応しい行いであった。
機体が十全であったのならば、合計130体にも及ぶ飽和攻撃をいなすことができたかもしれない。
けれど、今のオブリビオンマシン『哪吒』は猟兵たちの猛攻に寄って消耗しきっている。胴部は穿たれ、かろうじてつながっているだけだ。
さらに腕部は四本も失っている。
手にした二本一対の剣も片割れは砕けている。演算司り、マルチセンサーでもって状況をを把握する飛ぶの一面も爆ぜていた。
そんな状態で飽和攻撃を耐えきれるわけがない。
「一人で戦っているわけじゃないからね……ま、衛星を守ろうって命令を出している時点で、そこが付け入る隙なんだって」
吹き荒れる雷のブレス。そして炎の羽ばたき。
攻撃衛星はオブリビオンマシンと違って、己で行動することができない。ましてや打ち上げ施設は猟兵のユーベルコードですでに破壊されている。
空へ打ち上げることもできず、さりとて逃げることも出来ない防衛目標を守り続けていれば、こうなるのは明らかであったのだ。
「吾は知る。吾は知った。吾は知るだろう」
オブリビオンマシン『哪吒』の抑揚のない言葉が響く。何を知るというのだろう。
「悪いね、こっちも戦いだから、その隙――狙わせてもらう!」
考えるのは後だ。
その余裕があるほどの相手ではない。
あれだけの損壊を受けて尚、己の肌を焼く重圧は本物だ。オーバーロードに至っても尚、彼我の力の差を感じる。
だが、それでも倒さなければならない。
さらに召喚された己の二倍はあろうかという機械腕。その腕が『哪吒』を打ち据え、大地に叩き伏せる。
だが、その一撃で召喚した機械腕は損壊する。それほどの頑強さ。召喚した130体もの龍と不死鳥も尽くが霧消している。
「その衛生は破壊させてもらう。勿論、キミも。キミがどんな存在かなんて知らない。けれど」
「吾は織火。吾は赫く燃える織火也。ゆえに、吾は――!」
倒れ伏しながらも振るわれる剣の一撃を損壊した機械腕でもって受け止める。えぐり取られた機械腕が、損壊した機体を新型オブリビオンマシンへと変貌させるより早く、玲は己の手にし、己が生み出した模造神器の刀身を『哪吒』へと突き立てる。
続けざまに蒼き刀身が四振り全て打ち込まれ、振り上げていた『哪吒』の剣が大地に音を響かせながら落ちる。
それは苛烈なる戦いを猟兵が制した瞬間であった。
ここに赫く燃え盛る織火は潰える――。
大成功
🔵🔵🔵