リベンジなるか!? 何がハロウィンだ馬鹿野郎!!
●年に一度のお祭り騒ぎ
――君は、知っているだろうか。
アルダワ魔法学園の世界に古くから伝わる『装魔封災戦(そうまふうさいせん)』を。
人類が災魔の仮装をして災魔の拠点に侵入し、大規模な奇襲で大量の災魔を封印した大作戦。
その成功と勝利を記念するお祭りとして今を生きる人々に伝えられ、今もアルダワ魔法学園内のみならず、初王国連合や猫の国といった学園外でも盛大に催されているのだ。
「その祝祭の日こそ、10月31日。一昨年にご案内した者も中には居るやも知れないな」
すっかりハロウィン一色のグリモアベースの片隅で、ニコ・ベルクシュタイン(時計卿・f00324)がどこか懐かしげに呟きながら、集まった猟兵たちを出迎えた。
「人類にとっては勝利の宴でも、災魔からすれば屈辱の極みというもの。装魔封災戦……要するにハロウィンを忌み嫌う性質があるのだが、中には実際にパーティを襲撃してしまう過激派の災魔も居る」
思い起こせば2019年のアルダワ魔法学園でも、実際に災魔がパーティ会場を襲撃したのを猟兵たちに撃退してもらったものだ。
「何、難しく考える必要は無い。魔法学園内でとあるクラスの先生と生徒がパーティを催しているので、皆には其処に参加して、盛大に宴を盛り上げて欲しいのだ」
盛り上げる? 大丈夫? 災魔の神経を逆撫でしてはしまわないか?
そんな猟兵たちの疑問に、ニコは眼鏡の位置を直しながら答えた。
「猟兵の皆が、何なら一般人をも圧倒する勢いでハロウィンパーティを全力で堪能すれば、其れだけ『敵』の注意を此方に惹き付けられる。つまり、有利な態勢から迎撃が可能となる訳だ」
――襲撃が不可避だというのならば、可能な限り有利な状況に持ち込むべし。
つまりは、そういうことだった。
「皆が順調にパーティを楽しんでくれれば、災魔共はさぞや激高した状態で会場になだれ込んで来るだろうな」
「「「待って」」」
「まあ聞き給え、災魔は怒りによって理性が低下している上に『スゴい仮装をしている者を優先的に狙う』。皆が盛大に仮装をしてさえいれば、一般人に被害が及ぶ事は無い」
「「「ほんとぉ?」」」
ニコが淡々と語るものだからうっかり聞き逃しそうになるが、これ実は地味に綱渡りの作戦なのでは? 猟兵たちはいぶかしんだ。
そんな不穏な気配をさすがに察したか、ニコは両手を振って付け加えた。
「本当だとも、ただ仮装で圧倒するだけでなく『パーティを続けながら』片手間に戦闘する姿勢を見せた日には、ますます災魔は冷静さを欠くのでぶちのめし易くなるぞ」
食事しながらとか、ダンスを踊りながらとか、そういうことらしい。
そんな舐めプで本当に大丈夫か……? という視線を痛そうに受けながらも、一昨年大丈夫だったんだから大丈夫だという視線を返しつつ、ニコがグリモアを宙にかざした。
「今年の皆の仮装も、楽しみにしている。仕事の依頼ではあるが、思い切って楽しんできて貰えれば俺としても幸いだ。何卒、よろしくお願いする」
●狂える機械人形、再び
「ラタタン先生ー! アンチョビのピザが焼けたってー!」
「おっとと、食器はこっちにまとめて置いとけばいいか?」
「……飾りつけ、ご指示通りに。念のためご確認をお願いします」
黒髪ぱっつん前髪の少女が、真紅の翼と尻尾が立派な人派ドラゴニアンの青年が、そして全身桜色コーデの乙女型ミレナリィドールが、いっせいに呼びかけた先には――。
「有難う、諸君らのお陰で今年も楽しいパーティになりそうだ」
グレーのつやつやな毛並みをした、ケットシーの先生が黒いマントを羽織っていた。
吸血鬼モチーフだろうか、なかなかに似合っている。
三人の生徒と思しき面々も、思い思いの仮装で今日のこの日を迎えていた。
『……イ。忌々シイ、人類メガマスマス調子ニ乗リオッテ……!』
ぎい、ぎいい。
狂った円盤は、再びハロウィンパーティをぶち壊すべく地下迷宮より這い出てくる。
さあ、何度でもぶちのめして地を這わせ、合法的にハロウィンを楽しもうではないか!
かやぬま
ハッピーハロウィン! かやぬまです。
ちょっと出遅れてしまいましたが、お祭りシナリオをお届けします。
今年もトンチキシナリオになりそうですが、よろしければ。
●第1章:日常
皆さんにはハロウィンパーティをエンジョイしていただきます!!!
PSWはあくまでも参考に、皆様なりに楽しんで下されば嬉しいです。
オープニングに登場した学園関係者は、分かる方だけフフッとなっていただければオッケー程度の要素なので、ご存じなくても無理に絡まなくても全然問題ありません。
●第2章:集団戦
一昨年もハロウィンパーティをぶち壊しにやって来ては猟兵たちに返り討ちにされた災魔が、懲りずに激おこになりながら会場に乱入してきます。
ここで真面目に戦っても良いですが、パーティを続けながらついでに戦う余裕を見せつければ、盛大にプレイングボーナスがつきます。
●仮装について
皆様の仮装姿を、プレイング内で何らかの形でご指定下さい。
10月31日公開予定のハロウィンSDが納品される予定の方はそれを指定して下されば当日拝見しますし、ご予定がなくても文章で指定して下されば全力で妄想致します。
えっ? 「SDの仮装の内容を絵師様にお任せしたから未知数で……」とおっしゃいましたか? 大丈夫、うちのニコも同じ感じなので良きようにします!(二年ぶり二回目)
●その他ご案内
一昨年と同様、リプレイはだいたいハロウィンを楽しむ皆様を褒めちぎった上でついでに災魔を追っ払おうという流れになります。
第1章では存分にパーティを楽しみ、第2章では楽しみつつボコる。これで大丈夫です!
●プレイング受付について
タグとMSページでご案内します、お手数ですがご確認をお願い致します。
団体様でのご参加も歓迎です、その場合は【団体名/人数】か【呼称+お相手のID】をプレイング冒頭に記載いただけると幸いです。
また、字数省略の記号なども記述していますので、お手数でもMSページをご一読下さいますと合わせて嬉しく思います。
それでは、楽しんで参りましょう!
第1章 日常
『ハロウィンを楽しみまくれ!』
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POW : お菓子や料理を食べて楽しむ
SPD : イタズラ合戦に参加して楽しむ
WIZ : 素敵な仮装を楽しむ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
榎・うさみっち
※今年の南瓜SDの仮装
(籠の中に入ったまま涅槃ポーズで登場)
フッ、今年もこの季節がやってきたようだな!
一昨年は確か和風メイドさんスタイルで
災魔と熱い死闘を繰り広げたような気がしなくもないぜ!
今年の俺は!じゃ~ん!イースターエッグ仕様だ!
ちなみに籠ごとふよふよ浮いているのは
おばけっちが下からせっせと運んでくれているからだ
ユベコの有効活用!
さぁ今年も存分に褒めちぎるが良い!
見せびらかしたあとは楽しいご飯だ!
ハロウィン飯は見た目もユニークな物が多くてテンション上がるぜ!
やたらリアルな魔女の指っぽいウィンナー
やたらリアルな目玉っぽいパンタコッタ
こういうのもハロウィンの醍醐味!(むしゃむしゃ
●俺の伴侶がこんなに可愛い(断言)
「フッ、今年もこの季節がやってきたようだな!」
例えるならばゆっくりボイスのような声がパーティ会場に響く。
けれども宴を楽しむ人々の誰もがその声の出所を見つけられず、首を傾げるばかり。
「今、何か聞こえた気がしたけど……」
「うん、聞こえたよね……えっ、まさか」
「やめてよね! 気のせいだよ!」
なんということでしょう、榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)の声はラップ音扱いされてしまっています!
ここは何としても己の存在証明をして、さらにはとっておきの仮想を皆に褒めちぎってもらわねば、こうしてはるばるアルダワ魔法学園までやってきた甲斐がない!
(「くっ……おばけっち! ちょっとお行儀が悪いが仕方ない、テーブルの上まで移動するぞ!」)
(「「「ぴゃっ」」」)
そう、今年のうさみっち様は! じゃ~ん! イースターエッグ仕様!
サイズ的には伴侶を名乗る不審者(身長178cm)が手に持って丁度良い程度の籠の中。
籠が勝手にふよふよ浮いているように見えるのは、おばけっちこと【あなたのうしろにうさみっちゴースト(ウサミノ・オンネン・ガ・オンネン)】が発動して、わっせわっせと下から頑張って運んでくれているからだという。ユベコの有効活用!
そんな訳で、パーティ参加者の皆様が歓談しているテーブルの上にぬるりと参上したうさみっち様は、籠の中に入ったままいわゆる涅槃ポーズをしていた。
ちっちゃいお手々の上に絶妙なサイズの卵を乗せて、何とも言えない表情のうさみっちはとうとう人々の注目を集めることに成功した。
「きゃあ、かわいい!」
「さっきの声はこの子だったのかー」
「うさぎさんかな? イースターかな?」
テーブルの上に並んだご馳走よりも、うさみっちの色々な意味で不可思議な在りように魔法学園の学生たちはすっかり夢中になる。
「フハハハ、さぁ今年も存分に褒めちぎるが良い!」
チョロ……いや、おだてられると悪い気がしないうさみっちは、すっかり気を良くしてこっそりおばけっちに指示を飛ばしてあっちこっちを飛び回りながらファンサービス。
(「一昨年は確か和風メイドさんスタイルで、災魔と熱い死闘を繰り広げたような気がしなくもないぜ!」)
そう、その節は大変お世話になりました。主にさむらいっちゆたんぽ。さんに。
今年も一応この後襲撃の予定がありますので、何卒よろしくお願い致します。
ところで、愛らしいものを見ると人は何故食べ物を与えたくなるのだろう?
「うさぎさん、やっぱりお肉よりお野菜の方がいい?」
「うさみっち様だ! あと肉でも何でも人間サイズで美味しく頂くぞ!」
「マジかよ、すげえな!」
学園生たちは取り皿にそれぞれ食べ物を取り分けて、我先にうさみっちへと捧げ物をするかのごとくテーブルを取り囲んでいた。
その様子をご満悦で見回しながら、うさみっちは贅を尽くした料理の数々を見る。
「ハロウィン飯は見た目もユニークな物が多くてテンション上がるぜ!」
パンナコッタで作ったやけにリアルな目玉めいたデザートが盛られているさまには、さすがのうさみっちもギョッとしたけれど、魔女の指を模したと思われるウインナーには何故かフフッとなる。
それらを学園生たちから順番にあーんで食べさせてもらいながら、うさみっちはうめぇうめぇと堪能していく。
「ぷはー、こういうのもハロウィンの醍醐味!」
――うさみっちは、気付いていただろうか。
学園生たちがうさみっちを見る目が、次第に『研究者』のソレになっていったのを。
『あれだけの量の食事が、あの小さな身体のどこに吸い込まれているのか?』
『食事を摂取する時一瞬だけ開くバッテン口は、どのような仕組みになっているのか?』
「……? 今なんか、背筋がゾワッとした気がするぜ……」
迫る敵は災魔か、人か――!?(災魔です)
大成功
🔵🔵🔵
リュカ・エンキアンサス
◎
晴夜お兄さんf00145と
衣装は今年のハロウィンSDで
さて殺す…んじゃないのか
ハロウィンパーティーって、何楽しめばいいの?
うん、まあ、仮装はしたけど。
…
じゃあお兄さん、
とりっくおあとり―とって言ってもいいよ
いや。お兄さんのいたずらが何かちょっと気になって
…はっ(鼻で笑う
よし取りあえずお菓子を食べてこよう。一週間ぐらい食いだめしておきたい
俺のいたずらですか
このでっかい銃があるだろう
こいつをお兄さんの顔面に向けて撃つ
大丈夫多分弾丸はスライムだから
痛くは、ない
…あれ、お菓子くれるんだ?
…(ちょっと不満そうだったという
試し撃ちしたかったのになあ
…悪戯関係なく撃っていい?
だめか。ちぇ
あとはじゃあ楽しく
夏目・晴夜
◎
リュカさんf02586と
去年の南瓜SDの仮装で
よろしい、このハレルヤがハロウィンの楽しみ方をお教えします
褒めて下さい!
という事で仮装しましたね
後は適当に菓子食ったり悪戯してりゃオッケー
え、トリックオアトリート。言いましたけど、何故?
悪戯をご所望ですか!?クソ面倒だから考えてなかったのに
えーと、では握手しましょう(袖で隠れている手にビリビリペンを構え
いや握手しましょうって!ハレルヤと握手できる貴重な痛って!(痺れた
リュカさんも悪戯一丁、よろしく
はい、ありますね
でっかい銃というよりバズーカですね
それで?それを?顔面に向けてハイお菓子どうぞ!(素早くお菓子を押し付け
…撃っていいって言うと思います?
●ハロウィンをエンジョイする方法
「さて殺s」
「よろしい、このハレルヤがハロウィンの楽しみ方をお教えします!」
「……んじゃないのか」
パーティ会場に足を踏み入れるなり物騒な単語をぶっぱしそうになったリュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)に、夏目・晴夜(不夜狼・f00145)がクソデカ大声でナイス軌道修正をかけた。いやー危なかったですね!
「褒めて下さい!」
カメラ目線で崇め奉るのを要求する晴夜さんをリュカさんがスルーするので、代わりに地の文が褒めさせていただきます! えらい!
そんなこんなで並び立つリュカと晴夜も仮装はバッチリ。
リュカの軍帽に軍服、悪魔の角と翼はとってもワルカッコいい。デビルキングワールドに行ったら即君臨できそうな雰囲気まである。
なまらごっついバズーカを携えているのがちょっぴり不穏だけれど、似合っているのでヨシ!
