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ハロウィン戦争、はじまります!

#キマイラフューチャー #お祭り2021 #ハロウィン #オーバーロードについてはマスターページ参照ください #きのこ派かたけのこ派か、お選びください #2章プレ受付開始しました!

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#キマイラフューチャー
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#ハロウィン
#オーバーロードについてはマスターページ参照ください
#きのこ派かたけのこ派か、お選びください
#2章プレ受付開始しました!


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【猟兵同士の模擬戦シナリオです。勝敗はサイコロで決まるので、負けるのが嫌な人は参加しないでください】

●どうして出会ってしまったの?
 キマイラフューチャー。
 コンコンコン・システムに支えられたこの世界もハロウィンの時には変化が訪れる。
「実はハロウィンの前後だけコンコンコンできるスイーツがありまして」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)がちらっと背後を見ると、グリモアベースの背景がハロウィン色に染まっているキマイラフューチャーの現在(いま)を映す。
「『きのこドーナツ』と『たけのこクレープ』。それはもう、とても美味しくて大人気なんですよ」
 というわけで、キマフューでは今コンコンコンできのこドーナツとたけのこクレープを食べ放題。とても甘くて幸せな時間が続いている……と思いきや。
「まぁ、ぼちぼち戦争が始まるので」
 サージェの言葉が不穏すぎる。『えっ!?』って視線を一身に浴びて、けろっとした表情でサージェが続ける。
「大人気過ぎて、この時期は『きのこ派』と『たけのこ派』が争い始めるんですよねー」
 その人気たるや、完全に二分されていて、昔から小競り合いが絶えなかった……というかヒートアップすると街が破壊される。それではさすがにマズかろうって意見が出てきたところでセッティングされたのが『きのこたけのこ武闘会』である。
「毎年、この武闘会でタイマンバトル、雌雄を決してるんですって」
 そんなわけで今年も順調に開催されるようです。
「現在、たけのこ派が1歩リードです」
 しかしいつも勝負は一進一退。きのこが勝てば次はたけのこが。たけのこが勝てば次はきのこが、という調子で進んできたので、今年もそうなる雰囲気なのかなと思いきや。
「今年は両派が全力を出してきました。『猟兵部門』を作ったんです」
 きのこ派はたけのこ派の勢いを完全に殺すつもりで。たけのこ派はきのこ派を一気に突き放すつもりで。今年の勝利をどちらが得るかで今後が決まる……そんな戦いが始まる。
「両派ともに皆さんにぜひ参加して欲しいという要望がありました」
 そんなわけで戦ってもらえます?
 サージェがあどけなく首を傾げるのであった。

●そんなわけで
 やってまいりました、キマフューきのこたけのこ武闘会。
 やはり、キマフュー住民の戦いは一進一退。雌雄を決するほどの決定打にはなっていないようだ。

 だが、猟兵たちならば……!

 そんな期待の視線を一身に背負う出場者たち。
 まぁお祭りだし……という雰囲気で終われるのか!?
 とりあえずどちらかの派閥に所属して戦ってほしい。まぁ猟兵同士なら死なないでしょたぶんおそらくきっとめいびー。

 人は死なないが別の意味で熾烈な戦争が始まろうとしていた……!

●ルール(グランドルール)
(1)「きのこ派かたけのこ派か」と「対戦相手の猟兵と、一対一で戦うプレイング」を書いてください。合わせプレイングで対戦希望してもOK。
(2)マスターがきのこ派とたけのこ派のプレイングをひとつづつ選びます。ただし、「負けた相手を貶める内容」が書かれたプレイングは採用しません。
(3)きのこ派を10の位、たけのこ派を1の位として、d100して出目の大きい方を勝者と決め、リプレイを執筆します(同値なら引き分け)。プレイング内容はリプレイの描写にのみ影響し、勝敗には全く影響しません。
(4)最終的に、リプレイ執筆終了時点で勝利数の多かった派閥の勝ちです。

●ローカルルール
 ✔ユーベルコードやアイテムの使用に制限はありませんが、『プレイング内容はリプレイの描写のみに影響する』のルールから、特殊効果や追加効果で『当たり判定だけで即死、消滅、壊死、切断』などが発生するもの又はそれに類するものは効果が発生しません(ダメージは発生します)
 ✔合わせプレイングは【チーム】と【対戦相手指定】の2つが可能です。【チーム】の場合、タグのある人たちをひとまとめで1人として考えますが、『プレイング内容はリプレイの描写のみに影響する』のルールから、例えば5人一組のチームでも相手1人に負けることがあります。その点はご注意ください。


るちる
 まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
 キマフューで猟兵バトルだぜ!
 めっちゃ楽しそうなので出しまーす。

●全体
 2章構成のハロウィンシナリオです。
 やることは1章も2章も猟兵同士の模擬戦バトルです。お祭り感覚でどうぞ。リプレイもガチシリアスよりコミカル楽しいライトな感じになると思います。プレイングの雰囲気はもちろん重視します。
 勝敗はダイスで決めるルールなので、例えば負けプレイを書いていても勝っちゃうことがありますのでご注意を。
 人数が片方の派閥に偏った場合、対戦相手がいない人は不戦勝とした上で、バトルはエキシビジョンマッチになります。シャドウクノイチっぽいのが現れますので遠慮なくボコってください。

 禁止事項は観客であるキマフュー住民を巻き込まないこと。周辺破壊はお祭りとして処理されるのでOK。
 注意補足は『負けた相手を貶める内容』。これは主にセリフだと思いますが。
 『功夫が足りないわ!』→OK。
 『負け犬め!』『ざぁこ』→NG。
 こんな感じでお考え下さい。不採用なので、その部分を書かないではなくプレそのものが流れます。

