もふもふの夢・ふたたび
●
ゴーストタウン。
銀の雨が降る世界においては、日常や常識が及ばない場所を指し示す。
ここ、とある都市の中にある放棄された工事現場もそのひとつ。
この工事現場では謎の事故が多発。工事開始前の地鎮祭はもちろんのこと、事故が起こってからもお祓いをしていたのだが全く収まる気配はなく。マンションの基礎から2階程度まで建築したところで建築プロジェクトは中断されてしまった。その後の撤去もまたもや事故でままならぬ状態から、現場は完全に放置され。
廃墟と化したこの場がゴーストタウン化したというわけだ。
今や、この地は都市の中に在るにもかかわらず、一般人は無意識に避けてしまい、感知できる能力者たちは弱体化の影響で調査が行えない。
残留思念が渦巻く工事現場の建屋の中で。
「もきゅ。もきゅきゅ? きゅぴ……もきゅー」
白いもこもこが所狭しと詰め込まれていたのである。
●
「年末の忙しい時にすみません」
グリモア猟兵の文月・悠(緋月・f35458)
「ちょっとモラを捕獲というか助けてあげて欲しいんです」
モラ。モーラットの略称というか愛称というか。そんな感じで通っている名前である。
「ご存じの通り、世界結界がオブリビオン化した後、使役ゴーストや来訪者は本来の力を取り戻しつつあるわけですが」
モーラットも例に漏れず、人の言葉は話せるようになっている。
「とはいえ、全員が全員そうかと言われるとそうでもなくてですね」
モーラットの中でも以前と同じく、いまだ『もきゅ』とか話せない者もいるわけでして。
「そんな力の弱いモラがとあるゴーストタウンの中に詰め込まれ……じゃなかった、軟禁されているみたいなんですよね」
なお、いっぱい。
犯人はグリモアの予知に依ると『リリス化オブリビオン』だという。
「かつてのリリスとは違い、彼女の目的は『欲望のままに他者を支配したい』という一点に尽きます」
問題はその『支配』がどういうものか、ということになる。
「彼女――『白蛇女郎』はダメになった人間を支配する、という欲望を持っています」
――なんて?
「『人をダメにするソファ』って聞いたことありません? あれをモラで再現しようとしているんです」
そのためにはたくさんのモーラットが必要だ。しかも種族として意志があるモーラットではなく、捕まえたらなんとなくもふもふされてくれるような、力も弱く、たまにパチパチっと花火が出ても火傷しない程度じゃないと。
「そういうモラを見繕って、ゴーストタウンの中に隠しているみたいなんですよねー」
そして十分な数が揃ったら、自分が人間に偽装して通っている高校にモーラットの群れを放ち、そのもふもふで生徒を完全にダメにしたところで学校の支配者となるのが野望らしい。
「ちなみに彼女自身も『モラをもふり倒したい』と常日頃から思っています」
もふもふが彼女の欲望です。
「まぁ、もふもふだけなら微笑ましいんですけどねー」
学校を支配した後、白蛇女郎は生徒たちを信者化する。その後、力を得るための邪悪な儀式『サバト』に信者を放り込めば白蛇女郎の計画は成立する。
「そうなる前に、白蛇女郎を倒さなければなりません」
猟兵の皆にお願いしたいのはこの『白蛇女郎』の撃破である。
●
白蛇女郎を倒す前にモーラットを解放してほしい。
「問題は白蛇女郎がいないとモラの軟禁場所へ辿り着けないことでして」
そのため、一時的に白蛇女郎に取り入って欲しい。
「接触場所は高校内で大丈夫です」
白蛇女郎も今は『白川・サナエ』という名前のJKに偽装している。
「微妙に威圧というか、力を垂れ流しているみたいで現時点で『孤高の美少女』というポジションです」
まぁ一般人だと本能的にビビってしまって近寄れない。そこで近づいて来た=力を跳ね返す=能力者という特定を行って手下に取り込んでいるというわけだ。
「アプローチは嘘とか演技で大丈夫ですよ。チョロいんで」
ユーベルコードの力をちらつかせつつ、『あなたの信者になりたい』とか『あなたを支えたい』的なことを言ってもらえたらあっさり手下に迎え入れてくれる。
「そうしたら、『モラを捕まえて来い』と言われるので指定された場所へ行ってモラを捕まえてください」
もきゅっと。捕まえる方法は指定されていない。が、手荒な手段に出る必要はないだろう。能力者や猟兵だと仲間だと思って寄ってくるし。
「モラを捕まえると、サナエが工事現場の軟禁場所まで案内してくれます」
モラを抱えたまま(もふもふはしていい)、サナエについていき、軟禁場所まで辿り着いたら行動開始だ。
「まずは軟禁場所を破壊、ないしは逃げるための穴を開けてモラを逃がしてあげてくださいね」
もきゅきゅっとモーラットたちが外に出ていこうとすると、サナエがキレて白蛇女郎の姿を現わす。
「そこで白蛇女郎を倒せば、お仕事完了です」
その際、気を付けるといい事項がある。
「さっきも言いましたが彼女の欲望は『もふもふすること』です」
そしてリリス化によって通常状態より強化されている代わりに、自己の生存より『欲望』を優先してしまう傾向がある。それはたとえ猟兵に止めを刺せる状態でも、『欲望』を満たせそうならそちらを優先する。
「つまり『もふもふ』した生き物を抱きかかえている限り、攻撃されないってことですね」
この性質は利用できそうだ。ちなみに抱きかかえていると言ったが、自身がもふもふでも問題ない。
「ちょっと変な依頼ですけど、皆さんなら大丈夫だと思いますので。よろしくお願いしますね」
そう言って悠は絵本型のグリモアを開く。
そこから放たれる光とともに、猟兵たちはシルバーレインの世界へ転送されたのであった。
るちる
まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
シルバーレイン依頼2本目いきまーす。早速モラでした。シリアスっぽい流れのOPですが、コメディですのでご注意ください。ネタや白蛇女郎にもふられる人を大歓迎します。
●全体
3章構成の通常シナリオです。
1章でモラ捕獲。2章で軟禁場所の破壊(モラを逃がす)、3章で白蛇女郎を倒す、という流れになります。
リプレイの雰囲気はいつもながらにプレイング準拠。何も指定無ければコメディ寄りになると思います。もきゅ。
禁止事項は一般人に怪我をさせるような行動です。
●1章
日常『野良モーラットを捕獲しよう』
シナリオの流れとしては『サナエの手下になる』→『モラを捕獲する』ですが、プレには『モラを捕獲する』シーンのプレのみでオッケーです。野良モラがいる場所については、1章開始前説明でご案内します。
また、手下になった時のやり取りや話しかけたセリフなどが書いてある時はリプレイに反映するようにしますが、本章の目的は『モラの捕獲』ですので手下についてはそんなに拘らなくても大丈夫です。
●2章
冒険『工事現場に潜むもの』
シナリオの流れとしては『サナエにモラの軟禁場所まで案内させる』→『軟禁場所を破壊する(モラを逃がす)』ですが、プレには『軟禁場所を破壊する』シーンのプレのみでオッケーです。軟禁場所の説明は2章開始前説明でご案内します。
道中、モラをもふっていたとかプレにあれば、リプレイに反映するようにします。
●3章
ボス戦『白蛇女郎』との戦い。
この頃には軟禁場所がふっ飛んでいる予定なので、壁などはなく、青空(?)の元で戦います。放置された工事現場が戦闘場所になります。建てかけのマンションや重機なども放置されっぱなしなので上手く利用するといいかも?
白蛇女郎の欲望は『もふもふ』。モラをはじめ、もふもふしている生物を抱えながら戦うと戦闘を有利に運べます。猫とか犬とか。
もふもふの定義は『毛が生えていること』とします。
●
各章ともにプレ受付開始前に状況や補足などをアップします。参考にしてください。
採用人数は決めていないのですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも? プレ受付開始や状況なども含めて、タグでお知らせしますのでご参考に。
それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす!
第1章 日常
『野良モーラットを捕獲しよう』
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POW : 体力勝負!遊び倒して疲れたところを捕まえるぜ!
SPD : よーし、鬼ごっこだ。
WIZ : おやつで釣りましょう。あえて目を離せば盗み食いにくるはずです。
イラスト:RAW
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●冬休みの校舎の中で
さすがに授業の無い校舎は閑散……としてなかった。
どういうわけか、今日は登校日に設定されていたのだ。これは既に教師陣が白川・サナエの手に落ちていることを示している。
そして彼女の手に落ちている箇所がもう一つ。
オカルト研究会の部室であった。
既に部員たちは信者と化している。一般人であるため、モーラット狩りに赴くわけでもなく、サナエの周辺を護衛(っぽいこと)しているようだ。
「フフ、貴方たちの言葉が真かどうか試しましょう」
猟兵たちの、サナエに対する言葉――仮初の取り入りの言葉に気を良くしたサナエは笑みを浮かべて、こう告げる。
「今から言う場所に赴き、白いもこもこした生き物を捕獲してきなさい。それを私に献上するのです」
きっと内心は『嘘かどうかもわかって、力も計れて、もふもふも手に入る一石三鳥の策』とか思っているだろうが、演技されたら終わりという点は気付いていないらしい。
さておき。
示された場所は3つ。
ひとつ、校舎の裏手にある山の中。
ひとつ、街の外れを走る大きな清流の河原にある草むら。
ひとつ、人が普段入っていかないような狭い路地。
「出会えるかどうかも運。捕獲して献上出来た時に貴方たちを認めましょう」
そう言うサナエに部室から追い出された猟兵たち。
というわけで、さっくり捕まえてきていただきたい。
※シナリオ補足※
サナエはあんなこと言っていますが、3つの箇所のどこに行ってもモラに会えます。
能力者(および猟兵)たちを見ると、『遊んでくれそう』という理由で皆さんに気づきます。
近寄ってくる子(POW)と適度な距離感を保ってじりじり逃げる子(SPD)と警戒心が高くて隠れたままの子(WIZ・ただし見切れていて居るのはわかる)がいます。
得意な場所と分野でさくっと捕まえてください。
ぱちぱちっと火花を出しますが、静電気くらいの痛みしかありません。
ご安心ください。
捕まえた後は存分にもふってオッケーです(さむずあっぷ)
コットン・プーカ
む、む、いっぱいの同胞が捕まっていると聞いて参戦、です!
