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マジカルガール・カートゥーン・パニック!

#ヒーローズアース #【Q】 #戦後 #魔法少女 #カオス #そうはならんやろ #カートゥーン

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 ――魔法少女。

 彼女らはいつの世代の女児たちと大きなお友達にとって、永遠の憧れの存在だ。
 ヒーローズアースでは創作作品の中の登場人物ではなく、キラキラでキュートなヒーローとしての認知で知られている魔法少女たちは、日夜問わずに世界を守るために奔走している。
 だが、魔法少女にはお約束と言っても過言ではない要素がある。
 それが……。

 闇 堕 ち で あ る !

「愛と希望と平和を守るため! 『魔法少女』セラフィムハート、星天降臨っ♪」

 ピンクのフリフリワンピースドレスにニーハイソックス、純白の天使の翼、金髪ツインテールにキラキラなマジカルステッキ、そして謎のオトモ生物。
 どこからどう見ても正義の味方の魔法少女だ。
 だが、彼女の目は深淵の闇を映しているが如く暗澹としていた。
 ヤバイ! こいつは完全にオブリビオンだ!
 そんなオブリビオン魔法少女が、街の片隅で泣いている小さな女の子に声を掛ける。
「どうしたの? なにか嫌なことがあったのかな?」
「うぇぇ~ん! パパ~! ママ~! どこぉ~?」
 どうやら両親とはぐれてしまったらしい。
「迷子ちゃんかぁ。う~ん、誘拐して身代金を要求すればいくら儲かるかな~?」
 思考が完全に悪役のそれ!
 魔法少女が悪巧みをしていると、不意に周囲の異変が起きた。
「びぇぇぇぇぇえん!」
 迷子の女児が泣き喚くと、ありとあらゆる物質がカートゥーンアニメめいたポップな様相に変化したのだ!
 急激な変化の巻き添えを食らった走行中の車同士が、お互い盛大に正面衝突!
 だが車体は潰れた食パンみたいになったまま走り出し、運転手もペラペラのまま在命中だ。偶然にも銀行から飛び出してきた強盗が、追い掛ける警察の発砲した弾丸をありあえない挙動で回避し、それに驚いた警官たちの目玉が飛び出て路上に転がる。
 オブリビオン魔法少女はニタリと悪びれた笑顔を浮かべる。
「これはユーベルコード? この子……才能があるわ! あたしのところで修行すれば、立派なヴィランの魔法少女になれるはずよ! そうと分かったら誘拐しちゃお~っと♪」
「びぇぇぇぇぇえん! パパ~! ママ~!」
 女児が泣きわめくほど街がカートゥーン一色に染まってゆく。オブリビオン魔法少女は、女児を抱えながら街を逃げ回り、さらなる混沌へ誘うのだった。

「……これが、アメリカの某地方都市が大パニックになる予知の全貌ですの」
 グリモア猟兵の蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)は、グリモアベースに集まってくれた猟兵たちへ任務内容を伝達し始めた。
「皆様には、ユーベルコードに目覚めた迷子のエレナちゃんの奪還と保護をお願いしますわ。敵は魔法少女という肩書を利用して、泣き喚くエレナちゃんをなだめて味方に付けようとしていますの。まだエレナちゃんは4歳……善悪の区別もままならない年頃ですわ。憧れの魔法少女から悪の道を唆されたら……その未来は決定的になってしまいますの」
 エレナちゃんを誘拐して逃げるオブリビオン魔法少女を撃退し、エレナちゃんを両親の元へ連れ返す。任務内容はいたってシンプルだ。
 しかし、予知の中ではパニックになっていたような……?
「ええ、今回の問題はそこですの。エレナちゃんは発現したばかりのユーベルコードの制御が全く出来ていませんわ。ですので、街まるごとひとつがカートゥーン一色に染まって、あまつさえ猟兵の皆様もその影響を受けてしまいますの。……簡単に言えばギャグ補正がついて、爆破されても髪型がアフロになって黒焦げ程度で済みますし、体があらゆる方向へ伸びたり曲がったり出来るようになりますわね。便利ですが、すごく痛いのは変わりませんので……」
 なんだか大変な事態になるようだが、うまく利用すればオブリビオン魔法少女に追い付けるかもしれない。
 なにより、はやくエレナちゃんの暴走を止めないと、街ひとつだけじゃ済まなくなってしまう!
「そういうことですの。ですので皆様、くれぐれもレディーの扱いはどうか慎重になさってくださいまし?」
 そう告げたライムは早速、猟兵たちをカートゥーン・パニック真っ只中のヒーローズアースへ転送してゆくのだった……。


七転 十五起
 師走です。なので走り回るシナリオを作りました。
 女児を誘拐する悪い魔法少女を撃退してください。
 なぎてんはねおきです。

●補足説明
 主な情報はオープニングで出揃っていますが、この時期はクリスマス・シーズンです。多くの人でが街に溢れ返っているため、パニックはかなり大きな被害を出しています。
 アースクライシス2019から既に1年以上が経過していることもあり、ヒーローズアースにおける猟兵は誰でも【めちゃくちゃ強くてカッコいいヒーロー】と扱われますので、活躍したり呼びかけたりすれば、市民は自然と落ち着きを取り戻すでしょう。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 冒険 『カートゥーン・チェイス』

POW   :    ヴィランをペラペラにする勢いでおもいっきり攻撃!

SPD   :    アニメのようにぬるぬる動く素早さで翻弄したり、コミカルなトラップを仕掛ける!

WIZ   :    やられかたもギャグ補正!全力の魔法で攻撃!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――ヒーローズアース。
 クリスマス・シーズンを迎えたアメリカ合衆国の某地方都市。
 煌めくイルミネーションやクリスマスツリーに誘われ、多くの人が街中を闊歩している。
 プレゼントやパーティーの準備の買い出しでごった返す中、人々の頭上を星屑めいた光を撒き散らしながら飛び越える魔法少女、そして泣き喚く幼い女の子が通過してゆく。
「パパ~! ママ~! お家帰りたァァい! びぇぇぇぇぇえん!」
「あ~、よしよし! お姉ちゃんと一緒にパパとママを探そうね! ……って、なんであたしが子守なんか! てか探す気なんて最初からゼロだけど♪」
 この魔法少女はオブリビオンだ。
 幼い女の子がユーベルコードに目覚めたばかりらしく、泣き喚くたびに街中がカートゥーンアニメ調に変貌を遂げて大パニックを引き起こす。
 魔法少女はこれを悪用し、賑わう街中をカートゥーン・パニックに陥れ、女の子を誘拐してヴィランに仕立てようと企んでいる!
 だが、予知を見た猟兵たちが街のあらゆる場所に転送されてきた!
 すかさず彼らは魔法少女を追い立て始める。
「げぇ! 悪い猟兵さんが来ちゃった! えーっと、エレナちゃん! このままだとお姉ちゃん、悪い奴にやっつけられちゃう~! どうしよう~!」
「いやだ~ぁぁぁ! 魔法少女のおねえちゃんがいなくなったら、あたち、ひとりぼっちだよぉぉぉ~!」
 幼い少女のエレナちゃんの不安を煽り、更に周囲の変化を促す魔法少女!
 なんて悪いやつだ!
「うふふ♪ エレナちゃん、その調子だよ! エレナちゃんのユーベルコードで、悪い猟兵さんを追い払っちゃおうね!」
「びぇぇぇぇぇえん! わるいイェーガーこないでぇぇぇえっ! ばかぁ~!」
 まんまと騙されてしまうエレナちゃんのユーベルコードが暴走し、猟兵たちもその巻き添えを食らってしまう!
 追走劇は刻一刻と混迷を極めてゆくのだった……!
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
闇堕ち魔法少女を片付ければいいのね。
まずは追いかけつつビルの上に行きましょう。
多分走ると足がぐるぐる回転する円か何かに見える気がするけど、気のせいね。

屋上までたどり着いたらじっくり目標を見ながら10秒集中。
[スナイパー]+[誘導弾]付きユーベルコード【千里眼射ち】で狙い撃つわ。
射程は10キロ以上よ。

ただ飛んで行った矢が途中でウッドペッカーに変わってウケケケッケとかなるかもしれないけど、当たれば痛いと思うから問題ないわね。
魔法少女の目がグルグルになってばったり倒れるまで(ウッドペッカーアローを)撃つのをやめないわよ?



 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)が駆け付けた頃には、ショッピングモールは完全にカートゥーンアニメ化していた。
「これはひどいわね。人間が2頭身や3頭身にまで縮んでいるわ……」
 かくいうヴィオレッタも気付けばSDキャラ化してぽてぽてと歩いている有様だ。
「私までゆるキャラみたいな姿になってるわね……。とにかく、闇堕ち魔法少女を片付ければいいのね。追跡しながら狙撃ポイントを探さないと」
 前方はるか先をキラキラしながら逃げ回る魔法少女。その背中には泣きじゃくるエレナちゃんの姿があった。
「待ってて、今助けてあげるわ。って、この身体、慣れないと動きづらいわね……」
 まるで自分の身体がきぐるみになったような不自由さだ。
 だがヴィオレッタはここがカートゥーンアニメのような現象の中だと思い返す。
「確か、ああいうアニメでは走るときの表現って……」
 頭に思い描いた『走る表現』を明確に思い浮かべた次の瞬間!
 彼女の身体がF-1レースカーめいた速度で猛ダッシュし始めた!
「やったわ、これで追跡ができるわね。……足が物凄い勢いでぐるぐると渦状に回転してるけど、気の所為ね」
 カートゥーンアニメにありがちな『の』の字の脚部でぐんぐんと魔法少女との差を詰めてゆくヴィオレッタ。
 途中、天を衝くかの如き高層ビルを発見し、ここを狙撃ポイントと定めた。
 急いで上層部へ駆け上がってゆくヴィオレッタの足の回転数が更に上がってゆく。
「この足だと階段も楽々ね。……まさかと思うけど、えいっ!」
 ヴィオレッタが踊り場で力いっぱいに跳び上がると、なんと天井をぶち破って一気に屋上へ到達してしまった!
 ぶち抜いた穴はギャグ補正でヴィオレッタの体の形の穴がぽっかり空いていた。
「ちょっと痛かったけど……かなりのショートカットになったわ。さて、狙い撃つわよ」
 出来上がったたんこぶを無理矢理に押し込むと、愛用の合成弓に屋を番えて眼下の景色を眺める。
 ヴィオレッタ自身の視力に特別な技能のブーストは掛かっていない。
 だが今までのスナイパーとしての技量と養われた第六感が、地表にいる豆粒ほどの標的(魔法少女)の『視認』を可能にする。
「深呼吸――集中して、1……2……3……」
 10カウント数えて集中、精神を研ぎ澄ませば、それはユーベルコード『千里眼射ち』の発射準備完了を意味する。
「そこね。私の矢の射程は10キロ以上よ。呪いが込められた弓から放たれた矢は、射程内ならどこまでも追いかけてゆく誘導弾となるわ」
 風向きよし。照準よし。
 完璧なタイミングでヴィオレッタは矢を放った。
 矢は呪いによってありえない軌道を描いて魔法少女へ向かって飛んでゆく。
 だがその途中、いきなり矢が赤と青の羽毛に塗れたキツツキに変化して笑い始めたではないか。
『ウケケケッケ!』
「いやどういうことなの……?」
 まさか矢が有名なアニメのキャラクターっぽい形態になってしまうとは、エレナちゃんのユーベルコード恐るべし。
 問題はその殺傷力なのだが……。
「いたたたたた! なぜか飛んできたキツツキが激突!」
 めっちゃキツツキが魔法少女の腹を突いてますやん……。
「どうやら威力に問題はないようね」
 悶絶する魔法少女の様子を確認したヴィオレッタは、容赦なく第二矢、第三矢……とビシバシと撃ち込んでいった。
「何故か矢が全部ウッドペッカーになるけど、魔法少女の目がグルグルになってばったり倒れるまで撃つのをやめないわよ?」
『ウケケケッケ!』
『ウケケケッケ!』
『ウケケケッケ!』
『ウケケケッケ!』
『ウケケケッケ!』
『ウケケケッケ!』
『ウケケケッケ!』
「うるさい」

 ……こうして、しばらくは耳に残る特徴的な笑い声となぜか飛んできたキツツキが魔法少女の腹へ次々と激突してゆくカオスが生み出された。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネリー・マティス
愉快なカートゥーンの世界…楽しそうではあるけれど、パニックも誘拐も止めないと!!
車など暴走するものは【がっぷりよつ】で受け止めていく!【存在感】をアピールすることでパニックをなだめていくよ!カートゥーンなやられ方でヘンな姿になっちゃったとしても…【怪力】と【気合い】でぐぐぐっと力を込めてもとに戻る!どんな目にあってもめげずに進むよ!
(ネリーに、最大限のカートゥーンなやられ方をしてもらえると嬉しいです。潰されてぺちゃんこになってひらひら舞う、水道管の破裂を収めるため口で咥えて止めて水風船の如く体がまんまるに膨らむ、火災から人々を助けていくも燃えて黒焦げの炭となって崩れて顔のパーツがついた炭山になる、等…その他どんなものでも歓迎です)



