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#スペースシップワールド #お祭り2021 #ハロウィン

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 スペースシップワールドの航宙艦には、人々が余暇を楽しむ為のリゾート施設としての機能に特化したものも少なくない。
 リゾートシップと総称されるそれらの艦は、訪れる人々を楽しませるべく、時期に応じて様々な催しを展開している。催しの多くは、かつて何処かの惑星に根付いていた文化を模したものであり、ある意味では惑星そのものと共に失われた文化の保全という役割を果たしている、とも言える。――尤も、娯楽性を追求した結果、元の文化からかけ離れたものも少なくはないが。
 ともあれ、10月のこの時期においては、多くのリゾートシップがハロウィンのイベントを催すべく準備に明け暮れている。街にはカボチャを模したオブジェや玩具が多数設置され、コスプレをしたスタッフが来艦者を迎えるなど、本番を前にして艦内の雰囲気はすっかりハロウィン一色だ。

『ザナドゥIX』もまた、そうしてハロウィンイベントの準備を進めているリゾートシップの一つである――のだが。
「――何? イェルドVIからの輸送船がまだ来ない?」
 リゾートシップとしてのザナドゥIXの総支配人を兼ねる艦長が、部下からの報告を受け眉を顰める。
「はい。予定の到着時刻より半日を経過しましたが、連絡もつかず」
「イェルドVI側からの出発確認ログは確実に残っているし、昨日の定時連絡には応答があった。となると、何かが起こったに違いない……」
 思案しながら顎髭を扱く、艦長の表情は渋面。無理もない。問題の輸送船の積み荷は、来たるハロウィンイベントに必要不可欠な食べ物――『宇宙南瓜』なのだ。南瓜無くしてハロウィンの催しは成立し得ぬ。肝心要のピースの思わぬ欠落。順調と思われていたイベントの準備は、唐突に暗礁に乗り上げてしまった。
「今から代わりの輸送船を手配しても、準備が恐らく間に合わない……参ったな」
 打開策は見出せない。艦長も、スタッフ達も皆、頭を抱えるしかなかった――。



「皆様、ハッピーハロウィン……には些か早いですが。参集頂きありがとうございます」
 グリモアベースを訪れた猟兵達を迎えたグリモア猟兵、ルナ・シュテル(Resonate1120・f18044)の姿は、普段のボディスーツ姿と大きく赴きを異にする装いであった。
 たっぷりとした袖や裾の上着とズボンが四肢を覆い、一方で胴部は際どく露出した大胆なる装い。UDCアースの中東地域の踊り子を思わせる衣装である。
 曰く、此度はハロウィン関係の任務を依頼したいとの事であり、それに合わせて仮装をしているのだという。因みにハロウィン当日用にはまた別の衣装を用意しているそうだ。
「というお話はさておき。此度、皆様にお願いしたいのは、ハロウィンイベントの準備を行うリゾートシップへ南瓜を輸送する輸送船、これの救援です」
 ルナの語る処によれば。農業艦『イェルドVI』からリゾートシップ『ザナドゥIX』へ向けて航行する輸送船が、オブリビオンの宇宙海賊に襲われるのだという。
「宇宙海賊からすれば、目についたが故に襲い掛かった、というだけの事ではありますが。このままいけば輸送船は撃沈され、同船に積み込まれたハロウィンイベント用の宇宙南瓜も全て、乗組員の皆様共々宇宙の塵と消えてしまいます」
 そうなれば、ザナドゥIXも南瓜無しでハロウィンイベントを行うことを余儀なくされる。南瓜の無いハロウィンなど、片手落ちも良い処であるし、何より直接的に人命もかかっている。捨て置くわけにもいくまい。

「ただ、申し訳ありませんが、直接輸送船へと転送することはできません。一旦ザナドゥIXへ転送致しますので、ここから宇宙船なり宇宙バイクなりを借り受けて輸送船のもとへと向かってくださいませ」
 輸送船が襲撃を受ける座標は分かっているので、後は移動手段があれば問題なく行きつけるはずとルナは語る。
 勿論、自前で移動手段を持っている猟兵はそれを用いても構わない。
「急いで行けば、宇宙海賊が輸送船へ攻撃を仕掛けた直後ぐらいのタイミングで現場に到着できる筈です。後は、宇宙海賊を殲滅し輸送船の安全確保をお願い致します」
 尚、例によって服や装備の上から着用可能な極薄透明宇宙服があるので、宇宙空間に対する特段の備えは不要である。

「輸送船を守り抜き、ザナドゥIXまで送り届けられましたらば、かの艦にて催されるハロウィンイベントに参加なされると宜しいかと思います」
 元より猟兵はかつて銀河帝国から宇宙を救った英雄である。かの艦の人々も、盛大に歓待してくれることであろう。
「因みにザナドゥXIは、歓楽街としての性質を強く持つ、どちらかといえば大人向けなリゾートシップとなります。とはいえ、お子様向けのイベントも色々催しておりますので、未成年の方でも充分楽しめるかと存じます」
 スタッフに向けて例のワードを告げればお菓子が貰えるし、バーではハロウィンらしいノンアルコールカクテルを作ってもらえる。ダンスパーティなどは年齢関係なく楽しめるイベントであるし、他にも探せば未成年でも問題なく参加できるイベントは色々あるだろう。
 勿論、成人の猟兵ならば大人向けのイベントも問題なく楽しめる筈だ。尤も、あまりにも羽目を外し過ぎるようなことが無いよう、ある程度の自制は必要となろうが。
「それと、かの艦には私もお邪魔しようかと思っております。お声がけ下さればご一緒させて頂こうかと思っておりますので、お気軽にどうぞ」
 スタッフに混じって猟兵達をもてなす方向、或いは猟兵達と共にイベントを楽しむ方向、どちらもいける、との事だ。

「ともあれ、まずは宇宙海賊の確実なる排除を。かの艦の皆様が、ハロウィンを心置きなく楽しめるよう、お願い致しますね」
 最後にルナはそう結ぶと共に、掌の上にデジタル時計を模したグリモアを展開。
 表示されるカウントが徐々に減り、ゼロへと至ると同時、グリモアから光が溢れ。
 猟兵達を、ハロウィンの準備進むリゾートシップへと送り出してゆく。


五条新一郎
 全世界同時ハロウィン。
 五条です。

 というわけで当方よりお送りするハロウィンシナリオはスペースシップワールドから。
 南瓜を運ぶ輸送船を救援し、リゾートシップのハロウィンイベントを無事開催できるようにしてあげてくださいませ。

●目的
 宇宙南瓜を積載した輸送船を、宇宙海賊から守る。
 リゾートシップ『ザナドゥIX』のハロウィンイベントを楽しむ。

●舞台
 第一章は輸送船周辺宙域。特に目立った障害物の類はありません。
 第二章はリゾートシップ『ザナドゥIX』。歓楽街の要素が強く、飲み屋やダンスホールなどが多く存在。ただしイベント自体は未成年でも楽しめるものも多く催しています。

●第一章
 輸送船を襲撃する宇宙海賊達が操る『デルタ・ファイター』との「集団戦」です。
 転送先はザナドゥIXとなりますので、同船で移動手段(小型宇宙船や宇宙バイクが借りられます)を確保の上で現場へ向かってくださいませ。勿論、自前の移動手段を持つ方は其方を使ってもOKです。
 現場では極薄透明宇宙服があるので、宇宙空間への対策は特段に無くとも大丈夫です。

●第二章
 ザナドゥIXでのハロウィンイベントに参加する「日常」です。
 イベントの内容は、OPに記載した以外にも歓楽街にありそうな要素を含むものはだいたい存在します。こんなイベントは如何か、というのがありましたらプレイングにてどうぞ。公序良俗に反するものでなければ基本採用できると思います。
 また、グリモア猟兵のルナ・シュテル(f18044)が呼べます。同行希望の方はプレイングにてどうぞ。
 例によって公序良俗に反する行動や未成年者(ステシ年齢基準)の飲酒喫煙はご遠慮ください。

●プレイングについて
 第一章はOP公開直後から、第二章は章移行後断章投稿時点よりプレイングを受け付けます。

 一章のみ・二章のみのご参加も歓迎です。
 それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『デルタ・ファイター』

POW   :    増援要請
自身が戦闘で瀕死になると【増援飛行隊 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    帝国軍の栄光のために!
【制御不能の高速航行モード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    対宙銃撃
レベル×5本の【貫通 】属性の【機銃弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミヤコ・グリードマン
せっかくのハロウィンを台無しにされるなんて冗談じゃないわ
何処の誰だか知らないけど、この宇宙海賊キャプテンミヤコが叩きのめしてあげるわ

現場までの移動はマリンブルーに任せて、どんなイベントがあるか下調べっと
ルナを誘えば大人向けのイベントにも行けるかもしれないしね

さぁて、いたいた。アイツらが今回の間抜けな獲物ね
数はいるみたいだけど、数がいるのはそっちだけじゃないのよ
そーれ、あんた達、やーっておしまいっ!

