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銀河帝国攻略戦⑪~紅の守護機~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●エンペラーズマインド突入開始
 要塞周辺宙域を制圧した解放軍は、しかし要塞の攻略が思うように進まないことに歯噛みしていた。
 幾度目かの艦隊による艦砲射撃が敵の対艦要塞砲を破壊するが、しかしすぐさまその傷も修復されてしまうのだ。
「…………このままではジリ貧だな」
「コアマシンを叩かないことにはなんとも……ですか」
 艦隊の司令官たちは、無限に蘇るようにも思える敵要塞に、しかし反撃を封じるため終わりのない攻勢を仕掛けながらも頭を抱えていた。
「しかし、グリモア猟兵達の話では内部に突入したところであの古代兵器……デストロイ・ウォーマシンが展開している、らしいではないか」
 そうなのだ。コアマシン攻略のため部隊を送り込もうにも、先の大戦で多くの英雄を葬ってきた古代兵器デストロイ・ウォーマシンが要塞に潜んでいる。無理な突入作戦は犠牲を増やし、しかし解放軍にとってエンペラーズマインド攻略は最終目標ではなく折り返し地点、敵本土攻撃に向けて戦力は温存したいところである。
「結局、我らは猟兵に頼らなければならん。不甲斐ないな、解放軍艦隊と言っても」
「何、その分彼らの背は我々が守りましょう。猟兵たちの突入援護だ、全艦敵の対空砲に主砲斉射! 撃てェェッ!!」
 艦隊の砲火が要塞を砕き、修復されるまでの僅かな時を猟兵達が駆け抜けてゆく。
 ――真紅の殺戮守護機が待ち受ける、エンペラーズマインド要塞の中枢へと。

●コアマシンを破壊せよ
「ミッションを更新します」
 アレクサンドラは、集った猟兵たちに状況の進展を伝える。
 エンペラーズマインド要塞を守る敵艦隊は壊滅的な打撃を受け、敗走した残敵も味方が駆逐しつつある。要塞周辺宙域はほぼ完全に、解放軍によって制圧されたと言ってもいいだろう。
 だが、要塞内部は未だに攻略されていない。強力なコアマシンが施設を随時修復し続けるため、解放軍艦隊も攻めあぐねているのだ。
 そこで、解放軍は猟兵を主力としたコアマシンルーム攻撃作戦を立案した。
 既に先んじて突入し、隔壁を破壊してルートを構築した猟兵達も居る。今時作戦は、そのルートを辿りコアマシンルームに突入、これを破壊することにある。
「ですが、問題がふたつ」
 一つは、コアマシンルーム内には敵の科学技術総監ドクター・オロチが作り上げた殺人ウィルス、オロチウィルスが充満していること。非生物であるウォーマシンやバーチャルキャラクターのような種族であれ、数秒も留まれば死んでしまうほどの毒性を持つ凶悪な化学兵器が満ちた空間では、完全破壊に至るまで攻撃し続けることは不可能だろう。
 これは、同様の任務を帯びた猟兵たちの複数チームによる波状攻撃で解決しうる。
 もう一つは、そのコアマシンルームに至る道に強力な敵が存在すること。デストロイ・ウォーマシン……先の大戦でも多くの英雄を殺傷した強力な古代兵器が、コアマシンルームを防衛している。これを撃破しないことには、そもコアマシンルーム内に突入すること自体が不可能なのだ。
「皆さんにはまずデストロイ・ウォーマシンの撃破をお願いします。これまでの銀河帝国軍のいかなる兵器、将兵よりも強力な敵となります。敗北や撤退は恥ではありません、生還を最優先に行動してください」
 ご武運を、とアレクサンドラは敬礼で、いつも以上に君たち一人ひとりの顔を見つめてから送り出した。


紅星ざーりゃ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 シナリオの目的は、強力な敵であるデストロイ・ウォーマシンの撃破、後にコアマシンへの攻撃となります。
 また、説明にもありました通り、コアマシンルーム内には強力な化学兵器が充満しており、攻撃はできて一回まで。攻撃後はグリモア猟兵によって強制的に即時撤退します。
 この一撃に、全力のユーベルコードを叩き込んでいただく形になります。
 この点をご留意くださいませ。

 こんにちは、紅星ざーりゃです。
 ここで多くは語りません。強力な敵であるデストロイ・ウォーマシンを撃破し、コアマシンを攻撃することでエンペラーズマインド要塞攻略の最後の一手を打ってください。
 皆さんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『デストロイウォーマシン』

POW   :    デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリシア・マクリントック
特殊装甲で多少は持たせられるかもしれませんが、誤差といったところでしょうか。
限られた時間で必殺の一撃を……というのであれば。この技こそ最適でしょう。
セイバーホールドで動きを止めることができれば私の追撃はもちろん、タイミングを合わせてもらえれば他の皆さんの攻撃も効果的に当てることができるはずです。
もっとも、牽制や観察にあまり時間をかけられない以上はセイバーホールドをいかに当てるかという問題がありますが……
そこは気合です!マクリントック家と、何より私自身の誇りにかけてなんとしても当てて見せます!


東郷・三笠
強力な門番というわけだな
なに一撃あれば十分だ
我の『布都御魂』の錆にしてくれよう
東郷・三笠、推して参る

空中戦12、ジャンプ6、ダッシュ5で三次元移動をしつつ残像1、見切り1で攻撃を躱しながら接近し
捨て身の一撃2、覚悟2、怪力11、鎧無視攻撃10を用いて超電磁単分子ブレイド『布都御魂』で東郷流電磁抜刀術『閃雷』を使う
どれほどの装甲もこの一閃の前には紙切れ同然だということを見せてやろう
雷剣神の妙技を見よ!東郷流電磁抜刀術―――『閃雷』
敵の攻撃は盾受け9を用いてアサルトシールドフィールドで防御
毒耐性1なのでちょっとは長持ちするだろう

アドリブで他の方との絡み歓迎




『――接近する敵影を認識』
『――デストロイマシンによる戦闘演算を開始』
『――識別、目標を帝国軍呼称"猟兵"と確認』
『――これより殲滅を実行します。所要時間は611,82222秒以内』
 華奢な、しかし凶悪なその存在意義を主張する禍々しいフレームを真紅の装甲に包み、その内から伸びるアームの先端にあらゆる凶器、兵器を持つ巨影。
 デストロイ・ウォーマシン。前大戦で解放軍に甚大な被害を齎した、銀河帝国の恐るべき兵器が再び目覚め、猟兵たちの行く手を阻む。
 背に守るはコアマシンルームに続く隔壁。彼を討たずしてその先へ進むこと能わず。殺戮者は守護者として、エンペラーズマインド要塞を攻め落とさんとする侵入者の尽くを抹殺すべく武器を向ける。

