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殲神封神大戦⑧〜九龍城砦に黄金を

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑧ #コンキスタドール『編笠』 #バナナとバナナとバナナの果物屋区画

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#コンキスタドール『編笠』
#バナナとバナナとバナナの果物屋区画


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●バナナ保護区の表面
 がやがや、賑やかな声は楽しげに音を刻む。
 そんな中に封神武侠界を根城に築くコンキスタドール"編笠"はある。
 色んな物品に紛れ背中を壁につけて。
 ひとつの商売人たちの交渉を流し見ていて――そしてクツクツ喉をあげて笑う。
「やあ御同輩、今日も景気のいい競り合いだね」
 佇まれたと気づかれた者たちに、紫煙を燻らせて競売の様子へ一言零した。
 ここは『香港租界』が中央に位置する高層建築集合体"九龍城砦"。
 コンキスタドール"編笠"の支配域だ。何処にでも現れる。
「失礼したね、邪魔する気は勿論無いんだ」
 九龍城砦では、人もオブリビオンもそれ以外だろうとその素性を問わない。
 誰でもいていいし、誰がどこで何をしていてもいい。
 此処はそういう場所だ。住人から、此処で商売だけ行うもの、様々いる。
 人間、瑞獣、羽衣人。それから、僵尸、オブリビオン。
 来る者拒まず、しかし代わりに命の保証を誰も、行わない。
 所謂――自己責任で訪れるべき場所だ。
「それにしても……香港の主たる私も、しきたりには従うんだがね?」
 此処はまもなく激しい戦いになるだろう、と編笠は語る。
「此処に猟兵たちがやってくるが、私はそれを迎え撃つ。当然、勝手にやらせて貰おう」
 君達が今日哀れにも死ぬかもしれない。
 半ば憐れむ視線を向けてすぐに表情をからりと変えて、へらりと。
「……君達を支配しようとは思わないさ、知ったこっちゃない」
 だが支配域である限り、此処は私の膝下。
「魔窟である事を大いに利用するからね。流れ弾で死んでも文句は言わないことだよ」
 豪華な飯屋から離れたこの場所は、ややコンキスタドールが多く住まう場所。
 ただ、何故だか果物屋が多く、競り合い安値から高価な品を売っている。
 謎のこだわり、愛好家だけが住まう場所。
 此処には――何故かバナナだけが溢れる区画を生み出していた。
「商売人だというのなら、死を恐れず布教し続けることだね"バナナ好きだというこの区域の在り方を"」
 せいぜい普段どおりの日常を、普段どおりに過ごしていればいいさ。
 お前達の不思議な"霊気"、それはとても特殊なものだから。
 霊気の無いものを追えば――侵入者の猟兵なんて、場所の特定は簡単だからね。

●バナナ布教委員会の裏の顔
「君はその場に馴染むように振る舞うって、出来る?」
 狼姫・荒哉(吹雪謳う爪牙・f35761)は言の葉に乗せて、問う。
「九龍城砦のある階層に君達が赴いたなら、コンキスタドール"編笠"が訪れるだろう予知を掴んだよ」
 欠けたコンクリートや木材、スラム街のような様相さえあるその区域。
 九龍城砦は、特殊な魔術結界が迷宮のごとく積み上げられたカオス構造を有する。
 階層が異なれば、賑やかな繁華街があればのんびりとした長屋も在る。
 想像できない構造さえ、抱えて暮らせる自由というなの無法地帯の城だ。
「ええとね、予知先は色んな人が住んでいる"果物屋の魔窟"みたい。バナナしかないね」
 何故?という言葉に、荒哉は笑うばかり。
「バナナが好きな人が兎に角集まってるんじゃないかな……?仲間意識って暮らしに大事でしょ?」
 バナナを売る商人、バナナを買う買い物客。
 阿片配合違法バナナを高額で売買する密輸人。
 探せばなんでもいるし、普通にバナナ愛好家も居る。
「"編笠"はどこにでも現れる。君達と住人たちとでは、異なる部分があるみたいで……なんだろう、気?波動?そういうの」
 正しくは街に馴染むことで住民たちが保有する【九龍の霊気】を身に着けている。
 バナナが好きで好きでたまらないオーラだ。
「暮らす住人たちの服装は法則性がないから、多分そう。バナナが爆速で馴染めるキーだと思うよ」
 【九龍の霊気】を身に纏っていないものを、編笠は捕捉して先制攻撃を仕掛ける。
 あれは卓越した銃の技術を備えるスナイパー。自身が姿を表す前に攻撃を放ってくるはず――例え、周囲に何がいても。周囲にどんな存在がいても。
 入り組んだ九龍城の死角から、攻撃規模無視した一撃を見舞ってくるだろう。
「だからね?君達も、【九龍の霊気】纏ってみたらイイんじゃない?」
 丁度よく、色々バナナが揃っているだろうからね。
「そうそう……この区画にも住人たちは普通にいるよ。住人にはオブリビオンも含まれるね。でも、猟兵には基本襲いかかって来ないから君達の敵はずっとコンキスタドール"編笠"だけだから」
 狙いが一人なんだもの。
 見つけてもらって、場所を特定するのだってありかもね。
「君はどんな方法で、コンキスタドールの先制を防ぐかな?」


