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ハロウィン・イン・ワンダフルワンダーランド!

#アリスラビリンス #お祭り2021 #ハロウィン

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「集まってくれてありがとう。そろそろハロウィンも近付いてきているし『ハロウィンの国』での依頼はどうかな?」
 ゆるりと笑顔を浮かべつつ、そう語るのはレン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)だ。
 彼の言う『ハロウィンの国』というのは、アリスラビリンスに点在するとある不思議の国のこと。
 『ハロウィンの国』はオウガ・オリジンによって作られたが、猟兵達の活躍もあり既に平和な国へとなっている。
 賑やかな南瓜のランタン達に何故か衣装が飛び出す不思議な森、食材が完備された素敵なキッチンにパレードをするためのながーい道など。まさにハロウィンを楽しむのにうってつけのこの国は、これからの時期を過ごすのにぴったりだろう。

「せっかくだしのんびりイベントでも……と言いたいところなんだけど、どうやらオウガの残党がこの国を狙っているみたいなんだ。皆には現地に赴いて、まずはハロウィンを満喫してもらいたいかな。そして時間が来ればオウガの群れを迎撃して欲しい」
 話を続けつつ、レンはグリモアで『ハロウィンの国』を映し出す。
 そこにあったのは――ハロウィンマーケットと言うべき賑やかな市場の光景だ。
「この国は去年僕が案内した場所だよ。ハロウィンの要素も濃いんだけど、おとぎ話の要素も濃い場所で……」
 ぐぐっと映像がズームしていけば、目に入るのは可愛らしいハロウィン飾り達。
 カボチャ頭の王子様とお化けのお姫様が手を取り合うタペストリーに、カボチャの家を建てる三匹の子豚の人形。ハロウィンとおとぎ話を混ぜ合わせた小物達が、所狭しと並べられている。
 もちろん普通のハロウィンらしい商品も置かれており、パンプキンタルトやお化けをモチーフにした砂糖菓子など甘いものも充実しているようだ。
「皆が趣味でやっているようなイベントだし、対価は必要ないみたいだよ。でも何かお礼を渡したりしても喜ばれると思う。とりあえず最初はこのマーケットを楽しんで欲しいな」
 オウガの群れが現れるまで、時間の余裕はそれなりにある。
 のんびりイベントを楽しむことも出来るだろう。

「オウガはながーいパレードロードに現れるみたいだね。彼らを普通に迎撃してもいいけれど……どうやら国の方も皆に力を貸すみたいだ。オウガの出現と同時に国中から『意志を持つコスプレ衣装』が現れるみたいで、これを着ればパワーアップが出来るんだ」
 衣装は何故か思ったとおりのサイズで現れ、ひらりと手元に舞い降りる。
 魔法のような力が働いているのか、着替えも一瞬で完了出来るようだ。
「ただ……どんな衣装が来るかは分からないんだ。全く望まない衣装が来るかもしれないし、望んでいるものが来るかもしれない。とにかくしっかり着込めばパワーアップ出来るから、少しの間だけ乗ってくれないかな?」
 どんな衣装だろうと着れば強くなるのだ。勝利のために少しの我慢も必要……かもしれない。
「ああ、そうそう。この国が持ってくる衣装は『おとぎ話』がモチーフになっているんだ。お姫様のドレスに王子様の衣装、それから登場人物を模した服とか……去年も色々あったなぁ」
 去年降り注いだのは王道のドレスや王子様の衣装、和装に魔女の衣装、子豚さんの衣装まで。男女問わずに様々なものが降り注いだ。
 今年もきっと、同じような衣装が猟兵達に力を貸すだろう。

「せっかくのハロウィンだもんね。平和になった国を荒らされるのも困るし、わいわい楽しんで行ってもらえればと思う」
 話を締めくくりつつ、レンは猟兵達へと頭を下げる。
「それじゃあ気をつけて。楽しい報告を待っているよ」


ささかまかまだ
 ハロウィン!!
 ささかまかまだです。

●一章『不思議の国の市場』
 『ハロウィンの国』で行われるハロウィンマーケットに参加しましょう。
 この国はおとぎ話の影響が濃いため「ハロウィン×おとぎ話」なモチーフの小物がたくさん売られています。
 おとぎ話の登場人物がカボチャ頭やオバケになった人形に、童話の登場人物を意識しつつハロウィンカラーなアクセサリーなどなど。
 それ以外にもカボチャを使ったり、ハロウィンをモチーフにしたお菓子も売られていたりします。
 「こういうのが欲しいなぁ」というのがあれば気軽にどうぞ。
 能力値は気にせず楽しんでいただければと思います。

●二章『虹色雲の獏執事』
 国盗りに来たオウガの群れです。戦闘の際は広い場所に出ます。
 この時ハロウィンの国が「着るとパワーアップできる、おとぎ話をモチーフにした仮装衣装」を渡してくれます。
 衣装を着ればそのままプレイングボーナスとなります。

 衣装の内容は「ランダムという体でプレイングで指定する」か「MSに丸投げ(NGがあれば記載して下さい)」の二択になるかと思います。
 版権的に危ういやつと際どいやつはNGです。
 MSに丸投げの場合は有名なおとぎ話をベースにして、それなりに無難なものになるかなと思います。方向性を指定していただければそれに合わせます。


 どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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第1章 日常 『不思議の国の市場』

POW   :    とにかく隅から隅まで見てみる

SPD   :    オススメを訊ねてみる

WIZ   :    直感に従って覗いてみる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『ハロウィンの国』へ訪れた猟兵達を出迎えるのは、愉快な仲間たちの笑う声と並べられた沢山の小物達、そしてあまーいお菓子の香り。
 国全体を使って開催されるハロウィンマーケットは盛り上がりの真っ只中のようだ。

 国の中を歩いていけば、店を構える愉快な仲間たちが次々に声をかけてくる。
「あっ、お客さん。カボチャ王子のお人形はいかが?」
「こっちは特製のリボンなんだ。カラフルなフリルとお化けの飾りが可愛いよね!」
「じゃーん、こっちには焼きたてのケーキにクッキー! オススメはね、黒ネコと魔女のココアクッキーだよ!」
 所狭しと並べられた品々は、ランタンの淡い輝きを受けて愛らしく客を待ち侘びている。

 オウガが来るまで、まだまだ時間はありそうだ。
 それまではマーケットを満喫していこう。


 このシナリオは「【Q】ハロウィンの国はおとぎ色(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=29351)」と同じ舞台です。
 お話として繋がりはありませんので、読まずに参加されても大丈夫です。
 気軽にハロウィンを楽しみましょう!
クレア・オルティス
ネロ(f02187)と
アドリブ歓迎

お伽噺とハロウィンが合わさると…どんなふうになるのかな
うん!早速市場へごーごー!

ふふ、ネロってば食いしん坊なんだから
でも私も甘いものは大好きだしお腹ぺこぺこだったんだ
わぁほんと…!美味しそうなお菓子がいっぱいだね!
もちろん!全部制覇するつもりだよ(クレープを満面の笑みで受け取り)

綺麗なガラスの靴だね
ネロがこんなロマンチックなもの選ぶなんてちょっとびっくり
うん買っちゃう!えへへ…似合うかな?これでシンデレラみたいなお姫様に変身できたらいいのにな
私からはこの南瓜モチーフの王冠を…はいどうぞ、ネロ王子様
ちょっと謎めいた雰囲気の素敵な王子様になっちゃうかもね、ふふふ


ネロ・バロック
クレア(f20600)と

(甘い匂いに誘われて)くんくん!こっちに美味そうな露店が一杯あるぜ
カボチャと合わせたスイートポテトだってよ!
チョコレートを混ぜた生地とカボチャのクリームで作られたクレープも美味そうだ!
全部食っちまおうぜ!はい、これクレアの分な(クレープ渡して)
食べ歩きしながらアクセも見てみるかァ

アクセ屋を見てると色んなお伽話の品に目移りする
シンデレラの…南瓜モチーフの靴(オレンジ色のガラス製)もあるな
クレアに似合うかもしれねェな…買うか?
しょうがねェな…折角だし履かせてやるよ、お姫様
ん、俺にも何かくれんのか?へへ、南瓜の王冠か
じゃ、有り難く戴冠させてもらうとするぜ(屈んで被せてもらう)




 おとぎの国というだけでワクワクするのに、それにハロウィンが合わさるなんて。どんな光景が待っているのだろう。
 期待に胸を弾ませながら、クレア・オルティス(宵闇・f20600)はマーケットへと足を踏み入れる。
 彼女の隣に立つネロ・バロック(餓狼・f02187)も周囲の様子を一瞥する――より前に、鼻をひくりと動かしていた。
「くんくん……こっちに美味そうな露店が一杯あるぜ、甘い良い香りがしてきてる!」
「本当? 早速市場へごーごー、だね!」
 喜ぶネロの声にクレアも頷き、一緒に早足で香りの元へ。
 出店では様々な愉快な仲間が調理に勤しみ、客人を出迎えていた。
「カボチャと合わせたスイートポテトだってよ! こっちはチョコカボチャクレープで……どれも美味そうだな!」
「ふふ、ネロってば食いしん坊なんだから。でもほんとに美味しそうなお菓子がいっぱいだね!」
 煌めくお菓子達を同じくらいキラキラの瞳で見つめるネロが微笑ましくて、クレアは思わずくすりと笑う。
 けれど彼の気持ちもよーく分かった。お腹ぺこぺこの時に、素敵な甘いものがたくさん食べられるのはとっても嬉しいから。
 そんなことを考えているうちに、ネロは一軒の出店でやり取りをしている様子。
 暫くして、二つのクレープを手に取って――。
「はい、これクレアの分な」
「わぁ、ありがとう。ほんとだ、いい香り……」
 ネロが購入してきたカボチャクレープは、甘さと香ばしさの合わさった素敵な香りを漂わせている。
 けれどそのウキウキ以上に、ネロが一緒に食べようと誘ってくれたのが嬉しくて。
「よーし、この調子で全部食っちまおうぜ!」
「もちろん! 全部制覇するつもりだよ。という訳で……」
 二人で一緒に満面の笑みで、いただきます!
 今日は特別な日だから食べ歩きだってしてしまおう。二人は甘いものを堪能しつつ、共にマーケットを進んでいく。

 次に二人が訪れたのは、アクセサリーを置いた出店だ。
 特製の小物達は小さな電灯の光を受けてきらきら輝いている。その光景も、どこか夢のようだ。
 どれも目移りしてしまいそうだけれど、その中でもネロが目をつけたのは――。
「……シンデレラの靴か」
 ぱっと目を引く、オレンジのガラスで作られたガラスの靴。見れば小さなカボチャの飾りもついており、ハロウィンらしさもバッチリだろう。
 そのまま視線を横にずらせば、様々な小物を物色するクレアが見えた。
「なあ、クレア。これ、どうかな?」
「ん……? わ、綺麗なガラスの靴だね」
 ネロが指差した靴を見て、クレアは少しだけ目を丸くする。
 きっと格好いい小物でも見つけたのだろうと思ったけれど、彼が選んだのはロマンチックな物だったからだ。
 びっくりはこれで終わらない。ネロは小さく頬をかきつつ、更に言葉を紡いでいく。

「クレアに似合うかもしれねェなって……どうだ、買うか?」
「うん買っちゃう! ありがとう、素敵な靴を選んでくれて!」
 注文を受ければ店員もすぐに靴を用意してくれる。
 靴を片手にネロはその場に跪き、クレアの顔をそっと見上げた。
「しょうがねェな……今日だけだぞ。折角だし履かせてやるよ、お姫様」
 ネロのまさかの提案に、再びクレアは目を丸くして――すぐにぱっと笑みを咲かせた。
「ネロ、ありがとう。それじゃあお言葉に甘えて……」
 そっと足を差し出せば、ほっそりとした足にオレンジの淡い光が灯る。
 きらきらのガラスの靴を履けば、まるで自分がお姫様になったような気分で。
「えへへ……似合うかな?」
「うん、バッチリだ。サイズもピッタリだし、ちょうどよかった」
「これでシンデレラみたいなお姫様に変身できたらいいのにな……あ、そうだ。ネロ、そのままの姿勢でいてね」
「ん、俺にも何かくれんのか?」
 早速靴を履いて歩き出すより先に、クレアはそっと小さな飾りを取り出した。
 それを屈んだままのネロに差し出し、頭に載せて。
 そのまま視線を横へ向ければ、試着用の鏡が二人の姿を映していた。見ればネロの頭には、小さなカボチャの王冠が載せられていたのだ。
「……はいどうぞ、ネロ王子様」
「へへ、南瓜の王冠か。じゃ、有り難く戴冠させてもらうとするぜ、ありがとな」
「ちょっと謎めいた雰囲気の素敵な王子様になっちゃうかもね、ふふふ」
 二人は互いの様子を見遣り、くすくすと笑みを向け合う。
 片やカボチャのシンデレラ、片やカボチャの王子様。
 服は普段着のままだけれど、それでもキラキラの飾りが特別な気分にさせてくれた。
「せっかくだから、このまま市場を回ろうぜ。もっと甘いもんも食いたいし!」
「うん、行こう! ふふ、王子様とお姫様の冒険だね!」
 格好に合わせてちょっとだけエスコートの真似をしつつ、ネロはクレアを導いていく。
 まだまだマーケットには見る場所がたくさんあるのだ。今だけはおとぎ話の住人に加わって、素敵なハロウィンを楽しもう。
 小さな姫と王子の足取りは、まだまだ続くのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
わぁ、梓、梓、可愛いものがいっぱいあるよ
ハロウィンマーケットの賑わいに目をキラキラさせ
あれもいいなこれもいいなと色んなお店を見て回る

