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皆で作ろうプレゼント!

#アルダワ魔法学園 #お祭り2021 #クリスマス

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「あぁ、忙しい忙しい。この時期は毎年の事ながら猫の手も借りたい忙しさだね」

 とある魔法使いのアトリエでは、クリスマスのプレゼントを作る人で大賑わいだ。あちこちからサポートを頼まれて、駆け回るアトリエの主の魔法使い。アルダワらしく武器防具などの作成・カスタムだけでなく食べ物・装飾品など幅広いジャンルに対応しているのが人気なのだそうだ。とはいえ・・・流石にキャパシティが・・・。

「大丈夫ですか?なんか凄く大変そうだ、と話を聞きまして・・・」

「お手伝い出来る事がありそうでしょうか?」

 あまりにもの忙しさに目を回しそうになっていた魔法使いに声を掛けた二人。鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)と炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)だ。困っている人を見ると放っておけない性格の二人がどこかでこのアトリエの事を聞きつけたのか、手伝いに来たのだ。

「あぁ!ありがたいよ!じゃあ手伝いを頼めるかい?ちなみに、君達は何が出来るかな?」

 魔法使いに質問され、ちょっと考え込んだひりょと瑠美。

「俺は・・・そうですね、料理とかはそこそこ。機械いじりも出来ますから武器・防具のカスタムのお手伝いとかも出来ますね」

「私は、逆に料理は出来ませんね・・・。装飾品とか、そういったものなら少しは」

「おぉ!ジャンルが見事に分かれてる!それはありがたい。それじゃあ、それぞれ得意な方面で手伝ってもらっていいかな?」

 ホッとした表情の魔法使いの言葉に頷く二人。

「あ、俺達二人とも猟兵でもあるから、武器防具の調達のために迷宮に潜る、とかもありですよ」

「あぁ、そっちは君達なら問題なさそうだね。色々な人がいるからねぇ・・・。『プレゼントしたいものを現地調達だ!』って人も中にはいるから」

 苦笑いする魔法使い。まぁ、確かに迷宮内でゲットしたりすれば元手が掛からないのは確かだが・・・。だが、目当てのものが手に入るとは限らないわけで・・・。その辺りは時の運だろう。

「まぁ、やれる事を精一杯やるだけですよ。っと、早速お声が掛かったか。はい、行きます!」

「じゃあ、私も」

 サポートを願う来客の声を聞き、それぞれ接客を始める二人。さて、忙しいこの局面をなんとか乗り切れるだろうか?


黄昏空
 MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。このシナリオはクリスマスシナリオ、一話完結のシナリオとなっています。

 シナリオは多くの説明はいらないとは思いますが・・・。自分へのご褒美、大事な相手へのプレゼントなど、そういったものを作ってみよう。というシナリオです。POW・SPD・WIZのフラグメントを参照にしてもらってもいいですし、「自分はこうしたいな!」とかがあれば、比較的自由に書いていただいてもいいです。当方が描ける範囲ではありますが頑張ってみます!

 会場にはグリモア猟兵のひりょや瑠美もいます。プレゼント作りのお手伝い・または交流なども歓迎です。その際はお声がけください。
 プレイングの受付開始は12月25日の8:31からとします。参加者の集まり具合を見ながらになりますが、12月28日の20:00までを一旦のプレイング締め切りとしたいと思います。その後は状況次第で、追加募集などはタグでお知らせするつもりです。

 それではクリスマスのひと時、楽しんでいってくださいね!
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第1章 日常 『探そう、プレゼント!』

POW   :    カッコいい武器、防具を探す・作る!

SPD   :    美味しそうな食べ物を探す・作る!

WIZ   :    お洒落な装飾品を探す・作る!

イラスト:元義くじら

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、プレゼントの手作りですかぁ。
それでは、頑張ってみますねぇ。

この世界ですし、それらしい品が良いでしょう。
【豊饒宿霊】を使用し[裁縫]を強化、沢山の『手のひらサイズの縫いぐるみ』を作ることにしますねぇ。
この世界には『モフィンクスさん』や『モリフクさま』等、可愛らしい災魔が色々存在しますから、其方をモチーフにしましょう。
『使徒』の同僚や任務でお会いした方等、結構知人も増えておりますから、多目にご用意しておきますねぇ。
鳳凰院さんにもおひとつどうぞ、ですぅ。

手が必要な方が居ましたら、お手伝いしますよぉ?
【豊饒宿霊】で指定する[スキル]を変更すれば、或る程度対応出来ますので。



「成程、プレゼントの手作りですかぁ。確かに結構賑わっているようですねぇ」

 アトリエの中を覗いて店内の状況を把握した夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。裁縫に勤しんでいる生徒達がいるスペースを見つけるとその場へと移動した。

