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ルチレイテッドさんは侵略がしたい!

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #ミズ・ルチレイテッド #バーチャルキャラクター #各章とも、🔵>👑到達予定日時までプレ受付中 #参考:現在のるちるの能力→1日に執筆できる人数:2人くらい #オーバーロードについてはマスターページ参照ください #ちょっとだけ戦闘寄りなリプレイになります

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#各章とも、🔵>👑到達予定日時までプレ受付中
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●宇宙船団ルチレイテッド、またまた参上!
 今日も今日とてキマイラフューチャーはキマフュームーブに溢れている。具体的に言うと、面白おかしく、そして楽しく過ごしている。
 そんな一角、バーチャルキャラクターたちのコンサート会場は本日も大盛況。ライブも絶好調で、生配信のバズり具合は最初から最高潮さ!
 だが、光あるところにまた影あり。
「アハハハ……アハハハハ!!」
 突如として会場に響き渡る高笑い! それは悪の高笑い!
 空からしゅたっとステージに着地した女は告げる。
「すばらしい! お前たちこそ、わが『宇宙船団ルチレイテッド」』に相応しき逸材!」
 『ミズ・ルチレイテッド』は告げる。『お前たちが欲しい』と。
 よくいる変態っぽい言い方だが、実は求人広告である。いや、宇宙パワーで改造されちゃうけども求人広告である。
「カモン! スペースロコモーティブ怪人!」
 ルチレイテッドが恰好をつけながら、パチンと指を鳴らせばさらに空から降ってくる1体の怪人。それは宇宙怪人化した『機関車怪人』であった!
「ゆけ! 彼女たちを捕まえるのだ!」
 ばっ、とステージの上のバーチャルキャラクター&アイドルたちを指し示すミズ・ルチレイテッドに合わせてスペロコモ怪人が発進する……!
「こらーーっ!! そっちじゃなーいっ!!」
 ミズ・ルチレイテッドの声を置き去りに会場から走り去るスペロコモ怪人。
 なんかこう、あれだね。溢れる宇宙パワーの迸りに酔ってしまったのだね。その迸りのままに走っていってしまったのだね。
 あ、戻ってきた。
「……フッ。危うく会場ごと吹っ飛ばしてやる的な気分になったが、戻ってきたなら……ってアイドルに突っ込むなーーーっ!? 捕まえてって言ってるでしょう?!」
 もはや暴走機関車と化した怪人にツッコミしかできないミズ・ルチレイテッド。ちょっと素が出ているのは秘密だ。
「こほん。とにかく、アイドルたちを連れて来い! いいな!」
 そう言い残して自身は漆黒の漿船(クリスタルシップ)に戻っていく。
「……はぁ、なんかこのキャラも疲れてきましたねー」
 自船の艦長席で、ぽそっと本音と素が漏れるミズ・ルチレイテッドさんでした。

●グリモア猟兵、ため息をつく
「なんでこんな苦労してるんだろうな、この幹部」
 自分のグリモアが見せた予知を集まってくれた猟兵たちに見せながら、椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)は思わずため息とともにそう告げる。まぁ司としても何か思うところはあるものの、グリモアの予知が告げた未来への干渉は、基本的にグリモア猟兵では出来ない。
「申し訳ないんだが、こんなでも一応、悪影響が出そうなんでね」
 ミズ・ルチレイテッドとその配下の宇宙怪人の計略を見事砕いてきて欲しい、というのが司からの依頼である。

「今回、奴さんはライブをやっているコンサート会場を襲撃する」
 ステージ上にいるのはバーチャルキャラクターのアイドルグループ『ミュゼ』のメンバーたち。小学生から大学生までの女の子で構成されている正統派アイドルグループだ。
 今日のミュゼのライブは無観客&生配信。そのため、巻き込まれる一般人もミュゼのメンバーたちだけなので守るには容易いが、猟兵たちが戦っている間、応援してくれるのも彼女らだけである。
「戦闘力はゼロなんだが、彼女らの応援には不思議と元気が出るようだよ」
 シンプルに『彼女たちを守る』ことで応援してくれるっぽい。芸とかなくても大丈夫だけど、親密になるには一芸があってもいい。
「ま、何はともあれ、まずは宇宙怪人化した『機関車怪人』から彼女たちを守っておくれ」
 機関車怪人は見た目通りシンプルに猪突猛進、思い込んだら一直線な性格をしている。攻撃方法もそういった性格が十分に現れている。宇宙怪人化していることでパワーが上がっているが、基本的な性質は変わっていない。
「思い込みが激しく頑固で人の話を聞かない怪人、ってことらしい。会話は不可能だなコレ」
 そう言いながら頭をぽりぽりと掻く司。
「ま、倒しゃ特に問題ない。死んだら爆発とかもないから普通に力押しで倒せるよ」
 そして宇宙機関車怪人を倒したら次は幹部ミズ・ルチレイテッドとの戦い。
「まず、漿船からスーパービームを照射して、コンサート会場を謎の異空間に変えてくる」
 巻き込まれるのは会場にいる猟兵たちとミュゼのメンバーたち。
 そして謎の異空間はミズ・ルチレイテッドのテリトリーだ。何が起こるかわからない。油断なく対応してほしい。また、この異空間は外からは一切干渉できず、中から破壊して脱出するしかない。
「ま、ミズ・ルチレイテッドを倒すしかないってことさね」
 それも猟兵の皆なら問題ないだろう、たぶんきっとめいびー。
「てなわけでよろしく頼むよ。気の抜ける相手だが、油断しないでおくれよ?」
 そう言って司はグリモアを掲げ。
 猟兵たちをキマイラフューチャーへと送るのであった。

●針入り水晶は切なる吐息をこぼす
「あ……また猟兵ですか……」
 モニターの中で自分が改造したスペースロコモーティブ怪人と相対する影を見て、ミズ・ルチレイテッドは再びため息をつく。最近妨害多いなーとか思ってしまうところが切ない。
 じーっとモニターを見ながら、ふと。ミズ・ルチレイテッドの脳裏に閃く何か。
「そう……ですね。たまには演技(ロールプレイ)から外れてみましょうか」
 そう言うと、艦長席から立ち上がり。
 自身もまた猟兵たちとの戦いのために準備を整えるのであった。


るちる
 まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
 三度、ミズ・ルチレイテッドさんの侵略です。少しいつもと様子が違うようですが……? まぁ幾度と復活する中では少々の『バグ』もあるでしょう、ということで。
 おそらく『ラストバトル』です。

●全体
 2章構成の幹部猟書家戦です。
 全体的にコミカル風味が抜けないと思いますが、内容は純戦寄り。特に2章はその傾向が強くなります。なお、普段のキャラ性を押し殺してシリアスしてね、という話ではなく、皆さんらしさは捨てる必要ないですからね。戦闘はしっかりお願いします。
 簡単に言うと、コミカル(会話とかやり取りとか)とシリアス(戦闘描写)の両立を目指します!

 プレイングボーナス(全章共通)……バーチャルキャラクターに応援される(ちなみに戦力はゼロです)。
 対象は『ミュゼ』のメンバーになります。

●1章
 ボス戦『機関車怪人』との戦い。
 宇宙怪人化したスペースロコモーティブ怪人と戦います。どこら辺が宇宙かというと、線路が空中を走るのでちょっとだけ空中戦ができます。戦闘力? ちゃんと強化されてるよ。暴走機関車よろしく、皆さんごとミュゼのメンバーをひき殺そうとしてきます。

●2章
 ボス戦『ミズ・ルチレイテッド』との戦い。
 コンサート会場が謎の異空間化します。
 ちょっと普段と違う様子のルチレイテッドさん、いつも以上に『得意分野』で戦闘を仕掛けてきます。そのため若干普段より真面目かも?
 具体的には戦闘判定をちょっとシビアにしようと思っています。それでもコミカル風味は抜けないでしょう。ネタ振りも乗ってくるかもしれません?

●ミュゼ
 小学生から大学生までの女の子が所属しています。10人。小学生から大学生まで背の順で並べると年齢順になるという不思議なグループ。歌とダンスという正統派アイドル。好きな(応援したい)人のタイプはメンバーによって違います。強い、優しい、面白いなど十人十色を地で行く感じ。


 オープニング公開後に、1章の状況説明を追加します。その後、プレ受付開始です。
 2章も同様に状況説明を追加してからプレ受付開始にしたいと思っています。
 採用人数は決めていないのですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも? なので出来る限り日をずらすことをお勧めします。プレの受付締切などはタグでご案内します。
 それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす。
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第1章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 コフュー、コフュー。

 息遣いなんだか蒸気音なんだかよくわからない音がコンサート会場のステージの上に響いている。それは宇宙怪人化した『機関車怪人』ことスペースロコモーティブ怪人から発せられている音だ。よくわからない、よくわからないが、わかっていることがある。
『%$#@!!!』
 ステージ上にいるミュゼのメンバーを誘拐しようとしているということだ。そのために力を溜めているということだ。

 だが、そんなことはお天道様が許さない!