UC起動後は位相空間から喚び出したグリード・ワンに乗って参戦
わたしの真の姿に似せた黄金の機体、四本腕をガトリング砲に変形させて、一機残らずサイコバレットで撃ち落とすわよ



 リゾートシップ『ザナドゥIX』より飛び出してゆく、幾つもの宇宙船や宇宙バイク。此度の任務に参加した猟兵達のものだ。
 そのうちの一隻、馬を模した形状の宇宙バイク『マリンブルー』の機上にて、搭乗者たるミヤコ・グリードマン(海賊王女・f06677)は端末を操作していた。マリンブルーは現場までの自動操縦にしてある。
「ふむふむ……コスチュームを着てのダンスパーティに、飛び入り参加歓迎のポールダンスショー……ねぇ」
 調べているのは、ザナドゥIXで開催予定のハロウィンイベントにおける催しの数々。割合健全なものから、ギリギリっぽい感じのものまで数々取り揃えているようだ。大人向けのイベントも多いが、明確に未成年お断りなものは無い様子。
「ルナが一緒なら、どれでもいけそうかな……っと」
 そんなミヤコの思案は、マリンブルーから発された警告音声に遮られる。応えて前方を見れば、輸送船に群がる無数の機影。その向こうにはもう一隻の輸送船――オブリビオンの輸送船が見える。これが此度の敵か。
「さぁて、いたいた。アイツらが今回の間抜けな獲物ね」
 敵を見定めたミヤコの表情は、傲岸たる笑み。宇宙海賊の長を名乗る者として、己が楽しみにしているもの――ハロウィンの楽しみを奪おうとするものは叩きのめすのみ。そんな意思の宿る笑みである。
 敵の数は多いが、ミヤコにとっては恐れるものには値しない。数での戦いならば己も心得ているが故に。片手を掲げ、胸を張り。
「宇宙海賊キャプテンミヤコの名の下に! 出航!」
 そして声をかければ、宙域の空間が揺らめくと共に、一隻の巨大な戦闘型宇宙船が姿を現す。彼女の率いる海賊団を構成する宇宙船のひとつだ。
「そーれ、あんた達! やーっておしまいっ!」
 完全に出現しきった宇宙艦へと呼びかければ、応えて巨大な人型兵器――キャバリアのようにも見えるそれらが次々と艦より出撃。背部のブースタを吹かしながら、輸送船の方向へと飛翔してゆく。

 輸送船を攻撃するのは、球状の本体に三角形のフライトユニットを有する宇宙戦闘機『デルタ・ファイター』。宇宙空間を縦横に飛び回りながら、搭載火器にての銃撃を輸送船へ浴びせてゆく。
 徐々に壊れゆく輸送船。このまま破壊しきれるか、とほくそ笑んだ搭乗者の意識は、直後に暗転する。
 戦場に飛び込んできた、何機もの巨大人型兵器。戦域への突入直後に彼らが繰り出した一斉攻撃によって、何機ものデルタ・ファイターが撃墜されていったのだ。
「さあ、何処の誰か知らないけれど――」
 彼らに続いて戦場へ現れるのは、四本の腕を有する女性の姿をした黄金のキャバリア。ミヤコの駆る『グリード・ワン』だ。
「ハロウィンを台無しにしようとする連中は、完膚無きまでに叩きのめしてやるわ!!」
 力強く宣言すると共に、四本の腕が四門のガトリング砲へと変形。回転を始めた砲口から撃ち出されるは、彼女のサイキックエナジーで生み出された弾丸。
 戦場を満たす濃密なる弾幕が展開され、逃れんとするデルタ・ファイター達は対応し損ねたものから次々に叩き落とされてゆく。最早ミサイルによる反撃も侭ならぬ。
 そうして宇宙海賊は、更なる強大な宇宙海賊の前に蹂躙されてゆく。だが、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ――。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、急いだ方が良さそうですねぇ。
何とか頑張ってみますぅ。

『宇宙バイク』をレンタル、指定エリアまで全速で向かいますねぇ。
交戦が確認されたら【炳輦】を発動し防御結界を展開、サイズ上『バイク』ごと包めますので、更に『FMS』のバリアで補強し高速飛行で向かいましょう。

戦域に到達したら『時空切断の嵐』を発動し、戦場全体を包みますねぇ。
時空ごとの切断であれば『宇宙船の硬度』も無意味ですし、『増援の召喚』も、召喚範囲が戦場であれば、召喚直後に巻込まれ、切裂かれるだけですぅ。
後は『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]、『FGS』の重力弾も加え、確実に叩いて参りましょう。


黒木・摩那
宇宙海賊なオブリビオンと聞いては捨てておくことはできません。

特にせっかくのハロウィンを邪魔する海賊はカボチャの角に頭をぶつければいいんです。

ザナドゥⅨで座標を聞いて。マジカルボード『アキレウス』で直行します。
デルタ・ファイターからの攻撃はスマートグラスで弾道を解析して、ボードの【空中機動】で回避したり、【念動力】で弾道を逸して回避します。

敵機を思わせぶりに引きつけて集まってきたところで、UC【万散鏡花】を発動。光の矢で敵機を串刺しにします。



 宇宙南瓜を運ぶ輸送船が、宇宙海賊に襲撃されている現場へ、続けて二人の猟兵が突入する。
「どうやら間に合ったみたいですね!」
 スノーボードじみたボードの後部からサイキックエナジーを噴出し、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が宇宙空間を滑走する。視線は前方、宇宙海賊の攻撃に晒される輸送船へ。
「ええ、急いだ甲斐があったというものですぅ」
 並走する宇宙バイクから夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が応える。視界に収めた輸送船は、既に少なからぬ損傷を負ってこそいるようだが、幸い航行に支障が出る程までは至っていない様子だ。ならば後は守りきるのみ。
「それでは、頑張ってみましょうかぁ」
「せっかくのハロウィンを邪魔する海賊は、カボチャの角に頭をぶつければいいんです!」
 緩やかな声音のるこると、海賊に対し戦意充分と見える摩耶。なれど内なる意志は両者共に同じ。そのまま速度を上げて輸送機とデルタ・ファイターの群れとの間を駆け抜けて。
 否、るこるはその場に留まり戦闘機群の前に立ち塞がる。突然の乱入者に一瞬戸惑った様子の戦闘機群だが、現れたのが生身の人間と分かれば笠に着て一斉に群がり機銃の掃射を浴びせにかかる。成程、並の人間ならば一秒後には全身が粉々の骨肉粉と化していたであろうが。
「その程度の攻撃ならば、耐えるのは容易ですぅ」
 だが、るこるは猟兵である。その身に纏うはユーベルコードによって成る防御結界。直径100mを超す球状結界は、己とその宇宙バイクのみならず、背にした輸送船へ向かう銃弾の数をも大幅に減じせしめる。そして数百発もの機関銃弾を受けて尚、結界には傷一つ無し。
「今度は此方の番ですよぉ」
 敵の攻勢が途切れれば、るこるが動く。その両手を前方へ差し出せば、視界の内を飛翔するデルタ・ファイター達が突如として、その機体を真っ二つとされ。直後、一斉に爆散。そのまま骸の海へと消し飛ぶように還ってゆく。それは時空裂断。ユーベルコードの力を戦場全域に広げ、空間全域に無数の裂け目を生み出せば。其処に存在する敵機もまた、両断され破壊されるのみ。
 辛うじて裂断を逃れた敵機は慌てて増援を呼び寄せるが、空間の裂け目は間断なく生成され続ける。幸運に恵まれなかった者から順に裂け目に捕らわれ、機体諸共に引き裂かれ。何も為すこと無きままに撃墜されてゆくのみ。

 敵前を飛び抜けた摩耶を、何機ものデルタ・ファイターが追いかける。その背を撃ち抜かんと機銃を乱射、空間を埋め尽くさんばかりの弾丸で以て押し潰さんとする。
「ですが、見えていますよ。その弾丸を躱す道筋は」
 振り返り迫る弾幕を確認する摩耶。その目を飾る眼鏡のレンズに、無数の数列や図式が数瞬映る。ボードを操る足に体重をかけるが如く力を籠めれば、右へ左へ、エッジを利かせた急制動を繰り返し。超高速のスラロームで巧みに弾雨を躱して飛翔する。それでも己が身に迫った弾丸は、念動力にて斥力場を形成、以て弾道を逸らして躱す。
 不意に弾幕が途切れる。振り返り様子を確かめた摩耶の目に、噴炎上げて迫り来る無数のミサイルが飛び込んでくる。その誘導性能、小刻みな回避機動で凌げるようなものにはなかろうが。
 ならば、と。摩耶はボードの先端を上向け、推進力たるサイキックエナジーの出力を高める。その身は大きく孤を描くような軌道で上昇し、追いすがるミサイル群は殆ど一列になって摩耶を追走するが。一つ、また一つと振り切られて明後日の方向へ飛び去ってゆき。摩耶の身が180度反転する頃には、全てのミサイルを振り切ることに成功していた。
 上下反転した視界。摩耶は先程まで己を追っていた敵群に加え、新たな敵群が迫り来ているのを視認する。上下から挟撃するつもりだったのだろうか。だが、こうして一つの視界に収めたならば。
「――分散、構え」
 両手を広げ、意識を集中。ユーベルコードによって高まりゆくサイキックエナジーが光となって溢れ出し、摩耶の周囲にて無数の刃の形を取る。
 目標を設定。前方、及び下方の敵戦闘機群。敵数は多いが、形作られる光刃の数は千を超える。問題は無い。展開完了、射出準備完了――
「――散開っ!!」
 一声放つと同時、千の光刃が一斉に射出される。流星群めいてデルタ・ファイターの群れへと襲い掛かる刃の群れは、物理法則を無視するかの如き鋭角軌道での方向転換を繰り返しながら、必死の回避機動を繰り返す敵機を次々と貫き斬り裂き、撃墜せしめてゆく。
 生き残った僅かな敵群も、上下左右前後の全てを埋め尽くす刃群より逃げる術は無く。一斉に飛び来たそれらによって千々に裂かれて消し飛んでいった。
「彼方は片付いたようですねぇ。では、此方も――」
 その様を遠目に見届け、るこるは正面を見据える。時空裂断によって機体を破損しつつも致命傷は回避した戦闘機が数機、特攻のつもりか速度を上げて迫り来る。
「これで、終わりですよぉ!」
 だが無論、そのような攻撃を受けるるこるではない。背後に展開した浮遊兵器群から撃ち出した熱線、炸裂弾、重力弾が雨霰と浴びせられ、戦闘機群は跡形もなく砕け散っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カグヤ・アルトニウス
〇空を駆ける

