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ずるいこだれだ

#アリスラビリンス #お祭り2021 #ハロウィン #真面目な方のみみずね #ハッピーじゃないハロウィン #ハッピーは作り出すもの

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●ねぇ、きみも。
 ぼくたちのおうちへようこそ。
 ベッドも使っていいし、
 おやつだってたべていい。

 ねぇ、いっしょにいてくれる?
 ずっと、ずーっとぼくらといっしょに。

 枯れても、
 病んでも、
 死んでも、
 埋めても、 そのあとも、

 ずっと、ずっと、ずーーーっと!

●かぼちゃに呼ばれて
「あー……今年もハロウィンだなー……」
 憂鬱そうにそう言うのは、グリモア猟兵エリオス・ダンヴィクトル(陽はまた沈む・f27010)。普段は陽気なこの男だが、何故かハロウィンとなるとテンションが低い。
「予知は去年に引き続き、アリスラビリンス。ハロウィンの国での予知だ」
 あ、去年の予知のあの国。今は平和になってるよ。

「で、平和にパーティーが開かれてるんだが……」
 早めのハロウィンパーティーではない。とあるアリスの送別会。自分の扉を見つけておめでとうパーティー。お別れの前に、最後にハロウィンの国でパーティーをしようと、誰かが言い出したのだそうで、今はスイーツパーティーの真っ最中。
 みんなも楽しんで来てくれていい。
「だが、そこに招かれざる客がくる」
 これまでアリスが世話になったたくさんの愉快な仲間たちが招待される中、招待されなかったもの。アリスが向こう側に行くのを引き止めるもの。

「……全然悪気はないんだと思うけど、さ」
 だめなんだ。あれらと一緒にいても、アリスはしあわせになれない。どこへも行けない。彷徨った果てに、オウガに成り果てるだけだ。
「止めてやってくんねぇかな」
 少しだけ情けない顔で、エリオスはそう言う。

「あ、ちなみにもう一度言うけど『ハロウィンの国』だからな。相変わらず衣装は飛び出てくるぞ」
 着るとパワーアップするすごいやつ。だが、出てくるのはランダムなので、変なのも混ざっている。
「安全を考えたら着たほうがいいから、なるべく着てくれよな!」
 俺は関係ないからとばかりに急に笑顔!

「そんなわけで、後味良くないだろうが、付き合ってくれるやついたらよろしく」
 俺には何もできないからさ。後はみんなに任せるよ。それじゃ。

「Good Luck」


みみずね
 (【注意】)
 どうしてもハロウィンやりたくて滑り込みましたが、タイミング次第ではハロウィンまでに終わらないかもしれません、ご了承ください。
 このシナリオは二章までで完結する短いシナリオです。

 さて。早いもので、一年ぶりのハロウィンシナリオです。こんにちは、みみずねとかいう体調ふにゃふにゃマスターでございます。
 今回はさくっと、脳みそ空っぽで書きたいなとは思っていますが体調次第で速度、分量ともにブレブレになることをご承知おきください。

●一章(日常)
 食べたいスイーツをお好きにどうぞ。一緒に作っても楽しいかもしれませんね。

●二章(集団戦)
 アリスを追いかけてオブリビオンがやってきます。
 なお、この襲撃の直前に、森から突然『意思を持つコスプレ衣装』が飛び出してきます。着てあげるとプレイングボーナスが発生します。
 どんな衣装か、あるいはその衣装を着ないのか、プレイング文にお書きください。

(【オープニング公開すぐ受付開始します】)
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第1章 日常 『スイーツ・ヘヴン』

POW   :    独特な素材の斬新なスイーツ

SPD   :    フルーツをふんだんに使ったスイーツ

WIZ   :    趣向を凝らしたお洒落なスイーツ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『獣耳以外立ち入り禁止』の立て看板が地面に落っこちている。この国はかつてそんなハロウィンルールがあったらしい。
 今では別にそんなことはない。
 森の動物たちが、楽しくパーティーを開いている。
 ……いや、動物たちばっかりなので実際獣耳だらけなのだが。

 君たちは好きなテーブルに、あるいは調理台へ向かい、好きなスイーツとの時間を楽しむことができるだろう。どんなものでも構わない。君がスイーツと言いはればそれはスイーツと認められる。おいしいは正義だ。
シウム・ジョイグルミット
アリスに森の愉快な仲間たちー、時計ウサギが遊びに来たよー!
んー、美味しい匂い……もう食べるのが待ち遠しいね♪

帰るべき道を見つけたんだねアリス、おめでとー
よかったら最後の道案内は、ボクがしてもいいかな?
大変だったこと、楽しかったこと、色々聞いてみたいしね
でも今は、仲間たちとお菓子をいっぱい食べるのが大事
一緒にめいっぱい盛り上がってこーっ!