わたしはかしこいモーラットですが、ギリギリ単語がお話できるくらいの自我に見せかけてサナエさんに取り入りましょう。自主的にもふもふされたがっているモーラットを演じちゃうのです!
もふもふ、いっぱい、する?いっぱい、もふもふ、いっしょ……だと、もふもふ、してくれる?
捕獲の方ですが、この身はモーラットですからほかの同胞からの警戒心も薄いはず。草むらに行って沢山のお菓子を山と積み、もきゅもきゅお菓子パーティーを開催します!
それから釣れた同胞とおててを繋いで、いっしょにお菓子をたべつつ戻ってゆけたら理想の形ですね。
●コットンとサナエ
「もきゅ……」
「…………」
目の前にいるコットン・プーカ(雨降り渡り鳥・f35319)を白川・サナエは天を仰ぎつつ手で顔を隠す仕草であった。
決してコットンが何者かを看破した結果ではない。苦悩しているのだ、目の前のご馳走(もふもふ)に飛びつくか否かを。それほどまでに、サナエにとってもふもふは欲望の対象であった。
あ、耐えた。
一応、校内での振る舞いとか立場とかもありますしね。たぶん、軟禁場所に連れ込んだ後でまとめてもふればいい、という結論に達したと思われる。
「もふもふ、いっぱい、する? いっぱい、もふもふ、いっしょ……だと、もふもふ、してくれる?」
「……ごふっ」
「『サナエ様ー?!』」
コットンの言葉にもふもふ欲の限界を越えようとしたサナエが吐血したのでした。
●その少し前
「む、む、いっぱいの同胞が捕まっていると聞いて」
サナエが通うYG高校のすぐそばに転送されてきたコットンは、小さな手をきゅっと握りしめていた。モーラットの危機と聞いてはじっとしているわけにはいかない。そんな気持ちで『参戦、です!』なコットンだが。
しかし、彼女もモーラットである。
(わたしはかしこいモーラットですが……)
今の世の中、コットンみたいな言葉も話せるモラが主流なのだが、今回はそれがマイナスに働くらしい。
ならば、と考えた結果は。
「自主的にもふもふされたがっているモーラットを演じちゃうのです!」
ギリギリ単語レベルのお話ができるくらいの自我……と見せかける。これでサナエに取り入る作戦はご覧の通りである。
あやうくサナエを籠絡しかけたコットンだったが、無事にモラ捕獲へ送り出されることに成功しました、よかった。
●そんなわけで
河原に向かったコットン。
雨は降ってないけれど、トレードマークの葉っぱの傘がちょこんと草むらのど真ん中に居た。単に目印である。
(わたしはモーラットですから、ほかの同胞からの警戒心も薄いはず)
なので、もきゅもきゅとぶら下げてきた(モーラットはふわふわ浮かぶことができる!)ナップサックの中から沢山のお菓子を山と積んでいく。
周りに誰もいない(サナエ勢力のことです)ことをきょろきょろっと確認して。
「もきゅもきゅお菓子パーティーを開催します!」
コットンの宣言である。
クッキーにー、チョコレートにー、ポテチは外せないよね。あ、ジュースもあるよ。
もきゅもきゅ(お菓子を食べる様子)
まずコットンから始めよ。積み上げたお菓子の山から取り出したクッキーを食べ始めるコットン、可愛い。
そんな様子でモーラットが無防備でお菓子を食べているのだ。隠れているほかのモーラットが気にならないわけがない。それにコットンからは不思議な力(猟兵ぱわー)を感じるし。
もきゅもきゅ。もきゅきゅ。きゅぴー。
コットンの周りに沢山のモーラットが現れる。野良モーラットだ。
「……」
「『……』」
モーラット特有(?)のアイコンタクトがかわされ。
「『もきゅー♪』」
野良モーラットたちがお菓子の山に突撃した! あ、崩れた。
お菓子の雪崩に巻き込まれて押し流されていく野良モーラットたち。
「『もきゅ~』」
とっても幸せそうにもきゅもきゅ食べ始める野良モーラットたちでした。
そんなわけで。
「それでは、いっしょに戻ります!」
「『もきゅー』」
捕獲に成功(釣ったともいう)した野良モーラットたちとおててを繋いで帰還の路につくコットン。ちなみにまだお菓子はいっぱいある。そしてまだもきゅって(食べて)る。
道中で誰か(一般人)に見つかるともふもふされてしまって大変なので、ちょっと遠回りをしたけれども。
その分、沢山、お菓子を食べることができたので、むしろ理想的だったかも?
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※連携、アドリブ歓迎
「モーラットか」
直接目にするのは初めてだったりする。
「どうしたものか」
河原にて、持参したボールをついたり高く投げてキャッチしたりなど遊んでいるように見せながら待機。
興味を引かれて近づいてきたモーラットが居たらそちらに向かってボールをパス。
そのまま一緒に遊んで、しばらくそのまま様子見。
「……さて」
仕事とはいえ言葉の通じる無害な存在を無闇に『捕獲』したくはない。
ある程度遊んだら切り上げてこちらの事情を出来るだけ丁寧に説明し『助力』を請う。
「あなたの仲間が悪党に捕まっています。それどころか捕まえたモーラット達を使って更なる悪事(?)を企んでいます」
「どうか、力を貸してください」
●
白川・サナエが通うYG高校を経由して、上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)はモーラットが出現するという河原まで足を運んでいた。
「モーラットか」
事の次第とその作戦は理解している。しかし、だ。
「どうしたものか」
思わずそんな言葉が口をついて出てしまう修介。モーラットを直接目にするのも初めてだったりするし。実際どうやって対処したものかと思ってしまうのは致し方ないことだと思います。
とりあえず、白いもこもこがモーラットというのはわかっている。
まずは視認するところからだろうか?
「ふむ……」
好奇心が旺盛と聞いたので、持参したボールをついたり高く投げてキャッチしたり。遊んでいるように見せかけてモーラットを誘い出そうとする修介。
「……もきゅ?」
小さく鳴く声が聞こえる。修介がそちらの方向へゆっくりと振り向くと、草むらの中から修介を見上げている白いもこもこ――モーラットがいた。
「もきゅ?」
もう一度首を傾げるようにして鳴くモーラット。警戒しているというよりは、修介が何をしているのか探っているようだ。
「……」
無言でそっと。モーラットに向かってボールをパスする修介。
「もきゅー♪」
飛んできたボールに大喜びで飛びつくモーラット。ちなみにボールと一緒くらいの大きさなので、一緒にごろごろ転がっていく。とっても楽しそうである。
「もきゅっ!」
ごろごろごろーっと転がった先で、今度はモーラットが投げ返してくる。どっちかというとバスケのスローイングのような動きだがそれはさておき。
飛んできたボールをキャッチした修介はもう一度ボールを投げ返して。
「もきゅー♪」
ごろごろごろー。なんか気に入ったみたいです?
そんな感じでモーラットと遊んでいた修介。
「……さて」
そろそろ本題を切り出すべきだろうか。モーラットも満足したのか、修介の足元までちょこちょこと歩いてきたことだし。
「もきゅ」
と見上げてくるモーラットに対して、修介は片膝をついて視線を落とす。
(仕事とはいえ言葉の通じる無害な存在を無闇に『捕獲』したくはない)
ならばどうするか、と考えた結果。
修介は『助力』を請うことにしたのだ。こちらの事情を出来るだけ丁寧に説明してモーラットの意志で以て助けてもらう。
じっとモーラットを覗き込むとモーラットも修介の言葉を待っているようでちょこんと座り込んでいる。
「あなたの仲間が悪党に捕まっています」
「もきゅ?!」
「それどころか捕まえたモーラット達を使って更なる悪事(?)を企んでいます」
「もきゅ……」
悪事の辺りがちょっと疑問形になっているのが修介の性格をよく表していると思うのだが、それはさておき。
「どうか、力を貸してください」
「もきゅ!!」
修介の申し出に対して、モーラットはしゅたっと手(?)をあげる。そして修介の腕の中に飛び込んでくるモーラット。
「もきゅ」
『一緒に行くよ』と言っているようなモーラットの仕草に。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
修介はお礼を言いつつ、モーラットを抱えて立ち上がるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
桐嶋・水之江
モーラットのソファね
お肉はまぁまぁだったけれど毛皮も上等なのね
これは新しいシノギの匂いがするわ
白蛇女郎だったかしら?
そんなのにくれてやるなんて勿体ない
モーラットの毛皮は全部私のものよ
モーラットはギャルが好きらしいから(当社調べ)ギャルっぽい見た目で行くわ
今の私はギャル乃江さんよ
歳?36だけれど何か?
さーて私のモーラットはどこかしら?
出てこないとここら一帯にハイパーメガビーム砲撃ち込んじゃうわよーっていたいた
結構素早いわね
しかも触ると放電するのよね?まるで黄色い電気ネズミね
私が怪我したら世界の損失だから水之江式回収術で安全に確保するわ
抵抗したら…わかるわよね?
