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サメ海域とねこの島

#グリードオーシャン #戦後

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#グリードオーシャン
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#戦後


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「集合お疲れ様。たまにはオブリビオンと戦わない依頼なんてどうかしら?」
 猟兵達の顔を見るや、そう語りだすのはクリナム・ウィスラー(さかなの魔女・f16893)だ。
「グリードオーシャンの『カラール島』という島から依頼を受けていてね。七大海嘯も倒されて平和になって久しいし、そろそろ交易できる島を増やしたいっていうことで……カラール島で語られていた『伝説のねこの島』を探してきて欲しいの」
 カラール島はグリードオーシャンの片隅に存在する、UDCアース由来の小さな島だ。
 周囲の海には美しい珊瑚が生息しており、島民達はこの珊瑚で作った装飾品で交易を行いたいらしい。
「なんでも『カラール島からずっと進んだ先には魔の海域があり、そこを越えると猫の住人が暮らす楽園のような島がある』なんて言われてて。これはおとぎ話だと思われていたんだけど、どうやら事実みたいなの。だから皆には魔の海域を越え、無事にねこの島へ迎えることを証明して欲しいのよ」
 一度島に訪れることが出来れば、グリモアの力で転移が出来るようになる。
 そうでなくても、魔の海域の越え方が分かれば今後の交易のためになるだろう。

「それで、魔の海域について説明するわね。この海域にはオブリビオンがかけた何かしらの魔術で……大量のサメが生息しているわ」
 大量のサメ。
 冗談のような響きだが、クリナムの顔は至って真剣だ。
「サメ達に悪意はないんだけれど……通りかかる船に興味を持って集団で追いかけてくるみたいなの。本人達はじゃれてるつもりでも、船をサメ肌や牙で傷つけられたら進めないでしょう? だからどうにかサメ達を追い払ったり手懐けたりしつつ進んで欲しいわ」
 サメ達は人を襲っているつもりはなく、本来のエサである海の生き物以外も食べたりはしない。
 船を全力で操舵して振りきったり、エサになるものをあげて気を反らしたり、あるいはユーベルコードで無力化するなどの方法で対処は出来るだろうか。
 彼らはオブリビオンではないため、無闇やたらに倒してしまうのはよくない。あくまで目的は海域を抜けることなのだ。

「無事にねこの島まで辿り着いたら、島民達と珊瑚の装飾品で交易を試みて欲しいわ。珊瑚の品、きらきらしているから猫達ならきっと喜ぶんじゃないかしら」
 島民達は恐らくケットシーだと推測されるが、彼らも長い間他の島とは交流を行っていないだろう。
 他の島の住人なら喜んで受け入れてくれるだろうし、交流を兼ねた宴会なんかも行われるかもしれない。
「道のりは大変だけれど、得られるものはきっとあるはずよ。それじゃあ船旅、よろしく頼むわ」
 クリナムはそう話を締めくくり、転移の準備を始めるのだった。


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 魔のサメ海域を抜け、目指せねこの島。
 どの章も能力値は気にせず自由にプレイングをかけていただければと思います。

●一章・『伝説の島を目指せ』
 カラール島から託された交易品を積み込み、鉄甲船でサメ海域を抜けましょう。
 サメ達は純粋な興味で船に近付いてきますが、そのままだと危険です。
 素早く海域を抜ける、サメ達の対処をするなどの方法で突破しましょう。
 彼らはオブリビオンではないため、無闇に討伐していくのは非推奨です。

●二章・『ねこのしま』
 無事に目的の島まで辿り着けば、ケットシーの島民達が歓迎してくれます。
 大量の魚料理と共に行われる宴会で交流をしつう、珊瑚の装飾品の交易を持ちかけたりしましょう。
 ケットシー達は友好的なため、一緒に遊んでいるだけでもポジティブな印象を抱いてくれるでしょう。

●カラール島
 『珊瑚の海と海賊の掟(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=22194)』に登場した島です。
 以前のシナリオは読んでいなくても問題ありません。
 美しい珊瑚とそれを使った装飾品を名産品にしています。


 どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『伝説の島を目指せ』

POW   :    目の前の問題を力任せに解決します。満載された積荷が崩れそうな場合などは、全力で支えたりします

SPD   :    敵が想定しない速度で鉄甲船を操ったり、類まれな操船技術によって困難を乗り切ります

WIZ   :    伝説の島の謎を解いたり、策略を逆手にとって利用する事で、島を目指します

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「それじゃ、よろしく頼むよ」
 カラール島の島民からたくさんの特産品を受け取って、鉄甲船に積み込んで。
 他の準備もしっかりと完了し、猟兵達は大海原へと飛び出した。

 カラール島を経ってから暫くは穏やかな船旅が続いていた。
 けれど次第に不穏な風が吹き――海の中に幾つもの影が見え隠れしだす。
 その正体は魔の海域に暮らすサメ達だ。
 彼らは鉄甲船に興味津々、まもなく擦りついてきたり噛みついてきたりするだろう。
 無事にこの海域を抜けるためには、あのサメ達をどうにかしなければならない。

 知恵と勇気を振り絞り、魔の海域に立ち向かおう――!
アルデルク・イドルド
オブリビオンと戦わない依頼ってのはいいんだがその代わりがこの魔の海域ってわけか?
サメの大群…生来のそれならかなりやっかいなんだがじゃれているだけ。ねぇ。
海で生きてりゃサメに襲われてる人間の一人や二人は見てきているからなぁ。ゾッとしねぇ。

しかし新しい猫の島と交易が出来る様になるのは良い事だ俺の方でも扱えそうな品があったら交渉してみたいもんだ。

今はとにかく魔の海域を突き進もうぜ
サメに進路方向から外れてもらえるようキルケに【おびき寄せ】をしてもらおう。安心しろ後でちゃんと褒美はやる。
後は俺の【航海術】で切り抜けるぜ。

アドリブ連携歓迎


イスラ・ピノス
交易!僕の本業っていうものだよ!
珊瑚の装飾も良いね。無事成功させてこれからのお付き合いにも活かしていきたいところ。

鮫対策の小魚などのごはんも積んでいざ出航。
問題はその鮫達だね。
沢山いる以上、止まっている訳にはいかないよ。
船はまっすぐ進めつつ、その障害になる場合だけ対応って感じかな。
進む先を塞ぐ鮫にはPretty please!でどいて貰うようお願いして
渋る子や追って来て危なそうな子にはごはんも使って懐柔、気を逸らして追いつけなくさせて貰おう。
なるべく速くするだけ柄回らずに済む筈だから要領良く行きたいね。
目指せ一番乗り。




 託された積荷を確認して、いざ大海原へ。
 此度の依頼は敵と戦う必要はないけれど、なかなかの冒険譚になりそうだ。
 馴染んだ潮風を身体で受け止めつつ、アルデルク・イドルド(海賊商人・f26179)は船上から先の海域を見つめていた。
「サメの大群……生来のそれならかなりやっかいなんだがじゃれているだけ。ねぇ」
 海賊であり商人でもある彼にとって、サメの脅威というものはよく知っていた。
 それこそサメに襲われる人間を見たことだって一度や二度はある。その時の光景を思い出せば、今でもゾッとしてしまう。
 だからこそ用意は万全に。蒼羽のオウム『キルケ』の身体をそっと撫で、アルデルクは静かに呼吸を整えていた。
 そんな彼の後ろからは――ぱたぱたと駆け回る軽快な足音が響いている。
 そちらの方を見てみれば、幾つもの箱を運びまわるイスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)の姿があった。
「よっし、これで準備もオッケーだね!」
「その箱は? 交易品とは別物みたいだが」
 一息ついて満足げなイスラの元に、アルデルクも思わず近寄る。
 箱の中身も気になるが、それ以上に同じ場所を目指す船乗りとして話をするのも悪くないだろうから。
「これ? 鮫対策のごはんだよ。いざという時はこれを使おうと思って」
「成程な。俺も相手の気を引くのは重要だと思うぜ。船が傷つけられて、交易品にまで損害が出れば大問題だからな……」
「うんうん。珊瑚の装飾、とっても素敵だったもんね。その口ぶり、あなたもこういうお仕事には慣れてるのかな?」
 こてんと首を傾げるイスラに、アルデルクが返すのは深い頷き。どうやら二人は同業者のようだ。
「ああ。目的地が新しい猫の島っていうのもいいな。俺の方でも扱えそうな品があったら交渉してみたいもんだ」
「うんうん。依頼を無事成功させてこれからのお付き合いにも活かしていきたいところだね」
 海の商人同士、取っ掛かりもあれば話も弾む。
 けれどお喋りの時間はそろそろおしまい。気がつけば波は荒れ、船の周囲には黒いサメ影が見え隠れしている。
 どうやら――魔の海域まで辿り着いたようだ。

