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春告げる

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●梅見月
 サムライエンパイアのとある梅の名所。そこでは早くも梅の花が咲き誇っていた。
 梅の花の香りにでも誘われたのか、一羽のメジロがその蜜を吸おうと、その枝に降り立つ。
 ちょ、ちょんと花へと近づいて、嘴を花にさし込もうとしたその時、大きな身体をした白い鳥がメジロの傍に舞い降りる。
 その白い鳥はかるるるるるっ、と威嚇鳴きをしてメジロを追い払ってしまった。
『あまり他の鳥さんをいじめちゃ、ダメよ』
 そこに白い髪の娘が歩いて来て、白い鳥を窘める。
 娘の頭部では、狐の耳がぴこぴこと動いていた。

●春告草
「集まってくれてありがとう。サムライエンパイアで起きている、事件の解決をお願いしたいんだ」
 集まった猟兵達を前に、月華(月来香・f01199)は一礼する。顔を上げた月華は服の袖口から手帳を取り出して、それをぱらぱらと捲る。とあるページでその手を止めると、そこに纏めておいた情報を告げ始める。
「とある梅の名所がね、大きな白文鳥みたいな眷属達と、それを率いる妖狐に占拠されてしまったんだ」
 その一行が花を見に来た人を追い払いってしまっているという。中には追いかけまわされた人も居るそうだ。このまま放って置くことはできないので、猟兵の出番という訳である。
「もしかすると、転移した先では……とてもほのぼのとした光景を目にするかもしれない。だけど敵だから。それを忘れずに、そのオブリビオン一行を倒してきて」
 月華は無表情に猟兵達を見ながらぱたんと手帳を閉じると、それをまた袖口にしまう。
「大丈夫。君達なら出来るよ」
 じぃ、と猟兵達を見つめ、言い切る月華。そして言い忘れていたことを思い出し、言葉を続ける。
「ああ、それと。オブリビオンを倒した直後は、名所はちょっとした貸し切りの状態になっていると思うんだ。折角だし、お花見を楽しんでくれば良いよ。それじゃあ、行ってらっしゃい」


雪月キリカ
 お目にとめて頂き有難うございます。
 初めまして、もしくはまたお会いしました、雪月です。
 梅見月は二月の、春告草は梅の別名です。
 お寺の梅が咲くのが待ち遠しい。

 1章は文鳥型オブリビオンとの集団戦。
 2章は妖狐の娘とのボス戦となっております。

 3章は梅見が出来る日常編となっております。
 白梅、紅梅、蝋梅。よく見かける梅達は咲いております。
 良識の範囲内で、お好きなようにどうぞ。
 (昼か夜か。時間帯の御指示があれば、対応いたします)
 もしお声がかかれば、月華が顔を出します。
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第1章 集団戦 『ぶんちょうさま』

POW   :    文鳥三種目白押し
【白文鳥】【桜文鳥】【シナモン文鳥】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    文鳥の海
【沢山の文鳥】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    魅惑の視線
【つぶらな瞳】を向けた対象に、【嘴】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 転移されたその先では、梅の花の海が広がっていた。
 しかし梅を楽しむ間も無く、無数の鳥の鳴き声が猟兵達に近づいて来る。
 チチチチチ!
 カルルルルッ!
 それは愛くるしく、もふっとしている『ぶんちょうさま』が発するものだ。
 見た目は白く丸く、小さな翼でぱたぱたと飛んでくる姿は可愛らしいが、これでもオブリビオン。油断はならない。
 ぶんちょうさま達を倒すべく、猟兵達は動きはじめる。
藤野・いろは
・心情
最近サムライエンパイアでは可愛らしい相手が多いですね……。
思わず刃を向けるのはためらいますが、相手はオブリビオン。
容赦も油断もしてがいけませんね!
・攻撃
動きをよく観察し【見切り】を狙っていきます
相手の大技に合わせてユーベルコード【先の先】、【カウンター】を叩き込みましょう
【破魔】の力を込めた刀で【なぎ払い】です
好機と見れば【2回攻撃】で攻めの手を緩めずいきましょう
・防御
相手の攻撃には【勇気】をもってギリギリまで見定め【残像】を残すような速さで最小限な回避を試みます
回避が困難な攻撃には狙いに合わせて【オーラ防御】で対応し、ダメージを可能な限り軽減
・その他
アドリブ、猟兵の絡み歓迎


亜儀流野・珠
そこまでだ白くて丸々とした鳥たちよ!
折角の見事な梅だ。独占などせずに皆で楽しもうじゃないか!
…まあ聞き入れないだろう事は分かっている。では花見場所取り争奪戦と行こうか!

木槌「砕」を握り「風渡り」で空を蹴り、一匹ずつ各個撃破だ!
本当は「大薙ぎ」で纏めて吹っ飛ばしたいところだが…梅の木が巻き込まれたら不味い。個別に遊んでやる!

それでお前達は何故此処を占拠する?
目的は何だ?答えてみろ!
【動物と話す】のは少しは得意だが…いやオブリビオンだなこいつら?
まあ分からなくてもいい。お前達の主に聞けばいい事だ。
しかしお前達がキャルキャル言ってるのは…ああ、やはり可愛いな…!


音海・心結
可愛らしい姿が見えたので何事かと思ってやってきたのですが、
アレもオブリビオンなのですか
この世にはいろんな姿の敵がいるのですねぇ

飛んで移動するのが少し厄介ですが、
【ジャンプ】【空中戦】を使って一匹ずつ確実に仕留めてるのです
鳥ほどではないですが、
みゆだって空中で戦えるのですからねっ!

今回は武器の『Engraved cherry』を使うのです
みゆの貴重な血液を使って攻撃するのですから、
遠慮なく殴ってゆくのですよ
可愛いですが慈悲は無用なのです

もし遠くに逃げる敵がいたら、
UC『咎人封じ』【スナイパー】からの【ダッシュ】を使うのです
みゆから逃れることはできませんよっ

アレンジ・絡み歓迎なのです



●白くて丸っこい
 猟兵達の目の前では、小さな翼をぱたぱたとさせながら、沢山のぶんちょう様達が滞空していた。一部、梅の枝に止まりうたた寝している個体もいたが。
 ぶんちょう様達はオブリビオン。その翼で何故飛べるのかという問いは野暮である。
「そこまでだ!! 白くて丸々とした鳥たちよ!」
 珠(狐の恩返し・f01686)は行く手を遮るように、ぶんちょう様達の前に立ち塞がる。
「折角の見事な梅だ。独占などせずに皆で楽しもうじゃないか!」
 しかし、ぶんちょうさま達は珠の言葉に耳を貸さない。相手はオブリビオン。敵と認識した相手の言葉を聞き入れることは無いのだ。それは分かってはいるものの、言わずにはいられなかった。
「最近、サムライエンパイアでは可愛らしい相手が多いですね……」
 今のサムライエンパイアの敵は『可愛い』が流行っているのだろうか?
 そんな事を思いながら、いろは(天舞万紅・f01372)は太刀を鞘から抜く。
「思わず刃を向けるのはためらいますが、相手はオブリビオン。容赦も油断もしてはいけませんね!」
 敵が可愛いと切先を向けるのを躊躇いたくなるが、琥珀の瞳でぶんちょうさま達をきりりと見据える。
「アレもオブリビオンなのですか。この世にはいろんな姿の敵がいるのですねぇ……」
 白く丸っこく可愛らしい姿が見えて、カラフルな毛先を揺らし何事かと思いやってきた心結(ゆるりふわふわ・f04636)も感心する。『可愛い』という事は、もしかすると生存戦略の一つなのかもしれない。
『カルルルルルルッ!!』
 一方のぶんちょう様達は、やんのかコルァ! と言わんばかりに怒りでぶわっと羽毛を逆立て、猟兵達を威嚇する。だが、その姿は可愛らしいの一言に尽きるのだった。

