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【UDC-P】新しい自分への変身

#UDCアース #【Q】 #UDC-P #ジャシンドライバー #グールドライバー・蓮華

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#UDCアース
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#【Q】
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#UDC-P
#ジャシンドライバー
#グールドライバー・蓮華


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●UDCアース
「……あれは?」
 その少女、藤野・蓮華は路地裏を横切ってゆく何かを見かけた。一瞬だったので、猫か何かかと思ったが、もっと別の、無機質な何かだったようにも見えた。
「あれはまるで……痛っ!」
 そして、『それ』を認識した瞬間、頭痛と恐怖感がよぎる。記憶にないのに避けなければいけない。そんな気持ちが湧き上がる。
「何……これは?」
 なぜ避けなければいけないのか理由が分からない。その『分からない』が彼女の足を動かした。
(理由も分からずビクビクしてたら、きっとこれから先も変われないと思う)
 何かの見間違い、大したものなんて向こうにはいない。それを確認するだけだ。そう思って路地裏に足を運んだ。

「……!! これは……っ!?」
 路地裏に入った蓮華が見つけたのは変身ベルト。男の子向けの特撮ヒーロー番組とかでよく見るそれだ。そして彼女は思い出す。

『ジャシンドライバー』

 かつて彼女の身体に取り憑き、いじめっ子達への復讐を行おうとしていた呪いのベルト。だが、実行に移す前にベルトは何者かに破壊され、蓮華もその時の記憶を失っていた。
 だが、その姿を見て蓮華は思い出してしまった。かつての自分に起きた事、そして自分でない力に飲まれそうになった恐怖感。関わってはいけないという警鐘が蓮華の中で鳴り響く。しかし、同時にここから離れられない、違和感のようなものが蓮華の胸の中に突き刺さっている。
(あの時のベルトとは……何か違う?)
 あくまで直感のようなものだった。そして、違和感の正体を悟る。
「怯えてる?」
 いじめに怯え、耐えていた時の自分にどこか重なる雰囲気を感じ取った。
「待って!」
 逃げようとするベルトを咄嗟に掴む蓮華、その瞬間、ベルトの意志のようなものが蓮華に流れてくる。
(離して!)(僕に関わらないで!)(無関係の人を巻き込みたくない!)
「ああ、そうか」
 この子も誰にも迷惑をかけないよう、一人で耐えて、我慢している。だったら私のできることは……蓮華がそう思った時、
「こんなところに逃げやがって」
「探す方の身にもなってほしいわ」
「でも、捕獲すればレアなUDCのメダルが手に入るらしいからさ」
 突如現れたのは、堅気ではない雰囲気の男女数人。腰には『ジャシンドライバー』が装着されている。
(戻りたくない!)(僕は……悪事に加担したくない!)(だから、離して!)
「おい、嬢ちゃん。その手に持っている物をこっちに渡しな。それは嬢ちゃんには過ぎたオモチャだ」
 ベルトの意思と男の声が同時に蓮華に降りかかる。そして、この状況に蓮華の腹は決まった。
「お願い、私を手伝って」
 そう言うと蓮華は手にしていたベルト腰に装着する。緊張で指先が冷たいが、操作方法は知っている。
(な、何を!?)
「私は、自分を変えたい! 自分の意志で、誰かを助けられるようになりたい! だから、あなたを助けさせて。そして、私を変えるのを手伝って! 貴方も、切り抜けるのに助けが必要でしょ?」
 ベルトをジャシン、ジャシンと操作し話しかける蓮華。
(……分かった、力を貸すよ)
「ありがとう!」
 ベルトの返事に礼を言った蓮華は、いつの間にか手にしていたメダルをベルトにジャシンと装着する。
「変身!」
 蓮華の掛け声とともに、戦闘用のバトルスーツが蓮華の全身を覆う。
「な、変身……しただと? ジャシンドライバーが使えるのか!?」
「か、構うことはねえ! こっちも変身だ! 数はこっちの方が上だ!」
「そ、そうよ。それに、レアそうなメダルを持っていたわ。ついでに頂いちゃいましょ!」
 急な展開に追ってきた男女は面食らったようだが、すぐに冷静さを取り戻し、彼らも変身する。
「私は……変わってみせる! 新しい自分に変身するんだ!」
 蓮華はそう言うと、武器を構えるのだった。

●グリモアベース
「で、ここで華麗に敵を蹴散らして……ってなればヒロイックな展開として万々歳なんだが、なかなかうまくいかないもんでな。戦闘経験も人数も向こうが上、このままだと蓮華もベルトも倒されちまう。その後どんなことが待っているは想像に任せるがな」
 そう猟兵達に話しかけるのは東方妖怪のグリモア猟兵、陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)だ。
「『UDCーP』って知ってるか? 何らかの異常により、オブリビオンとしての『破壊の意志』を持っていなかったUDCだ」
 通常、存在しているだけで世界の危機になりうるオブリビオンだが、『UDC~P』はそれらの危険が無い、UDCの突然変異のような存在だ。
「そこであんた達に頼みたいのは、邪神系の組織から逃亡したと思われるUDC『ジャシンドライバー』の保護とアフターケア諸々だ」
 柳火はそこまで言った後、頭をボリボリと掻く。
「だが、予知が不完全で『UDC-P』の居場所が分からねえ。ただ、邪神系組織の居場所ってのが見えたんだ。だからまずはそこで潜入捜査を行なってもらいたい。どうやら奴ら、UDCを使った非合法な地下闘技場を経営しているらしくてな」
 一般人にUDCを貸し出し、その力で戦わせる闘技場のようだ。そして、素質のある人間を集めて自分達の駒にしたり邪神への生贄にするのが目的なのだろう。
「幸い、まだ強力な邪神はいないからUDC組織と協力すれば制圧は難しくない。だが、そうなるとUDC-Pの手がかりも無くなっちまうからな。逃亡したUDC–Pの居場所を奴らが突き止めてくれることになるはずだから、信用を得て同行するなりこっそりついていくなりして、襲撃する所で保護して欲しい」
 そこまで行けば、後は荒事で解決できる。
「で、問題のUDCなんだが、『ジャシンドライバー』っていう変身ベルト型のUDCだ」
 人間に寄生し、UDCと戦えるような力を与える代わりに、装着者の心身を蝕み、そのうち装着者を支配するという。
「なんか特撮番組のヒーローみたいに見えてなかなか狡猾な奴らだ。ま、逃亡した奴は本当に『正義の心』に目覚めちまったのかもしれねーけどな」
 幸いにも猟兵はUDCーPとそうでないものを見分ける能力があり、乱戦になってもUDCーPをうっかり攻撃することない。そこで敵を倒し、邪神系組織も潰せばOKとのことだ。
「あとはアフターケアのことなんだが、UDC–Pを保護したら、UDC組織でUDC–Pの研究をすることになっている。その上でUDC–Pの扱い方を調べてマニュアル化して欲しいんだ」
 人とは違う存在である以上、一緒に暮らす上で難点がある。そこを解決する方法などをマニュアルにして欲しいとのことだ。
「人に寄生するUDCだから、何となく解決策は分かるとは思うんだ。あとは、それに伴って決めてほしい事がある」
 柳火は腕を組み、猟兵達を見回す。
「藤野・蓮華。逃亡したUDC-Pが遭遇する少女の名前だ。彼女は以前にも同型のUDC『ジャシンドライバー』に遭遇して、身体を乗っ取られた事がある。今回は自ら進んで変身したようだが、あいつにはUDCと何か縁がある……それこそグールドライバーやUDCエージェントの素養があるかしれねえ」
 もしそうであれば、今後も何かUDC関連の事件に巻き込まれるかもしれない。
「だから、ついでに彼女を今後どうするかも一緒に考えてほしい。頼んだぜ」
 そう言うと柳火は猟兵達をUDCアースへ送り出すのだった。


麦門冬
 どうも、マスターの麦門冬(むぎと・ふゆ)です。今回はUDCーPのシナリオを送らせていただきます。以前のシナリオに登場したキャラも出てきますが、あまりその辺は気にしなくて大丈夫です。
 第1章では、邪神系組織が経営している地下闘技場に潜入してもらいます。選手として潜入しても、スタッフとして潜入しても構いません。成功度に達たら逃亡したUDCーPの居場所を相手が掴むシーンに出くわします。
 第2章では、UDC『ジャシンドライバー』を倒し、UDCーPを保護します。保護すれば、邪神系組織を放っておく理由も無くなりますので、第3章に入る前に特に細かい描写なく「組織は壊滅した」ことになります。
 第3章では、保護したUDC-Pを研究する上で必要なマニュアルを作成します。基本的にUDC-Pは人道的な範囲で協力してくれます。ついでに事件に巻き込まれた少女、蓮華をどうするか(記憶を消す、組織の監視下に置く、組織に勧誘する)なども決めてもらいます。

 以下、補足事項です。

●ジャシンドライバー
 変身ベルト型UDCです。人間に寄生し、力を与える代わりに徐々に心身を支配します。身体能力を強化する他、強化アイテムで形状が変わる武器なども持っています。

●UDCーP
 特に個体名はまだありません。人々を騙し悪事を働くのが嫌になり、逃亡しました。ベルト単体でも動けるようですが、人に寄生しなければ戦闘はできません。

●藤野・蓮華
 大人しくて自己主張の弱い娘でしたが、とある事情で「変わりたい」と思っています。彼女が過去に登場したシナリオは「#ジャシンドライバー」で検索する事ができます。

●邪神系組織
 組織としては大きくなく、ボス敵クラスの邪神などもいません。地下闘技場を経営し、闘技場の選手から自身の手駒や生贄などを集めていました。2章と3章の間に潰される予定です。

●地下闘技場
 参加者に『ジャシンドライバー』を貸し出し、人間の能力を超えたバトルをさせて資金を集めています。猟兵が潜入した際もジャシンドライバーは貸し出されますが、猟兵なら乗っ取られる心配はありません。ジャシンドライバーは基本的に、邪神系組織を潰した際に一緒に処分されます。
 もしもジャシンドライバーを持ち帰っても、こちらからアイテムとして発行することはありません。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『UDCバトラーズ』

POW   :    自分もバトルの選手として潜入する

SPD   :    戦っているバトラー達のサポートとして接触する

WIZ   :    バトルで利益を得ている者達について調査する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地下闘技場
 非合法で行われている地下闘技場。ここには大金を掴むため、自信の力を試すため、様々な理由でならず者達が集まっており、さらには彼らに金を賭ける観客達で異様な熱気に包まれている。
「ヒッヒッヒ、あんた見ない顔だねえ。ここは初めてかい?」
 選手登録の受付に現れた青年は声をかけられ、静かに頷く。
「そうかいそうかい。なら、ここに名前を書いてくんな。それで登録完了だ。もちろん本名でなくて構わないさ。そうそう、それでいい」
 登録を済ませた青年に受付はさらに声をかける。
「聞いちゃいると思うが、ここはなんでもアリの場所だ。ルール無用の武器の持ち込みもありだ。何なら、『うちの武器』を使ってくかい?」
 その言葉にごくりと唾を飲む青年。
「やっぱり目当てはそれかい? ああ、もちろん貸し出すとも。金が貯まったら買い取ってくれたって構わないよ」
 そう言って受付が出したのは変身ベルト『ジャシンドライバー』だ。青年は恐々とベルトを手に取り、重さを確かめるように持ち上げる。
「さて、試合はどうするかい? その気になればすぐに対戦カードを組んでやってもいい」
「そ、それじゃあ……」
 そんなやりとりが今日も地下闘技場で行われるのだった。