●1章(予選)
 キマフューのいなか町の闘技場で、予選を行います。会場は屋外なので全力ぶっぱオッケーです。

●2章(決勝)
 決勝を行います。
 1章で『決勝トーナメント進出』となった人たちはキマフューの大都会の高層ビル屋上の特設リングでバトルを行います。
 1章で予選落ち、または参加していない人は地上の特設リングでBR(バトルロワイアル)に参加できます。バトロワの名前ですが、一対一の戦いです。バトロワの勝利側派閥は勝利数にカウント+1できます!
 会場は屋外なので全力ぶっぱオッケーです。

●参考
 こちらのリプレイの2章で猟兵vs猟兵を書いています。ご参考に。
 『守れ、その胸の本当の価値!』

●プレ
 ✔相談時間が必要かなと考えましたので、プレ受付開始を21日(木)8:30からとします。それまで送られたプレはもれなくお返ししますのでご注意ください。
 ✔その間に状況説明文を追加します。ご参考に(読まなくても不利にはなりません)
 ✔採用人数も上限制限なし(その代わり週末で書きます)で行きたいと思ってます。濃厚な描写が欲しい人はオーバーロード推奨(心の余裕ができるので)
 ✔その他受付具合などはタグにてご案内します。

 それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす!
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第1章 冒険 『きのこたけのこ武闘会(予選)』

POW   :    パワーと体力で押しまくる

SPD   :    スピードとテクニックで翻弄する

WIZ   :    賢く策を弄して立ち回る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地方の予選会場からお届けします
「えー聞こえているでしょうかメイン会場ー?」
 都市部のメイン会場に響くアナウンサーの声。メイン会場といってもここは観客用のメイン会場だ。全周囲に設けられた大型モニターが各予選会場の様子を映し出している。
 なんかよくわからないがルールとして予選会場は都市郊外、ないしはいなか町の野外リングと決まっているらしい。ちなみにリングは野球のダイヤモンド(内野)の広さぐらいある。存分に暴れることができるっていうか、上手くすれば狙撃すらできる。また、空はリングの上の範囲ならどこまでも上昇していい。
 勝敗はリングアウト、フォールアウト、降参の他、戦闘不能や気絶がある。まぁそれ以上に雰囲気で決まることが多い。ルール違反? 特にないよ?
 ただし派閥はきのこかたけのこの2つだけだ。
 きり○ぶとかすぎ○ことかア○フォートとかはないので注意である。

 猟兵たちの相手は猟兵だけと決まっているので全力で安心して、全力で戦ってほしい。試してみたいユーベルコードとか撃ってもいいよ?

 さぁ集まってきた戦士たちよ、戦え。戦うことでしかこの祭りは終わらない!!
 見事勝利を得て、中央へと赴くのだ!!
カグラ・ルーラー
コークのおっさん(f33695)と対戦だ。

俺はきのこ派。
猫耳猫尻尾で仮装してる。
やっぱドーナツだろ。それ以上の理由があるか。
痛ぃってェ! おい! この尻尾は仮装だけど感覚あんだよ! 尻尾ごとケツ蹴んじゃねェ!

あー痛ェ。まだピリピリしてやがる。
これはやっぱあの野郎の得意とするキャバリアより俺が上だと解らせるしかねェな。
そうさ。奴にキャバリア乗りの意地があるように、俺にも『アリス』の意地がある!

ユーベルコード「イメージ・ボコーリング」!
レーダーとやらにも映らねェ「アリス」の拳だ!

俺達『アリス』は喰われるために喚ばれたが、はいそうですかで喰われるほど人間が出来ちゃねェのさ。
喧嘩相手選んでられねェよ!


コーク・ホークリッジ
カグラ(f21754)と対戦だ。

そんじゃあ俺はたけのこ派になる。
そうじゃなきゃ闘いにならないからな。
頑張ろうぜ、と軽くケツを蹴っておく。

あの小僧は人間っぽいけど「アリス」とかいう存在らしいな。
その響きは可愛いのにアレだからなぁ。
全く若いってのは羨ましいよ。
だけど俺にもあれ位ギラギラしてた時代がある。
大人げなくやらせてもらうさ。

ユーベルコード「オーバーフレーム換装」。
移動力を5倍に、装甲を半分にして自前のキャノン砲十字砲火だ。

もうおじさんは誰彼構わず喧嘩吹っ掛けられないからな。
勝てる喧嘩だけさせてもらうさ。



●ハロウィン戦争きのたけ予選第一会場
 猟兵たちのために誂えられたリングという名のバトルフィールド。その上に立つのは、カグラ・ルーラー(バスバリス・f21754)とコーク・ホークリッジ(レプリカントの量産型キャバリア・f33695)であった。
「俺はきのこ派」
「そんじゃあ俺はたけのこ派になる」
 え? そんな決め方なの?!
「やっぱドーナツだろ。それ以上の理由があるか」
 猫耳猫尻尾で仮装して、かわ……いや眼光鋭いままだわ。そんなカグラであるが、もはや慣れているのかコークは平然と告げる。
「頑張ろうぜ」
 とついでに軽くカグラのお尻を蹴るコーク。
「痛ぃってェ! おい! この尻尾は仮装だけど感覚あんだよ! 尻尾ごとケツ蹴んじゃねェ!」
 叫ぶカグラをスルーしてコークは背中越しに片手をあげて、自身のキャバリアへ向かう。……ん? キャバリア?
 見慣れないロボット(本当は違うけど)にキマフュー住民は大歓声でした。