 空から舞い降りてくるのは救世主、英雄、あるいはヒーロー。キマイラフューチャーにおいて絶大なる人気を誇る猟兵たち!
 スペロコモ怪人ですら無視できないその存在感を以て、ゆけ猟兵たち!!

※補足※
 リプレイはスペロコモ怪人と猟兵たちが相対したところから始まります。登場シーンからプレ決めてもらって大丈夫です。
 戦闘場所はステージの上が基本ですが、観客席を利用してもオーケー。
 位置関係は『(舞台の端)怪人-猟兵-ミュゼ(舞台の端)』

 ミュゼのメンバーたちは皆さんの指示に従ってくれます。
 猟兵・怪人双方ともに攻撃でミュゼのメンバーを巻き込むことはありません。しかし狙った場合は別なので、怪人がメンバーを狙わないように立ちまわると、プレボつきます。
エリー・マイヤー

ルチレイテッド。噂には聞いています。
癖の強い怪人達に翻弄される、かわいそうな猟書家だと。
これは見逃…見過ごせませんね。

さて、まずはカッコイイ着地でアイドルの心を掴…!?
ちょっと待って痛い足捻りました痛い。
【念動力】で浮けば移動や回避に支障はないですけど痛い。
すみません誰か湿布とか貼って頂けないでしょうか…

あ、怪人は【念動グローブ】で線路ごと持ち上げて動きを封じときますね。
時刻表とかのグッズを取り出したら念動力で没収して遠くに投げます。
なんなら千切ります。これで狙いは私に向くはずです。
そのまま壁や地面に叩きつけて攻撃しますね。
漿船が近くにあったら、挨拶代わりにそちらに叩きつけるのもいいですね。


フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎でーす。

お姉さん、邪魔しにきましたよー。
火の鳥よ、生まれ変われ!FIRE BIRD REINCARNATION!
何か割らない程度にスピーカーの音量をアップ。空征く翼に【情熱】を乗せて、【楽器演奏、歌唱、浄化、範囲攻撃】を駆使して指定UCを発動。
浄化の光をばら撒きながらぶいぶいしてこれでもかと【存在感】を主張。
怪人の気を引きましょう。
野放しにされたら、それはそれで浄化し続けるので…

その上で会場も【誘惑、鼓舞】しながら、ミュゼと逆方向に飛びます。


会場のセット等等の配置を鑑みて【地形の利用】もしつつ立ち回り。
回避は【野生の勘】とアクロバットな【パフォーマンス】、防御は【オーラ防御】。




 グリモアベース。
 グリモア猟兵の話を聞いたエリー・マイヤー(被造物・f29376)は口元に煙草を運んで、ふぅ、と紫煙を吐き出した。
(ルチレイテッド。噂には聞いています)
 そうだ。知らない者などいないだろう。何せ彼女は猟書家だ。その被害を皆知らないわけが……。
「癖の強い怪人達に翻弄される、かわいそうな猟書家だと」
 待って?
「これは見逃……見過ごせませんね」
 待って? 今何を言いかけました?
 そんなツッコミが入る間もなく、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)がエリーに声をかける。
「それじゃあ、いきましょうかー」
 その声に反応したグリモアが二人をキマイラフューチャーの世界へ転送するのであった。


 転送された先はコンサート会場の空の上。
「お姉さん、邪魔しにきましたよー」
 キマイラフューチャーの空からさらに空の上の漿船に向けて。フローライトが元気な声でそう告げれば、なんか漿船が『ビクッ』とした気がする。

 フローライト・『ルチレイテッド』。もちろん彼はミズ・ルチレイテッドとは何の関係もない。おそらくミズ・ルチレイテッドの(風評)被害を一番受けている(当MS比)猟兵である。正直、本当に申し訳ない。
 そんな天の声はさておいて。

(さて、まずはカッコイイ着地で……!)
 くるりと空で体を入れ替えたエリーが着地点を確認! そしてそのまま視線を横に滑らせて、アイドルグループ『ミュゼ』のメンバーを見遣る。
 そう、ここで着地を決めるのだ! そして!
(アイドルの心を掴……!?)

 ぐぎっ。

 すごい音したよ今!?
「えっ」
 華麗な着地をしたフローライトがすごい勢いで振り返る。
「ちょっと待って痛い足捻りました痛い」
 うずくまるエリー。いや、念動力で浮けば移動や回避に支障はないんだけれども。
「痛い」
 いたい。よくわかる。なんか何起こったかわからない痛さなんだよねそういう時。
「すみません……湿布とか貼って頂けないでしょうか……」
「えー……」
 まさかミズ・ルチレイテッド以外にもこんな残念対応しないといけないなんて。フローライトの受難はもうしばし続く?


 気を取り直して。

「火の鳥よ、生まれ変われ! 【FIRE BIRD REINCARNATION】!」

 フローライトの声がステージに響く。その声によって呼び出されるのは、外部スピーカー付可変戦闘機型配信ステージ。空から急降下して会場のステージの前を通り過ぎれば、その瞬間にフローライトを拾い上げて、空へと上昇する。
 その様子が生配信に乗っかったぞ! ほら、コメント欄の動きがすごい!
『えっ、これって』
『マジの"K"?!』
『ン゛っっっ(萌死)』
 とかなんとか。誰かが出したホロディスプレイに流れるそんなコメントを確認して微笑み。

 相棒ともいえるダブルネックギター『蛍灯』を奏でていくフローライト。そこから流れる音色が足元のステージに吸い込まれて、外部スピーカーから会場全体に響き渡る。
(音量……オッケー)
 音が割れない程度にスピーカーの音量をアップ。
 声と音とともに、空征く翼に情熱を乗せて。
「Burn up! Fire bird fly to the sky!」
 蛍灯の音色に乗せたフローライトの歌声が空から光焔を舞い散らせる。
 ここからは『"K"』――フローライトのステージだ。

 光焔がスペロコモ怪人に触れれば、その身に宿る邪悪を浄化していく。
『$%&#P"'I#"!!』
 ダメージによくわからない奇声をあげるスペロコモ怪人。そこに降るのは光焔とフローライトの声。
「悲しみも嘆きも背負って次代へ飛べよ!」
 その存在感にスペロコモ怪人の標的が空へ向く。
『%&%’%&!!』
 フローライトを撃墜すべく、スペロコモ怪人が自身の2倍もある蒸気機関車を召喚、空への線路を引いてフローライトに突撃しようとする!
「それはさせませんってば」
 しかし、その線路はエリーの【念動グローブ】によって握り潰されるのであった。


「ふぅ……」
 そろそろ疲れてきたなーとか思いながら。
 エリーは宇宙エネルギーで強化&暴走しようとしているスペロコモ怪人を【念動グローブ】で持ち上げて動きを封じていた。
 いかに暴走しようとも所詮は機関車。車輪が線路か地面かを掴まないことには走りようがない。

 そもそも人の話を聞かないスペロコモ怪人が空気を読むなんてできるわけがない。フローライトのステージが整う前にミュゼ襲ったりするのがこの怪人の暴走加減である。
 それを抑えるべく、密かにエリーが頑張っていたのだ!