この調子で絶滅するまで捕まえるわよ
黒木・摩那
サナエ様はよい趣味をされてます!
モラでソファを作るとか、そんな悪魔的発想はさすがはリリスです。
オブリビオンで無ければ、一緒にもふ同志として共闘もできたでしょうが、それは叶わない願いです。
今は捕まったモラを救出するため、モラを捕まえて案内させましょう。
野良モーラットは一本釣りで捕まえます。
見通しがいい草むらで、スマートグラスのセンサーを使ってモラを探し出します。
居場所の見当がついたら、一口サイズのあんぱんを釣り竿の先につけて、キャスト。
一気に釣り上げます。
ここから入れ食いですよ。
●モーラットのソファは実現するか?
「モーラットのソファね」
「モーラットのソファですね」
白川・サナエがいるオカルト研究会の部室を前にして、桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)と黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の意見は一致した。なんで? いや、ほんとになんで??
「サナエ様はよい趣味をされてます! モラでソファを作るとか、そんな悪魔的発想はさすがはリリスです」
「お肉はまぁまぁだったけれど毛皮も上等なのね。これは新しいシノギの匂いがするわ」
そして意外にも乗っかり気味であった。
というか、水之江の言葉が不穏すぎる。肉ってなに、肉って。後、言葉のチョイス。摩那さんにしてもよい趣味ってどういうことなの。
だが二人の会話(?)を理解できる者は今、この廊下にはいない。なんか近寄りがたい雰囲気があるかもしれないが、決してJK姿の水之江ことギャル江さんのせいではない。
「何か?」
「いえ、私ではないです」
何故か唐突に圧を出し始めたギャル江さん(36歳)に対して、摩那さん(18歳)が『違う違う』と手を振る。妙な視線を感じたようだがそれは全く別の人からです。
ちな、モーラットはギャルが好きらしーよー(桐嶋技研調べ)ってことでギャルっぽい見た目をチョイスしたって。
それはさておき、JK(見た目と年齢)二人組は部室のドアをノックする。
(オブリビオンで無ければ、一緒にもふ同志として共闘もできたでしょうが、それは叶わない願いです)
(白蛇女郎だったかしら? そんなのにくれてやるなんて勿体ない。モーラットの毛皮は全部私のものよ)
この辺から微妙に方針が食い違っているのだが、白蛇女郎とは相容れないという点では一緒だった。
そして二人とも狙いは河原だという……もしかして仲良しさんですか?
●河原で一本釣りです!
さすがに『一緒に捕まえよう』とまではいかなかったらしい。まぁやり方も違いますしね。
そんなわけで河原の左(河口を背にして)を受け持った摩那。
「今は捕まったモラを救出するため、モラを捕まえて案内させましょう」
モラソファとかサナエの趣味とかとりあえず横に置いて。
すちゃっと摩那が釣竿を構える。これはまさか……?
「野良モーラットは一本釣りで捕まえます」
まさかの釣り上げ作戦だった。
河原に対して土手の上から望み。摩那はスマートグラス『ガリレオ』をオンにする。直後、眼鏡のレンズに投影されるデータはガリレオのセンサーでこの河原を走査した結果である。
「お……いましたね」
ガリレオが指し示す地点へ視線を向けると、そこでがさごそ白い毛玉が動いている。
「それでは……えいっ」
釣り針の先にはひと口サイズのあんぱん。それを華麗にキャストする摩那。
ひゅーん、と釣り針がモーラットの近くまで飛んでいき、草むらの上に柔らかい音を立てて着地する。
「……もきゅ!」
あむっ。この子、躊躇いも無く飛びついたぞ?
(今です!)
そしてあんぱんにモーラットがかぶりついた瞬間、摩那が釣竿を鋭く一気に釣り上げる。ぽーん、と白いふわふわが空を舞って摩那の足元にぽふっと着地。
「……もきゅ?」
ちょっとびっくりした表情のモーラットが摩那を見上げるが、摩那が猟兵であることに気づいたようだ。
「きゅぴー♪」
安心してくわえていたあんぱんを食べ始めるモーラット。
「もう少し大人しくしていてくださいね」
残ったあんぱんを与えて、摩那が次のモーラットに狙いをつける。どうやらこの河原にはたっくさんのモーラットがいるようだ。
「ここから入れ食いですよ」
眼鏡のレンズの奥から瞳を光らせて。摩那のモラフィッシングが唸りをあげるのでした。
●モラが絶滅する前に
「さーて私のモーラットはどこかしら?」
待って。ギャル江さん待って。既に何か計画始まってない?
そんなツッコミを入れる人もおらず、河原の右(河口を背にして)を受け持ったギャル江は遠隔操作で空に【ワダツミ級強襲揚陸艦】『ワダツミ』を呼び出す。
「出てこないとここら一帯にハイパーメガビーム砲撃ち込んじゃうわよー」
「『もきゅきゅー!?』」
「っていたいた」
空からごぅんごぅん音を立てて迫ってくるワダツミとギャル江の言葉に動揺したのか、河原のいたるところからモーラットが飛び出してきた。
なお、こんな派手なことして一般人に対する影響は問題ないのかって話は、世界結界が頑張ってくれるので良しとします。
さて、若干どころか完璧にパニくっているモーラットたちはそこら中を走り回り、自己防衛のためにパチパチっと火花を放っている。むしろ威嚇?
「結構素早いわね。しかも放電。まるで黄色い電○ネズミね?」
まぁサイズも同じくらいですし。見た目の感覚としては一緒なのかもしれない。だが問題はそのパチパチっとした花火だ。静電気程度の痛みとはいえ、ダメージはダメージ。
ゆえにギャル江さんはこうのたまう。
「私が怪我したら世界の損失だから水之江式回収術で安全に確保するわ」
説明しよう! 【水之江式万能回収術】とは!
トラクタービームが命中したモノをワダツミの中に回収する、ワープドライブの無駄づか……もとい、応用である。どうしてこの技術に全力を尽くした?
「『もきゅきゅーーーーっ!?』」
ビームが当たると同時に消えていく仲間に、パニック極まるモーラットたち。全力ダッシュで逃げようとするが。
「抵抗したら…わかるわよね?」
「も……きゅ……」
立ち塞がったギャル江さんの圧に、諦めたようにその場にぽてっと落ちるモーラットたち。そして抵抗なくワダツミの中に回収されていく……それが生きる道だと言わんがばかりに。
なお、絵面は完全にキャトルミューテーションである。
「この調子で絶滅するまで捕まえるわよ」
ドヤ顔でそう告げるギャル江さんを止める人はおらず、河原一帯からモーラットが消えたという。
●そんなわけで
「おや、1匹だけですか?」
どこからか借りてきた荷車に大量のモーラットを乗せた摩那が合流したギャル江に問いかける。何故かというとギャル江が抱えていたモーラットが1匹だけだったからである。
「ええ。後は全部私のモノだから」
「……なるほど」
くいっと空の上を指すギャル江に見上げた摩那が納得する。そこにはこの空域から帰還しようとしているワダツミがいた。え? マジで持ち帰るのモーラット?
摩那としてはこれ以上触れない方が良さそうだなーとか思ったかもしれない。
何はともあれ、サナエからの依頼は達成できたので問題ないと思います。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
菫宮・奏莉
【WIZ】
あなたも『もふりすと』ということでよろしいですね!
なにを隠そう、隠してませんが、わたしも『もふりすと』なのです!
わたしは裏手の山に行きましょう。
モラさんたち、待っていてくださいね。
『もふりすと』の名にかけて、極上の甘やかしともふもふをしますのですよ!
うふふふふ。隠れていてもダメなのですよ。
わたしにはこれがあるのです!
と、モラさん用おやつ、
『モラちゅ~る』を取り出して、高々と掲げるのです!
きましたね!
我慢できずにとびついてきたモラさんをキャッチ……。
は、しましたが、勢いとぱちぱちにびっくりして、
はわわわわーっ!?
モラさんをもふ抱っこしたまま、
ごろんごろんと山道を転がってしまいましたー!
●もふりすとの邂逅
「あなたも『もふりすと』ということでよろしいですね!」
「は、はい?」
YG高校、オカルト研究会の部室に入った瞬間、てってってっと白川・サナエの元まで駆けていった菫宮・奏莉(血まみれもふりすと ときどき勇者・f32133)は開口一番そう言った。サナエの手を握ってぶんぶんしながらである。ちなみに見た目ちびっこだったので護衛の警戒網は突破できた。
「なにを隠そう、隠してませんが、わたしも『もふりすと』なのです!」
「は、はぁ……」
本日2回目のサナエの生返事である。理解できない、というよりは奏莉の勢いに完全に押されている感じである。まさかこんなところで同志(?)が現れるとは思っていなかったらしい。というか、むしろ奏莉の方がもふに執念を燃やしている雰囲気すらある。称号的に全然隠れてないのもポイントだ。いや、『血まみれ』とか不穏な言葉が入っているが、決して相手ではなく、自身のことである。
――これはマズイ、もふもふの対抗勢力的にここで排除しておくべきでは?
そんな危険な考えがサナエの脳裏によぎったその瞬間……!
「わたしは裏手の山に行きましょう。モラさんたち、待っていてくださいね。『もふりすと』の名にかけて、極上の甘やかしともふもふをしますのですよ!」
めっちゃ早口で宣言しつつ、奏莉さん退室です。
「あっ」
奏莉に向けた攻撃がすかっ、となって、なんかハグに失敗したような態勢になっていたサナエでした。
●そんなわけで
全力でモーラットをもふもふしようとしている奏莉さんは裏手の山へ到着。正解です、なにせ河原ではモーラットが絶滅(?)していますからね。
裏手の山は高校の授業にも使われているせいか、全然手入れされていないわけではないが整備されているわけでもない。人が通っているから道になっている、みたいな山道をてくてくとあがっていく奏莉さんはかなり興奮していて、ちょっと怪しい人になっている。
「うふふふふ。隠れていてもダメなのですよ」
誰に言っているのか……もちろんモーラットに対してだよ!