 豊穣の女神の使徒であるるこるは、同僚や任務先で一緒した方々などに手作りの品をプレゼントしようと考えアトリエを訪れたのだ。

(さて、どのようなものにしましょうかぁ…。せっかくですし、このアルダワらしい品が良いでしょうかぁ)

 アルダワの世界を任務などで何度も訪れているるこる。今までの任務先での事を振り返りながら色々とイメージを膨らませていく。

(この世界には『モフィンクスさん』や『モリフクさま』等、可愛らしい災魔が色々存在しますから、其方をモチーフにしましょう)

 モフは大事である。やはり思わずモフりたくなるような可愛いものがいいだろうな、という結論に至った。幸いにしてモデルとなる可愛い災魔は色々いる。同じ災魔でもポーズなども変えてみればバリエーションはより豊かになるだろう。

「あとはそうですねぇ…。サイズは大きいものも確かにいいのですが、お渡しする時や保管場所に困る方々もおられるかもしれませんし…。手のひらサイズの縫いぐるみが良いかもしれませんねぇ」

 盛大にモフれる特大サイズの縫いぐるみというのも、心惹かれるものがあるのは確かであるが…。小さいサイズならば、部屋に飾ってもよいし携帯する事も可能だ。そちらの方が良さそうに感じる。またコンパクトサイズなら数も作る事が出来るだろう。

「方針も決まりましたねぇ…。それでは…『大いなる豊饒の女神、古の使徒よりの豊かなる恵みをお貸しくださいませ』」

 るこるは信奉する豊穣の女神に祈りを捧げ、その加護を受けた。今回は裁縫に特化させたるこるは、頭の中に浮かんだモフモフ災魔達を形にすべく、裁縫を開始する。一つ一つ丁寧に、心を込めて…。手渡した相手が喜んでくれる所をイメージしながら、次々と作り上げていく…。

「わわ…凄く可愛いっ!これ、あなたが全部作ったの?」

 偶然るこるの近くで裁縫をしていた生徒が休憩を兼ねて顔を上げた際に、るこるの作り上げた縫いぐるみの数々が視界に入ったのだろう。瞳をキラキラさせた女生徒に詰め寄られたるこるは、その勢いに苦笑いをしつつもそうである事を告げる。

「いいなぁ…。こういう可愛いの私も作れたらいいのに…」

「よろしければアドバイス、致しましょうかぁ?ポイントさえ掴めれば作れるかと思いますよぉ?」

「本当!?ぜひ、ぜひ教えて!」

「…この可愛い縫いぐるみの作り方を教えてくれるの?あ、私もいい?」

 話を聞きつけた周囲の他の女生徒達も興味を持ったようだ。その場の流れからるこるが皆へレクチャーする事となった。

「おや?凄い人だかりが…。あぁ、るこるさん。来ていたんですね」

 そんな人だかりに気が付いたひりょがその場を訪れた。

「はいぃ、今縫いぐるみの作り方について助言させていただく事になりましてぇ。沢山作ったので鳳凰院さん、おひとつどうぞ、ですぅ」

 るこるから縫いぐるみを受け取ったひりょは、嬉しそうな笑顔を浮かべたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

檪・朱希
アドリブ◎
プレゼント、迷宮で調達してみようかな。
いつもお世話になってる人に、プレゼントしたくて。

雪、燿、手伝ってほしい。
『それは構わないが、無理するなよ』
『さっさと踏破してやろうぜ!』

一緒に、迷宮を攻略していくよ。
私の聞き耳、情報収集で二人をサポートしながらプレゼントに出来そうなものを手に入れる、けど……

『魔導具、武器、防具……うーん、良さそうなのはまだねぇな』
燿が仕分けしながら考えてくれている。
出来たら、いつも忙しそうだし、どこかゆったりしたところに行けるペアチケットが手に入ったら、なんて思ったんだけど……

手に入れたものはプレゼントがほしい人に渡して、続けて捜索。

……あっ、良いの、見つけた。



(プレゼント、迷宮で調達してみようかな)

 いつもお世話になってる人に、日頃のお礼を込めてプレゼントしたい…。そんな思いでこの場にやってきた檪・朱希(旋律の歌い手・f23468)は、地下の迷宮探索へ乗り出す事にした。

