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殲神封神大戦⑬〜ウィー・アー・ドリーマー!

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑬ #飲み物しか無い不思議の宴会

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#殲神封神大戦⑬
#飲み物しか無い不思議の宴会


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●誰だって大歓迎!
 いにしえの仙界、紫霄宫(しあいきゅう)。
 猟兵は南蛮門をくぐりその入口に広がる光景は――春の日差しのように穏やかだった。
 この場所は桃源郷。人界から仙界へ、君達は入り込んでいる。
 仙界随一と名高い"枯れない桃花"に彩られた、桃源郷。
 ふわりと香る匂いは、気持ちを穏やかにさせる効果がある――気がした。
「あ、さっき助けてくれた人?」
「強いねぇ、凄いねえ!宴の開催に間に合わないかと思ったよ!」
 声を掛けてくるのはどれもが瑞獣。
 青龍、玄武、それから白虎。大柄な彼らは人界側の南蛮門で囚われていた者たちだ。
「お客人?いいねえいいねえ!盛大な宴を開こうとしてたんだ、君達も頭数に加えれば丁度いい!」
 翼を広げる赤い鳥、桃源郷でせっせと宴の準備を進めていた働き者の朱雀の瑞獣は楽しげにバサバサと羽音を立てる。
 彼らの姿はどれも聖なる幻獣の本性そのもの。
「陽気に騒ごう!"みんな一緒に"!」
 人型?機械兵?それ以外?仙界に満ちる自然エネルギーを高めて――ほんの少し、君達に"ありえない姿を反映しよう"。

●ユートピア・ドリームランド
「正月気分なんぞ、どッかに抜けた?んなこと言うなよ、今日までお預けだッただけさ」
 フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)が言うところでは、これは宴の誘い。
「俺様が予知先の桃源郷、その里には瑞獣たちが居るんだが……これは猟兵に救われた奴らが大半だな」
 貴人・英傑を守護する為に生まれた幻獣たちは、感謝の気持ちMAXで迎えてくれる。
 例え君が関わらなかった猟兵でも、問題ない。
 彼らにとっては、"猟兵"に感じた"恩"は平等に変わりないものだろう。
「奴らは仲間が捕まる前から、"盛大な宴"を準備していた。陰の気配ばかりが広く多く溢れるのを妨害する為、陽の気を高めるようというんだ」
 陰の気配が高ければ、敵の妖力は高まるばかり。では逆に陽の気配が高ければ、敵の妖力を少しでも打ち消す事が出来る――のではないか。
 試みを実行するため、猟兵たちにも参加を望んでいる。
「瑞獣達はお前達に、"変化術"を掛けてくれるらしいぞ?」
 本性姿でいる瑞獣が多いからか、彼らは猟兵を望む動物姿に変じさせて楽しんで貰いたいようだ。
 もし、動物姿ではない姿がいいのなら、声を掛けたり念じたりすると良い。
 变化した姿で楽しんでほしい願いは変わらないので、それくらいなら問題ない筈。
「……ただ、仙界から人界の門前に捕らわれていた瑞獣がいる時点で、敵の間者がこの地に足を踏み入れていた」
 "彼"は宴用に持ち込まれた飲み物の中に、毒を盛り込んだらしい。
 瑞獣を滅ぼす特殊な悪意で盛り込まれた特殊な毒。
 少々飲んだだけでも、宴を壊す程の騒動となって桃源郷を揺るがすだろう。
「幸い、その毒は猟兵なら死ぬほどの毒じャない。……ああ。猟兵の瑞獣でも、致死量になッたりはしねーよ」
 宴に快く参加して、危険な飲み物を見つけ飲みまくって欲しい。
 フィッダはそう、予知を告げる。
「正月騒ぎ、無礼講。そんなノリで平和な宴に"悪"は無いと陽気に騒いでほしい!」
 瑞獣たちを助けると思って!
 初夢みたいな、不思議体験をしながら、各々好きな時間を過ごすと良いだろう。


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 この依頼は戦争に属する1章のシナリオ。

 プレイングボーナスは「毒入りの料理を見つけ出し、何食わぬ顔で食べる」。

●簡単な概要
 プレイングボーナスは上記ですが、このシナリオは初夢気分で変身するという不思議ファンタジー状態になっておりますので仕様をOPをご確認下さい。
 変身した姿で宴に参加する変速的シナリオとなります。
『変身した姿を謳歌していてもプレイングボーナスは達成されます』。
 宴に準備されたものは、各種な飲み物のみ。お酒もあります。
 見た目が大人に見えない姿な場合お酒を貰うことが出来ません。ご注意下さい。
 内容の方向性都合で、「この依頼より一つ前のタテガミ運営シナリオ」を引き継いだような形で運用しますが、読了する必要は全くありません。