(※選手として潜入する場合はジャシンドライバーを貸してもらえますが、別になしで戦っても構いません。また、猟兵がジャシンドライバーを装備しても、元々が強いので劇的に能力が向上することもありません。
 潜入方法は、選手として派手に勝ち上がって組織の幹部に声をかけてもらう他、スタッフに変装して情報収集をするなど、自分の得意な方法でやっていただいて構いません。
 それでは皆様のプレイングをお待ちしております)
ユニシィ・シンクリドル
救いを求める手を拒む理由はありません
私に出来る事でしたら力になりましょう

地下闘技場にバトル選手として潜入
人間の少女に見える格好と演技で挑みます
「あ、あの…子供でも参加できますか?」
「お父さんが、お金がないって言ってて…」
どうやってこの場所を知ったのか等、
返答に困ったら半泣きの怯えた態度でやり過ごしたいです
ジャシンドライバーを勧められたら躊躇いなく装着
「勝ちたいから、つけます」

後は、幹部に声を掛けて貰えるよう全力で勝ち抜きます
リング上では、回路をパワーモードに切り替え
気絶させる程度の出力に抑えたパンチを用いて戦います

子供の参加を止めない時点で外道の組織ですし
ボコボコにしても構わないと判断しました




(救いを求める手を拒む理由はありません。私に出来る事でしたら力になりましょう)
 そう決意して地下闘技場へと足を運んだのはユニシィ・シンクリドル(Healing Unisus・f37141)、レプリカントの女性である。猟兵を支援するUDC組織のバックアップのもと、実年齢よりも幼く見える格好へとしてもらっている。
「あ、あの…子供でも参加できますか?」
 そしておずおずと受付へと声をかける。
「お嬢ちゃん、ここがどんな場所か知っているのかい?」
「お父さんが、お金がないって言ってて……」
 受付の言葉に涙目になりながら返答するユニシィ。細かく聞かれるようならこの態度で押し切ろうとも思っていたのだが、
「ヒッヒッヒ、そうかい。なら、この登録書に名前を書くんだね」
「いいん……ですか?」
 あっさりと参加を認めてくれたことに若干戸惑うユニシィ。
「ここは聞かれたくない経歴を持つ奴らがいっぱい集まるからねえ。そうそう、住所か銀行口座も一緒に書いておいた方がいいよ。その方が嬢ちゃんに何かあった時にも親父さんにお金を届けられるからねぇ。ヒッヒッヒ」
 受付は軽く笑った後、『ジャシンドライバー』を借りるかどうか確認する。ユニシィの答えはもちろん決まっている。
「勝ちたいから、つけます」
「ヒッヒッヒ、それはよかった。嬢ちゃんみたいな子が参加すると、観客も多く集まるからねぇ」
「そう……ですか」
 受付の口ぶりからして年端の行かない少女が参加した事が過去にもあったのだろう。その後の彼女達の運命はあまり想像したくないところだが。
「早速、試合のカードを組むかい?」
「はい……お願いします」
 だが、これでユニシィの腹は決まった。

「へっへっへ。お嬢ちゃん、こんな所に来たのが運の尽きだったな」
 対戦相手の男は下卑た笑みを浮かべる。
(そういうことですか)
 ユニシィは周囲の観客も見回す。おそらく彼らが期待しているのは血湧き肉躍るバトルというよりも、いたいけな少女が一方的に痛ぶられるシーンなのだろう。
(ですが、幹部に声を掛けて貰えるよう頑張りませんと)
 演技で観客の期待に沿うこともできるが、それではUDC~Pの捕獲に声をかけて貰えないだろう。
「さあ、まずはその身をひん剥いてやるぜぇ!」
 試合が始まり、互いにジャシンドライバーで変身すると、男はユニシィに掴みかかろうとするが、
「シッ!」
「グボアァ!!」
 回路をパワーモードに切り替えたユニシィの拳が男の鳩尾にカウンター気味にめり込む。あまりの痛みに悶絶し、膝をつく男。
(子供の参加を止めない、ましてや利用する時点で外道の組織ですし、ボコボコにしても構わないでしょう)
 そこから振り下ろすようにパンチの連打を相手の顔に叩き込むユニシィ。一応、気絶させる程度に出力は抑えているが、観客からは容赦ない攻撃を浴びせているように見えるだろう。
 やがて男は何もできず、そのまま前のめりに倒れる。
「お、おおおおおお!!」
 番狂わせな展開に、それはそれで盛り上がる観客達。
(これを続けていけば、幹部に声をかけてもらえるようになるでしょう)
 仮面に隠されたユニシィの目線は、幹部がいるであろう特別席を捉えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サンディ・ノックス
【POW】選手として潜入する
ジャシンドライバーを借りて装着
劇的な能力向上は得られないし、元々俺は「名もなき武器」に寄生されているようなものだから、別の寄生する存在を身に着けるとアイツの機嫌が悪くなり逆効果になると思う
でもこれはUC弱者の仮面の発動条件を満たすため
ジャシンドライバーを身に着けたとほくそ笑む邪神系組織を、思い通りに事が進んでると思わせておいて破壊してあげるのが愉しみだよ

UCの効果で更に高められた身体能力を活かし、パンチやキックで闘技場を勝ち上がっていく
愛用の黒剣やワイヤーを使うとUDCの一般人らしくないもんね
行動や思考は一般人を演じていることを意識しつつ、高い身体能力で戦っていくよ



●バフとデバフ
(身体強化は感じられない……いや、むしろ……)
 闘技場にて『ジャシンドライバー』によって展開された戦闘スーツに身を包み、対戦相手と戦闘しながらサンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)は自分の現状を分析する。ズキリと心臓の辺りに痛みが走る。
(これは逆効果だよね)
 サンディは元々『名もなき武器』と呼ばれる呪われた武器に寄生されている。おそらくはソイツが新しい寄生生物に機嫌を悪くしてサンディにちょっかいをかけているのだろう。おかげで調子が悪い。
「? やる気がないのなら、こちらから行くぞ!」
 調子が悪いのを、何か勘違いした対戦相手は手にしたガンナイフにメダルを嵌める。すると、武器の形状が鞭へと変化する。
「そろそろ頃合いか」
 攻撃を仕掛けてくる、相手の鞭を手で掴んで受け止めるサンディ。
「何!?」
 予想外の動きに戸惑う相手。
(ジャシンドライバーを身に着けたとほくそ笑む邪神系組織を、思い通りに事が進んでると思わせておいて破壊してあげるのが愉しみだよ)
 サンディのユーベルコード【弱者の仮面】はあることの為に不利な行動をすると、身体能力が増大するユーベルコード。そして、あることとは、『自身の愉しみ』である。
 鞭を掴んだ腕でぐいっと鞭ごと相手を引っ張るサンディ。
「うおっ!?」
 引っ張られ、収納ボタンを押された掃除機のコードの如くサンディの元へ飛び込んでゆく対戦相手。
「今回は僕の勝ちだね」
 そう言いつつ相手の顔面へと拳を叩き込むサンディ。これで勝負は決まったようなものだ。
(愛用の黒剣やワイヤーを使うとUDCの一般人らしくないとは思ったけど、あの鞭を見るに、それらしい装備を調達することは可能かな?)
 後で判明するが、稼いだ賞金などで武器や強化アイテムのようなものを購入することも可能らしい。
(何はともあれ、まずは一般人を装いつつ勝ち上がっていくことを考えようか)
 そう考えつつ、サンディは相手へとどめの追撃を入れるのだった。。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
ゆらりと現れてドライバー希望する
偽名は『マッドフォックス』
参加動機は『祭りが見たい』だ

舞台にあがり変…身ッ!
漆黒コスに真紅の目が輝くのだ、ジャシィィン!
決め台詞は「今宵の贄は貴様か」

殺気を剥き出し、呪詛のオーラ防御を具現化し観客席を盛り上げる
弱そうなのが出てきたらパンチ一発で気絶攻撃しておきます
ぬるい…

バトルロワイヤルだ―
運営を威圧して力に溺れた狂人の大量投入を希望するぜ

怪力で掴んだ相手を観客席まで投げたり、剣刃一閃で敵のドライバーを切断する
殺害・重傷に注意しながら暴れるよ
恰好良いポーズも大事

贄が足りない―
狂った台詞を残して舞台を去り…
運営に観客の盛り上がり具合を聞いておきましょ
ノリノリである



●お祭り狐の大立ち回り
「ヒッヒッヒ。『マッドフォックス』……いい名前じゃないか。イカれた奴らが集まるこの場所に相応しいじゃないか」
 参加登録を済ませた四王天・燦(月夜の翼・f04448)に受付はそう声をかける。
「そうか? なら、いい『祭り』を見せてくれるかい?」
「ヒッヒッヒ、『祭り』と来たか。お前さんが本物かどうか見定めさせてもらおうか。で、対戦を希望するならカードをこちらで組むが?」
「なら、頼みたいんだが」
 燦は受付に顔を近づけ、何やら提案を持ちかける。
「ヒッヒッヒ。初参加でそんなことを持ちかけてくるとは、なかなかのイカれ具合だ」
「で、やれんのか?」
 凄みをきかせて受付を威圧する燦。
「構わんよ。ただし、場をしらけさせちまったらアンタ自身で責任を取ってもらおうか」
「よし、交渉成立だな。あとは頼んだぜ」
 相手の答えにニィッと笑う燦であった。

 そして燦の試合が始まる。
「変…身ッ!」
 掛け声と共にベルトを操作して変身する燦。漆黒のバトルスーツに身を包み、真紅の瞳がジャシィィン!と輝く。
「今宵の贄は貴様か」
 そしてビシィッ! とポーズを決める。
「おうおう、新人がイキってんじゃねーか。いい歳してヒーローごっこは流行らな……ぶべっ!?」
 燦に対して侮った態度で悠然と歩み寄る対戦相手だったが、燦が繰り出したパンチを顔面に受けて早々にKOしてしまった。
「ぬるい……」
 あまりに手応えのない相手に燦の体からさっきと共にドス黒いオーラのようなものが漏れ出る。
「贄を、もっと持ってくるがいい!」
 その言葉と共にオーラをさらに放出する。そのパフォーマンスに観客達はおお!とどよめく。
「ならよぉ」「これならどうだい?」
 そんな声と共に舞台へとゾロゾロと上がり込んできたのは、先ほどの対戦相手と同じく『ジャシンドライバー』で変身した者達だ。それが集団で現れたのだ。
「なんでも活きのいいルーキーが来たってことでよぉ、歓迎会のお達しが来たもんでな」
「あんなラッキーパンチで終わっちまうのも不完全燃焼だろ?」
「だから俺達が相手してやんよ!」
 口々にそう言うと、武器を抜く新しい参加者達。
(あの受付がうまく手を回してくれたってことか)
 対戦相手達を見回し、燦は敵の群れへと飛び込んでいくのだった。

「……贄が足りぬ」
 結果的には最初の対戦相手に毛の生えた相手しかおらず、燦の独壇場だった。相手をちぎっては投げ観客席と叩きつけ、【剣刃一閃】で相手のジャシンドライバーを破壊し、最後には積み上がった敗者達の上に立ち、意気揚々とポーズまで取ってみせた。それでいて、相手やベルトが再起不能にならない程度に手加減する配慮は見せていたのだ。
「次はもっと息のいい奴を連れてくるがいい」
 試合が終わり、舞台から控室へ繋がる通路で、燦は知った顔に遭遇する。
「ヒッヒッヒ、どうやらアンタは本物だったようだね」
 燦の選手登録を行なった受付である。
「で、観客の反応は?」
「大盛り上がりだよ。賭け金もかなりの額が動いた。新人戦にしては異様なくらいにね。取り分は期待するといいよ。ヒッヒッヒ」
 どうやら燦の目論みは大成功のようだ。これなら、上に顔を覚えられるのもすぐだろう。
「次もよろしく頼むよ。ヒッヒッヒ」
「ああ、任せろ」
 そう言うと、燦は通路の向こうへと去っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
選手として出てもいいんだけど目立ちそうだからスタッフとして潜り込む
ウィーリィくんと一緒に新人スタッフとして参加

