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今日の勝利の女神はあたしだけとタンデムる

#キマイラフューチャー #【Q】 #戦後 #キング・ブレイン #トンチキシナリオ #MSコメに追記有(今回は申し訳ありませんでした……!

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#キマイラフューチャー
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#【Q】
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#キング・ブレイン
#トンチキシナリオ
#MSコメに追記有(今回は申し訳ありませんでした……!


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●君の愛車が!
「えー、今日集まってもらったのはもちろん、他でもない「はお予知のことでな」

 地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)は自らのグリモアが入り込み、予知の内容が書き込まれる白紙の本を開きながら語る。

「ほら、前にキマイラフューチャーの古代バーチャル遺跡で、ドン・フリーダムのCGが引き起こそうとした事件があったろ?」

 結果としてバーチャルキャラクターが人外の姿にもなれるようになっただけで事が済んだかの事件。ドン・フリーダムのCGを撃破することはできたものの、何故か一緒にいたキング・ブレインを撃破することまでは敵わずに終わったのは記憶にそう古くはないだろう。

「最終的にキング・ブレインはテレポート機能付きの自転車……えーと奴曰く『ブレインバイシクル1号』だったかな。それで逃げてったワケなんだが、こいつがどえらく厄介モノなのはわかるよな?」

 とんでもねえ自転車で超高速で逃げていくので、これに追いつけない限りキング・ブレインの撃破は不可能なのである。
 故に、その対策を行わねばならないワケだ。
 そこで凌牙は予知に伴い、キマイラたちの協力を得てあるものを用意してもらったという。

「つーワケで、自転車コース作ったからそれで全力で漕ぎ倒してキング・ブレインに追いつく特訓として模擬レースを行うぞ!!」

 何で??????????????????????
 全猟兵が一斉に凌牙に視線を向けた。
 ついにトンチキすぎるあまりツッコミの一言入れるどころかぶっ壊れてボケに走ったか?とすら思っている。
 もちろんそうくるのは凌牙も察しており、みなまで言うなとばかりに首を横に振る。

「すまんがこればっかりは変えられねえ。予知でチャリ特訓を示唆されたんでな……あ、自転車はキマイラたちが「自分たちがオーダーメイドします!!」ってめっちゃ気合入ってるから、自前で用意しなくていいぜ」

 途端に全員が察した顔をした。
 予知でチャリ特訓しろ言われているならそれはもうしょうがないね……と言わざるを得ない。
 ついでにオーダーメイドの自転車を作ってもらえるというのはちょっと嬉しい気もする。

「で、だ。模擬レースを行うと実際に力がつくだけじゃなくて――レースに自分も混ぜろと言わんばかりにキング・ブレイン本人がやってくる」

 何で?と言いたくなるがデビルキングワールドの『4thKING』と言われる悪魔であるならまあ、そういうのを見たら混ざろうとするのはわからなくもない。
 猟兵たちの中でのデビルキングワールドは、恐らくだいたいそんなイメージがあるからであろう(?)

「でもだからってそこでレースを中断しちゃダメだぜ。キング・ブレインはレースを全力で楽しみにきたって感じだから、レースを中断したらしょんぼりして帰って行きやがる」

 子供か!と言いたくなるような自体であるが、とどのつまり特訓でレースするついでにやってきたキング・ブレインを撃退し、『ブレインバイシクル1号』の力を削いでいく……これが今回猟兵たちに任せたい任務だという。任務か???

「そこで、だ。デビキン出身のキング・ブレインが参加せずにはいられない!みたいな要素を加えたレースをしたらより確実にやってくるだろうと思ったんでな。

 ――特別ルールとして、「二人乗り」を認めるものとする!!」

 二人乗り。
 それは交通違反にも定められている禁断の乗車法――そしてそれはデビルキングワールドの者からすれば誰もが憧れる「悪」の一つ。
 それをすればキング・ブレインは尚更デビルキングワールドの『4thKING』として参戦せざるを得ない使命感を固めることだろう、という思惑だそうで。

「二人乗りの相手に関してはキマイラたちに頼めば喜んでしてくれるだろうし、ユーベルコードなりで分身呼ぶとか召喚するとか、何でもアリだ。あくまで「認める」だから別に普通に乗って漕いでもいいぜ。どうするかは各自で自由に決めてくれな」

 というワケで、二人乗りアリのトンチキ極まる自転車レースの幕が上がることになったのであった……。


御巫咲絢
 ブ――――――レブレブレブレ!!このシナリオはトンチキシナリオですぞ!!
 キング・ブレインがデビキン出身と聞いてありとあらゆるものが腑に落ちた音がしたMSです。
 こんにちはこんばんはあるいはおはようございます、初めましての方は初めまして御巫咲絢です。
 シナリオ閲覧ありがとうございます!御巫のシナリオが初めての方はMSページもお目通し頂けると幸いです。
 尚、オーバーロードが実装されましたが採用基準に一切変化はございませんのでご安心ください。

 せっかくキンブレがデビキン出身なら、デビキンっぽい要素を入れて釣りたいですよね?
 そんなトンチキ発想から生まれましたチャリンコレースでございます。
 何でもありです。ホントに。なんでもありです!
 レースに関しましては地形に関してはご希望の地形がありましたらプレイングにお書きくださいませ。
 二人乗りについてももちろん"絶対ではありません"!一人で勢いよく漕いでもよし、【オルタナティブダブル】等のユベコで何かしら召喚してもよし、愛犬や愛猫等大事な相棒がいたらそれを後ろに乗せてもよし、何でもアリです。

 ただし、『必ず自転車に乗ってください』。キャバリア等への搭乗は禁止です (【リモート・レプリカント】等で操作を並行しながら自転車を漕ぐ、とかはOKです)。
 2章突入時、完結時にそれぞれ順位を記載させて頂く運びとなっております。順位に関しましては判定とは別にダイスで決める予定です。

●プレイングについて
 ちょっと長めに期間を開けさせて頂きまして、『10/11(月)8:31』より受付を開始致します。
 期間前にご投函頂きましたものは一度失効を以てご返却し、ご再送頂きましたら執筆させて頂く所存です。
 オーバーロードの方に関しましては期間前からの受付でも大丈夫ですが、執筆順に関しては失効の関係で非オーバーロードの方を優先して執筆する都合、お返しが遅くなりますことをご了承ください。

 それでは皆様のご自由なチャリプレイングをお待ち致しております!
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第1章 冒険 『白熱の自転車レース!』

POW   :    力の限り漕ぎまくり、スタミナに任せて前を走る

SPD   :    前半は体力を温存し、ここぞのタイミングで一気に仕掛ける

WIZ   :    対戦相手を利用したコース取りを行い、風の抵抗を避ける

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リダン・ムグルエギ
アドリブ歓迎
今回【GOATia】のかとーくんとある目的のために参加したわ
それは…ダイエット!
…力尽きたときに交代できるよう
後ろ側からも漕げる構造の自転車、お願い!

あ、ウチの企業も協賛するし、撮影や広告掲示していーい?
後、名前にスーパーとスゲーも追加しましょ

というわけで、序盤はアタシが全力疾走!
【POW】で前を…前を…ひぃーっ!
アタシは出来る、アタシは前に進め…か、緩急って何?!
かとーくん、ちょっと休憩して良い?

この鬼ー!