俺の目に留まったのはシルエット調のイラストが
描かれた二種類のマグカップ
ひとつは不思議の国のアリスの面々がハロウィンなお茶会を楽しんでいて
もうひとつはブレーメンの音楽隊がハロウィンの仮装で楽器を演奏している
どちらも甲乙つけがたいほどに可愛い
正直に言うとどちらも欲しいけど
家にマグカップが溜まっていっちゃうなぁ…
あ、そうだ

俺はアリスのマグカップを自分用に貰い
そしてブレーメンの音楽隊のマグカップは梓へプレゼント
こうすれば、梓の家に行く度に幸せに気持ちになれるね


乱獅子・梓
【不死蝶】
綾は意外と可愛いもの好きだからなぁ…
テンション上がっている綾の様子を
父親(オカンじゃないぞ)のような気持ちで見つめつつ

俺は雑貨よりもハロウィンモチーフのお菓子類が気になる
ハロウィンの食べ物は見た目も凝っているものが多い
自分が作る際の参考にもなる

悩んだ末、ジャックオーランタン、黒猫、おばけなどが
飾り立てられた色々なマフィンのアソートを頂いていく
あとで綾と焔と零と一緒に食べよう
全部タダで貰うのは何だか申し訳ないな…
というわけで、対価として俺の手製クッキーを差し出す

綾からの予想外のプレゼントに目を丸くする
少し照れながらもありがたく受け取る
この仕事が終わったら綾の好きなもの作ってやろう




 丸っこいフォルムの木々に、何処までも続きそうなレンガの道。
 その周囲に用意された出店には橙色の灯りが灯り、愉快な仲間たちが楽しそうに笑っていた。
 そんなハロウィンマーケットの光景を見れば、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の足取りも思わず弾む。
「わぁ、梓、梓、可愛いものがいっぱいあるよ」
 後ろを歩く乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)を導くように次々出店を指差して。
 あっちにはカボチャ頭の人形、あっちには可愛いアクセサリー、更に向こうにはお菓子もたくさん。
 きらきらの光景に負けないくらいに目を輝かせ、綾は次々と店の様子を覗き込んでいた。
「綾は意外と可愛いもの好きだからなぁ……楽しそうなのは何よりだけどな」
 一方、梓の足取りはゆっくりだ。出店の光景はとても楽しいし、奥から漂う甘い香りにだって興味津々。
 けれどそれ以上に、はしゃぐ綾の姿が微笑ましくて、ついつい見守りたくなってしまうのだ。
(まるで父親みたいな気持ちだな……あ、でもこういうのがこう、オカンっぽいって言われるんだろうか)
 思わず過ぎった考えに少しだけ頭を振って、意識を改めて綾の方へ。
 綾の方も梓の視線に気付いたのか、サングラス越しに目を合わせてきた。
「うーん、ついつい目移りしちゃうなぁ……暫くウロウロしてても大丈夫?」
「ああ、勿論。それなら俺はお菓子の方を見てこようかな。ハロウィンモチーフは気になるし、自分が作る際の参考にもなるだろうし」
「梓らしいね。それじゃあ、後で合流しようか」
 二人はゆるりと手を振り合い、目的の店へと向かっていく。

「予想以上、だな……流石不思議の国だ」
 ざっと気になる出店を見回りつつ、梓の方は気になるお菓子に目星をつける。
 例えばクッキーでも複数の生地を使い分け、なかなか細かい造形を作っていたり。食材も秋らしいものが多く、香りから美味しそうだ。
 そんな中で梓が手にとったのは――ハロウィンらしい菓子飾りで彩られたマフィン達だ。
 ジャックオーランタンに黒猫さん、それにふわふわのお化け。彼らは見た目も可愛らしく、それでいて味も美味しそうだ。
「店員さん、このマフィンのアソートを頼みたいんだが」
「まいどあり! 誰かと一緒に食べるのかな?」
「ああ、連れと……あとはこいつらと、だな」
 店員の言葉につられて顔を出したのは、炎竜の焔と氷竜の零だ。二匹も可愛いお菓子を前にして、瞳をキラキラと輝かせている。
 せっかくのハロウィン菓子だ、皆で食べるのが一番楽しい。合わせる飲み物は何にしようか、なんてことも考えつつ梓はマフィンを包んだ箱を受け取る。
 店員さんは買ってもらえたことに満足そうだが――でも、これで終わるのは申し訳ない。
「……そうだ。よければこれを貰ってくれ」
「わぁ、可愛い! ありがとう!」
 対価として手渡したのは梓特製の桜クッキーだ。店員は嬉しそうにクッキーを握りしめ、更にニコニコと微笑んでいた。
 そんな店員に改めて礼を告げ、梓は再び市場の中を進んでいく。

 一方綾は、一軒の出店にて首を捻って考え込んでいたようだ。
「んー……どっちも気になるなぁ……」
 視線の先にあるのは、少し大きめのマグカップが二つ。
 どちらも影絵のようなシルエットで模様が描かれ、おとぎ話の光景を作り上げていた。
「こっちはアリスのお茶会だよね。ハロウィンバージョンで可愛いなぁ……」
 片方のマグカップは薄紫のカップで、アリスや帽子屋達がカボチャ飾りと共にお茶会を楽しんでいるイラストだ。
 アリスモチーフだけでも可愛いのに、ハロウィンらしさもあるとなれば特別な感じがたまらない。
「こっちは……ブレーメンの音楽隊、だね。仮装してる、可愛いなぁ……」
 もう片方のカップはオレンジ色で、帽子やリボン、フード等で仮装したブレーメンの音楽隊が楽しく行進している様子が描かれている。
 こちらもとても楽しげなイラストで、手に取る度に元気になりそうだ。
 どっちも可愛い。どっちかなんて選べない。でもこれ以上家にマグカップを溜め込んでも勿体ない。
「……あ、そうだ。どっちも買えばいいんだ」
 解決策が閃けば後は簡単。アリスのカップは自宅用に、ブレーメンのカップは――。

 二人は改めて合流し、互いの成果を確認することにした。
「綾、可愛いマフィンが買えたんだ。全部終わったら皆で食べよう」
「良い考えだね。それなら――これを使うのはどうかな?」
 マフィンの箱を掲げる梓に、綾が差し出したのは小さな包み。中身は勿論ブレーメンのカップだ。
「はい、俺からのプレゼント。こんな可愛いカップがあれば、梓の家に遊びに行くのがもっと楽しくなりそうだしさ」
「いいのか? ありがとう、なんだか照れるな……」
 綾からの予想外のプレゼントに少しだけ目を丸くして、すぐに表情を和らげて。
 こんな嬉しいサプライズがあれば、俄然気合も入るものだ。
「この仕事が終わったら綾の好きなもの作ってやろう。マフィンも一緒にな」
「やった、楽しみにしてるよ」
 楽しい思い出を胸に抱きつつ、それから約束も交わしつつ。
 二人は柔らかな笑みを向け合うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳳城・那由多
【童話家族】
コスプレ:お姫様

子どもたちとハロウィン、楽しそうですね
ラフィさんとファンさんが王子様
アリアさんと私がお姫様のコスプレですか

アリアさんのフリルいっぱいの白いドレスとても素敵ですね
普段は赤いドレスが多いからでしょうか
新鮮で少し大人っぽく見えますね、似合ってますよ
私のアリアさんと一緒のデザインの黒いドレスはどうでしょうか?
黒は普段着ない色なのですが、子供たちとお揃いができるのは嬉しいですね

ふふふ、では私もアリアさんに習って
トリックオアトリート、ファン王子様とラフィ王子様
オススメのお菓子をご用意してくださらないかしら?
私からは、黒ネコと魔女のココアクッキーを差し上げますわ


ラフィ・シザー
【童話家族】
コスプレ:王子様

アリアだけじゃなくてファンや那由多ともお出かけ出来て嬉しいぜ。
今日はとっても楽しい1日になりそうだ♪

おとぎ話にハロウィンがまざってとってもアリスラビリンスって感じだな。

コスプレの衣装は…王子様か…!
普段の俺は殺人鬼で執事だから王子様は似合わないだけど…今日はハロウィンだからな!
…憧れの格好だってできるんだ。
ふふ、ファンも王子様で女性陣はお姫様…!
いつも以上にしっかりとエスコートしないとな。

お姫様方、何か食べたいお菓子はあるかい?
まずはパンプキンタルトにお化けの砂糖菓子を用意して♪あとは紅茶を準備しよう。
うーん、王子様のつもりだけどこれじゃあいつもと変わらないなぁ…


アリア・モーント
【童話家族】
コスプレ:お姫様

ハロウィンなのよ、ハロウィンなのだわ!
ファンお兄様とラフィお兄様が王子様で
那由多ママとわたしがお姫様なのね?
…わたしは白のお姫様、レースにリボン、たっぷりのフリル
可愛い砂糖菓子みたいで、素敵なのよ?

ママはいつも白色だけど、黒色のドレスのママはとーってもミステリアスなのよ?
さらさらの髪もふわふわのしっぽも黒い夜空の天の川みたいにきらきらしてて…夜空の女神様みたい!
ママが、一番、綺麗なお姫様なのだわ…!

コウモリキャンディに魔女の指クッキーもかわいいのよ?
ねぇ、お兄様方…いいえ、王子様方?
トリックオアトリート!
お姫様にぴったりなお菓子を選んでくださいな!


ファン・ダッシュウッド
【童話家族】
コスプレ:王子様

ハロウィンの国、ですか
本当に、飾りやお菓子が目白押しですね
(人も多い気がするけれど、気にしない様に……

皆さん、仮装は決まりましたか?
僕は……お、王子様……?しかも、白色?
あの、僕には似つかわしくないかと
選び直しは出来ないのでしょうか……!?(困惑

あ、えっと、ええ……?
わかりました、僕も王子様にしますね
(家族の視線に根負けした模様?

お姫様にぴったりのお菓子、ですか
それでは、僕からはこれを……
はい、おすわりしている動物を模したマシュマロです
無糖の紅茶に入れると、ぷかぷか浮かぶ様に見えますよ

ラフィさん
すっかり、なりきっていますね
普段通りと言っても、いつもより輝いて見えます




 ハロウィンマーケットでは愉快な仲間たちも仮装をしつつ、各々の出店を楽しんでいる。
 彼らはマイペースで気ままだけれど――目の前に綺羅びやかな集団が現れれば、意識はついついそちらへ向いてしまうもので。
 愉快な仲間たちが目にしたのは、本当に童話の世界からやってきたかのようなお姫様と王子様の集団だった。