なんだけど、このカッコどうにかならない?
(※ミニのチャイナ服)
そりゃ確かにボクは料理とかできないけど、何か変なサービスだと勘違いされそうじゃない?
ウィーリィくんには文句を言いながら、それでも組織の幹部には営業スマイル☆
幹部の前では【挑発】で注意を逸らして怪しまれないようにしながら、逃亡したUDC–Pに関する資料みたいなものがあればそれを【ゴースト・シャーク】でサメさんバッグの中に【盗み】、食事を提供したらボロが出る前に引き上げる
UDC–Pの資料は後で役に立つはずだからね


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
シャーリーと一緒に調理スタッフとして潜入。
「失礼しまーす! 頼まれてた食事、お持ちしましたー!」
組織のお偉いさんに給仕しながら【早業】【物を隠す】で気付かれないように盗聴器を仕掛ける。
当然向こうも知らない顔が入ってくれば不審がるだろうけど、その辺は【料理】で誤魔化す。
「誰だって言われても見ての通り料理人ですよ? まだ入ったばかりだから馴染みがないだけで。疑うならそこの料理を一口食べれば『本物』だってわかるはずですよ?」
で、料理で納得させたところで給仕を済ませたらさっさと退室。
部屋の外で盗聴器で中の会話を聞いてUDC–Pの捜索状況を盗聴し、居場所を突き止めるまで待つ。



●もう一つの潜入ミッション
「ふむ、最近闘技場の参加者の質が上がったようですな」
「おかげで最近の賭博による収益も右肩上がりですな。はっはっは!」
 闘技場での試合を行うための舞台を遥か高みから見下ろせる部屋。そこから食事を楽しみつつ観戦しているのは、この地下闘技場を牛耳る邪神系組織の幹部達だ。
「中には相当の実力者が突如新規で参加しているような話もあったが、正体は探らないでいいのかね? もしかすると他組織のスパイなども……」
「失礼しまーす! 次の食事、お持ちしましたー!」
 幹部のうちの1人が何か言おうとしたところで、料理を積んだワゴンを運ぶ男女が部屋へと入ってきた。
「そう言えば、見ない顔だな」
 見覚えのないスタッフだった為、訝しむものもいたが、
「まだ入ったばかりですから。皆さんに顔を覚えてもらえるよう、料理を頑張らせていただきますよ。腕には自信がありますから、どうぞご賞味ください」
 料理人の男性は爽やかな笑みを浮かべ、そう答える。
「おお、この料理は君が作ったのか。料理の質がだいぶ上がったと思ったが、そうかそうか」
 別の幹部そう声をかけたところで、訝しんでいた幹部それ以上の追求はやめる。
「うむ、確かに美味かったな。せいぜい励むがいい。で、なんの話をしていたところだったか?」
「他組織のスパイだったらどうするか、と言う話だ」
「構わないではないか。もしそうであれば邪神様への生贄に、UDCであればメダルなどに加工してしまえばいい」
「ああ、それもそうか」
「貴殿は心配しすぎだ」
 そして会話へ戻る幹部達。
「それでは、本題に入ろうか。この前脱走した個体……『UDCーP』についてだが……資料は手に渡ったか?」
 幹部のリーダーであろう男が確認するが、幹部のうちの1人がキョロキョロと見回す。
「これ、落としてましたよ」
 料理を運んできた女性スタッフが紙束を拾い上げ、幹部の男に渡す。
「む、いつの間に落として……!」
 渡してくれた女性はチャイナドレスをベースにした衣装だが、胸元やスカートのスリットか大きく開いている。
「いやぁ、これはどうも」
 資料を受け取った幹部はだらしなく鼻の下を伸ばしている。
「それでは失礼いたしました。料理をどうかごゆっくりお楽しみください」
 そう言ってスタッフ達は部屋から出てゆくのだった。

「うまく行ったみたいだね、ウィーリィくん」
 誰も使っていない部屋にそっと入り、女性スタッフ…… シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は料理人…… ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)にそう声をかける。
「ああ。俺の料理がうまく効いてくれたみたいだな」
 ウィーリィのユーベルコード【華味三鎮】は料理の腕前を披露された相手に安らぎの感情を与えるユーベルコード。その効果により危機感などが薄れたようで、大して疑われることなく幹部達のいる部屋で『作業』を行うことができたのだ。
「こっちはバッチリだ」
 ウィーリィは先程の部屋に盗聴器を仕掛けており、部屋から出た後も会話を聞けるようにしている。
「そっちは?」
「こっちも大成功だよ♪」
 ウィーリィの問いかけにシャーリーは笑顔で応え、情報端末に記録された資料のデータを見せる。
 シャーリーはシャーリーで、狙った対象をこっそり盗むユーベルコード【ゴースト・シャーク】で気づかれないように幹部の1人から配られていた資料を盗み取り、その内容気づかれないように映像データとしてとしてコピーを撮り、何食わぬ顔で返却していたのだ。
「それにしても、このカッコどうにかならなかったの?」
 シャーリーの着ているチャイナ服は色々と際どく、互いの作業のために幹部達の視線を逸らすのに大いに役立ってくれたが、着るのにかなり勇気が要る格好である。
「そりゃ確かにボクは料理とかできないけど、何か変なサービスだと勘違いされそうじゃない?」
「いや、仕方ねえだろ。用意してくれたのは俺じゃねえし」
 潜入する際、猟兵を支援するUDC組織のバックアップを受けて潜入するための衣装も用意してもらったのだが、このチャイナ服もUDC組織のお姉さんがノリノリで用意したものだったのだ。
『UDC-Pはこちらには都合の悪い個体、失敗作のようなものだ。今後も出てくるようであれば脱走される前に処分できるよう対策を講じねば……』
 そんな中、盗聴器を通じて幹部達の話し声が聞こえる。
「これでUDC–Pの捜索状況と居場所を突き止められればいいが」
 思考を作戦の方へと戻し、ウィーリィとシャーリーは資料を確認しつつ、幹部達の会話を盗聴するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雪・兼光
……ガキの勇気は買うがな。
いいさ。邪神の駒を潰すチャンスだ。

ウォーミングアップだ
選手として登録してみるか
武器?悪いな俺にはこれ(ブラスター)があるんでね、ノーサンキューだ。

せっかく選手にも接触するんだ。
ここの選手達が何人ぐらいドライバー使っているか。
ここ突然いなくなった人間がいないか。
運営のことをどこまで知っているか。
実際、賞金の支払いはされているか。
情報収集とコミュ力で聞いて見るか。

○バトル中
うわぁーブラスターがふっとんだー(棒読み)
なんてな、ユーベルコードで相手をなぐったり、飛び道具を弾いたりするぜ。

ウォーミングアップなんだ
十分に動かないとな。



●頼らざる者
(……ガキの勇気は買うがな。いいさ。邪神の駒を潰すチャンスだ)
 そう心で呟きつつ、選手登録を行なっているのは雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)だ。
「さて兄ちゃん、どうだい? うちの武器を使ってみるかい?」
「武器? 悪いな俺にはこれがあるんでね、ノーサンキューだ」
 受付の提案に兼光は自身の持っているハンドガンサイズのブラスターを見せる。
「ヒッヒッヒ。すでに自前のものがあるならそれでも構わないさ。だが、もしも新しく武器が必要になるならば、いつでも受け付けているでな」

(せっかく選手にも接触するんだ。ある程度情報を集めてみるか)
 選手控え室で兼光は選手達に声をかけて色々と訊いてみる。兼光の眼光の鋭さを気にするような者もおらず、彼自身のコミュ力も相まって、聞きたいことは大体聞けたようだ。

「ここの選手達が何人ぐらいドライバー使っている?」
「全体の8〜9割がドライバー使いだ。運営側が貸してくれるのも大きいしな。その他はグールドライバーやUDCエージェント崩れなど、ドライバー無しでもある程度戦闘力のある奴が参加する」

「ここ突然いなくなった人間がいないか?」
「たくさんいるが、誰も気にしない。まとまった金が出来て来なくなった奴、犯罪者として外で捕まった奴、大怪我等で選手を続けられなくなった奴。理由を挙げればキリがないが、脛に傷があるものも多く、あまり詮索しないのも暗黙のルールになっている」

「運営のことをどこまで知っているか?」
「ヤバい組織だと知っているものは多いとは思うが、そうした所にしか頼らざるを得ない奴らだっている」

「実際、賞金の支払いはされているか」
「されている。額は観客数、賭け金の額、勝敗などで変わってくる。そのため客を集めるパフォーマンスをする者なんかもいる。ジャシンドライバーを闘技場の外でも使えるよう、借りていたものを購入したり、その他強化アイテムのようなものを買ったりで金が貯まらない奴もいたりするが」

「非合法の組織だからな。危険と分かっていても頼らざるを得ない奴らもいるってところか」
 情報収集を終え、兼光はそう総評する。
「さて、ウォーミングアップに行ってくるか」
 そして今度は試合へと向かう。

「うわぁーブラスターがふっとんだー」
 兼光の棒読みの悲鳴が上がる。序盤はブラスターを撃ち、善戦しているようだったが、相手の攻撃で手元からブラスターが弾き飛ばされてしまった。
「お前のあの銃はクランケヴァッフェ(UDCの肉体を加工して造り上げた武器)か? ドライバーなしで戦うなんて大した自信みたいだったが、それもここまでのようだな」
 武器がなくなり形勢逆転に酔いしれる対戦相手。だが、
「なんてな」
 兼光はその両拳に生体エネルギーを纏うと、そのまま【■■■式護身術】による拳の連打を浴びせる。
「グボアアアアアッ!!」
「武器がないと何できないと思ったのか?」
 思わぬ攻撃に倒された相手を見下ろしつつ、腕周りをぐるぐるさせながら、調子を確認する。
「ウォーミングアップなんだ。十分に動かないとな」
 ドライバー無しでここまで戦える実力。幹部から声をかけられるのも、そう遠い話ではないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

んー?その方、以前助けた方ですよねー。
一度関わったのです、放っておけませんてー。

選手としていきましてー。あ、名前はそのままでー。
(今の名は認識術式で、元から偽名みたいなものですし ボソッ)
まあ、漆黒風あたりなら『釘』や『鎹』を改造したって言い張れるのでー。

(試合中ものほほんとしている)
ふふふ、見た目で侮るなかれ、ですよー?
そしてまぁ、気絶させるように手刀ですよねー。たまに平らな方での殴打もしますけどー。
ふふ、まあ生命力吸収だけはしてるんですが、それも疲労困憊程度にしてますからねー。



●放っておけぬは
「んー?その方、以前助けた方ですよねー。一度関わったのです、放っておけませんてー」
 グリモアベースで蓮華の話を聞いた時、のほほんとした態度でそう話したのは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)だ。義透は以前、ジャシンドライバーに取り憑かれ、取り返しのつかないことをしようとしていた蓮華を止めた経緯がある。それゆえに放っておくわけにはいかなかった。