防具改造した動きやすいウェアを着て
セルフ暗示催眠術をかけつつ
全力でこぎ続けるわ
力尽きたら糸が切れたみたいにガクッとなりそう

って、ギャー?!
ウィリーされたら飛び起きるわね、きっと


加藤・光廣
【GOATia】リダンさんと

リダンさんをシゴき……もとい、目的を果たしてもらうため参加するぜ
リダンさんと俺がタンデムるのに似合う派手な奴にしてもらおうか
具体的には約1680万色に光ったりとかよ
名付けて「ハイパーウルトラストロングサイクロンジェットハイパーウルトラマシーン」だ!
序盤はリダンさんに任せつつ後ろから挑発するように大声で色んな言葉で驚かせてみたり不意に声掛けするぜ
全力出してもらいつつも緩急はつけねーとなあ
あーん?
なんて言ったか俺の耳には届かねーなー(とぼける)

後半はヤベーだろうから、咄嗟に俺が代わるぜ
落車すんのもされるのも困るからよ
俺がダッシュ掛けたらウィリーとかしちまうかもなあ



●GOATia’s Boot Cump
 ごくり、とリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)は唾を飲み込んだ。
 ここまできたからにはもう後戻りできない。
 彼女は自分でも自信を持って言える程に運動神経も体力も人並み以下であり、そんな彼女が自転車を全力で漕ぎ続けるのは非常に酷なことであろう。
 だがそれでも彼女は参加を決めた。何故なら――

「(そろそろちゃんと真面目に運動しなきゃ……弱音を吐きまくってでも……痩せなきゃ……っっ!!)」

 そう、ある日ふと鏡を見てみたらいつもより何か横に広がっているような気がして、恐る恐るちょっとお腹を摘んでみた時の絶望感。
 それを二度と味わわない為……彼女は今日、全てを投げ売ってでも――という勢い、あくまで勢いです――ダイエットを成功させる気概でここにきたのである。女性について回る永遠の問題を撃退するという唯一にして無二の目的だ。

 その為に知人である加藤・光廣(飢狼・f06416)にシゴいt……げふんげふん、協力してもらうことになり、まずはキマイラたちに自転車を作ってもらうべく工房を訪れた。
 キマイラフューチャーにおいて猟兵というものは一種のアイドルやヒーロー的な存在なので、彼女らのオーダーメイドができるなんて!!とやる気に満ちあふれていた。
 ましてや、ファッションブランド【GOATia】のデザイナー兼業界支店長という名が広く知られている有名人からのオーダーなのだから尚更である。

「猟兵さん、しかも【GOATia】のリダンさんがた直々のお頼みとあらばなーんでもお作りしますよー!!どんなデザインがいいですか!!」
「……力尽きた時に交代できるよう後ろ側からも漕げる構造の自転車、お願い!」
「それとリダンさんと俺がタンデムるのに似合う派手な奴にしてもらおうか。具体的には1680万色に光ったりとかよ」
「おおっいいですね!!1680万色と言わず10億7300万色に光らせたりできますけどどうします?」
「いいじゃねえか!それで頼むぜ。いいよなリダンさん?」
「もちろんよ。あ、ウチの企業も協賛するし、撮影や広告掲示していーい?」
「どうぞどうぞ!」

 と、そんな感じで作成は滞りなく進みまして10億7300万色に発光するゲーミング二人乗り自転車がこうして作られたのである。

「名付けて、「ハイパーウルトラストロングサイクロンジェットハイパーウルトラマシーン」だ!」
「スーパーとスゲーも追加しましょ」
「よし、なら改めて「スーパーハイパーウルトラストロングサイクロンジェットハイパースゲーウルトラマシーン」だ!」
「完璧ね!ゲーミングカラーも相まってハイスペック感半端ないわ!!」

 他にもっといいネーミングはあるのではないだろうか?
 そうリダンと光廣にツッコミを入れる者は残念ながらいなかった。まあでもこれぐらいのノリが良いだろう、何たってキマフュだからね。

「よーしリダンさん覚悟はいいな?俺のシg……もとい、特訓はハードだぜ?」
「も、もちろん!そうでもしなきゃ長年の運動不足は解消できないもの……ええ、やってやるわ、やってやりますとも……!!」

 気合十分に動きやすいウェアに着替え、リダンはいざハンドルを握りペダルに足をかける。

「大丈夫、アタシはできる……アタシはできる……っ!ダイエットに成功できる……っ」

 光廣に見張られ、もとい見守られながらも自分に言い聞かせ、なけなしの脚力全部を振り絞ってペダルを踏み込むリダン。
 スーパーハイパーウルトラストロングサイクロンジェットハイパースゲーウルトラマシーンのペダルは、カロリーをより多く燃焼できるよう比較的従来の自転車よりはペダルが重めに作られてある。
 その為、必要とされる脚力は総じて高めであり、今まで運動していなかった女性がいきなり全力疾走しようとしても、思っている程の速度はそう簡単に出るものではない。
 が、それで甘やかしてはダイエットではないので光廣が後ろから煽りを入れた。

「おーい、スピード出てないぜー」
「わ、わかってるわよ!スピードのひとつやふたつ私にだって出せるんだから、そう、アタシは出せる、アタシはいける、前を……前を……」
「わ゛――――――――!!!!」
「ひぃ―――――――っ!?!?!?」

 段々順調に滑り出そうとしたところでいきなりの大声にビビって足が止まる!

「おいおいリダンさん足止まっちゃダメじゃねえか。こういうのも受けながらも全力で漕ぐ!OK?」
「急に大声出されたらびっくりして足止まるに決まってるじゃないのよぉーッ!!」
「いやーそれで止まったらダイエットなんて夢のまた夢だろ。ほら頑張れ頑張れ。全力出してもらいつつ緩急はつけねーとなあ?」
「か、緩急って何!?!?」

 そんな感じで光廣があれやこれやちょっかいをかける中、リダンは己の身に鞭打って全力でペダルを漕ぐ。
 序盤は至って普通のストレートな一本道、そこから結構急なカーブが待ち受けているのでいい感じに速度を緩めつつも全力は維持し、ぜーはーと息を切らしながらもリダンはとにかく前に進む。
全ては理想的な素晴らしい体型を手に入れる為に。

「アタシは出来る、アタシは前に進め、アタシは出来る、アタシは前に進め……っ」
「緩急足りてねーぞリダンさーん」
「だから緩急って何?!?!」

 さっきカーブ曲がる時に緩急つけたからそれだと思われる。

「ほらここ坂だから全力で漕がねえと後ろに下がってくぞほら力んで力んで!」
「ひぃ、ひぃ……っ!!」

 例えるなら山の上の高校は校門の眼の前がそれなりに坂道だったりするが、現在進んでいる坂も大凡それぐらいの斜面である。
 が、運動不足にとっては坂というただそれだけで非常に難所となるのである。いやマジでしんどいんですよ校門の前の坂って。ホントだよ。
 ひーこらひーこらいいながらリダンは坂道を漕いで登っていくが、その進みは段々と緩慢になっていき……ついにペダルから足が離れた。

「かとーくん、ちょっと休憩していい……?」

 と、リダンは頼んでみるが光廣は「ん???」と言いたげな笑みを浮かべる。ただそれだけである。

「今何か言ったか?」
「いやあの、ちょっと休憩……」
「あーん?なんて言ったか俺の耳には届かねーなー」
「この鬼―!!!!」

 ダイエットの道のりはまだ始まったばかりなのでしょうがない。元からハードであると言っているし。
 ここで甘やかすワケにはいかないと、光廣も心を鬼にしているのかもしれないしそうでないのかもしれない。真相は彼のみぞ知る。
 涙目になりそうな気分になりながらも引き続きリダンはペダルを漕ぎ始めた。

「アタシは出来る、アタシは前に進め、アタシは出来る、アタシは前に進め、アタシは出来る、アタシは前に進め……ッッ」

 セルフ暗示催眠術で自分を誤魔化しながらウェアをさらに動きやすくその場で改造してリダンの持てる全力を振り絞って進むスーパーハイパーウルトラストロングサイクロンジェットハイパースゲーウルトラマシーン。
 (恐らく)光廣にとっては大したことないが、リダンにとっては地獄のような坂はなんとか無事乗り越えることができた。
 だが、またしても。目の前には坂があった……!!