そこで奏莉は秘密兵器を出す!
「わたしにはこれがあるのです!」
てっててー!
奏莉が右手に高々と掲げるのは、必殺のモラさん用おやつ『モラちゅ~る』である!!
「『もきゅ……!!』」
隠れているモーラットさんも思わず声が漏れる次第。というか、奏莉の周辺が異様にがさごそしている……!
(きましたね!)
どこぞのニュータイプのように、きゅぴーんと瞳を光らせながら周囲の気配を探る。どうやら囲まれているようだ。こんなに嬉しい囲まれ方も無い。
「えーと、それでは……あっちから、って、はわわわわーっ!?」
進行方向とは逆、というか、真後ろからモラちゅ~るに飛び掛かってきたモーラットに不意打ちをくらう奏莉。モラさん我慢できなかったらしい。
なんとかキャッチ、というか突撃に耐える奏莉だが。
「はわわーっ?! いっぱいは無理なのですよーーっ!?」
1匹だけだと誰が言った?
奏莉にできた隙へモーラットさんが総突撃である。モラちゅ~る争奪戦ともいう。
「い、いっぱい、あるので、あるのでーーっ!?」
そんな奏莉の叫びもモラの集団に飲み込まれていく。ついでにモラちゅ~るの美味しさに興奮したモーラットがうっかりパチパチっと花火を出すものだから。
「はわわわわーっ!?」
びっくりした奏莉が尻餅をつく……場所が悪かった。山道で傾斜がついているものだから、そのままごろんごろんと転がっていく! 奏莉の体にくっついているモーラットごと!! 一部、奏莉が『このもふはわたしのものです!』ともふ抱っこしていたのは秘密である。
険しい山でもないので、ごろんごろんと転がったものの、特にケガとかは無く。木の葉まみれになった奏莉とモーラット。
「び、びっくりしたのです」
「『もきゅーっ♪』」
「はわわ、にゃー?!」
油断しているところへモーラット。リュックの中に隠しておいたモラちゅ~るを狙ってモーラットが殺到する。傍目から見ていると白いもこもこに奏莉が飲み込まれていっているのだが、本人幸せそうだし、ま、いいか。
一応、捕獲(?)は成功したといえよう!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『工事現場に潜むもの』
|
POW : 障害物を破壊しながら突っ切る
SPD : 最短順路を全速力で駆け抜ける
WIZ : 罠や障害物に注意して慎重に進む
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
そんなわけで、白川・サナエの元へモーラットをお届けした猟兵たち。
「ふっ。貴方たちを認めましょう」
猟兵じゃなくて、抱えているモーラットをじーっと見ながら、サナエが告げる。
取り入ることに成功したようだ。目の前のサナエがよだれ垂らしそうな勢いでモーラット見ているし。
「……んっ。さて、その子たちは私が匿いましょう。ただ、その数をひとりで運ぶのは無理です。手伝いなさい」
そう言って、部室を出たサナエは猟兵とモーラットのみを引き連れて、校外へ出る。
行く先はゴーストタウンと化した工事現場。さらにはサナエだけが知っている秘密の裏口から入っていくようだ。
この裏口がわからなかったので、このような手段を取っているが……わかってしまえばこちらのもの。
どうやら単純な結界とよく似た通路を作ることで堅牢な鍵付きの迷路を形成しているようだ。シンプルであるがゆえに、種がわからないと攻略できないタイプ。
だが今は、サナエがモーラットを格納(?)しようとしてその結界を解いた。
ならば、やることはあと一つ。軟禁場所を破壊することである。
サナエが導いたのは工事現場の中によくあるプレハブ。おそらく工事の際、集合場所・詰所として使っていた場所だろう。
「ここよ」
とサナエが指し示したのは、プレハブの……地下。
本来ありえない構造であるが、ゴーストタウン化したことで地下室が出来ているようだ。
床をえいやってあげると、その地下室に所狭しとモーラットが詰め込まれていた。マジでモーラットの絨毯である。ここに放り込まれたら、人間ダメになること請け合い。
「さぁ。ここにモーラットを放して」
周りを観察している猟兵たちには全然気づいていない様子でサナエがモラの格納を指示する。
「何? 逃げないか心配なの? 大丈夫よ、ここにも結界がある。要はプレハブの外にあるわ。この子たちに結界を破る術はない」
…………ポンコツだなーこのオブリビオン。
やるべきことが判明した猟兵たちは、モーラットを解放すべく動き出すのであった。
※シナリオ補足※
モーラットが敷き詰められている地下室は一般的なコンクリ構造の地下室です。
地下室の上部に見えない結界が蓋のように展開されています。入る時は作用しないけど出る時は弾くってタイプ。ただし、蓋だけなので地下室の壁はただのコンクリです。
壁の外は地面というか土なので、結界の中から脱出路を作るのはちょっと手間がかかります(ドリルとかでトンネル作れるなら余裕です)
地下室の結界の要石は軟禁されているモーラットには絶対届かない位置にあり、彼ら彼女らに結界を壊すことはできない構造になっています。
要石は以下の通り。
・プレハブそのもの
・プレハブの外に置いてあるショベルカー
・少し離れた場所に積み上げたままになっている鉄材の山
いずれか、ないしは全部を破壊すると結界が壊れてモーラットが放流されます。
皆さんにやってもらうのは、『モラの脱出路を作る』か『結界を壊す』になります。POW/SPD/WIZの選択肢は無視して構いません。
上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
なんとなく味方側の方から色々危ない気配がするが今は置いておく。
予め、協力して貰っているモーラットに、こちらで結界を解除するので解除されたら他のモーラット達を先導して欲しいと伝えて、結界の中に入って貰う。
「よろしくお願いします」
白川・サナエにモーラットを渡したら、「今日は別の用事があるのでこれで失礼させて頂きます」と言ってプレハブの外へ。
まず壊すのはショベルカー。
他の猟兵がそれを壊すようであれば自分は別の方を選択。
プレハブは保護対象が生き埋めになる可能性があるので脱出を見届けてから。
要石が一つ破壊されたら、プレハブに引き返し、白川・サナエに奇襲を掛けて注意を引き脱出を手助け。
桐嶋・水之江
あらあらモーラットがこんなに…
狩る手間が省けそうね
えーっと次は要石を壊さなきゃいけないんだったかしら?
やれやれ、物騒な事は苦手なんだけれど仕方ないわね
なるほどなるほど…このショベルカーが要石のひとつになってるみたいね
でもか弱いギャルの私じゃ重機を壊すなんてむりむりむりのかたつむりよ
という訳でワダツミ、メガビーム砲発射用意
え?こんな所で撃って大丈夫なのかって?
ゴーストタウンなんだから平気よ
地下のモーラット?これでダメなら所詮それまでの運命だったという事よ
早いところ壊しちゃいましょう
毛皮が私を待ってるわ
メガビーム砲…発射!
●
白川・サナエの先導のもと、モーラットの軟禁場所というか、地下格納庫(?)というか。そこまで案内された猟兵たち。
「あらあらモーラットがこんなに……狩る手間が省けそうね」
「……」
桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)こと、タピオカを持ちつつ、モーラットを抱えているJK(?)のギャル江さんが物騒なことを言う。それを聞いていた上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は無言を貫いていた。
(なんとなく味方側の方から色々危ない気配がするが今は置いておく)
とか思っていたのは秘密だ。ぶっちゃけた話、修介がいなかったらこの場はカオスに支配されるであろう未来はグリモアがなくても必至である。
「さぁ、ここに放しなさい」
そんなやり取りに全然気づいていないポンコ……こほん、サナエは修介とギャル江に対してモーラットを引き渡しを要求する。
「いやよ。これは私のモノよ」
「……」
ギャル江さんの言葉に、今度はサナエは無言になる番だった。あまりにも潔いというか、なんというか。『え、この展開どうしたらいいの?』な空気になったこの場から救いを求めてサナエが修介の方をチラ見する。
「……」
小さくため息をつきつつ。修介が地下を覗ける位置まで移動する。その最中に小声で腕の中にあるモーラットに話しかける修介。ここに来るまでの間にサナエに気づかれないようにモーラットには事の次第を伝えておいた。『こちらで結界を解除するので解除されたら他のモーラット達を先導して欲しい』ということも。
「よろしくお願いします」
「もきゅ!」
「……?」
傍目から見ると言葉のやり取りが不思議だったのだろう。首を傾げるサナエの前で修介の腕の中からモーラットが地下へぴょーんと飛び降りる。
「それ、渡さないなら外にいる子たちと交代しなさいよ!」
「えー……」
まだいるんですね、外に(他の猟兵のことだよ)。そんなわけで交代するように告げられて不満そうに外に出ていくギャル江。
「今日は別の用事があるのでこれで失礼させて頂きます」
「ええ、ご苦労様」
それに修介が続き。とりあえず、サナエの追求なく、自由の身を手に入れたのである。
ええ、この後、外がえらいことになるなんて……夢にも思っていないサナエでした。
●
他の猟兵と入れ変わりで外に出たギャル江と修介。
「えーっと、次は要石を壊さなきゃいけないんだったかしら?」
「そうですね」
よかった、目的を失っていなかった、と天の声はほっとしております。
さておき、前を歩くギャル江の言葉に頷きと言葉を返す修介。
「やれやれ、物騒な事は苦手なんだけれど仕方ないわね」
ため息をつきながらも、事を成そうとしているのか周辺を見渡すギャル江。そして、側に置いてあったショベルカーに気付く。
「なるほどなるほど……このショベルカーが要石のひとつになってるみたいね」
近づいてぺたぺたと触りながら、状況を確認するギャル江。どうも簡単……というか自然現象では壊れない設計らしい。つまり、外から強引に壊すしかない。
「でもか弱いギャルの私じゃ重機を壊すなんてむりむりむりのかたつむりよ」
「……それなら」
ギャル江の言葉に修介も拳を軽く握る。パッと見、『そういうこと』なら修介の方が得手としているかもしれない。その行動はごく自然なものだった……が。
「という訳でワダツミ、メガビーム砲発射用意」
ごぅんごぅん、と空から聞こえてきた音に、修介は空を見上げ……拳を解いて別の要石の方へ行きました、まる。
そんなわけで再び空から登場のワダツミ級強襲揚陸艦『ワダツミ』である。もはや隠す気はないらしい。
「え? こんな所で撃って大丈夫なのかって? ゴーストタウンなんだから平気よ」
説明ありがとう!! ゴーストタウンだし、超常現象(一般的じゃないこと)は世界結界が誤魔化してくれるから大丈夫だよ!!(世界結界の酷使である)
というわけでワダツミの主砲の砲門に、アニメかっていうくらいエネルギーチャージの光が見える。あの、この一帯滅ぼそうとしてます?? 地下のモーラットごといこうとしています??
