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銀河帝国攻略戦⑪刹那の襲牙

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●グリモワベースにて
 数多の猟兵達が世界へ旅立つ為の出発地点とするグリモワベース。
 その空気が緊張感あるものに変わってから、そろそろ一週間は経とうという頃だが、まだ始まったばかりの大規模な戦いは終わりを見せていない。
「皆さん、集まっていただき有難うございます」
 陸刀・秋水(Algenib・f03122)は猟兵達に一礼するとファイルを開く。
「前回から引き続き、スペースシップワールドで行われている銀河帝国攻略戦の戦闘に参加します。では、今回の作戦について説明させていただきます」

 防衛艦隊とエンペライダーズを排除するとの猟兵達の活躍で、帝国大要塞『エンペラーズマインド』に対する本格的な攻勢を開始していた。
 しかし、『エンペラーズマインド』の防御装甲と対艦武装は、内包された規格外のコアマシン『エンペラーズマインド・コア』によって修復され続けて撃するには至らず、更に膠着状態へと推移している。

「これを打開する為、我々による『コア』突入作戦が決行される運びとなっています。エンペラーズマインドへの突入自体は、スペースシップワールドの艦隊によって援護されますので、比較的安全となっております。
 また、既に作戦参加された方もいるかと思いますが、内部の巨大隔壁は先行突入した猟兵達によって破壊され、侵攻ルートも確保されております」
 では、この状況で何が問題であるか――だ。
「我々、重要となるのはコアマシンルームを守る古代兵器『デストロイ・ウォーマシン』の排除となります。嘗て『解放軍』の英雄達を何人も殺害されたとされる冷酷な機械兵器であり、我々でもあっても油断ならない強敵でしょう」

 強敵となるのはデストロイ・ウォーマシンだけではない。
「更に、コアマシーン内は我々の戦闘を妨害するかのように殺人ウイルス――通称『オロチウイルス』が充満しています。理屈は現状不明ですがウォーマシンやバーチャルキャラクター等、通常はウイルスが無効であろう種族の方でも影響を受けます。このウイルスの中での活動制限は数秒程度となるでしょうから、コアマシンルーム突入後はユーベルコードを放てる機会はただ一度。そう考えてください」
 ユーベルコードを放った後は、本人の意志の関わらず強制帰還させますと、蛮勇や自己犠牲を一切許さぬ姿勢で秋水は猟兵達を見た。仲間は誰も欠ける事無く帰還させる、そういう矜持なのだろう。
 そして、秋水の手元でファイルが閉じられた。
「それでは、現地へと転移を開始しましょうか。……一瞬の機会に全てを賭ける戦いになりますが、皆さんでしたら最高の戦いが出来ると信じております」


山崎おさむ
【重要】
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 ●
 当シナリオをご覧くださり、誠に有難うございます。
 かっこよくユーベルコードを放って一発殴る的なシナリオとなっております。
 オロチウイルスの制約がありますので、お一人様であれもこれもとやろうとするのは難しいこと、ご了承いただければ幸いです。
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第1章 ボス戦 『デストロイウォーマシン』

POW   :    デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

弁柄堂・平吉
戦争。戦争。ね。……いつの時代も、耳について離れない言葉だ。

■SPD
与えられるのは一撃のみ、なんてずいぶんとわがままな敵じゃないですか。
《錬成カミヤドリ》にて器物である蛇の目傘を錬成します。全部で10本……確実に、大きなダメージを与えるために。まずは全ての傘を開いてそれに隠れましょう。そして、先人のつけた傷を狙って【傷口を抉る】よう、10本の傘を投げつける。ひとつ、ふたつ……と、傘に隠れながら。それらすべてが確実に肉を、抉るように。たとえ小さな傷でも、10の刃を受けて広がれば、それは大きなダメージとなるのでは?
負けるわけにはいきません。微力ながらも、力となれますように。

