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殲神封神大戦⑨〜騎兵長江水上戦

作者：黒代朝希

「赤壁の戦いと南蛮門の攻略が可能となりました……皆様、素晴らしい進撃速度です」
　翡翠色の瞳を湛えてグリモアベースに集った猟兵を賞賛するのはクロムキャバリアの宗教国家の教皇たるグリモア猟兵、フレスベルク・メリアグレース（メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263）。
　彼女は今回攻略可能となった二つの戦場の内船を使った水上戦となる赤壁の戦いの戦場に予知を見出し、こうしてグリモアベースに猟兵を招集している。
「司馬炎陛下は今回の戦場、その果てに鎮座しているオブリビオンマシン……『哪吒』を討伐するべく5万もの兵を軍船に満載して長江を進む『哪吒討伐大水軍』を派遣しました。ですがオブリビオン側もさるもの、、広大な長江を塞ぐダムの如き要塞……『赤壁水上要塞』を構築して対抗策を撃ち出しました」
　無論の事、このままでは曹操と魏軍の役は司馬炎と猟兵側が演じる事となる。
「この『赤壁水上要塞』がある限り『哪吒討伐大水軍』は甚大ではない被害を被る事でしょう。其れを阻止するべく皆様にはかの要塞を破壊する依頼を受けてもらいたいのです」
　そうして一通りの説明を終えた後、フレスベルクは自身のグリモアである聖典に手を翳していく。
「わたくしは今回の作戦において出身世界における主力兵器……キャバリアの運用が有効だと判断しました。故にわたくしはキャバリアを所有していない皆様に……キャバリアを手配させて頂きました」
　瞬間、グリモアの転移によって各種高性能なキャバリアがグリモアベースに出現する。
「無論の事キャバリアパイロットなど既に自身のキャバリアを所有している方はその機体をお使いになって下さい……キャバリアを用いての『赤壁水上要塞』を防衛するオブリビオン水軍撃破作戦、これより開始します」

第1章 集団戦 『双剣鬼・兵伍』

POW   :    双剣乱舞 【双剣 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    九輝双剣 自身の【双剣 】が輝く間、【双剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。 WIZ   :    双剣飛刀 【双剣から見えない斬撃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。 イラスト：にこなす 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「哪吒太子とは大物が出てきたものね……」
　機神『蚩尤』に機乗しながら楊・宵雪（狐狸精（フーリーチン）・f05725）はユーベルコードを用いて水上戦を仕掛けていく。
　それは金銀錦の戦装束に変身する事で所持している火華尖槍の威力を増強すると同時、高速回転する炎の足輪によって飛翔能力を得るユーベルコードだ。
「目的はオブリビオン水軍撃破。及び地形破壊による赤壁水上要塞の破壊……風は東南、なんてね」
　戦場が広大である事を活かして宵雪はなるべく多くの敵を引き出せないかおびき寄せを試みる。
　すると索敵したオブリビオン軍は水軍を出撃させ、双剣から見えない斬撃を用いて機神『蚩尤』を撃墜させようと解き放っていく。
「つまり、成功という事、ね！」
　キャパシティを超えない程度に敵オブリビオン軍を引きつけたのを確認した宵雪はジャミングを仕掛ける事で敵の連携を阻害し、レーザー射撃の弾幕を用いて要塞ごと撃ちまくる。
「飛沫でこちらの視界が悪くなりそうなのは誘導弾で補うわ……ついでに要塞の司令塔と思しき部分か防壁の一部でも破壊できたらいいわね」
　そうすれば敵の指揮系統に混乱が生じる事は間違いないだろう。
　それを狙ってレーザー射撃の弾幕を更に要塞へと撃ち込んでいく宵雪。
　すると要塞の一部……防壁の一部分に穴が開き始めるを確認した彼女はその穴へとレーザー射撃の集中砲火を叩き込んでいく――
「これはもう、致命的とは言わないけれど大打撃でしょう！」
　そう妖艶な微笑みを浮かべながら更にレーザー弾幕のお代わりを叩き込んでいく宵雪。
　やがて要塞側の反撃が強まるのを察知した彼女はすぐさま撤退を行い、グリモア猟兵の転移でグリモアベースに避難していくのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「水の上での戦闘なら俺とスーパーシャークの出番だな。さあ、久しぶりの完全水中戦だ、暴れさせてもらうぜ！」
　そう久しぶりの完全水中戦に心躍らせながらアオザメの頭を持つキマイラの猟兵、深島・鮫士（医食闘源・f24778）は転移したら即座に水中へと潜っていく。
「水中はアオザメのキマイラである俺にとって最も有利なフィールド。ならばこの地の利を活かさない訳には行かないぜ！」
　水中を縦横無尽に動き、敵を一人ずつ引きずり込んで始末していく深島。
　防御は野生の感等を用いて躱していき、敵のオブリビオンの軍勢をまた一人水中に引きずり込んで溺れ死にさせて骸の海へと還していく。