●出来ること。
 変身できる姿は出来れば"生き物"を推奨。
(1)動物に変身。
 小さいのから大きいのまで、ひとつ。何かに変身することが出来ます。
 鳥なら飛びます。場所は仙界ですから魚だとしても、頑張れば飛べます。
 記載なしなら、タテガミが独断と偏見で動物化させます。
(2)幼少期姿に変身。
 今の年齢から、小さい姿にもなることが出来ます。
 記憶はそのままに身体だけでも言動も引きずられて幼くなるでもOK。君はそういう姿だったのか、とか出会うならこういう夢のような場所で如何でしょう?
(3)上記書かれていないけどできそうだと思うこと。
 フラグメント無視はそれほど問題ありません。
 毒を探して飲む事か、変身した姿で"陽気に"過ごすことのどちらにも当てはまらなくても、それがやりたいことであるならば問題有りません。

●その他
 プレイングの内容によっては真面目だったり軽率に軽くなったりするかも。呼ばれると、変身したアニマル(バス停のヤドリガミ)が付き合ってくれるようです。
 なるべく頂いたプレイングは採用できればと思いますが、中華系のあれやそれやあまり詳しいとはいえない為、描写が期待に答えられない場合は、内容に問題なくても採用を見送らせて頂く事があります。ご注意下さい。
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第1章 日常 『毒酒の宴』

POW   :    頑健さに任せ、多くの毒入り料理を食べる。

SPD   :    仙人達の前に並んだ毒入り料理を無害なものにすり替える。

WIZ   :    仙術や霊薬で毒の作用を中和しながら料理を食べる。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

蓮池・大輝
☆アドリブ・改変歓迎。WIZ

「いいですね、色々な方と正月のめでたい宴を楽しむのも。特に年明けから戦い続きでしたから。」

例え料理に毒が混ざっていようと。このめでたい席にそんなものは似合いませんから。

大きな水色の羊に変身させてもらい、毒を探しつつ見つけたら素直に食べたり飲んだりします。自前の【蜂蜜酒】も振る舞いましょう。

お酒も入って陽気な気分。UCを発動して、沢山の羊さんたちと一緒に桃の花を見ながらのんびり。(羊たちが毒を食べてしまわないよう気をつけます)

自分が羊になっている今、思う存分もふもふしますよ~!


イサリビ・ホムラ
宴を寿ぐ飲みもんに混ぜものするなんて粋やないですなぁ
よっしゃ、そんなら自分は毒味に徹底しましょ。祝い酒が飲み放だ……いやいや大事なお役目ですからなぁ

UCで応援も呼んで宴の色んな飲み物を飲み歩きます
ちょいとでも毒とわかったら自分が飲み干してまいましょ。毒でもなんでも酒ならイケますわ
はっはっは、美味いんで独り占めです、みなさんにはあげまへ~ん
ま、わざわざ毒んこと話して宴に水を差すこともないですやろ

動物変化はそうですなぁ…酒と言えばうわばみゆうとこでしょか
毒で気分悪うなりそうやったら『妖精さんの不思議な蜜薬』でちょいと口直し。ほんま素敵な貰いもんをしましたわ
…あげませんよ?

アドリブ・連携大歓迎ですわ



●お酒ともふもふに溺れてもいい日

 とっことっこと、大柄でありモコモコの水色の羊が桃源郷のほのかに甘い香りに頬を綻ばせる。
 桃の香り。人を惑わす匂いではなく、楽しませる香り。
 耳をすませば色んな話。
 どんちゃん騒ぎな、お酒の入った瑞獣達は大騒ぎ。
「いいですね、色んな方と正月めでたい宴なんて」
 飲み交わして、歌って。馬鹿話に笑い合うような、上機嫌な瑞獣たちの多いこと。
 猟兵さんもこちらへどうぞ、なんて色んな輪から声を掛けられた。
「僕はもうすこしこの桃源郷の雰囲気から楽しみますよ」
 蓮池・大輝(のんびり屋の羊飼い(?)・f35542)も知っている。
 年明けから怒涛のように押し寄せてきた戦いの火種。
 どこにでも戦いがあり、どこかで戦う誰かがいる――困る誰かを救う為、日夜戦いに身を置く者がいる限り。
 平和の裏側には、戦いがあるのだと……。