●開始!
 そうしてリングの中央で間合いを取ってにらみ合う両者。
 開始の合図を待つカグラ(生身)vsコーク(量産型キャバリア『マルスMk2』)の間に張り詰める緊張感。

(あー痛ェ。まだピリピリしてやがる)
 そんな中にあってもカグラは通常運転であった。
(これはやっぱあの野郎の得意とするキャバリアより俺が上だと解らせるしかねェな)
 ただでさえ鋭い眼光にさらに力が灯る。射抜く視線がコークの乗るマルスMk2に向けられる。
(そうさ。奴にキャバリア乗りの意地があるように、俺にも『アリス』の意地がある!)
 人間(アリス)であること。それこそがカグラの原点だ。

 そんなカグラからの視線を受けながら、コックピットの中でコークはため息ひとつ。
(全く若いってのは羨ましいよ)
 カグラの性格をある程度知っているのだろう。だからカグラが『アリス』に拘っていることも知っている。その見た目が人間っぽいけれども『アリス』とかいう存在であるということも。
(その響きは可愛いのにアレだからなぁ)
 そう思うと頭を撫でたくなるというか、またお尻を蹴っ飛ばしたくもなるが、今はそういう雰囲気ではなく、ついでに言えば油断すれば食われそうな勢いがある。
 ……だけど。
(俺にもあれ位ギラギラしてた時代がある)
 だからこそ、カグラの視線とやる気を受けて立つ。
「大人げなくやらせてもらうさ」
 コークがそう呟いた瞬間、開始の合図が迸ったのである。

●開戦
「オラァァァァっ!!!」
 開始の合図と同時にカグラが右腕を振りかぶり、拳を突き出す。その動作は目の前に誰かがいれば、確実に顔をぶち抜くストレートの軌道。
「……っ!?」
 だがその衝撃は間合いの離れたコークのマルスMk2まで余すことなく届く。問題はセンサーの類が一切反応しなかったことだ。直撃を回避できたのは本当に偶然。
「ちっ、ユーベルコードか!」
 すぐさまスラスターを噴射して、横方向へ推力移動。人には出せない速度で位置を変え続けるマルスMk2に。
「おせぇんだよ!!」
 カグラが腕を振り抜けばそのままの延長軌道でマルスMk2が殴られたように吹き飛ぶ。
「くぉおおお……っ!」
 どうにか踏みとどまり、リングアウトを防いだコーク&マルスMk2。
「どうよ! レーダーとやらにも映らねェ『アリス』の拳だ!」
 ばんっ、と胸の前で拳と掌をぶつけて、臨戦態勢のカグラ。ユーベルコード【イメージ・ボコーリング】。彼女の創造する『見えない想像上の逞しい両腕』によって相手をボコるというシンプルかつあまりにも強引なユーベルコード。そしてキャバリアとの体格差、火力差を補う最善の手とも言えよう。
(俺達『アリス』は喰われるために喚ばれたが、はいそうですかで喰われるほど人間が出来ちゃねェ)
 アリス、オウガブラッド。戦う意思を以て、今に抗っている者。だからこそ、避けられない戦いがあったとしても。
「喧嘩相手選んでられねェよ!」
 もう一度振りかぶって見えない拳を叩き付けるカグラ。
「……ッ!!」
 だがそれをどうにか受け止めるコークのマルスMk2。
「そうかい、そうかい」
 じりじりと押されながら、しかしコークは落ち着いた声をカグラに向かって放つ。
「でも、もうおじさんは誰彼構わず喧嘩吹っ掛けられないからな」
 コークの言葉に反応するかのようにマルスMk2のセンサーアイに光が灯る。
「勝てる喧嘩だけさせてもらうさ!!」
「……?!」
 その瞬間、マルスMk2の姿がカグラの視界から掻き消える。
「ちっ!!」
 すぐにカグラの視線が捉えた先は空の上。
「どこだって届くんだよ!」
 【イメージ・ボコーリング】に射程などない。ゆえにカグラの言葉に嘘はない。
 それでも……見えない拳は空を切る。その場にマルスMk2がいないからだ。
(速い……!)
 先ほどまでとは比べ物にならないほどの速度。その速度にカグラの目がまだ追い付かない。
「言ったろ。勝てる喧嘩だけさせてもらうってな!」
 コークの声が響く……複数の地点から。それはマルスMk2の高速移動による残響。ユーベルコード【オーバーフレーム換装】によってマルスMk2は装甲を捨て移動力に特化した形態へと変形している。その速度5倍。いかに見えない両腕があろうとも、その攻撃が人間の目による捕捉を必要とするならば。キャバリアという機械がもたらす人ならざる速度に付いていけないのは必然だ。
 カグラの死角から放たれる、マルスMk2のキャノン砲十字砲火。カグラが猟兵じゃなかったら確実に死んでいるようなその攻撃で以て、コークは勝負を決めにかかる!
「くらえっ」
「ウォォォォッ!!」
 コーク&マルスMk2のキャノン砲を真正面から受け止めて、しかし一歩も引かないカグラ。だが、やはり生身と機械では出力も防御力も違いすぎる。
「ちっ……くしょう……」
 『アリス』として『最後まで逃げなかった』誇りを抱きながら、ゆっくりと倒れ込むカグラ。
「ふぅ……」
 宣言通り、大人げなくやったわけだが、それでも危なかった戦いに思わず吐息をもらすコーク。

 勝者:コーク。
 たけのこ派がまず1つ勝利を得たのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

化野・那由他

私、ぱさぱさしたのあんまり好きじゃないんです。
口の中の水分持っていかれて、激しくむせるので。
というわけでたけのこクレープ派で!

