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雪とこたつとみかんと冬と

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 サムライエンパイア、奥羽。
 雪深いこの季節、人々は厳しい寒さの中、毎日を過ごすのだが……。

「なんだろなあ、今年の雪はぁ」
「いっぐら雪かきすっども終わんねだなぁ」
 その村は、例年にないドカ雪で困り果てていた。
 雪は一日中降り続き、村人達は歩道の確保や屋根に積もった雪に家が潰されるのを防ぐため、毎日のように雪かきをするのだが、終わった頃にはまた何センチも積もってしまっているのだ。
 夜寝て朝起きれば、昨日の成果はまるで無駄だったかのように、新しい雪で外が埋め尽くされている。
 このままでは村は孤立、そればかりではなく、村がすべて雪に埋まってしまう。
「おらぁ、もうたまんねだよ。お奉行様に相談すっぺ」
「おぉー、そうしてけろ。おらもう足腰立たねぇだ」

 こうして、村の窮状は猟兵達へと伝えられることになるのだった。

●雪に埋もれた村
「皆様、お仕事ですわよ。……にしても最近寒いですわねぇ」
 エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)がグリモアガードの中で手を擦るような仕草をした。
「そんな寒ーい、サムライエンパイアの村が、今回皆様に向かっていただく場所になりますわ」
 そう言うと、エリルは依頼の説明を開始した。
「サムライエンパイアの、オーシューって地方に、大雪に覆われてしまった村がありますの。もともとこの時期は雪が多いのだけれど、今年はちょっと尋常じゃないみたいですわね」
 村は毎日毎日雪の処理に追われており、度重なる肉体労働に疲労困憊。しかし、放っておけば隣家を訪ねることもままならないばかりか、雪の重みで家が圧し潰されてしまうので、雪かきを続けざるをえないのだという。
「それだけでも大変なのだから、お手伝いなさって頂きたいところではあるのだけれど……実はこの大雪、オブリビオンの仕業ってことが予知されましたの」
 エリルが首を傾げながら説明を続ける。
「オブリビオンは、あの世界では妖怪と言われている類の存在のようですわね。その姿は……なんていうのかしら、テーブルの乗った……お布団? こたつ、っていうのかしら?」
 エリルには馴染みのない姿のようだ。ピンとこない様子ながら、エリルは特徴を細かく伝え始める。
「妖怪のかぶったお布団の中はとても暖かくて、人々を引きずり込む性質があるみたいですわ。特にこの寒い時期には抗えない魅力があるみたいですね。あえて村を寒くすることで、悪事を働きやすくしているってことかしら」
 あと、テーブルの上に載ったひよこが可愛いらしい。
「……こほん。オブリビオンはもーっと寒くして、村人を疲れさせてから出てこようとしているみたいだから、今から向かってもすぐに出会うことはありませんわ。だからまずは、村人達の願いを聞き入れて、雪の処理を行ってくださるかしら?」
 計画の失敗を悟れば、オブリビオンは自ずと猟兵達の前に現れて、強硬手段に出るだろう。その時が、撃破のチャンスだ。
「この季節にはとっっっ……ても危険な妖怪……って聞いてますわ。皆様、お気を付けくださいまし!」
 その危険は、きっとベクトルが違う。そう思う猟兵もいたようないなかったような感じだが、エリルはいたって真面目だ。輝いたグリモアから寒風が吹きすさぶ。
 とっても寒いエンパイアの冬。赴く猟兵達に未来はあるのか!?
「がんばってくださいましー!」
 エリルは防寒具をがっつり着込んで、猟兵達を見送るのであった。


G.Y.
 こんにちは。G.Y.です。
 今回の舞台はサムライエンパイア。とっても寒い、今でいう東北地方が舞台です。
 村人の方言になんちゃって感が出るかもしれませんが、ここはサムライエンパイアなので気にしないでください。

 さて、今回は雪に覆われた村に現れるオブリビオンとの対決……ということが主題です。
 大雪に困っている村人達を手伝うところから始め、妖怪と対峙しましょう。

 今回のボスはとっても危険です。危険すぎるので、いくら猟兵といえど攻撃を逃れるのは困難を極めるでしょう。
 とってもとっても強い意志があればその魅力に抗えるかもしれませんが、とっても弱い意志であっても、なんやかんや戦うことくらいは出来そうです。がんばってください。

 大切なことなので二度言いますがとっても危険です。
 皆様のあったか~いプレイング、お待ちしております!
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第1章 冒険 『大雪の里』

POW   :    筋力を活かして対策する

SPD   :    素早さを活かして対策する

WIZ   :    知力を活かして対策する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

デイヴィー・ファイアダンプ
オブリビオンが現れるまでまだ時間がある。
そして村人が疲れ果ててから出てくる可能性がある、と。

よし、わかった。今晩はお鍋にしよう。

そういうわけで猟兵の財産を利用して精が付きそうなものを調べて村に差し入れしようか。
村人の疲労を和らげて日々の作業のために元気を取り戻してもらおう。なにせまだまだこの雪は続きそうだ。
それにいつまで経っても元気な姿を見せられていては、そのオブリビオンも焦れて出てくるかもしれないだろう。

仕事として来ているから仕入れたものは全て村人に譲るけど、もし振る舞ってくれるなら一杯頂くとするよ。
この寒い季節、暖かいものが恋しくなるからね。


城田・紗希
なるほど、つまり温めればいいんでしょ?
ウィザードミサイルを火種に、お焚き上げしよう!
もしくはキャンプファイヤー!
(寒さを火で片付ける単直脳)

とりあえず、木材を適当に調達して、適当に積み上げて、
ウィザードミサイルの高火力で炙って着火するよ!
……空気の通り道がどうこう、って話はうろ覚えだから、なんかこう感覚で!
あと着火のウィザードミサイルも、はじめチョロチョロなかパッパ、の感覚で!
(1本で点かなければ2本3本と増やして着火)



 極寒の山村は、しんしんと雪が降り積もり、視界が白く染められる。
 雪を集め、積み上げられた雪の山に、新たな雪が積もれば、まるで壁かと錯覚するほどであった。

「……なるほど、つまり温めればいいんでしょ?」
 そんな村の様子に、城田・紗希(人間の探索者・f01927)は、ぽん、と手を叩いた。
 完全に理解した、という雰囲気で、紗希は山の中へ入っていくと、枯れ木を拾っては村に戻り、中央付近の広場にどんどん積み上げていく。
「薪も貰っていい?」
 山から戻った紗希が村人に尋ねる。
「ええけんども、なにすっだ?」
「お焚き上げ、もしくはキャンプファイアー!」
 紗希が元気に拳を上げた。

