これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●
ラグランジュポイント――大気圏外、衝突した宇宙船群の上に気付かれたこの場所には独自の文明が築かれ、多くの人々が超テクノロジーを利用しつつ穏やかに暮らしている。
かつては『知られざる文明』だったこの場所も、すっかり馴染みの深いものになったのだが……だからこそ、オブリビオン達もこの地を狙いに来ているようだ。
その日、ラグランジュポイントに飛来したのは小さな機械の塊だった。
その塊は周囲の機械の残骸を取り込み、密かに成長を続けていく。
更には呼び寄せられた配下のオブリビオン達も町へと繰り出し、機械を取り込もうとしているようだ。
このままこの機械塊――猟書家『デストロイ・プライム』が成長を続ければ、きっと取り返しのつかないことになるだろう。
けれどここはヒーローズアース。世界の危機には必ずヒーロー達が立ち上がるものだ。
●
「集まってくれてありがとう。今日はヒーローズアースで猟書家案件だよ」
猟兵達に笑顔を向けつつ、ユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)はゆるりと話を切り出す。その口振りの通り、再び猟書家が出現したようだ。
「目的地はラグランジュポイントだね。ここに出現した猟書家が、周囲のすごいテクノロジーで作られた機械を取り込んで暴れようとしてるみたい。みんなにはその猟書家と配下を倒してもらって、目論見を阻止してほしいんだ」
ラグランジュポイントは宇宙に作られた広大な都市だ。ここにある機械は正しい意図で使われたのなら人々の助けになるものばかりだが、それが悪用されてしまえば恐ろしいことになるのは間違いない。ラグランジュポイントだけでなく世界の平和のためにも、猟書家の企みを放ってはおけないだろう。
「まずは町中を駆け回って、猟書家の配下達を倒してきて欲しいんだ。彼らも猟書家のパーツみたいなもので、身体を機械化してるから見た目では分かりやすいと思う。ただ厄介なのは……彼らの目的は『周囲の機械を取り込んで猟書家に届けること』だから、戦闘よりは逃走を優先するってところかな。ラグランジュポイントは広いし未知の機械はいっぱいあるしで、地の利の面ではかなり不利だと思う」
配下のオブリビオン達は隙を見て町の至るところに潜り込み、逃走を図ろうとするだろう。しかしこちらが気を付けていても、様々なテクノロジーを悪用されたは勝ち目はない。だが、ユェンの表情に心配の色は滲んでいないようだ。
「ボクらだけで地の利が不利になるなら、地元の人達に頼っちゃえば問題ないよね。目的地には『セブン・リトルズ』っていうヒーローチームがいて、彼らは既に猟書家が動いてることに勘づいてる。彼らに地元のテクノロジーを動かしてもらったり道を教えてもらいつつ戦えば、配下を取り逃がさないように戦えるはずだよ」
『セブン・リトルズ』はアームドヒーロー7人組のヒーローチームだ。彼らなら機械の扱いには長けているだろうし、猟兵ともスムーズに連携をとることができるだろう。
「配下を倒していけば猟書家本体も出てくるはずだよ。そしたらあとはボコボコにしてやるだけ、いつも通りに頑張ってきてね」
そう説明を終えつつ、ユェンは改めて猟兵達へと顔を向ける。
「大変な戦いになるけど、みんなならきっと大丈夫だよね。それじゃあ気をつけて、いってらっしゃい!」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
サポート優先シナリオとなります。
通常プレイングを頂いた際は、通常通りに執筆させていただく予定です。
●プレイングボーナス
アームドヒーローのヒーローチームと共闘する、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る(敵がスナークの名の元に恐怖を集める企みを妨害します)。
●一章『プルトン人』
猟書家のパーツでもある機械化オブリビオンです。
彼らは町のどこかに潜む猟書家の元へ向かうことを優先します。逃走を阻止するためには何かしらの工夫をしたり、地元のヒーロー達に協力してもらうことが大切です。
●二章『デストロイ・プライム』
配下が倒されると猟書家本体が出現します。
彼を倒すことが今回の目標です。
●アームドヒーローチーム『セブン・リトルズ』
色違いのアームドスーツを着こんだ7人組のヒーローです。
戦闘能力は高くありませんが、機械の扱いや地元の地理には詳しいです。
猟書家配下の逃走を阻止できるように町の装置を動かしたり、道案内をしてくれます。
●
どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
進められる時に進めていく感じになるかと思われます。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『プルトン人』
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POW : フルメタル・スキン