「ハロウィンなのよ、ハロウィンなのだわ! お兄様達も那由多ママも楽しみましょう!」
 先頭ではしゃぐのは、純白のドレスに身を包んだアリア・モーント(四片の歌姫・f19358)だ。
 レースやリボン、それにたっぷりとあしらわれたフリルを揺らし微笑む彼女はまさに小さなプリンセス。
 砂糖菓子のように愛らしく、それでいて甘すぎない上品なデザインをばっちりと着こなしていた。
 そんな彼女の後ろで共にはしゃぐのは、深い紺色の衣装を身に纏ったラフィ・シザー(【鋏ウサギ】・f19461)だ。
「そうだな、今日はアリアだけじゃなくてファンや那由多とも一緒だし……今日はとっても楽しい1日になりそうだ♪」
 彼の衣装は王子様がベース。普段の少年らしい執事服よりどこか大人びた印象だ。
 普段のラフィは殺人鬼で執事。到底王子様の格好なんて似合わないと思っていたけれど――今日は特別な日だから。
「……こういう格好、憧れてたんだよな。ファンも王子様の格好、似合ってるぜ!」
「そう言って頂けるのは嬉しいのですが……あの、やはり僕には似つかわしくないのでは……」
 ラフィに呼ばれ、少し気まずそうに目を逸したのはファン・ダッシュウッド(狂獣飢餓・f19692)だ。
 彼もまた王子様の衣装を身に着けているが、こちらは白色がベース。普段の衣装と違った綺羅びやかさに戸惑いを隠せていないようだ。
 この衣装も自分で選んだ訳ではなかった。
 皆で『王子様とお姫様の格好をしよう!』と決まった流れ、選び直しをしたくとも家族から向けられたのはキラキラとした眼差し。
 そうなればもう、断ることは出来なくて。
「ラフィお兄様の言う通りよ。ファンお兄様、とっても素敵なのだわ?」
 アリアもラフィの言葉に乗っかり、ニコニコと笑みを浮かべている。
 ファンは小さく頬をかきつつ――自分達を見守る鳳城・那由多(傍観察者・f22037)へ、ちらりと視線を向けた。
「ふふ、皆さんとてもよく似合っていますよ」
「那由多さんのドレスも素敵です。デザインはアリアさんのものと同じ、でしたっけ」
 ラフィの言う通り、那由多が身に纏っているのはアリアのものによく似たフリルやレースたっぷりのドレスだ。
 けれど色はアリアのものと逆に黒色で、それが那由多の白い髪や尻尾と相まって美しい印象を与えている。
 那由多のドレスが話題に上がったからか、アリアが跳ねるように那由多の隣へ並び立った。
「いつもは白いお洋服だけれど、黒色のドレスのママはとーってもミステリアスなのよ? さらさらの髪もふわふわのしっぽも黒い夜空の天の川みたいにきらきらしてて……夜空の女神様みたい!」
 その言葉に負けないくらいキラキラの瞳で此方を見上げるアリアに、那由多が返したのは母性たっぷりの優しい笑みだ。
「黒は普段着ない色なのですが、子供たちとお揃いができるのは嬉しいですね。アリアさんも普段は赤いドレスが多いからでしょうか、新鮮で少し大人っぽく見えますね、似合ってますよ」
「ありがとう! ママが、一番、綺麗なお姫様なのだわ……!」
「アリアさんは一番可愛いお姫様、ですね」
 二人はニコニコ笑顔のまま手を繋ぎ、共にマーケットを進もうとしている様子。
 そんな微笑ましいやり取りを見つつ、ラフィはファンへと顔を寄せた。
「あの二人、本当にお姫様みたいだよな……いつも以上にしっかりとエスコートしないとな」
「ふふ、ラフィさんすっかり、なりきっていますね。ですが僕も同じ気持ちです。エスコートは……頑張らないと、ですね」
 衣装につられてか、いつもより使命感に燃えるラフィと、いつもと同じ調子で微笑むファン。
 二人の様子は違っているけれど、それでもやるべきことは変わらない。
 王子達はお姫様達の手を取って、柔らかな笑みをそっと向ける。
「……という訳で、エスコートは俺達にまかせてくれよな、お姫様」
「アリスを導くのは時計ウサギの仕事ですが……今日はその、王子としても。共に楽しみましょう」
 そんなラフィとファンの様子にアリアと那由多はぱぁっと笑みを浮かべ、きゅっと手を握り返した。
「素敵な王子様! よろしくお願いするのだわ!」
「はい、喜んで。皆でハロウィンを楽しみましょうね」
 こうしてゆるり、ゆるりと素敵な一団の市場巡りが始まった。

 マーケットはかなりの賑わいを見せており、愉快な仲間たちだけでなくアリスの姿も見えていた。
 誰もが皆楽しそうだけれど……ちょっとだけ人混みも出来ている。迷子にならないように気をつけなくては。
「おとぎ話にハロウィンがまざってとってもアリスラビリンスって感じだな」
「本当に、飾りやお菓子が目白押しですね」
 お姫様達を守りつつ、二人の王子はきょろきょろと周囲を見遣る。
 手前にあるのは雑貨屋が多めで、奥には甘いものの出店が揃っているようだ。それを示すよう、甘い香りが漂ってきている。
 そんな様子にアリアも気付いたのか、王子達の袖をちょいちょいと引いていた。
「ねぇ、お兄様方……いいえ、王子様方?」
「どうしたんだアリア、じゃなくてアリア姫。何か何か食べたいお菓子があるかい?」
「ちょっとだけ違っていて……トリックオアトリート! お姫様にぴったりなお菓子を選んでくださいな!」
 そう言ってアリアは奥の出店を指差す。
 せっかく仮装をしているのだから、言動だってそれに合わせてみたいのだろう。
 那由多も合わせるように王子達へと笑みを向け、柔らかく言葉を紡ぐ。
「ふふふ、では私もアリアさんに習って。トリックオアトリート、ファン王子様とラフィ王子様、オススメのお菓子をご用意してくださらないかしら?」
「お姫様にぴったりのお菓子、ですか。なるほど、僕らで選んでくるのも楽しそうです」
 面白い試みにファンもゆるりと微笑みを浮かべ、どこか気合を入れている様子。
 一行はそれぞれ気になるものを見て回りつつ、お菓子の出店を巡ることにした。

「……という訳でお菓子を選ぼうと思うけど、ファンは何か案があるのか?」
「アリアさんなら可愛らしいものが良いでしょうね。那由多にはシックなものが似合いそうですが……今日はお姫様ですから」
 二人の王子は互いに様々な出店を覗き、良さそうなものを見繕っていく。
「どうせなら紅茶に合わせたいよな」
「そうですね、なら……こういうのはどうでしょう?」
 ファンが手にとったのは様々な動物を模したマシュマロだ。
 所謂おすわりのポーズをしたマシュマロは、見ているだけでも何だか和む。
「あ、それ良いな。それなら俺は……」
 一方ラフィが選んだのは大きめのパンプキンタルトだ。
 セットになったお化けの砂糖菓子を乗っければ、まるで絵本の光景のようで。
「そちらも可愛らしいですね。合わせるなら無糖の紅茶が良いでしょうか」
 時計ウサギらしい視点も忘れず、二人はチョイスしたお菓子を包んでもらう。
 あとはお姫様の元へ戻るだけだ。

 アリアと那由多もざっと出店を見て回っていたようで、王子達の迎えにはゆるく手を振って応えてくれた。
「お姫様達、お菓子を選んできたぜ。俺からはパンプキンタルトにお化けの砂糖菓子だ♪ 紅茶の準備も任せてくれよな」
「それでは、僕からはこれを……はい、おすわりしている動物を模したマシュマロです。無糖の紅茶に入れると、ぷかぷか浮かぶ様に見えますよ」
 二人が用意してきた品を見れば、お姫様達の瞳はキラキラと輝く。
 可愛らしさとハロウィンらしさの合わさった菓子ならば、ティータイムだって特別なものになるだろう。
「王子様方、とっても可愛いお菓子をありがとう!」
「それでは私達からも。素敵な王子様達、こちらをどうぞ」
 お姫様達も小さな箱を取り出し、その中身を王子達へと示す。
 中にあったのは黒ネコと魔女のココアクッキーに、魔女の指を模したちょっと怖いクッキー、それに可愛いコウモリキャンディだ。
「これもかわいいでしょう? 皆で一緒にティータイムにしましょう!」
「素敵なチョイスをありがとう、王子様達。今日のティータイムはとっても楽しいものになりそうですね」
 予想外のプレゼントに王子達は驚いて、でもすぐに笑みを浮かべる。
 これらのお菓子と美味しい紅茶があれば、忘れられないハロウィンになるだろうから。
「わぁ、二人共ありがとう! 紅茶、頑張って淹れないとな! ……これじゃあいつもと変わらないかもしれないけど!」
「そんなことありませんよ。今日のラフィさん、普段通りと言ってもいつもより輝いて見えます」
「そうか? ありがとうな、素敵なお姫様と王子様も一緒だし……テンション上がるぜ!」
「確かに、王子の格好に抵抗はありましたが……こうしてみると楽しいものですね」
 いつもと違った装いは心が弾むだけでなく、どこか気合も入るもの。
 ラフィとファンはティーセットの準備を進めつつ、互いに準備を進めていく。
 アリアと那由多はその様子を楽しげに見つめ、お菓子の準備を手伝っていく。
「王子様とお姫様のハロウィンティーパーティ、とっても素敵なのだわ!」
「ゆっくりと楽しみましょうね。ふふ、やっぱり皆で来ることが出来てよかったです」
 戦いの時間は迫っているけれど、それまで余裕はまだまだある。
 一行は心ゆくまで楽しいお茶会の時間を過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【兎鯱】
予め淡オレンジの姫ドレス仮装

晃君が敵が出てきたら仮装を楽しむ余裕も無くなりますよって言うから着てきたけど…
圧倒的姫…!!たまにはふつーに男物着たいですぅ

拗ねた素振りで文句を言いつつチラリと横目で晃君を見る
着こなしもスマートだし仕草も上品だし
かっこいい部類ではあるんだろうし
まるで本物の王子様みたい…あの本性さえ無ければ
口には出さないけれど

その恋人さんは晃君の同居人でもあるんですけどー
からかわないでよぅ

市場巡り中も慣れない扱いにドギマギしつつ
店員さんには楽しませてもらったお礼に★飴をプレゼント
晃君に選んでもらったイヤリングを付けてもらい

えへへ、似合うかな
もーからかわないでってば…!


堺・晃
【兎鯱】
黒紫色の露出控え目星の王子様仮装

澪君は本当に乗せやすくて面白…可愛いですね
いいじゃないですか、似合ってるんですし
森からは出してもらえるかもしれませんよ、男物

クスクスと微笑みながらも澪君と目が合えば

恋人さんが嫉妬しそうですね
えぇ、存じてます
彼がそんな性格でない事も

道中のリードは引き受けましょう
常に紳士的な態度でプリンセスの興味を優先
けれどアクセサリー売り場で足を止め
少し悩んでからイヤリングをワンセット入手

これは僕からの贈り物です
彼の可憐な耳に薔薇モチーフのオレンジのイヤリングをそっと留めて
ええ、とても似合いますよ
本当は首輪…チョーカーと迷ったんですけれど
恋人さんに誤解させないように(微笑




 マーケットを楽しむ愉快な仲間たちの間で、また小さなざわめきが起こる。
 猟兵のお姫様と王子様、もう一組来たみたい。一体どんな素敵な人なんだろう?
 響く楽しげな声を気にせずに、ゆるりと歩くのは一人の王子。黒紫色の上品な衣装を身に纏うのは、堺・晃(元龍狼師団師団長・f10769)だ。
 彼の傍らには淡いオレンジ色のドレスを纏う栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の姿もあるが――こちらはちょっと不服そうである。
「晃君が敵が出てきたら仮装を楽しむ余裕も無くなりますよって言うから着てきたけど……圧倒的姫……!! たまにはふつーに男物着たいですぅ」
「いいじゃないですか、似合ってるんですし。澪君は本当に乗せやすくて面白……可愛いですね」
 澪の様子も気に入ったのか、晃はクスリと笑みを浮かべている。
 傍から見ればお姫様をエスコートする王子様として完璧だけれど、彼の本性をよく知る澪から見れば完全にからかわれている気分だ。
「森からは出してもらえるかもしれませんよ、男物」
「そうだね、そうだといいんだけどー……」
 小さく唇を尖らせつつ、澪は晃をちらりと見遣る。
 彼の方は衣装を完璧に着こなしており、それに相応しい立ち振舞だってしている。
 上品さと格好良さが合わさった晃は、本当に絵本から出てきた王子様のようで。
(まるで本物の王子様みたい……あの本性さえ無ければ)
 こっそりとそんなことを思っていれば、晃も澪の視線に気付いたようだ。
「傍らにこんな可愛いお姫様がいるなんて。恋人さんが嫉妬しそうですね」
 彼の言うように、澪も不服ながら着こなしは完璧だ。華奢な身体に淡いドレスも相まって、儚げな印象がとても可愛らしい。
 けれど恋人の話題を出されては、澪も黙ってはいられなかった。
「その恋人さんは晃君の同居人でもあるんですけどー、からかわないでよぅ。それに恋人さんはこういうことで嫉妬なんてしませんからー」
「えぇ、存じてます。彼がそんな性格でない事も」
 でも、だからこそ。
 晃は澪の手をそっと取り、ニコリを優雅な笑みを浮かべる。
「ですが道中のリードはお任せ下さい。行きましょう、プリンセス」
「きゅ、急にそんな扱いをされるとビックリしちゃうな……でも、よろしくね」
 本性を知っていても王子らしい所作で姫扱いされれば、それはドギマギしてしまうもの。
 澪はゆるく晃の手を握り返し、共に市場を進んでいく。
 さてさて、何を探そうか?