『化野無常流、参ノ式――紅葉狩』
最近の流行りに乗って、こう、抜刀の構えから一気に速度を上げて斬りかかりましょう……!
あ、発動条件の【血を吐く】は、さっき『きのこドーナツ』を試食させてもらったときにむせて吐血したからです。おのれきのこドーナツ!
逆恨みな呪詛をこめ、化骸を振り回して必死に攻撃します。
危なくなったら念動力で浮かせた無名奇譚でガードします。げふぅ……!?

勝ったら、お手合わせ頂き有難うございました、と対戦相手に一礼。
負けたら魂を口から浮遊させて白目を剥きます。



●ハロウィン戦争きのたけ予選エキシビジョンマッチ1
 早くもエキシビジョンマッチである。まぁそんなこともある。

「というわけでたけのこクレープ派で!」

 何が『というわけで』なのかは後ほど説明するとして。
 化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)の宣言です。
 目の前にいるシャドウクノイチと戦う前に、回想シーンをご覧いただきたい。

●回想・試食シーン
 もっきゅもっきゅ。
 きのたけ予選のために作られた猟兵用の特設リングの上で、何故か美味しそうな音が響いていた。白いテーブルクロスが掛けられた小さなテーブルと白いチェアのセット。おしゃれなカフェかな? という雰囲気のそこに向かい合わせに座っているのは那由他とシャドウクノイチである。
 正確に言うと、シャドウクノイチがコンコンコンして、きのこドーナツとたけのこクレープを提供しているようだ。
 それを食べているのが那由他である。
「うーん……」
 首を傾げて悩まし気な那由他さん。グリモア猟兵の勢いに乗せられてキマフューまで来たものの、どっち派とか決まってなかったらしい。
 なので試食である。もっきゅもっきゅ。
 そして那由他が試食の手を止める。
「私、ぱさぱさしたのあんまり好きじゃないんです」
 ざわっ、ざわざわっ。リングの周りとか配信を見ている人のホロディスプレイとかからそんな音が聞こえてくる(気がする)
「口の中の水分持っていかれて、激しくむせるので……んっ」
 那由他の手にあるのはきのこドーナツである。ドーナツのぱさぱさ感がどうしてもダメらしい。現に喋っている最中からむせ出している。
「こほっ、けふっけふっ……ごふっ」
 最後の音待って?! 明らかにダメな音がした。具体的には吐血しているかのような……あ、吐血している。
「おのれきのこドーナツ!」
 テーブルの上にぱたっと倒れ込む那由他。口から飛び出そうになっている魂をシャドウクノイチが慌てて捕まえていました。

●バトル開始!
 そんなわけで、冒頭のシーンに繋がったわけである。

 そしてたけのこ派の那由他が暫定きのこ派のシャドウクノイチと相対する。
 那由他が麗しい着物姿のその手に携えるのは妖刀と化した鎬造りの打刀『化骸』。その柄に手を掛けながら、少し前傾姿勢。そして……呟く。
「化野無常流、参ノ式――紅葉狩」
 直後、那由他の姿が掻き消える。それは【化野無常流 参ノ式】によって爆発的に増大したスピードで以て駆けたがゆえ。その身は奇譚より顕現した鬼神さえ討ち果たす無双の女剣士と化していた。代償は血を吐く……あ。
「ええ、先のきのこドーナツにやられたやつです」
 那由他はそう告げながらシャドウクノイチの真横で流れるように抜刀。化骸の一閃をシャドウクノイチに叩き付ける。
『ぎにゃぁぁぁ?!』
 クリティカルヒット。シャドウクノイチがめっちゃ痛そうにしている。駆け抜け、反転した那由他はそんなシャドウクノイチの姿を見て、『良し』と心に決める。
(最近の流行りに乗って、こう、抜刀の構えから一気に速度を上げて斬りかかりましょう……!)
 ちゃきん。化骸を鞘に納めて再度駆け出す構え。そして那由他の足がもう一回リングの地面を蹴る。
「おのれきのこドーナツ!」
 大事なことなので2回言いました。よっぽど喉に引っかかったんだろうなー。
 そんな呪詛(?)によって力を増した(!?)化骸でシャドウクノイチをざっくざく斬っていく那由他。もはや八つ当たりぽい気もするが、ちゃんと攻撃である。
『痛いですってば!?』
 さすがのシャドウクノイチもやられちゃうと思ったらしい。右手に持ったクナイで化骸を跳ね上げ。
『ちぇすとーっ!!』
 左手に握った別のクナイでがら空きになった那由他の体に斬りかかる。
 化骸は弾かれた反動で那由他の頭上まで戻ってしまった。迫る鋭いシャドウクノイチの一撃!
「……!」

 だが那由他は『無名奇譚』でガードした!!(念動力で操作して適切な位置で盾にしました)

「げふぅ……!?」
 いやだから那由他さんは本体大事にして!? ホントに危ないから!? なお、この人はたまに雑さが垣間見える。かわいい。
 ともあれ、本体で受け止めた那由他さんはそのダメージにぷるぷると震えながらお腹を抱えてうずくまる。
「これも全てきのこドーナツのせい……!」
 だいぶ冤罪だが、まぁたけのこ派だしきのたけ戦争中だし特に問題ないよ。
 そんな言葉を逆恨みな呪詛の形にして。刃に乗せた那由他さんが化骸をぶんぶん振り回して、べしべしざくざくぶすぶすとシャドウクノイチへ必死の連続攻撃を加えていく……!
『なんか理不尽なんですけど!?』
 そんな断末魔を残して消えていくシャドウクノイチ。那由他さんの完全勝利である。
「お手合わせ頂き有難うございました」
 ゆっくりと消えていくシャドウクノイチに一礼する那由他。

 というわけで、たけのこ派さらに1勝をゲットです。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榊・ポポ
※ブサイクなかぼちゃの被り物をした絶滅危惧種がダバダバ走りで凸してくる

きのたけ戦争と聞いて!!
醜い製菓業界の派閥争いがこの世界でも現役だったとはスゴイネ!