全身を【地球には存在しない未知の金属でできた装甲】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃を学習し、味方全体で共有。その蓄積】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : ブラックアイド・ヒューマンズ
【眼以外は完璧に地球人に擬態した潜入工作員】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ : アンノウン・ウェポン
【未知の科学技術で作られた光線銃やその銃剣】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
東海林・馨(サポート)
できれば前線や斬り込み役に名乗り出たいですが、他に相応しい猟兵が居たらゆずります。
集団戦は本能が働くのか気分が高揚してしまうため、出来る限り気持ちが高ぶらないよう戒めて行動します。
戦闘では人型と狼の姿を使い分け、音、匂い、暗闇と言った地の利や武術と獣の俊敏さを活かして敵を翻弄します。
人狼咆哮は周りに猟兵がいない時だけ使用するように注意を払います。
その他はお任せです。
●
不可思議な建物が立ち並ぶラグランジュポイントにて、蠢くのは機械の怪人達。
彼らは周囲の機械を少しずつ取り込み、どこかへ向かおうとしているようだが――。
「そこのオブリビオン達、逃しはしないぞ。『秘密結社スナーク』……もとい猟兵達から逃れられると思うなよ」
ざっと、怪人達の前に黒い影が躍り出る。その正体は猟兵・東海林・馨(探索する者・f33122)だ。
人狼の感覚器官は怪しげな輩を決して見逃さず、どこまでも追い詰めるだろう。
怪人達もそのことを悟ったのか、身体を金属の装甲で覆い隠しつつ町の影へと潜り込むつもりらしい。
けれど心配は無用だ。馨にとっては見知らぬこの町も、協力者にとっては庭同然の場所なのだから。
馨は連絡用の端末を取り出すと、その通話口へと鋭く声をかける。
「セブン・リトルズ、応答してくれ。このポイントの敵ならどの方角に逃げるだろうか?」
『猟兵さんだな? このルートなら……西の川辺に向かうだろう。物陰が多くて逃げやすいルートだろうし』
「分かった。なら俺もそちらへ向かう」
協力者から情報を貰い受けたのなら迷う必要はない。
馨は静かに目を伏せ、戦闘へ向かう準備を進める。身体を巡る気の流れを整え、五感を研ぎ澄まして。
そして総てが整えば――勢いよく地面を蹴飛ばし進むだけだ。
聞いていた情報の通り、機械怪人は川にかかる橋の影に身を潜め、次の進行ルートを考えあぐねているようだ。
相手はまだこちらに気づいていない。奇襲のチャンスだろう。
「狼は深く深く追い詰める。行くぞ、猟書家の手下」
昂ぶる気分を巡る気力に変え、指先へと集中し――馨は隠れる怪人へと向かい、埒外の力を解き放つ!
圧縮された霊力の弾丸は真っ直ぐに飛んでいき、見事に怪人へと命中した。同時に霊力は透明な糸へと変わり、敵を逃さない標へと転じていく。
怪人の方はまだ奇襲に驚いているようで、すぐさま逃げ出そうとしているようだがもう遅い。
「言っただろ、逃しはしない!」
馨は糸を類って敵との距離を縮めつつ、拳を固く握りしめる。
そして思い切りそれを振りかぶれば――鍛え抜かれた武の力が、金属の装甲も機械部分もまとめて打ち砕く!
見事に敵を迎撃したことを確認し馨は少しだけ息を吐くが、けれど戦いはまだ終わっていない。
「他の敵もどんどん倒していかないとな……よし、行こう」
人狼の青年による切り込みは、まだまだ始まったばかりだ。
成功
🔵🔵🔴
藍原・蒼夜(サポート)
人間の學徒兵×力持ち、20歳の女です。
普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
故郷とは打って変わった不可思議な町並みは見ていてとても楽しいけれど、戦うことも忘れてはいけない。
藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)はゆるりと機械都市を進みつつ、敵の姿を探していた。
此度のオブリビオンは機械怪人、整えられた町並みの中の異物となれば見つけることも難しくはない。
けれど攻撃をしかける前に、蒼夜が取り出したのは連絡用の端末だ。通話モードを起動すれば、協力者であるセブン・リトルズともすぐに連絡が取れる。
「もしもし、敵の姿を見つけたわ」
『本当かい? それじゃあ今から攻撃を仕掛けるのかな』
「ええ、勿論。だけどこの町は初めてなの、出来ればもっと情報が欲しいわ。そうね……敵の逃走しそうなルートと、戦闘後に隠れられそうな拠点とか」
蒼夜の口調はおっとりとしたものだが、その声色は真剣だ。
ヒーローも確かにそれを感じ取っているのか、彼の声色も合わせて真剣なものへと変わっていく。
『それなら南のルートがいいだろうね。機械障壁も用意出来るし、僕らの拠点も近くにあるよ』
「ありがとう。どちらも利用させてもらうわね。それじゃあ……後は任せて」
『こちらこそ。何かあればまた連絡してくれ!』
通話を終え、蒼夜は静かに息を吐く。まだ怪人が動く気配はないが、ここで相手を取り逃がせば猟書家が強化されてしまうのだ。
これ以上の事件を防ぐため、蒼夜は特製の骨付き肉を齧り気合を入れる。
「私の中に眠る力よ、進化せよ!」
活性化する細胞の脈動を感じつつ地面を蹴れば――戦いの幕開けだ!
