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キング・オブ・スイーツの座をかけて

#キマイラフューチャー #お祭り2021 #ハロウィン

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#ハロウィン


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 ――ぴんぽんぱんぽん。
 このシナリオは、猟兵同士の模擬戦シナリオです。勝敗はサイコロで決まるので、負けるのが嫌な人は参加しないでください。

●これは、戦争だ
 コンコンコン。
 ころりと現れたのは、たけのこのような形のクレープだ。
「これぞ、ハロウィンにおける至高のスイーツ。たけのこクレープだ」
 それを手に取り、貫禄のある初老のキマイラが告げた。
「まあ、これが!」
「薄い生地がまるでたけのこの皮のように折り重なっているわ!」
 出されたたけのこクレープを食べながら、周囲の観衆はそう評する。
 しかし、そこに異を唱えるものがいた。
「そんなものでスイーツを語るとは、滑稽だねえ!」
 オールバックのキマイラ男である。
「本物のスイーツってやつを食べさせてやる」
 そう言ってコンコンコンとして出て来たものは、きのこ型のドーナツだ。
「これが究極のスイーツ。きのこドーナツだ」
「あら、ただきのこの形をしたドーナツじゃないの?」
 栗毛の女は、オールバックの男に疑問を投げかけながらも、それをぱくり。
「おいしい! さっくり生地がほろりと口の中で溶けていくわ!」
 そう評する姿にドヤ顔を向け、二人の男が睨み合った。

 ……こんな感じで、今キマイラフューチャーでは、超人気の2つのスイーツを巡る、熱いバトルが繰り広げられている。
 熱い舌戦に次ぐ舌戦。しかし、その結果はこの戦いにおいて、なんの意味をなさない。
「さぁあ、今年もやってまいりました『きのこたけのこ武闘会』!」
 そう、最後は力がものをいうのである!
「今年のキング・オブ・スイーツの座はきのこ、たけのこ、どちらに輝くのか!?」
 実況の叫びと共にスポットライトが照らし出す。
 それは、きのこの顔をした巨像とたけのこの顔をした巨像、二つの巨像の腕で支えられた、巨大なリングであった。
「運命の結末は、二柱の神によって支えられたリングのみぞ知るのです!!!」

●きのこか、たけのこか
「というわけで、キマイラフューチャーでもハロウィンイベントが開催されますわ!」
 エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が意気揚々と猟兵達に呼びかける。

 キマイラフューチャーでは、この時期にだけコンコンコンすると現れる二つのスイーツがある。
「きのこドーナツか、たけのこクレープか……」
 両手にスイーツを持って、エリルが呟く。どちらもとってもおいしそうで、とても人気のスイーツである。だが、それ故に、自身の推すスイーツこそが最高だという二つの派閥が出来上がってしまったのだ。
「どちらも甲乙つけがたい美味しさだからこそ、頂点を決めたいと思ってしまうのですわね」
 というわけで開催される運びになったのが、それぞれの派閥の人間同士がタイマンで闘う、武闘大会である。
 なんで? というツッコミは野暮である。
「そこに、今年はなんと『猟兵部門』が新設されるようですの。その名の如く、猟兵の皆様だけが出場できる部門ですわ!」
 エリルは猟兵達の顔を見る。猟兵達だけが参加出来る、ということはつまり、対戦相手も猟兵ということになる。
 今隣り合う者同士で戦うということすら有り得るのだ。
 今までにない、珍しい機会である。
「さぁ皆様、きのこかたけのこか……どちら派かしら?」
 そう煽りつつ、エリルがグリモアを輝かせた。


G.Y.
 こんにちは。G.Y.です。
 ハロウィンシナリオの今回は今までにない、特別な模擬戦シナリオになります!
 第一章では予選です。田舎町のリングでの対決となります。
 第二章では決勝ですが、予選で負けていてもなんやかんや参加出来ます。

 どちらの章もルールは以下の通りです。しっかりと確認したうえでプレイングをお願いいたします。

 (1)「きのこ派かたけのこ派か」と「対戦相手の猟兵と、一対一で戦うプレイング」を書いてください。合わせプレイングで対戦希望してもOK。
 (2)マスターがきのこ派とたけのこ派のプレイングをひとつづつ選びます。ただし、「負けた相手を貶める内容」が書かれたプレイングは採用しません。
 (3)きのこ派を10の位、たけのこ派を1の位として、d100して出目の大きい方を勝者と決め、リプレイを執筆します(同値なら引き分け)。プレイング内容はリプレイの描写にのみ影響し、勝敗には全く影響しません。
 (4)最終的に、リプレイ執筆終了時点で勝利数の多かった派閥の勝ちです。

 今回は必ずどちらか一方が敗北となります。オープニング冒頭にもあったとおり、負けるのに抵抗がある方の参加はおススメしません。

 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『きのこたけのこ武闘会(予選)』

POW   :    パワーと体力で押しまくる

SPD   :    スピードとテクニックで翻弄する

WIZ   :    賢く策を弄して立ち回る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コーク・ホークリッジ
エリカちゃん(f25110)と対戦だ。

俺はきのこ派。
ドーナツは片手でつまむのに都合がいいからな。
エリカちゃんのキャバリアを組むために図面や画面と睨めっこしてた時も、たまにドーナツ食ってたな。
お、俺達の時間か。じゃあ行こうか。

さて、相手は武装からパイロットスーツに至るまで俺が手掛けたキャバリアだ。
格闘特化機と知っていて近寄らせるわけがない。ライフルやミサイルで飛び道具の雨を浴びせよう。
量産機の闘い方を見せてやる。

ユーベルコード「オーバーフレーム換装」。
移動力を半分に、攻撃回数を5倍にしてキャノン砲の弾幕を張る。

マトは動かないぜ。
掻い潜れればエリカちゃんの勝ちだ。
スペックきっちり引き出し切れよ!