 スペロコモ怪人が取り出した時刻表とか鉄道模型とか鉄道写真とかの強化グッズもエリーがすぐさま念動力で遠くへボッシュートしていた。
「なんなら千切ります」
 言うが早いか、時刻表を紙吹雪になるまで切り刻み、鉄道模型を粉々にするエリー。
『@=”&%&#$#$#』
 すっげぇ怒ってることだけはわかる。今度はスペロコモ怪人の注意が完全にエリーに向いた。その瞬間、出力を上げて、ぎゅっ、と【念動グローブ】で抑え込むエリー。

 湿布のお礼に、とエリーはフローライトのステージセッティングを間接的に手伝っていたのだ。決してその場から動きたくないから【念動グローブ】でスペロコモ怪人の相手していたとかそんなことはないはずだ、きっとたぶんおそらくめいびー。


 エリーの【念動グローブ】による拘束とフローライトの【FIRE BIRD REINCARNATION!】の光焔の乱舞によるの浄化ダメージ。成す術もなく、スペロコモ怪人はその身の宇宙パワーを削られていく。
 もう一押し。
「Burn up!」
 フローライトがもう一度シャウトする。フローライトの意志に従って空を飛翔する戦闘機型ステージが速度を上げる。低空飛行をしてミュゼのメンバーの前を通り過ぎれば、視線が絡み合うその瞬間、『"K"』としてウインクを彼女らに送る。
「Fire bird fly to the sky!」
 誘惑と鼓舞。『"K"』がこの会場の視線を独り占めする。声援を受けて、フローライトの歌声がさらに響き渡り、スペロコモ怪人の体をごりごり浄化で削っていく。
「今です、ここしかありません」
 スペロコモ怪人の抵抗が弱ってきたのを機とみて、エリーがスペロコモ怪人を会場の観客席へ叩き付ける。全力で。二度、三度。掴んでいるのは念動力の手。いかに叩き付けようともその拘束が緩むことはなく、自分のダメージを気にしないでいい分、本当に遠慮なく叩きつけられる。
「……あ」
 その時、エリーは空に留まる黒い漿船を視認した。
(挨拶代わりに)
 ぶんっ、と上へスペロコモ怪人を放り投げるエリー。浄化の光焔がより濃く降り注ぐ上空を斬り裂くように上昇していったスペロコモ怪人が漿船に激突。
「わー。派手にいきましたねー」
 一曲を歌い終えて同じように漿船を見上げていたフローライトが感嘆の声をあげて。

 そんな中、スペロコモ怪人は再び会場へと落下していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
正直なところ、敵ながらもう少しマシなのが居なかったのかと思ってしまうが……

「何にせよ、放っておくわけにもいかないか」

調息、脱力、『観』据える。
敵と保護対象の数と配置、地形状況等を確認。
巻き込まない様に位置関係に注意。

まずは敵正面に立ち、挑発してこちらに注意を向けさせる。

「スペースなんて大層なモノが付いている割には鈍行だな。それでは隣町に行くにもコールドスリープが必要だ」

UCは攻撃重視。

先ず狙うは線路。
相手が突っ込んで来るのに合わせて、地面から掬い上げるようなアッパーで上方向に脱線させて、浮かせた所に流星錘を放って巻き付け、頭から地面に叩き墜とし、最後に下段突きを叩き込む。




 猟兵たちの攻撃によって無防備にぐしゃっと空から、観客席に落ちてくる宇宙怪人化『機関車怪人』ことスペースロコモーティブ怪人怪人。

 その様子をステージの上で、ミュゼのメンバーの前に立ちつつ、上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は見つめていた。
(正直なところ、敵ながらもう少しマシなのが居なかったのかと思ってしまうが……)
 ほんとだよ。どうしてこんな怪人選んだよ。
 そんな声がどこからか聞こえてきそうな勢いだが。
「何にせよ、放っておくわけにもいかないか」
 現に、宇宙パワーで強化されたスペロコモ怪人はまだ稼働可能。ゆっくりと立ち上がってくる。
「……」
 スペロコモ怪人から決して視線と注意を逸らさず。しかし構えを自然体に戻しながら、ゆっくりと息を吸い込む。それは平時から無意識下で行っている『基礎』だ。その基礎――呼吸を意識的に行うことで力を全身に巡らせる。
 曰く。

 ――力は溜めず――息は止めず――意地は貫く

 以て、調息。程よい脱力が体のパフォーマンスを最上に仕上げ、呼吸によってそこに巡られた力が全身に漲る。
 そして薄く開いた眼がこの場にいる全ての者を『観』据える。
(位置関係……なら)
 護衛対象がいるならば巻き込むわけにはいかない。ならば、戦う場所も必然限られる。それを瞬時に判断して、修介はステージから観客席へ飛び込む。
 まずは敵正面に立ち、挑発して注意を向けさせる……!

「スペースなんて大層なモノが付いている割には鈍行だな。それでは隣町に行くにもコールドスリープが必要だ」

『@$%&”!$”%&!!』
 なんかキレってるっぽい。
 唐突に時刻表を読み、鉄道模型を見て鉄道写真を撮り、スペロコモ怪人の全身から蒸気が発せられる。超強化によって勢いづいたスペロコモ怪人が修介に向かって線路を伸ばして突撃!
「……っ」
 だがそれこそが修介の狙い通りだ。
(先ず狙うは線路)
 そう決めていた修介はスペロコモ怪人の突撃に合わせてダッシュ。自身の地点をスペロコモ怪人が通過する前に、『浮いている線路へ真下から』痛烈なアッパーを叩き込む!
『@‘&%!?!?』
 悲しいかな、線路はその攻撃を回避できない。線路が空へ向いてひしゃげ、進行不能になる。そして線路に乗った機関車はもはや脱線するしかない。線路から外れ、無防備に落ちてくるそこへ。
「……ッ」
 小さな呼気とともに『流星錘』を手から放つ。先端の錘が綺麗な弧を描いてスペロコモ怪人に巻き付き。
「……!」
 修介が勢いよく手元のロープ部分を引けばスペロコモ怪人を拘束して。
「落ちろ」
 修介がロープを手繰るままに、スペロコモ怪人が地面に頭から勢いよく落下、否、修介によって叩きつけられる!!
『?!』
 ごふっ、とか言っているのかもしれない。完全に動きが止まったスペロコモ怪人に、すかさず修介が間合いを詰めながら、握り込むのはその拳。
 踏み込んだ脚から練り上げるようにして体を通した力をそのまま拳まで辿らせて。ぐっ、と構えたその一点に力を集約させる。
「……!」
 発せられたのは声ではなく、気合あるいは意地。地面に叩き付けられ動けなくなったスペロコモ怪人に、修介の強烈な下段突きが叩き込まれる。
『@&$#@!?$』
 修介の一撃よって、スペロコモ怪人のど真ん中に風穴を開いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫洲川・珠璃(サポート)
キャラの雰囲気は落ち着いたお姉さんの感じです
口数はどちらかというと少なく物静か

戦闘は果敢に攻め入り、
足は止めず常に動き回り、奇策より正攻法を好みます
武器は主に一振りの刀(虚鐵)を両手持ちで使い、たまに脇差として所持している二本目を抜きます

ボスのような大物相手ではまず相手の機動力を削いでから有効打を狙いにかかるので特に序盤は機動部位(主に足)を手数を多くして攻撃し、
中~終盤は基幹部位(頭や胴体など)を高威力の一撃で狙います

ユーベルコードは以下の順で制御しやすい(と彼女が思っている)ので利用しますが、
状況に応じて適切なものを利用します

【使いやすい】⇔【使いづらい】
炎狐=妖剣解放<黒狐召喚<神狐召喚




 もはや暴走するだけの『機関車怪人』は宇宙怪人化していたとしても、窮地で瀕死であった。だが、まだその身の内にある宇宙パワーはまだ終わっていない。
『@!”#&%”!’&”$$!』
 どてっ腹に風穴を開けられてもなお、スペースロコモーティブ怪人ことスペロコモ怪人は最後の力を振り絞って、スペースな蒸気機関車(自分の身長の2倍)を召喚して飛び乗る。空に敷かれた線路が導く先はステージの上、ミュゼのメンバー。

 しかし……!

 たんたんたんっ、と。着物姿の妖狐が軽やかに駆けこんで。
「はぁっ!」
 大上段から両手で振り抜かれる妖刀の一閃。線路を一刀両断にして蒸気機関車を脱線させればそのままステージに墜落するスペロコモ怪人。
「そこまでよ」
 すらりと長い抜き身の刃『影刃「虚鐵」』を両手持ちの下段に構えて、紫洲川・珠璃(夜を追う者・f00262)がスペロコモ怪人を視線で射抜く。
『@#!%&%”!!』
 激怒しつつ蒸気機関車に乗って突撃してくるスペロコモ怪人。
「……!」
 その動きを素早く見切った珠璃がひらりと身を翻し、突撃を回避。その動き――体の回転を利用しつつ真横に構えた虚鐵をそのままスペロコモ怪人に叩き付ける。素材不明ながら意外と頑丈な虚鐵がスペロコモ怪人に直撃すれば、切断すること叶わずとも突撃の勢いとぶつかりあって、蒸気機関車の上からスペロコモ怪人を叩き落す!
「……っ!」
 珠璃としてはここで真っ二つに出来れば最高だったのだが、虚鐵の切れ味を以てしてもそれは容易くないらしい。
「……それならば」
 すかさず【妖剣解放】――虚鐵に宿る怨念を解放してその身に纏い。
「こうするのがよさそうね!」
 その力を利用して高速移動。先の足捌きよりもさらに速く踏み込んで、スペロコモ怪人が地面に落ちるよりも早く。肉薄した珠璃の虚鐵がスペロコモ怪人の足を斬り落とす。
『!!!!!』
 着地することができず、バランスを崩して尻餅をつきながら倒れ込むスペロコモ怪人。無防備となったスペロコモ怪人の隙を逃す珠璃ではない。

