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異質煉獄篇

作者：にゃあら

●痙攣した泥の中でオマエは
　同じような貌をして、似たような日々を送るのだろう。
　何者かは他者から生きる屍（ゾンビ）だと罵られ、嘲られ、ただ無碍に扱われたと謂う。なんとも悲しい御伽噺（ウィアード）だが、果たして過去（真実）は如何だったのか。ざわついた銀色の泥（シルバーレイン）が地を濡らす中、廃れに々れた高層（ビル）の屋上（うえ）で異形（ひと）が積もる。そろそろ自分探しも終いとしようか。
　結局のところ、悉くは欲望の儘に蠢く忘却（ゴースト）だったのだ。新しい己を造る為ならば人の感情（こと）など知った事か、テンプレートな質問に解答を用意しないのは意地悪の嗜みだろう――光（金）と闇（銀）が混在する時、世界は宇宙意志に従った。
　地上が楽園だと謂うならば、その先を望む脳は要らない。

●グリモアベース
「まあ、人間ってのは時に自分がわからなくなるもんよ。楽な方へ楽な方へ流されてったらそりゃこうもなります。ましてやアイツはオブリビオン、まったく面倒な予知（こと）してくれたもんですね……」
　普段のハイテンションは何処へやら、グリモア猟兵たる隣人（ナマモノ）はブツブツとぼやいていた。猟兵（きみ）達の存在に気付いたのは数分後だろうか、貌（えがお）を作り直して視線（めかくし）を向けた。
「シルバーレインで厄介な『リリス化オブリビオン』が出るって予知よ。欲望のままに他者を支配したい、そんな爆弾を抱えた個体ってやつね。そんで問題なのは『どんな欲望か曖昧だ』って事よ。まあ取り巻き……この場合は信者・奴隷って言った方が適切かしら？　の居場所はわかってるから彼等から色々と聞いてちょうだいな。それと傘を忘れずに持って行きなさいよ。時々なんたらってニュースでやってたから」
　グリモアが輝いて。

第1章 日常 『屋上にて』

POW   :    日光を浴びながら昼寝する SPD   :    お弁当やパンを食べる WIZ   :    街の景色を眺めて楽しむ 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

　こぼれた麺麭（にく）を何で挟んだのか、ブドウ・ジュースの芳醇さに咽喉（ふえ）が啼いている。ぽかぽかとした陽気の真下でオマエ、如何様な嘘偽りを読み解くのか。ボーイ・ミーツ・ガールの瀬戸際で靴を揃えるのは愉しいに決まっている。
　少年は少女になりたいようだ。少女は少年になりたいようだ。こねこねと泥（ねんど）を遊ばせて、鉛色の宙（くも）へと避雷針（うで）を伸ばす。
　悪魔（リリス）の囁きを理解するにはまず人類だ、どうしても彼or彼女は他人を愛している――この口に桃を寄せてくれ、あまいあまい。


　脳味噌（うちがわ）をどっぷりと、灰色（おも）く染めていくのは雲の所為だろう。ふわついた感覚をぬぐうオクスリはなく、どこぞの合法にでも身を委ねて仕舞いたい頃合いだ。果たして二面性を得てしまえば合理的（まとも）、極端に滓（のこ）せる筈なのか。貌を汚すのは伝承（いいつたえ）の結果、素晴らしき屋上に強迫（こえ）が響いた。
　悪い子はいねがぁぁぁ！　だらしなく垂らした舌（たん）を的確に表現する事は難しい、何処か滅裂とした混沌（カオス）が雨粒を冒涜（おか）していく。オブリビオンの取り巻きになっちゃう悪い子はいねがぁぁぁ！！　今朝食したものの色遭いすらも記憶出来ずに少年少女、かわいそうなものを見る『目』で猟兵（それ）に引いた。
　なんらかの感情は尽くマイナスとして顕現した。恐怖や警戒、ある種の殺意に似た双眸（まんまる）、抑圧されていた煉獄（ほむら）が愈々現と化したならば『怠惰』なやつめ。そろそろ情報を仕入れる時ではないのか――もちろん拷問でね！　それは地獄篇（あっち）でやってくれ、味気の無い水の中で人々が苦笑いした。
　異質なものを模倣したところでオマエの在り方は不変、むしろいつも通りこそが『正気ではない』と解せるだろう。そんなことより目隠し手錠足枷の大司祭、そんで用意したのは事務＝イスだ。こんなに回転してどうしたの、覗き込んでいたお隣さんは喝采しているのか。間違いは微塵もあるまい――なにせ最初から担いでいたのだから！