アドリブ、絡みOKです。


セルマ・エンフィールド
単純な火力はあちらが遥かに上でしょうか。であれば、搦手で攻めるとしましょう

『視力』『スナイパー』を活かし、クリムゾンバーストの範囲外であろう500mを超える射程の【氷の狙撃手】で敵の武装を狙い、他の猟兵の『援護射撃』を行います

デストロイトリガーを使用したら弾丸を【アイスリンク・バレット】に切り替え、直接当てるのではなく足元を狙い、転倒させることで他の猟兵が攻撃する隙を作ります

氷の狙撃手が防御された場合、ユーべルアナライザーによる反撃が予想されます。『見切り』『第六感』を駆使して直撃は避けます

コアマシンルームに突入できれば使用するのは【凍風一陣】反動がある技ですが、この場面なら問題ないでしょう


ユーイ・コスモナッツ
機会は一瞬でも、
その一瞬に全力をぶつけられるのなら、
可能性はきっと無限大のはず

まずは「反重力シールド」に乗って、
床上1センチを滑走するようにして加速
火線の間を縫うように避けながら、
デストロイウォーマシンの股下をくぐります

そうして背後に回ったら急上昇
空中で反転して、
垂直降下しながら錐揉み回転、
ユーベルコード「彗星の重力加速度」を発動
頭上から全力の一撃をお見舞いします!

「騎乗」と「ダッシュ」の両技能、
そして「勇気」が頼りですね
宇宙騎士ユーイ、吶喊しますっ!


清水寺・大牙
「片道キップでないのはありがたい…な」

【行動】
考える事は無いな
全力で一撃を入れる
そして強制転移させられるまで生き延びる
「届くか…俺の牙」


ヘスティア・イクテュス
オロチウイルス…だいぶ厄介ね…
侵攻ルートまで確保されてるなら至れり尽くせり
後はわたし達があの機動兵器を撃ち抜けば…!

ユーベルコードを放った後強制帰還させるなら
敵の攻撃前にぶっぱなして反撃前に撤退ね…
秋水、よろしく頼むわ

コアマシンルームまではティターニアで飛行
道中、ミスティルテインのビームをチャージ【力溜め】
いつでも撃てるように準備

ルームに突入したら
すぐティターニアを構えて砲撃!マイクロミサイルもおまけよ!【一斉発射】
ビームなら固い装甲だって…【鎧無視攻撃】


※まだ倒せてない&他の猟兵がいる場合
くっ…まだ…!あと少し……!
お願い、止めは任せ(強制転移)


犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだって嗅ぎ分けるぜ

勝手にそれぞれが突入するより、一斉にやる方が良いだろうな

【忍び足】で【目立たない】ように隠密しつつ仲間がコアに突入する前に声かけ、他の仲間と一緒に突入した方が良いと合流
そろそろ仲間集めも限界って所で一斉に突入。

頭良いキャラには従う

デストロイウォーマシンは<殺気>を放って一瞬でも足止めした瞬間、二刀で斬る

コアの一番脆い部分を超嗅覚で嗅ぎ分け仲間に知らせる
そこが一番キナ臭ぇ……コアって所の弱点だろう、行くぜ、みんな、わざわざ集まって貰ったんだ、一斉に行くぜ!

二刀で斬りつける!
サムライに斬れないものは、ないんだぜ?