 そんな紗希の様子を眺めながら、デイヴィー・ファイアダンプ(灯火の惑い・f04833)は今回の依頼内容を確かめる。
「オブリビオンが現れるまでまだ時間がある。そして村人が疲れ果ててから出てくる可能性がある、と」
 さらに、広場には紗希の集めている木材が積み上げられ、これから火を付けるのだという。
「……よし、わかった」
 デイヴィーはキッと凛々しく顔を上げた。
「今晩はお鍋にしよう」
 デイヴィーは急いで村内や周囲の村から食材をかきあつめると、何十人もの腹を満たしそうな、大きな鍋を広場に用意する。
「おーっ、豪快だねー!」
「村人の疲労を和らげて日々の作業のために元気を取り戻してもらおうと思ってね。なにせまだまだこの雪は続きそうなんだから」
 猟兵達が手伝いをしている間にも雪は降り続けている。この労をねぎらい、元気になってもらうことがデイヴィーの狙いなのだ。デイヴィーは大根や豆腐、葱をざくざくと切っていく。
「よーし、そしたら火のほうも頑張っちゃおう!えーと……空気の通り道がどうこうって話があったよね?」
 紗希は薪を積みながら何やら考え込んだかと思えば、にかっと笑ってあっけらかんと言い放つ。
「うろ覚えだから、なんかこう適当で!」
 こうして積み上げられた薪の山と鍋用の足場は、すぐに村人達の目にも留まる事となる。
 ぞろぞろと集まる村人の前で、デイヴィーは刻んだ野菜と、海辺の村から譲り受けた大量の鱈を鍋へと投入する。
「あとは着火だね! えーと……まいっか。はじめチョロチョロなかパッパ、の感覚で!」
 それはごはんの炊き方である。ともあれ紗希は着火剤として、ウィザード・ミサイルを発射した!
 薪に直撃し、破裂音とともに燃え上がる炎。加減が効いたか、鍋の中の水が少し揺れた程度で、影響はあまりない。
 十分な火の勢いは、薪を次々と燃やしていき、その上で熱された鍋も、しばらくすればぐつぐつといい匂いを漂わせ始めていた。
「さぁ、皆さん。毎日の作業お疲れさまです。これを食べて元気を出してください」
 デイヴィーが集まってきた村人達に、お椀を振舞う。汁は魚の出汁が効いていて、味噌の風味が香ばしく、冷えた身体をほっこり暖めてくれる。
「ほぅ……ほふっ……んっ、あぁー、んめぇ。力出るだなぁ」
「んだんだ」
 温かい湯気に包まれながら、村人達が笑顔を見せ合う。
 巨大な炎が周囲を暖め、雪も少しだが溶け始めた。だが、それ以上に村人達の心を暖め、毎日の活力としたことが大きな成果となっただろう。
「幕府のお侍様方も、食ってけろ」
「いや、僕は仕事として来ているから……」
 村人の誘いに、デイヴィーは手を振る。だが構わず村人は、お椀を差し出す。
「おら達だけで食っづまっだら、もっだいねだ」
「……じゃあ、一杯だけ」
 デイヴィーがお椀を受け取った。紗希も受け取ると、一口大根を口に運ぶ。
「んーっ、あっつあつで味しみしみで、美味しいっ!」
「この寒い季節、暖かいものが恋しくなるからね」
 デイヴィーが鱈を一切れ口に含んで、はぁ、と口から真っ白な息を吐く。手に持ったお椀からじんわり熱が伝わり、冬の冷たい空気を和らげるようであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天海空・奏楽
果てのない闘いだが、俺が少しでも力になれたら…!
というわけで、雪かき! するぜ!

優先順位は
・高齢者宅の玄関前と、屋根の雪下ろし
・皆が必ず利用する通行量の多い路、村を孤立させないこと

屋根の雪が大量で登るのが困難な場合は
サイコキネシスである程度雪を下ろしてから足場を作る
滑らないように注意する
あせらない、自分を信じて地道に雪かき

ポイント
・まめに降雪を確認して、たくさん積もらないうちにささっと
雪かきをくり返す
・村人の応援には笑顔で応える、泣き言は言わない
まだまだ元気っすよ!
早寝早起き、夜中の見回りと雪かきもしっかりと

贅沢は言わない
この雪をのりきるために
少しだけ腹持ちの良い食べ物があると嬉しいです
はい



 雪はいまだ止まず、降り続く。
 猟兵達の登場により活気付き、雪に負けまいと元気になった村人達の姿が村中で見られるようになったものの、年寄りや、女手しかない家もあり、やはり村人達だけの力では、十分な対応は出来ないようであった。
「果てのない闘いだが、俺が少しでも力になれたら……!」
 天海空・奏楽(人間のフォースナイト・f13546)は、そんな村の助けになろうと、闘志を燃やしていた。
「というわけで、雪かき! するぜ!」
 奏楽は手始めに、年寄りの家の玄関先や、屋根の雪を下ろすことに決めたようであった。
 「それから、通行量の多い道だな。村を孤立させないように……と!」
 そう決めてからの行動は早かった。奏楽が屋根に積もった雪に向かって念じると、雪がどさりと落ち、地面で小高い山となる。そうして出来た屋根の足場に飛び乗ると、地道に、滑らないように注意をしながら雪を下ろしていく。
「焦らない、自分を信じて……!」
 そう自分に言い聞かせていると、不意に足元から奏楽を呼ぶ声が聞こえてきた。
「ぼんず、疲れっちゃいねがー?」
 そんな村人の心配の声に、奏楽は笑顔を向ける。
「まだまだ元気っすよ!」
「そうけー? だども、あんこ餅さこさえだがら、降りで食わんけ?」
「あんこ餅……!」
 丁度腹持ちの良い食べ物が欲しいと思っていたところだった。奏楽はやや遠慮がちに、それでもその言葉に甘えて、少しの休憩を取ることにした。
 村人の家に上がらせてもらい、火にあたると強張った身体がほぐれていくようだ。甘いあんが乗った餅のふんわりした食感も、疲れを癒していく。
「……ふぅ、さてと、雪かきが終わったら、朝晩の見回りをして……と」
 人の好い村人達のねぎらいに応えるべく、奏楽は身体を休めつつ、今後の行動を一つ一つ、確かめていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リメイヤ・ルシータ
雪ってこんなに降るんだ…。
それに実際に触るのも初めてだし…、ってその前に寒さ対策に宇宙服を着ておきましょ。

ひとまず村の人たちの元気は戻ってそうだけど、同じ方法で雪を退けてたら結局同じよね。
だったら何か楽になる道具を作れないかしら?
例えば、力を入れなくても雪を運べるとか、屋根に登らないで雪を下ろせたらとか。
電脳世界で情報収集すれば村にあるもので作れるものが見つかるはず!