 マーケットには様々な品物が並び、淡い光を受けてきらきらと輝いている。
 何処を見ていても楽しくて、澪の視線はどこか忙しなく動き続けていた。
「あのぬいぐるみ可愛い……あっちもカップも可愛いなぁ。晃君は何か気になるものはある?」
「僕は澪君の様子を見ているだけでも楽しいので。ほら、あっちにも可愛らしいものがありますよ。時計ウサギでしょうか?」
「それじゃ勿体ないと思うけど……でもあのウサギさん、確かに可愛いね」
 晃の指差す方向を見れば、確かにカボチャ型の時計を持ったウサギの人形が置かれている。
 店員も二人の様子に気付いたのか手招きをしているようだ。
「可愛らしいお姫様、うちの品物が気になるのかい?」
「うん、見ているだけでもとっても楽しいよ。あ、そうだ」
 澪は懐から小瓶を取り出して、蓋をぽんぽんと軽く叩く。その衝撃に合わせるように小さな飴がぽこぽこ姿を現した。
 数粒の飴を手にとって、澪は店員へと笑顔を向ける。
「楽しませてくれたお礼に、どうぞ」
「わぁ、ありがとう。よければゆっくり見ていってね」
 澪と愉快な仲間がほのぼの会話をしている傍らでは、晃がアクセサリーの出店を覗き込んでいた。
 ハロウィンモチーフの飾りはどれも可愛らしく目移りしてしまいそう。少しだけ思案して、晃が選んだのは――。

 晃の様子に気付いたのか、ふと澪が顔を上げる。
「……そういえば晃君は何か買った?」
「ええ、ちょうど。澪君、これは僕からの贈り物です」
 そうして差し出されたのは、薔薇モチーフのオレンジのイヤリングだ。
 わぁ、と喜ぶ澪の耳にそっとイヤリングをつけたのならば、可憐さにもさらに拍車がかかる。
「えへへ、似合うかな」
「ええ、とても似合いますよ。ですが……」
「ん?」
 無邪気な笑みを浮かべる澪に、晃が向けるのはどこか意味深な微笑みで。
「本当は首輪……チョーカーと迷ったんですけれど。恋人さんに誤解させないように、今日はこちらで」
 その言葉を受け、イヤリングで彩られた澪の耳が赤く染まる。
 勿論恋人はそんなことで誤解したり、澪に怒ったりはしないだろう。
 でもこれだけキラキラの王子様にリードされては、やっぱりどこか照れてしまうものだ。
「もー、からかわないでってば……!」
「ふふ、やはり澪君は可愛らしいですね」
 傍から見ればお姫様と王子様のやり取りで、でもその内情はどこか複雑で。
 それでも二人にとっては、これもまた一時の思い出になっていくのだろう。
 こうしてマーケットの時間は続いていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シウム・ジョイグルミット
はっぴーはろうぃーん!!
眺めてるだけで楽しい気分になっちゃうね
どんな小物が売ってるかなー(ふわふわ浮いて見渡し)

ボクはお店をひと通り回って楽しみたいね
特に食べ物が気になるから、いい匂いがすればそこへ一直線に向かっちゃうよ
もちろん買うし、すごく美味しかったら他の猟兵くん達に宣伝しちゃおうかな
あとヘアピンも、ハロウィンらしいのがあれば欲しいなー
その方が絶対気分も盛り上がるしね

買った時は、お店の仲間たちに感謝の気持ちをこめてお礼するよ
銀食器をたくさん出して操って、ふわりふわり楽しそうに空で踊るのを見せるね
で、カボチャの装飾が付いた銀食器をプレゼント!
ありがとー仲間たち、これで美味しいものを食べてね♪




 国中を覆う淡い光に楽しげな声、そして美味しそうな香り。
 素敵なハロウィンマーケットを前にして、シウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)の顔にはパッと笑顔が咲いていた。
 道行く仲間たちに手を振って、一緒に笑顔を浮かべて。
「眺めてるだけで楽しい気分になっちゃうね、はっぴーはろうぃーん!!」
 ふわふわ宙に浮きながら、シウムは次々に出店を見て回る。
 どんな小物があるのかな。それから美味しい食べ物だって見逃せない!
 そんなシウムが最初に目をつけたのは――甘いお菓子のコーナーだ。

 ハロウィンをモチーフにしたお菓子は愛らしく、それでいてどれも美味しそう。
 魔女や黒猫のクッキーに、お化けを模した大きな砂糖菓子。それからカボチャを使ったパイやケーキも見逃せない。
「店員さん、これとこれと……あとこれも! ぜーんぶお願いしたいな!」
「いっぱい買ってくれてありがとう、ウサギの猟兵さん。美味しく食べてね!」
 元気なシウムの様子には愉快な仲間たちも励まされているようだ。彼らも元気に接客を続け、どんどんお菓子を渡してくれる。
 対価は求められなかったけれど――感謝の気持ちだって勿論伝えたい。そこでシウムが取り出したのは、可愛らしい銀食器達だ。
「これはボクからのお礼だよ♪」
 そうやって披露するのは、ふわりふわりと宙を舞う食器のパフォーマンスだ。
 銀食器達は橙色の光を受けて夢のようにきらきら煌めく。その光景に愉快な仲間も大喜びだ。
 けれどお礼はこれだけで終わらない。シウムはカボチャの装飾がついたフォークを握りしめ、そっと店員の方へと差し出す。
「はい、どうぞ。ありがとー仲間たち、これで美味しいものを食べてね♪」
「こんな可愛いフォークまで……ありがとう、大事にするね!」
 互いに素敵な品物を渡し合って、ニコニコ笑顔を向けて。
 甘いお菓子は勿論、こういうやり取りも幸せな気分にさせてくれるものだ。

 それからシウムは次々に出店を回り、どんどん気になるものを購入していく。
 その度に食器のショーも披露して、プレゼントも手渡して。その度に暖かなやり取りも発生して、胸の奥にどんどん暖かな気持ちが溢れていく。
 そうして最後にシウムが買ったのは――。
「わぁ、カボチャのヘアピンだ! これください!」
 ハロウィンらしい、ジャックオーランタンのあしらわれたヘアピンだ。
 食器と交換で受け取って、すぐに髪にヘアピンをつけて。試着用の鏡を覗き込み、シウムは満足そうに笑みを浮かべる。
「素敵なお土産、いっぱい買えちゃった。ふふ、皆ありがとー!」
 最後に改めて仲間たちに手を振って、シウムの市場巡りには楽しい思い出が残っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小宮・あき
すずちゃん(f02317)と。

ハロウィンマーケット!
初めて来ました。目に入るもの全てが南瓜のオレンジで、鮮やかでいいですね。

「何かお礼を渡したら喜ばれるかも」と聞いて、クッキーを持ってきました。
ポルボローネ。ほろほろと口当たりの良いクッキーです。
南瓜要素はないけれど、私のホテルで出してる一級品。味は保証しますよ。

お話しに聞いてましたが、本当に対価は不要なのですね。
趣味の集まりであっても、マーケットである以上、貨幣や物品のやり取りはあるものと思っていました。
UDCアースで生まれ育った商人だから、そう考えるんでしょうか。
何かメリットが、なんて住人達を見ますが、彼らの笑顔に苦笑します。
楽しんでいる彼らにメリットが、なんて考えるのは失礼ですね。
今は私も、全力で楽しんでみようと思います!

すずちゃんとマーケットを巡ります。
好きな童話? そうだなぁ、不思議の国のアリスは好きですよ。
小さな頃の思い出ですが、未知の世界にワクワクしながら絵本を読んだ覚えがあります。
当時はチェシャ猫が意地悪で苦手だったなぁ。


コイスル・スズリズム
仲良しのオーナーさん(f03848)と参加だよ!

ハロウィン大好き!
この森も、道も、絵本や夢みたいな場所
ここにしばらく滞在したいかも
宿泊所もお城だったりするのかな

オーナーさんとはぐれないように
お話をしながら少しずつ歩いてショッピングするよ
オーナーさんは、おとぎ話はどんなのが好き?
すずは、プリンセスが出る話が好きかも
あとは、明るいのがいいな!

市場についたら、ハロウィンの国にあるかぼちゃ味のお菓子を探して食べ歩く
すずは食べ物の南瓜をそもそも大好きなんだよね。
甘いし形もカワイイ!
キュートな南瓜モチーフのアクセサリーだとか
形をしてるものも、見るだけでテンションあがっちゃうね

おいしいのがあれば、これおいしいよ!ってオーナーさんに教えたりしよ

オーナーさん、このファンタジー空間でまでお金のことをまた考えてる!
らしさにちょっと笑っちゃうよ
対価といえば、お買い物で、すずがお礼に用意したのは
かぼちゃの形をしたいろんなフルーツ味のキャンディだよ。
かぼちゃにかぼちゃ、だね!

この世界のこと、もっと好きになっちゃうね




 転移ゲートを潜り抜け、真っ先に飛び込むのは柔らかな橙色の光。
 国中がカボチャのランタンに彩られ、メルヘンチックな植物や建物も暖かな輝きに包まれている。
 その輝きを青空色の瞳で受け止め、柔らかく微笑むのは小宮・あき(人間の聖者・f03848)だった。
「ハロウィンマーケット! 初めて来ました。目に入るもの全てが南瓜のオレンジで、鮮やかでいいですね」
「うん、この森も、道も、絵本や夢みたいな場所で……ハロウィン大好き! ここにしばらく滞在したいかも」
 あきの言葉にうんうんと頷いてはしゃぐのはコイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)だ。
 彼女の言うように目に見えるもの全てが絵本のようで、見ているだけでもとても楽しい。
 遠くに見えるお城のような建物は宿泊施設だろうか。すぐ側にあった休憩用のベンチだってメルヘンチックに彩られて、とても愛らしい。
 そして視線を少し先へ向ければ――愉快な仲間たちが広げる沢山の出店が見える。行き交う人々も仮装をしていたり、持ち上がっている様子。
「オーナーさん、お話しながら行かない? 結構人通りも多そうだし、はぐれないようにしたいな」
「ええ、そうしましょうか。ゆっくり見て回るのもきっと楽しいでしょうし」
 二人は肩を並べて歩きつつ、市場の中を進んでいく。
 可愛らしい雑貨に甘い匂い。五感の全てが楽しさを享受するのが心地よかった。
 そんな雰囲気を味わいつつ、二人はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「オーナーさんは、おとぎ話はどんなのが好き?」
「好きな童話? そうだなぁ、不思議の国のアリスは好きですよ。小さな頃の思い出ですが、未知の世界にワクワクしながら絵本を読んだ覚えがあります」
 当時はチェシャ猫が意地悪で苦手だったなぁ、なんて苦笑いを浮かべつつも、声色は楽しそうなあき。
 そんな彼女の様子を見遣り、コイスルはニッコリと笑みを浮かべる。
「あー、わかる! ちっちゃい時に読んだお話って忘れられないよね!」
「ええ、本当に。すずちゃんは、好きなお話はありますか?」
「すずは、プリンセスが出る話が好きかも。あとは、明るいのがいいな!」
「ふふ、すずちゃんらしいです」
 子供の時の思い出も、大きくなってからの好みも。楽しい話をしていれば、自然と嬉しくなるもので。
 そんな暖かな気持ちを抱く二人を出迎えるのは――甘いカボチャのお菓子の香りだ。

「わぁ、オーナーさん見てみて! これ可愛い!」
「何か見つかりました?」
 香りに誘われるように視線を向ければ、そこに飾られていたのはジャックオーランタンを模したクッキーだ。
 生地にもカボチャが使われているのか独特の香りが鼻を擽る。
 店員も二人の様子に気付いたのか、ニコニコ笑顔で出迎えてくれていた。
「愉快な仲間さん、このクッキーを二つ下さい!」
「はい、どうぞ!」
 コイスルがカボチャクッキーを指差せば、店員がすぐに小さな袋に包んでくれた。
 そのやり取りを見つつ、あきが見つめるのは店員の様子だ。
 相手はクッキーを買ってもらってホクホクしているのか満足げだが――。
(お話しに聞いてましたが、本当に対価は不要なのですね。趣味の集まりであっても、マーケットである以上、貨幣や物品のやり取りはあるものと思っていました)
 あきはUDCで生まれ育ち、現在はホテルのオーナーという立場にいる。つまり生粋の商人だ。
 だからこそ、この不思議な国での対価を求めないやり取りというのは違和感を抱いてしまう。このやり取り、仲間たちにとってメリットはあるのだろうか。
 そう思った瞬間に、パッと目に入るのは店員の笑顔だ。そこには嘘や偽りもなく、彼は心の底からやり取りを楽しんでいる。
(……楽しんでいる彼らにメリットが、なんて考えるのは失礼ですね)
 くすりと苦笑いを零すあきを見遣り、コイスルがグッと顔を寄せる。
 仲良しの彼女からしてみれば、あきが何を考えているのかは何となく把握できた。
「オーナーさん、このファンタジー空間でまでお金のことをまた考えてる!」
「ああ、分かってしまいましたか。もしかすると、少し難しい顔をしていたかもしれませんね」
 くすくす笑うコイスルに、変わらず苦笑いを零すあき。いつも通りの自分達が、どこかおかしくて。
 そのまま二人は同時にポケットに手を入れて、中身を掌に乗せて見せ合った。
「お金……ではないのですが。何かお礼を渡したら喜ばれるかも、と聞いていたのでクッキーを持ってきていたんです」
「すずも! 実はキャンディ用意してたんだ!」
 あきが用意したのは『ポルボローネ』と呼ばれる口当たりの良いクッキーだ。袋には小さく『ホテル・ペンドラゴン』の名が記されている。
 一方コイスルが用意していたのはカボチャを模した可愛らしいフルーツキャンディ。ころころ丸っこくて、見ているだけでも楽しくなりそうだ。
 二人は用意したお菓子を店員へと手渡し、柔らかく笑みを浮かべる。
「これはクッキーのお礼です。南瓜要素はないけれど、私のホテルで出してる一級品。味は保証しますよ」
「店員さん、ありがとう! かぼちゃにかぼちゃ、だね!」
「二人共ありがとう! 大事に食べるね!」
 互いに美味しいお菓子を交換しあって、楽しい思い出を残して。
 これこそがこのマーケットの醍醐味なのだと、あきは強く感じていた。
「こういうやり取りも良いものですね。今は私も、全力で楽しんでみようと思います!」
「うん! それじゃあ早速、クッキー食べながら色々見てみよ!」
 購入したクッキーを口にすれば、カボチャの甘みと香りが身体を満たす。
 その美味しさや可愛らしさも勿論、気の合う友人と幸せを共有出来るのが何よりも心地の良いものだった。
「すずは食べ物の南瓜をそもそも大好きなんだよね。このクッキー、甘いし形もカワイイ!」
「はい、本当に。他にも素敵なものが沢山ありますし……ゆっくり見て回りましょうか」
 足取りはゆっくりと、でも着実に。
 甘いお菓子を堪能したら、次に探すのは可愛い雑貨だ。
「わ、南瓜モチーフのアクセサリーだって。見るだけでテンションあがっちゃうね」
「黒猫のアクセサリーも良いですね。こっちは童話の魔女、でしょうか」
 二人で陳列されたアクセサリーを覗き込み、試着したり買ってみたり。
 その度にお礼のお菓子を手渡せば、また暖かなやり取りが生まれていった。