晴夜のキョンシースタイルもとってもチャーミング。由緒正しい衣装と人狼の耳と尾が絶妙にマッチしていてあまりの可愛さに変な声が出ます。
良く見なくてもえだまめくんまで仮装してるじゃないですかヤダー! かわヨ!
「という事で、仮装しましたね」
「うん、まあ、仮装はしたけど」
そもそも論としてリュカの中には『ハロウィンパーティって何楽しめばいいの?』という疑問というか不明点があった。そこで晴夜先生からのレッスンという訳だ。
「よろしい、後は適当に菓子食ったり悪戯してりゃオッケー」
「……」
懇切丁寧に指導してくれるのかと思ったら案外雑なものだから、リュカは暫しの間言葉を失った。元々感情の起伏は大きくない方だけれど、多分今のリュカは相当な真顔をしていたことだろう。
真顔になりながらも、リュカとてハロウィンについての知識/Zeroという訳ではない。何なら自らも予知だってしているのだから侮ってはいけない。
ふと湧いて出たいたずらゴコロから、リュカは橙色のネクタイの結び目を締め直しながら、晴夜に向かってこう提案をしてみせた。
「じゃあお兄さん、『とりっくおあとりーと』って言ってもいいよ」
「え、『トリックオアトリート』。……言いましたけど、何故?」
言われた側の晴夜は割とあっさり要求に応じる。何この絶大な信頼感は!?
あ、言ったね。そんな感じで口角をほんの少しだけ上げると、リュカは言う。
「いや。お兄さんの『いたずら』が何か、ちょっと気になって」
エーッ!? とハイトーンの奇声を上げて、晴夜が萌え袖を天高く掲げて驚いた。
「悪戯をご所望ですか!? クッソ面倒だから考えてなかったのに!!」
そう言いつつも、萌え袖で隠れた右手には、ちゃっかりビリビリするペンを握り。
「えーと、では握手しましょう」
「……はっ」
ズバッと右手を袖で隠しつつ差し出す晴夜に、リュカは盛大に鼻で笑いあしらう。
けれどせっかく仕込んだいたずらだもの、構ってもらえないのはさみしすぎる!
「いや握手しましょうって! ハレルヤと握手できる貴重な痛って!!!」
「……」
右腕を一生懸命ぶんぶん振った勢いあまって、ビリビリペンで自爆する晴夜さん。
リュカさんが鼻で笑ったのは、この未来を予知していたからでは……?
「よし、取りあえずお菓子を食べてこよう」
マイペースにリュカは少々グロテスクなお菓子が並ぶテーブルへと向かう。
「一週間ぐらい食いだめしておきたい」
……食いだめ???
右手の痺れが落ち着く頃合いで、晴夜が反撃を試みる。
「リュカさんも悪戯一丁、よろしく」
「俺のいたずら、ですか」
リュカは少し考える仕草を見せてから、先程から異様な存在感を放っていたどでかいバズーカを掲げた。
「このでっかい銃があるだろう」
「はい、ありますね」
でっかい銃というかもはやそれはバズーカですね?
ごっつい口径のバズーカが確実に晴夜の顔面を狙っている!
「こいつを」
「それで? それを?」
「お兄さんの顔面に向けて撃つ」
「ハイお菓子どうぞ!!!」
左手でバズーカの砲門を押さえつつ、右手でリュカの胸元目がけて用意してあったお菓子の袋を押し付ける晴夜。ナイスディフェンス!
「大丈夫、多分弾丸はスライムだから……あれ、お菓子くれるんだ?」
言われてみれば、バズーカの砲門からちょっとぷっくり顔を覗かせている物体は確かにぷるぷるで柔らかそう。これなら撃たれても死にはしないのでは……?
それはそうと、人間誰だって新しいおもちゃを与えられればそれで遊びたいというもの。
合法的にリュカ曰くでっかい銃(という名のバズーカ)をぶっ放せると思ったのに、お菓子をもらってしまってはそれが叶わない。
「……試し撃ちしたかったのになあ」
故に、リュカはお菓子をもらったというのに、ちょっと不満そうだったという。
「……悪戯関係なく撃っていい?」
「……撃っていいって言うと思います?」
交わす言葉の口調こそ穏やかなものの、内容はえらく物騒で、交わる視線はバチバチ。
それでも、年に一度のハロウィンを楽しく過ごせるのは気心知れた仲だからこそ。
「だめか、ちぇ」
ならば、ドーンとぶつかってあとは流れでという感じで、楽しくやろう。
じきに、狂える災魔が襲撃してくるというのだから、大暴れはその時まで我慢、我慢。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リューイン・ランサード
【竜鬼】
デビルキングワールド風の魔王チックな黒くて豪華で厳めしい服装で参加。
あそこは存在そのものがお祭りっぽいので、ハロウィンが似合いますよねえと容赦ない感想抱きつつ演技して待っていたら、やってきたひかるさんのバニー姿で目が点に。
可愛くてセクシーでヤバイ<汗>。
夏もそうだったけど、最近は理性を保つのが難しくて困ります。
深呼吸して落ち着こうとした所にひかるさんのセリフが。
えっ、それって人前で言う言葉だっけ?
人目が無くてもひかるさんはまだ●学生で少しばかり早いし・・・。
と無駄に瞬間思考力使いつつ硬直していたら、ひかるさんに唇奪われ、そのまま抱き締めるのでした。
(さすがにそれ以上は周囲に止められた)
荒谷・ひかる
【竜鬼】
衣装:ディーラー風白バニー
(赤いジャケットも着たイェーガーカードの方)
(待ち合わせ場所へ向かいながら、周囲の視線を感じて)
今更ながらこの衣装、結構恥ずかしいかも……
(成長して羞恥心が芽生えた感。衣装は成長した身体に合わせて手直し済み)
待ち合わせ場所に着けば、そこには立派な魔王様ルックのリューさん
優しげな雰囲気はそのままながら威厳たっぷりな姿に、見惚れて思わず胸キュン♥
(この時点でもう彼のことしか見えなくなった)
ひし、と縋りついて
「魔王さま……この私めに、お情けを下さいませ」(訳:トリックオアトリート)
固まっちゃったので悪戯を所望と判断、そのまま抱きついて唇を奪ってしまいましょう♪
●転生して魔王になったのでえっちなバニーさんとラブラブします(誇大広告)
今年のハロウィンでリューイン・ランサード(乗り越える若龍・f13950)が選んだ仮装は、デビルキングワールドにいかにも存在しそうな魔王風味の、黒を基調とした豪華で厳めしい格好であった。
(「あそこは存在そのものがお祭りっぽいので、ハロウィンが似合いますよねえ」)
なんて、結構容赦ない感想を抱きつつ待ち人の到着を恋い焦がれていたら、リューインの堂に入った仮装に惹かれたのか、学園生たちが次々に声をかけてきたり一緒に写真を撮ろうとお願いしてきたりでさあ大変。
「写真ですね? 僕でよければ……」
「アッ、すみませんもう少し魔王様っぽくお願いします」
「えっ……『フハハ、良かろう愚民共! 我との記念撮影を特別に許す』!」
「「「キャーッ!」」」
待ち合わせ時間よりちょっと早めに会場入りしたばっかりに、まさかマジモンの魔王の演技をすることになろうとは。
でも、正直こうして仮装を高く評価されるのは悪い気もしないというもの。
リューインはだんだんノリノリで学園生たちの相手をするようになったという。
さて、そんなリューインさんの待ち合わせ相手である荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)さんと言えば。
「い、今更ながらこの衣装、結構恥ずかしいかも……」
雑踏をかき分けて進むだけなのに、四方八方から視線が飛んで来るものだから、何となくもじもじしてしまうひかる。
そう、ひかるの格好は一言で言えば『ディーラー風白バニーさん』。
思えばこの衣装を仕立てたのは一年半近く前になる、現在のひかるはその時と比べて色々な意味で成長したものだから、細部にわたり手直しをしてもらった裏話があったりする。
特に仕立てた当時はささやかだったお胸周りが豊かに成長したため、元から胸部を強調するように大きく胸元が開いた赤いジャケットの破壊力が割とマジでヤバいことになっている。
アシンメトリーの脚部もまた扇情的で、黒タイツなあたりが良い差し色になっている。
そんないけないバニーちゃんがうさ耳とか色々なところを揺らして愛しい待ち人の元へと急ぐ姿はどうしたって人目を集めてしまうというもの。
少女は大人になる過程で羞恥心を知り、より可憐に花咲くのだ。
さあさ急いで、悪いひとに捕まってしまう前に、愛しい人のところへ!
「――リューさん」
待ち合わせ場所に到着したひかるが見たものは、威風堂々たる様子で魔王になりきっているリューインの姿だった。
ああ、優しげな雰囲気はそのままながら威厳たっぷりな姿に、ひかるは見惚れて思わず胸キュンである。
何ならもうこの姿のままご実家に威風堂々凱旋帰郷しても許されるのでは?
「あっ、ひかるさ――」
学園生たちと言葉を交わしながらも、肝心のひかるの声は絶対に聞き逃さないリューインがひかるの方を見た時、世界は一瞬、時を止めた。
――可愛くて、セクシーで、ヤバい。
思えばカクリヨファンタズムで過ごした夏もそうだったけれど、ここ最近は本当にひかるに対して理性を保つのが難しくて困るというのがリューインの本音だった。
深呼吸をして何とか己を落ち着かせようと試みたリューインの時を動かしたのは、他ならぬひかるであった。
ひかるはひかるでリューインのことしか眼中になくなってしまったものだから、真っ直ぐに彼の元へと駆けていく。
空気を読んだ学園生の皆さんがザザッとリューさんへの道を開けると、そこを駆け抜けたひかるさんがひしっと魔王リューさんに縋りつく!
「魔王さま……この私めに、お情けを下さいませ」
(訳:トリックオアトリート)
「えっ」
むぎゅっと身体中で柔らかさを感じるひかるの両肩に伸ばしかけた手を固めながら、リューインはぐるぐる目で考える。
(「それって、人前で言う言葉だっけ? いや人目が無くてもひかるさんはまだ(ピー)学生で少しばかり早いし……」)
ちなみにこれ全部瞬間思考力をフル稼働させて叩き出した思考です。技能の無駄遣い!
そしてひかるから見ればリューインが完全にフリーズしてしまった状態なので、それを良いことに『アッこれ悪戯をご所望なのだな』と判断するに至った。
艶めかしく両腕を魔王リューさんの首元に回して抱きつくと、背伸びをして唇を奪う。
「……!」
それが引き鉄となったか、固まっていた魔王リューさんの腕が力強くひかるバニーさんの身体を抱きしめた。
そして――。
「ハイハイハイ盛り上がってる所に悪いんだけどここ一応学校なんで!」
「全年齢対象でお願いしまーす!」
「続きはお家に帰ってからでよろしくでーす!」
お家に帰ってからならいいんだ……(そうじゃない)。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヘスティア・イクテュス
【レッドフード】
◎
装魔封災戦…あぁ、こっちのハロウィンってそんなのだったわね
今年の衣装はケルベロスよ、なんとなく後は任せた的な異世界の電波を受け取ったというか…
まぁそれは置いといて災魔をおびき寄せるためにもパーティーを楽しむとしましょうか
…両手が塞がって料理が…取れない!?
偶然見かけた羅鬼の頭に黒いケルベロスパペットを乗っけて
口に餌(その辺の料理)を放り込んで大人しくさせ、流れる勢いでマッチを回収
わたしの左首乗っけてるから貴方はわたしの犬ってことで、はい料理取ってきなさい!
(そしてリア充に襲撃かけてるアレを回収しにいく)
災魔が現れるまで首輪をつけるのもあって近くで行動しましょう…いらない
怨燃・羅鬼
【レッドフード】
◎
愛怒流らきちゃん☆狂は(勝手に)ハロウィンイベントにお呼ばれだネ!
らきちゃん☆の仮装は赤頭巾ちゃんだよ☆マッチに火を付けてカムチャッカファイヤー☆(マッチを取り出しすぐ回収される)
(料理を飲み込み)わん!
ということで凶のらきちゃん☆は狼さんだネ!赤頭巾ちゃんは残念なことに狼さんに飲み込まれました諸行無常の沙羅僧杖☆
くふふ☆赤頭巾なのに狼さんなんか不思議な感じだネ!
ということでご主人様の料理を獲りに逝くネ!
ヒャッハー☆リア充だー☆トリック&トリック!
ということで羅忌武までヘスちゃんと愉しく待機だネ!
あっリンゴいる?
●団体名が既に不穏なんだよなあ
アルダワ魔法学園のハロウィンパーティには、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)の姿もあった。ようこそようこそ!
「装魔封災戦……あぁ、こっちのハロウィンってそんなのだったわね」
ヘスティアもお約束に則って仮装をして会場入りしていた。そのあまりのクオリティの高さに、学園生たちがすれ違っては振り返る。
「今年の衣装はケルベロスよ、何となく『後は任せた』的な異世界の電波を受け取ったというか……」
いいですねえ! そういう受け継がれる意志的なのもっとちょうだい!
「まぁ、それは置いといて、災魔をおびき寄せるためにもパーティを楽しむとしましょうか……か……」
ずらりテーブルに並んだご馳走を堪能しようとしたヘスティア、そこで初めて気付く。
「……仮装で両手が塞がって、料理が……取れない!?」
そう、ケルベロスの三つ首を仮装で再現するために白と黒のパペットを両手に嵌めているものだから、今のままでは料理を取り分けられないのだ! 大ピンチ!