白峰・慎矢
この季節とはいえ、流石にこの大雪は異常だ。天候を操る妖怪か…確かに危険かもしれないね。

じゃあ俺は雪の処理をやろうかな。良い考えがあるんだ。まず雪玉を2つ作って、【依代ノ霊力】で操作して道とか屋根の上とかをごろごろ転がして、雪を取りながら集めていこう。雪玉の重みで潰さないように、屋根とかを転がすときは慎重に操作しないとね。
ひとしきり作業したら、雪玉を2つ重ねると…あら不思議、巨大雪だるまの完成だ。雪はうんざりかもしれないけど、これで少しでも村の皆に楽しんでもらって、元気になってもらえると良いな。



「雪ってこんなに降るんだ……」
 リメイヤ・ルシータ(スペースノイドの電脳魔術士・f01041)は、初めての雪に驚きと戸惑い、そして少しの興奮を覚えていた。宇宙服を着て防寒対策をしてきたが、吐く息は白く、鼻の頭が冷えて赤くなっている。
「この季節とはいえ、流石にこの大雪は異常だよ」
 白峰・慎矢(弓に宿った刀使い・f05296)が、そんなリメイヤの様子と、雪景色の村を交互に眺めながら呟いた。
「天候を操る妖怪か……確かに危険かもしれないね」
 そんな妖怪を呼び出すために、まずはこの雪をどうにかして、凍えて元気を失った村人達を助けなくてはいけない。
「村の人達の元気は戻ってそうだけど、同じ方法で雪を退けてたら結局同じよね」
 そう考えたリメイヤは、事前に調べておいた雪かきの道具の中から、この世界でも作れそうな道具はないか、と頭を悩ませる。
「……あ、あれなんかいいかも?」
 思いついたのは、滑りやすいシートに鉄の枠を付けた、屋根用の除雪棒だった。
「枠は木で、雪を滑らすシートの代わりに、ロウで滑りやすくした生地なんかを使えば……」
 完成した除雪棒を屋根の雪に押し当てると、枠に沿って雪が削られ、シートを滑って地面に落ちていく。
「成功よ!」
 ありあわせの材料で作る除雪アイテムは、元の世界にあったものほどではなかったものの、十分な効果を発揮したようだった。
「なら、俺はその雪の処理をやろうかな。良い考えがあるんだ」
 除雪グッズが導入されたおかげで、一気に雪かきの効率が良くなった分、地面に積み上げられた雪の山もどんどん大きくなっている。その雪山に対して、慎矢は自ら作った雪玉を二つ乗せる。
「……さぁ、動け」
 慎矢が力を籠めると、雪玉はコロコロと転がりだし、周囲の雪を集めて徐々に大きくなっていく。雪山一つを飲み込んだ頃には、人ひとりくらい隠れられるほどの雪玉が出来上がった。
 雪玉の勢いは止まらない。次の山へと向かう道中の雪も拾い上げ、どんどんと成長していくと、慎矢はある程度の大きさになったところで、広場に雪玉を動かし始めた。
「さて、この雪玉を二つ重ねると……あら不思議」
 二つの雪玉のうち、小さい方の雪玉がどしんと大きい方の上に鎮座した。
「巨大雪だるまの完成だ」
 慎矢の紹介に、村人達は歓喜の声を上げる。
「これ、雪だるま?」
 広場の様子を見に来たリメイヤが、顔を上げて雪だるまを眺める。
「すごい……こんなにおっきいの作れるんだ」
 初めての雪は、リメイヤにとっても、とても刺激的だったようだ。それと同じように、村人達も楽しそうに言葉を交わす。
「こんなでっけぇのはづめて見ただ」
「こりゃいいべな。顔も付けっか?」
 村人達を喜ばせ、積もった雪の処理まで出来た。一石二鳥の雪だるまは、しばらくの間村の名物となるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

織部・樒
成る程、先ずは雪かきのお手伝いをしましょうか
雪かきはあまり経験ありませんが、効率的な方法を書物で読んだ事があるので、それを実践します
水平投土2m…四角いスコップでキューブ状に切り分けて、低めに2m先へ放ります
とはいえ慣れてないので手際良く、とはいかないかも知れません
寒いけど他に雪かきしている方(f10233とか)がいれば協力して頑張ります
さて、積み上げた雪は…カマクラを作ってみてはどうでしょう?
カマクラの中は意外と暖を取れますし、皆で団欒して英気を養えば、翌日の雪かきもまた楽しく出来るかも知れません
村人さんたちもお誘いしてまったり過ごせれば良いですね
あ、こっそり持参したお餅も焼きたいところです


ザフェル・エジェデルハ
雪かー。俺の故郷じゃあまり積もらねぇが、前に雪深い都市で雪かきのコツを聞いたことあるぜ。

それは、「水平投土2m」だ。
皆で一斉に同じ量の雪をかき、同じ距離に向かって雪を投げる!
そうすることで綺麗に雪かき出来るって話だぜ。

しかも皆で揃ってやることで一体感も生まれるから、
辛いばかりじゃなくなるんじゃねぇか?
それじゃ行くぜ!雪をかいてー…投げる!!!
(雪かきに苦戦してる人(f10234 とか)がいたら手伝う)

これがある程度終わったら、一杯やりたいもんだぜ。
仕事の後の一杯は格別だからな!!

しっかし、こんだけ雪あるんなら、雪でなんか出来りゃあいいのにな。雪像でも作るか?