ボクも1つ、お菓子のプレゼントをさせてもらおうかな
『Hungry Dumpty』召喚!
木を1本丸ごとブッシュドノエルに変えちゃうよ
ここからカボチャ型のチョコとか、オバケをイメージした綿菓子を飾りつけて、ハロウィンツリーの完成!
さぁ、遠慮せず豪快に齧りついちゃえ!




「アリスに、森の愉快な仲間たちー!」
 パーティー会場に響く声。
「時計ウサギが遊びに来たよー!!」
 そう元気に声をかけたのは、シウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)、緑髪の元気いっぱいな時計ウサギだった。
「んー、美味しい匂い……」
 シウムは目を閉じて、意識を鼻に集中する。するまでもなく、あたりはスイーツのいい匂いでいっぱいだ。
「もう食べるのが待ち遠しいね♪」
 そう言って笑えば、愉快な仲間たちも合わせて笑い、アリスも微笑んだ。

 笑顔の中心にいるアリスに、シウムは話しかける。
「帰るべき道を見つけたんだねアリス、おめでとー」
 心からのお祝いを贈る。道を見つけられないアリスはたくさんいる。自分の扉が分からないまま、悲しい目に逢うアリスを、シウムもこれまでたくさん見てきた。
「……よかったら最後の道案内は、ボクがしていいかな?」
 扉までの道を案内する役、ボクにくれないかな。これまでキミが辿った道、大変だったこととか、楽しかったこと、色々聞いてみたいしね。歩きながらでもいいから教えてほしいな。
 でも、
「で、もー」
 今はそれは置いといて。仲間たちとお菓子をいっぱい食べるのが大事。この世界での最後の時間だもの。
「一緒にめいっぱい盛り上がってこーっ!」
「おーっ!」
 声を合わせて、愉快な仲間たちが応えた。

 それじゃ、盛り上げついでに、
「ボクも1つ、お菓子のプレゼントをさせてもらおうかな」
 『Hungry Dumpty』召喚!
 ちょっとボクのお腹が空くけど、これからみんなでスイーツ食べるんだからいいよね♪
 効果で大木を1本、丸ごとブッシュドノエルに変えちゃうよ!
「おっと待って、それだけじゃないよ」
 おっきなケーキはそれだけで充分に魅力的だけど、まだまだこれから。ほらほらそこのうさぎのキミ、そっちのお皿から持ってきて!
 ここにカボチャ型のチョコをトッピング。それにそれに、オバケをイメージした綿菓子をふわふわに飾りつけて、アイシングクッキーのコウモリもつけちゃおう……!
「どう?」
 クリスマスツリーならぬ、ハロウィンツリーの完成!

 わぁっと歓声があがる。素敵、素敵!
「さぁ、遠慮せず豪快に齧りついちゃえ!」
 大木ケーキに齧りつくなんて、もう二度とないかもよ? せっかくだから、さぁアリス! キミが最初のひと口をどうぞ!

 いただきます。
 アリスがツリーをひと口ぱくりと食べて、しあわせそうに笑ったのを合図に、他の仲間たちも我も我もと集まってくる。
「ボクの分も残してね!」
 なんて楽しい、素敵なハロウィンパーティー!

 ──おめでとうアリス。どうか向こうでも、元気でね。
 願いを込めて。
 みんなみんな、どうせなら笑ってお別れしたいものね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

津崎・要明
おめでとう、勇気あるアリスさん。
俺はレモンのレアチーズケーキをいただこうかな
さすがはアリスラビリンスのお茶会だ、聞きしに勝る優雅さだね。紅茶も美味しいし至福の時間だ。

さて、ご相伴に預かったお礼と言っては何だが、いい物を造ってみようか。
ひょいっと作業帽をかぶり、メカニックツールを取り出してUC

果物がころころ転がりながらチョコを纏っていく「ピタゴラチョコレートフォンデュグレートフォール」を作成、3つまとめて串に刺さってフィニッシュだ!勿論、普通に付けて食べるのもOK。

果物だけじゃなく、お菓子や野菜(こら、変な顔しない!)を入れても美味しいぞ。秋だし栗とか芋とか、南瓜なんかもいいんじゃないか?