ヘッスが冷や汗だらだらになっている背後で、何やらどったんばったん音がした。
「愛怒流らきちゃん☆惨状! 狂は(勝手に)ハロウィンイベントにお呼ばれだネ!」
わあわあきゃあきゃあと学園生たちの歓声とも悲鳴とも取れる声が上がる中、らきちゃん☆は古にうたわれしレッドフードたる仮装でくるくる回転していた。
「らきちゃん☆の仮装は赤頭巾ちゃんだよ☆ マッチに火をつけてカムチャッカファイアー☆」
「カムチャッカファイヤーじゃないんだよ!!!」
マッチを取り出してマジで放火しようとしたらきちゃん☆を、すんでの所でヘスティアがツッコミながら取り押さえて危険物を回収する。
「これでも被ってなさい! はい、餌の時間よ!!」
「わん!」
これ幸いとヘスティアは左手の黒いケルベロスパペットを外してらきちゃん☆の頭にぽふんと乗っけて、すかさず適当に手に取ったお化けモチーフのゆで卵が乗ったお皿をらきちゃん☆のお口に滑らせた。
「むぐむぐ。……ということで、凶のらきちゃん☆は狼さんだネ!」
ゆで卵を堪能したらきちゃんは、お皿をくるくる回しながらニッコリ。
「赤頭巾ちゃんは残念なことに狼さんに飲み込まれました☆ 諸行無常の沙羅僧杖☆」
一粒で二度美味しいというか、衣装チェンジが実装されているとか、らきちゃん☆相当開発に愛されてるな……? アッいやなんでもないです!
「くふふ☆ 赤頭巾なのに狼さん、なんか不思議な感じだネ!」
赤頭巾なのに銃火器使うキャラとかいますしね……もう何でもアリですね……。
こうして予期せぬ? 合流と相成ったヘスティアとらきちゃん☆。
「わたしの左首乗っけてるから貴方はわたしの犬ってことで、はい料理取ってきなさい!」
「ということでご主人様の料理を獲りに逝くネ!」
わんわーん☆ とノリノリで料理が並ぶテーブルへと突撃していくらきちゃん☆を見送るヘッス、どことなく感じた不安はバッチリ的中してしまった。
「ヒャッハー☆ リア充だー☆ トリック&トリック!!」
「キャーッ!? また来たー!!」
「リア充だなんてそんな、ま、間違ってはないけど……」
「バカ、こんな時に何言ってるの!」
「やっぱりリア充だー☆ 爆発しろ☆」
「……」
クソデカため息をつきながら、ヘッスはらきちゃん☆を回収しにいくのだった……。
――がちゃん。
首輪を嵌められた狼さん愛怒流の爆誕であった。
「災魔が現れるまで首輪をつけるのもあって、近くで行動しましょう……」
「わっ首輪だ~♪ オシャレだネ! ということで羅忌武までヘスちゃんと愉しく待機だネ! あっリンゴいる?」
「いらない」
即答した――!
さあさ、役者は揃った。来たる羅忌武が楽しみになって参りました!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
柊・はとり
仮装:サイボーグドラゴニアン(南瓜行列2021)
ハロウィンのテンションが今一つわからず
必要以上にガチの仮装を用意してしまった気がする
所詮アポカリプスヘル人だよな…
水着だろうがハロウィンだろうが緊急時に備えてしまう癖が…
俺が災魔に間違われないか若干不安はあるが
まあ敵への威嚇効果は充分だろ
鵜飼?奴は死んだよ…
空に遺影でも浮かべといてくれ
もといあいつ今年の衣装ないんで
今回は俺が奴の分までうまい飯食っとくわ
鵜飼の代打で食うピザ通常の500倍うまい
しかし一人で黙々と飯食ってるのもアレなんで
学園の生徒達に混ざって会場設営の手伝いでもやっとく
そういえばアルダワって来た事なかったな
高校の文化祭を憶いだす空気だ
●在りし日の
ざわ……ざわ……。
ハロウィンパーティの会場が賑やかな歓声から一転、どよめきに変わる。
理由は、柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)の登場によるものだった。
名探偵が騒動の渦中の人となるのは珍しいものだが、その姿を見ればすぐに理解する。
――誰が呼んだか、サイボーグドラゴニアン(ガチ仮装)!
相棒? 愛刀? どう呼称したものかなかなか難しい氷の大剣「コキュートス」を思わせる透き通る蒼と黒鉄の組み合わせで全身をガッチリ固めたはとり自身、周囲の人々の反応から「ああ……」と何かを察したようだった。
(「ハロウィンのテンションが今一つわからず、必要以上にガチの仮装を用意してしまった気がする」)
メカメカしさや仰々しさもさることながら、何よりそのクオリティの高さが目を惹いているのだが、はとり的には少々居心地が悪い気がしてしまう。
「所詮アポカリプスヘル人だよな……水着だろうがハロウィンだろうが、緊急時に備えてしまう癖が……」
ああ……それなら仕方がないですね……。
「俺が災魔に間違われないか若干不安はあるが、まあ敵への威嚇効果は充分だろ」
すると――。
「その仮装すごいですね! 一瞬災魔が来たのかと思っちゃいました!」
「よければ一緒に写真撮ってもらってもいいですか!?」
「何て言うんだろ……全部いいんですけど、特に眼鏡かけたままっていうのが最高にいいですよね……」
最後何か変な台詞が混ざった気がしますが、おおむね学園生たちには好評でしたということで!
ところで、今年は鵜飼さんは……? あの、一昨年空前絶後のお任せプレイングを送って下さった鵜飼・章さんは……!?
「鵜飼? 奴は死んだよ……空に遺影でも浮かべといてくれ」
雑ゥー! 飾りつけられた窓の外に笑顔でサムズアップする章さんがー!
「もとい、あいつ今年の衣装ないんで今回は俺が奴の分までうまい飯食っとくわ」
同背後で持ち回りになるイベント衣装事情、分かります。
「んん、鵜飼の代打で食うピザ通常の五百倍うまい」
サイボーグドラゴニアン姿で器用にピザを召し上がるはとりさん、良き……!
帰ったら章さんに死ぬほど自慢して下さいね!
「……しかし、一人で黙々と飯食ってるのもアレなんで」
はとりが視線を向けたのは、まだ設営が終わっていない教室の一角だった。
「危ないよ、やっぱり背の高い男子呼んで来よ?」
「もうちょっと……脚立のてっぺんに乗れば、何とか……!」
待て待て待て待て! 女学生が脚立の天板に乗ろうとしているぞ! 良くない!
どうやら飾り付けの仕上げをしたいようだが……?
「危ないぞ、天板に乗ってもいいのは踏み台だけだ」
「あっ……」
颯爽と登場したはとりが、いとも容易く飾り付けを高所にピンで留めてみせたものだから、女学生たちからは拍手が巻き起こる。
「ありがとうございます!」
「すごいですね、助かりました!」
「……いや」
何だか気恥ずかしくなって、そそくさとその場を立ち去るはとり。
何度も頭を下げられる気配を感じながら、ふと思う。
「そういえば、アルダワって来た事なかったな」
――高校の文化祭を憶いだす空気だ。
振り返れば、そこには――一瞬だけ、懐かしい景色が見えたような気がした。
大成功
🔵🔵🔵
リオン・リエーブル
◎
いいねいいねハロウィンだね!
今年も楽しませて貰っちゃうよー
さて
おにーさんは今年も仮装(SD)はしなかったんだけど
ネタだけはあるのだ!
仕立て(募集)期間外に降ってきたからしょうがないよね
来年の為にも予行演習しちゃおう!
テーマは西遊記
同居人(同背後)達とお揃いなのさ
おにーさんは玄奘三蔵だね
原典と見比べると役割的にそうかなって
どんな風がいいかニコさんの意見も聞きたいな
ほら天の声的な何かで?
さてハロウィングルメを楽しもうっと
南瓜のパイに南瓜のプリンに南瓜のパイ
んーおいしー
こんなに南瓜を食べるのって冬至くらい?
ハロウィンの意味と似てるのかも
最後はハロウィン仕様のふらぺっちをぞぞっと
やっぱこれだよね
●今からもう来年が楽しみです
「いいねいいねハロウィンだね! 今年も楽しませて貰っちゃうよー」
あっ! 一昨年のハロウィンではアックス&ウィザーズの女給さんスタイルでいたずら放題していったリオン・リエーブル(おとぼけ錬金術師・f21392)さんだ!
今年は……おや? 一見いつものタイトな黒系インナーに白衣の出で立ちですね?
これはこれで仮装に見えなくもないけれど、一体どうしたんでしょうか。
「さて、おにーさんは今年も仮装はしなかったんだけど、ネタだけはあるのだ!」
はて、ネタはあれども仮装なし……何かご事情がお有りと見ました。
するとリオンさんはカメラ目線を決めると、小声でこう言いました。
「仕立ての受付期間外に降ってきたから、しょうがないよね」
なるほどそれは確かにしょうがない!
「という訳で、来年の為にも予行演習しちゃおう!」
よろしい、では聞かせていただきましょう! 降ってきたネタとやらを……!
紙の資料を数枚ホチキスで止めた束をひらひらさせながら、リオンは笑う。
「テーマは『西遊記』、同居人達とお揃いなのさ」
ぺらりと紙を一枚めくれば、絵と文章が半々程度の割合で確かに西遊記モチーフの仮装案のプレゼンが並んでいるのが分かった。
しかし何故今日日アナログ資料なのだろうか? 決まっている、こっちの方が雰囲気が出るからだ! ほら何というかソレっぽいじゃない!
リオンの義理の妹さんや心配している女傑さんなど、同居人の皆さんとモチーフを合わせた仮装はさぞや華やかだろうと、資料ひとつで想像に難くない。
「おにーさんは、玄奘三蔵だね」
もひとつぺらりと資料をめくって、リオンが遂に己の仮装について言及した。
曰く『原典と見比べると役割的にそうかな』って、いうことらしい。
「どんな風がいいか、ニコさんの意見も聞きたいな」
エッ、あのカタブツ眼鏡は今席を外してまして……あわわ……。
「ほら、天の声的な何かで?」
『おーーーはよーーーございまーーーす、と言いながら登場すれば良いのか』
ギャア! 何か声だけの出演とはいえこれ大丈夫多方面から怒られない!?
「やあやあニコさん! 気が早いけど来年の仮装についてさ」
『概ね事情は把握している、玄奘三蔵という役どころの選択は非常に良いと思う。一行の大黒柱的な存在でもあるしな、実際にお目に掛かれる日を楽しみにするばかりだ』
やだこの天の声結構口数が多い……すみませんうるさくて……。
どこからともなく聞こえる声とやり取りする人など、別段珍しくない光景なのかも知れない。特に今日は特別な日だから、見て見ぬ振りをしてもらえるのかも知れない。
ともあれ、折角のパーティなのだからハロウィンならではのグルメを楽しもうではないか! オレンジがテーマカラーとあって、南瓜を使った料理がずらり!
南瓜のパイに、南瓜のプリンに、南瓜のパイ……あれ? まあいいか、美味しいから!
「んー、おいしー。こんなに南瓜を食べるのって冬至くらい?」
言われてみれば、冬至にも南瓜を食べる風習がある。あちらは昔野菜を一年中食べることが難しかった頃に長期保存が可能な南瓜を野菜不足になる冬に食べることで厳しい冬を乗り切ろうという思いが込められていたそうだが(早口)、確かに収穫祭でもあるハロウィンに通じるものがあって趣が深い。
……ん? あれ? リオンさんが手にしているドリンクは……!?
「最後はハロウィン仕様のふらぺっちをぞぞっとね、やっぱこれだよね」
えええ!? アルダワにもふらぺっちあったの!? いやリオンさんが今こうして飲んでるってことはあるんだ!! すげえ!! こっちにもひとつお願いします!!
大成功
🔵🔵🔵
芥生・秋日子
◎
仮装:三角帽子のベタな魔女衣装。(※しかし、なぜか箒や杖の代わりに刀をもっている)
ああ、イラストがないのが悔やまれます。星の捻出を渋った背後のせいなのですが。く、おのれ背後……!!
と、それはさておきハッピーハロウィン!
トリックオアトリートというやつですね。西洋のお盆…的な?
ええ、めいっぱい楽しませていただきますとも。
やりたいことは色々あるのですが…みなさんの仮装を鑑賞です!
ああ、みなさんの仮装素敵ですね~。
あ、あの人カッコいい!あ、あの子カワイイ!!
ハロウィン最高!うぇへへ、みんないいね、いいね!
キャッキャッと大はしゃぎ。
あ、私は魔女の恰好です!えへへ、普通すぎたかな~?(※帯刀)
五百崎・零
◎
悪魔の仮装。(※今年のハロウィンSDを参照してください)
悪魔召喚士が悪魔になっちゃった、なんてね?
さてと、何をしようか。
パーティを思い切り楽しめばいいんだよね?
みんなで仮装してっていうのがハロウィンパーティならではなのかな。
はは、いろんな仮装の人がいて面白いね。
ハロウィンって「トリックオアトリート」って言えばお菓子貰えるんだっけ?
自分もそうやって声かけてみようかな、せっかくだし。
……でもこれ「トリック」を選ぶもの好きさんがいたらどうしたらいいだろうね。イタズラ……「わっ!」って言って驚かせるとか…?
自分も声かけられてもいいようにお菓子用意しておこう。
●魔女と悪魔とエンジョイハロウィン
ささやかながら賑やかな、アルダワ魔法学園のハロウィンパーティ会場に舞い降りた二つの影!
ひとつは三角帽子にマント姿のベタな魔女衣装――に、何故か箒や杖の代わりに刀を携えた、芥生・秋日子(普通の人・f22915)。
もうひとつは『自身が悪魔になってしまった悪魔召喚士』がモチーフの、五百崎・零(死にたくない死人・f28909)。
なお、秋日子さんの方は参照イラスト不在のためテキストでのご説明を賜りました。コメントはこちらです。
「ああ、イラストがないのが悔やまれます。星の捻出を渋った背後のせいなのですが。く、おのれ背後……!」
グワーッこれすごくわかる! 色々事情があってその時は衣装の仕立てを頼めなくても、いざお祭り当日になるとごっつい後悔するやつ! 泣かないで秋日子さんまた来年!