「宴を寿ぐ飲みもんにしか見えへんのになあ」
 大輝に声を掛けたのは、大きな尾で瓶を持ち上げ、器用にぐびぐび飲みながらぷはーーっと美味しいお酒を楽しく飲んでたイサリビ・ホムラ(燻る漁火・f34679)。
「自分はこれで~……あれぇ、しもたなあ。何杯分腹に収めたんでしたか……」
 酒といえばウワバミ。
 そんな言葉もあるからこそ、イサリビは姿を変えるならウワバミ(蛇)を望んだ。
「そんなにもう飲んで……?」
 もう酔と合わせた毒を山盛りで取り込んで……?なんて命知らず、と青いモコモコをぶわわ、と大輝は揺らす。
「ああ、まだ酔うてやしませんよ。自分はまあ、毒味を先にさせて頂いて、くいっとしていただけでしてなあ」
 いっぱい手早く引っ掛けて、毒味と味見と称してはしご酒。
「いうてほら、飲み放題みたいなとこありますし?……誰かが飲まんと危険があるってことなら、大事なお役目ですからなあ」
 はっはっは、とイサリビ見事な笑い上戸一歩手前。
 確かに彼は普段より雰囲気に酔っている。
 お酒と毒で酔っているわけではないのだ。
「成程、……毒物は本当に在るのですね。このめでたい席にはそんなものは似合いませんから」
 こちらが回収しつつ、瑞獣たちに気づかれないようにしないと。
 陽の気配というのは、花見処には確かに似合う。
 枯れることのない木々を見ながら、陰の気配が入り込めないくらい"楽しむ"のは休息としても祝いとしても最高だろう。
 羊を数えるのに相応しいのんびりとした時間を過ごせる予感もする。
「自分は……向こうのニョロニョロさんな瑞獣さんたちに後で寄ってくれと呼ばれてますんで」
 ニョロニョロこと青龍の瑞獣達。
「もうしばらく、応援喚んで飲み歩きを続けますわ――……酒呑み、手伝ってもらえます?」
 イサリビのユーベルコード、赤提灯の友(サケノマーチ)。
 秘蔵の酒一合の代償に、動物変身した姿に合わせたヤマタノオロチな酔っぱらいが現れる。
 イサリビも大柄なウワバミだが、ヤマタノオロチはもっと大きい。
 伝説上の生き物で、お酒好きともよく語られる"ウワバミ"だ。
「んじゃあ」
「此処在ったのもなにかの縁ですから、蜂蜜酒……如何です?」
「ほほう、そちらさんも陽気な手荷物をお持ちですなあ」
 とくとくと、継いで互いの器を軽くこつん。
 羊姿でどう持ってるの?仙界なら摩訶不思議は大抵どうにでもなるのさ。
 陽気な酒も、毒の一杯も、酒は酒。
 とても美味しい蜂蜜酒に勝る酒があるなら、どうぞ教えてほしい。
「……これは……」
「飲み歩きと聞きましたから、呑みすぎもほどほどにするといいですよ」
 もふもふと、体を揺らして大輝は通り過ぎていく。


 お酒を飲んで、大輝は少し頬が熱くなる。
 羊な姿だと、あったかさは腹から高まるようだった。
 ふわりふわりと飛び跳ねたい気分になるのは、やはり羊な姿によるところか。
「僕だけ楽しまず、皆も一緒にどうですか?」
 羊が一匹、羊が二匹……水色羊大増殖(シープ・スリープ・フロック)によって大量の羊が溢れ出て、大輝と似た姿の羊が溢れかえる。
 桃源郷はユーベルコードの発動で、羊の園の様相を得た。
 水色なもこもこが、もふもふと身を寄せ合う様がなんという可愛らしさだろう。
「桃の花、枯れない花。吹き込む香りのなんと優しいことでしょう」
 めえめえと鳴き声の中、みんなでのんびり風景を環境音の一つとして楽しむ。
「え?桃がたべたい?」
 艶のある桃の実には流石に毒が混入していることはあるまい。
 大輝はもしゃもしゃ食べる羊たちに紛れて、思う存分もふもふする。
 羊飼いは羊と同じ目線で、羊をもふもふするのだ。なんという――幸せのんびり空間だろうか。


