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初恋に、百の物語を添えて

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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 誰もが寝静まる夜に、一つ、小さな灯りが揺れる。その灯りを持った女は、ある一室に男を連れてやって来た。
 その部屋には、廊下へ続く障子と隣の部屋に続く襖があるだけで、部屋自体は特におかしな点はない。
「ここで良いかしら?」
 女がそう言うと、男は襖を開き、隣の部屋も確認する。そこには、同じように廊下へ続く障子と文机、そして、その文机の上に置かれた鏡があった。それらを確認した男は、彼女に向かってにこっと笑った。
「ああ、後は蝋燭と君が集めてきた女学生がいれば完璧だ。何から何まですまないね」
「良いのよ。だって……いえ、何でもないわ」
 何かを言いかけた女に対して、男は不思議そうに首を傾げる。だが、彼は特に追及するつもりはないようで、改めて礼を述べた。
「有難う。本当に、きみに頼んで良かったよ」
 女はその言葉を聞くと、さっ、と顔を男から背けた。耳の辺りが赤くなっていたが、部屋が薄暗いせいか男は気づかなかった。男は彼女のことを気にせずに話し続ける。
「もうすぐだ。百の物語を語り終えれば、すぐに……」
 顔を背けていた女は気づかなかった。男の笑みが、醜く歪んでいることに。


 グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、ヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)は「はぁ……」と溜息を吐いた。
「ああ、皆さん。お集まり頂きありがとうございます。すみません。溜息なんて、みっともない姿を見せてしまって」
 そう言いながら、ヒースは乾いた笑みを浮かべた。
「実は最近、ちょっとした予知夢を見たんですよ。それがなんとも焦ったい……まぁ、その話は一旦置いといて、依頼の話をしましょう。
 端的に言いますと、サクラミラージュにいる影朧を説得しつつ倒してきて欲しいのです」
 説得しつつ倒す? 集まった猟兵たちの頭の上に、疑問符が浮かぶ。
「これは私の予想なのですが、あの影朧、説得できそうな気がするんですよね。いえ、最終的には倒して頂きたいのですが。
 実は今回の影朧、ある女性に匿われているようなんですよ。彼女は帝都のとあるカフェで働いているんですけどね。どうもそーの女性は、影朧に惚れているようで……ええ、私でなければ見逃していましたね。あれは絶対に惚れています」
 ヒースがわざとらしく、うんうん、と大きく頷く。
「ですので、匿っている女性にそれとなーく居場所や情報を聞き出してください。そういえば、女学生を集めて云々と言っていましたから、その辺りも頭の片隅に入れておいて頂ければ」
 そう言って、ぱんっ、と一つ手を叩くと、満面の笑みで猟兵たちに言った。
「まぁ、そういうことですので、どうぞよろしくお願いします。勿論、今すぐ行きますよね?」
 ヒースは猟兵たちの返事を聞かずに、さっさと影朧を匿う女が働いているカフェーへと送り出した。


萩野 千鳥
 はじめまして、こんにちは、こんばんは。萩野千鳥です。
 早速ですが、簡単に説明致します。

『第一章:日常』
 影朧を匿っている女性から、影朧の居場所を含めた情報を聞き出してください。いくつかシナリオに沿った情報を用意しています。
 能力値は、お好きなものをお選び下さい。それっぽい流れになります。

『第二章:冒険』
 影朧を匿っている場所への道中、民間人が邪魔をしてきます。とはいえ、猟兵の皆さんなら、突破できるでしょう。
 民間人ですので、危害は加えないようお願いします。

『第三章:ボス戦』
 匿われていた影朧との戦闘です。
 救済が可能です。特に何もせず倒すことも可能です。
 お好きな方をお選びください。

『断章について』
 今回は、第二章と第三章の間に入れる予定です。
 その際のプレイング受付時間等は、タグ上でお知らせ致します。

『他』
 アドリブ、共闘不可の場合は、その旨をお伝えください。
(例:ア×、共×、等)
 その他細かいことは、お手数ですが、執筆者ページを見ていただけると幸いです。

 どうぞ最後まで、よろしくお願い致します!
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第1章 日常 『甘いモノはお好きですか?』

POW   :    目指せ、メニュー全制覇!

SPD   :    お気に入りの一品を味わう

WIZ   :    お店のお薦めをいただく

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

真宵蛾・小鳥
百物語、の本物に会いたいのかな?
でも本命以外も引き寄せられるものだよ。

小鳥も百物語が始まりそうな気配にソワソワしてるんだ。
お邪魔させてもらおうかな?

【行動】女学生を集めてるって言ってたね。カフェで、おばけの本を開いてたら、向こうから誘ってもらえるのかな?

こう見えても小鳥は怪奇現象に(起こす側だけどね)よく遭遇するよ?

1度や2度じゃないと気になってくるよね。

多感な年頃だね。気になるものが増えて気づくと傍に転がっていて、後戻りもできなく魅入られる。
すきだよ。そういうの。

逡巡の先で、手にい入れるって大変だよね。

貴女だけの本物、見つかると良いね。


怪奇現象100話分、期待所だね。小鳥も助力しようかな?



 真宵蛾・小鳥(コトリと落ちた其の箱は・・・・f32483)はグリモアベースから送り出されると、早速件のカフェーへと足を踏み入れた。扉を開けるとカランカラン、とドアベルが鳴る。それからしばらくすると、品の良さそうな女性が「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりになりますか?」と落ち着いた声色で小鳥に尋ねた。
「はい、お願いします」
「それではこちらへどうぞ」
 そう言って、空いている席へと案内をする。とはいっても、店内はそこまで広いわけではなく、この店自体も、女性一人でまわしているようだ。
 女性からメニューを渡されたが、見ても何が良いのかよく分からなかった。
「えっと、おすすめはありますか?」
「そうですね……この時期はホットチョコレヰトがおすすめですよ」
「それなら、それでお願いします」
 小鳥はメニューを返すと、懐からおばけの本を取り出して読み始めた。女性の目に留まるように、分かりやすい表紙の物を選んだつもりだ。チラリと横目で女性を観察すれば、彼女はじっと本の表紙を見つめ、すぐに裏へと戻っていく。これで布石は打った。
 あの女性は影朧を匿っているだけではなく、女学生も集めているらしい。つまり、女学生を集めて影朧と何かしようとしているのだろう。例えば、そう。百物語、とか。
 女学生というのは多感な年頃だ。気になるものが増えていき、それを追って後戻りできずに魅入られる。百物語は、比較的簡単に怪異を呼ぶ手段でもある。それが良い物であっても、悪い物であっても。
 しばらく本を読みながら待っていると、「お待たせしました」と声がかかる。
「こちらがホットチョコレヰトです」
「ありがとうございます」
 小鳥は、ぱたんと本を閉じ、表紙を表にしてテーブルに置いた。女性はその様子を見て「あの……」と続けた。
「お客様は、怪談にご興味があるのですか?」
 かかった! 小鳥は内心喜んだが、表情に出さないよう「ええ」と答えた。
「でしたら! もしお時間さえよければ、この日にここへいらしてください。私の友人が、他の方と一緒に百物語をするんです。勿論、ちゃんと最後まで」
「そうなんですか。でしたら、是非参加させてください」
「勿論です」
 女性はにっこりと微笑む。渡された紙には、百物語をする日付や会場となる場所の地図が描かれていた。そこに影朧もいるのだろう。彼女が『私の友人』と言ったことが気になるが、兎にも角にも、これで最低限の情報は手に入った。
 小鳥は紙を失くさないようにしまうと、まだ温かいホットチョコレヰトを口にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リグ・アシュリーズ
桜は春の花で、春は恋の季節。
なら、年中桜吹雪のここは恋の咲き乱れる街かしら?
素敵な恋でも、溺れちゃうのは勿体ないわよね!

