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災魔はハロウィンを襲う

#アルダワ魔法学園 #お祭り2021 #ハロウィン #装魔封災戦

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●10月後半のアルダワで
「やあやあ、ハロウィンの時期が近付いてきたね」
 グリモアベース、ケットシーのクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)がちょっとばかり楽し気な様子で猟兵達に呼びかける。
「ハロウィンに関連して皆にちょっとお願いしたいことがあるんだけどいいかな。アルダワ世界では毎年装魔封災戦……人類が災魔の仮装をして災魔の拠点に侵入し、大規模な奇襲で大量の災魔を封印した大作戦の戦勝を記念するお祭りとしてパーティをやってるんだけど、そのせいか災魔は本能的にハロウィンを忌み嫌うようでね。パーティ会場を襲撃してくるヤツもいるみたいなんだ」
 そんな事件の予知を拾ったから楽しいパーティの為に力を貸してほしいのだと、妖精猫は語る。
「今回私が予知したのは猫の国のパーティ会場だ。猫の国らしく気まぐれで猫尽くしな会場になっているみたいで、猫の料理人たちが腕によりをかけた料理とか飾りとかを楽しみつつ大小さまざまな花火で楽しめるみたいだよ。何となく秋祭りな雰囲気で……生きてる者も死んだ誰かも楽しめるように盛大にはしゃぐような感じらしいね。」
 料理は人間でも満足できるサイズの物も十分な数あるようで、仮装した妖精猫達がにゃんにゃか楽しく花火遊びに興じ盛り上げるのだとクーナは言って。
「で、そんな風に騒いでいると眠りネズミ達が怒り狂ってパーティ会場に雪崩れ込んでみんな眠らせようとするみたいだよ。ただ怒りに我を忘れている上にスゴい仮装をしている人を優先的に狙うから、猟兵達が仮装していればケットシー達に被害は及ばない。その上、災魔達に構わずパーティを続ければ更に怒らせることもできて隙だらけになるだろうからそこを纏めて叩けば楽に倒せるかもしれないね」
 そしてクーナはランプ型のグリモアを取り出し転送の準備を開始する。
「ケットシー達は義理堅いから、もしパーティを守ってくれたら恩に感じてもっとテンションも上がるだろうね。そんな猫達と一緒に盛大にパーティを楽しむのもたまにはいいじゃないかな」
 じゃあ頑張って楽しんでね、とクーナは話を締め括って猟兵達を猫の国のパーティ会場へと転送するのであった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 ハロウィン! ハロウィン!

 このシナリオはアルダワ世界の『猫の国』でハロウィンパーティを楽しみつつ怒り狂ってカチコミかけてきた災魔を撃退するシナリオとなります。

 第一章は猫の国のハロウィンパーティを全力で楽しんでください。
 この地のケットシー達は気まぐれなようですがパーティは全力で楽しむようで、仮装に花火に飾りつけに走り回って楽しんでいるようです。
 手持ち打ち上げその他色々魔法の花火があるようで、希望者は無料で使用できるようです。
 なお一番大きな打ち上げ花火はその年にいなくなった誰かを悼む為のもののようです。
 公序良俗に反していなければできる限り採用予定です。

 第二章はパーティ会場に乱入してきた『眠りネズミ』との戦いになります。
 こちらは冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。

 また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。

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 プレイングボーナス(全章共通)……仮装を行う。/ パーティを全力で楽しむ。
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 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『ハロウィンを楽しみまくれ!』