●場所取り争奪戦
「鳥ほどではないですが、みゆだって空中で戦えるのですからねっ!」
 刻印『Engraved cherry』を起動させた心結は、ふわりと髪を靡かせて宙を舞いながら、容赦なく注射器で一羽ずつ着々と仕留める。ぷすり針が刺さったぶんちょう様は、『ぴゃっ?!』という鳴き声と同時に弾け骸の海へと還ってゆく。
『チチチチ!!』
 次々と弾ける仲間達の仇を取るべく、残るぶんちょう様達は猟兵達へ向けて数多の文鳥を放つ。
 いろはは沢山の文鳥達が迫り来るも、絆されずに精神を集中させて出方を伺う。
 最小限の動きで回避をしながらも文鳥達の動きを読み、太刀を振るうのに最も適したその機会が来るのを窺う。そして、ここぞというその瞬間。銀が煌めく。
 ――斬。
 破魔の力が込められた目にも止まらぬその一閃で、迫りくる文鳥達を薙ぎ払う。その一閃は見事に文鳥達のみを斬り付け、梅には傷一つ付けなかった。
「あなたの一撃、太刀に映せぬ前に終わらせます」
 後続の文鳥達には、襲い掛かるその瞬間に生まれる隙を突き反撃の太刀を浴びせ、自身には傷一つ付けさせない。
『ピピィ!!』
 沢山放って駄目ならば今度は少数精鋭だと、シナモン、白、濃灰の色をした文鳥を放つぶんちょうさま。そんなぶんちょうさま達に向け、珠は問いかける。
「お前達は何故此処を占拠する? 目的は何だ? 答えてみろ!」
 だが直後に相手は眷属オブリビオン。主に聞けばよいのだと思い直す。木槌『砕』を握り空を蹴ると、迫り来る三羽を空中で避けながら一羽のぶんちょう様へと狙いを定める。
「ああ、やはり可愛いな…!」
 カルルルと鳴くぶんちょう様を目の前に思わず珠はそう零すが、狙われたぶんちょう様は堪ったものではない。精一杯羽毛を逆立たせ威嚇するが……やはり可愛らしい。
 しかしここは心を鬼にして、目の前の存在を倒さねばならない。木槌を握り直し、ぽこりと叩く。叩かれたぶんちょう様は『ピィ!』と一鳴きして、弾けて消える。
 もぐら叩きの様に仲間を叩き、次々弾けさせる珠を見て、主の許へと戻ろうとしたのだろうか。一羽のぶんちょう様が背を向ける。だが、心結はそれを許さない。
『チチッ?!』
 甘く可愛らしい拘束具で逃げるぶんちょう様を正確に捉えると、一気に距離を詰めてすかさず注射器を刺す。
「可愛いですが、慈悲は無用なのです」
 またも骸の海に一羽様ご案内である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高柳・零
POW
可愛いオブリビオン?
大丈夫です。つい最近、籠城戦で森のくまさんを大量虐殺したばかりなので。

自分の役割は盾です。そういう風に出来てます。
白文鳥は盾受けで弾き、桜文鳥は見切りで避け、シナモン文鳥はグラップルの武器受け(素手で取る)でもふもふします。シナモン文鳥の扱いには慣れてるので。
そのまま魔道書を振り回して範囲攻撃して、文鳥様達に攻撃します。

他の味方は盾受けとオーラ防御でかばいます。
文鳥の海も魅惑の視線も魔道書とオーラで受け止めます。
この間もシナモン文鳥は右手でもふもふしてます。
「この程度の攻撃で倒れませんよ」

止めは魔道書を剣に持ち替え、天斬りで行きます。

アドリブ歓迎です。


山梨・玄信
見た目は関係無いのじゃ。オブリビオンは倒す。ただそれだけじゃ。

【SPDを使用】
先ずは褌一丁になって、ムキムキのナイフ持ちの男になるぞい。
これで少しは雰囲気が殺伐とするじゃろう。

文鳥の海には怯まず突っ込むのじゃ。第六感と見切りとUCのスピードで極力躱しつつ、ナイフで文鳥をはたき落とすぞい。避けきれない分はオーラ防御と激痛耐性で何とかするのじゃ。

攻撃はシーブズギャンビットで2回攻撃をし、手数で押すぞい。
飛んだら衝撃波で撃ち落とすのじゃ。

「古い恐怖映画を思い出すのう」
「かかって来い、文鳥ども!全て切り落として焼鳥にしてやるのじゃ」
「脱いだには意味があるのじゃ。露出狂ではないぞ」

アドリブ、絡み歓迎じゃ



●こちら白組
「可愛いオブリビオン? 大丈夫です。つい最近、籠城戦で森のくまさんを骸の海へ大量に強制送還したばかりなので」
 零(テレビウムのパラディン・f03921)は、最近倒したオブリビオンの事を思い出しながら、ぶんちょう様達を見やる。可愛くても、敵は敵だ。
「見た目は関係無いのじゃ。オブリビオンは倒す。ただそれだけじゃ」
 玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)も無慈悲である。どれだけ相手が愛くるしかろうと、それがオブリビオンである限り玄信は倒し続けるのだろう。
 一方のぶんちょう様達は相変わらず、カルルルと鳴いて威嚇している。先の戦いである程度数は削がれてはいるが、戦う気はまだまだ有るようだ。

●オブリビオンに慈悲は無い
「かかって来い、文鳥ども! 全て切り落として焼鳥にしてやるのじゃ」
 玄信は来ていた服を脱ぎ捨てて、褌一丁になる。可愛い文鳥対ムキムキ褌ドワーフ。インパクトでは後者の方が勝るだろう。
 褌姿の玄信を見て、零はまた脱いでますねと思う。そんな零の心を読んだかのように、玄信は補足を入れる。
「脱いだのには意味があるのじゃ。露出狂ではないぞ」
 そう。これは最も身軽な戦闘スタイルであって、趣味で脱いでいるのではない。服を脱ぐことにより空気抵抗を減らしているのだ。多分。
 だがぶんちょう様達は脱いでいようがいまいが関係ないと言わんばかりに、沢山の文鳥を放つ。
「古い恐怖映画を思い出すのう」
 迫り来る大量の文鳥達を見て、何処かの世界では鳥が人間を襲うという内容の映画があったことを思い出し、呟く玄信。そんな玄信の目の前に、よく見知る小さな影が飛び出す。零だ。
「自分の役割は盾です。そういう風に出来てます」
 文鳥達に塗れつつも零は魔導書で文鳥達を叩き、数を減らしてゆく。それでも落としきれぬ文鳥は、玄信が素早くナイフではたき落として骸の海へと還してゆく。
『チチィ……!』
 丸い瞳を釣り上げ、低く鳴き不機嫌を露にするぶんちょうさま達は、白、シナモン、濃灰の色の文鳥を召喚し、猟兵達へと向かわせる。
 零はその白い文鳥は魔導書で弾き、濃灰の文鳥は軽く避けて。そしてシナモンの文鳥は素手で捕獲し、もふもふとし始めた。
 零はシナモン文鳥の扱いには慣れているらしい。シナモン文鳥は大人しく、右手でもふられている。
 もふりつつも、器用に持っていた魔導書を剣に持ち変える零。玄信とアイコンタクトを取り頷き合うと、二人は同時にぶんちょう様達へ向かい駆け出す。
 玄信は目にも止まらぬ速さでナイフを振るい、ぶんちょうさまを一閃。何が起こったのか理解が追い付いていないぶんちょうさまには、零が天斬りを喰らわせて。次々とぶんちょうさま達を弾けさせてゆく。
 その最中でも零の右手では、シナモン文鳥がもふられているままだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

オブシダン・ソード
アメリア(f01896)と同行
顔見知りのヤドリガミ仲間

ダメだよ、せっかくのお花見日和に水を差しては
しかし何だろう、威嚇されてるのに全然、こう…いや、オブリビオンは倒さないとね

抜刀して、しばし敵を見つめる

アメリア、君こういうの大丈夫なタイプ?
わかった、わかったよ。斬るのは何か色々マズイ
飛び回るぶんちょう様を順番に刀身の腹でぶったたく
そら、いくよアメリア、パース!
おー、やるじゃない
…だんだん楽しくなってきた。こういうの千本ノックって言うんでしょ?