エリカ・タイラー
コーク様(f33695)と対戦します。

私はたけのこ派となります。
クレープもドーナツも美味しいと思いますが、コーク様がきのこ派ならこれで闘えますね。

流石に手の内が丸裸、まして操縦の熟練度が違っては近寄らせて貰えませんね……。
BXSビームダガーも迎撃されて届きません。
それでも、この最精鋭機は人形遣いの私の『剣』です。

ユーベルコード「キャバリア・ドール・エクシーダー」。
キャバリアをからくり人形のように操縦し、RXサーフブレイドに乗ってキャノン砲の弾幕を掻い潜ります。

動きを止めている、つまり当てた方が勝ちということですね。
いいでしょう。あなたへの感謝と敬意を切っ先に込めて吶喊し、演習を締めましょう。



『さぁ始まりました! キング・オブ・スイーツの座を賭けた『きのこたけのこ武闘会』!』
 掛け声と共に、観衆が湧く。スポットライトに照らされたリングから光が伸びて、きのことたけのこを模したゲートが光る。
『今回の目玉企画! 猟兵部門の始まりだぁ!!』
 大きな歓声と共に、勢いよくきのこゲートから現れたのは、5メートルにもなる巨大な影!
『きのこ派は巨大ロボットだぁあ!!』
 現れたのは青いボディに黄色のラインの入った、細く特徴的なフォルムのキャバリア、マルスMk2。それを駆るのはコーク・ホークリッジ(レプリカントの量産型キャバリア・f33695)である。
「ドーナツは片手でつまむのに都合がいいからな」
 ずしんとリングに立つと、たけのこゲートへとカメラを向ける。
 ぶしゅぅーっ! と勢いよく吹き出したスモークの中から現れたのは青い髪をした一人の少女。しかし、その背後からは。
『おぉっと、こっちも巨大ロボットだぁーっ!!』
 少女、エリカ・タイラー(騎士遣い・f25110)。人形遣いたる彼女の背には、新たな人形であり『剣』……すなわちキャバリア『シュヴェールト』が立っていた。
「クレープもドーナツも美味しいと思いますが、コーク様がきのこ派ならこれで闘えますね」
 そう言い、エリカはコックピットへと滑り込むと、シュベールトと共にリングに立つ。
「あのキャバリアを組むために図面や画面と睨めっこしてた時も、たまにドーナツ食ってたな」
 コークは正面に立つキャバリアを感慨深げに見つめる。エリカの乗るキャバリアは、武装からパイロットスーツに至るまでコークが設えたものである。
 それはすなわち、相手の全てを知り尽くしているということでもあり、絶大なアドバンテージを誇ることになる。それは当然エリカも理解している、だが。
「それでも……!」
 臆さず、RXサーフブレイドを構える。その姿にコークはふっと笑う。
「おぅ、じゃあ行こうか」

 ――かぁん!!

 ゴングが鳴った!
 同時に2体のキャバリアが駆動音を唸らせる。
 最初に動いたのはコークのマルスMk2だ。背から放たれたミサイルが雨のようにリングに降り注ぐ。
「流石に手の内が丸裸……!」
 エリカはミサイルの弾幕を躱しながら、BXSビームダガーを投擲する。
「格闘特化機と知っていて近寄らせるわけがないだろ!」
 コークはライフルを構え、ビームダガーを撃ち抜くと、そのまま弾丸をシュベールトへと浴びせかける。
「やはり操縦の熟練度が違いますね……」
 近接戦を得意とするエリカとシュベールトは、弾幕に攻めあぐねている状態だ。
『これは……一方的かぁ!?』
 実況もこの状況にコークの圧勝を予言する。観衆からもどこか残念がる声が漏れ始めた。
 それでエリカは、諦めない。
「それでも、この最新鋭機は人形遣いの私の『剣』です」
 エリカが操縦桿から手を放し、十本の指を広げる。指の先から光の筋が糸のように伸び、シュベールトと接続されてゆく。
 キャバリア・ドール・エクシーダー。今シュベールトはエリカのからくり人形となった。
「来るか……ならこっちは量産機の闘い方を見せてやる」
 様子の変わったエリカに、コークもマルスMk2の機構を変形させてゆく。キャノンフレームへと変形したマルスMk2は、射撃速度が劇的に増加したが、その分機動力が一気に低下した。
「マトは動かないぜ」
 コークがキャノン砲を向けて告げる。エリカはきっと見つめ返しながら、言葉を返す。
「……つまり、当てた方が勝ちということですね」
「あぁ、掻い潜れればエリカちゃんの勝ちだ」
 言うが早いか、キャノン砲の嵐が巻き起こる。エリカとシュベールトへと砲弾が襲い掛かる中、コークはエリカを奮い立てるように叫ぶ。
「スペックきっちり引き出し切れよ!」
「いいでしょう」
 RXサーフブレイドに乗り、シュベールトがスラスターを噴き出す。
「あなたへの感謝と敬意を切っ先に込めて吶喊し、演習を締めましょう」
 どぅ、とシュベールトが突っ込んだ。
 剣がマルスMk2の喉をかききるか、弾幕がその勢いを削ぎ切るか。
『たけのこ派、突っ込んだぁぁ!!』
 直後。どぉぉん、とリングの上で爆炎が上がり、もうもうと煙が巻きあがる。
『ど、どっちだ……!?』
 静かになったリングの上で、立っていたのは……。

