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銀河帝国攻略戦⑪~ブレイク・ザ・コア

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●グリモアベースにて
「皆様、ようこそおいでくださいました。皆様を召集する事態。即ち、オブリビオンによる事件……普段ならば。
 既にお聞き及びの事とは存じますが、遂にオブリビオン:フォーミュラーが姿を現しました。
 舞台はスペースシップワールド。復活した銀河帝国の脅威にさらされる宇宙世界。
 そして、その銀河帝国の皇帝が現れたのです」
 スキエンティアは、そこで一度言葉を区切る。
 表情筋など存在しないのではないかと思わせる程にピクリともしない表情でありながら、強い意思を湛えた眼差しで猟兵達を見回して。

「ここまでお伝えすれば、聡明な皆様の事ですから何をすべきかは分かって戴けたものと思います。
 えぇ。オブリビオンをメッタメタのギタギタに叩きのめし、銀河帝国を崩壊に導く……のは最終目的。その為にもまず皆様には、帝国大要塞『エンペラーズマインド』、その『コアマシン』である『エンペラーズマインド・コア』の存在する、コアマシンルームへ突入を行って戴きます」
 表情は相変わらず変わりなく、ただ声音と視線にとても冗談とは思えないような真剣さを込めながらも、スキエンティアは続けた。

「しかしながら。コアマシンルームへの最後の難関である古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』を排除しなければ、コアルームに向かう事は不可能。
 戦闘のみに特化し、感情を持たない『デストロイ・ウォーマシン』は、かつての『解放軍』の英雄達を何人も殺害したとされる強敵です。
 皆様であっても、油断すれば簡単に敗北しかねない強敵なので、万全の態勢で挑んで戴きたく存じます」

 そこで言葉を区切り、スキエンティアは再度猟兵達を見回す。
「『デストロイ・ウォーマシン』に勝利した暁には、コアマシンルームへ突入し、全力のユーベルコードを放って戴き、『エンペラーズマインド・コア』を攻撃して戴きたいのです。
 ……但し。コアマシンルーム内には、殺人ウイルス『オロチウイルス』が充満しているようなのです。
 このウイルスの存在下では、皆様であっても、数秒程度しか活動する事が出来ません。
 一体どういうウイルスなのか、普通のウイルスが効かないであろう方々であっても、その影響から逃れる事は出来ません。
 全力で、渾身の攻撃を一発。それが限度でしょう。
 今までにない強敵、そしてウイルス下での全力攻撃。
 いずれも難題ですが、皆様ならば成し遂げられると信じています。
 どうぞ、よろしくお願いいたします」
 そう告げて、スキエンティアは再度、深々と頭を下げた。


氷川 仁
 大規模作戦、銀河帝国攻略戦、第三段となります。 氷川 仁(ひかわ じん)です。
 今回は中盤の山場。銀河帝国の大要塞のコアルームを防衛する、デストロイウォーマシンの撃破と、エンペラーズマインド・コアへの攻撃となります。
 本シナリオの攻略対象は「⑪エンペラーズマインド・コア」です。
 皆様の多彩なプレイング、お待ちしております。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●戦場について
 コアマシンルーム前に設置された、二十メートル四方ほどの広間です。
 障害物はなく、人工重力によって地に足を着けて戦うことが可能です。
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第1章 ボス戦 『デストロイウォーマシン』

POW   :    デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリューラ・センティファ
任務了解。作戦を遂行する。
戦闘の道具として作られ、殉じようとするウォーマシン。同情の感情は覚えるが、覚悟は我等も同じ事。躊躇する訳にはいかない。

攻撃力の高い敵と判断。バイクの機動力と【騎乗】【操縦】【見切り】の技能を活かし敵の照準から逃れつつ攻撃。回避困難な攻撃にはパーティクルバリアで【盾受け】し被害を最小限に。

多弾頭ミサイルの【一斉発射】【誘導弾】で弾幕を張り牽制しつつ、命中率重視の【可変速熱線砲】で敵の同じ個所を【スナイパー】で集中攻撃し防御を崩す。

突破後コアマシンルームへ突入、残り全ての弾薬の【一斉発射】と同時に、「攻撃力重視の【可変速熱線砲】で攻撃。
状況完了、帰投する。


ナミル・タグイール
破壊なら負けないにゃー!パワーにゃ突撃にゃ!
デストロイトリガー使ってるならゆっくりこっそり近づくにゃ。
近づけたら【呪詛】纏った斧でパワー勝負にゃ!
懐に潜り込んで【グラウンドクラッシャー】にゃ!武器壊しまくって無力化狙うにゃ!
呪詛もいっぱいでバグらせてやるマスにゃー。
致命傷以外は食らってもいいにゃ。【捨て身の一撃】でパワーデスにゃ。
ダメージさえ与えればきっと皆が頑張ってくれるにゃー

コアにも【グラウンドクラッシャー】
呪詛ましましでドッカーンにゃー!
ぶっこわすにゃ!