宇宙での戦闘は久しぶりですね
ただ、手は抜きませんのでお覚悟を

アドリブ歓迎

(行動)
乗騎:マルミアドワーズ

転送直後からUCを起動し、GOKUと連携して【索敵】
発見したらTometamaの射撃管制補助を受けて【先制攻撃】で敵群の左右にトゥインクルスターのゲートを展開して包囲、ゲートからの炸裂型エネルギー砲の【範囲攻撃】+【衝撃波】+【結界術】で動ける自由に動ける範囲を制限して正面に纏め、ロンゴミニアドの【範囲攻撃】+【貫通攻撃】+【重量攻撃】で空間ごと抉って殲滅します
残存勢力はソードオブビクトリーのビットモードとマルミアドワーズの連装エネルギー砲による【対空戦闘】で迎え撃ちます


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ絡み連携歓迎
※愛機搭乗

折角のお祭りなんだし行儀よくしなよっ
あ、輸送艇貸してくれる?コレが2機分入るヤツ
戦闘機相手ならリソース温存は重要だしね
移動中は大人向けイベの下調べ♪

「6号、発進しますっ」

着いたらイリスちゃんの支援艇共々出撃
変形した同機へ乗り込む様に合体♪
※【コールイーリス・アポカリプスオーダー】適用

「センセイ、来ました…!」

機体制御はイリスちゃんに任せて武装管制
本来の装備に加えてペイル・ライダーの火砲も駆使
物量は潤沢だから増援も大丈夫さね♪

デカい砲撃機だからって接近するザコは
【マギ・バダディルマ】の粒子フィールドで跳ね除けたり
【ウェヌス】の放電や脚部クローで薙ぎ払うっ



『ザナドゥIX』を発進してゆく一隻の輸送艇。大型故に少々速度には劣るが、それでも必要最低限の速度は出せる。搭乗者たる猟兵がこの艇を選んだのは、ひとえに必要な積載量を満たす唯一の艇であるが故。
「ふむふむ、ナイトプールでの仮装イベント……こんなのもあるんだねぇ」
 その輸送艇の操縦席にて、同船を借り受けた当人たるリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)はコンソールを叩き、ディスプレイに様々な画像を出力し眺めていた。ザナドゥIXにて行われる予定のハロウィンイベントの情報である。因みに目的地までは自動操縦を設定済み。
 と、其処に通信が入る。見れば、輸送艇と並んで宇宙空間を飛ぶ艇の姿。識別信号は味方のものだ。リーゼロッテは回線を開く。
『と、繋がりましたね。此方はマルミアドワーズのカグヤ。同道を申し出たいのですが宜しいでしょうか』
 ディスプレイに映る姿とスピーカーからの声は、かの艇――極地探索用機動艇『マルミアドワーズ』の搭乗者たるカグヤ・アルトニウス(辺境の万事屋兼宇宙海賊・f04065)のもの。同じ方面へ向かう輸送艇を猟兵のものと見て共闘を申し出たようだ。
「どーも、此方はDr.リリー。申し出は有難く受けさせてもらうよ」
 共に戦う戦力が増えるに越したことはない。申し出を快諾するリーゼロッテ。そうして機動艇と輸送艇、猟兵が乗る二隻の宇宙艇は、輸送船の襲撃ポイントを目指し飛翔してゆく。

「ん、救難信号。例の輸送船のモノっぽいね」
 やがて、リーゼロッテの輸送艇のコンソールに、輸送船が放ったものだろう救難信号が届く。やはり、既に襲撃を受けている処のようだ。
「ええ、此方も小型の敵性反応を多数捕捉しました。敵はかなりの多勢のようですね」
 ユーベルコードによって強化した演算能力を以て、先行して戦場の偵察を行っていたカグヤが応える。幸い、捕捉が早かったのもあってか輸送船の損傷は未だ軽微とのこと。
「だねぇ。さて、アタシはナインス・ラインで出るから準備に少し時間を貰うよ」
「了解です。では私は先に仕掛けるとしましょう」
 カグヤの提案に是の返答を残し、リーゼロッテは通信を切る。そして輸送艇を待機モードへと移行させると、格納庫にて彼女を待つ愛機『ナインス・ライン』のもとへ。
『センセイ、6号『ペイル・ライダー』いつでもいけますっ』
 ナインス・ラインのコクピットについたリーゼロッテに通信。あどけなさの残る童顔に眼鏡をかけた少女の姿がディスプレイに映る。ナインス・ラインと共に格納された火力支援用飛空艇『ペイル・ライダー』に搭乗する、リーゼロッテの助手たる技師、イリスである。
「おっけー♪ それじゃ、早速出撃して合体とイこうか♪」
『……はい♪』
 上機嫌に応えながら、リーゼロッテは遠隔操作で輸送艇のハッチを開く。無数の星々煌めく虚無の宙に、断続的に瞬く閃光。先行したカグヤが既に交戦を開始しているのだろうか。ならば出遅れるわけにはいくまい。
「ナインス・ライン、イクよっ」
『6号、発進しますっ』
 ブースタを吹かし、輸送艇を飛び出す青き重装キャバリア。続いて幾つもの火砲を背負った飛空艇が飛び出せば、その機体上部にナインス・ラインが着地するように乗りかかる。さながら、個人用飛空艇に搭乗者が乗り込むかのように。更に両機が変形・接続を繰り返し、機能を合一化させてゆく。
 そうして合体を果たした両機は再度ブースト点火、戦場へと飛び込んでゆく。既に、其処では盛大なる光線が始まっていた。

「さて、宇宙での戦闘は久しぶりですが――」
 一方、先行して宇宙海賊への攻撃を仕掛けに向かったカグヤ。元々宇宙が主な活動圏であるカグヤだが、思えばここ暫くは大気圏内での任務が多かった。しかし。
「――手は抜きません。彼らには覚悟して貰いましょうか」
 なれど其は腕が錆び付いたことを意味しない。寧ろ、同じく宇宙海賊を名乗る者として其の在り方の乖離に憤りを覚える。容赦なく叩き潰す、その意志のもとにカグヤはレーダーに映る敵影を確かめる。敵は未だ此方に気付いていない。即ち先制攻撃の好機だ。
「目標を捕捉。超空間ゲート展開座標指定完了、起動」
 操縦席のコンソールを叩き、敵群の左右にエネルギーで形作られる穴めいたゲートを展開。遠隔地点に直接的に射撃・砲撃を転送し投射可能という強力無比なシステムである。
 以て射出するは、高密度のエネルギー砲弾。ゲートから立て続けに放たれるそれらは敵機に命中すれば炸裂し、周囲の敵機にも衝撃波による打撃を加える。
 広範囲を制圧する苛烈なる砲撃がデルタ・ファイターを次々撃墜してゆき、免れた敵も徐々に追い込まれてゆく。マルミアドワーズの正面へと。
「――狙い通りです。主砲、発射!!」
 そして其処はマルミアドワーズ主砲の射程内。待ち構えていたかの如く撃ち出されるは、疑似世界を投射することで射線上の存在を礫砕する砲撃。まんまと誘導された敵群は、そのまま為す術無く疑似世界に押し潰され、砕け散り、骸の海へと還ってゆく。
「命中。とはいえ……まだ敵の数は多いですね」
 前方の敵戦力は完全に殲滅しきったが、未だレーダーに映る敵影は数多。そして漸くカグヤの存在に気付いた敵達が、一斉にマルミアドワーズを目掛け飛び迫ってきた。
 無論、其を想定していないカグヤではない。武装を起動し迎撃の構え――を取った処に、猟兵の識別信号を有する大型の飛翔体が飛来しマルミアドワーズに並び立つ。ナインス・ラインだ。
『センセイ、来ました……!』
「おっけ、機体制御は任せるよ。アタシはガンガン撃っていくからね!」
 イリスに応えると共に、リーゼロッテは操縦桿のトリガーを引く。ペイル・ライダーの部分に搭載されたポッド群よりミサイルが次々と撃ち出され、迫り来るデルタ・ファイター群へと襲い掛かり、これを次々と撃墜。ミサイルを逃れた敵機も、続いて放たれてくるビームによって悉くが撃ち落とされてゆく。その増援として現れた敵機も同じく。
「これは……かなりの火力ですね」
 その猛烈なる攻勢に思わず舌を巻くカグヤ。だが彼も見ているだけではない。マルミアドワーズから剣を模した形状のビットが六基、射出され。ナインス・ラインから離れ、或いは輸送機へと襲い掛かろうとする敵戦闘機をレーザーで以て射抜いてゆく。逃れる敵も立て続けに放たれるレーザーに対する回避行動を余儀なくされ、マルミアドワーズ本体からのビーム砲を躱すことができない。
「と、リリーさん!」
 二機の砲撃を辛うじて躱したデルタ・ファイター数機が、ナインス・ラインの方へと高速接近。今のかの機体が大型の砲撃機と見て、接近戦を挑めば有利と見たのだろうか。カバーに入ろうとするカグヤだが。
「何、心配は不要さね」
 迎え撃つリーゼロッテはあくまでも余裕。放たれる機銃やミサイルは、展開された粒子フィールドに阻まれ、反撃として放たれる高圧放電や脚部のクローによって薙ぎ払われてゆく。
 これら二機の戦いぶりに、宇宙海賊達は為す術なく、只々撃墜されてゆくばかりであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】

私もしらべさんも自前の乗り物はないので、宇宙バイク借りていきます
私も自分用に用意した方がいいですかね…?