「よーしリダンさんその調子だぞー、どんどん登ってけー」
「アタシは出来る、アタシは前に進め、アタシは出来る、アタシは前に進め……」

 リダンが猟兵でなければ心臓破りの丘になっていたであろうそれを、彼女はセルフ暗示催眠術のパワーで乗り越えようと再びペダルを漕ぎ出した、が……

「出来る進め出来る進め出来る進めできぐっ」

 何てこったい、最早呪文を通り越して呪詛になりかけてすらないか?と言わんばかりに暗示をぼそぼそ繰り返していたら舌を噛んでしまった!!
 ずしんと鉛のように重くなる足、ぼやける視界、これまでの疲労がどっと一気に襲いかかってきたリダンはがくっと糸の切れた人形が如く力尽きる。今にも口から魂が飛び出しそうだ。

「おっと」

 そこをすかさず光廣がカバー、リダンがハンドルを離してしまわない用に支えた上で運転手交代である。
 落車するのもされるのも困るので、決してどうスーパーハイパーウルトラストロングサイクロン(以下略)を乗り回しても彼女が落ちないような体勢を整えた上でペダルを勢いよく踏み込んだ。
 リダンに取ってはかなり重いペダルであるが、光廣はそれを軽々とキコキコキコキコと素早く漕いでいく。これが体力の違いという奴か。
 坂ではあるが、勢いをつけて漕ぐと風が心地良くあっという間に昇り切って今度は下り坂、迷うことなく光廣は思い切りペダルを踏み込みさらにスピードをかけた。
 下り坂でスピードを出せばそれは当然先程よりも勢い良く風をその身に浴びる。

「う、うん……?」

 その涼やか(?)な風に当てられたリダンのまぶたがぴくりと動き、ゆっくりと目を開けたと同時に――

「いやっほう!!」
「ぎゃ――――――――――っ?!?!?」

 勢いよく下り坂を折りきった光廣が派手にウィリーを決め、断末魔のようなリダンの悲鳴が響き渡る。
 こんなのを目の当たりにしたら目が覚めないワケがなく、リダンは必死にハンドルを握りしめてとにかく振り落とされないようにしがみつくので必死なのであった……

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

馬飼家・ヤング
※アドリブトンチキ超展開大歓迎!


あのキンちゃんと自転車レースやて?
何かめっちゃおもろいことになりそうやん?

しっかし、テレビウムサイズのチャリやとちっさ過ぎて、ちとレースには不向きやなあ
それに二人乗り認めるゆーたかて、彼女イナイ歴=年齢のわいには……

せや、こんな時こそユベコの出番!
ナニワのオバチャーン、いらっしゃ~い♪

召喚した「美熟女戦士スーパーオカン」は
バーゲンの争奪戦を勝ち抜く戦闘能力と
戦利品をしこたま積んだチャリをフルパワーで漕ぐ脚力が自慢!

そしてオバチャンのサイズに合わせた特製ママチャリ
名付けて「激安1号」!

ほなわいは後部座席に乗って、と
オバチャn……いやオネーサン、頼んだでー!



●ちっちゃいおっちゃんと美熟女戦士
「あのキンちゃんと自転車レースやて?」

 ぴこーん!馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)のバカウケレーダーが面白い気配を察知した。
 キンちゃん、まあ説明するまでもなくキング・ブレインのことであり、迷宮災厄戦からまあそれは愉快な姿をたくさん見せてくれた奴が自転車レースに出るとなると――

「何かめっちゃおもろいことになりそうやん?」

 まずオウガ・フォーミュラが自転車を全力で漕いで疾走するという光景が既に面白いので、そこに猟兵が加わればそれはもうカオスでトンチキ爆笑間違いなしの展開が待ち受けていることであろう。
 参加しないワケにはいかないと決意したはいいが、ここでヤングおじちゃんには一つ問題があった。

「……しっかし、テレビウムサイズのチャリやとちっさ過ぎてちとレースには不向きやなあ……」

 そう、テレビウムという種族は他の種族と比べてそれはそれはとても小さい種族であるのだ。
 流石に人間の6分の1程の身長であるフェアリーよりは大きいがそれでも人間の4分の1程のちっこい妖精種族、それがテレビウムである。
 さらにもう一つ問題として、相乗りしてくれる知人にぱっと心当たりがないというのも大きな問題であった……いやグリモア猟兵は認めるってだけで二人乗り必ずしろとは言っていないのだが二人乗りの方が面白そうじゃん?
 バカウケを狙う者としてはウケる方向でレースを進めるのは当然のことなので、余計に悩んでいるというワケである。

「彼女イナイ歴=年齢のわいには――あ、せや。こんな時こそユベコの出番や!」

 がさごそと懐を探して取り出したのは一枚のクーポン。
 ただのクーポンでは?と思って侮るなかれ、これはUDCアースの日本円にして200万円相当もする程おの高級品、その名も【全世界共通お買い物クーポン】!!
 各世界の通貨は共通して日本円で●円相当です、といったものは存在しないが、200万円相当もあればよっぽどじゃない限り大体の世界で共通するだろうという量のゴリ押し極まるクーポンである。
 これをヤングおじちゃんは盛大に天高く放り投げ――

「ナニワのオバチャーン、いらっしゃ~い♪」

 瞬間、天高く登る光の柱。その中から虹色の演出をして現れるのは何か、やったらファンシーな割烹着に身を包んだ大凡4,50代の女性。

「愛と正義の!割烹着美熟女戦士!ス――――パ―――――オカン!!」

 大分ギリギリ感極まる前口上と共に姿を表した美熟女戦士スーパーオカン。
 ただのおばちゃんと思って侮るなかれ、バーゲンの争奪戦を勝ち抜く戦闘能力、そして勝ち抜いて手にした戦利品をこれでもかとしこたま積み込んだチャリを全速力で漕ぎ切る程の脚力を秘めた歴戦の戦士なのだ!!
 彼女に自転車を漕いでもらって、自分はその後ろに乗ればそれだけで絵になること間違いなし。多分。きっと。そう。めいびー。

「ちゅーワケでこのオバチャ――」

 ギロリ。スーパーオカンの眼圧がヤングを貫く。

「……オネーサンのサイズに合わせた特性ママチャリ頼むで~」
「かっしこまり~~!!!」

 目の前でいきなりファンシーな割烹着を纏った美熟女戦士なんてものが現れてもキマイラたちは全く臆することなくスーパーオカンの要望を聞いて自転車を作り上げた。強い。
 キマフュだからこれぐらいのことは日常茶飯事であるということだろう。
 そうして出来上がった特性ママチャリ、名付けて「激安1号」は浪花のおばちゃんが大喜びなこと間違いなしのどれだけ戦利品を積み込んでも崩れぬバランス、そして収納スペースを持ったまさに特注品のママチャリだ。
 後ろの籠という荷物置き……否、後部座席にヤングおじちゃんが乗り込み、スーパーオカンが運転手となる。これぞおっちゃんおばちゃんのタンデムである。何か新喜劇でありそう。

「ほなオバチャn……いやオネーサン、頼んだでー!」
「任しとけ!道頓堀に向かって駆け抜けるでェ――――!!!」

 キマイラフューチャーに道頓堀なんてあるのだろうかとか色々ツッコミたいことは山程あるが、こうして無事スタートを切った二人。
 それはもうまさに、バーゲンセールに向かうオバチャンの如きとんでもないスピードで坂だろうが何だろうが駆け抜けていくとんでもねえ流星の如き速さであった。
 いやー、おばちゃんのパワーってすごいっすね!!