 大きな交差点に転送されたネリー・マティス(大きな少女・f15923)は、カートゥーン化で大混乱の真っ只中の惨状に目を丸くして驚いていた。
「すごーい! 愉快なカートゥーンの世界……楽しそうではあるけれど、パニックも誘拐も止めないと!!」
「うわ! なんかでっかい猟兵さんがいる!?」
 ばったり鉢合わせしたオブリビオン魔法少女が踵を返してUターン!
 それをすかさずネリーが追い掛ける。
「待てー! エレナちゃんを返してよ!」
「嫌よ! この子はヴィランの魔法少女になるんだから!」
「うぇぇぇえ~ん! おっきいお姉ちゃんこないでぇぇぇえ!」
 追ってくる猟兵が悪人だと思い込んでるエレナちゃんにとって、ネリーの人並み外れた巨躯は威圧感を感じてしまうのかユーベルコードが更に暴走してしまう。
 たちまち信号はデタラメに点灯し始め、車はあちこちで激突!
「うわぁー! カートゥーンだから怪我しても生きてるのが幸いだけど、このままじゃ本当に怪我人が出ちゃう!」
 ネリーは魔法少女の追跡を一時諦め、目の前のパニックを鎮めることを優先する。
「みんなー! イェーガーのわたしが来たからには、もう大丈夫だよー!」
 自慢の筋肉を漲らせ、暴走する乗用車に向かって真正面から受け止める!
「どっせーーーい!! 正面から! 止めてみせる!」
 CRAAAAAASH!
 激しい衝突音が鳴り響く!
 だがネリーは全身からとてつもない量の闘気を発散しながら、突っ込んできた乗用車を軽々と押し留めてみせた!
 これぞネリーのユーベルコード『がっぷりよつ』だ!
 イッツ、オスモウ・スゴイ・テクニック!
 ギャラリーも彼女の活躍に歓声を上げ、落ち着きを取り戻しつつある。
「わたしの鍛えた筋肉があれば! どんな困難だって乗り越えられる! パワー!」
 次々と暴走する車を勇気と己の筋肉への信頼が、ネリーのユーベルコードの威力を倍増させているのだ。
 その巨躯と筋肉の存在感たるや、道行く誰もが羨望の眼差しを向けるだろう。
 だが向け過ぎて余所見運転をしたトラック運転手が、ハンドル操作を誤ってネリーの背後へ飛び込んでゆく!
「わーわーわー!? ストップストップ! トラックに激突したら、わたし異世界転生しちゃう! って、もうここ既に異世界だった! 猟兵だからね! ってぎゃー!?」
 アックス&ウィザースの酒場では鉄板のノリツッコミも虚しく、ネリーはそのままトラックに潰されて下敷きに!
 慌てて急停止した運転手がトラックの下からネリーを引きずり出した。
「だ、大丈夫か、でっかい嬢ちゃん?」
「ヘ、ヘイキダヨー! イタイケド、チャント、イキテルヨー!」
 まるで金属の凸版加工を施されたかのように、ペラペラのグネグネな状態になってしまったネリー。背中に付いたタイヤ痕が痛々しい。声帯も潰れたお陰で声が掠れてしまっているのが余計にギャグ補正感が付いている。
「ダレカー! 空気ポンプ、持ッテナイカナ!?」
「あ、私、すぐ買ってきます!」
 親切な女性がすぐ近くのホームセンターで空気ポンプを買ってくると、ネリーはその注入口を咥えた。
 そして女性に空気を入れるように頼むと……。
「よいしょ! よいしょ! よいしょ!」
 シュッコシュッコと空気が入るたびに、ネリーの平らな身体が膨らみ続け……。
「むむむむ~! 気合! 根性! わたし、ふっか~つ! ありがとー!」
 持ち前の怪力と気合、そして空気注入で元の体型にようやく戻れた。
 だが一難去ってまた一難。
 今度は他の車が消火栓に突っ込んで空高く水柱が立ち昇ってしまっている!
 車はボヨヨ~ンとゴムみたいに弾けて跳ね返ってどっか行ってしまった!
「わたしに任せてー! せーの!」
 ネリーは大口を開けると、とてつもない水量を一気にゴクゴクと飲み干してゆく!
「んぐっ! んぐっ! んぐぅ~! まだまだ~!」
 水を飲み干しながら、瓦礫で栓をしようと試みるネリー。
 だが今度は水の飲み過ぎで風船のように身体がパンパンに膨れ上がってゆく!
「うう~ん! どうだ~!」
 ようやく仮初めの栓で水の噴出を止めたネリーだが、口からぴゅーぴゅーとクジラめいて水を吐き出していた。
 それは街の空に虹がかかるほどの水量だ。
 しかし、今度はレストランにパトカーが突っ込んで大火災が発生!
「ちょうどよかった! この溜め込んだ水でー! うおー!」
 人間ポンプ車になったネリーが、口から放水を開始!
 消火活動を続けていると、応援の消防車も駆け付けて火の勢いはどんどん弱まってゆく。
 これで一安心、かと思いきや?
「オーマイガッ! お願いイェーガー! あたしのダーリンがまだあの中にいるの! 彼を助けて!」
 なんと! 未だ火が燃え盛るレストラン店内に女性の恋人の男性が取り残されているというのだ!
 これにネリーはいてもたってもいられず、果敢に炎の中へ飛び込んでいった!
「待ってて! 絶対に助けるからねー! うおりゃー!!」
 怪力で瓦礫を払い除け、炎に焼かれながら男性を抱えて無事救出!
 炎の中から生還したネリーのバックに、超有名なロックバンドの大ヒット曲が偶然流れる。

 ♪ドンワァナ クロゥズ マイアーィ!
 ♪ァドワナ フォェーラ スリプッ!
 ♪コッザッ ミス ユベイブッ!
 ♪エナ ドーンワァナ ミッサ スィーンッ!

 ネリーの勇敢な行動に、市民たちは惜しみない拍手と賞賛の言葉を浴びせる。
「ああ! あなたはダーリンの命の恩人よ!」
「本当にありがとう! やっぱりイェーガーは最高だな!」
 カップルがネリーの手を握手しようと握ったその瞬間だった。
「あれ、あれあれあれー!?」
 握られた衝撃でネリーの炭化した身体がボロボロと崩れ落ち、炭の山の上に目玉がぽとりと落ちた。
「わたし、崩れちゃったー! これからどうなっちゃうのー!?」
 カートゥーン補正で肉体がバラバラになってしまったネリーの命運はいかに!?

 なお、その後、試行錯誤を重ねた結果、サイクロン掃除機で吸われることで元の姿に戻ったネリーであった。
「う~ん、目が回ったんだよー!」

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
そこまでだ、オブリビオンッ!待ってなチビッ子、今助けて両親の元に帰してやるぜッ!
って、オイッ!?なんかギャン泣きされたんだがッ!?
「…まあ、魔法少女と喋る鬼面。あの女の子から見てどっちが悪者っぽいかと言ったら……ねぇ?」
クッソ、俺が闇堕ちしちまいそうだぜッ!?

って言う間に逃げやがったッ!追いかけるぜ、相棒ッ!
「…式、召喚【追い雀】」
式神を魔法少女に付けて追跡だ。何処に行ったかすぐに分かるぜ。

ちぃ、カートゥーン的な障害が襲ってきやがった。
「…秘技、凶津ガード。」
(鬼面を引き伸ばして盾にする巫女)
相棒ッ!!?!?
「…トゥーンだから死にません。」
いや、痛いんですけど!?


【アドリブ歓迎】



 朱塗りの鬼面のヒーローマスクである神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と、彼を装着する相棒の神代・桜は、街中を混沌に陥れる魔法少女の行く手を先回りして立ち塞がった。
「そこまでだ、オブリビオンッ! 待ってなチビッ子、今助けて両親の元に帰してやるぜッ!」
 まさにヒーロー!
 窮地に駆け付け、弱きものを助け悪を挫くその言動に、周囲で見守るギャラリーは一斉に歓声を上げる!
 だがしかし、当のエレナちゃんは凶津を見るなり大号泣!
「びえぇぇぇん! 悪魔のお面が喋ったぁあ~!」
「って、オイッ!? なんかギャン泣きされたんだがッ!?」
 これに桜が肩を竦めて解説を始めた。
「……まあ、魔法少女と喋る鬼面。あの女の子から見てどっちが悪者っぽいかと言ったら……ねぇ?」
「んだよッ! 俺は呪いのアイテムじゃねーっつーのッ! クッソ、俺が闇堕ちしちまいそうだぜッ!?」
「……ねぇ、魔法少女がもうあんなところに」
「何ィッ!?」
 桜が指差す先に、豆粒サイズに見える距離まで逃走した魔法少女が!
「って言う間に逃げやがったッ! 追いかけるぜ、相棒ッ! あれを出せッ!」
 凶津の指示を瞬時に理解し、桜は最適解を導き出す。
「……式、召喚【追い雀】」
 桜が雀の式神を召喚すると、2人よりも早く飛翔して上空から魔法少女の居場所を突き止める。
「よっしゃ! 五感を共有している上に式神は奴からは気付かれにくい! このまま奴に接近すれば、何処に行ったかすぐに分かるぜ!」
「……急ぎましょう!」
 神代コンビが猛ダッシュで街中を駆け抜けてゆく。
 だがそこへ、暴走したキッチンカーから材料やら調味料がドバーッと目の前から押し寄せてくる!
「ちぃ、カートゥーン的な障害が襲ってきやがった! って卵にレタスに、マヨネーズの海にソーセージのミサイルにバンズの土石流!? げぇ! ホットプレートも飛んでくるぞ!」
 どうやらキッチンカーで販売していたのはホットサンドのようで、その具材やら機材やらが足元を流れてゆけば、きっと転倒してそのまま押し流されてしまうだろう!
「ヤバイ! 相棒、逃げるぞ、ってちょちょちょ!? イデデデデ!」
 桜は無言で突然、凶津の顔を上下に引き伸ばしたではないか!
 これぞカートゥーン効果!
「……秘技、凶津ガード」
「おぼぼぼぼぼ!?」
 ゴムのようにベロ~ンと伸びた凶津の顔に、ホットサンドの具材が殺到する!
 凶津の口の中に全部の具材が流し込まれると、そのまま桜は凶津を飛んできたホットプレートへ放り込んだ!
「あつつつつつ!?」
 そのままこんがり焼かれる凶津!
 命からがら抜け出した凶津の口から、こんがり焼けた美味しそうなホットサンド(※凶津の口からだが、衛生面はクリアしているようだ)が飛び出してきた。
「相棒ォォォッー!? おまッ、え? ちょ、マジ何してんだッ? は??」
 キレ気味の凶津に対して、焼きたてのホットサンドを呑気に頬張る桜。
「……トゥーンだから死にません。あ、美味し……♪」
「いや、痛いし熱いし俺だけ散々じゃねッ??」
「……食べる?」
 半分こに割った熱々のホットサンドを差し出された凶津は、逃げてゆく魔法少女の背中を眺めながら逡巡。
「……折角だから食ってから追い掛けるか! 居場所は式神がいればすぐ分かるしなッ!」
「……腹が減っては戦は出来ませんし?」
「だなッ! むぐ……ん、美味いな! 特にこのソーセージが美味いぜッ!」
「……私、ケチャップ追加でプリーズです」
 こうして、神代コンビはアメリカの屋台メシを堪能し、この先の捕物劇への英気を養うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エルヴィン・シュミット
こりゃまた大騒ぎになってんな…さっさと止めないとちょいとヤバそうだな。
よっしゃ、ここは【HOLY KNIGHT CHANGE】を使って高速で奴を追い掛けるとしようか。
とはいえ街の混乱を放置するのも良くないな…
俺にどうにか出来そうなトラブルがあったらそっちを優先して片付けるか。
混乱状態は【優しさ】と【パフォーマンス】で落ち着かせられないか試してみよう。
…まあ、この状況じゃ俺も何かに巻き込まれそうな気もするが…
そういう時は【気合い】でなんとかする!…しかないよな。
まあ、文字通り当たって砕けるつもりで行くぜ!
(NG表現ありません。思いっきり捻ったり潰したり伸ばしたりして頂いてOKです!)


テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

真の魔法少女なら女の子を浚うことはご法度なのです!!
変身!魔法少女(?)テフラなのですっ☆
正しい魔法少女の姿を教えてあげます!

【全てを凍てつかせる小さな妖精】さんを召喚!
エレナちゃんを凍らせないように氷の壁を作って妨害してください!
わたしも急がなければ…ふえ?足が…あぁー!?
何故かまだ乾いていないセメント溜まりに…やばい…沈む…!?
しかもバランス崩して…片足も沈んで…!?

…うぐっ…必死に這い出ましたが…身体に付着したセメントが固ま―――
(セメント溜まりから上半身露出したドロドロまみれの無様な魔法少女(?)のオブジェが出来上がる)


カンナハ・アスモダイ
WIZで挑むわ。アドリブ連携等歓迎よ。
私の契約者(ファン)予備軍を困らせるなんて、悪い子ね
先輩魔法少女としてお灸を据えてあげるわ!

【UC:変身☆悪魔法少女★あすも☆デウス】!
プリンセスハート!メ~クアップ!
みんなに笑顔を!完全無敵★最強アイドル!
悪魔法少女★あすも☆デウス!降☆臨!

空を飛んで<存在感>をアピールしつつ
魔法少女を追いかけるわ

飛翔しながら<高速詠唱>+<多重詠唱>を駆使し
元凶の魔法少女に乙女魔法を連続で叩き込ませてもらうわ
エレナちゃんのUCできっとカオスなことになるんじゃないかしら?

エレナちゃん、もう大丈夫よ!
宇宙に轟く超人気アイドル、悪魔法少女★あすも☆デウスがここにいるわ!



 エルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)は現地へ転送された直後から頭を抱えていた。
「俺の身体が二頭身キャラに……他の奴らもアニメキャラみたいな格好になってやがる。こりゃまた大騒ぎになってんな……さっさと止めないとちょいとヤバそうだな」
 誘拐されたエレナちゃんの暴走が強くなっている証左だ。
 早く魔法少女から奪還しないと、事態はより深刻な状況に陥るだろう。
「よっしゃ、ならここは【HOLY KNIGHT CHANGE】を使って高速で奴を追い掛けるとしようか」
 ユーベルコードで高速飛翔を行い、一気に魔法少女との距離を詰めようという作戦だ。
 早速、エルヴィンは愛用のツーハンドソード『ALUETTE』を掲げて叫んだ。
「我が騎士の誇りに懸けて!」
 途端、彼は白銀の鎧を纏った騎士の姿に変身!
 背中に出現した光り輝く純白の翼を広げると、最高時速520kmもの速度で街の上空を駆け抜けてゆく。
 だが、眼下に広がるのは、想像以上に混乱している街の様子であった。
「まずいな……誘拐犯を追跡したいが、街の混乱を放置するのも良くないな……」
 やむなく、エルヴィンは街中に降り立ち、混乱する市中を鎮めに向かっていった。

 ちょうどその頃、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)とカンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は、件の魔法少女の行く手を阻んでいた。
「真の魔法少女なら女の子を浚うことはご法度なのです!! 正しい魔法少女の姿を教えてあげます!」
「全くだわ。それと、私の契約者(ファン)予備軍を困らせるなんて、悪い子ね。先輩魔法少女として、アンタにお灸を据えてあげるわ!」
 2人はそれぞれ変身アイテムを掲げると、ギャラリーがにわかにざわつき始める。
 今こそ、魔法少女の見せ場の『変身バンク』が披露される!
「お願い、魔法の杖【ラビット・ラビッツ】! へ~んしん!」
「プリンセスハート! メ~クアップ!」
 方や先端にテフラ自身の彫刻が付いた魔法の杖で、方や心のドキドキに合わせて鼓動する、空飛ぶ謎のハートで、それぞれが魔法少女の姿へ大変身☆
 しかも今回は二画面同時の変身バンクだ!
 物語の中盤以降で敵幹部戦前によく発生するあれだ!
「真っ白なウサ耳は幸運の印! 魔法少女テフラなのですっ☆ ぴょんぴょん☆」
「みんなに笑顔を! 完全無敵★最強アイドル! その名は~?」
「だ~れ~?」
 ギャラリーのコール&レスポンス!
 満を持して彼女は答えた!
「悪魔法少女★あすも☆デウス! 降☆臨!」
 2人の魔法少女の変身バンク(フル尺Ver.)に、現地のアメリカンな大きなお友達が大興奮だ!
 オブリビオン魔法少女は、自分への称賛の声がないことに腹を立てている。
「なによもー! あたしだってキラキラ度合いじゃ負けてないんだから!」
 キラッ☆
 あざとさMAXでウィンクすれば、現地のオタクボーイが尊さの過剰摂取で爆発四散してオタッシャしてしまう!
「グワーッカワイイーッ!」
 カートゥーンでなければ死んでいた。男性は命拾いをしたのだ。
 これにテフラとアスモダイはメラメラと対抗意識を燃やし始める。
「負けません! わたしの純白の毛並みを氷で表現します! 妖精さん! エレナちゃんを凍らせないように氷の壁を作って妨害してください!」
 テフラのお願いを聞いた妖精が、たちまち待機を冷やして周囲に氷の壁を生成してみせる。
 更に空気中の水分を凍らせれば、ダイヤモンドダストを発生させてテフラの周囲をキラキラと輝かせる。
 一方、アスモダイは空中を高速飛翔しながらプリンセスハート★XENOMを二丁拳銃へと変化させ、燃え盛る弾丸を立て続けに発射する。
「エレナちゃん、もう大丈夫よ! 宇宙に轟く超人気アイドル、悪魔法少女★あすも☆デウスがここにいるわ!」
「弾丸があたしをずっと追い掛けてくるんだけどなんで~!?」
 それはエレナちゃんのユーベルコードのせいである。
 カートゥーン効果で意思を持った弾丸が一斉にオブリビオン魔法少女へ着弾すれば、無意味に爆発して髪型をアフロに変えてしまう。
「えーっと、そう! これこそが乙女魔法『違う自分に会えちゃうイメチェン魔法』よ! たまにはファンキーにアフロにしてみたい日もあるわよね☆」
「ねーよ! ちょっと、いまそれ思いついたでしょ!? 分かってるぞー!?」
 オブリビオン魔法少女のツッコミを目を逸らして受け流すアスモダイであった。
「もう、真面目にやって下さい! こうなったらわたしが……って、嘘ぉ!?」
 見かねたテフラがオブリビオン魔法少女を懲らしめようと一歩を踏み出したところ、図ったかのようにそこは工事中の生コンクリートが敷き詰められた道路であった!
「……ふえ? 足が……あぁー!? 何故かまだ乾いていないセメント溜まりに! やばい……沈む……!? しかもバランス崩して、ぎゃー!? 片足も沈んで……!?」
「いやいくらなんでも深すぎよね? どんだけ深く流し込んだのよ?」
 オブリビオン魔法少女も首を傾げるほど、テフラの全身がずっぽりと生コンクリートの中へ沈没してしまう。
 そこへ上空から駆け付けたエルヴィンが、この惨状を偶然目撃してしまう。
「大変だ! 女の子がモルタルの中に沈んでる!」
 エルヴィンは上空を漂うアスモダイにも声をかけ、2人かかりでテフラを引っ張り出した。
「あ、ありがとうございます……あ、でも、このままじゃ……身体に付着したセメントが固ま―――」
 哀れテフラ、全身をセメントでコーティングされた上に氷の妖精のイタズラで凍結してしまい、氷と石の像に成り果ててしまった。
 これにエルヴィンとアスモダイは激怒した!
「よくも仲間を……許さん!」
「テフラちゃんの仇は、この悪魔法少女★あすも☆デウスが討ち取るわ!」
 エルヴィンは愛用の剣で、アスモダイはカチカチに固まったテフラ像(本人)を持ち上げて、振り回しながらオブリビオン魔法少女へ突撃開始!
 オブリビオン魔法少女が泣き叫ぶ!
「いやそれ濡れ衣だし!? てか片方は武器としておかしくない??」
「知らないの? 友達の絆は最強の武器なのよ☆ そしてこれはテフラちゃんが私へ最期に残してくれた希望の武器よ! 出会ったばっかだったけど、私達の固く結ばれた友情をアンタに見せつけてあげる!」
「いや物理的ィ!? しかも武器側の子の意思を完全に無視してないそれ!? てか勝手に殺すのサイコパスすぎィ! 初見の相手にそこまでやれるとかマジ狂ってるし!?」
 オブリビオン魔法少女はツッコミが渋滞している!
「喰らえー★ これぞ乙女魔法『美しき友情★パワー』よ!」
「便乗して俺もブチ込んでおくか!」
 アスモダイとエルヴィンのフルスイングがオブリビオン魔法少女の頭上から振り下ろされると、敵はぺちゃんこになったままエレナちゃんを乗せて飛び去ってゆく。
「魔法のじゅうたんだ~!」
 喜ぶエレナちゃんが遠ざかってゆく。逃げられた……!
 一応、魔法少女に一撃を加えられただけでも善しとした2人は、テフラを着替えさせるべく身体にまとわりついた氷と石を剥がしてゆくのだが……。
「「……えー!? 男の子ぉー!?」」
 身体のとある部分の特徴を知られたテフラはその後、絶叫しながら自ら望んでモルタルの沼に頭からダイブしていったという。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッ!」
 テフラはしばらく浮かんでこなかったらしい……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

数宮・多喜
ライムちゃん、なんつー予知を!?
そんな状況、絶対アイツが放っておく訳……
ねぇよなぁ!?ほら勝手に出てきやがった!
わーったよ、変身すりゃいいんだろ!?

ってなんだよこのいかにもヴィランでございってキッツい目つきと微妙にバタ臭い衣装!
そらカートゥーンなら分かりやすさ重視だよなぁってか奴らに買収されやがったな珍獣!?

満足げに札束を数えてる珍獣をふん捕まえ、
往復ビンタから地面にバシッと叩き付けて。
トドメに電撃をぶち落とそうとして骨格が見えるように一緒に感電した後で真っ黒焦げになって。
キョトンとした後にぶんぶん首振りゃいい感じに戻るだろ!
そしたらひたすらダッシュで追いかける!
待ちやがれニセ魔法少女ォーっ!


カシム・ディーン
UC常時発動

参りましたね
この常にシリアスな天才魔術盗賊のカシムさんはギャグ補正とは極めて無縁なんですが
「メルシーもシリアスで偉大な機神なんだぞ☆」

しかしやっぱりSDモードになっちゃう二人であった

【空中戦・情報収集・視力・戦闘知識】
SDでも手がないわけじゃないですよっ
「パワーでぱふぱふなあれだね☆」

と言う訳で高速で飛び追跡

障害物で何か色々酷い事になるかもしれませんが

ワイリーなコヨーテだって
「勝って見せる時はあったっていいんだよ☆」

【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
というわけでボコスカシーンです!!

途中でぼこすかのもくもくから顔や手が出たりして

魔法少女達がこっそり抜け出してもくもく晴れたら…?


テラ・ウィンディア
魔法少女ときたらおれの出番だな!
「私もいます!」(黒ちび子猫がにゃー

と言う訳で追跡開始だぞっ!(UC発動

ってぬわー!?(車に何故か離れてべちょっとぺらぺらに

「テラー!?ど、どうすれば…えと…」(ホースで空気を入れて復活!

こ、これがあの子の能力…恐ろしいぞっ!

「ちょっとまって…こういうアニメって割と猫が悪役じゃ…にゃーっ!?」(車にひかれてぺらーん

ヘカテー!

くっ!追い詰めたぞっ!
(屋上で追い詰めて鉄骨の先に追い込むも…向かい合う間が壊れれば…何故かこっち側がばらばら

なんでー!?

…ぶちっ!

【空中機動・二回攻撃・早業】
もう飛んできてぼかすかぼかすかしちゃうっ

ちょっと痛い目にあって涙目だけどなっ



「ライムちゃん、なんつー予知を!? ってうわーっ!?」
 グリモアベースでツッコミを入れようとした数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、予知を行ったグリモア猟兵に笑顔で転送されていった。
 まさかのツッコミ拒否に数宮は転送された先で脱力感を味わう。
「あれは『私に言われても知ったこっちゃないので、お願いですからそれ以上は言及しないでくださいまし?』っていう笑顔だったな……」
 なにげにモノマネが上手い。
 そんな数宮はしきりに周囲を見回し始める。
「おいおいおい……こんな状況、絶対アイツが放っておく訳……」
『お困りのようだね、マドモアゼル多喜ちゃん?』
 何もないところからニョキッと顔を出すうさぎっぽい何かが現れた!
「ねぇよなぁ!? ほら勝手に出てきやがった! どういう原理だよ!?」
 ツッコミをすかさず入れる数宮。
 しかしその問題のうさぎモドキを鷲掴みする者が!
「おいこら☆ メルシーとキャラが被ってるぞこのウサ公め☆」
「ぎにゃアァァアアアーッ!?」
 そいつの名は界導神機『メルクリウス』!
 普段は体高5mのナイスバディだが、今はユーベルコード『対人戦術機構『詩文の神』(メルシーマホーショウジョモード)』で人間サイズの銀髪巨乳美少女になってるぞ☆
 正体がキャバリアだから、握力がすごくてうさぎモドキは圧死寸前だ☆
「何もないところから出現するのはメルシーの特権なんだけど? ご主人サマのストーキングスキルに必須なのに、なにキミはスナック感覚でやらかしてくれてるのかな? むしるぞ?」
「バッキャロー! たまたま設定が被っただけでイチャモンつけんなポンコツ機神が!」
 そこへメルシーの契約主であるカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)のドロップキック!
「「グワーッ!!」」
 マスコット2名はカートゥーン効果で壁にめり込んでしまった!
 カシムはかっこよく着地を決めると、ニヒルな空気を醸し出しながら髪を掻き上げた。
「……参りましたね。この常にシリアスな天才魔術盗賊のカシムさんはギャグ補正とは極めて無縁なんですが」
「いやどの口でその台詞を言ってるんだい? さっきコミカルにドロプキックしたのをアタシは見たよ?」
 カシムのボケに数宮は秒でつっこむ。
 やったぞ! ツッコミ役がいるぞ!
「よしヘカテ! このノリならおれもいけるぞ!」
「テラ! 今回は一旗揚げましょう!」
 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と相棒の黒い子猫のヘカテにゃんが、新進気鋭の漫才コンビみたいな言動をしている。
「どもー! 魔法少女ときたらおれの出番だな!」
「私もいますにゃー!」
「「一人と一匹でチーム『ねこまんま』! がんばりまーす!」」
「ふたりとも絶対ここ来る前にあの有名な漫才賞レース番組見てきたよな!? 絶対だよな!? どっちがボケ役なんだい!? それで私のツッコミの比重も変わるんでね!?」
 数宮のツッコミは他人を気遣える優しいツッコミだった。
 そこに壁から抜け出して飛んでくるメルシーとうさぎモドキが!
「わーいご主人サマ! メルシーもシリアスで偉大な機神なんだぞ☆」
「多喜ちゃん……僕らもシリアスかつアダルティーに今日は変身しようじゃないか……フッ!」

「ツ ッ コ ミ が 渋 滞 す る わ !」

 波濤のように押し寄せるボケのラッシュに、数宮は早くの音を上げてしまう。
「わーったよ、変身すりゃいいんだろ!? はい、これでいいだろ! 早く敵を追うよ!」
 めっちゃおざなりに変身する数宮に、一同はとてもがっかりしていた。
「多喜ちゃん……作画監督が頑張って変身バンク描いてくれたのに、それを無駄にするのはどうなのかな?」
「魔法少女の醍醐味って、普段着から魔法少女姿へ変身する過程だと僕は思うんですよ」
「メルシーも多喜ちゃんのキラキラが見たかったー☆」
「もう一回! もう一回やるぞ! おれも一緒にやるから! な!?」
「テラがこう言ってるので、多喜さん、お願いできますか?」