一方の零さんにはバッチリおイラが実装されておりますので、皆さん是非このイケメン悪魔っぷりを堪能しましょう。これは世界の宝ですよ! いいねしました!
「と、それはさておきハッピーハロウィン!」
「ハッピーハロウィン、と。さてと、何をしようか」
魔女(帯刀)と悪魔がお約束の言葉をサラリと交わして、いざハロウィンパーティへ。
「トリックオアトリートというやつですね、西洋のお盆……的な?」
「その認識でだいたいあってると思うよ、パーティを思い切り楽しめばいいんだよね?」
「ええ、めいっぱい楽しませていただきますとも!」
そもそも『存分に楽しんできて欲しい』と頼まれて送り出されたのだ、合法的にお祭りを堪能しなければもったいないというもの。
パーティに参加している学園生たちも、秋日子と零の仮装姿を見て感嘆の声を上げていたりする。何せ猟兵たちの仮装は揃いも揃って本気度が高いのだ。
「みんなで仮装して、っていうのがハロウィンパーティならではなのかな」
角も翼も、尻尾に至るまでも精巧に仕立てられた零のそれと比べれば本当にささやかな、けれど趣向を凝らした学園生たちの仮装は見ていて微笑ましくもあり。
己と同じ悪魔系で攻める者あれば、着ぐるみ系で笑いを取りに来る者あり。何かエビフライの被り物を頭にかぶったケットシーがいるけれど、あれはちょっと反則では?
「はは、いろんな仮装の人がいて面白いね」
零が思わず素直な感想を呟いたところ、近くでお目々をキラキラさせていた秋日子がぐぐっと両手を握りしめた。
「はい、やりたいことは色々あるのですが……まずはみなさんの仮装を鑑賞です!!」
「……はい?」
反射的に聞き返した零をその場に残し、秋日子は遠巻きに学園生たちの仮装が堪能できるベスポジをあっという間に探し当て、デレッデレの顔で恍惚とした声を上げた。
「ああ~~~みなさんの仮装素敵ですね~~~あっあの人カッコいい! あ、あの子カワイイ! ハロウィン最高! うぇへへ、みんないいね、いいね!!」
「……」
大丈夫かなアレ、という視線を送りつつも遠巻きに見守ることしかできない零。
秋日子の奇行にも動じない肝の据わった学園生が数名近づいていくのを見て、いざとなったら止めに入るのも辞さぬと身構えた、その時。
「かわいいですねー! 魔女っ子さんですか?」
「アッハイ私は魔女の格好です! えへへ、普通すぎたかな~?」
(「帯刀してる魔女のどこが普通なのかな???」)
つつがなく進むパーティに、零はひと安心したという。
多分その刀、もうちょっとしたらマジで使うことになると思うのでよろしければよろしくお願い致します!
ところで。
「ハロウィンって『トリックオアトリート』って言えばお菓子貰えるんだっけ?」
そうです! 大体の人は悪戯されたくないのでお菓子を用意しているものです!
「自分もそうやって声かけてみようかな、せっかくだし」
是非是非! 素敵な仮装なのですから、きっとたくさんお菓子がもらえますよ!
「じゃあ……そこの狼男さん、トリックオアトリート」
「ヒエッ、お菓子ですね!? どうぞどうぞ!!」
やはり噂は本当だった……トリックオアトリートと声をかけただけで、お菓子が手に入った……。
小袋に詰められたお菓子を手のひらに乗せたまま、零はしばし『はじめてのトリックオアトリート』の余韻に浸ってしまう。
しかし、生来の用心深さがそう考えさせるのか、零はふとこう思ったのだった。
「……でもこれ『トリック』を選ぶもの好きさんがいたら、どうしたらいいだろうね」
あらゆる可能性を想定し、対応できるようにしてこそうんたらかんたら。
自分が声をかけられたとしたら、いつでも渡せるようにお菓子は用意してきた。
だが――悪戯をご所望されたならば?
「イタズラ……『わっ!』って言って驚かせるとか……?」
ほほえましい!! でも、ガチ悪魔の仮装でそれやられたら相当ビビるかも!?
なお、トリックを選ぶ物好きさんは結局現れなかったそうです。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
◎
仮装/海賊風の衣装
ジュストコールとシャツ、鳥の羽の付いたリコーンハットは耳が出るように加工して
…少々、派手か?
桜色のミレナリィドールに声を掛ける
久しぶりだな、スリジエ
元気に過ごしているようで安心した、ハロウィンの仮装もよく似合っている
持ってきた小袋の菓子を渡しておく
『トリック・オア・トリート』、だったな
出来れば、案内を頼めると助かる
災魔退治なら得意だがパーティの経験は多くない、どのように過ごせばいいのか悩んでいた所だ
料理もたくさんあるようだし…ああ、菓子も良いな
なんだ、意外か?
仮装に言及されたら少し照れつつ
仮装など自分ではよく分からないから適当に選んでもらったのだが、可笑しな所はあるだろうか
クーナ・セラフィン
◎
今年の魔女の仮装で。
災魔も難儀な性分だね。
敗北の味をもう一つ追加で与えるのは前提で、仮装パーティ楽しもっと。
なんとなーく知ってる人いそうな気もするし。
桜色コーデの…スリジエさんだよね。
2年はまだ経ってないけどお久しぶり、と魔女帽子脱いでご挨拶。
綺麗な桜色素敵だにゃー。あの時の皆さんも元気そうで何より何より。
コーディネートは自分でしたのかなとかちょっと気になったりしつつ世間話。
オススメの料理とかあったら教えて欲しいなー。
迷うようなら一緒にチャレンジしてみない?とお誘いを。
順序だててやるのもいいけれど、たまーに適当に思い付きで動くのも面白いと思うし。
アンチョビに南瓜に挑戦したいのは沢山あるしね。
●再会はハロウィンパーティで
ミレナリィドール・スリジエ。
かつてのアルダワ魔王戦争に於いて、猟兵たちが助力をした学園生の一人。
あれからもうすぐ二年が経とうともしているけれど、ドールたるスリジエの姿はあの日あの時と変わらぬまま可憐であった。
強いて違いを挙げるならば――全身桜色であることには変わりないものの、その衣装は迷宮大図書館で出会った時よりもずっと豪奢で美しかったことだろうか。
「……えと、飾りつけはこれで大丈夫だから……」
あとは自由に楽しんで良いよ、と恩師ラタタン先生に言われたものの、自主性に欠ける性格はいまだ完全には克服できておらず、喧騒の中呆然と立ち尽くしてしまうスリジエ。
そんな彼女の前に現れたのは――。
「災魔も難儀な性分だね」
不敵に笑う魔女猫は、誰あろうクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)。
どうせ勝てるわけもないのに毎年恒例の行事として返り討ちに遭うと分かっているはずなのに、そう思うと自然と意地悪い笑みも漏れてしまうというもの。
「敗北の味をもう一つ追加で与えるのは前提で、と」
ピンと立ったお耳を出す穴もちゃんと開いた魔女の三角帽子に黒いローブ、手にしたリンゴは危険な香り。またがった箒は――何と、本当に浮いている!
「仮装パーティ楽しもっと、なんとなーく知ってる人いそうな気もするし」
周囲の学園生の驚きも何のその、クーナはふよふよと会場を進んでいった。
「……少々、派手だったろうか」
こちらはシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)、主に女学生からの黄色い悲鳴を浴びて、己の仮装にちょっとばかりの照れを覚えてしまっていた。
上質なジュストコートとシャツの組み合わせは一目で海賊風の衣装だと分かる。
鳥の羽がついたリコーンハットは、人狼の耳が出せるように加工済み。
絶対的なイケメンオーラと、人狼の耳というアクセントの相乗効果がヤバいのだ。そら学園生の皆さんも大興奮しますわ。私もします。
さすがのシキも少々気恥ずかしげに、ちらり視界に入った忘れじの桜色を目指して歩き出す。さあ、久方ぶりの再会と行こうではないか。
「スリジエさん、だよね」
「久しぶりだな、スリジエ」
クーナとシキが声をかけると、スリジエは振り返り、そして目をまあるくしてみせた。
「あ、あ……あの時の……!」
お世話になりました、とスリジエはぺこりと一礼して二人に応える。
「二年はまだ経ってないけど、お久しぶり」
そう言うとクーナは魔女帽子を脱いで挨拶を返した。もちろん、浮いたままで。
「元気に過ごしているようで安心した、ハロウィンの仮装もよく似合っている」
シキはそう優しい声音で言うと、持ってきた小袋のお菓子をスリジエに渡す。
「『トリック・オア・トリート』、だったな」
「! ありがとう、ございます……」
両手でお菓子の小袋を受け取ると、スリジエはほんのり頬を染めてまた頭を下げた。
「綺麗な桜色素敵だにゃー、あの時の皆さんも元気そうで何より何より」
魔女帽子をよいせと被り直したクーナが会場を見渡しながらほくほくと笑う。ハイランズ、紅子、ラタタン先生といった当時の面々も、思い思いにパーティを楽しんでいた。
(「桜の精みたいなコーディネートは、自分でしたのかな」)
スリジエの衣装に興味を惹かれつつ、三人で歓談することしばし。
「……あの、今日は……」
せっかくの来賓とも言える二人を、どうにかもてなしたいが、どうしたらいいのか分からない。
そんな気配を感じ取った二人は、スリジエにこう提案した。あの時のように。
「出来れば、案内を頼めると助かる」
「オススメの料理とかあったら、教えて欲しいなー」
シキとクーナの願い出は、いたって普通のことだったかも知れない。
けれどスリジエにとっては、願ってもない申し出であった。
「はい……はい!」
「良かった、災魔退治なら得意だがパーティの経験は多くない。どのように過ごせばいいのか悩んでいた所だ」
きっと、これは二人なりの気遣いもあってのことだろう。あの頃と、そんなにすぐには変われないだろうからと、同じようにそっと手を差し伸べてくれたのだろう。
「料理もたくさんあるようだし……ああ、菓子も良いな」
「……シキさん、お菓子……ですか?」
「なんだ、意外か?」
帽子から飛び出た狼耳を一度ぴこりとさせて、シキが肩を竦める仕草で笑う。
すみません、と俯くスリジエには構わない、と軽く手を挙げて返す。
「料理……お菓子もですけど、たくさん、あって……」
さて困った、今度はどれを選んだものかと迷ってしまうスリジエ。
「んー、迷うようなら、一緒にチャレンジしてみない?」
クーナがあの時のように指をぴんと立てながらそう言った。
「順序立ててやるのもいいけれど、たまーに適当に思い付きで動くのも面白いと思うし」
「成程、直感で選ぶのも良いな……スリジエ、どうだ?」
この人たちは、あの時もそうだった。
凝り固まった思考を解して、視界をクリアにしてくれるような魔法の言葉をくれる。
いつまでも頼り切っていてはいけない、けれど――。
「……はい、では……」
すいと桜色の指先が指さしたのは、アンチョビのピザ。
「うん、アンチョビに南瓜に、挑戦したいのは沢山あるしね」
いいねいいいねとクーナが早速取り皿を手にすれば、いよいよ楽しいお食事の時間が幕を開ける。
「……あの、シキさん、クーナさん……お二人共、仮装、お似合いです……」
「ふふー、ありがとう。今年もいい仕立てをしてもらったんだ」
「改めてそう言われると照れるものだな、だが……ありがとう」
スリジエが絞り出すような声で告げたのは、二人の仮装への賛辞。
クーナはえっへんとローブの裾をつまみ、シキは己の格好を改めて見る。
「仮装など自分ではよく分からないから、適当に選んでもらったのだが」
シキが至極真面目な顔でスリジエを見て、こう尋ねた。
「……可笑しな所はあるだろうか」
問われたスリジエは、ほんの少しだけ笑ってこう返した。
「おかしくはない、ですが……」
「無意識にお耳が動くの、相変わらずなんですね……」
★まだ興味を持たれていた――!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
木常野・都月
◎
アルダワのハロウィン、懐かしいな。
俺にとって初めてのハロウィンだったんだよな。
あの時、俺は勇者だったんだ。
今年も仕立て屋さんにお任せしたんだけど、なんかサクラミラージュにいる、パーラーメイドみたいな雰囲気だよな。
大人っぽい雰囲気が似合うって聞いて、真の姿にしたけど…多分?セーフだよな?(チラ)
まあ、普段と違う格好なら、きっと良いんだ。
あれ?あの吸血鬼…いつだかのケットシー先生?
あの時、褒めて貰えて嬉しかったな。
懐かしい。俺もまだ若かった。(遠い目)
先生、元気そうだな。よかった。
よし、任務は祭りを盛り上げる、だったな。
3回目のハロウィンを盛り上げていこうじゃないか。
小さな俺達を呼んで、食べたり、飲んだり、お手伝いしたり、しようじゃないか?
全員整列!点狐!
皆でパーティーを楽しむぞ!
料理食べたり、飲んだり、料理を運んだり、片付けたり、するんだ。
仮装も大人の雰囲気だし、何より俺達はもう大人!大人の妖狐だ。
人に迷惑をかけないよう…
おい待て!まだ説明の途中だぞ!
抜け駆けはダメだ!俺も料理食べたい!
●追憶と食欲と
――懐かしの、アルダワ魔法学園でのハロウィンパーティ。
別名『装魔封災戦』を、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は思い出す。
(「アルダワのハロウィン、懐かしいな」)
それは、都月にとって初めてのハロウィンでもあった。
(「あの時、俺は勇者だったんだ」)
思えばあの頃は、今と比べて知らないことがとても多く、けれどもそれ故に色々なことが新鮮に感じられたものだと都月は過去を振り返る。
一匹の野生の狐であったはずのものが、妖狐としての自我を得て、ヒトとしての在りようを徐々に覚えていくその過程で、仮装行列という楽しみを知った。
それを、平和に毎年のように迎えられることの、何と尊いことか。
世界の平和を守っているのは間違いなく己の力もあるとはいえ、それを決して驕らぬ慎ましさはひとえに都月の慎ましさと人の好さあってのことだろう。
さて、そんな都月の今年の仮装やいかに――?