「俺の勝ちだな」
 マルスMk2であった。しかし、その肩にはサーフブレイドが突き刺さっており、シュベールトはほんの目と鼻の先で倒れていた。
「負け、ました……」
 エリカが悔しさを滲ませる。
「けど、あと一歩だったぜ」
 コークが冷や汗を拭う。ほんの僅かな、小さな運が、勝敗を分けたのだ。

『……しょ、勝者はきのこ派!! きのこ派がまずは一勝したぞぉぉ!!』
 実況の声に、静まり返っていた観客席がどっと沸き上がる。
 彼らの闘いは、観衆を熱狂の渦に投じたのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
イヴェッタ(f24458)と戦いたいぜ
どっちも事前に沢山食べたけど、味と触感だけじゃなくて見た目も楽しいからオレはきのこドーナツ派だぜ

うわ、ドーナツ派と分かっている上でクレープ渡すのは、元マフィアで現仕事に忠実なメイドとしてさすがすぎだぜ
動きが遅れても食べ物を粗末には出来ない、片手で急いで食べながら
もう片手で『不可能殺し』で圧縮した空気の砲丸を何時でもぶつける振りをする好機を伺うぜ
っと、今は無理と分かっていても振りかぶってなきゃ撃たれて降参する所だったぜ
へへ、次の動作で勝負が決まりそうだ♪

勝てたら一緒にドーナツもクレープも食べて楽しむぜ♪
負けたら大会終わるまでに決勝進む程のなんかやるぜ!


イヴェッタ・レチアーノ
グァーネッツォ(f05124)と戦いたいわ
私はたけのこクレープ派よ
確かにどっちもおいしいけど、このクレープ生地のおいしさが私には気に入ったわ

コンコンコンで多めに貰っておいたクレープを持参して、
戦いの中でもメイドとしての仕事としてクレープを渡していくわ
ドーナツ派だから正直楽しみにくいわよね
その心に付け込んで『御客様の為の時間』であんたの時間を遅らせるわ
後は隙を見て降参させる程の致命的な銃口の突き付けを、ッ!?
さすがパワーバカね、速度が落ちていても圧縮した空気砲丸をぶつけられたらさすがに降参するしかないわ……

私が勝ったらお詫びとしてドーナツ渡すわ
もし私が負けたら決勝まで這い上がってやるわ



 猟兵同士の激突は、大勢の観客を沸かせていた。
『さぁ、次はどのような試合を見せてくれるのか……選手入場です!』
 実況のアナウンスと共に、ステージが暗転する。ドーナツ型のゲートにスポットライトが浴びせられると、激しいスモークが噴きあがる。
「とぉーっ!」
 ドーナツゲートから現れたのはグァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)。
 褐色の健康的な肌に、小柄ながらグラマラスな体型が特徴的なドワーフだ。両方のスイーツを沢山食べて、選んだのはドーナツ派であった。
「味と食感だけじゃなくて、見た目も楽しいからな!」
 それに、もう一方……ステージを挟んで向かいのゲートにグァーネッツォは目を向けた。
『さぁ、こちらも来たぞ……こ、これはぁ!?』
 たけのこが交差したようなゲートの白いスモークの中から、現れたのはイヴェッタ・レチアーノ(囚人番号壱零零壱・f24458)。
 胸元の大きく空いたドレス、それに真っ白なエプロンとヘッドドレス。その姿はまさにメイドの姿そのものであり、手にしたトレーにはたけのこクレープが大量に乗せられていた。
「来たな、イヴェッタ!」
 グァーネッツォがステージからイヴェッタを見下ろす。グァーネッツォがきのこ派を選んだ理由。もう一つはイヴェッタとの対決を所望したからであった。