「ち ょ っ と お 前 ら 黙 っ て ろ !?」

 一向に敵の追跡が始まらないので、ピンクのロリータドレスに身を包んだ数宮が一同を率いることとなったのだった。

 だが、道中はカートゥーン現象のおかげで前途多難であった。
「グワーッ! ヘカテー!!」
「あー! テラがトラックに轢かれてペラペラに!」
 ヘカテにゃんが空気を入れようと必死にテラへ吹き込むが、猫の肺活量では中途半端に膨らんで空中を浮かぶテラであった。
 でもユーベルコードのおかげでめちゃめちゃ速く飛べた。
「ちょ! 僕らの目線がやけに低いなと思ったら!」
「いつの間にかメルシーたち、二頭身キャラになってるねー☆ 育成モード始めちゃう?」
「野球ゲームじゃねーんだぞ!?」
 カシムとメルシーコンビはSDキャラになってシリアスが迷子になった。
 でもユーベルコードのおかげでめちゃめちゃ速く飛べた。
「SDでも手がないわけじゃないですよっ」
「パワーでぱふぱふなあれだね☆ って目の前にビルがー!」
 ビルに激突してピザ生地みたいな薄さになる2人。
 でもユーベルコードのおかげでめちゃめちゃ速く飛べた。
「いやアタシ以外の猟兵が、もれなく3cm以下の薄さってどういうことだよ!? しかも速ぇーなオイ!?」
 ツッコミで過労が溜まる数宮にも変化が起きていた。
「って、なんだよこのいかにもヴィランでございってキッツい目つきと微妙にバタ臭い衣装! そらカートゥーンなら分かりやすさ重視だよなぁってかお前奴らに買収されやがったな珍獣!?」
「へへ、何のことかな?」
「その手に持ってる札束が証拠じゃねぇか!」
 数宮はうさぎモドキから札束を取り上げると、珍獣の頬に札束で往復ビンタ!
 そのまま地面にベシャッと叩き付ける。
「おい悪い魔法少女に何吹き込まれた? このカネで何を頼まれた? 言いな!」
「おいおい多喜ちゃん? 僕を見くびってもらっちゃ困rあばばばばばー!?」
「そうかい、なら痺れときな!」
 容赦なくサイキック電流を珍獣に流せば、その体の骨格が明滅しながら浮かび上がる。
 黒焦げになった珍獣が動かなくなると、魔法少女がエレナちゃんを一緒に駆け付けてきたではないか。
「ちょっとちょっと~ぉ! その子、エレナちゃんのマスコットキャラになるって契約したんだから~」
「ウッソ! お前、幼女のとこへ再就職する気だったのかよ!?」
 黒焦げになった珍獣を振り回し、意識を戻して詰問する数宮。
 うさぎモドキは哀愁漂う口調で愚痴をこぼし始める。
「……僕だってねぇ、もうすぐアラサーの女子のマスコットキャラ担当なんて正直きついっすよ。でも多喜ちゃん強いし? 実績上げてくれるからさ、僕としても不本意ながらサポートせざるを得ないっつーか? お陰で同僚どころか上司よりも僕ってダントツで業績トップをキープし続けてるし? けどね、才能のある若い人材が優秀な僕をヘッドハンティングしたいっていうならさ……チャンスだって思うじゃん? てか幼女に抱っこされたい! その一点に尽きる!」
「なに意識高い系ベンチャー企業の若社長みたいなこと言ってんだい、このロリコンが!」
 数宮はサイキック電流を拳に宿し、魔法少女ごとぶん殴った!
「「ぎゃぼーっ!?」」
「ほら、お得意の因果律操作の仕事の時間だよ! さっさとやんな!」
 キレる数宮を前に、珍獣は全身から汗を吹き出して狼狽している!
「は、はい! ヨロコンデー!」
 ここで断れば殺される……!
 珍獣は数宮へ一生の従属を誓うのだった。
 こうしてユーベルコードの効果により、この先、魔法少女が『逃げ切れる運命』を遮断した珍獣。
 契約を反故にされたオブリビオン魔法少女は激怒!
「許せなーい! みんなエレナちゃんのユーベルコードでめちゃめちゃになっちゃえばいいんだ~!」
「うさちゃん……嘘つきだったの? ひっぐ、ひぐ……びえぇぇぇん!」
 途端、世界がぐにゃりと歪んだ。
「ワイリーなコヨーテだって」
「勝って見せる時はあったっていいんだよ☆」
 一反木綿状態のカシムとメルシーが魔法少女を空から追い込む。
「うわキモッ! 光に当たると透けて見えるんだけど!」
「「まーてー!」」
 浮き出る血管に恐怖しながら、魔法少女は高いビルの屋上へ追い詰められてゆく。
「くっ! 追い詰めたぞっ!」
「もう逃げられませんよ!」
 ペラペラの一人と一匹が、鉄骨の先をジリジリと後ずさる魔法少女を追い込む。
 だが、なぜか足場を踏み外したのはテラとヘカテにゃんだった。
「なんでだーっ!?」
「みぎゃー!?」
 そのまま地面に激突して、人型と猫型の大穴を開けるのだった。
「こんのー☆ こうなったら力づくだぞ☆」
「メルシー、やっちまうぞ!」
 カシムとメルシーは気合で身体をふくらませると、そのまま魔法少女に飛びかかる!
 ぼかすかと殴り合い、土煙が巻き上がったり星が飛び出している!
 そこへ乱入するテラとヘカテにゃん!
「トゥーンだから死ななくてよかったぞ!」
「もうこうなったら暴れますよ!」
 ドタバタの土煙の中へ彼女らも突撃!
 しっちゃかめっちゃかの中、オブリビオン魔法少女がするりと抜け出し、エレナちゃんと手を繋いで逃走してゆく。
「あ! 待ちやがれニセ魔法少女ォーっ!」
 数宮はいち早くそれに気が付き、宇宙カブにまたがってフルスロットルで追跡をしていった。
 一方、敵が居ない事に気が付かないカシムとメルシー、そしてテラとヘカテにゃんたちは……。
「お、おい! 僕たち、絡まっちゃいましたよ!」
「わーい、カートゥーン効果おもしろーい☆」
「これ、おれの身体はどうなってるんだ!?」
「私の場合はもはや猫背ではないですね……」
 大丈夫! 第2章ではしれっと解けた状態で参加できるから!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミルケン・ピーチ
褐色ボディのアカリで出撃

ロボはカートゥーンに合わなそうなんで【ライディングピーチ】で恐竜召喚っす

…なんで道の真ん中で平然と寝てるんすか
お前ほんとぺしぇちゃん(別ボディ)の言うことしか聞かないっすね!

掴んで引いたり餌で釣ったりブルドーザーで押したりぺしぇちゃんの真似したり…マンガ的に次々と色んな努力しては完全無視され

疲れたのでちょっと休憩…してたら恐竜がいない?

いやなに勝手にエレナちゃん乗せにいってんすか!
子供にだけ優しいんすか!

あたしを威嚇するな!
噛むな、蹴るな、あぁー!(恐竜に攻撃されふっとんで壁に人型の穴あけて)

乗せて連れてくことには成功したけど、納得いかないっす…(泣き言いってばったり)



 ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)は紫色のゴーグル型ヒーローマスクである。
 単体の外見は正直グロい。
 え、その触手……どこに突っ込む気?
 そんなヤバいゴーグルを装着して、魔法少女ミルケンピーチとして戦う3人の少女たちがいた!
「今日はあたしが出動っすよ!」
 褐色肌のアカリ・ゴールド(15歳)は、元気いっぱいにカートゥーン化した街中を駆け回る。
 その露出の多すぎる奇抜なヒーローコスチュームからは想像できないほどのパワフルでワンダフルな救助活動ぶりに、市民は次第にミルケンピーチを推し始める。
「すげーや! ミルケンピーチ!」
「ダイナマイトエクスタシー!」
「見え……見え……ない!」
 ただし、ファン層は30~50代のおっさんばかりであった。
「ありがとうっす! これで街の異変はなんとか収まったっすね。けど、肝心のエレナちゃん捜索が全然ダメダメっす……!」
 うーんと考え込むアカリ。
「カートゥーンにロボは似合わないっすね……ここはライディングピーチで恐竜召喚っす!」
 ユーベルコードで恐竜を召喚!
 その背にまたがり、機動力を駆使してエレナちゃんを捜索しようとしたのだが……。
「……なんで道の真ん中で平然と寝てるんすか」
 召喚された恐竜は、全くやる気なく地面に横たわっていた。
 しかも一向に起きようともしない怠けぶりだ。
「お前ほんとぺしぇちゃんの言うことしか聞かないっすね!」
 別のボディ担当の幼女が手懐けた恐竜故に、アカリの言うことを聞かないのだ。
「ちょっと、起きるっす! うーん! 駄目っす、びくともしないっすね。そうだ、ぺしぇちゃんは餌で釣ってたっす! そして偶然、近くにスーパーマーケットがあるっす!」
 急いでアカリは自腹で高級牛肉の塊を購入し、恐竜の鼻先へ置いた。
「ご褒美あげるんで、その分の仕事はしてくださいっす!」
 だが、恐竜は見向きもしない。
 この後も、飼い主(五歳児)のマネをしたり、どこからともなくブルドーザーを借りて押し退けてみたりと、色々と努力をしてみたものの……。
「なんで全部無視するっすか……そんなにあたしが嫌いっすか……!?」
 うなだれるアカリ。正直泣きそう。
「はぁ……これじゃどうしようもないっすね……」
 がっくりと肩を落とし、少し休憩しようとした矢先の出来事だった。
 突如、恐竜は勝手に立ち上がると、躊躇せずにまっすぐどこかへ向かってゆくではないか!
「え、ちょっと、待つっす! どこ行くんすか!?」
 慌てて恐竜の後を追うアカリ。
 そのたどり着いた先には、なんとエレナちゃんが!
「げ、猟兵……しかもすごい格好の……」
 オブリビオン魔法少女の顔が引きつってる!
 アカリはここぞとばかりに名乗りを上げた。
「魔法少女ミルケンピーチ! エレナちゃん誘拐犯め、神妙にお縄につくっすよ!」
「あら? でも恐竜さんはエレナちゃんの味方みたいだけど?」
 なんと、エレナちゃんに恐竜が擦り寄っている!
「どういうことっすか!? いやなに勝手にエレナちゃん乗せにいってんすか! 子供にだけ優しいんすか! さてはロリコンっすか!?」
 GYAOOOOOOOOOO!
「あたしを威嚇するな! 意味分からないっす! あ、ちょ、噛むな、痛っ! だから蹴るな! ってあぁー!?」
 尻尾でホームラン並のヒッティングを受けたアカリの身体が大空へ吸い込まれて星になる。これが原因で召喚者との距離が離れすぎたため、恐竜は顕現できなくなって姿を消してしまった。
 あと少しでエレナちゃんを奪還成功だったのだが……。
 これは召喚者との相性が悪かった。仕方がないね。
「な、納得いかないっす……がくっ……!」
 アカリの笑顔が大空に薄っすらと浮かび上がり、まるで最終回のようなアトモスフィアが漂うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティエル・ティエリエル
待て待て待てーー!
エレナちゃんをパパとママの元に届けるのはボクの役目だぞー♪

【ライオンライド】で呼び出した子ライオンくんに乗って追いかけるぞ☆
ボクもライオンくんもカートゥーンになってるけど、道行く人達には手を振りながら突き進んでいくね♪

追いついたらエレナちゃんに呼びかけて、泣き止んでもらわなきゃだね。
エレナちゃんエレナちゃん、そっちの魔法少女は悪い魔法少女だよ♪
ボクとライオンくんがパパとママの元に連れていってあげるからね!

まずはワルワルな魔法少女をライオンくんでがぶっとかんじゃうぞ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


水瀬・美鳥
(アドリブ大歓迎)
🕊「あーもうめちゃくちゃだよ」
「とりあえず市民の方の避難とか色々やらないと!」

鳩さんは上空へ、魔法少女さんのを追いかけてね!

【投影・追憶の装具】にて刃のない剣にロープ等を投影、逃げる魔法少女の妨害を防いだり避けたりしつつ追いかけます

追いかけてる途中、市民に危険が迫ってるのを見れば自分が被弾必須でもそちらを優先して助けます!

途中、ぺちゃんこになってぽよよんと膨らんでまた追いかけます!

(市民の救助や魔法少女の妨害等でぺちゃんこになるやられ方を沢山やって欲しいです。元から柔らかく延びやすい体質なのでどんなに潰れても大丈夫です)



「あーもうめちゃくちゃだよ」
 街中の惨状を眺めてこぼすのは、なんと白い鳩だった。
 鳩が喋りながら、首をぐいんぐいんと回転させている。
 ……なにこれ?
「とりあえず市民の方の避難とか色々やらないと! 鳩さんは上空から魔法少女を追いかけてね!」
 水瀬・美鳥(鳩ともちもち魔法兎少女・f15711)は謎の鳩らしき生物に親しみを込めて話し掛ける。
 この鳩(?)は水瀬と行動を共にしている付喪神らしいのだが、下ネタでテンション上がったり、発言が野獣っぽい先輩だったりと、どうにも言動がヤバい奴である。
 しかしながら、この鳩モドキは水瀬の頼みとあらば上空を全力で飛翔してゆき、オブリビオン魔法少女を追跡する気概を持っているようだ。
「ほら、追い付いた。はっきり分かんだね!」
「鳩さんはうまくやってくれてるね! 私も避難誘導を頑張らないと!」
 水瀬はパニックになっている人々を安全な場所へ誘導しようとした。
 だがその時、猛烈な勢いで突っ込んでくるミニライオンが水瀬の背後から迫る!
「待て待て待てーー! エレナちゃんをパパとママの元に届けるのはボクの役目だぞー♪」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)がユーベルコードで召喚した体長42cmほどのミニライオンくんに跨り、カートゥーン化したまま水瀬を撥ね飛ばしてしまった!
「あれー? 何かぶつかったかな? ま、いっか☆ みんなー! ボクが来たからにはもう安心だよ☆」
 デフォルメキャラになったティエルが手を振れば、そのフェアリー特有の小さな身体から溢れる元気を貰った市民たちは安心して手を振り返した。
 かつて『アースクライシス2019』においてティエルは実際に戦いに身を投じたことから、戦後にファンが付いているようだ。
「みんな、ありがとー☆ え、これボクにくれるの? やったー☆」
 フェアリーにはちょっと大きめの蜂蜜飴を貰ったティエルは大喜び!
 ライオンくんも蜂蜜飴を頬張って元気満タンだ。
「よ~~し! このままサクッと魔法少女に追い付いて、エレナちゃんを取り戻してくるね☆」
 ライオンくんの腹を軽くかかとでティエルが小突く。
 すると、ライオンくんは小柄な身体からは想像できないほどパワフルに駆け出していった。
 一方、弾き飛ばされた水瀬はというと……?
「か、壁にぶつかって顔が真っ平らになっちゃった……」
 向かいの銀行の壁に叩き付けられた水瀬の身体は、その体が伸されたパン生地みたいに薄く平らに広がってしまった。
「もともと身体は異様に柔らかい体質ですけど、カートゥーン化で拍車が掛かってますね……いたたた……ってきゃー! 風で煽られるー!」
 ペラペラの身体は風圧に弱く、自動車が往来するたびに右へ左へ吹き飛ばされてゆく。
 そのまま信号機に引っかかり、彼女の肉体が海苔巻きみたいにロールされてしまう。
「め……目が、回る~」
 ロールケーキ状の身体で転がりながら鳩さんのいる方向を目指すことにした水瀬。
 しかし、その後もトラックに轢かれたり踏まれたりして、彼女の肉体はメチャクチャにこねられ続けてしまう。
 そして気が付けば……。
「ちょっと待って! いつの間にかサイコロみたいな体になっちゃった!」
 水瀬の顔が描かれたブロック人形が完成していた。
「まるでレg……ってこうしちゃいられないよ! エレナちゃんを助けなきゃ!」
 水瀬はあまり気にせずに追跡を行うことに。
 普段から特異体質で、スライムめいて身体の厚さを変えられると自称する彼女は身体を力ませるとポヨヨンと元に戻るのだとか。
 なので今はLEG●ブロック人形状態のまま、ユーベルコード『投影・追憶の装具(リロード・メモリーウェポン)』で生成したアンカー付きロープで立体駆動を行うことで高速追跡を始めた。
「あ! 大変! 市民のみんながカートゥーン化して暴動してる! 落ち着かせなきゃ!」
 水瀬は騒動を鎮めるべく暴漢たちの前に飛び出した。
「暴れちゃ駄目だよ! ここは猟兵の私に任せて!」
 しかしそこへ、何故かキツツキが飛んできて水瀬に激突し大爆発!
「「きゃー!?」」
 暴漢と市民はボーリングピンめいて吹っ飛んだ!
 ストライク!
 謎の爆発に巻き込まれた水瀬は、そのまま道路工事中のロードローラーに押し潰されてアスファルト舗装されてしまった……。
 その頃、ティエルは順調に件の魔法少女を追い詰めていた。
「追い付いたぞー! エレナちゃんを返せー!」
「嫌よ! エレナちゃんもイェーガーのとこは嫌よね?」
 魔法少女がエレナちゃんへ笑みを向けると、エレナちゃんはティエルは顔を見るなり首を横に振って泣き喚く。
「悪いイェーガーこわいよぉぉぉ~!」
 完全にオブリビオン魔法少女に感化されてしまっている!
 しかしこれはティエルにとって想定済みの事態だ。
 ティエルは猟兵たちの不信を解くべく、説得を試みる。
「エレナちゃんエレナちゃん、そっちの魔法少女は悪い魔法少女だよ♪ ボクとライオンくんがパパとママの元に連れていってあげるからね!」
「え、パパ……ママ……ふぇ……あいたいよぉ……!」
 はぐれた両親のことを思い出したエレナちゃんがぐずりだす。
 ティエルはすかさず畳み掛けた。
「ボクとライオンくんなら、パパとママをうりゃりゃーっすぐに見付けられるよ! だからこっちにおいで? さあさあ☆」
 小さな妖精が両手を広げてエレナちゃんを出迎える。
 幼いエレナちゃんにとって、魔法少女と妖精さんという憧れ二大巨塔が同時に存在しているわけで、これはとても迷う選択であった。
「えっと……えっと……」
 悩むエレナちゃんへ、ティエルがダメ押しの一言を言い放った。
「あ、ボクね、風の魔法が使えるよ☆ ビュルルーンって☆」
「妖精さん、魔法少女なの!? そっちにいくー!」
 エレナちゃんの心の琴線が今、ロックに掻き乱された!
「あたち、ライオンさんにのる~♪」
「ちょ、ずる~い! 妖精で魔法少女とか属性盛りすぎよ!」
 抗議の声を上げる魔法少女へ、ティエルはトドメの一言をぶつけた。
「これはナイショだけど、ボクは正真正銘、妖精の国のお姫様なんだぞー! 常春の妖精国のティエル・ティエリア・ティエリエル姫とはボクのことだ☆」
「妖精さんすごいすごい!」
 女児にとって、お姫様とは最強の憧れである。
 しかも魔法を使える妖精の猟兵ときたら、麻雀でいえば役満和了りみたいな最強ぶりである。
 無事にエレナちゃんを奪還したティエルは、狼狽する魔法少女へライオンくんをけしかけた。
「よくも純粋なエレナちゃんを騙したなー! ライオンくん、とりあえずワルワルな魔法少女をがぶっとかんじゃえ☆」
「がうがう!」
 ミニライオンくんが魔法少女のお尻に噛み付く!
「いたたたた! いやだー! スカートめくれちゃうー!」
 涙目になって逃げ惑う魔法少女。そのスカート裾がひらめく。
「あ~、いいっすね~! え、まじかよパンツの色、黒かよエッッッッロ!」
 それを思春期の男子めいた反応をする鳩モドキが七色に輝きながら凝視し続けていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『魔法少女』セラフィムハート』