 迷宮の入り口で朱希はUCを発動させる。

「蝶を導く者達よ、見えぬ鎖を断ち切る術を……ここに!」

 UCで召喚されたのは二人の少年の霊。一人は刀気を纏う少年の【雪】、もう一人は虎気を纏う少年【燿】だ。

「雪、燿、今から迷宮探索に行く。手伝ってほしい」

『それは構わないが、無理するなよ』

『さっさと踏破してやろうぜ!』

 朱希の申し出に、朱希の事を気遣いつつも同行を了承した二人。

「私が二人をサポートする。物音や情報収集は任せて」

『迷宮の敵は俺達が討伐だな。足を引っ張るなよ、燿』

『そーいう雪だって、邪魔すんなよな!』

 三人にとってはいつも通りのやり取りをしながら、迷宮へと足を踏み入れるのだった。


「近付いてくる物音、二体分」

 刀『月花』を手に、姿を現した災魔を一刀のもとに切り伏せる雪。

『こっちは片付けた。燿、そっちは?』

『こっちも終了。戦利品は…っと』

 燿も拳銃『鴉』で災魔の脳天を撃ち抜き一撃で仕留めていた。雪と耀は息の合った連携を見せ、朱希の元まで災魔を近付ける事無く次々と撃破していった。

『…また、魔道具かぁ。ぱっとしねぇな』

 倒した災魔からドロップした品を確認し、燿が首を振る。

「今の所、手に入れた物って何があったっけ?」

『災魔からドロップしたもの以外にも宝箱とかもあったよな』

 朱希と雪がこれまでの道中を振り返る。迷宮に入ってから今まで、敵の数こそそれなりにあったが…。接近戦主体の雪と遠距離主体の耀に朱希の索敵等のサポートが加われば、まさに盤石の布陣となり敵を圧倒出来ていた。

 仕分けを担当している耀が、戦利品を床に並べ一通り確認する。

『魔導具、武器、防具……うーん、良さそうなのはまだねぇな』

 雪も耀も、朱希が誰にプレゼントする物を探しているのか、なんとなくわかっているのだろう。これは違うよなぁという表情で戦利品を眺めている。

(…なかなか『これだ』と思う物が手に入らない。出来たら、いつも忙しそうだし、どこかゆったりしたところに行けるペアチケットが手に入ったら、なんて思ったんだけど……)

 やはりプレゼントするなら、その人が喜んでくれる物を贈りたいものだ。

『どうする?もう少し探索を続けるか?』

「うん、あと少しだけ」

『よし、ガンガン災魔やっつけようぜ!』

 雪の確認に朱希は頷き、耀も身支度を整える。朱希達と同じように迷宮に潜っている生徒達が欲しいものがあれば譲りつつ…、三人はさらに探索を続けていく。

 そんな中で朱希の気持ちが通じたのだろうか?迷宮を進んでいくうちに道を塞いでいた災魔と交戦となり撃破した。三人がその先へ進むと一つの宝箱が。

「……あっ、良いの、見つけた」

『これならいいんじゃないか?』

『だな、じゃあこれで迷宮攻略は完了って事で』

 嬉しそうに戦利品を手にした朱希を見て、雪と耀も満足げな表情を浮かべるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガーネット・グレイローズ
【かんにき】

久々のアルダワ迷宮探索だ。
宝探しをする感覚、なんだか年甲斐もなくワクワクするよ。

実は、アルダワ製の時計に興味があるんだ。
時間を知るだけならデジタルで事足りる。けど、
無数の部品から成る複雑な機構と、
精巧で美しい装飾には心惹かれるものがある。

何階層かの迷宮を越えて、古めかしい機械がひしめく領域へ。
トラップが仕掛けられていないか注意し、
【イデア覚醒】で感覚を研ぎ澄ませて進もう。
そうだ、時限式の罠を解除したら、時計の材料として活用できるかも?

目当てのモノが手に入ったら、仲間のお手伝いをしよう。
アクセサリーに日用品、仕事道具……自分へのご褒美に、
大事な人への感謝の気持ち。皆は何を探すのかな?


鈍・小太刀
【かんにき】
※アドリブ歓迎

あ、ひりょだ
工房の手伝いなんて相変わらずのお人好しね
で、足りない材料は?
(意訳:手伝うから何でも言ってね!

(海莉の情報聞きつつ
欲しい物は皆バラバラなのに
粗方採集の目途が立つ当たり
迷宮って地味に凄いわね

私は何作ろう
…ふむふむ、真琴は髪飾りが欲しいのか(メモメモ

海の仲間達も呼んで皆のプレゼント探索を手伝いつつ
さり気なくアルダワ銀葉樹の群生地にも寄ってみたり
金属みたいに綺麗な葉っぱは
アクセサリー加工に向いてるらしい

髪留めと、ネクタイピンもいいかもね
光沢活かしたシンプルなデザインは
最近男の子らしくなってきた弟のイメージ
何でもないよと隠してこっそりプレゼント用に

皆はどんな感じ?