『それはどんな味が?』
 ぬっ、と顔をのぞかせた酔っぱらいの瑞獣達。
 イサリビと彼らは酔っ払い仲間のような間柄になっていた。
「これ?はっは、きつーい度数たかーい原酒です、はっはっは、美味しいんで独り占めですわ。みなさんにはあげまへ~ん」
 嘘である。
 大輝に貰った一杯の後飲んでいたのは一口飲んで毒有りと睨んだ瓶の群れ。
 ヤマタノオロチと一緒になってかっぱかぱと飲み干す様は、まさしく豪快。
 ――確かにちょっと不思議な辛さ?ぴりりとするような。
 ――まあ毒でも酒なら全然余裕でイケますわ。
「まだまだハシゴして呑みますよって。騒いで飲んで、はしゃいで」
 楽しい気分を盛りあげていきましょ。
 少し毒の取りすぎてウワバミな胸が詰まる思いがしたならば。
 妖精さんの不思議な蜜薬で少々口直しすれば、まだ行ける。
『どれか俺らにもおくれよう、乾杯しようぜ?大将』
「ははは口が上手いですなあ、……あげませんよ?」
 毒ありは独り占め、しかしそれ以外の乾杯に応じるイサリビと、酒飲みに呼ばれたヤマタノオロチ。
 彼らが飲み干した酒の量は、少々筆記するには難しい。
 だが身体の体積以上であったことは、間違いのない事実だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

張・西嘉
動物に…以前は姿が変わる泉でケットシーになったりもしたが…。
まぁ、あの時に比べれば敵もいないし守るべき人もいないからな。瑞獣達の気持ちをありがたく受け取るとしよう。

(鷹の姿に変化して)
おぉ、まさか鳥になるとは思わなかった。
これなら、空を飛ぶなんて人間には出来ないことも出来るな。

どれ、一つ空を飛んでみよう。
(空から見る桃園を満喫して)
うむ、美しいな。
む、あの食べ物怪しいな。
(空から見て怪しいと思った食事をひょいと奪って食べ)
すまん、すまん、この姿が楽しくてついな。
などと誤魔化して。