 こうしてあきとコイスルはゆっくりと市場を巡り、思い出を積み重ねていく。
 その度に思うのは――。
「この世界のこと、もっと好きになっちゃうね」
「ええ。普段は足を運ばない世界ですが……こうやって遊びに来ると、嬉しくなります」
 それはきっと、優しい住人に素敵な光景、そしてそれを共に楽しむ友人がいるから。
 橙色の光に包まれて、二人の足取りはもう少しだけ続いていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『虹色雲の獏執事』

POW   :    「邪魔が入るようですね。番兵さん、出番です」
自身が【自身や眠っているアリスに対する敵意や害意】を感じると、レベル×1体の【虹色雲の番兵羊】が召喚される。虹色雲の番兵羊は自身や眠っているアリスに対する敵意や害意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    「お疲れでしょう。紅茶とお菓子はいかがですか?」
【リラックス効果と眠気を誘う紅茶やお菓子】を給仕している間、戦場にいるリラックス効果と眠気を誘う紅茶やお菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    「外は危険です。こちらにお逃げください」
戦場全体に、【強い眠気と幻覚を引き起こす虹色雲の城】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達が一通り買い物を楽しんだ頃、国の空気が少しだけざわついた。
 同時に現れた妙な気配へ意識を向ければ――そこにいたのは虹色に輝くオブリビオンの集団だ。
「ハロウィンも悪くありませんが、賑やかすぎてはアリスが疲弊してしまうでしょう」
「この国を我々のものにしてしまいましょう。ハロウィンはおしまいです」
 そのオブリビオン、虹色雲の獏執事は好き勝手な言葉を紡ぎつつ進軍を続けている。

 オブリビオンがいるのはパレード用の長くて広い道だ。あの場所で迎撃出来れば、被害は最小限になるだろう。
 そのことをハロウィンの国も理解したのか――猟兵へ向け不思議な衣装をポンポンと飛ばしていく!
 これに身を包んで戦えば、ハロウィンの加護が猟兵達を助けるだろう。
 勿論着ないまま戦うことも可能だが、せっかくのお祭り騒ぎ。えいや、と着てみるのも一興だ。

 とにかくオブリビオンを倒し、ハロウィンの国を守らなくては。
クレア・オルティス
ネロ(f02187)と
アドリブ歓迎

ハロウィンは皆が楽しみにしていたお祭り
終わりになんてさせないよ
うん!ちょちょいのちょいってやっつけちゃおう!

ふぅん、つまりその服を着ればぱわーあっぷするっていうこと?
強くなる上になんだか楽しそうだね

ネロの衣装はぴーたーぱんっていうの?かっこいい衣装だね、似合ってる!
私のは…妖精さん…?(ティンカーベルの衣装)
見てみて!羽もあって飛べる!これで一緒に空を飛べるね!
ふふふ、ネロと一緒なら負ける気がしないよ

ほらほら、こっちだよー
妖精の鱗粉を撒き散らしながら挑発
いっくよー!
ネロと連携しながらUCで攻撃
見事やっつけたらハイタッチ
獏さんばいばい
今度は一緒に遊べたらいいね


ネロ・バロック
クレア(f20600)と
アドリブ歓迎

楽しいところに無粋な奴等が来やがったな
クレア、俺達であいつ等をやっつけてやろうぜ

童話のキャラクターの服を着たらその力を得られるって?
じゃあ俺たちもせっかくだから着てみるか!

ん!この衣装はピーターパンか!
いつも以上に速く動けるのが分かる
服の力で空も自由に飛べそうだ

クレアはティンカー・ベルかァ…
ふぅん、結構似合うじゃねェかよ
(少し露出が高いので目を逸らし)

戦闘は互いの隙を埋めるように戦うぜ
高速移動で近づいてフェイントを織り交ぜながら唯我独尊斬りで敵を薙ぎ倒してやるぜ
うまくいったらハイタッチだ!

戦いが終わったらもう少し祭りを楽しもうぜ、ティンカー・ベル(手を取り)




 ふわもふの獏執事達は一見紳士的だが、その主張はあまりにも身勝手だ。
 厄介な客人の訪れを感じ取り、ネロ・バロックとクレア・オルティスは顔を見合わせこくりと頷く。
「楽しいところに無粋な奴等が来やがったな。クレア、俺達であいつ等をやっつけてやろうぜ」
「うん! ちょちょいのちょいってやっつけちゃおう! ハロウィンは皆が楽しみにしていたお祭り、終わりになんてさせないよ」
 二人の決意がハロウィンの国へと伝わったのだろうか。
 丸みを帯びた木々の合間から衣装が飛び出せば――不思議と二人の手元へと収まった。
「これってこの国の力なんだっけ。童話のキャラクターの服を着たらその力を得られるとか、そういう」
「ふぅん、つまりその服を着ればぱわーあっぷするっていうこと? 強くなる上になんだか楽しそうだね」
 猟兵達の胸にあるのは戦いへの意気込みもだけれど、ハロウィンを楽しむ気持ちもまだまだ。
 せっかくなら、楽しい方にいってみたい!
「じゃあ俺たちもせっかくだから着てみるか!」
「うん! それじゃあ早速……」
 服に意識を集中すれば、着替えは一瞬で完了だ。
 ネロが着込んだのは緑のチョッキに緑のズボン、王冠を邪魔しないような小さな帽子も合わさってどこか軽やかな印象だ。
 出店にあった試着用の鏡を覗き込めば、自分の衣装の正体にもすぐに気付けた。
「ん! この衣装はピーターパンか! すごいな、衣装のお陰で空も飛べる!」
「ネロの衣装はぴーたーぱんっていうの? かっこいい衣装だね、似合ってる!」
「そういうクレアは……ん」
 ネロはクレアへと向き直り、そしてすぐさま視線を逸らす。そこに立っていたのは――可愛らしい妖精だったから。
 水色の肩出しワンピースに小さな妖精の翅。それらを身に着けたクレアはティンカー・ベルに扮していたのだ。
「私のは……妖精さん……? 見てみて、羽もあって飛べる! これで一緒に空を飛べるね!」
「クレアはティンカー・ベルかァ……ふぅん、結構似合うじゃねェかよ。一緒に飛べるのは俺も嬉しいけど」
 いつもより肌を出したクレアにドギマギもしたけれど、いつものように明るく笑う彼女を見れば気持ちも落ち着く。
 二人で一緒に飛び回れば、どんな戦いだって怖くないのだ。
 せーので一緒に飛び上がり――まっすぐ目指すのは悪いオウガの元!

「ほらほら、こっちだよー」
 クレアが翅から煌めく鱗粉を振りまけば、オウガもそちらを見ざるを得ない。
「動き回られると面倒ですね。捕まえてしまいましょう」
 自由な妖精を捕まえるべく、オウガが生み出したのは虹色雲の迷路だ。
 そのきらきらに包まれていると何だか眠くなってしまうが――。
「クレア、こっちだ!」
「高く飛んじゃえば大丈夫だよね!」
 後ろから追いついたネロがクレアの手を引き、一気に上空目掛けて飛んでいく。
 偽物の雲じゃなく、本物の雲まで届く位置まで来れば幻なんてへっちゃらだ。
 しかしオウガ達も諦める気配は見せない。彼らは布陣を組みつつ、さらなる攻撃を仕掛けようとしているらしい。
「番兵さん、出番です」
 ぶわ、と姿を現したのは虹色雲の番兵羊達だ。その身体は雲のようにふわりと浮いて、空飛ぶ猟兵達へと迫りくる。
 そこですかさず飛び出したのはクレアの方だった。
 薔薇のステッキをぎゅっと握りしめ、発動するのは妖精の如き夢の魔法――『crimson rose』。
「薔薇の香気に包まれて……安らかに眠って……」
 ステッキが本物の薔薇の花弁へと姿を変えて、芳しい香りが周囲を包み込んでいく。
 そしてその花弁と香りが番兵羊を捉えれば、彼らは痛みも苦しみもなく眠りの中へと落ちていった。
 あっという間に番兵羊が退治され獏執事達は大慌て。すぐさま次の作戦を考えるけれど――舞い踊る薔薇の合間に吹く突風が、彼らの思考をかき消した。
 真っ赤な嵐から飛び出すのは、藍髪のピーターパンだ。
「爆ぜやがれ!」
 奇襲気味に突っ込むネロの手には、名無しの魔剣がしっかりと握りしめられていた。
 それを振りかぶって放つのは、単純で重い一撃――『唯我独尊斬り』!
 流星の如き勢いで叩き込まれた一撃は、着弾点の周囲にいたオウガを一気に吹き飛ばし退治していく。
「獏さんばいばい、今度は一緒に遊べたらいいね」
「普通のお茶会なら大歓迎だからな!」
 骸の海に還る彼らに少しだけ祈りも籠めて。
 二人の見事な連携は、ハロウィンの国を救う一手となった。

 まだはらはらと花弁が舞う中で、猟兵達は戦況を確認すべく地上へと戻る。
 どうやら最初に現れたオウガは無事に退治出来たようだ。
「うまくいったな!」
「うん、やったね!」
 二人でぱちんとハイタッチして、笑顔を向けて。
 けれど戦いはまだ続きそうだ。奥から迫る虹色を確認し、二人は再び気合を入れる。
「戦いが終わったらもう少し祭りを楽しもうぜ、ティンカー・ベル」
「ハロウィンはまだまだ続くもんね。一緒に頑張ろう、ピーターパン」
 ぎゅっと手を取り合って、猟兵達は再び空へ飛び上がる。
 二人の夢のような戦いは、もう少しだけ続くのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

堺・晃
【兎鯱】
着替え:かっこいい系男性服でお任せ

澪君は相変わらず引きがいい……
いえ、この場合は引きが悪いと言っておくべきでしょうか

さぁ…折角のハロウィンですからね
悪い子には…お仕置きですよ

一応元暗殺者ですので
いつでも扱えるよう★Mirror Dollも出しておき
基本は龍狼剣を用いて【暗殺術】と速度を活かした近接攻撃と
ハンドガンでの【援護射撃】を切り替え戦闘

敵のUCは僕もご招待お受けしましょうかね
お菓子に喜ぶような性格ではないですが
給仕を受けながらでもこの【UC】は出せますので

指先一つで操る毒のワイヤーを用いた【毒使い、罠使い】

そういうところも相変わらず、ですね
護衛はしますから、ご自由にどうぞ


栗花落・澪
【兎鯱】
着替え:ミニスカ女装ベースにお任せ

ですよねわかってたよこうなる事くらい…!
こうなったらさっさと終わらせちゃうもんね

仮にほんとに疲れたとしても
これは決して悪い疲れじゃないと思う
なんでも規制すればいいってものじゃないよ
もふも…獏執事さん

スカートに気を付けながら
【空中戦】で晃君の背後に控えつつ
【浄化】を乗せた光魔法の【属性攻撃】で攻撃
でも敵の攻撃は敢えて受けるよ
紅茶もお菓子も大好きだから喜んで

でも僕が遊んでるだけだと思ったら大間違いだよ
ただ晃君を信用してるだけで
いざとなったら【指定UC】で具現化した文字や
【誘惑】の足止めと【歌唱】で作った五線譜を操り攻撃
あ…縛ったらもふもふできるかな!?