 ステージに上がったイヴェッタは、トレーに乗せたクレープをグァーネッツォに突きつけた。
「どっちも確かにおいしいけど、私はこのクレープ生地が気に入ったわ。さぁ、召し上がれ」
 メイドとしての見事な所作で、グァーネッツォにたけのこクレープを差し出すイヴェッタ。グァーネッツォはそれを咄嗟に受け取ると、手にしたたけのこクレープに思わず涎が出そうになる。
「うわっ……」
 グァーネッツォの呻きとともに、観衆がどよめいた。
 きのこドーナツ派であるはずのグァーネッツォが今、たけのこクレープを手にしているのだ。
 どちらの派閥にとっても、相手のスイーツは美味いと内心認めている。しかし、それを公にしてしまえば、相手派閥からの『圧』が強くなることも想像に難くない。
 それをリングという舞台の上で、イヴェッタは相手から引き出そうというのだ。
「流石、元マフィアで、現仕事に忠実なメイド……さすがすぎだぜ」
「正直、楽しみにくいわよね?」
 にこりと笑顔を向けるイヴェッタは、メイドとしての所作を崩さない。全てはイヴェッタの思惑通り。キノコ派として立った者の屋台骨を揺るがす一手は、この戦場でイヴェッタの給仕を素直に楽しめないという状況を作り上げた。
「うっ……!」
 グァーネッツォの動きが緩慢になる。パーラーメイドとしての給仕を楽しめない客には、時間を遅らせる罰が下ったのだ。
「あとは……!」
 イヴェッタが銃を抜いた。圧倒的なアドバンテージ、動きの遅いグァーネッツォの隙を見つけ、銃弾を叩き込むことは造作もないこと、の筈であった。
「……ッ!?」
 グァーネッツォが手にしたクレープにかぶりとかぶりつきながら、空いたもう一方の腕でぐっと『何か』を掴んていたのだ。
「はぁあっ!!」
 グァーネッツァの動きは遅くなったはず。だが、その腕の勢いはそれでもなお凄まじかったのだ。
 その気に圧され、イヴェッタが身を引いた。だがそれはグァーネッツァのフェイント。彼女は手に掴んだものを離さないまま、それをいつでも撃てるように狙いを定めていたのだ。
「さすがパワーバカね……」
 グァーネッツァの手に掴まれているものは圧縮された空気。あれをまともにぶつけられてしまえば、きっとひとたまりもなかったろうとイヴェッタは息をのんだ。
(「へへ、振りかぶってなきゃ撃たれて降参するところだったぜ」)
 グァーネッツァは内心安堵しつつ、心を躍らせる。咄嗟の動作がイヴェッタの警戒心を強めてくれたおかげで命拾いしたが、次はそう簡単にはいかない。
(「次の動作で……」)
(「勝負が決まるわね」)
 互いに間合いを取り、機会を伺う。勝負はほんの僅かで決する――!!

「やあああっ!!!」
「……そこっ!!」

 空気を投げつける激しい音と、銃声が同時に響いた。
 立っていたのは――グァーネッツァであった。

『き、きのこ派だぁ! きのこ派がこの予選を制したぞぉぉ!!』

 その実況に、会場は大きな歓声に包まれるのであった。

「やりーっ♪ みんな応援ありがとなー!」
 観客に大きく手を振るグァーネッツォに、起き上がったイヴェッタが首を振る。
「……負けたわ」
 悔しそうなイヴェッタに、グァーネッツォはドーナツとクレープを取り出して、イヴェッタに差し出した。
「さぁ、勝負も終わったし一緒に食べようぜ♪」
「そうね」
 イヴェッタは二つのスイーツを手に取ると、二人でそれを頬張る。二つの派閥の和解に、会場はさらなる盛り上がりを見せる。
「次は決勝だな!」
 グァーネッツォの言葉に、イヴェッタが宣戦布告のように告げた。
「決勝までなんとしても這い上がってやるわ」
 その言葉に、グァーネッツァは元気に頷くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『きのこたけのこ武闘会(決勝戦)』

POW   :    パワーで相手をねじ伏せる!

SPD   :    スピードで相手を突破する!

WIZ   :    賢さで相手の裏をかく!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 予選大会が終わり、とうとう決勝大会が始まる。
 様々な会場から集まった精鋭たち、勝った者は勿論、予選の敗者復活戦等を経て、猟兵達は皆、参加権を得ることが出来た。

『さぁ、決勝はきのこ神とたけのこ神が支えるリングで行われます!』

 会場の映像を流しながら、実況が叫ぶ。
 会場の中心には、数十メートルはあろうかという巨大でマッチョな二体の石像――しかしそれらの顔が『きのこ』と『たけのこ』になっている――が並んでいた。
 その二体の石像の中心に決勝リングは設置されていた。
 それぞれの石像がコーナーポストを掴み、リングを宙に浮かせており、単純にかなりの高所での戦いが強いられるようである。
『しかし、それだけではありません!』
 実況が興奮気味に解説を始める。
『この石像は、派閥ごとの応援パワーによって、腕が持ち上がる装置が備わっているのです!』
 片側の腕が上がれば、リングは当然傾く。悪くなった足場で有利になるのは、高い位置にいる者だ。
 つまり、観客の応援する声、あるいはそれを呼び起こすほどのパフォーマンス。それが圧倒的な有利を生み出すリング、というわけだ。
『そのリングで、選手たちはどのような死闘を繰り広げてくれるのでしょうか!』
 そして実況は、締めにもう一度大きく叫ぶ。
『こう、ご期待!!』
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
イヴェッタ(f24458)と決勝リングで戦うぞ
今年はきのこドーナツが総合的に勝てる様に頑張るぜ!