ポポちゃん?切り株派ー!或いはお舟が描かれたチョコクッキー派!
って、第三勢力は無し?アッハイ...すんまそん...
しょうがないにゃあ...切り株と似てるたけのこ派で!

攻撃は横滑り☆ダッシュで超高速反復横跳び回避な!
頭ぐるんぐるん回す☆挑発☆ダンスも織り交ぜちゃる
回避しながらゲーミングドリンク投入して☆気合いの☆継続戦力だー!
十分に荒ぶってきたらヱアボーの超トリックで☆捨て身の一撃突――ボ!!!!(断末魔)
※何故か対戦相手だけに当たり判定が発生するバグったスケボートリック攻撃



●ハロウィン戦争きのたけ予選エキシビジョンマッチ2
 早くもエキシビジョンマッチその2である。まぁそんなこともある。

 だがリング上に居るのはシャドウクノイチただひとり。
『はて……?』
 首を傾げるシャドウクノイチ……の後ろから、なんかダバダバ走りで凸してきたぞ!?
『ぎゃぁぁぁぁ!?』
 あ、撥ねた。
 ずしゃぁぁっ、と顔から地面に突っ込むシャドウクノイチをよそに、凸ってきたブサイクなかぼちゃの被り物をした絶滅危惧種が叫ぶ。

「きのたけ戦争と聞いて!!」

 来るのが遅いよ、榊・ポポ(デキる事務員(鳥)・f29942)ちゃん。
「醜い製菓業界の派閥争いがこの世界でも現役だったとはスゴイネ!」
 さりげなく闇に触れないでいただきたい。そう、この戦いは古より続く静かにして終わることのない大戦でもあるのだ……ホンマ?
『くっ……闇に触れながらもこの場に現れたあなたは何派ですか!?』
 カッコいいこと言っているけど、ただの雰囲気である。
「ポポちゃん? 切り株派ー! 或いはお舟が描かれたチョコクッキー派!」
『それは無しって言ったでしょ!?』
「アッハイ……すんまそん……」
 第三勢力を言ったがゆえに、なんか怒られたポポ。しゅんと体を小さくして謝っている。しかし、ポポちゃんのような派閥があるのは事実なのだ。単にこの場がきのたけ戦争だから、怒られているだけで。
「しょうがないにゃあ……切り株と似てるたけのこ派で!」
 そんなわけでポポちゃん(たけのこ)vsシャドウクノイチ(きのこ)の戦いが始まったのである!

●戦いは一方的に
『とあーっ!』
 先手必勝よろしくシャドウクノイチがクナイを持ってる分、全投擲してきた。
「ポポポポポポッポポポポ!!」
『なにその怪鳥音?!』
 むしろその単語はどこから出てきたんだ、というツッコミは誰もしない。というよりしている暇がなかった!
 何故かって言うと、ポポが『ヱアボー』に乗って、おかしい回避トリックをかましてきたからである。見た目のまま説明したところでそのすごさは伝わらないかもしれない。でも書くよ。
 ヱアボーに乗ったポポがボードで横滑り☆ダッシュかましてきた。さらにボードの上で頭もぐるんぐるん回しながら、順番に飛んでくるクナイを超高速の反復横跳びで回避していく。え? それボードで出来るトリックなの? 
「ポポポ!!」
『だからなにその怪鳥音?!』
 明らかに煽っているとしか思えない鳥発……じゃなかった、挑発☆ダンスに思わずシャドウクノイチがツッコむ。ツッコんでいる間が隙だ。
 そして回転している間に『ゲーミングドリンク』ぶっ込んで、ヒーハー! テンションアガってきたぜ!!
「おりゃー!!」
 十二分に荒ぶってきたそのパッションを全力で込めて、ポポが【ポポちゃん超☆スケボートリック】を決めに行く! ヱアボーの超加速でシャドウクノイチの間合いに踏み込んだポポがよくわからん挙動でヱアボーと荒ぶる挙動を叩き込む。それトリックなの? と言われればもちろんトリックである、たぶんおそらくめいびー。
「アーーーッ!?」
 なんかヱアボーが止まらなくて空中に吹っ飛んでいるポポがいるけど、まぁご愛敬?
『ばかなー?!』
 その下で4回の攻撃を回避しきれず、シャドウクノイチ爆散。え? 爆薬どこにあったの?
「――ボ!!!!」
 そして墜落してきたポポの断末魔。捨て身の一撃&突撃には常に死の危険性が……いや、あかんやろ。
「いやー、危うく死んじゃうところだったね!」
 どうにか生還したポポが不思議な怪鳥ダンスを踊って誤魔化したのでした。

 そんなわけで、たけのこ派さらに1勝をゲットです。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『きのこたけのこ武闘会(決勝戦)』

POW   :    パワーで相手をねじ伏せる!

SPD   :    スピードで相手を突破する!

WIZ   :    賢さで相手の裏をかく!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●決勝戦はじまります……!
 きのたけ予選を勝ち抜いてきた猟兵たちが、決勝の舞台に揃い踏みする。
 圧倒的にたけのこ派有利の展開。しかし、まだきのこ派にも勝つ未来は残されている……はずだ!

 その時、響く爆発音!