POW   :    霊子収束式攻撃魔法・プリズムブレイク
【手にしたステッキが所謂最強フォーム】に変形し、自身の【莫大な魔力】を代償に、自身の【次に放つ、最大最強の攻撃魔法】を強化する。
SPD   :    誘導追尾型攻撃魔法・シャイニングチェイサー
レベル分の1秒で【相手をどこまでも追尾する、魔力の光弾】を発射できる。
WIZ   :    超高速飛行魔法・エリアルウィング
【背と踵に高速飛行を可能とする光翼を生やす】事で【高機動モード、エリアルハート】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:はるひ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの奮戦によって、無事にエレナちゃんを奪還に成功した!
 だが、魔法少女はまだ諦めておらず、今度は猟兵たちを追いかけ始めた!
「待ちなさい! その子は悪の素質があるのよ! 将来の悪の魔法少女として、この世界に君臨する女王の卵なのよ!」
 そう言われても、エレナちゃんはパパとママが恋しくて、二度と魔法少女のもとへ戻ろうとはしない。
 猟兵たちはエレナちゃんを代わる代わる抱っこしながら、追いかけてくる魔法少女を撃墜しなくてはならない。
 果たして、オブリビオン魔法少女の追撃をかわし、無事にエレナちゃんを両親と再会させることができるだろうか?
リオ・ウィンディア
エレナちゃん助かったのね、それはよかった…で、今逃げてるところ?

悪の魔法少女?はて、この私を差し置いて?
冗談よ。
私は正確には闇の魔法少女。少女?
ええい、細かいことはいいの、いくわよいきなり私の必殺技

【精神攻撃、恐怖を与える、呪詛、結界術後】
uc発動してセラフィムに挑むわ
素早いわね
でもこの数をやり過ごすのは骨が折れない?
ふふふ、じわじわと呪い殺してあげるわよ…と思った?
第六巻で敵の居場所を当てずっぽうのダガーによる2回攻撃で驚かせてあげる

あら、まだ序の口でしょう?
魔法少女さん??


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「しつこい人は嫌われるわよ?…不可視にして不可触の手よ、来たれ」

ユーベルコード【クォンタム・ハンド】起動。
エレナちゃんは不可視の手で先に送り届けつつ、私は弓を構えて狙い撃つ。
[スナイパー]+[誘導弾]ならユーベルコードが無くても狙いを外すことはないわ。
相手が強力な魔法を使う気配を見せたら[逃げ足]で逃走。
[迷彩]+[目立たない]で姿を隠す私を見つけられるかしら?

「あまり私に関わり続けると、エレナちゃんは先へ行ってしまうわよ?」

ごめんなさいね、私は意地悪なのよ?



 リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)が現地に転送されると、既に状況は一変していた。
「……そう、エレナちゃん助かったのね、それはよかった……」
 事件を目撃していた野次馬たちから情報を入手したリオの目の間に、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)をはじめとする猟兵たちが走り去っていく。
 その後ろから、必死の形相で追い掛けてくるこの事件の元凶こと『魔法少女』セラフィムハートがリオの眼前を通過していった。
「……で、今逃げてるところ? 両親の元へエレナちゃんを送り届ける前にあれをはたき落とせばいいのね?」
 状況を把握したリオは、スカートの裾を摘み上げて全力で走り出した。
 だが追い付くどころか、その距離が次第に離されてゆく。
 苛立ったリオは、目の前の魔法少女へ怨嗟を向ける。
「あなたが悪の魔法少女? はて、この私を差し置いて? ピンクのフリフリなんか着ちゃって、いかにも主人公ですみたいな顔をして?」
 凄まじい怨念がオブリビオン魔法少女の背を貫く。
 その圧に、思わず彼女は振り返ってしまった。
 振り返ったオブリビオン魔法少女と、口元だけを弧にして笑みを受かるリオとの目が合わさった。
「……冗談よ。私は正確には闇の魔法少女。少女? ええい、細かいことはいいの、いくわよいきなり私の必殺技」
 破れかぶれ気味にリオはユーベルコードを発動させると、アスファルト舗装された道から何かが競り上がってきた。
 その容姿はとにかくグロテスクで、あらゆる呪いが幾重にも重なった触手で覆われた首無しの幽霊たちを550体乗せた空飛ぶ巨大な1つ目怪物であった。
 リオは1つ目怪物の上に幽霊たちと共に乗っかると、そのまま魔法少女へ突撃を開始した。
「Bienvenidos! この世ならざるもの達よ! あの悪を騙る愚昧な存在を黒く塗り潰しなさい!」
 飛来する1つ目怪物がオブリビオン魔法少女を猛追し始めると、そのおどろおどろしさに敵は正気度をみるみるうちに削られてゆく。
「きゃあァァァァーッ!? なにあれキモッ!!」
 追い掛ける側が再び追われる立場となった魔法少女は、背と踵に高速飛行を可能とする光翼を生やす事で高機動モード『エリアルハート』に変身して必死に逃げ出した。
 リオもその速度に食らいついてゆく。
「流石に素早いわね。でもこの数をやり過ごすのは骨が折れない? ふふふ、じわじわと呪い殺してあげるわよ……」
 リオの顔がサディスティックな愉悦で歪んだ。

 一方、戦闘を走るヴィオレッタは、後方から泣き叫んで追い掛けてくるオブリビオン魔法少女に異変があったことを悟る。
「……あれは、猟兵なのよね? 敵よりよっぽど悪っぽいのだけど?」
 真っ黒な怨念と550体の首無し触手幽霊をけしかけながら巨大な浮遊1つ目怪物を駆る(見た目は)喪服の少女に、ヴィオレッタはなんとも言えない気分で目を細めた。
 そんなヴィオレッタへオブリビオン魔法少女が必死に訴える。
「ちょっと! 早くエレナちゃんを渡しなさいよ! でないとあのキモいのが襲ってくるのよ!」
 高機動モードでヴィオレッタの横へ並んでくる魔法少女の顔には、一切の余裕が見られなかった。
 禍津神めいた存在から追い掛けられれば、オブリビオンといえども身の毛がよだつのだろう。
 だがヴィオレッタはこの要求を断固として拒否した。
「しつこい人は嫌われるわよ? ……不可視にして不可触の手よ、来たれ」
 その言葉はユーベルコード『クォンタム・ハンド』の詠唱だ。
「エレナちゃんを量子結合の不可視にて不可触の手で他の猟兵へ送り届けて……これで両手が空いたわ」
 走りながら素早く合成弓に矢を番えると、ノーエイムで矢を迷わず放った。
 全く明後日の方向へ飛んでいった矢を見て、オブリビオン魔法少女は思わず噴き出した。
「ぷぷぷっ! どこに撃ってるのかしら!? 下手くそね~!?」
 だがヴィオレッタは続けて二射、三射と立て続けに矢を撃つ。
 彼女には絶対の自信があった。
「私の放った矢には呪詛が込められてるの。その呪いは『絶対命中』。だから――」
 放たれた3本の矢が、物理法則を無視した軌道を描いてオブリビオン魔法少女へ殺到する!
「カートゥーン化がなくても、ユーベルコードでなくても、私の放った矢は必ず獲物を仕留めるのよ」
「嘘っ!? これって因果律の逆転魔法!? ってきゃあっ!?」
 3本の矢が魔法少女の肩と太もも、そして腹に命中!
 激痛に顔を歪めるオブリビオンだが、負けじと敵も大魔法で反撃する構えを見せる。
「ここまで歩んできた戦いの想い、ステッキに込めて! 最強フォーム! 霊子収束式攻撃魔法・プリズムブレェェェェイク!」
 魔力を限界まで溜め込んだマジカルステッキが禍々しい姿に変形すると、全てを塵に変える最大究極魔法を解き放つ……はずだった。
「って、あの子が消えたわ!」
 魔力溜めに集中してわずかにヴィオレッタから目を離したほんの数秒の間に、標的のヴィオレッタが忽然と姿を消してしまったのだ。
 これでは無闇に最強魔法をぶっ放してしまえば自分が巻き添えを食らいかねない。
(かかったわ。魔法で光学迷彩を施して、なおかつ遮蔽物に身を潜めた私を見つけられるかしら?)
 身の危険を感じて素早く逃げ出したヴィオレッタは、冷静に敵の標的から外れる工夫を行っていた。
 戸惑うオブリビオン魔法少女、その元へ、後方からリオが使役する怪物の群れが押し寄せる。
「さあ、じわじわと黒く呪い殺してあげるわ! ……なんて、これも冗談よ」
 リオは懐からナイフの刃を抜き払うと、目玉の怪物の背から身軽に跳躍!
「本命は……私の奇襲よ!」
 当てずっぽうに振るったナイフの2連撃の片方が、魔法少女の首元を斬り裂いてダメージを与えた。
 溢れ出る血潮を手で抑える魔法少女は、やむなく極大魔法を天へと解き放った。
 凄まじい爆発音と衝撃波がヴィオレッタとリオに降り注ぐ!
「っ!? あんなのを喰らったらひとたまりもなかったわ」
 リオの奇襲に感謝するヴィオレッタは、遮蔽物を渡り歩きながら敵へ矢を放ち続ける。
「ごめんなさいね、私は意地悪なのよ? これ以上、私たちに関わり続けると、エレナちゃんは先へ行ってしまうわよ?」
 不可視の手は、既に他の猟兵へエレナちゃんを渡したあとだ。
 リオも試すように魔法少女を見下しながらニタリと口元を歪ませた。
「あら、まだ序の口でしょう? 魔法少女さん?? 耐えてご覧なさいな」
「……その手には乗らないわ!」
 再び極大魔法を詠唱した魔法少女は、なんと自分の足元にそれを解き放った。
 まばゆい閃光がヴィオレッタとリオを包み込み、激しい粉塵の煙があたりに充満する。
「……逃げられたわね。魔法の爆発に乗じて、高速移動で私達を振り切るとか……脳筋もいいとこね?」
 呆れるリオ。そんな彼女のもとへ、姿を表すヴィオレッタも周囲の惨状を見て唖然としていた。
「怪我人が居ないか、すぐに確認しないと……!」
「それが懸命かもしれないわね……」
 こうして、リオとヴィオレッタは、他の猟兵たちに事後を託したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
【影依代】を呼び出して顔に俺を装着。相棒がチビッ子を逃がして、その間俺が魔法少女の相手をするぜ。
決してチビッ子が俺を見てまた泣き出さないようにって訳じゃない。
…ああ、俺は全然気にしてねえぜッ!

影バイクに乗って追いかけてくる魔法少女に並走するぜ。てめえの相手はこの俺だッ!
敵が追尾型攻撃魔法を撃ってきたら影バイクで壁を走るなどの三次元走行で追ってくる魔法の軌道を見切り障害物にぶつけて相殺する。
そして、バイクで敵に体当たりして攻撃だ。
フィニッシュはバイクを乗り捨てての必殺飛び蹴りだぜッ!