 サメ達はすぐに船へと接近し、その周囲を泳ぎ回っているようだ。
 その状況を前にして、猟兵達が出した結論は同じものだった。
「今はとにかく魔の海域を突き進もうぜ」
「うん、真っ直ぐゴーゴー!」
 すべてのサメに対処する必要はない。この海域を抜けさえすればいいのだから、とにかくスピードを落とさないのが最優先だろう。
 だからこそ二人は最低限のサメに対処しつつ、自分達は船を前へと動かすことに決めたようだ。
「キルケ、後でちゃんと褒美はやる。今はあいつらを誘導してくれ」
 アルデルクはキルケを海へと飛ばし、自身は船の操舵に取り掛かる。
 鮮やかな翼をばさりと羽ばたかせ飛ぶオウムの姿は、サメにとっても眩しいものだろう。
 数体のサメが引き寄せられるようにキルケの元へ飛んでいき、旅路はいくらか楽になったようだ。
 一方イスラは海に向かって顔を出し、迫るサメ達に視線を向けていた。
 そのままじーっと見つめて、相手の注意がしっかり向けられた瞬間に――。
「ね、鮫さん。ここを通して欲しいな、おねがい♪」
 ぱちんとウインクと共にお願いされれば、サメ達もメロメロだ。
 さーっと波が引くように数体のサメが道を開き、船が進むだけの空間を開けてくれた。

 しかし、全てのサメが猟兵達に友好的な訳ではない。
 中にはいたずらっ子もいるし、なかなか強情な子だっている。
 けれどそれに備えた対策だってバッチリだ。
「キルケ、戻ってこい!」
 アルデルクは船を操舵し続けたまま相棒を呼び寄せる。そのまま視線を向けるのは、イスラの用意した小魚の箱だ。
 イスラもまたアルデルクの意図に気づき、ぱかっと箱をオープン。中の魚を掴み取り、まだ船にすり寄るサメ達に意識を向けた。
「僕は右側のサメを担当するよ!」
「それじゃあこっちは左側を!」
 イスラが小魚を海へと放り投げれば、そちらにワッとサメが寄る。
 反対側でもキルケがどんどん魚を運び、サメを誘導してくれていた。
 猟兵達の工夫と連携は次々に道を切り開き、勢いのまま船も前へと進んでいる。
「この調子で進むぞ、少し揺れるかもしれないが……大丈夫か?」
「僕は平気だよ。どんどん進んじゃおう。目指せ一番乗り、だね」
「分かった、そちらがそのつもりなら……どんどん行くぞ!」
 時に魚を投げ入れ、時にお願いしたり誘導してもらったり。
 二人は役割を分担し、的確にサメ達の対処を行っていく。
 その勢いに圧倒されたのか、サメ達もどちらかといえば見守りモードに入っているようだ。彼らは進む船を見送りつつ、投げ込まれた魚をもぐもぐと食べている。
 不思議だけど楽しい船旅はまだまだ続く。
 猟兵達も潮風や波の音を全身で受け止めながら、その旅路を堪能していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

冬原・イロハ
珊瑚ってあんなにも綺麗なんですねぇ

見せてもらった特産品を思い出してほくほく
島のケットシーさんも喜ぶことでしょう♪

はわ、サメさん
どうしましょう?
可哀想なので、痛い思いをさせて、船が恐ろしいものと認識させることもできませんね(悩み)
たくさん遊ばせると、もし船が楽しいものと思ってしまったらこれから通る船も困ったことになりそうですし
穏やかに見守ってくれるようになると一番良いのですけれど

ドンガッキを抱えてUC
子守唄な曲を奏でます(ポロロン
心を込めて。竪琴で透明な音色を奏でて、ゆくこの船を見守りたい、という感情を起こせればいいなと思ってます

先の不安定な航海に、赤子のようによちよちよちよち――船はゆくのです




 猟兵達の船旅はまだまだ続く。サメ達との戦いもまだまだ続く。
 その準備をすすめるべく、冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)は『ドンガッキ』の弦を張っていた。
 彼女の後ろには交易品が入った箱が置かれている。中身も確認させてもらったが、どれも素敵なものだったな、とイロハは強く思っていた。
「珊瑚ってあんなにも綺麗なんですねぇ。島のケットシーさんも喜ぶことでしょう♪」
 早くケットシーさん達に会いたいな。そんなことを考えながらほくほくしていれば、少しずつ船が揺らぎだす。
 どうやら魔の海域に差しかかったようだ。船の上から海を見れば、たしかにサメ達の影がうようよしている。
「はわ、サメさん。どうしましょう?」
 あのサメはオブリビオンではないため、討伐する必要はない。そうでなくても痛い目に遭わせるのは可哀想だ。
 けれどその逆もあまり良くない。たくさん遊んで船が楽しいものだと覚えてしまえば、彼らはずっと通り掛かる船に絡んでしまうだろう。
「穏やかに見守ってくれるようになると一番良いのですけれど……」
 サメ達とこれから交易に取り掛かる人々。そのすべてのことを思い、イロハが選んだのは――ドンガッキを使うことだ。

 ととと、と船の上を歩いて、イロハはサメ達へと視線を向ける。
「イロハ、いきまーす」
 ぴしっと手をあげてから、慣れた手付きで弦に触れ――奏でるのは子守唄のような優しい曲だ。
 ぽろん、ぽろん、と音色が溢れる度に、サメ達の目つきもどこか穏やかになっていく。
 心の籠もった演奏と優しい曲調は、サメ達の心も癒やしているようだ。
 彼らは少しずつ船と距離を取り、そのまま波に揺蕩っている。視線は優しく、此方を見守ってくれているかのようだ。
(よかった、サメさん達にも想いが通じているようですね)
 イロハの奏でる透明な音色は、確かにサメ達にも優しさを分け与えている。
 この気持を覚えてくれれば、サメ達も船を見守るようになってくれるはずだ。
 今は通り掛かるだけだけれど、いつかはもっと穏便な関係に――そういう未来だってあるかもしれない。
 進む足取りは赤ん坊のようにゆっくりと、けれど確かに。先は不安定だけれど、止まらずに。
 潮風が尻尾を揺らすのを感じながら、イロハは音色でサメ達に言葉を紡ぎ続ける。
 そうして船は――目的地まで真っ直ぐに進んで行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ガーネット・グレイローズ
伝説の島を探す旅…か。いいね、すごくロマンを感じるよ。
シルバーホエール号、水平線の彼方まで進んでいこう!
魔の海域を抜けて、いざネコの島へ!