2人乗りで、私が運転
しらべさんが私の背後から抱きつく形で…背中に胸の感触が…(赤面
指摘するとあちらも真っ赤になりますけど、きちんとしがみついてくれないとスピードが出て危ないですしね

敵弾をかわしながら高速飛行しつつ【異界の魔弾】をばらまいて敵機を落としていきます
操縦はコネクトテンタクルスで私の思考と直結させているので、思い通りに
直角ターンから急加速、宙返りして背後をとってと…かなりのアクロバットで…後ろのしらべさん、しっかり捕まっててくださいね
…胸の感触楽しむ余裕とかはないですけどっ


琴代・しらべ
【恋華荘】

いちごさんと一緒に、宇宙バイクを借りて乗り込むわ

運転はいちごさんに任せて、
私はその後ろで振り落とされないように、ぎゅっと抱き締めながら戦闘へ

…意識しないようにしてたけど、胸の感触の事を指摘されて
一気に恥ずかしく…!?

戦闘宙域に入ったら『脆弱点』を捜索して、Glitch:Offencive-Effectを使い、敵を攻撃

…片手でぎゅっとしながら、もう片方の手でGlitcher's Cell[KB]を操作するから
それまでより強くぎゅっとしてしまい
真剣に戦闘しつつも、恥ずかしさもかなり強くなってて…

って、そこでそういう運転は!?
と、その激しさに思わず必死にぎゅっとしてしまう事に!?



 輸送船を守るべく、猟兵達の激しい戦闘が続く周辺宙域。その只中に、更に一機の宇宙バイクが突入してゆく。二人の猟兵によるタンデムだ。
(私もそろそろ、自前で用意した方がいいですかね……?)
 ハンドルを握る彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は思う。こうして乗り物が必要な任務の場合、自前で用意できた方が戦術の幅も広がるので良いかもしれない――と。
(……それにしても)
 ふと、背中に感じる感触を思い出して、思わず頬が紅くなる。何故なら、彼の後ろには、同行者たる琴代・しらべ(The Glitcher・f25711)がしがみつくように抱き着いていたのだから。
 宇宙空間を疾走している最中である、万一振り落とされれば最悪考えることを止めるしかなくなる。それ故に、確りと抱き着くことは必要な行動ではある。あるのだが。
「……あの、しらべさん。当たってます……」
 赤面の原因を思わず指摘したいちご、ふと視線を後ろに振り向ければ、顔を真っ赤にして恥ずかしそうな、恨めしげな視線を向けるしらべの姿。
(……い、意識しないようにしてたのに……!)
 さる事情により言葉を発することのできない彼女だが、いちごはその事情を理解しているのもあり意思疎通に問題は無い。が、それ故に察してしまって申し訳なくも思う。こうして抱き着いた状態を保つのは、安全上必要な行為ではあるのだから。
「ご、ごめんなさい……!」
 思わず謝ってしまいつつも、バイクはそのまま戦場へと突入。二人に気付いた宇宙海賊のデルタ・ファイターが次々と飛来してくる。
「って、敵が来ました……! 迎え撃ちましょう、しらべさん!」
 気を取り直したいちご、しらべに呼びかけつつハンドルから手を離す。操縦は身体より伸び出てバイクに接続した触手を介し思念制御にて行うため、問題は無い。
 しらべも応じ、片手を伸ばすとその先にホログラフィ・キーボードを展開。鍵盤に指を這わせれば、宇宙空間内至る処に01ノイズを帯びた闇のようなモノが生じ始める。否、それは元より其処に在ったモノ。しらべが有する異能、即ち『脆弱点』を暴き出す力によって顕在化したモノだ。
 迫り来た戦闘機群が、機関銃を掃射する。数発でも人間にとっては致命傷となり得る弾丸の雨を、いちごの思念が制御する宇宙バイクは急加速にて潜り抜けてゆく。
「ふんぐるいふんぐるい……解き放つはこの世の理を外れし異界の銃器……」
 加速の勢いで別の敵集団に高速接近する宇宙バイク。いちごが冒涜的なる呪文を唱えれば、周囲の空間が歪みだす。
「……我が敵を、撃ち貫け!」
 詠唱が結ばれると共に、歪みの中から撃ち出されるは異界にて生成された無数の散弾。迎え撃たんとした戦闘機群、その機体全体へと突き刺さり蜂の巣が如き様相へと変じせしめ、そのまま破壊せしめる。
(追いかけてくる……けど、この脆弱点からなら……!)
 一方しらべは、片手で何とかいちごの身に掴まりながら、背後より追いすがる戦闘機群を見据える。その時、己の通り過ぎた後に脆弱点が生じているのが見える。
 ならば、と。しらべがホロキーボードを叩き奏でれば。脆弱点から飛び出した槍じみた光――レーザーとも見える現象が、追跡してくるデルタ・ファイターを貫き、一撃のもとに爆散せしめた。
 だが宇宙海賊の戦力は未だ少なからず。四方より襲い来る戦闘機群が機銃を、ミサイルを撃ち放ち宇宙バイクを撃墜せんと襲い来る。
「やらせはしません……!」
 いちごの意志に従い、宇宙バイクは急加速と直角蛇行を駆使して機銃弾を躱し、加速からの宙返りでミサイルを振り切る。すれ違いざまにいちごが放つ銃弾がデルタ・ファイターを撃ち砕き、加速するバイクは孤を描く軌道で上昇、そして下降へと転じ、そのまま円を描くように一周。彼らを追いかけんとしていた敵を、背後へ捉えるに至る。
(隙だらけ……いける……!)
 敵集団の中心近くには脆弱点。しらべの指が素早く閃き、ホロキーボードを乱れ叩く。応じて脆弱点から溢れ出すのは猛烈なる爆発エネルギー。脆弱点周辺の敵を悉く爆ぜ飛ばし、破壊してゆく。散り散りになった敵達は、いちごの放つライフル弾が的確に撃ち抜き、逃さず仕留めて回る。
「もう少しです、しらべさん……! 頑張っていきましょう……!」
 呼びかけるいちご、応え頷くしらべ。だが両者とも顔が先程以上に赤い。というのも。
(う、運転が激しすぎて……! 振り落とされてしまいそう……!)
 いちごが回避機動の為に急加速や急制動を繰り返すことに加え、脆弱点に干渉する為のホロキーボードの操作で片手を離さざるを得ないしらべ。一歩間違えば振り落とされかねない危険な状態であった。
 それ故に、いちごにしがみつく腕には先程まで以上の力が入り。結果、先程以上に強く胸が押し付けられてしまっていたのだ。
 戦闘真っ只中ゆえにいちごも指摘できず、只管その感触を意識の外に追い遣ろうとしながらの戦いを余儀なくされる。だがそれでも確実に素早く敵を殲滅していけるのは、ひとえに彼らの技量と、連携の賜物なのかもしれない。

ともあれ、宇宙海賊の軍団は猟兵達の活躍により全滅。
輸送船は無事、ザナドゥIXへ向かえる運びと相成った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『行楽船を楽しもう!』

POW   :    ノリと勢いで、とにかく楽しむ。

SPD   :    あちこち回って、たくさん楽しむ。

WIZ   :    頭を使って、冷静に楽しむ。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の活躍により、輸送船は無事救助され、予定より僅かに遅れてザナドゥIXへと到着。
 早速、宇宙南瓜を始めとした積み荷が下ろされ、それらを用いて急ピッチで準備が進み。
 無事、ハロウィンイベント開催と相成った。

「皆様、輸送船の救援お疲れ様でした」
 早速一般の客も入り、大いに盛り上がるザナドゥIXの艦内。その中心部にて猟兵達を迎えたのは、グリモア猟兵のルナである。
「これよりはハロウィンの催しを存分に楽しんでくださいませ。歓楽街たるこの艦ですので、少々刺激の強い催しも色々あるものかと」
 流石に完全に未成年者お断りな催しは無いが、それに近いくらいに色気を感じさせるものなら幾つもあるという。
「そうした催しも含め、私もこれより催しに参加して参りたいと思います。皆様のお誘いあらば、可能な限りお応えしようかと」
 猟兵達をもてなす側になるも、共に楽しむ側になるも猟兵次第。それも含めて、どのように艦内のイベントを楽しむか。猟兵達は思案するのであった。

※イベントの具体的内容はプレイングで指定頂いたモノが生えてきます。
※当方のお色気全開系シナリオレベルのモノは流石にありませんのでご了承下さい。
※その他お祭りにおいて不適切と思われるモノはマスタリングの可能性があります。
カシム・ディーン
ご主人サマ!楽しそうなお祭りだよ!
まぁこういうのにお邪魔するのも悪くねーか
存分にエロい事をやりきれねーのは残念ですが
「それは他の好機を狙おうねご主人サマ☆」