「おめでとう、勇気あるアリスさん」
 津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)は祝辞を述べて、お茶会のテーブルへと向かった。
 どうぞどうぞ、と森の仲間たちが椅子を勧めてくれる。
 テーブルの上には様々なケーキ、パイ、クッキー、フルーツタルト……色々なスイーツが並んでいる。あなたのお好みは? と仲間たちのひとりが尋ねてくる。
「じゃあ、俺はレモンのレアチーズケーキをいただこうかな」
 はいどうぞ。どうぞ、召し上がれ!
 やいのやいの、とあっという間に切り分けられたレアチーズケーキが要明の前に運ばれてくる。それからもちろん、それにぴったりの紅茶も。
「さすがはアリスラビリンスのお茶会だ」
 聞きしに勝る優雅さだね。そう言うと、周囲の仲間たちは照れくさそうに揺れた。だって、せっかくのアリスのお別れ会だもの、素敵な時間をみんなに過ごしてほしいなって。
 要明は依頼でアリスラビリンスに来るのは初めてだったが、ケーキは美味しいし、紅茶も美味しいし、至福の時間だったと言える。

「さて」
 素敵なお茶会のご相伴に預かったお礼と言っては何だが、いい物を造ってみようか。
 何かしら、何かしら?
 ひょいっと作業帽をかぶり、メカニックツールを取り出した要明を物珍しそうに見る仲間たち。ユーベルコードは、【スキルマスター「メカニック」】。
 解析改造思いのままに。メカニックとしての腕を存分に奮ってみせよう。

 出来上がったのは不思議な装置。迷路みたいな、複雑なつくり。
「こうやって使うんだ」
 テーブルからいちごをひとつ取って、装置の一番上にある投入口に入れてみせる。ころころころころ。さらにもう一つ、追加でもうひとつ。全部で3つの転がるいちごは装置の中を通って、チョコレートを纏っていく。
 果物がころころ転がりながらチョコを纏っていく「ピタゴラチョコレートフォンデュグレートフォール」!
 転がり落ちた先で3つまとめて串に刺さってフィニッシュだ!
 おおーっと歓声があがる。
 あ、勿論、普通に付けて食べるのもOKだけど。パーティだからね、こうして見た目にも面白いのはいいだろう。

「果物だけじゃなく、お菓子や野菜を入れても美味しいぞ」
 ……こら、変な顔しない。好き嫌いは良くない。それに、野菜でも甘くて美味しいものある。例えば、スイートポテトの材料元はサツマイモだろう?
 秋だし、季節のものを入れるといい。栗とか芋とか、美味しいものはいくらでもある。南瓜なんかもいいんじゃないか?
 そう言った要明の話に納得して、仲間たちも次々とピタゴラしたいものを持ってくる。マシュマロの串刺しもいい感じにできたと喜んでいる。

 あれもこれもとアリスの前に、それから要明にも差し出されるピタゴラフォンデュされたスイーツたち。

 さあ、まだまだ、パーティを続けよう!

大成功 🔵​🔵​🔵​

幽遠・那桜
【桜犬】
アリスさんの為の送別会パーティですね!
お菓子、張り切って作っちゃうのです!
ね、フィッダさん!

とはいえ、何を作りましょう?
クッキー?マフィン?
はわ、パフェを作れる……のです?
パフェ、作れるです!?(きらきら)
すっごくいいと思うのです!!作りましょうー!
クッキー作れるのです!えっへん!
UCで、周りの精霊さんたちも手伝ってください!

パフェといえば、フレークとか、チョコパフェならチョコ、イチゴパフェならイチゴ……
欲張りさんは、全部のせ……はっ!
すとっぷですー!順番は大事なのですー!
完成図を確認しつつ、喫茶店のパフェをイメージです!

きらっきらのスペシャルパフェ!
フィッダさんも一緒に渡しましょー♪


フィッダ・ヨクセム
【桜犬】
那桜、送別会には何がいると思う
やはり甘いのがいいよ
俺様天才なのでは?

作るならパフェとかどう?
ん、適度に果物とか生クリームたッぷりにして乗せるだけだけど
生クリームに喜ばない奴はいねェと信じてる(超甘党の偏った偏見)
クッキーやマフィン、那桜は作れるのか?(生唾を呑む)
なあ、パフェの飾りにクッキー作る気ねェ…?
精霊たちも好きな果物教えてくれよ
皆の好きを集めて載せようぜ!