機械怪人も蒼夜の接近に気づいたようで、すぐさま逃走の準備を始めたようだ。
相手が牽制のために取り出したのは光線銃。放たれる光が蒼夜の道行きを阻み、視界を阻害していく。
けれど遅れなど取るものか。蒼夜は力強く地面を踏み込み、一気に敵との距離を詰めていく。
うまくルートを誘導していけば、ヒーローの言った通りに機械障壁が怪人の足を阻んでくれているようだ。
ならば後は――蒼霊刀で斬り伏せてやるだけだ。
「ふふっ、追いかけっこはこれで終わりね。それじゃあ……」
握った刀に霊力を巡らせ、一閃。蒼夜の放った斬撃は見事に命中し、機械怪人はスクラップへと化していく。
このまま別の敵も追いたいところだが――しかし、細胞活性化の反動か蒼夜の身体はふらついているようだ。
「拠点は……こっちかしら? 少しだけ休憩させてもらいましょう……」
指示された場所で一眠りすれば、またすぐに戦えるだろう。
確かな手応えを感じつつ、蒼夜は暫しの休息に入るのだった。
成功
🔵🔵🔴
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「バトルの時間デース!」
雇われメイド、バルタン! 参上デース!
アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調で(ワタシ、アナタ、デス、マス、デスネ、デショーカ? デース!)
得意な技能:【一斉発射・焼却・武器受け・残像・カウンター・受け流し】デスネ!
遠距離ならば、銃火器類の一斉発射や各種UCによる攻撃が有効デスネー!
近距離戦闘なら、ファルシオンで白兵戦を挑みマース!
敵の数が多いor護衛対象がいるならば、バルタンズをお勧めしマース! 数の有利は得られるデショー!
状況に応じて行動して、他の猟兵のサポートに回っても大丈夫デス!
迎撃、防衛、襲撃、撤退戦、どのような戦場でも参戦してOKデース!
頑張りマース!
●
「バトルの時間デスネ! 『秘密結社スナーク』の一員としても頑張りマース!」
そんな宣言を声高らかに発しつつ、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)も不可思議都市へと舞い降りる。
此度のターゲットは機械怪人達、けれど彼らはコソコソと逃げ回るつもりのようだ。
「面倒な相手ですし、協力者には素直に頼りマショウ! ということでテレフォン!」
連絡用端末をぱぱっと操作すれば、電話口からはすぐに『セブン・リトルズ』の声が響いた。
『もしもし、どうした?』
「敵がチョコマカ逃げるつもりなので、こっちは思い切り仕掛けようと思っているのデス。何か装置などで町を守ったりできないデショウカ?」
『それなら防護壁を起動出来るエリアを教えるよ。装置は予めつけておくからね』
「ありがとうございマース! 助かりマス!」
必要な情報が分かれば簡単な挨拶を交わし、通話を切って。
準備が整ったことを確認し、バルタンは真っ直ぐに町を駆けていく。
そうして突き進んでいけば――コソコソ隠れる怪人も猟兵の到来に気づいたようだ。
機械怪人はどこかずんぐりした体型に反して素早く、未知の金属を纏いつつもチョコマカと逃げていく。
「待て待てー! 逃しまセン!」
バルタンも負けじと怪人を追いかけるが、ただ無計画に走っている訳ではなかった。
さりげなく道筋を確認し、目的地との距離を詰め――怪人を教えてもらったエリアまで追い立てているのだ。
そうやって走っていけば、建物の表層が電磁バリアのようなもので覆われたエリアまで辿り着くことが出来た。怪人はそれに気づかず、ただひたすらに逃げている。
ここなら暴れてもきっと大丈夫だ。そう確信し、バルタンは頭部の演算デバイスから信号を送る。
「骸式兵装展開、岩の番!」
次の瞬間、バルタンの小柄な身体は急激に大きくなっていく。
巨大な岩翼と岩腕を携え、身体を纏う鎧を鈍く輝かせるその姿は――異世界に顕れた強大なオブリビオンを模したものだ。
「模倣様式・絶対岩腕! ダイナミックに逃しまセン!」
これだけ大きな身体になれば、敵がコソコソ逃げ隠れようとも問題はない。
思い切り腕を振り下ろしてやれば――相手が隠れようとした障害物も、金属装甲もお構いなしに吹き飛ばしてしまえるのだから!
バルタンの放った一撃は機械怪人を叩き潰すが、町への損害が一切ない。この調子で暴れていけば、残りの敵もすぐに退治出来るはずだ。
「それではどんどん行きまショウ!」
ニコニコ笑顔を浮かべつつ、バルタンは元気いっぱいに敵を追い立てていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヒース・アーベル(サポート)
*性的表現のあるシナリオは不可
アドリブ・共闘:可
UC:ご自由に
メイン武器:各種投擲用ダガー
「さて、“掃除”を始めましょうか」
基本的には、相手の隙を作る方に特化しています。
主に呪文付の投擲武器を【武器複製】で複製しつつ戦うことが多いです。それらを投擲して対象に当たったら呪文発動、という感じです。それ以外の使い方でも構いません。
また、【霧の街】で敵の視界を塞ぎつつ味方を回復するなど、他の方を支援することもあります。
仕込み杖はいざという時か、暗殺など騙し討ちをする時くらいしか使いませんね。
怪我をすることは特に気にしません。また、他の猟兵さんに迷惑をかけること等は致しません。
どうぞ宜しくお願いします。
●
広い機械都市の合間で、機械怪人達は虎視眈々と離脱の時を狙っている。
その内の一体がこそこそと移動を開始しようとした瞬間――立ちはだかるのはヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)だ。
「事前に潜伏出来そうな場所を聞いてきて正解でしたね、これで逃がす心配はありません」
地元のヒーロー『セブン・リトルズ』からはばっちりと情報を得てきている。敵の隠れられそうな場所も逃げられそうな場所も把握済み、戦いの備えは十分だ。
魔術用の投擲ナイフを構えつつ、ヒースは少しずつ怪人との距離を詰めていく。
同時に怪人達も身体を未知の金属で覆い始め、逃走の準備を進めているようだ。
だからこそ余計に逃がす訳にはいかない。掃除人として、目の前の仕事はしっかりと果たさねば。
「さて、“掃除”を始めましょうか」
怪人達の足が前へと進み出すと同時に、ヒースの投げるナイフが機械の都市に煌めいた。
そのうち数発は逃げる怪人より先に、着弾と同時に弾けるのは魔法の炎だ。
しかし敵は燃え盛る炎も厭わず真っ直ぐに進んでいく。身に纏う金属装甲は熱に強いのだろうか?