暗黒騎士・アングラング
我が祖先が仕えた帝国を打ち倒すには、この要塞の攻略が鍵だ。
このマシンの力を引き出すように戦うのなら、私はうってつけだ。

堂々と前に出て、二つの剣で正面から接近戦を挑んでやろう。
我が名はアングラング。私の覇道のため、帝国には消えてもらおう。
光と闇、二つの剣での連続攻撃を放てば、いかに高性能のマシンでも砲撃をする余裕がなくなるだろう。
私がとどめを刺せなくても、仲間の猟兵が援護をしてくれればいい。
もし私が吹っ飛ばされても気にするな。私は負けるのに慣れている。

コアへの攻撃も、二刀を使う。十字に斬りつけ、少しでも装甲を剥がしていこう。


四軒屋・綴
《アドリブ改変絡み歓迎》
機械にも作用するウィルス…電脳魔術の類いなのか?

ともあれ勝負だッ!朱衣の狩人殿ッ!

まずはユーベルコードを発動ッ!オブリビオンながら矜持のある武人とみたッ!アイサツは欠かせまいッ!
派手にポーズをとりつつ防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身し名乗りをあげるぞッ!

反撃への対処は……決めたッ!【メカニック】の知識とゴーグルから展開した『電脳世界』を活用した【ハッキング】で床面の構造的弱点を把握ッ!【怪力】で踏み砕いて盾として活用ッ!【オーラ防御】と併用して【ダッシュ】で突撃ッ!
敵のアーム部分は持ちやすそうだなッ!【グラップリング】と【怪力】で掴んで一本背負いだッ!


嶋野・輝彦
【第六感】で動きを察知、攻撃回避
当たったら【覚悟】【激痛耐性】で耐える。最初からそのつもりで行けば当たってもある程度もつだろ
今まででぶっちぎりにヤベー感じがするんで持久戦で行くわ
向いてないんだがなぁ

攻撃は
【先制攻撃】【だまし討ち】【零距離射撃】【鎧砕き】【2回攻撃】
で近接距離で避けながら戦闘
てか距離ちっけぇ!!誰かフォローしろ
しょうがねぇだろ、技術がねぇんだから他にやり様がねぇ

自分へのダメージ蓄積してきたら【捨て身の一撃】も解禁
死にかけた状態で守りに入っても意味ねぇだろ
でそこから【怪力】で押さえ込んだ所を
俺ごとやれ!
んで死にかけの死にかけで最後っ屁で【戦場の亡霊】
まーそんな感じだ、後は任せた


ミルフィ・クロックラヴィット
※アドリブや他の方との連携も歓迎

遂にコアマシンルームに突入ですけども…

あの様なデカブツがコアマシンを護っている上に
ヤバめのウィルスが蔓延しているとは…

『速攻で片を付けねばなりませんわね…』

他の猟兵の方々とも連携し
デストロイド・ウォーマシンと
戦闘

自身のアームドフォート
『アームドクロックワークス』と黒剣【ジャバウォックの爪牙】を駆使し
遠距離攻撃と
近接攻撃を織り交ぜ
全力で戦闘
比較的命中率の高い
【誘導弾】で開幕攻撃
砲撃の【一斉発射】や剣による【鎧砕き】や【なぎ払い】で
攻撃

敵の攻撃は【見切り】で回避

コアには
フルバースト・マキシマムで
ありったけの砲撃を叩き込み
ますわ

『流石に、これ以上は限界ですかしら…!』


マユラ・エリアル
ウォーマシンの相手をした後、コアへ一発当てて帰還…か
片道に全力を注げば良いな、これは分かり易い
さあ、氷刃の腕の見せ所だ

●戦闘
まずはウォーマシンからだ
『全力魔法』『属性攻撃』で【氷刃展開】をブースト
105本の氷の刃を一斉召喚
敵の武器から潰す!
まずは半分程の氷刃で敵武器へ攻撃
上下左右全方位から同時攻撃する事で、防御を掻い潜る
残りの半分は本体だ
一点集中で一気に潰すぞ

敵の攻撃は『フェイント』で回避を試みて、無理そうなら『武器受け』でガード
さあ、氷上のダンス大会と行こうか!