　そりゃオマエ怪しまれても仕方がない。
　袈裟（ぬの）巻いてしまえよ異端審問（ヨイデハナイカ）。

　よく知らない人間だって撹拌しちゃえばお知り合いなのだ。知っている事を全部吐け！　別のモノでもいいから🌈（は）け！　わかるわからないなど如何でも良い、伝授された煉獄（ぬけだせない）を自己流含めて再現するのだ。周囲は阿鼻叫喚、身勝手な眼球はものを謂えない――傍若無人ッ！！！　酸っぱくも臭くもない泥状が気持ち悪さを体験していた。誰かとめてぇ！！！
　ゲロイン介抱も夢じゃないね、この人類ごっこ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　ひどくカラフルな摩天楼（せかい）に適当な粒々（あめ）を降らせたら、それは水銀（どく）のように蔓延（ひろ）がって往くのだろう。茫々（とお）くを眺める貌（サマ）は猟兵（オマエ）らしく、ボーイ・ミーツ・ガールのお隣で煙を巻くのがお似合いだ。黄昏（だら）りと垂れ下がった南京錠（くさり）ががらがらと風に唆されている――壊すしかなかったのだ、これも仕事なので――暇（いとま）を与えられた午睡の惰、だらだらと眼鏡（ずれ）を戻すのも悪くはない。天照が墜ちると人が決めたのか、その声帯は贋作だろう。
　冠の数字（かず）を視野に入れず、ただ人々とテキトウな会話を交わすと好い。昨日の夕餉は何だったか。今朝はとても素晴らしい天気だった。さっき子供が駆け寄ってきて、ピカピカの泥団子をみせてくれたんだ。希薄（うす）まった正直者（ひと）は只管に首を縦、頃合いではないのかと咎人殺し（おも）いが積もっていく。
　嫌いなものは特にありません。ぼんやりと呑んでいた滓（すみ）を片付けて、携帯（ハイザラ）の如くに瞳（め）を閉ざした。まったく、嘘吐きだらけの屋外（アウトサイダー）、過去が現在を模倣（なぞ）ったって成りやしない。
　人類ごっこを謳歌しているところ、悪いけれど『こたえて』ほしい。君はどうしてここにいるのでしょうか……雷に打たれた証拠なんて何処にもないよ。何を疑っているのかな。オマエになりたい。オマエでありたい。テンプレートに嵌めてくれ、営業スマイル。

成功 🔵​🔵​🔴​

　自由（フリーダム）――その一言に含まれる、想いや重いを語るにはただの四百では足りないだろうか。存在の証明が有無、出来る出来ないとに関わらず『こ』の状況はぼんやりのほほん戯れに描ける。殺し殺されの修羅（あくむ）と比べたら、嗚呼、なんと素晴らしい永久なのだろう。麗しの何重奏が冠（あたま）の側（よこ）で撹拌（ぐるぐる）している。赤い、赤い、目の玉にひとつ、いとおしい眠気を与えてあげよう――そんな『ひと』みたいに遊んでいるのか、女の子も男の子もなんやかんやで互いを羨んでいる。
　ぽちっと。スイッチの切り替えに力は不要だった。たいくつだと感じていたならば楽しいに脳（しんごう）を換えれば好い。ヘドンホホの大音量（アゲアゲ）が屋上（みず）を沸かせる事は約束されていた。皆々手を取り合って『存在している』みたいに踊り明かせ、阿呆な面（かお）して突っ伏せば悉くは泥の溜まり。
　屍同然だった人類（ひとがた）にエフェクト・パーツを接続（つな）げるべきだ。煉獄にちょっとしたアクセント、がらがら、ドドンと相応しい擬音（ねいろ）。サンプル・キャラクターにだって憧れていたのだ、あなたになりたい私になれたらな。
　墜落した誰かさんのはじける詩、続きを記す為に鉛雲（くも）の位置を示そうか。
　――あっちの方角、あまいあまい。