「強力な門番というわけだな」
「ええ。そして後続の仲間たちが居る以上、牽制や観察にあまり時間をかけてはいられませんね……」
 最先鋒として先陣を切るのは三笠とアリシアの二人。
 指揮官先頭、あるいは高貴なる責務を果たすべく、デストロイ・ウォーマシンに真っ先に接敵するという危険な役割を担った二人は、それぞれの得物に手をかける。
 一撃――一撃だ。長期戦を挑む余裕はおそらくない。一撃を加え、それが有効打になろうがなるまいがすぐに退く。
 さもなければ。
『――スティールエッジ018、これより目標の一切を殺戮します。ごきげんよう、ようこそ猟兵、さようなら』
 降り注ぐミサイルを、二人の猟兵は左右に広がるように跳んで回避する。僅か数瞬前まで立っていた宇宙要塞の床が粉々に爆砕され、下層フロアまで通じる穴が開いてコアマシンの力ですぐさま修復されていく。
「あれだけの攻撃力……特殊装甲の防御力でも多少の誤差といったところでしょうか」
 これまでのいかなる敵に対しても、ある程度の信頼を置くことができたアリシアのセイバークロス。だが、ともすれば対要塞クラスの火力に届くやもしれないこの敵の攻撃を防げるかは怪しいところだった。
「ならば撃たせる前に斬ればよい!」
 それは三笠にとっても同じこと。彼女もまた防御力に自信のある重装甲の装備を揃えていたが、それをもってしてもデストロイ・ウォーマシン――識別名称スティールエッジ018の攻撃力は危険だ。
 速攻で仕留めねばならない。三笠は空中を駆け、飛来するビームやミサイルを紙一重で躱して懐に飛び込む――その刹那に、装甲の内部から更に出現した無数の大型ブラスターが三笠を捉えた。
「ちぃ――ッ!!」
 刀の一撃で光線を切り払い、しかし攻撃の機会を逸して飛び退る三笠。
「三笠さん! くぅっ……!」
 アリシアもまた、自身を狙い雨あられと撃ち込まれる光線を防ぐのに手一杯で援護には回れない。
 これが銀河帝国の古代超兵器か。二人の脳裏に、ほんの僅かに敗北の二文字がよぎる。
「否、世界ノ興廃コノ一戦ニ在リ! ここで一撃も与えず退く選択はない!」
「マクリントック家の誇りに懸けて……私自身の誇りに懸けて! なんとしても道を切り拓きます!」
 世界のために、己の譲れないもののために。浮かんだ弱気を振り払い、二人は捨て身の攻勢に打って出る。
 たとえ我が身を焼かれようとも。手足が折れ、血が流れ、涙で前が滲んでも。それでも生きて誰かが此処を突破するのを見届けられれば勝ちなのだ。
 出撃する時、猟兵たちは確かにそれを確かめ、生還することを誓いあった。ならば、だからこそ、死ななければ勝ち故に無理を通して道を拓く。
「セイバァァァ……ホールドッッ!」
「東郷流電磁抜刀術――」
 手足を熱線で射抜かれようと、視線と剣先だけはまっすぐに敵を見据え、アリシアは拘束の光条を放つ。
 三笠もまた、防御を捨てて必殺の居合いを放つために精神を研ぎ澄ます。痛みを殺し、傷を見ず、ただ断ち斬るために。
『――不明の力場を認識。解析開始……中和無力化まで1,004秒――』
 ほんの一瞬、デストロイ・ウォーマシンの動きが止まった。二人の猟兵は、その一瞬に全てを懸ける。
「――閃雷」
「フィニッシュ!!」
 一瞬のうちに距離を詰めた二人の猟兵が放つ斬撃が、真紅の装甲を断ち斬り――
 しかしその内に潜む黒鉄のフレームに届く前に、拘束を逃れたデストロイ・ウォーマシンが再動する。
『――損傷軽微。見事な斬鉄ですが、私達には通用しません』
 ――かつて解放軍の英雄と呼ばれた者たちがそうだったように。
 切り裂かれた装甲の下から、攻撃直後の二人を薙ぎ払うように振り抜かれたフォースセイバー。
 それを回避、防御する余力すら残さないほどに全力の一撃を放った二人は、勢いよく弾き飛ばされ壁面に叩きつけられる。
「くっ…………!」
「きゃあっ…………!」 
 強烈なダメージにくずおれ、追撃を避けるためすぐさま強制撤退させられる二人は、揺らぎ霞む視界の先に、さらに迫る猟兵を迎え撃つべく銃砲火器を構える真紅の影とそれに挑む仲間たちを視た――

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

イデアール・モラクス
【PPP開発室にて参加】

帝国の強大な兵器!コイツは滾るなぁ!
さぁ、我が魔力の偉大さを見せてやる!

・行動
UC【魔導覚醒】を『高速詠唱』で行使。
魔導防壁を纏いながら空を縦横無尽に飛翔し、両手から次々と『属性攻撃』で属性魔法【風の刃、聖なる光線、闇の球体、炎弾、氷の槍、足元から隆起する石の棘】を『全力魔法』で順に放ち、『範囲攻撃』と成して全身を隈なく攻撃。
「鉄屑に成り果てろ!アーハッハッハ!」
敵を倒したらしたら【吸血鬼の血】から『吸血』して血に満ちる『生命力を吸収』する事で失った寿命を取り戻し、コアに【稲妻を放つ超高威力の攻撃魔法】を『全力魔法・属性攻撃・高速詠唱』により構築して放つ。

※アドリブ歓迎


ビードット・ワイワイ
【PPP開発室にて参加】
アドリブ歓迎

誇りし火力を無為に帰すためガジェットショータイムにてスパイク付きの盾を作成。仲間を守りて前進せり。【念動力】にて瓦礫を追加装甲代わりにせり。全ての攻撃を【盾受け】にて防がん。ついでとばかりに【誘導弾】を【一斉発射】。目眩ましとして活用せり。

近づいたなら盾を叩きつけ【衝撃波】にて吹き飛ばそう。詰まりし指名が軽き証拠。いと容易に吹き飛べり。

見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。火力まさに素晴らしき。命令聞くだけ生、楽なりかな。されど己の意思は無し。この戦場にて散る定めなり。汝の破滅はここにあり。


響・夜姫
【PPP開発室にて参加】

デストロイ・ウォーマシーンに1回、コアルームで1回。
とりあえず。2回、ぶっ放せばいい?
「なるほど。作戦は了解した。ポジションはクラッシャーで」
……違った。これはいけないやつ。

ウォーマシン戦は、
・クイックドロウ
・学習力
・誘導弾
・2回攻撃
・範囲攻撃
・一斉発射
・援護射撃
を駆使してPPP開発室の皆と連携しながら全力攻撃。フルバーストマキシマム。
「では、ふぁいやー」
防御はビードットに任せて攻撃特化。
一応、抜けてきたものは武器受けとオーラ防御で対処。

コアマシンルームにはとりあえず撃ちこめばいいので
「ふぁいやー。2回目」とフルバーストマキシマムをズドン。


フィーナ・ステラガーデン
「PPP開発室にて参加」
あら!歯ごたえのありそうなのが出てきたわね!食べ応えは無いけど!
・・・本当に無いのかしら?カニみたいなもんじゃないかしらこれ?

仲間達と連携を取って戦うわ!
ビードットを盾にしつつ
夜姫とイデアールが火力として回ってくれるので私は今回サポートを行うわ!
「デストロイトリガー」を使用時はUCを使用して
眷属を召還させて囮に使うわ!
火力メンバーが狙われそうなら「属性攻撃」で敵の銃口を狙うわ!
ビードットも突撃したら
今までの鬱憤晴らしで私も一気に畳み掛けるわよ!