(ふむ……何かよく分からない以上、対策は考えなければいけませんが……)
戦いにおいで相手をしっかりと観察することは大切だ。ヒースは揺らめく炎の中の怪人を見据え、己がやるべきことを考える。
炎が効かないとしても、あの装甲に熱が全く伝わっていないということはないだろう。
それなら別のアプローチだ。
「未知の金属であろうと我々の知る法則が当てはまらないことはありません。例えば――急激な温度変化が有効である可能性は十分に有り得ます」
ヒースは更に数本のナイフを取り出して、敵の方へと投げつける。
ナイフが着弾すると同時に発動するのは凄まじい冷気だ。
氷点下の空気が怪人を包み込めば――着込んだ装甲にも大きな罅が刻まれていく!
冷気と熱気が合わさって生まれた霧が怪人を包み込めば、相手の装甲もどんどん力を失っているようだ。
「ほら、隙だらけでしょう? それでは――“掃除”を完遂しましょう」
トドメとばかりにナイフを投げつけ、ヒースは手早く詠唱の言葉を唱えた。
次の瞬間、炸裂した炎と氷が怪人を木っ端微塵に打ち砕く!
これにて敵の戦力を削ぐことには成功した。けれど戦いはまだまだ続くだろう。
上品な服についた埃を払い、ヒースは再び都市の中を歩いていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
エリー・マイヤー(サポート)
どうもエリーです。
手が必要そうなので、手を貸しに来ました。
【念動力】で解決できる事なら、お任せください。
遠くから押したり引いたり掴んだりとか、
持ち上げたり回したり投げたりできますよ。
包み込んで動きを封じたり、破裂させて攻撃したりもできます。
微弱な念動力をばら撒けば、ソナー代わりにも使えます。
後はスプーンを曲げに曲げて、コルク抜きにしたりとかですかね?
タネなし手品で子供を喜ばせるとか、朝飯前です。
子供は煙草の臭いで逃げる気もしますが…
まぁ、それはさておき、状況に応じて色々できますよ。
あ、運動は苦手なので、
殴り合いとか派手な運動は期待しないでくださいね。
たぶん息切れして倒れちゃいますよ。
●
機械怪人達は『都市で隠れて行動する』という行為について、想像以上に頭を働かせていたようだ。
彼らは地球人に擬態した工作員を用いつつ、都市の様子や設備に関しての情報を集めていたらしい。
確かにごく普通の人々ならば、工作員を見分けることは難しいだろう。
けれど猟兵の中には――そのようなものの対処に長ける者もいるのだ。
エリー・マイヤー(被造物・f29376)は高いビルの屋上から、静かに未知の都市を見下ろしていた。
「『セブン・リトルズ』から聞いたのはこちらでしたっけ。最近妙な住民がいるっていう……」
事前に得てきた情報と借りた町の地図を確認しつつ、エリーは愛用の煙草を口に咥える。
馴染んだ動作で火をつけて、煙を吸って。適度に頭が冴えた所で、意識を向けるのは都市の中。
その意識を念動力として徐々に広げ、ゆっくりと伸ばしていって。
微弱な念動力によるソナーが一帯を捉えれば、都市の様子がよく伝わってくる。
ラグランジュポイントに暮らす人々は自分にとって馴染みの薄いもの。けれど彼らの持つ生命反応は特におかしな部分はない。
ならば――おかしな部分のある者が、きっと疑わしい者だ。
(……ん、何かこう、妙な方が。おかしいのは眼球の動きですかね?)
ふと念動力が捉えたのは、きょろきょろと忙しなく視線を変える男性だ。
彼は身を屈めつつ何処かの扉を開き、大きな機械反応を導いていく。
間違いない。あの男性は工作員で、一緒にいるのは機械怪人だろう。
彼らの進行ルートを考えれば、このビルの側を必ず通る。ならばその時が奇襲のチャンスだ。
工作員と機械怪人がこそこそと街を進もうとしたところで――エリーは改めて彼らの姿を見下ろした。
「もう少し下の階の方が良さそうでしょうか。筋肉痛が怖いですが……」
念動アーマーで身体を保護しつつ、エリーは屋上から落下していく。念動力のおかげで落下速度はゆっくりで、敵もこちらには気づいていないようだ。
ならば、勝負は一瞬で。
エリーは手元に念動力の塊を生み出して、それを思い切り地面へと叩きつける!