「地下のモーラット? これでダメなら所詮それまでの運命だったという事よ」
潔いな!! しかし落ち着いてほしい、ワダツミにはモーラットが積まれている。つまり、ギャル江は既にモーラットを確保済なのだ!! 繁殖とかしてはいけませんよ、マジで。
「早いところ壊しちゃいましょう、毛皮が私を待ってるわ。メガビーム砲……発射!」
ギャル江の命令に、辺り一帯を光が包み、少し遅れてなんかショベルカーを壊す音じゃない衝撃が周辺に響いたのである。
「……」
吹き荒れる爆風とか光とかを背中で受け流し。修介はやはり無言であった。
プレハブに入った時に感じた危険な気配が大当たりだった。しかし、その衝撃や破壊のダメージはゴーストタウンの表層だけでそれ以外――外や地下のモーラットまでは影響が出ていないようだ。やはりここはゴーストタウン。常識は通じないらしい。
とりあえず放っておいて大丈夫だろう。
ならば、修介がやることは。
目の前に積み上がったままになっている鉄材の山を見据える。そして大きく息を吸い込み……同じ速度で息を吐く。その速度を調節しながら、ゆっくりと体中に酸素と力を巡らせる。
――力は溜めず
――息は止めず
――意地は貫く
彼の【拳は手を以て放つに非ず】。常に、そして無意識に行っている『基礎』――呼吸こそが彼の拳を支えるモノ。それを意識的に行い、調息。そして『観』極める。
この鉄材の山も自然には崩れない。外からの強引な衝撃で壊すしかないのなら、それを壊すための一点が必ず『在る』。
「……ッ!!」
小さく息を吸い込みながら、鉄材の山に向けて踏み込み、大地を掴む! 吐く息とともに放たれた修介の拳が、その一点を狙い澄ましたように捉える! 直後、おもちゃの山が崩れるかのように、修介の拳によって要石は崩壊したのである。
●
衝撃、爆風。後に激しい音と何かが崩れる音。
「何事なの!?」
外でいろんなものが崩壊する音を聞いてサナエが慌ててプレハブから飛び出してきた。
まず目に飛び込んできたのは近くにいたギャル江の背中。
「何って……」
モーラット(めちゃくちゃガタブルしている)を抱えながらギャル江が振り向く。そのギャル江の向こう側でショベルカーがこの世から消失していた。あの、壊せって言ったはず……はず……。
「はぁぁぁぁぁ?!」
動揺して叫ぶサナエ……のその隙をついて。影が動く。それは修介であった。一気に間合いを詰めて……奇襲!
(プレハブは保護対象が生き埋めになる可能性がある)
なので壊すのは脱出を見届けてから。その間、サナエを引き付ける。
「くっ……!?」
この異常事態にもはやJKを装っている余裕はなく、サナエもまた修介の攻撃に応じてしまう。修介の作戦通り、そのままプレハブから引き離されるサナエ。
こうして、プレハブからモーラットを解放する流れが出来上がったのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒木・摩那
モラが、モラがいっぱい!!
思わずダイブするところでした。あぶないあぶない。
今はともかく要石を壊していかないといけないですね。
ここはまだ残っている要石を壊します。
要石にUC【胡蝶天翔】を掛けて、黒蝶に変換。
それを煙幕代わりにして、閉じ込められたモーラットたちの脱走を支援します。
コットン・プーカ
アドリブ・連携歓迎
ようし、作戦なんとかうまくいっていそうです!
どうやらわたしの他に同じ任務をおった方々がいるご様子。わたしの力は規模の大きい破壊に向きませんから、此度はサポートに徹しましょう。
サナエさんはよっぽどもふもふに執着なさっておいでですから、執着したもふもふが異常行動をはじめたならば、我々猟兵の破壊行動よりもそちらに目を取られてしまうのでは?
そうと決まれば地下室のモーラットに「なんだか上にたのしいことがありそう!」と呼びかけて、もきゅもきゅ大騒ぎをしてもらいます!
もし既にどこか穴が空いていたら、そこからモラのみんなを避難誘導し始めて騒ぎを大きくしてしまいましょう。
菫宮・奏莉
もうここからでたくないです……埋まっていたいです……。
で、でも、ここはモラさんをあとでもふもふするためにもぐっとがまんですね!
要石……どれを選ぶかとなりますと、ショベルカーが面白そうですね!
わたしはショベルカーを操縦して、ぶつけて壊してしまいましょう。
と、ショベルカーにとてとてと向かっていって、操縦席に……。
乗る前に足を滑らせておっこったりはほんのお茶目ですが、機会はお姉ちゃんの見よう見まね。
なんとかエンジンを吹かしてショベルカーを動かすと、モラ救出に気合いを入れて……。
はぅあ!? 言うこと聞いてくれないのです!?
どうやったらまっすぐ進むのですかー!
プレハブごとどーん、してしまうのでした。
●
衝撃、爆風。後に激しい音と何かが崩れる音。
「何事なの!?」
外でいろんなものが崩壊する音を聞いて白川・サナエが慌ててプレハブから飛び出していく。
「「――」」
その瞬間。黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)と菫宮・奏莉(血まみれもふりすと ときどき勇者・f32133)はアイコンタクトでお互いに何かを訴えかけ。
「わたし、も……!」
コットン・プーカ(雨降り渡り鳥・f35319)はモラプールの中にダイブした。もちろん、同胞たるモーラットを助けるためである。コットンに続いて、一緒に来たモラたちも次々とダイブ。
「はぅ……!」
そして、奏莉もダイブした。ナンデ??
「モラが、モラがいっぱい!!」
そしてそれに続く摩那! ……がどうにかプールの縁で思い留まる。
「思わずダイブするところでした。あぶないあぶない」
本当ですよ、ここで摩那さんまでもふ堕ちしたら誰が事態を収拾するんですか。というか、どうしてダイブしかけてるの。
サナエという抑止力(敵対勢力)がいなくなったことで、この場は一気にもふもふの場と化してしまった。
「いえ、あの、わたしは同胞を助けるために」
わかってますよコットンさん。しかし、コットンさんもふもふなので……。
「もうここからでたくないです……埋まっていたいです……」
「奏莉さん……!?」
コットンをもふもふしている奏莉がもう、ダメになっている。もふの海から浮上する気配が全くない。その様子に、上から見ている摩那も思わず手がわきわきしている。これはマズイ。もふもふ的には正義だが、モーラット救出的には大ピンチである。ナンデ???
(ようし、作戦なんとかうまくいっていそうです!)
とか思っていたコットンはまず奏莉の腕の中(もふもふされている)から脱出するところから始めるのでした。
●
1分くらい後。
「状況を整理しましょう」
「はい」
「はい、なのです……」
モラの絨毯の上に正座している摩那と奏莉の前に、ふわふわ浮いているコットンの図をご想像ください。
「サナエさんは外に行ったまま戻ってきていません」
コットンさんの分析である。
外で他の猟兵が引き付けてくれているのだが、外を見ていない3人にはそこまでわからない。ただ、何かに手こずっているのだろう、とは考えていて、その間に作戦会議と相成ったのである。
「今はともかく要石を壊していかないといけないですね」
脚から伝わってくるもふもふの感覚を堪能しつつ、摩那が提案する。
「な、なのです……!」
摩那の意見に賛同する奏莉。しかし、脚から伝わってくるもふもふに気を取られまくっている……! ……いや!?
(で、でも、ここはモラさんをあとでもふもふするためにもぐっとがまんですね!)
ここで奏莉さん戦線復帰である。
「わたしの力は規模の大きい破壊に向きませんから、此度はサポートに徹しましょう」
コットンがふわふわしながら二人にそう告げて。
同じ任務を負った人たちがこんなにいる。目の前の二人、もふ堕ちしかけてたけども。とりあえず横に置いておこう。
「サナエさんはよっぽどもふもふに執着なさっておいでですから……」
くるり、と周りを見渡すコットン。
もし。ここにいる同胞たちも含めて、サナエの執着たるもふもふが異常行動をはじめたならば……?