コンコンコンでありったけのドーナツを貰っておいて
戦闘中でイヴェッタが攻撃している最中でも
多少の怪我をしてでもリングの上で満面の笑顔で美味しくいただくぜ♪
きのこの天辺や横、柄のどこから食べる楽しみもあるし、
食べ終わりの部位も悩みながら食べるのもおいしくて楽しいぞ♪
食べている最中に負けない為においしく食べる表情や感想のパフォーマンスで応援パワーを集めるぜ

食べ終わったら怪我していても腹一杯でも構わず『菓子への感謝』でオレ自身を強化して攻勢にまわるぞ
さっきまでの食事も戦いだ、この後半戦で勝敗決めてやるぜ!


イヴェッタ・レチアーノ
グァーネッツォ(f05124)と再戦よ
たけのこクレープ派として決勝リングは今度こそ負けられないわ

さっきは負けちゃったけど、敗者復活戦やその他諸々の参加権を得る過程があったおかげでクレープ派の大勢とSNSの相互フォローが出来たわ
今この決勝中でもフォロワーが私を宣伝してくれているし、私自身も体内サーバーでフォロー返ししているわ
『プロジェクト・ディーヴァ』でドーナツ派に勝つ力を得て真っ向勝負よ

クレープへの愛、特に他のクレープでは再現出来ないたけのこの形や、折り重ねの生地によるたけのこの皮の再現を褒めちぎって応援パワーで優勢にも挑むわ
あんたがいくら食べていても油断せず、強化しても最後まで戦い抜くわ!



 決勝戦――。

 きのことたけのこの石像が支える不安定なリングに、その猟兵達は再び相まみえた。
 グァーネッツォとイヴェッタ。予選に引き続いての参戦である。
「予選は負けちゃったけど、ここまでの過程は私に新しい力を得たわ」
 リングに立ったイヴェッタはそう語る。
 彼女の体内に埋め込まれたサーバーからは、イヴェッタのフォロワー達が決勝の生配信を見守る姿が感じ取れた。
 敗者復活戦をはじめとした、決勝へと向かう為に行った活動は、たけのこクレープ派のフォロワー増加へと繋がったのだ。
『イヴェッタちゃんがんば!』
『武闘会の配信を視聴中! のりこめー!』
 そんなSNSの盛り上がりは、イヴェッタの手を離れて自然に広がってゆく。イヴェッタもそんなフォロワー達へとフォローを返しながら、きのこ派であるグァーネッツォが現れるであろうきのこ像を睨みつけた。
 そして間もなく、きのこ派の入場口が開かれた。
「……えっ」
『こ、これはぁぁ!』
 実況が叫ぶ。何故なら現れたのはグァーネッツォではなく、大量のきのこドーナツの山だったからである。
「へへ、ありったけのドーナツを持ってきたぜ!」
 ドーナツの山から、グァーネッツォの声が響いた。なんとグァーネッツォは事前にコンコンコンをして、きのこドーナツを持ち込んだのである。
「今年はきのこドーナツが総合的に勝てる様に頑張るぜ!」
 にかっと笑って、グァーネッツォがリングの上に、ドーナツをどかんと置く。山盛りのきのこドーナツはどれも出来立てで、場内から思わず涎を啜る音が聞こえるようであった。
『これはたけのこクレープ派、形勢不利か……!? さぁ、ここでゴングです!』
 実況の合図とともに、ゴングが鳴った。ぐんときのこ側のリングが傾き、グァーネッツォがイヴェッタの頭上を取る。
『やはり物理的なアピールは強い! これは観客の目にもお腹にも大打撃だぁ!』
「けれど……!」
 イヴェッタは冷静に、頭上から襲い掛かるグァーネッツォを捉えながら、口を開く。
「たけのこクレープはね、他のクレープでは再現できないほどの、生地が美味しいのよ」
 その言葉に、たけのこ側のリングも僅かにせり上がった。
「あの折り重ね、あのたけのこの皮の再現のような生地」
 ……ごくり。
「驚くほどに薄いけれど、その一枚一枚にはっきりと感じる食感……!」
『ちょっと俺、コンコンコンしてくるわ』
 SNSで、そんな書き込みが目立ち始めた。
 そう、それは人に備わった『想像力』。
 美味しいものを美味しそうに語るイヴェッタの姿は、その場に無いクレープの、あのたけのこの形を、間に挟まったクリームの味を、薄皮の生地のなめらかさを、観客、配信視聴者達の頭から呼び起こしたのだ。
 がくんとたけのこ側のリングが一気にせり上がる。
「うおおっ!?」
 一気にぐらついたリングに、グァーネッツォがバランスを崩す。
「この応援パワーで、真っ向勝負よ!」
 この機を逃すまいと、イヴェッタが追撃をかける。しかしグァーネッツォも諦めない。
「こんなにうまいものがあるなら、オレ頑張れるぜ!」
 手にしたのはリングに積まれたきのこドーナツ。
「はぐっ……!」
『食べた!!』
 イヴェッタの攻撃を受けながら、グァーネッツォがきのこドーナツを頬張ったのだ。
「ん~~♪」
 一口一口、実に幸せそうな笑顔を見せるグァーネッツォの姿に、リングが再び傾く。
「きのこの天辺、横……どこから食べても美味しいぜ♪」
 イヴェッタからの攻撃を受けながらも、ドーナツを美味しく食べ続けるグァーネッツォの姿に、どこからかこんなコメントが流れてくる。
『飯テロ』
 誰かが美味しそうに食べている様子。それは、ただそれだけで他人の食欲を刺激する一大プロモーションになる。
「食べ終わりの部位はどこにしようかな……♪」
 そうやって悩んでいる姿も、空腹へのスパイスだ。きのこ派に限らず、観戦者達にもきのこへの思いは膨れ上がっていく。
 さらに、グァーネッツォは美味しいお菓子を食べる度、士気と戦闘力が増加してゆく。
 一石二鳥の食事は、リングを拮抗状態に立て直し、グァーネッツォに反撃のチャンスを与えるのだ。
「この後半戦で、勝敗決めてやるぜ!」
「あんたがいくら食べていても!」
 元気満々なグァーネッツォに、イヴェッタが機関銃を構える。
「たけのこ派のみんな、私に力を貸して!」
 フォロワーに呼びかけたイヴェッタに、たけのこ派の応援が集まってゆく。
「きのこ派ー! いっくぜー!」
 グァーネッツォが大きな槍を振りかぶると、きのこ派の応援がグァーネッツォの勢いを後押しする!