成功 🔵​🔵​🔴​

乱獅子・梓
【不死蝶】
アポヘルの戦争でバイクやバギーに乗って
レイダーたちとバトルを繰り広げたことはあったが
今回はチャリンコレースなのか…
何だろう、敵は強大なはずなのにこのスケールの小ささは…

まぁせめて自転車だけでも格好良くしてテンション上げよう
ドラゴンの装飾が施された最高にイケてる自転車をオーダー!
綾はどんな自転車にしたんだ?
…待て、何で俺の自転車の後ろに乗っているんだお前??
お前と二人乗りしろと!?
……そ、そこまで言われたら仕方ないな(チョロい

グッ、成人男性一人乗せて漕ぐのは普通にキツい…!!
UC発動、風属性のドラゴンを5体ほど召喚
後ろから思いっきり羽ばたいて風を起こしてもらう
追い風でスピードアップだ!


灰神楽・綾
【不死蝶】
最高に…イケてる…??
梓がオーダーメイド注文した自転車をまじまじと眺める
ドラゴンの羽根や角や尻尾みたいな部品が生えていたり
至る所に電飾が付いててギラギラしていたり
何だかヤンキーが乗っていそうなデコチャリ
デビルなあの世界ならウケるかもしれないね…

まぁ贅沢は言っちゃいけないね
よいしょっと、梓の自転車の後ろの部分に横乗り
ほら、今日だけは二人乗りも認められているし?
こんな最高に格好良い自転車を
最高に格好良く乗りこなす梓の勇姿
是非とも一番近くで見てみたいなぁ~~(棒

ほら、がんばれ、がんばれとエールを送る
スピードアップしたら梓の背中にしがみついてみたり
うーん、ちょっとアオハルっぽい



●坂を下る二人乗りの学生が如く
「何だろう、この……敵は強大なはずなのにこのスケールの小ささは……」

 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は首を傾げた。
 一応、仮にもオウガ・フォーミュラという強大な相手を想定した場であるのにいかんせんスケールがミニマムである。
 前回のアポカリプス・ランページにおいてバイクやバギーにノリ、レイダーたちとバトルを繰り広げたその後にチャリンコレースなもんだからそのミニマムさが余計である。

「まあ何ていうか、キング・ブレインらしさはあるよねー」

 と相変わらずの笑顔を浮かべる灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)。
 確かにデビルキングワールド出身ということを踏まえると妙に納得できてしまうスケールの小ささである。
 何か悪の組織を名乗っているにしてはやたら礼儀正しかったり何か憎めないところがあるなと思ったら……となった猟兵は決して少なくないだろう。

「まあ、せめて自転車だけでも格好良くしてテンション上げよう……」

 というワケで早速キマイラたちに自転車をオーダー。かっしこまりー!!とテンション上がったキマイラたちによりあっという間に組み立てられたのは。

「ご注文の自転車でーす!こちらでよろしいですか!」
「おお!最高にイケてる自転車だな!!完璧じゃないか!!」
「最高に……イケてる……??」

 梓が嬉々として受け取ったのはドラゴンの羽根や角、しっぽを模した装飾が生えるように取り付けられた上、至るところに電飾がついてギラギラ光るドラゴンバイシクル。
 これが彼の思うカッコよくイケてる自転車なのだろうか……?自転車をまじまじと見つめながら綾は首を傾げた。

「(何だかヤンキーが乗っていそうなデコチャリ……デビルなあの世界ならウケるかもしれないね……)」
「綾、何か言ったか?」
「え、何も?」

 まあ、贅沢は言っちゃいけないかと綾は敢えて口にせず心の中で呟くだけに留め、早速梓が乗り込んだドラゴンバイシクルの後ろの荷台に綾は腰を下ろす。
 えっ、と梓は声を上げるが綾はにこっと笑っている。

「……待て、何で俺の自転車の後ろに乗っているんだ」
「ほら、今日だけは二人乗りも認められているし?」
「お前と二人乗りしろと!?」

 どんな自転車にしたのか聞こうと思ったらまさかタンデムするつもりできていたとは……という心境の梓である。
 最近自分が言おうと思ったことを言う前に先回りされることが多くなったようななっていないような……まあそれだけより絆が深くなってるんだろうと前向きに捉えることにした。
 実際そうだと思います。

「せっかくの機会だし、こんなに最高にカッコいい自転車を、最っ高にカッコよく乗りこなす梓の勇姿、是非とも一番近くで見てみたいなあ~~」

 にこやかな表情の綾による感情が籠っているのかいないのかわからない微妙で絶妙な棒読み。うっ、声を上げながらと綾の(ある意味で)純粋な眼差しを受けた梓は――

「……そ、そこまで言われたら仕方ないな……今日だけだぞ」

 ――気合を入れてハンドルを握った。
ちょろい。あまりにもちょろい。
 自分が誘導したからとはいえこのあまりにものちょろさ、自分の相棒は大丈夫だろうかと綾は訝しんだ。


「ぐっ……ふ、普通にキツい……!!」

 しかしいざスタートを切ると思った以上に成人男性を乗せての二人乗りはペダルのまあ重いこと重いこと。
 バランスが崩れたりとかはないのだが、予想以上にスピードが出ない。のろっのろである。

「ほら頑張れ頑張れー」
「ぐ、ぬぬぬ……っ」

 綾の応援を受けながらも必死にペダルを漕ぐ梓であるが、やはり自力だけではスピードが全く出ない。これではビリッケツ待ったなしである――いや、キング・ブレインをおびき寄せて倒すという目的の為だけに参加したのなら別にビリでも良いのだが。
 でもせっかくなら、成績は良い方が嬉しいじゃないですか?
 というかそもそもの問題としてこのままではレースの相手としてキング・ブレインにみなされるかも若干怪しい範疇だ。

「こうなったら……"集え、そして思うが侭に舞え"っ!!」

 梓は十八番のユーベルコード【竜飛鳳舞(レイジングドラゴニアン)】を発動!
 風属性を象徴するような綺麗な翠緑の鱗を持ったドラゴンが5匹程現れた。

「よし、頼むぞお前たち!」

 ぐる、と頷くような鳴き声の後ドラゴン5匹。
その大きな翼でうちわのようにばっさばっさと羽ばたけば風が発生する。
 5匹分のドラゴンの羽ばたきによる追い風となれば成人男子二人が乗った自転車をブーストさせるなどお茶の子さいさい。
 先程までののろのろとしたスピードが嘘かのように加速、綾が背中にしがみついても全く気にならないペダルの軽さで梓はどんどん前へ進んでいく――!

「うーん、ちょっとアオハルっぽい」
「ん!?何か言ったか?」
「大したことは言ってないよー」

 後ろから追い風、前からも心地よい風に包まれて。
 ほんのちょっとだけ青春時代真っ盛りの少年少女の気分になれた、ような気がした綾であった。
 不死蝶コンビが駆るドラゴンバイシクルは文字通り竜の加護(追い風)を受けて前へ前へと進んでいく……

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
『1号』と付けるからには『2号』以降も有るのですかねぇ?
見てみたい気もしますぅ。

とは言え、体型上体重が重め、且つ重心の高い体型は、自転車競技には向いておりませんし、ここは『安定性と馬力重視』の自転車をお願いしますぅ。
そして【伎偶】を発動、『自転車競技』を専門とする『従者』を召喚しますねぇ。

メインが『特訓』ですから、基本的には『従者』に後ろに乗ってもらいコーチングをお願いしますぅ。
『体型由来の問題』以外の『身体能力』は然程問題は無く、専門家による指導が有れば上達は比較的早いでしょう。
後は、『FMS』のバリアを前方に『衝角状』に展開し、空気抵抗を減らして速度を上げる方法も?