 ヒュッ、と風を切る横薙ぎの一閃。

 虚鐵の刃が捉えるのは空のみ。されどその軌道に沿って斬撃の衝撃波が翔ぶ。その一撃がスペロコモ怪人の鉄の体に深い斬撃の跡を残す。さらに二度、三度、まだまだ、と。珠璃が虚鐵を振り抜いていく。両手持ちであるがゆえに力強く、スペロコモ怪人を斬り刻む衝撃波が縦横無尽に放たれて。
『&#! #”@! #”#$!!』
 その一撃一撃がスペロコモ怪人をただの鉄の破片へと変えていく。
 あと一撃。
「では……幕引きね」
 珠璃が言霊を紡いで、地を蹴る。そして高速で距離を詰めた珠璃の一閃。一陣の風と化した珠璃がスペロコモ怪人の横を通り過ぎ……ゆっくり遅れてスペロコモ怪人の体が真っ二つに斬り裂かれる。
『@‘&%!$%”&……!!!』
 断末魔をあげて大爆発するスペースロコモーティブ怪人。その爆風がその場に居た珠璃やミュゼたちを巻き込んで吹き抜け。

「……」
 身に纏った妖刀の怨念を振り払って、元に戻った珠璃が小さく息を吐く。爆発の後に残っているのはただの鉄屑。

 こうして、宇宙怪人化した『機関車怪人』を倒した猟兵たち。そして空に在る漿船を見上げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ミズ・ルチレイテッド』

POW   :    インクルージョン・ウェポン
【掌から生成したルチルの弾丸】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    クロックパルス・イベイジョン
【水晶振動子を利用し、完璧なタイミングで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    クリスタライズド・バレット
【10秒間の集中】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【透明化させたルチル弾】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠椎宮・司です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●第二バトル開始!
 宇宙怪人化した『機関車怪人』ことスペースロコモーティブ怪人が爆散した瞬間。

 コンサート会場一帯を眩い光線が包み込む。それは上空に待機していた漿船(クリスタルシップ)から照射されたスーパービーム。
 光が消えた後、コンサート会場は時が止まったかのような、謎の異空間へと変化した。見ただけでわかる、外界との遮断感。この空間は今『切り取られた』――閉じ込められたのだと、その場に居た猟兵たちと『ミュゼ』のメンバーたちは直感する。

 そして空から飛び降りてくる影。観客席のど真ん中に降り立ったのは、猟書家『ミズ・ルチレイテッド』であった。
「ようこそ。歓迎しますよ、猟兵の皆さん」
 ステージの上に集まっていた猟兵たちに対して、ミズ・ルチレイテッドは右手を胸に当てたいつものポーズでそう告げた。

 何か違和感。いつものミズ・ルチレイテッドと違うような??

 そんな視線を受けてかどうかはわからないが、ミズ・ルチレイテッドはふっと笑って。
「ええ、たまには演技(ロールプレイ)を捨ててみようかと」
 誰も聞いていないのにひとりで語り始めたぞ、この猟書家。そういうとこやぞ、ポンコツ具合。
「1回くらい、いいでしょう。エメラルドお嬢様も許してくれます」
 そう言って微笑み。猟兵たちに向き直る。

「改めて。私はルチレイテッド・クォーツのクリスタリアン。ミズ・ルチレイテッド」
 ステージの上の猟兵たちをみつめて、ミズ・ルチレイテッドが口を開く。
「そして、エメラルドお嬢様のメイドにしてお嬢様の敵を消す暗殺者です」
 違和感だらけの自己紹介。でもその違和感こそ彼女が持ち合わせているギャップという武器でもある。嘘か本当か、それは今この場で重要ではない。
「ええ。あなたたちを消す。その役目を負った者です」
 にっこりと楽しそうに笑いながら、ミズ・ルチレイテッドは告げる。ここには、遊びに来たわけではない、と。
 それを体現するかのように、身に纏う殺気が膨れ上がる。

「さて、勝負です……と言う前に」

 膨れ上がった殺気を今度は完全に消して。
 ミズ・ルチレイテッドはさらにお話を続けるようだ。
「この空間の説明をしないと、不公平ですね」
 そう言って視線をぐるりと巡らせて。この時が止まったかのような謎の異空間について言及する。
「この空間は、私のためのフィールド」
 とはいっても、猟兵たちの力が減衰するとか、ミズ・ルチレイテッドに絶対的なバリアが発生するとか、そういう類ではないらしい。
「単純です。戦闘が継続できないような状態にはならない、というだけ」
 例えば。催眠術や生命力吸収といった技能、あるいはユーベルコードの効果によって、相手を従属、隷属、奴隷化、所有化するという効果はキャンセルされる。その後の戦闘が行えないからだ。
 同様の理由で、体が真っ二つになる、首を飛ばすなど、その技巧による一撃で致命となる攻撃も多大なダメージに変換されてしまう。
「唯一の例外は命尽きた後」
 命尽きた『後』ならば。この効果は発揮されない。
「あ、安心してください。この効果はそちらにも発生します」
 仮に。ミズ・ルチレイテッドが猟兵たちの死角を取って、致命の一撃を放ったとしてもダメージを受けるだけで済むということである。
「勝負はシンプルに。どちらが先に果てるかだけ。どちらが強いかだけです」
 そう言って、ゆっくりと。腰をわずかに落として徒手空拳の構えを取るミズ・ルチレイテッド。
「たまには……真面目に戦ってもいいでしょう?」
 そう言って、ミズ・ルチレイテッドは緩やかに微笑むのであった。

 vsミズ・ルチレイテッド戦、開始である。

※シナリオ補足※
 というわけで、演技(ロールプレイ)無しのミズ・ルチレイテッドと戦闘です。
 と言っても、これまで力を隠していたとかそういう事実はありません。いつも通りのミズ・ルチレイテッドですが、少し脳内が戦闘寄りの思考をします。
 しかしながら、戦闘中でもノリ良くネタには乗っかってくれるでしょう。多少芝居がかったやり取りは好きかもしれません。でも殺しに来ます。なお、ドジっ子特性はありません。
 戦闘では、ユーベルコードに加え、技能を使うのと、さらに効率的な使い方をしてきます。ユーベルコードを使うことによって不利になると判断した場合、ユーベルコードを使わないといった行動もしますので、注意してください。
 ミズ・ルチレイテッドのデータは下の方に書いておきますのでご参考に。

 フィールド効果で、相手を挑発以上に貶める行為、戦闘のダメージではなく特殊効果や事象で戦闘不能に追い込む行為はキャンセル(不採用)されますのでご注意を。
 一撃必殺系は部位破壊に留まると思います。その代わり、すっごいダメージが入ります。

●ミズ・ルチレイテッドのデータ
 職業:メイド兼暗殺者(アサシン)
 武器:大量の暗器(ナイフや針、鎖など物理的な武器のみ)
 所有技能:特にレベルが高い技能⇒暗殺、殺気(ON/OFF)、見切り、不意打ち、ゼロ距離射撃、集中力、第六感、フェイント、カウンター、受け流し、念動力、オーラ防御、各種耐性、各種知識、恥ずかしさ耐性、演技
 戦闘傾向:遠距離での牽制から間合いを詰めての接近戦を得意とします。

 彼女の内にはクリスタリアン特有の大量の超能力(サイキック)エネルギーが内包されています。致命傷で無い、部位の欠損はそのエネルギーを使用して再生させてきます。再生には集中する時間があるので戦闘品柄は無理でしょう。また膨大なエネルギーを使うので数回が限度です。
エリー・マイヤー
何てことでしょう。ルッチーがシリアスです。
セクハラで集中を乱してビンタし放題という野望が潰えましたね。
おのれシリアス時空。しゃーねーから真面目にやりましょう。

初手【アルジャーノンエフェクト】で能力強化。
周囲に微弱な念動力を放ちソナー代わりにして不意打ちを防止しつつ、
ルチル弾は軌道を逸らして防御します。
暗器は逆にコントロール奪って敵に刺したり巻いたりする方向で。
接近戦を挑んでくるようなら、自分を浮かせて逃げます。
ついでに念動力で足払いしたり腕を捻り上げたりして接近を妨害します。
そんな感じで防御を固めつつ、炸裂する念動力で地道に攻撃ですね。

…ちなみにこの空間、反動で眠るのも防いでくれたりしません?