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 この依頼は戦争に属する一章のシナリオバナナ。

 プレイングボーナスは下記になります。
 「九龍の霊気」を身に着け、敵の先制攻撃ユーベルコードをかわす。

●簡単な概要
 果物屋がある、裏路地感有りの排他的なスラム街っぽい区域。
 すっごい色んなものが不規則積み上がってる、アンバランス建築。
 色んな年齢、色んな姿の住人がいます。
『バナナ』しかないバナナの保護区です。
 ごく普通の売り買いからバナナ重火器など気が狂ったものが並んでいます。
 プレイングボーナスについては、OPをご確認下さい。
 コンキスタドールは、身につけてない場合先制攻撃を行ってきます。死角から。
 支配域のヌシですから、地の利はコンキスタドールにあるのです。

●ボスのコンキスタドール『編笠』
 卓越した銃の腕と、煙を操る術を操る怪人物。
 銃火器や阿片をばらまき、『香港租界』を頽廃に導いています。
 このバナナの楽園の、先導者。色んなバナナが好きですバナナ。

●その他
 プレイング内容によっては戦闘風景の温度差が顕著になる、かも。
 公序良俗に反する内容が強い場合は反映が出来ずお返しする場合があります。
 なるべく頂いたプレイングは採用できればと思いますが、中華系のあれやそれやにはあまり詳しいとはいえない為、描写の期待に応えられない場合は内容に関係なく採用を見送らせて頂く場合がありますバナナ。
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第1章 ボス戦 『『編笠』in九龍』

POW   :    編笠暗殺術
自身と武装を【編笠から落ちる影】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[編笠から落ちる影]に触れた敵からは【平衡感覚】を奪う。
SPD   :    九龍乱戦遊戯
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【代用武器とした、九龍城砦の全ての人・物品】の威力と攻撃回数が3倍になる。
WIZ   :    ドラゴンズ・ドリーム
【煙管の煙から具現化した「紫煙龍」】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【袋小路への迷い込み】を誘発する効果」を付与する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大豪傑・麗刃
バナナは大好きだ。甘くてうまい。エンパイアにはないものだし、初めて知った時に一発で気に入ったのだ。何本でもいけてしまうぞ。うんうまい、と宣伝になりそうな喰いっぷりを。
ところでバナナ重火器があるならバナナ剣とかいうのはないのかね?2本ほしいのだ。

で敵の先制をたぶん乗り越えたら。

敵は視聴嗅覚での感知が不可と。そしてわたしは平衡感覚だから触覚なのかな、これが封じられる。なら残りの味覚で敵を察知する。タバコの味かバナナ好き特有のバナナの味が空気に乗って感じられるだろう(そんなバナナとか言わない)。五感がダメなら第六感。んで先刻買ったバナナ剣二刀流(使い物にならなきゃ自前の剣)でユベコ発動し突進し斬る。