衝撃が敵達を打ち据えれば、彼らは何が起きたのか理解できないままに骸の海へと送り返された。
残る力でゆっくりと着地をし、エリーは紫煙混じりの息を吐く。
「なかなか骨の折れる作業でしたね……。敵はまだいるのでしょうか、息切れしないといいのですが……」
少しふらつく身体を支えつつ、エリーは再び街を行く。
機械怪人の数は着実に減ってきているようだった。
成功
🔵🔵🔴
グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)
●
残る機械怪人は次々撃破される仲間の存在を感じつつも、猟書家の元を目指して駆けていた。
けれど彼が主の元へと辿り着くことはない。その道行きに立ちはだかる者がいたからだ。
「その見た目、帝国軍の衛兵を思い出すねえ。昔の戦いを思い出しちまうよ」
ざっと、怪人の前に立つ猟兵。彼女の名前はグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)、齢100歳を超える歴戦の戦士だ。
彼女からして見れば、機械怪人は憎き銀河帝国軍の敵に似ている。世界に齎す悪影響だって似たようなものだろう。
ならば決して、逃がすことなんて出来やしない。
「こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ。今日は『秘密結社スナーク』の一員としても、相手をさせてもらおうじゃないか」
グレナディンがブラスターを構えると同時に、怪人も未知の金属を身に纏う。
けれど士気を高めるグレナディンとは裏腹に、相手は逃走を考えている様子。
逃げる相手を追う戦いだって何度も経験はあるのだ。グレナディンはニヤリと笑みを浮かべ、踵を返そうとする怪人の背を睨んだ。
都市の造りはなかなか複雑ではあったが、猟兵達は事前に『セブン・リトルズ』から情報を得てきている。
ならば敵の逃走ルートも予想が出来るし、相手を追い込むのに適切な場所だって把握しているのだ。
「どこまでも逃げるといいさ、必ず捕まえてやるからね!」
ブラスターで威嚇射撃を撃ち込めば、怪人は慌てて街の影へと逃げていく。
相手が逃げ出しそうなルートに先回りしつつ、グレナディンが確認していたのは周囲の様子だ。
(ここから南に行けば……大きな隔壁があるそうだね)
都市のセキュリティもヒーロー達が動かしてくれている。それならば、素直にそちらに向かえばいいだろう。
ちょうどタイミングよく怪人も姿を晒したようだ。そちらに再び光線を撃ち込みつつ、グレナディンは勢いよく狭い道を駆け抜ける。
こうして逃走と追跡を続けていけば――見えたのは巨大な隔壁だ!
追い詰められた怪人は慌ててルートを探しているがもう遅い。
「袋のネズミならぬ怪人って訳だね? それじゃあ……覚悟しな!」
フォースのオーラを身に纏いつつ、グレナディンは一気に敵との距離を詰める。
片手にはブラスター、もう片手にはフォースセイバー。完全に武装した老戦士が街を駆け抜け――煌めくのはフォースの輝き!
グレナディンの放つ目にも留まらぬ攻撃は一瞬にして怪人を打ちのめし、骸の海へと叩き込んでいった。
激しい戦いが終われば、少しの静寂が街を包むが――平穏はまだ訪れていない。
配下の全滅を確認した猟書家が、こちらへと迫っているのだから。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『デストロイ・プライム』
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POW : グラウンド・ゼロ
単純で重い【足や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ジェノサイド・ブラスト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【全身のビーム砲】から【破壊光線の雨】を放つ。
WIZ : トリニティ・バースト
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【悪】属性の【破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。
イラスト:aQご飯
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ミネルバ・アレキサンドリア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
雪代・桜花(サポート)
桜の精の仙人×パーラーメイド、17歳の女です。
普段の口調は女性的(私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
サクラミラージュの山奥で生じた桜の精で、普段は『帝都桜學府』に通いながら色んなアルバイトをしている猟兵です。
UCによる技能強化で他参加者の文字通りのサポート役(戦闘支援の他、一般人相手の情報収集や敵地の偵察、給仕など)が理想です。
UCの『オールワークス!』で状況や目的に応じた手持ちの防具に着替え、その初期技能を上昇させ【情報収集】や【破魔】などでサポートします。あるいは軽機関銃と素の【援護射撃】や【制圧射撃】で戦闘をサポート。
その他、桜の精として影朧の転生やUCによる回復も可能。
回々・九流々々(サポート)
『僕だってやれば出来ます。はい』
愉快な仲間のオブリビオンマシン × 四天王、7歳の女です。