「今年も仕立て屋さんにお任せしたんだけど、なんかサクラミラージュにいる、パーラーメイドみたいな雰囲気だよな」
洒落たスーツテイストの上下に、小道具として持たされたティーカップのセット。
恐らくこれは異世界の眠りネズミがモチーフの仮装だと思われるけれど、言われてみればパーラーメイドの趣も見て取れる。
「大人っぽい雰囲気が似合うって聞いて、真の姿にしたけど……」
都月はほんの少しばかり後ろめたそうにチラチラと周囲を確かめる。
「多分? セーフだよな?」
大丈夫です、これオーバーロードプレイングなので合法です!
気だるげな雰囲気の真の姿が、眠りネズミの仮装にとてもマッチしています。
「まあ、普段と違う格好なら、きっと良いんだ」
ですです、仮装をして思い切り楽しんでくれれば、それで大丈夫!
豪華な食事が並べられたテーブルの上を、用意された箱に乗って眺める吸血鬼モチーフのマントを羽織ったケットシーの姿を都月は見つける。
「あれ? あの吸血鬼……いつだかのケットシー先生?」
グレーの毛並みに小さな身体、二足歩行の猫――ケットシーの生物学担当教師、ラタタン先生。
かつてアルダワ魔王戦争の調査依頼に於いて、都月が助力をした一般人だ。
(「あの時、褒めて貰えて嬉しかったな」)
思えば、頼まれたことを頼まれたように、当たり前のように全力で取り組んだだけだったのに、優しく感謝の言葉をかけられて胸が温かくなったことを思い出す。
「懐かしい、俺もまだ若かった」
連鎖的に色々と思い出して、ちょっぴり遠い目になる都月。
(「先生、元気そうだな。よかった」)
食事は一人でできそうだな、と遠目から見て安堵すると、都月は邪魔にならないようにと配慮してそっとその場を離れた。
声をかけたらそれはそれで喜ばれただろうけれど、それはまた別の話。
「よし、任務は『祭りを盛り上げる』だったな」
都月にとっての三回目のハロウィン、盛り上げていこうではないか!
「出てこい俺達――【小さな俺分身】」
「「「わいわい、わいわい」」」
ユーベルコードの力で生み出されたちっちゃな都月の分身体、何と百人超。
喚び出したまま放ったらかしにしておくと、収拾がつかない。
「全員整列! 点狐!」
「「「キュッ」」」
なので、団体行動に必須の点呼……いや、点狐を取る。
「皆でパーティを楽しむぞ! 料理食べたり、飲んだり、料理を運んだり、片付けたり、するんだ」
本体の都月が真の姿で仮装姿なので、小さな分身体も真の姿で仮装姿。
「仮装も大人の雰囲気だし、何より俺達はもう大人! 大人の妖狐だ! 人に迷惑をかけないよう……」
しかし、校長先生の長話には耐えられないものが出て当然というのもまた事実。
最初は整列していた小さな都月たちは、徐々にソワソワし始め、ついには一人二人と都月の話が終わる前に勝手に動き出してしまった。
「おい待て! まだ説明の途中だぞ!」
お手伝いをするというお仕事は概ね不人気で、大多数の小さな都月はお料理を堪能する役割を奪い合ってわあわあきゃあきゃあしていた。
「抜け駆けはダメだ! 俺も料理食べたい!」
ボスのコメントがこれだから、相応の結果とも言えた。
料理は山ほどあるので、仲良く食べて下さいね!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『螺子式ディーヴァ』
|
POW : 楽シキ歌
【狂った円盤から】【楽しい記憶を呼び起こす音色を対象に放ち】【動きを一時的に封じる幸せな夢に捕らえる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 哀シキ歌
【狂った円盤から出鱈目な衝撃波の慟哭】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 愛シキ歌
【狂った円盤】から【愛しい記憶を呼び起こす音色】を放ち、【幸せな夢に捕らえる事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:たま
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●今年も災魔が来たりて倒される
アルダワ魔法学園を舞台にしたハロウィンパーティの盛り上がりは最高潮。
素敵な音楽の生演奏に合わせたダンスまで始まって、お祭り騒ぎは絶好調。
そして、パーティを楽しむ誰もがある予想を立てていた――『災魔が来る』と。
けれど学園生たちは誰一人として不安な様子を見せたりはしない。
だって、今年も猟兵たちがいてくれるんだもの。
きっと、毎年恒例の行事のように、華麗にやっつけてくれるに違いないと。
地下迷宮から、金属がきしむ嫌な音が響く。
――ぎぎい、ぎい。
調子っぱずれな音を出しながら学園へと迫る災魔の名は、螺子式ディーヴァ。
元は豪奢なドールだったのだろうと思しき姿はもはやなく、胸元のディスク・オルゴールも既に錆び、ただ装魔封災戦で受けた屈辱を怨嗟として漏らすばかり。
『今年モ、コレ見ヨガシニ祭リナド催シオッテ……』
『許サナイ……今年コソ、今度コソ、蹂躙シテヤル』
魔法学園の警備ってどうなってるのと思われそうですが、案外ザルなのかも知れず。
パーティ会場の前まで素通りでやってきた螺子式ディーヴァたちが、教室のドアに手をかける。
『『『タノモーーーーーーーーーーーッ』』』
「「「きゃーーーっ、来たーーーっ」」」
がらら! 勢い良く開かれた引き戸の向こうで鬨の声を上げた災魔に、ああやっぱり来たと学園生たちが半ば面白がりつつわざとらしい悲鳴を上げた。
さあ、出番ですよ、猟兵さん!
災魔はスゴい仮装をしているヤツから優先的に狙うので、自然と皆さんが狙われます。
学園生たちを守る立ち回りは不要です。
どちらかというと何らかの形でパーティを続けながら戦ってもらった方が、災魔がさらに冷静さを欠くので有利です。
という訳で、今年もやっちゃって下さい!
リオン・リエーブル
◎
おにーさん仮装してないから襲われないね
でもそれじゃつまんないからゴーレムさんの戦いを実況生中継しよう!
さあ始まりましたハロウィンプロレス
司会は私リオン・リエーブル!
対戦カードは螺子式ディーヴァvs人形ゴーレムさん!
ゴーレムさんがディーヴァに迫る!
おおっと!突然ゴーレムさんがディーヴァの手を取り踊りだしたー!
プロレス衣装から燕尾服姿に変身したゴーレムさんが華麗なステップでワルツタンゴルンバジルバと踊りまくーる!
UCはディーヴァを高らかに持ち上げて
くるり回転他のディーヴァに衝撃波ぶつけて
おもむろにジャーマンスープレックス!
ブラボーハラショー素晴らしかったよゴーレムさん!
ハイタッチでお出迎えしよう
●誰も本人が仮装しなきゃいけないとは言ってない
教室のドアから律儀にぞろぞろと入ってくる災魔の皆さん。
それは『派手な仮装をしている相手をこそ狙う』とあらば。
「おにーさん、仮装してないから襲われないね?」
しれっと笑うリオン・リエーブル、そこに悪気は一切ない!
「でも、それじゃつまんないから」
つまらないかどうかというより、戦ってもらわないと困るというか。
わかってるよと手をひらひら、試験管の中身を軽く振って。
「ゴーレムさんの戦いを実況生中継しよう!」
華麗な手さばきで試験管の中身が宙を舞い、それはたちまちのうちにめちゃくちゃカッコいいプロレス衣装に身を包んだゴーレムへと変貌した!
『出タナ……!』
ハロウィンパーティへの怒りで冷静さを欠いている災魔は、召喚された派手派手なリングコスチュームのゴーレムを仮装している者とみなして迫ってくる。
そこですかさずリオンが学園生からマイクを借り受けまくし立て始めた。
「さあ始まりましたハロウィンプロレス、司会は私リオン・リエーブル!」
「ハロウィン・プロレス……!?」
「知っているのか、ハイランズ!」
向かい合って間合いを取る災魔とゴーレムを遠巻きに見守りながら、ドラゴニアンの青年とぱっつん前髪の女学生が言葉を交わす。
「対戦カードは螺子式ディーヴァvs人形ゴーレムさん!」
リオンの声に互いが一度拳を高々と挙げて満ち満ちる戦意を見せつける。
そして、先に仕掛けたのはゴーレムの方だった。
「ゴーレムさんがディーヴァに迫る! おおっと! 突然ゴーレムさんがディーヴァの手を取り踊りだしたー!!」
そう、初手はどんな技を繰り出してダメージを与えるのかと思いきや、何とも紳士的なエスコートでゴーレムのごつごつした手が繊細なディーヴァの手を取ったのだ。
そしてここでサプライズ! ド迫力のプロレス衣装がキラキラ光って燕尾服姿に大変身! この錬金術師ホントに何でもアリですわね!?
「フフフ、というわけでプロレス衣装から燕尾服姿に変身したゴーレムさんが華麗なステップで、ワルツタンゴルンバジルバと踊りまくーる!」
このゴーレム……めちゃくちゃ踊れるぞ……!?
『……何コノ、何……?』
これには螺子式ディーヴァもきゅんだ! きゅん!
だが、楽しい時間にもいつかは終わりが来るというもの。
ダンスの一環で流れるようにゴーレムがディーヴァを高々と持ち上げると、その場でくるりと一回転して、他の様子を見守っていたディーヴァたちに衝撃波を叩きつけた!
『アーーーーーレーーーーー!?』
モブに厳しいアニメの描写よろしく、雑に吹っ飛んでいくディーヴァたち。
持ち上げたままのディーヴァには、豪快なジャーマンスープレックスをお見舞いだ!
「ブラボーハラショー素晴らしかったよゴーレムさん!」
仮初の命を得た人形は淡々と、しかし何かを成し遂げた顔で、リオンとハイタッチ。
勝てばよかろうなのだ! わかったか! ガハハ!
大成功
🔵🔵🔵
芥生・秋日子
◎
災魔がきても、皆さんそんなには驚いていない。
なるほど、これがオヤクソクというやつですね!?
とはいえ、パーティの邪魔をするなんて許せない。魔女の私が、マジカルな力で成敗します!
取り出したるは魔法のステッキ(※刀)
そしてスカートの下に隠していた魔法のアイテム(※銃)
マジカル秋日子推・参!!(ババーン)
……エヘヘ、普通に照れちゃうね、これ。
銃で威嚇し、魔法のステッキ(※刀)で敵を攻撃。
マジカルな力(※指定UC)で、パーティの邪魔をしようとする邪悪な心を浄化します。(※刀でぶった斬る)
魔女っていうわりに全体的に物理っぽいなぁ、とか、そういうの今は言いっこなしですよ!
●武闘派魔法少女も立派な一ジャンルですので…
災魔襲撃の第一波は、はちゃめちゃな錬金術師によるプロレスショーで凌がれた。
が、廊下にはまだ順番待ちの災魔たちがひしめき合っている。とんでもねえな!
「災魔がきても、皆さんそんなに驚いてはいない……」
魔女(帯刀)姿の芥生・秋日子(普通の人・f22915)が感心したように呟く。
「なるほど、これがオヤクソクというやつですね!?」
もはや恒例行事となってしまっている災魔の襲撃と撃退という流れに、学園生たちもすっかり慣れきってしまっているようだった。
けれども、油断は大敵。いつどんな危険をもたらすかも分からないし、何より普通にパーティの邪魔である。
「とはいえ、パーティの邪魔をするなんて許せない」
オーソドックスな魔女服のスカートを揺らして、秋日子は災魔の前に立つ。
「魔女の私が、マジカルな力で成敗します!」
『オオオオオ、今年コソ……オ前タチ二一矢報イテミセル……!』
調子っぱずれのオルゴールの不協和音がみしりと響き、戦いの第二幕が始まった。
取り出したるは魔法のステッキ――という名の祓魔刀『炎桜』。めちゃカッコいい。
次に抜き放ったのはスカートの下に隠していた魔法のアイテム――こと、退魔銃『流楓』。
刀と銃の亜種二刀流で、秋日子はビシッとポーズを決めた。
「マジカル秋日子、推・参!!」
ババーン! という効果音が良く似合うポーズだったものだから、一般の学園生たちからわっと歓声が上がり、拍手が鳴り響く。
「……エヘヘ、普通に照れちゃうね、これ」
クラスのみんなにはもうバレバレだけど、頑張って下さい!
『オノレ、オノレ……我々ノ屈辱ヲコレ見ヨガシニ楽シンデ、許セナイ……!』
そう言いつつも、災魔が秋日子に見せようとするのは現実逃避も辞さないレベルの幸せな夢。どうせなら悪夢を見せれば良いのに、何ていい災魔なんだろう。
けれど、傍から見ているとそんな攻撃には思えないものだから、秋日子は躊躇なく螺子式ディーヴァの足元に水を纏った弾丸を撃ち込んで威嚇する!
「どうです、このマジカルな力!!」
「「「きゃーっ、マジカルーー!!」」」
『ヒェッ……威嚇射撃怖ッ……』
一歩後退するディーヴァを逃すまいと、秋日子はもう一つのマジカルな力を振るう!
「パーティの邪魔をしようとする、その邪悪な心……」
刀身が炎を纏った、どう見てもなんかすごい力を籠めた祓魔刀が振り上げられ――。
「浄化します――成敗っ!!」
『アーーーーーーーーーーッ』
これぞマジカル秋日子さんの必殺技、刀でぶった斬る【強制改心刀(アク・ホロビルベシ)】である。
螺子式ディーヴァは見た目こそ変わりないが、何というか、雰囲気がすっかり害のないアンティークな螺子式人形になっていた。
『私……迷宮ニ帰リマス……』
「気をつけて下さいねー!」
ぎしぎしと音を立てながら教室を後にするディーヴァを見送って、秋日子はひと息吐く。
「魔女っていうわりに全体的に物理っぽいなあ、とか」
退魔銃を顔の傍で構えて決めポーズを取りながら、秋日子はウインク。
「そういうの、今は言いっこなしですよ!」
大成功
🔵🔵🔵
榎・うさみっち
◎
おうおう、2年ぶりだなハロウィン災魔ども!