(名前はそのままで登録してしまいましたが、いいですよね。今の名は認識術式で、元から偽名みたいなものですし)
 そして義透も選手として潜入し、今まさに『ジャシンドライバー』で返信した相手と対峙しているところだ。
「『漆黒風』あたりなら釘や鎹を改造したって言い張れるのですがー、そこまで気にする必要はなかったですかねー?」
「何をブツブツと。余裕ぶっているのも今のうちだ!」
 武器の形状を槍へと変え、突っ込んでゆく。
「あれが大丈夫なら『黒燭炎』とかでもよかったかもですがー」
 のんびりとした口調で義透……を構成する者の一人、『疾き者』は高速で相手の背後に回り込むと、観客んほとんどが見逃してしまうようなスピードで手刀を首の後ろに叩き込む。
「ぐえっ」
 急所に攻撃を叩き込まれ、対戦相手はそのまま倒れ伏す。
「呪詛を受けていたことに気づかなかったなんてー、まだまだですねー。ふふ、まあ生命力吸収だけはしてるんですが、それも疲労困憊程度にしてますからねー」
 ユーベルコード【四悪霊・『解』】で程よく生命力を奪った上で意識を刈り取る攻撃を叩き込んでいたのだ。ほとんどの者、対戦相手を自身を含めて、何かが起きたのか分からなかっただろう。
「これを何度か繰り返せばー、向こうのお眼鏡にかないますかねー?」
 終始のほほんとした様子で、義透はそう呟くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロウガ・イスルギ
アドリブ歓迎
選手として潜入
ジャシンドライバーは借りない

得物はコイツで十分だ。ただのフック付きワイヤーだろうって?
まあそういうことにしとこう、今はな

戦闘:守備時は【カウンター】【残像】【早業】による回避
トロすぎらあ、そんなんじゃ俺の尻尾の影すら踏めねえぞ!

攻勢時は【先制攻撃】【二回攻撃】【グラップル】
死なない程度に手加減はしとくか
「武器」に頼りすぎ……いや使われてるレベルだな。
ヘソで茶会が開けちまうぜ!

UC絶冥拘縄使用
相手のジャシンドライバー破壊、戦意喪失TKOを狙い幹部にアピール

ロウガの名において命(銘)ずる!グレイプニル!ジャシンブレイクだ!
バラけて爆ぜろ!
『ストラングラーフィニッシュ』!



●ジャシンブレイク!
「アンタは『ジャシンドライバー』を使わないのか?」
 地下闘技場の舞台にて対戦相手にそう声をかけられたのは白虎のキマイラ、ロウガ・イスルギ(白朧牙虎・f00846)だ。
「得物はコイツで十分だ」
「ただのフック付きワイヤーだろう」
 獲物を見せたロウガの返答に対戦相手は鼻で笑う。
「色モノ相手に勝ったって大したアピールになりゃしないんだ。とっとと終わらせる」
 ロウガに向けてガンナイフから銃弾が連射される。
「トロすぎらあ、そんなんじゃ俺の尻尾の影すら踏めねえぞ!」
 だが、ロウガは残像を残すようなステップで銃撃を華麗に回避する。
「なら、これでどうだ! メダルチャージ!」
 相手は何かのメダルをガンナイフに嵌めると、エネルギーを溜める。
「吹き飛べ!!」
 引き金を引くとともに、銃口から拡散されたビームが発射され、ロウガに襲いかかる。
「やったか!」
「『武器』に頼りすぎ……いや使われてるレベルだな」
「!?」
 上方からロウガの声。見上げると、天井からフック付きワイヤー『グレイプニル』にぶら下がっているロウガの姿。巧みなロープワークにより、上へ移動することで回避していたのだ。
「ヘソで茶会が開けちまうぜ!」
 そういうと今度はグレイプニルを相手へ飛ばすロウガ。
「ロウガの名において命(銘)ずる! グレイプニル!ジャシンブレイクだ!」
 相手は咄嗟に回避しようとするが、蛇のように執拗に追いかけるグレイプニルから逃れられない。
「バラけて爆ぜろ! 【ストラングラーフィニッシュ】!」
 グレイプニルがベルトへと巻きつき、切断する。ロウガが地面へ着地すると共にジャシンドライバーのバックル部分も地面に落ち、変身が強制的に解除される。
「まだやるかい?」
「ま、参った!」
 相手は戦意を奪われ、もう戦えないだろう。
(さて、これで幹部にはアピールできたか?)
 ロウガそっと特別席の方を見やるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ジャシンドライバー・戦士形態』

POW   :    ジャシンパンチorジャシンキック
自身の【装着者の血液または生命エネルギー】を代償に、【UDCとしての強大なパワー】を籠めた一撃を放つ。自分にとって装着者の血液または生命エネルギーを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    ジャシンネットワーク
【ジャシンドライバー装着者】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[ジャシンドライバー装着者]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    ジャシンメダル
妖怪【またはUDC】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【なった武器の形状が変化し、特殊能力を得る】効果を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そして運命の日
「じゃあね」
「うん。また明日」
 最近仲良くなったクラスメイトに別れを告げ、その少女、藤野・蓮華はため息をつく。
「はぁ……」
 学校で長年受け続けていたいじめがある日突然なくなった。いじめグループはちょっかいどころか話しかけることすらなくなり、彼女達の影響を恐れていたクラスメイトなども蓮華と仲良くするようになり、有体に言えば、月並みの学校生活を送れているはずである。
 だが、彼女の気持ちはどこかモヤモヤしたものがあった。原因も何となく分かっている。
「私、このままでいいのかな?」
 いじめグループは自分達の悪事がネットに流出し、自滅するような形で大人しくなった。周りは『よく耐えた』と褒めてくれたけど、その評価は違う。
「私は、何もしていなかっただけ。逆らいもしなかったし、助けもしなかった」
 いじめの標的が友達に変わった時、自分は何もしてあげられなかった。その友達はいじめに耐えかねて行方をくらましてしまった。
「本当は私が助けなきゃいけなかったんだ。一美も、私自身も。私、変わらなきゃいけないよね」
 そう自問自答する日々であったが、今日はいつもと違ったのだった。
●召集
「今回、君達に集まってもらったのはある任務を頼みたいからだ」
 地下闘技場、とある一室に呼び出された選手達はこの闘技場の中でもトップランカーであり、その中には猟兵達も混ざっている。そして、その部屋に邪神組織の幹部が何名か現れ、口を開く。
「今、組織で新しく開発している新型の『ジャシンドライバー』が脱走した。それの処分を頼みたい」
 組織幹部の言葉に選手達はざわつく。
「おいおい、脱走って何だ? 自分の足であるとでも言うのか?」
「脱走……何か人工知能のようなものが搭載されたのが新型ということか?」
「ああ、そのように思ってもらって構わん」
 依頼に対して、疑問を口に出す選手達。そしてその疑問に答える組織幹部。
(なるほど。闘技場で戦わせている奴等にはジャシンドライバーに意志があって、精神を蝕んでいっていることは秘密にしてるってわけだ)
(知能が搭載された『新型のドライバー』って設定にすることで、彼らに与えているドライバーにはそうした機能はないと思わせつつ、脱走できた理由について整合性をつけるということか)
 幹部の言葉にそう考察を入れる猟兵達。
「へへ、こういう任務は初めてか?」
 猟兵の一人にそう声をかける選手がいる。
「時々あるんだよな。脱走したドライバーってのは初めてだが、秘密裏に世の中に蔓延る化け物……UDCっつったか? それを討伐する依頼とかな」
 先輩面したいのか、結構色々とと喋ってくれる。
「報酬もいいし、UDCを討伐した時は、それを素材にした装備やメダルなんてのも優先的に回してくれるしな」
 選手達はどうやら試合以外で稼げる収入源くらいにしか認識はしていないようだ。
 そうこうしているうちに、新型を処分できた時の報酬の話や逃亡したとみられる場所についての情報提供がされる。
「それでは頼みましたよ、皆さん」
 そう言って部屋を出ていく選手達を見送る幹部達。そして、幹部達だけが残る。
「UDCーP? か。イレギュラーな存在というものは、いてもらっては困るのだよ」
「まったくだ。こちらの意に沿わないのであれば排除しなければならないのだから」
 自分達だけになったからか、本音を語り合う幹部達。ちなみにこの部屋も猟兵の仕掛けた盗聴器があり、会話は丸聞こえである。
「しかし、今回は確実に処分したいから多めに戦力を投入したが、他組織の横槍が心配ですなあ。特に猟兵などと手を組んでいるUDC組織ですか。あれらが出てこられると厄介極まりない」
「大丈夫でしょう」
 幹部の一人が懸念材料を漏らし、もう一人がそれを打ち消す。
「いざとなれば装着者の意思を奪い、その上で【ジャシンネットワーク】で連携を取れば、一国の軍隊にも勝るとも劣らない働きをしてくれるでしょう」
「それもそうか。最近、心配事がなくなって順調だったもので、少し心配になってな」
「確かに最近はあまり思い悩むことは減りましたなあ。そのおかげか最近の食事もうまく感じられますしな」
 危機管理能力がどこか薄れていることに気づかないまま幹部達の呑気な会話は続くのだった。

(※第2章の場面は『ジャシンドライバー』の装着者達が蓮華達と遭遇し、変身したところ(OPのシーン)から開始します。猟兵の居場所は装着者に紛れているでも、近くに身を潜めているでも構いません。
 蓮華もジャシンドライバーで変身しているので、彼女を守るプレイングがなくてもペナルティ等はありませんが、共闘するなら武器(日本刀状のもの)を振るって戦ってくれます。
 ユーベルコード【ジャシンネットワーク】を使用すると装着者の意思を奪ってパワーアップすると思ってください。つまり猟兵は意思を奪われないのでネットワーク圏外です。
 ユーベルコード【ジャシンメダル】の効果はプレイングに書いてあれば、それを採用しますが、特になれば攻撃力アップや命中力アップのメダルをはめて斬撃や射撃をするものと思ってください。
 邪神系組織はこの戦闘が終われば、ダイジェストで壊滅してくれるので、それに対してプレイングを入れる必要はありません。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております)
サンディ・ノックス
近くに潜んで蓮華さんの変身を見守る
彼女が予知されていたヒトかあ
さて、お前はもう用済みだよと自分のドライバーを破壊

戦闘が始まったら姿を現して警戒されていないうちに攻撃力を重視したUC解放・宵でドライバーを破壊
驚かれたり罵倒されたり裏切ったのかと問われたりするかもしれないけど笑顔を浮かべるだけでスルー、蓮華さんに協力するよと伝える
突然出てきて信用しろというのも無理かもしれないね
信じてくれなくても構わない、態度で示すだけ
でも信じて共闘してくれたら嬉しい

選手には恨みも無いしドライバーを壊して無力化する方針
敵の状況を観察してUCは選手を消耗させて繰り出すと気付けば
早期決着のため積極的に攻めるようにするよ


馬県・義透
引き続き『疾き者』にて
属性:風

追っ手として紛れてますー。
まあ、確かに数は多いですが、それをひっくり返すのが仕事でしてー。
というわけで、まずはジャシンドライバーへ不意打ちの漆黒風投擲。

あ、蓮華殿。そのジャシンドライバーを守るように動いてくださいねー。
それも戦うに違いないですから。

おや、銃射撃の命中率、あげてきましたかー。
あー、まあ、たしかに?私は闘技場では『一人を相手に』『後ろに回り込む形の近距離』で戦ってましたねー。正しい選択ですー。
UC発動。狙い撃つはジャシンドライバーのみ。
私、一言も『対多はできない』とは言ってませんよ?隠してましたよ、わざと。当たり前じゃないですかー、忍びなんですからー。