●るこるの自転車操縦RTA
「……『1号』と付けるからには『2号』以降もあるのですかねぇ?」

 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はふとした疑問を口にした。
 悪の組織と言えば1号2号3号と用意しているのがテンプレートなので、きっとキング・ブレインも軽く4号ぐらいは用意してそうな気もしなくもない。

「見てみたい気もしますぅ」

 大体にして悪の組織のシリーズモノ機械は実に細やかなデザインの違い等が施されているので結構見ていて楽しかったりするので気持ちは非常にわかる。
 なので、その為にも自転車レースへの参戦を決めたのだがここでるこるには一つ問題があった。
 それは彼女を知っている者なら言わずもがなわかることだが、体格である。
 体型の都合上体重が重めかつ重心が高いと、自転車競技にはどうしても向いていないのだ。
 故にキマイラたちに受注するとなれば望む要素はたったひとつ。

「どんなのにしますかー?」
「安定性と馬力重視の自転車をお願いしますぅ」
「かしこまりでーす!ついでに胸が押さえつけられて痛くないようにもしておきますねー」
「まあ、それは。お気遣いありがとうございますぅ」

 この時、るこるの自転車を担当したのは偶然にも彼女程ではないとはいえ中々に豊満な体型のキマイラであった。故に彼女の苦労を察したのであろう……
 そうしてできあがった特注自転車はハンドル部分から下、丁度胸が当たる辺りに柔軟性と弾力性のあるガードが取り付けられて当たっても全く痛くない作りになっていた。
 胸のサイズを前提として作ってしまった場合ハンドルに手が届かなくなる場合がある為、こうしたのだろうと思われる。制作担当曰くガードは撥水性も備えている為急な雨に見舞われても大丈夫らしい。

「細やかなお心遣いが感じ取れますねぇ。ありがたく使わせて頂きますぅ」

 これでるこるの体型という問題をクリアした自転車は用意された。次は『特訓』あるのみである。

「"大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、大いなる技術を操りし女神の従者よ、私の元へ”――」

 ユーベルコード【豊乳女神の加護・伎偶(レンタツノニナイテ)】で召喚するはるこるが使える豊饒の女神の従者。

「コーチング、お願いしますぅ」
『――』

 きっとるこるにだけ聞こえる声で答えたのだろう、女神の従者は軽くお辞儀をしてるこると共に自転車へ。
 従者に後ろに乗ってもらい、運転技術面を指導してもらえば体型由来の問題を除いた身体能力に問題がないならば上達速度も比較的速いだろう。
 
 最初からスピードを出すことを念頭におくのではなく、体型の問題があっても問題なくバランスを保ち乗りこなすこと。そしてその次はスピードだ。
 というワケでまずは形から。自転車にまたがる時は必ず左側から乗り、ハンドルを握って前方を見るようにして地面に視線が向かないようにして、次にいきなりペダルを漕ぐのではなく、両足を地につけて蹴りながらバランス感覚を鍛える。
 ある程度強く蹴った方がバランスを取りやすいので、両足で力を入れて蹴る。前に動き始めたら両足を地面から少し上げ、ハンドルでバランスを維持。止まる時も必ず左足から地面につけて止まり、その際に段階的にブレーキをかける練習も平行して行う。そこまでやってからペダルを漕いで進む練習に入り……
 地道だが確実に力のつく従者の指導により、るこるの自転車操縦技術はべきべきと上達していき、体型のバランスを難なくカバーできる程になっていた。

「これなら、スピードを出しても問題なさそうですかねぇ?」

 女神の従者がこくりと頷くと、るこるは思い切りペダルを踏み込みスピードを上げていく。
 風を切って進むことの何と心地よいことか。最早従者の手助けも必要ない程完璧なバランス感を会得したるこるは普段は体型もあいまってあまり味わえないであろう気分を味わっていた。
 そして何よりここからは本格的なレースへの参加である。
 特訓とはいえレース、競争であるなら然るべき全力を以て臨まねば他の参加者に失礼というもの。競技とはそういうもの故に。

「……空気抵抗を減らして速度を上げるのも?」

 思い立ったが吉日、愛器であり祭器である『FMS』を前方に展開するるこる。
 その形は鋭角状。一部を局所的に尖らせ前方に対して斜面を作ることで空気抵抗を削ぐとまるでペダルがいきなり軽くなったかのように一気に加速。
 前方へと突進するかの勢いで駆け抜けていった。
 その姿を見た者はきっと、いや確実に。彼女が先程まで自転車を乗りこなす為の訓練をしていたなどとは、決して思うまい。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『猟書家『キング・ブレイン』』

POW   :    侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD   :    本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●まんまとあいつはやってきた
「ブ――――――――レブレブレブレブレブレ!!!!」

 響き渡るどうあがいても聞き覚えしかないクッソ特徴的な笑い声。
 いったい誰だ!そんなのわかりきっているだろう!

「吾輩がきたぞ!!!!!!!!!!!!!!」

 ばーん!!異次元を掻っ捌いてキング・ブレインがただいま参上!
 愛車の『ブレインバイシクル一号』に何と、侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」を乗せて全速力で走っている!
 いやどんだけ脚力あるねん!!お前キング・ブレインなだけあって脳に極振りちゃうんかい!!!!!
 ……と、ツッコミたくなった猟兵諸氏もいることだろうがよくよく落ち着いてSPDのユーベルコードの内容を確認して欲しい。
 それだけの力あってもおかしくないんですよ、このオウガ・フォーミュラ。

「ブーレブレブレブレ、この私にチャリンコレースで勝負を挑もうなどとは良い度胸である!しかも二ケツ可の違法レースとは、吾輩をおびき寄せるにどうやら随分と策を弄したようであるな猟兵たちよ!
 その智慧を振り絞ったこの戦いに敬意を評し、正々堂々何でも有りのチャリンコレースと洒落込もうではないか!ブ―――――レブレブレブレ!!!

 あっでも吾輩二ケツできる程親しい知人がいないから侵略蔵書との二ケツで勘弁して欲しい!」

 二ケツでなくてもいいとグリモア猟兵は言っているのにわざわざ地味にコメントしづらい寂しさを漂わせる説明で予め主張しておく辺りまさにキング・ブレイン。
 しかしその脚力に自身があるのか、敢えて最後方から猟兵たちを追い抜くつもりのようだ。
 さあ猟兵たちよ、目にものを見せてやれ!!

【現在の順位(敬称略及び操縦者&同席者順表記となっております)】
1位:乱獅子・梓&灰神楽・綾
2位:夢ヶ枝・るこる&豊饒の女神の従者
3位:リダン・ムグルエギ&加藤・光廣
4位:美熟女戦士スーパーオカン&馬飼家・ヤング
5位:キング・ブレイン&侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」←飛び入り参戦の為現在最後方
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
ここで部下に強要しない辺り、いい上司さんなのでしょうねぇ。

『何でも有り』でしたら、こうしてみましょう。
【酷郭】を発動、戦場全体に『律』を流し込み『裁域』を展開しますねぇ。
これで、キングさんの車輪の近くの地面を隆起させたり、空間を爆破する等して妨害しましょう。
同時に『裁域』内の状況は把握出来ますので、此方の運転の補助にもなりますし、何かあれば『使徒人形』が警告してくれますねぇ。

今後の弱体化の為、『爆発』に紛れて『1号』のパーツや『スーパー大全集』の一部を『FTS』で回収してみましょうかぁ。
『巨大化』の際に自転車ごと巨大化しそうな印象が有りますから、その機構は欲しいですし。



●悪の組織に巨大化とうっかりお茶目さんはつきものであり
「ブ――――――レブレブレブレブレ!さあ吾輩の長年の営業で鍛えた脚力を見せてやろう猟兵共!!」

 4thKINGなのに営業?とツッコミを入れたくなるような意気込みと共にもの凄い速度で走るキング・ブレイン。
 後ろに687巻も入った本棚を背負っているとは思えないレベルの勢いである。
 元からデビルキングワールドの悪魔たちはまあ、それなりに丈夫だったり一部身体能力が優れていたりはするがこれ程とは、流石4thKINGと言わざるを得ない(?)。

「(ここで部下に強要しない辺り、いい上司さんなのでしょうねぇ)」

 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は思った。
 悪の組織の頭領であるならば部下にそういった強要をして後ろに部下を乗せるなんてことも普通にするところであるが、そうしないところがやはりデビルキングワールド出身の悪魔といったところで。
 それにしても物凄い速度、油断すればあっという間に追いつかれてしまうだろう。
 だが、この自転車レースのルールは『何でもあり』である。
 つまり、他の選手の妨害なども普通にしちゃって良いということ、だが逆に言えばキング・ブレインも攻撃なり何なりしても良いのである。
 だがそういう選択肢があるということは、そういうことなのだ。

「”大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その刑場の断りをここに”」

 それならこうしてみようとるこるは迷わずユーベルコードを発動。
【豊乳女神の加護・酷郭(ノガレエヌクルワ)】は戦場全体を女神の裁域で覆うことで女神の持つ『律』を以て場を自由自在に操作することができる。
 これによりどうするのかというと――

「ブレッ!?!?」

 唐突にキング・ブレインの乗るブレインバイシクル一号周辺の地面が隆起した!
 さらに唐突に真横で謎の爆発!