●猛禽類の守護者

『此処で楽しめる姿に変えてあげる!』
『ちょっと何に成りたいか想像して!』
 気さくに、そしてフレンドリーに声を掛けてきた瑞獣に張・西嘉(人間の宿星武侠・f32676)は記憶を手繰る。
 ――動物か。
 以前、姿が変わる泉でケットシーになったことの在る経験を思い出した。あの時と、今は違う。陽気な宴を開催しているこの桃源郷では気を張る必要は――今は、ない。別の場所を助けるかもしれない効果があるというのなら場に合わせた姿で身を置くのもいいだろうとさえ考える。
 ――あの時に比べれば、敵もいない。
 ――それに、護るべき対象もだ。
 羽根を伸ばして、休憩をとるのもまた戦うモノの努め。
「気持ちはありがたく受け取らせて貰おう」
『ありがとう!よおしいくよー!』
 瑞獣による仙術の使用。ズズズと陰と陽の高まりを身体に感じたが――西嘉は変化術影響か、ふわりと身体が軽くなるような気がした。
 重力感が、なんだか大きく失われたような。
「……お?」
 自分の姿を確認するとふんわりと羽毛に覆われていた。
 両腕は翼に、足は鉤爪に。
 全体的に焦茶の色合いと胸付近の白のふわふわ。
 察するにこれの姿はきっと凛々しいく雄々しい、本来の西嘉の姿ほど大きい"大鷹"のそれだろうか。
『わあ格好いいねー!』
「おお、鳥。……お前達のような姿に変わるかと思ったな」
『ふふふ、僕らみたいな姿よりキミの魂はそういう形を取りたかったみたいだよ!』
「……魂?」
『うん。そういう、気配!』
 元より持っていた普段の鋭い方の目つきと鷹のような気配を持っていた事は、自負するところだが――。
 じゃあ楽しんでね、とすぐに離れていった瑞獣は麒麟だったが、喜んでくれて嬉しい!なんて、スキップするような足取りが印象的だった。
 此処がアリスラビリンスなら、音符でも可視化して見えたのかもしれないほどの楽しそうな気配を残して駆けていった。
「これなら、空を飛ぶなんて人間には出来ない事も出来るな」
 大きく広げた両腕、もとい両腕は全長として身長とほぼ同一。
 内側外側両方に存在する二枚羽と、細かく実感する風切羽の"軽さ"。
 力持ちの腕の力があれば、己の今の身体を浮かす事は容易だろう。
 今の姿は――普段よりも、"断然軽い"のだから。
「どれ、一つ空を飛んでみよう――!」
 鳥が飛翔する様を思い描き跳躍するようにふわり、と持ち上がった身体は、空を征く王者の気風を纏わせた。
 難しくない空行に、むしろ驚いたほど。何度か羽撃いただけなのに、桃園は遥か下方に広い敷地を広げているのが見える。
「うむ、陽気な瑞獣達の気配と同じくらい明るい印象だ。美しいな」
 たくさんの集まりがあって、どれもが酒や歓談に花を咲かせている。
 机の上に広げられた祝い酒。
 瓶や樽、それから波々とつがれた枡。
 それらの群れの中に、ぽつんと不思議な紫色の瓶を鷹は見極めた。
「……あの色は、怪しいな」
 滑空するのも慣れたもの。
 獲物を見つけた野生の鷹と同じように強靭な足で捕まえる。足で掴んだというのに、絶対落とさないという謎の確信に微笑ましい気分にさえなった。
 ――成程、これが鷹がする行動か……。
『わっ!?』
「すまんすまん、この姿が楽しくてつい、な」
 等と瑞獣相手に誤魔化して、掴んでいた酒瓶のコルクを鋭い嘴でひっぺがし、豪快にラッパ飲み。おそらく酒瓶、と思い覚悟をキメた西嘉だったが、おおよそ葡萄酒のような味。
 今の姿でずっと居たくなる不思議な毒を飲み下し――、これはいっときのものだと頭を振ってそれから翼をばさばさと。
 一時だから楽しいことは、あるだろう?
 さあ陽気に語らえ宴の場だ。
 鷹の目が鋭いうちは、誰もうっかりで手を出す隙を与えない。
 "毒など奪って"どれも全て、飲み下そう。
 この姿で出来る事を、存分に楽しみながら――ではあるが。
 空に飲酒運転等は適応されるんだろうか。取り締まる者がいなければ、問題はないか?愉快な雰囲気に呑まれながら、鷹の警護は暫く続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鹿村・トーゴ
WIZ
ふむふむ、毒入りを見分けるのは生業柄いけそ
【毒使い/野生の勘】で好きなものを選ぶテイで毒入りを取って行く
ただオレ飲み食いするの遅いから…食べものは小皿中心に
大皿料理も毒の入ったのだけ選り分けたり
あ、毒入り多いの飲み物だっけ
お酒はそーっと除けておく
他の毒のお茶とか羹、汁物はゆっくり頂こう

変身は特に意識しなかったら人間サイズの化け狸になってた
(真の姿設定画立ち絵にある白い紋の入った赤い眼で尻尾の大きい狸)
あっ
肉球の手…いや前足でもちゃんとお椀とか持てるじゃーん
でも正座出来ねー(短足な化け狸、樹にもたれて座る)
『…そこ?』
相棒の鸚鵡ユキエはふさふさだがごわごわ尻尾で遊びながらも呆れ声

アドリブ可



●食べ物の毒は軽いただの痺れ毒だった(体験談)