南雲・海莉
【かんにき】

ひりょさん、お久しぶり
さて私達も手伝うわよ

必要そうな材料はこれで全部ね
これなら調べてきた範囲にあるわ
(スマホのメモに、学園の生徒達に聞き込んだ採取スポットを表示させつつ)
時計仕掛けのエリアに
最近見つかった、特に強い精霊力を帯びた水晶鉱脈も
迷宮での道のりと攻略は案内できるわ、任せて

リンデンも久しぶりの遠出に張り切って付いてきてるわ

工房のエリアの中に陶磁器の炉があるみたいね
近くに装飾品加工ができるエリアもあるわ

途中、巨大綿毛の成っているエリアで綿を確保
祭莉くんの付け耳の材料にもいい感じ
これだけあればリンデンのクッションの綿も補充できるわ
今使ってるの、大分くたびれちゃって
(リンデンを撫で


シリン・カービン
【かんにき】

「ひりょ」
一声かけて、手伝いOKの旨を示します。

ガーネットがワクワクするのはわかります。
まして、いつもの皆で迷宮探索に出かけるのであれば。
さて、何が見つかるでしょう。

依頼された品の探索には猟師の勘もフル活用。
高所を調べるなら、シルフィード・ダンスで
宙を駆け上がります。
……小太刀、これを。(真琴に内緒で)

オーダーはこんなところでしょうか。
海莉の道案内は頼もしいですね。
ええ、リンデンもですよ。

私の狙いは光の精霊力の宿った魔力水晶ですが…
ふむ、これは良いですね。
これで照準器のレンズが作れます。

皆の望むものが皆の下に訪れますように。
メリークリスマス。


木元・杏
【かんにき】
んむ、ひりょ、メリークリスマス!(手を振って)
わたし達もお手伝いするね
どんなプレゼント希望があるのか少しリサーチしてから、迷宮へGO!

リクエストのプレゼントを集めたら自分のも探そう
わたしはお料理用具を新調したい
陶器で出来ててね、ひまわり型やウサ顔型、かぼちゃ型とか見ていて楽しくなるお鍋
んむ、陶芸の工房ぽいとこ探せばいいかな?
ひりょもご一緒いかが?美味しいは素敵な道具から作られるが真理(力説

ちくたく時計に光の精霊と魔法石、髪飾りや装飾の数々と、ふわ付け耳に、付け嘴…?
あ、リンデン用のふわふわベッド
ふふ、流石はアルダワの迷宮
なんだか楽しくなってきた
どんどん奥まで探索していこー


琶咲・真琴
【かんにき】
迷宮でプレゼントの材料を探したりするのって面白そうっ
(今回は普通にシックな服装の男の子

可愛いものは(将来)作れるから
カッコいい物が欲しいな…

アクセサリーだと
男物で髪飾りはあまり見かけないしね

杏姉さんは陶器の工房を見て回るんだ?
ヘアピンとかできるかな

ガーネットさんは時計屋さん
海莉さんやシリンさん達は迷宮で材料調達か
オレも行くよ

プレゼント探しも十人十色

水晶や魔鉱石探しでシンプルなヘアーカフとか作れそう

迷宮で採れた小さい欠片の水晶や魔鉱石は
透明な蜻蛉玉に閉じ込めてストラップに
まるで万華鏡みたい

結構作れたから
皆にあげる
勿論、リンデンもな

姉さんには蜻蛉玉で作った葡萄のブローチを

アドリブ歓迎


木元・祭莉
【かんにき】だよー。

えっと、プレゼントを作るんだっけ。
クリスマスのプレゼント……うーん。
這い寄るおせち……はお正月だしなぁ。(ひとりごと)

迷ったときには、付け耳!
って、父ちゃんが言ってた。
特に、獣耳にも被せられるのはレアだからって!(メガネオンメガネみたいに)

ということで、オリジナル付け耳を作るよー。

えーと、小悪魔ツノっぽいネコ耳でしょ。
ツインテに嵌めると一緒に垂れ下がる青いウサ耳。
シンプルな黒ウサ耳とふわふわの灰ウサ耳!
髪飾り風しだれ耳!
エルフさん用のゾウさん耳!
垂れ耳わんこにちょこんと乗せる、白ネズミ耳!

いっぱい作ったぞー♪
あとは、自前の耳の耳カバーと。
トサカと嘴用のカバー!

一応、お土産。




「あ、ひりょだ」

 見知った声にひりょが振り向くと、そこには【かんにき】の面々が。

「あ、皆さん!いらっしゃい…で、いいのかな?」

「んむ、ひりょ、メリークリスマス!」

 手を振って挨拶した木元・杏(焼肉処・杏・f16565)。

「ひりょさん、お久しぶり」

「ひりょ、足湯の時以来でしょうか?」

 南雲・海莉(コーリングユウ・f00345)は花見の時以来ぶり、シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)はひりょが偶然任務先で【かんにき】メンバーと顔を合わせ、「せっかくなので…」と合流する事になった時ぶりになる。どちらの出来事も、気が付けばもう半年以上も前の話なのだ。

「工房の手伝いなんて、相変わらずのお人好しね」

 アトリエに入ってきた時に見かけたひりょの慌ただしい様子を思い出しながら、苦笑いする鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)。