こっちに向かって投げられたらフルスイングでホームランってやつを狙ってみるよ
罪悪感は沸くけどこれめちゃめちゃすっきりするね…


アメリア・イアハッター
ダンダン(f00250)と一緒

梅の花で花見ってしたことないなぁ
寒い中でのお花見ってのも色々できそうで楽しそうね!
まずはあの子達を追っ払おう!

他の猟兵さん達とじゃれてるような光景にほのぼの
え、なにダンダン、あの子達斬る気?
ほんとに?
ほんとのほんとに?

UC【スカイステッパー】を使用し敵を踏んで回る

ダンダンからボール(ぶんちょうさま)を投げられたら咄嗟に蹴ってお空にシュート
おー、よく飛ぶわねぇ……ってダンダン多いよ!
わ、わ、えーいオーバーヘッドだ!
千本もやんないからね!

それにノックって言ったら、こっちよ!
踏んだボールをダンダンにも投げつけてみる
おー場外だ!
……これもノックじゃないけど……ま、いいか!



●ぶわっ=もふっ
「梅の花で花見ってしたことないなぁ。寒い中でのお花見ってのも色々できそうで楽しそうね!」
 他の猟兵達がぶんちょうさま達と戯れているような光景を、ほのぼのとしながらアメリア(f01896)は眺める。
 その隣でオブシダン(f00250)は抜刀し、眼前の白くて丸っこいオブリビオンを暫し見つめていた。
『カルルルルッ!!』
 何見てんだコラァと言いたげに、威嚇をするぶんちょうさま。
「しかし何だろう、威嚇されてるのに全然、こう…いや、オブリビオンは倒さないとね」
 羽毛を膨らませて威嚇しているぶんちょうさまは、全く威厳が無いのだ。寧ろ膨らんだ分可愛らしくなっている。
「アメリア、君こういうの大丈夫なタイプ?」
「え、なにダンダン、あの子達斬る気? ほんとに? ほんとのほんとに?」
 はっきりとは言わずとも斬るなと抗議をするアメリアに圧倒され、オブシダンはしり込みしてしまって。
「わかった、わかったよ。斬るのは何か色々マズイ」
 今回は剣で斬るということは、やめておくことにするのだった。

●白くて丸いは球っぽい
「まずはあの子達を追っ払おう!」
 スカイステッパーを使い、空中散歩をするようにアメリアはぶんちょうさま達を踏みつけ回る。
 ぶんちょうさま達は文鳥を沢山放ち反撃を試みるも、アメリアは空中で軽々と躱す。見様によっては、文鳥達と共に空を舞っているようにも見えたかもしれない。
「そら、いくよアメリア、パース!」
 躱しきり丁度アメリアが地上に降りたところで、オブシダンはその掛け声と共にぶんちょうさまを黒剣でフルスイング。間違って斬らぬ様に刀身の腹を当て、アメリアへ向け吹っ飛ばす。
『ぴゃっ?!』
 咄嗟にアメリアは向かってきたぶんちょうさまを空へと蹴る。ふわもふとした感触が足に残った。
「おー、よく飛ぶわねぇ……」
 綺麗な軌跡を描き、空の向こうへと飛んでゆく涙目のぶんちょうさまを見送りながら、アメリアは呟く。
「おー、やるじゃない」
 オブシダンもぶんちょうさまを見送ると、今度は別のぶんちょうさまをアメリアへ向け打つ。
 残されたぶんちょうさまは、何てことを…! とでも言いたいのだろうか。オブシダンをつぶらな瞳で見つめる。
 その瞳と思い切り目が合い、軽く罪悪感を憶えるオブシダン。ぶんちょうさまはその隙を狙い嘴で突こうと一気に迫るも、それは飛んで火に入るなんとやらで。容赦なく黒剣でフルスイングされてしまう。
「……だんだん楽しくなってきた。こういうの千本ノックって言うんでしょ?」
 正確には違うのだが……次々とオブシダンはぶんちょうさまを打つ。打つ。打つ。
「ダンダン多いよ! 千本もやんないからね! それにノックって言ったら、こっちよ!」
 今度は私の番だと、アメリアは丁度踏んでいたぶんちょうさま手に取ると――。
「……これもノックじゃないけど……ま、いいか!」
 まぁ細かいことは良いかと、笑顔でぶんちょうさまをオブシダンへ向けて投げつける。
 向かい来るぶんちょうさまを、オブシダンはタイミングよく、思い切り打ち返す。打ち返されたぶんちょうさまはアメリアの頭上を高く越え、梅の海を越える。
「おー、場外だ!」
「罪悪感は沸くけど、これめちゃめちゃすっきりするね……」
 二人がきらりと輝いて星になるぶんちょうさまを見送っている間に、他のぶんちょうさま達は一気に梅林の奥へと飛び去ってしまった。自分たちでは手に負えない存在が居ると報告に向かったのだろう。
 ぶんちょうさま達の主たるオブリビオンとの決戦は、すぐそこだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『妖狐』小町』

POW   :    妖狐の蒼炎
【青白い狐火】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    クイックフォックスファイア
レベル分の1秒で【狐火】を発射できる。
WIZ   :    コード転写
対象のユーベルコードを防御すると、それを【巻物に転写し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠暁・碧です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ぶんちょうさまが泣きながら飛んできたから、何事かと思って来てみたら……」
 不意に聞こえた娘の声音。猟兵達がその声のする方を見やると、白髪の娘がやってきたところだった。その頭部では、白い狐の耳がぴこぴこと動いている。
 それを見た猟兵達は、娘の正体に気付く――妖狐のオブリビオンだ。
「あなた達、ぶんちょうさま達をいじめたわね? 地に散っている羽を見ればわかるのよ!」
 先の戦いで倒したぶんちょうさまの羽を指差す娘。猟兵達をキッと睨みつけた後に巻物を手に取ると、臨戦態勢に入る。
「ええと、戦う前には名乗るのが礼儀だったかしら。私は小町。私の可愛いぶんちょうさま達をいじめる者は、誰であろうと許さないわ!!」
 妖狐の娘――小町との花見場所争奪戦が、今ここに幕開く。
亜儀流野・珠
さて…同族、小町よ。
何故花見客を追い払う!何故占拠しようとする!
素晴らしい梅だ、皆で大人しく楽しめばいいではないか!
独り占めしたい、なら成敗だ!それ以外でもまあ結局は成敗だが!

…あと戦う前にお前の最大限の敵意を向けてみてくれないか?
何か、こう…やり辛い!

武器は「砕」を取ろう。
奴の持っている巻物が気になるな。あれが武器なのか?
使わせないぞ!フォックスファイア…狐火の塊をぶつけてやる!
炎が視界を奪ってるうちに接近、砕を振り抜く!
ぶんちょう共はあっちに飛んで行ったぞ!お前も追うと良い!



「さて……同族、小町よ。何故花見客を追い払う! 何故占拠しようとする! 素晴らしい梅だ、皆で大人しく楽しめばいいではないか!」
『何で皆で楽しまなきゃいけないのよ。私とぶんちょうさま達だけで楽しめれば十分なの。それ以外は此処には要らないわ』
 珠(狐の恩返し・f01686)は小町に問うも。その返答は自分勝手もいいところで。
「独り占めしたいのか。なら成敗だ! ……あと戦う前に、お前の最大限の敵意を向けてみてくれないか? 何か、こう……やり辛い!」
『私はこれでも怒っているのだけれど!? 同族のよしみで貴女には手加減してあげようかなと思ったけれど、その必要はないみたいね!!』
 小町は巻物を広げ明確な怒りを珠に向ける。だが、珠は小町の持つ巻物が気になった。
 あれは小町の得物なのだろうか。そうならば――。
「使わせないぞ! フォックスファイア!!」
 狐火を喚び出し、それを小町に向けて飛ばす珠。小町は咄嗟に巻物で自身を庇い、狐火を巻物に転写する。
 しかしそれにより、小町の注意が一時的に珠から逸れている事を珠は見逃さない。自身の得物『砕』を握り小町に素早く接近すると、それで思い切り小町の脇腹を振り抜く。
「ぶんちょう共はあっちに飛んで行ったぞ! お前も追うと良い!」
『っ!! あなた達を追い払ったらぶんちょうさま達のところへ行くわ!!』
 小町は脇腹を抑えながら、怒りに満ちた顔で猟兵達を睨みつけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

山梨・玄信
知っておるぞ。美人のオブリビオンは性格が歪んでおるんじゃろ。
今まで会った奴は皆そうじゃった…。

【POWを使用】
服は着ておくぞい。露出狂ではないのでな(重要)。
範囲攻撃なら、見切りでダメージを最小限に抑えつつオーラ防御で受けるのじゃ。
狐火は第六感と見切りでコースを読み回避。
灰燼拳をコピーされたら、衝撃波で距離を取り30cm以内に近付かせないのじゃ。

攻撃は鎧無視攻撃付きの2回攻撃で攻め立て、隙が出来たら灰燼拳を叩き込むぞい。本当に隙なのか誘い何かかは、第六感と見切りで見極めるぞい。

「お主美人じゃな。という事はリア充に違いない。よって爆破確定じゃ」
「騙されんぞ。きっと恋人が10人位居るに違いない」


高柳・零
POW
可愛い文鳥の次は可愛いようこですか。
アイドル天使?