「うぉおおお!!」
「そこっ!!」

 ――それは、僅かな時の運。

「また、負けたわ」
 イヴェッタが崩れ落ちる。先に武器が届いたのは、グァーネッツォの方であった。
「いい勝負だったぜ」
 グァーネッツォがイヴェッタの健闘を讃えると、場内からは万雷の拍手が二人を迎える。

 決勝もまた、グァーネッツォ……すなわちきのこ派が勝利を収めたのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ローズウェル・フィリンシア
ハインさん(f28296)とお手合わせ
私はクレープが美味しかったのでクレープ派です
終わったらドーナツもクレープもいっぱい食べましょうね!

私達は神様ですので!普通では見られない戦いを見せてあげたいです!(えっへん)
派手に戦いますよ!

私の戦い方は【極彩色煉獄】で召喚した星型リングとの共闘です
私の炎魔法とリングの攻撃…数の多さで相手を圧倒させますよ!
最後は残ったリングを合体させて、巨大な虹色ビームでフィニッシュです!

応援によって足場が傾くとは…これは信仰心の表れ!
つまり神っぽいと思われた方が有利に…わぁ!飛ぶなんてずるいです!

結果がどちらでも恨みっこなしです!もし負けたら…やっぱり悔しいですけど!


ハイン・ジャバウォック
神仲間のローズ(f09072)と対戦
どっちも美味かったけど、ローズがそっちなら俺はドーナツか
確かにドーナツの方が腹に溜まったし…?

そうだな、普通の人間じゃできねぇ戦いってのを見せるのも悪くねぇ
町一つ壊さない程度に楽しくやり合おうぜ

俺は接近戦が得意だが、遠距離が苦手とは言ってねぇ
竜なんだから炎を操る事くらい簡単よ
数の多いリングを薙刀で破壊しながら【闇吐息】でローズを狙うぜ
じりじり接近して間合いに入ったら、薙ぎ払って杖を弾き飛ばしてやる
安心しな、それが本体ってのは分かってる

足場が悪くなったら竜に変身して火力を上げるぜ
悪者みてぇな姿に観客がビビらなきゃいいがな

勝っても負けても、楽しけりゃ満足だぜ



 きのこたけのこ武闘会。
 決勝大会の盛り上がりは最高潮を極めていた。
 観客達は次なる猟兵達の登場を今か今かと待ち侘び、リングを支えるきのことたけのこ像の入場口を見つめる。
「わたしはたけのこ派です!」
「ローズがそっちなら、俺はドーナツか」
 そう言って別れた二人の猟兵が、そんな機体のまなざしに満ちたリングへと歩み出る。

 ――わぁあああああ!!

 場内を埋め尽くす大歓声の中で現れたのは、たけのこ派として入場したローズウェル・フィリンシア(太陽と月の神子・f09072)と、きのこ派として参戦したハイン・ジャバウォック(虚空の竜・f28296)である。
「クレープが美味しかったのです!」
 たけのこ派として立ったローズウェルはそう言うが、スイーツ好きな彼女はどっちにだって興味深々だ。
「終わったらドーナツもクレープもいっぱい食べましょうね!」
 そんな風にハインににぱっと笑いかける。
 対するハインは、ローズウェルを対戦相手とするためにきのこ派を選んだ。
 とはいえ、事前にどっちも食べてみた感想から、一応の理由もある。
「確かにドーナツの方が腹に溜まったし……?」
 へらりと笑って、ハインはリングに登る。どちらにせよ、互いの派閥の代理戦争。その陣営になったからには、全力で勝利をもぎ取るのみである。