【ガーネット商会】のメンバーを甲板へ招集、作戦会議だ。
サメのひしめく海域を自慢の《航海術》《団体行動》で切り抜けるぞ。
ここは、ウチの航海士と船乗りたちのチームワークを信じよう。
私もイトマキエイのマン太の背に乗り、サメを引きつける囮役を引き受けよう。
「頼んだぞ、マン太」
ふよふよと海面付近を《空中浮遊》するマン太の上から肉の塊を
投げ込んでサメを餌付け。サメの注意を惹いて、船の針路から遠ざけていこう。
ぐるっと遠回りしてサメを撒いたら、船へと戻って情報の交換だ。




 自身の商船である『シルバーホエール号』に乗り込みつつ、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は広い海原を眺める。
 彼女の表情からは隠しきれないワクワク感が滲み出ているようだ。
「伝説の島を探す旅……か。いいね、すごくロマンを感じるよ。シルバーホエール号、水平線の彼方まで進んでいこう!」
 そう語る彼女の後方では、ガーネット商会の乗組員達がせっせと準備を進めている。
 彼らはグリードオーシャンで生まれ育った生粋の船乗り達。サメが出没する魔の海域だろうと、彼らの技術があればきっと乗り越えられるはずだ。
「魔の海域を抜けて、いざネコの島へ!さあ、仕事だ。出発するぞ! 錨を上げろ!」
 ガーネットの声に商会のメンバーは勇ましい返答を返し、そして船は進んでいく。
 ただひたすら真っ直ぐに――物語に語られた島まで!

 船が魔の海域に差し掛かるまでの間、ガーネットは常に船員達との作戦会議に勤しんでいた。
「サメのおびき寄せは私が担当しよう。皆は船の操縦と海の観察を頼むぞ。こまめな情報収集と報告も忘れないように」
 テキパキと指示を飛ばしていけば、船員達はその通りに動いてくれる。
 そんな彼らの様子を見遣り、ガーネットも心の中で安堵していた。
 ウチの航海士と船乗りたちのチームワークがあれば、きっと困難も乗り越えられるはず。
 その想いを固めた頃に――どうやら魔の海域に差し掛かったようだ。
「ガーネットさん、サメが集まってきています!」
「ああ、分かった。ここは私に任せてくれ。頼んだぞ、マン太」
 船員に頷きを返し、ガーネットはイトマキエイの『マン太』の背へと飛び乗る。
 船に近付いてきていたサメ達は突如飛び出してきたガーネット達に興味を移したようで、ザバザバついてきているようだ。
「よし、いい調子だな。それじゃあ……」
 もっと彼らの気を引けるよう、ガーネットは事前に餌になる肉を用意してきていた。
 それらを海にばら撒けば、サメ達の興味はより此方の方へ。
 その間に船員達も力を合わせ、船を前へと進めてくれているようだ。

 サメ達が肉に食らいついたのを確認し、ガーネットは急いでシルバーホエール号へと戻る。
 なるべく進行ルートは遠回りに、でも着実に。戻ったガーネットのことを船員がすぐに出迎えてくれた。
「あのサメ達は大丈夫だ。船の方は?」
「こちらも問題ありません。順調です!」
「それはよかった。引き続き、船を進めていこう!」
 あとはただ、ねこの島を目指すだけ。潮風に紅い髪を揺らしつつ、ガーネットはしっかりとした船旅を続けていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クオ・メアン
【WIZ】

『伝説のねこの島』?猫の住人さんがいるの?何だか面白そうだね。行ってみたいなぁ。

すごーい、この辺りにはたくさんサメさんがいるんだね。
悪い子達じゃないんなら、魔法で凍らせたりは出来ないね。

呼ぶと、空中を泳いでぼくのそばに来たガレくんの背中に乗って。
「ねぇ、ガレくん。船を追いかけたりしないで欲しいってサメさん達を説得して先に進めないかな?」
ガレくんに説得をお願いするよ。サメ同士ならお話も通じるし、警戒されないからね。

ごめんね、サメさん達。今はみんなお仕事中だから。
帰り道なら、ぼくとガレくんとレクスくんが遊んであげられるから。
サメさんの鼻先なでなで。




 『伝説のねこの島』の話を聞いてから、クオ・メアン(氷雪の精霊術士・f30569)の胸の内にはワクワクした感情が渦巻いていた。
 名前の通り猫の住人がいるのだろうか。何だか楽しそうだし、行ってみたい。
 けれどそこまでの道のりは決して甘いものではないらしい。進み始めた鉄甲船の上から海を確認してみれば――。
「すごーい、この辺りにはたくさんサメさんがいるんだね」
 ざばざばと、船の回りを泳いでいるのはたくさんのサメ達だ。
 彼らから害意や悪意のようなものは感じないけれど、これだけのサメに囲まれるというのはなかなか圧巻で。
 けれど彼らはオブリビオンではない。まとめて魔法で凍らせてやっつける、とかは良くないだろう。
 それなら必要なのは話し合いだ。幸いなことに、クオの友人にはそれが可能な者がいるのだから。
「ガレくん。ぼくと一緒にサメさんのところに行ってくれる?」
 クオが小さく呼びかければ、姿を現すのは一体のサメだ。
 ふよふよと空に浮かぶ彼は通称『ガレくん』。鮫魔術によって改造された頼もしい相棒だ。
 クオはガレくんと共に海へと入り、船の回りを泳ぐサメ達の注目を集めていく。

 気がつけば、クオ達の回りにはぐわっとサメ達が集まってきていた。
 けれど怖くはない。サメ達の瞳はきらきらしているし、純粋な好奇心で行動しているようだから。
 そのことに安堵しつつ、クオはガレくんの頭をぽんぽんと撫でる。
「ねぇ、ガレくん。船を追いかけたりしないで欲しいってサメさん達を説得して先に進めないかな?」
 サメ同士ならきっとコミュニケーションも取れるし、警戒もされないだろう。
 ガレくんはクオのお願いを受け、サメ達の方へ近付いていく。
 しばらくの間ジェスチャーなどを交えて何かを伝えれば――サメ達は船から少しずつ遠ざかり、道を開けてくれたようだ。
 どうやら交渉は成功したらしい。クオもほっと安堵の息を吐き、道を開けてくれたサメ達へと近付いた。
「ごめんね、サメさん達。今はみんなお仕事中だから。帰り道なら、ぼくとガレくんとレクスくんが遊んであげられるから」
 この子達も悪い子ではないのだ。きっとみんなと一緒に遊びたいのだろう。
 それは無事に交易が成功し、道が完成してからだ。けれどその時は一緒に、楽しく遊ぼう。
「またね、サメさん」
 クオがそっとサメの鼻先を撫でてやれば、彼らは嬉しそうに目を細める。
 次に会った時は、きっと友達になれるはずだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

灰神楽・綾
【不死蝶】
ねこの島かぁ、アルダワから落ちてきたのかな?
どんな美味しい宴会料理が出るのかなと今からワクワク

さて、その為にもまずはあのサメ達をどうにかしないとだね
海面に大量のサメのヒレが出ている光景はインパクトあるねー

船にとってサメの存在は脅威だけど
サメにとっても船に激突したら結構痛いはずだよね?
つまりこの鉄甲船は立派な「武器」だ、OK?
というわけで、UC発動し
武器である鉄甲船に「サメ」を透過する性質を与える
これでどれだけサメがじゃれついてきても船をすり抜けるはず
すり抜けるはず(暗示)
どうなるかは神(判定)のみぞ知る

サメとドラゴンがじゃれあっているの、レアな光景だね
今のうちに写真撮っておこうっと


乱獅子・梓
【不死蝶】
お前の一番の楽しみは美味い飯か
はいはい、お前達にもちゃんと食わせてやるからな
(仔竜達なでなで

犬猫ならじゃれついてきたら可愛いが、サメはなぁ…
オブリビオンではないとはいえ、甘噛み一発で大惨事待ったなし
このサメ達のおかげでねこの島は
海賊やコンキスタドールに狙われず平和だったのかもな