「あはは…まぁ、これも性分、ですかね。っと、ここに来られたという事は皆でプレゼント作り、ですか?」

「迷宮で材料調達も出来るって聞いたよ!」

「迷宮でプレゼントの材料を探したりするのって面白そうっ」

 ひりょの問いかけに木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)と琶咲・真琴(1つの真実に惑う継承者・f08611)が応える。

「久々のアルダワ迷宮探索だ。宝探しをする感覚、なんだか年甲斐もなくワクワクするよ」

 口調こそ普段通りの軍人風であるものの、今回の探索が楽しみであったのだろう。ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)のどこかワクワクした声色にシリンも頷く。

「ガーネットがワクワクするのはわかります。まして、いつもの皆で迷宮探索に出かけるのであれば」

 そう、皆でわいわいやりながらの迷宮探索。確かに迷宮探索は危険も伴うのだが、皆と一緒なら迷宮内の一つ一つの出来事が楽しい思い出になる。【かんにき】の皆がガーネットと同じ気持ちなのだろう。早く探索に行きたいオーラを皆が醸し出している。

「皆さんなら迷宮探索は問題なく出来そうですね」

 皆頼りになるメンバーだ、その事を知っているひりょは安心した表情で皆を送り出そうとするが…。

「せっかくだし、ひりょも行こう」

「えっ、まぁ…確かにアトリエでプレゼントを作っている生徒さん達の中に、『材料が足りなくなっちゃった。どうしよう』って方とかもいるみたいだから…調達に行こうとは思っていましたが…」

「…そんな事だろうと思った。で、足りない材料は?」

「せっかく探索に行くのだし、私達も手伝うわよ」

 杏はひりょも同行を希望し、生徒達の足りない材料の調達を手伝うと小太刀や海莉も申し出る。他の面々も手伝う気満々なようだ。

「…じゃあ、ご一緒させてもらおうかな?」

「まずは情報収集だね!皆で欲しいものを聞いて回ろう!」

 杏の発言を合図に、皆でアトリエ内の生徒達に色々と聞き込みを開始するのであった。



「…必要そうな材料はこれで全部ね。これなら調べてきた範囲にあるわ」

 海莉のスマホには学園の生徒達に聞き込んだ採取スポットが表示されている。それを覗き込んだ小太刀が思わず感心する。

「欲しい物は皆バラバラなのに…。粗方採集の目途が立つ当たり、迷宮って地味に凄いわね」

「迷宮での道のりと攻略は案内できるわ、任せて!」

 アルダワ学園の寮で生活する海莉にとっては、この地はいわば地元。念入りに情報収集をしてきていた。

「海莉の道案内は頼もしいですね」

 シリンも安心した表情を見せる。

「では行きましょう!」

 海莉の案内の元、迷宮の探索が開始した。



「…この辺りの災魔は片付いたようだな」

 ガーネットが武器を納めながら【かんにき】の皆へ声を掛ける。

「結構集まったよね。あとどれくらい?」

 真琴の問いかけに運搬役を行っていたひりょが、集まった材料を確認する。

「災魔からのドロップ品はほとんど集まったみたいですね。後は迷宮内にある鉱石とか資材関連が少々、かな」

「じゃあ、頼まれ物はあと少しだね」

「もうひと頑張りかー、頑張ろう!」

 杏と祭莉はもうひと頑張りとわかって、今一度気合いを入れ直す。

「確か、資材関連に高所にある物がありましたね。『風に舞い、空に踊れ』…、…これではないですか?」

 シリンが空中を駆け高所へと着地し…、目当ての資材の確保に成功。

「よくわかったわね、あんな所にあるの」

「これも猟師の勘、という奴か」

 シリンの手際に感心した小太刀とガーネット。

「…はい、これで頼まれていたものは全て確保出来たみたいです。皆さん、ひとまずお疲れさまでした」

 探索前に皆で聞き込みをした結果、地上のアトリエでは結構な材料が不足してきていた。それは当初想定していたよりもアトリエが繁盛していたのもあったのだろう。また、作っている最中に失敗してしまい作り直しになっている生徒もいたりで、当初準備していた材料だけでは足りなくなって来ていたのだ。そういった経緯もあり、思っていたよりも結構な量の材料調達が必要だった。

「運搬はこいつにもお願いして正解だったかも」

 ひりょが連れてきていた大型のライオンを撫でながらそう呟く。【かんにき】のメンバーだけでも十分迷宮内の災魔とは渡り合える、いや過剰戦力ともいえるくらいの状況であった。その為、ひりょは運搬役に回る事にしたのだ。自分の背の2倍もある大型のライオンは大量の資材の運搬役として適任であった。