(いつもどおり色々大歓迎
MSがクリアしたくないタイミングならプレイング返却可
旅団メンバーにも説明済。その際皆で再送予定)




『――敵第二陣と接敵。スティールエッジ018、私達はエンペラーズマインド絶対死守のため作戦遂行中』
『――猟兵、何度攻め込もうとも無意味です。この要塞は陥落し得ない。私達は敗北し得ない』
『――何故ならば、私達の前に立つ貴方達は、須らく一切が死ぬのですから』
 最先鋒で突入した猟兵を撃退し、なおも健在を示すデストロイ・ウォーマシン、スティールエッジ018。
 その傲慢な言葉こそ、彼らがデストロイマシン――戦闘への恐怖心を封殺し、理性と引き換えに絶対の強者へと己を固定するための呪縛に戒められている証左にほかならない。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。火力まさに素晴らしき。命令聞くだけ生、楽なりかな。されど己の意思は無し。この戦場にて散る定めなり。汝の破滅はここにあり」
 守護者より放たれる光線の嵐を、宇宙要塞から引き剥がした建材ででっち上げたシールドで受けながら前進する重厚なその機体は、頭脳を縛られた彼を憐れむように唄う。
 如何に強力な武装を有していようと、如何に優れた戦術を行使できようと、その尽くが猟兵の、解放軍の上を行こうと。
 己の確固たる意思無くして戦場に立つものに待ち受けるのは、破滅しかないのだ。
 ビードットの巨体と、彼が次々に構築する盾を遮蔽に取り前進するのは、PPP開発室より出撃した猟兵達。
 徹底した役割分担のもと、防御に徹し戦線を押し上げるビードットに随伴する形で彼らは圧倒的な射程から一方的に火力を投射してくるデストロイ・ウォーマシンをその攻撃圏内に収めることに成功した。
 ビードットに負担の集中する戦術だが、戦場にたどり着けないのでは意味がない。そして、彼ら彼女らがもっとも安全かつ確実に接敵する最善の策がそれであった。
「お疲れ様ね、ビードット」
 フィーナが未だに盾として装甲を構え、敵の猛烈な砲撃に耐える勇敢な仲間に労いをかける。
「否。此れは漸く交戦開始に至ったまで。此れより戦闘を開始せん」
 彼の言う通り、まだ猟兵たちは接敵しただけに過ぎない。此処からあの強力な敵を撃破し、戦域を突破する――至難とも思える作戦を強行し、要塞外縁で奮闘する味方を一刻も早く要塞砲の脅威から解放する。それを成して初めて、猟兵たちは勝利したと言えるのだ。
「帝国の強大な兵器、これは滾るなあ!」
「そうね、歯ごたえのありそうなのが出てきたわね! 食べごたえは無さそうだけど!」
 イデアールとフィーナは気楽に、努めていつもどおりに軽口を叩く。赤いし殻が付いてるし、案外カニみたいな味がするかもしれんぞ、と言われれば、フィーナは一瞬カニを見る目でデストロイ・ウォーマシンを見て頭を振る。
「なるほど、作戦は了解した。ポジションはクラッシャーで」
 今の会話の何処に作戦会議が挟まったのか、デストロイ・ウォーマシンはおろか猟兵達の誰もわからないまま、夜姫の声を合図に三人の猟兵はビードットの守護から飛び出していく。
「先攻いくよ。では、ふぁいやー」
 気の抜けた掛け声とともに、夜姫の纏う砲台が真紅の装甲を穿つ。だが、
『――損傷軽微。装甲表面に若干の焼損、戦闘継続に支障はありません』
「効いてないっ……!?」
 装甲の表面を僅かに焦がした程度の損害に、夜姫は戦慄する。決して手を抜いた攻撃ではない。だというのに、それほどにこの機体の装甲は強固なのか。
「でも、連続で受ければいつかは――」
 破れるはず。さらなる追撃のために砲撃姿勢を取った夜姫の視界が不意に暗くなる。
 僅か一瞬のうちに彼我の距離を零に詰めたデストロイ・ウォーマシンの巨体が落とす影が、小柄な少女を覆い隠したのだ。
『――まずは一つ、処理します』
 ぐぱ、と大きく開いた装甲から伸びるアームと、その先端から展開されるフォースセイバーの光。
「えっ――?」
「まずい、間に合わんぞ! フィーナ!!」
「――任せなさい、ほら、役に立つ時よ! さっさと夜姫を助けなさいよ!!」
 突然迫る死に対応しきれない夜姫を、強力な攻撃魔法を練り上げるために手を離すことの出来ないイデアールは助けることが出来ない。だが、それを予期していた者もいる。
 フィーナだ。敢えて攻撃に回らず、有事に備えて構えていた彼女が呼び出した眷属――蝙蝠の姿をした炎の群れが、デストロイ・ウォーマシンの頭部センサーとフォースセイバーを発するアームに集中攻撃を仕掛ける。
『――光学、熱源センサに異常発生。なるほど、これが報告にあった"魔法"、異なる法則に基づくエネルギー兵器……!』
 デストロイ・ウォーマシンは――スティールエッジ018は、彼は魔法を知らない。先の大戦の後、此処に至るまでこのエンペラーズマインドを守護し続けた機械兵士にとって、異世界のルールに従って発生する現象はまだ「報告の中の出来事」でしかない。
 その電脳が魔法を理解するまでの僅かなタイミングが、猟兵たちにとっての勝利の鍵となりうる。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり!」
 攻撃を仕掛ける瞬間にフィーナの魔法攻撃を受け、たたらを踏んだデストロイ・ウォーマシンにビードットが激突する。
 巨大な鋼鉄同士が衝突し、轟音と火花を散らして双方が吹き飛ぶ。
「……今だな! さあ、我が魔力の偉大さを見せてやる! 光栄に思えよ!」
 ビードットの体当たりでよろめいた真紅の守護機へと、飛翔するイデアールからすべての準備を整えた万全の攻撃が――
 およそ考えうるあらゆる属性、手段の魔法を用いた飽和攻撃が押し寄せる。
 風の刃が装甲を斬りつけ、聖なる光が機体を焼き、闇の球体が鋼鉄を刳り、炎が、氷が、石礫が、巨大な機体を覆い尽くす。
「さっきはよくも。ふぁいやー、二回目!」
「今までの鬱憤晴らしよ、近づくまでよくも一方的に撃ちまくってくれたわね!!」
「いと容易に吹き飛べり。詰まりし使命が軽き証拠なり」
 その猛烈な面制圧に呼応して、夜姫の砲撃が、フィーナの爆炎魔法が、ビードットのミサイル斉射が真紅の巨体を焼き尽くす。
 もうもうと立ち込める土煙は、それこそ対要塞レベルの大火力を叩き込まれ、周辺地形が破壊された証拠だろう。
「やったか!? やったな!! 鉄屑に成り果てたか、アーッハッハッハ!!」
「そうね、流石にこれだけ撃ち込めば粉々になったはずよ!」
「……汝の破滅を見たり」
「それフラグじゃ……」
 四者四様に警戒しながらも、確かな手応えを感じたのもまた事実。如何にオブリビオン、強力な古代兵器といえどもあれだけの集中火力投射を受けて無事であろうはずがない。
 その認識は正解であり、そして間違っていた。
『――機体中破。任務継続は困難ですが、私達には敗北も降伏もありません』
『――存在するのは、勝利か死か。スティールエッジ018、私達がまだ存在しているならば、勝利の余地は在るのです』
『――否定。銀河帝国ある限り、私達に在るのは勝利のみ――ユーベルアナライザー・プログラム、現象"魔法"解析終了、再現術式展開……』
『――一切、殺戮』
 立ち込める土煙を切り裂いて、閃光が、暗黒が、炎が、氷が、岩塊が、真空の刃が、爆発が砲撃が弾頭が猟兵たちに襲いかかる。
 装甲の随所をひび割れさせ、火花を散らしながらもまだ活動し続ける紅の守護機。それは、通常であれば機能停止して然るべきダメージを受けて尚も稼働しているようにすら見える。
 猟兵たちの反応は素早かった。誰一人として、言葉通りに油断していた者は居なかった。
 すぐさまビードットが維持していた遮蔽に飛び込み、撃ち返される反撃から身を護る。装甲板がみるみるうちに砕けていくが、嵐のごとく吹き付ける猛攻に、それを飛び出して逃げる先などなかった。
 まして、反撃など。猟兵たちは装甲板が完全に砕けるその直前、グリモアベースへと帰還する。
 敵に痛撃を与えるも、撃破には至らず。だが、それを責めるものも悔いるものも居なかった。
 銀河帝国の強力な機体に相対し、ただの一人も欠けることなく生還した。それだけで、最大級の戦果なのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

クリスティーヌ・エスポワール
古の超兵器……私達でやれるかしら?
いえ、あの足、躯体の割に細い?
それなら!