UCで完成予想図の落書きをして確認だ
フレークと苺がここなら……那桜?
慌てた彼女の案をなるべく採用しよう
俺様のパフェは雑に重ねまくりなだけになりがちだ
やはり女子なんだなあ、参考になる(真面目)
きらきら欲張りパフェおひとつどうぞ?




「アリスさんの為の送別会パーティですね!」
 パーティと聞いてわくわく顔でそう言ったのは、珍しく桜の枝が目立たない桜の精、幽遠・那桜(輪廻巡る霞桜・f27078)だ。
「お菓子、張り切って作っちゃうのです! ね、フィッダさん!」
 那桜はそう言って、フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)を振り返る。ああ、とフィッダも頷いて、
「那桜は、送別会には何がいると思う」
 二人して、うーんと考えてみる。送別会ってどんなのだろう。お別れ会。見送る会。だけど悲しくない、楽しくて喜びに満ちた、そういう会にしたいのなら……。
「やはり甘いのがいいよ」
 パーティに欠かせないといえば、おいしいもの。中でも甘いものは特別だ。おめでたいときにはケーキで祝う……人間にはそういう習慣がある、と思い至る。
「俺様天才なのでは?」
 その思いつきを自画自賛するフィッダだったが、那桜の記憶にもそれは心当たりがあった。
「とってもいいと思います!」
 ぴょんと跳ねて元気に賛同した。
「とはいえ、何を作りましょう?」
 小首を傾げる。クッキー? マフィン? それともケーキ、パイとか……甘いもので素敵なパーティにぴったりのもの、それでいて自分たちで作れるもの、なんだろう?

 そこまでまたピンときた顔をしたのはフィッダのほうだった。
「作るならパフェとかどう?」
「はわ。……パフェを作れる……のです?」
 那桜は驚いて、目をまんまるにする。那桜にとってパフェはお店で出てくるもので、しかもとびきり贅沢な品だ。作るという発想はまるでなかった。
 まんまるにした目を今度はきらきらさせる。期待と尊敬のまなざし。
「フィッダさん、パフェ、作れるのです!?」
「ん、」
 別に難しくないぞ? とフィッダは笑う。Parfait〈完璧〉という名前とは裏腹に、材料さえあれば素人でも作るのは簡単だ。
「適度に果物とか生クリームたッぷりにして乗せるだけだけど」
 だけ、とは言ってもたっぷり生クリームはそれだけで暴力的なまでに魅力的だ。
 なお、フィッダは『生クリームに喜ばない奴はいねェ』と信じてる系超甘党である。 ……甘党過激派の偏見かと思われるかもしれないが、実際生クリームはよいものだ。だってこの国の森の仲間たちも大好きだもの。
「すっごくいいと思うのです!!」
 那桜も大賛成だ。
「作りましょうー!」
 やる気満々の那桜に、ふと思い出して訊いてみる。さっき案を出していたときに那桜の口から出たいくつかのものについて。
「……パフェじゃなくてクッキーとかマフィンなら、那桜は作れるのか?」
 ごくり。生唾を呑む。生クリームには及ばずとも、立派なスイーツの数々だ。
「クッキーつくれるのです!」
 えっへん! とその小さな胸を張る。いいじゃん、クッキー。マフィンもいいけど、クッキーなら、
「なあ、パフェの飾りにクッキー作る気ねェ……?」
 パフェの彩りに添えることができる。二人で分担してパフェを作れば効率もいい。ナイスアイデア!!

「分かりましたーっ! 精霊さん!!」
 那桜はユーベルコードで周囲の精霊たちを呼び出し、お手伝いしてもらうことにする。森の中には様々の精霊がいる。もちろん、お菓子好きの精霊も。
「手伝ってください!」
 ボウルを出して、卵を混ぜて……。みんなでやれば早いのです。……だけど、
「あっ、だめですーっ?!」
 風の精霊さんはイタズラ好きで、小麦粉を小さな竜巻で巻き上げちゃった!(そのあとちゃんときれいにボウルに入れてもらいました)

 一方のフィッダは果物を選んでいるところだ。生クリームの間に挟まる果物は大事だ。そもそも、パフェと言えば何があるだろう。
「那桜は?」
 粉まみれになっているほうに意見を求めて声をかけてみる。
「ほわ……ふぁい。パフェといえば、フレークとか、チョコパフェならチョコ、イチゴパフェならイチゴ……?」
 なるほど、トッピングはフルーツにこだわることもなさそうだ。
「精霊たちも好きな果物教えてくれよ」
 どうせなら皆の好きを集めて載せようぜ!
 那桜のも、精霊たちのも、森の仲間たちも、もちろんアリスのもだ。
 自分の好きな生クリームは最大量載せるとして……フレークに果物、それにチョコレートクリームも挟んで……ふふふふふふふ。
 好きなものを好きなだけ載せて載せて載せる。ユーベルコード【sura】で、すらすらと完成予想図を落書き。魔法の万年筆が踊って、確認。フレークがここ、苺がここ。チョコがここで、こっちにはバナナ。一番上のトッピングに那桜のクッキーも載せて。
 ……完璧(Parfait)なのでは?