「ここを文鳥まみれにして占領した理由は何ですか?」
シナモン文鳥は頭のアンテナに止まらせ尋ねます。
「大人しく骸の海に帰るなら、無駄な争いはしませんよ」
帰るなら手は出しません。まあ、帰らないでしょうが

「仕方ありません。それでは仕事をしますか」
いきなりジャッジメントクルセイドで巻物を撃ちます。もちろん、UCを使わせない為に。受けられた時は、敵が撃ち返して来る前にUCを連発して追撃します。
「そのUCは自分も使えます。一度受けたら、もう受けられないですよね」
そのまま距離を詰めて、2回攻撃で更に追撃

反撃は盾受け、オーラ防御で弾きます

アドリブ歓迎です



「お主美人じゃな。という事はリア充に違いない。よって爆破確定じゃ」
 玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は小町を謎の理論で、爆破対象としてロックオンする。美人イコールモテモテ。という式があるのかもしれない。
 尚、現在の玄信は服を着ている。流石に女性の前では服を着てなければいけないと判断したらしい。そっち方向な輩と思われたら大変だしね。
『はぁ? 美人なのは否定しないけれど、爆破なんてされたらたまったものじゃないわ!! ……ていうかリア充って何よ』
「至極簡単に説明するならば、恋人持ちです。それはさて置き、可愛い文鳥の次は可愛いようこですか。アイドル天使?」
 小町の問いに答えるは零(テレビウムのパラディン・f03921)。零の頭のアンテナには、先程までもふもふしていたシナモン文鳥が止まっていた。シナモン文鳥は零に寝返った様だ。
『私の恋人はぶんちょうさま達だけだわ!! それ以外に興味は無いわよ!!』
 堂々と胸を張って恋人無しという悲しき事実を公言する小町。その事実は、オブリビオンだから誰も寄り付くことが出来なかったという事もあるのかもしれない。
「騙されんぞ。きっと恋人が十人位居るに違いない」
『そんなに居ないわよ。っていうかぶんちょうさま達だけって言ってるじゃない』
 その否定を玄信は頑なに信じない。けれども、恋人が十人居たら一人位はこの場に居るのではなかろうか。その玄信の横で、零は小町にふと尋ねる。
「ここを文鳥まみれにして占領した理由は何ですか? それと大人しく骸の海に還るなら、無駄な争いはしませんよ」
『そんなの、私とぶんちょうさま達がこの梅を楽しむ為。それだけの為よ。さっきも似たようなこと聞かれた気がするわね。それに、まだ私は還らないわ。還ってたまるものですか!!』
 少し焦げた巻物を広げ直し、猟兵達を追い返すべく戦う体勢を取る小町。戦うことは避けられない様だ。
「仕方ありません。それでは仕事をしますか」
 まあ還らないだろうと予想をしていた零は、びしっと小町を指差す。
『何よ。人を指差すなんて失れ……きゃあっ!!』
 すると突然天から光が落ち、小町の巻物を貫いた。
 零は小町ではなく、小町の持つ巻物を指差しジャッジメント・クルセイドを放ったのだ。それは小町に攻撃の転写を行わせる隙を与えなかった。
『私の巻物がボロボロになってゆくじゃないのー!!』
「知っておるぞ。美人のオブリビオンは性格が歪んでおるんじゃろ。今まで会った奴は皆そうじゃった……」
 文句を言う小町に、半ば遠い目をしながら玄信は灰燼拳を叩き込もうと接近する。だがそれは焼け焦げた巻物によって防がれてしまう。
『流石に連続で攻撃喰らうほど、隙だらけじゃあないわ!!』
 ふふんと余裕の表情を見せる小町は、お返しにと巻物から先程受けた灰燼拳のコピーを玄信に向け放つ。
 しかし予め攻撃を転写されることを予想していた玄信は地を殴り、その衝撃波を利用して小町から距離を取る。
 折角転写した攻撃を躱され、小町は苦虫を噛み潰したような何とも言えぬ表情を作った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

オブシダン・ソード
アメリア(f01896)と同行

いじめ? いやいや、僕は止めたんだよ?
でもアメリアがどうしても花見がしたいって言うからさあ

それにしても、可愛い相手は斬りづらい…

よ、よーし行こうアメリア!
僕が援護するからね!心置きなく戦って!
アメリアの後衛でUCと、加護の魔法(鼓舞)でアメリアを応援するよ!
がんばれがんばれ
終わったらお花見が待ってるよふぁいとー

えっ…選手交代?
仕方ないなぁ
黒耀石の剣と炎の魔法を用いて戦闘
相手の炎を炎で相殺して、接近戦を挑もう
ねぇ、なんかその応援、気が抜けるんだけど…

ところでアメリア、十分休んだんじゃない?
手伝ってよ

最後は連携攻撃で〆たい
黒剣の腹でぶん殴るよ
骸の海に帰ってね!


アメリア・イアハッター
ダンダン(f00250)と

いじめ?
いや、私は彼が投げてくるから仕方なく…ちょっとダンダン?
とにかく貴女もオブリビオンだもんね
その子達と一緒に過去へとお帰り願うわ!

左右にステップを踏みつつ敵へと接近
攻撃が来れば動きに緩急をつけ回避を行い懐へと潜り込む
近づければこちらのもの
『Vanguard』でぶん殴れ!

そうね、これが終わればお花見が……
ちょっと
女の子が前線で頑張ってるっていうのに、後ろで何してるの!
交代よ交代!

前後衛交代
後ろでUCを使いつつ鼓舞
いけるいける!
貴方は一人でもできる子よ!

えー?
まだ早くなーい?
しょーがないなー

再度戦闘に加わり蹴りを放つ
ペットが出したゴミ(羽)も一緒に持ち帰るのよ!