●アンブッシュ
「私は……変わってみせる! 新しい自分に変身するんだ!」
 UDCーPの力を借り、変身した藤野・蓮華。決意を示したかのように手にした武器を敵へと向ける。
(彼女が予知されていたヒトかあ)
 その様子を近くで身を潜めつつ伺っていたのはサンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)だ。
「さて、お前はもう用済みだよ」
 そして邪神系組織から支給されていた『ジャシンドライバー』に黒剣『暗夜の剣』を突き立てる。
(ーーーー!!)
 剣越しにドライバーの声鳴き断末魔の悲鳴が聞こえる。
「こちらを騙していたつもりなんだろうけど、騙されていたことに気づかないなんて笑えるね」
 そして柔和な笑みを浮かべると、蓮華達のいる方へと歩いていった。

「お前は……? そんなところに突っ立っていないで早く変身して奴を……」
 サンディの姿を確認した『ジャシンドライバー』の装着者の一人はそう声をかけようとするが、
「さぁ、宴の時間だよ」
 サンディのユーベルコード【解放・宵】によって攻撃力が強化された暗夜の剣にベルトを切り裂かれ、倒れ伏す。
「お前、裏切ったのか!」
 この不意打ちにサンディへ怒鳴る者もいたが、当の本人は笑顔を浮かべてどこ吹く風とばかりに蓮華のそばへ歩み寄る。
「えっと……」
「協力するよ。突然出てきて信用しろというのも無理かもしれないね」
 状況の変化に戸惑う蓮華にサンディは優しく声をかける。
「何無視をしている!? 裏切って、この人数相手に勝てるとでも……」
 無視をしたサンディにし対し、攻撃しようとする装着者もいたが、

「まあ、確かに数は多いですが、それをひっくり返すのが仕事でしてー」

 のほほんとした口調で棒手裏剣『漆黒風』を飛ばしてドライバーを破壊したのは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)だ。
 そして、それを皮切りに他にも潜んでいた猟兵達が攻撃を仕掛け、瞬く間に乱戦の様相を呈す。
「貴方は……! でも、前と雰囲気が?」
 蓮華と義透は過去の事件で面識がある。だが、その時と雰囲気が違い、戸惑っている。
「あー、あの時は『不動なる者』でしたからねー。それはそうと、蓮華殿。そのジャシンドライバーを守るように動いてくださいねー。それも戦うということに違いないですから」
「知り合いがいたなら話は早いね」
 こちらを信用してもらえなくても態度で示せばいいと思っていたサンディだったが、どうやら取り越し苦労のようだ。
「何ベラベラとおしゃべりを……!」
 装着者の一人が【ジャシンパンチ】でサンディに殴りかかる。
「おっと」
 サンディが咄嗟に避けた先にあった壁が粉砕される。
「これは……感じとしてはグールドライバーのユーベルコードに似ているね」
 自身や他者の鮮血を消費し、力を行使するグールドライバー。それに似ているユーベルコードということは、使用者の命を削って行使しているということ。
「君達には恨みはないし、さっさと倒させてもらうよ」
 相手の攻撃の隙をつき、ドライバーを叩き斬り破壊する。
「ち、距離を取るぞ! 射程がから撃ち込みまくれ!」
 装着者の一人がそう叫び、それに合わせ周りの装着者達がガンナイフに【ジャシンメダル】をはめ込み、あるものは広範囲に散布される弾丸を、あるものは複雑な弾道による射撃攻撃を撃ち込む。
「おや、銃射撃の命中率、あげてきましたかー。あー、まあ、たしかに?私は闘技場では『後ろに回り込む形の近距離』で戦ってましたねー。正しい選択ですー」
 そんな銃撃の雨あられの中、義透はのほほんとしている。
「私、一言も『射撃戦はできない』とは言ってませんよ?」
 そう言って放ったのは無数の雷を放つ【四更・雷】。呪詛の力の篭った風雷の矢は相手の銃弾をことごとく相殺し、それでも残った矢が装着者達へと襲いかかる。
「闘技場での戦闘は……このための布石だったというのか……」
「当たり前じゃないですかー、忍びなんですからー」
 相手を追尾しする矢が正確にドライバーを撃ち抜く。その鮮やかに反撃に戦慄し倒れる装着者に対し、義透はのんびりした口調で答えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
ま、あいつらも真相知らされずに利用されてるだけなんだからある意味被害者なんだろうな。
自業自得なところはあるにせよ、救える人は救っておきたいところだな。
もちろん、最優先は蓮華の護衛だけどな。

蓮華を【かばう】形でエントリー。
「安心しろ、俺達は味方だ。あんたと、あんたの『勇気』のな!」
そしてシャーリーと一緒に蓮華を援護。
相手の攻撃を【フェイント】で回避し、【カウンター】の【シールドバッシュ】で突き飛ばしてバランスを崩し、そこへ【幻炎鎮魂斬】で装着者の邪心を切り裂き、弱体化したところを【鎧砕き】でドライバーを破壊し、装着者を解放する。
中には手遅れの人もいるかも知れないけど、そこは割り切る。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
バイクに乗って颯爽登場!(神輿には乗らないけど)
「困った時のサメ頼み!宇宙海賊シャークトルネードが加勢するよ!」
蓮華ちゃんも、ベルトくんもね!

【エクストリームミッション】を発動させ、相手の攻撃が届かない距離を猛スピードで空中を飛び回りながら蓮華ちゃんを【援護射撃】でサポートしながら【スナイパー】+【部位破壊】で敵のドライバーを狙ってブラスターで狙撃!
そして機能停止したところを【ロープワーク】で縛り上げて一丁あがりっ!
ドライバーから解放してもならず者だから油断はできないからね!



●救いの手は誰が為に
「困った時のサメ頼み! 宇宙海賊シャークトルネードが加勢するよ!」
「安心しろ、俺達は味方だ。あんたと、あんたの『勇気』のな!」
 宇宙バイク『ハイメガシャーク』に乗って颯爽と登場したのはシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)。そしてその後ろの座席には相棒のウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)も乗っている。
「ま、あいつらも真相知らされずに利用されてるだけなんだからある意味被害者なんだろうな」
 バイクから降り、蓮華を庇うような位置に立つウィーリィ。その眼差しは静かに『ジャシンドライバー』の装着者達を捉える。
「何をゴチャゴチャと! 邪魔をするなら貴様らごとぶっ倒す!」
 そう言って装着者の一人が【ジャシンキック】でお見舞いしようとするが、
「知ってるか? 初手必殺技は負けフラグなんだよ!」
 相手の攻撃を巧みに回り込むように回避し、盾代わりの『鉄鍋』を敵の側面からぶつける。
「ぐわっ」
 その衝撃で吹き飛び、転がる装着者。そしてそこへ装着者のドライバー目掛けての熱線が放たれる。
「空からの支援は任せて!」
 ユーベルコード【エクストリームミッション】で宇宙バイクのをサメ型パワードスーツへと変形させたシャーリーが相手の近接攻撃が届かない上空へと飛行し、マスケット型熱線銃『シューティングスター』で敵を撃ち抜いたのだ。
「撃ち落とすぞ!」
 空からの射撃は危険と判断した装着者達がガンナイフを手にしてシャーリーを撃ち落とそうとするが、
「蓮華、上空へ攻撃している敵の妨害を頼む!」
「蓮華ちゃんもベルトくんも頑張れ!」
「はい! 参ります!」
 ウィーリィの指示とシャーリーの応援で動き出す蓮華。刀状になっている武器で上空のシャーリィと撃ち合いをしている装着者に向かって斬りかかる。
「させるか!」
「それはこっちのセリフだ!」
 地上からの攻撃を迎え討とうとする装着者もいたが、そこはウィーリィがカットする。鉄鍋で突き飛ばして装着者のバランスを崩したところで、大包丁『三昧真火刀』に炎を纏わせる。
「極めた火工と刀工は、誰かの心を救うため!」
 相手の邪心のみを断つ【幻炎鎮魂斬】の一撃を当て、動きが止まったところに返す刀でドライバーのみを断ち斬る。
「自業自得なところはあるにせよ、救える人は救っておきたいところだな」
「ドライバーから解放してもならず者だから油断はできないけどね!」
 あらかた片付いたところで戦闘不能になった装着者達をロープで縛り上げるシャーリィ。この装着者達の処遇も後でUDC組織が何とかしてくれるだろう。
 戦いは終局へと向かおうとしている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユニシィ・シンクリドル
徹頭徹尾邪悪な組織で安心しました
心置きなく蓮華さんとUDC-Pの助太刀を実行できます

戦闘前、他装着者に紛れつつ後方に位置取り、
蓮華さんが武器を構えた瞬間に行動開始
密かに空を飛ばしていた随行大剣を手元に呼び、両手で持ち
敵背後から、複数を巻き込む横薙ぎの形で攻撃
敵の不意を突いてやります

UC発動
「その女の子と私、どちらを相手にしますか?」
複製大剣を敵に総当たりさせ、意思統一の阻害狙い
また、動けなくなった敵ドライバーを破壊して強化を削ぎましょう
私は蓮華さんの背後を守るように立ち回り
近い敵は大剣で、蓮華さんを遠くから狙う敵はハンドキャノンのショットで対応

お二人は似た物同士なのですね
息がぴったりに感じます


ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎

ドライバーを押し付けられていたら外して蓮華に襲い掛かってくる
奴にでもぶつけてやるか

娘っ子一人にこの多勢、どうにも気に入らねえ。
俺はアッチにつくぜ、悪いな……いや、罪悪感はまるでねえわ。

お前さんの味方だ、一応な。手助けはしてやる、自分の身は
自分で……いや、そのベルトと一緒に護りな!

UC不空羂索使用、複製したグレイプニルで敵の拘束を狙う
ジャシンネットワークによるパワーアップで引きちぎろうとしたら
ガンディーヴァによる【誘導弾】【破壊工作】【鎧無視攻撃】
【カウンター】
によりベルトを破壊して無力化

どいつもこいつもおんなじ姿、個性のねえこった。
ま、お陰で認識(ロックオン)し易いんだがな!


四王天・燦
ゆらりと組織の集団の中から歩み出る
あの娘が今宵の贄か―?

ドライバーを装着して変…身ッ!
おめめジャシーンッ…からの踵を返して組織の装着者のドライバーにパンチ一発見舞って破壊してやる
娘についた方が祭りを見られそうだ―なんてね

ジャシジャシと足音を立てながらダッシュで敵の渦中に飛び込むよ
邪神雷神剣―とか言いながら神鳴で薙ぎ払ったりします

ジャシンネットワークされたら、見切って回避しても頭部に一撃くらい喰らって格式あるマスク割れをしておこっと
最初から裏切者だとバレたら玖式で炎の双剣を生み出し、化術で火炎フォームにチェンジだ!
引火させて敵のドライバーを焼き切ってやる

終始ノリと勢いで変身ヒーローごっこしてるぜ


雪・兼光
●SPD/アドリブ等はお任せ

…へぇ。弱いものイジメか。
俺も好きなんだ。混ぜてくれよ。

(相手に向かって乱れ打ち、範囲攻撃、零距離射撃、2回攻撃のユーベルコード)

特にお前等みたいな徒党を組んで一人を攻撃する奴らをイジメるのが好きなんだ。

さぁ、ウォーミングアップは済んでるんだ。…愉しもうぜ?