かなり乱暴な理論だな??
分かるような分からないような…本当に大丈夫なのか
綾の作戦だけでは不安が残るから保険をかけておこう
UC発動し、泳ぎが得意な水属性のドラゴンを召喚
船を守るように周囲に配置し、船に合わせて泳がせる
これでサメがやって来てもドラゴン達が相手してくれる
一緒に遊んでサメの気を船から逸らしてやってくれ




 鉄甲船の甲板から広がる海見つめ、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は楽しげに目を細める。
 今日は交易のための旅、ずっとずっと進んでいけば『伝説のねこの島』に辿り着けるらしい。
「ねこの島かぁ、アルダワから落ちてきたのかな?」
「ねこ達がケットシーならそうだろうな。交易品を運んで、一緒に遊んだり宴会すればいいんだったか」
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)も綾の隣で海を眺め、相棒である仔竜達と共にその光景を楽しんでいた。
 冒険の果てに未開の島を目指す。なんとも浪漫のある響き、今日の航海は是非とも成功させたいと思いつつ。
「宴会、いいよね。どんな料理が出てくるのかな……やっぱり魚かな?」
「お前の一番の楽しみは美味い飯か。俺も楽しみにしてるけどな。はいはい、お前達にもちゃんと食わせてやるからな」
 料理の話題に興奮気味の仔竜達を撫で梓は笑う。その様子を綾も楽しそうに見つめているが――冒険に航海はつきものだ。
 どこか不穏な風が一行を撫でたかと思えば、海の中からサメのヒレらしきものが見え隠れし始めた。

「さて、まずはあのサメ達をどうにかしないとだね。海面に大量のサメのヒレが出ている光景はインパクトあるねー」
「犬猫ならじゃれついてきたら可愛いが、サメはなぁ……」
 のんびり語る綾も苦笑いを浮かべる梓も、周囲のサメ達から悪意のようなものは感じていない。
 だからといってこの状況、楽観視もしていられない。サメなら甘噛みされるだけで大惨事待ったなし、サメ肌や純粋な体当たりでも船にとっては死活問題だろう。
「このサメ達のおかげでねこの島は海賊やコンキスタドールに狙われず平和だったのかもな」
「そうだね。だからこそ、なるべく彼らを傷つけずにいきたいな」
 そう話しつつ、綾は甲板の上をトタトタと歩いていく。
 なるべく船の中央付近まで辿り着いたのなら、足元に手をつき意識を集中。
「船にとってサメの存在は脅威だけどサメにとっても船に激突したら結構痛いはずだよね?」
「? ああ、そう言われればそうだな。それで?」
「つまりこの鉄甲船は立派な『武器』だ、OK?」
「かなり乱暴な理論だな??」
 相棒が語る謎の理論に梓は思わず首を傾げる。
 そう言われればそんな気もするし、いやいやそんな訳ないだろ、とも言えそうだし。
 かなり乱暴な理論だからこそ色々言いたいことはあるけれど――ここは綾を信じよう。
 梓がそれ以上何も言わないことを確認し、綾は手元に更に意識を集中させる。
「ディメンション・ブレイカー、武器である鉄甲船に『サメ』を透過する性質を付与。これできっとどうにかなるはずだ」
「……」
「すり抜けるはずだ」
 ぶつぶつ呟く綾の言葉は、梓よりも自分自身に言い聞かせているようだ。
 実際効果はあるのか、船の近くにいるサメには衝突事故を起こしていないようだが――自己暗示に由来する作戦は、少々不安が残る。
 梓は船の先端へと移動して、自らも埒外の力を発揮することにした。
「集え、そして思うが侭に舞え!」
 周囲に漂う海の魔力を応用し、水の魔力に変換。それを糧に呼び出すのは鮮やかな水のドラゴン達だ。
 彼らは勢いよく海へと飛び込み、サメ達の元へ向かっていく。
 新たな興味の対象にサメ達もワッと移動を始め、共に船から少し離れた位置を泳ぎ始めたようだ。
「ドラゴン達、出来るだけサメと一緒に遊んでくれ。なるべく船から気を逸らさせるように頼む!」
 術者の命令を受け、ドラゴン達はサメと楽しげに海の中を泳ぎ回る。
 彼らは泳ぎが得意だから、順調に泳げば船にぶつかることもない。
 万が一危なくなっても、綾のユーベルコードが続いている限りは大丈夫だろう。

「これでよしっと……あとは進んでいくだけだな」
 一仕事終えて、梓は安堵の息を吐く。
 梓のユーベルコードも不安はあったが無事に成功しているようだ。船というのはやっぱり武器なのかもしれない……いや、ほんとに?
 頭の中をぐるぐるさせていれば、一段落ついた綾も梓の隣に立っていた。
「お疲れ様。そっちも保険をかけてくれたみたいだね」
「まあな。こういう眺め、いいだろう?」
 梓が海を指差せば、そこには仲良く泳ぐドラゴンとサメの姿が。
 仲睦まじくじゃれ合う彼らの姿は微笑ましく、此処が危険な海域だと言われていたことを忘れてしまいそうだ。
「サメとドラゴンがじゃれあっているの、レアな光景だね」
 そう語りつつ綾はカメラを取り出すと、海の様子をパシャパシャと撮影していく。
 サメとドラゴンが遊ぶ光景なんて、なかなか撮れるものでもない。こういうことを記録しておくのも、旅の楽しみの一つだろう。
「いいよね、こういうの」
「ああ、そうだな」
 ここまで来ればあとは船旅を続けるだけ。
 魔の海域を抜けるまでの間、猟兵達は暫し穏やかな時間を過ごすのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 日常 『ねこのしま』

POW   :    ケットシー達とノンビリ過ごして交流

SPD   :    ケットシー達と食事しながら交流

WIZ   :    ケットシー達と歌って踊って遊びながら交流

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達は無事に魔の海域を進み、サメ達の生息域を抜けることとなる。
 そうすれば見えてくるのは小さな島だ。
 砂浜の上には壊れた蒸気機械が転がり、それらを屋根や壁にして幾つもの家屋らしきものが設置されている。
 そしてその中からもぞりと姿を現したのは――ねこの住人、ケットシー達だ。

「にゃ!? 船が来たにゃ!」
「久しぶりのお客様だにゃ! おもてなしの準備にゃ!」
 ケットシー達も鉄甲船に気づいたのか、バタバタと宴の準備を進めている。
 少しでもそちらに近づけば、香ばしい焼き魚の香りが漂ってくるだろう。
 他にも新鮮な魚や野菜を使った料理が並べられ、テーブルにチェアに日除けのパラソルなんかもささっと用意されていく。

 島まで無事に上陸すれば、すぐに代表らしきケットシーが猟兵達の元へと駆け寄る。
「いらっしゃいませにゃ! ささ、お客様。こちらへどうぞにゃ!」
「遠路はるばるお疲れ様ですにゃ。でもどうしてボクらの島に?」
 ケットシー達は皆を宴に誘いつつも、話を聞きたくてしょうがないといった様子。
 一緒に魚料理を楽しんだり遊んだりしつつ、交易の話も取り付けた方がいいだろう。
 勿論難しい話は抜きに、ひたすらおもてなしを受けるだけでも大丈夫。
 ケットシー達も久しぶりの客人に、ただただ喜んでいるのだから。

 船旅の疲れを癒やしつつ、まずはねこの島を楽しもう。
アルデルク・イドルド
ん、無事に島に着く事が出来たな。
島民からも歓迎されてるようだし一安心だ。

さて、交易についての話も進めていかないとな。
こちらが『カラール島』から持ってきたのは珊瑚の装飾品だが…この島で手に入りにくいもんがあったら教えてくれ次からの交易に役立てる。

こちらから出せるものはこんなとこだな…あとはこの島の特産品とか余ってしかたねぇもんとか。後者はな島民以外が見るとお宝!ってものもあるからな。価値観の違いってのも面白いぜ?