 ハロウィンの国が生み出した衣装を着込みつつ、猟兵達は更にオウガに立ち向かう。
 栗花落・澪と堺・晃もまさにそのような戦いの真っ最中、なのだが――。
「ですよねわかってたよこうなる事くらい……!」
 カボチャ色のミニスカートを押さえつつ、澪はぷるぷる震えていた。
 今日こそ格好いい衣装が着れたなら……なんて夢見ていたけれど、実際手渡されたのはカボチャカラーのアリス衣装だったのだから。
 その隣では先程までの王子服と同様に気品溢れる立ち振舞で、帽子屋衣装を着込んだ晃がくすくすと笑っていた。
「澪君は相変わらず引きがいい……いえ、この場合は引きが悪いと言っておくべきでしょうか」
「どっちでもいいよ……こうなったらさっさと終わらせちゃうもんね」
「それには同意しておきます。さぁ……折角のハロウィンですからね。悪い子には……お仕置きですよ」
 なんだかんだでそれぞれの衣装は着慣れたタイプ。ハロウィンパワーで気合も十分、戦いには万全だ。
 そんな彼らの姿を視認したのか、獏執事達もドドドとこちらへ押し寄せてきている様子。
「ハロウィンは十分楽しみましたか? お疲れでしょう、さあお二人もお休み下さい」
「僕はまだまだ平気だよ。仮にほんとに疲れたとしても、これは決して悪い疲れじゃないと思う」
 オウガの甘く、けれど身勝手な言葉にはしっかりと拒絶を示して。
 澪はしっかりと敵を見据え、自分なりの言葉を紡ぐ。
「なんでも規制すればいいってものじゃないよ、もふも……獏執事さん」
 思わず本音がぽろりと出てしまいそうになったけれど、それはそれ。
 頑張る澪の傍らでは晃が人形と『龍狼剣』を構え、戦いの準備を進めていた。
「それではいきましょうか、澪君」
「うん、ハロウィンを終わらせないために……!」
 準備を負えたアリスと帽子屋は同時に駆け出し、迫るオウガへと思い切りぶつかっていく。

 オウガが放ってきたのは眠りの魔法のようだ。それを人形に受けさせつつ、晃は一気にオウガの懐へと突っ込む。
「ふわふわの身体を切り裂くのは勿体ないですが……澪君もいますからね、手早く終わらせましょうか」
 そのまま斬撃を振るえば、言葉通り獏執事の身体は真っ二つ。
 けれど敵は一体ではない。更に他のオウガが追撃しようとしてきたが――。
「そうはさせないよ!」
 晃の後方で控えていた澪が、空を舞いつつ光の魔術を一気に放つ。スカートを押さえる手付きが慣れたものなのが悲しいな、なんて思ったりもするけれど。
 放たれた浄化の光はあっという間にオウガを貫き、骸の海へと返していった。
 二人の連携は見事なものだ。手早く武器を手繰る晃と機動力と魔術に長ける澪、純粋に戦うには手強い相手だろう。
 そう直感したオウガが取り出したのは――ー美味しそうな紅茶やお菓子だった。
「おやおや、そんなに暴れてしまっては。お疲れでしょう。紅茶とお菓子はいかがですか?」
 オウガが差し出す物なんて、どう考えても危険なものだ。
 けれど二人は差し出されたカップや菓子を受け取り、ゆるりと笑顔を浮かべている。
「紅茶もお菓子も大好きだから、喜んで」
「それなら僕もご一緒させていただきましょうか」
 先程まで苛烈な戦いをしていたにも関わらず、一気に場の空気は緩やかなものへ。
 微かな眠気に包まれつつ、奇妙なお茶会が始まった。

「おかわりもありますからね。ゆっくりとお楽しみ下さい」
 猟兵達が素直に誘いに乗ってきたためか、オウガの方は楽しげだ。
 確かにお茶もお菓子もとっても美味しいが――それでも、含まれた眠りの毒は少しずつ二人を蝕んでいくだろう。
 けれど大丈夫。二人共、ただ遊びに来た訳ではないのだから。
「……安心してるみたいだけど、僕が遊んでるだけだと思ったら大間違いだよ」
「ごちそうさまでした。お礼に差し上げるのは……張り巡らせた僕の罠です」
 空になったカップを片し、そのまま晃が指を動かす。
 同時に違和感を感じたオウガが周囲を見るが――彼が目にしたのは、微かに煌めくワイヤーの輝きだけだろう。
 お茶会に参加しつつ、晃は『咎人殺しの檻』を展開していたのだ。
 その檻――猛毒のワイヤーはオウガの身体に小さな傷をつけ、そこから身体を侵していく。
 同時に澪も立ち上がり『彩音』の歌を響かせた。
「教えてあげる。世界に溢れる鮮やかな音!」
 音色に合わせ具現化された五線譜は倒れるオウガをぎゅっと捕まえ、決して逃したりはしない。
 さあ、ここからトドメだ。そう言いたいところだけれど……澪がはっとした表情を浮かべ、オウガをじっと見つめていた。
「あ……縛ったらもふもふできるかな!?」
「そういうところも相変わらず、ですね。護衛はしますから、ご自由にどうぞ」
「ありがと、晃君。それじゃあちょっとだけ……」
 スカートを翻しつつ、澪はもふもふタイムを堪能していく。
 その様子をどこかおかしそうに眺めつつ、晃はワイヤーを動かし続けていた。
 澪と晃のコンビネーションはばっちりだけど、心の内側まではどうだろう。
 とりあえず二人共楽しめたからいいだろうか。
 もふもふタイムが終わればまた戦いだ。それまでの間、猟兵達は少しだけ緩やかな時間を過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コイスル・スズリズム
オーナーさん(f03848)と引き続き同行。

衣装はお任せ
NGは特になく、明るいかぼちゃ色のものを喜んできます

敵さんの姿を見たら、瞳を輝かせ
獏執事さん、いってることはともかく
ハロウィンちっくな見た目だね!?
ファンタジーな空間にテンションが上がる

ハロウィンの国さん!衣装お願いします!
こんなの古い絵本のシーンにありそうじゃない?とオーナーさんと笑う
くるりと回ったら、ハロウィンの国さんからもらった衣装でおめかしして
とんできた衣装でポージング!
オーナーさんの姿を見て、お互いのいつもと違う装いにお祭り騒ぎ

準備は整ったね
パレードを続けよ、いつまでも!

UCを起動。
ハロウィンはおしまい?まだまだハロウィンの国は続く!
かぼちゃ色のキャンディをとばして
ついでに自分も軽く食べて、オーナーさんにもひょいっと投げて
楽しんでいない対象の動きを遅くする
そちらのお菓子と、こちらのお菓子
意図せずハロウィンの演出が続いちゃうね?

上述の動きを繰り返して、すずはサポート役だね。
合間に、全力魔法を込めたドラゴンランスで攻撃するよ。


小宮・あき
すずちゃん(f02317)と。

衣装は「MSに丸投げ」。NGは魔女(聖者なので)。
同行者と同系統or色違いだと嬉しいです。

迎撃場所を確認し、すずちゃんと共闘の相談。
すずちゃんのお茶会を楽しみながら、ですね。
そうだわ、衣装だけど、ハロウィンの国に任せてみない?

衣装を着てポージングを取るすずちゃんを見て、おお、と拍手。
私もやってみよう、と真似て。後で一緒に、写真とろっか。
まずは敵を倒してから。

すずちゃんのお茶会に招待をされて。
キャンディ1つくださいな。
ハロウィンらしく南瓜の色したオレンジキャンディを。
まあ、執事さんもお茶会にご招待くださるの?
すずちゃんと執事さん、ダブルお茶会ですね!
眠くなっちゃう紅茶やクッキー、どういう成分なのか、考えるの「楽しい」ね。

執事さんから紅茶を受け取り、ありがとう、と微笑んで。
口にする一瞬前。空に真っ黒な影を。
上空を埋め尽くす112本のマスケット銃。
気付いた時にはもう遅い。
クイックドロウ、スナイパー、範囲攻撃、乱れ撃ち。
自慢の念動力で、余すことなく敵を射抜きます。




 不思議なハロウィンの国にたくさんのオウガ達。
 状況だけ見れば危険だけれど――迫る敵達はきらきらもふもふの獏執事で。
 繰り広げられるメルヘンチックな光景に、コイスル・スズリズムの瞳も思わずきらきらと輝いていた。
「獏執事さん、いってることはともかくハロウィンちっくな見た目だね!?」
「そうですね、あれで悪いオウガじゃなければよかったんですが……」
 隣に立つ小宮・あきもクスリと笑みを零して頷く。
 さてさて、どうやってオウガ達をやっつけようか。
「作戦はすずちゃんのお茶会を楽しみながら、ですね。それと衣装だけれど……そうだわ、衣装だけど、ハロウィンの国に任せてみない?」
「賛成! せっかくだから可愛い衣装が着たいよね!」
 それじゃあ二人で、ハロウィンの国さん! 衣装お願いします!
 猟兵達が不思議の国へと声をかければ、返事の代わりに投げ込まれたのは二着のワンピースだ。
「こんなの古い絵本のシーンにありそうじゃない?」
「そうですね。こういうお話も読んだことがあるかもしれません」
 二人で笑顔を向けてくるりと回れば、衣装もふわりと身体にフィットする。
 飛んできた衣装はシンデレラがモチーフのようだ。適度な丈のスカートが足の動きを阻害せず、それでいて可愛らしく猟兵達を彩っている。
 ガラスの靴もすっぽりと足元に収まって、履き慣れた靴のように身体を支えてくれていた。
 コイスルの方はカボチャ色、あきの方は薄紫。色合いもハロウィンカラーで、着ているだけでテンションが上がりそうだ。
「オーナーさん見て見て! おそろいだよ!」
 スカートを上品に持ち上げ、思わずカーテシーするコイスル。
 あきもぱちぱちと拍手を送り、嬉しそうに微笑んでいた。そのまま一緒にカーテシーすれば、二人のシンデレラの誕生だ。
「いいですね、こういうの。後で一緒に、写真とろっか」
「うん! 撮ろう撮ろう!」
 戦いが終わってからの楽しみも忘れず約束すれば、気合もより入るもの。
 これにて準備は完了。あとは悪い鬼達を迎え撃つだけだ!

 オウガ達は愛らしい見た目の割に、意外と動きは素早そう。彼らは元気いっぱい道を駆けて、市場を目指している様子。
 ならばここで足止めしなければ。一歩前に出たのはコイスルだ。
「準備は整ったね。パレードを続けよ、いつまでも!」
 ハロウィンはおしまい? まだまだハロウィンの国は続く!
 コイスルが両手を振れば、それに合わせてドレスの袖からかぼちゃ色のキャンディが降り注ぐ。
 自分で振らせた分もキャッチして口に含めば、優しい甘さが口の中に広がった。
「素敵なお茶会ね。すずちゃん、キャンディ1つくださいな」
「もちろん! はい、オーナーさん」
 コイスルが軽快にキャンディを投げれば、阿吽の呼吸であきがキャッチ。
 二人で甘さを堪能しつつ、見つめるのはオウガの方だ。
「おや、お菓子を出すのは良いセンスだと思いますが……むむむ?」
 獏執事達も思わず感心していたが、すぐに自分達の異変に気付いたらしい。見れば自分達の足取りが――緩やかになっているではないか。
 コイスルが作り出した甘い飴が振る空間は、それを楽しむ者以外の動きを遅くする力を持っている。
 けれど相手も似たような備えをしていたようだ。獏執事はどうにか猟兵達の元へと駆け寄って、美味しそうな紅茶やクッキーを差し出してきたのだ。

「可愛らしいお嬢さん方。よければこちらをどうぞ」
「まあ、執事さんもお茶会にご招待くださるの? すずちゃんと執事さん、ダブルお茶会ですね!」
「意図せずハロウィンの演出が続いちゃうね? ありがとう、いただいちゃうよ」
 オウガが差し出す食べ物なんて、危険なのは百も承知だ。
 けれど二人は紅茶やクッキーを受け取って、にっこり笑顔を浮かべている。
 香りだけならどちらもとても美味しそうで――でも、これは甘いだけのお菓子じゃない。
 オウガ達は猟兵の反応に安心したのか、ゆっくりした動きのまま次のお菓子を用意しているようだ。
 その隙を見計らって、二人はこっそりと内緒話を繰り広げていた。
「これ、食べると眠くなっちゃうんだよね」
「どういう成分が入ってるんでしょう? 考えるの『楽しい』ね」
 美味しいものは食べるだけが楽しみではない。
 コイスルが出したキャンディなら色合いだって楽しめるし、オウガの不思議なお菓子を話題にするのだって楽しみの一つ。
 その弾む想いは二人を護る盾になって、動きを制限させずにしてくれていた。
 けれどそろそろ口にしないと怪しまれてしまうだろう。
「そろそろいただきますね、執事さん」
 あきがそう言葉を紡ぎ、オウガがそちらを見た瞬間――ふいに、黒い影が周囲を覆い出した。
 オウガ達が慌てて空を見れば、そこにあったのは無数のマスケット銃だ。
 彼らは危険を察知し逃げ出そうとするけれど、ドラゴンランスを構えたコイスルがその道行きをしっかり阻む。
「獏執事さん達のパレードはこれでおしまいだよ!」
「私、愛されていますから。すずちゃんは飴の雨を降らせたけれど、これが私の『愛雨霰』です」
 次の瞬間、ハロウィンの国に光と弾丸の雨が降る。
 先程まで降っていたかぼちゃキャンディに、コイスルが放つランスの魔法、そしてあきのマスケットから放たれる無数の銃弾。
 それら全てが的確にオウガの動きを阻み、そしてふわもふの身体を撃ち抜いていく!