「大変です! バトロワ会場が爆破されました!」

 ナンデ?!
 いや、悪意のある行為じゃなかったみたいだが、なんかこう、祭りのテンションがクライマックスだったらしい。その勢いとノリで爆発した。
 困った、バトロワ会場が使えない。

「もういいじゃん。決勝の舞台で戦わせてやろうぜ」

 誰かがそう言った。そうだ、きのたけの戦いに身を投じる者に貴賤の差は無い。そもそも予選とか決勝とか言ってる時点で形式張ってよくなかったのかもしれない。

 誰もが頷く。そうだ、もっと猟兵たちの戦いを見たい。とりあえず勝敗も大事だけど、ランクとか階級とか関係なく見たい。

「あれ?」

 猟兵たちの誰かが呟いた。さっきの予選は何だったのか、と。
 まぁでもハロウィンのお祭りと思えばこんなこともあるか。

 そんなわけで、予選落ちしていても、あるいはいきなりの飛び込みでも。
 決勝の舞台で戦うことができるようになった猟兵たちは、再びきのたけ戦争の代理戦争をうけおうことになったのである!!

※シナリオ補足※
 バトロワしている感じじゃなかったので、マスターコメントの内容から変更します。
 また、全員が決勝にエントリーできるようになりました。決勝の舞台で戦ってください。

 派閥乗り換え、対戦相手変え、問題ありません。
 勝敗はたけのこ派+3勝の状態からスタートです。
 最後までお祭り楽しんでください!
城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
15歳ナノデ、エッチとグロは(R15的な理由で)ダメデス。

暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。……慌てた子守りロボットじゃナイデスヨ?
UCによっては暗器サイズじゃない物が出る……ほんとに猫型ロボットじゃナイデスヨ??
UCは必須じゃないので、外しても問題ありません。

鍵開けと罠外しは日課レベル、必要ならありあわせの素材でレプリカも作る。
UCの応用で魔力探知したり、召喚存在に探索を命じたり、色々。
あまり汚れる場所には行きたくないお年頃。
料理は人並み。


上野・イオナ(サポート)
『英雄イオナ 希望を描きにただいま参上!』
ヒーローの類いに憧れてる系男子です。悪いやつ許せないです。困っている人を助けます。
でもカッコイイものや面白そうな事が好きで直接助ける対象が見えてない場合はそちらを優先することがあります
具体的にはとあるシナリオで崩れる遺跡の中、巻き込まれてる人が居ないか探さずに、カッコイイ剣をあつめてました
正統派英雄を目指してますが
クールなダークヒーローやイラズラ好きのややひねくれた主人公とかも好きなのでそういう悪い系統の人とも喜んで協力します

年齢に比べて行動や喋り方が少し幼い気がします
※アレンジ・連携 歓迎


ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。


榊・ポポ
ん?乱入アリになったの?
じゃあ気を取り直して田舎の母ちゃんクッキー派...だめですよね!知ってた!
裏切りのきのこ派だよコノヤロー!
デキるロボ子久々の出撃だー!
さつりくメガホンをロボ子の頭から出してーの
コンギ...おっとあぶない、めっちゃノリのいい軍隊マーチを音割れ爆音で流して☆精神攻撃しつつ☆蹂躙だー!
多少の攻撃がなんぼのもんじゃーい!☆火炎・電撃・氷結・毒耐性のスーパーアーマーバーリアー!きかないもーん!(男子小学生程度のノリ)
やっぱさ、ワチャワチャしてくると最後はアレだね、爆発オチだね☆
爆発オチはサイテーって言わせねーよ!
皆でアフロヘアになろう!!



●ハロウィン戦争きのたけ決勝戦
 キマフューのとある大都市にある高層ビル。どんだけ騒いでも近所迷惑にならないと有名なそのビルの屋上に設置された特設リング。
 そこに予選を勝ち抜いた榊・ポポ(デキる事務員(鳥)・f29942)がいた。というか、降ってきた。え? どこから?
 だがべちょっとリングに叩きつけられても、ポポちゃんすぐ復活!
「ん? 乱入アリになったの?」
 ええ、諸事情で。
「じゃあ気を取り直して田舎の母ちゃんクッキー派……だめですよね! 知ってた!」
 くわっとアップ(?)になるポポ。
「裏切りのきのこ派だよコノヤロー!」
 続く叫びでポポはきのこ派を選んだ。さっきまでたけのこのために戦っていたのに! 次はきのこだなんて! 元々第三勢力なポポは傭兵のような存在なのかもしれない。裏切りもお手のものさ(?)

 でも、うん、なんていうか、その。事がここに至っては、第三勢力が乱入してきても面白いかなーとか思い始めている武闘会開催者がいたりする。した。ごめん。

 そんな武闘会開催者の密かな差し金で現れる猟兵が3人!!
「んーーー? 何にしに来たんだっけ?」
 城田・紗希(人間の探索者・f01927)。フィーリングで来た。
「ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!」
 ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)。きのこドーナツとたけのこクレープに加えて、南瓜プリンとパンプキンパイが食べ放題と聞いて来た。
「名もなきただのイオナ 欲望に従ってただいま参上」
 上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)。キング・ブレインの隠し撮り写真で釣った。釣れた。