今年も特撮もののザコキャラの如く湧いてきやがって!
一昨年はさむらいっちだったが今年はこいつらだ!
いでよデビみっち軍団!
理由は見た目がそこそこハロウィンっぽいからだ!
いいかお前ら、あの災魔をボコボコにしろ
報酬はここの会場の美味しいご飯だ!
しかも!食べながら戦ってもいい!
これ見よがしに美味そうに食べまくって
災魔たちを挑発してやるべし!
敵を攻撃する担当、飯を食って挑発する担当、
敵のUCで眠らされたデビみっちを叩き起こす担当
に分かれて交代しながら戦っていくぜ!
ちなみに俺はずっと飯食ってる担当だ
うーん、この肉うめぇ!
テイクアウト出来ないかな!?
●最近大活躍のデビみっちさんです
「おうおう、二年ぶりだなハロウィン災魔ども!」
人間が持つ籠の中で涅槃ポーズを決めていた榎・うさみっちが、珍しくやる気満々で籠の中から飛び出して来た。うつくしいフェアリー羽でぶーんぶーんと飛んでいる。
「今年も特撮もののザコキャラの如く湧いてきやがって!」
『的確スギル例エハ止メルンダ……!』
歯車の軋む音とは明らかに異質な呻き声が切実に響く。相当刺さったようだった。
「何にしても、今年も相手してやるぜ! 一昨年はさむらいっちだったが、今年はこいつらだ!」
そう啖呵を切ると、うさみっちはちっちゃい指を一生懸命ぱちんと鳴らした。
「いでよ、デビみっち軍団! 理由は見た目がそこそこハロウィンっぽいからだ!」
すると、小脇に抱えたうさみっちゆたんぽから、次々と見た目からしてワルそうな極悪軍団『デビみっち』たちが召喚されてきたではないか。
「おうおう、今回の報酬は何なんだよ
「ショボいモン出してきたら承知しねえからな」
「誠意を見せてもらわねえとなあ~~~?」
デビみっちたちは災魔そっちのけでうさみっちを囲んで、恒例行事でもある仕事の報酬の交渉に入る。絵面的にはうさみっちがカツアゲされているようにさえ見えるが……?
「いいかお前ら、あの災魔をボコボコにしろ」
しかしうさみっちは動じることなく、ズビシと螺子式ディーヴァたちを指さした。
「報酬は――ここの会場の美味しいご飯だ!」
「へぇ……?」
「悪くねえじゃん」
何勝手に決めてるんですか!? と思われそうなところだが、デビみっちは一体一体がとても小さく、かつ本体のうさみっちほど大食らいではないのが救いだろうか。
交渉は続く、うさみっちはさらに魅力的な提案をデビみっちたちに告げる。
「しかも! 食べながら戦ってもいい!!」
「なん……だと……?」
「ああ、これ見よがしに美味しそうに食べまくって、災魔たちを挑発してやるべし!」
ここまで来れば、後は話が早かった。
うさみっちへの囲みを解いたデビみっちたちは、プチ作戦会議に入る。
しばらくああでもないこうでもないとわちゃわちゃやった末に、三叉槍を突き上げて、パーティ会場とそこに迫る災魔へと立ち向かっていった。
つんつん、つんつん!
敵を攻撃する担当のデビみっちが奮戦し。
もっしゃもっしゃ。
ご飯を食べて敵を挑発する担当のデビみっちが美味しいハロウィングルメを堪能し。
「おきろー!!(ぺちぺち)」
幸せな夢に囚われてスヤッスヤで眠るデビみっちを叩き起こす担当も頑張る。
ちなみに、この担当は平等に交代制の持ち回りだそうです。案外仲がいいね……?
そういえば、本体のうさみっちさんは何を……? あっ!
「ちなみに俺はずっと飯食ってる担当だ」
うーんこの雇用主……! でもこれくらい肝が据わっていないと、デビみっちの元締めなんて務まらないのかも知れない。
「うーん、この肉うめぇ! テイクアウトできないかな?」
エッそれはまさか……伴侶への愛のお土産ですか……!?
「うんにゃ、俺が家に帰ったあとで一人で食うの」
★無慈悲――!!
大成功
🔵🔵🔵
リューイン・ランサード
【竜鬼】
災魔さん達に「『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』という言葉が有ります。良い所なので邪魔しないで下さい!(依頼内容が頭から抜け落ちてる)」と怒り、UCでシマドゥ島民(刀の一振りでティラノサウルスの首を落とし、素手で身体を引き裂いて”ひえもん取り”し、コンキスタドールより強い方々)を多数創造。
島民の皆さんは和装に刀を差し、ハロウィン仕様でカボチャの仮面を被り、「ドロップオアトリートでごわす!」と叫んで誰何(ある意味仮装)。
差し出すお菓子を持ってない災魔さん達に『装魔封災戦』の新たなる惨劇が幕を開けるのでした…合掌。
尚、本人は惨劇を見ない様にして許容範囲内でイチャラブしますw)
荒谷・ひかる
【竜鬼】
(災魔達に啖呵を切るリューインに)
もう、『二人きりなんですから』もっとわたしのことを見てください……
(頬を上気させとろんとした目で見つめながら、身体の柔らかい所々を押し付けて抱きつく)
(敵コードの影響で『幸せな夢』に捕われかけている感、敵はガン無視)
……ね、わたしだってもう、子供じゃないんですよ?
我慢なんて、する必要ないんですから……
(耳元で甘く囁き続ける事で彼の理性へダイレクトアタックし続けるひかるさん)
戦闘は【風の精霊さん】総勢565体が(風だけに)空気を読んで出現
いちゃらぶ堪能中な二人の邪魔をさせないよう、シマドゥの人達と連携して災魔を切り刻みます
●妖怪首置いてけといちゃらぶの二本立てでお送りします
『ラブコメノ波動――!!!』
『何ダト!? コンナ大一番ノ時ニケシカラン!!!』
出入口から律儀になだれ込んで来る災魔が目にしたものは、セクシーディーラー姿の荒谷・ひかるにほとんど押し倒された状態のリューイン・ランサード(乗り越える若龍・f13950)だった。うーんこれはけしからん。
けれども二人の世界を形成している側からすれば、災魔たちこそがお邪魔虫。
リューインが半ば無理な体勢で顔を上げ、災魔に向かってこう啖呵を切った。
「『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』という言葉が有ります、今まさに良い所なので邪魔しないで下さい!」
「もう、『二人きりなんですから』もっとわたしのことを見てください……」
「ひかるさ……あっ……」
リューインの両頬に手を添えて、視線を己の方に向けて、頬を上気させとろんとした目で見つめながら、ひかるが吐息まじりに囁く。
同時に、身体中の柔らかいところをあからさまに押し付けて愛しい人へと密着する。
ひかるが敵をガン無視しているように見えるのは、決して仕事を忘れてしまった訳ではなく、恐らくは災魔が放った幸せな夢に捕らわれかけているからだろう。
災魔さんサイドとしては、まさかこんな破廉恥な現場を作り出してしまうことになろうとは考えてもいなかったろう、困惑して右往左往するばかり。
『ナ、何ダ……コイツラハ!?』
「あ、来た来た。シマドゥ島民のみなさーん、よろしくお願いしまーす」
「「「ドロップオアトリートでごわす!!!」」」
『『『ギャーーーーーーッ!!?』』』
それは、刀の一振りでティラノサウルスの首を落とし、素手で身体を引き裂いて『ひえもん取り』し、コンキスタドールよりも強い方々。
和装に刀を差し、ハロウィン仕様でカボチャの仮面を被り、ドレスコードは完璧なのだがいかんせん絵面がヤバすぎた。どちらが災魔かぶっちゃけ分からない!
端的に言えば首置いてけ、というご挨拶に、災魔さんは逃げ惑うばかりでありました。
だって差し出すお菓子なんて持っていないもの、災魔だから。
あの忌まわしき『装魔封災戦』の記憶が生温く思える惨劇が、幕を開ける――!
そこに吹き付けた一陣の風! さわやか!
と思いきやその風は風でもひかるが喚んだ風の精霊さんだ! 空気読んだんですね!
総勢五百体を超える風の精霊さんは、シマドゥ島民の皆さんとこれまた空気を読んで上手に連携を取りながら災魔を切り刻んでいく。圧倒的……蹂躙……!
ひかる本人はと言えば、リューインの身体の上にぐぐっとのしかかり、耳元でこう囁いていた。
「……ね、わたしだってもう、子供じゃないんですよ?」
「ひか、るさ……っ」
据え膳食わぬは男の恥、とは言うけれど。それは本当に許されるのか?
「我慢なんて、する必要ないんですから……」
リューインの理性をダイレクトに揺さぶってくる甘い囁きの数々。
震える手で、おずおずとひかるの背中に触れると、信じられないくらいに柔らかい。
いっそこのまま、かき抱いて――。
「ハーイハイハイハイここ学園内なんでその辺でストップストップー」
「念のため布かけておきますねー」
「続きはお家に帰ってどうぞ!!」
露出度の高いひかるは布をかぶせられ、二人は出口まで見送られてしまう。
手を振って送り出されたから応援はされているのだろうけれど、出禁案件にならなくて良かったですね……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヘスティア・イクテュス
【レッドフード】
◎
学園の人も慣れてるわね…(適当な料理を食べながら楽しそうな悲鳴を聞きつつ)
リンゴカジカジしてる羅鬼を解き放ち、食事片手に楽シキ歌だけ!楽しみつつディナーショー
哀シキ歌?目の前の焼き肉鉄板(ファラリスくん)を盾に…
ちょっとー騒音に負けて料理が楽しめないんだけどー!災魔の方もっと音量頑張りなさい!
要請を受けて今回リンゴ型タイプで特注したレッドキャップを羅鬼に放ちつつ料理を…
た~まや~(爆散した二人を見つつ)
最期は星になった羅鬼に空に向かって敬礼、ん~次はそろそろ甘いもの食べたいわね~パンプキンパイ、パンプキンパイ…
怨燃・羅鬼
【レッドフード】
◎
くふふ☆あの音色に姿は正しく愛獲髏だネ!お呼ばれした愛怒流が二人…
つまり羅忌武罵妬流☆の始まりだヒャッハー☆
羅射武舞逝苦を持って狂~狂~☆【ダンス】
歌には歌【ブレス攻撃】で対抗だネ!
最期のクライマックスは掟破りの三段階目異生チェンジ☆
○△×□と声を上げ【呪詛】
赤頭巾らしく火の鳥姿でりんご(ヘスちゃんのミサイル)を抱えて突撃☆隣で晩御飯【怪力・重量攻撃】
ピー鬼ーゾロ目でDie☆演☆上
こうしてらきちゃん☆はスター(文字通り)になりました☆
あっ、らきちゃん☆も南瓜食べるー(復活)
●修繕費とかどうなるんでしょうね……?
歓声と悲鳴とが飛び交う中、ヘスティア・イクテュスは怨燃・羅鬼に首輪をつけたまま、南瓜がまるごと器に使われたプリンをお上品に口元に運んで会場を眺めていた。
「学園の人も慣れてるわね……」
しかし何ならヘッスもこういう状況には慣れたもの、もくもくとプリンを食べながららきちゃん☆から首輪を外し『ゴー』とだけ言う。
羅忌武開始までの間、りんごをカジカジしながら待機していたらきちゃん☆は、ほとんど芯だけになったりんごをポイッとテーブルの上に放り投げ、立ち上がる。
「くふふ☆ あの音色に姿は正しく愛獲髏だネ!」
きゃるん☆ と擬音がつきそうな仕草で、愛用の羅射武舞逝苦をくるりん。
「お呼ばれした愛怒流が二人……つまり、羅忌武罵妬流☆ の始まりだヒャッハー☆」
『……ッ!』
螺子式ディーヴァが明らかにビクッとなってらきちゃん☆ の方を見る。あーこれ完全にロックオンされましたね……ハイ皆さん合掌です。
ヘスティアはローストチキン片手に都合良く楽シキ歌だけ耳に入るようにしている。
当然同時演奏で哀シキ歌も聞こえてくるけれど、そこはそれ。
らきちゃん☆が用意していったふぁらりすくんという名の焼き肉鉄板を盾にして、うまいこと耳に入らないようにしている! ワザマエ!
美味しい食事と、適度な演出が揃えば、それはもうディナーショー状態。
「ボエ~~~~~~~~~~♪」
「ちょっとー騒音に負けて料理が楽しめないんだけどー!」
羅射武舞逝苦をステッキ代わりにく~る狂、調子っぱずれのオルゴールには歌という名のブレス攻撃で対抗するらきちゃん☆、ちょっと火力が強すぎてヘッスから苦情が入る。
「災魔の方、もっと音量頑張りなさい!」
『クッ……!』
『コンナ騒音クラス、出シタクテモ無理……!』
螺子式ディーヴァたちは元々静かな音楽を奏でる存在だったからか、爆音で相手を制圧するという方向にいきなり舵を取れというのは、難しい話だったようだ。
「最期のクライマックスは、掟破りの三段階目異生チェンジ☆」
らきちゃん☆がとうとう訳の分からないことを言い出したぞ!?
「あーあれね、はいはい、準備できてるわよ」
それにヘスティアが当たり前のように応えたぞ!?
どこからともなく人の頭部ほどある大きさのリンゴ――の形をしたミサイルが出てきた。今日のこの日のための特注品ですって!