 猟兵達の活躍もあって、村は活気に満ちていた。
 どれほど雪が降っていても、村人達は心から温かそうで、積もり積もっていた厄介な雪も、さまざまな形で対処されている。もう一息、といったところだろう。
「雪かー。俺の故郷じゃあまり積もらねぇが……」
 そういうザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)は、スコップを手に、雪が積もって通れなくなってしまっていた道の前の前に立つ。
「先ずは雪かきのお手伝いをしましょうか」
 隣に立つ織部・樒(九鼎大呂・f10234)も、同じようにスコップを持った。
「前に雪深い都市で雪かきのコツを聞いたことあるぜ」
「効率的な方法を書物で読んだ事があるので、それを実践します」
 二人が同じような動きで、雪にスコップを突き立てると、ほとんど同時に口を開く。
「「水平投土2m」」
 言葉が重なった。ザフェルと樒は思わず顔を見合わせる。
「お前も知ってんのか?」
 ザフェルの問いに、樒は頷いた。
「えぇ、四角いスコップでキューブ状に切り分けて、低めに2m先へ放るのですよね」
「そうそう! 皆で一斉に同じ量の雪をかき、同じ距離に向かって雪を投げる!」
 ザフェルは笑って、樒の言った通りの動作を実践してみせる。四角い雪が少し先の地面にぶつかって、砕け散った。
「そうすることで綺麗に雪かき出来るって話だぜ」
 ひとしきり動作を終えると、ザフェルは村人達や樒に向かって笑ってみせる。
「皆で揃ってやることで一体感も生まれるから、辛いばかりじゃなくなるんじゃねぇか?」
「えぇ、やってみましょう」
 ザフェルの言葉に樒も同意すると、村人達と共に一列に並ぶ。準備が完了するとザフェルが音頭を取り始めた。
「それじゃ行くぜ!雪をかいてー…投げる!!!」
「雪をかいて……投げる」
 樒もそれにならって雪を投げる。ザフェルの動きよりも少しぎこちない様子ではあったが、次第に慣れて、様になっていく。
 そうして無事雪かきは終わり、膝ほどまで埋まっていた道が綺麗に舗装されたようになっていた。
「ふー、終わったなぁ!」
 脇に積み上げられて雪を前に、ザフェルが呟いた。
「っかし、こんだけ雪あるんなら、雪でなんか出来りゃあいいのにな」
「では、カマクラを作ってみてはどうでしょう?」
 樒が答えた。
「カマクラの中は意外と暖を取れますしね」
「おっ、いいねぇ! ならその中で一杯やりたいもんだな!」
 ザフェルが乗り気になって、雪を固め始めた。
「出来たら村人さん達もお誘いしましょう。あ、そうだ一緒にお餅も焼きましょうか」
 こっそりと持参していた餅を取り出した樒は、楽しそうな様子で、カマクラの為の穴を掘り始めた。

 こうして、雪に埋もれた村は今や完全に元気を取り戻した。
 村の復活を祝う宴は、夜が更けても長々と続けられるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『雪うさぎを捕まえろ!』

POW   :    凍るなんて関係ない!全力でモフモフを捕まえる

SPD   :    触っても一瞬なら凍らない!スピードで勝負

WIZ   :    モフモフしたいのは山々だが、ここは触れずになんとか捕獲

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 村中の雪が綺麗に片付けられることによって、村は活気を取り戻した。潰れそうだった家々の屋根は、うっすら雪化粧をするのみで、今や潰される心配など微塵も感じない。
 通れなかった道も、今や普通に歩くことが出来るほど改善された。
 そうやって集められた雪は雪だるまやカマクラへと姿を変え、村人達を楽しませている。もはや雪による心配はなくなったのだ。

 だが、それを祝った宴の翌朝。異変は発生する。
「雪うさぎがでたっぺよ」
「ほーか、なぁらこの雪は雪うさぎの仕業だったんけ」
 村の中に、キラキラと輝く真っ白な雪のうさぎが、ぴょこぴょこと現れたのだ。
 白い毛がもふもふしていて、とても触り心地がよさそうだ。思わず手を出しそうになるものの、村人達が制止する。
「触っちゃなんねだ。触っづまっだら身体の芯から凍っづまうだよ」
 曰く、雪うさぎというのは雪と氷の化身であり、雪を降らし、触れたものを凍らせるというのだ。
「お侍さん方、ありゃ村の守り神でもあんでな。悪さはしたけんど、どうか殺すのは勘弁してけれ」
 村人達は、猟兵達に向かってそう懇願した。ひょっとしたら、この雪うさぎ達は背後に見え隠れするオブリビオンに操られているのかもしれない。とはいえ、このまま放っておけばまた雪を降らし始めてしまい、村は最初の状態に逆戻りだ。

 空は久方ぶりに太陽が出て、さんさんと輝いている。
 この太陽をもう少し長く拝むために、そして、オブリビオンを炙り出すため、猟兵達は彼らを捕獲し、村の外へと逃がす、『雪うさぎ捕獲大作戦』を決行するのだった!
デイヴィー・ファイアダンプ
相手は雪と氷の化身、触れるわけにはいかない。
そして彼らは村の守り神、と。

よし、わかった。彼らの居場所を作ってみよう。

これまたどこからか、お供え物としてみかん等を探してこようか。
さんさんと輝く太陽では彼らが溶けてしまうかもしれないし、丁度カマクラも出来ている。
朝からまだ使われていないそれに簡単な神棚などこしらえ、お供え物をして中に入らないか試してみよう。
必要なら集まった後に柵を立てるなどするけど、中の冷たい空気と外の日差しを自ずと選んでくれれば幸いだ。
みかんを供える理由? お供え物は後から頂くものと聞いている。
それに凍ったみかんもそれはそれで美味しいからね。
凍らせてくれるなら、ぜひお願いするよ。