「え? たけのこの人たち??」
「「「さぁ?」」」
 ポポの問いかけに揃って首を傾げる紗希、ミーヤ、イオナ。

「「「「…………」」」」

 しばし流れる沈黙。

「やってやんよオラー!!」
 沈黙を破ってポポが叫び、なし崩し的にバトルが開始されたのでした。

●バトル、カオス、そして……
「デキるロボ子久々の出撃だー!」
 ポポが叫べば、しゅばっと下から飛び上がってくる影。ポポちゃんの隠し玉、家賃滞納者玉砕兵器『デキるロボ子』である。こう見えてもサイキックキャバリア……キャバリア!?
 動揺する紗希、ミーヤ、イオナをよそに、人間サイズのデキるロボ子がポポの後ろに立つ。
「『さつりくメガホン』をロボ子の頭から出してーの……」
 がさごそ。次の瞬間、ポポが握っていたのは普通のメガホン……と見せかけて、音量調整機能が壊れていて最大音量しか出ない逸品である。ちなみにキーンって言うし、デスボイスになる。
 そしてロボ子の胸のスイッチをON。
「KON……おっとあぶない、めっちゃノリのいい軍隊マーチを音割れ爆音で流してー!!」
 流してもちろんメガホンに通す。音割れ爆音がめっちゃキーンとなって周囲に響き渡る!
「精神攻撃しつつ蹂躙だー!」
 もはや黒板を爪でひっかくがごときのテロである。やめろ、それは誰であっても精神的にクル。

 とはいえ、イオナたちも猟兵だ。そう簡単にやられるはずは……。
「ぐおぉぉぉぉぉーーーっ」
 いや、まともに受けてたわ。イオナが耳を塞いで膝から崩れ落ちる。キーンって音で膝ががくがくなっている。これヤバいヤツだ。
 だが崩れ落ちているのはイオナだけだ。他の2名はというと。
「私じゃなきゃ死んでたよ!?」
 【カートゥーン世界の顕在化】で自身をトゥーンキャラクターに変異させ、ギャグオチで乗り切る紗希。マジで死にかけていたとは誰も思うまい。マンガってすごい。
 どうにかしのいだ紗希とは真逆にミーヤは根本からカウンターを仕掛ける。
「そんな悪いコトするなら、こっちはこのお菓子で守っちゃうのにゃ!!」
 確かにある意味、極悪な所業だよ。それに対して、自身のガジェットから大量に放出した美味しいお菓子でガードしつつ。ミーヤの【お菓子でガードなのにゃ!】はリング上のあらゆる射撃武器を無力化する、だがしかし99秒以上使うと死んでしまう……!!
 早く畳みかけないと!

「あっるぇー? 壊れたカナー?」
 急に効果が無くなった精神侵食音波を見て、羽根でべしべしロボ子を叩くポポ。まさかミーヤのお菓子でおかしくなっているとは夢にも思うまい。いとおかし。
「いまだっ!!」
 叫ぶイオナ。困った時の【バトルキャラクターズ(バトルキャラクターズ・レベルアップ)】だ! わらわらっと現れた様々な属性のゲームキャラクターたちがポポに向けて一斉に押し寄せる。
「多少の攻撃がなんぼのもんじゃーい!」
 しかし、ポポの火炎・電撃・氷結・毒耐性の『スーパーアーマーバーリアー!』発動! 押し寄せてくる波に逆らって立ち続けるポポ!
「きかないもーん!」
 いや、それ耐えてるだけだから!? とツッコむ余裕がある人がいない。
 なのでポポ、羽を開いてぐーるぐる頭を回転させるアレ。もはや、男子小学生程度のノリであるが……おや? 徐々に押し流されていっている。あれ? 大丈夫?
「おりゃー!」
 そこへ紗希の【ウィザードミサイル】が降り注いで、ちゅどどどーん。ゲームキャラクターも巻き込まれているが、基本的にはポポを焼いていく感じである。
「チャージ完了、今にゃ! いっけえにゃー!!」
 さらに(【お菓子でガードなのにゃ!】を中断して)【ガジェット・クラスター】をぶっぱするミーヤ。
 3人のやったら全力な攻撃に飲み込まれてポポがリングアウト……する寸前に。デキるロボ子が横からポポをかっさらった! よかったちゃんとキャバリアしてた(人型サイズだけど)

 だが多勢に無勢とはまさにこのこと。さらにはイオナの呼び出したゲームキャラクターもいたりして、予選突破してきたのに完全にアウェイな感じのポポ。
 だが、ポポはまだ諦めていない。
「やっぱさ、ワチャワチャしてくると最後はアレだね、爆発オチだね☆」
「「「……え?」」」
 ポポの言葉に何やら不穏な気配を感じた紗希、イオナ、ミーヤが後ずさる。
「爆発オチはサイテーって言わせねーよ! 皆でアフロヘアになろう!!」
 ポポ、飛ぶ!!
 銃口から放たれた弾丸のごとく、3人の元に飛翔するポポ!
「ダァーッ!!」
「ウワァーーッ?!」
「にゃーーーっ!!?」
「ぎゃーーーっ!?」
 そして自身と3人を盛大に巻き込むハリウッド映画顔負けの大爆発が炸裂する!! ちなみに見た目に反してノーダメージです。だが、強制的に全身煤だらけでアフロヘアになるユーベルコードでもある! ひどいな!?
 そんな感じでポポの【ポポちゃんボンバー(オアトガヨロシイヨウデ)】が完全に決まってしまった。
「デバフはかからないが、アフロヘアと煤だらけにはなる」
 ケホ、と爆発の中から頭を出したポポ。そして無残(?)な姿でリングに倒れている紗希、イオナ、ミーヤ。

 これは……きのこの勝ちでいい、と思います。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

牧杜・詞
なにか大会が開かれているっていうから来てみたのだけど、
飛び入り参加可能になったみたいね。
せっかくだし、それなら参加させてもらおうかしら。

きのことたけのこ、あまりこだわりはないのだけど、
きのこ派ってことにしておいたほうが、戦闘が激しくなるかしら?