「いじめ? いやいや、僕は止めたんだよ? でもアメリアがどうしても花見がしたいって言うからさあ」
 小町の言葉をオブシダン(f00250)は半ば否定する。だが途中からぶんちょうさまをノックすることを、楽しくなってきたとか言っていなかっただろうか。
「いや、私は彼が投げてくるから仕方なく」
 アメリア(f01896)も否定する。貴女もぶんちょうさま投げていなかったっけ。
『四の五の言わなーい!! 状況証拠と被害者の声が、あなた達がいじめたって証明しているの!!』
 猟兵達に向け頬を膨らませる小町。それを見て、内心で可愛い相手は斬りづらい……とオブシダンは思う。
「……ちょっとダンダン?」
 その心を読んだのか、アメリアはジトっとした眼差しを送る。それを受けて、オブシダンはぎこちなく明後日の方向に視線を逸らした。
「よ、よーし行こうアメリア! 僕が援護するからね! 心置きなく戦って!」
 誤魔化すように戦闘へと切り替えようとするオブシダン。アメリアはチラリと横目でオブシダンを見た後、ダンスをするように左右にステップを踏み、小町へと迫る。
「とにかく貴女もオブリビオンだもんね。その子達と一緒に過去へとお帰り願うわ!」
 前へと進むアメリアの後方では、オブシダンがアメリアを鼓舞している。
「がんばれがんばれ。終わったらお花見が待ってるよふぁいとー」
『来るなら来なさい! 返り討ちにしてあげるわ!』
 けれども返り討ちにしようにも、アメリアの動きは変則的で。中々タイミングを掴めずにいたら、あれよあれよという間に懐へと潜り込まれてしまう。
 アメリアは近づければこちらのものだと言わんばかりにニッと笑うと、未知を拓く旅人の腕『Vanguard』で、小町を思い切りぶん殴った。
『いったぁ!! ちょっとは手加減しなさいよ!!』
「そうね、これが終わればお花見が……ってちょっと! 女の子が前線で頑張ってるっていうのに、後ろで何してるの!」
 小町の事はスルーして、オブシダンが言ったお花見に思いを馳せた直後、アメリアは交代よ交代とオブシダンを前へと急かす。
「えっ…選手交代? 仕方ないなぁ」
『私のことはスルーなの?!』
 黒剣を抜き、小町の事を華麗にスルーしながら炎を自身の周囲に召喚するオブシダン。剣の切先を小町へと向けると、炎は数多の矢となり放たれる。
『スルーしているのかしていないのかどっちなのよ!!』
 オブシダンの炎を自身の青白い炎で相殺させる小町。 
 その間にこそっとアメリアは後衛へと下がっていた。先刻とは反対に、オブシダンをアメリアが鼓舞する。
「いけるいける! 貴方は一人でもできる子よ!」
 前向きにシンプルに。オブシダンは一人でもやればできる子と応援するアメリア。
「……ねぇ、なんかその応援、気が抜けるんだけど」
 そう言いつつも、オブシダンの身体には力が満ち溢れていた。オブシダンは駆け出すと一気に小町との距離を詰め、黒剣で切り上げる。
 小町は咄嗟に巻物を広げて防御し、攻撃を転写しようとする。だが、もう巻物には転写が出来るだけの余裕は無かった。
『何度も受け続けたら、流石に物理的にダメになってきちゃうわね……』
 苦い顔をする小町。一方、オブシダンらはまだまだ余裕で。
「ところでアメリア、十分休んだんじゃない? 手伝ってよ」
「えー? まだ早くなーい?」
 アメリアはしょーがないなーと言いつつも前へと出て、オブシダンと並ぶ。
 そして二人は共に小町へと駆け出すと、途中で二手に分かれる。挟み撃ちをする気なのだ。
 右からか、左からかと視線を動かす小町。だがそのどちらでもない。
「骸の海に帰ってね!」
「ペットが出したゴミも一緒に持ち帰るのよ!」
 オブシダンは黒剣でフルスイングを、アメリアは黒を基調としたブーツで思い切り蹴りを、同時のタイミングで小町に喰らわせる。
 身に突き刺さる衝撃に、苦痛の表情を顔に浮かべる小町。
『でもまだ、まだ私は立ってるわよ……』
 しかしどう見ても、満身創痍であることは明白。小町との決着はもう少しでつく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

舞音・ミケ
さっきそこで会った猫(装備武器)。猫が呼んだ猫。その猫の友達、知り合い、その仲間。
ついでに猫の霊たち。みんなと来た。
梅の花がきれいって聞いたから皆で木の下で昼寝しに。
邪魔、しないでね?

まず猫の霊に行ってもらう。
小町の前で一鳴きして小町を見ながらごろーん。
油断したら全力猫パンチ。「猫は可愛い振りをする」…かわいいもの好きにはよく効くよ。

猫の皆、あの人が遊んでくれるよ。
敵だからとても乱暴にしてもいいよ。思いっきり飛びついちゃえ。

ねこだけで押し切れそうなら見守る。
足りなさそうなら、「ネコノツメ」で【早業】を発揮しつつばりっと引っ掻く。
全ては良い睡眠のために。



 小町は息を切らしながらも、まだ戦意を失わずに猟兵達の前に立ち塞がる。
 そんな小町の前に、沢山の猫を引き連れたミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)が現れた。
「梅の花がきれいって聞いたから、皆で木の下で昼寝しに。邪魔、しないでね?」
 現在進行形でミケの肩によじ登ろうとしていたり、足に擦り寄っていたりする沢山の猫達。この猫達はミケがついさっき周辺地域で会った猫で、その猫が呼んだ猫で。
 そしてその猫の知り合いや仲間達だった。序でにミケの使役する猫の霊達もいる。
『邪魔しないでって…… それはこっちの台詞よ! それにその猫…… 羨ま…… なんでもないわ!!』
 本心では猫に懐かれているミケが羨ましい小町。猫は可愛いから仕方ない。でもぶんちょうさまが恋人と言っていなかっただろうか。可愛いと恋人は別なのだろうか。
 そんな小町の前に、一匹の猫が近付き。にゃーんと鳴いてごろんと転がり、腹を見せつける。勿論猫の視線はばっちり小町に向いている。
『かっ…… かわわわわわ……』
 それが甘い罠だとも気付かず、小町はついついしゃがみ込んで、猫の腹を撫でようと手を伸ばす。
 その瞬間ものすごい勢いで、猫が小町の顔面に猫パンチを喰らわせた。しかも連続で。
『え…… 撫でていいんじゃなかったの……?』
 小町はショックで動きが止まる。甘えてきたと思ったら殴られたというのは、割とダメージが大きい。
 固まる小町を指差し、ミケは猫達に告げる。
「あの人が遊んでくれるよ。思いっきり飛びついちゃえ」
 ぼそっと、敵だからとても乱暴にしてもいいよと付け加えて、ミケは猫達を小町へと向かわせる。猫好きにはご褒美だろう。
 一斉に沢山の猫が自身に迫って来るのを見て、逃げなければという思いと、猫にふるもっふされてみたいという思いが小町の中でせめぎ合う。
 そして思いは後者が勝ってしまった。思いきり猫に飛び掛かられ、引っ掻かれ、猫パンチされ、肉球でぷにぷにされる小町。じゃれているように見えるかもしれないが、これでも小町に結構なダメージが入っている。
「全ては良い睡眠のために」
 そう呟いて、猫まみれになる小町をじっと見つめるミケ。少しずつ存在を失い、現在から過去へと還る小町を黙って見送る。
『このまま成仏するのも、悪くないかもしれないわ……』
 後日ミケが語るに。猫達に埋もれながら骸の海へと還る小町の顔は、それは幸せそうだったそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『花宴の喧騒はすぐそこに』

POW   :    花見よりご飯食べたい!

SPD   :    宴には余興がつきもの。面白い芸を見せてやろう

WIZ   :    花を眺めながら、のんびりと休憩したい

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 無事にオブリビオンを排し、梅園に平穏を取り戻した猟兵達。
 オブリビオンを倒した直後だ。直ぐには人々は集まっては来ないだろう。つまりは一時的ではあるが、貸し切りの状態。
 気分転換にこの広がる梅の海で、其々が思い思いに過ごすのも良いかもしれない。
高柳・零
文鳥の羽と猫の毛が落ちてると、何やら惨劇があった感があるので…とりあえず掃除をしましょう。

シナモン文鳥はアンテナに止まらせたまま、箒とちり取りを持って掃除してます。
「我ながら派手にやりましたねえ。まあ、連れて来たのはオブリビオンですが」
「この猫の毛は…舞音さんですか。文鳥に猫…捕食…やめておきましょう」

鈴さんにも声をかけておきましょう。
「何時もお世話になっております。なるべく綺麗に掃除しておきますが、石にはご注意を。それから、お体は大切に」
「あ、梅見をゆっくり楽しんでください」