●そんなバナナ剣

「おー?」
 大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)の視界に広がる黄色の果物。
 ごちゃごちゃとした空間内におびただしい色の黄色が存在する。
 誰がそれを全てバナナ絡みだと理解できるだろう。
「空間に広がる芳醇な香りだな、うん。バナナ大好きだ、甘くてうまい」
 愛好家がいるのも頷ける。
 売り出された露天の黄金(バナナ)をずぃいと眺めて、鑑賞するものだけ居るのも、まあわかる。
 専門店のような扱いをしている者さえいるということだろう。
「エンパイアにはないものだし」
 サムライエンパイアでは、まれにコンキスタドールが持ち込んだ外来品としてすんごい高値で出回っているらしい。
 裏ルートで。超高額で。
 政府に見つかると没収される品らしい。
「初めて知った時に一発で気に入ったのだ。食べやすい、何本でもイケる!」
 此処から数本分を大人買いだ!麗刃は宣言し、買い取ったバナナをもぐもぐ食べまくる。宣伝隊長として、君臨する麗刃の食べ方をみて辺りがざわつく。
 バナナ好き達はどこで買った、どんな味がする!?と面白いくらい興味関心を示したのだ。
 なんてちょろい。
「このバナナ、なんとここの出店のものなのだ!在庫は数量限定とのことなので、おはやめに!」
 ワー、と殺到する人々。なんだこれは。
 人が美味しそうに食べれるバナナは最高のバナナと言われているのだろうか。
「(もぐもぐ)ところでだな、店主。食用バナナだけでも全然おいしいのだが、後ろに吊るされてるのも賞品で?」
『(もぐもぐ)そうだ、ウチは重火器武装バナナも扱ってるぜ!あまり購入されたこたぁねえがな!』
 ガハハと笑う上半身が筋骨隆々の店長。
 見かけは麒麟の瑞獣だが、立派な翼が生えたキメラの様相だ。
 見る限りこの店長はオブリビオン――しかし、そんなことは置いておこう。
「武装。じゃあ銃だけじゃないのだ?バナナ剣とかいうのはないのかね?」
『ねえと思うかい?密売人か?いいや宣伝して貰ったんだ言うだけ言ってみな、何本ほしい?』
「二本なのだ!」
 ごそごそと台の下から店主が物色する音と、ヌッと差し出してきた剣。
 カトラス仕様の黄金のバナナ剣が出現し、それを麗刃に渡してくる。
『それで何をする気かは知らねぇし詮索しないが、……おまえさんすげーバナナ剣似合うな!?』
 刃として下げるには目立ちすぎるバナナフォルムの黄金剣。
 しかし――。

『……こりゃあ驚いたねぇ、馴染み過ぎだよ』
 九龍の霊気を物理的に身につけた麗刃を、部外者と認識できなかった編笠は。
 先制攻撃を行う機会を逃して現れる。
『でも私の目は誤魔化せない。君は部外者だ、そうだね?』
 コンキスタドールは"編笠"から墜ちる影を広げ、煙のようにかき消えて行こうとする。じわじわと知覚出来る要素が消えていく。視覚が編笠を認知できなくなる。
「褒め言葉なのだ?人が人の中に紛れられるのは、交流の賜物なのだ」
 先制攻撃は乗り越えた。
 では先制ではないこの現象に対処すれば、いい。
 ――相手は消えて暗殺術を繰り出してくるだろうが、"そこにいる"。
 絶対にそのへんに存在する筈。それだけは確かな現実だ。
『褒め言葉だとも。特殊能力と言い換えてもいいさ』
 声だけ聞こえる。わざと残して、会話しながら攻撃してくるつもりなのだろう。
『でも、紛れられても私を討てなきゃいみがないねぇ』
 見えなくなった敵の要素が、じわじわと伸びてきたようで、麗刃は抵抗するまもなく平衡感覚を奪われた。
 ――ん?これは、あれか。触覚がやられたのだ?
 流石コンキスタドール。やり口が汚い。
 自分は消えて、相手から奪ってくるなんて。
「そうでもないのだ。お優しいマフィア相手なら……」
 対面した時、編笠は確かに煙管から煙をくゆららせていた。
 ――タバコのニオイがそこら中にある。
 ――なんかよくわからないけど、タバコっぽいバナナの匂いが……。
「ところで殺される前に一つ聞いても?」
『ほう。冥土の土産か、いいだろう。なにかな?』
「此処にはやはり、バナナ味タバコや葉巻の類もあるのだ?」
『あるとも。ただしそれは大抵高額で、私しか所持していない。この場で取引されているものは偽物。阿片で頭の中を狂わせて知覚するものばかりさ、本物の食用バナナと同じくらい芳醇で……』
 ビンゴ。この場においてバナナタバコ所持者はただ一人。
 致命的ミスをこんなにあっさり話すなんて、そんなバナナという奴だ。
 ――五感がダメなら、第六感。
 ――武術の教えにだってそう書いてたのだ。愛読書の漫画本だが。
 先刻買ったバナナ剣に手を伸ばし、じわじわいたぶって殺す気満々だっただろう"存在を心の眼で見つけた"編笠へ向けて、踏み込む。
 瞬間的な青白い発光。周囲に危険を知らせるだけの時間はない。こんな笑うことしか出来ないおかしな現場で、ふざけないなんて出そうにない麗刃はそろそろ限界だ。
「バナナ好きだからってバナナ色の煙ってなんなのだぁああああ!!」
 ユーベルコードを使用して、最大速度で突進を敢行。
『……ぐぅう!?』
 二刀流によるエックス斬りは――間違いない手応えを、麗刃の手に伝えてくる。
 編笠は真正面から斬られ、手傷を追った事だろう。
 周囲にバナナの煙はもう見て取れない。
 どうやら、斬られた反動を利用して、慌てて姿を隠したようである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仰木・弥鶴
あ、これ普通に買い物したいやつ
バナナケーキ用のを買い込んでこよう