POW   :    お菓子や料理を食べて楽しむ

SPD   :    イタズラ合戦に参加して楽しむ

WIZ   :    素敵な仮装を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マグラ・ユメノミヤ
「ほう、ここが『猫の国』ですか。私もささやかながら宴をにぎやかしましょうかね」
・往来の真ん中にヌッとあらわれたるは身長180㎝程の長身痩躯、黄昏時の影のような風体の老人。面長割れ顎にして仏頂面のその頭には……猫耳。猫耳のカチューシャを付けている(マグラなりの友好の意思表示である)
・おもむろに旅行鞄の中から球体関節人形ルーチェを取り出して大鷲のように両手を広げると、人形がみずから起き上がり、小気味よく踊り始める
・ユーベルコードでさらに《ドグラ》と《マグラ》を呼び出し、街中で流れる音楽に合わせて踊りを始めて住民たちを楽しませる
「投げ銭は結構。ともに踊っていただけますかな――『わが子たち』と」



 アルダワ世界、猫の国のとあるハロウィン会場は大賑わいであった。
 南瓜風味に飾られた街並みに大切な恩人記念碑もちょっとばかりおめかしされた様子。
 てんてこ舞いな様子で駆け回る妖精猫達に、他の国から訪れた旅人も仮装で楽しみながら猫達の料理に舌鼓を打っている。
「ほう、ここが『猫の国』ですか」
 何となく楽し気な音楽も流れているそんな街の往来のど真ん中、猫達の背の四倍はある黄昏時の影のような風体の老人が呟く。
 面長で割れ顎、仏頂面の彼の名はマグラ・ユメノミヤ(堂巡魔眩の人形師・f35119)。ハロウィンにつられて出てきた霊と言っても通じそうな彼の頭にはその雰囲気に不釣り合いな可愛らしい猫耳。
 別にキマイラという訳でもない、カチューシャをつけているのは彼なりの友好の意思表示というだけで、
「私もささやかながら宴をにぎやかしましょうかね」
 つまるところ彼もハロウィンの宴を楽しみに来たのだ。
 その手の大きな旅行鞄を開けて徐に美しき球体関節人形『ルーチェ』を取り出した彼は大鷲のようにその両腕を広げる。
 するとどうだろう、美しき人形は自ら起き上がり、小気味よく踊り始める。
 操られているとは思えない、まるで生きているかのようなその動きにあちこち走り回る猫達や旅人たちも見とれてその足を止める。
 人目を十分に惹いて、けれどまだマグラには物足りない。
「胎児よ! 胎児よ! なぜ踊る! ――いや、じつのところ、私にもわからん」
 そんな口上と共にユーベルコードを起動すれば、更に二体の球体関節人形が現れてルーチェと共に踊り始める。
 気づけば三体の人形の踊りは街に流れる音楽に合わせていて、その流麗な舞に観客たちは大盛り上がり。
 マグラの人形遣いの技術に投げ銭をしようとする観客一人、けれどマグラは手をそっと出してそれを止める。
「投げ銭は結構。ともに踊っていただけますかな――『わが子たち』と」
 そう言って、二体の球体関節人形『ドグラ』と『マグラ』が観客の前についと歩み出て、その手を差し出す。
 そして観客たちも差し出された手を取りひと踊り、そして離して次はわくわくした目の別の人と繋いで。次々に相手を変えながら共に軽快に踊り始める。
 小さな背の妖精猫達とも踊る人形たち、賑やかに盛り上がる人々の姿を見て、ほんの僅かマグラの表情もほころんだように見えたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リグ・アシュリーズ(サポート)
『私にお手伝いできること、あるかしら?』
『大丈夫、もう心配ないわ! ……よく、頑張ったわね』
世界を旅する、好奇心旺盛な人狼の少女です。
今回は助っ人として駆けつけました。
問題解決のため、強気でガンガン行動しますが、
しゃべらせる際は強い言葉を使わず、
ソフトな印象で描いて頂けるとありがたいです!