アドリブ、絡み歓迎です。



 さっ。さっ。

 暖かな日差しの中に咲く梅の下。箒とちり取りを持ち、掃除をしているテレビウムが居る。零(テレビウムのパラディン・f03921)だ。
 零は文鳥の羽と猫の毛が落ちていると、あまり想像してはいけない惨劇が起こった後の様に思えて、掃除をすることにしたのだ。
 実際はオブリビオンとの戦闘の痕跡ではあるが、何も知らぬ者が痕跡だけを見たら、もしかしてこれは……と思ってしまうかもしれないだろう。
「我ながら派手にやりましたねえ。まあ、連れて来たのはオブリビオンですが」
 独り言ちりながら、自身のアンテナにシナモン文鳥を止まらせ掃除を続ける。
 シナモン文鳥はたくさんのぶんちょうさまと戦闘している時に手懐けた個体だ。零の傍の居心地が良いのだろう。離れて何処かに行く気は余り無い様子。
「この猫の毛は……」
 ふと目に入った猫の毛をちり取りの中に掃き入れ、今の毛は少し前まで小町と対峙していた猫のキマイラ娘のものだなと推測する。
 文鳥に猫……猫は鳥を……捕食……。
 突如連想ゲームの様に零の脳内に浮かび上がる、弱肉強食相関図。
「……やめておきましょう」
 それをこれ以上は考えてしまったらいけないと、首を振って頭から払う。
 ある程度残骸を綺麗にし、一息入れようかと思ったその時。月華が白梅の花を見上げているのが視界に入った。
 声を掛けようと、とことこ月華に歩み寄る零。月華の方も零に気付くと、今回の礼を言う。
「どうも。お願いの解決を手伝ってくれて、ありがとう」
「何時もお世話になっております。なるべく綺麗に掃除しておきますが、石にはご注意を。それから、お体は大切に」
 体調への気遣いに一瞬目を丸くした月華は、『無理しないようにはする』小さく零すと目を逸らす。
「あ、梅見をゆっくり楽しんでください」
「君の方もね」
 そして月華は軽く会釈をすると、何処ともなく立ち去る。零は白梅の花を見上げ、シナモン文鳥と共に日向ぼっこでもしようかと思い立つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

祝・刻矩
WIZ
梅の花とは!
名の知れた花の名は心が躍るのじゃ
ゆっくり見させてもらおうかの

蕾や咲いているのがあって良いな
ピンクは俺と同じ色じゃ
お揃いじゃな
むふふ
まぁ戯言はそのへんにおいといて
この白と桃が混じった花びらがとても好きじゃなぁ
梅の花の道もまた良し

これが散れば、今度は桜が順番待ちしておるんじゃあ
芽吹きを感じてほかの花たちも咲き始める
そうすれば春の始まりじゃ
……楽しみじゃのう

感傷に浸ってないで、はよ住人は戻ってこんかのう
出店でなんかつまみたい気分じゃあ

アドリブ歓迎



 名の知れた花の名は、聞くだけで心が躍る。
 だが、それを目にすることが出来ている今。ひらりと空を舞う梅の花弁の様に、刻矩(風の如く、舞う如く・f14803)の心は舞い上がっていた。
 ゆっくり見させてもらおうと、紅白の梅が咲く散策路をのんびり歩く。
「蕾や咲いているのがあって良いな。ピンクは俺と同じ色じゃ」
 髪の色とお揃いじゃなと花に話しかけ、むふふと笑む刻矩。花開いた枝、未だ蕾のままの枝。どちらも梅の風情があって良い。
「この白と桃が混じった花びらが、とても好きじゃなぁ」
 少し歩いた先で、白と桃の入り混じる花弁を持つ梅を見つけると、そっと指先で優しくその花に触れる。
 梅は春の来訪を告げる花。今咲いている梅が散ったら、今度は桜が順番待ちをしている。
 芽吹きの報せを感じたならば、他の花たちも咲き始める。
「そうすれば春の始まりじゃ……楽しみじゃのう」
 彩鮮やかな季節の訪れを心待ちにしながら、歩を進める刻矩。
 けれども、人の喧騒が無いのは少しばかり寂しく感じて。
「はよ住人は戻ってこんかのう……」
 ふと薄紅の梅を見上げて立ち止まると、独り言ちる。
 オブリビオンが占領していた影響で、今直ぐに人は戻らぬだろう。だが、数日もすれば戻ってくる筈である。

 ――後日、人々の喧騒が戻ったその時に。
 刻矩がまた此処を訪れ、出店で名物の梅酒を愉しんだのは、別の話。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・イアハッター
ダンダン(f00250)と

なんかあの子幸せそうに還っていかなかった?
まぁ、そういうオブリビオンもいてもいいのかもね

さーてようやくお花見!
ゆっくり楽しも

木の根元に座り梅の花を見上げ
春告草かぁ、やっと春が来るんだね
まだちょっと寒いけれども…ダンダンはフードであったかそうねー

お、そーだ
ダンダン、ダンダン
剣貸して!

剣を借りたら、落ちている綺麗な梅の花を選んで、剣を花で飾り付けちゃおう
リボンみたいに持ち手の端につけたり、柄にそっと乗せてみたり
どーう?
可愛くなったでしょ
えっ、いや、そっち(肉体)につけても可愛くないし…

あっ、私!(帽子)
あら…ふふふ、似合う?
皆に春を告げにやってきた梅の神様です、なんてね!


オブシダン・ソード
アメリア(f01896)と
何かまだまだ余裕の見える敵だったね…帰ってくれたから良いんだけど

手頃な木の根元に腰かけてお花見
うん、これは良い眺め
こういうのがあるから、ヒトとしての生活はやめられないね

そうだねえ、きっとこれからも、色んな花が咲くんだろう
…アメリアはすぐ寒そうな恰好をするからね。風邪ひかないでね

え、なに、戦いは終わったけど
飾る?僕を?
…そりゃまぁこの身体にはどうかと思うけど、
だんぴらにもお花は似合わないんじゃないかなぁ

それに、君の方が似合うでしょう?
帽子を取り上げて、折れた花枝で飾ってやる
色合い的にも丁度良いって、ほら、ね?

うんうん似合う似合う
それじゃー神様、どうか春風の一つでも
ふふふ



「なんかあの子幸せそうに還っていかなかった? まぁ、そういうオブリビオンもいてもいいのかもね」
「まだまだ余裕の見える敵だったね……帰ってくれたから良いんだけど」
 至極幸福そうな顔で消えていったオブリビオンを思い出しながら、アメリア(想空流・f01896)とオブシダン(黒耀石の剣・f00250)は言葉を交わす。
 オブリビオンを倒す必要があった為少し遠回りではあったが、今は花見をゆっくりと楽しむことが出来る。
「春告草かぁ、やっと春が来るんだね」
 アメリアは濃紅の梅の根元にちょこんと座り、花を見上げると呟いて。
「そうだねえ、きっとこれからも、色んな花が咲くんだろう」
 オブシダンもアメリアの隣に腰を落とすと、同じく梅を見上げる。
 蒼天に伸びる枝に咲く濃紅の梅は、とても鮮やかで眺めが良い。
 感じることが出来る、楽しむことが出来る。その様なことが出来るからこそ、ヒトとしての生活はやめられないとオブシダンは思う。
 ふと。視線を感じて梅から目を離すと、アメリアがオブシダンの纏うフード付きのマントをまじまじと見つめていることに気付く。
「まだちょっと寒いけれども……ダンダンはフードであったかそうねー」
 少しばかり羨ましそうに、マントへ視線を送り続けるアメリア。
「……アメリアはすぐ寒そうな恰好をするからね。風邪ひかないでね」
 陽射しは暖かくとも、まだ肌寒く感ずる風が吹いている時期だ。よくアイドルの様な衣装を着ているアメリアは、気を付けないと風邪をひいてしまうかもしれない。
 アメリアはムッと頬を膨らませ抗議をしようかと思い立ったが、別の思い立ちがそれを掻き消す。
「お、そーだ。ダンダン、ダンダン、剣貸して!」
 良い案が思いついた時の様にぱっと顔を輝かせ、オブシダンの本体である黒耀石の剣を貸してくれる様に頼みこんで。
「え、なに、戦いは終わったけど……」
 その意を受け、オブシダンは少々困惑気味に剣を貸す。アメリアは剣を受け取ると、地に落ちている綺麗な梅の花を拾い、それで剣を飾り付け始める。
 花を柄にそっと乗せてみたり。柄頭につけてみたりするアメリアは楽しそうだ。
「どーう? 可愛くなったでしょ」
 紅や白、薄紅に彩られた剣を当人に見せると、得意げに笑う。
「飾る? 僕を?」
「えっ、いや、そっち(肉体)につけても可愛くないし……」
 オブシダンは思わず目を丸くさせて聞くも、ヒトの身に飾ることは否定を返される。
「……そりゃまぁこの身体にはどうかと思うけど、だんぴらにもお花は似合わないんじゃないかなぁ……それに、君の方が似合うでしょう?」
 オブシダンはアメリアの本体である帽子を取り上げると、落ちていた白梅の花枝で飾りつける。
「あっ、私!」
「色合い的にも丁度良いって、ほら、ね?」
 赤い帽子に白い花はとてもよく映えていた。赤と白、それは紅白。目出度い色の組み合わせとなった帽子をアメリアに被せ直すと、オブシダンはうん似合うと頷く。
「あら……ふふふ、似合う? 皆に春を告げにやってきた梅の神様です! ……なんてね!」
「それじゃー神様、どうか春風の一つでも」
 二人は冗談を言いあい、そして笑いあう。
 その時。ざぁ、と吹いた風が花を揺らし、濃紅の花弁が宙空に舞ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

亜儀流野・珠
【ミケタマ】で参加だ!