「我々猟兵の破壊行動よりもそちらに目を取られてしまうのでは?」
「なるほど」
「その隙に壊すのですね!」
作戦決定。3人が頷きあって、それぞれの行動に移る。
そこへサナエがプレハブの中に戻ってきたのでした。
「くっ、もう何なのよ! 私のもふもふをどうするつもりなのよ!?」
外でよっぽど酷い妨害にあったのだろう、髪を振り乱しながらプレハブの中に戻ってきたサナエは流れるような動きでモラプールの縁まで駆け寄る。
「まだ結界は大丈……えーーーっ!?」
プールの中を覗き込んだサナエが驚愕する。
モーラット が ぷーるのなか で もきゅもきゅ している!!
具体的にはお祭り騒ぎになっていた。3分の1くらいふわふわ浮いているし、あっちこっちにボールみたいにぶつかってぽむぽむ跳ねている。
(大成功です!)
同胞たちと一緒にふわふわ浮きながらコットンはぐっ、と小さな手を握る。同胞たちに『なんだか上にたのしいことがありそう!』と呼びかけて、もきゅもきゅお祭り騒ぎをしてもらったのである! まぁ実際、普通じゃあり得ない衝撃とか爆風とか振動とか伝わってきてますし。
あとついでに横穴が空いていた。
「ちょっと勢い余ったのです!」
とは奏莉さんの談です。壁を勢いよく登ろうとしてうっかり頭突きをかましたのですね。そんなわけでプールの真横にぽっかりと大きな穴が空いている。まぁ外に繋がっては無いのだが、モーラットたちにとっては新しい遊び場所が出来たように感じるみたいで、もきゅもきゅ穴に殺到している。
上から見たら穴から脱出しようとしているようにも見えるだろう。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよーーーっ!!」
プールの縁で叫ぶサナエ。何故飛び込まないかって、飛び込んだが最後、戻ってこれないからさ。
(これは……もっと穴を利用した方がいいのかも?)
そう考えたコットンは、ふわふわ穴の方へ移動。穴の中できゅぴぴっと遊び始める。具体的には狭い場所で壁反射。
「『もきゅー♪』」
楽しそうと思ったモーラットたちがさらに殺到です!
「いやぁぁぁぁぁ?!」
絶叫するサナエ。もう、完全に要石とか猟兵のこととか忘れていると思う。
その間に、穴の反対側から地上に戻った奏莉と摩那が要石破壊のために動く!
サナエの視界を逃れて上に戻った摩那はちょっと真面目な表情を取り戻す。
(まだ残っている要石は……!)
視界内、一番目立つ要石は、このプレハブ!
「わたしは外を見てくるです!」
摩那の視線から標的を見て取った奏莉はてってってっと外へ駆け出していく。
「よろしくお願いします!」
奏莉の背に声をかけながら、摩那は片膝をついて、手のひらを地面に押し付ける。
「天に漂いし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ」
ユーベルコード【胡蝶天翔】!
摩那の周辺からプレハブを構成している木材やら鉄材やらが徐々に黒い蝶の群れに変わっていく!
「……!?」
さすがに視界の中でプレハブが黒い蝶に変われば、サナエもびっくりする。……がその時には遅い! 【胡蝶天翔】には各種センサー、あるいはそれに類する五感を妨害する力がある。
(黒蝶たちを煙幕代わりにすれば、閉じ込められたモーラットたちの脱走を支援できるはずです)
プレハブの破壊とモーラットの脱出支援と。同時に仕掛けた摩那の作戦は。
「何なのよこれー!!」
見事に成功したのである。
そして外に出た奏莉は。
「…………」
絶句していた。というのも、ある一点を中心に色んなものが消滅していたからである。いや、消滅ってどういうことなの。
「えっと……」
もうこれ終わったかな? そう思いながらとてとてとプレハブの裏手に歩いていった奏莉は、そこにあったブルドーザーに気づく。
「……?」
違和感。どうやら要石のバックアップのようだ。ショベルカーが消滅したことで作動したらしい。
「……!」
その時、奏莉の脳裏にきゅぴーんと閃きが舞い降りた。
「わたしはブルドーザーを操縦して、ぶつけて壊してしまいましょう」
いかに重機とは言え、ぶつかった相手の方が硬かったり重かったりすれば壊れる。
自分の閃きを『とっても面白そうですね!』と、ブルドーザーに向かってとてとてと向かっていく奏莉。そして操縦席に……。
「はうっ!?」
つるっ、ごちっ。
乗る前に足を滑らせて落っこちた。奏莉さん、男の娘のお姉ちゃんが飛んできますよ??
まぁそれはほんのお茶目ということで。
「えーっと……」
なんとか乗り込んだ操縦席にちょこんと座りながら、思い出すのは実の姉の挙動。この手のものは姉の方が得意なのでそれを見よう見まねで動かそうとしているのですね。
がしゃこん、がしゃこん、びーっ。スイッチを入れてなんとかエンジンを吹かして。
ブルドーザーが動き出す!
「いくのです!」
モラ救出に気合いを入れた奏莉! ……さんは天性の不幸呼び寄せ体質のドジッ子なんですよ。
「はぅあ!? 言うこと聞いてくれないのです!? どうやったらまっすぐ進むのですかー!」
まっすぐ=ビルの基礎とそこから建っている鉄柱。ここに突っ込めば確実に壊れるよって場所への道筋から、しゅいーんと逸れていくブルドーザー。
「はわわわーっ!?」
そして、摩那の【胡蝶天翔】でもはや風前の灯火となっていたプレハブの、ちょこっと残っていた土台と壁の部分に、見事『どどーん!』とぶつかる。
ばきばきみしみし、へちょべきっ。
「み、みなさーん!! にげてくださーいっ!!」
ぶつかった衝撃で操縦席からぽーんと投げ出された奏莉が空中から叫ぶ。なお、ブルドーザーは衝突の衝撃(要石同士なので見た目より衝突の威力が大きい)で見事に大破して止まっている。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
サナエの大絶叫が響く中、モーラットを捕えていた結界が完全に崩壊する。
「こちらです!」
「早く!」
「『もきゅきゅー!!』」
コットンの先導、摩那の黒蝶による崩壊からの防御の中、避難訓練のごとくモーラットがプールから脱出&屋外退避。
「はわっ!」
空中の奏莉もモーラットがキャッチしてくれた。
こうして、白川・サナエのモーラット計画は見事に崩壊したのでした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『白蛇女郎』
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POW : 白蛇群襲
レベルm半径内に【着物の内側に隠れた、毒牙を持つ無数の白蛇】を放ち、命中した敵から【自由】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD : 毒の接吻
【紅の塗られた唇による接吻】が命中した部位に【状況に応じた白蛇の毒】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
WIZ : 隷属篭絡術
【他者を魅了し隷属する色仕掛け】を籠めた【篭絡術】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【自由意志】のみを攻撃する。
イラスト:ちはなえ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「加賀・依」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
かくして、白川・サナエのモーラット軟禁場所は崩壊した。
いや、まぁ、なんていうか、その。オーバーキルにも程があった。ええ、サナエがモーラットプール(地下室のことだよ)があった場所の前で崩れ落ちて、立ち直れないほどには軟禁場所っていうかゴーストタウンっていうか、この場所は瓦解していた。更地ともいう。
なお、軟禁されていたモーラットたちは全員無事である。猟兵たちの背後に庇われていて、今は皆が持ち込んでいたお菓子とかもきゅっている。空から何かが狙っているかもしれないが、サナエの元とどっちが危険かというと判断に悩むところである。
「……よくも」
ゆらり、とサナエが立ち上がる。……否、その姿はJKの姿ではなく、青い着物に身を包んだオブリビオン『白蛇女郎』であった。
「よくも私のもふもふたちを奪ったわねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ヒスってますねー。
モーラットという彼女のもふもふ欲を満たす存在を奪われ、白蛇女郎は怒りのままにその力を振るわんと猟兵たちと相対する。
「覚悟なさい! お前たちを倒してそのもふもふを奪い返すわ!!」
蛇のような瞳を輝かせて、白蛇女郎が猟兵たちに襲い掛かってきた!
※シナリオ補足※
戦闘場所は前章のぶっ飛んだ攻撃×2の影響で更地になっています。見上げればどこまでも広がる青い空! 視線を戻せばどこまでも見通せる更地! 重機とか鉄材などの資材とか地下室とかは消失(消滅?)しました。
一応建てかけのビルが残っていますが鉄骨組みだけと思ってください。立体的な戦闘を行うならこちらに誘い込むといいでしょう。
怒りに狂っていますが、依然、白蛇女郎の欲望は『もふもふ』のままです。
最初にマスターよりでお話しした通り、モラをはじめ、もふもふしている生物を抱えながら戦うと、白蛇女郎の攻撃の手が鈍ります。具体的にはもふもふには何があっても絶対手を出しません。モーラットを抱えて戦いましょう、あとはわかるな?
もふもふの定義は『毛が生えていること』とします。
※補足2※
プレイング内においては、白蛇女郎のことを指す際に、サナエでも白蛇女郎でも問題ありません。
上野・修介
※連携、アドリブ歓迎
今回は味方側の動きの方を警戒しなければいけない気が……
(後でグリモアさん辺りに通ほ……相談するか)
ともあれ今は目の前の敵に専心する。
調息、脱力、敵を観据える。
「推して参る」
UCは攻撃重視。
モーラット達を背に隠すように拳を構え敵の真正面に立ち、一直線に突貫。と見せて相手の間合いに入る直前で地面を打撃し砂埃を巻き上げ身を隠す。
砂埃が晴れる前に先程持ってきたボールに着ているモッズコートを被せて敵に向かってパス。
「あっ!コートを着たレアモラだ!」
我ながら無理があると思うが(……無理があるよな?)、一瞬でも相手の意識に隙が出来れば良し。
相手の懐に飛び込んで渾身のラッシュを叩き込む。
桐嶋・水之江
ちょっと待った
モーラットレーナー同士なら勝負はモーラットバトルで付けるべきでしょう?