「じゃあ、ちょっと一旦休憩しましょうか?この先に少し休憩出来そうな空間があるはずだから。リンデンもそろそろ休憩させてあげたいしね」

 ひりょが依頼完了を宣言すると共に、海莉が一旦の休憩を入れる事を打診した。海莉は連れてきていた大型犬のリンデンも休憩させてあげたかった所なので、ちょうど良いタイミングであったのだ。久しぶりの遠出に張り切って付いてきていたリンデンは、道中でその動物の勘をいかんなく発揮し、索敵役を見事こなしていたのだ。皆がその案に賛成し、少し休憩を取る事になった。


「ひとまず休憩だね。怪我とかはないけど、お腹すいちゃった」

 杏はそういうと、ひりょが地上で準備してきていた軽食を摘まみ始める。戦闘に関してはほぼ【かんにき】メンバーに負傷は無し。万一あったとしても祭莉の発動させたUCによってその場で回復していたので全く探索には支障が出なかった。

「リンデン、お疲れさまでした。頼もしかったですよ」

 シリンは労いを兼ねてリンデンを撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振っていた。

「…そうだ、皆は何を作るつもりなの?」

 休憩がてら、杏は皆にどんなものを作るつもりなのか聞いてみる事にした。

「えっと、プレゼントを作るんだっけ。クリスマスのプレゼント……うーん。這い寄るおせち……はお正月だしなぁ」

 一瞬独り言を呟いた祭莉は、迷った末の結論を出す。

「迷ったときには、付け耳!って、父ちゃんが言ってた。特に、獣耳にも被せられるのはレアだからって!」

「可愛いものは(将来)作れるからカッコいい物が欲しいな…。アクセサリーだと、男物で髪飾りはあまり見かけないしね」

 今日はシックな服装で探索に挑んだ真琴がそう言うと、その発言を聞いた小太刀が何やらメモを取り始めた。

「私は何を作ろう。他の皆はどんな感じ?」

 小太刀はまだ何を作るかは決めかねているようだ。

「私はリンデンのクッションかしらね。今使ってるの、大分くたびれちゃって」

 リンデンを撫でながら海莉がそう言うと、ガーネットとシリンもそれに続く。

「実は、私はアルダワ製の時計に興味があるんだ。時間を知るだけならデジタルで事足りる。けど、無数の部品から成る複雑な機構と、精巧で美しい装飾には心惹かれるものがある」

「私の狙いは光の精霊力の宿った魔力水晶ですね。照準器のレンズが作れますし」

「時計仕掛けのエリアに、最近見つかった特に強い精霊力を帯びた水晶鉱脈も、この先にあるわね。休憩したら挑みましょう」

「そうか、それは楽しみだ」

「ええ、頼りになりますね海莉」

 海莉が提供した情報にガーネットもシリンも「休憩後が楽しみだ」と言わんばかりの表情を浮かべた。

「わたしはお料理用具を新調したい。陶器で出来ててね、ひまわり型やウサ顔型、かぼちゃ型とか見ていて楽しくなるお鍋。んむ、陶芸の工房ぽいとこ探せばいいかな?」

「工房のエリアの中に陶磁器の炉があるみたいね。近くに装飾品加工ができるエリアもあるわ」

 スマホを見て海莉は杏の希望に添えそうな場所をピックアップした。

「ひりょは?」

「え、俺ですか?」

 杏に聞かれ、思わずきょとんとするひりょ。手伝う事しか頭になかった為、自分が作る方の事は全く想定していなかったのだ。

「ひりょもご一緒いかが?美味しいは素敵な道具から作られるが真理」

「な、なるほど言われてみれば…」

 力説する杏に思わず納得するひりょ。そうして十分に休憩を取った後、【かんにき】メンバーは自分達の目的の品を入手する為、さらに迷宮の深層へと足を踏み入れていくのだった。



 古めかしい機械がひしめく領域へ【かんにき】メンバーが到達して、しばらく時間が経過し…。
 目の前の災魔を倒し終えて、一旦【イデア覚醒】を解除したガーネットが一息つく。

「…この領域に入ってから、遭遇する災魔の数が増えている気がするな」

「ここに来てから生徒に出会ってない気がする」

 真琴の指摘に相槌を打つ小太刀。

「確かにそうね。この階層まで生徒の皆は来てないって事かしら?」

 そう考えると先程までの階層は、生徒達や他の猟兵達が災魔を討伐していたりして遭遇数が少なくなっていたのかもしれない。

「そうだとすると、ここの階層から先はレアなものも沢山あるかも!」

 祭莉の言葉に俄然やる気が出てきた【かんにき】メンバー。そんな様子を眺めながらひりょはふと思う。

(【かんにき】のメンバーは今回、大人数で迷宮に挑んでいる。各自も腕が立つだけでなく連携も安定している。その影響で長く迷宮探索が出来ているのかもしれないな)

 今までひりょは【かんにき】メンバーと同行した経験はあるが、それは戦闘を含まない状況下での出来事だった。こうして一緒に行動してみると、その連携の練度の高さや仲間への信頼、そういったものを肌で感じる事が出来る。普段、単独で任務に飛び込む事が多いひりょにとっては貴重な経験となった。