それなりのコミュ力と人当たりのよさで、
あまり警戒されずに情報を聞き出すのが得意です!
逆に機械の操作や情報の扱いに疎く、
スマホやパネルを触らせるととんでもないことに。
民間人のいる場所ではみだりにユーベルコードを使用しません。
また、公序良俗に反することや
品のない事には手を出さず、加担もしません。


イリーナ・サフィア(サポート)
これはお任せプレイングです。
連携アドリブ等なんでもOKです。

ボクっ娘&ドジっ子です。
基本、恥ずかしがり屋で、控えめな性格です。
でも他人が困っているとどうしても関わらずにはいられないという一面もあります。

実験体だった過去もあり、ちょっと仄暗い感じの雰囲気があります。
でも、最近は自分を変えなきゃと思っていて、たまに勇気を出してみることもあります。

精霊と会話するのが好きでよく独り言を言っているように見られます。

ユーベルコードはどれでも使用します。
他人が怪我をするよりも自分を犠牲にする行動を取ります。



 人形遣いの老爺と人形たちが人々を踊りに誘い盛り上げる中、一人の人狼の女は賑わうパーティーを楽しんでいた。 持ち前の積極性と人当たりの良さでパーティを満喫している彼女はリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)。
「このお菓子美味しいわね」
『そう言って貰えて嬉しいにゃ!』
 笑顔で感想を伝えるリグに料理人のケットシーはその顔をほころばせる。
 世界を旅している好奇心旺盛な彼女でも、妖精猫達のハロウィンを見る機会はあまりない。
 どことなく猫風味の装飾に、料理も美味しく焼かれたお魚だとか、可愛らしいファンシーなつくりで甘いお菓子も多いようだ。
 夜の色濃いコミカルな装飾をリグが楽しむ一方、調理場の方は戦場もーど。
『出来上がったにゃ!』
『ミルクがそろそろなくなりそうにゃ!』
「はい、順番に持っていきますので少しお待ちくださいませ」
 モダンな装いのメイド服を纏うイリーナ・サフィア(人間のパーラーメイド・f34994)は、パーティー会場と調理場で慌ただしく往復していた。
 少し前、
『猫の手ならぬ人の手も借りたいにゃ!』
 イリーナが賑やかさに誘われてやってきたパーティー会場、その時メイド服を着ていたのが運の尽き。
 賑やかなパーティーには人手は幾らあっても足りないのだ。
「いやボクは……」
『めっちゃ豪華なお料理とかもあるから手伝ってほしいにゃ!』
 断ろうとするも、割と追い詰められた感じのコック姿のケットシーは足元に縋りついてくる。
 困っている誰かにはどうしても関わってしまいたくなる性分で、断り切れず手伝いをすることになったイリーナ。
 とはいえ彼女も見た目だけでなく一人前のパーラーメイド。華の帝都の小粋なカフェでも給仕できる特級の腕前であれこれ降りかかる難題をてきぱきお洒落にこなしていく。
 たまに転びそうになったりとドジが発動してしまう事もあるけれど、それもハロウィンの賑やかな空気に紛れて大事にはならず会場の空気は冷める事無く盛り上がっていった。

 そんな光景はさておいて、リグは会場の南瓜風味の飲み物を片手に会場近くのステージを眺めていた。
 ステージ上ではケットシー達が踊ったり歌ったりミュージカル風味に演劇を行っていた。
 その内容は最初はホラー仕立て――のようだったが、突然スチームパンクな冒険譚に変わったりコメディに変わったりと、雰囲気どころかジャンルまでころころ変わっている。
 ただ気まぐれなこの地のケットシーの性質からか、或いは筋自体は奇妙に整っているからか観客には大うけのようで、劇の周りは異様に盛り上がっていた。
(「確か賑やかな場所とかを狙ってくるんだったかしら」)
 ふと、転移する前に聞いた災魔の特徴について思い返す。
 他にもあるのだろうけどと気にしておいた方がいいかもしれないとリグが考えている内、大きな破裂音と共に夜空が明るくなる。
 見上げれば空には大輪の炎の花。
 いなくなった誰かを悼み、一時帰ってきた彼らを再び送る為の花火なのだ――誰か、旅人がそう話しているのがリグの耳に届く。