範囲攻撃と部位破壊で本人とドライバー自体に攻撃して無力化を狙う

無理とわかったら諦める

集まるのは良いけど俺の盾が増えるだけだぜ?

一体の足元や顔を狙って体位を崩す

相手からの攻撃は体制を崩した相手を盾受けで盾にしたり、第六感と見切りで避ける

猟兵…?知らないねえ。

今度からは身元もちゃんと調べることをお勧めするぜ。



●鋼の邪神は群れを成す
 場面は少し遡り……、
「あの娘が今宵の贄か―?」
 蓮華がUDCーPの『ジャシンドライバー』と共に変身した時、四王天・燦(月夜の翼・f04448)はゆらりと組織の集団の中から歩み出、他の装着者達にそう問いかける。
「か、構うことはねえ! こっちも変身だ! 数はこっちの方が上だ!」
「こうしたイレギュラー対処も任務のうちってことだ。可哀想だが、別組織の者の手に渡らなかっただけ、よかったと思うしか無い」
「そ、そうよ。それに、レアそうなメダルを持っていたわ。ついでに頂いちゃいましょ!」
 その言葉に対し、口々に返してくる装着者達。
「そうかー」
 それだけを言うと、ジャシンドライバーを腰に嵌める燦。
「変…身ッ!」
 ジャシーンッと赤い眼を光らせ、変身を遂げる燦。他の装着者達も変身する中、突如踵を返して装着者の一人へドライバー目掛けてパンチを繰り出す燦。
「お前、裏切ったのか!」
 突然の恋に、ベルトをスパークさせながら叫ぶ。それに対し燦々は飄々と答える。
「娘についた方が祭りを見られそうだ―なんてね」
「お前、裏切るつもりか! それなら……」
 燦々に攻撃しようとする装着者達がいたが、そこへ横槍が入る。体験の横薙ぎの一撃、ブラスターの熱線、そして投擲されるジャシンドライバー。

「徹頭徹尾邪悪な組織で安心しました。心置きなく蓮華さんとUDC-Pの助太刀を実行できます」
「……へぇ。弱いものイジメか。俺も好きなんだ。混ぜてくれよ」
「娘っ子一人にこの多勢、どうにも気に入らねえ。俺はアッチにつくぜ、悪いな……いや、罪悪感はまるでねえわ」

 不意打ちを仕掛けたのは、装着者達の後方で待機していたユニシィ・シンクリドル(Healing Unisus・f37141)、雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)、そしてロウガ・イスルギ(白朧牙虎・f00846)である。
 ちなみに、投擲されたドライバーはユニシィが邪神組織から支給されていたものをロウガが投げつけたのである。
「特にお前等みたいな徒党を組んで一人を攻撃する奴らをイジメるのが好きなんだ。さぁ、ウォーミングアップは済んでるんだ。……愉しもうぜ?」
 兼光が再びブラスターから熱線を迸らせ、それが本格的な戦闘の合図となった。

 そして現状、邪神組織の装着者達はだいぶ数を減らしている。
「邪神雷神剣―」
 ジャシンジャシンと足音を立てて敵中に飛び込んで振るった燦の妖刀『神鳴り』による一撃が更に装着者達を吹き飛ばす。
「不良品のドライバーを見つけて破壊するだけの仕事じゃなかったのか!」
「応援は、応援はまだか!」
 追い詰められた装着者達が泣き言を言っている時、変化は起きた。
「……」「……」
 戦場に新しく『ジャシンドライバー』の装着者達が登場する。別の場所でUDCーPを探していた部隊だろうか。
「た、助かった。事情を詳しく話す暇はないが裏切り者が……」
 その姿を見た装着者が声をかけようとした瞬間、装着者『全員』の動きが一瞬止まる。
「【ジャシンネットワーク】接続完了」「現状把握完了」「排除目標確認。任務を遂行します」
 抑揚のない声で、口々に呟く装着者達。そしてその直後に装着者達の動きが変わる。
「っ!!」
 装着者のガンナイフによる一撃を避けきれず、燦の装着しているマスクが砕ける。
「支配を受け付けない者も排除対象……」
 そう呟き、燦へと追撃を仕掛けようとするが、急に踏み留まる。そしてその装着者の眼前を通過する熱線。
「集まっても俺の盾が増えるだけ……とはいかないみたいか」
 死角からの【クイックドロウ】への対応に兼光はそう分析する。おそらくは【ジャシンネットワーク】により互いの視覚が共有されているのだろう。
「最優先目標、捕捉」「処分」
 そうこうしている間にも連携をとりつつ蓮華と、彼女が装着しているUDCーPに攻撃を仕掛けようとする装着者……否、装着者の肉体を操る『ジャシンドライバー』達。だが、それに対して手をこまねいている猟兵達ではない。
「その女の子と私、どちらを相手にしますか?」
「こいつが『救いの手』になるか『裁きの縄』になるか、総ては貴様等次第だ」
 随行大剣『Quasar』を構えたユニシィとフック付きワイヤー『グレイプニル』を構えたロウガが立ちはだかる。さらには次の瞬間、それぞれ百近くものQuasarとグレイプニルが召喚される。それぞれ、ユニシィの【Maximum Quasar】と【不空羂索】……自身の武器を大量に複製し、操作するユーベルコードである。
「いかに連携がすごかろうと、分断してしまえば問題ありませんね」
「どいつもこいつもおんなじ姿、個性のねえこった。ま、お陰で認識(ロックオン)し易いんだがな!」
 ユニシィのQuasarでジャシンドライバー同士を分断し追い立て、ロウガのグレイプニルで捕縛する。捕縛されたドライバーも、装着者に限界を超えた力を出させて力付くで引きちぎろうとするが、
「こうなれば、視覚を共有しようが死角を消そうが関係ないな」
 兼光のブラスターの乱れ撃ちがジャシンドライバーの本体を撃ち抜いてゆく。
「それなこっちは火炎フォームにチェンジだ!」
 更には【フォックスファイア・玖式】で炎の双剣を生み出した燦がドライバーを焼き切らんと切り込んでゆく。化け術で見た目も強化フォームっぽくしているあたり、かなりノリノリである。
「あの、ありがとうございます」
 そんな状況の最中、蓮華は猟兵達へ礼の言葉を口にする。
「お前さんの味方だ、一応な。手助けはしてやる、自分の身は自分で……いや、そのベルトと一緒に護りな!」
 大量のグレイプニルを操作しつつもロウガはぶっきらぼうに答える
「ああは言っていますが、お二人は私たちが守るので、安心してください。それにしても、お二人は似た物同士なのですね。息がぴったりに感じます」
 遠距離からの敵の攻撃に警戒しつつもユニシィがそう声をかける。
「似た者同士……か」
 蓮華はその言葉を反芻する。このベルトは自分とどこか似ている。だから助けなければと思った。今の自分は変わることができただろうか。
「この力……まさか亮平に嗅ぎつけられていたとは予想外……」
「猟兵……? 知らないねえ。今度からは身元もちゃんと調べることをお勧めするぜ」
 そうこうしている間にジャシンドライバーの掃討は無事終わったようだ。最後のドライバーのトドメを刺しつつ、そう言葉を残す兼光。
「後はUDC組織に任せりゃ大丈夫か。他に動いている奴もいないようだしな」
 戦闘不能の装着者達はロウガのグレイプニルの他、他の猟兵達によっても眼を覚ました後暴れないよう捕縛されている。彼らをUDC組織に預けるため、猟兵達はUDC組織への連絡と現場の引き継ぎの準備を始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『UDC-P対処マニュアル』

POW   :    UDC-Pの危険な難点に体力や気合、ユーベルコードで耐えながら対処法のヒントを探す

SPD   :    超高速演算や鋭い観察眼によって、UDC-Pへの特性を導き出す

WIZ   :    UDC-Pと出来得る限りのコミュニケーションを図り、情報を集積する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●これからの道
 寄生型UDC『ジャシンドライバー』を利用した地下闘技場。そこを経営していた邪神系組織は猟兵達とUDC組織の協力により、あっさり壊滅することとなった。そこで捕らえた者達の処遇などはUDC組織の者達が何とかしてくれるだろう。そして猟兵達には大事な仕事がまだ残っている。

「……」
 猟兵達の前に置かれているのは一つのベルト。子供向け特撮番組とかに出てきそうなベルト『ジャシンドライバー』であり、猟兵から『ベルトくん』とも呼ばれていたUDCーPである。
 猟兵達は彼(性別はあるか不明だが、便宜的に彼とする)をUDC組織へ引き渡す前に彼がUDC組織内で活動するにあたって問題となりそうな難点を見つけ出し、それに対して『UDC-P対処マニュアル』を作成して欲しいとのことだ。
 とりあえず真っ先に浮かぶ難点として、寄生型UDCであるために『装着者や同じタイプのUDCとしか会話や意思疎通ができない』『基本的に活動に必要なエネルギーなどは装着者からもらっている』『ベルト単体でも動けるが、初めて見るとビックリする』などがある。他にも難点があるかもしれないので、それらを解決する方法を見つけ、マニュアルにして欲しい。

 そして、猟兵に判断の委ねられた案件がもう一つある。
「また、助けていただいて、ありがとうございます」
 今回の事件に関わった少女、藤野・蓮華の処遇である。
 蓮華はかつて別のUDC事件関わり、彼女自身がUDCへとなりかけたことがあった。そして、その時の処置としては事件にかかわる記憶を抹消し、日常生活へ戻すことだった。
 しかし、今回ベルトくんと関わったことで過去の記憶が蘇り、今もこうしてUDC組織の施設内に保護されている状態でいる。そして、元々なのかUDCと関わり続けたせいか、彼女にはUDCエージェントもしくはグールドライバーのようなUDCの力を利用する能力の素質がある。また、今回のように何かのきっかけでUDCに関する記憶が目覚める可能性もあるので、前回と同じく記憶抹消処理で済ませるわけにはいかないだろう。
「私、友達を見捨てたことがあるんです」
 蓮華はポツリと話し始める。過去に学校でいじめを受けていたこと。その時にいじめから庇ってくれた友達がいたのだが、標的が彼女に移った時に何もしてあげられなかったこと。そして、その友達が突如姿をくらましてしまったこと。
「あの時勇気があれば、その子……一美はいなくなったりしなかったと思うんです。だから、その時の自分から変わりたい、でもどうすればいいか分からなくて。そんな時にベルトくんに会ってUDCのことを思い出して、これだって思ったんです」
 ギュッと拳を握り、彼女は猟兵達を見る。
「身勝手なお願いだとは思うんです。でも、何もできなかった自分から変わりたい……だから、私に出来ることがあるなら、関わりたいんです!」
 UDCと関わることは危険と隣り合わせである。命を落とす、狂気に呑まれる、そうしたことだって起こりうる。だが、それでも構わないとも彼女は言う。
 猟兵達の判断にUDC組織も全力で協力してくれるという。蓮華をUDC組織の一員にすることも、危険がないよう監視体制を敷くことも、再び記憶操作をして忘れさせることも可能だ。猟兵達は彼女にどう言葉をかけるのか。

(※UDCーPなどと触れ合い、『UDC-P対処マニュアル』を作成していただきます。先に挙げた難点以外にも自分で難点を上げて解決策を提示しても構いません。ベルトくんは公序良俗に反さない限りは協力的です。また、無理に提示された難点全てに対応する必要はありません。
 また、マニュアルの作成以外にも、『藤野・蓮華と関わる』という行動も取れます(マニュアル作成と同時に関わることも可能です)。彼女の処遇をどうするべきか、それ次第で結果が変わる可能性はあります。猟兵達と特に絡みがなければ、彼女が危険にさらされる可能性がないかUDC組織の監視下で日常生活に戻ることになります。
 それでは皆様のプレイングをお待ちしております)
 