「レギオン、密集陣形!私も支援するわ。では攻撃開始!」(キーボードを高速で叩く)
戦闘機械の内、75体を密集陣形に編成
【早業】で一気に間合いに踏み込ませて、敵へ攻め込むわ
私自身も小型増幅器「エギュイーユ」で攻撃し【2回攻撃】相当の手数を確保
【空中戦】をやらせて撹乱し、攻撃を積み重ねるわ

一方、残り15体は、私も含めた【時間稼ぎ】で密かに敵死角へ移動
【破壊工作】で、足元から敵の足を折りに行くわ!
「小兵なのが有利なこともある……それが今よ!高速振動剣、対物ドリル、工作用バーナー、全て出しなさい!あいつを跪かせて!」

アドリブ歓迎よ


チトセ・シロガネ
【WIZ】
プログラム勝負ならこの電子の精霊のボクに任せてヨ。
ユーベルアナライザーを無力化してみせるヨ。
連携とかは自由にどうぞネ。ボクをうまく使ってヨ!

まずは【見切り】【第六感】でUC発動時を狙って【光輝障壁】をぶつけてコイツを解析させるネ。
その間に相手の戦闘プログラムに【ハッキング】、
アクセスに成功したら【光輝障壁】の解析情報を逆手に取ってプログラムを破壊していくヨ。
速さが重要ヨ、【早業】で行くネ。
これでしばらくはユーベルアナライザーは使えないはずヨ!

プログラムを復帰させているようだけどもう遅いネ。
ボクのデータで自分のプログラムを壊すといいヨ。


メイスン・ドットハック
【SPD】
かなり凶悪なウォーマシンのようじゃのー
難易度は高そうじゃけど、やるしかなさそうじゃのー

全力砲撃は、ユーベルコード「木を隠すなら森の中」で分厚い遮蔽物を作りだし、それに隠れてやり過ごす
その遮蔽物はある程度破壊されると、攻撃方向に機械類を腐食させる酸の霧を発生させる
ある程度、行動が鈍ったりしてくれればOK

その間に電脳魔術でハッキング&ジャミング&ウィルス攻撃を仕掛けて、内部から行動阻害と行動権限を奪う(ハッキング、破壊工作、鍵開け、暗号作成)
仲間の攻撃の隙を作るのに専念

コアマシン対策は接触すると爆発する自身が作りだせる最大のミサイルを複製
ルームに入ってぶっぱなして大爆発を起こさせる




 二度の猟兵による攻撃を受け、デストロイ・ウォーマシンは決して少なくないダメージを受けている。
 突破の好機はこの時を置いて他になく、しかしかの機体が起動したユーベルアナライザー・プログラムは猟兵たちの猛攻を押し返す新たな壁として、コアマシンルームの前に立ち塞がる。
 これをなんとかせねば、与えたダメージはそのまま猟兵たちに跳ね返される。よしんばデストロイ・ウォーマシンを撃破したとして、反撃で攻撃隊が全滅しては意味がない。猟兵たちの目的はあの赤い鬼神を斃すことだけでなく、その後要塞のコアマシンを破壊することにあるのだ。
 仮に相打ちとなり攻撃隊が全滅し、再編された部隊が再度突入したとして。オブリビオンであるあの機体が、再び無傷の姿でそこに待ち受けていないという保証はない。
 何より――
「そろそろ時間が無さそうじゃのー」
 要塞外縁に展開する艦隊に被害が出始めた、と解放軍の通信を傍受したメイスンが呟く。
 要塞砲の攻撃を封じるため限界まで攻勢に出ている解放軍艦隊がもし大損害を受け崩壊すれば、このエンペラーズマインド要塞より先への進撃は不可能となる。
 そしてそうなれば、本国で再編された無尽蔵の帝国軍艦隊の前に、電撃戦の優位を失い疲弊した解放軍は太刀打ち出来ないだろう。よって、あまり攻略に時間を掛けてはいられない。
「速さが重要、ということネ」
「こちらも再攻撃の準備は完了したわ。いつでも陽動を掛けられる」
 得意分野ヨ、と頷くチトセと、損耗したエレクトロレギオンを補充、再編するクリスティーヌ。
 電子戦を得意とする猟兵によって、敵のユーベルアナライザーを一時的に封印する。そのために出撃した三人は、クリスティーヌのエレクトロレギオン部隊による陽動とチトセの撹乱、そしてメイスンが構築した頑健な防御陣地によってひとまず敵に接近することには成功したものの、その強大な火力の前に防戦に徹さざるを得なかった。
 デストロイ・ウォーマシンが拠点防衛に集中し、定点での砲撃に徹して積極的に進出しての白兵戦を仕掛けてこないことだけが救いではあったが、陣地に釘付けにされては時間は敵に利するばかり。
「……というわけでも、ないんじゃけどのー」
 幾度目かのミサイルの雨が打ち付け、陣地の壁を打ち砕く。
 そして、赤い巨影が再び三人の前に姿を現すと同時、メイスンの罠がその巨体を襲った。
 砕かれた壁の内側から漏れ出した酸性の霧がデストロイ・ウォーマシンの機体に纏わりつき、その鋼の躯体を錆びつかせる。
『――これは。いえ、所詮小手先の技ですね、私達にとってこの程度の腐食など障害になりはしません』
 僅かに動きを鈍らせた敵機は、しかし錆びを強引に動くことで磨り潰し、削ぎ落とすことで無理矢理に機動性を取り戻す。
「でも、その一瞬があれば十分ヨ!」
 飛び出した白い影はチトセ。さらなる攻撃のため、大型ブラスターを構えるデストロイ・ウォーマシンに彼女の放つ白い障壁が激突する。
 その壁はブラスターの銃口を跳ね上げ、メイスン達を狙う対艦クラスの光線を天井へと逸らした。さらに、障壁はそのまま真紅の機械兵士を透過してその向こうへと消えてゆく。
「なるほどネ、あとは解析が終わるまで――」
「私が支援するわ! レギオン、密集陣形! 攻撃開始!」
 時間を稼げ。その意図を把握したクリスティーヌ麾下の戦闘機械が集結し、姿勢を崩したデストロイ・ウォーマシンへと火力を集中投射ながら取り付いてゆく。
『――不快ですね、纏わりつかれるのも、この程度の屑鉄で私達を倒せるという思い上がりも』
 瞬時に体勢を整えたデストロイ・ウォーマシンは、フォースセイバーを振るって小型機械を切り払い、振り落としていく。
 その猛烈な暴れぶりにたまらずチトセとクリスティーヌも距離を取るが、その時クリスティーヌは見た。
「あの脚……躯体の割に細い?」
 基礎フレームの構造自体は、デストロイ・ウォーマシンもバトルドロイドをはじめとした帝国軍に広く見られる自律機械と共通しているのだとしたら。
 それは、バトルドロイド以上に重武装を施し、トップヘビーとなったあの赤い機体にとってウィークポイントとなりうるのではないだろうか。
 小型のサイキック増幅器エギュイーユで増幅したサイコキネシスと、猛反撃を生き延びた小型機械による攻撃で注意を惹きながら、クリスティーヌは前もって別で確保しておいた小型機械の一隊を目覚めさせる。
『――抵抗は無意味です。銀河帝国に恭順し、死を受け入れなさい』
 ブラスターが光るたび、密集陣形がえぐり取られていく。
 その殲滅速度はクリスティーヌの想定をすら上回っていた。これでは目覚めさせた予備部隊が投入されるまで、揺動が続かない。これがデストロイマシンを起動させたものの性能というものか。
 ついに小型機械を全滅させたデストロイ・ウォーマシンが眼前に立つ。万事休すに身構えるクリスティーヌ。
「ビンゴ! ふふン、最速で解析完了したヨ!」
「それじゃあ一つ、僕らの仕事といくかのー」
 ここまでか、と脳裏に姉の姿が想起されたその刹那、チトセとメイスンの声が朗々と響く。
『――ぐがっ、が、ぎぎ、抵抗、てて抵抗は無意味――意味意味、帝国……』
 そして今まさにクリスティーヌを撃ち抜かんとしていたデストロイ・ウォーマシンが、不気味に痙攣しながら後ずさる。
「ハッキング成功じゃのー、長くは保たんけど行動権限を奪ってやったんじゃ」
 あらゆる動作に制限を掛け、復帰するまで無防備を晒させることに成功したと笑うメイスン。
「ついでにユーベルアナライザーもぶっ壊してやったヨ! 必死に修復してるみたいだけど、もう遅いネ」
 ボクのデータで、自分を壊すといいヨ。障壁を用いて解析した制御プログラムにハックを仕掛けたチトセが、デストロイ・ウォーマシンに彼自身の言葉を借りて言い放つ。――抵抗は無意味だ、と。
 とはいえ、一時的な捕縛だ。無視してコアマシンルームに侵攻するほどの時間は稼げない。だから、この一瞬の好機を――
「猟兵を無力な小兵と侮ったわね。小兵なのが有利なこともある……それが今よ! 高速振動剣、対物ドリル、工作用バーナー、全て出しなさい! あいつを跪かせて!」
 クリスティーヌの潜ませた別働隊が、あらゆる破壊手段でもってデストロイ・ウォーマシンの脚部を集中攻撃する。
 その意図を掴んで、チトセもフォースセイバーを振るい同じ箇所を斬りつけ、メイスンも掌握した制御系を操り脚部に負荷が掛かるように無理な姿勢を強要する。
『――がが、無意味…………無、抵抗、貴方達は、死……!』
 ばきん、と小気味良い断裂音とともにデストロイ・ウォーマシンの片脚が砕けた。
 と、同時にメイスンが撤収じゃ、と呟く。
『――ユーベルアナライザー、再インストール。アンチマギ・コードは喪失しましたが、貴方達に"魔法"対策は無用と判断します』
『――侵入者に対して逆侵入を開始します。成功。全ての機器に自壊プロトコルを注入開始、完了まで8,333333秒……』
 再び蘇ったデストロイ・ウォーマシンが、三人の装備にクラッキングを仕掛ける。侵入者のコードを解析し、逆に侵入し返して電子の毒を送り込まれるその直前に猟兵たちは撤退する。
 もしあのまま留まっていたならば――それを考える必要はない。
 敵のユーベルアナライザーの学習データを破壊し、脚部すら奪った。それは電脳工兵の戦果としては、上々のさらに上を行くものなのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リダン・ムグルエギ
【GOATia】の友達とのピクニックに来たわ
宇宙要塞の内装を撮影しつつ道を行くの
「あのピカピカな掲示板とかキレイよねー
あ、道中で防弾改造服を作って仲間へ配るわ