カフェで桜スイーツを頼んで、待つ間マニキュア塗ったりして過ごすわ。
鼻唄でも歌って、誰かとの楽しい予定がある風を装って。
店員さんが来たらお礼がてら、さりげなく持ち物をほめてみるの。
貰った物や意識して身に付けた物があれば会話のきっかけにして。

さりげなく話題を恋バナにもってって、
え、何、あなたもいい人がいるのね、きゃー!と盛り上がり。
ね、どんな方?と、素性に探りを入れるわ!
もし良ければ、私も会ってみていいかしら?
大丈夫、とったりしないわ!
あなたとは仲良くなれそうな気がするの!



 幻朧桜が年中咲き乱れるこの世界は、まるで春のようだった。春といえば恋の季節だ。グリモアベースで聞いた話によると、影朧を匿っている女性は影朧に惚れているんだとか。ならば、恋バナから影朧の素性が分かるのではないだろうか。
 そう考えながら入店したリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)は今、鼻歌交じりでメニュー表を眺めていた。メニューには、様々なお菓子や飲み物の名前が並んでいる。どれも気になるが、その中でもリグの目を引いたのが桜モンブランだ。
「すみません、これを一つ。それと、紅茶を」
「かしこまりました」
 彼女はメニューをリグから受け取ると、一礼をして裏へと戻っていった。
彼女の背を見送るリグの目に、桜模様のバレッタが映る。やはり、この世界では桜が人気なのだろうか? そう思いながら、ケーキが届くのを待つ。
 待っている間に、持ってきたマニキュアを取り出す。星形の小瓶の中は、アメジストの彩りに星の輝きが瞬いているようだ。蓋を開けると、リグはその場でマニキュアを塗る。できるだけ、何か楽しい予定があるように装って。
 そうしている内に、「お待たせしました」と女性が声をかけた。
「紅茶と桜モンブランです」
「ありがとう。……ん! 美味しいわ」
「ありがとうございます」
 リグはケーキの感想を言うと、女性はにっこりと微笑んだ。そのまま彼女が裏へ戻ってしまう前に、少しでも影朧の素性を探ろうと、リグは「そういえば、」と言葉を続けた。
「お姉さんのそのバレッタも、桜模様で素敵ね。桜がお好きなの?」
「そうですね、私は特別好きだというわけではないのですが」
 彼女はそっとバレッタに触れて、目を細める。
「これは、大切な方から頂いた物で……ですから、お気に入りなんです」
「えっ、あなたも好い人がいるのね! ね、どんな方?」
「へっ!? そ、それはその……」
 どうやって恋バナに持っていこうか考えていたが、まさか当たりを引くとは。女性はかぁっと頬を赤らめ、少し口籠ってしまう。だが、リグは紅茶を飲みながら彼女の言葉を待った。少し経つと、彼女は恥ずかしそうに口を開いた。
「私の片想いですよ。真面目で優しくて、一緒に本屋に行ったりして……とても素敵な書生さんですわ」
「書生さん? ということは、学生さんかしら」
「あっ……これを頂いたときは、書生さんだったんですよ」
 彼女の表情に焦りが見えた。
 影朧は不安定であるとはいえオブリビアンだ。オブリビアンが、人に贈り物をするとは思えない。ならば、影朧は彼女の想い人と同じ姿をしているのだろうか。それとも……いや、これ以上ここで詮索しれば怪しまれてしまうかもしれない。リグは深く追求せず、明るく彼女に言った。
「ねぇ、もし良ければ、私もその方に会ってみてもいいかしら? 大丈夫、とったりしないわ!」
「でしたら、怪談にご興味はありませんか? 彼、今は百物語の研究をしているんです」
「百物語?」
「ええ。この日に、実際にやるんですよ」
 女性はポケットから、一枚の紙を取り出してリグに差し出す。
「もしよければ、いらしてくださいね」
「是非!」
 そう言って、リグは紙を受け取った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリアリア・アーデルハイム
WIZ アドリブ・連携◎

百物語ということは怪談でしょうか。
せっかくですから貸衣装屋さんで女学生さんっぽい服をお借りして雰囲気を楽しむとしましょう。

カフェでは、噂話に耳を傾け興味がある素振りをみせて関心を引きます。女性を募集していらっしゃるようですし、可能であれば声をかけてもらえるように立ち回りましょう。

集まりに参加させてもらえるようお願いしてみて、OKならばついて行き、帯同が無理ということになれば女性の仕事終わりを尾行します。

話を相手の調子に合わせ、気をゆるしてもらえるように心を配り情報収集
どこへ向かっているのか
主催者はどんな方か
どうして女性限定なのか 等訊いてみると致しましょう。



 あのグリモア猟兵の話によると、予知夢で女学生が何とかと話していたそうだ。ならば、女学生っぽい服を着て行こう。そう考えたミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)は、貸衣装屋へと寄ってからカフェーへと向かった。
 カフェーには既にお客さんが入っており、学校帰りらしき女学生たちが楽しげに話している。渡されたメニューから、チラッとその様子を伺う。
「ねぇ、百物語に興味ある?」
「あ、噂のあれでしょう? 確か、怪談を研究している方のお手伝い」
「そう。もしかしたら、本物に会えるかもっていう」
「本物に会ったら大変じゃない?」
「それは大丈夫なんだって。その方、ユーベルコヲド使いだから」
「帝都桜學府の?」
「そうそう」
 ユーベルコード使い? ミリアリアの耳に、気になる単語が飛び込んできた。影朧も不安定ではあるがオブリビオンだ。だから、ユーベルコードを使えるのは嘘ではない。もう少し、情報を聞けないだろうか。もう一度、女学生たちの話に耳を傾けようとすると、
「お客様、ご注文は……」
「えっ? あっ! あの、おすすめは何でしょう?」
「この時期なら、ホットチョコレヰトがおすすめですよ」
「じゃあ、それを一つ」
「かしこまりました」
 噂話を聞くのに集中していて、すっかり注文を忘れていた。おすすめメニューを頼むと、女性はメニューを預かり、一礼をして裏へと戻っていく。流石に、今のは怪しかっただろうか。だが、後悔しても何もならない。先程の女学生たちの話の続きも気になる。今度こそ、彼女たちの話に耳を傾ける。
「じゃあ、決まりね!」
「今からでも参加できるのかな……」
「大丈夫! 人は多い方が良いって言ってたし。お会計の時に頼も!」
「うん!」
 どうやら、まだ参加はできそうだ。このまま、興味を持っているふりをして、なんとか百物語の会場に行けないだろうか。ミリアリアは女学生たちをじっと見つめる。
「お待たせしました。ホットチョコレヰトです」
「あっ、ありがとうございます」
 注文の品を笑顔で受け取る。なんとか引き留められないかと言葉を紡ごうとすると、女性の方からミリアリアに話しかけた。
「あの、勘違いだったらごめんなさい。もしかして、百物語にご興味が?」
 女性は、おずおずとそう尋ねた。これはチャンスだ。
「ええ、実は。でも、どんな方が主催されているのか分からないですし、噂では女性限定と聞きましたから。親が許してくれるかどうか……」
「確かに、夜も遅くなりますし、ご両親は不安でしょうね。でも、大丈夫ですよ」
 そう言って、彼女はにっこりと笑う。
「百物語を主催するのは私の友人で、ユーベルコヲド使いの方ですから。万が一、影朧が出ても大丈夫ですよ。それに、女性限定というわけでもありませんから」
「そうなんですか? 女学生たちの間ではそうだと聞いていましたから、てっきり」
「主催の方は今忙しくしてまして、私が参加者を募っているのです。でも、私も仕事をしながら集めるとなると、どうしても女学生さんが多くなってしまって。不安でしたら、ご両親もご一緒で構いませんよ」
 彼女はポケットから一枚の紙を取りだすと、ミリアリアに差し出した。それを受け取って確認する。そこには、日時や会場の場所が記載されていた。
「ありがとうございます。検討してみますね」
「ええ、是非」
 笑顔でそう言うと、他の席から「お会計お願いします」という声が聞こえた。女性は「はい、只今」と応えると、ミリアリアに一礼してからレジへと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白刃根・イオン
この女もしかして良いように利用されてるのか?
他所様の事情を勘ぐりすぎるのは私の良くない癖だが、せめて蝋燭くらい自分で用意してくれないものか?女にろうそく100本運ばせたのかと思うと苛立たしいな!絵面的にもだいぶ鬼畜だ。(無論、女がすごくいい笑顔で運んでいた可能性はある)

しかし百物語か、人の思いが集まる場所には何が起きてもおかしくないからな。私も行ってみるか。

店内でメニュー(選ぼうとすると迷うし)おすすめの注文のついでに、面白そうな催しはないか聞いてみよう。面白とはなんだろう?程よく刺激があって退屈しないものの事だろうか?あるいは…。まあ、基準はおまかせしますよ。
日常を忘れさせてくれるものかな?



 白刃根・イオン(涙を打った透明な刃・f33582)はカフェーへ向かう前に、他の猟兵たちが集めた情報を一旦整理することにした。
 まず初めに、影朧がやろうとしていることについて。どうやら、研究と偽って、百物語をしようとしているようだ。そして、その参加者をカフェーに勤めている女性が集めている。何故百物語をやるのか理由は分からないが、彼女に尋ねても答えてはくれないだろう。ただ、何かを呼ぼうとしているということは確かだ。
 次に、集めている女学生について。正確にいうと、女学生に限定しているわけではないようだが、たまたま女学生が集まったようだ。まぁ、多感な時期の少女たちの間では、噂話も絶えない。そして、噂話には尾ひれが付くものだ。なんらかの興味を惹く事柄が噂話の中に入り、女学生の参加が増えたのだろう。
 最後に、影朧の姿について。影朧は女性の片想いの人の姿をしているのではないかと思われる。書生さん、と言っていたことから、その人は若くして亡くなったのかもしれない。影朧は、傷ついた者たちの過去から生まれるオブリビオンだ。もしかしたら、悲惨な最期だったのかもしれない。彼女が、積極的に協力しようと思うほどに。
(ということは、その女、良いように利用されてるのか?)
 その『書生さん』とやらは、過去に女性へ贈り物をしている。少なくとも『書生さん』は彼女に悪い感情を抱いているとは思えないが、影朧となった今は分からない。
 人の思いが集まる場所では、何が起きてもおかしくない。やはり、直接行って確かめた方が良い。そう確信したイオンはカフェーに入店したのだった。
 入店すると、件の女性が空いている席まで案内した。イオンは女性からメニュー表を渡されるが、どれにしようか迷ってしまう。
「おすすめを」
「おすすめはホットチョコレヰトですが、よろしいでしょうか?」
「ああ。それと、一つ聞きたいことがあるんだが」
「何でしょう?」
 首を傾げる姿に、イオンを警戒する様子はない。それなら僥倖。遠回しに尋ねれば、彼女に百物語の会場を聞き出せるだろう。
「いやなに、直近で面白そうな催し物がないかな、と思ってね。できれば、日常を忘れさせてくれるような、刺激的なのを」
「刺激的、ですか……」
 女性は少し考える素振りを見せると、「でしたら、こういうのはどうでしょう?」と一つ提案してきた。
「私の友人が、近々百物語をするんです。怪談が苦手でなければ、如何ですか?」
「ほう。それは確かに刺激的だな。いつどこでやるんだ?」
「少しお待ちください」
 そう言うと、女性は裏へ戻ると、すぐに一枚の紙を持ってイオンの前に差し出した。
「こちらに日時と場所を書いています。畏まった会ではありませんから、お気軽にご参加くださいね」
「そうか。楽しみにさせてもらうよ」
 イオンは女性から紙を受け取る。女性は「それでは失礼します」と、ホットチョコレヰトを作りに再び裏へと戻っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『舞台を止めないで』

POW   :    身体を張った立ち回りで、妨害を食い止める

SPD   :    素早く器用な立て直しで、妨害を無効化する

WIZ   :    あらかじめ妨害を予測し、対策を仕掛けておく

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 帝都にも夜が来る。明るい街の光から少し離れたところで、女学生たちが集まっていた。祭りでもないのに、こんな時間に集まるなんて珍しい。だというのに、彼女たちを止める者はいなかった。
「ねぇ、今日の百物語なんだけど……私たち以外の人も来るって」
「えー、それって大丈夫なの?」
「もしかして、お兄さんの研究を良く思わない帝都桜學府の人が、邪魔をしに潜入を……」
「でも、呼ぶのは転生が決まった──」
「シーッ! 誰かに聞かれちゃうよ」
「ごめん、ごめん」
「でもさ、もし本当に桜學府の人だったらどうする?」
「まだ時間あるし、追い返しちゃおうよ。お姉さんのお家に行くには、絶対あのトンネルを通るしかないんだから」
「そっか、そうだね。でも、どうやって?」
「そんなの決まってるでしょう?」
 女学生の一人がニヤリと笑う。
「道を塞げば良いのよ。私、下見してきたから知ってるの。トンネルの近くに工事中の看板があるのを。それが駄目なら、物理的に塞いでしまえば良いのよ!」
白刃根・イオン
トンネルの前にて。
あんまり歓迎されていないようだな。妨害が激しくなる前に、目的のお宅に入らせてもらうとするか。主催の二人は女学生らに慕われてるようだし、家人の目の前で追い払われることもないだろうし…。仮に追い出されそうになったら、家人に仲介を頼んで説得してもらおうか。

トンネル内は、看板と警告を無視して、スタスタと通過。バリケードなどはUCで粉砕。掴みかかってくるようなら、増やした私の本体(サムライブレイド)で女学生らの服を地面に刺しと込めて足止め。

やりすぎとか過剰防衛とか小難しい事は言ってくれるなよ?

こちらにも用事があるのだ、かまっていられないぞ。

次は、催しの会場で会おう。


リグ・アシュリーズ
百物語って何なのか、聞きそびれちゃった。
物語っていうからには皆で集まってお話するのよね!
それだけなら楽しそうだけど……どうにも裏がありそうね?

トンネルの前で、笑いまじりのため息。
だって、こんな重たいの運んで塞いじゃうんだもの。
私一人じゃさすがに大仕事ね。手伝ってもらいましょ!

以前友だちに「お片付けの魔法がほしい」って言ったら貸してくれた、
人形付きキーホルダーを高々と掲げて小人さんを呼ぶわ。
みんな、お願いね! まずはあの大岩から!
運搬、掃除、来た時よりも美しく。

止められたって言い返すわ!
だって私だけじゃなく皆が困るじゃない?
正論で返した後、笑ってつけ加えて。
大丈夫。悪いようにはしないわ!



 指定された時間に間に合うよう、イオンはリグと共に地図を頼りに会場へと向かった。
「私は別に、一人で行っても良かったんだが」
「相手は影朧とはいえオブリビオンでしょう? 油断は禁物よ」
 リグがイオンを諭すように言った。自分たち以外の猟兵も向かっているとはいえ、道中何があるかは分からない。オブリビオンが仕掛けた罠が無いとも言い切れない。
「そういえば、あの人に百物語って何なのか聞きそびれちゃった」
「なんだ、知らなかったのか。
 百物語は、カクリヨにもある怪談会の一つだ。誰か一人が怪談話をする。怪談話をし終えた後、一本の蝋燭の火を消す。そして、次の人が別の話をする。それを繰り返して、百話語る。そうすると、本物が出ると言われている」
「本物? 幽霊とか?」
「ただの幽霊だったら良いけどな。っと、もうすぐ着くぞ」
 なんだかんだ言いつつも、特に何事もなく会場へ近づいていく。流石に警戒しすぎだっただろうか。リグはそう思いながら進んでいると、急にイオンの足が止まった。
「イオンさん、どうしたの?」
「……会場へ行くには、この道を通るしかないんだが」
 イオンはそう言うと、すっ、とある方向を指差す。フルムは指された方向を見ると、トンネルの前に『工事中』と書かれた看板が置かれていた。
「工事中? それなら他を通って──」
「いや、この道しかない。地図にはそう書いてある」
 看板をよく読んでみる。工事が始まったのは二週間程前らしい。案内の紙を受け取った時点で、工事が始まっていることになる。だとしたら、明らかにおかしい。
 猟兵である自分たちならまだしも、今回は民間人も招いているはずだ。わざわざ、行けない場所を会場にするわけがない。
「来てほしくないのかしら」
「ああ。どうやら、あまり歓迎されていないらしい」
 トンネルを覗き込むが、工事をしている様子はない。
「うーん、なんだか裏がありそうね」
「こんなもの、無視して通れば良い」
「それもそうね!」
 看板を避けて、二人はトンネルの中を通って行く。中は暗く、先が見えづらい。このトンネルはそこまで距離がなかったはずだが……警戒しながら進んでいくと、何かにぶつかりそうになる。
「うわっ、なにこれ」
「これは……岩にテレビに、銅像? 不法投棄か?」
 じっと不法投棄の山を見つめていると、向こう側から複数人の話し声が聞こえた。
「これで大丈夫よね」
「桜學府の人たちも、簡単には来れないでしょう」
「しばらく隠れていましょ」
「そうね。まだ時間はあるし」
 この声は、百物語に参加するという女学生たちだろうか。自分たちは桜學府の人間ではないが、どうやらこちら側の人物が来ないよう、妨害をしているらしい。先程の工事中の看板も、彼女たちが準備したのだろうか。
「なるほど、こう来たか」
「こんな重い物を運んだの? はは、凄いなぁ……はぁ……」
 リグは思わず笑い交じりに溜息を吐く。
「妨害が激しくなる前に、目的のお宅に上がらせてもらうとするか」
 とはいえ、流石に二人でこれらを退かすのは大変だ。どうしようかとイオンが考えている最中に、リグはごそごそと自分の荷物からある物を取り出した。
「仕方ない。これで手伝ってもらいましょ!」
 そう言うと、リグは人形付きキーホルダーを高々と掲げる。そうすると、次々に小人たちが召喚されていく。
「みんな、お願いね! まずはあの大岩から!」
 小人たちはリグの指示を受けると、手分けして片付けをし始めた。だが、流石に大きい物になると、少し難しいらしい。
 その様子を見たイオンは、「少しどいていろ」と言うと、自分の本体である刀を抜き【錬成カミヤドリ】を発動する。複製された刀は、イオンの念じるままに大岩を斬る。
「わぁ、ありがとう!」
「他に斬る物はあるか?」
「じゃあ、あっちの方もお願い」
「任せろ」
 また刀を念じるままに操り、斬っていく。そして、それらを小人たちが運んでいく。
「女学生だったか? まだ抵抗するようなら、服を地面に縫いつけて足止めしようか」
「それは流石にやり過ぎじゃないかな……私たちだけじゃなくて、皆が困るって正論で返してあげれば十分だよ」
「む、そうか」
 そう言いながら、二人は少しずつ片付けていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎

うわさを すれば かげ?
残響は存在を呼ぶ故に

忍び足残像迷彩で闇に紛れしずしずと進む

障害物は邪魔な物を見切り念動怪力救助活動UC…必要ならば地形破壊も交えて可能な範囲を排除

後続が通り易いように瓦礫などを綺麗にならして優しく(?)援護射撃


いちかけ にかけ さんかけて
仕掛けて 吾懸けて 橋を架け

百の残響 百の呼応
鬼が出るか蛇が出るか
うしろの しょうめん
だ あ れ ?

ぽるたぁがいすとを陽動に誘き寄せて女学生を釣り
音もなく悠然と通り抜ける…


真宵蛾・小鳥
トンネルしか通る道がないのに、塞いでしまったみたいだね、帰りはどうするつもりだったのかな?
外界から隔たれた向こう側は、貴女たちが望んだ場所だったら良いね。

小鳥は、体を幼い魂の蝶の群れに変えて、トンネルの出口まで行くよ。

トンネルの中は、触れずにそのままにしといたよ。

それと、トンネルって心霊スポットに多いから、なにか出るかもしれないね。

百物語は、始まる前からワクワクするね。みんなトンネルを通ってくるから、もしかするとすれ違ってるかもしれないよ。

小鳥ももう行かなくちゃ。ここに留まっちゃいけないよ。百話の1つ目、トンネルの怪。手に持った蝋燭立ての火をふっ、って消すと、もう小鳥の姿はどこにもないよ。



 先の二人より遅れて御堂・伽藍(がらんどう・f33020)と小鳥は例のトンネルまでやって来た。この先を行くには、このトンネルを通るしかないのだが、その入口は『工事中』と書かれた看板で塞がれている。
「工事中? ここしか道はないはずですが……」
「誰かさんが邪魔しているのかな」
 小鳥は女性から貰った紙を見る。確かに、この道しかない。だが、肝心なその道は工事中だ。首を捻る小鳥の横で、伽藍が看板の方をよくよく観察する。看板が置いてある道から、沢山の足跡がトンネルの中へと続いている。つまり、これは単なる目眩まし。そう判断した伽藍は、一応トンネルの中を覗き込む。
「うん。やっぱり、ただの目眩ませ。私たちに来てほしくないみたい」
「そうなると、他に邪魔するものがあるかもしれません。小鳥が先に見てきますから、後からついてきてください」
 その言葉に伽藍は一つ頷くと、小鳥は自身の身体でもある幼い魂たちを蝶の姿に変えてトンネルの中へと進む。伽藍はそれを見届けると、その後ろから暗いトンネルの闇に紛れゆっくりと歩を進ませる。何事も、警戒しておくに越したことはない。とはいえ、道中は何もなかった。だが、徐々に出口へと近づくと、ドンッと低い物音が聞こえるようになる。
 小鳥は一時的に人の姿に戻り、自分に追いついた伽藍に話しかける。
「この先、色々積まれて通れないみたいです。他の猟兵さんたちが片づけています。小鳥はそのまますり抜けられるけれど……」
「そっか。それじゃあ、小鳥さんは先に行ってて? 私は後の人が通りやすいように綺麗にしなくちゃ、ね」
「分かりました」
 そう言うと、小鳥は再び様々な蝶の姿に分かれ、出口の方へと向かっていく。伽藍もその後に続く。
 塞がれた出口へと到着すると、先程小鳥が言った通り、他の猟兵たちが積まれた物を退かしていた。蝶の姿をした小鳥は、ひらりと積まれた物の合間を縫って出る。それを確認してから、伽藍は障害物を取り除き始めた。
「たぐる、たぐる、つかんではなす。万物に用途有るが故に」
 見えない無数の糸を操り、念動力で一つずつどかしていく。既に先人たちが片づけていたということもあり、積まれていた物は綺麗に片づけられていった。


 トンネルを出てすぐの場所に隠れていた女学生たちは、次々と片づけられていく様子を見て戦々恐々とした。自分たちは結構な時間をかけて積み上げたのだ。それをああも容易く片づけるなんて、常人ではない。
 ひらり、と女学生たちの前に蝶が舞う。瞬きした一瞬、その蝶がいたところに、少女の姿が立っている。彼女は柔和な笑みを見せると、ふっと誰かの蝋燭の火が消える。それと同時に、先程までいた少女の姿が消えていた。
「うそ……もしかして、幽霊?」
「ゆ、幽霊じゃないよ! それより、早くお兄さんに知らせよう? 絶対、桜學府の人たちだって! じゃなかったら、こんなにすぐ片づけられたり――」
 一人の女学生がそう言い切る前に、どこからともなく声が聞こえる。
『いちかけ、にかけ、さんかけて……』
「えっ、なに?」
『仕掛けて、吾懸けて、橋を架け……』
「ちょっと、変なこと言わないでよ」
「言ってないよ?」
「じゃあ、誰が……」
『百の残響、百の呼応……鬼が出るか、蛇が出るか……』
 歌うような少女の声に、女学生たちは震えあがる。
『うしろのしょうめん、だ あ れ ?』
 その声が聞こえたかと思うと、女学生の後ろからガタガタッと音がする。振り返ると、トンネルを塞ぐために積み上げた物たちが、いつの間にか背後に積み上げられていた。誰一人、手も触れていないのに、だ。
「きゃーーー!!」
「は、早く逃げましょう!」
 女学生たちは悲鳴を上げるや否や、丁度開通したトンネルに向かって走り去っていった。
 その様子を横目に見ながら、伽藍たちは目的の会場へとたどり着いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミリアリア・アーデルハイム
アドリブ・連携◎

あの、ここ通していただきたいんですけど。この先に用事があるので。
ダメですか?困りました・・・

UC
でも、こんな事をしているとかえって人目を引いてしまいますし、悪戯をしているって近所の方から通報されて、巡査さんを呼ばれてこってり絞られた挙句、親を呼ぶと言われて涙目になってお詫びにお掃除の奉仕活動をすることになりますよ。そして、結果的に集まりに間に合わなくなってしまうのではないかしら?心配です・・・

あ、お巡りさんが
と視線を送り、其方を見た隙にスケルトンマントで透明化、箒でトンネル内を飛んで行きましょう。
歩くと躓かされたり、落とし穴に落とされたりしそうですよね(第六感)



 女性に渡された紙を頼りにトンネルの前までやってきたミリアリアは、今非常に困惑していた。
「あの、ここを通していただきたいんですけど……」
「だ、駄目です! この先には本物の幽霊が……!」
「この先に用事があるのですが……」
「だとしたら、もっと駄目です!」
 先程からこの調子である。トンネル前に到着するや否や、何かから逃げてきたのか、女学生たちが息を切らしながらトンネル前に居座っているのだ。
(困りました……)
 確か、猟兵たちの中に怪異寄りの種族がいた。女学生たちは、その猟兵たちを見て「本物の幽霊だ」と言っているのだろう。ミリアリアは溜息を一つ吐く。カフェーで噂話をしていた女学生たちは、「本物に会えるかも」と言っていた。それなのにこの怯えよう。もしかしたら、本気にしていなかったのかもしれない。
 彼女たちを払い退けることは容易い。けれども、ただの人である彼女たちに危害を加えるのは良くない。それならば、仕方がない。そう考えたミリアリアは、ユーベルコード【運命の刻は来たり】を発動させる。
「あの一つよろしいですか?」
 ミリアリアは女学生たちに語りかける。
「こんなことをしていると、人目についてしまいますよ。『悪戯をしている』って近所の方から通報されて、お巡りさんが呼ばれて、こってり絞られた挙句に親を呼ぶと言われて……涙目になって、お詫びにお掃除の奉仕活動をすることになりますよ。そうなれば、結果的に集まりに間に合わなくなってしまうのではないかしら? 心配です……」
 今の女学生たちが本当に参加したいと思っているかどうかは別として、彼女たちでも予想しうる事柄をミリアリアは挙げ連ねた。それを聞いた女学生たちは、さぁっと青い顔を見せる。
(この子たちには悪いですけど、予言は絶対ですから……)
 ミリアリアが後ろを振り返ってみると、遠くの方で、チカチカとした光がこちらへ向かっているように見える。
「あ、お巡りさんが」
 そう言うと、女学生たちが一斉にミリアリアの視線の先を見る。その隙にミリアリアはスケルトンマントで自身を透明化すると、道中の罠に警戒しつつ箒でトンネルの中を飛んで行く。先に到着していた猟兵たちのお蔭で、すでにトンネルは開通していたため、ミリアリアは無事に会場へと辿り着いた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『シシャ』

POW   :    魔界への誘い
【怨念】を籠めた【燭台】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【正気】のみを攻撃する。
SPD   :    思い出してごらん
攻撃が命中した対象に【トラウマ】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【幻影】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    いのちの灯火
自身の【持つ蝋燭】が輝く間、【立ち上る煙】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は御園・ゆずです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 それは、私の初恋でした。
 舞散る花びらの中、いつもの通学路で出会う書生さん。真剣な表情で本を読んでいらしたから、どんな本なのか気になって、こっそり盗み見しながら通り過ぎて行きました。まさか、向こうから声をかけられるなんて、思いもしなかったわ。
 それから毎日、通りかかる度に少しお話をして、たまに本屋へ行って、本当に楽しかった……本当に。
 よく言うでしょう? 一番怖いのは人間だ、って。ええ、亡くなったの。殺されてしまったの。随分と酷い殺され方をしたんですって。でも、私はそれを知らなかった。だから、知らないうちに粗相をして、嫌われてしまったのかと思ったわ。
 しばらくして、いつも二人で通っていた本屋さんで、初めて彼が亡くなったことを知ったの。犯人はとっくに捕まっていたわ。「怪奇現象なんて研究して気持ち悪い」と。「そんな奴なのに、何をしても彼に敵わないから殺した」と。
 悲しくて、哀しくて、忘れられなくて。学校を卒業した後も、彼から貰ったバレッタをつけて働いたわ。
 自分のお店を持つようになって、少し経った後にそれはやって来たの。そう、あの時の姿のままの書生さんが。
 ええ、分かっているわ。彼は影朧だと。死者は転生こそすれど、生き返ることはないと。このままでは転生できないから、すぐに帝都桜學府の方を呼ばなくてはいけないことも。
「会いたかったよ」
 その一言だけで、どうしようもなく胸が熱くなる。だから、私は彼を匿うことにしたの。彼は百物語をするための部屋を探していたから、丁度良いと思ったわ。
「僕はまだ完全じゃないんだ。けれど、語り終えれば戻ってこれる。永遠を手に入れられる。──この先も、ずっと一緒にいられる」
 そんなことはあり得ない。だって、貴方は死んでしまったのだから。でも、それでも──


「どうかしたのかい?」
「ええ、ちょっと……外が騒がしいような気がして」
 先程、女性の悲鳴が聞こえたような気がしたのだ。もしかしたら、何かあったのかもしれない。私が招待したお客さんに何かあってはいけない。
「少し見てきます」
 そう言って立ち上がろうとすると、彼が制止する。
「いや、僕が行こう。君に何かあっては困るから」
「でも……」
「大丈夫だ。だから、決して外へ出てはいけないよ」
「……分かったわ」
 そう言いつけられると、彼はそのまま外へ出て行った。
(なんだか、嫌な予感がするわ……)
 けれど、言いつけを破ればもっと大変なことになる。そんな気がして、大人しく部屋で待った。
相沢・友子
影朧になった経緯は理解したよ。ひどい殺され方をしたね。ただどうしても気になることがあるんだよ。
ちょっとこの鏡を覗き込んでもらえるかな?怪しいよね、大丈夫、武器の類じゃないよ。

そっと、恋映鏡を差し出す。

書生さんは、本当に彼女と一緒にずっといたくて戻ってきたのかな?
私はそのことがとても知りたいよ。

鏡に映る結果は真実だよ。自覚があろうとなかろうと一緒なんだよ。

【彼女が映った場合】
UCで、毒蛇になって家に居る彼女を驚かして外に出る様に仕向けた後、恋映鏡を見てもらって、気持ちを確かめ合ってもらってから、転生後でも一緒にいられると伝えるよ。

【映らなかった場合】

UCで、目一杯猛毒注入。身動きできなくするよ。



 トンネルを抜けて古民家前に到着した相沢・友子(水使いの淡水人魚・f27454)の前に、蝋燭の火が点いた燭台を持った書生風の男が立っていた。彼が件の影朧なのだろうか。友子は警戒すると、彼は微笑みながら「こんばんは」と挨拶をしてきた。
「こんな夜更けに、どうしたのかい?」
「この辺りに影朧がいると聞いたの。お兄さんがその影朧なのかな?」
「……成程。客は客でも、招かれざる方か」
 すぅっと表情が冷える。
「悪いけど、僕の邪魔はさせないよ」
 そう言って、彼は蝋燭に灯る火に息を吹きかける。すると、蝋燭の火が消え辺りは暗くなる。それと同時に、彼の姿を隠してしまう。
 彼はどこへ行ったのか、友子は辺りを見回す。ざりっと砂を踏む音が後ろから聞こえた。瞬間、影朧が持っていた燭台を寸でのところで避ける。
「残念。避けなくて良かったのに」
 蝋燭に再び火が灯る。
「僕がされたような無残な殺し方はしないよ。あんな風には……だから、傷一つ付けない。安心して、去ね」
 もう一度火を吹き消すと、彼は闇に紛れる。次の攻撃を防ぐために、友子はなぎなたを構える。風を切る音が聞こえると、そちらの方に振り返り燭台をなぎなたで止める。
「……あなたが影朧になった経緯は分かったよ。酷い殺され方をしたね」
「ああ、そうだね。今、思い出しても恨めしい」
 ぼぅっと、蝋燭の火が燃え上がる。
「私はあなたを倒さなくちゃいけない。でも、どうしても気になることがあるよ」
 友子はなぎなたを仕舞い、恋映鏡を取りだし影朧にそっと差し出す。
「これを、覗いてもらえるかな? 大丈夫、武器じゃないよ。私は、あなたがあのお姉さんとずっと一緒にいたくて戻ってきたのか、それがどうしても知りたいの」
「……っ! そんな言葉に、もう騙されはしない!」
 もう、とはどういうことだろうか。友子はそう疑問に思った。影朧になった今、そんなことを言われる相手などたかが知れる。だとすると、生前……? いや、今考えるのはよそう。
 彼が覗いてくれないならば、直接見せつければ良い。友子は恋映鏡を影朧に向ける。
「なんで、彼女が……!」
「鏡に映る結果は真実だよ。自覚があろうとなかろうと」
 鏡を覗いた者の想い人を映す恋映鏡。どうやら、彼を匿っていた女性の姿が映ったらしい。
 彼が鏡の方へ意識を向けている内に、友子は身体の一部を毒蛇に変異させ、古民家の方へと向かわせる。あとはタイミングを見計らって、女性を外に出るよう仕向けよう。
 そう思った矢先、彼女の周りを人魂のような灯火が囲む。
「恨めしい、恨めしい……また、彼女の名を出して騙るなど、許さない……絶対に……!」
 友子を囲んだ灯火が一斉に攻撃を始める。友子はどうにか全てを避けきったが、これ以上はどうなるか分からない。彼女は一旦、後ろへと引いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

白刃根・イオン
影朧は皆、転生可能らしいな。だが、あれもこれもと考えると、優先順位を迷うので、私は初心貫徹、地図に書かれてるお宅に行こう。途中、影朧と他の猟兵がいたかもしれないがまあ、説得するなら私よりも適任者が居るだろうし。

お招きありがとう。

外の事を聞かれても、なんのことか?しらを切りつつ、お茶をしばく。

気になる相手がいるのか?

人の機微はよくわからない私だが、添い遂げる覚悟があるなら気持ちを伝えてみたらどうか?と、それとなく恋と向き合うように誘導してみよう。

万が一利用されただけで騙されたとかなら、その時は私の本体を使わせてやろう。己の手で葬ってやるがいい。

私は虐げられた者の味方であり刀だ。

転生は女次第だ。


ミリアリア・アーデルハイム
アドリブ・連携◎
万里鏡で環境耐性結界、煙に備える

百物語が成就すれば何が起きるのでしょう?
仇を呪殺でもなさるおつもりでしょうか。
復讐に囚われれば魂の傷は幻朧桜でも癒せぬものと成りかねません。
オブリビオンになってしまえば、生まれ変わって彼女と出会う事もなく、再び研究の道を歩むことも叶わない。それは仇に貴方の持つ善きもの全てを奪わせること。

ご覧になって、あのバレッタは貴方がお贈りになった物でしょう?
あの方は貴方を影隴と知りながら、愛故に望みを叶えようとなさいました。
愛と憎悪のどちらがより尊いでしょう?
貴方自身と彼女のためにどうか【悔いなき道を】

お二人の悲しみと苦しみが癒されますように(祈り、浄化)


リグ・アシュリーズ
互いに想ってたらそれでいいなんて、ロマンチックだけど。
恋路、邪魔するわ。
だってあなた、邪道に足を踏み入れてるじゃない?

勢いよく黒剣で斬りかかって組み合い、
まず燭台の小細工だけを封じるわ。

正気を奪われる前、聞いておくべきことは。
――ね、学生の皆集めてどうする気だったの?

物語の後に何が起こるか知らないけれど。
少なくとも、あなたは学生さんたちの命を尊重していない。
殺害犯があなたの命を軽んじたように、
あなたも今誰かを軽く見ているなら。私、あなたを止めるわ!

黒風を吹かせて燭台を跳ねのけ、ありったけの力で剣を振りかぶる。
手を汚させたら転生も叶わない……何より。
彼女がかわいそうって気付いてよね!



 仲間が後ろへ引くのを見ると、それと入れ替わるようにミリアリアは屏氷万里鏡を展開する。これで、先程の彼女のように闇討ちされ辛くなり、あの火や煙を使った攻撃に備えることもできる。ミリアリアが結界を張り終えると、リグはくろがねの剣で影朧に斬りかかった。彼はそれを燭台で受け流す。
「チッ……」
 影朧は舌打ちをする。剣と燭台ではリーチも重さも違いすぎる。彼はリグの攻撃を受け流すことしかできない。そのうえ、反撃の機会も与えられない。リグはそれを見越して、彼に打ち込み続ける。
「まだまだ、こんなものじゃないんだから!」
 リグがそう叫ぶと、人狼特有の耳と尻尾が現れる。それと同時に、彼女の周りに漆黒の上昇気流が巻き起こった。
「悪いけど、あなたの恋路を邪魔するわ!」
 リグはそう言うと、再びくろがねの剣を構え振りかかる。影朧はそれをもう一度受け流そうと、燭台を構える。だが、それはリグが纏っている黒風によって弾き飛ばされた。それと同時に体勢を崩し、尻餅をつく。リグの剣が彼の目の前まで迫る。
「っ!」
「――ね、学生の皆集めてどうする気だったの?」
 ピタッと影朧の前で剣を制止させたリグは、彼にそう訊ねた。まだ正気である内に、リグがどうしても聞きたかったことだ。彼の命が軽んじられたように、彼もまた女学生たちの命を尊重していないように感じたのだ。猟兵たちが止めなければ、彼は手を汚すことになっていただろう。それでは、転生も叶わない。何より――
「そんなの知っているだろう? 百物語を完遂させる」
「意図が見えないわ。完遂させて、どうしたいの?」
「……僕たちは『過去』だ。過去は変わることがなく、例え忘れられたとしても必ず在る。ならば、こうして形を得れば、永遠に寄り添うことができる。だから……」
 そこまで言い切ると、彼はにぃっと笑う。
「物語を糧に、他の影朧たちを呼び寄せる。ただそれだけだ。学生たちには、その協力をしてもらうだけだよ」
 その呼び出した影朧が、女学生たちを襲う可能性もゼロではない。勿論、彼女も。リグはぐっと唇を噛みしめると、もう一度剣を振りかぶる。
「待ってください!!」
 リグが剣を振り下ろす直前、悲痛な女性の声が響いた。


 リグが影朧と組み合っている隙に、イオンは会場となっていた古民家へと向かった。扉を開けば、部屋に居たであろう女性が驚いたような顔をしながら玄関先まで出迎える。
「お招きありがとう」
「え? あ、あの、外に彼が……」
「すれ違ったかもしれんが、知らんな。それより、他の者たちが来るまで、待たせてもらっても良いか?」
「え、ええ……」
 女性は戸惑いながらも、イオンを部屋へと案内してから彼女にお茶を出す。イオンにお茶を出した後、女性はちらり、と襖の方を見ていた。外の様子が気になっているのだろう。だが、今はまだ外へ出すわけにはいかない。イオンはお茶を一口飲むと、未だにそわそわしている女性に話しかけた。
「そういえば、一つ気になることがあったんだが」
「な、なんでしょう?」
「今日の主催者、この前友人だと言っていたが本当か? もしや、その人は『気になる人』という奴ではないのか?」
「……すごいですね、お見通しですか」
「いやなに、なんとなくそう思ってな。で、想いは告げたのか?」
「つ、告げていませんよ! その……本当に、ただの片想いですから」
「ふぅん……」
 イオンは訝しげに彼女を見る。先程部屋に案内される際に見た、桜模様のバレッタ。ここへ来る道中でリグから聞いた話によると、それはあの影朧が贈った品だと言う。ということは、彼は生前、彼女の事を悪いようには思っていなかったはずだ。
「ならば、もう一つ聞いていいか」
「ええ」
「アレは影朧だ。それを知ってて匿ったな?」
「!!」
 女性は驚いたように目を見開く。
「別に、お前を罰するつもりはない。ただ、影朧は救済すれば転生する。それが分かっていて、何故匿うのか分からなくてな」
「それ、は……」
 俯いた女性は少しの間、口を閉ざす。イオンは彼女が話してくれるのを待った。すると、整理がついたのか、ゆっくりと話しはじめた。
「お別れが、できなかったから……私の気持ちも、さよならの言葉も、何も言えずに彼は逝ってしまったから」
 ぽろぽろと女性の目から涙がこぼれる。イオンは「そうか」と言うと、刀を一振り女性に差し出す。
「添い遂げる覚悟があったなら、その気持ちを伝えてみたらどうだ? 万が一、利用されただけで騙されていたなら、それを使うと良い」
 彼女は恐る恐る、刀を手に取る。すると、部屋の隙間から蛇が顔を覗かせる。まるで、「行け」と言っているようだった。
「さて、そろそろ私の仲間が退治し終える頃かな。早く行った方が良い」
「わ、分かりました!」
 そう言って、女性は部屋を飛び出して行き、声を上げたのだった。


「お願いです! どうしても、彼に伝えたいことがあるんです!」
 刀を手にした女性が、リグに近づいて説得しようとする。
(あれは、イオンの……)
 リグは彼女の持っている刀に見覚えがあった。どうやら、女性の方はイオンが話をつけたらしい。ミリアリアと顔を合わせ、リグは燭台を気にしつつも武器を下ろした。ミリアリアも未だに屏氷万里鏡を展開したままだが、二人の行く末を見守っている。
「ありがとうございます」と女性が礼を言うと、影朧の前に立った。
「私、あなたにどうしても伝えたいことがあるんです」
「……何を」
「私は、ずっとあなたのことが好きでした。ずっと、ずっと、」
「それなら、尚のこと……っ」
 そう言った彼の目には憎悪の色が見えた。ミリアリアは堪らず口を挟んだ。
「待ってください。仇を呪殺でもなさるおつもりですか? 復讐に囚われれば、魂の傷は幻朧桜でも癒せぬものと成りかねません」
「そんな……! だ、駄目です、それは!」
 ミリアリアの話を聞いた女性は、慌てて影朧に縋りつく。
「考え直してください、お願いです。私は、私はただ」
「だけど、僕は! 嘘であっても君を貶めた、あいつを絶対に許さない」
 沈痛な面持ちで吠えるように叫ぶ。それに対して、ミリアリアは語る。
「……そのバレッタは貴方がお贈りになった物でしょう? 彼女は貴方を影隴と知りながら、愛故に望みを叶えようとなさいました。
 詳しい事情は分かりません。ですが、愛と憎悪のどちらがより尊いでしょう? 貴方自身と彼女のためにどうか、悔いなき道を」
 そう言って、ユーベルコードを発動させる。ユーベルコードを伴ったその言葉に、影朧の心は迷う。その様子を見た女性は、意を決して言葉を紡ぐ。
「私も、あなたに会いたかった。ずっと側にいて欲しいとも思いました。でもそれ以上に、私はもう一つあなたに伝えなくてはいけないことがあるんです」
 彼女は呼吸を整えると、改めて伝えた。
「さよなら、初恋の人。私はあなたに会えて、本当に嬉しかった」
「そうか。……そうか」
 彼はよろよろと立ち上がると、リグの前で立ち止まる。
「……僕は転生できるかどうか分からない。けど、」
 彼女の方を振り向くと、にっこりと優しく微笑む。
「さよなら、初恋の人。僕も君が好きだった」
 影朧がリグに目で合図をする。「任せて」と剣を構えると、彼を後ろから斬り倒す。それと同時に、彼の身体は桜の花弁となって、はらはらと夜空を舞う。ミリアリアはその花弁を眺めながら、二人の悲しみと苦しみが癒されますように、と祈る。もしかしたら、他の猟兵もそう思っていたかもしれない。
 女性は悲しげに、けれども穏やかに、最後までその花弁を見送っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月01日


挿絵イラスト