●補足
 壊滅した邪神系組織から、ジャシンドライバーについて以下の情報も資料などから得ることができた。今回のマニュアル作成に利用できるかは不明ではあるが、何かの役に立つかもしれない。

⭐︎ジャシンドライバーとは!
 寄生型UDCの生きた変身ベルトである。装着者を変身させ、強大な力を与えるが、装着者の生命力をエネルギーに使ったり、じわじわと精神を侵食して体を乗っ取ったりするぞ!
 また、グールドライバーにとっての刻印(ドライバー)のような機能を果たし、他のUDCの力を取り込んで利用したり、フォームチェンジを行うことが可能だ! 力を取り込むUDCなどはメダルやカードなど携帯性のいい形状に加工してあると便利だぞ!
(※なお、ベルトくんはUDCーPなので、装着者を乗っ取ろうなどはしません)

 また、UDCーPに関して邪神系組織の見解は『世界の滅亡の役に立たないイレギュラーであり処分すべき存在』という認識らしく、あまり詳しく研究などはされていなかったようだ。
サンディ・ノックス
依頼を受ける時に蓮華さんの今後も考えてほしいと聞いてまず思ったのは「UDC組織に参加することは危険と隣り合わせだと説明しなきゃ」だったんだけど、覚悟の上なんだね
そう…
なら是非この世界に足を踏み入れてほしい
ベルトくんには誰かが必要だから、蓮華さんがその誰かになってくれるなら有り難い

ベルトくんの意思疎通には装着者が必要で、活動に必要なエネルギーも装備者から貰うらしいから、蓮華さんが装備者になって、パートナーとして組織に勤めるなら話が早いんだ
聞いた話から推測するとベルトくんはこの案に積極的に乗れる子じゃない
だけど蓮華さんがこの案に乗って、覚悟して、彼にその気持ちを伝えれば反対しないとも思う

どうかな?



●彼女の気持ち、彼の気持ち
 グリモア猟兵から「蓮華を今後どうするかも一緒に考えてほしい」と言われ、サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)はあることを懸念していた。
「UDC組織に参加することは危険と隣り合わせだと説明しなきゃ……だったんだけど」
 しかし、それは彼女の決意の表情を見て考えは改まる。
「覚悟の上なんだね」
 サンディの言葉に蓮華はこくりと頷く。
「そう……」
 その決意には若さゆえの無鉄砲さや自責の念というものもあるだろう。だが、前へ踏む出す選択をしたのは紛れもなく彼女自身の意志。それは尊重するべきだ。
「なら是非この世界に足を踏み入れてほしい」
 そう言って微笑みかけるサンディ。そして更に言葉を続ける。
「差し当たっては、ベルトくんには誰かが必要だから、蓮華さんがその誰かになってくれないかな?」
 寄生型UDC『ジャシンドライバー』であるベルトくんは意思疎通には装着者が必要で、活動に必要なエネルギーも装備者から貰環なければいけない。ならばそこに適性の高いであろう蓮華が装着者になって、パートナーとして組織に勤めるなら話が早い。だが、その為の懸念事項がある。
「聞いた話から推測するとベルトくんはこの案に積極的に乗れる子じゃないと思うんだけど、そうかな?」
「確かに、私と最初に出会った時も私を巻き込みたくないみたいな意志は伝わってきました」
 サンディの確認に蓮華は肯定する。もしかすると、誰に装着者になってもらってもらうことにベルトくんが難色を示す可能性がある。
「だから蓮華さんがこの案に乗って、覚悟して、彼にその気持ちを伝えてほしいんだ。そうすれば反対しないとも思う」
 ベルトくんを説得できる要因は多ければ多い方がいいだろう。特に、彼と一緒に戦った蓮華が加わってくれれば頼もしいだろう。
「どうかな?」
「やってみます。きっとそれがベルトくんにも私にもタメになると思うから」
 この様子なら大丈夫だろう。サンディは微笑みながら蓮華の様子を見守るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
『疾き者』にて

まずは、無事でよかったですよー。
さて、主に関わるのは蓮華殿の方で…たぶん、彼の方が話が早いでしょうから。


第四『不動なる者』盾&まとめ役武士
一人称:わし 質実剛健古風

UDCと関わる、ということは…こういう不思議にも関わるということなのは、もう知っておろうな。
わしとしては、安全に過ごしてほしいのであるが…それは、あくまでも『我ら』の意見でな。そこに蓮華殿の意志はない。
当の蓮華殿は…うむ、そうであるならば。組織の一員となるのもよいのではないか、と思う。
才能を潰すのも、勿体なく思うしな。

一美殿が帰ってきたとき、一番力になれそうな場所であるしな…。


ユニシィ・シンクリドル
▼思考
蓮華さんの今後をシミュレーション
記憶操作や監視下は非推奨
組織の一員になる場合は危険に晒される
けれど、蓮華さんの決意が確固たるものなら…

私は人々の心身を健やかに保つ為に作られたレプリロイド
結論は、彼女に望む事をさせてあげたい

▼マニュアル
私には蓮華さんの主張を拒否する理由がありません
ベルトくんが生きる為には、蓮華さんの力が必要だからです
難点である意思疎通・活動エネルギー問題・びっくり挙動も、
蓮華さんの協力があれば安易となるでしょう
困難が待ち受けていますが、立ち向かう覚悟は…聞くまでもないでしょうか。
この提案、ベルトくんもいかがですか?

決意の先に、あなたの会いたい人に繋がるかもしれませんよ


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
まず【華味三鎮】でココアを作り、戦いに参加した蓮華の心身を回復させる。
「色々あって大変だったろ。これでも飲んで一息つきな」
ベルトくんの分も作りたいところだけど、あいつ飲み物大丈夫なのかな。
っと、シャーリーの分もな。

で、蓮華の今後についてシャーリーと一緒に相談する。
俺の意見としては
「出来れば危ない目に遭わせたくない」。
それでも、
「知ってしまった以上、今度は知らん顔は出来ないだろうからな」
UDCの存在を知り、それに対抗できる力を手にした以上。
これ以上、誰かに『いなくなって』欲しくないだろうし。

そんな訳で、UDC組織に彼女をベルトくんとバディで補助隊員的扱いで組織に入れてくれる様に頼む。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
ウィーリィくんのココアで一息ついたら蓮華ちゃんの処遇について話し合う
もっとも、ボクとしては本人の意思を尊重したいところだけど
単なる代償行為かもしれないけど、それでもそれが蓮華ちゃんにとっての救いになるのだから
でも、
「蓮華ちゃんはもう変われているよ。あの時、ベルトくんを守ってあげる事が出来たんだから」

それでボクの意見としては「彼女をベルトくんと一緒にUDC組織の一員にしてもらう」って事で
もちろん、ベルトくんの意見も聞いた上でだけどねっ
直接戦うだけが仕事じゃないんでしょ?
調査とか避難誘導とかも仕事のうちだし
それに今後UDCーPを保護する時、前例があれば彼らも助けを求めやすいんじゃない?



●新しい道
 話し合いの前にと、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はその場にいる全員にココアを淹れて振る舞う。
「色々あって大変だったろ。これでも飲んで一息つきな」
「……おいしい。こんなおいしいココアは初めてかも」
「でしょ? ウィーリィくんの作ったものはココアだろうと何だろうととてもおいしいんだから」
 ココアを飲んでホッと一息ついている蓮華にそう声をかけるのはシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)だ。ウィーリィのココアは彼の料理人としての技術による温度管理や淹れ方などもさることながら、ユーベルコード【華味三鎮】で心が落ち着ける効能もついている。
「ベルトくんの分も作りたいところだけど、あいつ飲み物大丈夫なのか?」
「ええと、基本的に食べたり飲んだりするみたいな機能は付いてないみたいです。せっかくのご厚意を申し訳ないって言ってます」
 そう話す蓮華の膝の上には『ジャシンドライバー』のUDCーPことベルトくんが乗っている。とりあえずのところ、今は蓮華が彼の意見をみんなに話すようにしている。
「それにしても、まずは無事よかったですよー」
 一緒にココアを飲んでのほほんとしているのは馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)だ。そして、
「それでは、蓮華さんの今後をシミュレーションしましょうか」
 ユニシィ・シンクリドル(Healing Unisus・f37141)が言葉を発する。この4名の猟兵と蓮華、そしてベルトくんとで話し合いが始まるのだった。

「現状として、選択肢は記憶操作を施して日常生活に戻る。記憶をそのままにしてUDC組織の監視下に入る。そして、UDC組織の一員になることですが……」
 淡々と彼女の今後の選択肢を述べてゆくユニシィ。そして地震の意見も加えてゆく。
「記憶操作や監視下は非推奨。組織の一員になる場合は危険に晒される。けれど、蓮華さんの決意が確固たるものなら……」
 ユニシィは人々の心身を健やかに保つ為に作られたレプリロイドである。その為彼女の意見は決まっていた。
「結論は、彼女に望む事をさせてあげたい」
「ボクとしても本人の意思を尊重したいところだね」
 ユニシィの意見にシャーリーも賛同する。
(単なる代償行為かもしれないけど、それでもそれが蓮華ちゃんにとっての救いになるのだから)
 かつて救うことのできなかった友人。誰かを助けることはその代わりでしかない。それでも、そんな自分を変えたいという気持ちを無碍にすることはできなかった。
「蓮華ちゃんはもう変われているよ。あの時、ベルトくんを守ってあげる事が出来たんだから」
 そう言ってシャーリーは蓮華に微笑む。
「俺としては、出来れば危ない目に遭わせたくないってところだけどな」
 UDC組織も危険な任務はある。命の危険だけではなく、精神が削られ、狂気に陥る危険性だってある。
「それでも、知ってしまった以上、今度は知らん顔は出来ないだろうからな」
 UDCの存在を知り、更にはUDCとの適性も高いことが判明した。あとは彼女の気持ち次第。
「さて、蓮華殿と話すのであれば……彼の方が早いでしょう」
 最後に控えていた義透はそう言うと、急に雰囲気が変わる。複合型悪霊である彼は、表に出している人格を『疾き者』切り替える。質実剛健といった雰囲気を纏う彼『不動なる者』は別の事件で蓮華と関わり、会話した存在である。
「UDCと関わる、ということは……こういう不思議にも関わるということなのは、もう知っておろうな」
 UDC(アンディファインド・クリーチャー)とは結局はオブリビオンであり、生命の埒外に位置する存在である。ゆえに常識では測れないような現象を起こす者も少なくない。
「わしとしては、安全に過ごしてほしいのであるが……それは、あくまでも『我ら』の意見でな。そこに蓮華殿の意志はない。今一度、蓮華殿の意見を聞かせてもらおうか」
 そう言って蓮華を見やる義透。
「危ないことは、分かってます。それでも、怖いことや、自分が傷つくことを避けて大事なものを失うことがもっと怖いって知ってるから……私は誰かの大切なものが、失われるのを、護ることとか、そうしたことのお手伝いが出ればって思うんです」
 なんとか自分の言葉を見つけながら口にしてゆく蓮華。
「だから、私は、ここで頑張りたい!」
「うむ、そうであるならば。組織の一員となるのもよいのではないか、と思う。才能を潰すのも、勿体なく思うしな」
 蓮華の言葉に得心がいったのか、満足そうに義透が頷く。
「俺からも何も言うことはないな。それと、ココアのおかわりはいるか」
(これ以上、誰かに『いなくなって』欲しくないだろうしな)
 自分の気持ちを思い切り出した蓮華を筆頭におかわりを希望する者にココアを注いでゆくウィーリィ。蓮華の気持ちをみんなに共有してもらったところで、一旦クールダウンした方がいいだろう。