ウォーマシンを撃破したらコアに対して『全力魔法』『属性攻撃』で強めた【氷刃展開】で攻撃し帰還
●アドリブ等歓迎


富波・壱子
最初から戦闘人格に交代した状態でコアマシンルームに突入

標的を確認。カイナの拘束封印を一時解除。これより標的への攻撃に移ります

手に持つ刀を刀身が肥大化した滅殺形態へと移行。敵の武装を狙い渾身の一撃を叩き込みます
回避は最小限。急所以外の被弾は無視します。元より放てるのは一撃のみ。一度武器を振れるのであれば問題ありません

ただ戦い、敵を倒すのみ。その点において私とあなたに違いは何もありません
性能という点ではあなたの方が遥かに勝っているでしょう
ですが、あなたを倒すのが私である必要はありません
例え私が倒れたとしても、私以外の誰かが必ずあなたを破壊します。そう信じ託すことができるのが、私とあなたの違いです



●『デストロイウォーマシン』
 遂に、それの前へと猟兵たちは辿り着いた。
 スペースシップワールドの艦隊の援護、内部の巨大隔壁は先行して突入した猟兵によって破壊され。
 ここまではスムーズに侵入が出来た。そう、ここまでは。
 しかし、猟兵たちの前に現れたのは赤に染まった装甲を持った古代超兵器。
 この大要塞のコアマシン、『エンペラーズマインド・コア』を守るために置かれたその名は、『デストロイウォーマシン』。
 その名の通り、戦闘のみに特化し、感情を持たず。
 かつての『解放軍』の英雄達を、何人も殺害したとされるその兵器が、侵入者である猟兵たちへと、その視覚センサーを向ける。

「フッ……勝負だッ! 朱衣の狩人殿ッ! 来たれマイボディッ!」
 居並ぶ猟兵たち。その中から先んじて前へ出たのは、四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)。
 浮遊する綴の周囲に展開されたのは、具現化プログラムによって構築された合体用ボディ。
 そのボディの顔面部へと重なるように合体した綴は、空中で幾度かポーズを決め、着地。

「勇蒸連結ッ! ジョウキングッ!!」
 ババーン、と綴の中では響く効果音も、実際には何の音も立ててはいない。
 しかし、防御力を重視したそのボディは堅牢と言うに相応しい姿をしていた。
 戦闘能力の高いデストロイウォーマシンが相手だと、予め知っていたが故に防御力を高めた綴は、そのまま突撃を敢行して。

「接近を確認。敵対行動と断定。デストロイトリガー、起動」
 周囲に、電子音と肉声とが混ざったような声が響く。
 と、次の瞬間。突撃を行っている綴の体が、大きく弾け飛んだ。
 勿論、綴が何の対処も行っていなかったわけではない。
 攻撃されると判断した瞬間、綴は足元の構造を把握し、踏み壊したその床材を盾として攻撃と自身の間に挟みそのまま突撃を継続した。
 纏った蒸気のオーラの防御力。そして防御力を重視したボディならば耐えきれると判断して。
 しかし。その防御力の上から、単純な超攻撃力で殴り飛ばされたのが現状だった。
 もし、一切の防御手段を行っていなければ、その一撃で戦闘不能に陥っていただろう。弾き飛ばされただけなのは、綴の防御力あってのもの。

「あーちっくしょ、やーべぇってわかってんのによ! 誰かフォロー頼むわ」
 トンボを切って着地した綴を横目に、嶋野・輝彦(人間の戦場傭兵・f04223)はガシガシと頭を掻いて嘆息しつつ、ゆっくりと歩みを進め。