 さらに階層内を進んでいくと数々のトラップに遭遇した。そんな中でトラップの解除を終えたガーネットが、今しがた解除したトラップの残骸を興味深げに見ているのに杏は気が付いた。

「どうしたの?」

「あぁ、この時限式トラップに使われている精巧な部品…、時計の材料に使えるのではないかな…とな」

「あ、いいかも!」

「では、せっかくだ。持っていく事にしよう」

 どうやらガーネットは望みの物を手に入れる事が出来たようだ。

「次の階層に出たら少し休憩しましょう。確か休憩出来るエリアがあったと思うから」

 海莉の提案に賛同する一同。トラップが結構あった階層だっただけに、今までの階層に比べ神経を使う部分が多かったのだ。

 そして【かんにき】が到着した次の階層は…。

「うわぁ…凄い大きいふわふわだ!」

 目の前には巨大綿毛が生っている木々が生い茂るエリアだった。その向こうにはまた違う種類の木々が見える。

 このエリアで一行は少し休憩する事にした。

「綿毛、リンデンのクッションや祭莉くんの付け耳の材料にも良さそう」

「そうだね!じゃあ、採取していこうよ!」

 海莉と祭莉が意気投合し綿毛の採取に取り掛かる。

「じゃあ、私も手伝うわね。海の仲間達にも協力してもらおう」

 小太刀が呼び出した海の仲間達も綿毛の採取を手伝い始める。そんな中で海の仲間達に指示を出す小太刀の視線が、時折ちらちらと別の方向を見ている事にシリンは気が付いた。

「何か気になるものでもありましたか?」

「え?う、ううん、特にないわよ?」

 と言いつつもどこか視線が泳ぐ小太刀。その視線は先程向いていた別の木々が生えているエリアと、皆を手伝い始めた真琴を行ったり来たりしている。

「…少し、あちらも探索してみましょう。二人だけで」

「えっ、…。…ありがとう」

 そっと皆の元を離れ、シリンと小太刀がやって来たのはアルダワ銀葉樹の群生地。
その葉を一つ手に取り真剣に観察する小太刀。

(金属みたいに綺麗な葉っぱは、アクセサリー加工に向いてるって聞いたけれど…、本当みたい。髪留めとか、ネクタイピンもいいかも…)

 先程、真琴が髪留めが欲しいと言っていたのをメモしていた小太刀の様子を、シリンは知っていた。なるほど、と合点がいったシリンは銀葉樹の上の方を観察する。

「…少し待っていてください」

「?」

 小太刀が首を傾げるその目の前でシリンが空中をジャンプし…、しばらくすると地上へ降りてきた。その手には何枚かの銀葉樹の葉が。

「…小太刀、これを。上の方の葉が、より加工に適していたようでしたので」

「…ありがとう」

 その葉を受け取った小太刀は大事そうに懐へしまい、皆の元へ戻る事にした。

「姉さん達、どこかに行っていたの?」

「あ、ううん。大丈夫、ちょっと気分転換してきただけだから」

「そうなんだ?もうそろそろ出発するみたい」

「じゃあ準備するね」

 そうして小太刀も必要なものを手にし、一行はさらに次の階層へと探索を進めていくのだった。


 次の階層は鉱石が沢山ある階層であった。この階層ならばシリンが求めていた魔力水晶も見つかるかもしれない。

「光の精霊力が宿った水晶だから…結構珍しいものだよね。張り切って探してみようー」

 杏の号令に、皆もレアな水晶を求めて探索を開始した。探索を進め、遭遇した災魔を討伐しさらに奥へ進む。まだ、シリンの求めるものは見つかっていない。そんな中で時折、水晶の欠片や魔鉱石を手に取っている真琴。

(この欠片とかだとヘアーカフを作ったりは無理かな。でも…、こうして透明な蜻蛉玉に閉じ込めれば…)

 真琴の手の中には、万華鏡のようにキラキラと光るストラップが出来上がっていた。そうして真琴はアクセサリー作成に良さそうな鉱石を探しつつも、少しずつストラップを作成し懐へと大事にしまっていく。沢山作れたから皆に後であげたい。皆、喜んでくれるだろうか?そんな思いを胸に、真琴は皆と共に迷宮を進んでいったのだった。