成功 🔵​🔵​🔴​

第2章 冒険 『囮作戦』

POW   :    派手に特徴をアピールし、オブリビオンを引き付ける SPD   :    敢えて特徴を隠し、オブリビオンに注目されずに行動する WIZ   :    オブリビオンをより引き付けるピンポイントな特徴を導き出す 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

　いつしか屋上（せかい）には君達だけが残っていた。指差した誰かさんの気配は最早『触れられず』ただ宙に銀色（くも）がのっかっている。凍えるような寂静（いま）の内、餌の如く振る舞うのが正しいだろうか――幽霊（ゴースト）が生者（にんげん）になりたいのは至極当然――つまり、基本は棒立ちしているだけで好い。
　天動説か地動説か何方を信じるのかはオマエ次第だ、派手派手しく人類、本物（ありかた）を突き付けてやれよ――三悪趣（そこ）から二番目まで這い上がるのはひどく難しい、そうは思わないか？
　黄金時代（ゴールデン・エイジ）はとおい昔、眉を塞がれた。


　滝に苛まれた脳天は何処までも佛、絶対だと宣うのか。硝子張りの世界に映り混んだ虚空（あな）は筆舌に尽くし難い逆転を泳がせている。そうとも、昔ある人はこう言った――汝の隣人を愛せよと――右の頬を叩かれたならば微笑んで左の頬を生贄（さしだし）なさい。左のカタツムリを壊されたならば右もナメクジにしてもらいなさい。ようこそ逸脱の彼方側、最早領域に足を突っ込んでは異られない。別の人はこう言った――人のふり見て我がふり直せと――完全変態の昆虫につける薬はないだって？　泥人形のクセに『やりすぎ』は良くないと嘲笑（わら）うのか。このふたつを合わせて考えても未ろ、臓腑に落とされた胡椒（み）はぴりぴり啼いている――隣人を愛し敬いその行いに倣え。そういう事になった。
　混沌と秩序の両極端に身を置けと誰が定めたのか、いっそ悉くを撹拌して終えば好い。素晴らしい教えだ！　価値観などを決めるのはオマエの目玉、それを冒涜しちゃあ意味ないね。実践しよう。染め物のやり方は理解している、即ちブチ撒けたインク溜まりだ。涅槃への行き方を理解したって面白くもない。
　手枷と足枷の必要性など現実（これ）から開幕（お）こる悦楽（パラダイス）に向けては邪道だ。何が訊ねた地獄煉獄、なぁんにも視なければただの僥倖だ。坐せよ始まりはグッド・ナイスから、生放送・生放送、宇宙からびびびと解放電波。妄想（そのつもり）。
　セルフ・サービスがお気に入りなのだ人類、回れ回れ地球（あおいろ）の如く。🌈いっぱいの銀世界（シルバーレイン）で乾杯だ、もう反芻を止められる過去（もの）はいない。自動！　追屠！　嘔吐！　これが本物でなければ何が真実なのか。これが人類でなければ何が人型なのか。さあ、こっちの水は酸っぱいぞ。おまけに🌈を繋げて魅せよう、ビッグウェーブだ🌈🌈🌈🌈🌈――以下省略。
　君も中身を晒すがいい人類モドキ。正体不明を暴くには好い機会だ、電子仕掛けの何某に万歳惨症――焼肉定食大盛りお待たせぃ！！！