普段の口調は「コーヒーカップ(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」、酔った時は「くるくる(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
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ようやく姿を現したのは、機械怪人とは比べ物にならない巨体の機械竜だ。
猟書家『デストロイ・プライム』は重い足音を響かせつつ、自らの計画を踏みにじった相手の姿を探している。
都市の人々はヒーロー達が逃してくれているが――このまま放っておけば被害は凄まじいものになるだろう。
「あれが猟書家……早くなんとかしなければいけませんね……!」
ごくりと唾を飲み込んで、敵の巨体を見上げるのは雪代・桜花(桜仙・f23148)だ。
山奥から旅立ち人と交わることを選んだ彼女にとって、罪なき人々が蹂躙される可能性というのは見過ごせないものだろう。
その隣では少女の姿をした猟兵、回々・九流々々(くるくる・f21693)も猟書家の姿を見上げていた。
「はい、あれは危険な存在です。ですが僕達ならきっと、どうにか出来ます」
「そうですね。そのために私達猟兵が……『秘密結社スナーク』が来たのですから」
桜花の真剣な言葉に応えるよう、九流々々がこくりと頷く。
けれど無計画に挑んでどうにかなるような相手でもないだろう。ここは連携が必要だろう。
「治癒と支援ならお任せ下さい。ですが大きな相手ですから、何か大掛かりな仕掛けが出来るといいのですが……」
軽機関銃に銃弾を装填しつつ桜花が唸る。
銃撃で相手の装甲を削ることは出来るだろうが、なかなか骨の折れる作業にはなるだろう。
けれど九流々々はゆるりとした笑顔を浮かべ、桜花の方を見つめていた。
「それなら僕がどうにか……僕だってやれば出来ます。はい。代わりに吐きそうなりますが」
「まあ、それは大変。それなら私がサポートしますね」
平然と代償を語る九流々々に対し、桜花が示したのは暖かな聖なる光。
これで九流々々を癒やしてやれば、彼女も十全に戦うことが出来るはずだ。
「ありがとうございます。それでは……」
九流々々が天を指差せば、同時に姿を現すのは――くるくる回る超巨大コーヒーカップ!
愛らしくも冒涜的な七色のモザイク触手を振り回すその姿は、ある種悪夢染みたものがある。
それに合わせるように九流々々の身体もくるくる回り、藍色の瞳もぐるぐるし始めている。
「あれに戦わせます。猟書家だって乗せてやればイチコロですよ」
「分かりました、それなら二人で猟書家を追い詰めましょう」
目を回す九流々々を暖かな光で癒やしつつ、桜花は改めて敵を見据える。
それと同時に、デストロイ・プライムも咆哮を発し――本格的な戦いが始まったのだ。
デストロイ・プライムの身体はとても巨大で、脚や尻尾が振り回されるだけで周囲の建造物が大きく崩れた。
それらに巻き込まれないよう気をつけつつ、桜花は少しずつ敵との距離を詰めていく。
(どうにか銃を撃ち込んで……コーヒーカップと挟み撃ちを狙いましょう!)
桃色コーヒーカップが敵の正面に向かっているのを確認し、桜花は敵の後方へと駆ける。
九流々々も桜花に癒してもらった影響か、いつもよりは落ち着いた様子で戦えているようだ。
「まずはこちらから……思いっきりやっちゃって下さい」
主人の意志に合わせ、コーヒーカップが回る。その度に触手が鞭のように撓り、敵の動きを牽制出来ているようだ。
桜花も一気に目的地まで辿り着き、機関銃を構え――狙いを定めるのは大きな翼!
「その翼で飛ばれては厄介ですから……!」
機関銃から激しい音と光が爆ぜれば、凄まじい弾幕が巨大な黒翼を撃ち抜いていく!
流石にこれだけの損害が生じれば、猟書家も桜花の存在には気付くだろう。彼は口元に破壊のエネルギーを集中させ、後方へと振り向こうとするが――。
「僕達もいますよ」
虹色触手が猟書家の首根っこを引っ掴み、桜花の方へと向かせやしない。
その隙に再び弾を装填し、桜花は猟書家に鋭い視線を向けた。
「これ以上、誰も傷つけさせません……九流々々様!」
「ええ、はい。合わせます、任せて下さい」
桜花の銃撃が敵の背中を押していけば、同時にコーヒーカップが距離を詰める。
そして相手がバランスを崩した瞬間――その身体はコーヒーカップの中へと吸い込まれた!
何度も何度もぐるぐるとシェイクされ、そのまま遠心力で猟書家は吹き飛ばされ――べしゃりと更地に着地する様は何とも言えないものがある。
この一撃で見事に敵の力は削げた。作戦の成功を確認し、桜花はほっと安堵の息を吐く。
けれど彼女の側へと歩み寄る九流々々の足取りは何処か覚束なくて。
「九流々々様、大丈夫ですか!? もしかして怪我を……」
「いいえ、気にしないで下さい。ちょっと回りすぎただけですから……」
桜花はふらつく九流々々の身体を支え、再び聖なる光の治癒を施す。
なんとも不思議な戦いではあったが、強敵との戦いにおいて先制は無事に制することが出来たのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ユイン・ハルシュカ
手は、足りているか?
微力だがボクも手を貸そう。
遅くなったな。これより反撃と行こう。
まずは現地のセブン・リトルズと合流。
ボクはこの街に不案内だ。だから、教えてくれ。
お前たちがヤツを迎え撃つ、最適の場所を。
……ボクは戦わないのか、って?