俺自身は宝石やら装飾品が好きだが俺が価値があると思ったなら何でも扱うぜ。
俺はただの商人じゃねぇ『海賊商人』だからな

アドリブ連携歓迎。




「ん、無事に島に着く事が出来たな」
 鉄甲船の甲板からねこの島を眺め、アルデルク・イドルドはホッと安堵の息を吐く。
 見ればケットシーの住人達も歓迎の準備を進めており、彼らの友好的な態度にも安心した。
 長い航海を終えてからすぐに厄介な状況に――なんてことも日常茶飯事だ。けれど今日は穏やかに、それでいてしっかりと行こう。
 そんなことを決心しつつ、アルデルクは交易品と共に島へと上がる。

 ケットシー達とは簡単に挨拶を済ませ、まずは宴会の席に。
 振る舞われる魚料理を堪能したり色々雑談してみたり。そうすればすぐに場は温まっていく。
 このまま楽しく歓待を受けるのもいいけれど、そろそろ仕事の話もすべきだろう。
 アルデルクは用意した品々を取り出しつつ、ケットシー達へと自然体の笑顔を向ける。
「俺達、この島には交易のためにやってきたんだ。まずはこれを見て欲しい」
「わぁ、きらきらだにゃ!」
 カラール島で作られた珊瑚の装飾品はどれも美しく、ケットシー達の興味もあっという間に引くことが出来た。
 幾つかの品を見せ合って、感想を聞いて、時に似合う装飾品を提案したりして。その辺りの交渉トークもアルデルクには馴染んだものだった。

「この島で手に入りにくいもんがあったら教えてくれ、次からの交易に役立てる。それで……こちらから出せるものはこんなとこだな」
「ありがとうにゃ。交易ってことは、こちらからも何か出すにゃ?」
 こてんと首を傾げるケットシーに、アルデルクは再び笑顔を向ける。相手も乗り気なのは有り難い。
「この島の特産品とか余ってしかたねぇもんとか、そういうのはないか? 島民以外が見るとお宝! ってものもあるからな。価値観の違いってのも面白いぜ?」
「ボクらの特産品は……やっぱりお魚にゃ?」
「そういえば、どんな魚を調理してるかは聞いてなかったな。確認させてもらっても?」
「勿論にゃ!」
 住民達に案内されるまま調理場を覗いてみて――アルデルクは思わず目を丸くする。
 彼らの調理している魚は虹色に輝く鱗を持っており、他の島ではなかなか見られないようなものだったからだ。
 調理されたものを食べて味もキチンと確認しているし、これはなかなか面白い特産品かもしれない。
「いいね、宝石やら装飾品やらも嬉しいけど、こういうものにも間違いなく『価値』がある。『海賊商人』の俺が保証するぜ」
「やったにゃ! それじゃあお魚と珊瑚、交易しようにゃ!」
「ありがとう。こちらからもよろしくな」
 交渉は成立だ。一仕事終えたことを確認し、アルデルクは再び安堵の息を吐く。
 けれどこれで満足してはいけない。せっかく出来た交易ルートを開拓したり、もっとケットシー達を仲良くなったり。
 楽しい仕事はまだまだ続くのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イスラ・ピノス
とうちゃーく!
あちらに見えるのはケットシーさん
目的の場所に間違いなさそうだね!
既に歓迎ムードって感じでこれは仲良く出来そう♪

まずは明るくご挨拶。
『伝説のねこの島』って呼ばれていることや、来るまでのこと、仲良くしたいことも伝えながら、歓迎に甘えて楽しんじゃおう。
ある程度話も進んで和やかなところで交易のお話も切り出してみるよ。
まずは珊瑚の装飾品、実際の商品を見て貰って向こうの感触を確かめつつ、慌てずまずは、という感じで進めてみるよ。
向こうのお魚料理にも興味あるよ!
お互い良い感じに交流深めていけるようにというのが方針だね。




「とうちゃーく!」
 サメさん達とのトラブルも抜け、見えてきたのは島のシルエット。
 その光景を前にして、イスラ・ピノスはきらきらと瞳を輝かせていた。
 こちらを出迎えるのは沢山のケットシー、ここがねこの島で間違いはないだろう。
 彼らの歓迎ムードにほっと安心しつつ、イスラは上陸の準備を進めていく。

 始めは挨拶が肝心だ。住民達の元まで辿り着けば、イスラはウインクと共に元気いっぱいの挨拶を贈る。
「はじめまして、ケットシーさん! 僕はイスラ、冒険商人だよ。ここが『伝説のねこの島』って呼ばれてるから、冒険しにやってきたんだ!」
「はるばるお疲れ様ですにゃ。ささ、早速ゆっくりしていくにゃ!」
「ありがとう、それじゃあ暫くお邪魔させてもらうね!」
 促されるまま宴会の席に着き、まずはゆっくりと旅の疲れを癒やしていって。
 振る舞われる魚料理はどれも美味しいし、周りを見れば友好的なケットシーばかり。この環境ならば心身ともに十分に休めることが出来そうだ。
「サメの海域とか大変だったんじゃないかにゃ?」
「そうそう、みんな悪い子じゃなかったからどうにか退けてもらったけど……僕らが来た島からは距離もあったし、色々あったんだ」
 ケットシーは猟兵達に強く興味を示しているらしく、次々に話題を投げかけてくる。
 こういう雑談も交易ならば大切だ。何よりイスラもケットシーとの交流は心から楽しんでいる。
 暫く和気藹々と話が続いたのなら――いよいよ商談のスタートだ。

「それで、僕らがこの島に来た目的なんだけど……カラールって島が交易をお願いしてるんだ。これを見てくれる?」
「わっ、ぴかぴかのアクセサリーにゃ。これって……珊瑚?」
「そうそう。手にとって確かめてくれる?」
 いざ商品を差し出せば、ケットシー達からの感触はなかなかに良好だ。
 彼らは珊瑚の装飾品を品定めしつつ、何やら話し合っている様子。
「珊瑚は素敵だにゃ。でもボクらからは何を渡せばいいのか……」
「うーん、さっきのお魚料理とかどうかな? とっても美味しかったよ!」
 イスラもただ宴会を楽しんでいた訳ではなく、島の様子には予め目をつけていた。
 料理に使われていた魚は虹色の鱗を持つ珍しいものだった。それにケットシー独自の調理法が加われば、十分に魅力的な品になるだろう。
「今度はカラール島の人達も連れてくるよ。きっとみんなも、ここの料理は気にいると思うな」
「良いアイデアだにゃ! お料理と珊瑚の交換、楽しみだにゃあ」
 ゆらゆら嬉しそうに尻尾を揺らすケットシーに、イスラもにっこり笑みを返して。
 交易は始まったばかり。けれど確かな一歩は踏み出せた。その事実がイスラの胸を満たしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

冬原・イロハ
わあ、素敵なおもてなしをありがとうございます
初めまして、私はイロハっていいます(ぺこり)

魚料理♪♪喜んでいただきます
お魚はやっぱり美味しいですね
火をお借りして、私も、料理道具やティーセットを使っておもてなしのお返しを
麦茶にしましょうか
そういえば珊瑚の粉を使った麦茶もあるそうですね(あったら淹れてみようかなの気持ち

他の方の交渉に、邪魔にならないよう相槌をうつようにしてカラール島の特産品を紹介しますね
ブローチがあれば住人さんのバンダナやお洋服に留めたりしてみます
すごくお可愛らしいのです