「…魔法少女とバイクに乗ったヒーローの戦い……今日って日曜の朝でしたっけ?」


【技能・運転、見切り】
【アドリブ歓迎】


カンナハ・アスモダイ
WIZで挑むわ。アドリブ連携等歓迎よ
どうやらお仲間が奪還に成功したようね

なら─

ここからは「魔法少女」ではなく─
「アイドル」としての戦い方を見せてあげるわ!
始めるわよ、ゲリラライブ!

─Are You Ready?

【UC:悪魔法少女★あすも☆デウス・ON☆STAGE】

私のかっこかわいいライブパフォーマンスで<存在感>をアピール
『魔法少女』セラフィムハートの視線を私にくぎ付けにして
エレナちゃんに対する追跡の手を止めさせるわ

こっちを見なさい、『魔法少女』セラフィムハート
あなたが追っかけるのはエレナちゃんじゃない。
最強無敵のアイドル、悪魔法少女★あすも☆デウスよ!

─脇目なんて、絶対降らせないんだから



 神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は、相棒の桜にエレナちゃんを託して告げた。
「相棒、ここは俺が食い止めるッ! だから早くエレナちゃんを抱えて逃げろッ!」
「……分かった。そっちのほうがエレナちゃんが怯えなくて済みそうですね」
 逃走中、ずっとエレナちゃんは朱塗りの鬼面が喋る様を真っ青な顔して黙りこくっていた。
 桜の指摘に対し、凶津はすぐさまユーベルコードで『影依代(シャドウヒーロー)』を具現化させると、仮初の肉体へ自身を被らせた。
「相棒、なにか勘違いしちゃいねぇか? 俺はただ、相棒がチビッ子を逃がして、その間俺が魔法少女の相手をするって言ってるだけだぜ。決してチビッ子が俺を見てまた泣き出さないようにって訳じゃない。……ああ、俺は、全然気にしてねえぜッ!」
 凶津は影からバイクを具現化させると、若干泣きそうな顔でそれに飛び乗った。
「うおおおおぉぉぉッ! てめえの相手はこの俺だッ!」
 最初っからフルスロットルで影バイクを走らせ、オブリビオン魔法少女の行く手を阻む凶津。
「……凶津、すっごく傷付いてたのですね」
 その後姿を一瞥した桜は、相棒の想いを無駄にしないためにもひたすらエレナちゃんを連れて街中を走り去ってゆくのだった。

「どうやらお仲間が奪還に成功したようね」
 桜が走り去ってゆくのを確認したカンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は、影バイクに跨る凶津が魔法少女の放った光弾とのドッグファイトを見守っていた。
「なら――私がやるべきことは決まってるわ。ここからは『魔法少女』ではなく――『アイドル』としての戦い方を見せてあげるわ! 始めるわよ、ゲリラライブ!」
 彼女が纏う悪魔的カリスマオーラが更に勢いよく発散される。
 すると道中の一般人たちはたちまち魅了され、あすも☆デウスへのシュプレヒコールが自然発生する!
 自身を称賛する“契約者(ファン)”の声の高まりに、アスモダイの鼓動も最高潮に達する!
「契約者(ファン)のみんな! 今日は、来てくれてありがとうー! ずっと見ててね。後悔なんて、一生させてあげないから!」
 音響機材はない。マイクもない。つまりアカペラ一発勝負のゲリラストリートライブ。
 無謀にもほどがあるこの暴挙。
 だが辞めるなど理由もない。
 目の前に声援があり、彼らが自身のパフォーマンスを望むのであれば、悪魔法少女★あすも☆デウスはどこにだって“独演(サバト)”を開催できる!
「――Are You Ready?」
 一瞬の静寂、からの――。
「AHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!」
 感情を爆発させたシャウトが冬の街の空気を震わせた!
「な、なによ今の!?」
 思わず声が上がったほうを見てしまう魔法少女!
 そこへ凶津が影バイクごと突っ込む。
「余所見している余裕があるなら俺と鬼ごっこしてくれよなッ?」
 魔法少女を前輪で撥ねて吹っ飛ばす!
 だが魔法少女も誘導追尾型攻撃魔法・シャイニングチェイサーをカウンターで発射!
「おっと! もうその手には乗らねぇぜッ!」
 凶津は車体を急旋回させ、追尾してくる光弾を蛇行運転で振り切ろうと試みる。
「このバイクはこんな場所も走れるんだぜッ!」
 なんと高層ビルの窓ガラスを垂直に走行し始めたではないか!
 爆走する影バイクと光弾、そしてその追走劇を彩るアスモダイのとてつもない声量が織りなすアイドルソング。
「こっちを見なさい、『魔法少女』セラフィムハート! あなたが追っかけるのはエレナちゃんじゃない。最強無敵のアイドル、この悪魔法少女★あすも☆デウスよ!」
 全てが渾然一体のエンタメと昇華した状況を、魔法少女は我を忘れてうっとりとしていた。
「すごい、すごいわ! こういうのを私は望んでいたのよ!」
 このアイドルをずっと見ていたい――!
 そうオブリビオンにも虜にさせてしまうアスモダイのパフォーマンスは、いよいよ佳境に差し掛かった。歌いながら激しく踊り狂う姿は、まるで狂信者を熱狂させる悪魔そのもののようだ。
「――脇目なんて、絶対に振らせないんだから!」
 彼女が指鉄砲でばぁんっ♪と発砲する仕草をすれば、観客は尊さの過剰摂取で奇声を上げながら卒倒してしまう。
 もちろん、オブリビオン魔法少女も例外ではなく、溢れ出る感動を抑えきれずに全身を打ち震わせていた。
「あぁ……! 尊い! 尊さ5000兆点チョモランマックスハートよ~!」
 すっかり逃走劇を忘れて熱狂する魔法少女。
 だがそれは完全に隙だらけ、無防備を意味している!
「今がチャンスだッ! さあ、ショータイムといこうかッ!」
 影バイクを足場にして、凶津は高々と上空へひとっ飛び!
 そこからビルの窓ガラスを蹴飛ばし、三角跳びの要領で必殺飛び蹴りを繰り出す!
「チョーイイネ! サイコーだぜぇぇぇッ!」
 影バイクが迫撃砲弾めいて魔法少女の脇腹に突き刺さり、そこへ飛来する凶津のキックがバイクごと敵を爆発四散させた!
「グワアァァァァァーッ!?」
 高々と立ち上る紅蓮の火柱!
 オブリビオン魔法少女は吹っ飛ばされながらも、上空から桜の居場所を特定してみせた。
 何たる執念!
 桜は身の危険を感じ、エレナちゃんを別の猟兵へ託すべく逃走を続けてゆく。
「……それにしても、魔法少女とバイクに乗ったヒーローの戦い……今日って日曜の朝でしたっけ?」
 特撮番組のごった煮のような展開に、桜は思わず真顔になってしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルケン・ピーチ
続けてアカリで出撃っす

エレナちゃんだっこして逃げながら戦うんすね
というわけで【ライディングピーチ】!
ほら、エレナちゃんが乗ってるっすよ、今度こそちゃんと働けっす!

恐竜に【騎乗】で二人乗りして相手の追尾光弾避けつつエレナちゃんに当たりそうな攻撃は【かばう】っす

壁だの空中だの無茶苦茶なところを【足場習熟】や【空中機動】で走って無理矢理逃げてくっす

自分も『魅惑のミルクシャワー』撃って牽制しつつ、少しずつ距離を縮め
自分はバク宙で恐竜から飛び降り【捨て身の一撃】!
そのまま抑え込んで【怪力】でボコボコにしてやるっす!
恐竜は走ったままエレナちゃん乗せて安全圏へ離脱!
消える前にご両親か次の猟兵に渡しに行くっす



「召喚した恐竜にまさか反逆されるとは思っていなかったっす……」
 ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)を装着するアカリ・ゴールドは吹っ飛ばされた後、高層ビルに全身を打ち付ける大惨事を見舞ったがカートゥーン化でどうにか命拾いした。
 エレナちゃんのユーベルコードの暴走がなければ、今ごろボディは高層ビルの窓ガラスでグチャグチャになって引っ付いていただろう。
 悪寒に見舞われたアカリは生きてることを喜びつつも、今度は味方から託されたエレナちゃんをオブリビオン魔法少女の魔手から遠ざけさせなければならない責任感で胸がいっぱいだ。
「エレナちゃんだっこして逃げながら戦うんすね。ならランディングピーチで恐竜を再び呼び出すっす!」
 アカリは本日2度目の恐竜召喚を行うと、抱えているエレナちゃんをたかいたか~いと掲げた。
「ほら、エレナちゃんが乗ってるっすよ、今度こそちゃんと働けっす!」
 ちょこんと恐竜にエレナちゃんを乗せた途端、恐竜は明らかに目を輝かせて喜んでいた。
「このロリコントカゲ……! ガチっすね! ほらさっさと逃げるっすよ!」
 アカリも恐竜の背に乗って踵でその腹を蹴飛ばすと、一気にトップスピードで恐竜が走り出した。
 その後ろからオブリビオン魔法少女が追走!
「ちょっと!? そういうのズルくなぁい!?」
 不満を漏らしながら、誘導光弾を乱射してくるオブリビオン魔法少女。
 それをジグザグの不規則なステップで回避したり、桃色のオーラ障壁で光弾を遮ってアカリは凌いでみせる。
 恐竜は時に掟破りの壁走りを披露し、パルクールめいた移動を大胆にこなしてみせる。
「こっちも射撃で反撃っす! 魅惑のミルクシャワーを喰らえっす!」
 命中すれば精神に様々な作用を及ぼす光線を放つ銃をアカリが乱射する!
 しかし魔法少女もこの光線がヤバいと直感で察知したのか、アクロバティックな動きで回避し続ける。
 次第に両者の距離が縮まっていくぞ!
「観念してよね! 大人しくエレナちゃんを渡すのなら、命は見逃してあげるわ!」
 勝ち誇る魔法少女。
 だがアカリはこれを鼻で笑って一蹴する!
「寝言は寝てから言ってほしいっす! この戦い、勝つのはあたしっすよ!」
 距離を詰められたのはアカリの作戦だった!
 アカリの射程圏内に入った次の瞬間!
「ムーンサルト・ピーチボンバーっす!」
 突如、アカリは恐竜の背から天高く跳び上がると、空中2回転半ひねりを行いながら魔法少女の頭上へボディプレス!
 似たような技がユーベルコードとなっているが、これはそれを模したアカリ独自の必殺技である!
 自由落下運動によって、爆弾めいた質量の暴力と化したアカリの肉体が、魔法少女を容赦なく押し潰す!
「ぎゃぁっ!?」
 カエルがダンプカーに轢かれたかのような汚い悲鳴!
 まだ微かにカートゥーン化の影響があるのか、魔法少女はペラペラの紙のように薄く伸されてしまった。
 だが痛覚は通常に戻っているようで、全身圧縮によってかなり痛そうだ!
「ここであたしが足止めするっす! 今頃、恐竜が他の猟兵へエレナちゃんを届けてるはずっす! 時間を稼ぐためにも、ここでボコボコにさせてもらうっすよ!」
「右なの……? それとも左なの? どっちで殴るの……!?」
 怯える魔法少女にアカリは首を横に振った。
「りょ、両方なの……!? もしかしてオラオラですかーッ!?」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ!」

 ド ー ン !

 こうして魔法少女は、薄く伸びた身体が凹凸の主張が激しくなるまでひたすらアカリの両拳のラッシュを浴び続けた。

 ←TO BE CONTINUDE...

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
エレナちゃんがママを訪ねてさんぜんり!邪魔する魔法少女はやっつけちゃうぞ!
エレナちゃんはライオンくんに任せて、ワルワル魔法少女を足止めだ!

レイピアを構えてうりゃーと魔法少女をツンツンするけど……
んー、こっちの変な生き物も攻撃しちゃおうっとオトモの謎の生物もツンツンしちゃうね♪

相手が本気を出してきて高機動モードになった瞬間に【妖精姫のいたずら】で服の中に潜り込んじゃうぞ☆
こちょこちょこちょっと擽り攻撃で集中できなくなったら、高速飛行のまま間違って壁にぶつかっちゃうかもね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


カシム・ディーン
おい…おめーには悪の魔法少女としてたりねーもんがあるぞ
「そうだそうだー☆」

ああ?そんなの決まってるだろ?

エロ堕ちしてねーじゃねーか馬鹿野郎!
もっとエロエロオーラ出しやがれ!
「えちえちな魔法少女…これは興奮するね♥」(荒ぶるあほあほこんび。尚、エレナちゃんには聞こえない様に気は使います