と言う訳でパーティを楽しみますが折角なのでルナを巻き込みましょう
基本南瓜の仮装やイルミネーションが豊富な場所で遊びます

後はデザートやゲームやえちえちなイベントも楽しむとしましょう(色々お任せ

之ぐらいは大丈夫ですかね?(ルナのお胸にダイブの構え
「ご主人サマはおっぱい好きだね☆」(そして後ろからはぐはぐ、サンドイッチタイム

まぁ…こうして心地よい抱き枕で眠ると幸せな夢が見れる気もします

尚、遊び疲れて僕はルナのお胸枕で包まれ笑むるのです!(きりり



 ザナドゥIXの中心区域、規模の大きなレストランや大衆酒場、或いは屋内型アクティビティといった施設が軒を連ねるメインストリートは、今宵ハロウィン一色に染まりきっていた。
 通りを彩るネオンやホログラフィも、パンプキンカラーを中心にハロウィンらしい色彩やモチーフを用いが主体。
 幅の広い通りを埋め尽くさんばかりにごった返す人々もまた、一様に思い思いの仮装を纏って街を練り歩く。まさにハロウィン真っ只中というべき様相だ。
「ご主人サマ! 楽しそうなお祭りだよ!」
 雑然としつつも賑々しい光景に、銀の長い髪を揺らす少女が弾んだ声を上げる。振り返ったその表情は、期待感に輝くような笑顔である。
「前見ろ前。あんまりはしゃぎ過ぎるんじゃねーですよ」
 その後に続く、ご主人様と呼ばれた少年が窘めるような声をかける。なれどその声音も何処か高揚感が滲み、祭りの雰囲気に何処か影響されている雰囲気である。
 彼はカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)、此度のイベントを楽しむべくザナドゥIXを訪れた猟兵。そして前を行く少女は『メルクリウス』、通称メルシー。カシムと縁を結んだ機神の人間体だ。
「これ程賑やかな雰囲気なのです、高揚なされるのも無理ないことかと」
 カシムの隣には今一人。グリモア猟兵のルナである。カシムの誘いに応じ、黒いゴシック風のローブ姿で同行することとした彼女、メルシーのはしゃぎ振りには理解を示している模様。
「まあ、こういうのにお邪魔するのも悪くはないですが」
 メルシーのはっちゃけた行動の被害を被ることもちょくちょくあるカシムとしては複雑だが、イベント事が嫌いなわけでもない。楽しむ意志は確かにあるのだ。
「折角ですし、ハロウィンらしい雰囲気を味わえる場所で遊びたいですね」
「でしたら、あちらに参りましょうか」
 カシムのリクエストを受け、ルナはストリートの先を示し歩きだす。適したスポットを知っているらしい。
 ルナを後ろから追って歩く形となったカシム、左右に揺れる形良く豊かな臀部を眺めつつふと思う。
(……存分にエロい事をやりきれねーのが残念ですね)
 ロケーション的にそういうことをしたかった模様。
「それは他の好機を狙おうねご主人サマ☆」
「人の心を読むんじゃねぇ!?」
 どうやらメルシー、カシムの視線がルナの尻に行っていたことで察したらしい。

 三人が訪れたのは、人工海に面したナイトクラブ。窓から海岸に施されたイルミネーションが一望できる席につく。
 因みにこの店、現在はハロウィンに合わせて仮装がドレスコードとなっており、カシムは吸血鬼風、メルシーは妖精風の仮装に着替えていた。
「お待たせ致しましたー、限定パンプキンケーキでございます♪」
 サキュバス風の仮装をしたスタッフが、テーブルに大きな橙色基調のケーキを置いていく。上部には南瓜を中心に、チョコやクリームで蝙蝠やお化けなどのデザインが施された、成程ハロウィンらしい逸品だ。
「わぁ、美味しそうー! ってか美味しい☆」
「早速食ってんじゃねーか!!」
 美味しそうと思った時には行動は既に完了しているメルシー。思わずカシムの突っ込みが入る。
「これだけの大きさです、急がずゆっくり食べて参りましょう」
 ルナがケーキを切り分け二人に供する。勿論自分の分も確保はしている。
「ん、でもまあ確かに美味しいですね」
「ええ、しっとりとして落ち着いた感じの甘味かと」
 そうしてケーキの味わいに舌鼓を打つカシムとルナであった。

 それからクラブ内のイベントに参加した三人。
 ビンゴゲームでメルシーが見事当選を果たし、大きなぬいぐるみをゲットしたり。
 ダンスパーティでカシムがつんのめってルナの大きく開いた胸元に飛び込むアクシデントが起こったり……いや「これくらいは大丈夫ですかね?」と呟いてたので恐らく故意だ。尤も、ルナもそうした行為に嫌悪は無いが。
 面白がったメルシーが「ご主人サマはおっぱい好きだね☆」と後ろから抱き着き、前後から柔らかな肉に挟まれる大変刺激的な光景が現出したとかなんとか。
「……あら、カシム様、眠ってしまわれましたね」
 その姿勢のまま席に戻って暫し。カシムが眠りに落ちていることに気付くルナ。遊び疲れたのだろうか。
「――ふふ、お疲れ様でした」
 常は猟兵であったり盗賊であったり、方々を飛び回っている彼なので、時にはこういう事も良いだろう。そのまま暫し、己の胸で眠らせてあげるルナであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
一先ず、無事に片付いたようですねぇ。
後はゆっくり楽しみましょう。

『普通の南瓜』と『宇宙南瓜』はどう違うのですかねぇ?
丁度『南瓜を使ったスイーツフェア』が行われるみたいですし、『料理側』で参加させていただきますぅ。
【豊饒佳饌】を発動、[料理]と[グルメ知識]を強化しておきますねぇ。
作るのは『パンプキンスパイス』を使った『パンプキンタルト』、タルト生地の方にも少量の『スパイス』を入れ、バランスを整えた品ですぅ。
南瓜の種とホイップクリームをトッピングに使い、ハロウィンらしい飾り付けを。
手が空いたら、他の品も色々頂きますねぇ。

宜しければ、ルナさんもお召し上がりになりませんかぁ?



 ザナドゥIXのショッピングモールの一角では、ハロウィンスイーツフェアなるイベントが催されている。普段お土産向けのスイーツを作っている菓子職人達が作る、ハロウィンをテーマにした菓子を売り出すイベントだ。
 ハロウィンカラーが目立ちつつも色彩鮮やかな多種多様なるスイーツを見て回るグリモア猟兵のルナ。その目が、一際多くの客の集まるブースに向く。
「あれは……」
 見れば、売っているのはどうやらパンプキンタルトの模様。これ程までに多くの客を集めるとは、一体どのような店が出店しているのか。
「……おや」
「あ、ルナさんいらっしゃいませぇ」
 向かってみれば、カウンターで商品を渡していたのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。よもやスタッフ側に回っていたとは、とルナは少々驚いたように目を丸くする。
「ええ、普通の南瓜と宇宙南瓜がどう違うのか、というのが気になりましてぇ」
 ルナの驚きに対し答えるるこる。その疑問の答えを探るべく、スイーツを作る側に回ったのだという。
「という事は……このタルトはるこる様が?」
「はいですぅ。パンプキンスパイスを使ったタルトになりますねぇ」
 それにより、甘味の中に少々のスパイシーな絡みと苦味が加わり、バランスの良い味わいになるのだという。そうした手の込み具合が多くの客を集めている要因かもしれない。
「スイーツにスパイスというのはシナモンぐらいしか聞き覚えがないので、少々意外な印象ですね……」
 勉強になる、と頷くルナであったとか。

 タルトを一つ購入したルナ。手伝ってくれたスタッフに販売を任せたるこると共に休憩スペースへと移動。
「実は味見で少し食べただけでしたので、しっかり食べるのは私も初めてなのですよぉ」
 テーブル上のパンプキンタルトを切り分けながら、何処かうきうきした様子でるこるが言う。チョコで形作ったジャック・オ・ランタンの顔もすぱっと切れる。
 付属のホイップクリームを搾り、南瓜の種を数個散らしてトッピングも完了。早速頂く両者。
「……ん、なるほど。南瓜のしっとりした甘味にクリームの濃厚な甘味がよく調和していますね。それがスパイスでより引き立てられている印象です」
「私としては思った通りの仕上がりになったと感じてますので、美味しく味わえて頂けているなら何よりですぅ」
 タルトのさくさくした食感を共に楽しみつつ、食べ進めながら感想を述べるルナ。表情の変化の少ない彼女だが、今のその表情はタルトの味わいを楽しんでいるのが明らかだ。るこるも安心したような笑みを浮かべる。
 そうしてタルトを完食すれば、フェア会場の方へ目を向けるるこる。どうしたのかとルナが問えば。
「ええ、折角あれだけ色々なスイーツが集まってるのですし、食べ歩きに行きましょうかとぉ」
 フェア会場で売られているスイーツは数多い。無論、るこるとしても気になるスイーツは一つ二つではない。無理からぬ話である。ルナが頷けば、早速とばかり席を立つるこるであった。

 因みに。
「ところでるこる様、南瓜の違いは分かりましたでしょうか」
「うーん……食べた限りではよく分かりませんでしたねぇ」
 少なくとも味や食感に関しては、普通の南瓜とほぼ変わりない、という結論であった模様。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミヤコ・グリードマン
仮装と称して真の姿を開放、四腕のむちむちボディにルナと同じ踊り子スタイル

ルナを誘ってダンスパーティやステージショーに行ってみるわ
ダンパでルナがナンパされるけど、当然シャットダウン

次はポールダンスショー…と思ったらほとんどストリップぎりぎりね
でも、面白そうだし、何組かの艶技を見てから、飛び入り可のアナウンスに、ルナと一緒にステージに上がるわ
まぁ息なんて合うわけないし、振り付けも適当なんだけど、ぎりぎり見えそうなエッチなポーズと絡みのパフォーマンスで盛り上げてみせるわね