「それから、そうですねー。欲ばりさんなら全部のせ……はっ?!」
 粉まみれでようやくクッキーをオーブンに入れた那桜が顔を上げると、フィッダの描いた落書き完成予想図がふよりと浮かんで見えた。
 確かに何でも載せたらっていいって言ってたけど……それはさすがにやりすぎですー!!
「す、すとっぷ、すとっぷですー!!」
 慌ててストップをかける。あ、那桜? とフィッダもまた那桜のほうを見た。なんか変なとこあるかなと落書きを見せる。
「順番は大事なのですー!」
 あとバランス。フレークがちょっとで生クリームたっぷり、果物ちょっとにチョコレートいっぱいでは食べてる途中で絶対ギブアップする。
「そッか」
 なんか急に(フィッダ目線)慌てた那桜の意見を、フィッダはよくよく聞き出す。ただの重ねまくりじゃ見た目も悪いか、なるほど。
 俺様のパフェは雑に重ねまくりになりがちだからな。レシピだけでなく全体のバランスや見た目にも気を使えるのは、素直にすごいと思う。那桜もやはり女子なんだなあ、なんて思ったり。
「この辺はこうして……」
 図があるから那桜も指示を出しやすい。フィッダも真面目にその意見を聞いていく。二人で完成図を確認しつつ、素敵な出来上がりを目指しましょう。イメージは喫茶店のパフェです!

 ……。

 かくかくしかじか。
 フィッダの欲ばりと那桜のバランス感覚で完成したのは、果物と生クリームたっぷり、クッキーがトッピングされたきらっきらのスペシャルパフェ!!
 アリスは喜んでくれるだろうか?
「フィッダさんも一緒に渡しましょー♪」
 那桜の言葉にフィッダも笑う。並んで、パフェを差し出して。
「きらきら欲張りパフェおひとつどうぞ?」

 さぁ、召し上がれ!

 二人の合作。甘い甘い、至福のひとときをどうぞ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ストレンジ・レインボー』

POW   :    ソロモン・グランディの永遠
敵を【ぽこぽこ殴って皆】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
SPD   :     終末の過ごし方
技能名「【団体行動】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    奇妙な虹彩
自身が戦闘で瀕死になると【アリスを素材にしてストレンジ・レインボー】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ずるい、ずるい。
 君だけいってしまうなんて。
 扉の向こうにいくなんて。
 ぼくらをおいていくなんて。

 君だけしあわせになるなんて。
 ずるい。ずるい。

 ぼくらといよう。
 ぼくらとあそぼう。
 ずっと、ずっと、
 いっしょにあそぼうよ、ねぇ。
幽遠・那桜
【桜犬】
衣装はお任せ!
(去年のハロウィン衣装に近い物でも可!)
アリスさん達を守るのですよ!指一本触れさせないのです!
わわ、フィッダさん、衣装着ないのですかー!? って、すっごく速いのです……!
い、急いで私もお手伝いですー!

よーし、お着替え完了です!
フィッダさんがぽこぽこしてくれてるので、私はトドメとばかりにUC発動!
着てるもの以外の、飛んでくる衣装なら!
あ、フィッダさんにジャックランタンの頭をちょこんと乗っけられるでしょうか。えへへ!
フィッダさーん! 仮装、とっても素敵なのですよー!

近くに落としてくれるフィッダさんに続けて、真空刃の空間で骸の海に還すのです!
ふふん、簡単に逃げられないのですよ!


フィッダ・ヨクセム
【桜犬】
追いかけてきたオブリビオンを見つけたら
アリス達を守る方を優先だ
なんか飛んでくるかもだが俺様は無視する
那桜は後から付いてこいよ、引き付けておく!
UCで半獣化して自前の衣装(2021南瓜SD:和装の狛犬)を素早く着用
単騎で素早く突ッ込んでやる!
(ハロウィン装飾の頭飾り辺りならつけなくもねェけど)

飛翔力の上昇があッても飛行能力なんざねェし歪んだバス停(本体)を手に、結界術で即席足場を作ッて全力魔法で炎を纏ったバス停で上から叩き落としてやるわ
俺様と遊ぼうぜェ?アリスに幸せと、お前らの幸せは違うだろ?
痛いのは嫌だろ?