●アイサツの間は攻撃してはいけないルール
 『ミズ・ルチレイテッド』が作り出した謎の異空間。
 いつの間にやらミズ・ルチレイテッドと相対しているのはエリー・マイヤー(被造物・f29376)ひとりという環境だった。これも謎の異空間のせいか。

 目の前にいるミズ・ルチレイテッドに動揺すらせず、むしろ冷静に口元から火のついた煙草を離して。エリーは取り出した携帯灰皿に煙草をこすりつける。
「何てことでしょう。ルッチーがシリアスです」
「ルッチーって。友達ですか」
 ちょっと残念そうなエリーの言葉に速攻ツッコむミズ・ルチレイテッド。そうだよね、いつも残念美人だもんね。急にシリアスしたらこうなるよね。
 何なら親しみすら抱いていたかもしれないのに。それをミズ・ルチレイテッドは裏切ったのだ!
「セクハラで集中を乱してビンタし放題という野望が潰えましたね」
「今まで相対した私はどんな扱いを受けていたのか、詳しく知りたいところですが……」
 本当にどんな扱いしてたのこれまで。
 だがミズ・ルチレイテッドもプリンセス・エメラルドの側近たる者。
「まぁ、セクハラくらいなら。触りますか?」
 慣れてるのかもしかして? エメラルドにセクハラされていたりするのか? 実際は暗殺の時にハニトラ仕掛けていただけである。女の武器も使えるメイドだった。

「違う! そう言うのじゃなくて!!」
「!?」

 叫ぶエリー。びくっとするミズ・ルチレイテッド。
 あれだよ。セクハラがしたいんじゃなくて、セクハラで動揺しまくっているポンコツルチレイテッドさんが見たかったんだよ。そして乱れまくった(誤解を招く表現)ルチレイテッドにビンタしたかったんだよエリーは!
「おのれシリアス時空。しゃーねーから真面目にやりましょう」
「えっと、なんかその、ごめんなさい」
 よくわからない展開だが、とりあえずミズ・ルチレイテッドが悪い感じである。だから純戦寄りの普段より真面目って書いておいたのに……! 隠していてごめんなさい。
「では始めましょう」
「ええ、そうしていただけると助かります」
 これ以上は戦う前に負けてしまいかねない。そんな雰囲気を感じ取ったミズ・ルチレイテッドはエリーの言葉に速攻で乗っかるのであった。

●バトル開始!
「速攻で終わらせないとだるいヤツですねこれ」
 エリーが呟きながら、【アルジャーノンエフェクト】発動。能力強化と同時に、周囲に向けて微弱な念動力をソナーのように放つ。念動力を特技としているエリーだからこそ出来る手段。
「……おっと」
 その走査網に早速引っかかった透明なルチルの弾丸にエリーは意識を集中して。
「不意打ち防止成功です。やーい」
 念動力でルチルの弾丸の軌道を逸らしてから、エリーはミズ・ルチレイテッドにそう告げる。
「ちっ。やりますね」
 同じく念動力を得手とするミズ・ルチレイテッドはエリーの手を察したらしい。瞬時に接近戦に切り替えて距離を詰めようとする。
「それも対策済です」
 その接近を嫌うようにエリーが自身を念動力で浮かせて後方へ飛ぶ。ワイヤーアクションのように念動力で引っ張った結果、大きく退避したエリーにミズ・ルチレイテッドは追い付けない。ゆえにミズ・ルチレイテッドは袖口から取り出したスローイングナイフを両手から3本ずつ素早く投擲。
「それでも甘いです」
 しかし、エリーは宙に浮いたナイフのコントロールを念動力で奪い取る。空中で反転したスローイングナイフがミズ・ルチレイテッド向けて飛ぶ。
「どちらがでしょうね?」
 だが、どうやら読んでいたらしいミズ・ルチレイテッドはそれらを容易に回避しつつ、地を蹴って駆け出している。
 その手には密かに生み出しているクリスタライズド・バレット。これを使ってエリーの態勢を崩してさらに距離を詰める作戦。
 ……が。
「……っ?!」
 クリスタライズド・バレットを放とうとした瞬間、ミズ・ルチレイテッドの足元を突如何かが掬い上げる。
「やはりそちらでは?」
 それはエリーが放った強力な念動力による足払い。回避しきれず、クリスタライズド・バレットが全然関係ない方向へ飛んでいく。
「ちっ……!」
 足元を掬われて完全に体勢を崩すミズ・ルチレイテッド。そこへすかさずエリーが念動力を叩きつける!
「くっ!」
 飛んでくる念動力の塊を、両腕に纏わせたサイキック由来のオーラで受け止めるミズ・ルチレイテッド。

 ――炸裂する念動力で地道に攻撃ですね。

 そう考えていたエリーは防御を固めるミズ・ルチレイテッドに対して、躊躇うことなく油断することなく、次々と炸裂する念動力を叩きつけていく。
「く……あ……」
 オーラで威力を減衰してなお、徐々に押し込まれていくミズ・ルチレイテッド。【アルジャーノンエフェクト】によって強化されたエリーの念動力が強烈すぎる。反撃を仕掛けようにも暗器を取り出す暇すらなく。この最中においてもどうにか作り出したクリスタライズド・バレットもエリーの念動力で叩き落された。

 このままエリーが押し切れば……! だが。

「……ちなみにこの空間、反動で眠るのも防いでくれたりしません? ……よね」
 ふっ、と。エリーの意識が揺らぐ。
 きっかり102秒。【アルジャーノンエフェクト】の副作用によって昏睡状態に陥るエリー。どうやらユーベルコードのフィードバックまではキャンセルできなかったらしい。
 ぱたっと止むエリーの攻撃。
「はぁはぁ……いきなり結構危ない展開でした……」
 ミズ・ルチレイテッドが小さく呟く。見れば執事服の腕部分とともに腕の随所を砕かれている。どうにか腕が繋がっているといった体。謎の異空間がフィードバックすらもキャンセルしていたら確実に押し切られていた。
 そして昏睡したエリーの前にミズ・ルチレイテッドが立つ。
「この場は私の負けのようです。退くとしましょう」
 聞こえていないかもしれない敗北宣言をエリーに残して、ミズ・ルチレイテッドはその場を後にする。
 ミズ・ルチレイテッドが腕を回復するために膨大な超能力エネルギーを使ったことは言うまでもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※アド連歓迎
「なるほど、それが本領か」

生憎とこちらはいつもと変わらない
だが名乗られたのであれば、こちらも改めて名乗り返す。

「猟兵――いや『喧嘩屋』、上野・修介」

――為すべきを定め、心を水鏡に

「推して参る」

宝石弾による遠距離攻撃は脅威だが、本命は近接攻撃だろう。

服の各所に仕込んであるASペンを捨て、靴と上着を脱ぎ、グローブを外し、バンテージを解く。
呼吸を整え、余分な力を抜く。

宝石弾への回避防御は最小限に。
心身より余分なモノを排し、挑発もせず、敵を『観』据え、待つ。

構えず、迎え入れる様に、自然体にて立つ。
狙うは『後の先』、相手の攻撃がこの身に迫る交差の一瞬。

その一瞬に持てる渾身にて放つはただ一撃。



●戦い、その前の
 不意に。
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は閉じていた目を開く。ゆっくりと開いていく視界に佇んでいる相手は『ミズ・ルチレイテッド』。相手が修介の何かを待っていたわけでもない。修介もまた相手を待たせていたわけでもない。
 ただ。今、『邂逅』しただけ。

「なるほど、それが本領か」

 先に言葉を発したのは修介。
「まぁ、そういうことになります」
 修介の言葉に対してミズ・ルチレイテッドが微笑む。されどそれ以上のことは無く……否。
「なかなか攻め込む隙が無くて。困りますね」
「……」
 ふふ、と笑うミズ・ルチレイテッドに、修介が返すのは視線のみ。

 目を閉じていたのはただ待っていたわけではなく。修介は己の全身を確かめていたのだ。
 呼吸を整え、余分な力を抜く。
 いついかなる時でもそれは修介の戦いの基本。呼吸を基として体の隅々までを意識する。息とともに血を、力を流し込み。発する気が周囲を捉えながらにして牽制していた。
 既に。
 いつもと違って、服の各所に仕込んであるアサルトペンを手放し、靴と上着も脱ぎ捨て、グローブを外し、バンテージも解いた姿であっても。
 戦闘態勢は整っていた。ミズ・ルチレイテッドがいかな暗殺者であったとしても、迂闊に飛び込めばやられる。そんな状態で、ただこの邂逅に備えていたのだ。
「生憎とこちらはいつもと変わらない」
「なるほど。シンプルなのが常に正しいとは言いませんが、ベストであることが多い」
 修介の言葉を受けてミズ・ルチレイテッドの顔から笑みが消え、体中から力が抜ける。彼女もまた戦闘態勢に入ったのだ。