 そして、忙しいイリーナも空の花火を見上げていた。
(「……精霊さん達も楽しそうだね♪」)
 ハロウィンの賑やかな空気に誘われたのか、精霊達もどこか楽しそうに笑っているようにイリーナには感じられる。
 彼女がパーティー会場の方を見れば、仮装した旅人や妖精猫達が様々な小型の花火を使って楽しみ始めている。
 ネズミ花火とかロケット花火のようなものが炸裂しているのは少々気になるけれども、魔法の花火との事なので問題ないのだろう。
 悪いものを追い払うような、賑やかな猫達の国のハロウィンのひととき。
 給仕の仕事の忙しさも一段落ついているから、この空気にノッて花火を楽しむのも不可能ではない。
 見れば快活そうな灰髪の女性も亜麻色の瞳を輝かせつつ花火を手にして楽しんでいるケットシー達に突撃しているようで。
 賑やかな爆音と光が夜の闇を彩り、猫の国のハロウィンは賑やかに続いていく。

 ――そして、災魔がそれを潰さんとやってくる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『眠りネズミ』

POW   :    おやすみなさい、よいゆめを
全身を【ねむねむふわふわおやすみモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    みんないっしょに、ねむりましょ
【ふわふわのしっぽ】から【ふんわりとつつみこむもふもふのいちげき】を放ち、【今すぐこの場で眠りたい気持ち】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    きらきらひかる、こうもりさん
対象のユーベルコードに対し【吐息からキラキラ光る小さなコウモリたち】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●猫達と眠りネズミたち
 祭りに賑わう街の端、突如ポットを抱えた災魔のネズミたちがふわふわ低空を飛んで侵入してきた。
 普段眠たげな様子の眠りネズミと呼ばれる災魔は怒りも露に――とは言っても恐ろしげな様子はあまりないのだけども、パーティー会場目掛けて一直線。
 それはこの世界の災魔の習性故に抱くハロウィンパーティーへの憎しみに駆られた行動。
 賑わう場所、そして奇抜な仮装の人々目掛け、ふわふわのネズミたちはその眠りの力で滅茶苦茶にせんと感情任せにやって来ているのだ。
 しかしここには既に猟兵達がいる。
 賑わう場所を中心に人々を守るのも積極的に攻めていくのも、或いはパーティーを賑やかに続けるのもこのパーティーを守る為に役立つ事となるだろう。
 何故なら災魔はハロウィンを楽しむものを何より憎み襲い掛かる。猟兵達が楽しみ注意を惹く事で人々を守る事ができるのだから。
 それぞれの方法で猟兵達はパーティーを狙う災魔たちとの戦いを開始するのであった。
レオナール・ルフトゥ(サポート)
 誰かの面倒を気づいたら見ているような、
 近所のお兄さん、もしくは保護者的ポジションです。
 荷物番から料理まで頼まれれば意外になんでもやります。
 料理に関しては頼まれなくても率先してやります。

 基本的に穏やかな性格をしていますが、甘いわけではありません。
 可愛い子には旅をさせよ精神。

 全体を見るようにし、必要な場所へ行きます。
 無駄な争いは厭いますが、納得できるものであれば容赦はしません

 他おまかせします。


サエ・キルフィバオム(サポート)
アドリブ歓迎

基本的には情報収集が得意かな
相手が何かの組織だったら、その組織の一員になり切って潜入して、内側から根こそぎ情報を頂いちゃうよ
そうじゃなければ、無害で魅力的な少女を演じて、上手く油断させて情報を引き出したいね

戦いになったら、直接力比べの類は苦手だから、口先で丸め込んだりして相手を妨害したり、糸を利用した罠を張ったり、誘惑してだまし討ちしちゃうかな
上手く相手の技を逆に利用して、手痛いしっぺ返しが出来ると最高♪
敢えて相手の術中に陥ったふりをして、大逆転とかも良く狙うよ