愛好家にちょっといいですかと声かけ
おいしそうですね、そのバナナどこで?
あれとあれの違いは、とか
おすすめの食べ方ありますか、とか尋ねる
できれば普通ので

仲良くなれたら料理でもう一押し
手に持てる量なら持ち込めたはずだから
ホットケーキミックス持参
お礼にうちの世界のバナナケーキ作らせてもらえませんかって交渉
同じ釜の飯を食ったら仲間だよね、と

で、その煙管の煙隠す気ないわけだ?
紫煙を手掛かりに視力で索敵、位置特定
パンツベルト内側に装着した銃を抜きクイックドロウ
当たったら物陰に退避

後は撃ち込んだ白燐蟲が目印代わり
かくれんぼで俺に勝てる自信の程は?



●バナナケーキは戦闘後に正常に振る舞いました

 九龍の一角とさえ思えない黄色の園。
 仕事の話を聞いた時、一番はじめに抱いた感想は――紛れ込むついでに普通に買い物したいやつ。
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)はとても楽観的で。
 しかし封神武侠界の香港、それも九龍城砦――歴史的建造物に赴くことには、不思議と気分が上がっていた。例え死と隣り合わせだったとしても、そんなところには用事や事件がなければ行かないもの。
 特に教師なら、生徒の手本として危ないところへ赴かないものである。
 ――バナナケーキ用のをそろそろ買い込む予定なところでした。
 丁度切れていた。だからこれ幸いと、黄色の楽園に踏み込んで。
 どこをみてもバナナしかない不思議な様相に、思わず簡単の息が漏れた。
 ――この場合、一番知識を有していそうなのは……。
「すみません、ちょっといいですか?」
 恰幅のいい男性(オブリビオン住人ではない)が、どういう経緯で着こなしているのか謎を呼ぶバナナ属性の強い黄色と茶色のバナナ服を着こなして一房以上のバナナを手にしている。
 どうみても愛好家だ。もしくはバナナに魂を売ったもの。
 見て判断できるのはとてもイイことだが、財があってこそ出来ることである。
 手にしているバナナにはツヤと、気のせいでなければ輝きが見て取れる。
『なんだぁ?』
「ああ、おいしそうですね。そのバナナどこで?」
『お?お?おめぇこれの良さがわかるべか!』
 訛りが強い男は、指差して向こうの通りだとすぐに教えてくれる。
 ただしちょっと値は張るぞ、と追伸付き。
「そうなのですね、この後赴いて見ようと思います。バナナの目利きが出来る方なのですか?」
 相槌を打ちながら、弥鶴はメガネを上げる。
 このタイプの男は尋ねられると気分を良くして壊れた蛇口のように喋る。
 秘匿するのが苦手で、自分の手柄のように話すのだ。
 ――大変素直な方で助かります。ええ。
『出来るとも。ああいや、違うな……値段が高い奴は甘いんだど。値段が安い奴はマイルドな事が多いでな』
 所謂、栽培された場所が高所だと甘く、低所気味だとマイルドになる。
 暖気高所で育つバナナは栽培が遅くなるが非常に甘く、暖所低所のバナナは栽培が比較的速く増産が早い。
 そんな農家が多いらしい、が――ここはバナナだらけのバナナ区画。
 高いだけが甘いわけじゃない。
 異邦バナナや違法バナナ、なんでもあるため選抜をミスると大変危ない。
『なにかに使うんなら用途を店主にな、言えばいい。あちらも商売だ、合うバナナを商談してくるど』
「成程?入荷時期に寄っても差が出ると」
『そうなる。……まだなにか聞きたそうな顔だがや』
「ええ。おすすめの食べ方はありますか?」
 話を弾ませていればバナナ好きのオーラ、もとい"九龍の霊気"を着こなせる(概念)。ついでに、弥鶴のこれは個人的な興味だ。
『おすすめなぁ、……此処だけの話甘いバナナに適切な切り目を入れて、切り目に板チョコを一片ずつ噛ませて、軽くレンジやトースターで程よく暖めるのがお勧めだ』
 簡単にあったかチョコバナナが完成する。方法を探求すればもっと効率の良い、甘くて美味しいチョコバナナにも出来るだろう。
『まあ!最高なのは熟成バナナをそのままがぶり、だがな』
「はは、素材そのまま。……いいですね!」
『それにしてもおめぇその荷物を見るに、単なる買い物に此処へ?おいおい通だな』
 手に持てる量の持ち込み、つまりそれは単なる私物なのだが弥鶴は笑った。
 ホットケーキミックスと料理の腕でせめよう。
「こだわりだすと止まらなくて。お礼にうちの世界のバナナケーキを作らせて貰いたいくらいです」
 ――同じ釜の飯を食ったら、これはもう仲間だよね。
『……マジか、そいつはこの界隈では聞かねぇレアバナナ料理だ。ぜひ作ってくれ!』
 調理場と材料ならこちらで用意する!男はすぐに近くの店主と交渉し始めた。
 バナナ料理を提供する系の店主は、すぐにこれを承諾。
 バナナ好きはバナナ好きにとても優しいのである。
 バナナ知見が広がるのは最大の喜びだ。