「だが……」
「……?」

 お互いに油断なく相対しながら、しかし修介は言葉を紡ぎ続ける。
「名乗られたのであれば」
 こちらも改めて名乗り返す、と。修介の視線がミズ・ルチレイテッドを射抜く。
「猟兵――いや『喧嘩屋』、上野・修介」
 視線と名乗りを受けて。ミズ・ルチレイテッドが目を見開き……再び笑みを浮かべた。それは愛想笑いではなく、シンプルな好意の笑み。
「とても素敵な名乗りですね。ええ、本来、戦いに大きすぎる肩書など不要です」
 だが猟兵とオブリビオン。相対した以上、戦いは避けられない。いや、避けるつもりなどお互いに無い。
「推して参る」
 ――為すべきを定め、心を水鏡に。

 修介が地を蹴って駆け出した。

●戦い、そして
 修介の動きに対してミズ・ルチレイテッドが動く。
「迂闊……ではないのでしょうが……!」
 修介がただ突っ込んできているとは思えなくとも、牽制せずにはいられない。そんな気迫に押されて、ミズ・ルチレイテッドがインクルージョン・ウェポンを放つ。小さく散弾のように広範囲に放たれるルチルの弾丸。
「……」
 その発射を『観』て、修介は急制動。その場で立ち止まり、弾丸の軌道を見切る。
(……回避防御は最小限に)
 体をかすめる程度のダメージならば問題ない。致命傷、あるいは重要器官への直撃。それを避ける動きのみに注力して、修介はルチルの弾幕をしのぐ。
「やはり、これだけでは片付きませんか!」
 修介の様子を見て、再度ルチルの弾幕を放ちつつ。今度はミズ・ルチレイテッドがダッシュで真っ直ぐ距離を詰めてくる。
 その動きを……修介は捉えている。

(宝石弾による遠距離攻撃は脅威だが、本命は近接攻撃だろう)

 だから、『そこ』を迎え撃つ。その一瞬が修介の狙い。
 だが、ミズ・ルチレイテッドもまた、ただ距離を詰めてくるだけではない。
「待っているのがバレバレですよ!」
 先のルチルの弾丸は右手から。ミズ・ルチレイテッドが左手を振るう。
「……!」
 だが修介の目には何も『無い』。確実に何かを放ったはずなのに。
 だからこそ、修介の戦闘知識と第六感が答えを導き出す。『見えない弾丸』。そして相手が暗殺者ならば。
「……っ!」
 心臓、あるいは頭。一撃で戦闘不能に至る箇所を守るように修介が身を翻す。何かが通り過ぎた感覚。そして。
「ぐっ……」
 反転して半身になったその瞬間に、左腕に走る痛み。それはミズ・ルチレイテッドが放ったナイフであった。
「とても良い動きですよ。こちらが一枚上手だっただけ!」
 ナイフの痛みで一瞬硬直した修介の隙へミズ・ルチレイテッドが踏み込んでくる!
 だが。
「……ふっ」
 修介は意識して『息を吐き出す』。息を吐き出せば体が緩む。それは彼が自然と身に付けている調息。以て、痛みを意識の外に出し、再び接近してくるミズ・ルチレイテッドを『観』据える。

 ――待っていたのではない。この時を、相手の攻撃がこの身に迫る交差の一瞬を狙い澄ましていたのだ。

 構えず、迎え入れるように、自然体にて。

 恐らくは目にも止まらぬ早さでミズ・ルチレイテッドの手刀は繰り出されているのだろう。だが、修介の目にはゆっくりとその軌道すら捉えている。
 『後の先』――相手の攻撃が放たれてなお、その攻撃が届くよりも早く。
(この拳を……叩き込む!!)
 持てる渾身、己が心技体の総てを籠めてこの一瞬に放つはただ一撃――【捨己(ステミ)】の一撃。
「――っ?!」
 ミズ・ルチレイテッドが目を見開く。最初とは違い、驚愕に染まった表情。確実に捉えていたはずの攻撃よりも早く、自身に叩き込まれた強烈すぎる拳の一撃に。

 ビシィッ! 大きく、水晶の割れる音がする。

「うぁぁぁぁーーっ!!」
 カウンターで叩き込まれた修介の【捨己】の一撃の威力をいなすことも受け止めることもできず。ただ衝撃のままに吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられるミズ・ルチレイテッド。

 拳を放った態勢のまま、なおも油断なくミズ・ルチレイテッドを『観』据える修介。その態勢にミズ・ルチレイテッドが付け込む隙は無い。

 この場の勝負は修介に軍配が上がったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎です

いつも通り邪魔しにきましたが、今日は一味違うということですか、お姉さん。
わかりました、全力でお相手しましょう!

【大声】で宣言しつつ、【誘惑】するように微笑んでUC【Wishing night~ネガイカナウ夜】を発動。
(彼女の望む程度の華美さで)決戦ライブステージを生成。
基本、猟兵を倒してお嬢様に褒めて貰うだと思うので、願いを叶える気はゼロです(【真っ赤な夜】も含めスピーカーの音量を上げる)。

悪い事はいけないんですから!

そして集中を妨害しつつ【パフォーマンス】しながら逃げます。

更にキラキラ光って真の姿に。
翼を広げ、【情熱】のまま【楽器演奏、歌唱、浄化】を駆使して指定UCを発動。
オブリビオン用、負の感情が強いほどダメージが増える虹色の光の乱舞で攻撃。
攻撃は大音量で集中妨害しつつ、【野生の勘】で回避、【オーラ防御】で防御。


UCサビ2
いつかあなたに貰ったよ 大切な宝物
だからぼくは歌うんだ 差し込んだ光見上げ
空を彩る虹の色 雨上がり煌いて
思い出歌う歌声は 空の果てへ流れていく


上野・修介
※アドリブ歓迎
「……さて」

紛れもなく、渾身の一撃だった。
それを理想的なタイミング叩き込み、倒せずとも十分なダメージは与えられた。

渾身だった故に余力は殆どなく、致命的では無い物のダメージは幾らかある。
そも、相手は猟書家。もとより一人で勝てるとは考えていなかった。

既に仕事は果たしたと言ってもよい状況で、他に味方がいる以上、ここで下るのが常道だ。
実際、いつものならそうしている。

――だが、この拳にまだ燻ぶっている熱がある。

「全く、相手に合わせて『喧嘩屋』なんて名乗んじゃなかった」

だからここからは、ただの自己満足。
なによりこの身も、相手も、まだ立っている。

「我ながら詰まらない意地だな」

小細工無し。真っ向勝負。
渾身の更に先へ。倒れるなら前のめりに。

――息を吸って、吐く
――無駄な力を抜く
――そして敵を観据える
――恐れず、迷わず、侮らず

「まだ、戦れるだろう?悪いが付き合ってもらう」


エリー・マイヤー
ふわぁ~よく寝ましたぁ
えっとぉ、ここどこでしたっけぇ?
たしか私はたたかって…
っとそういえば戦闘中でした。
寝てる間にトドメを刺されるかと思いきや、無事っぽいですね。
勝者の余裕でしょうか。あるいは私に惚れましたか。
おのれルッチー問い詰めてやる。

そんな冗談はさておき、目覚めたからにはリベンジです。
瞬間最大出力で倒しきれませんでしたし、今度は真っ当に行きましょう。
ソナーで攻撃を感知しつつ飛び道具を防ぎ、
適当に行動阻害して距離を取るのは先程と同様。
ですが今度は出力1/6…全部の攻撃は防ぎきれないでしょうね。
ある程度のダメージは割り切って、致命的なものだけ防ぐ方向でいきますか。
泥臭いのは趣味じゃないんですが…
まぁ、そういう空間ですからね。最後まで付き合いますよ。

そんな感じで攻撃をしのぎつつ、隙を見て【念動エクスプロージョン】です。
クリスタルな肉体をゴリゴリ割っていきましょう。

おっと、そういえば名乗り忘れてましたね。
私の名前はエリー・マイヤー。今をときめくサイキッカーです。
忘れちゃっても構いませんよ。



●継戦、いつもの遭遇、そして寝起き
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)の【捨己】の一撃は『ミズ・ルチレイテッド』の体に突き刺さる。己を捨てるといっても自暴自棄ではない。後の先――身を切らせる前に骨を断つ拳はミズ・ルチレイテッドに強烈なダメージを与えていた。
「くっ……」
 叩きつけられた地面からどうにか立ち上がるのが精いっぱい。戦闘不能にはまだ早い。だがこのまま戦えば不利は必至。そんな思いがミズ・ルチレイテッドに走る。
 だが、修介もまた不意に態勢が崩れる。肩に受けたナイフのダメージのせいか。
「……!」
 その一瞬。回復のために飛び退ろうとしたミズ・ルチレイテッドに。