 どんどん骸の海へと還っていくオウガを見遣り、シンデレラ達もほっと安堵の息を吐いていた。
「獏執事さん、次は一緒にお茶会を楽しめるといいね」
「ハロウィンも、ですね。その時が来たら是非ご一緒しましょうか」
 次はきちんと美味しい紅茶やクッキーと、可愛いキャンディを交換しよう。
 そのためにも、これからもずっとハロウィンを続けて――今日のことも忘れずにいよう。
 そんな想いを抱きつつ、猟兵達は広がる光景を見つめていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
※衣装内容とリアクションお任せ
NG:高露出なもの

わぁ、紅茶のいい香りがする
オウガ執事の給仕してくれる紅茶やお菓子に興味津々
え、これ食べてもいいの?やったぁ、いただきます
ほらほら、梓も楽しまなきゃ損だよ

おかわりの紅茶はこれに入れてくれると嬉しいな
さっきマーケットで手に入れたアリスマグカップ
梓も俺があげたブレーメンの音楽隊マグを使ってくれている
紅茶もお菓子も何だかより一層美味しく感じられる

こらこら梓、寝るにはまだ早いよー
愛用の激辛ソース(アイテム)を取り出し梓のマグにこっそり注入
寝落ち対策の秘密兵器さ

満足したらUC発動
お茶会を楽しませてもらったから
優しく眠るように逝かせてあげる


乱獅子・梓
【不死蝶】
※衣装内容とリアクションお任せ
NG:高露出なもの

あれがオウガの集団か
よーし綾、油断せず行くぞ!…って、あれ?
何故オウガから紅茶やお菓子を振る舞われているのか
何故綾はそれを普通に受け取っているのか
ツッコミ入れる前にあれよあれよとお茶会モードに

まぁここは素直に楽しんでおくのがいいのか…?
それならばと、せっかくだから自身のクッキーと
さっき手に入れたマフィンも並べる
紅茶は綾から貰ったマグカップに注いでもらう
うむ、菓子も紅茶も美味いじゃないか
美味いもの食ったら眠くなってきたな…

ぶふぉっ!?(激辛紅茶を飲んで一気に覚醒
別の意味で殺す気かお前!
目が覚めたところでUC発動
逆にオウガたちに眠ってもらう




 ハロウィンの国から貸し与えられた衣装を着込み、乱獅子・梓と灰神楽・綾はオウガ迎撃の準備を整える。
 二人に与えられたのは綺羅びやかな装飾とふかふかの着心地が楽しい魔法使いのローブだった。
 大まかなデザインはお揃いだけれど、色合いや刻まれた模様のデザインが違うようだ。
 梓は白を基調に竜が描かれ、綾の黒いローブには蝶の模様が。自分達のモチーフが刻まれているようで、なんだか嬉しい。
「俺も梓も魔法使いかぁ。ふわふわなのは良いね」
「こういうのあんまり着ないから新鮮だよな。それでオウガは……あれか。よーし綾、油断せず行くぞ!」
 梓の視線の先では獏執事達がトコトコと走っている。武装などはしていないようだが、何故かティーポットやお菓子を完備している様子。
 綾もオウガの存在に、というより彼らから漂う良い香りに気付いたようだ。
「わぁ、紅茶のいい香りがする。何をするつもりなんだろう?」
 二人が疑問を抱いている間にもオウガは接近を続け、そしていよいよ交戦――となるはずが。
「魔法使いのお兄様方、よければお茶会はいかがですか?」
「……って、あれ?」
 何故かオウガ達はさささっと簡単なテーブルを広げ、テキパキとお茶会の準備を進めている。
 綾もしれっと用意された椅子に腰掛けて、用意される紅茶やお菓子にニコニコしていた。
「え、これ食べてもいいの? やったぁ、いただきます」
「ちょ、ちょっと綾……」
「梓もほら、早く早く。楽しまなきゃ損だよ」
 ツッコミを入れるより早く相方に手を引かれ、梓も椅子に腰掛けてしまう。
 ここから始まるのは苛烈な戦いではなく――奇妙なお茶会だ。

「まぁここは素直に楽しんでおくのがいいのか……?」
 最初は焦っていた梓も、すぐにお茶会には順応したようだ。
 オウガの並べるお菓子に合わせ、自作の桜クッキーを並べればなんだか楽しい。
 更には先程買ったマフィンも並べれば、あっという間にお茶会はハロウィンの続きに変身した。
 その隣では綾がオウガと朗らかに談笑しているようだ。
「おかわりの紅茶はこれに入れてくれると嬉しいな」
「おお、可愛らしいですね」
 綾が差し出したのは、これまた先程購入したアリスのマグカップだ。
 その様子にピンときたのか、梓もまた音楽隊のカップを差し出す。
「俺もおかわりはこれに。せっかくだから、な」
(あ、梓も使ってくれてる。嬉しいなぁ)
 声には出さず、こっそり喜びを噛み締めて。二人で一緒に紅茶を飲めば、何だかより一層美味しく感じられるものだ。

 お茶会の時間はゆるやかに過ぎていき、思わずここが戦場だということを忘れてしまいそうで。
「うむ、菓子も紅茶も美味いじゃないか……美味いもの食ったら眠くなってきたな……」
 予想外に満足出来る状況に、梓の頭がこくりと揺れる。
 ふわふわの衣装も相まって何だかポカポカしてきて――けれど綾が梓の肩を叩き、意識を現実へと引き戻すr。
「こらこら梓、寝るにはまだ早いよー。ほら、紅茶を飲めば目が覚めるかも」
「そうだな……それじゃあ……ん!? ぶふぉっ!? なんだコレ!!」
 促されるまま紅茶を口に含んだ瞬間、梓は大きく咳き込み立ち上がる。
 紅茶が何だか辛くて、いや辛いを通り越して痛い!
 その様子にオウガも慌てているから犯人は彼らじゃない。ならば犯人は――。
「あ、よかった。寝落ち対策の秘密兵器さ、効いたよね?」
 犯人は綾しかありえない。見れば彼の手元には髑髏が描かれた瓶が握られ、赤い液体が揺らめいている。
 彼は梓がウトウトしている間に、紅茶にその液体――激辛ソースを仕込んでいたのだ。

「別の意味で殺す気かお前!」
「オウガの前で眠っちゃうよりマシじゃない? さーて、俺はそろそろ満足したし……終わらせようか」
 涙目の梓の怒号をさらりと流し、綾はぱちんと指を鳴らす。
 それに応じて姿を現すのは、鮮やかな紅い蝶の群れだ。
「……そうだな、お茶会は終わりだ。誰かを眠らせるのは執事じゃなくて魔法使いの役目だもんな」
 梓も氷竜の零を側まで呼び出し、埒外の力を発揮していく。
 オウガ達も悪意で動いている訳ではないし、お茶会だって楽しませてくれた。だからお別れは出来る限り、優しく。
「紅く彩られながら、おやすみ」
「歌え、氷晶の歌姫よ」
 二人で息を合わせ、一緒にユーベルコードを発動すれば――紅い蝶と零の清らかな咆哮が周囲を覆っていく。
 それらに誘われたオウガは眠るように倒れ伏し、そのまま骸の海へと還っていくだろう。
「お茶会、楽しかったよ」
「次は普通の楽しい会にしよう。それじゃあな」
 二人の優しい魔法使いの魔術は、静かにお茶会を終わらせて――そしてハロウィンの国を救うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シウム・ジョイグルミット
楽しいハロウィンは終わらないよ
こんなに温かくて素敵な国を奪おうなんて、時計ウサギがゆるさないっ!

どんな衣装を着るかは、国の意志に任せちゃおうかな
可愛いのを着せてくれるか、それともカッコイイのか、楽しみだねー
着替えたら『Pleasant Revolution』発動!
大事な国を横取りしようとする悪いヤツラを一緒に追い払おう、仲間たち!
心配しなくても、皆の気持ちが力になるから、あんなヤツラに負けないよ
大きなフォークやナイフで思いっきりツンツン突っついちゃえ
危なくなったらボクが銀食器で守ってあげるから大丈夫だよ

仲間たちも衣装を着たら、パワーアップするのかな?
なら皆で仮装して、賑やかな力を見せちゃおう♪




 猟兵達の活躍によりオウガの数は減っているけれど、国を護る戦いはまだまだ続く。
 ドドド、と群れで迫る獏執事がまたやってくれば、その道行きにシウム・ジョイグルミットが立ち塞がった。
「楽しいハロウィンは終わらないよ。こんなに温かくて素敵な国を奪おうなんて、時計ウサギがゆるさないっ!」
 愉快な仲間としてオウガの蛮行は見過ごせない。
 そんな彼女の決意に応え、ハロウィンの国が授けたのは――いつもと違う王子様の衣装だ。
 袖を通して着心地を確かめれば、どんどん力も湧いてくる。
「わ、カッコイイ。衣装も貰ったし頑張っちゃおう! 皆の力で、笑顔溢れる楽しい国を取り戻すぞーっ!」
 えいえいおーっとシウムが腕を掲げたら、それは集合の合図に変わる。
 先程まで市場を楽しんでいた愉快な仲間たちが、共に戦う者として彼女の元へと集まってきたのだ。
 同時に現れた無数の銀食器が武器
 更には皆の元に可愛い衣装が振ってきて、鎧の役割も果たしてくれている。
 これで装備は万全だろう。けれど仲間たちは戦いには不慣れなようで、表情もどこか不安げだ。
 そんな彼らを励ますべくシウムは明るく声を発した。
「大事な国を横取りしようとする悪いヤツラを一緒に追い払おう、仲間たち! 心配しなくても、皆の気持ちが力になるから、あんなヤツラに負けないよ」
『ウサギさんありがとう! がんばるよ!』
 ワイワイ賑やかにしつつも、皆気合は十分だ。
 そんな不思議の国パワーに押されたのか、オウガも慌てて仲間を呼び寄せている様子。
「邪魔が入るようですね。番兵さん、出番です」
 わっと並ぶのは無数の番兵羊達。どうやら相手も物量で来るようだ。
 ならばここは全力のぶつかり合いで――メルヘンだけど本気の大戦争が始まった!

 戦いへの練度と統率力という面で、分が在るのは間違いなくオウガの方だ。
 けれどそれより強い想いが愉快な仲間たちを支え、その中央に立つシウムが彼らを導く限り――この戦いは負けたりしない。
「皆で纏まってー! フォークやナイフで思いっきりツンツン突っついちゃえ!」
 忙しなく戦場を駆け回りつつ、シウムは仲間へ次々と声をかける。
「大丈夫、危なくなったらボクが守るよ!」
 危ない子が居れば身を呈して助けるし、自分だって積極的に切り込んで。
 そんな風に戦いを運んでいけばどんどんオウガの数は減り、仲間たちの勢いは増していく。
 仮装の鎧に綺麗な武器。それらを携えた皆は、真剣に戦いつつハロウィンを楽しんでいるようだ。
 その様子を見遣り、シウムはニッコリと笑みを浮かべる。
「いい調子だね。どんどん賑やかな力を見せちゃおう♪」
 彼女の言葉通り、ハロウィンの楽しさは――見事にこの国を守る力に変わったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラフィ・シザー
【童話家族】
コスプレ:王子様

ハロウィンを台無しにしようなんて…
まったく無粋なオウガだな。
疲れたなら癒してあげればいいけれど。
ハロウィンって言う楽しみを奪うのはきっとアリスだって悲しむぜ?

さぁ、お姫様は下がっていて。
今の俺は王子様。それらしくみんなを守ってみせるよ。
今日はファンも一緒だから怖いものなしだ♪

お色直し?こう言うのはお姫様の方が似合う気がするけど。それじゃあ、俺もお色直ししてっと(衣装お任せ)

お姫様達を【かばい】ながら【ダンス】をするようにSingle wingで攻撃
最後に王子様らしく【決闘】を申し込み
innocence でUC【cutting murder】


アリア・モーント
【童話家族】
楽しいハロウィンを終わらせるなんてひどいのよ?
ひどいのだわ!