マシン戦は遠近感の狂う催眠模様付きの壁や柱の遮蔽物を大量に生み出し支援するわ
クシナちゃんの爆破が効果的になるよう壁の配置も考えて
「来るわ、皆壁の後ろへ!
地形破壊属性のない砲撃なら少しは防げるかしら

消音効果付カーペットを敷いて暗殺系仲間も支援
下に罠を仕込むのもいいわね

「トリガーを引いたわ!動きを最小限に!
敵の様子を観察しつつ仲間を応援・撮影
合間に葉巻から毒煙を送って攻撃しましょ

コアへは容量全部使った超重い金属をぶつけるわ
形状は…エビフライ?


ナミル・タグイール
【GOATia】
古代兵器ってなんだかお宝感ある響きデスにゃ。
でも金ピカじゃないならいらないにゃ!破壊にゃー!
・行動
リダンが出してくれる遮蔽物に身を隠しながら接近
デストロイトリガーを使ってる感じならゆっくりこっそり近づくにゃ。怖いにゃー。
チャンスがあれば壁もクラッシャーして奇襲にゃー!
近づけたら【呪詛】を纏った斧で【グラウンドクラッシャー】たいむにゃー!
どっかーんにゃー!
武器を壊しまくって皆も近づけるようにしたいにゃ。
はいてくろぼでも呪詛までは解析できないはずにゃ!バグれにゃー!

コアにはフルパワーで【グラウンドクラッシャー】
呪詛も増し増しどっかんにゃ
ぶっこわすデスにゃー!


クシナ・イリオム
【GOATia】
アドリブ、絡み歓迎
…こんな感じのピクニックムードのまま終戦まで持ち込めるといいよね。
後を楽にするために頑張ろっか。

まあ、私は正面から切った張ったする質じゃないし、
魔法罠即席設計で相手の周りに爆発物でも設置しようかな?
クリムゾンバーストを撃つと誘爆してダメージを受けるように仕向けるよ。
近接組の巻き込み対策はリダンに投げる。

コアマシン近くには長居しないで済むよう、
魔法罠即席設計で自爆ドローンを作ってそれの上に乗って高速突入しようと思う。
威力が欲しいからサイズは可能な限り大きく。
ウィザード・ミサイルを打てるだけ打ちながら特攻するから、アレクサンドラ達は衝突寸前のところで回収お願いね。




 猟兵達が波状攻撃でもってデストロイ・ウォーマシンと死闘を繰り広げているまさにその頃、リダンをはじめとしたGOATiaの面々はリダン手製の揃いの防弾服に身を包み、和気藹々とルートを確保された要塞内を進んでいた。
 銀河帝国の軍事機密そのものである宇宙要塞の内部をまるで観光ツアーを楽しむように歩く。こんな機会でもなければ見ることはないところであろうし、ルートが確保されたことで帝国軍の抵抗がないのもその"ピクニック"気分に拍車をかける。
「古代兵器ってなんだかお宝感ある響きデスにゃ」
 豪奢な彫刻が施された黄金の装甲、なんだかよくわからない宝玉からのビーム。ナミルの脳裏に浮かぶ古代兵器は、どちらかと言えばアルダワやアックス&ウィザーズの領分であろう。
 しかし、夢見るのは自由。この先に待ち受けるデストロイ・ウォーマシンが果たしてどんな兵器なのかと期待に胸を膨らませる彼女の足取りは軽い。
「……こんな感じのピクニックムードのまま終戦まで持ち込めるといいよね」
 そう上手くは行かないだろうけど。すっかり楽しげに施設内を撮影して回るリダンと、取らぬ狸の皮算用ならぬ取らぬ古代兵器の装甲算用で黄金に埋もれる自身を想像して笑うナミルを呆れたように、しかしぴくりとも変わらぬ無表情で見遣って、クシナはひらりと二人の間を飛んだ。
 無論、三人はただのんびりと観光をしているわけではない。
 先を行く電子戦部隊が敵の凶悪なユーベルアナライザーを無力化、ないし弱体化させるまで接近禁止を言い渡され、戦闘領域のギリギリ外側で待機しているのだ。
 彼らが任務達成、または撤退したと報せが入れば、即座にGOATiaも突入して交戦を開始する手筈になっている。
「あら、あのピカピカの掲示板とかキレイね」
 とはいうものの、連絡がない。流石に焦れ、あるいはもう決着がつき電子戦部隊がコアマシンルーム攻略まで為したのか、とすら思い始めたその時、リダンがカメラを向けた掲示板――ディスプレイモニターの表示が切り替わる。
 ――作戦成功、敵に打撃を与えるも撃破には至らず撤退。
先行した仲間たちからの伝言だ。この分だと、彼らは違わず役目を果たしたらしい。
「なら、アタシたちの出番ってわけね」
 頷き合い、GOATiaの面々は駆け出した。