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望



●刹那の襲牙達
 それはまるで悪意だった。
 犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)の促しもあり、一斉にコアルームに突入した猟兵達を蝕むのは『オロチウイルス』と名付けられた殺人ウイルスと――。
「わたし達があの機動兵器を撃ち抜けば……!」
 ここまで妖精の羽を象ったジェットパック、ティターニアで飛翔してきたヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)が、エンペラーズマインド・コアの守護者デストロイウォーマシンを見て、そう呟いた。
 冷酷非情な機械兵器は既に起動し、侵入者である猟兵達に光る瞳を向けている。
「与えられるのは一撃のみ、なんてずいぶんとわがままな敵じゃないですか」
 弁柄堂・平吉(弁柄堂・f13885)も、己が器物の製作者さの気弱さとは対象的な性格から、この状況下で強力なデストロイウォーマシンを倒す難しさを口に出す。しかし、これもこの世界を守る為。戦争に勝つ為――戦争。ね。……いつの時代も、耳について離れない言葉だ。
 淡い逡巡はそれぞれにあれども引き摺らず、コアルームに突入した速度を衰えさせず猟兵達は戦闘に入った。
「単純な火力はあちらが遥かに上でしょうか。であれば、搦手で攻めるとしましょう。――援護射撃します!」
「頼んだぜ!」
 セルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)が愛用のマスケット銃、フィンブルヴェトを構えながら仲間に叫んだ。司令塔がいるならばそれに応じるつもりだった転助が、もう足を忍ばせ潜む必要も無しと駆けながらセルマに返す。
 ヘスティアも銃撃の為、平助は蛇の目傘を生み出す為に足を止め、他の猟兵達はウォーマシーン目掛けて走って行く。
「どうせ一瞬。それなら、それぞれでやるより一斉にだ!」
 彼我の銃撃が始まる前、真っ先にデストロイウォーマシンの懐に飛び込んだ転助は、接近用のサブウエポンであるビームサーベルの根元を狙い、二刀一対の白狽刀を全力で振るうと切り落とした。
「サムライに斬れないものは、ないんだぜ?」
 ばちばちと断線部分から飛ぶ火花の下を踊りながら掻い潜り、高く唸る機械音に警戒を強めた転助に主砲が振り上げられる。銃身で殴られる威力に自ら跳ぶ動きを重ねた転助は長い距離を跳びながら様々な機械に繋がれたコアを睨んだ。着地するとデストロイウォーマシンの背後を指で示す。
「コアを狙うなら、中央下にある白い部品からだ! あれが一番キナ臭ぇ!」
 超感覚の嗅覚をより冴えさせてコアの弱点を探った転助が守護者を倒した後を仲間に託す。
 攻撃を確認して一切殺戮モードへと切り替わったデストロイウォーマシンから激しい銃撃が始まっていた。それを視認したセルマは引金に指を添える。銃を構える手が震えるのは、視界が霞んで揺れるのは、突入直前に使用した凍風一陣の反動の所為。それでもと狙いが定まった瞬間にセルマはアイスリンク・バレットをデストロイウォーマシンの足元へと撃ち放った。
 銃撃音の直後、痛い程に澄んだ音が響いて着弾地点を起点に磨き上げられた氷の鏡面が生み出されていく。これで床の摩擦係数は限りなくゼロに近付いた。これがアイスリンク・バレットの効果だ。
「直接っ、はぁ、狙うだけが、能じゃありませんよ……」
 デストロイウォーマシンは、その機体の大きさに反して重量を支える脚部が細く見えた。ならば、これで転ばせる事は容易い筈だと、セルマが自分の成果に笑みを浮かべる。
 摩擦係数が無くなろうとも関係無いのは、重力シールドに乗ったユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)だ。
「宇宙騎士ユーイ、吶喊します!」
 凍り付いた床から1センチ上を滑走するユーイは巧みな騎乗技術を惜しみなく披露し、恐れる事無くミサイルやビームの苛烈な火線の間隙を縫うようにしてと蛇行した軌道で急接近すると、デストロイウォーマシンの股下を潜った。追いかけようとして仰向けに倒れた機体は、それでも激しくビームを放ってくる。空中で反転したユーイのマフラーやマントが、じゅっと嫌な音を立てて焦げていくも、デストロイウォーマシンを凛々しく睨むユーイの瞳は変わらない。絶対に負けはしないと熱く想う心が喉から迸って行く。