大成功 🔵​🔵​🔵​

　銀色の雨（シルバーレイン）に濡れた女（おまえ）は、ただ髑髏（あやしげ）に屋上（そこ）、ぼうっとした演技（つら）を晒していた。ひどく目立つ衣（ふくそう）を風（ぬる）さに任せ青々とした目玉（たま）を転がしてみせる。ああ、こっちの人間（みず）は甘いのだ。こっちのヤドリガミ（ひと）は上手いのだ。こんなにも器物らしさを失って物を食べたり飲んだり出来ている、とても羨ましいとは思わないか――何処かで沼（どろ）が嫉（こえ）を漏らしていた――こんなの罪の冠にもなりゃしないわ。
　何もかもを省略（りゃく）してしまえばスワンプ・マンの戯言に耳を傾ける事、苦とは思えなかった。誰だって素肌（抜き身）を晒すのは恥ずかしい限り、空気と一緒に肉と骨を断つ感覚は開幕（はじまり）のようなものだ。ごくり、とモザイク加工が咽喉を鳴らす。欲しい、欲しい、その人間らしさが欲しくてたまらない。鈍器のような衝撃が幽霊（それ）の後頭部（のぞみ）をぶっ叩いた――引き籠もりへの一撃はひどく重い。
　ずるりと空から落ちてきた雷（しろもの）をナンセンスだとでも謂うように傍観（にら）み吐けた。嗚呼、酒のオトモにゃ丁度いい。
　湯水の如くにゴキュゴキュとやってみせろ、そろそろ奴さんが出てくる筈だ。誰が想像（かんが）えても最強は最強、証明書よりもパワープレイだろう。
　――緑色だけが強まっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

　屋上（そこ）に神が坐すならば為すべき贈物（ぞうもつ）は内側ではない。巫女服（ころも）袖とおして世界（シルバーレイン）に濡れたなら、毒素までも取り込む羅刹（おに）か。しかし随分とお綺麗な輪郭（すがたかたち）、遠目からでは生贄少女との違いがわからない。ゆらり、ふらり、一から十まで数えるのに時間（とき）はそうも掛からない。患ったかの如くに滾ってきた血潮（たいえき）が、嗚々、何を求めていると謂うのか。
　神話大系（シリーズ）を撹拌（シェイク）する、如何様な冒涜だとしても衝動（よくぼう）を拭う事は不可能だった。導きに従い神に従い悉くに従い――などと咀嚼はしているが、嗜好・思考・至高――もう我慢出来る術もなくアリス・アリスを思い返した。無意識だと想い込んでいるがその世（せつ）、しっかりと意識。
　童よ童、打ち首獄門の所業をもう一度観察（み）たいと申すならば、この人間性（ありかた）を泥団子に抉（えが）くと好い。しゅるる・しゅるるる薙刀（えもの）が歌い、今宵（うつつ）の獲物を弄っている――柔らかくて歯応えが無い、のどごし良好。
　モザイク加工だけが唯一の味方だと酸っぱい臭いが仰ってくれた、さあ、煉獄に身を落とすより修羅へと身を焦がすが悦ばしい。そうだろう、ザクロ風味。
　鬼さんこちらだ泥はねる方へ。

成功 🔵​🔵​🔴​

第3章 ボス戦 『スワンプマン』

POW   :    抗体覚醒 【生命根絶の使命】に覚醒して【光と闇を放つ異形】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。 SPD   :    スワンプマンは誰だ？ 自身の【血液】を代償に、1〜12体の【スワンプマン】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。 WIZ   :    ゾンビボール 全身を【人間に擬態していた弱いスワンプマンの群れ】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　煉獄に人間は残されていなかった。
　隙間から這い出た泥水が、モザイク加工と共に整っていく。

　生命（いのち）を根絶する為には人間（いのち）を理解しなければならない。人間（いのち）を理解する為には人間（ひと）と同じに成るべきだ。光と闇が混在（と）け、宇宙意志（それ）に従うならば『かわる』他にないだろう。
　ほしい、ほしい、オマエがほしい。欲しくて欲しくて仕方がない。肥大化したゾンビ・ボールが転がって頭蓋の中身（ボール）の空気を啜りたいのか。
　全ての冠を奪われてはいけない、君は埒外（ちから）を握り締めた。