いつもは戦えない相手と戦えるのだから、思い切りいきたいものね。

【鉄和泉】を抜いて【識の境界】を発動したら、
ここは防御をあまり考えず、多少のダメージを受けることは前提に、めいっぱい攻撃していきたいわね。

とは言っても負けるのは嫌いだから、
ぎりぎりの一撃は【新月小鴨】で【武器受け】して流していくわね。

普段はできない殺し合い、めいっぱい楽しませてもらおうかな。



●ハロウィン戦争きのたけ決勝戦エキシビジョンマッチ
 突如起こったハリウッド級の大爆発によって、真っ黒になった決勝のリング。戦い終えた勇者たちが担架で運び出されていく中、すれ違い見送るのは牧杜・詞(身魂乖離・f25693)であった。
「なにか大会が開かれているっていうから来てみたのだけど」
 首を傾げながら廊下をてくてく歩いていく詞。
 すると開ける視界。なんか設置してあるリング。そしてその周りであわあわしている係員。
 聞けば、続く選手がいないらしい?
「飛び入り参加可能になったみたいね」
 そして詳しく話を聞けば、このままいけば相手はシャドウクノイチ。手加減とか全然いらないらしい。むしろ斬ってもいいらしい。
「せっかくだし、それなら参加させてもらおうかしら」
 そう告げた詞は、案内されるままにリングの上にふわりと立つであった。

 詞が自身の打刀『鉄和泉』の柄に手をかけた途端。
 しゅばっと目の前にシャドウクノイチが降りてきた。どこから? とかツッコんではいけない、クノイチとはそういうものなのだ。
『それでどちら派ですか?』
 クナイを構えながらそう問うシャドウクノイチに。
「きのことたけのこ、あまりこだわりはないのだけど」
『そんな人ばっかりぃぃぃ……』
 詞の言葉にしくしくと泣き出すシャドウクノイチ。
「きのこ派ってことにしておいたほうが、戦闘が激しくなるかしら?」
『まぁたけのこ派の勢いは止まりそうですね?』
 気を取り直してクナイを構え直すシャドウクノイチに対して、詞は鉄和泉を抜き放ち。
『根源を示せ』
 静かに艶やかに一言告げる。直後、詞から解放される『衝動』。それは放出されれば殺気となり、その身に纏えば殺人鬼と化すモノ。
「いつもは戦えない相手と戦えるのだから、思い切りいきたいものね」
『……(汗)』
 鉄和泉の刃を見ながら、若干うっとりとした表情を見せる詞に、シャドウクノイチはつーっと冷や汗を流すのでした。

●バトル開始!
『ええいっ、くるなーっ!!』
 身の危険(死)を感じて手持ちのクナイを全投擲するシャドウクノイチ。雑に投げているわけではなく、時間差と高低差をつけた絶妙な投擲術。
 しかし。
「……」
 詞の体が一瞬倒れ込むようにして前に傾ぎ、足が滑るようにして前に出れば。目にも止まらぬ速さでシャドウクノイチに肉薄する詞。古武術で言うところの縮地――素早く移動するための技術。鍛錬して学んだものではなく、ただ『相手をいかに効率よく斬り殺すか』を突き詰めた結果、身についたモノ。
 防御をほぼ考えない、多少のダメージを受けることすら想定内の詞の突撃に。
『ひぃっ?!』
 シャドウクノイチびびる。そしてあっという間に肉薄された詞の一撃を、頭の上に忍者刀を構えてどうにか受け止める。めっちゃコワイ。
 ちなみにいかにシャドウクノイチがエキシビジョンマッチ用の敵とはいえ、遊びで戦っているわけではない(後で派閥のブーイングが怖い)。クナイも致命傷を狙う位置へ放たれているのだが、あの瞬間移動とも言える高速移動の中でも、詞は白鞘から『新月小鴨』を抜き放ち、その刃で弾き返している。
 曰く『負けるのは嫌いだから』だそうです。
 クナイが着物と詞の肌を斬り裂いても刃を振るうのに問題なければ気にしない。頬から伝う血を舌で舐めとりながら、手はひたすらサージェに向けて斬撃を放っている!
『この距離は不利~~~っ!!』
 ちょいと小柄なシャドウクノイチ。近接戦での技術、体格差、斬撃の鋭さ、どれをとっても詞の方が上である。上である詞が衝動のままに、刀を叩きつけるようにしてシャドウクノイチを斬ろうと、めいっぱい攻撃しているのだ。
 受けるのが精いっぱいだよ。
 しかし、当の詞はとても楽しそうである。
「普段はできない殺し合い、めいっぱい楽しませてもらおうかな」
『『合い』になってないんですが……っ!?』
 シャドウクノイチとて反撃してないわけではないんです。でもやっぱり一撃の殺傷能力が低いんですね。こっそり残しておいたクナイで詞の腹を斬り裂いたところで彼女とは止まらず、腕や顔などのクリティカルは新月小鴨で弾かれる。
 そんなこんなの激闘を繰り返していたら。
 ついにシャドウクノイチの手から忍者刀が弾き飛ばされる。
『あっ……』
 私、終わったなとシャドウクノイチが思った瞬間。
 ものの見事に体を走る斬撃。袈裟懸けに一撃と胴を薙ぐ一撃であっさり体を切断されたシャドウクノイチがさらさらーっと霧散していく。
「あら? もう終わり? 物足りない……」
 不満そうな詞がその身に纏う殺気を霧散させながら、刀を鞘に納める。

 こうして、きのこ派がもう1勝したのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月07日


挿絵イラスト