 肉感溢れる褐色の肢体に、薄くひらめく踊り子衣装を纏った蛇髪四臂の美女。何処かの惑星の伝承に伝わる古き女神を思わせる、禍々しさと神々しさを共に感じさせる仮装の女性が街を行く。
 厳密には、それは仮装ではない。先の宇宙海賊との戦いの余韻故に解放可能となった、ミヤコ・グリードマン(海賊王女・f06677)の真の姿だ。尤も、世界の埒外たる猟兵であるのに加え、あくまで仮装と称しているが故、人々からは純粋に美女として見られている。
「さて、こういう恰好をしたからには、行く処は一つよね」
 傍らを歩む同行者――グリモア猟兵のルナへ視線を流し、ミヤコは告げる。因みにルナは任務を依頼した時と同じ踊り子衣装。ミヤコのものとはデザインも近しい。
「となりますと……ダンスイベントが行われている店舗、となるでしょうか」
「その通りね。良い店をひとつ見つけたから、そこに行きましょ」
 ルナの答えにミヤコは笑みと共に頷いて。彼女の腰を抱き、共に交差点を曲がってその先へ向かってゆく。

 二人が訪れたのは、爆音でハイテンションなダンスミュージックが流れ、薄暗い中を色とりどりのライトが乱舞する空間。即ちダンスホールであった。曰く、普段は未成年者の入店を断っているがイベント時期は年齢制限を引き下げているらしい。
 それだけに客層は男女問わず見目に自信のある者が集い、しかもミヤコ達に負けず劣らずのあられもなき装いの者も多い。ルナ並の豊満な肢体に全裸同然のサキュバス仮装という姿の女性とすれ違い、期待通りと頷くミヤコ。
「さて、それじゃあ早速踊りましょうか♪」
 ミヤコの一言を合図に、二人は音楽に合わせて身を揺らし踊りだす。リズムを掴んだことで動きが増してくれば、比例するように揺れ弾みだす互いの双乳。白色と褐色、対照的な色合いながら体積では勝るとも劣らぬ四つの肉果が、本人達の動きに合わせてダイナミックに踊っていた。
 音楽がムードのある低速のテクノサウンドとなれば、どちらともなく身を寄せ合って。身体を、手足を、絡ませては離す動きを繰り返すダンスに移行。突き出された互いの胸が重なり潰れ合い、白と黒が溶けあうかのように踊るその様は、大変に淫靡な代物であり。
「よう姉ちゃん達、女二人だけじゃ寂しいだろ?」
「俺達も男だけじゃむさ苦しくてさ、一緒に遊ばないか?」
 周囲の目を惹き付けた結果、ナンパに挑む男達をも引き寄せた。その多くはミヤコの堂々たる姿に近づき難さを覚えたか、従順そうなルナへと声をかけていたが。
「悪いけど、この子はわたしのモノなの。今日は二人きりで過ごしたいんだから、邪魔しないでくれる?」
 四本の腕でルナの身を抱き寄せながら、不敵な笑みを男達に向けてみせるミヤコ。その姿を前として、食い下がれる男など、居ようはずもなかった。

 一頻り踊った後は、別のフロアのステージバーへと移動。フロア奥にはポールつきのステージが設えられており、ここでポールダンスショーが披露されることになっているのだ。
 座席について程なくしてフロアにアナウンスが響き、続いて流れだしたBGMと共に演者がステージに上がるが。
「……これはまた、随分と大胆なお姿のパフォーマー様ですね」
「って言うか殆どストリップぎりぎりじゃない?」
 二人のコメント通り、ダンサー達はいずれもが一際大胆な仮装を纏ってきていた。紐とフリルを合わせただけのようなメイド服や、スカートも上着の裾も極端に短い学生服風の衣装。アングル次第では局部が見える可能性すらありそうな代物だ。
 しかしミヤコはその様子に嫌な顔することなく艶技を見守る。こういうのは彼女も別に嫌なわけではない。寧ろ個人的な趣向で言うなら全く以てアリではある。
『さあ、ここからはフリータイム! 飛び入り希望のお客様、おられましたらステージへどうぞ!』
 そうして何組かの艶技が終わった直後、そんなアナウンスが場内に流れる。ここまでの艶技での盛り上がりと、一部は酒の勢いが手伝ったか、何名かの女性が相次いでステージへ上がる。
「これは負けてられないわね。わたし達も行きましょ」
 ミヤコもルナに声をかけ、共にステージへと向かってゆく。

 そして二人の演技のターンが回ってきた。三本あるポールを行ったり来たりし、時に二人で絡み、時に各々の艶姿を見せつけるように踊る二人。
 尤も、即興故に息は全く合わない。それでも肉感たっぷりの豊満ボディを惜しげもなく晒す仮装で踊る二人の姿は観客の目を惹き付ける。
 ミヤコはポールを脚に挟んだ姿勢でしゃがみ込み、そのまま両膝を左右に広げて腰を上下させる。所謂エロ蹲踞と言われるポーズだ。股間部を強調する動作に男性達……と一部女性達が興奮する様がミヤコにも見える。
 そこにルナも加われば、二人はポールを挟んで軽く抱き合い、各々の豊満な胸と脚とにポールを挟んで上下に動く動作に移行。観客の男性に挑発するかのような視線を向ければ、何人かの腰がびくりと跳ねたように見えた。
 いずれにせよ、会場の盛り上がりはかなりのものだ。満足げに笑みつつ、そのまま曲が終わるまで艶技を重ねてゆくミヤコ達であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
オブリビオンも撃退して、これで心置きなくハロウィンを楽しめますね。
まずは腹ごしらえとしてパンプキンパイをゲットです。
こうしてみると、パイもいろいろな種類がありますね。
ここは右から左までひととおり試してみましょう。

お腹を満たしたあとは、体を動かしたいところです。

ちょうどよいところに、ゾンビハンティングゲームがあるじゃないですか。
ゾンビをバットで倒していく、と。

普段やってることと同じような気はしますけど、張り切っていきましょう!
ゲームだからって、手加減しませんよ。



 オブリビオンも撃退した。輸送船も守りきった。これで心置きなくハロウィンを楽しめる。
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は、ザナドゥIXの一角にあるカフェを訪れていた。普段からケーキ類に力を入れているこの店、ハロウィン限定メニューとしてパンプキンパイを販売していると聞いた為だ。
(しかし、こうして見ると……)
 メニューを映すモニタには、パンプキンパイ以外にも様々なパイが映し出されている。定番のアップルパイやストロベリーパイ、ハロウィンとは関係ないが秋限定メニューの宇宙サツマイモパイ、などなど。実に色々な種類が存在するものだと実感する摩那。
(……どれも気になってしまいますね!)
 本命のパンプキンパイは勿論押さえるものの、他のパイにも興味を惹かれる。このまま諦めるには惜しい。となれば答えは一つだ。
「ご注文はお決まりですか?」
 促すスタッフの声を聞けば、摩那は顔を上げてオーダーを告げる。
「メニューのここからここまで全部ひとつずつ下さい!」
「!?」
 即ち、全てのパイを一通り試すという結論。スタッフの表情が固まる。無理も無い。眼前の客は細身の女性、そんな大量のパイを収めきれる胃袋を持つとはとても見えぬであろうから。
「あ、大丈夫です! これくらいなら全部食べきれますので!」
 尤も、摩那の方もそう見られる可能性は承知の上だ。フォローするように伝えれば、スタッフもそれならとオーダーを通す。
 そして実際に痩せの大食いである摩那。オーダーしたパイの数々を、一切れとて残すことなく全て完食してみせた。

「ふー、パンプキンパイも勿論ですが、他のパイも皆甲乙つけがたい美味しさでしたね」
 腹具合としても味としても、大いに満足した様子でカフェを出る摩那。腹ごしらえとしては十二分の成果であった。
 腹を満たしたら、次は腹ごなしに運動の一つでもしたい処。そう考え、摩那は通りを歩き出し――
「……おや?」
 程なくして、興味を惹くホログラフディスプレイを見つけた。群れなすゾンビの群れをバットで殴り倒す、ヴァーチャルゾンビハンティングゲームだ。どうやら普段はヴァーチャル野球ゲームである処をハロウィン特別仕様にしているらしい。
「ジャンルがまるきり変わってますね。ですが丁度良いです!」
 それくらいはっちゃけてくれた方が面白味もあるし、運動としても適度な感じである。摩那は頷き、意気揚々と施設の中へ入ってゆく。
 ゲーム用のバットを持ち、ヴァーチャルスペースへと進入してゆけば、荒廃した街並みと、そこを埋め尽くさんばかりに大量のゾンビ達が摩那を迎える。
(アポカリプスヘルっぽい光景ですね……というか)
 実際、猟兵としての任務とやっていることは同じような気がする。が、そこはそれ。ゲームであるならば、楽しむためにやっても全く問題無いのだ。
「さぁて、張り切っていきましょう!」
 明るい声で宣言するが早く、鋭いスイングが最前のゾンビの頭をジャストミート。既に腐敗の進んだ頭部が柘榴じみて弾け飛ぶ。ゲームだからとて加減する気は全く無い。一匹残らずゾンビを殲滅する気満々だ。
 第六感までもフル動員して迫るゾンビの位置関係を把握、先手必勝とばかりにバットを大きく振るってゾンビ達を薙ぎ払う。耐久力のある肥満ゾンビも、素早い連続攻撃であっという間に肉塊と変える。様々な種類のゾンビ達による波状攻撃も、冷静かつ的確に対応し大したダメージも無く切り抜けてゆく。
 まさしくオブリビオンを相手にしている時のような本気の攻勢が叩き出したそのスコアは、ぶっちぎりのランキング一位。二位のスコアを二桁ばかり引き離していたらしいとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カグヤ・アルトニウス
アドリブ歓迎