「今の敵、結構手強かったねー」

 祭莉がUCを解除したのを合図に、皆も戦闘態勢を解くと一息つく事にした。

「まぁ、確かに手強かったが…。このメンバーでならば問題なく対処出来たな」

 ガーネットは、ふと先程の敵との交戦を思い出し気が付く。

「先程の奴、光の属性攻撃などを使って来ていたな。もしや奴のドロップ品は…」

「ビンゴ、みたいだよー」

 杏が倒した災魔が落としたものを手に取った。それを見たシリンも笑顔を見せる。

「これは見事な魔力水晶ですね。光の精霊力も感じる。皆、無事に私の欲しかったものも見つかったようです」

「こっちも、ここの鉱石で良さそうなものが見つかったよ」

 シリンに続き、真琴も目当てのものを無事に手にする事が出来たようだ。

「ちくたく時計に光の精霊と魔法石、髪飾りや装飾の数々と、ふわ付け耳に、付け嘴…?それにリンデン用のふわふわベッド。素敵なものが一杯で楽しくなってきちゃった!」

 楽しい気持ちで一杯になった杏がさらに深層へと皆を誘う。

「あとは杏姉さんが作る予定の、鍋の素材になりそうな良質の粘土?」

「だね、あとちょっと。頑張ろう!」

 真琴と祭莉も杏の高揚感に刺激を受け、気持ちを高ぶらせる。皆の欲しいものが全て見つかったら、その後はいよいよ本格的なプレゼント作りだ!

 そうしてさらに深層へと足を踏み入れた【かんにき】メンバーは無事に良質の粘土も手に入れ、今度こそ地上へと帰還するのだった。



 地上へ帰還した【かんにき】メンバーは、生徒達から依頼されていた材料を納品し終えると思い思いの場所へ出向き、プレゼント作りに取り掛かった。

 ガーネットは時計専門の工房がないか探し、そこで手に入れた材料を元に時計の作成に。小太刀は手に入れた銀葉樹の葉を使い、髪留めやネクタイピンを作りに。海莉と祭莉は入手した綿毛を持って裁縫主体のアトリエへ。シリンは魔力水晶の加工が出来る工房へと出向き照準器のレンズ作りへ。杏はひりょを引き連れ陶器を焼ける工房へと出向いた。
 真琴はアクセサリーを作成する為、陶器の工房とアクセサリー作成に特化した工房を梯子し…。それぞれがそれぞれの思いを胸にプレゼント作成に勤しんだ。

 その中のひと風景をここでは紹介しよう。

「よーし、オリジナル付け耳を作るよー!」

 元気一杯に付け耳作りを開始した祭莉。材料が結構沢山あった事、そして迷宮探索の道中で色々な付け耳をイメージしていた結果だろう。

「えーと、小悪魔ツノっぽいネコ耳でしょ。ツインテに嵌めると一緒に垂れ下がる青いウサ耳。シンプルな黒ウサ耳とふわふわの灰ウサ耳!髪飾り風しだれ耳!エルフさん用のゾウさん耳!垂れ耳わんこにちょこんと乗せる、白ネズミ耳!」

「凄いバリエーションね!」

 一緒にリンデンのクッションを作りに来ていた海莉も驚くラインナップの多さであった。

「うん、いっぱい作ったよー♪あとは、自前の耳の耳カバーと。トサカと嘴用のカバー!…あと一応、お土産」

「まだあるの?!」


 真琴はアルダワにある工房やアトリエを駆けまわっていた。真琴が迷宮内で少しずつ作成していた水晶や魔鉱石を閉じ込めたストラップを、【かんにぎ】の皆へ手渡す為に。
 裁縫メインのアトリエでは祭莉が出来上がった数々の付け耳を装着してのファッションショー(?)が展開されていた。ギャラリーの一人となっていた海莉や、その傍で待機していたリンデンにもストラップを渡した。リンデンもキラキラ光る宝石のようなストラップを気に入ってくれたようだった。
 ガーネットは出来上がった時計を耳に当て、その稼働音を楽しみながら歩いている所へ、同じく加工し終わった照準器のレンズを手に皆へ合流しようとしていたシリンと鉢合わせ。
 二人で話し込んでいた所を真琴が見つけ二人にストラップを手渡した。
 杏はひりょと共に完成した鍋で「この鍋で何を作ろうか?」と話をしている所へ遭遇した。
 皆、真琴が作ったストラップを笑顔で受け取っていた。後は…。

「姉さんは…、あっ、姉さん」

「真琴、どうしたの?」

「姉さんを探していたんだ。…これ」

 蜻蛉玉で作った葡萄のブローチを小太刀に手渡す真琴。

「綺麗…ありがとう真琴。私もね、渡すものがあるんだ。…はい」

「これ、髪飾り?」

「うん、銀葉樹の葉を使って作ったんだ。光沢活かしたシンプルな感じに出来たし、真琴に似合うかな…って」

「ありがとう姉さん。大事にするね」

 真琴のストレートなお礼に、どこか気恥ずかしくてそっぽを向く小太刀。

「…そ、そろそろ皆の所に戻ろうか」

「うん、そうだね。姉さん、皆…メリークリスマス」

 それぞれの思いを胸に、アルダワの慌ただしかった一日が終わろうとしていた。

【完】

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月31日


挿絵イラスト