 ふわわ、と視界に煙が流れていく。
 香る匂いに不快なものはないが、それでも"其処に居なかったもの"が近くにいると分かる。
「……ああすみません。少々、後ろに立った"教え子"に注意を行って来ますよ」
 後で必ずバナナケーキをご馳走しますから、と荷物を預けて。
 すると、いつのまにか煙管の煙から実体化した紫煙龍を纏わされた男が、うわ言のように囁く。
『……こっちじゃねえ、あっちだ』
『……あっちじゃねえ、そっちだ』
 何処かへ誘導しようとしている、"誰かが"誰かいる――。
「……で?その煙管の煙を隠す気はないわけだ?」
 先制攻撃の手段は潰れている、弥鶴はバナナ好き特有の霊気を有しているのだから。煙を操るコンキスタドール・編笠を見つけるには、煙を頼りに目で追うのが一番早い。視力を頼りにほそーく伸びた煙が放物線を描き、何処へ至るかを想像し位置を概ね特定完了。
「誘導して一人ずつ落とそうとするのは良い手段ですが……」
 パンツベルト内側に装着したハンドガンをクイックドロウの早業で抜き放つ!
 喰らえ、Now or never(ナウ・オア・ネバー)。
 ぶわああ、と白燐侵食弾が飛び、何かにばぁんと当たるように弾ける。
『……ははっ、折角隠れておいたのに。これだから猟兵、いやこの場合は教師か…………好めないねぇ』
 侵食弾を受けた編笠は、悲鳴ではなく苦痛そうな声で返答した。
 弾丸の衝撃と、侵食される感触。じわじわと喰らう攻撃に、驚いた、という声だ。
『しかも、私の追撃を避けてもう隠れたのかい。地の利をもう理解したって?』
「サバイバルでも退避は基本でしょう?」
 しかし、弥鶴には見える。
 白燐蟲使いである以上、共に在った蟲が目印代わりに教えてくれる。
『ヒットアンドアウェイで攻め立てるって?ははっ、狙撃の腕で今度は競う?』
 ぱぁんと弾ける音は、またしても編笠の身体で爆ぜた。
「俺に一撃でも当ててから、その発言をお願いします」
 かくれんぼで俺に勝てる自信の程は――これでゼロに落ちたでしょう?

大成功 🔵​🔵​🔵​

楊・宵雪
「バナナ、素敵ね。わたくし、好きよ
甘くて柔らかくて、手が果汁で濡れないし、熟し具合でいろんな味がする

作戦抜きにしてもバナナが食べたい
とくにチョコバナナクレープは外せないわ
炙ってカラメルがけになったものも好きよ
屋台で買って食べ歩きするわ

はっ、夢中になってしまったけれどお仕事ね
こんな素敵な街を破壊したくはないからね
眠りを誘うUCを使うわ
射程が長いから、なるべくいっぱい使って先制を取りたいわね
「貴女もバナナがお好きなのかしら?
だとしたら敵であることが惜しいわね

…バナナの皮で滑って転ぶなんてことはなしよ?



●バナナ好きはバナナで転んでもご褒美

 甘い匂いに頬が緩む人々の数は少なくない。
 その中に紛れ込むように訪れた、楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)もなんだか気分がいい。
「バナナ、素敵ね。わたくし、好きよ」
 店頭に並べられたバラ売りのバナナの香りは、誤魔化せない。
 青バナナの状態で入荷したそれが黄金になるまで寝かせたものだろう。
『おう、自慢の甘さを約束するぜ!どうだい?』
「甘くて柔らかくて、それでいて手が果汁で濡れない最高の果物よね……熟し具合で色んな味を獲得できるもの」
 見るからに、素材そのまま単発で買っても満足できそうな予感はした。
 選りすぐりされたバナナなら、満足できない粗悪品などまず有り得まい。
「ねえ?わたくしの鼻はチョコの匂いも拾っているのよ、この近くにチョコバナナクレープのお店、……あるわよね?」
『お?いい鼻を持ってるんだな!何を隠そう、おれっちの店二号店がそうだぜ!』
「あら。それはいいわね、焼くところから眺めていても?」
『いいぜ!好きなバナナを選びな、それで作ってやるよ!』
 どれにしようかしら、とわくわく選ぶ宵雪は、握り心地のよいバナナを選んで隣の店先に移動する。二号店がすぐとなり。
 この店主はそれなりの財を得て、店を構えている御仁なのだろう。