まあ、色々やりたかったんですが…単独行動なので今回は静かに過ごしてます

(服装:トランスキャストウェア)
英国紳士風のスリーピースのスーツにステッキ

(行動)
バーでホロスクリーンの新聞を片手にノンアルコールカクテルを飲みつつ静かに雰囲気に酔っている感じですね

最近の主なニュースというと…
各地のハロウィンの様子に加えて各種復興事業ですね
特に「戦争で失われた居住惑星の再生」は途方もない時間が掛かるものの、今後のスペースシップワールドの行く末を左右するので、「銀河帝国領のその後」と共に注目ですね

帰りも宇宙艇を操縦して帰るのでアルコールは厳禁です



 ハロウィンに沸くザナドゥIXは、メインストリートを中心に艦全体がお祭り騒ぎの様相である。然し無論、そんな騒がしい雰囲気を好まぬ者も少なからず存在するわけで。ザナドゥIXにはそうした人々向けの、落ち着いた雰囲気でハロウィンを楽しめる場も用意されている。
 その一つが、現在カグヤ・アルトニウス(辺境の万事屋兼宇宙海賊・f04065)が滞在しているバーだ。仄かな灯りに照らされる店内に響くのは、電子ピアノの生演奏の音色のみ。後は時々、マスターとカウンターの客のちょっとした会話が聞こえるくらいだ。
 照明がジャック・オ・ランダンを模しているのと、マスターやピアノ奏者の女性が其々狩人と吟遊詩人を思わせる仮装をしているのが、さりげないハロウィン要素と言えるだろうか。
(色々やりたい事はありましたが……こういう時を過ごすのも、悪くはないかもしれませんね)
 そんなバーの奥の方のテーブル席にて、カグヤはその雰囲気に酔うかの如く静かに時間を過ごしていた。彼自身は騒がしいのも嫌いではないが、今回は特に同行者がいないというのもあって、このように過ごすことを選んでいたのだ。
 現在のカグヤの姿は、英国紳士風のスリーピーススーツ。潜入任務用の特殊変性素材製外套を変形させたものだが、ジェントルの纏うに相応しい仕立ての良さも確と表現されている。ステッキもしっかり傍らの壁へ立てかけられている。
 片手にはホロスクリーンで表示された新聞、テーブルには飲みかけのカクテル。因みにノンアルコールだ。帰りも宇宙艇を操縦して帰るので、アルコールは厳禁。乗るなら飲むな、である。
(さて、最近の主なニュースは……)
 ホロスクリーンの表示端末を操作してページを繰る。やはり一番大きく取り上げられているのは、ここザナドゥIXをはじめとする各地のリゾートシップにおけるハロウィンの様子である。ここ以外にも、輸送船が宇宙海賊に襲われたが猟兵達の活躍で事無きを得たという艦は多いらしく、その件についても取り上げられていた。
(少しこそばゆい感じがしますね……ええと、次は)
 勿論、カグヤ達の活躍についても触れられている。彼自身への言及がある訳ではないが、それも少しむず痒い感覚はあったようで。少し急ぎ気味にページを送る。

 続いての記事は、旧銀河帝国領のその後。銀河帝国との決戦から二年半以上が経ったが、激戦の舞台となったエンペラーズマインドやかつての旗艦インペリウムの存在していた宙域は、未だに訪れる者の少ない領域となっている。
 一方、それ以外の帝国の制圧下にあった宙域に関しては、概ね人類の手に戻った様子である。以前は少なからぬ宙域が帝国残党の手に落ちていたが、猟兵達の活躍もありそれらの掃討も着実に進んでいるようだ。
(とはいえ、帝国継承軍もいますし、まだまだ情勢に予断は許せませんね)
 実際、猟書家と思しきオブリビオンが起こした事件についても取り上げられていた。銀河帝国は滅びたものの、スペースシップワールドからオブリビオンの脅威が退けられる日はまだまだ遠そうである。

(後は……やはり、この話題が一番気になるところですね)
 カグヤにとっての最大の要注目事項。それは各種復興事業である。
 以前、猟書家『ミニスター・ブラック』の襲撃を受けて壊滅に陥った騎士教練艦隊、その再編成が完了したというニュースを始め、オブリビオンの被害から復興しつつある各地の話題もあるが、最も気になる点はやはり。
「……惑星再生事業はそう簡単にはいきませんか」
 思わず口に出てしまったが、一部の艦隊にて手段が模索されている『失われた居住可能惑星の再生』事業についてである。尤も、この世界の技術力を以てしても、要する時間は百年や二百年ではきかない、というのが現状らしい。
 それでも、この世界の人類が再び大地を踏む日が来る、その可能性が明確となるならば、この世界の歴史の重大な転換点となり得るだろう。今後の動きをこまめに確かめる必要がある。
 頷き、残ったカクテルを一息に飲んで。出発するべく、カグヤは席を立った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※アドリブ絡み連携歓迎
※指定ユベコでイリス帯同

ふー、無事終わって何より♪
「コレで南瓜を堪能できますね…♡」

ああ、そうだねぇ♪お疲れ様、イリスちゃん…
って何故、ルナさんと似たアラビアン風ビキニ?
「私、センセイを罠にハメたくて♡」

ふふっ、ワルい娘だねえ♪
なら大人のハロウィンと洒落込むかい?
「はい、悦んで♡」

でも『アタシ達らしい』時間には早いし
ラグジュアリーなナイトプールの仮装イベに誘おうか
ちなみにアタシのコスはゾンビ風タンキニさ♪

「いい眺めですね…♡」
さっき(一章冒頭)調べておいたのさ
イリスちゃんを罠にハメたくて♪

「…カンパイ♡」
スペシャルカクテルで祝杯したら
『宇宙南瓜』の料理やスイーツを堪能さ♪



 人工海エリアに程近い、高級リゾートホテルエリア。この一帯においてもハロウィンの催しは色々と行われている。
 その一つが、とあるホテルのプールサイドにて催されている、ナイトプールでの仮装イベントだ。プールの底に設置された小さな灯りが瞬く様子は星々の煌めき、或いは宝石の輝きじみて、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出している。
「ふー、無事終わって何より♪」
 その身にゾンビを思わせる襤褸布っぽい意匠のモノキニを纏ったリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は、晴れやかな笑みでナイトプールの光景を眺めていた。
 プールサイドという場所柄、行き交う人々の仮装もまた、獣人であったり悪魔であったりと、水着のように露出度の高い衣装が多い。なかなかに眼福な光景と言えるだろう。
「コレで南瓜を堪能できますね……♪」
 そこに背後から声。先の戦闘の際にも帯同していた少女技師・イリスのものだ。リーゼロッテの独り言を聞いていたのか、それに応えるような言葉で。
「ああ、そうだねぇ♪ お疲れ様、イリスちゃん……」
 待っていた、とばかりにリーゼロッテは振り返り――目を丸くする。イリスの服装を見たためだ。プールである以上、水着っぽい仮装で来るとは思っていたが。
「って、その恰好……?」
 イリスの服装はアラビア風の意匠が施されたビキニ水着。随所に金のアクセサリーも付属し、踊り子めいた雰囲気を醸し出している。丁度、此度の任務を予知したグリモア猟兵がグリモアベースにて着用していた衣装の如く。
「私、センセイを罠にハメたくて……♪」
 悪戯がバレた子のような、或いは恥じらう乙女のような。照れ笑いを浮かべてみせるイリス。
 悪い子だ、そして愛らしい子だ。リーゼロッテもくすりと笑う。そんな子のことは、存分に愛でてやらねばならないだろう。
「それなら、大人のハロウィンと洒落込むかい?」
 見目は少女のようなリーゼロッテだが、その実年齢は二十代後半。充分に大人の女性である。その経た年輪を感じさせる、艶めいた笑みをイリスに向ければ。
「――はい、悦んで……♪」
 大きな丸眼鏡の下、頬に紅を散らしながらも、嬉しそうに笑い返すイリスであった。

 とは言え、本格的な大人の時間にはまだ早い。二人はプールフロアの奥の方、人工海を臨むデッキエリアに設置されたテーブルに着席する。イベント中、このデッキエリアはカフェバーとしても営業しているのだ。
「いい眺めですね……センセイ、こんな素敵な場所をご存知だったのですね……♪」
 対岸の歓楽街エリアのイルミネーションと、上空のハロウィンをテーマにした大きなホログラフィ、そしてそれらが映る海を一望するその風景。感嘆の溜息を漏らすイリス。
「ふふ、さっき調べておいたんだよ」
 輸送船の救援に行く道すがら、集めた情報の中から見出したのが此度の催し。これを選んだのは、大人びたラグジュアリーな雰囲気もさることながら。
「イリスちゃんを、罠にハメたくて♪」
 悪戯っぽくウィンクしてみせながら笑いかければ、イリスの顔が真っ赤な熱を帯びて。それでも、表情は満更でもなさそうな笑みのまま。
 そうこうしているうちに、オーダーしていたメニューが届く。守りきった輸送船の宇宙南瓜を使ったパイやプリンといった料理にスイーツ。そして橙と紫、ハロウィンカラーが目を惹くスペシャルカクテルが二人の前に並べられて。
 目を輝かせるイリスの姿を暫し堪能すると、リーゼロッテはカクテルグラスを手に取って。イリスもまたそれに倣う。二人の視線が重なりあえば。
「……カンパイ♪」
 涼やかな音を立てて、グラスが重なり合う。本格的な、二人の時間の始まりであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】
ちょっと刺激が強くて、デートには不向きですかね…?
赤面しつつ2人で歓楽街を歩いていると、イベントの案内をしてるルナさんを見かけ…コスプレ撮影会?
参加する旨を伝えると、私まで更衣室に案内されて
渡された衣装は、2人分のバニー?
…もしかしてルナさん私を女だと勘違いしてます?