今日は一段と猫多いなミケ!
おお、「まる」も呼ぶのか!まるの上で花見とは、もふもふだし景色も良いだろうな!
饅頭でも食べながら見下ろす梅を楽しむとするか!

ミケの猫たちとも遊んでやろうか!
こいつら結構活躍してたからな。遊ぶにしても油断はできないかもな!
飛び掛かられたり飛び掛かったり、追いかけられたり追いかけたりして全力で遊ぶぞ!
はは、さっき戦ったばかりなのに全然疲れてないなこいつら!
月華もどうだ?梅に囲まれながら猫の腹の上で猫と遊ぶなんて滅多にできないぞ?


舞音・ミケ
【ミケタマ】で参加するよ。

やっと梅の下で寝られる…けど。
せっかくだし【まんまる猫はころがり上手】で「まる」も呼ぼう。
高い方が景色良さそうだし。太陽近くなって暖かいかな。
珠と猫たちと一緒に仰向けで寝てるまるのお腹の上へ。
まるは頑丈だから思い切り遊んでも大丈夫だよ。
まる自身が遊んだら梅が全滅しちゃうから、そのまま寝ててね。ごめんね。
その代わり猫の皆とお腹マッサージしてあげる(手でぐにぐに)

眠くなってきたから寝る。まるのお腹、あたたかい…。



薄桃色をした八重の梅の咲く一画では、【ミケタマ】の二人組が梅見を楽しんでいた。
「今日は一段と猫多いな、ミケ!」
 珠(狐の恩返し・f01686)が眠たそうなミケに向け曇りなく笑う。
 ミケタマコンビの周りでは、思うままに過ごす沢山の猫達の存在がある。
 眠っていたり、毛繕いをしていたり、中空をじっと見つめていたりと、結構自由だ。
 ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)は、やっと梅の下で眠ることが出来ると思ったが、折角なので超巨大な猫の霊『まる』も呼ぶことにしようと決めた。
「まる、来て」
 理由は至ってシンプル。高い方が景色が良いだろうし、太陽が近くなって暖かいかもしれないと思ってのこと。
「おお、まるも呼ぶのか! まるの上で花見とは、もふもふだし景色も良いだろうな!」
 まるの名を聞いた珠は目を輝かせ、来訪を心待ちにする。
 少し間を置きミケの呼び声に応じて現れた猫の霊は、とてつもなく大きかった。そして仰向けの状態で眠ったまま、微動だにしない。
「まる自身が遊んだら梅が全滅しちゃうから、そのまま寝ててね。ごめんね」
 まるが眠っているのはミケの意向によるもので。確かに、まるがひと転がりしたら梅が大変なことになってしまうだろう。梅の木の背丈は優に超えてしまっている程に、まるは大きいのだ。
 珠とミケは連れていた猫達と共に、まるの腹へと上る。まるの上から眺める梅は、地上から見る梅とはまた違った趣があった。
「饅頭でも食べながら、見下ろす梅を楽しむとするか!」
 早速鞄から饅頭を取り出し、それをぱくつく珠。猫に手に持つ饅頭をねだられるも、人の食べるものは猫に悪いと、分けることはしない。
 その代わり、猫達と思い切り遊んでやることにする。ミケに丸の上で遊んでも大丈夫かどうか確認すると……。
「まるは頑丈だから、思い切り遊んでも大丈夫だよ」
 との返事。かなり動き回っても大丈夫らしい。
「こいつら結構活躍してたからな。遊ぶにしても油断はできないかもな!」
 追いかけたり、追いかけられたり。
 飛び掛かったり、逆に飛び掛かられたり。
「はは、さっき戦ったばかりなのに全然疲れてないなこいつら!」
 珠と猫達はハイテンションにじゃれ合っている。これでもまるが起きないあたり、ミケの言ったことは事実であるということだろう。
 一方のミケは、まるの腹を大人しい猫達と共にマッサージしていた。
 ひたすら両手でぐにぐにと腹を押して、押し続けていたのだが、だんだんと睡魔がやって来たようで。
「眠くなってきたから寝る。まるのお腹、あたたかい……」
 もふっとした腹の上で丸くなると、そのまま眠りの世界へと落ちていった。
 そこにふらり現れる月華。あの巨大な何かは一体なんだと、様子を見に来たのだ。まさか巨大な猫の霊だとは思っていなかったようであるが。
「月華もどうだ? 梅に囲まれながら猫の腹の上で猫と遊ぶなんて滅多にできないぞ?」
 気づいた珠は月華に話しかけるとパッと笑いかける。月華は少しだけ考えると、その言葉に甘えることにする。
「じゃあ、少し」
 珠の手を借りまるに上ると、月華を待っていたのは沢山の猫。
 その中の一匹にいきなり飛び掛かられ、驚いて軽く仰け反る。
 思い思いに過ごす三人を、梅は静かに見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白雪・小夜
【WIZ】人見知り・対人不信の為、交流不要
梅見は何度かしたけれど、また来たくなってしまったの。
今日は人のいないうちに少しだけでも過ごせたらって思うわ。

少しだけ風が冷えるかしら…春は近づいていると言えどまだまだ冬ね。
でも冷たい冬が通年より温かく感じるのは
少しだけ今年は違うからかしら?…なんてね。
さて、と…そろそろ帰りましょ。待ってる人がいるから、ね。



 夕刻、白の枝垂れ梅が咲く石畳の小径を、小夜(雪は狂い斬る・f14079)は一人歩いていた。
 梅見は既に何度かしているが、人の喧騒の無い今のうちに少しだけでも過ごせたらと思い、また見に来たのだ。
 さぁっと吹く風に枝垂れ梅がさわさわと揺れて。揺れた枝からは花弁がひらりと舞い上がる。
 それは一瞬だけ、雪のようにも見えた。
「少しだけ風が冷えるかしら……春は近づいていると言えど、まだまだ冬ね」
 小夜は風に靡いた髪を抑え、何気なしに呟いて。
 吹いた風には幾許か冷たさが残っていた。暦の上では春とはいえ、空気が冷たい日は未だ続く。夜になれば、猶更そう感じる時もある。
 だが冷たい冬が通年よりも暖かく感じるのは、少しだけ今年は違うからなのだろうかと、ふと思う。
「……なんてね」
 もしかすると、それは気のせいなのかもしれないけれど――。
 立ち止まり空を見上げると、宵の星が輝き始めているのが目に入る。
「さて、と…そろそろ帰りましょ。待ってる人がいるから、ね」
 帰るにはよい刻限だろう。小夜は待ち人の許へと帰途についた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルーナ・リェナ
【ほしのたね】のみんなと一緒

夜の梅ってはじめてだなぁ
そもそも梅のお花を見るのもはじめて
へええ、紅白っておめでたいんだ
なんだかわくわくするね

お花見にはおだんごって聞いたから、3色のを持ってきたよ
あとね、のし梅っていう梅のお菓子もね
おだんごはほんのりあったかく
のし梅は冷やして
バスケットから出してみんなに配って
式夜のお料理と嵐のお茶をもらって
それからリュカの隣に座って空を見上げる
星と梅ってかわいい組み合わせだと思うなぁ
にんじんの梅も美味しい!