「この要塞は要するにダムみたいなもんだ。ならば使うのはこの技……要塞の外壁に少しでも傷をつけれればヒビが広がっていくこのユーベルコードだ」
　その名は『蟻穴天破（ギケツテンハ）』
　攻撃が命中した対象に小さな穴やヒビ、傷を付与し、レベルm半径内に対象がいる間それらが加速度的に広がっていくユーベルコード……
　もうお分かりだろう、深島の目的が。
「蟻の一穴天下を破る……ってな」
　つまり――『蟻の穴から堤も崩れる』を実行する事、だ。
「要塞を少しでも傷めつけてやろう。異変に気づいたときにはもう手遅れってなことにならなきゃいいねぇ、オブリビオンさんよ」
　そう笑みを深めて笑う深島。
　そういう間にも『赤壁水上要塞』に付与された小さな穴やヒビ、傷は加速度的に広がっていく。
　それが行き着く先は――大決壊、であるのは間違いないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「おお、こんな大きな機械を貸して貰えるとは有り難い……必ず戦果を上げましょう！」
　これが天王寺・あいる（脳筋探偵・f36076）にとって猟兵としての初陣となる。
　クロムキャバリア出身のキャバリアパイロットでない猟兵にとって初陣がキャバリアを運用した戦場というのはややちぐはぐだが、戦場でオブリビオンを蹴散らせれば結果としては問題ない。
「さて水上戦ですか、足元が悪いですが……白虎拳士の修行で、私の身体は「気」を操る術を体得しています‼️」
　シルバーレインの異能者『能力者』がそれぞれの異能体系として確立したジョブ。
　その内の『練り上げられた「気」を籠めた格闘術を操る』力を有する能力者――『白虎拳士』の力をあいるは有しており、「気」をキャバリアに流し込むことで耐久力を強化して接敵。
　双剣の攻撃を気で強化した両肩で受け、反撃を開始していく。
「肉を切らして……骨を断つ！くらえ、『白虎絶命拳』！」
　触れた対象に呼気により練り上げられた「気」を流しこみ、それによる内部破壊ダメージを与えるユーベルコードをオブリビオンに叩き込み――内部から爆散させていくあいる。
「指先から送り出される気を流しこみ、敵機の内部を破壊するのです。邪魔者はツンツンでダウンですよ」
　得意げにコックピット内で胸を張り、すぐさま次のオブリビオンに「気」を纏った拳や指先を叩き込むあいる。
「さあどんどんかかって来なさい！あなた方も……ツンツンしてあげますよ」
　そんなコックピット内にいる彼女の表情は、余裕綽綽のものであったに違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「見えてきた……アレが赤壁だね？」
　確認の為キャバリアのコックピットからグリモア猟兵に向けて通信を飛ばすニクロム・チタノ（反抗者・f32208）は、自身のキャバリア『ニクロムキャバリア』の重力操作をもって河川の水面上を浮遊している。
「ボクのニクロムキャバリアは重力操作で空中に浮かぶこともできるのさ」
　そう得意げに独り言ちると同時、要塞からオブリビオン水軍が出撃していく。
　謎の飛翔する『金属の人形』……それはかの『哪吒太子』と根本を同じくする者では？
　という本能的な疑問がオブリビオン水軍には浮かんでいたが、其れはニクロムの知る所ではない。
「まずは重力波で遠距離攻撃からだね、相手は近接武装迂闊に近付いたら切り裂かれちゃうから」
　重力波を放ち、水軍を蹂躙しようと試みるニクロム。
　すると彼女の視界には自慢の双剣で重力波を切り裂いているオブリビオンの姿が確認できる。
「成程、確かに……敵を前に避けてムダに隙を作るよりも、この場合は切り伏せてしまった方が早い」
　だが、何事にも例外はある。
「ボクの重力波は破壊じゃない、重力による行動阻害なんだ！」
　つまり触れた時点で……『水上戦』という観点からすればここで『詰み』であったのだ。
「動けないところ悪いけど容赦なく攻撃させてもらうよ、先に戦争を仕掛けたのはアナタ達だからね！」
　そう言ってニクロムは重力波を叩き込み、オブリビオンを川に沈めていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「……僕は……空から行く……」
　空から強襲し敵拠点である『赤壁水上要塞』を抑えるのを目的としてユリィ・ミディット（銀色の月・f30122）は空から全体を俯瞰。
　防御や攻撃の要となっている人の往来が激しい所を見極め、電磁ライフルを撃ち込んでいく。
「拠点の中にも要所が所々にある筈」
　そう言ってキャバリアの背部に取付けた専用装備『全方位HL』を要所を破壊するのに使用するユリィ。
　全方位に向けて発射されるホーミングレーザーが、『赤壁水上要塞』の要所を各個破壊していく。
　無論の事そのまま要塞の破壊を見過ごすオブリビオン達ではない。
　出撃したオブリビオン水軍は双剣の攻撃回数を9回に増やし、巧みな剣捌きで真空波をユリィに向けて放っていく。
「『オーバーブースト・マキシマイザー』」
　だからこそユリィが取ったのは高速移動が可能となるユーベルコードの起動。
　マッハ8から9に至る速度で真空波を回避し、その飛翔速度を活かして更にホーミングレーザーを要塞に向けて放っていく。
「ここを制圧したら……次の要所を」
　やがて制圧破壊が完了したのを見計らい、次の要塞の要所を探して飛翔していくユリィ。
「味方は死んじゃだめ……守りながら戦うのが……今回の僕の仕事」
　機体を盾に味方を守りながら、クロムキャバリアを駆ってユリィはホーミングレーザーを放ち要塞の要所を制圧していく――