そんなもの知らない?私がそうだと言ったらそうなのよ
あれれー?もしかして負けるのが怖いのー?
はい決まりね
デュエルスタンバイ!
モラチュウ!(抱えてたアレ)君に決めた!
100億ボルトよ!出せない?
じゃあ10億ボルト!これもだめ?
全く情けないわね
体当たりは?出来るわよね?
私が手伝ってあげるから…はい虚ろな雷の弩発動!トレーナーにダイレクトアタック!
勝負有りね
あなたの敗因はただひとつ…モーラットへの愛情が欠けていたからよ
唐揚げにしたり毛皮を剥いだり実験動物にしようとするあなたじゃ、私とモーラットの絆の力に勝てる訳がないわ
●
自身の計画を潰されたからか、あるいはその要たるモーラットたちを奪われたからか。
『白蛇女郎』としての本来の姿を現わした白川・サナエは怒りに燃える瞳を上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)と桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)に向けていた。
事ここに至って、猟兵とオブリビオンの敵対関係を思い出したのかもしれない。なんてポンk……慎重なのか。
だが、この銀の雨の降る世界でオブリビオン化したその実力は本物だ。その瞳に宿る力を怒りから魅了へと変化させて、水之江へ隷属篭絡術による攻撃を仕掛け……。
「ちょっと待った!」
はい、中断されました。
「何よ!」
「モーラットレーナー同士なら勝負はモーラットバトルで付けるべきでしょう?」
「……はい?」
「あれれー? もしかして負けるのが怖いのー?」
「いえ、あの、モーラットトレーナー?」
「はい決まりね。デュエルスタンバイ!」
「話を聞いて?!」
トレーナー の ギャル江 が しょうぶ を しかけてきた!
アレ? これ逆だな?
「……」
目の前には、着物美女とギャルJKがモーラットを挟んで火花を散らしている。ぐるりと周辺を見渡すと更地である。更地にした原因は誰かって言うと、もちろん結界を仕掛けていた白蛇女郎が大本の切欠なのだが、原因は明らかにギャル江であった。
(後でグリモアさん辺りに通ほ……相談するか)
上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は本気のため息を小さくひとつ。どうして今回は味方側の動きをこんなに警戒しなければいけないのか……。
ともあれ今は目の前の敵を倒すことが先決。そのことに専心する修介であった。
●
修介が見守る(?)中、ギャル江と白蛇女郎の戦いが始まる!
「モラチュウ! 君に決めた!」
ギャル江が腕の中に抱えていたモーラットを解き放つ。意外とノリノリで出ていったぞあの子。さっきまでぐったりしていたのに。もしかして……解放されたと思っている??
「100億ボルトよ!」
『もきゅ!?』
ほらー。
ギャル江の無茶な注文に首(?)をぶんぶん横に振りまくるモーラット。
「出せない? じゃあ10億ボルト! えー、これもだめ? 全く情けないわね」
足元でぷるぷる震えているモーラットに対して、本気のため息を大きくはいたギャル江。待って、モーラットそういう生き物じゃないから。あ、いや、最初にそんな話したわ。
「えっと、あの?」
白蛇女郎 は こんわく している!
ちなみに彼女としてはモーラットが目の前でうろちょろしているものだから迂闊に攻撃に出れない。そしてギャル江はモーラットを挟んで向こう側である。完全に手が出ない。
なんなの、この状況。
「体当たりは? 出来るわよね?」
『もきゅ!』
ギャル江の言葉に元気よく手を挙げるモーラット。
「じゃあ私が手伝ってあげるから……」
その言葉に、くるっと白蛇女郎の方を向いたモーラット! ……の足元に何故か形成される電脳魔術で作り出されたリニアカタパルト。射角はもちろん白蛇女郎。弾体は……。
『もきゅー?!』
モーラットです。
やたらと派手で(周囲の)気分を盛り上げるVRグラフィックのカタパルトの上でモーラットがあわあわしている。
「貴女、それでも人間なの!?」
モーラットに対する所業にオブリビオンから非難が飛ぶ。どういうことなのギャル江さん。
「はい【虚ろな雷の弩】発動! トレーナーにダイレクトアタック!」
『もきゅーーー!!』
「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」
楽しそうなギャル江の言葉に続いて、悲痛なモーラットの悲鳴が続き、そして白蛇女郎のダメージ+モーラットへの所業に対する絶叫が続いたのでした。
「……」
修介は瞳を閉じて、意識を自分の体に注力していた。決して目の前の光景を見ていたら、呼吸を調えるどころではないと思ったとかそんなことはない。
『もきゅ?』
そんな修介を心配してか、彼についてきたモーラットが肩の上にちょこん。邪魔にならないように自重の全ては自分で浮いているので修介に負荷は無く。
修介を気遣う様子のモーラットの頭をひとなでして、修介は改めて、自身の体に『話しかける』。
(――力は溜めず――息は止めず)
そして――意地は貫く。
体から力を抜き、呼吸を繰り返し、体の芯に意地を据える。調息――それは自身の体を把握することでもある。
息を調え、瞳を開けば。(ここまでの経緯は気にすると負けなのでスルーして)完全に体勢を崩している白蛇女郎がいる。敵を『観』据える。
「推して参る」
拳を握り、地を蹴る修介。されど【拳は手を以て放つに非ず】。基礎こそが全てを支えるモノであり、最後に頼るモノである。その基礎――呼吸をを意識的に行うことによって、身体機能を強化した修介が白蛇女郎に迫る。
「……くっ!?」
白蛇女郎もどうにかシリアスを取り戻した。接近する修介に対して毒牙を持つ無数の白蛇を放つが。モーラットが肩に乗っているせいか、少し精度が甘い。その躊躇いを見逃す修介ではない。
「……ッ」
鋭い吐息とともに修介が地面を打撃して砂埃を巻き上げる。
「なっ!?」
完全に姿が隠れてしまった修介に対して、白蛇女郎が攻撃の手を止める。無数の白蛇は攻撃であると同時に自身の守りだ。迂闊に手放すわけにはいかない。
その時、砂埃の中から何か……モーラットサイズの何かが飛び出してくる。
「あっ! コートを着たレアモラだ!」
「なんですって!?」
明らかな罠……なんだけど、修介の声に対して全力で反応する白蛇女郎。
コレ、実は修介が持ってきたボールに、彼が着ているモッズコートを被せて、白蛇女郎に向かってパスしたものである。
「あれかしら!? モーラットヒーローのさらに進化系かしら!?」
説明しよう!
この世界の昔にはマントを着た『モーラットヒーロー』というカッコいいモーラットがいたのだ!
『我ながら無理があると思うが』とか思っていた修介さん。全然無理筋じゃない、というかむしろ可能性がある方向性です。
とにかく。修介の思惑通り、白蛇女郎の意識に隙が出来た。
「……もらうぞ」
「……?!」
瞬く間に白蛇女郎の懐へ踏み込んだ修介。その動きに反応できる態勢は白蛇女郎に無い。無防備な白蛇女郎の体に、修介の渾身のラッシュが叩き込まれる!!
「ぐぁっ……?!」
拳の全発をまともにくらって弾き飛ばされた白蛇女郎が地面に叩きつけられ、そのまま滑っていく。
「勝負有りね」
そこへ、ザッ、と足元から音を立てつつ、髪をかき上げるギャル江が現れた。
「あなたの敗因はただひとつ……モーラットへの愛情が欠けていたからよ」
「『……』」
あの、妙な沈黙が支配してるんですが? 押し黙る修介と白蛇女郎。
「唐揚げにしたり毛皮を剥いだり実験動物にしようとするあなたじゃ、私とモーラットの絆の力に勝てる訳がないわ」
『もきゅ……』
何とも言えない顔をするモーラットさんも追加です。
あ、『今のところ』、モーラットは全員無事です。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
コットン・プーカ
アドリブ・連携歓迎
誘導した同胞たちの中からもふっと「不意打ち」気味に、サナエさんに一直線に飛びかかります!このとき、もし案外勇敢な同胞が一緒に飛び出して来たなら一緒に突撃します。
そのままサナエさんのおでこに体当たりしてからもふっと抱きつき、ふわふわの体でぐりぐりしながら……騙し討ちのようで多少気は引けますが、モラスパークです!
もふもふが!ほんとにお好きというのなら!もっと大事にわたしたち(モーラット)を扱ってくださいな!
もふもふが自分に一直線に向かってくるという状況にサナエさんならきっと目を取られるはず。更地で目立ちすぎて辿り着けなくとも、最低限注目を集められるはずです。決着、つけましょう!
菫宮・奏莉
もふはみんなの宝物、ひとりじめとか、
もふりすとの風上にも置けない行いなのですよ。
そんなことを考えちゃう人には、
もふりすとを代表して、わたしがお仕置きしちゃうのです!
それに!
毛皮だって、あのあったか体温があってこそのものなのですよ!
びしっとポーズを決めて言いながら、
側にいたモラさんをぎゅむむーっと抱っこ。
そのまま抱きかかえるだけで、あったかあったかなので……すぅ。
ね、寝てないですよ!
ちょっと意識がもふになっただけなのです!
ぱんぱん、とほっぺを叩いて目を覚ましたら、
わるいことを考えてる人を【禁足結界】で足止め。
手がギリギリ届かないところにモラさんを並べるのです。
反省するまでおあずけなのですよー!