「どわっはぁ!??!」

 派手に転ぶキング・ブレイン。そして散らばる侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」。
 慌ててキングブレインはそれらをかき集めて本棚に丁寧に一冊ずつしまっていく。
 どう考えてもただのタイムロスであるが本は本棚、それはどの世界でも共通の常識でありそれに逆らえない辺りやっぱりデビルキングワールド出身の悪魔であった。

「(今がチャンスですねぇ)」

 裁域を展開している限り、るこるはフィールドのあらゆる状況を全て把握することができる。
 キング・ブレインが本をかき集めている間に祭器が一つ、フローティングトランスポートシステム――通称『FTS』を起動。そーっと忍び寄って亜空間倉庫転送光線を発射し、「スーパー怪人大全集」の一部やブレインバイシクル1号のパーツをこっそり、そうこっそりと抜き取っていく。
 綺麗に整頓することに集中しすぎてキング・ブレインは気づいていない為、あっさり持っていくことができた。

「ふう、これで全……あれっ何か足りないような……いやで全部が散らばったワケじゃないし何とかなるか……」

 何故かこっそり一冊抜き取られたこともパーツを持っていかれたこともバレなかった。
 脳の悪魔って何だったっけなあと言いたくなるようなうっかりっぷり、だがそこが憎めないからキング・ブレインなのであろう。多分。きっと。そう。めいびー。

「そちらがその手を使うならば、こちらも相応の手を使うというもの!ブレブレブレ、思い知れ「自転車戦車怪人」の力!!」

 片手にハンドル、片手に表紙を開いたスーパー怪人大全集(全687巻)を握ったキング・ブレインは巨大化!何と砲台のついた自転車になった!
 スーパーキング・ブレイン自転車戦車怪人モードである。
 早速その砲台から一発どごん、と凶弾をるこるめがけて放った!

『――』

 『使徒人形』が静かに警告する。
 このままでは間違いなく凶弾が命中するが、警告されれば対策を立てれば良いだけのこと。
 るこるは裁域に『律』を流し込み、自身の前に続く道を坂道に仕立て上げた。
 さらに『FMS』を先程と同じように斜角状に前方に形成し、空気抵抗を削ぎ―――一気に駆け下りる!
 それはもう、戦車の砲弾程度なんかでは簡単に追いつけない程度の勢いで加速していった。

「ブレッ!?何あの速度自転車の速度じゃないわッ!?」

 自転車で次元移動しているキング・ブレインにだけは言われたくない。
 とりあえずパーツや侵略蔵書の一部はもらったので、これ以上攻撃せずとも力を削ぐ確実な一手にはなったので、るこるはこのままキング・ブレインを振り切ってゴールを目指す。

「(『巨大化』の際に自転車ごと巨大化しそうな印象が有りましたが、本当に巨大化しましたねぇ……後で機構を見てみるのが楽しみですぅ)」

 巨大化機構目当てに回収したブレインバイシクル1号のパーツは果たしてどんな感じに動いてくれるのか、心躍らせながらるこるは坂道を下っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬飼家・ヤング
※アドリブトンチキ大歓迎!

キーンちゃん!ひっさしぶりー!元気してたー?

ほんだらオネーサン、引き続きよろしゅう頼むでー!
……え、残業代?しゃーないなー(追加のクーポン差し出し)

あの変なビームは詠唱時間に応じて威力が変わるねんな?
ほな早い段階で詠唱を邪魔してまえば威力は抑えられるはずや
チャリの運転はネーサンに任せ、後部座席に座って後ろを見張り
キンちゃんが何か唱え始めたら

変顔フラーッシュ!!🤪

爆笑ギャグのオンパレードでキンちゃんが運転できなくなるぐらい笑かしたるでー!
レースの最中に目閉じたりはできへんもんなー

それでも何か対策されたら
更にクーポンばらまいてオカン軍団追加召喚!!
出血大サービスや!!



●この報告書を書くに辺り変顔ってどないな奴やとグリモア猟兵は調べたら腹筋崩壊したのでしばらくペンを持つ手が震えていたとかどうとか(クソ長サブタイトル)
「キ―――ンちゃ――――――ん!!ひっさしぶりー!元気してたー??」

 まるで友達に久々に会うかのような軽い挨拶で手を振る馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)。

「む、いつぞやの気色悪い乙女走りをしたテレビウムの!」
「何やねんその覚え方!!!!!!!!わいかて流石にキモすぎて後でダウナーやったんやで!!!!!」

 当時の自分を思い出すことによる黒歴史的精神ダメージがヤングを襲う!
 だが笑いの為なら精神ダメージ如きいくらでも受けてやろう、それぐらいお笑いに命を懸けているのがこのおっちゃんである。

「あの時は遅れを取ったが、今度は負けんぞ!いざ勝負!!」
「上等やん受けて立とうやないかい!ほんだらオネーサン引き続きよろしゅう頼むでー!」

 と、ここまででかく啖呵を切っておいて何であるがあくまでヤングおじちゃんは後部座席に乗ってる側で自転車を漕いでいるのは美熟女戦士スーパーオカンである。
 そのスーパーオカンは漕ぎながらすっとハンドルから片手を話して親指と人差し指で輪を作った。

「……え、残業代?」

 当然やろがいと言いたげにマネーポーズの手をくいくいっとするスーパーオカン。
 しゃーないなーとヤングが追加でクーポンを差し出したらまさに目にも留まらぬ速さ、コンマ0.5秒並の速度で財布にしまい込むとパワーアップしたかのように加速ッ!!
 お金はオカンを強くする、はっきりわかんだね。
 ヤングはそのまま後部座席からキング・ブレインの攻撃に備え始めた。

「ブレブレブレ……ここで会ったが百年目、今こそかのアリスラビリンスでの雪辱を果たさせてもらおうではないか!!我が脳髄は全能の叡智、一切を看破し森羅万象を凌駕する知識の結晶なり……」

 チャリを漕ぎながらすらすらすらすらとやたら長い文章を読み上げるかのような詠唱句が紡がれれば紡がれる程、キング・ブレインの頭部が輝きを増していく。
 確かそのような攻撃をするとヤングはおぼろげながらに覚えていた。確か、詠唱時間に応じて威力が変化するユーベルコードの一種であったか。

「(ほな早い段階で詠唱を邪魔してまえばええねんな)」

 というワケで今のうちにやるが早い。ヤングおじちゃんはガサゴソと懐からあるものを取り出し、キング・ブレインにぶつける――!