「さて、もうそろそろ要塞も破壊できそうだが……ここはおれ達が止めを刺すか！」
　自身の機神(キャバリア)である三界神機『ヘカテイア』に乗りこみ、赤壁の戦いの戦場へと推参したのはテラ・ウィンディア（炎玉の竜騎士・f04499）。
　重力操作の権能を持つスーパーロボットに乗りこみ、ガンドライドとドリルビット展開してオブリビオン水軍を薙ぎ払っていく。
「ちょいと酷い気がするが……お前達がしようとしてる事が酷い事だから今こそ粉砕してやる！」
『ブラックホールキャノン、発射準備開始』
　それはヘカテイアという重力を操作する機神の権能を最大限に引き出して具現化するユーベルコード。
『グラビティリアクター、フルドライブ』
　高速飛翔と同時にヘカテイアに搭載された魔術動力炉が炉心融解(メルトダウン)寸前まで臨界状態に入り、やがてテラとの魔力リンクにより安定した状態に入る。
「最後に一つ言っておくぞ。『不味い料理と悪は成功しない』ってのは重力と同じくらいどこの世界でも当たり前な出来事だ」
『つまりは理です』
　瞬間、ヘカテイアから超連続攻撃からのマイクロブラックホール砲が放たれる。
「骸の海に帰って、その事をちゃんと噛みしめるんだぞ」
　コックピット内で胸を張りながら鼻を鳴らすテラ。
　その視線の先には、マイクロブラックホール砲によって崩壊した『赤壁水上要塞』の残骸が存在していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年01月06日