大きな珊瑚があれば砂浜と空き家を利用して、珊瑚館みたいにできないかしら?
キラキラの林の中にいるみたいで楽しそう




 ねこの島に降り立てば、迎えに来るのは勿論もふもふのケットシー達だ。
 彼らからの暖かな歓迎を受けつつ、冬原・イロハも柔らかな笑みを浮かべていた。
「わあ、素敵なおもてなしをありがとうございます。初めまして、私はイロハっていいます」
「はじめましてにゃ。ケットシーのお客様とは嬉しいですにゃ、早速こちらへどうぞですにゃ」
 ぺこりと互いにお辞儀をして、それから一緒に宴会の席へ。
 食卓にはたくさんの魚料理が並べられ美味しそうな香りを漂わせている。
 しっかりいただきますをしてから、料理を一口。次の瞬間、イロハの瞳にきらきら光が灯りだす。
「お魚はやっぱり美味しいですね、ありがとうございます」
「気に入ってくれてうれしいにゃ、どんどんどうぞにゃ」
 それから暫くは宴会の時間が続く。美味しい料理を頂き続けるのもいいけれど――少しばかり、お礼が出来れば。
 イロハは席を立ち上がり、料理をしている住民達の元へと向かう。
「あの、よければおもてなしのお返しをさせてもらいたくて。お茶を淹れてもいいでしょうか?」
「これは丁寧にありがとうにゃ。一体何茶だにゃ?」
「実はですね、カラール島からこんなものを預かっておりまして」
 そう話しつつイロハが取り出したのは、一風変わったコーラルサンドを混ぜた麦茶だ。
 手持ちの道具でさっとお茶を淹れたなら、再び宴会の席へ戻って皆で乾杯。
 美味しい料理とお茶に暖かな団欒。旅の疲れを癒やしつつ、イロハはのんびりとした時間を過ごしていく。

 商談については得意としている猟兵にお願いするのが一番だろう。
 イロハは彼らの手伝いをすべく、住民達にどんどん話を振ることにしていた。
「……っと。ブローチ、付けられましたよ」
 同じケットシーならば身繕いも手伝いやすい。持参したブローチを住民の服につけながら、イロハは柔らかく言葉を紡ぐ。
「すごくお可愛らしいのです」
「えへへ、嬉しいにゃ。珊瑚、素敵だにゃ」
「ええ、本当に。装飾品だけじゃなく、他にも色々使えそうですね」
 イロハが思い浮かべるのは、この島にもたくさんの珊瑚がやってくる光景だ。
 大きな珊瑚を砂浜や空き家に並べ、珊瑚館なんて作ってみたら。キラキラの林の中にいるみたいで、それはきっととても楽しい。
「良ければ皆さんにも、カラール島の珊瑚を好きになっていただきたいです」
 この言葉は間違いなくイロハの本心だ。それに対して返ってくるのは――ケットシーの満面の笑み。
 彼らはきっと珊瑚を気に入り、これから島を彩っていくだろう。
 カラール島とねこの島の未来を思い、イロハの胸に暖かな気持ちが宿るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クオ・メアン
【WIZ】
アドリブ歓迎

珊瑚の装飾品を陽に透かして。
「きらきらしてキレイだよね。さすがカラール島の名産品!」
でも『こーえき』ってよくわかんないし、お兄さんお姉さん達にまかせちゃおっと。

せっかくねこの住人さん、もといケットシーさん達に会えたんだし、一緒にいっぱい遊びたいなぁ♪

ケットシーさん達に遊ぼうって声掛けてお友達になるよ。
蒸気機械の上を身軽に飛んだり跳ねたり。かけっこしたり。
ケットシーさん達って普段どんな遊びをしてるのかな?

遊び疲れたら、おやつを食べながらお話しよう。
「この間外の世界に冒険に行ってきたんだけど、面白かったんだよ」
「ぼくの故郷はすごく寒いところで。でも雪と氷の海がキレイなんだよ」




 ねこの島に着く直前、クオ・メアンは甲板にて交易品の確認を行っていた。
 カラール島の珊瑚で作られた装飾品はどれも綺麗で、見ているだけでも面白い。
 小さなブレスレットを手にとって陽の光に透かしてみれば、きらきらと輝く鮮やかな色彩がクオを楽しませてくれた。
「きらきらしてキレイだよね。さすがカラール島の名産品!」
 でも、これを『こーえき』するにはどうすればいいのか分からない。
 その辺りは得意そうなお兄さんやお姉さん達に任せよう。
「せっかくねこの住人さん、もといケットシーさん達に会えたんだし、一緒にいっぱい遊びたいなぁ♪」
 猟兵達とねこの島の人々が仲良くなるのも大切なこと。クオもまた大切な仕事を請け負って、目的の島へと降り立った。

 島に着けばすぐにケットシー達が暖かく出迎えてくれた。
 その様子にほっこりしつつ、クオは柔らかな笑みを浮かべる。
「ケットシーさん、せっかくだからぼくと一緒に遊ぼう? この島、とっても楽しそうだし!」
「勿論ですにゃ! それじゃあ島の中を案内するにゃー!」
 ふわふわのケットシーに囲まれながら、始まるのは大冒険だ。
 どうやらこの島はアルダワから落ちてきたらしく、至るところに蒸気機械の残骸が転がっている。
 ケットシー達はそれらを活用しつつ生活しているようだが――これを使って遊ぶことだって出来るだろう。
「みんなー、こっちこっち!」
「わっ、追いかけっこだにゃ! 負けないにゃ!」
 一緒に機械の上を跳ねて飛んで、追いかけまわって。元気いっぱい身体を動かしているだけで、誰もが自然に笑みを浮かべている。
 怪我だけはしないように気をつけて、クオ達は島の中を駆け回る。
 南国らしい植物や大きな湖、ケットシー達の住まいなどなど。見るもの全てが楽しくて、そのどれもにクオは瞳を輝かせていた。

 一通り島を見回ったら、再び宴会の席へ。
 美味しいお水やお茶、それから簡単なケーキといったおやつも十分。これを片手に、今度はのんびり雑談タイムだ。
「この間外の世界に冒険に行ってきたんだけど、面白かったんだよ」
「クオくん、小さいけど冒険してるんだにゃあ。偉いにゃあ」
「ありがとう。他の世界も好きだし、故郷の……すっごく寒いけど、綺麗な雪と氷の海も好きだから。この島だって勿論大好きだよ」
 クオの真っ直ぐな言葉にケットシー達は少しだけ目を丸くして、すぐにふにゃりと笑みを返す。
「そう言ってくれて嬉しいにゃ。クオくんも他のみんなも、またいつでも遊びに来てにゃ」
「ありがとう。うん、また来るよ!」
 こうやって友達になることだって、大切な『こーえき』のお仕事だ。
 新たな友人と暖かな時間を過ごしつつ、クオはしっかりと役目を果たしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイン・フィーバー
「遅れて登場でーすヨー!!」