【戦闘知識・情報収集・視力】
魔法少女の魔法の性質と攻撃の癖
後は3サイズ諸々を冷徹に解析
【属性攻撃・迷彩】
光属性を己達に付与
光学迷彩で存在を隠し

UC発動
【念動力・空中戦・武器受け・弾幕・スナイパー】
超高速で飛びながら
追尾弾に捕捉されれば念動光弾での迎撃や武器受けを試み

【二回攻撃・切断・盗み攻撃】
連携斬撃から杖強奪



 執念深くエレナちゃんを追ってくるオブリビオンの『魔法少女』セラフィムハート!
 幾度と猟兵たちに殴られてもへこたれない姿勢は、魔法少女というより熱血系ヒーローのようだ。
「エレナちゃんがママを訪ねてさんぜんり! 邪魔する魔法少女はやっつけちゃうぞ!」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)がばびゅーんっと元気良く飛んでゆく。
 その傍らには、相棒のライオンくんが並走している。
 ティエルはライオンくんの背中にエレナちゃんを乗せる。
「ライオンくん! エレナちゃんをママとパパの元へ送り届けてあげて! ボクはワルワル魔法少女を足止めだ!」
「がうがう!」
 ライオンくんは誇らしげにエレナちゃんを乗せて走り出してゆく。
 その様子をカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と少女形態を保っている相棒メルシーが見守っていた。
「あのライオン、なかなか男前ですね」
「お陰でメルシーたちが楽できちゃうね♪」
 カシムたちはエレナちゃんの保護よりも優先して試したいことがあったため、ティエルのファインプレイは大歓迎であった。
「それにしても……おい……そこの魔法少女? おめーには悪の魔法少女としてたりねーもんがあるぞ」
「そうだそうだー☆」
 カシムは不機嫌そうに魔法少女へクレームを投げ付ける。
 彼には魔法少女といえばかくあるべき、という理想があった。
 だが急にクレームをくらった魔法少女は困惑する。
「な、何よ? あたしはどこからどうみても立派な悪の魔法少女よ?」
 強く主張するオブリビオン。
 それにカシムは激昂した。
「ああ? 駄目ですね、全然駄目です!」
「ええっ!? あたしのどこが駄目なのっ!?」
「そんなの決まってるだろ?」
 カシムはメルシーに目配せすると、2人は声を揃えて言い放った。
「「絶望的にエロスが足りないッッ!!」」
 青天の霹靂!
 てか魔法少女にエロスが足りないとは何ぞな?
「闇落ちするならエロ堕ちも定番だろーが! お前してねーじゃねーか馬鹿野郎! もっと敗北感を漂わせながらエロエロオーラ出しやがれ!」
「敗北して闇落ちからのえちえちなイベントが発生する魔法少女……これは興奮するね♥」
 マジで神になりそうな魔法少女モノの事を言ってるのかと勘ぐりたくなるような発言を、このアホアホコンビは叫んでいた。
 これにオブリビオンは白目を剥いてドン引きしていた。
「いや女児向け魔法少女系のあたしの何処にエロ要素を求めてるの馬鹿なの????」
「わかってねーなぁ!? 女児向けでもパンチラくらいはサービスしろと言ってるんですよ!」
「他の猟兵の情報だと、セラフィムハートちゃんの下着の色は黒なんでしょ? 女児向けにしてはアダルティー過ぎないかな?」
 ニタニタと卑下た視線を向けるカシムとメルシー!
 完全に存在そのものがセクハラだ!
 隣のティエルも首を傾げている!
「えーっと、黒い下着ってえっちなのかな?」
「「そこからかぁ~!」」
 カシムとメルシーがずっこけた。
 ティエルの純粋さが場を和ませた。やったね!
「あーもー! おバカさんにかまってる暇はないわ! そこをどいて! さもなくばぶっ飛ばすわよ!」
 カオス展開に耐えきれなくなった魔法少女は、遂に暴力に身を任せる決断を下した!
 これにすかさずアホアホコンビが迷彩魔法で姿を消す。
「見えなければ追尾できない! 第三部、完ッ!」
「えへへー♪ マッハの風圧でいや~んなイベント起こしちゃうぞ☆」
 透明になったまま、2人はユーベルコードの超音速移動をして風を巻き起こす!
 そしてめくれる魔法少女のスカート裾!
「ちょ、何するのよ! てか本当に何処にいるのよ!?」
 見えない変質者コンビに怒り心頭の魔法少女!
 そんな2人に気を取られていると、ティエルが愛用のレイピアでツンツンと魔法少女を突っ付きまくる!
「うりゃー! チクチクしちゃうぞー! って、んー?」
 ティエルは魔法少女にダメージを与え続けていると、敵の周囲を浮遊する謎の白い生物と目があってしまう。
「こっちの変な生き物も攻撃しちゃおうっと♪」
 ティエルは謎生物にレイピアの先端をプスッと突き刺した!
 するとそのままポテッと地面へ墜落して動かなくなってしまった。
「おにいちゃん……あたちも今、そっちへいくよ……短い生涯だったなぁ……」
「なんかボク悪いことしちゃったっ!?」
 想定外の重い設定が飛び出して動揺するティエル。
 だが謎生物がニタリとほくそ笑むをの見てしまい、お陰で罪悪感が霧消した。
「そういえばオブリビオンだった! キミもわるいやつだなー!? やっつけちゃうぞー☆」
「グワーッバレたー! サヨナラ!」
 謎生物は爆発四散!
 オタッシャデー!
「さあ、次はキミの番だ! ようし、服の中からこちょこちょしちゃうぞー☆」
 ティエルはユーベルコードの力で魔法少女の服の隙間に潜り込むと、容赦なくくすぐり始めた!
「こちょこちょこちょ~☆」
「きゃははははははっ! 無理っ! やめて! くすぐったいよ~!」
 こそばゆさで身を捩る魔法少女は、もはやエレナちゃん追跡どころではなくなってしまう!
 そんな様子をカシムとメルシーが透明になったまま嬉々として見詰め続ける。
「よしメルシー! 今がチャンスだ! あの魔法少女に敗北を与えて分からせるぞ!」
「魔法少女ちゃんの身体のデータはバッチリ記録したよ☆ そーれ☆ 大破しちゃえー☆」
 2人の不可視の攻撃が魔法少女に殺到!
 念動光弾の弾幕と鎌剣ハルペーの斬撃で再び魔法少女は吹っ飛ばされてしまった!
「まだあたしは諦めないんだからー!」
 青空の向こうまで飛んでいった魔法少女を眺めながら、カシムとメルシーはハイタッチ!
「一応、マジカルステッキを強奪できましたね」
「でもこれレプリカだよ? あの魔法少女、中々やるね……!」
 ざわ……ざわ……!
 アホアホコンビの顔がやけに角ばる。
「ふっふー! ボクのこちょこちょテクの大勝利だね☆」
 そしてティエルは完全勝利に酔いしれ、蜂蜜を頬張った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

うむむ…しつこいのですよ… エレナさんは他の方に託して…こちらは真の姿で迎え撃ちます!
悪の魔法少女…そんなに見たいのであれば見せてあげますっ!

-真の姿-
うふふふ~♪悪の魔法少女参上なのですぅ~♪
【どろどろ分身】でい~っぱいのボク♪
魔法少女さんはもう逃げられませんね~?
それじゃあ…うふふふ…♪
(一斉に自身含む分身達が魔法少女を襲い…ドロドロオブジェとして固めて見る者を引き付ける名物に…?)


数宮・多喜
何言ってるんだい。
誘拐だなんて下手な手を打った時点で、
アンタは失敗してたんだよ!
しっかりアンタを成敗して、正義は勝つって事を見せてやらぁ!

そうやって『コミュ力』交えて『挑発』すれば、
アタシに狙いが向くだろ。
そうすりゃ他の皆の攻撃チャンスになるだろうさ……って
そこからまた杖が変形した!?

……バカ、そこで変形とかマジやめろ!
対抗してこっちも二段変身とか珍獣がほら言い出した!
さっきおざなりに変身したの根に持ってやがったなー!?
ええいままよ!【シャイン★らじかる☆ドレスあーっぷ】!

これで一際攻撃を『おびき寄せ』られるだろ、
って魔法への対抗なんて考えちゃいねーよ!
『カウンター』で撃ち合いさせるなぁー!?


水瀬・美鳥
(アドリブ、連携歓迎)
🕊「全く運がないなぁ」
「ふにゃぁ...」
どうにか道路からは剥がれてぺらぺらのまましばらくは鳩に運んで貰います。

追いつく少し前に体を戻し、
追いかける魔法少女さんを全力で妨害します。

「選択UC」より武器や壁を出しての白兵戦で妨害をしつつ、工事現場の方へ時間稼ぎを行うような追い込みを行います。


🕊「そろそろあの女の子のUCの効果範囲外になるぞ!」
町に広がったカートゥーンの雰囲気はが無くなっていくのに合わせて

追い込んだ先には大きなプレス機が
「あのUC効果がない今潰されたら無事でいられるかな?」
隙を見て魔法少女を抱き抱えてプレス機に飛び込みます!
(美鳥は潰れても平気です)



 もはや何がオブリビオンをそうさせるのかと思わせるほどのしつこさに、猟兵たちも困惑してしまう。
「うむむ……しつこいのですよ……」
 テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)が後ろを振り返ると、ボロボロの衣装を魔法で復元しながら猛ダッシュで追い掛けてくる魔法少女の姿を見た。
「まぁちなさぁ~い! なんで! こうなるのよ~っ!」
 オブリビオンにとっては災難の連続だ。
 目を付けた貴重なヴィラン候補を猟兵に奪還され、追い掛ければボコボコにされているのだから。
 そんなオブリビオン魔法少女へ、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は宇宙カブの後部座席にエレナちゃんを乗せたまま挑発する。
「何言ってるんだい。誘拐だなんて下手な手を打った時点で、アンタは失敗してたんだよ! しっかりアンタを成敗して、正義は勝つって事を見せてやらぁ! エレナちゃんもアタシの活躍、見てておくれよ!」
 そのまま宇宙カブを加速させ、魔法少女を自身に惹き付ける。
(ほら来いよ! そうすりゃ、テフラさんは完全にフリーになる! アタシが逃げ回ってる隙に、テフラさんがキツい一発をアンタに打ち込むって算段さね!)
 瞬時に他のリュオ兵が動きやすくなるための行動を採れるのが数宮の強みだ。
 そしてこの誘いにまんまと魔法少女が乗っかった。
「こんの~! 悪の魔法少女をナメないでよね!?」
 オブリビオンはアスリートめいた脚力を発揮しながら、器用にマジカルステッキを所謂最強フォームへと変形させた。
「って、そこからまた杖が変形した!? おいバカやめろ……! そこで変形とかマジで何考えてんだい!? そんな事したら、対抗してこっちも二段変身とか珍獣が――」
「多喜ちゃん! ここは秘められたパワーを解放して中間フォームへの変身をするしかないよ! さあ!」
「ほら言い出した! てか中間フォームって、アタシのあの衣装は初期設定だったのかい!?」
 いきなりニョキッと顔を出したウサギモドキの言葉に嫌な予感しかしない数宮。
 これに謎生物が得意げに解説を始めた。
「もちろんさ! 多喜ちゃんのマジカルステッキって、実は可変型でパワーアップアイテムを装着することでどんどん強くなるんだよ!」
「初耳なんだがね、それ!?」
「ちなみに今回の中間フォームは偉大なるオオグソクムシのパワーを秘めたコインを使うよ!」
「いやなんでオオグソクムシ!? アンタ、さてはさっきアタシがおざなりに変身したのを根に持ってやがったなー!?」
 全然子供向けじゃないパワーアップアイテムに数宮は泣きそうになっている。
「さあ多喜ちゃん! 今すぐ『来たれオオグソクムシアーマー! シャイン★らじかる☆ドレスあーっぷ!』って叫ぶんだ!」
「畜生ッ! でもやるしかないか! ええいままよ! 来たれオオグソクムシアーマー! シャイン★らじかる☆ドレスあーっぷ!」
 数宮はやけくそのままオオグソクムシが描かれたコインを、ステッキの穴の中へ押し込みながら叫んだ。
 すると、マジカルステッキが突撃槍に早変わりし、オオグソクムシの白い鱗は純白のドレスへ形態を変える!
 まるで聖騎士めいた鎧乙女の魔法少女へと変身した数宮は、その神々しさと自身のキャラとのちぐはぐさに赤面してしまう。
「……いやいやいや! こんなのアタシのガラじゃないってば! って宇宙カブも変形して白馬っぽくなってやがる!?」
「変身のオプションだよ! エレナちゃんも大喜びだね!」
 ウサギモドキがドヤ顔をしているところを、数宮はその首根っこを掴んで睨み付ける。
「……ぜってーあとで泣かす! でも今はエレナちゃんの笑顔に免じて不問さね! ってことで、来いよオブリビオン! 杖なんて捨ててかかってこいよ!」
 白馬モードの宇宙カブを巧みに操縦しながら、魔法少女が放ったホーミング光弾を回避し続ける数宮!
「多喜ちゃん! その槍の先をオブリビオンに向けるんだ!」
「こ、こうか?」
 ウサギモドキの言葉通り、数宮がおもむろに槍の先端をオブリビオンへかざすと……。
「今だ! らじかる☆ブラストォ!」
 突撃槍の先端がカパッと開くと、中からレーザービームが発射されたではないか!
 魔法少女は不意を突かれてレーザービームが命中し爆発した!
「はぁぁぁっ!? まさかのガンランスかよっ!?」
「これで遠距離攻撃対策もバッチリ! あ、ガンランスは僕の趣味さ!」
「バカ野郎! 魔法への対抗なんて考えちゃいねーよ! カウンターで撃ち合いさせるなぁー!?」
 散々な目に遭った数宮だが、しっかりと囮の役割を果たし続ける。
 そんなカオスな状況に、さらなるカオスが合流してしまう。
 一羽の鳩が、反物めいた薄っぺらさの水瀬・美鳥(鳩ともちもち魔法兎少女・f15711)を足で掴んだまま飛んできたのだ。
「全く運がないなぁ」
「ふにゃあ……」
 さっきまで舗装道路と一緒にロードローラーに押し潰された水瀬は、どうにか脱出したはいいが身体が中々膨らまずに困っていた。
 未だにカートゥーン現象が残っているのか、それとも水瀬の肉体は人間離れした柔軟性をもっているからなのかは不明だが、ともあれ数トンの圧力に耐えてなお生き長らえていた。
「ん? あれはさっきの魔法少女!」
「現れたね! エレナちゃんをパパさんとママさんのところへ返してあげるためにも、ここはとおせんぼするよ!」
 全身が一気に膨張した水瀬が元の姿に戻ると、オブリビオン魔法少女の前に立ち塞がった。
「応用魔術の出番です! 『投影・追憶の装具(リロード・メモリーウェポン)』!」
 タワーシールドとメイスをユーベルコードで生成した水瀬は、誘導光弾を弾きながら魔法少女へ殴りかかってゆく。
「さあ、このまま押し込んでみせます!」
「いたたたっ!? 混紡で殴られるの、地味に痛い!」
 堪らずオブリビオンは、近くのビル建設工事現場へ身を潜めるべく駆け出していった。
 だが、これこそが水瀬の作戦だった。
「そろそろあの女の子のUCの効果範囲外になるぞ!」
 鳩の言葉が意味することは、エレナちゃんが落ち着きを取り戻したことでカートゥーン化が解除されかかっているのを指す。
 そして工事現場はテフラにも好都合であった。
 かくして工事現場に逃げ込んだ魔法少女は、猟兵たちをやり過ごすべく隠れそうな箇所を探す。
 そこへ、けたたましいエンジン駆動音とともに突っ込んでくるロードローラー!
「喰らいやがれ!」
 操縦者は数宮だ!
 全てを轢き潰してゆくパワフルな走りに、膝の上でエレナちゃんが目を輝かせている!
 そのまま魔法少女の元へ突撃!
「なるほどね! 考えたみたいだけど、ロードローラーってそんなに速度は出ないのよ! 余裕で回避できちゃうわ!」
 楽々と逃げようとした魔法少女だったが、なんと水瀬が魔法少女を羽交い締めにしたではないか!
「私は特異体質なので、ロードローラーくらいじゃ死にません! 私ごと轢き潰して下さい!」
「マジか……! 事故っても恨まないでおくれよっ!?」
 水瀬の言葉を信じた数宮は、意を決してオブリビオン魔法少女ごと水瀬をぺっちゃんこに!
「……ふぅ、エレナちゃんのユーベルコードの効果がない今、全身を潰されたら無事でいられるかな?」
「いや、特異体質だからって大概だよ、アンタ……!」
 一瞬でぽよよ~んと体積が膨らんで元通りになる水瀬に数宮が思わず二度見した。
 オブリビオンはといえば、くもんの声を漏らしながらうどん生地めいた薄さで押し延べられてしまった。
 そこへ満を持して登場するのがテフラだ!
「悪の魔法少女……そんなに見たいのであれば見せてあげますっ!」
 テフラは真の姿を曝け出す!
 途端、全身をドロドロとした粘液が包み込み、不定形めいたベタベタ粘液生物へと早変わり!
「うふふふ~♪ 悪の魔法少女、参上なのですぅ~♪ ユーベルコード『どろどろ分身(マッドアバター)』でい~っぱいのボク♪ 魔法少女さんはもう逃げられませんね~?」
 気が付けば、モルタルやら接着剤めいた粘液を滴らせるテフラの分身の群れがオブリビオンを取り囲んでいる!
「それじゃあ……うふふふ……♪」
「や、やめてーっ!!」
 ドロドロのネバネバの集団が、あっという間に魔法少女を飲み込んでゆく。
 しばらく敵をもみくちゃにしていると、その中心部に粘液で出来た像がいつの間にか作り出されていた。
 あれはもしや、オブリビオン魔法少女!?
 テフラの粘液が固まって、動けなくなった姿だ!
「いいオブジェですね~! 素敵ですよ~♪ ベタベタがカチコチに固まって、皮膚を覆う感覚……快っ感ですよね~うふふふ~♪」
 自らの性癖を物理的に敵へぶつける事で、しばらく魔法少女は足止めをくらわざるを得なかった。
(なお、しばらくしたらぱっかーんっと自力でガワを割って逃げ出していったとさ)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルインク・クゼ
慕う親がおって……離れずに居れるんなら……そうした方が良いんやし、引き裂き挙げ句に悪墜ちに誘うん