「あ!!!!!!!!目の前にキンちゃんのスーパー怪人大全集が飛び出してったで!!」
「ブレッ!?なんですt「変顔フラ―――――――――ッシュ!!!!!」ぶっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっふぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 律儀にあからさまに嘘だってわかるやんな挑発に乗ったキング・ブレインが真正面を向いた瞬間、某デラックスのような変顔にさらにゴムで某北の陽光きらめくお笑いコンビの片方が如く巻きつけた渾身の変顔が突き刺さり腹筋にダイレクトアタック!!
 どんがらがっしゃーんと派手な音がする。
 あまりにもの腹筋ダメージに力が抜けてしまい「スーパー怪人大全集(全687巻(内一冊はこっそり取られている))」の重さで重心が傾いた結果キング・ブレインは派手にすっ転んだ。

「おっ笑い転げるレベルでおもろかったか!?おもろかったかキンちゃん!せやか~~~!!!このまま笑かしたるでぇ~~~~!!」

 味を占めたヤングおじちゃん、すぐに体勢を立て直したキング・ブレインに対して変顔ラッシュを繰り返す。
 その度にキング・ブレインはお笑い芸人のリアクションとしてはまさに手本のような派手な転びっぷりを繰り返しながらも肉薄しようと迫る!
 大分腹筋にきていて足がぷるぷるしているがそれでも速度を維持できる辺りオウガ・フォーミュラである。

「ひぃ、ひぃ……!!腹筋を執拗に狙うとは……何と卑怯な……!!まさに悪の鑑……!」
「芸人の鑑やと言うてもらおうか!!」
「だが吾輩は負けぬ、負けませんぞッ!!喰らえ脳ビ―――――――ム!!!」

 最早詠唱を完全に諦めたキング・ブレイン、規模が小さいながらも連射できる速度で脳ビームを連射!
 スーパーオカンの華麗なる運転術により回避できているものの、これでは変顔しようとしたら自分が後部座席から落ちてしまうだろう、というワケで。

「んぐぐ、これじゃわいが変顔できひん!こうなったら出血大サービスや!!」

 思い切り手元から取り出した全世界共通お買い物クーポンをばらまいた!

「さあさ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!そこのオネーサン、欲しかったあnシナが今ならこの割引クーポンで買い占めのチャンスやでぇ――――――!!」
『『『『『『なんやてェッ!?!?!?』』』』』

 ばらまいたクーポンに一瞬にして集る謎の影!それは一体誰だ!そう、美熟女戦士たちであるッ!!
 ……何故か、全員今までテレビに出てきたであろう女を捨てたレベルの変顔でクーポンを握りしめ、キング・ブレインに迫っていく。

「ぶっっっっっっっっっっっっっっっっっっっほぉ!!!!!!!!!!!」

 キング・ブレインはまたもや派手にすっ転んだ。最早これで何回目であろうか。
 女を捨てた変顔のおばちゃんが数人も猛スピードで近づいてきたら逆にホラーなのだが、最早まともに逃げる気力が尽きたらしくしばらくひぃひぃ言いながら腹をよじらせて爆笑するしかなかったようだ……。
 その間にヤングおじちゃんはゴール目指して突っ走っていくんですけどね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

乱獅子・梓
【不死蝶】
ん?気付けば誰も前に居ないじゃないか
つまり俺たちが1位というわけか!
綾というでっかいハンデを抱えていてもこの順位!
さすが俺!さすがドラゴンたち!

ゲェッ!?キングブレイン!
チャリ漕ぐのに一生懸命で忘れていたが
そういえばあいつ乱入してくるんだったな…
あんな大量の荷物を背負ってあの速さ
あんなんでもさすがはオウガ・フォーミュラ…!

UC発動し、ドラゴンたちを召喚
俺は追いつかれないようにひたすら漕ぐから
奴の相手は綾とドラゴンに任せた!
あの脳ビームの射程範囲と威力は厄介極まりないな
ドラゴンたちがキングブレインのもとへと向かい
まとわり付いてブレス攻撃や頭突きを喰らわせ
ひたすら詠唱の邪魔をしてやる


灰神楽・綾
【不死蝶】
梓ー、梓ー、なんかすごいスピードで
追ってくる自転車があるんだけど

梓のドラゴンたちが敵の攻撃の妨害をしてくれているから
俺はキングブレイン本人を狙おう
まずはUC発動し、武器にドラゴンたちを透過する性質を与えておく
その武器とは、ハンマーポムグラネイト
カクリヨでの新し親分との死闘(?)で誕生した武器だ
あの時はプロトタイプだったから正式な武器として使うのはこれが初
このトンチキ武器を初披露する相手として
キングブレインはこれ以上無いくらい適役だよね

そして狙いを定め、力溜めて思いっきりぶん投げる(投擲
奴の脳天にザクロ部分が直撃するようにね
脳みそ剥き出しでザクロ汁まみれな姿…なかなかホラーだね



●知らない人が目の当たりにしたら間違いなくスプラッタ映画扱いされる奴
 さて、現在1位の不死蝶のお二人はというと。

「……ん?」

 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は無心で漕いでいたようで、今になって前にも周りにも誰もいないことに気づく。

「誰も前に居ないじゃないか。つまり俺たちが1位というわけか!綾というでっかいハンデを抱えていてもこの順位!流石俺!流石ドラゴンたち!」

 成人男性二人乗りとなるとやはり素の身体能力だけで乗りこなすのは難しい上に体力的に持つかも怪しい。
それでもドラゴンの支援を受けながら現在1位の位置を取れているのは自分で自分をめちゃくちゃ褒めたくなるものだ。ドラゴンたちへの感謝も当然忘れない。
この調子で逃げ切ってみるかと勢いよく進む梓に捕まりながら後ろに座る灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の視線にふと、何かが入り振り向いた。

「……何だろあれ。自転車?」

 遠くからのシルエットだと何か後ろにでかい何かがあるように見えるが、多分このレースで駆けつけてくるということは自転車のハズである。

「梓ー、梓ー」
「何だ?」
「何か凄いスピードで追ってくる自転車があるんだけど」
「へ?」

 安全運転に気をつけつつ、梓もちらっと後ろに視線を振り向ける。

「ブ――――――――――レブレブレブレブレブレブレ!!!!!」
「ゲェッ!?キング・ブレイン!!?」

 高笑いを上げながらブレインバイシクル1号をぶいぶい言わせて突っ込んできたのはそう、キング・ブレインであった――!
 後部座席に侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」の入った本棚をドドンと乗せながら、驚異的な脚力で迫る迫る!

「そう言えばあいつ乱入してくるんだったな……!?」

 チャリ漕ぐのに一生懸命すぎてすっかり忘れていた梓である。

「それにしてもあんな大量の荷物を背負ってあの速さ、あんなんでも流石はオウガ・フォーミュラ……!」
「ブレブレブレ、吾輩がきたからにはもうお前たちの栄光はないものと思うがいいぞ!喰らえうなうなうじゃうじゃ3,2,1,はい!脳ビ――――――ム!!!」
「何だよそのあからさまに適当な詠唱!?!?」

 キング・ブレインの頭から放たれる怪光線、もとい脳ビーム。
 ツッコミ担当(?)の宿命かツッコまずにはいられなくとも操作は忘れず、なんとか回避することはできた。
 が、たったあれだけの詠唱でかなりの距離を威力ある光線が飛び、その地面を抉れさせていったことから油断すればこちらがやられるということを嫌でも思い知らされる。

「あんな適当な詠唱でもあれだけの射程範囲と威力……厄介極まりないな!」
「とはいえ、戦いに集中したら帰っていくんだっけね?」
「俺は追いつかれないようにひたすら漕ぐ。綾、奴の相手は任せた!」
「はーい」

 梓は再びユーベルコード【竜飛鳳舞(レイジングドラゴニアン)】を発動し、ドラゴンたちを再び呼び寄せてキング・ブレインにけしかける!