 リングに立った二人は互いに睨み合い、ゴングを待つ。
「私達は神様ですので! 普通では見られない戦いを見せてあげたいです!」
 えっへんと胸を張るローズウェルの提案に、ハインも笑って頷いた。
「そうだな、普通の人間じゃできねぇ戦いってのを見せるのも悪くねぇ」
 薙刀の形をした真紅の爪をラフに構える。
「町一つ壊さない程度に、楽しくやり合おうぜ」
『リングも壊さないでください!』
 実況が思わず突っ込む。へらへらと笑うハインの姿に、ローズウェルは自分自身たる杖を握りなおし……間もなくゴングが鳴り響いた。
「派手にいきますよ!」
 初めに動いたのはローズウェルだ。杖に力を集中させると、七色の閃光が光り、瞬き、星型の軌跡を描く。
「星々よ、輝きなさい!」
 現れたのは星型リング。60個もの膨大な数の輪が、戦場を縦横無尽に駆け巡る。星型リングによる手数で、ハインを圧倒しようというのだ。
「おぅおぅ、これは近付けねぇな」
 迫る星型リングを薙刀でいなしながら、ハインは笑う。
「まだまだっ!」
 リングの隙間を縫って、ローズウェルが炎の魔法を放つ。その隙間をギラリと睨み、ハインはにやりと笑う。
「けどよ、遠距離が苦手とは言ってねぇ」
 その隙間に、ふっと強く息を噴き出した。類稀なる肺活量、そしてその吐息からは闇の炎が噴き出される。
「わっ!?」
 ローズウェルの炎を押し返し、闇の炎がローズウェルを襲う。
「竜なんだから炎を操る事くらい簡単よ」
 思わぬ反撃にリングの動きが鈍った隙に、ハインが薙刀を振う。一刀両断で星型リングは消え去り、ハインはじりじりと一歩ずつ接近してゆく。
「くっ、まだまだです!」
 統率の乱れたリングを改めて操作し直し、ローズウェルは自身の前にリングを集め始める。
 それはハインを阻む盾ともなるが、本命は。
「こちらっ!」
 リングが次々と繋がり、七色のリングは虹のエネルギーへと変わってゆく。
「びーむ!!」
 エネルギーは巨大な虹色ビームとなり、ハインを押し戻す。
「はっ、一筋縄じゃいかねぇか」
 虹のビームを受け止めながら、ハインは笑う。拮抗状態、どちらが勝ってもおかしくない状況だ。
『きのこ派、がんばれぇ!!』
『たけのこ派、負けるなぁ!!』
 観衆の応援の声で、ぐらり、ぐらりとリングが揺れる。
「応援によって足場が傾くとは……これは信仰心の表れ!」
 足で踏ん張りながら、ローズウェルが目を輝かせる。
「つまり神っぽいと思われた方が有利に……」
 そうして観客に目を向けようとしたとき、ぎょっとして言葉を止める。
「わぁ、飛ぶなんてずるいです!」
 ハインが竜の姿に変身して、上空へと飛翔したのである。
 浮かび上がったハインに、ローズウェルがぴょんぴょん跳ねて文句を言う。
「足場が悪くちゃ戦いづれぇんでな」
 そう笑いつつも、眼下の観客を見やる。
(「悪者みてぇな姿に、観客がビビらなきゃいいが……」)
 そんな心配もどこ吹く風。キマイラフューチャーの観客は突然の闇カッコいいドラゴンに大歓声を上げている。
「いらねぇ心配だったか……さぁて」
 ハインがローズウェルに向き直る。狙うはあの杖。魔力の源、そして本体。
 炎を吐き出し、ローズウェルへと狙いを定める。ローズウェルも再びリングを呼び出して、それを迎え撃つ体勢を整える。
「結果がどちらでも恨みっこなしです!」
「あぁ、勝っても負けても、楽しけりゃ満足だぜ」
 ハインが一気に突っ込む。
 ローズウェルが虹のビームを放つ。
「ええぇいっ!!」
「いくぜぇ!」
 二つの力がぶつかり合い、リングの上で激しい爆発が巻き起こる。
 どよめく場内。実況でさえも、その状況に思わず沈黙してしまう。

 ――どちらだ?

 そんな思いでリングを見守る中、煙の中から何かが空に弾け飛んだ。
 そうして煙が次第に薄れてゆくと、見えてきたのはリングの中央、膝をつく影と、武器を突き付ける影。
「安心しな、それが本体ってのはわかってる」
 弾け飛んだのはローズウェルの杖。立っていたのは、ハインであった。

『か、か、勝ったのは……きのこ派だぁ!』
 実況の叫びに、静まり返った場内が、再び大歓声に包まれた。

「楽しかったぜ」
 呆然と膝をついていたローズウェルに、ハインが手を差し伸べる。
 その手をとって、ローズウェルはハインを見上げてにぱっと笑う。
「……私も!」
 そうして立ち上がった、は、いいが。
「……うぅ、やっぱり悔しいです!」
 遅れて悔しさがこみ上げたか、涙目で叫ぶローズウェルなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城田・紗希
たけのこ派を名乗れば、モッチさんと試合ができると聞いて?
(たけのこクレープの包み紙を捨てつつ、きのこドーナツもぐもぐ)
…イエ、中立じゃなくて、敵情視察デスヨ?倒すべき敵を知るためデスヨ??
(ドーナツも食べ終わったのでクレープのお代わりを食べつつ)

と、ともかく、勝てばいいんでしょ!
モッチさんがどんな手を使うか知らないけど、それはそれ!
今ここに、デュエリストブレイドの開会を宣言する!!
そして私は、火力デッキで、隙間をカウンターで塞ぐ!
ものどもーかかれー!(都市伝説をモチーフにしたらしい、アニメ調のクリーチャーに命令)

あ、勝っても負けても、クレープのお代わりはしておく!