 パーティー会場目指す眠りネズミ達を、最初に迎撃したのは二人組。
 街の外周近くの建物の上には桃色の髪の妖狐、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)がいて、迫ってくる災魔の姿をその赤瞳で捉えている。
 情報収集を得手とする彼女は街の地形を調べてどこから大群が攻めて来やすいかのか推測し、そこに網を張っていたのだ。
 建物の上から見渡す限り一般人はこの周囲にはいない。盛り上がりを見せるパーティー会場の方に集まっているからなのだろう。
 彼女が視線を落とせば、やや狭くなっている通りの中心でドラゴニアンのレオナール・ルフトゥ(ドラゴニアンの竜騎士・f08923)が静かにランスを構えている。
 彼としてはパーティーを楽しむ人たちを守る為、一番守りが必要そうな場所にやってきたのだけれども。
(「……なんだか緊張感がないな」)
 恐ろしい災魔である事は間違いないのだけど、そのふわふわした綿菓子のような見た目は無害そうにも見えてどうにも調子が狂う。
 そもそもこの国はケットシー、つまり猫の国なんだからネズミは大丈夫そうにも思えてくるけれども、その姿からは想像もできないレミングのような勢いで災魔達は迫ってくる。猫と言えどこの数はちょっとどころでなく脅威である事に変わりはないだろう。
 そして、待ち構える猟兵に気が付いた眠りネズミ達。
 彼らは止まらず真っ向からの突破を狙ってきて、レオナールはランスを構えそれらを思いきりランスで突く。
 けれど帰ってきたのは貫いた感触ではなくふわっとした手応え。
 ユーベルコードによるねむねむふわふわおやすみモード、ほぼ無敵の守りは体格差とランスの鋭さあっても貫けない。
 彼の攻撃を凌いで防御を解除、再加速する眠りネズミ達。
 そのまま突破されるかと思いきや、眠りネズミ達は何かに捕まったかのように急に失速する。
「そこは残念、射程圏内だよ♪」
 建物の上からが楽しそうな様子でサエが見降ろしている。
 ユーベルコードにより不可視に近づけた限りなく細いワイヤー、それを放ち眠りネズミ達を絡めとったのだ。
 そしてそのままサエは鋼線を操り他の眠りネズミ達にぶつけその動きを妨げる。
 ねむねむふわふわおやすみモードの欠点はまったく動けなくなること、それが発動するぐらいの攻撃を加え続ける事で少なくとも侵攻は阻止できる。
 更にワイヤーがとり逃した数匹に、レオナールがドラゴンオーラを放ち命中して爆発が生じる。
 咄嗟に取った防御態勢でダメージこそないけれども、オーラの鎖に繋がれて防御を解除しても通りの先へは進めない。
 オーラに繋がれたネズミ達はじたばたあがきレオナールを狙うけれど、怒っていてもそもそもあまり攻撃能力が高くなくてレオナールのランスで十分対応できる程度。
 そしてサエのワイヤーも縦横無尽に夜闇に溶け込みながら災魔を絡めとっていく。道も狭く二人の活躍で大渋滞、戻る事も出来ず前にも後ろにも進めぬままハロウィンに怒る眠りネズミは徐々にその数を減らしていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真城・美衣子(サポート)
☆サポート&おまかせ専門
何を考えているかよくわからない猫っぽい少女

喋るペンダント『マキさん』

・UDCアース人や猟兵としての一般常識はある
・鋭い感覚、高い運動能力、強靭な肉体で頑張る
・ぼんやりしているけど動きは早い
・無表情で説明もないまま行動するので、奇行に見える事も多いが、本人は一生懸命

・マキさんは主に解説・交渉などの会話を担当
・PLが直接操作しない方針なので挙動はご自由に!