 ――ふむふむ毒入りを見分けるのは、生業柄いけそうだ。
 異常状態を毒の一つと思えば、おかしな様子を見極めるのは何となく自信がある鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)。
 故郷は忍びの隠れ里。
 毒使いの心へも当然在る。
 ――まあ、勘みたいなもんだけどなー。
「お?此処は食べ物も並べてんだな」
 大机にたくさんの酒瓶と、水の入ったコップ。
 大皿に肉まん、小皿に桃饅頭が並んでいて、なかなかに作り手のこだわりを感じた。見た目を色々考えられており、犬の顔、猫の顔、と動物顔だらけで遊び心が爆発している。
 本性姿の瑞獣どれの手にも見事に収まるサイズを目指されていて、大きさのバリエーションが兎に角多い。
 ひとえに此処が仙界であり、桃源郷であるからこそ風景を楽しめるように、座って食するタイプではない立食の様相を目指した感じである様子だ。
 超級料理人の心得がある瑞獣がいるのだろう。
 独創性とオリジナリティと、可愛らしさは満点だ。
「んじゃ、オレも幾つか摘ませてもらうか」
『トーゴ?』
 鸚鵡のユキエが羽音を立てて、肩に止まる。
「オレの今の姿じゃ無理だろって?問題ないって」
 今やトーゴの姿は仙界の瑞獣によって掛けられた变化術の力で"化け狸"姿に変わっていた。
 人間サイズで。白い紋の入った赤い眼の狸。
 尻尾がとても大きくて、見た目はとってもふわっふわ。
 短足なところがあるので、遠くの方の皿に手が届かないのは、誰から見ても明らかである。
「好きなものを選ぶだけだしな、……よっと」
 これが好きなんだよな、と小皿に取った鳥型フェイスの桃饅頭に呟いて。好きなものを取っている子、として他の瑞獣たちに思われれば上場。
 体裁があれば、中身がどうなっていても彼らは興味など出さないはずだ。話しかけられても適当な相槌で、誤魔化すつもりだったが杞憂に終わりそうだ。彼らはお酒の力で気分がとても良いらしい。
 ――飲み食いすいるのは遅いから、出来るだけ小皿を中心にしよう。
 自分の不得手をあえて、活かす形で見極めた毒物を淡々と集める。
 大皿の肉まんも、数個置きに異常があり、これも手元に集めまくる。皿の上は大食い感を出しているが、――これが全てではないところが、難しい話だ。
 ――あぁ、そういえば毒入りが多いのは飲み物だっけ?
 酒は年齢の問題で手を出せないが、これはウワバミ姿になった猟兵がカパカパと呑みまくっていた。問題ないだろう。大人には大人の、未成年には未成年の選べる行動というものがある。
『見てみて!お茶があるみたい!』
 透明なポットの中で花が咲いている。
 花茶と呼ばれる工芸茶だ。
 仙人たちや瑞獣たちが慕う英傑たち直伝の品なのかもしれない。
「……これの花も、軽い毒草だな」
 トコトコと、集めた料理を持って枯れない桃の木にもたれかかって、すとん。座った時にいつも正座なトーゴは、足が上手く組めないかと試行錯誤するが、絶対できない事に気がついて――。
「あー、正座できねー!」
 心の叫びのまま声を上げた。
 短足の化け狸、ちょっと悔しい。手足をどんなにばたばたさせてみても、この姿ではとにかく短さはとても顕著なのだ。
「でも、肉球の手……いや前足でちゃんとお椀とか持てるじゃーん!」
 意外と手先は器用に動いた。
 お椀をしっかり持てる、良いことだ。
「食い物を食える。これはとても、いいことだ」
『え、……そこ?』
 見た目はとてもふさふさなのに、ごわごわな化け狸の尾のうえでじゃれつくユキエは呆れ声。
 トーゴは持ってきた羹や汁物の類を集め、ゆっくりと頂く。
 のんびりとした動作で、毒素以外の料理感を楽しみながら。
 見上げれば桃の木が。
 見上げなくとも、桃の華やかな香りが鼻をくすぐった。甘いような、気持ちをポジティブにさせる不思議な陽の気配を背中越しに感じながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レパル・リオン
おおーっ!動物に変身してパーティーするの?すっごく楽しそう!
だったらさ、配信するっきゃない!わよね!!!

いでよカメラ!飛んでけモニター!生放送スタート!
はい!桃源郷は今日もお花見日和!あたし、レパル・リオンが聖獣のみんなと一緒にレポートしちゃいます!
そして、本日のスペシャルイベント!よろしく!
(変化術で虹色のでっかいトラになる)
おーっ!さすが瑞獣さま!
こーれはもふもふするっきゃない!伝説の瑞獣をハグしまくり!ハグされまくり!超プレミアムもふもふよ!わふーっ!
人間も仙人も飛び入り歓迎よ!もふもふ〜♪

あっ(変な臭いの料理。食べなきゃ)
うっ(ほぼ無策なので毒料理は辛い)
…おいしー!!!(気合で我慢)