「あの攻撃速度、バイクは悪手か。援護開始する!」
「わたくしもご一緒しますわ!」
 クリューラ・センティファ(Q・U・A・L・L・・f12129)は、デストロイウォーマシンの攻撃速度にはバイクであっても回避は困難と判断し、かつ、防御に特化した綴が殴り飛ばされた事からも、半端な防御では意味が無いと悟って援護射撃を開始した。
 ミルフィ・クロックラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・f02229)もまた、クリューラと合わせて援護射撃を開始する。
 クリューラの体に装備されたアームドフォート、マテリアルランチャーから無数に吐き出されたのは、多弾頭ミサイル。
 誘導性を高められた無数のミサイルの弾頭が、一斉にデストロイウォーマシンへと振りかかり。
 そして、ミルフィのアームドフォート、アームドクロックワークスから吐き出された砲撃もまた、デストロイウォーマシンへと飛翔する。
 だが、その全てが振るわれた光刃、アームに切り裂かれ、殴り飛ばされ。
 攻撃力だけではなく、耐久力も跳ね上がったデストロイウォーマシンにはミサイルの爆発も、砲弾の衝突も、些少のダメージしか与えられていない。
 が、元よりそれは牽制。

「……ファイア」
 クリューラの本命は、デストロイウォーマシンの膝関節部を狙った可変速熱線砲での射撃だった。
 ミサイルへの対処を行うデストロイウォーマシンは、その耐久力により、可変速熱線砲にも痛痒さえ感じていない。
 だが、それがクリューラの狙いでもあった。
 同じ個所へ、何度も、何度も。命中力を重視した設定の可変速熱線砲は、過たず幾度もデストロイウォーマシンの膝関節を撃ち抜く。
 それは、幾滴もの雨垂れが石を穿つように。
 そして、高まった耐久力と言えど、蓄積されたダメージが無くなるわけではない。
 ついに、可変速熱線砲に耐えられなくなったデストロイウォーマシンの膝関節が悲鳴を上げ、その体勢を崩す。

「っし……喰らえや……!」
 ゆっくりと、しかし確実に歩んでいた輝彦は、その機を逃さなかった。
 ビリビリと警鐘を鳴らす己の第六感をねじ伏せ、構えたアサルトウェポン二丁をデストロイウォーマシンへと突きつけ、零距離射撃を叩き込み。
 断続的に響く金属音。デストロイウォーマシンの装甲が火花を散らし、凹み、その内部へと衝撃が浸透し。
 だが、次の瞬間。輝彦の第六感が最大の警鐘を鳴らす。
 咄嗟に飛びのこうとした輝彦だったが、振り回されたアームは輝彦の脇腹を深々と捉え。

「くっ……そ!」
 それでも。そのアームを逆に掴んだ輝彦は、渾身の力で抑え込む。
 捨て身とも言えるその怪力で、腹部の鈍い痛みが脳髄まで響く中、拮抗したのは数秒。
 強化されたデストロイウォーマシンの膂力に、数秒であれ拮抗できた事自体が偉業とも言えるのだ。
 しかし、結果として輝彦は、捉えられた脇腹を振り回されるように宙へと放られ、受け身も取れずに地を転がる事となった。
 輝彦だけの結果であれば。

「にゃ! 犠牲は無駄にしないにゃ!」
 そろりそろりと近寄っていたのは輝彦だけではない。
 ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は黄金のバトルアックス、καταστροφήを手に、輝彦が稼いだ数秒を無駄にすまいと、膨大な呪詛を纏ったそれをデストロイウォーマシンの腕部目掛けて叩きつけた。

「にゃ! にゃ! にゃ!」
 一度だけではない。懐に潜り込んだナミルは、二度、三度。
 デストロイウォーマシンの武装を削ごうとκαταστροφήを叩きつけ。
 だが、デストロイウォーマシンもただやられるだけではない。
 損傷した膝関節部を更に酷使し、その場で跳躍。
 金属が軋む音を立てながらも、着地と同時にナミルをそのアームで薙ぎ払い。
 
「にゃ!」
 弾き飛ばされる刹那、ナミルが振るった防御を捨てた一撃が、アームと克ち合う。
 響く甲高い金属音。アーム自体は耐えきった。
 しかし、幾度となくκαταστροφήを叩きつけられ、今また双方の力が激突した負荷が、デストロイウォーマシンのアームを支えるフレームにダメージを刻み。

「行くよ、カイナ」
 そして、富波・壱子(夢見る未如孵・f01342)が畳み掛ける。
 手にしたサムライブレイド、カイナの封印を解除し、その素材となった邪神の力を引き出して、刀身を肥大化させ。
 接近する壱子に、デストロイウォーマシンが一切対処しない訳がない。
 搭載された火器をばら撒き、壱子を仕留めんと弾丸が雨あられと降り注ぐ。
 だが、壱子はその弾丸を回避しない。否、最小限には避けている。
 しかし、それは致命傷だけを避けているだけ。
 その一刀に全てを賭け、狙うはデストロイウォーマシンの光刃の発振器部。
 そして、狙い過たず、カイナの刃はデストロイウォーマシンの光刃を根元から断ち。
 