黒木・摩那
モラを解放できたのはいいとして。
サナエの悲しみ度を見ると、なんだか随分と悪いことをしたような気分です。
自分のお楽しみコレクションが一気に無くなったら悲しいし、それが故意ならば怒り心頭です。
もふもふが尊いのは一緒ですが、そこはオブリビオンと猟兵。
相容れないんですよね。
ここはその尊さを利用させてもらいます。
近くのモラを捕まえて、身にまといます。
もふもふもふもふもふ。
これで防御はOK。
魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
UC【飛天流星】で一気に勝負をかけます。
【先制攻撃】踏み込み、一閃。最後に剣で【なぎ払い】ます。
●
その身にどこまでも燻り続ける『もふもふ』への欲望。それを具現化する計画を妨害された白川・サナエ――『白蛇女郎』は猟兵たちに攻撃を仕掛け……色々あって吹っ飛ばされていた。地面に叩きつけられる白蛇女郎。
「くっ……私が、この私が!!」
だが彼女の怒りはまだ収まらない。立ち上がる白蛇女郎!
「さ、こっち、です!」
その間にコットン・プーカ(雨降り渡り鳥・f35319)が同胞たるモーラットたちをもきゅもきゅと戦場から避難誘導している。
それを逃すまいと駆けだそうとする白蛇女郎。
ざっ。
更地となった大地を踏みしめる音が響く。その音に反応して振り返った白蛇女郎が見た者は勇者であった。
「もふはみんなの宝物、ひとりじめとか、もふりすとの風上にも置けない行いなのですよ」
もふ(を守る)勇者降臨。菫宮・奏莉(血まみれもふりすと ときどき勇者・f32133)はちょっとご立腹でした。
「ふっ、みんなの宝物だからこそ、私のモノにするのよ!!」
だが相容れることはない。だって猟兵とオブリビオンだもの……いや、それあんま関係ない、もしかして?
「そんなことを考えちゃう人には、もふりすとを代表して、わたしがお仕置きしちゃうのです!」
びしっとポーズを決めて言いながら、奏莉は側にいたモーラットをぎゅむむーっと抱っこする。
「……(ギリィッ!!)」
白蛇女郎が忌々し気に奏莉を睨むのでした。
そんな光景を後ろから見守る(?)黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。
(モラを解放できたのはいいとして)
そう思いながらも摩那は目の前の光景を複雑な心境で見遣る。諸悪の根源は白蛇女郎であることは否定の余地が無い事実である。しかし今。目の前にいる白蛇女郎の姿を見るにこう思わないではない。
(サナエの悲しみ度を見ると、なんだか随分と悪いことをしたような気分です)
誰だって自分のお楽しみコレクションが一気に無くなったら悲しいし、それが誰かの故意ならば怒り心頭に発することは想像に難くない。
だが、だがである。
(もふもふが尊いのは一緒ですが、そこはオブリビオンと猟兵。相容れないんですよね)
やっぱり猟兵とオブリビオンは相容れないのだ……悲しいね。
奏莉がモーラットを引き寄せたのとほぼ同時。
摩那もまた近くのモーラットをひょいっと抱えあげて身に纏う。もふもふもふもふもふ。
「ここはその尊さを利用させてもらいます」
そのセリフはもふもふする前に言うべきでは? と思ったりもしたが、もふもふの前では些細な事なのである。
もふ……じゃなかったモーラットを纏った奏莉と摩那が白蛇女郎に向けて迫る!
「あったかあったかなので……すぅ」
「奏莉さーん!?」
走りながら危うくもふの泉に沈みかけた奏莉を摩那の叫びが引き戻す。
「ね、寝てないですよ! ちょっと意識がもふになっただけなのです!」
『これで防御はOK』とか思っていた摩那さんであるが、思わぬ反動があったものだ。いや、奏莉だけかもしれないけど。
一方、奏莉は『毛皮だって、あのあったか体温があってこそのものなのですよ!』とか思っているので、今の状況、最高。これは仕方のない帰結なのである。
「どいつもこいつも私の前でもふってんじゃねーよっ!!」
とうとうキャラが崩壊した白蛇女郎が奏莉と摩那に嫉妬を込めた攻撃を放つ! 具体的には毒牙を持つ無数の白蛇が放ち、動きを止めようとしてきた。
「動きを止めたが最後、私自らが毒を注ぎ込んであげるわ!」
それによってモーラットを避けて猟兵だけを撃破しようとしているようだ!
だが!
「迂闊です!」
唐突に頭上から降ってくるもふ……じゃなくてコットン。完全なる『不意もふ』に白蛇女郎は反応できず、コットンの体当たりが白蛇女郎のおでこ辺りに直撃する。
「『もきゅきゅー』」
コットンの真似をしているのか、野良モーラットの中から案外勇敢(?)な者たちが白蛇女郎の体に次々と体当たり&もふっ。
「……ごふっ」
もふの柔らかさでダメージを受けて、膝をつく白蛇女郎。ついでに放った白蛇たちもその場で寝始める始末。動きを止めたが最後、もふからは逃れられない……いや、逃げる気全然ないけどこのオブリビオン。
「もふもふが! ほんとにお好きというのなら! もっと大事に『わたしたち』を扱ってくださいな!」
そこへコットンの叫び&【モラスパーク】炸裂である。
「ひにゃぁぁぁぁぁぁ?!」
もふ天国から唐突に、パチパチ静電気のお仕置きである。ちょっと焦げた。ついでに野良モーラットたちも【モラスパーク】った。『わたしたち』=モーラットたちの精いっぱいの主張(?)である。
大量の静電気がぱちぱちっと炸裂した結果、白蛇女郎の体が完全に麻痺。一応、首から上は動くようだが、四肢が動かない。
「チャンスなのです!」
ぱんぱん、とほっぺを叩いて目覚まし&気合を入れる奏莉。正気に戻った奏莉がおでこ辺りを手の甲でぐいぐいこする。体の前に差し出した手に赤い血がついている。
「わるいことを考えてる人はこうなのですよ!」
【禁足結界】発動! 奏莉の血を代償に超重力の呪いが白蛇女郎の上に降る! ちなみに手についていた血はっていうと、さっき地下で穴を開けた頭突きの時にちょっと怪我をしてました、まる。
奏莉の【禁足結界】を察知したコットンとモーラットたちはしゅばっとその場から飛び退いて。いまだ痺れたままの白蛇女郎を放置して脱出。
「ぐっ、あぁぁぁぁっ!!」
超重力に潰されようとする白蛇女郎。その様をちょこんと並んで見守る。
「も、ふぅぅぅ!!」
もふがあれば生きていけると言わんばかりに手を伸ばす白蛇女郎。しかし、超重力がその手を地面に叩き付ける。
「反省するまでおあずけなのですよー!」
奏莉がそう告げて、それを具現するかのように、手がギリギリ届かないところに整列するモーラットたち。
「ここが……決め時でしょうか」
すらり、と鞘から魔法剣『緋月絢爛』を引き抜く摩那。その刀身に陽光が当たれば、闇を斬り払わんとルーン文字が浮かび上がる。
「セーフティ解除。励起。帯電を確認……加速開始」
厳かに。摩那が詠唱を紡いだ後、彼女の体が加速する。爆発的に増大したスピードで超重力の呪いが摩那を捉えるよりも早く、その場を駆け抜ける!
踏み込んだ先は白蛇女郎の懐。目にも止まらぬ速さで緋月絢爛を繰り出せば、高圧電流を帯びた七色の花びらが舞い、白蛇女郎の体に3つの穴を空ける。流れは止まらない、最後の一撃はすれ違いざまの横薙ぎの一閃。
「が……ぁ……」
【飛天流星】と化した摩那の攻撃に白蛇女郎の命にトドメを刺す。だが、まだ終わりではない、その執念は死してなお、体を動かそうとする。いや、命が尽きるまでの刹那でなお、もふもふを求めようとしているのかもしれない。
だから彼女たちは手を止めない!
「これで終わりにするのですよ!」
【禁足結界】を解除した奏莉がコットンを抱きかかえてから……そぉいと投擲。
空中に踊る体にぎゅーっと力を込めて、コットンは白蛇女郎を見据える!
「決着、つけましょう!」
白蛇女郎の体に体当たりが直撃すると同時にコットンが【モラスパーク】を放つ! 今度は手加減無しの相手をクロコゲにするほどのパチパチ静電気。
「……っ」
思わず摩那が腕で顔を覆うほどの激しい放電に。
「ぎぃぁぁぁぁぁーーっ!!」
白蛇女郎が絶叫する。着物が燃えて炎に包まれて……そして白蛇女郎だったものがその形を放棄して、ただの塊となって崩れ落ちる。
静電気が空中に完全に放電されて、周囲が静けさを取り戻す。
「終わりましたか」
「ですね」
鞘に緋月絢爛を納めながら、小さく吐息とともに言葉を紡ぐ摩那。奏莉はモーラットを抱きかかえながらそれに頷く。
「大丈夫ですか?」
「『もきゅきゅ、きゅぴー』」
集まっている同胞の周りをふわふわと浮かびながら、様子を確認していたコットン。どうやら同胞たちも全員無事らしい。
後はここから捕縛されないようにしなければ……主に味方に。
●
こうして、モーラットともふもふを巡る『リリス化オブリビオン』白川・サナエこと『白蛇女郎』の野望は彼女の消滅とともに潰えた。モーラットたちにも平和が訪れたのである。
だが、モーラットたちを狙う者たちはまだまだいる。ギャルの恰好した博士とか血まみれもふりすととか。
大きな騒動にはならないでほしいなぁと思うモーラットたちなのでした、もきゅ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