「機会は一瞬でも、その一瞬に全力をぶつけられるのなら可能性はきっと無限大のはず!」
 ユーイが身を捻ると、それに合わせて重力シールドも回転を始める。
「突撃ィー!!」
 錐揉みしながらの垂直降下に全開まで起動した推進力を加えると、ユーイは刹那、彗星と化した。音すら置き去りにするような一撃が齎す衝撃波は周辺に及び、直撃を受けたデストロイウォーマシンの腹部装甲が木端微塵に砕かれる。
 その欠片が地面に落ちる前に走ったのはデストロイウォーマシンを眩い光に包むが如き、数多ものビームだ。
「風向把握……弾道予測……射軸安定……今!」
 そんなヘスティアの言葉の後に発射されていたミスティルテイン・スナイプモードは、今までのチャージで限界に達しかけていたのを一斉に解き放つ最大威力の一撃となり、デストロイウォーマシンの装甲を刻むように破砕していく。
 小刻みに痙攣する動きの中でもデストロイウォーマシンの武装の一部はまだ生き残っている。ビーム砲が自分へ向いたのを見てヘスティアが悔しげな表情を浮かべた。
「くっ……まだ……! あともう少し……! お願い、止めは任せ」
 ヘスティアの声がミサイルの爆発音に掻き消されていく。
 無差別に降り注ぐ射撃は清水寺・大牙(人食い虎・f06778)の元にも降り注ぐ。
「ぐっ……!」
 左腕を深く掠めるビームに僅かに眉を顰めながらも、実弾がビームに入れ替わっただけなのだから、特段の恐怖は覚えない。記憶にこびり付くのは鉄と炎、消炎の匂いならば、ひりつく空気はどこの戦場も同じ――そんな感覚だけだ。
「片道キップでないのはありがたい……な」
 死ねと突撃を命じられた訳ではない。戦場にいた者にとっては有り難いと、ただそれだけを呟いて、敵を倒すだけの思考に切り替えた大牙は倒れたままのデストロイウォーマシンの頭部へと回り込む。左腕の動きが鈍っていようとも刀を振るのに関係無い。そんな感慨浮かばぬ瞳ではあったが、ぽつりと毀れた低音の声には闘志の熱が籠っていた。
「届くか……俺の牙」
 踏み込みからの白刃が走る。刀で金属を斬り付けたとは思えない、キン、と高い音が響いたのは、確かにデストロイウォーマシンを斬ったが故だ。一拍遅れてデストロイウォーマシンの武装や機体斜めに地に落ち、大きな爆発が起きて行く。
 弁柄堂・平吉(弁柄堂・f13885)は、爆風と飛来する部品類を練成カミヤドリで生み出した十本の蛇の目傘の陰に遣り過ごしていた。傘を貫き、身に当たる痛みに呻きながらも、爆風が終わった後に低くしていた顔を上げる。そして、すぐに驚きに目を瞠った。
「こいつは凄い……!」
 あんなに強敵だったデストロイウォーマシンは焦げ跡と残骸を残して爆散していた。ならばと、微力であるとの自覚の通りに攻撃の手が最後となった自分が今やるべき事は一つだ。
「先人の残した通り、最後の仕上げと行きましょうか」
 耳には託されたコアについての情報が残っている。痛みと――ウイルスの所為だろうか、くらくらとする自分に渇を入れながら平吉が確りとコアへ向き直る。
「これらすべてが確実に肉を、抉るように」
 決意を祈りを込めて、平吉は盾として使い続けてぼろぼろになった蛇の目傘達を浮き上がらせると、白い部品へ向けて一本目を投げ付けた。覆うパネルに小さな罅が入る。だが、まだ割れはしない。コアは何も変わっていない。けれど、例え小さな罅でも十の刃を受ければどうか――。
「……負けるわけにはいきません」
 今にも倒れそうな平吉の元から、ひとつ、ふたつと傘は飛ぶ。パァン、と音は響くが、その音も徐々に遠く聞こえ始め、暗く狭窄していく視界の中では確かに壊せているのか解らなくなってきている。
 十本目を投げたと同時に強制転移が始まった。
 薄れ行く景色の中で爆発が巻き起こり、激しい唸りを起こしながらコアが爆発の中に消えて行くのが見えた。
 つまりは――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月12日


挿絵イラスト