「ブレブレブレ、このようなドラゴン程度で吾輩を止められるとは思」

 刹那、ドラゴンブレスがキング・ブレインの顔面に直撃。

「あっづううううううううううううううううう!?!?!?!?」

 脳みそが文字通り焼けるような焼け付く息の熱さに身悶えるキング・ブレイン。
 しかしそれでも決して自転車を漕ぐ脚は止めない。というか止めたら途端にこの「スーパー怪人大全集(全687巻)」がひっくり返ってどんがらがっしゃんと大惨事待ったなしなので、どんだけダメージを受けても止まれないとも言う。
 ドラゴンたちがひたすら頭突きするわブレスを浴びせるわで一人だけ阿鼻叫喚の只中にいるような悲鳴を上げながらも、キング・ブレインはしつこく、これでもかとしつこく追ってくる。
 だが、それを何とかするのが相棒の仕事というもの。

「このトンチキ武器を初披露する相手として、これ以上無いぐらい適役だよねえ」

 とにこやかに綾が手にしたのは――ハンマー・ポムグラネイト。
 そう、かつて大祓百鬼夜行にて新し親分『バズリトレンディ』との激しい死闘(?)を繰り広げた果てに誕生した巨大ザクロをぶっ刺したあのハンマーである。
 命中してザクロの果汁が飛び散れば下手すればグロ画像待ったなしのスプラッタ光景もお楽しみ頂ける一石二鳥(?)な武器だ。

「――”何処にいても、君を捕まえる”」

 ユーベルコード【ディメンション・ブレイカー】を発動し、ハンマー・ポムグラネイトにドラゴンを透過する性質を付与する。
 自転車から落ちないように体勢をキープしつつ、力を溜めて狙いを定める。
 せっかく脳みそ部分が見えてるのなら、そこに確実に命中させられるタイミングで投げつけたいものだ。

「あだっあだだっあだだだだっっだっだっだ待って待ってドラゴンこんなに一気にくると流石の吾輩もああっ待って本棚には触れないで本は大事にしてェ―――――?!?!」

 梓の呼び出したドラゴンたちはこれでもかとキング・ブレインを妨害し続ける。
 ついに侵略蔵書にまで手をつければ流石にそれを止めようとして意識がそちらに持っていかれ、スピードも鈍りを見せる。

「――今だ」

 溜め込んだ力を一気に解き放ち、綾はハンマー・ポムグラネイトを思い切り投げつけた!
 ひゅ――――――んと見事に綺麗な弧を描いて飛んでいき――――

「おぐっほォ!?」

 ドゴォ!とキング・ブレインの脳天に直撃、同時にポムグラネイトが弾けてぶしゃーんと、ザクロ果汁がまるで間欠泉のように吹き上がる。
最早状況を知らぬ者が見たらマジでただのグロテスクシーンにしか見えないやべー絵面と化した。

「うーん、中々ホラーだね」
「さも他人事のように言うなよ……」

 前を向いて漕ぐのに必死な為見てないが、音だけでだいたい流れを把握した梓は相棒に通算何回目になるか最早忘れたツッコミをまた入れたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
POW

ごきげんよう、キング・ブレイン様。
私はオブリビオンの霊を使役する魔女ドゥルール。
貴方の魂も私のモノです

デビキン出身の彼には救済や愛を語らず悪女を演じ
自転車への憑依【ハッキング】で守護霊に運転を任せ
『紅キ楽園ノ女王』で戦闘力115倍となり戦闘に集中

相手が身長3倍となって自転車に乗れるのか疑問だが
いずれにせよ良い的だ。
強化した【念動力】で操縦するピスティス・ブラスターが
無数の【残像】で相手を包囲し
四方八方から【呪詛・レーザー射撃・乱れ撃ち】で心身を蝕む。
加えて今の我は戦場の敵から常に【生命力吸収】を行う。
これにより相手のフルパワーを封じ
攻撃されても【衝撃波・カウンター】で押し返す



●デビキン流、愛による救済法(?)
「ぶ、ブレ……ひどい目に遭ったぞ……」

 ぜーはーぜーはー言いながらも687冊の本を後ろに乗せて再び走るキング・ブレイン。
 ザクロ汁まみれで最早全身べとべとである。
 だが、当然ながら猟兵たちの畳み掛けがこれで終わるワケもなく。

「ごきげんよう、キング・ブレイン様」

 ひたすら走って優勝を狙うキング・ブレインに追いついたのはドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
 どう見ても後部座席に乗っており実際の運転席には誰もいないのだが、キング・ブレインと全く同じ速度でペダルが回り続けているという軽いホラーな展開であるが実際は彼女が死霊術士なので守護霊を自転車に憑依させてるだけです。

「ごきげんよう!また新たな猟兵かな!?」
「私はオブリビオンの霊を使役する魔女ドゥルール。貴方の魂も私のモノですわ」
「た、魂!?カメラで抜き取る的な奴か!?吾輩はそんなのには屈さんぞォー!!」

 明らかに逃げるようにスピードを上げていくキング・ブレイン。カメラで魂が抜きられるっていつの噂だと思ってるんだこのオウガ・フォーミュラ。

「いくぞ我が「スーパー大全集(全687巻)」!!」

 再びユーベルコードを発動し、3倍もの巨大な姿になってキング・ブレインはスピードアップ!!自分の3/1のサイズとなった自転車をそれはまあ器用に漕いで乗りこなしていく!!

「(そのユーベルコードを使うのは呼んでいたが、どうやって乗っているのか疑問だ……)」

 普段の女性的な口調を敢えて封印し、心の呟きすらも完全に悪になりきるドゥルール。
 デビルキングワールド出身ならば、愛や救済の話よりは骨の髄まで悪女になりきることこそ相手の気を引くことができる最善の手段だろう。
 さらにそこにユーベルコードを発動し、戦闘力が従来の115倍に引き上がった銀髪紅眼の吸血妃に変身し優雅に自転車の後部座席を乗りこなせば尚更カリスマもアップである。
 え、自転車にカリスマも何もないって?それを言うのは野暮ってもんだぜ。

「まあ、いずれにせよ良い的だ」

 ドゥルールは念動力で髑髏――の形をしたレーザー砲『ピスティス・ブラスター』を使役。
 戦闘能力を格段に引き上げた今の彼女は念動力で動かすことですらも残像を生み出すことが容易な程の力を手にしている。
 あっという間にキング・ブレインの周囲を『ピスティス・ブラスター』で取り囲み、四方八方から呪詛を絡めたレーザーを連射!

「ぐええええ!??!」

 回避しようと自転車を細々と動かすキング・ブレイン。しかしサイズが3倍になったらその分被弾率増すワケで、当然回避しようと動いてもかするし当たるし、とにかく痛い。

「痛い!痛いし何か身体だるくなってきたんですがーッ!?」

 加えてドゥルールはこのユーベルコード【紅キ楽園ノ女王(ディナータイム・アルカディア)】を発動し吸血妃に変身している間は戦場のあらゆる者から生命力を奪うオーラを放っており、キング・ブレインを瞬く間に弱体化させていくことができるのである。
 生命力が奪われれば当然その分元気はなくなる。キング・ブレインの脳みそはいつもよりしおしおになり、段々と脚も重くなっていった。

「ぶ、ブレ……脚が、重いッ!!何故こんなに重いのだ……!?」
「貴方の全力の力は封じさせてもらった。さあ、その状態で私を追い抜かせるなら追い抜かしてみるがいい」
「な、舐めるな猟兵ッ!!」

 脳みそから魔力弾を放つが、ドゥルールが手を手刀の形にして一薙ぎするだけでキング・ブレインとブレインバイシクル1号ごと押しつぶす衝撃波で平たくなる。
 文字通りのぺしゃんこ状態である。まるでクレーターができたかのように穴が開き、キング・ブレインはそのクレーターぴったりの幅と高さで、ひらたーい状態でぺらっぺらと風に飛ばされていく!

「あ――――――れェ―――――――」

 まあそんだけ平べったくなれば風で飛ばされてしまうワケで、お約束のような悲鳴を上げてキング・ブレインは一時的に☆になったのであった。

「ふふ、私なりの悪女ムーブはお気に召して頂けたかしら」

 くすりと笑いながら、ドゥルールは守護霊ハッキングチャリでそのままゴールを目指す――!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月27日


挿絵イラスト