 ぴょこぴょこ飛び交う雪うさぎの様子と、村人達の反応を見て、デイヴィーは思考を巡らせていた。
(相手は雪と氷の化身、触れるわけにはいかない。そして彼らは村の守り神、と)
 そうして考えること数秒、デイヴィーはぽん、と手を叩く。
「よし、わかった。彼らの居場所を作ってみよう」
 するとデイヴィーは前日作ったかまくらのうち一つを見繕って、中に入る。
 そこに簡単な神棚を作ると、どこからか用意したみかんをお供えした。
「この天気では彼らが溶けてしまうかもしれないしね」
 最後に、かまくらの入り口にしめ縄を飾ってみると、好奇心にかられた雪うさぎ達がデイヴィーの周りに集まってきていた。
 ひくひくと鼻を動かし、かまくらをぐるりと一周したり、中を覗いてみたりする雪うさぎ。デイヴィーはかまくらから少しずつ離れ、あまり刺激しないよう、じっと眺めることにした。
「必要とあらば柵も立てるけど……中の冷たい空気と外の日差しから、自ずと選んでくれれば……」
 そう思いながら眺めること少々、一匹がかまくらの中に入ると、その様子に安心したのか、続けて何匹かの雪うさぎが入っていく。
「やったね」
 そのままかまくらの中でくつろぎはじめた雪うさぎ達を見て、デイヴィーはふぅと一息つくのであった。
「なすてミカンをお供えしただ?」
 様子を見ていた村人が、疑問を投げかけた。
「お供え物は後から頂くものと聞いている。それに凍ったミカンもそれはそれで美味しいからね」
 デイヴィーはにやっと笑って答えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

城田・紗希
えっと……これってレプリカクラフトの本領?
うさぎ穴(というか暗がり)をレプリカで作って、
動くものが入ったら蓋が閉まるように仕掛け罠にしとくよ!
大丈夫、なんかの海岸の特番でやってたから、作れるよ!

普通のうさぎ穴だけだと引っかかってくれるか不安だから、
雪下ろしで集まった雪を使って、ひんやりしたウサギ穴も何個か設置しとこうかな。
引っかかったら、触れないまま出せるよう……そういえば、捕まえたウサギってどこに集めるんだろう?
ついでだから、レプリカクラフトで冷蔵庫でも作ればいい?
(テレビで見た、氷で冷やす冷蔵庫を荒いレプリカで作る)



「えっと……これってレプリカクラフトの本領? うさぎ穴をレプリカで作って、動くものが入ったら蓋が閉まる仕掛け罠を作ろう!」
 紗希はうろ覚えながら、とある海岸の特番でやっていた罠を思い出していた。
「大丈夫、作れるよ!」
 本当に大丈夫かどうかはともかく、自信ありげな紗希は周囲を見渡した。
「普通のうさぎ穴だけだと引っかかってくれるか心配だから……」
 そう呟いた紗希の目に、雪下ろしで集まった小高い雪山が映った。
「あ!」
 閃いた、という表情で、紗希は雪山にレプリカクラフトを施すと、ひんやりと冷たい雪のうさぎ穴が完成した。
 そんなうさぎ穴をいくつか作り上げると、紗希は少し離れた位置で雪うさぎの到来を待つ。
「お、きたきた!」
 しばらくすると、何匹かの雪うさぎがひんやりした空気を求めて、うさぎ穴の周囲をうろつき始めていた。
 少々警戒し、何回か中を覗いたり周囲を見渡したりする雪うさぎ。紗希はじれったさを感じながらもじっと我慢して眺めていると、とうとう雪うさぎは中へと入り込み、蓋がぱたりと閉まった。
「やった! あとは、触らないように気を付けて……」
 と、ここでふと紗希は疑問に思う。
「そういえば、捕まえたウサギってどこに集めるんだろう?」
 村の外に逃がすという話は聞いていたが、捕まえた都度逃がすのも大変だ。
「ついでだから、冷蔵庫も作ろうかな?」
 以前、とあるテレビで見たという氷で冷やす冷蔵庫。出来は荒いが出来上がったその冷蔵庫の中に雪うさぎを入れてみると、雪うさぎ達は中でくつろぎ始めた。
 これなら、冷蔵庫いっぱいになった段階で逃がしに行けばいいだろう。そう決めた紗希は、他の罠のチェックへと赴くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

白峰・慎矢
村の守り神なら、当然傷つけるわけにはいかないね。大丈夫、俺達が無事に村の外まで送り届けるよ。

俺はスピードを活かして雪うさぎ達を捕まえていこう。村の皆と雪うさぎがぶつからないよう追いかけないとな。できるだけ傷つけたくないから、サイコキャノンで増幅した念力を使って動きを封じてから捕まえたいね。悪いけど、少しじっとしてくれよ。
逃がすときは…ほら、熱いものを持つときは両手で交互に持って熱を逃がすだろ?そんな感じで村の外へ運んでいこう。暴れて逃げないように念力も同時に使わないとね。



「村の守り神なら、当然傷つけるわけにはいかないね。大丈夫、俺達が無事に村の外まで送り届けるよ」
 そう言うと、慎矢は飛び跳ねる雪うさぎめがけて走り出した。
「出来るだけ傷つけたくないから……」
 驚いて逃げ出す雪うさぎを追いながら、慎矢は腕に嵌めた増幅器に念じると、雪うさぎが動きを止め、ふわりと少しだけ宙に浮いた。ちたぱたと小さい手足を動かしてもがく雪うさぎに、慎矢は優しく語りかける。
「悪いけど、少しじっとしてくれよ」
 ゆっくり、包み込むように両手を添えると、一気に雪うさぎを掴む。
「っ!!」
 手の平から体温が奪われたような気がした。慎矢は雪うさぎをまず右手で持ち、すぐさま左手に持ち変える。
「熱いものを持つときの要領で……っ!!」
 雪うさぎは思った以上に冷たかった。思わず手を放しそうになってしまうが、なんとか堪えて村の外まで連れていく。
 暴れないように念動力を用いているのも効いたか、それとも疲れたのか、雪うさぎはあまり抵抗することなく、ぽよぽよ慎矢の手の中で踊る。村はずれの森まで来て、やっと慎矢は手から雪うさぎを離すのだった。
「本当に、ずっと持ってたら凍っちゃってたかもしれないなぁ」
 森の中に消えていく雪うさぎを見つめながら、冷えた両手を見つめる慎矢。手の感覚が無くなりそうだったのに、何故かふんわりもふもふな触感だけは伝わってきていた。手の感覚が戻ってくるのを感じながら、その感触を思い返す。
「本当、ふわふわだったなぁ……」
 そう呟いて、再び村の中へ戻るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

織部・樒
【SPD】
雪うさぎ…可愛いじゃありませんか…!モフりたい…(心の声)
暖を取るための焚火と、それに雪を入れたヤカンを掛けておきます
雪かきで意気投合したザフェルさん(f10233)と相談して、一先ず私が追い込む係をします
山で動物と暮らしてきたので、戯れ…いや、追い込むのは割と得意です
彼が適度に凍えかけたら凍傷を防ぐために患部を布で擦ってからお湯や焚火を勧めます
その際私もモフりたいと…否、交代を打診します
素早く、でもなるべく優しく抱きかかえて檻に移し、凍えたら暖を取りつつ一瞬でもモフった余韻に浸ります
冷たいけど幸せ過ぎです…(心の声)
檻がそこそこ埋まったら名残惜しいですが村の外へリリースです


ザフェル・エジェデルハ
雪かきで意気投合したので、樒(f10234)に協力を求める。
お前が追い込んで、俺が捕まえる。これでどうよ?