☆セリフ例
「にゃ」
『みーこさんは「こんにちは」と言っています』

「……すんすん」
『みーこさんはニオイを確認しているようです』

『お時間よろしいでしょうか、事件についてお話を……』
「にゃ」
『みーこさん、今は喋らないでください』



 他の通りで眠りネズミ達の一群が手玉に取られる中、別の方面からも眠りネズミ達はパーティー会場を目指していた。
 狭い道をふよふよと浮かびながら、けれども怒りはちゃんと宿している。
 この災魔達が会場に現れ暴れて皆を眠らせてしまえばパーティーはもう滅茶苦茶だ。
 そしてそれを食い止めるために白猫のような印象の少女が夜の闇に紛れつつ襲撃をかけるのだ。
 怒りに燃えて理性を失っている彼らは周囲に対する注意がおろそか、
「みーこさん、どれから片付けますか」
 だから、真城・美衣子(まっしろみーこ・f12199)のユーベルコードにより放たれた小型ねこねこミサイルの奇襲への対応は後手になる。
 数発が直撃し、混乱する眠りネズミが吐息からキラキラ光る小さな蝙蝠たちを放つ。それによってねこねこミサイルはいくつか相殺されるが、ミサイルの数が多い。
 猫のように気紛れな軌道で蝙蝠をかわし、次々本体へと命中して爆発していく。
 更に美衣子自身も猫のように鳴いて内蔵されたブラスターの発射口を掌に出現させて眠りネズミ達を撃ち抜いていく。
 そして数分、殆ど反撃を受けることなくこの道を通りパーティー会場に向かっていたふかふかのネズミの災魔を打倒した美衣子。
 しかしまだ彼女の優れた感覚――嗅覚と聴覚は他の場所にいる災魔を捉えている。
 それらも倒してハロウィンのパーティーを楽しもうと、にゃ、と鳴いて次なる敵の元へと走るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



 そして同じように、パーティー会場へ至る路地で眠りネズミを迎撃する猟兵が一人。
 バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)という猟兵は下半身が蛇――いわゆるラミアのような姿をしているキマイラだ。
 だからか、蛇と言う天敵に相対したかのように眠りネズミ達はそのふわふわのしっぽで彼女を狙い、眠りに落とし込もうとする。
 やや寒くなってきたハロウィンの夜、あのふんわりしっぽに包まれれば極上の眠りに誘われる事請け合いであろうけれど、それはつまりハロウィンを守れなくなることと同義。
 表向きは薬剤師である彼女は毒の扱いについても長けている。
 故にこれよりバジルが起動するユーベルコードもその類のものであり。
「蛇が出るのは藪だけじゃなし、下手につつくと噛みつくわよ」
 そんなささやかな忠告も怒りと恐れに暴走している眠りネズミ達に聞き届けられることはなく、バジルの姿が眠りネズミ達の毛並みにすっかり埋もれてしまう。
 そしてそのまま眠りに落ちる、かと思いきや、眠りネズミ達は突如震えだし、地面に転がってしまう。
 その原因は毒。戦闘用に強化されたウミヘビの毒を至近距離から撃ち込むことによりネズミ達を仕留めたのだ。
「さあ、次に行くとしましょうか」
 誰に伝えるまでもなく、バジルはそう口にして蛇の身体をくねらせ次なる敵の元へと向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紫野崎・結名(サポート)
音は、こころ。こころは、ちから。
今はたぶん、この音が合ってる…と思うから

音によるサポート、妨害、撹乱が好み
攻撃や運動は苦手、特に腕力はほとんど無いです
なので、キーボードも肩にかけます

ピンチは黒い天使、歩くのはセブンリーグブーツ、Float on soundをふわっと浮かべてキーボードを演奏
キーボードはスマホとつないで音源を自由に設定変更できるよ
動物の鳴き声にしたり、管楽器の音にしたり、弦楽器の音にしたり