たこサメ(アイテム)サンに乗って登場
飛べるので海をスルーなのである。ずるいね

「ああ、このたこサメサンは、いいサメですノでご安心を」

他の方々が力仕事をお求めなら手伝ったりしますヨー。
基本的に交渉周りは他の方々にお任せして、裏方をやります。

本職道化師なので、ケットシーの方々にカードマジックやパントマイム、そして珊瑚を使ったジャグリングを披露。

「フフフ、珊瑚にハこういう使い方もあルのですヨー」

ジャグリングされて空を舞う珊瑚はきらっきらで綺麗だ。

「万が一落とすと壊れテ哀しいのデ、これやる時は、しっかり他のモノで練習してからにしましょうネ?」

注意も忘れない人型TVなのである。




 ねこの島のケットシー達は次々にやってくる客人を迎えるべく、砂浜でワイワイ準備をしていた。
 そんな中、一匹のケットシーが海の向こうに視線を向けている。
「……あれはなんだにゃ?」
 島に近づいてくる黒い影――鳥かと思ったけれど、どうやらそうでもない。
 よく目を凝らしてみると、その正体はサメとタコをあわせたような不思議の生き物だ。
 更にその上では人型TV、ノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)がぶんぶんと手を振っている。
「遅れて登場でーすヨー!!」
「さ、サメにゃ!? まさか魔の海域から!?」
「ああ、このたこサメサンは、いいサメですノでご安心を。ワタシ達はカラール島から遣わされてきたノです」
 たこサメと共に島へと降り立ち、ノインはケットシー達へと頭を下げる。
 ちなみにここまでの道のりは全部空を飛んできた。眼下に広がる海にてサメ達がなんか凄い顔でこっちを見てきたけれど、全く問題はない。
 とにかく自分は使者としての仕事を全うしに来たのだ。そこでノインは頭を上げて――。
「……という訳で改めましテ。よければ皆様と親睦を深めたク、手品ショーなど如何でしょうカ?」
 わらわらと集まってきたケットシー達に向け、ノインは笑顔と共に手品道具をさっと差し出す。
 その様子を眺めていたケットシー達は大喜び。派手な登場と滅多に見れないショー、掴みはバッチリだろう。
 ノインは液晶にニコニコ笑顔を浮かべつつ、ショーのセッティングを始めていく。

 ノインのショーには何匹ものケットシーが集まってきてくれていた。
 そんな彼らに向け、最初に披露するのはカードマジックにパントマイムといった分かりやすく楽しいものだ。
「手品師さん凄いにゃ!」
「お褒めに預かり光栄デス。ですガ、とっておきハこれからですヨ」
 観客のテンションがどんどん上がる中、ノインが取り出したのは――カラール島の珊瑚達だ。
 それらを使って披露するのは華麗なジャグリング。珊瑚が空へと飛び上がる度、日の光が珊瑚を煌めかせて目を楽しませてくれた。
「すごいにゃ! ボクもやってみたいにゃ!」
「おっと。万が一落とすと壊れテ哀しいのデ、これやる時は、しっかり他のモノで練習してからにしましょうネ?」
 わいわいはしゃぐケットシー達に注意も忘れず、それでも彼らが楽しめるように祈りつつ。
 これで島の住民達も珊瑚に強く興味を持っただろう。
「ササ、是非カラール島の珊瑚を交易しテ頂ければと思いマス。キラキラで素敵ですからネ」
「分かったにゃー! いつか手品師さんみたいに珊瑚、きらきらさせるにゃ!」
 約束の握手を交わせば心も通じる。ケットシー達の意気揚々とした様子につられ、ノインは再び笑顔を浮かべるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガーネット・グレイローズ
ここか、ねこの島…カラール島から結構な距離だったな。
やはり住民は皆ケットシーなのだね。
「こんにちは。我々はカラール島という島から、
依頼を受けてやってきました。この島の方々と、交易がしたいと」
「申し遅れました、私の名はガーネット。
交易会社ガーネット商会の代表です」
カラール島とねこ島は距離があるし、危険な海域を
通らなければならない。そこで、双方の荷物を運ぶ仕事を
ウチの会社に任せてもらってはどうか…という相談さ。

しかし折角おもてなしをしてくれるというのだから、
まずはゆっくり体を休めようか。
会ってすぐに商売の話というのもなんだし、
私もクルーも長旅で疲れている。少し休憩だ。
それに、宴会中にウチの品物を売り込めるし。
「…ん、どの料理も素晴らしく美味い」
「これがカラール島の特産品です。綺麗な珊瑚でしょう」
「うちの会社では、色々な島の特産物を扱っているんです。
お茶やコーヒーもありますよ」
「この島の食べ物はとても美味しいですから、きっと人気が出ますよ」
うまく《取引》して、信頼関係を築けたらいいね。




 長い船旅を終えて目的の島へ。アルダワの文化を色濃く残す島を前にして、ガーネット・グレイローズはゆっくりと肩の力を抜いていた。
「ここか、ねこの島……カラール島から結構な距離だったな」
 今後も島を行き来するなら、サメ海域だけでなく船旅の準備も気をつけなければいけないかもしれない。
 そんな思考を巡らせつつ白い砂浜を見つめれば、そこには猟兵達を歓迎するケットシーの姿も見えた。
 噂通り、住民は皆ケットシーなのだろう。
 ガーネットも砂浜へと降り立つと、わいわい集まる住民達へとニッコリ笑みを向けた。
「こんにちは。我々はカラール島という島から、依頼を受けてやってきました。この島の方々と、交易がしたいと」
「お話は窺っておりますにゃ。お姉さんもカラール島の島民なのですかにゃ?」
「ああ、申し遅れました。私の名はガーネット。交易会社ガーネット商会の代表です」
 ガーネットが丁寧に礼をすれば、彼女の後ろに並ぶ商会のメンバーも深々と頭を下げる。
 島同士の交流は勿論大切だ。けれど此度の仕事はガーネット商会にとっても意義のあるものに出来るはず。
 例えば交易が始まれば、双方の島から荷物の行き来も始まるだろう。
 その航路は長く危険なものになる。その役割を専門家であるガーネット商会に任せてもらえれば、島民達も安心だし商会の利益もきちんと出る。
 そういった商談も追々しようと思っているが――けれどまずは、旅の疲れを癒そうか。
「久々のお客様ということで、宴会の準備もしているにゃ。ガーネットさんも商会の皆様も是非どうぞですにゃ」
「それではお言葉に甘えて。暫くのんびりさせていただきます」
 ケットシー達に導かれるままガーネット一行は宴会の席を目指す。
 そして辿り着いた先には――美味しそうな魚料理と、楽しそうにはしゃぐケットシー達の様子が見えた。

 宴会に出されている料理は、どれも島で採れた食材を使っているらしい。
 つやつやの野菜も美味しいけれど、それ以上に気になるのは虹の鱗をもった魚だ。
 味わいは白身魚に近く、焼いたり煮たりといった調理法が中心らしい。見た目と同じく繊細な味わいは記憶に残りそうだ。
「……ん、どの料理も素晴らしく美味い」
「そう言ってもらえて光栄ですにゃ。ウチの特産品の虹魚ですにゃ、どんどん食べて下さいにゃ」
「ありがとうございます。この島の食べ物はとても美味しいですから、きっと他の島の人に振る舞っても人気が出ますよ」
 促されるままどんどん料理を食べて、軽く雑談もして。
 ケットシー達は可愛らしいし、出される料理もどれも美味しい。
 長旅の疲れが癒やされる感覚に思わずまったりしそうになるが――しかし、ガーネットは抜け目のない商人だ。
「さて、そろそろ交易の話もしましょうか。まずはこちらを、カラール島の特産品です。綺麗な珊瑚でしょう」
「わあ、綺麗ですにゃ!」
「是非こちらと皆様の特産品を交易して頂ければと。先程の魚など、他の島からは珍しいものだと思いますよ」
「確かにそれはそうなんですにゃ……でも、虹魚は結構足が早いんですにゃ」
 住民達も交易には乗り気だが、扱うのが生物となれば難しい面もあるのだろう。
 けれどピンチはチャンスだ。ガーネットは頼もしく笑みを浮かべ、ケットシー達へと言葉をかける。
「それならうちの商会にお任せ下さい。様々な技術を使った保管に安心安全の運送、そのどちらも行えますから」
「確かに専門家にお願い出来るなら嬉しいにゃ!」
「ええ、是非うちの会社もご贔屓に。色々な島の特産品も扱っているんですよ、お茶やコーヒーなど……今日も持ってきているんです」
「わあ! 見せてほしいにゃ!」
 うまく話を繋ぎつつ、ガーネットは見事に珊瑚も自社のことも売り込んでいく。
 このまま話を続けていけば商談もうまくいくはずだ。
 ねこの島とカラール島、そしてガーネット商会の未来は――きっと明るいものになるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