「いつも通り邪魔しにきましたが、今日は一味違うということですか、お姉さん」

 声が阻む。『この』ミズ・ルチレイテッドは初対面だろう。しかし、何か体の『中』に疼くものがある。その衝動のままにミズ・ルチレイテッドは振り返って告げる。
「ええ、弟よ。と言うとマズイんでしたか?」
 ミズ・ルチレイテッドの退路を断っていたのはフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)。ちなみに血縁関係は全然ない上に、そもそも全く関係ない。
 突破する勢いで突撃してくるミズ・ルチレイテッドに、フローライトが宣言する。
「わかりました、全力でお相手しましょう!」
 フローライトが叫び、その手にフローライト(蛍石)をイメージした美しい色のダブルネックギター『蛍灯』を握る。
 ……が。
「させると思いますか?」
「……!?」
 フローライトがユーベルコードを解き放つよりも早く、ミズ・ルチレイテッドが踏み込んでくる。両手から大量の投げナイフを投げながら、だ。
「くっ……!」
 とっさに投げナイフを回避するフローライト。その隙にミズ・ルチレイテッドが接近戦を仕掛けてくる!
「貴方が言ったのでしょう? 『今日は一味違う』と」
「そうだけれども!」
 演奏の邪魔をするのはいかがなものか。ミズ・ルチレイテッドの拳をオーラ防御で受け止めながら、反論するフローライト。決定打になるような一撃には程遠いが、ミズ・ルチレイテッドは速さを重視して攻撃を叩き込んでくる。フローライトの思うように行動させてくれないという点でとてもイヤらしい接近戦。
 しかし、フローライトもひとりで戦っているわけではない。その攻防を横から突き崩したのは。
「おのれルッチー問い詰めてやる」
「……?!」
 復活したエリー・マイヤー(被造物・f29376)であった。フローライトを避けて横合いから念動力を叩きつけるエリー。それを同じく念動力で相殺……しきれず、吹っ飛ばされるミズ・ルチレイテッド。
「誰がルッチーですか!」
「アナタ!」
 ミズ・ルチレイテッドの言葉にびしっと指さすエリー。
「友達ですか、ほんとにもう……くぁっ!?」
 呆れるように嘆息……しかけたミズ・ルチレイテッドの真横へ突き刺さる拳。
「全く、相手に合わせて『喧嘩屋』なんて名乗んじゃなかった」
 一瞬の隙を突いたその拳は再び立ち上がった修介の一撃。
「やはり、猟兵はしぶとい……」
「我ながら詰まらない意地だな」
 強烈なダメージに膝をついたミズ・ルチレイテッド。その前に油断なく、エリーと修介が立ち、その後ろにフローライトが陣取る。
 いずれもが感じていた……この一戦が最後の攻防だ、と。

●そこに至る、少し前
 目の前で、フローライトとミズ・ルチレイテッドが相対し、攻防を繰り広げている。

「……」
 膝をついた状態で呼吸を整えていた修介は、その様子を見て。一度目を閉じて……息を吐き出す。
「……さて」
 振り返る。
 叩き込んだ【捨己】の一撃は紛れもなく、渾身の一撃だった。それを理想的なタイミングで叩き込み、倒せずとも十分なダメージは与えられた。
 その戦果は確かに在る。
 だが、渾身だったが故に。修介に余力は殆どなく、致命的では無いもののダメージも幾らかある。息が乱れたのはそのせいか。
(そも、相手は猟書家。もとより一人で勝てるとは考えていなかった)
 だから修介は自分にできることをしたまでだ。そう考えるならば、既に仕事は果たしたと言っても良い状況だろう。現に今、目の前で他の味方が戦っている。

 ――ここで下るのが常道だ。

 実際、いつものならそうしている。

 ――だが、この拳にまだ燻ぶっている熱がある。

「……」
 それを確かめるように拳を握る修介。もう一度立ち上がるには……十分な熱だ。

 そしてほぼ同時に。
 再始動したのはエリーであった。
「ふわぁ~よく寝ましたぁ。えっとぉ、ここどこでしたっけぇ?」
 めっちゃ寝起きである。いや、さっきまでフィードバックの昏睡状態だったので仕方ない。というわけで覚醒したての記憶を辿っていき、戦っていた記憶を思い出すエリー。
「寝てる間にトドメを刺されるかと思いきや、無事っぽいですね」
 普通に考えたらそこでトドメを刺すのが常道である……が、何故か無事である。その理由を考えるエリー。
「勝者の余裕でしょうか……あるいは私に惚れましたか」
 なんでやねん。いや、嫌いじゃないと思うけど。セクハラはどうにかしてほしいかもだけど。
「本人に聞くしかありませんね!」
 そんなわけで再度突撃を決めたエリーがミズ・ルチレイテッドの方を向く。

 エリーが念動力を叩き付け、修介が拳を叩き込み、フローライトがギターを構える。

 そして……最後の攻防が始まる。

●激突
 エリーと修介が割り込んだことで生まれた間。
 それは嵐の前の静けさとも、ライブが始まる前の一瞬とも言えるような張り詰めた間。

 この時間こそがミズ・ルチレイテッドが生み出したくなくて、フローライトが欲しかったもの……!

「Wishing night!!」
 フローライトがシャウトする。誘惑するように微笑んだそれは宣言にも等しくて。

 ♪小さな頃思い描いてたユアドリーム
   素敵な夢のビジョン開いてゴードリーム
    少しだけでも叶うのなら
     夜空蹴飛ばし出かけよう 二人でさ♪

 フローライトの歌声が特別なライブステージを創造する。それはフローライトがミズ・ルチレイテッドのために創り出した願いを叶える、決戦ライブステージ。
「なかなかのプレゼントですね?」
「まぁ、願いを叶える気はゼロです」
「あら、残念ですね。キマイラフューチャーの支配に興味ありませんか?」
「……!」
 ミズ・ルチレイテッドから返ってきた答えに、一瞬フローライトが詰まる。それは想像していた願いと方向性が違うがゆえに。
「私の主はエメラルドお嬢様ただ一人。世界のひとつでも捧げる覚悟でなければ離れるわけがないでしょう?」
 フローライトの誘惑にも負けないくらいの、意味深な笑みを浮かべてミズ・ルチレイテッドが告げる。
「悪い事はいけないんですから!」
 そうだとしても叶える気はない、と。フローライトが赤く光る野外用スピーカーポッド『真っ赤な夜』も含めた周囲のスピーカーの音量を上げつつ叫ぶ。

 歌が一曲だけだと誰が言った?

「歌わせると思いますか!?」
 再び歌い出そうとするフローライトに対して、ミズ・ルチレイテッドが透明な弾丸を放とうとする!

「ルッチー、浮気は許しませんよ!!」
「誰が恋人ですか!」

 そこに割り込んできたのはエリーの念動力。ツッコミ返しながら、しかし透明な弾丸は念動力に飲み込まれて消滅する。
 先の戦闘では瞬間最大出力で倒しきれなかったがゆえに、『今度は真っ当に行く』としたエリーの行動は実に堅実。
「くっ……その力、面倒ですね……!」
「面倒な女ではないです。物ぐさなだけで」
 そう言いながらもエリーが周囲に放つ、微弱な念動力(サイキック・ソナー)は、ミズ・ルチレイテッドの透明な弾丸もその手から放たれる投げナイフもきっちり捉えている。そこにエリーが念動力を重ねれば、そのまま地に叩き落される飛び道具たち。
 その攻防はフローライトに十分な時間を与えてくれた。
「【笑顔の葬列-Smiling funeral-】!!」
 フローライトが曲名をシャウトする。
「ちっ……!」
 どのような攻撃かは分からずともフローライトの攻撃が曲に乗ってくることは明白。今のうちに距離を詰めるべく駆け出そうとしたミズ・ルチレイテッドに。
 修介が肉薄する!
「くっ!!」
 割り込んでからの拳の一撃。絶妙な間――拍で飛び込んできた修介の拳をミズ・ルチレイテッドは受けることしかできない。
 拳を放ちながら、修介は気持ちを整理していく。
(ここからは、ただの自己満足)
 しかしなによりも。自身も、相手も、まだ立っている。ならば戦うほかやることがあるだろうか?