那桜が追いついて来たら、那桜の近くに落とし込む
俺様より優しいぜ?……多分なァ?




 真っ先にそれを視認したのは、フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)だった。

 いかないで。
 ぼくらといよう。
 ねえ、おいてかないで。

 七色の小さなオブリビオンたち──ストレンジ・レインボーは、口々にアリスを責めながら、求めながら、こちらへ向かってくる。
 フィッダはアリスをまず守ることを考えた。アリスをアレらに触れさせてはいけない。獣じみた直感は概ね当たっている。
「任せた」
 幽遠・那桜(輪廻巡る霞桜・f27078)に短くそう言って、アリスを誘導して隠れさせるのは那桜にやってもらうことにする。あとは、こちらから敵に接近して、時間を稼ぐ。先手必勝、なるべくアリスのいるここから離れるように。
「那桜はあとから付いてこいよ、引きつけておく!」
 後ろに言い置いて駆け出す。森からは色々な衣装が飛び出してきたが、無視した。ユーベルコード【محطة】を使えば、素早く半獣の姿へと変じる。これは鬣犬を仮体に憑依させた状態──ある意味でヤドリガミたるフィッダのもうひとつの姿でもあるが──コスプレをするとパワーアップするらしいので、変身ついでに自前の衣装を身に纏った。黒豹の夢路とおそろいの和風に神職風な服の狛犬である(ちなみに阿吽でいうとフィッダが阿だ。がおー)。

「わわ、フィッダさん、衣装着ないのですかー!? ……って、すっごく速いのです……!」
 い、急いで私もお手伝いですー!
 アリスを任された那桜は、とりあえず調理台の奥へとアリスを案内する。
「大丈夫、ここで待っててくださいね」
 あっ、森の仲間たちさんも心配なのは分かりますが……あ、集まっていると隠れてるのがバレちゃうので! ちょっとだけ離れててください!!
 あわあわとしながらもちゃんとみんなに指示を出す。
「みんなでアリスさん達を守るのですよ!」
 森の仲間たちさんも含めて、みんなには指一本触れさせないのです! と、気合を入れ直し、先に走り去ったフィッダを目だけでなんとか追った。
 早く着替えて追いかけなきゃ! でも、ええっと、何を着ましょう? 那桜は飛んでくる衣装を見比べる。うーん……そう言えば、さっき看板が落ちてたような……。

 そうしている間にも、単騎で素早く突っ込んだフィッダは歪んだバス停(一応本体)を手に、結界術で作った即席の足場を駆け上がる。飛行? 知らねェな。※キメラ化で飛翔能力が上がっていても、別に飛べるようになるわけではないのである。 だって鬣犬は鬣犬だから。
「俺様と遊ぼうぜェ?」
 笑う。半獣になったフィッダを前に、小さなオブリビオンたちはそれでも口々にさけぶ。
 アリスを求めて。

 いっしょに ずっと
 いつまでも 
 ずっと ぼくたちといて
 ねぇ、しあわせだったじゃない

 フィッダは手にしたバス停には全力魔法の炎を纏わせ、ことばを繰り返す彼らに、思い切り上から振り下ろす。違うだろ。勝手なこと言うな。せっかく自分の扉を見つけたあのこに。行く先を見つけたあのこに、パフェを食べて嬉しそうに笑ったあのこに、てめェの勝手を押し付けるな。勝手にひとを留めるな。
「アリスの幸せと、お前らの幸せは」

 違 う だろう ?

 吼えるように、言葉と一緒にうちおろす。
「違うだろうが!」
 あかいろの頭に、バス停が直撃する。あかいろのはぺしゃんこに。それでもきうきうと鳴いている。泣いている。
 いやだ。
 いやだ。おいてかないで。

「よーし、お着替え完了です!」
 鳴き、泣くオブリビオンを待ち構えていたのは、三角の獣耳を頭に、さらには虎のような長いしっぽを着けた那桜だった。いわゆるひとつの桜色の化けにゃんこ。着替えて追いついてきて、空中な駆け上がったフィッダのすぐ下まできている。
 フィッダさんが先にぽこぽこしておいてくれたので、那桜はトドメを担当します。ユーベルコード【空の術・歪みの先】で、飛んでくる衣装は全部無機物……なので、それらをかたっぱしから真空の刃に変換! ……あっ、今着てるやつは例外ですよもちろん!!
 近くに落としてくれるフィッダさんに続けて、真空刃の空間で骸の海に還すのです!