ママがお色直しするなら、わたしもお着換えしちゃおうかしら?
プリンセスはプリンセスでも…不思議なお花のドレスの親指姫になるのだわ!

もう…ファンお兄様ったら
ママもラフィお兄様もわたしもお着替えするのに
そのままなんてダメなのよ?

お兄様たちががんばってくださるならわたしも応援するわ
UCに【歌唱】と【ダンス】でお兄様たちを【鼓舞】するのよ

せっかくだからお兄様たちともダンスを踊って
わざと【おびき寄せ】るのも楽しいかもしれないのだわ?
楽しいかもしれないの!

お兄様たち、本物の王子様みたいなのよ?
いいえ…本物の王子様よりきっと素敵なのだわ!


ファン・ダッシュウッド
【童話家族】
コスプレ:王子様

どうやら……
僕達の言葉は聞く耳を持たない様ですね
それなら、僕達が貴方達の話を聞かないのもありでしょう
家族が望むのなら、僕もハロウィンの国を守ります

愛用の『クロ』を槍形態に
番兵羊が群れを成すと言うならば
その中央に向けて、UCを叩き付けましょうか
【範囲攻撃、槍投げ、串刺し】

死角からの攻撃は家族に任せて
敵の数を減らすべく、行動を……え、お色、直し……?
皆さん、その、着替えるのでしょうか
僕はまだ、今の衣装にさえ慣れていな――
は、はい……着替えますね
(家族の視線に負けて、お色直し。衣装はお任せ)

似合っているか不安になっている内
アリアの手が僕にも……!?【ダンス】


鳳城・那由多
【童話家族】
あらまぁ、ハロウィンを終わらせてしまうの?
せっかく子どもたちが楽しんでいるのだから困るわね
ふふふ、癒やすのはたくさん遊び終わった後でもいいと思うの
だから今は邪魔したらダメよ?

衛兵さんのご厚意はありがたく受け取りましょう
お色直しも一興ですわね
(雪の女王風の白いドレス)
やっぱり白いドレスが一番しっくり来ますわね

あら、王子様たちが守ってくださるなら
お任せしましょうかしら
UCを使用して王子様たちに力を貸しますわ

その後は【歌唱】で獏執事様に
【誘惑】と【呪詛】の【精神攻撃】をして援護しますわね
うふふ、王子様たちの勇姿かっこいいですわね♪




 オウガ達は最後の力を振り絞り、大群で押し寄せようとしているようだ。
 それは楽しいハロウィンを終わらせて、この国を眠りで満たすため。
 彼らの身勝手な主張に対し、アリア・モーントは頬を膨らませていた。
「楽しいハロウィンを終わらせるなんてひどいのよ? ひどいのだわ!」
「あらまぁ、オウガ達はハロウィンを終わらせてしまうの? せっかく子どもたちが楽しんでいるのだから困るわね」
 よしよし、とアリアを宥めつつ鳳城・那由多も苦笑いを小さく浮かべる。
 その所作は優雅だけれど、気持ちはきっとアリアと同じだ。
 その隣ではラフィ・シザーもこくこく頷き、オウガへ向けてため息を吐いていた。
「ハロウィンを台無しにしようなんて……まったく無粋なオウガだな。疲れたなら癒してあげればいいけれど。ハロウィンって言う楽しみを奪うのはきっとアリスだって悲しむぜ?」
「ふふ、そうですね。癒やすのはたくさん遊び終わった後でもいいと思うの。だから今は邪魔したらダメよ?」
 那由多が更に宥めるような言葉を発しても、オウガ達は止まらない。
 彼らの凝り固まった頭は、きっと解すことなど出来ないだろう。
 ならばやるべきことはたった一つ。ファン・ダッシュウッドは家族を守るように一歩前へ踏み出して、漆黒の子竜『クロ』と共に敵を見据える。
「どうやら……僕達の言葉は聞く耳を持たない様ですね。それなら、僕達が貴方達の話を聞かないのもありでしょう」
 家族四人の心は同じ。オウガが止まらないというのなら――ハロウィンの国を護るべく全力で戦おう!
 猟兵達はそれぞれの力を発揮して、オウガ迎撃の姿勢を取った。
 それと同時にハロウィンの国が微かに揺らめき、猟兵達を助けるべく衣装を投げ渡してきたようだ。

 ふわりと舞い降りた衣装を真っ先に受け取ったのは那由多だった。
 ほっそりとした指が衣装に触れれば――彼女の纏うドレスは雪の装飾が施された純白のものへと変わる。
「あら、お色直しも一興ですわ。やっぱり白いドレスが一番しっくり来ますわね」
「ママがお色直しするなら、わたしもお着換えしちゃおうかしら?」
 アリアも衣装に手を伸ばし、魔法の力で早着替え。
 彼女が纏うのはチューリップの花弁を意識した親指姫のドレスだ。
「あら、可愛いドレスもよく似合っていますよ」
「ママもとーっても素敵なのだわ! それじゃあ……」
 二人でくすくす笑い合って、視線を向けるのは二人の王子様。
 ラフィの方はちょっと困惑はしているものの、着替え自体には乗り気の様子。
「こう言うのはお姫様の方が似合う気がするけど。それじゃあ、俺もお色直ししてっと」
 ぱっと着替えたのは先程までとは違う、金と宝石で彩られた衣装。幸福な王子がモチーフのようだ。
 着替え終わった三人はファンをじーっと見つめるが、彼の方こそ思い切り困惑しているようで。
「……え、お色、直し……? 僕はまだ、今の衣装にさえ慣れていな――」
「もう……ファンお兄様ったら。ママもラフィお兄様もわたしもお着替えしたのに、そのままなんてダメなのよ?」
「そうだぜ、ファンも着替えようぜ!」
 ずずい、と近寄るアリアとラフィの圧に押され、ファンは一歩大きく下がる。
 そのまま更に後退しようとして――目が合ったのは、こども達から少し離れて微笑む那由多だ。
 けれど何故だろう。彼女の無言の微笑みが、一番圧を感じる。
「……は、はい……着替えますね」
 観念したのかファンも衣装へ手を伸ばし、魔法の力で早着替え。
 白を基調にして羽の衣装を散りばめた衣装は、白鳥の王子だろうか。
 またしても着慣れない衣装だけれど、不思議と身体はしっかりと動く。ファンはクロをランスへと転じさせ、しっかりと握りしめた。
「……戦いはいつも通りしっかりと、ですね」
「そうだな、ファンも一緒だから怖いものなしだ♪ さぁ、お姫様は下がっていて。今の俺は王子様。それらしくみんなを守ってみせるよ」
 ラフィも片刃の鋏を構えてぱちんとウィンク。
 二人の王子の後ろでは、二人の姫もニコニコ楽しそうにはしゃいでいた。
「あら、王子様たちが守ってくださるならお任せしましょうかしら。素敵な王子様たち、どうぞ私の愛を受け取ってください」
「お兄様たちががんばってくださるならわたしも応援するわ。わたしのお歌、聞いてくださるでしょう?」
 那由多がふわりと腕を翳せば、そこに灯るのは暖かな狐火だ。
 その揺らめきとぬくもりが猟兵達を包み込むと、どんどん力が漲るようで。
 そしてそれに合わせるよう、アリアが紡ぐのは素敵な恋の歌。
 弾むメロディは身体を軽くし、そして何よりも勇気を与えてくれる。
「お姫様達ありがとう! それじゃあ行ってくるぜ!」
「敵の数も多いですし、どんどん減らしていきましょう」
 ぬくもりと歌声に支えられつつ、二人の王子は敵の元へと駆けていく。
 ――大切なものを護るために!

 オウガ達は愛らしい見た目に反し、意外としっかりと統率を取っている様子。
 群れで来られるというのは脅威だけれど、ファンにとってはむしろそれが好都合だった。
 ランスを構えたまま勢いよく地を蹴って、羽飾りを翻しつつ飛び上がり――見下ろすのはたくさんの執事達。
「オウガの皆さんはさようなら、跡形もなく消えて下さい」
 落下の勢いでランスを地上に突き立てれば、その衝撃は一気にオウガを吹き飛ばす!
 先陣としては最善の動きだ。大きくインパクトのある攻撃は、敵の動きを乱すのに適していた。
 その混乱に乗じるように、ラフィが一気に敵陣へと突っ込んでいく。
「こういうの、ダンスみたいで楽しいよな!」
 踊るような足取りで駆け回り鋏を振れば、オウガの身体はサクサク切り刻まれていく。
 広範囲の攻撃に特化したファンと、素早い動きで敵を翻弄するラフィ。
 二人のコンビネーションは抜群だけれど――敵の数はまだまだ多い。
「このままではいけません、今すぐ番兵さんを……」
 生き残ったオウガ達は仲間を呼んで邪魔しようとしているようだ。
 そこにすかさず割り込むのはアリアと――そして那由多の歌声。
 アリアの愛らしい歌声は仲間を支え、那由多の美しくも妖しい歌声は敵を惑わす。
 その音色に聞き惚れたオウガはその場に釘付けになってしまい、その隙にランスの一撃と鋏の斬撃に倒れ伏すこととなる。

 戦いは猟兵達の優勢だ。
 彼らの戦いは苛烈だけれど、同時に何処か優雅でもあった。
 綺羅びやかな衣装、楽しげな足取り、それを彩る歌と灯火。そのすべてが絶妙に混ざり合い、素敵な光景を作り上げているのだ。
 後衛としてその様子を見守る姫達には、それがよく見えている。彼女達は手を取り合って笑い合って、頑張る王子達を応援していた。
「うふふ、王子様たちの勇姿かっこいいですわね♪」
「お兄様たち、本物の王子様みたいなのよ? いいえ……本物の王子様よりきっと素敵なのだわ!」
 弾む声にラフィがくるりと向き直り、元気いっぱい手を振るう。
 きらきらの衣装のおかげでテンションだって最高潮だ。
「皆のお陰だぜ! ファンもどうだ、楽しんでるか?」
「そうですね、調子は良いですが……衣装はまだまだ慣れませんね」
 順調にランスを振るうファンだけれど、彼の方はまだまだ緊張している様子。
 普段と違う真っ白の衣装というだけで恐れ多いし、それ以上にやはり『王子』というのは自分に似合うか分からない。
 そんなファンの不安を感じ取ってか、アリアがトコトコと彼の方へと駆け寄ってきた。
「お兄様、せっかくだからダンスを踊りましょう? きっと敵もおびき寄せられるのだわ、楽しいかもしれないの!」
「え、アリア……!?」
 勢いのまま二人は手を取り、敵陣の中へと突っ込んでいく。
 アリアが奏でる歌声に合わせファンは無意識にステップを踏んで、更にランスも振るっていけば――クロも嬉しいのだろうか。どんどん敵を薙ぎ払ってくれている。
「那由多、俺達も踊ろうぜ!」
「ええ、ご一緒させて下さいな」
 ラフィと那由多も手を取って、歌と共に華麗なダンスを。
 くるくる回る狐火に合わせラフィが鋏を振り回し、敵をばっさりと斬り伏せて。
 ステップを踏んでターンをする度、皆の衣装がぱっと花開くのが心地よい。
 ミュージカルさながらの光景が繰り広げられる中、オウガの数も残り僅かになったようだ。
「――最後は決闘だ、行こうぜファン!」
「少々気恥ずかしいですが……そうですね、最後はしっかり決めましょう」
 王子達は姫を庇うように立ち、武器を構えてオウガを見据える。
「頑張るのだわ、王子様!」
「皆でハロウィンを守りましょうね」
 合わせるようにアリアの歌もクライマックスに差し掛かり、那由多の灯火が一層強く輝いた。
 オウガ達も番兵羊の装備を借りて決闘を受ける姿勢を見せている。
 少しだけ静寂が訪れて――そして。
「さぁ、刈り取ろうか」
「それでは改めて、さようなら」
 キラリと煌めいたのは猟兵達の武器だ。
 王子達の放った一閃は残りのオウガを見事に倒し、戦いをしっかりと終わらせる。
 その様子を確認し、姫達が笑顔を湛えて駆け寄ってきた。

「素敵でしたよ、王子様達。それじゃあ改めてゆっくりと休みましょう」
「元気になったらハロウィンの続きをするのだわ!」
「ああ、賛成だ! 動いたら甘いものが欲しくなったなぁ」
「もう一度ティータイムをするのもいいですね。きっと思い出になるはずです」
 そう、ハロウィンの国は無事に守り抜くことが出来た。
 だからこのままハロウィンを続けてもいいし、たっぷり休んでもいい。
 その資格だって、皆で守り抜いたのだから。


 こうして猟兵達はオウガを蹴散らし、ハロウィンの国を救うことが出来た。
 この国はこれからもずっと素敵なお祭りを続けるだろう。
 今日も明日も明後日も、また来年も。
 いつまでも楽しい騒ぎは続くのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月08日


挿絵イラスト