あ、リュカと嵐で歌ってくれるの?
こういうときってどんな歌なのか、楽しみだよ


リュカ・エンキアンサス
【ほしのたね】のみんなで
花……か
あんまりゆっくり見たことがないんだけれど、たまにはいいかな

弁当……式夜お姉さんの手作り?
へえ、ルーナお姉さんはお団子か
なんだかすごいな
…………うん。どっちも、美味しいよ
式夜お姉さん。お酌しようか
お花見って、こんなに豪華なことするんだ…。知らなかった
星と花は何度か。でも梅は初めてだ
それに……こんなに、たくさんの人と花見をするのも初めてだ

ん。宴会芸?宴会芸…
嵐お兄さん頼んだ。嵐お兄さんがうまい歌を歌う。俺が手を叩く。
完璧だろ
…芸を考案する、とはいったけど、俺が芸をするとはいってないからな(そっぽ向き
ほら。うまいじゃないか。歌
(って、言いながら静かに珈琲を啜った


両角・式夜
【ほしのたね】の者達と夜の星空の元で梅花見をしよう!

わしは花見用のおかずなんかを買ってこよう
ちょっと高い良いやつなのだぞ!
それと塩おむすびだな。こちらはわしの手作りである
わしは自分用の梅酒を少しずつ呑みながら

いやはや、梅酒片手に梅に星と、肴に困らないな!
梅が紅白の花でめでたいったらないな
リュカ殿は星と花の組み合わせは余り見ないか?地下にはどちらも無いからなぁ

おお、嵐殿は歌が上手いんだな!
なんだろうな……わしは歌に疎いが……うむ、音が良いのだな
嵐殿は良き喉を持っておる

ルーナ殿も何か食べるかい?
実はちょっと奮発してな。煮物が良い塩梅なのだ
ほれ、花形の人参が梅みたいだな


鏡島・嵐
【ほしのたね】の皆と一緒に行動。夜桜ならぬ夜梅見物だ。
へー、夜の梅ってこんなんなのか。昼間に見るんとはけっこう違うんだな。香りも申し分無しだ。

式夜とルーナが花見用の食事やら菓子やら用意してくれたし、そのご相伴に与る。一応、おれも茶とか飲み物くらいは用意していこう。
……うん、イイ味してると思う。目も鼻も、ついでに舌も幸せだな。

……って何だよリュカ? 歌う? おれが?
まあ歌うくらい、別にいいけど。なんで皆しておれに歌わせようとするんだ?
いやいや、踊るのは無しだからな!? つーか、おれで面白がってるだろ!?
……ハーモニカと歌を代わる代わる、夜空に響くように。
(歌うとかなりの美声だが、本人に自覚無し)



 陽も落ち、夜闇が中空を覆う頃。満月と数多の星が浮かび、その明かりが梅園を照らし出す。
 地上ではいつの間にやら篝火が焚かれ、夜でも花見をするには申し分ない明るさだ。
 紅白源平咲きの梅の許では、【ほしのたね】の一行が、夜の花見を楽しんでいた。
「へー、夜の梅ってこんなんなのか。昼間に見るんとはけっこう違うんだな。香りも申し分無しだ」
 微かな甘い香りを感じながら、嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は塩おにぎりを齧る。塩加減が丁度良いそれは、式夜(銀錫赤竜・f01415)の手作りだ。
「夜の梅ってはじめてだなぁ。そもそも梅のお花を見るのもはじめて」
 ルーナ(アルコイーリス・f01357)も梅を見上げる。その腕には大事そうにバスケットが抱えられていた。一体何が入っているのだろうか。
「梅が紅白の花でめでたいったらないな」
 式夜は梅と星を肴に、自分用の梅酒を愉しみながらそう零す。
「へええ、紅白っておめでたいんだ。なんだかわくわくするね」
 式夜の言葉から新たな知を得たルーナは、きらきらと目を輝かせた。
 ルーナは紅白の色の組み合わせが目出度いという文化に、馴染みが無かったのだろう。そも、この紅白のイメージの文化は、限られた世界のものなのかもしれない。ルーナはちょこんと、リュカ(蒼炎の・f02586)の隣に座る。
「花……か。あんまりゆっくり見たことがないんだけれど、たまにはいいかな」
 リュカは淡々としながら珈琲を一口。
「リュカ殿は星と花の組み合わせは余り見ないか?」
 リュカの言葉に式夜は尋ねる。
「いや、星と花は何度か。でも梅は初めてだ。それに……こんなに、たくさんの人と花見をするのも初めてだ」
 過去を思い返しながら、梅を見上げるリュカ。梅の枝の間隙からは、星が覗いていた。

●花より団子?
「お花見にはおだんごって聞いたから、三色のを持ってきたよ。あとね、のし梅っていう梅のお菓子もね」
 ルーナは抱えていたバスケットから、作り立ての様にほんのりあたたかい桃、白、緑の三色の団子と、冷たく平たいのし梅を取り出すと其々、皆に配る。
「わしは花見用のおかずなんかを持ってきた。ちょっと高い良いやつなのだぞ!」
 式夜の手により並べられる煮物やつまみの類、そして塩おにぎり。
 嵐の方も飲み物を用意してきたと、緑茶を人数分配る。
「お花見って、こんなに豪華なことするんだ……」
 知らなかった……と、軽く衝撃を受けるリュカ。複数人でのお花見は其々が持ち寄るので、自然と豪華になりやすい。
 紅組(女性組)に早速食べるように勧められる白組(男性組)。
 ゆっくり味わうも、どの食べ物も味の甲乙つけ難く。
「…………うん。どっちも、美味しいよ」
 正直な感想を述べるリュカ。嵐もそれに同意する。
「……イイ味してると思う。目も鼻も、ついでに舌も幸せだな」
 それを聞いた式夜はふふんと得意げになると、実は少し奮発したこと、中でも特に煮物が良い塩梅な事を語る。
 式夜はルーナにも向けて煮物の人参を差し出し、食べることを勧める。それは花の形をしていた。
「ほれ、花形の人参が梅みたいだな」
 ルーナはパクリとそれを口に含むと、『にんじんの梅も美味しい!』と満面の笑みを零した。

●花見のつきものといえば
 花見は宴会。宴会と言えば宴会芸……?
 宴会芸……。
 突如リュカの頭に浮かんだ、宴会芸という単語。
「嵐お兄さん頼んだ。嵐お兄さんがうまい歌を歌う。俺が手を叩く。完璧だろ」
 リュカは嵐にいきなり話を振る。気がついたらもう振っていたのだ。
「……って何だよリュカ? 歌う? おれが? まあ歌うくらい、別にいいけど」
「あ、リュカと嵐で歌ってくれるの? こういうときってどんな歌なのか、楽しみだよ」
 それを聞いたルーナは、屈託のない笑顔を二人に向ける。
「俺が芸をするとはいってないからな」
 けれどもリュカは、あくまで合いの手を打つだけで、歌うことはしないと否定し、そっぽを向いてしまう。
「なんで皆しておれに歌わせようとするんだ?」
 おれで面白がってるだろと、ツッコミを入れる嵐。誰の口からも、否定の言葉は出なかった。

 そして、シンと静かになったところで、一呼吸すると嵐は歌いはじめる。
 ハーモニカと歌を代わる代わる、世界に響かせて。
 よく通ったその声は、夜空に響き渡って。
 皆思わず、聴き入ってしまっていた。
「なんだろうな……わしは歌に疎いが……うむ、音が良いのだな。嵐殿は良き喉を持っておる」
 目を閉じて聴き入る式夜。
「ほら。うまいじゃないか。歌」
 歌うように話を振ったリュカの方は、静かに珈琲を啜ると、また空を見上げる。
 そこでは夜風に散った紅白の花弁が、ひらひらと舞っていた。

 こうして、楽しき時間は過ぎていく。
 其々は刻まれた思い出を胸に、また明日へと向け進むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月01日


挿絵イラスト