冗談じゃない。あんな化け物、ボクが勝てるワケなかろう!
ともかく案内するんだ、いいな?
さて……破壊光線の直線上に一人で身を晒すなど、
ヤキが回ったと思えるが。
――策はわが手の内にある。
音を立て突き立つ髑髏柱で、ヤツを取り囲む。
いかに詠唱時間を長くしようと、元が下がれば微々たるもの。
届かぬというなら届く所まで引きずり下ろすだけだ。
さあ、同じ土俵まで降りてきてもらおう……!
●
猟書家本体が出現したとの報せを受けて、セブン・リトルズ達は猟兵の援護を請け負うことにしていたようだ。
彼らは住民を避難させたり防衛システムを起動したりと、街中を駆け回っている様子。
その内の一人がふいに服を引かれ、視線をそちらへ向ければ――見えたのは大きな角だ。
更に視線を下げてみれば、角の持ち主であるユイン・ハルシュカ(山羊角の悪魔の四天王・f33153)と目が合った。
『君も猟兵かい?』
「その通り、微力だがボクも手を貸そう。手は、足りているか?」
『幾らでも欲しいさ! それで、何か手伝うことはあるかい?』
ユインはその言葉にこくりと頷き、そして都市をびしっと指差す。
「ボクはこの街に不案内だ。だから、教えてくれ。お前たちがヤツを迎え撃つ、最適の場所を」
『……? あれ、俺達があいつを? 君は戦わないのかい?』
ヒーローから向けられる当然の質問にはぷるぷる頭を振るユイン。その様子はなんというか、歳や背格好相応だ。
「冗談じゃない。あんな化け物、ボクが勝てるワケなかろう! ともかく案内するんだ、いいな?」
『わ、分かったよ。とりあえず案内するね……』
若干困惑気味のヒーローの手を引きつつ、ユインは不可思議な都市を進んでいく。
けれど大丈夫。ユインは四天王の座を受け継ぐ悪魔、策略を巡らせるのは得意なのだ――。
案内してもらったのは、かなり広い通りの中央だ。
その先ではデストロイ・プライムが堂々と歩き回り、溜めた破壊のエネルギーをギラつかせている様子。
それを前にして、ユインは同行したヒーローを手で制した。
「案内ご苦労。お前は元の仕事に戻るんだ」
『えっ、さっきはああ言ってたのに……大丈夫かい?』
「そうだな、破壊光線の直線上に一人で身を晒すなど、ヤキが回ったかのようだ。だが案ずるな、お前達は見ていてくれればいい」
『……そうか、分かったよ』
堂々と紡がれる言葉に納得したのか、ヒーローは心配しつつも持ち場へと戻っていく。
同時に凄まじい光が前方に弾け、猟書家が邪悪な光線を発しようとしてきたが――。
「――策はわが手の内にある」
それよりも早く、ユインの呼び出した髑髏柱が通りに突き刺さっていく!
立ち並ぶ柱は猟書家を取り囲み、そのパワーをどんどん奪い去っているようだ。
「そう、ボクではお前には届かない。だが届かぬというなら届く所まで引きずり下ろすだけだ、さあ、同じ土俵まで降りてきてもらおう……!」
撒き散らされた呪詛が破壊の光をどんどん弱めていく度に、ユインは堂々と胸を張る。
小さな少年が巨大な機竜を見上げている光景のはずなのに――存在感はユインの方が圧倒的に強い。
仲間が弱った猟書家に着実にトドメを刺すことを確信し、ユインは威厳たっぷりの笑みを浮かべるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
チヒローズ・イッシー(サポート)
自由都市を故郷に持ち、本人も自由を愛する女性です。
戦闘では指定したユーベルコードを状況に応じて使い、人々の自由を取り戻す為に皆さんと力を合わせて戦います。
オラトリオの聖者×プリンセスということで、もしよければキラキラっとした華やかな戦闘演出を描写していただけると嬉しいです。
口調はステータスシートの通り、「なの、よ、なのね、なのよね?」という感じの優しく人当たりのいい女の子といった感じの喋り方です。
一人称は「私」、二人称は基本的に年齢や男女を問わず「さん」付けの呼び方です。
あとはマスターさんにお任せします。よろしくお願いします!
七星・龍厳(サポート)
『俺に挑むには10年早いな。』
羅刹の剣豪×マジックナイトの男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、仲間には「フレンドリー(俺、呼び捨て、言い捨て)」
行動の基準は戦闘が楽しめるか、又は興味を持った事柄に積極的に関わる。
戦闘は戦場で敵の技術を盗み自身が扱えるものに昇華させるため戦場を探してる竜殺し。
戦場では弱肉強食、故に弱者に手を差し伸べる者への優しさと敬意は無くしていない。
猟兵の妻と娘がいる。
ユーベルコードはどれでも使用、怪我は厭わず行動します。迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしく!