あ、捕獲したうさぎを入れておくカゴとか檻をいくつか村人に借りてぇな。手で捕まえて村の外まで運んだら、さすがに凍るだろうからな。

樒にうさぎを追い込んでもらったら、POWを活かして全力で捕獲。
捕まえたら篭に入れて逃げないようにする。こんなにモフモフなのにモフれないとか、残念だぜ…

凍りそうでヤバイと思ったらどこかで暖を取ったり、樒に立場を変わってもらったりする。凍っちまうのはカンベンだからな!!気合と体力には自信があるが、安全第一だ!!



 白い雪に紛れるように、ぴょんと雪うさぎが跳ねる。
(モフりたい……!)
 樒はそんな気持ちを抑えながら、雪うさぎを追いかける猟兵達の為に、焚火を燃やしていた。上には雪を入れたやかんをかけ、じわじわと熱い蒸気が注ぎ口から昇り始める。
「さて、どうしましょうか」
「お前が追い込んで、俺が捕まえる。これでどうよ?」
 樒の問いかけに、ザフェルが答えた。二人は前夜の雪かきで意気投合しており、この捕獲作戦でも協力し合うことを決めたようであった。
「いいですね。私は山で暮らしてきたので、戯れ……いや、追い込むのは割と得意です」
「よし、決まりだな」
 そう言ってザフェルが村から借りてきたカゴを雪の上に置くと、樒は雪うさぎへと近寄っていく。
 雪うさぎが耳をピクリと動かし、背後に迫る樒に振り返った。
(……可愛い)
 モフりたい、という気持ちを堪えて、樒が雪うさぎの反対側に回り込むと、雪うさぎはザフェルのいる方向へと跳ね始めた。
「いきましたよっ」
「よし、任せろっ!」
 ザフェルが雪うさぎ目掛けて飛びついた。大きな雪煙を上げ、ゴロゴロと転がったザフェルの腕の中には、雪うさぎの姿が。
「よっしゃぁ! まず一匹!」
 ザフェルは身体を震わせながらも急いで籠へと雪うさぎをしまうと、次の雪うさぎ目掛けて、力いっぱい追いかけていく。

「あぁー、こんなにモフモフなのにモフれないとか、残念だぜ……っくしゅ!」
 何匹目かの雪うさぎを捕獲したところで、ザフェルが盛大なくしゃみを放った。度々雪うさぎを捕まえていたせいで、身体が冷えてしまったのだ。
「うー、寒ぃ……。凍るってのは本当みたいだな……」
 だが、周囲にはまだ何匹か、捕まえられそうな雪うさぎが残っていた。ザフェルはもう一息、と動き始めようとしたところで、樒が声をかけてきた。
「これ以上触っていたら凍傷になってしまいますよ」
 樒はザフェルに近付くと、冷えた腕を布で擦り始める。
「お湯と焚火があるのですから、一旦身体を暖めてください」
「お、おぉ……そうだな、安全第一だ」
 ザフェルもそれに納得したか、焚火へと歩き出した。
「ところで……ザフェルさんが暖まっている間、私もモフり……否、交代いたしますよ」
 ぽろりと本音が漏れかけ、咳をしてごまかす樒に、ザフェルは笑いながら答える。
「あぁ、お願いするぜ! 丁度俺も交代したいと思ってたとこだからな!」
「……はいっ!」
 樒はぱぁっと顔を明るくすると、ザフェルが捕えようとしていた雪うさぎへと間合いを詰める。
「素早く……でも、なるべく優しく!」
 その言葉の通り、樒は雪うさぎが反応するよりも早く飛び掛かり、流れるような手つきで雪うさぎを包みこんだ。
「あぁ……」
 ゾクゾク、と身体が冷えていくのを感じる。だが、それと同時に手の中に感じるふんわりとした感触。
「冷たいけど……幸せ過ぎです……」
「おーい、あんまり触ってると凍っちまうぞー」
 幸せそうな樒に、ザフェルが呑気な声をかけた。

 そして、しばらく。雪うさぎ達を捕えた籠がいっぱいになると、二人は村の外へと雪うさぎを放った。
 雪うさぎ達は、時々二人へ振り返りながらも、森の中へと消えていく。
「名残惜しいですが……」
「あぁー、俺ももう少しモフっときゃよかったぜ」
 ザフェルが悔しそうな声を上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リメイヤ・ルシータ
か、かわいい~!
でも、触るとまずいのよね…。うーん…。

よし、ここはエレクトロレギオン使いましょう。
いつもと違って突撃させなくていいから、召喚する機械も大きな盾を持ってるのにしておくよ。
雪うさぎに対して村の外の方を開けながら囲んで、そーっと近づいて行かせるわ。
一匹ずつ誘導していくけど、何匹かまとまってたら一緒に囲んじゃいましょう。



 村に残る雪うさぎはあとわずか。凍えるような寒さも、一旦は和らいでいるように感じられた。
 ツララから雪の雫が零れ落ち、雪の上に染み込んで消える。その染みの上を雪うさぎが跳ねて、リメイヤの前を横切っていった。
「か、かわいい~!」
 リメイヤはその様子を眺めて、目を輝かせた。しかし、その顔はすぐに困ったような顔に変わっていく。
「でも、触るとまずいのよね……。うーん……」
 触りたい衝動にかられながらも、触ると凍ってしまうという話に、リメイヤは頭を悩ませていた。
 なにより、今回の目的は『モフる』ことよりも、捕まえることなのだ。
「よし、ここはエレクトロレギオンを使いましょう」
 そう言うと、リメイヤは大きな盾を携えた機械兵器達を呼び出した。
「今回は戦わなくていいからね」
 そう機械兵器に告げると、機械兵器達はリメイヤの周囲をゆっくりと周回し、散らばっていく。
「そーっと、そーっとよ?」
 雪の中に隠れていた雪うさぎが顔を上げる。いくつもの機械兵器が周囲を飛び、盾を雪に埋めて壁の様にして進路を塞いでいく。雪うさぎは慌てて、機械兵器のいない方向へ逃げていった。
 その先は村の外。雪うさぎ達は自ら村の外へと出ていくのだった。
「うん、大成功!」
 その後も雪うさぎ達はリメイヤの誘導に従って、村を離れていった。
 こうして、ほぼすべての雪うさぎ達を、村の外へと連れ出すことに成功したのだ。