『――左脚部に損壊、歩行性能73%低下。機動戦闘は困難ですか』
 コアマシンルームに至る隔壁に背を預け、かろうじて立っているデストロイ・ウォーマシン、スティールエッジ018。
 彼は自らの受けた深手を冷静に確かめ、しかしそれを軽んじてみせる。
『――私達の任務は、この広大なエンペラーズマインドのほんの一部、この小さな隔壁一枚を守護すること』
『――そこに、もはや脚部の必要性はありません。私達は此処で、愚かにも迫る猟兵を撃退し続ければいい』
 展開した無数のブラスターが一斉に火を噴き、放たれた光線が遥か通路の先へと奔る。

「来るわ! 皆壁の後ろへ!」
 全力で駆け抜けるGOATiaの面々は、リダンの合図で停止し、彼女の後ろに集まった。
 すぐさまリダンの作り出した壁や柱が通路を塞ぎ、同時に着弾した光線の嵐で砕けていく。
「この距離から先制攻撃なんて、思った以上にとんでもない敵みたいだね」
「まっすぐ走ってたらやられちゃいマスにゃ、リダンの壁に隠れながらゆっくりこそこそ近づくにゃ」
 こわいにゃー、と生えた側から破壊される防壁の影で肩を竦めるナミルにそうね、と頷いて、リダンは少しずつ壁の生成位置を前へ前へとずらしながら牛歩で接近してゆく。
「急がば回れ、って言うものね。でも、多分敵はリダンたちに集中しているはず……だよね」
 砕けど砕けど再生する巨大な壁がにじり寄ってくれば、否応なく意識はそちらに向くものだ。そしてその壁を作り出しているのがあのリダンであるならば、それがただの石や鉄の板切れであるはずがない。
 外の状況が決して楽観視できるものでない以上、どこかで強攻を仕掛ける必要がある。そのリスクは小さくはないが、壁に彼女の得意とする仕掛けが施されているならある程度は勝ちの目もあるだろう。
 試しに顔を出してみるクシナだが、デストロイ・ウォーマシンの射撃は壁に集中している。時折砕けた壁の欠片が飛んでくるが、ビーム自体が彼女を狙うことはない。
 暫く頭を出しては引っ込め、それから全身で壁の外に飛び出す小さなフェアリーは、ふと足元がカーペットで覆われていることに気付く。無機質な軍事施設に不釣り合いな柔らかく、そして独特の幾何学模様を織り込まれたそれは、リダンの作品だろう。
 身を隠す壁だけでなく、音を殺す術すら先んじて用意する彼女の先見に、クシナは頼もしいな、と無表情のまま微笑み真紅の守護者に忍び寄る。
 一方のナミルもまた、リダンの障壁を頼みに身を守りながらデストロイ・ウォーマシンへと接近していた。
「なんだ、金ピカじゃないならいらないにゃ。破壊にゃー!」
 壁の影から覗き見たデストロイ・ウォーマシンの姿は期待していた絢爛豪華なアーティファクトではなく、無骨な機動兵器でしかない。欲しいものを手に入れるためには手段を選ばないナミルだが、欲しくもないものは至極冷徹に切り捨てる。デストロイ・ウォーマシンの巨体をスクラップに変えるのにどれほどの躊躇いが必要だろうか。
 そして、二人を守りながら自らも着実に前進するリダンは、"作品"の完成を迎えたことで一転攻勢へと移る。
 壁に、柱に、床に敷き詰められたカーペットに刻まれた文様は、それ単体でも敵の視界から距離感を奪う。
 だが、その文様が、全体で一つの意味を持つように刻まれていたならば?
 ――その一見してただ敵の攻撃を防ぐため乱雑に立てられたように見える壁が、実は全て意味のある配置を持っていたとしたら?

『――エラー、光学センサーロスト。赤外線センサーロスト、レーザー、レーダー探知共にロスト。私達は現在、電子的、光学的に盲目状態にあると判断します。何故?』
『――推論。現象"魔法"ないし類似の手段による非破壊攻撃の可能性。対策案は』
『――周囲一帯全てへの飽和攻撃』
 リダンの策で耳目を失い混乱状態に陥ったスティールエッジ018は、すぐさま打開策を打ち立てる。
 見えないならば、後ろ以外の全てを吹き飛ばせばいい。敵が何処にいるかわからないならば、面制圧で一切を抹殺せよ。
 要塞への損害は、コアマシンさえ無事ならば無視できるのだから――と。
 無数の大型ブラスターが、ミサイルランチャーが、あらゆる銃砲が一斉に照準なき全力斉射の準備を終え――
 そして、足元からの爆発に巻き込まれて暴発した。
「私は正面から切った張ったする質じゃないし、こういう手で攻めさせてもらったよ」
 魔法触媒による爆発物の敷設。小さなフェアリーであるクシナは、巨大なスティールエッジ018がリダンの術中で視野を失ったその隙に、彼の足元に罠を仕掛けたのだ。それが攻撃に連動して爆破された。
 砲身を損壊し、煙を吐きながら傾ぐスティールエッジ。そこに、爆風を遮った壁を打ち砕いて飛びかかる影。
「どっかーんにゃー!!」
 妖しい呪詛が刻まれた黄金の斧を振りかぶり、大上段からスティールエッジめがけて叩き落とすナミル。
 破損した武装がメキメキと砕け、真紅のボディから脱落していく。
 だけではない。呪詛がスティールエッジの思考を蝕み、そのデストロイマシンに正体不明のバグを産み落とす。
 それすなわち。
『――――定義不能、理解不能、猟兵の戦闘力は帝国軍の試算を遥かに上回るものです』
『――――ありえない。あり得るはずがない。ドクター・オロチ総監が、ディアブロ様が、アンヘル様が』
『――――皇帝陛下が違えるはずがないのだから。ならば、何故? 何故あなたたちは……』
 デストロイマシンを持たない、恐怖に支配されるべき存在が、何故こうも戦えるのか。
 何故、圧倒的強者たる銀河帝国に此処まで立ち向かえるのか。
 白騎士ディアブロならば、その答えを知っているのかもしれない。だが、今の私達にはそれが理解できない。
 ――――理解できないことが、理解できない存在である猟兵が怖い。
『――――――ああ、あああ、ああああああ! あああああああああああああ!!』
『――――――私達はデストロイ・ウォーマシン。一切を殺戮する帝国の剣です!!』
『――――――恐怖など! デストロイマシンを持つ私達に、そのような軟弱な思考など!!』
 それを自覚してしまったスティールエッジ018は狂乱し、フレームの到るところからフォースセイバーを振りかざし出鱈目に振り回して猟兵たちに抵抗する。
 それまでの冷静で冷徹な殺戮機械のそれではなく、死に際に怯える獣の抵抗のように乱雑なそれは、単純な物量で猟兵達を圧倒した。
「うっ……なんて暴れっぷりよ……!」
「まるで駄々っ子のちびっこデスにゃぁ……」
「でも、あのパワーとスピードじゃあもう近寄れないよ」
 スティールエッジ018のデストロイ・ウォーマシンとしての寄る辺を破壊したGOATiaは、彼から効率的な反撃の術を奪い取った。
 だが同時に、狂乱状態に陥った彼を強行突破するだけの攻撃力を彼女たちは持たない。
「退くしかない、か……」
 機械仕掛けの手負いの獣をその場に残し、次に来る猟兵に勝利を託して、GOATiaの面々は苦渋の撤退を選ぶのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

蝶ヶ崎・羊
厄介なウイルスを作ったものですね…

デストロイ・ウォーマシン戦では鎌鼬で【二回攻撃】して隙が出来れば逃さずに【全力魔法】、ユーベルコードを打ち込みます
単体、POWの攻撃は【見切り】
全体、SPD、WIZの攻撃はC・Cで【武器受け】します

コアにはユーベルコードを使用
コアに向かって天から光を落とし破壊を試みます


ユーノ・ディエール
連携アドリブ可

デストロイ・ウォーマシン……相手に不足は無いですね
総員での突撃を敢行する為には
確実に相手の動きを封じねば

先ずは情報を集めて動きを覚えます
一切殺戮モードに切替ったら
ドローンやミサイルで牽制しながら
速度を調整して私も動き回りつつ
効果が切れるタイミングを見計らいます
一度で叩ける相手じゃありません
情報は即時共有し皆の戦術に役立てば

敵の攻撃は装備で増幅した念動力で逸らしつつ
ナノスキンジェルの硬度を最大にして可能な限り耐え
相手が止まる一点、恐らく敵のモード切替タイミング迄に
全エネルギーを砲戦モードのクルセイダーに集束
虹輝宿星で吹き飛ばしてやります!