　女の人と男の子の真後ろで、ただの人間（オマエ）が起立（みの）っていた。それが現（いま）では滑稽なまでに宙ぶらりんで、誰に唆されたワケでもなく、沸々と復讐（ゆ）に浸けられている。最早、二度と失せる事のない、消える事のない、筆舌に尽くし難い解離（はな）れが一斉に木霊（さけ）んだ――うまそうな匂いがするじゃねぇか――しかし此度は『変わって』いられない。此処に人間で『ある』事を証明し給えよ、猟兵（オマエ）。
　球体化（たま）転がしの真似事、ゾンビの塊（かたち）は醜くも泥濘を模倣している。あれらカラフル性が美味いとは想像出来ないが、兎も角、餌の時間で有る事に歪はない。顕現（ストーキングシャドウ）――表に晒すのは彼等だけで十分だ。
　思い出の欠片（ロケットペンダント）を胸中（しんぞう）に泥仕合（ころしあい）を眺めていく。ぼろぼろと雷撃（エネルギー）を落とした、不愉快な🌈（にく）がバラケテ嗤う。嗚呼、これが煉獄の貌（しんい）だとすれば、なんと世界は銀色（どくどく）しいのか。私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことは……本当に隣人（となり）は脳を有しているのか、まったく僥倖な感電死ではないかね。
　獣と影と贋（にせもの）が混じり遭い、愈々何かしら『わからなく』なった。あれこそが私の末路なのか――ぐるりと反転したかの如く黒い黒い、瞳がのぞいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

　取り憑かれたのか取り憑いたのか、本質を暴こうと躍起に陥（な）るものは時として、深い深い穴へと墜落してしまう。されど底は終いではなく寧ろ始まりで、地獄に石を積む存在（もの）だけが進化（あゆ）めるのだ。そうと思えば「俺より強い奴に会いに行く」行動（スタンス）は人間的なものだろう。死して尚『わざ』に執着（ぬ）れている――ああ、羨ましい。とても、とても、羨ましい。光と闇が混在する中、異質（にせもの）は緑（み）ていた――で、在れば狼よ、戦闘（や）る術は見出せるだろう？
　不可視（デスマッチ）への招待状だ、生命を根絶（ころ）す想いと絶えて朽ちぬ矛盾（おも）い。爆ぜると同時に懐へと潜り込んだならば定石手段、弱点（つなぎめ）を狙って斬撃（えもの）浴びせよ。破壊と再生の坩堝の儘、人間らしさを追い求めると好い。
　運命を定めるのは神ではなく己自身だった。偶然を引き起こすのは佛ではなく己自身だった。相手の思考（こころ）を奥まで抉り出し、此処まで炙れば『後はなんとかなる』――露出した幽霊（ゴースト）の中心。引っこ抜けば大惨事か。
　空になった円柱は用無しとしか考えられない。人間の貌はもう忘れた――動植物（すべて）把握してから人を真似るべきだ、猟兵（オマエ）に倣え。

成功 🔵​🔵​🔴​

　神が世界（すうじ）を創造（つく）ったと宣うならば、此処に集いしは造物（つくりもの）どもと表現可能だろう。脳裡――それが真に脳裡（のうみそ）と称せるならば――互いに頭蓋を露出して摘出（き）った方が楽と謂えよう。莫迦げているほどのカラフル性が網膜（あか）に映り混んで仕方がない、これを人間は同族嫌悪とでも表すのだろうか。少なくとも泥人形（スワンプマン）は『塑う』だと漏らした……※※はどこにいる？
　証明書（かみきれ）一枚の戯言を精神（シナプス）に押し込めば普段通りの猟兵つとめだ。ゾンビ・ボールの不規則な機動（うご）きを捉えつつスラリとまじないを構えて魅せた。肉汁（しるけ）たっぷりの加工（ハンバーグ）万歳、ただ一撃で断てば好いのだ。
　骨の髄まで詰まったおぞましさをバネに駆け、跳び、目と鼻の先を断面（はかい）した。ある種の狂気とも思える人間性（こころ）への妄執、彼（かこ）の魔障を還してくるのだ。嗚々、眼球のさける音色、なんとも耳朶（みみおく）に残るものか。
　決してほどけてはいけない髪飾りが、にぶい闇にくらんでいた。何度も探したとして果実が落ちるワケがない。幾等求めたとして中身がなければ意味などない――僕とあなたの違いを邪悪に訊ねるとでも？　おかしな人類問答だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　錆と呼ばれる遅延性に片足を突っ込んだ事はあるのか、と、開きもしない口（あな）で泥人形（ゴースト）が問うた。🌈（にく）質を改めている余裕もなければ、闇と光の狭間で舞踏（おど）る予定もない。ただ無駄な質疑（こと）だと解っていたとしても人マネの上手い猟兵（オマエ）に興味を持ったのだ――そんなことを言われても困る、それが脳内（はぐるま）の回答（カオス）だった――貌（つら）合わせしても実のところは過去と現在、どんなに相性が良くても殺（こわ）し遭わなければならない。嗚呼、ドレッドノートの間違いを正しているのか、まるで血管（あか）い刀身――！
　二度と触れる事の出来ない変化（オマエ）は戦いではなく蹂躙を選択したと解せよう。ふわりと髪が揺れ瞳がきらめき、軌跡（みち）つくった断面（じげん）は如何証明成せる。かわいそうにも不可能だ、幽霊（ゴースト）が何方か最早わからない。
　紅色に染まった月をぼんやりと眺めたスワンプマン、彼もしくは彼女の心臓（だんご）がぶちゅりと潰れていた。強く強く念じてみると好い、そこには現世が茫々している。
　捉える事は不可能だった。捕らえる事は赦されなかった。滓（のこ）されたノイズだけがオマエを凝視（み）ている――人間とは神のオーダーメイド、逸品だろうさ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　もう手遅れとしか描写（えが）けなかった、破壊に破戒し続けた結果がこの貌（ざま）で、しかし掴んだ自由（フリーダム）を放す事は到底出来ない。いかれたティーセットに不愉快なカトラリー、彼等の持ち手をだいたんに投擲（ぶんなげれ）ば悦びのひとつまみと思惟成せる筈だ。現れたな黒幕め――たとえ眼球までも泥だとして、汝（きみ）は人間さ――カラフルとモザイクが入り乱れるド真ん中、これまでの回転が惑星を超越していた。
　僕の隣人力（おとなりちから）はMAXに達している。ついでに変態力（にんげんせい）は大暴走（カオス）を孕んでいる。嗚呼、これが意味する所はなにか！　人間ではないキミに問うたって無意味なのだろう。ようこそナンセンス、そろそろ皮膚（かわ）が痒くていたくてたまらない……お見せしよう。総ては煉獄篇への手向けなのだ。
　完全変態（パーフェクトヘンタイ）もしくは完全変態（メタモルフォーゼ）、高らかに宣言（さけ）べば真実に自由（フリーダム）なオマエ、いや、何方かと謂えば枷なのではないだろうか。僕の姿形は登場人物（だれかさん）に似通っていく――後ろの正面（ビハインド）、生まれいづる新たな人格――メイドのスカートはロングにしてくださいね！
　隣人の隣人による隣人から見た隣人ッ！　証明完了（パーフェクト）ッ！　ただ純粋な暴力（らちがい）と性癖（らちがい）を腕（かいな）に抱き、もっと回せと外神（ナイアーラトテップ）が発狂している――大体なにもかも見たまんまだ、スワンプマンでも吐瀉物マンでもなんだって受け入れてやりますよ！　片っ端から目の玉ぐるぐるにしてやりますよおらぁ！！！
　暴虐（リ・バース）！！！　事務椅子に束縛（つか）まった複数がバター・ごっこ。そんでもって不足なら名状し難い鈍器（バール）、スプラッタとお友達な人生だった。え？　血液を代償にした？　そんなんじゃ面白くねぇですよとっとと胃袋ひっくり返しやがれ――🌈（パーーーーフェクツッッッ）！！！　撒き散らし方が甘ぇって言ってんですよ！　てめぇら全員カタツムリ差し出しやがれ――今日の出汁は泥人形の反芻（半スープ）、煉獄で提供するにしては塩辛さが過ぎていた。
　いくつかの冠をバケツと見做したオマエ、何もかもがぐるぐると融解していった。それじゃあ続きはまた今度、痙攣していた屋上がもらいつつ在った。
　お掃除忘れないように、銀色の雨が頭を痛めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年11月24日