「そういえば、あの子達って春になったらどうなるの?」
「さぁー、知らんなぁ。けども、毎年冬になっと必ずさ現れるだ」
 村人は呑気に笑いながら答えた。
「あいつらさ見だら、今年も冬が来たなぁ~って思うもんだぁ」
 これが、この村の風物詩。それでもちょっと今年はやりすぎたみたいだった、と村人は言う。
「反省すて、また来でぐれだらええ」
 そうやって、村の外の森を眺めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『蠱窋の怪』

POW   :    北風とおふとん〜みかんをそえて〜
【寒波に乗せたおみかん 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【あったかお布団】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    100ぴき乗ってもだいじょーぶ!
戦闘力のない【みかん色のふわもこひよズ 】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【呼び出したひよの数】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    ともだちふえたよ
【なごみ 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【亜空間の穴】から、高命中力の【引きずり込む黒い腕】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フィン・クランケットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ふより、ふより。何かが村へと飛来する。
 その形態は、まさしく人を魅了するものであった。

「ぴよ」
「ぴよよ」

 包み込むような、厚い布団。
 その上に載ったテーブル。ミカンも添えてある。
 そして何より、それらの内側から感じる、あったかそうな気配。

 現れた妖怪はまさに、冬の悪魔を形容するにふさわしい風貌であった。

「ぴよよ」
「ぴよ」

 蠱窋の怪と呼ばれたその妖怪は、猟兵達を見つけると、ゆっくりと着地。
 にゅうっと真っ黒い手が現れ、ちょいちょいと手招きをした。

 これは危険だ……!
 猟兵達は、本能的にこの妖怪の恐ろしさを悟ったような気がしたりしなかったりしていた。
デイヴィー・ファイアダンプ
……ん? これも守り神の一種だろうか。
とはいえ外で作業していて体も冷えているし、みかんも食べたかったところだ。
仕事も一段落した気もするし、オブリビオンが来るまで休憩といこう。
なにか猟兵のや村人の声が聞こえても気にしない、気にしない。




他の誰かに危害を加えようとした場合など、何かあればユーベルコードの偉大なる一撃を。
その力任せな行動でおこたを封じ込めるよ。
(むしろ誰にも渡してなるものか……!)
雪うさぎのもふもふを味わえなかったんだ。ならばせめて、この甘美な一時を過ごさせてくれないか。

おこたを堪能したら真面目にお仕事に戻るとしよう。
無事に戻れるか、わからないけどね。


ザフェル・エジェデルハ
これが親玉か…?なんだか随分と和ませるフォルムだな。エリルがやたら危険って言ってたが、本当にそうなのか??(コタツ初見)

戦闘は樒(f10234)と共闘する(他参加者との共闘も可)
「串刺し」で敵の動きを封じて「グランドクラッシャー」でダメージを与える。特に樒が敵ユーベルコードを封じるのに成功したら、その隙は逃さずに畳み掛けるように攻撃する。
「可愛らしい見た目だから少し気が引けるが、砕け散ってもらうぜ!!」

敵の攻撃に当たった場合は自力では脱出できない気がするので、誰かに助けてもらいたい。「これが冬の魔物の本気か…!!」


織部・樒
折角知り合えたのでザフェルさん(f10233)と連携を取ります
彼のフォローを行う感じで

アレは、この時期のサムライエンパイアで天国…否、大変危険な代物ですよ
眺めていると誘惑に抗えなくなりそうですから(特にひよこに)
早々に勝負を付けたいですね…

【破魔1】を発動しつつ、七星七縛符にて敵の行動を封じます
どれか一つなら「ともだちふえたよ」を優先的に
封じることができたら、ザフェルさんに危険が及ばなくなるまで維持
此方へ攻撃が来たら、村人に危険が及ばないよう気を付けつつ物陰に隠れるなどして回避
ザフェルさんがコタツに取り込まれたら、カマクラや焚火の心地良さを思い出すよう諭しながら引っ張り出そうとします


リメイヤ・ルシータ
なにあれー!?
倒さないといけないのは分かるのに、さっきの雪うさぎとは違ったかわいさが…。
それにあの中はとっても温かそう?
もしかして、この世界の暖房器具だったりするのかな…?

って、いろいろ考えるのは後にして集中、集中…。
サイキックブラストの電撃で痺れさせてあげるわ!

あ、無事に倒せたら暖房器具があるか探してみましょうか。


城田・紗希
ふふん、寒さは対処を知っていれば怖くないよ!
ひっさつ、レプリカクラフト!(本当は古道具として安く譲ってもらった火鉢)

……さて、火鉢で温まりながら、対処しようかな(ぬくぬく)
要するにアレでしょ、ミカンとか布団とかひよこが飛んでくるから、全部撃ち落とせばいいんでしょ?
ミカンは投網で回収して、あとで食べるとして。
ヒヨコ…は可哀想だから、投網でどっかそのへんに落ちててもらう。
布団……って投擲で落とせるかな、無理なら細長い何かではたき落とす。

さて、脅威(飛散物)がなくなったところでもう一休み……(ぬくぬく)