●【モフモフ】イェーガー特権!【最高】

「おぉ!すっごい盛り上がってるね!」
 レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は動物に姿を変えて楽しむパーティに電撃参入。
 すっごい楽しそう!の一言で、キマイラはこの桃源郷へ訪れた。
「いでよカメラ!飛んでけモニター!」
 普段動画投稿に勤しむレパルの行動は、勿論そういう方向に動く。
 なんといってもこの場所は"戦場ではない"。
「さぁ、生放送スタートっ!」
 猟兵放送!(イェーガーズ・オンエア)。
 巨大なモニターが、誰も居ない空間に鎮座してパッとレパルを映し出す。
 生放送設備も舞台装置も、当然生放送ライブカメラには映らないよ!
 いい仕事が出来てこその、生放送仕様だからね!応援や感想をどしどし送ってね!
 (直接の感想は、こっちのURLから!)と下方でテロップで表示されている。
「はーい!こちらなんと、誰もが夢見た桃源郷!今日もお花見日和。あたし、レパル・リオンが聖獣のみんなと一緒にレポートしちゃいます!」
 手元をくるくるまわして、カメラに風景を映すようにハンドサイン。
 レパルより仄かな桃色花弁がひらひら舞い踊る。
 穏やかな風景が写り込んだはずだ。大量の桃の木が大きな実を結び、枝を揺らしている様はなんとも果樹園に来た気分。
『いえーい!レパルちゃん、このタイミングで良いのかな?』
 朱雀、玄武、白虎に朱雀、四体の瑞獣たちがニコニコ顔で付いてくる。
 これは事前にレパルが出演オファーをした四人、もとい四体だ。
 彼らはみんな協力的で、番組の盛り上げに一躍を買いたいとたくさんの応募をくれたのだが。
 応募を中心にくれたのは、朱雀と白虎の一派ばかり。
 もふもふ度がとても多くなり、メインイベントが埋もれそうだった為、申し訳ないが厳選したそうだ。
 背後で映り込む事は問題ないとも伝えてあるので、きっとレパルの死角ではカメラ目線にニコニコアピールしていることだろう。
「そうそうこのタイミング、景気よくお願いっ!よろしくぅー!」
 全員同時に使用したことで、カッ、と轟くその力。
 変化の力がレパルを包み込む間。
 それは変身バンクのようにキラキラと輝いた。
「これが、本日のスペシャルイベント!さあ、大っ公っ開っだぁああ!」
 四聖獣に術を掛けられたレパルの華麗なる変身をみよ。
 その姿は、虹色で、とにかくでっかいトラだった。
 がおー、と吠えてみるとなんだか大気がびりびり震えるよう。
「おーっ!さすが瑞獣さまたち!」
 こーれは普段の姿と一味違うもふもふさん。
「もふもふするっきゃない!皆の仲間になってみた!」
 伝説の瑞獣たちにぎゅーっとハグを交わすレパルに、瑞獣達は律儀にハグ返し。
 手ではなく翼持ちはその翼で優しく包んでくれた。
 ハグする手が無い麒麟たちは、レパルの頬にすりすりと頬ずりを。
「みてみて!プレミアムもふもふよ!わふーっ!」
 羨ましい人はいる!?
「瑞獣の話は仙人たちの話は聞かなかったけど、いるんだよね?」
 レパルの期待通り、本体姿の瑞獣達のかげからひょこひょこと仙人たちが羨ましそうにしていた。
「じゃあどうぞ!飛び入り大歓迎よ!あたしも、みんなもね!もふもふ~♪」
 ハートフルなユートピア、貴方も体験したいでしょう!
 今ならレパルちゃんと握手もハグも可能!今すぐいいねで反応してね!
 ぶわああああと羨ましがるハートが巨大モニターに飛び交う。見ている視聴者も観戦している人、もとい瑞獣たちも仲間入りを希望しているらしい。
「反応は分かったわ!じゃあ皆、こっちに来てもふもふしよー!」
 一旦場所を映すね、と一度生放送を中断し休憩がてらレパルは机の上の料理をみた。猟兵の勘だ、一番はじめに視界に入った桃饅頭。
 あれは変な気配がする。ぞわぞわっと背中に悪寒が走る感じ!
「あっ……」
 見つけちゃった、と内心渋い顔をしたが、みつけたのはひとつだけ。
 すぐに食べて生放送を開始しないと。
 口に放りこんで、すぐの効果に驚いた。
「……うっ」
 ほほ無策の毒対策、なんだかびりびりしびれる感じ。
「……美味しー!!みんな料理上手なんだねっ!」
 気合で我慢、顔には出さない。
「さあ!みんなでぎゅーの会をはじめるよっ!」
 いえーい、とモフられる側の瑞獣からの返事。
 それからモフりたい側からの、叫び。どちら元気な強い陽気な風を巻き起こし、陰の要素を打ち消すさまは、間違いなく宴のそれであったことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月10日


挿絵イラスト