食は細くてすぐお腹いっぱい
そして人見知り気味

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません


赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可

合わせ等も自由にどうぞ



 猟兵達はパーティー会場に雪崩れ込もうとする災魔の群れを効果的に阻んでいたが、しかしその網を抜けて数体が会場へと飛び込んでくる。
 怒れる眠りネズミ達の狙いはパーティーの客よりも、誰よりも目立つステージの上の役者の妖精猫。
 抱く怒りと無縁そうなふわふわの尻尾で包み込み、みんないっしょに眠らせて舞台を滅茶苦茶にしようとする悪い眠りネズミの前に、会場の方から赤い髪の少年が飛び出し進路を阻む。
 白い狐面を模した防止に白の狐尻尾、ウェイターのような仮装をした赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)は手にしたミニさんを構えて災魔達を牽制する。
 カラフルな属性弾は花火のように弾け、花火で楽しむパーティー会場の人々を高揚させる。
 そしてもう一人、舞台袖から黒髪の少女が肩から吊るした鍵盤楽器を構えて飛び出してくる。
 彼女、紫野崎・結名(歪な純白・f19420)の周囲には握りこぶし程の大きさの小型スピーカーが五つふわふわ浮かんでいる。
 結名が役者たちに襲い掛かる前に、キーボードに繋いだスマホで操作して音源をとびきり賑やかなものに変えて鍵盤を指で叩く。
 管楽器の華やかな旋律に眠りネズミ達の注意が結名に向いて、奏でさせないようにその尻尾でふんわり包み込んで眠らせようとするけれど、それを緋色が魔導蒸気の銃器から弾丸を放って近づけさせない。
 それが余計に癇に障ったのか、眠りネズミ達は後先考えず緋色の少年に飛び掛かってその尾で包み込んで動きを封じようとする。
 怒り任せのそれはとても読みやすい動き、けれど数が多い。
 一旦緋色が回避に専念する中、結名は演奏で緋色や舞台上の役者、そして会場の人々を鼓舞し盛り上げる。
 幸い襲撃直前の劇の内容はおそろしい敵の襲撃で大混乱に陥るシーン。災魔の襲撃も演出の一つとして取れなくはない、はず。
 音は、こころ。こころは、ちから。
「今必要な『音』はコレだと思う……」 なんとなく、けれど確かな確信と共に結名の演奏が演じられていた劇に合わせるような慌ただしい曲調に変わってユーベルコードを発動。
 劇伴音楽として劇を盛り上げるようなそんな演奏は、ステージ上の役者の共感を招き眠りネズミの攻撃も避けられるくらいに能力を引き上げる。 ネズミの吐息から現れたきらきらひかるコウモリ達が歌声をかき消そうと羽ばたくけれど、奏でられるキーボードの音と声と旋律は即興で予め予想する事なんてできない。
 小さなコウモリ達が演奏を打ち消せず手をこまねいている間に緋色が眠りネズミ達に攻撃を仕掛ける。
 演奏への共感による効果は緋色にもあり、彼は真っ赤なインラインスケートから圧縮空気を吹き出させて空へと跳ね、眠りネズミを踏み台にもう一回跳躍してユーベルコードを起動する。
 彼の手には歪な銃のような形をした奇妙なガジェット。
 使い方は一目瞭然、引鉄を引けばネットが放たれ飛び掛かった眠りネズミたちを絡めとり拘束する。
 それから逃れようとする災魔だが、その前に緋色がガジェットのボタンを押すとネットを通じて電気が流れ、眠りネズミたちに衝撃が走る。
 強烈な電撃にぐったり倒れた眠りネズミたちは、まるで夜の夢だったかのようにその姿を薄れさせ、消滅した。

 それが最後。街のあちこちでの戦いも終わりを迎える。
 結名の演奏も劇のラストシーンに合わせるようにハッピーエンドのクラシック調に変わり、そして終わる。
「これにて一件落着、かな」
 舞台挨拶に上がった役者たちをステージの下に降りた緋色と結名が見上げる。そのステージの向こう、ひときわ大きな花火が空へと昇っていく。
 空に咲く大輪の花、そしてパーティー会場の小さな星のように弾ける花火が彩る猫の国のハロウィンの夜は、賑やかに続いていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年11月09日


挿絵イラスト