着替えに手間取るしらべさんを手伝い
(裸を見たりカップにおさめるために胸を掴んだりしつつ)
着替え終わってステージに
私も撮影用ドローンを出してしらべさんの絵を撮りつつ
観客の期待に応えて2人でポーズをとったり…
…私の男の部分がバレそうになって慌てて脚を滑らせ、しらべさんの衣装に手をかけてしまい
胸ポロ撮影になってしまったり(汗


琴代・しらべ
【恋華荘】
無事イベントを開催できるようになってよかった…
って、撮影会…?
しかもバニースーツで!?

色々あって断り切れず、その上同じ部屋でいちごさんと着替える事に!?

…でもバニースーツなんで着た事が無いから
上手く着れるかどうか…
って、いちごさんが手伝ってくれるの?
…色々見られちゃうのは恥ずかしいけど、手伝ってもらうわ

って、結構強く掴んでない!?
と、胸を掴まれて大わらわに!?

ひと騒動あったけど、撮影会へ
色々なポーズを様々な角度で撮影されるのは
思った以上に恥ずかしいけど…

って、いちごさんが慌てて駆け寄って来て…!?

そこに手をかけちゃダメぇー!
と顔を真っ赤にして腕で胸を隠す様を撮影されちゃう事に!?



 色とりどりのネオンサイン、肌も露に行き交う人々。立ち並ぶ店舗の宣伝ホログラフィにも、男女のあられもない姿が浮かび上がる。歓楽街の性質が強いザナドゥIXの中心街は、ハロウィンであっても――否、ハロウィン故にこそ、刺激的な風景を見せていた。
『無事イベントを開催できるようになって、良かった……けど』
 タブレットから発される電子音声も、何処か戸惑いの色を帯びる。琴代・しらべ(The Glitcher・f25711)、とある事情により声を出せない彼女の、其に代わる意思疎通手段である。
「ち、ちょっと刺激が強いですよね……」
 しらべの顔も赤いが、隣を歩く彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)の顔もまた赤かった。このような街をデートの場とするには、二人はまだ若かった――というか未成年ゆえに致し方なしであった。
 戸惑いながら街を歩く二人。と、そこでいちごが何かに気付いた。
「あれは……ルナさん?」
 いちごのその反応に、しらべも彼が見ている方向へ視線を向ければ。其処には確かにグリモア猟兵のルナの姿。胸元を大胆に晒け出したバニースーツを纏い、街を行く人々からかけられた声に応対している。
 見たところ、その主な仕事は、背後に存在する施設へ人々を案内する行動のようだが、果たしてどんな施設なのだろうか。
「あの、ルナさん?」
「と、これはいちご様にしらべ様。イベントの方、楽しんでおられますでしょうか」
 いちごが声をかければ、丁度一般客の応対がひと段落した様子のルナが応える。と同時に振られた質問には再び顔を赤くする二人だが。
「丁度良い処でした、これから此処にてコスプレ撮影会が行われます故、お二人も如何でしょうか」
 コスプレ撮影会、それはその名の通り、なんらかの衣装に着替えた上でその姿を撮影するというイベント。つまりはしらべのコスプレ姿を撮影する好機。いちごの視線が一瞬、戸惑っている様子のしらべの方を向いて。
「面白そうですね、私達も参加させて頂こうかと」
 いちごが参加の意志を告げれば、しらべも赤面しながらも参加の意志を示す。
「承知致しました。では此方へどうぞ」
 頷いたルナ、早速とばかりに二人を施設の中へと案内する。曰く、この施設は普段フォトスタジオとして用いられている場所であり、イベント期間中は今回の撮影会のような催しを不定期に開催しているのだとか。
(なるほど……って、あれ?)
 ルナの説明に納得したような頷いたいちごであったが。そこでふと、状況がおかしいことに気付く。自分はあくまで撮影役として参加するつもりなのだが、何故自分も更衣室へ?
「此方が更衣スペース、そして此方が衣装となります」
 そしてルナから衣装を渡され確信した。渡された衣装はバニースーツ、それも二人分。つまり。
『いちごさんも、一緒に着るように……ということね』
 抵抗があるのか、戸惑い気味に己の見解を語るしらべ。いちごとしても戸惑いの方が強いようで。
「あの、ルナさん。私は男で――」
 自分の性別を誤認しているのでは、とルナに確認のつもりで伝えようとするが。
「存じております。ですが、いちご様なら問題ないと思いまして」
 どうやら理解した上で渡したらしい。難色を示すいちごであったが、しらべ共々なんやかんやで結局着ることとなった。

 二人での参加ではあったが、更衣スペースは一つ。即ち二人は男女ではあるが同じ更衣スペースでの着替えを余儀なくされた。仕方なく、互いに背を向ける形で着替える二人。
(……ううん、やっぱり違和感があるわ……)
 一糸纏わぬ裸身のまま、困惑の表情を浮かべるしらべ。バニースーツを着るなど未経験の彼女、とりあえず見たままに着てみようとはしているが、違和感は拭えない。と、そこに。
「しらべさん、良かったらお手伝いしましょうか……?」
 早々に着替え終えたいちごが声をかける。肩幅も含めて細身のいちご、バニー姿も驚く程に様になっている。
『……そうね、お願いするわ』
 それは即ち、いちごに裸を見られるということ。正直恥ずかしいが、この際止むを得まい。申し出を受け入れるしらべ。
 承諾されれば、いちごは早速彼女の方へ向き直る。既に一旦バニースーツを脱いでいたしらべの裸体が視界に飛び込む。しらべ本人よりも赤いのではないだろうか、という勢いで赤面しつつも、確りスーツを着させようと指示を出すが。
「後はカップ部分を整えるだけですね……失礼します」
 胸布に上手く収まっていない乳房を確りと収めるべく手を伸ばすいちご。必然的に、しらべの胸を鷲掴みとする形になってしまい。
『ちょ、ちょっと強く掴み過ぎな気が……!?』
「そ、そんなことはない……はずです!」
 胸を揉まれるかのようなその感触に、様々な意味で困惑するやら恥じらうやらなしらべであったとか。

 といった悶着がありつつも、着替えを終えて撮影会会場へ移動する二人。会場には他のコスプレした参加者に加え、普段着のままカメラを構えた参加者も多数。どうやら撮影する側とされる側で分かれているらしい。何やらUDCアースのコスプレイベントを思わせる光景だ。因みにルナもしっかり撮られる側で参加している。
『こんなイベントだったのね……まさか色んな人に撮られるなんて』
「ここまで来たら覚悟を決めるしかないですね……」
 これ程多くの人間に撮影されることになるとは、と改めて羞恥を覚える二人。しかしいちごはアイドルということもあってか、既に腹を括った模様。そして折角しらべ共々着替えたのだから、と自分も撮影用ドローンを出して撮影させることとした。主にしらべを。
 そして始まる撮影会。撮影者達からポーズのリクエストを受け、それに応じたポーズを取ってゆく二人。しらべは勿論、いちごに対しても撮影者達の全員が性別を誤認している為か、多くのレンズが向けられている。
 しかし場所柄か、或いはこうしたイベントの常か。最初は無難だったポーズの要求は徐々にエスカレート。二人は抱き合ったり、胸元や下腹部を強調したポーズを取ったり。或いは、極端なローアングルから撮影されたり、とリクエストは過激さを増していく。
『お、思った以上に恥ずかしいわ……』
 赤面しながら、羞恥を電子音声として発するしらべ。しかしそんな恥じらう様子も、撮影者達の興奮を煽るようで。
 続いて要求されたポーズは、立ったまま片脚を上げて脇に抱える、所謂I字バランス。この報告書の冒頭でルナが取っているポーズである。
 股間部が大変に強調される為、いちごとしては大変に気を使うポーズでもある。何しろスーツでうまく抑えてはいるものの、よく見れば股間部の膨らみが見えてしまう。男とバレる展開は出来れば避けたい。膨らみが目立たない姿勢を取ろうと身を捩るいちごだったが、徐々に体がぐらついてきて――
「わ、わわ……っ!?」
 バランスを崩し転倒。その先にはどうにかバランスを取ろうとするしらべの姿。当然の如く彼女を巻き込んで、二人纏めて大転倒。しかも。
(そ、そこに手をかけちゃダメぇー!)
 咄嗟に伸ばされたいちごの手は、しらべのスーツの胸元に引っ掛かってしまっていた。そのまま引き下ろされ、露わとなるしらべの胸。
 何とか腕で隠すものの、その間の数秒間で切られたシャッターの回数は、それはもう数えきれない程であったとか。いちごのドローンにもきっちり収められた模様である。

 そんな定番のとらぶるがありつつも、否、あったが故か。撮影会は大いに盛り上がったらしいとか何とか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月31日


挿絵イラスト