乱獅子・梓
【不死蝶】
ここでケットシー達に交易を持ちかけろという話だったが…
正直、交易のイロハはさっぱりなんだよなぁ
他の猟兵達のように上手いことやれる自信がない
…まぁ確かに、交易のことばかり気にしていたら飯が美味く食えないしな
綾の言うように、今は素直に楽しむとするか

…この料理の数々、あの猫ハンドで作ったんだろうか…?
調理しているところを見てみたいような
そんなことを考えつつ
綾に続いて俺も魚の塩焼きを頂く
…んむ、美味い!
シンプルな調理法だからこそ素材の味を存分に楽しめる
美味い魚料理を食いながら美味い酒を飲めたら最高だろうな…
というわけで酒は無いかと聞いてみる
あるならその酒と珊瑚の装飾品で交易を試みてみようか


灰神楽・綾
【不死蝶】
まぁまぁ、難しいことを考えるのはあとにして
今はおもてなしを受けようよ
宴会を心から楽しんでいれば
「この人達はビジネスの為だけに来たわけじゃない」と
島民達からの印象もアップするはずさ、きっと、多分

やっぱり魚料理がメインなんだね
んーっ、いいにおい
どれから食べようか悩むなぁ
まずはシンプルな塩焼きを一口ぱくり
皮はぱりぱり、身はふわふわで絶品
続いてお刺身やフライ、アクアパッツァなど
全制覇する勢いで次々と食べていく
味の感想や御礼をケットシー達にちゃんと伝えて

ん?どうしたの君達
俺のもとにやって来ておねだりしてくる焔と零
ああ、梓は交渉中なんだねー
仔竜達に魚を分けてあげつつ梓の様子を一緒に見守る




 サメ海域を突破し、乱獅子・梓と灰神楽・綾もねこの島へと無事に降り立つ。
 仔竜の焔と零もここまで頑張ってきた為か少々疲労は感じさせているが、島から漂う美味しそうな香りにはしゅたっと素早く反応しているようだ。
 そんな元気な仔竜達とは裏腹に、相棒である梓はムムム、と小さく唸っていて。
「ここでケットシー達に交易を持ちかけろという話だったが……」
 相手は友好的なようだけれど、それでも交渉のイロハはさっぱりだ。
 そういった仕事を専門にしている猟兵達もいるようだし、彼らのように働ける自信はない。
 どうしたものかと悩む梓であるが、ふいに彼の肩がぽんぽんと軽く叩かれる。
 そこにはいつものように緩く、けれど頼もしく微笑む綾がいた。
「まぁまぁ、難しいことを考えるのはあとにして今はおもてなしを受けようよ」
「それで大丈夫か……?」
「宴会を心から楽しんでいれば『この人達はビジネスの為だけに来たわけじゃない』と島民達からの印象もアップするはずさ……多分、きっと」
 どこか曖昧な言葉ではあるものの、船旅でも似たような状況はあった。
 あの時もどこか不安げだった綾の言葉が、その通りの結果を齎してくれたのだ。梓はほっと息を吐き、綾に緩く笑みを返す。
「……まぁ確かに、交易のことばかり気にしていたら飯が美味く食えないしな。綾の言うように、今は素直に楽しむとするか」
「焔と零も待ち侘びているしね。ほら、行こう」
 一行はケットシーの元へと向かい、簡単に挨拶を交わしていく。
 そうして交流をしていれば、宴会の準備もすっかり整ったようだ。

 出される品は魚料理が中心だが、そのバリエーションはかなり豊富だ。
 使われているのは虹色の鱗をした魚が中心だ。これがこの島の特産品なのだろう。
 他にも一般的な魚も採れているようで、何から食べようか迷ってしまいそうだ。
「んーっ、いいにおい。どれから食べようか悩むなぁ」
「料理も気になるが……この料理の数々、あの猫ハンドで作ったんだろうか……? 後で調理場も見学したいな……」
 二人の興味の方向は少々違うけれど、まずは宴会を楽しもう。
 一緒にいただきますをして、最初に手をつけるのはシンプルな魚の塩焼きだ。
 虹の鱗というのはなかなかインパクトがあるが、香ばしい香りが食欲を唆ってくれる。
 ぱりぱりの皮を割り、ふわふわの白身と共に口に運べば――猟兵達の瞳はきらきらと輝き出す。。
「……これ、すっごく美味しいね。ご飯と一緒に合わせたくなるな……いや、パンとかも案外合うかも」
「……んむ、美味い! 調理方法もいいな、シンプルな調理法だからこそ素材の味を存分に楽しめる」
 感想を述べつつ、更に一口。見れば焔と零も魚を分けてもらっており、美味しそうに食べている。
 そんな彼らの様子に安心したのか、ケットシーもゆらゆら尻尾を揺らしているようだ。
「虹魚の塩焼き、気に入ってもらえて嬉しいですにゃ」
「こちらこそ。この魚、虹魚って言うんだね」
「他にも色々な魚が採れてるみたいだな。次はどれを食べようか……」
 適度に雑談も挟みつつ、猟兵達は更に魚料理を口にしていく。
 繊細なお刺身、食が進むフライ、独特の味付けのアクアパッツァ等々――猟兵達は全制覇しそうな勢いで、次々に料理を食べていく。

「アクアパッツァ、気に入ったなぁ。トマトとかもこの島で作っているのかな?」
「そうですにゃ。お野菜もみんなで作ってるんですにゃ」
「なるほど、どれも新鮮な食材だから尚更美味しいんだね。色々振る舞ってくれてありがとう」
 綾は食事を続けつつ、積極的にケットシー達に言葉を紡いでいた。
 料理の感想や御礼は勿論本心だ。その真心の籠もった言葉は、確実にケットシー達の胸にも届いているだろう。
 一方梓は自分なりの交渉に挑戦しているようだ。
「美味い魚料理を食いながら美味い酒を飲めたら最高だろうな……そういえば、この島では酒を飲んだりするのか?」
「大人は飲みますにゃ。お兄さん、お酒飲みますかにゃ?」
「ああ、是非頼みたいな。勿論タダでとは言わない。交易品を持ってきてるんだ、それと交換なんてどうだ?」
「良いですにゃ! 交易、楽しそうにゃ~」
 無事に交易品を売り込みつつ、美味しい料理と酒を楽しめる。
 なんとも嬉しい結果ではないか。ホッと安心しつつ、梓はケットシー達と更に交渉を続けていく。
 綾は料理を片手に、そんな梓の様子を見守っていた。
 その最中、ふいに袖をくいくいと引かれたかと思えば――退屈になった仔竜達が、綾に絡みに来たようだ。
「ん? どうしたの君達。梓は交渉中だから、かな?」
 よしよし、と仔竜の頭を撫でつつ一緒に魚料理を取り分けて。綾は仔竜達と共に緩やかな時間を過ごしていく。
 視線の先には頑張る梓の姿が。最初は不安がってた彼も、今ではすっかりケットシー達と打ち解けているようだ。
「……頑張って来て正解だったね。後で改めて乾杯しようか」
「あ、乾杯するなら勿論俺も混ぜてくれよ! ケットシー達もな!」
 ケットシー達と共に手を振る梓に、綾は緩く手を振り返す。
 楽しい時間はまだまだ続く。ねこの島には皆の歓声と、美味しそうな魚の香りが広がり続けていた。


 楽しい時間はもう少し続き、それが終わればカラール島へ戻ることになるだろう。
 伝説の島の発見と交易の成功という結果を持ち帰れば、彼らもきっと大喜びだ。
 こうしてカラール島とねこの島は無事に手を取り合い、道中のサメ海域もより平和になっていくはずだ。
 猟兵達の冒険は、無事に大団円を迎えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月29日


挿絵イラスト