 熱く温度を維持された鉄板の上に事前にバターを軽く引いてからクレープの元をとろーりと伸ばす。
 香る仄かなバターの香りに、牛乳と小麦粉、砂糖と卵が入っているらしい。
『もとは十分に冷やしてあるからな、提供はすぐだぜ』
 大きな白い耳をぱたっぱたと興味津々に揺らしながら、宵雪は覗き込む。
 生地がいい具合に焼けるまでの間に、とんとんとバナナをスライスし、チョコは板のモノを軽く割る。
 裏表が上手く焼けたクレープ生地の上にバナナとチョコ、そしてボトルに詰め込まれたカラメルソースを存分に。
『素早く並べるのがポイントだ、予熱でいい塩梅にするのがうちの自慢だ』
「軽く炙ってあるカラメルソース、いい匂いね……」
 まるで夢見心地の匂いだ。
『バナナホイップもつけよう。落とさねぇように気ぃつけな』
 バナナにバナナを更に足したクレープを持ちやすいように包み上げて宵雪へ渡す。
「ありがとう!」
『なあにお安い御用だ』
 良心的なお祭り価格を払い、宵雪は屋台を後にする。
 出来たての熱々クレープは、やはり欠かせない。
 たくさんの尾が気分に合わせてゆらゆら揺れてしまう。これは禁断の味だ。
 帰りお土産に包んでもらおうと宵雪はこころに決めたもの。持ち帰らずにはいられない味だ。
 作り方に特殊なものはなかったので、自分でつくるのもいいかもしれない。
 バナナを楽しむものに、九龍の霊気は宿る。この場合はそれとなく移る。
 色んなバナナを見て歩くのは、なんだか面白い。何に使うものか分からないバナナ道具も数多く見た。
 釘を叩く用のバナナとか、バナナ(ダンベル)とか、ハーモニカ(バナナ)とか。
 紫煙龍を纏ったキョンシーがぶつぶつと呟きながら歩いていく。
 煙を纏った存在が、闊歩する?一体何故――。
「……はっ、夢中になってしまったけれどお仕事よね」
 あれはコンキスタドールが放った死角。いいように使われた住人だ。霊力を纏わない猟兵へ向けて差し向けられたものだろう。
「こんな素敵な街を破壊したくはないからね、手荒いことはしないのよ」
 身につけた薄紅色の佩玉がふわりと暖かい光を放ち始める。
「春の陽射しは誰にでも平等に享受できる贅沢なの。此処が太陽差し込まない場所でも、ね?」
 春眠不覚暁(シュンミンアカツキヲオボエズ)。
 バナナの匂いに紛れる光と、花の香。
 少しだけゆめを見るように静かに眠るの。どうかしら。
『……おやおや、此処の太陽は私だけの筈だが』
 コンキスタドール、編笠。身体に幾つかの攻撃後を喰らった彼女は欠伸を噛み殺すように銃を向けている。
 特定できず、自分の目で見て確かめるためふらりと現れて見たものの。
 宵雪のユーベルコードの眠りを誘う力の術中に、対策無しではまり込んだのだ。
「射程が長いことは、やはりいいことなのよ」
 皆眠りに落ちて、大好きなバナナの事を夢に見ているはず。理想のバナナや、豪華なバナナ。どれもこれもバナナの夢で、幸せなことでしょう。
『違いない。スナイパーだって眠りに落とされちゃあ、敵わない……』
 大きく欠伸をして、眠気を払うように射撃を一撃。
 そして紫煙を燻らせて実体化させた龍を攻撃武器として用いて飛ばす!
「眠気覚ましにしては、過激ね。いいのよ、眠っても」
 甘く揺さぶり、誘惑するように囁く。
「貴女もバナナがお好きなのかしら。どの攻撃もバナナだけは狙ってないの」
 住民の生死は問わない攻撃を繰り出してくるのに。
 ――可愛らしいかたね。
「だとしたら……敵で在ることが惜しいわね」
『ああ、好きだとも。持ち込んだのも私、流行らせたのも、私……私の趣味がこの区画を作ったんだ』
 編笠の攻撃は、どれも不発した。妖狐の仙人が微笑めば攻撃は霞んで逸らされる――……のではなく、眠気が強くて普通に外しただけである。
『君を害せない以上、タイマンを張り続けていては私が不利だ……ふわああ、残念だよ、一撃も当てられないなんて。生涯一の恥だ』
 強い睡眠要素を身に浴びた編笠は、潔い撤退を選んだらしい。
 その足取りはおぼつかない。紫煙龍の上にのって、去る事もできただろうに集中力が途切れ行えないようだ。
「……そう?破壊が最小で済むことはいいことよ」