この世界を開放する為に……過去は海へ、還れ!


アララギ・イチイ
※複数ユーベルコード使用がMS的に不可なら弾いて下さい

転送前に以下の行動実行ぉ

【UC:召喚・ドッペルゲンガ―】を使用よぉ

装備品の砲機関部と動力炉を【全力魔法】の応用で最大稼動で魔力を作り、自分に直結させて強制的に魔力をチャージを開始、【UC:集束砲撃】を使用するわぁ
【捨て身の一撃】で100%以上の過充填状態まで限界チャージねぇ
更に【UC:射術・強化砲撃】で強化リングを展開、集束砲撃を強化よぉ
上記の行動は分身体も同じ行動よぉ

転送後に過充填状態の集束砲撃を分身体と一緒に発砲よぉ
【捨て身の一撃】だから口くらい(分身体はもっと酷い)は射撃の影響で焼け落ちるじゃないかしらぁ?
攻撃後は即座に転移かしらねぇ


アイシス・リデル
敵が倒されるまで待ってから、こっそりコアマシンルームに入る、ね
ずるいかも知れないけど……うん。やらなきゃ、って思ったの
わたしには毒耐性があるから、他の猟兵の人たちより長くコアマシンルームにいられる……筈だから

充満するオロチウィルスを、わざと体内に取り込む……「毒を食べる」、よ
わたしが知ってる毒なんかよりずっと強い筈だから、きっと、苦しいと思う
だからこそね、やるの
毒が多ければ多い程、強ければ強い程、わたしもおっきく、つよくなれるから
もう死んじゃう、ってぎりぎりまで頑張って取り込む、よ

きっと、その頃には何も考えられなくなってると思う
けど、うん。そこまで行けば充分
あとは、思いっきり攻撃するだけ、だよ


ユナ・アンダーソン
全力で行きます!
でも私は非力だから……
誰かを長く戦えるようにした方が良いかもしれない

優しさ11、手をつなぐ11、激痛耐性6、鼓舞12を用いて傷奪う星痕を使用
あなたの傷を私にちょうだい?

さぁ、私を見ろ!
コミュ力11、言いくるめ6、誘惑6、おびき寄せ5でデストロイウォーマシンの視線を私のユーベルコードに向ける
ユーベルアナライザーを使われたら
私のユーベルコードを使う?
でもね、それは自分を癒やすことは出来ないの
自分の傷を奪っても意味はないから……ごめんね?
……今です!

火炎耐性3、電撃耐性2、武器受け3、第六感5で敵の攻撃を予測し防御

毒耐性3だから少しは保つはず

アドリブで他の方との絡み歓迎




『――あああああああああ! あああ! あああああああああああああッ!!』
『――私達は、私は、一切を殺戮する!!』
『――そうだ、殺す、殺せばいい……殺し尽くせば、"理解できないものなど無かった"のです!』
 失った足を引きずりながら、全身到るところから生えた腕にフォースセイバーを掲げながら藻掻くデストロイ・ウォーマシン、スティールエッジ018。
 その姿は哀れですらある。恐怖を知らず、殺戮兵器として君臨し、数多の戦士を殺してオブリビオンと化し――
 そして、今。彼は初めて恐怖を得た。オブリビオンに成り果てて漸く、そうならなかったウォーマシンたちと同じ基準で物事を考えられる領域へとたどり着いた。たどり着いてしまった。
 皇帝に仕え、ただ只管に殺し続けるオブリビオン、デストロイ・ウォーマシンとしての彼と、
 恐怖を知り、デストロイマシンを克服した今を生きるウォーマシンの心へと片手を掛けた彼。
 ふたつの価値基準がぶつかり合い、せめぎあい、スティールエッジ018という機体を破壊する。

「哀れね……でも、貴方を倒さなければ戦いは終わらない。非力な私だけど……全力で行きます!」
 その姿を憐れむユナが。
「ああなっちゃったなら、せめて一思いに終わらせてあげるのが情けよねぇ」
 もうひとりの自分に武装の動力炉を直結させ、最大火力を放つ準備を整えるアララギが。
「風の神よ、彼の魂に安らぎを与え給え」
 敵でなければ、オブリビオンでさえなければ。彼もまたウォーマシンとして生きられたのだろうかと物想う羊が。
「けれど、彼はこの世界の解放を阻む敵です。骸の海に還さなければいけない」
 そして、同胞の想いを背負いこの戦いに全力を向けるユーノが。
 猟兵たちは皆、それぞれに狂ってしまった強敵へと武器を向ける。

 がしゃがしゃと金属片やパーツを振り落としながら、恐怖の具現である猟兵を殺戮するべく這い寄るスティールエッジ018。
「急かされたおかげでチャージが間に合わなかったよねぇ」
 グリモアベースで射撃準備を終え、転移と同時に全力射撃を行うつもりだったアララギだが、解放軍艦隊がいよいよ危険に陥るかもしれないとあってはその時間を得られなかった。
 ドッペルゲンガーを呼び出し、もうひとりの自分に装備を持たせるまではよかったが、そこから先の魔力砲のチャージが終わっていない。
 その状態で接敵されるのは少し不味い。それを察して、羊が前に出る。
「時間稼ぎくらいならばオレ一人でもできるでしょう。何秒稼げばいいですか?」
 3分、いや1分とアララギが告げる間にも、スティールエッジ018は既に目と鼻の先まで肉薄している。
 片足を失い、地を這っていてもこの速度か。羊は僅かな緊張を殺して、鎌鼬の銃撃をその装甲の隙間を縫うように放つ。
 一撃でだめなら二撃、それでだめならさらにもう一撃――幾重にも重ねて撃たれた真空の刃が、スティールエッジの巨体を弾き返す。
 しかしそれでも彼は止まらない。恐怖を押しつぶすまでは、安心を得るまでは止まれない。
 鎌鼬ではもはや押し留められないと見た羊がジャッジメント・クルセイドの光をぶつけても尚、その歩みは止まることを知らない。
『――ユーベルアナライザー! その攻撃は理解しました、理解できる、ならば恐れる必要など!!』
 そのまま撃ち返された光を紙一重で躱した羊は、しかしその隙に防衛線を抜かれてしまう。
「……アララギさん!」
 振り返り叫ぶ羊。だが、間に合わない。アララギのチャージは終わっておらず、そして二人がかりの砲撃体勢に入った彼女は逃げられない。
「させませんッ!」
 アララギにフォースセイバーを振りかぶるスティールエッジの背中にミサイルを叩きつけて駆け抜けるスタークルセイダー。その機上で、ユーノはスティールエッジに叫ぶ。
「貴方の相手は私です! 来なさい、デストロイ・ウォーマシン!」
『――機動戦力……脅威度、高……! 脅威度が高いものは殺さなければならない、殺さなければ……!』
 本来のデストロイ・ウォーマシンであれば、アララギをより危険と判断して優先的に叩いたはずだ。
 だが恐慌に陥った今の彼には、その電脳がはじき出した脅威度の順に猟兵達を処理することしか考えられない。
 クルセイダーに追いつくほどの速度で這い、腕からも異音を響かせ部品を脱落させていくスティールエッジが、時折残存するブラスターやミサイルをクルセイダーに撃ち込む。
 だがそれをユーノは念動力で逸し、あるいは羊が鎌鼬の銃撃で撃ち落として命中させない。
 情報を集め、共有し、より安全に効率的に攻め落とそうと考えていた彼女は、そこで気付く。
「今の彼には、行動の一貫性がない……」
 銃撃も直接狙ってきたかと思えば、回避を誘発させ本命の射線に誘導するような小技を使う。
 かと思えば、その本命が来ないこともある。わざわざ追い込んでおいて、これ見よがしに予備動作を伴ってセイバーを振り下ろすこともあった。
 完全に戦術的な思考を喪失している。これは好機であり、そして危険な状況でもあった。
 デストロイ・ウォーマシンの脅威だった点は、デストロイマシンによる恐怖の鈍化によりいついかなる時も冷静に正確な戦術行動を行うところにあった。それが崩壊したのは、一つ猟兵に優位な点だ。
 だが一方で、戦術的な思考は対抗できるかは別問題として、系統立っているために予測しやすい。
 情報収集が十全であれば、より容易に敵を御することができた。それが、今のスティールエッジには通用しない。
「行動の予測がつかない分、厄介さが増しましたね……!」
 今も唐突にユーノを諦め、羊に飛びかかっていったスティールエッジに彼のジャッジメント・クルセイドが直撃した。その一撃で動きが止まったタイミングを狙って、ユーノの――クリスタリアンの秘められたエネルギーを解き放つ、七色の光の渦が放たれる。
 前後からの強力なユーベルコードの挟撃を受け、よろめくスティールエッジ。
 そこで、アララギの準備が整った。
 分身体と本体、二人のドラゴニアンによる超過充填魔力砲。ふたつの顎門から放たれた閃光が、スティールエッジのボロボロに朽ちた真紅の装甲を融かしてゆく。
 同時に、アララギの顎もまた自らの攻撃の負荷で焼けてゆく。頬が爛れ、舌が焦げ、先に限界を迎えた分身が消滅して尚アララギは砲撃をやめはしない。
 下顎が頭蓋から脱落するかと思うほど、それほどまでに限界寸前まで放った砲撃が、漸く装甲を貫きスティールエッジの背骨に似たフレームを撃ち抜いた。
 ――悪いけど、先に撤収するわねぇ。
 捨て身の一撃と引き換えに、自らの深手を負ったアララギがグリモアベースへと回収されていく。