「それで、蓮華さんの今後ですが……」
 そこから先は蓮華の具体的な身の振り方について話すことになる。
「蓮華ちゃんをベルトくんと一緒にUDC組織の一員にしてもらうってことはどうかな?」
 そう意見を出したのはシャーリーだ。
「ええ。私もその案には賛成です。ベルトくんが生きる為には、蓮華さんの力が必要だからです」
 その意見にユニシィも賛同する。
「難点である意思疎通・活動エネルギー問題・びっくり挙動も、蓮華さんの協力があれば安易となるでしょう。困難がいくつかは待ち受けていますが、立ち向かう覚悟は……聞くまでもないでしょうか」
 そしてシャーリーとユニシィは蓮華の膝にいるベルトくんへと視線を送る。
「もちろん、ベルトくんの意見も聞いた上でだけどねっ。どうかな?」
「この提案、ベルトくんもいかがですか?」
 二人の問いかけから数瞬後、蓮華がベルトくんをぎゅっと抱きしめる。
「ありがとう、ベルトくん!」
「その反応から見るに、わざわざ答えを聞くまでもないようだな」
 その様子に義透がポツリともらす。ベルトくんが猟兵達の意見を認めてくれたのは間違いない。それには、蓮華の決意を聞いたのも大きかっただろう。
「そうと決まれば、UDC組織に彼女をベルトくんとバディで補助隊員的扱いで組織に入れてくれる様に頼んでおこうか」
「そうだね。直接戦うだけが仕事じゃないだろうし。調査とか避難誘導とかも仕事のうちだよね? それに今後UDCーPを保護する時、こういう前例があれば、彼らも助けを求めやすくなるだろうし」
 方向性は決まった。蓮華とベルトくんの意思も確認できた。ならばあとは行動に移そうとばかりに猟兵達は動き出す。
 そして、部屋を出る時にユニシィと義透が蓮華に声をかける。
「決意の先に、あなたの会いたい人に繋がるかもしれませんね」
「ここは一美殿が帰ってきたとき、一番力になれそうな場所であるしな……頑張るのだぞ」
「はい!」
 その言葉に蓮華は力強く返事をしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
研究室でマニュアルを作りましょ
形から入るのが好きなアタシは白衣と伊達眼鏡で彩りながらベルトを研究してみるぜ

先ずは接触意志疎通しながら圧迫面接です
君、変身時のデザイン変えられないの?
如何せん可愛い女の子が使うにはダーク寄りな見た目は頂けないし、躯の海にあった姿に縛られず未来を見て欲しいのよ

蓮華も変わりたいなら理想像を要求しな
火炎フォームしたように化術のイロハをベルトに叩き込んでみるぜ

ベルト君ってのは良いとして、種族名も改めてジャスティスドライバーとかパイルドライバーなんてどうよ?
名前って心の在り方に影響するからね

最終処遇は蓮華が預かり、UDC組織と週一連絡で良いんじゃねーかな
監視は女の子に失礼さ



●邪心から正義へ
「そうかそうか。UDC組織に入ることに決まったんだね。監視は女の子に失礼さ、妥当な判断だね」
 UDC組織内にある研究室。そこで蓮華と『ジャシンドライバー』のUDCーPことベルトくんを待っていたのは四王天・燦(月夜の翼・f04448)だ。何事も形から入るタイプである燦々の出立ちは白衣に伊達眼鏡といった風貌だ。
「先ずはベルトくんに面接だね」
 そう言ってベルトくんに触れ、質問を投げかける。
「君、変身時のデザイン変えられないの?」
(デザイン?)
 予想していない質問だったのか、ベルトくんからキョトンとした雰囲気が感じられる。
「あのね、如何せん可愛い女の子が使うにはダーク寄りな見た目は頂けないのよ」
 呆れたように燦はベルトさんに説教する。
(そう言うものなの?)
「そうだよ。それに骸の海にあった姿に縛られず未来を見て欲しいのよ」
 オブリビオンは過去からの残滓のようなもの。だからこそ、過去の自分に囚われてほしくないのだ。
「蓮華も変わりたいなら理想像を要求しな」
 そして燦は蓮華にもそう声をかける。
「理想って急に言われても……うーん……」
(蓮華)
 どうイメージしようか考え込む蓮華にベルトくんが話しかける。
(最初に変身する時に持ってたメダル、アレを使ってみて)
「アレ? 確か……コレだ!」
「へえ、面白いもの持ってるじゃない」
 蓮華が取り出したのは1枚のメダル。解析して分かったことではあるが、このメダルはかつて過去の事件で蓮華に取り憑いていたジャシンドライバー『大蓮将軍』の力の残滓が結晶化したものらしい。過去に猟兵達に大蓮将軍が倒された際にUDCとの適合率の高い蓮華の身体にカケラが残って取り込まれたのだろうと言う話だ。
「これを基軸にイメージを作ってけ。大蓮将軍、ってのはなんかゴツそうだし、もうちょっと華やかなのがいいね。アタシが『火炎フォーム』をやった時の感じを教えるから、ちゃんと覚えなよ」
 などと色々とレクチャーし始めること数刻。

「変身!!」
 ジャシンと腰にはめたベルトくんにメダルを入れ、変身する蓮華。そこにいたのは無骨な量産型ではない。蓮の花をイメージした白地に桃を差したような色合いのスマートなバトルスーツに身を包んだ蓮華の姿。刀を手にした姿は女剣士といったイメージを彷彿とさせる。
「だいぶ良くなったんじゃないか? これならもう教えることはないかな」
 この仕上がりには燦も満足なようだ。
「あとは、名前だ」
「名前?」
「そう。ベルトくんって呼び方の方はいいとして、種族名も改めてジャスティスドライバーとかパイルドライバーなんてどうよ? 名前って心の在り方に影響するからね」
 その辺りはUDC組織の方でなんとかしてくれるだろうか。
「何事も先ずは形からさね。中身は後から付いてくる。頑張りなよ」
「はい!」
 燦の言葉に蓮華は元気よく返事をするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロウガ・イスルギ
アドリブ歓迎

ベルト装備した蓮華と模擬戦がしたい。許可をくれとは言わねえ、
許可しろ

語り合おうや、俺流のやり方でな!

模擬戦へ
手加減はするが手抜きはしねえぞ、【残像】【早業】で攻撃は躱す

UC火天破邪使用
詳細は省くが……要はベルトが只の寄生体なら
燃えてなくなるってこった
見せてもらうぜ、お前さんの、いや!
「お前等」の「覚悟」を!


『共生』、それが「答え」か。ま、端から正解なんざねえんだ。
好きにしろ
但し敵に回った時は容赦しねえぞ、覚悟しな!
大事にしろよ、道具でも武器でも装備でもねえ
『相棒』ってヤツを、な

結論:ロウガ・イスルギの名において藤野・蓮華及びベルトくん(仮名)を
組織のメンバーとして推挙するものとする



●その身で示せ

「ベルト装備した蓮華と模擬戦がしたい。許可をくれとは言わねえ、
許可しろ」

 そう話を切り出したのはロウガ・イスルギ(白朧牙虎・f00846)だ。そんな経緯で蓮華とベルトくんはロウガと一緒にUDC組織の施設内にある訓練所にいる。ここはUDCのエージェント達が日々戦闘の訓練を行なっている場所である。
「語り合おうや、俺流のやり方でな!」
 そう言ってハンドガンに見える『アグネヤストラ』を構えるロウガ。彼女達の決意を行動で示せと言うことだろうか。
「行くよ、ベルトくん。……変身!!」
 ジャシンとベルトくんを装着し、蓮華の掛け声と共に、彼女の姿がベルトくんから展開されたバトルスーツに包まれる。その姿は、先ほどの戦闘の時の『ジャシンドライバー』の姿とは異なった、蓮の花を抱負とさせるイメージの剣士といったところだろうか。
「まずはそれが決意の表れってか。さあ、かかってこいや!」
「行きます!」
 蓮華がロウガに向かって斬りかかってくる。身体能力はベルトくんのおかげで格段に上がってはいるが、
「手加減はするが、手抜きはしねえぞ」
 蓮華自身の技術がまだ伴っておらず、まだまだ荒削りだ。ロウガは残像の残る動きで躱すと、カウンター気味に銃床で殴りつける。
「あぐぁっ!」
「そんなもんか? 変わるって言ったのが口だけじゃないことを見せてみろ!」
 そこから組み手に近い距離で蓮華の攻撃を捌き、反撃を入れ、訓練を続けるロウガ。
 どれだけの時間、剣と拳を交わしたか。頃合を見計らって銃口を蓮華へ向ける。
「詳細は省くが……要はベルトが只の寄生体なら燃えてなくなるってこった。見せてもらうぜ、お前さんの、いや! 『お前等』の『覚悟』を!」
 そう言って引き金を引く。放たれた光弾が蓮華を、そしてベルトくんを貫通する。
「……?」
 だが、蓮華達の体にはなんともないようだ。
「『共生』、それが「答え」か。ま、端から正解なんざねえんだ。好きにしろ」
 ロウガのユーベルコード【火天破邪】は肉体を傷つけず、相手の邪念・邪心・憑依物といったものを破壊する。つまり、もしベルトくんが邪念を抱いて蓮華に憑依して操るつもりがあったのならば、ベルトくんは今の攻撃で破壊されていただろう。
 猟兵はUDCーPを他のUDCと見分ける能力がある。だが、こうしたデモンストレーションを行うことで、猟兵でないUDC職員にもベルトくんは安全な存在であるとアピールすることができるだろう。
「但し敵に回った時は容赦しねえぞ、覚悟しな!」
 ロウガはそう言うとアグネヤストラをしまう。これが戦闘終了の合図となる。そして、戦闘の記録を取っていた施設内のカメラに向けて宣言する。
「ロウガ・イスルギの名において藤野・蓮華及びベルトくんを組織のメンバーとして推挙するものとする」
 そして去り際に蓮華達に声をかける。
「大事にしろよ、道具でも武器でも装備でもねえ『相棒』ってヤツを、な」
「はい。ありがとうございます!」
 変身を解いた蓮華はロウガの背にそう声をかけるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 その後、藤野・蓮華のUDC組織への正式な入隊が決まった。肩書きとしてはUDCーP補助隊員。UDCーPを研究する上でベルトくんの意思疎通や行動の補助が主な役割となる。そして、その傍らで事務作業を手伝ったり、護身の為にも戦闘訓練を行なったりと学生をしながらも多忙な日々を行っている。

「そういえば、蓮華って最近明るくなったよね」
 学校で、ふとした会話の中でクラスメイトが蓮華にそう言った。
「そうかな?」
「うん。その……前はどこか塞ぎ込んでたというか……そんな感じはあったから」
 周りのクラスメイトも蓮華のことで思うことはあったようだったが、なかなかそのことを言い出すことはできなかったらしい。だが、今の蓮華の様子に安心しているとのことだ。
「やりたいことが見つかったからかな」
「そういえば、バイト始めたんだよね。福祉系……だっけ?」
「そう、そんな感じの」
 そこからまた取り止めのない会話に戻る。
(私、変わったんだよねきっと)
 そう思い、教室の窓から見た空の色は澄み切った青をしていた。

最終結果:成功

完成日:2022年05月20日


挿絵イラスト