「なにあれー!?」
「……これが親玉か……? なんだか随分と和ませるフォルムだな……?」
 現れた蠱窋の怪を前に、こたつを知らないリメイヤとザフェルが疑問符を浮かべる。
「やたら危険って聞いたが……本当にそうなのか?」
「アレは、この時期のサムライエンパイアで天国……否、大変危険な代物ですよ」
 ザフェルの問いに、樒が答えた。目の前にいるのは紛れもなく妖怪ではある。だが、その姿は間違いなく、こたつだ。じいっと眺めると、テーブルの上に載ったひよこ達がぴよぴよとじゃれ合っていて、樒はその誘惑をぐっと抑え、なんとか真剣な表情を崩さずに相手を見据える。
「早々に勝負をつけたいですね……!」
「うーん……倒さないといけないのは分かるのに、さっきの雪うさぎとは違った可愛さが……。それに、あの中とっても暖かそう……」
 ふらり、とリメイヤが蠱窋の怪に吸い寄せられそうになる。
「ふふん、寒さは対処を知っていれば怖くないよ!」
 そんなリメイヤを呼び止めて、紗希が、対策はばっちりとばかりに胸を張った。
「ひっさつ、レプリカクラフト!」
 ……そう言って高々と掲げたのは火鉢だった。村の古道具として譲ってもらったものらしい。
「わぷっ、灰が散るっ!」
 慌てて紗希が雪の上に火鉢を下ろす。それから炭を入れて、火を焚き始めた。
「これも、あっちのも、もしかしてこの世界の暖房器具だったりするの?」
「そうだよー。暖まりながら、対処しよう」
 火鉢から感じるぬくもりに、顔を綻ばせる紗希が、対処法を告げる。
「要するにアレでしょ、ミカンとか布団とかひよこが飛んでくるから、全部撃ち落とせばいいんでしょ?」
「ひ、ひよこはっ……! ……いえ、なんでもありません」
 火鉢で暖まり始めた紗希の言葉に、樒が反応しかける。あんな可愛いヒヨコを撃ち落とすなんて、とてもできない。そんな顔である。
 猟兵達が攻撃をしかねていたその時、デイヴィーがひょっこりと現れた。
「……ん? これも守り神の一種だろうか」
 そう言うやいなや、迷いもなくすっぽりと、蠱窋の怪へと身体を滑り込ませた。
「仕事もひと段落した気がするし、オブリビオンが来るまで休憩といこう」
 そのオブリビオンに下半身を埋めているのだが……。誰かがそんなことを指摘しようとしたが、あまりにしっくり来ている様子に、何とも言い出せない。むしろ、猟兵達も、その誘惑に耐えるのが難しくなっているようだった。
 そんな中でも、自前の暖房器具を用意していた紗希には効果が薄かったらしい。その為か、ひよこのうちの一匹がおもむろにミカンを持ち上げ、紗希へと向かって振りかぶり、投げようとする。だが。
 だんっ!! とテーブルが強く叩かれた。ひよこは驚いてミカンをぽろりと落としてしまう。デイヴィーの『偉大なる一撃』だ。
「雪うさぎのもふもふを味わえなかったんだ。ならばせめて、この甘美な一時を過ごさせてくれないか」
 むしろ誰にも渡すまい。そんな表情にも見える。だが、こたつの魅力は複数人で身体を近付けて暖をとれるというものもある。
「これが冬の魔物の本気か……!!」
「わぁ、あったかぁい!」
 気が付けば、ザフェルやリメイヤがこたつへと、足を入れていた。
「ザフェルさんまで!?」
 思わず驚く樒をよそに、ザフェルの表情が緩んでゆく。
「くっ、ダメです!それはオブリビオン……! 昨晩のかまくらや、そこの火鉢を思い出してください! あの楽しいひと時を!」
「ぬふふ、あったかいよー」
 さっきひよこが落としたみかんを拾いながら、紗希がにやにやと笑う。
 その様子に、ハッ、とザフェルの顔が引き締まった。
「おっと……いけねえ」
 ザフェルが立ち上がる。
「はっ、いけない。集中、集中……!」
 リメイヤも我に返ってこたつから離れる。
「ふー、しっかり堪能したし、お仕事に戻るとしよう」
 そして、デイヴィーもこたつから抜け出した。ようやく、開戦の準備が整ったようであった。
「ぴよよ」
「ぴよ」
 逃がすまい、とひよこたちが鳴く。その声に和んでしまえば、またもこたつの中に逆戻りだ。
「させません!」
 樒の護符が、テーブルに貼りついた。布団の隙間から出ようとしていた黒い手が引っ込んでいく。
「可愛らしい見た目だから少し気が引けるが、砕け散ってもらうぜ!!」
 その隙をザフェルは見逃さず、巨大な斧を振りかぶる。
「グラウンドクラッシャー!!」
 めきり、とテーブルが歪んだ。激しい衝撃が、周囲の雪までも吹き飛ばす。
 その衝撃で宙に浮いたひよこたちが、反撃とばかりにミカンを投げつけた。だがそのミカンは、投げつけたひよこごと、どこからか飛んできた投網に絡まってぽてりと落ちた。
「うんうん、これも後で食べるとして……ひよこはちょっと可哀想だから、どっかに落ちててもらおう」
 そう言って紗希が絡まったミカンとひよこをより分ける。
 激しいダメージに、攻撃手段は全て失われた。
「これで痺れさせてあげる!」
 リメイヤが、両掌から電撃を走らせ、蠱窋の怪へと放った。電撃を受けた蠱窋の怪の周囲に、電撃による火花が散った。その火花が炎を上げ、蠱窋の怪が燃え上がる。
「うわぁ、これはこれで、随分暖かそう」
 リメイヤが炎を見上げる。同時に、巨大な炎となった蠱窋の怪を見つめていたひよこたちが、キラキラと消えていった。オブリビオン消滅の瞬間であった。


「はー、もう一休み……」
 紗希が再び火鉢にあたって、身体を丸くする。
「これもとってもあったかいわね」
 リメイヤも一緒になって暖を取り始める。
「次は普通のこたつで暖まりましょうね」
「あぁ、あれはちょっと癖になるなぁ……」
 樒とザフェルもまた、こたつに思いを馳せる。
「さて、僕はみかんを食べるとしようかな」
 そう言うと、デイヴィーが、凍ったミカンを取り出した。
「冬に、暖かくして冷たいものを食べる、っていうのもオツだよね」

 こうして村に平和が戻った。雪はまだまだ降るだろうが、今までのような大雪とはならないだろう。そして、いずれ春がやってきて、暖かい陽気と共に雪が溶け、緑が芽吹く。
 でも、それはまだもう少し先の話。今はこうやって、皆と身体をつきあわせて暖をとろう。それも冬の楽しみなのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月23日


挿絵イラスト