●
デストロイ・プライムはここまで受けた傷や呪詛により大きく弱っているようだ。
それでも猟書家の纏う威厳や敵意は薄れていない。彼はきっと最後まで抵抗を続けるだろう。
その様子には思わず息を呑んでしまうが、負けていられない。強い決意を抱きつつ、チヒローズ・イッシー(オラトリオの聖者・f20852)は頭を擡げる竜を見上げる。
「恐ろしい相手だけれど、これ以上放ってもおけないよね。だって都市の人達が傷付けられてしまうもの……!」
猟兵としての強い責任感と正義感を抱きつつ、チヒローズはぎゅっと拳を握る。
そんな彼女の隣には、豪快に笑う七星・龍厳(紅蓮の竜殺し・f14830)の姿があった。
「そうだな、弱きを挫く輩は見過ごせないし……何よりも相手にとって不足はない。竜殺しとして腕が鳴るぜ」
龍厳の胸には弱きを護る思いと同時に、戦いへの強いモチベーションがあるようだ。
立ち並ぶ猟兵達が抱く思いは違っているが、それでも目指す場所は同じ。
「猟兵として、秘密結社スナークの一員として……あのドラゴンをやっつけましょう!」
「ああ、思いっきり戦わせてもらおう!」
二人が朗々と声を上げたのに呼応するように、デストロイ・プライムも大きく咆哮を繰り出す。
その口元には禍々しい悪の光が宿っているが――猟兵達ならば、その圧倒的な破壊力を前にしても決して怯えることはない。
「まずは私が敵を引きつけるよ!」
チヒローズが先行するように道を駆け、発動するのは埒外の力だ。
彼女の纏う衣服は豪華絢爛なドレスへと変わり、舞い踊る花弁が進むべき道を作り上げる。
それを駆け上がるように空へ飛び立ちつつ、チヒローズが目指したのは猟書家の眼前だ。
(ここまで接近すれば、きっと……!)
猟書家が放とうとしている破壊光線は力を溜めれば溜めるほど威力の上がるもの。
けれど目の前に猟兵が現れたとなれば、相手も決して見過ごせやしないだろう。
チヒローズの予想通り、目の前で眩い光がニ、三度瞬けば――凄まじい勢いの光線がすぐに迫りくる!
けれどプリンセスは悪の心に屈しないものだ。咄嗟にプリンセスハートを構えれば、心の鼓動は悪の光線を見事に跳ね返してくれた。
こうして最初の一撃は無事に凌げた。今度は猟兵達の番だ。
「っ……龍厳さん、お願い!」
「チヒローズ、ありがとうよ! 次は任せろ!」
仲間の呼びかけに応じるように、龍厳もまた敵へと迫る。
近づけば近付くほどにデストロイ・プライムの巨大さや威圧感は強く受け止められるが――だからこそ面白い!
「いきなり倒れるなよ? まずは……こいつを喰らいな!」
突撃と同時に龍厳が構えたのはドラゴン達の吐息で鍛えたドラゴンブレイドだ。
全身に力を籠めて勢いよく剣を振るえば、その大きな刃は機竜の脚に深々とした傷を刻みつけていく。
大きなダメージに焦ったのか、猟書家は翼を広げて後退していくが――つまりそれは、ここまでの戦いが上手く行っている証拠だろう。
「まだまだ行くぜ!」
「逃さないよ!」
猟兵達も地上と上空に分かれつつ、更に猟書家を追い込んでいく。
猟書家はまだ破壊の光を溜めようとしているようだが、猟兵達は決してそれを許さなかった。
時にチヒローズが空から祈りの光を叩き込み、時に龍厳が地上から剣を振るう。
猟書家も不利を悟ったのか後退を続けるが――この都市の防御システムは地元のヒーローが操作しているのだ。
「……今だ、セブン・リトルズ!」
「障壁をお願い!」
猟兵達が大きな声でヒーローへと呼びかければ、猟書家の後方に巨大な壁が迫り上がる。
これでもう相手は逃げられないだろう。一気にトドメを刺す時だ!
「お前との戦いからも学ぶものはあったが……俺に前に立つには10年早かったな!!」
「平和に暮らしていた人々や街を傷付けた報い、受けてもらうのよ!」
龍厳が堂々と剣を構えれば、宿る魔術が様々な属性剣を周囲に展開。それが矢のように降り注ぎ、一気に猟書家の装甲を抉っていく。
そこに追撃を仕掛けるのはチヒローズの放つ魔法だ。属性剣と共に舞い踊る花弁が強かに猟書家を打ち据えれば、破壊の光は祈りに呑まれきらきらと消えていった。
そして二人の全力の攻撃を受けたことで猟書家の身体は完全に砕け散り、小さなコアへと戻り――骸の海へと消えていったようだ。
「これで……終わったのよね? よかった……」
「お疲れ様だ、良い戦いだったぜ」
チヒローズがふわりと地上へ戻っていけば、龍厳が笑顔で出迎える。
二人はゆっくりと障壁が戻っていくのを見上げつつ、互いに労いの言葉を掛け合うのだった。
●
こうして猟兵達は猟書家の企みを打ち砕くことが出来た。
ラグランジュポイントにも多少の損害はあるけれど、皆で力を合わせれば直せるものだ。
戦いを終えた猟兵(ヒーロー)達を、この不可思議な都市は暖かく出迎えてくれるだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