 ♪I'm a smiling
   遥か遠い空へ届くように♪ 

 フローライトの歌声が響く中。
「まだ、戦れるだろう? 悪いが付き合ってもらう」
 そう告げて。修介が仕掛ける。小細工無しの真っ向勝負。
 ミズ・ルチレイテッドの進路を完全に塞ぎながら、攻撃を放ち続ける修介。
「ちぃぃっ! 邪魔です!」
 暗器を握り込んでの拳はミズ・ルチレイテッドの反撃。それが修介の腹を捉えるが、修介は身じろぎもしない。

 ――渾身の更に先へ。倒れるなら前のめりに。

 その意志の力が修介を奮い立たせて、ミズ・ルチレイテッドの思惑を断ち切る壁となる。
 これを突破するのは容易でない。

 ♪I'm a smiling
   笑ってさ 見送るよ 歌声で♪

 響く響く。フローライトの声が響く。
 ステージの上で更にキラキラ光って真の姿となったフローライトは翼を広げ、情熱のままに指をギターの上に滑らせて、歌声に力を乗せる。
 【笑顔の葬列-Smiling funeral-】。直後、フローライトから放射状に放たれる幾条もの虹色の光。それは骸の海から出現した者のみを討つ浄化を伴った光の乱舞。
「ええいっ!!」
 煩わしい、と言わんばかりにオーラの盾を展開して受け止めるミズ・ルチレイテッド。しかし、そのオーラを虹色の光が抉っていく。徐々に盾を削られて押し込まれていくミズ・ルチレイテッド。

(ふむ……)
 その様子を見てエリーは距離を取ったまま、考察する。
 サイキック・ソナーで攻撃を感知、距離を取って適度に行動阻害。先と同じ行動ではあるが、【アルジャーノンエフェクト】を使っていない分だけ、威力は落ちる。
(出力1/6では全部の攻撃は防ぎきれない……と思っていましたが)
 思ったより仲間のコンビネーションがエグい。
 ほぼ全周囲から降ってくる浄化の光は猟兵には作用しない。仮に接近戦を挑んでいたとしても巻き込むようなことはない。逆にミズ・ルチレイテッドはふたつに対応しなければならない。そして徐々に追い込んでいるのも事実。 
 ならば、ここに乗るしかあるまい、このビッグウェーブに。
「ルッチー、私とは遊びだったんですね……」
「ええいっ、言動と攻撃とのギャップが激しい!!」
 エリーの悲しげな視線がミズ・ルチレイテッドを捉える……と同時に破裂する念動力が直撃。第六感で何かを感じたのか咄嗟に両腕をクロスさせたミズ・ルチレイテッドがその態勢のまま吹っ飛ばされる。
(こういう雑な使い方は、好みじゃないんですけどね)
 と思いながらも、放った【念動エクスプロージョン】はシャレにならないダメージをミズ・ルチレイテッドに叩き込んでいる。ミズ・ルチレイテッドの言葉もさもありなん。
「くぁぁっ!? で、ですが!」
 【念動エクスプロージョン】の衝撃にさらされながらも、ミズ・ルチレイテッドがルチルの弾丸を散弾銃のように解き放つ。
「むぅ……っ!」
 数が多い。ここにきてちょっと捌き切れない攻撃が来た。全ては無理、と致命的なものだけを防ぐエリー。ルチルの弾丸がエリーの体をかすめて血の跡で染めていく。
(泥臭いのは趣味じゃないんですが……)
 ぐいっと血を拭ってエリーの視線がミズ・ルチレイテッドに向けられる。
「まぁ、そういう空間ですからね。最後まで付き合いますよ」
 そう告げてもう一度【念動エクスプロージョン】を叩き込むエリー。
 そしてフローライトと修介もまた、その『最後』に向けて、力を解き放つ。

●舞台の終わり
 エリーの【念動エクスプロージョン】でミズ・ルチレイテッドが吹っ飛んだその隙に。

 修介は息を調える。調息――そう、【拳は手を以て放つに非ず】、ゆえに修介は『ソレ』を意識する。

 ――息を吸って、吐く
 ――無駄な力を抜く
 ――そして敵を観据える
 ――恐れず、迷わず、侮らず

 平時から無意識下で行っている『基礎』――呼吸を意識的に行うことで、その身に力を巡らせる、その身を奮い立たせる。
 その背後から歌が響く。フローライトの歌声が響き渡る。

 ♪いつかあなたに貰ったよ 大切な宝物
   だからぼくは歌うんだ 差し込んだ光見上げ♪

 2番のサビに入った【笑顔の葬列-Smiling funeral-】に乗って、再び空から虹色の光が弧を描きながらミズ・ルチレイテッドに降り注ぐ。それは幾条にも広がって虹色の繭をつくるがごとく。
「ちっ、くぅぁぁぁあああああーーっ!!」
 先よりも激しい光の乱舞をかわし切れず、防ぎ切れず。その浄化の光に身を貫かれて悲鳴をあげるミズ・ルチレイテッド。

 ♪空を彩る虹の色 雨上がり煌いて
   思い出歌う歌声は 空の果てへ流れていく♪

 だがフローライトもその歌声を途切れさせることはしない。力を、想いを振り絞るようにして歌声に乗せて、ミズ・ルチレイテッドを撃つ!
 光に貫かれ身動きが取れないミズ・ルチレイテッド。
「……ッ」
 小さく呼気。それと同時に懐まで踏み込む修介。
「……?!」
 ミズ・ルチレイテッドが修介に気付いた時にはその拳が両腕のガードをくぐり抜けて、鳩尾の辺りに突き刺さっていた。
「……がっ、はぁっ!?」
 息が遅れて吐き出される。体が完全にくの字に折れる。それほどまで強烈な一撃が叩き込まれて、なお。
 ミズ・ルチレイテッドは反撃の弾丸をその手に生む!
「……っ?!」
 が、そのルチルの弾丸がはじけ飛ぶ。それはエリーの【念動エクスプロージョン】による阻害。
「おっと、そういえば名乗り忘れてましたね」
 ミズ・ルチレイテッドの視線の先には、少し気だるげにポーズを決めるエリー。
「私の名前はエリー・マイヤー。今をときめくサイキッカーです」
「……っ」
 エリーの言葉に対して、何かをしゃべろうとして。しかし、ミズ・ルチレイテッドの喉からはひゅーひゅーという空気だけが漏れる。
「忘れちゃっても構いませんよ」
「……次で」
「終わりです! お姉さん!」
 言葉に続いて、エリーの【念動力エクスプロージョン】、修介の踏み込みからの発勁の一撃、フローライトの虹色の光が放たれる!
「ぐっ、きゃあぁぁぁーーっ!!」
 暴虐的なまでの衝撃に耐えきれず、悲鳴をあげながらミズ・ルチレイテッドが吹き飛び、地面に叩きつけられる。地面に叩きつけられてなお、止まることなく背中で滑るようにして弾き飛ばされるミズ・ルチレイテッド。

「くっ……はぁっ……ここまで、ですか……」

 それは事実上の敗北宣言。
 現にミズ・ルチレイテッドの声には立ち上がる力など感じられず。同時にビシィッ、と石がひび割れる音がする。次々と連鎖するように石が割れていき……。
 仰向けに倒れたまま、ミズ・ルチレイテッドがフローライト、修介、エリーに……笑いかける。
「ですが、楽しかった。やっぱりたまにはいいものですね」
 大きく息を吐き出してミズ・ルチレイテッドが告げる。

 そしてフローライトがギターをかき鳴らす。音に応じて空から降り注ぐ浄化の光。ひび割れた水晶の体が粉々に砕かれていく。
「次は……いえ、次があるとは限りませんか……残念ですね」
 そう言い残して。
 猟書家『ミズ・ルチレイテッド』は完全に形を無くしたのである。

●元に戻る
 直後、謎の異空間が解除され、『ミューズ』のメンバーたちと一緒に元のキマイラフューチャーへ帰還する猟兵たち。
 機関車怪人が壊したコンサート会場は修理が必要かも、といった状態であるが、幸い人的被害は出ていない。
 戻ってきた猟兵たちに対して、キマイラフューチャーの人々は賞賛の歓声をあげた。彼らは猟兵たちの勝利を知っていた。どうやら頭上にあった漿船もミズ・ルチレイテッドの死と同時に爆発したようで、それでわかったらしい。

「終わりましたねー」
「ええ」
 エリーの言葉に修介が頷きを返す。
「もう現れないといいんですけど」
 フローライトがため息とともに言葉を紡ぐ。そうなってくれれば、『ルチレイテッド』風評被害も少なくなるはずだ、たぶんおそらくめいびー。

 こうして。
 猟兵たちは『ミズ・ルチレイテッド』との戦いに勝利したのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月23日
宿敵 『ミズ・ルチレイテッド』 を撃破!


挿絵イラスト