 追い打ちの一撃。フィッダは諭すように言う。
「痛いのは嫌だろ?」
 なら下へ行けよ、那桜が待ってる。那桜なら俺様よりは優しいぜ?
「……たぶんなァ」

「ふふん、簡単に逃げられないのですよ!」
 叩き落とされたあかいいろの、追いかけてきたきいろいのが真空に巻き込まれて潰れていく。ひしゃげていく。

 いっしょに いっしょに いっしょに ……

 悲しい声をあげて、呑まれていく。還っていく。かつてアリスと過ごしたおうちではなく、かれらのあるべき場所へ。骸の海へと。

 ……、
 …………。
 と、

「……あっ」
 ぽん、と思い出した那桜が声を上げた。
「へ?」
 ちょこんとフィッダの頭の上に載せられたのは、小さな小さなカボチャのジャックランタン。実は今さっきコードを解除したとき見付けたのです。えへへ!(してやったりの笑み)
 改めて見ると、お互いに今さらのハロウィン衣装。
「フィッダさん! 仮装、とっても素敵なのですよー!」
「……あァ、那桜も」
 満足げに頷く那桜に、ちょっと迷ってから、フィッダも似合ってるぜ、と返した。ほんのちょっとだけくすぐったくて。

 それでももう一度顔を見合わせれば、鬣犬が一匹に化け猫が一匹。奇妙な取り合わせに、思わずふたりで声を合わせて笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

津崎・要明
君たちは幸せじゃないのかな?
人の幸せを手放しに喜んであげられない時は、大概自分の裡に悲しみや苦しみを持つ時だよな。何で俺達は気付か無いまま人と自分を比べてしまうんだろうね。
だが、人の足を引っ張るのはいただけないぞ。

仮装はブギーモンスターだな。シーツを被って
「おばけだぞ〜、悪い子は食べちゃうぞ〜!」
ビットでアリスをバリア(結界)しつつシーツで受け流し
UCでアリスを背にぐるりと囲んで、近付けば触手で捕食
シーツの中は不定形のモンスターだぞ
俺がエゴな「好き」を喰ってやろう
子どものうちは誰かに幸せを仮託してしまう事もあるさ。

もしかしたら、君たちは帰る事が出来ずラビリンスで果てたアリス達の夢なのかもな。




「君たちは──」
 津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)な緑色の瞳が、小さなオブリビオンたちを見つめる。
「幸せじゃないのかな」

 どうして どうして
 おいてかないで
 たのしかったでしょう?

 ストレンジ・レインボーの声は繰り返す。あんなに幸せだったのに。ずっといっしょにいよう。行かないで、と。
「アリスは、これから幸せになるんだ」
 一緒にいて楽しかったのなら、アリスのこれからの幸せを喜んであげないと。本当に友達だったなら、旅立ちを祝福してあげなくちゃ。
(……でももし、それができないのだとしたら、それはいま、君たちが幸せじゃないからだろうね)
 要明は少しだけ目を伏せた。

 人の幸せを手放しに喜んであげられない時は、大概自分の裡に悲しみや苦しみを持つ時だよな。悲しくて、一人ぼっちで。苦しくて、誰かの幸せを羨んで。それだけのことなのに……何で俺達は気付か無いまま人と自分を比べてしまうんだろうね。

 その気持ちも分からないでもない。
「だが、人の足を引っ張るのはいただけないぞ」
 自分が幸せじゃないからって、他人の幸せを邪魔するのは間違ってる。要明はそう断ずる。

 さあ、ハロウィンパーティーの時間だ。
 飛んできた衣装をキャッチして着替える……といっても、その仮装は至ってシンプル。シーツを被ったブギーモンスター!
「おばけだぞ〜、悪い子は食べちゃうぞ〜!」
 ビットでアリスをバリア(結界)しつつ、ストレンジレインボーからの攻撃はシーツで受け流していく。
「(ちょっとだけ動かないで、我慢してね)」
 背にかばったアリスを真ん中に、ユーベルコード【喰らう植物の群れ】で召喚した触手でぐるりと囲む。シーツをかぶった、お化けの群れだ。近付こうとすれば捕食される。
 仮装を剥がそうとしないように。シーツの中は不定形のモンスターだぞ。