 でも、あなた大丈夫かしら。
 今にでも、バナナの皮で転び――。

 ずるっ、と漫画のように傾斜する編笠を宵雪は間違いなく目撃した。
 有力敵オブリビオン、この九龍城砦の主。
 編笠が、バナナの皮で転んだ。立ち上がってすぐもう一回。
 彼女の不運は、大量の黄金(バナナ)があってももはや覆せるものではないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
確かにここに来るまでに「なんでもあり」みたいな事を聞いた覚えはあるんだが
とはいえここまで偏ってるとは思いもしなかったというか……

それなりに困惑しながら、まずは普通のバナナを普通に買ってみる
そして巨大なバナナの皮が鞘になった刀を発見――いいよ、折角だしそいつもくれ。ここに馴染むにはそれっぽいだろ

等々、適当に誤魔化しつつバナナ刀を引き抜いて……否、鞘を剥いて刀を取り出し編笠と相対だ。ギャグかな?
例えば、敵が放ってきたバナナの皮で転ばないよう注意しつつ戦おう

機を見て先程買った普通のバナナを編笠に突きつける。銃火器だと思ったか?ただのバナナだよ
フェイントを仕掛けて隙を作った所で素早く斬撃を叩き込む



●ただ、その存在を討て

 圧力、という言葉は感じる者の気持ちによって作用される。
 言葉に感じる者もあれば、目に飛び込んでくる情報に対して感じるものも。
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は、聴いた情報から判断していたからこそ、呆れに近い困惑を抱いた。
「確かに、この九龍城砦は階層や場所によって"なんでもあり"という気配を感じたが」
 該当の黄金の区画へやってくるまでに、確かに可笑しい場所はみた。
 カクリヨファンタズムでも見ないようなハチャメチャが。キマイラフューチャーでもやってないような、破天荒さが存在する事は間違いない。
「だがしかし、これはどうだ。此処まで偏っているのだと、誰が考える?」
 殆どの視覚情報は黄色を捉える。
 自己主張する店先の看板も「香蕉(バナナ)」と踊っている。
 見れば分かるんだが、と頭を抱えたくなる光景に鏡介はもはや笑いが隠せない。
 ――なんだこれは……。
 それなりの困惑は隠さないままに、普通のバナナを求めて歩みを進めてみることにした。
 果物屋は確かに多い。全部バナナオンリーだけど。
 屋台もそれなりにあった、メインはやはりバナナだけど。
 焼きバナナ、チョコバナナ、それからクレープ屋。
 独自アレンジバナナ料理露店。色々あって、たしかにこれは愛好家が集っているとしか言いようがない。
 ――よくもまぁ、これほどの種類を揃えられたものだ。
 ――流石に表通りには無いだろうが、此処には阿片なども流通がありそうだし。
 用心しながら、表の通りを歩き続けるに限る。
「そのバナナ、ふたつほど貰えるだろうか?」
『おう。今日入荷したてだぜ!甘いんで、リピーターになることを願ってるぜ!』
 陽気な店主の羽衣人は、良心的価格を提示してきたので承諾して払う。
 こんなに入り組んだ場所にわざわざ何度もバナナを買いに来るだろうか、という点は一先ず置いておく。
「……あ」
 確かに聞いた。バナナ系重火器類まで在ると。
 デカデカとバナナフォント(独自に作成されたそうとしか言いようがないもの)で武器屋と書かれた一角を見つけて、意を決して鏡介は覗き込む。
「バナナ手榴弾……バナナ型拳銃……」
 本当に気が狂ったバナナ型ばかりが並んでいた。これは正気じゃない。
 巨大なバナナの刀を見つけた時は、ニ度身した。バナナの皮が鞘。
 全体的に黄色の鞘で目立つ以外の異常性は、見当たらない。鞘の形状には異常しかないが。
 刀身は、一般的な刀と同じくらいの長さが在る――そして重さも同じくらいあるとの表記を見つけた。
「すまないが、これは売り物か?」
『……ああ、そうじゃよお。欲しいか?』
 しゃがれた老人の声が、欲しいなら譲ると声を掛けてくる。