「○△×□~~~~~!!!!!」
○レイ○テーションかな??? とりあえずまともに聞くと呪われそうな呪詛の声であることは間違いないとして、奇声を上げながららきちゃん☆はアイドルの仮面を脱ぎ捨てて、今、燃え盛る炎の鳥へと変身する――!
「赤頭巾らしく火の鳥姿で、りんごを抱えて突撃☆隣で晩ご飯!!!」
『『『イヤーーーーーーーーーッ!!?』』』
どっごおおおおおん!!! チューニングは当然ピー鬼ー、ゾロ目が出たらはいドッカン☆ Die☆演☆上!
「……た~まや~……」
会場の一角を盛大にぶっ飛ばしてお星さまになったらきちゃん☆と災魔たちを、知らん顔でヘスティアは見送っていた。
――こうしてらきちゃん☆は、スター(文字通り)になりました☆
ヘスティアは星になったらきちゃん☆へと空に向かって敬礼。
しれっとパーティの続きを楽しもうとする。
「ん~次はそろそろ甘いものを食べたいわね~、パンプキンパイ、パンプキンパイ……」
「あっ、らきちゃん☆も南瓜食べるー」
復活早ッ!!?
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
五百崎・零
◎
死にたくはないけど、戦うのもパーティも自分にとっては同じくらい楽しいこと。……って言ったらやっぱりおかしいのかな。
まあでも、楽しくしてればこっちに有利になるってんなら……。
めいっぱい楽しまないとなぁ。くく、ハハハ!
※戦闘になるとハイテンション
よう、オレと一曲踊らない?
なんだよ、ノリの悪い奴は嫌われるぜ?
ひひ、ま、そっちの返事なんざハナから聞く気ないけどなァ。
敵の足元目がけて銃で威嚇射撃。
あはは、悪くないステップ。でも、もっと上手く踊れんじゃねーの?
ダンスってのはこうすんだよ!
ブレイクダンスのような動きで敵に迫る。
きひひ、どうだい悪魔の踊りは?
ひひ、ヒャハハ!!さあ、踊れ踊れぇ!!
クーナ・セラフィン
◎
スリジエさんも元気そうで何より。
次はラタタン先生に挨拶にいこっかな。
何か騒がしいけど気にしなーい。魔女は気ままに振舞うものだし。
灰色毛並みの先生に恭しくご挨拶。
生徒の皆さんも含めて元気そうでよかった。
…折角だから一つ、踊りなどを披露しようかな。
魔女服に箒でで器用に跳ねたり回ったり。
ヴァン・フルールは白銀の小竜の姿に変えてちょっと合いの手お願いね。
災魔を挑発するように踊りつつ、怒りに駆られて突っ込んできたら高く飛びつつ小竜をランスに戻しUCで迎撃。
雪華の舞には調子外れの音は似合わない。乱入者はご退場を!
芝居がかった感じで言ってみたり、撃破後に先生に感想とか聞いてみたり。
※トンチキおーるおっけー
●死の舞踏
白銀の騎士猫、クーナ・セラフィンは桜色の娘と別れて独りごちる。
「スリジエさんも元気そうで何より、次はラタタン先生に挨拶にいこっかな」
何やらパーティ会場が騒がしいけれど、そんなことは気にしない。だって、魔女は気ままに振舞うものだしね。
「おや、君は……」
灰色毛並みのヴァンパイア先生に、クーナは恭しくご挨拶。
「生徒の皆さんも含めて、元気そうでよかった」
「君こそ、息災で何より。少々騒がしくなってきてしまったが……」
ラタタン先生は出入口付近でわちゃわちゃやっている辺りをチラと見て頭を下げるが、ほぼ同じ目線のクーナはいいええと手を振って制する。
「……折角だから一つ、踊りなどを披露しようかな」
魔女服で箒にまたがると、広々とした教室中を一度飛んで回るクーナ。
すると、目に留まったのは――。
(「死にたくはないけど、戦うのもパーティも自分にとっては同じくらい楽しいこと」)
どったんばったん学園生と災魔とが行き交う出入口付近にて、五百崎・零はひとり思案に耽っていた。
「……って言ったら、やっぱりおかしいのかな」
そう独りごちたところで、悪魔の仮装をした零の周りに数名の学園生たちが集まってきて、わあわあきゃあきゃあとはやし立てる。
「素敵な仮装の猟兵さん! あいつらをやっつけちゃって下さいませ!」
「間近で見られるなんて嬉しいなあ、カッコいいトコ見せて下さいよ~」
学園生たちの笑顔は無邪気で、心底この宴を楽しんでいることを思わせる。
「……」
そうか、と。
零は口の端を上げて笑う。
「まあでも、楽しくしてればこっちに有利になるってんなら……」
愛銃の召喚式『アイン』を手に、零は吹っ切れたように笑った。
「めいっぱい楽しまないとなぁ――くく、ハハハ!」
スイッチが入ったようにテンションが爆上がりになる零。さあ、レッツパーリィ!
(「ははあ、なら邪魔にならないように踊らないとね」)
クーナは天井近くの上空から、零の立ち回りを妨げぬよう配慮しながら舞い踊る。
零は愛銃を構えると、ダンスのお誘いを軽やかに。
「よう、オレと一曲踊らない?」
『フザケテイルノカ……! コノ戦イハ、遊ビデハナイノダゾ……!』
ギリギリまで顔を近づけて誘うも、つれなく突き放されてしまう。
「なんだよ、ノリの悪い奴は嫌われるぜ?」
不服そうに言うのはあくまでポーズ、零はこの展開を最初から読んでいた。
「ひひ、ま、そっちの返事なんざハナから聞く気ないけどなァ――!」
ばぁん!
螺子式ディーヴァの足元目がけて銃による威嚇射撃を軽く一発。
『ヒッ……!?』
「あはは、悪くないステップ。でも、もっと上手く踊れんじゃねーの?」
咄嗟に後方へと飛び退った災魔を見て、零は満足げに笑ってみせる。
「ダンスってのは、こうすんだよ!」
そう叫ぶやいなや、零はブレイクダンスのような動きで災魔へと迫る!
いつ銃でぶち抜かれてもおかしくない恐怖からか、災魔たちは右往左往。その様がまるである種のダンスにも見えて、パーティ会場はより一層盛り上がる。
「きひひ、どうだい悪魔の踊りは?」
「「「ステキーーーーー!!!」」」
「ひひ、ヒャハハ!! さあ、踊れ踊れぇ!!」
オーディエンスを完全に味方につけて、零のダンスはクライマックスを迎える――!
零のブレイクダンスから漏れ出た災魔は、クーナが優雅にお相手する番。
上空から一気に直滑降で災魔の眼前に躍り出ると、器用に跳ねたり回ったり。
銀槍ヴァン・フルールはたちどころに白銀の小竜の姿に変わり、ダンスの合いの手を入れてくれる良き相棒となる。
小さな体躯ながらどこかしら艶めかしく、災魔を挑発するように踊りつつ、頭に血が上った災魔がクーナ目がけて突っ込んで来れば、再び高く舞い上がると白銀の小竜をランスに戻し――。
「こんな趣向はどうだい? 【風花は舞い散り(カザバナマドイ)】」
――ぶわっ!
突撃槍から放たれるは、雪混じりの花吹雪。
「雪華の舞には、調子外れの音は似合わない――乱入者はご退場を!」
魔女猫が繰り出す雪華の魔法は、見る者全てを魅了する。芝居がかった口調が光る。
「ラタタン先生、どうでしたか?」
クーナは再びラタタン先生の元へ。
「猟兵の方々は、やはり、すごいものだねえ」
アンチョビピザをもっきゅもっきゅしながら、先生は満面の笑みでそう答えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鵜飼・章
仮装:蚕蛾(南瓜行列2020)
勝手に殺さないでくれるかな
(窓を開けて会場に押し入ってくる)
幻覚だと思った?本物だよ
災魔が突破できる警備は僕も突破できるさ
これもパーティの演出として楽しんでほしいな
柊くん?死んだんじゃないかな…
ネタ依頼にもろくに対応できない実力で
僕を差し置いて南瓜行列に参加するなんて
無茶するから…元々死んでるか
まあ彼は真面目に戦うしか能がないから心配無用だ
それより災魔さんを残り100字で倒さないといけない
けど鵜飼章(カイコガのすがた)は
なにもできないという設定なんだよね
UCで設定を変えよう…
地の文の精霊の力で攻撃するよ
よろしくお願いします
僕は本当に会場に来ていたのか?
真相は不明だ
●まさかのキャラ変ですわ
ところで、窓の外を見てみよう。
柊・はとりという青年が『奴は死んだよ……』と空に浮かべた人物の顔が――。
「勝手に殺さないでくれるかな」
「「「ギャーーーーーーッ!!?」」」
そう、鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)が窓を開けて会場に押し入ってきた!
「幻覚かと思った? 本物だよ」
てっきり本当にお空の星になったものかと思っていたチョロい学園生の皆さんには刺激が強すぎたか、災魔よりもおっかないものを見る目で章を遠巻きにしている。
「災魔が突破できる警備は僕も突破できるさ、これもパーティの演出として楽しんでほしいな」
ほら、と自らの仮装を見せながら不敵に笑む章。なるほどこれは蚕蛾、儚くも美しい。
相手が猟兵と分かれば学園生の態度も軟化する、そういえばサイボーグドラゴニアンの仮装をしたイケメンの姿が見えないと問われれば。
「柊くん? 死んだんじゃないかな……」
「そんな……!」
「ネタ依頼にもろくに対応できない実力で、僕を差し置いて南瓜行列に参加するなんて無茶するから……元々死んでるか」
主に女学生から悲鳴が上がる中、猟兵としては一応先輩である章が冷静にはとりを分析する。
「まあ、彼は真面目に戦うしか能がないから心配無用だ」
ここから先は任せておけ、そう言わんばかりに章が蚕蛾のマントを翻した。
「それより災魔さんを残り百文字で倒さないといけない」
メタ発言来たーーー!
「けど、鵜飼・章(カイコガのすがた)はなにもできないという設定なんだよね」
モデルの生態に忠実ーーー!
どうするんですか、どうするんですか!?
「ユーベルコードで設定を変えよう」
そんな気軽に設定変更なんてできるものなんですか!?
――【シュレディンガーの猫】。きみが、そう思うなら。
待って、待って『地の文の精霊』って何すか!?
よろしくお願いしますって、うーんこの丸投げっぷり懐かしいですわね!?
何か設定自由にしていい感じの鵜飼・章さんがこの手に託されている! ヒィ!
うーんうーん、この鵜飼さん、風の属性とか持ってそうというか……。
えっとえっと、強さは自身の『非実在性』に比例する……?
じゃあ、こうだ!
こんなの鵜飼さんじゃない! っていう感じにすればつよつよになるんですね!?
「僕は鵜飼・章……学園の平和を乱すものは、決して赦さない……」
とかかな! うわ絶対章さんこんなこと言わない!! どうだこんにゃろう!!
『『『アバーーーーーッ!!!』』』
カッコいいポーズを決めただけで、災魔たちが吹っ飛んでいく。
「僕は本当に会場に来ていたのか? 真相は不明だ」
ほらーーーご本人はこんな飄々とした感じだもんーーー! カッコいいーーー!!
大成功
🔵🔵🔵
夏目・晴夜
◎
リュカさんf02586と
リュカさん、新しい悪戯を思い付きましたよ
流石はハレルヤ、褒められる男です
さあ、トリックオアトリートと言っても良いですよ
言っても良いですよ
いや言って下さいよ!私の気はまだ済んでないのに
カロリーとハレルヤハートとどっちが大事、って誰ですか鬱陶しい!
あー敵ですか
じゃあコイツでいいや
コレに悪戯きめますから見てて下さいね、リュカさん!
ほら、トリックオアトリートは?
悪戯一丁入りました、ドジっ子メイドなニッキーくんのハプニングハグですよ
(メイド服姿の戦闘特化人形を繰り出し)
どうですか、この珠玉の可愛さ!
まだ生きてます?ニッキーくん、次はハプニングエルボーで
最高。凄く可愛いですよね…
リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と
え、悪戯?
いやもう、気は済んだっていうか
引っ張るネタではないと正直…
ちょうどほら、食事中だし
俺はほら一週間分ぐらいのカロリーを…
ええいやかましい……
あ
お兄さんあそこ
(丁度いいや。お兄さんに任せておこう
じゃあ、ほらとりっくおあとりーと。
お兄さんの、ちょっとすごいとこ見てみたい
あ、うん。
…うん?
なんかえらいえげつなくすプラッタ感のあるものを見たような、気が
…まあいいや
そうだねー。かわいいねー
ほらまだ生きてるみたいだよ。頑張って
うんうんすごいすごい(雑
俺?ほら俺は、食べるから。お兄さんのいたずらを見守ることにするよ
(基本放置するがあんまり大変そうなら手を貸す
でも大体放置する
●ニッキーくん、大活躍の巻
宴もたけなわ、という所か。
空になった紙皿が災魔に向けて投げつけられたり、だいぶしっちゃかめっちゃかな様相を呈してきたパーティ会場で、いいこと思い付いたの顔で夏目・晴夜がリュカ・エンキアンサスに何事かをお願いしていた。
「リュカさん、新しい悪戯を思い付きましたよ。流石はハレルヤ、褒められる男です」
「え、悪戯? いやもう、気は済んだっていうか」
「さあ、トリックオアトリートと言っても良いですよ」
「引っ張るネタではないと正直……」
「言 っ て も 良 い で す よ」
お酒でも入ってるのかな? という勢いでリュカに絡んで行く晴夜。リュカはといえば今まさに一週間分くらいのカロリーをもっくもくと摂取している最中であるからして。
「ちょうどほら、食事中だし」
「いや言って下さいよ! 私の気はまだ済んでないのに!」
『チョット、災魔ノ襲撃ダトイウノニ何故食事ニ夢中ニナッテイルノカ』
「ええい、やかましい……」
『アノ』
「カロリーとハレルヤハートとどっちが大事、って誰ですか鬱陶しい!!」
会話が続いていたならきっとリュカさんは光の速さでカロリーの方が大事と答えたんだろうなあと思いつつ、ここで災魔の登場です。
「あ。お兄さんあそこ」
丁度いいから晴夜お兄さんに任せてしまおうというノリで、リュカが災魔を指さす。
「あー敵ですか、じゃあコイツでいいや」
『何カ扱イガ雑ジャナイ???』
「災魔の分際で丁寧に扱ってもらえるとでも思ったんですか。よし、コレに悪戯キメますから見てて下さいね、リュカさん!」
ばちこーん、と晴夜がリュカに向かってウインクひとつ。
やれやれと観念したようにリュカが淡々と魔法の言葉を紡ぐ。
「じゃあ、ほら『とりっくおあとりーと』」
おにーさんの、ちょっとすごいとこみってみったい。
お世辞にもやる気があんまり感じられない手拍子で、リュカが合いの手を入れる。
けれども晴夜にとってはそれで十分だった。腕まくりをしてキュイッと繰り糸を引けば。
「悪戯一丁入りました、ドジっ子メイドなニッキーくんのハプニングハグですよ!」
ギャーーーーーッニッキーくん待ってた!!! ハプニングハグされたさすぎる!!!