 どうして
 君ばっかり ずるい
 ずるい

 こえが、こだまする。
「……俺が、そのエゴな『好き』を喰ってやろう」
 どんなにアリスのことが好きでも、その幸せを妨害するような『好き』はいけないよ。
 子どものうちは誰かに幸せを仮託してしまう事もあるさ。本当は、君たちにも君たちの幸せがあるはずなんだ。

「……」
 触手がみどりいろを捕まえる。
「もしかしたら……君たちは帰る事が出来ずラビリンスで果てたアリス達の夢なのかもな」
 ひとりごとのような要明の言葉に、ストレンジ・レインボーは答えなかった。

 かえりたい。かえりたかった。さみしい。さみしい。
 繰り返された言葉。
 きっとその望みは、アリスと同じで。だからきっと、一緒にいた時間が楽しくて。

 だけどどうか、せめて今は。
「願ってあげてよ」

 これからはじまる、アリスの幸せを。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シウム・ジョイグルミット
止めちゃダメだよ、送り出してあげなきゃ
アリスの本当の物語は、あの扉の向こうにあるんだからね♪

衣装は飛び出してきたのを、なんでも着ちゃうよ
セクシーだったり変なのだったらちょっと照れちゃうかもだけど
着替えたら『Hungry Dumpty』を呼ぶよ
で、敵をどんどん捕まえてお菓子に変えていっちゃおー

ひと通り変え終わったら、そのお菓子を持ってアリスのところへ行くよ
この世界でキミと出会った誰かの本当に楽しかった気持ち、だったのかもしれないね
もうただのお菓子だけど、よかったら貰ってくれるかな?
アリスとずっと一緒にいたいっていう気持ちは、ボクも分かるしね

帰る時は、約束通りボクが案内するよ
元の世界でも元気でね♪





 まって
 いかないで
 おいていかないで
 いっしょにいようよ

 小さなオブリビオンたちの声がアリスを探す。引き止めようと、追いかけて。
「止めちゃだめだよ」
 静かに、諭すような声音はシウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)のもの。
「送り出してあげなきゃ」
 アリスはここから旅立つんだから。ね、一緒に過ごしたキミたちなら分かるんじゃない?
「アリスの本当の物語は、あの扉の向こうにあるんだからね♪」

 森から飛んできた衣装にさっと着替える。着替、え……ちょっ、なんでバニー服?! いや着れないこともないけどさ……大丈夫、着方は知ってるし……時計ウサギがバニーガールするのって二重にバニーで変じゃない? ちょっと露出も多くて恥ずかしいんだけど……。
 この間僅か2秒。

「おいで、『Hungry Dumpty』!」
 大きなお口のダンプティ。なんでも食べちゃうダンプティ。捕まえたもなのならなんでもお菓子に変えちゃう、お菓子の国の愉快な仲間。

 もどろう
 かえろうよ ぼくらと
 ぼくらのおうちに かえろう?

「ごめんね」
 アリスはキミたちとは行かない。もう戻らない。こぼれたミルクは戻らないのさ、悲しいことにね。そうだよね、ダンプティ。

 ハングリーなダンプティは触れるものみな、捕まえたストレンジ・レインボーをみんなお菓子に変えていく。あおいろもむらさきいろも、だいだいいろも、みんなみんな、お菓子になっていく。
 戦闘のあとに残るのは、レインボーにカラフルなお菓子たちだけだ。
「さぁ、アリス」
 そっと、ひとつひとつを大事に拾い上げて小袋に包むと、シウムはアリスの前をそれを差し出す。
「この世界でキミと出会った誰かの、本当に楽しかった気持ち、だったのかもしれないね」
 キミのことが大好きだったみたいだもの。キミと過ごして、楽しかった気持ちがいっぱいで……それをなくしたくなくて……。それで、あんなふうに追いかけてきたのかもしれない。
「もうただのお菓子だけど、よかったら貰ってくれるかな?」
 アリスとずっと一緒にいたいっていう気持ちは、ボクも分かるしね。
 ちょっと照れくさくなりながら言う。シウムだって時計ウサギだ。アリスとお別れするときの気持ちは、よく知っている。
 アリスは小さく頷いて、お菓子の袋を受け取った。

「じゃあ、行こっか」
 帰る時は、約束通りボクが案内するよ。扉までの道すがら、キミの楽しかった思い出を聞かせてね。

 お別れはさびしいけれど、悲しいことなんかじゃない。旅立ちのときだ。どうか、笑って手を振って。
「元の世界でも元気でね♪」
 いってらっしゃい、アリス。さようなら。

 どうか、どうか、しあわせにね。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月06日


挿絵イラスト