「おお!」
 しかし、受けた無数の銃撃に崩れ落ちた壱子に追撃をさせまいと、暗黒騎士・アングラング(光と闇の剣を自在に操る暗黒宇宙騎士・f08676)がデストロイウォーマシンの正面へと躍り出る。
 携えたフォースセイバーと黒剣の二刀の連続攻撃は、デストロイウォーマシンにも対処の必要があると判断され、そのアームが振りかぶられる。
 しかし、ナミルによってフレーム基部へと損傷を受けたアームの一撃は、元の攻撃速度を失い、歪んだフレームと装甲が擦れて異音を発しながら振るわれる。
 咄嗟にアームを斬りつけるアングラングだったが、幾度となく猟兵たちが相対したように、アームは擦過痕を残すもほぼ無傷。
 刃を振るったアングラングの方が手の痺れとしてダメージを受ける程の耐久力は未だ健在だった。

「ふんぬあッ!」
 だが、追撃と振るわれたアームへ、縋りつき抑え込むものが二人。
 弾き飛ばされたダメージから復帰した綴、そして、輝彦によって召喚された戦場の亡霊が、その二人掛かりでデストロイウォーマシンを抑え込んでいた。
 そして、綴が素早くデストロイウォーマシンのアームをボディの左腕で抱え込む。
 右手はボディの肩越しに担いだアームを掴み。
 戦場の亡霊が持ち上げる事で重心を腰へ乗せた綴は、デストロイウォーマシンを渾身の力で以って一本背負いを決める。
 その場だけ人工重力が無くなったのかと思うような、異様な光景。
 しかし、その後に響いたデストロイウォーマシンが床に激突する音が、紛れも無く重力の存在を主張し。

「止めだ!」
 響いた声に、デストロイウォーマシンの視覚センサーがマユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)の姿を捉える。
 捉えたのは、マユラの姿だけではない。その周囲には、百と五本の氷の刃。
 掲げられたマユラの手が振り下ろされると同時、その氷刃が一斉にデストロイウォーマシンへと襲い掛かった。
 斬り払うべき光刃を失い。
 アームは歪んだフレームで満足に動かせず。
 避けようにも膝関節部は損壊し行動は不能。
 積み重ねられたダメージが、デストロイウォーマシンの命運を決めた。
 装甲で防げた氷の刃は五十。しかし、それ以上は耐えきれなかった。
 装甲を破り、内部機構を突き、動力部である主機を氷の刃が貫く。
 もし、この攻撃に耐えきれていれば、デストロイウォーマシンの戦闘プログラムはマユラのユーベルコードを解析し、氷の刃が猟兵たちを襲っただろう。
 だが、それは未遂に終わった。
 超古代兵器デストロイ・ウォーマシンは、ここに沈黙する事となったのだから。


 そして、コアマシンルームの扉が開かれる。
 だが、その瞬間に猟兵たちの体に、焼け爛れる様な痛みが生まれる。
 しかも、それだけではない。眩暈、吐き気、全身の疼痛、寒気。
 ありとあらゆる体調不良が猟兵の体を襲い。
 これこそが殺人ウイルス『オロチウイルス』。
 もし数秒以上ここに留まれば、猟兵であっても只では済まないだろう。
 事前に通達されていた事とはいえ、その余りの凶悪さに、猟兵たちは震撼し、己の出来る限りの全力の攻撃をコアへ目掛けて放つ。

「……ファイア」
「ドッカーンにゃー! ぶっこわすにゃ!」
「光と闇の同時攻撃、耐えられたものは一人もいない。一部の例外を除けば!」
「セイヤッ!」
「流石に、これ以上は限界ですかしら…! でも、もうひと踏ん張り!」
「氷刃の名は伊達じゃないという事だ。覚悟しろ」
「あと……一撃!」
 熱線が、斧の一撃が、双刃の描く十文字が、尽きぬ勇気と心意気を宿した拳が、亡霊の放つ銃弾が、砲弾の雨が、百と五本の氷の刃が、肥大した刃の一閃が、コアへと殺到する。
 そして――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月11日


挿絵イラスト