実際されちゃった災魔さんは身体のあちらこちらがあらぬ方向にひしゃげてますが!
一方のリュカさんの反応は、多分こっちの方が至極まっとうなものだと思うのですが。
「あ、うん。……うん?」
ぎゅっぎゅ。心優しいニッキーくんはハグする相手を選びません。博愛主義!
果たしてこの光景は有り得てしかるべきものなのかの判断に迷い、両目をごしごしするリュカ。
「なんかえらいえげつなくスプラッタ感のあるものを見たような、気が」
「どうですか、この珠玉の可愛さ!!」
「……まあいいや。そうだねー、かわいいねー」
戦闘特化型からくり人形『ニッキーくん』、怖くて誰もが震え上がる見た目をしたソレを、晴夜は心から溺愛して止まない。
だって、その外見からは想像も出来ないほどに、ニッキーくんは優しい心の持ち主なのだから。
――え? 外見だってとっても可愛い? そうですよね、失礼しました!
『……、……ッ』
ニッキーくんの剛腕の中で、軋みながら災魔が悪あがきをするのを見て、リュカが指摘をした。
「ほら、まだ生きてるみたいだよ。頑張って」
「おや、まだ生きてます? ニッキーくん、次はハプニングエルボーで」
~しばらくお待ち下さい~
「うんうんすごいすごい」
喰らってみたい技2021に圧倒的ノミネートされそうなハプニングエルボーが炸裂した後も、リュカは雑にあしらいつつ貴重なエネルギー源をはむはむもぐもぐと口に運ぶ。
「最高……凄く可愛いですよね……」
災魔をやっつけて(マイルドな表現)ポーズを決めるニッキーくんに恍惚としながら身をよじらせる晴夜を放っておいて、リュカはひたすら美味しい食事を堪能する。
「俺? ほら俺は、食べるから。お兄さんのいたずらを見守ることにするよ」
そう言いつつも視線はチラチラと大暴れする晴夜の方へ。本当に大変そうだったら手を貸そうかな、なんて思っていたけれど、見た感じ大体大丈夫そうでひと安心。
「これは……求肥を使ったお化けモチーフのデザート……」
はむ。
甘いものもまた、貴重なエネルギー源。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
木常野・都月
ああ!あの時の災魔!
久しぶりだな!戻ってきたのか!懲りないんだな!
…ってこのシーン、最近見たような?
(実は災魔の人って、本当はハロウィン楽しみたいんじゃないか?
この間、そんな素直にネコチャンを可愛がらない影朧…オブリビオンを見かけたんだよな。)
あの時の影朧は、立場があると言っていた。
もしかしたら、災魔にも立場があるのかもしれないな。
まあ折角のお祭りだ、楽しもう!
チィおいで!お手伝いだ。
UC【エレメンタル・ファンタジア】で月の幻影の濃霧を起こそう。
月光の魅せる[催眠術]で、楽しい幻を見せよう。
確か「演出」っていうんだっけ?
美味しいお茶と、美味しい食べ物があるんだ。
あとは楽しい出し物だろう?
雷の精霊様にパチパチ空中放電して貰ったり。
チィの月光と、光と闇の精霊様には幻想的な濃霧の中で踊って貰ったり。
たまには、こういうのもいいだろう?
他に混ざりたい精霊様が居るなら一緒に楽しもう。
学園の先生や生徒には、素敵な幻想を。
そして災魔には、雷の精霊様を。
[魔力溜め]た[属性攻撃]で、どーん!!ってしよう。
●素直になれないお年頃
教室の出入口から入ってきてはボコされて帰っていくのを繰り返す災魔『螺子式ディーヴァ』の姿を、木常野・都月は忘れずに覚えていた。
「ああ! あの時の災魔! 久しぶりだな! 戻ってきたのか! 懲りないんだな!」
『『『ウルセエエエエエエエエエエエ!!!』』』
純粋に懐かしい気持ちから声をかけたのに返ってくるのが罵詈雑言というのも可哀想だけれど、都月くんもどこか無意識に煽ってるから仕方がない。
都月は都月でそんな災魔の反応を『元気そうだなあ』で済ませているから大物だ。
「……ってこのシーン、最近見たような?」
そうしてふと、既視感を覚える都月。
あれは桜舞う異世界のこと、解決してからそう時間も経っていない事件。
あの時のオブリビオン――影朧は『好きなものを好きと素直に言えない』存在だった。
愛らしいネコチャンを、素直に可愛がれないでいたオブリビオン。
それが、不思議と眼前の螺子式ディーヴァたちに重なるような思いだった。
「実は災魔の人って、本当はハロウィンを楽しみたいんじゃないか?」
『『『ナン……ダト……!?』』』
故にそう素直な所感を都月が漏らした瞬間、災魔たちがいっせいに振り向いた。怖い。
「あ、いや……あの時の影朧は『立場がある』って言ってたし。もしかしたら、災魔にも立場があるのかもしれないしな!」
うん、その、忘れて欲しい!
そんな風にどうどうといきり立つ災魔さんをなだめようとする都月は、しかしぐぎぎと妙な軋みを立てながら苦悶する災魔さんの呻き声を確かに聞いたのだ。
『ソリャア……毎年返リ討チニサレレバイイ加減懲リルッテ……』
『何ナラ宴ガ楽シソウニ見エテキタッテ……オカシクナンカナイ』
『ダガ! ソノ通リダトモ! 我々ニモ立場トイウモノガアル!』
オブリビオンというのも色々と大変なんだなあ、なんて。
都月は苦笑いをしつつ、肩に乗せた月の精霊『チィ』と共にその場で一回転。
「まあ折角のお祭りだ、楽しもう!――チィおいで、お手伝いだ!」
「チィ――!」
手にしたティーポットからもくもくと溢れるように、霧めいたものが噴き出してたちまちパーティ会場を包み込んでいく。
それはさながら月が見せる幻影のごとき濃霧。
月光の魅せる催眠術は、会場に集う存在すべてに等しく楽しい幻を見せてくれる。
「こういうの、確か『演出』っていうんだっけ?」
文字通り夢のような光景に、会場の学園生たちは美味しいお茶と美味しい食べ物をより充実した環境で楽しむことができる。
ならば、あとは楽しい出し物があってしかるべき。
都月がさらなる精霊様を喚べば、雷の精霊様はバチバチと空中で放電してみせる。
光と闇の精霊様には、チィの月光と共に幻想的な濃霧の中で踊ってもらったり。
「たまには、こういうのもいいだろう?」
あっという間に雰囲気マシマシになったパーティ会場で、参加者たちは皆おおはしゃぎ。
けれども災魔と来たら、往生際悪く霧の中でもがきながらパーティをぶち壊しにしようとしている。
「ダメだな、そういうのはダメだぞ」
ふぅとため息ひとつ、都月はエレメンタルロッドに溜めた雷の精霊様の力を思いっきり解放し、どーん!! とまとめて吹き飛ばした。
「素直にパーティを楽しむって約束できるなら、仲間に入れてやるのに」
都月はそう言って小首を傾げる。
オブリビオンにはオブリビオンの事情があるから、仕方がないかも知れませんね。
大成功
🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
◎
災魔の冷静さを欠く為、良ければスリジエに協力を頼みたい
…ところでスリジエ、ダンスは踊れるか?
パーティを続けながら戦うなら大きく動けるダンスがいい、その相手をスリジエに頼んでみる
俺は全く踊れないわけではないが、特別に得意でもない
スリジエが踊れるなら教えてもらい、知らなければこちらが教えてもいい
何事も経験だ
会話やダンスを続けながら、ユーベルコードの効果も併せて災魔の接近を警戒
災魔が出す金属がきしむような音を探るのは容易…俺の耳がそんなに気になるか?…そうか
構わない、そのまま見ておくといい
災魔を気にするより、興味のあるものに注目している方が気が楽かもしれない
災魔が向かってきたら返り討ちだ
パーティで普段の銃というのも無粋かと考え、ベルトに差した数本のナイフを使って攻撃を
衣装に合わせれば武器を装備しても悪目立ちしない事は仮装の利点だな
踊りながらであればターンに合わせて薙ぎ払ってみたり、投げナイフの要領で投擲する
おっと…攻撃のタイミングでステップが乱れたな
すまないスリジエ、もう一度頼む(大真面目)
●シャルウィーダンス?
混乱、というにはいささか和やかな雰囲気さえ感じられる騒動の最中、シキ・ジルモントは桜色のミレナリィドール・スリジエに声をかけていた。
「……ところでスリジエ、ダンスは踊れるか?」
「え? あ……あの、少し、でしたら……」
突然のシキの申し出に、スリジエは頬を赤らめつつもドレスの裾を整える。
当然これはナンパとかそういう邪なものではない、災魔の冷静さを欠くための策だ。
シキは至って真面目な顔ですいと手を差し出し、桜の乙女を舞踏に誘う。
海賊風の偉丈夫とのペアは、会場の人々の目を大いに惹いたという。
「パーティを続けながら戦うなら、大きく動けるダンスがいい――その相手を頼みたい」
シキの要望を聞いたスリジエは、こくこくと頷いて受諾の意思を示す。
「俺は全く踊れないわけではないが、特別に得意でもない」
「……私、も……リードさえして、いただければ……」
自主性に欠ける部分はダンスにまで影響していた――! けれどもダンスは二人の心を合わせて踊るもの、シキはそれを理解していたから優しく笑ってただ頷いた。
「何事も経験だ、やってみよう」
「は……はいっ」
学園生有志による楽曲の生演奏は続いている、ちょうど曲の切れ目ということもあり、ダンスのステップを踏み込むには丁度良いタイミングであった。
「それにしても、本当に元気そうで何よりだ」
「シキさん、も……色々と、大変な中、ありがとうございます……」
そのステップは、お世辞にも優雅で大胆というにはやや遠く、互いに互いを支え合う仕草がとても微笑ましいものであった。
けれどもその挙動がかえって周囲の心を温かくさせ、いつしかシキとスリジエのペアのために場所を空けてくれるようになっていったのだ。
そんな中でもシキは狼の耳をピンと立ててユーベルコードを発動させながら、災魔の接近を油断なく警戒して――。
(「災魔が出す金属がきしむような音を探るのは容易……ん?」)
なんというか、ものすっごい視線を感じた。
スリジエが、桜の瞳で己の耳をガッツリ見ていた。
「……」
「……はっ、あっ、ご、ごめんなさ……」
そうかそうか、そんなに気になるのか。
「――構わない、そのまま見ておくといい」
スリジエにまで災魔のことを気にかけさせるより、興味のあるものに注目している方が気が楽かもしれなかろう。
ぴこ、ぴこん。
――そうしてシキの耳は、ついに災魔の襲来を感知する。
『優雅ニダンスナド踊リヤガッテ――!』
『コッチハ本気ナンダヨ! カカッテ来イ!』
すっかり頭に血が上ってしまった災魔さんが、命知らずにもシキとスリジエの前に出る。
「威勢が良いことだな――返り討ちだ」
パーティで普段の銃というのも無粋かと考えたシキは、ベルトに差した数本のナイフに手を滑らせながら、スリジエに囁く。
「少々荒く動くが、ついて来られるか」
「は……はいっ」
返事と同時、シキはターンの動作と共に三本のナイフをまとめて投擲。
三体の螺子式ディーヴァを、一撃の元に沈黙させた。
「衣装に合わせれば、武器を装備しても悪目立ちしない事は仮装の利点だな」
「そう、ですね……。違和感、ない……です」
何とかシキの動きについてきているスリジエが同意する中、さらに二体の災魔が。
「もう一度、さっきのターンを行くぞ」
「……っ!」
すっかり息が合った二人が思いきった踏み込みでターンを決めれば、同時に放たれた薙ぎ払いの斬撃で一体、投げナイフの要領で投擲された一撃でもう一体が斃れる。
「おっと……」
「きゃ、っ」
攻撃のタイミングで、ステップに少々の乱れが生じた。
「すまないスリジエ、もう一度頼む」
仕事も娯楽も真剣に。シキは大真面目に桜色の臨時パートナーにお願いした。
●エピローグ
こうして、今年のアルダワ魔法学園のハロウィンパーティも、猟兵たちの活躍で無事まったくの被害を出すことなく幕を下ろすことができたという。
多少の建物の損傷は、まあ、修繕すれば元に戻るから大丈夫。
いつか、災魔の側のわだかまりが解けて、共に楽しめる日が来るのだろうか?
中々に難しい話だとは思うけれど、夢のある話ではなかろうか。
何にせよ、何度襲撃を受けようと、猟兵たちが駆けつけるから心配なし!
大成功
🔵🔵🔵