 店主はそれを持つ力が無いのだろう。
 この場における武器の所有もまた自由だが、バナナ愛好家は収集が好きで武器を使う者たちじゃない事が多い。
 刃はいつも売れ残り、売れるのは銃ばかり。
『金はいらんよ、そいつは見つけたアンタに譲る……』
 まるで押し付けるように譲られた鏡介だが、タダで貰うのは忍びないとさりげないバナナと物々交換で収めた。
 ――バナナ一本と刀一振り交換が釣り合う場とは?
 バナナ以外に価値を見いださない住人たちって、怖くね?
『バナナのチャカでも買ったのかい?』
 陽気に乱戦遊戯に笑うコンキスタドール、編笠の声。
 何処にでも現れて、何処からともなく拝借する彼女に見つかったが――。
 適当に誤魔化しながら店を出て、すううとバナナ刀の鞘を剥いて直様相対。
 ――ギャグかな?
 場に馴染んでいるが、戦闘には浮いている。
 丁度、バナナのチャカ(銃)を向けてくる編笠は、それを面白おかしく笑い出す始末。これまで狙った猟兵たちの暗殺に失敗してきた彼女に襲いかかる呪詛と眠気の越えた向こう側。怪我を負い、こんな変な奴らだらけなのかと、げらげらと笑い出す彼女はおかしくない。
『凛々しい顔つきにその刀は、もうギャグだね』
「だろうな!」
 笑いすぎて小腹が空いたのか、編笠がはもぐもぐとバナナを食べ始める。
 戦闘中だろうが、食べたい時に食べる。とても自由な女であった。
 ぽい、と鏡介の駆ける足元目掛けて投げつけてくるのを予期して躱す。此処でバナナスリップ等しては、戦う意欲が損なわれてしまう。完璧なタイミングだ。
『此処にあるもの全て私の武器で、私の攻撃手段だよ、どうするね。バナナダーツでも楽しもうかね』
 マト代わりになっていてくれるだろう?
 御同輩達にも文句は言えない。此処は私の、独壇場。
 素敵な素敵な、バナナ遊戯区画なのだから。
 投げつけられる本物のバナナは、まるでクナイのように尖く穿たれる。
 バナナなのに短刀みたい!貫通力を付与されたナイフのようなバナナなんて聞いたことがない!
 鏡介はなるべく心を落ち着けて、突っ込みそうな気持ちを落ち着ける。
 突っ込んだら、それこそ負けだ。
「それで、俺に当たったら勝ちのゲームはそれで終わりか?」
 全てを避けて、間合いをとった。
 素早く、先程買ったもうひとつのバナナを編笠に突きつけて。
『……何のつもりかな?』
「これはそちらがお持ちのチャカと同じもの、だと思ったか?」
 ――ただのバナナだよ!
 フェイントに面白いくらい嵌った編笠は、鏡介のそれを銃だと思って止まった。
 頭に突きつけられた銃に対して、動くマフィアなどいやしない。
「もう一度、斬られ済みのようだな……じゃあ、重いのをもう一つくれてやる。見切ってみせろ――澪式・参の型【双影】」
 振りかぶられた剣戟による素早い一撃。
 間合いに踏み込まれ、動きを制限されてしまった編笠は、敵の策に溺れすぎた。
『……騙し討ちが得意と来たか、全く、折角ここまで大きく広げてきたというのに』
 機動を変えず、まっすぐに攻撃する斬撃は、胸を凪いで上半身を吹っ飛ばす。
 エックスに斬られた傷跡の上から、限界を超えた研ぎ澄まされた切断力にものを言わせたのだ。
「武器の流通まで自分で行った事が仇になったな」
 好みらしいバナナ(刀)に斬られて本望だろう。
 これでこの場の戦いは収束する。編笠は、悲鳴を上げることすら無く――討たれた。彼女が討たれたとしても――バナナの園の繁栄が留まることはないだろう。

 そこに愛好家が居る限り、バナナの香がある限り。
 出てくるものは紫煙なのに、バナナの香りがする特殊な煙管が、次にひっそりと売られだすだけだ。
 この場を収めた主の遺品。遺された品の増産品が、乱造されて出回る。
 バナナの影に埋もれたコンキスタドールの末路は語り継がれはしても、この黄金(バナナ)の在り方をもう変えられもしないのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月14日


挿絵イラスト