モッチ・モチ
城田・紗希さんと参加デス

くぅ、グラグラの足場デスネ!しかし、きのこ派のワタシは負けまセン!

ユーベルコード【モッチバフ】で、大型ナイフを強化。足場の悪い地面でも、粘着力のある獲物を駆使して立ち回りマスヨ♪
トドメは近づいて横薙ぎ一閃!
勝っても負けても、良い勝負でシタ!と握手で終わりたいデスネ♪



『さぁ、大勢の猟兵達が繰り広げた大迫力のバトルも、残るは1組を残すのみとなりました!』
 実況が叫ぶ。きのこたけのこ武闘会は今、最高潮を迎えつつあった。
 きのことたけのこの像が支えるリングには多くの観衆の注目が集まり、最後の決戦が始まるのを、今か今かと待ち構える。
『さぁ、選手入場だ!!』
 スポットライトが照らされ、きのこ派の入場口から猟兵が現れる。
 モッチ・モチ(ボス専門バスター・f09023)。観衆の声援に手を振り、リングへと昇る。
 対するたけのこ派の入場口から現れたのは城田・紗希(人間の探索者・f01927)。手にはたけのこクレープの包みが握られ、くしゃりと潰してゴミ箱へイン。
 そしてもうひとつ、と、取り出したのは。
『ど、ドーナツ食ってるぅぅぅーーー!』
 なんときのこドーナツを食べていたのである。
「……イエ、中立じゃなくて、敵情視察デスヨ? 倒すべき敵を知るためデスヨ??」
 もぐもぐドーナツを頬張りつつリングへと向かう紗希。目が泳いでいるようにも見えるがまぁ良いだろう。
「と、ともかく勝てばいいんでしょ!」
 若干逆切れ気味の紗希であるが、ここに立ったのには理由がある。
「たけのこ派を名乗れば、モッチさんと試合が出来ると聞いたので!」
「エエ、受けて立ちマス!」
 モッチは笑顔で挑戦を受け止める。こうして両者、準備が整った。
『さぁ、ゴングです!』
 高らかな音と共に、試合が始まった!

「くぅ、グラグラの足場デスネ!」
 リングはたけのこ派側が若干有利に傾いていた。きっと食べ歩きが功を奏したのだろう。
「しかし、負けまセン!」
 手にしたナイフを構え、ユーベルコードを発動する。するとその刃に、もっちもちな弾力と粘りが発生する。
「はっ!」
 そのナイフをリングにつきつけ、モッチは滑り落ちそうになる身体を固定する。見上げれば、追撃をするべく紗希がカードを空へと掲げていた。
「今ここに、デュエリストブレイドの開会を宣言する!!」
 直後、カードの雨がリングに降り注ぐ。リングがカードゲームの会場となり、紗希の手にしたカードが具現化してゆく。
 具現化したカードは都市伝説をモチーフとしたさまざまなクリーチャーへと姿を変え、モッチへと襲い掛かる!
「ものどもー、かかれー!」
 これが紗希の火力デッキ。一体多ではモッチに分が悪いか?
「……けどっ!」
 ユーベルコードを施したモッチのナイフが煌めいた。
 出現したクリーチャー達がそのナイフにひっつき、そのまま薙ぎ払われたのである。
「やばっ!?」
 ナイフにひっついたクリーチャー達はまともに身動きが取れない。紗希の前に布陣した邪魔者はすべていなくなった。
「トドメデス!!」
 ひっついたクリーチャーごと、モッチがナイフを振る。
 横薙ぎ一閃――無防備な紗希にその一撃は躱せない……そう思われた時だった!
「その隙間は、カウンターで塞ぐ!」
「何デスッテ!?」
 紗希は切り札を一枚残していたのだ! 新たに現れたクリーチャーが、不意を突かれたモッチを吹き飛ばしたのだ。
「し、シマッタっ!」
 吹き飛ばされたモッチは粘着力のあるナイフを振るが、リングは遠く、刃が届かない。そのまま吹き飛ばされ続け、リングの外へと落下したのであった。
『……じょ、場外! これはたけのこ派の勝利でぇぇす!!!』
 その決着に、大きな歓声が沸き上がる。見事な戦いであったと、大きな拍手が猟兵達に贈られた。
「良い勝負でシタ!」
 モッチが紗希に握手を求める。
「楽しかったですよ」
 紗希が手を握り返し、二人は笑顔を向け合った。

 こうして、猟兵達の参加したきのこたけのこ武闘会は幕を閉じた。
 勝利はきのこ派という結果に終わったが、どの試合も名勝負として、観客の心に刻まれたことだろう。

 そして試合が終わって……紗希が思いついたように言う。
「あ、クレープお代わりしとこっと!」
「ワタシももう一個食べちゃいマショウ♪」
 猟兵達は、この時期にしか味わえない極上スイーツを心ゆくまで楽しむのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月06日


挿絵イラスト