看過できないんよ

エレナちゃんのとは……ジャンル違いやと思うんやけど、あたし達もパパとママの元まで守り抜いて見せるんよ……絶対にっ!

[POW]
〈ヒナスミ〉ちゃんに【騎乗&操縦】して【空中戦&推力移動】で駆けて……あたしとヒナスミちゃんの【砲撃&レーザー射撃&誘導弾】の【一斉発射&弾幕】を【属性攻撃(墨)&オーラ防御】を込めて【範囲攻撃】でばら蒔き続け

目眩ましと防御と牽制兼ねて
貴女は……エレナちゃんには近づけないんよっ!

弾幕を交いググって来た攻撃は【第六感&野生の感】で【見切り&空中機動&残像】で回避

エレナちゃんか、あたし達に直撃するのは【オーラ防御】張って【怪力&激痛耐性】で受け流すんよ……土蜘蛛の怪力なめんな!

隙みて【早業】でUC発動
【範囲攻撃】展開した赤い糸と蛸足で【捕縛&マヒ攻撃&怪力】で締め上げ

武器とそのUCを一時的に拝借し
【一斉発射】でブチかますんよ

[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]


テラ・ウィンディア
ついに魔法少女対決だな!
あ、エレナちゃん!おれは見覚えないかな?(劇場版マジカルイェーガー・ウォーズ~魔法少女の夜明け~の衣装(南瓜行列2019より

「あの映画のテラ…可愛くて格好良かったですよ」(ほっこり子猫

ぅううっ…!ヘカテにゃんはエレナちゃんをみててくれっ

あ、でも…あの映画だとおれ悪役だから…応援してくれないかな…?(あ、不安になった


【戦闘知識】
敵の動きを見据えその癖とパターンを把握

【見切り・第六感・残像・空中機動】
高速で飛び回りながら敵の攻撃を回避しながら激闘

「ほらエレナちゃん、光るロッドですよ?」(器用に持たせる黒子猫

いくぞセラフィムハート!
お前の最強魔法!
このおれの星の一撃を以て粉砕する!

メテオブラスト発動!
【オーラ防御・武器受け・属性攻撃・重量攻撃】
超重力フィールドを纏って更に武器で防ぎ最強魔法でぼろぼろになりながらも致命は避
距離を詰めればそのまま踵落とし!


知らなかったのか…?格闘戦こそ魔法少女の在り方だ!(ぷりっぷりできゅあっきゅあなのを見すぎたかもしれないテラであった…!



「そこまでだぞ! 観念しろ! 悪の魔法少女セラフィムハート!」
 黒衣の魔法少女の姿でオブリビオンの前に立ちはだかるはテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)!
 その背中の向こう側にエレナちゃんを守護していた。
「ついに魔法少女対決だな! エレナちゃんがおれを覚えててくれて嬉しかったぞ!」
「あの映画のテラは悪役でしたからね……。でも可愛くて格好良かったですよ」
 黒子猫形態の神機ヘカテイアことヘカテにゃんがほっこりと和んでいる。
 2年前にテラはヒーローズアースで公開された映画『劇場版マジカルイェーガー・ウォーズ~魔法少女の夜明け~』にて、悪の魔法少女を熱演。双子の姉との直接対決シーンは、未だに語り継がれるほどの名場面であった。
 その際に着ていた衣装を持参しておいて正解だった、とテラは内心で安堵していた。
(あの映画だとおれ悪役だから……応援してくれないかなって思ってたけど……)
 猟兵への警戒を解くため、着替えを済ませたテラにエレナちゃんは大興奮!
「あのときのおねぇちゃん、かっこよかった~!」
 どうやら幼い女児にも大迫力の双子姉妹対決の名場面は感銘を受けたようだ。
 おかげで今ではテラにべったりのエレナちゃんである。
「テラおねえちゃんのとこがいいもん! とってもつよくてかっこよくて、かわいいもん!」
「ですよね! エレナちゃん、分かってますね!」
「ありがとな、エレナちゃん! って、ぅぅう……ヘカテはよしてくれ!」
 テラは背中にしがみつくエレナちゃんの頭を撫でると、彼女をヘカテにゃんに安全な場所へ避難させるよう願った。
「ヘカテにゃんはエレナちゃんをみててくれっ! あまり褒められると恥ずかしいぞ……!」
 恥じらいもそこそこに、今度こそテラはオブリビオンと対峙した。
「待たせたな! ついに魔法少女対決だな!」
「ええ、これであたしが勝てば、猟兵の包囲網を突破できるのね!」
 両者は睨み合い、まさに一触即発!
 風の音、息遣い、視線など、何かのきっかけがあればきっと両者は相手を殺すまで止まらないだろう。
 そんな緊迫した中、ちょっとタイミング悪く真紅の鎧を纏った蛸っぽい鬼蜘蛛の少女が両者の間に割って入ってきた!
「お取り込み中のとこ……ちょっと悪いんよ。黒い魔法少女さん……あたしが助太刀するんよ」
「「誰!?」」
 唐突な乱入者に、テラもオブリビオンも目が点になる。
 両者の間に飛び込んできた真紅のヒーローは、ロボめいたフルフェイスヘルメットをオブリビオンへ向けて語りだした。
「……ルインク・クゼ(蛸蜘蛛のシーアクオン参號・f35911)。人呼んで……明石の親愛なる隣人、シーアクオンなんよ。セラフィムハート……エレナちゃんは渡さへんよ。慕う親がおって……離れずに居れるんなら……そうした方が良いんやし、親との絆を引き裂いた挙げ句に悪墜ちに誘うんとか……看過できないんよ」
「く……、つまり、あたしの邪魔をするってことね! いいわ、そのふざけた格好ごと消し飛ばしてあげる! 霊子収束式攻撃魔法・プリズムブレェェェーイク!」
 オブリビオンが魔法のステッキを最強フォームへ変形させると、それまでの魔力が嘘だったかのように凄まじい勢いで膨れ上がってゆく!
「あっははははっ! あたしを本気にさせたこと、後悔してももう遅いわ! もうエレナちゃんも要らないわ! この街まるごと消えてなくなっちゃえ!」
「なんてことを……エレナちゃんのとは……ジャンル違いやと思うんやけど、あたし達もパパとママの元まで守り抜いて見せるんよ……絶対にっ!」
 ルインクは連れ添っていた巨大真蛸のヒナスミの上に跨ると、そのまま空中へ舞い上がってオブリビオンへの突撃を敢行!
「ちょ! お、おれも行くぞ!」
 テラは空中で生成した結界を足場にして、街中を飛び跳ねながら空中機動でオブリビオンを攻め立てる!
「そこの蛸みたいな人! あいつが魔力を完全に溜め込む前にやっつけるぞ!」
「合点なんよ……!」
 左右からの猛攻をオブリビオンは地上で必死に回避し続ける。
「直撃なんてしないわ! 最大魔力で一瞬で蒸発させちゃうもんだからー!」
 すばしっこい動きで猟兵たちは翻弄されてゆく。
 その動きの先に……ヘカテにゃんとエレナちゃんが!
「まずい! 離れすぎた!」
 テラがリカバリーしようとするが距離はある!
 万事休す!
 だが次の瞬間、紅と漆黒の光線の二重螺旋が、オブリビオンの目の前に突き刺さる!
 ルインクは明石焼きビームキャノンからの大地のエネルギーを、ヒナスミは真っ黒なタコスミビームを瞬時に発射したのだ。
 お陰でオブリビオンはエレナちゃんのもとへ行けずに一旦退く。
「貴女は……エレナちゃんには近づけないんよっ!」
 急降下して行く手を阻むルインク。
 オブリビオンへ砲口を突き付ける。
 粉塵が辺りを覆う中、彼女は躊躇せずにオブリビオンへ一斉砲撃!
 タコ墨の煙幕弾が更に周囲を黒く染め上げ、オブリビオンは完全に視界を奪われてしまった。
「もう! あとちょっとなのに! どこ? あのなんかキモい蛸だか蜘蛛だか分からない赤いやつはどこ!?」
 左右を見渡すオブリビオン。
 だが反応は上からやってきた。
「おれを忘れるなー!」
 テラの裂帛の気合とともに放たれた叫びが彼女の魔力を瞬間的に極大解放させる!
「いくぞセラフィムハート! お前の最強魔法! このおれの星の一撃を以て粉砕する!」
 空気摩擦で真っ赤に燃えながら、オーラ障壁を纏ったテラが大空から凄まじい勢いで降下してきた!
 しかしオブリビオンは既に魔力を充填しきっていた!
「勝ったわ! このままぶっ放してあげ……る……!?」
「そうはさせんのよ。この煙幕は……目眩まし以外の使い道もあるんよ!」
 放たれたタコ墨が徐々に朱色に染まってゆく……!
「赤き糸疾る、真蛸に愛されし土蜘蛛が担う、赤きはシーアクオン参號ここにあり……これが土蜘蛛と真蛸のご当地の力の本領なんよっ!」
 突如、煙幕が赤い糸で編まれた蜘蛛の巣へ変化してオブリビオンを絡め取る!
 更に蜘蛛糸から輝く蛸足が鞭のようにしなって敵を打ち据えた!
「きゃあっ! って、な、に……これ? 体の力が……抜けちゃう……!」
 オブリビオンは光の蛸足にぶたれるたび、みるみるうちに衰弱していってしまう。
 これでは逃走どころか、蜘蛛の巣から脱出さえも叶わないだろう。
「これがあたしのユーベルコード……『真蛸のごとき土蜘蛛の護法赤糸陣(ガーディアン・オクトバスウィドー)』なんよ。そして、お迎えが来よったんよ」
 ルインクとヒナスミは慌てて退避すれば、真っ赤に燃え盛るテラが渾身の力で天空踵落としをオブリビオンの脳天へ繰り出した!
「メテオ・ブラストオォォーッ!」
「させ、ないわ……! プリズムブレェェェーイク!」
 超重力の赤黒い踵落としと暴虐な光の奔流が激突!
 強者同士が拮抗する!
「いけない! このままじゃ決着がつく前に、衝撃波で街が吹き飛んじゃう!」
「いやぁぁ! パパとママがいなくなっちゃうー!」
 ぐずるエレナちゃんをヘカテにゃんがなだめる。
 一歩間違えば、再びカートゥーン地獄に逆戻りだ。
「エ、エレナちゃん! ほら! 変身ベルトと魔法のステッキですよ!」
 テラの燃える槍を杖に見立て、テラの使ってない変身ベルトをエレナちゃんへ器用に装着させるヘカテにゃん。
 猟兵のアイテムを見つけたエレナちゃんに、まさかの展開が訪れる!
「なんだか、イケる気がする~!」
 テラのアイテムを身に着けたのがきっかけとなり、エレナちゃんの潜在能力が一気に開花!
「ばくはつしないでーー!!」
 願いとともに放たれた幼き少女の初めての魔法が、テラとオブリビオンを結界内部に閉じ込めた!
「すごい! あれなら衝撃波が外に漏れ出しません! テラなら衝撃波を技能で相殺可能です!」
「……テラさん、頑張って!」
 ルインクも声援を送る。
 超重力で加圧するテラに対し、魔力の斥力で弾き返そうとするオブリビオン!
 激しい競り合いがどこまでも続くかと思われた、その時だった!
「知らなかったのか…? 格闘戦こそ、魔法少女の在り方だ!」
 なんとテラ、空いたもう片方の足でオブリビオンの顔面を浴びせ蹴り!
 脳を揺さぶられたオブリビオンの魔力制御が一瞬だけ乱れた!
 それをテラは見逃さない!
「押し潰れろオォォーッ!!」
 フルパワーの重力魔法から解き放たれた踵落としが、悪の魔法少女の脳天を大斧のごとく断ち割ってみせた!
「サヨナラーッ!」
 あわれ魔法少女はこの世への最後のアイサツとともに爆発四散!
 砕け散った結界の中から、Vサインで笑顔を見せるテラがエレナちゃんへ駆け寄ってきた。
「ありがとな、エレナちゃん! おかげで助かったぞ! そっちの赤い人もナイスアシストだったぞ!」
「おねえちゃん、すっご~い!」
「あたしの力が役立ったんなら……それでええんよ」
 ルインクはまだまだ自分の未熟さを痛感しながらも、目の前の少女を笑顔を見てホッと胸をなでおろした。
 その視線の先には、エレナちゃんの両親と思しき男女が泣きじゃくっていたのだから……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月31日


挿絵イラスト