『――私達は、私は、銀河帝国の……皇帝陛下の勝利のために、猟兵を排除……』
『――これは断じて恐怖などというものでは……そんな感情を私達は有さない……』
 上半身と下半身つなぐフレームを撃ち砕かれ、なおも息のあるスティールエッジ018。
 その眼前に、ユナが立つ。
 ユナだけではない。羊も、ユーノも。少なからず傷を負った猟兵達が支え合いながら、朽ち逝く守護機の前へと。
「恐怖を認める強さがなかった、それが貴方の敗因よ」
 ユナは仲間たちの手を取り、その傷を奪い去る。羊の、ユーノの肌から傷が消え、ユナの同じ位置に傷が浮かんでいく。
「恐怖を感じることが弱さ、それは確かにその通りだわ」
 でも。
「ヒトは、今を生きるウォーマシンたちもきっと、その弱さを認めて上手く付き合っているんです」
 ユーノが呟く。
「ええ。怖いのならば、誰かと共に。助け合い、補い合ってオレたちは戦っているのですよ」
 羊もまた、スティールエッジへと言葉をかける。
 恐怖に対して、たった独りで立ち向かってしまった。時としてその勇気が必要なときもある。
 けれど、それだってその場に居なくとも、誰かの想いが共になければすぐに折れてしまう脆いもの。
『――私達は、私は貴方達より理解しました……』
『――恐怖という感情と共存することで、ヒトは強さを得た……私達とは異なる進化を遂げた強さを』
『――私は、』
 私は、それを破壊しなければならない。皇帝陛下を脅かすやもしれない、この危険な強さを知る者たちを。
『――ユーベルアナライザー、ドライブ。回復術式を解析再現、修復を開始…………ッ!?』
 ユナの回復術を模倣し、失われた武装を、下半身や脚部を再生していくスティールエッジ。
 しかし、再び結合した側から破損部位が砕け、傷は癒えることがない。
「私のユーベルコードを使ったのね。でもね、それは自分を癒すことはできないの。それは傷を奪う力だから――」
『――あ、ああ……あああ、あああっ……皇帝陛下、弱い私をお許しください……! 恐怖などという感情を得てしまった私を…………』
 天を仰ぎ、銀河皇帝に許しを請いながら――
 スティールエッジ018は、猟兵たちのトドメを受けて破壊された。
「さあ、あとはコアマシンの破壊ね」
 隔壁を開くべく、操作盤を弄るユナと、全力のユーベルコードを放つべくその前で待機するユーノと羊。
 その背後で、スティールエッジの亡骸が不意に爆発する。
 ――死ぬのは恐ろしい。恐ろしいが、何も為せず死ぬのはなお恐ろしい。
 ――だからこそ、私は死して猟兵を道連れにしよう。
 スティールエッジの最後の遺志が、機能停止してもなお動き続けるようプログラムされた自爆システムが、背後から猟兵達を襲った。
 ゆっくりと隔壁が開いてゆく。強毒性のオロチウィルスが流れ出てくるが、傷を負った猟兵たちにもはやその中に踏み込む余力はありはしない。
 猟兵たちはここで斃れ、いずれ恐怖を知る前のスティールエッジ018が骸の海より蘇る。
 そして解放軍は要塞攻略に失敗し、この宇宙から駆逐される――はずだった。
 だが、スティールエッジは一つのイレギュラーが紛れ込んでいたことを、その存在を知らなかった。

「敵がたおされるまでかくれてたの。ずるいかもしれないけど……やらなきゃって、おもったの」
 傷を負った猟兵たちの間を進み出て、猛毒の中に飛び込んでいく小さな影。
 それが通ったあとには、流れ出た筈のオロチウィルスが消えてゆく。
「こ、れは……?」
 自らを蝕む毒が抜けていることに気づき、羊は鎌鼬を再び握りしめて立ち上がる。
「毒が……消えて――いえ、吸い込まれていく……」
 ユーノはその毒が、現れた影へと吸い込まれるように流れていくことに気づいた。
「アイシス、ちゃん……」
 ユナは、その影が――顔を見知った少女であると気づいて、その名を呼ぶ。
「わたしは毒につよいから。ほかのみんなよりずっと長く、ここにいられる筈だから」
 振り返り、大丈夫だよと笑う幼い少女。彼女がオロチウィルスを一身に引き受けてくれる。
 彼女が経験したどんな毒より強く、悪意に満ちたそれを、小さなその身で受け入れて。非生物すら殺す毒だ、苦しくないはずが、痛くないはずがないのに、幼い少女が独りでそれに立ち向かう。
 誰かがやらなければならないから。誰かがやらなければ、誰もを守ることができないからだ。
 毒を吸い込み、その身を肥大させていくアイシス。きっとそう長くは保たないだろう。
 ユナは痛む身体に鞭打って、二人の仲間のもとに駆け寄る。
 スティールエッジの自爆で負ったその傷を奪い、自らに瀕死の傷を受けてまで後を託すユナ。
 その想いを受け取って、羊とユーノは持てる全力をコアマシンに放つ。
 同時に、限界を迎えたアイシスもまた、全力の一撃をコアマシンに叩き込み――


 猟兵たちは、その攻撃の結果を見届ける前にグリモア猟兵の手で帰還する。
 ボロボロで帰り着いたグリモアベースで、先に戻った仲間たちと健闘を称え合い――そして、自分たちのチームは見事に作戦目標を成し遂げたことを知らされて歓喜するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト