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メサイア・クライシス[終戦記念式典防衛]

#クロムキャバリア #メサイア・クライシス #アンサズ地方 #ローランド市国 #ラスタニア民主共和国

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●アンサズ連合に迫る影
 エルディスタン事変と名付けられた、エルディスタン軍閥政府によるクーデターから始まった一連の戦いを経て、アンサズ地方の各国では急速な国際連帯や緊張緩和の機運が高まっている。

 アンサズ地方西部の小国家、ローランド市国とラスタニア民主共和国は長年双方のプラントと国境付近に存在する地下資源を巡って長きにわたる戦争を繰り広げていたが、アンサズ地方の一大国家連合であるアンサズ連合の成立が具体化を帯びてきた昨今の情勢に抗えず、双方の外交機関の尽力によってついに終戦。両国家はアンサズ連合の傘下に入ることに同意した。終戦に際してはアンサズ連合準備委員会に参加している国家──アークライト自治領やウィルバー連合王国などといった国家による仲介もあったという。

 その終戦記念式典が10月執り行われ、この式典では両国のアンサズ連合への参画が共同声明の形で発表される手はずとなっていた。両国の重鎮のみならず、アンサズ連合準備委員会に参加している国家の代表団も集まるこの式典を前に、両国は急速な軍縮を決定。多くのキャバリアの売却や廃棄が決定された。キャバリアの売却先は民間軍事会社(PMSCs)数社。これらのPMSCsは、紛争防止のための治安維持活動を主に請け負うことになっている。各国の軍縮が進む中、国家やイデオロギーのしがらみのない民間企業がその需要を満たすことになったのだ。

 そのうちの1社である「イェーガー・セキュリティ&テクノロジー社」は軍縮に際して兵器を多く引き取っていた。アークライト自治領にその社屋を構えるイェーガー社は、エルディスタン事変以降に設立された新進気鋭のPMSCである。キャバリアの最大の売却先となったこの会社に、事情を知らぬものは疑念を抱いた。しかしながら、事情を知るもの──先のエルディスタン事変に深く関わった者たちにとってはむしろ、歓迎すべき事態であるとの声が多く上がったのであった。

 その理由こそ、イェーガー社が猟兵──ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)の手によって設立された企業だったからである。

●アンサズ地方における猟兵の立ち位置
「と、いうわけでまずはご報告と今後のお知らせから参りましょうか」

 そのジェイミィは今、グリモアベースに集まった猟兵たちに現在のアンサズ地方の状況に関する説明を行っていた。

「エルディスタン事変と名付けられた先の戦いにおいて、我々猟兵の働きがアークライト自治領以外の各国にも注目されました。今後は他の国家からも猟兵が頼りにされる機会が増えると考えています。そこで、各国の情勢把握と今後のアンサズ地方における情勢への介入をスムーズに行うために、アークライト自治領国内に民間軍事会社を設立しました。それが『イェーガー・セキュリティ&テクノロジー社』です。資本関係は私がクロムキャバリア世界で運営しているメカニックガレージ、『Bradyback's works』の連結子会社という形にしてあります」

 イェーガー・セキュリティ&テクノロジー社は、実質的にはアンサズ地方における猟兵の出先機関となる。アークライト自治領における法人格を取得したことで、各国からの支援をより直接的に受けやすくなった。

「今後の皆さんの立ち位置ですが、このアンサズ地方においてはイェーガー社のPMSCオペレーターとして扱われることになります。とは言っても、基本的には『凄腕の傭兵』という扱いに変わりはありませんのでご安心を。行動の自由もこれまで通りです」

 加えて、法人としての実体を得たことで、民間からの協力も取り付けやすくなった。今までは「謎の凄腕傭兵集団」でしかなかった猟兵達は、アンサズ地方において真に「民間軍事会社の実働オペレーター」としての地位を確立することが出来たのだ。

「我々は今後、各国からの依頼を受けながら対オブリビオンマシンの戦いを繰り広げることになります。皆さんの一層の活躍に期待します」

 ジェイミィは一礼すると、今回の依頼概要の説明を開始した。

●終戦記念式典襲撃を阻止せよ
「さて、早速ですが新体制下の最初のミッションを説明しましょう。依頼主はアンサズ連合準備委員会。目的はローランド市国とラスタニア民主共和国の終戦記念式典の警護です」

 終戦記念式典に際しては、両国政府の中心人物のみならず、アンサズ連合準備委員会参加国家の代表も参加する。式典の重要性は高く、故に狙われやすい。

「そして、早速イェーガー社の諜報班が察知したところによると、ラスタニアの過激派がオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』を入手したようです。この機体には周囲の量産型キャバリアをオブリビオンマシン化する機構が備わっているようで、これを利用して廃棄される予定のキャバリアをオブリビオン化、式典が行われる首都への攻撃を画策しているようです」

 ラスタニアの過激派勢力「ラスタニア救国会議」はラスタニアの国粋主義者による秘密結社を母体としており、昨今の軍縮に反対する一部軍人を取り込んで勢力を増しつつある。ラスタニア公安警察や各国の諜報部もラスタニア救国会議の動きに警戒しているが、活動実態がこれまでほとんど掴めなかった。

「グリモアの予知でようやく彼らの計画を察知できたくらいですから、彼らのやり口の手の込みようは推して知るべし、といったところでしょうな。そこで、まずは式典が行われるラスタニア首都、ヴェクタの郊外に赴き、イェーガー社の諜報班と協力してラスタニア救国会議に動きが見られるまで監視をお願いします。ラスタニア救国会議はヴェクタ郊外の幹線道路を利用して攻め込んでくることが予想されますので、動きが見られ次第幹線道路を順次封鎖、迎撃を行ってください」

 作戦の詳細は現地入りしているイェーガー社の社長から説明があるという。

「実はイェーガー社の社長は私ではないんですよ。経営には私も関わっていますが、社長職は現地の信頼できる方におまかせしています。アークライト自治領のアイアンズという方でして、なかなかのやり手ですよ」

 スクリーン上にイェーガー社の社長を務める男──アイアンズの顔写真が映る。ロマンスグレーの髪を綺麗に整え、口ひげを蓄えた精悍な顔つきの初老の男性だ。アークライト自治領の元軍人で、キャバリアパイロットとして華々しく活躍し、後に司令部に入り中将まで勤め上げた後に退役。その後の身の振り方を考えていた所へジェイミィの招聘を受けてイェーガー社の社長に就任したとのことだった。

「まずはアイアンズ社長と合流してください。他にも現地のスタッフが何名か帯同しているそうなので、顔合わせもそこで済ませると良いでしょう。今後、アンサズ地方でのミッションをサポートするスタッフですので、彼らを存分に頼ってください」

 なお、今後は猟兵へのキャバリアの貸し出しや補給、整備もイェーガー社が行うことになる。イェーガー社のサポートを受けることで、猟兵もより動きやすくなるだろう。

「ブリーフィングは以上です。イェーガー社の記念すべき初仕事となります、必ず成功させましょう」

 猟兵達は、ブリーフィングの終了を告げられると同時に開かれたポータルに足を踏み入れた。ポータルの先はラスタニアに通じている。まずはアイアンズとの合流だ。


バートレット
 どうも、バートレットです。

 今回はクロムキャバリアにて発生する終戦記念式典の襲撃を阻止することになります。過激派勢力を撃退し、終戦記念式典を無事に終わらせましょう。

 第1章では、アンサズ地方における猟兵の支援組織となるPMSC、「イェーガー・セキュリティ&テクノロジー社」の社長やスタッフと交流しながら、首都郊外で諜報班からの連絡を待ちます。ヴェクタ市の郊外は終戦記念式典が開催されることに加えてハロウィンも近いため、祝賀ムードが漂っています。幹線道路にはロードサイドの飲食店や雑貨屋が立ち並んでいるので、立ち寄ってみるのも良いでしょう。

 第2章では、軍縮に伴って廃棄されたキャバリアがオブリビオンマシン化して首都ヴェクタ市に向けて進撃を開始します。諜報班から連絡を受けて迎撃を行うため、市街地から離れた場所で会敵します。幹線道路は封鎖され、一般人は立ち入れない状況であり、交戦地点には民間人や民間施設の類もありません。見通しが良いため射線が通りやすい点だけ注意しましょう。なお、襲いかかってくるのは廃棄されたキャバリアのみで、イェーガー社に払い下げられたキャバリアはオブリビオンマシン化の心配はありません。

 第3章では、今回の事件の元凶となったオブリビオンマシン「アークレイズ・ディナ」との戦いになります。オブリビオンマシンには今回の事件の実行犯が乗り込んでおり、撃破された場合実行犯は脱出、逃走します。上手く対処すれば捕縛することも可能ですが、その場合自害してしまうため、いずれにせよ今回のシナリオで完全に事態は沈静化しません。また、今回の襲撃事件でラスタニアの極右勢力の関与が判明した場合ラスタニア・ローランドの両国の間にしこりが残る幕引きとなります。この点を勘案して事態の対処に当たってください。

 第1章開始前に断章が挟まります。プレイング受付開始は10/23 8:31~となります。第2章、第3章は断章執筆後にプレイングの募集を行います。プレイングの募集状況はタグにてご確認ください。また、その他諸注意に関してはMSページも御覧ください。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 日常 『いざ、小国家観光へ』

POW   :    その小国家の食文化などを楽しむ

SPD   :    その小国家の芸術文化などを楽しむ

WIZ   :    その小国家の人となりなどを楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●イェーガー・セキュリティ&テクノロジー社、始動
「よく来てくれた! 話はブラッディバック君から聞いている」

 ポータルを抜けた先で、指定されたアイアンズとの待ち合わせ場所には、すでにアイアンズが社員を引き連れて待っていた。

「私がイェーガー・セキュリティ&テクノロジー社の社長、ジョージ・アイアンズだ。ブラッディバック君とはエルディスタン事変以来の仲でね。アークライト軍との折衝の手伝いをしていたんだ。それに……君たち猟兵には私の教え子が随分と世話になったと聞いているよ」

 先のエルディスタン事変で猟兵たちと共闘したワートホグ隊の隊長、ペーパーバックのキャバリア操縦の師こそ、このアイアンズだった。エルディスタン事変における猟兵の活躍ぶりはペーパーバックからも直接聞いているという。

「これから先、このアンサズ地方では我々が君たち猟兵のバックアップを全面的に行わせてもらう。ただ、対外的には君たちも我が社の実働オペレーターという身分だから、そのつもりでよろしく頼むよ」

 続いて、アイアンズの背後に控えていたスタッフが自己紹介を始める。最初に進み出たのは眼鏡をかけたショートヘアーの、妙齢の女性である。

「はじめまして、支援班通信担当のアリア・リックマンです。指揮車で皆さんのオペレートを担当させていただきます。状況は逐次通信でお知らせしますね。コールサインは『ソプラノ』です」

 コールサインが示す通り、その声は小鳥のさえずりを思わせるほど美しい。聞けば、昔はアイドル歌手を志していたが、理想と現実のギャップを受けてPMSCsのオペレーターに転向したそうだ。

 アリアの次に進み出るのは大柄でサングラスをかけ、つなぎを着た黒人男性である。

「整備班長のアンドリュー・クローバーだ。ドリューって呼んでくれ。あんたらのキャバリアは俺たちイェーガー社の整備班がきっちり面倒を見てやる。色々と癖が強い奴も多いって聞いてるが、むしろ大歓迎だ。良い経験値になるからな」

 ドリューはキャバリア技師としての国家資格を15歳の時に取得して以来、民間、軍事問わず多くのキャバリアを整備してきた実績があるという。初見の機体でも構造をある程度把握してしまうほどの対応力も持ち合わせているため、整備面では心強い味方となってくれそうだ。キャバリアの貸し出しの際も彼に頼めば、ぴったりの機体を見繕ってくれるとのことだった。

「諜報班長のランシングも紹介したいが、今はすでに任務にあたっている状況だ。彼には現在、ラスタニア救国会議の動向を探っている。一般人を装って状況にステルスすることにかけてはうちの諜報班は天才の集まりだよ。さて、作戦を説明しよう」

 大まかなブリーフィングはすでにジェイミィから受けているということもあり、アイアンズからは詳細の説明が行われる。

「我々がアンサズ連合準備委員会から受けた依頼は記念式典の警護だ。その一環で、式典を開始した後はヴェクタ市に続く幹線道路を封鎖する。この封鎖は行政機関からも指示が出ていて、式典の最中はここを通るものはいなくなる」

 もちろん、キャバリアで攻められてしまえば封鎖は容易く突破されてしまう。そこで、猟兵たちが攻め込んでくるキャバリアの迎撃にあたることになる。

「諜報班によれば、あちらが動き出すのは3時間後とのことだ。これは遅くなることはあっても繰り上がることは無い。何しろ式典の開始が3時間後だからな。彼らは式典に集まる要人を殺害することが目標だから、当然式典が始まらない限り動けないというわけだ」

 それまでは自由行動だ、とアイアンズが告げる。

「ちょうど封鎖の中にあるロードサイドの店がいくつかある。レストランで腹ごしらえをしたり、喫茶店で一息つくのもいいだろう。買い物があるなら今済ませてしまっても良い。ちょうど終戦記念式典に便乗してセールをしている店もあるからな。あぁ、それとハロウィンも近い。菓子なんかを安売りしている店もあるぞ」

 3時間後の作戦開始までに集合してくれ、とアイアンズは告げる。

「3時間後、封鎖地点から幹線道路を市外に向けて移動。予想会敵地点はここ、ヴェクタ市街から20km離れた地点だ」

 アイアンズは地図を広げて指をさす。平地で建物の類もなく、見通しはかなりいい。射線は通りやすく、それは敵も同じだった。

「必然、射撃武器の撃ち合いになることに注意して欲しい。派手に暴れていれば敵の親玉も姿を現す。そいつを叩くぞ。……アークレイズ・ディナは強敵だ。スペックデータはブラッディバック君に見せてもらっているが、かなりの高性能機のようだな。くれぐれも注意してくれ」

 以上だ、とアイアンズは説明を終える。ひとまずは、作戦が始まるまで時間をショッピングや腹ごしらえに当てるのが良いだろう。これから世話になるイェーガー社のスタッフと交流を深めても良いかも知れない。

 猟兵達はそれぞれ、行動を開始するのだった。
フレスベルク・メリアグレース
アイアンズ卿、お初にお目にかかれて光栄です
わたくしはメリアグレース聖教皇国第十六代教皇、フレスベルク・メリアグレースです
そう言ってイェーガー・セキュリティ&テクノロジー社の面々と挨拶を交わします
今回はアンサズ地方でのオブリビオンマシン案件と聞いて馳せ参じました
イェーガー社の皆様、よろしくお願い致しますね
そう言ってしっかりと誠意を見せ、社員の皆様の心を掴んでいきます

今回わたくしは表向き記念式典の参列者の一人としてこの国に入国していますが、皆様とは同士の関係
気軽にフレスとでも呼んで構いませんよ
そう言ってイェーガー社員と交流していきますね



●式典を守るために
「アイアンズ社長、お初にお目にかかれて光栄です」
「これはこれは教皇猊下、こちらこそお目にかかれて光栄の至り」

 集合場所でアイアンズと挨拶を交わすフレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)。表向きは式典出席の目的でラスタニアに入国しているが、真の目的は猟兵としての作戦参加である。メリアグレースも式典に代表団を寄越してはいるものの、教皇たる自身は猟兵としての務めを果たすべくイェーガー社の実働オペレーターとしてここにいる。

「今回はアンサズ地方でのオブリビオンマシン案件と聞いて馳せ参じました」
「先のエリングラードでの活躍ぶりは聞いておりますとも。しかし良いのですかな、メリアグレースの国家元首がわざわざこんな所で」
「オブリビオンマシンが絡んでいるとあれば、猟兵としての使命を優先せねばなりませんので」

 フレスベルクの言葉に、アイアンズは肩をすくめる。

「いやはや、積極的に前線に出られる方だと聞いておりましたが……ともあれ、教皇がおいでになったとあれば士気も上がることでしょう、ひとまずうちの社員にも顔を見せてやっていただきたい」
「もちろんです」

 フレスベルクはアイアンズとの顔合わせを済ませると、現地入りしているイェーガー社の社員たちとの顔合わせを行っていく。教皇自らが来たとあって社員たちも初めは緊張していたが、フレスベルクはそんな彼らの緊張を解いていく。

「今は同士の関係ですし、私自身教皇である以前に一人の猟兵です。どうか教皇であることは忘れていただければと。お気軽にフレスと呼んでください」
「わかりました、ではフレスさん、と」

 通信を担当するアリアをはじめとして、主に支援班を中心に交流を深めるフレスベルク。教皇という立場も今は忘れ、イェーガー社の社員たちは早々にフレスベルクと打ち解けていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
ジェイミィさん、いつの間にこんな会社を…。
まぁ、動きやすくなるのはいいよね。

街でご飯を買ってきて、整備班の元に
差し入れをしつつ、整備班のドリューさんとお話
新型のアルジェント・リーゼに乗り換えたから、整備の事を聞きたいね

アルジェント・リーゼは、前身のブルー・リーゼからコンセプトを変えた機体なの。装備の換装で性質が変わるんだ。
でも、空戦機動はブルー・リーゼ譲りなの。

ドリューさんは、どんな系統のキャバリアが好きなの?
高機動近接型?それとも、重装甲高火力型?はたまた、汎用型??
わたしは、基本は高機動型が好きだよー

せっかくだから、キャバリア談義をしてみたいね

…そろそろ出番かな
それじゃ、行ってきますっ!!


テラ・ウィンディア
暫く見ない内に凄い事になってたんだなぁ

折角なのでヘカテにゃんの整備をしてもらうぞ
(黒ちび子猫が機神に

レストランで社員の人達とも交流するぞ!

出来れば社長とも交流したいな
昔ワートホグ隊の人達にはお世話になったからな
【戦闘知識】
後はキャバリアの戦い方等どういうやり方やどういう駆け引きがあるのか聞いてみたいぞ

後は…会社経営ってどういうものかも少し興味がある
うん、おれ達猟兵に此処まで純粋に関わり認識して支援する組織ってあまり聞いた事もないからな
純粋に凄いぞ

まぁ…この世界自体がおれからすれば凄いんだがな
(この世界ではオブビリオンさえ利用され使われる。狂気はあるだろうがここの人達はやはり凄いのかもしれない



●オブリビオンすら利用する世界
「ジェイミィさん、いつの間にこんな会社を……」
「暫く見ない内に凄い事になってたんだなぁ……」

 シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の姉妹は大きく変わりつつあるアンサズ地方の情勢に驚くやら呆れるやら。とはいえ、猟兵活動を行う上では格段に動きやすくなったことは確かだ。

 彼女たちは現地に赴いて、まずは整備班に自分たちのキャバリアを預ける。ドリューは2機のサイキックキャバリアを見て俄然やる気を出したようだ。

「なるほど、こいつはなかなか整備し甲斐のありそうな機体が揃ったもんだ……こっちのアルジェント・リーゼは駆動系に魔力を使ってるのか。それ以外はクロムキャバリアにも近しい構造が多いが……エネルギー系統が独特なのがサイキックキャバリアの特徴だからな」

 ドリューはシルが乗り換えた新型機であるアルジェント・リーゼを眺めた後、テラが持ってきた黒猫から姿を変えたヘカテイアを眺める。

「ヘカテイアは普段は黒猫に変えているのか……最初は驚いたが、実際に見たところある程度既存パーツの流用が可能な構造なのは素直で良いことだ。もっとも、サイキックキャバリア寄りのスーパーロボットはかなり整備に気を遣う。そうだな、どっちも俺が直々に面倒見たほうが良いと見た」
「ぱっと見ただけでそこまでわかるもんなのか」
「ま、経験の賜物ってやつよ」

 ドリューは驚くテラにニヤリと歯を見せて笑う。キャバリアを預けた後、2人は別行動を取るということで話はまとまった。シルは愛機の整備について助言が必要ということもあり、整備班の下に残る。一方テラは社長や社員との交流も兼ねて、昼食を取りにロードサイドのレストランに向かった。

◆◆◆

「アルジェント・リーゼは、前身のブルー・リーゼからコンセプトを変えた機体なの。装備の換装で性質が変わるんだ」
「構造を見る限りだと素体となった機体は元々高機動型だったんだな」
「うん、空戦機動はブルー・リーゼ譲りなの」

 ドリューのタブレット端末にダウンロードされた機体の図面を見ながら、シルとドリューは機体特性を確認する。シルの話を聞いたドリューはふむ、と頷いた。

「それならスラスター周りは念入りにやっとくか。後は装甲の方も綺麗に仕上げちまおう」
「あれ、装甲って大事なの?」
「大事も大事、高機動型でも装甲は馬鹿にならないんだぜ。空中機動のスムーズさは装甲の形状が大事なんだ。装甲が凹んだりして少しでも形状が変わると動きの癖も変わってくるからな。それに、装甲のキズや凹みは放置してると装甲全体の強度が落ちる原因になるからな」

 ドリューの言葉にシルはふむふむ、と頷く。

「よし、整備の方向性は決まったな」

 シルから差し入れられた軽食をとりつつ、ドリューは整備員たちにてきぱきと指示を飛ばす。魔力伝達系統を整備するにあたっては、シルも時折アドバイスをしていた。

「まぁざっとこんなもんか……」
「そう言えば、ドリューさんはどんなキャバリアが好きなの? わたしは、基本は高機動型が好きだよー」
「嬢ちゃんの機体を見る限りだと、そうだろうなぁ」

 作業が一段落した所で、シルとドリューは雑談に興じる。

「俺は重装甲型だな。素直だがそれ故にいじり甲斐がある。……驚いたか? 実際に乗り回すパイロット目線と機体そのものをいじる整備士目線って結構違うんだぜ」
「確かに、整備士さんの視点って普段あんまり意識しないなぁ」

 シルはドリューの話を興味深く聞く。ドリューも熱心に聞くシルの様子を見て、いつもよりも饒舌にキャバリア談義に花を咲かせるのであった。

◆◆◆

「昔、ワートホグ隊の人達にはおれも世話になったんだ」
「あぁ、話は聞いているとも。地下鉄護衛の時に共に戦ったのだったか。彼らも君の動きは高く評価していたな。今回も存分に腕をふるって欲しい」

 テラは社員との昼食を終えて、社長であるアイアンズに改めて挨拶に赴いていた。

「パイロットとしての現役は退いてもう久しいが、今でもペーパーバックをはじめ、ワートホグ隊の隊員たちから時折教えを請われることもあってね。私に言わせれば、彼らも自分なりの戦闘哲学に従えば良いと思うのだが……」
「ワートホグ隊の人達は自分の考えしっかり持ってそうだもんなぁ」

 テラはワートホグ隊の戦いぶりを思い返す。戦場での彼らは一切の迷いなく、自分で最善をつくすための判断を下しながら戦っていた。

「私も常々言ってきたのだ、戦場で最終的に信じられるのは自分のセンスだとな。敵との駆け引き、とっさの判断……その場その場で自分の判断が求められる。テラ君も覚えておきたまえ。戦場全ての状況を全て把握した上で、自分が最善と思う判断を下すということをな」
「わかった」

 テラはアイアンズの言葉に、神妙に頷いた。

「それにしても、おれ達猟兵に此処まで純粋に関わり認識して支援する組織ってあまり聞いた事がないな。純粋に凄いぞ」
「この世界で繰り広げられる数々の戦いにオブリビオンマシンが関わっていた、と聞かされてしまえばな。政治、経済、イデオロギーの対立を煽る存在が無用な争いを引き起こすのは、この世界に生きるものとしても止めなければならん。我々も我々なりの戦い方で事態の終息に向けて動かねばな……」

 アイアンズの言葉に同意しつつ、テラはふと思う。

(というか、この世界自体がおれからすれば凄いんだがな)

 必要とあらばオブリビオンすら利用するというクロムキャバリアの民の強かさには舌を巻くばかりだ。この世界では、オブリビオンすら世界情勢を動かすファクターでしか無いのかも知れない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィリー・フランツ
目的:アイアンズとの交流

心情・理由:ジェイミィ…傭兵派遣会社迄作るとは驚きの行動力だな、だがお掛けでこの地方限定だがとても動きやすくなった。
今後の事も踏まえて代表とは改めて直接挨拶しとくか。

手段:俺のヘヴィータイフーンは整備場に預けるとして、取り敢えず会社敷地の施設の位置を確認しながら社長室に向かうぜ。

身だしなみを整えたら秘書に挨拶したい事を伝え、OKが出たら入室だな。
後は~です・ます口調で官姓名を名乗った後は世間話をしながら社長の人となりを改めて観察だな、まぁジェイミィがスカウトした御仁だから問題ないとは思うが。



●教え子を想う師
「ヴィリー・フランツです」
「おぉ、ペーパーバックが度々話題にしていた噂の男だな」

 指揮車で、ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)はアイアンズと面会していた。

「存じていただけていたとは」
「コールサイン『カイゼル』、量産機ヘヴィータイフーンを操る凄腕のパイロットと聞いているとも。あのペーパーバックが見込んだ男とあれば、私も是非一度会いたいと思っていたのだ」

 ヴィリーにとって、ワートホグ隊の隊長を務めるペーパーバックとは戦友と言っても良い間柄だ。幾度となく共闘し、エルディスタン事変を共に終結に導いたペーパーバックは、師との会話でも度々話題に挙げるほどヴィリーを買っていたようだ。

 ヴィリーはこの会社の設立に関わった男として、その人となりを探る目的でアイアンズに接触したのであった。今後この地方で動く上では彼の力を頼る機会も多くなるため、早い段階で打ち解けておいて損はない。

「ペーパーバックとは度々話をするが……戦場での彼の活躍はどうだね」
「パイロットとしては一流で、部下の信頼も篤い良いパイロットです。強敵を前にしても臆さない度胸と、冷静に状況を把握する目もある……と自分は思っています」

 ヴィリーが率直な感想を口にすると、アイアンズも相好を崩す。

「なるほどな……隊員以外の人間にも自慢の愛弟子がここまで評価されるのはこうも嬉しいものであったか」

 教え子の評価に満足そうに頷くアイアンズを見て、ヴィリーは彼がペーパーバックを手塩にかけて育てたその想いの一端を見た気がした。アークライト自治領ではキャバリアパイロットは上官や先輩パイロットの教えを受けて育つという。アークライトのキャバリア乗りにとって、師とは言わば自分のもうひとりの親なのだ。

「今後、何かと頼らせていただく機会も多くなるでしょう」
「存分に頼ってくれ、フランツ君。私もできる限り応えよう」

 ヴィリーは、アイアンズの言葉に強い頼もしさを覚える。少なくとも、この地方で活動するに当たって苦労することはなさそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダビング・レコーズ
ディナが出現しましたか
任務了解
これより作戦行動を開始します

首都郊外で哨戒を行いつつ、ジョージ・アイアンズ社長に予測される敵機体の確認を取る
アークレイズ・ディナの影響によってオブリビオンマシン化される機体がいずれも廃棄予定のキャバリアならば、どういった機種が敵勢力側に渡るのか予め推定可能と判断
アマランサス系統等の標準型とギムレウス等に代表される特化型では対処手段は大きく異なる
場合によっては整備班の協力を得て機体の兵装構成を変更する必要がある
だがそれらはアークレイズ・ディナとの交戦を後に控えている前提で考慮しなければならない
具体的なセッティング構成や戦術構築は得られた情報を元に自己の判断の元行う


バルタン・ノーヴェ
アドリブ連携歓迎!

ワタシはバルタン・ノーヴェ、デース!
よろしくお願いしマース!
こちら、つまらぬものデスガ。自作の山吹色のお菓子(スイートポテト)デース。お納めくだサーイ!

持ち込み品や売店で購入してきたお菓子で英気を養いつつ、団らんしマショー!
我輩のスコールはかなり特殊でありますからな。
メンテナンスはジェイミィ殿に任せてマスガ、ドリュー殿にも見てもらえるようになればジェイミィ殿が忙しい時でも安心デスネ!
実のところハード面システム面ではワタシも把握してない部分もあるので、頼りにさせてもらいマース!

今回は射撃戦スタートとのことデスシ、普段のように突撃ができないなら行動プランも考えねばなりマセンネー。


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※アドリブ絡み連携歓迎
おー、以前頑張ったし進捗いい感じ?
…なら、イモみたいな活動家に邪魔されるのも癪だねえ
現地での説明はマジメに聞くよ

やあアイアンズ社長、リーゼロッテだよ♪
よかったら『Drリリー』とか崩して呼んでね
ところでJS&T社、産業医や医務班はどんな感じ?
なんならアタシが協力してもいいよ…闇医者だけど♪
【リップ・ブルー】経由で連絡先等の交換も可能さ

その辺の取引が終わったら、時間見て雑貨屋と飲食店に寄るよ
雑貨は…揃いのキレイなアクセサリ(詳細一任)でも買おうかな
最近瓜二つの義妹を『作り上げた』から彼女の土産にね♪

飲食はラスタニアの名物料理を軽く摘もうか
アルコールはミッション終了までガマンっ



●嵐の前の静けさ
「こちら、つまらぬものデスガ。自作の山吹色のお菓子(スイートポテト)デース。お納めくだサーイ!」
「あら、わざわざありがとうございます」

 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は通信担当のアリアに差し入れを渡していた。

「今、ちょうど周辺の哨戒を行っている猟兵さんが哨戒を終えて戻ってくるようですよ」
「Oh、わざわざ哨戒デスカ。あれ? でも整備班のところに行った時、キャバリアが出撃した形跡はありませんデシタが……」

 指揮車に向かう前、バルタンは整備班に自分の機体を預けていた。ドリューはバルタンの愛機「スコール」の整備を手慣れた調子で行い始めたが、やはりアークライト自治領のストライクフェンリルと基本構造が同一であることが整備のしやすさにつながっているのだろう、と思う。

 しかし、他にキャバリアが持ち出された形跡はない。すると生身で出かけたのだろうか。集合時間までに戻ってこれるかどうか、と考えるバルタンだったが、次の瞬間、その猟兵が姿を表した所で納得したように頷く。

「ただいま帰還致しました」
「Oh、ダビング殿、貴方デシタカ」

 ウォーマシンの鎧装騎兵、ダビング・レコーズ(RS01・f12341)。確かに彼ならば、全身に備えられた各部スラスターをフルに活かして高速移動が可能だ。周囲の哨戒を終えてすぐに戻ることも現実的な範囲と言えるだろう。

「首都周辺に異常はありませんでした。……アリア様、今回の作戦に当たってひとつ確認事項がございます」
「あ、はい、なんでしょう」
「アークレイズ・ディナの影響を受けると予想される機体についての情報を頂きたいのです。機種が特定できれば、対処も容易ですから」

 その質問を投げかけていた時、指揮車の奥から出てきた2人の人間がその場に出くわす。社長のアイアンズと猟兵のリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)であった。

「おや、すでに作戦会議かな」
「アタシらも混ぜてもらおうかね」

 リーゼロッテとアイアンズはイェーガー社の医療体制について話し合いの場を設けていた。医療班は現在新設を検討しているが、メディックがまだ足りないという。そこで、人員が集まるまでの間は医師であるリーゼロッテの協力を得ることを決めたのである。

 2人も加わり、改めてダビングからの質問内容が繰り返される。その答えはアイアンズからもたらされた。

「今回廃棄が決まったのはいずれもオブシディアンMk4の旧ロットだな。いわゆる『買い手がつかなかった』機体だ。ラスタニアが軍縮を行うにあたって、アマランサスやグローザ、パラティヌスといった高級汎用機や、ギムレウスなどに代表される特化型は我々を含むPMSCsが購入しているのだが、旧ロットはシステムのアップデートも困難であるし、パーツも生産されていない。故に廃棄が決まったというわけだ」

 ふーむ、とバルタンが考え込む。

「襲ってくるとしたらこの、旧ロットのオブシディアンMk4であると?」
「システムが旧式な分、オブリビオンマシン化もしやすいのだろうな」
「統計データからも、旧ロットのオブシディアンMk4はオブリビオンマシン化しやすいというデータが出ていますしね」

 アイアンズの推測を裏付けるように、アリアが手元のタブレット端末を操作してグラフを表示させる。旧ロットと呼ばれる古い機体はオブリビオンマシン化の格好の餌食のようだ。

「ふーん……確かにそれも道理、か。しっかしせっかく進捗いい感じなのにイモみたいな活動家に邪魔されるのも癪だねえ」
「ディナが出現した、という一報も当機としては無視できませんね」

 リーゼロッテとダビングは今回の依頼内容に関してそれぞれ決意を新たにする。

「すでに各機体の調整について、整備班に対汎用機を前提とした調整を行うように指示は出してある。後は実戦に備えるだけだ」
「想定される敵に関するデータも、各機体にインプットしておきますね」
「助かりマース」

 後は実戦を待つばかり。まだ時間があるということで、ダビングはアリアのオペレートを受けながら再度の哨戒に出る。バルタンは整備班の様子を見るため駐機スペースに向かう。リーゼロッテは事前に買い物をするためにロードサイドの店に向かう。瓜二つの義妹のためのアクセサリーを見繕うことにしたのだ。

(さっきちらっと見た時に翡翠の玉をあしらった髪飾りがあったし、それ買っちゃおうかな……それと、アルコールは作戦完了まで我慢我慢、と……)

 猟兵それぞれがそれぞれの方法で過ごしながら、今はただ、嵐の前の静けさを楽しむ。作戦開始の時は着実に近づいていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『オブシディアンMk4』

POW   :    ホークナパーム
【油脂焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【高温の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ピアシングショット
【スコープ照準】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【RSキャバリアライフル】で攻撃する。
WIZ   :    マイクロミサイルポッド
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【誘導ミサイル】で包囲攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●溢れ出す破局の足音
「──!」

 3時間後。諜報班からの連絡を受けたアリアは猟兵たちに一斉に通信する。

「諜報班のランシングさんからの確定情報です! 廃棄予定のオブシディアンMk4旧ロット、一斉に再起動しました!」
「やはり情報通りか! 猟兵はただちに出撃だ! 予定通り、幹線道路上で迎撃するぞ! 1機も逃すなよ!」

 見通しの良い幹線道路上のため、必然的に射撃攻撃が通りやすい。焦って前進すれば蜂の巣になることは間違いないだろう。障害物も無く、弾幕を張られれば間違いなく蜂の巣になる。接近戦を挑む場合は注意が必要だ、とアイアンズは厳命する。

「……さて、こちらも始まったか。つつがなく終わって欲しいところだが」

 アイアンズは指揮車から通信越しに指示を出すと、ちらり、と指揮車に据え付けられたモニターのひとつを見る。そこにはちょうどテレビによる終戦記念式典の中継報道が映し出されていた。

「何事もなく終わらせるには我々が奮戦しなければならんか……頼むぞ、猟兵の諸君」

 レーダー上から猟兵達の機体が幹線道路を突き進んでいく光景を見ながら、アイアンズは呟くのだった。
ダビング・レコーズ
敵機確認
照合情報と相違は認められず
メインシステム、戦闘モード起動します

ヨルムンガンドとドッキングさせたアークレイズで出撃
この後の戦闘を考慮しアークレイズの兵装は使用しない
損耗をヨルムンガンドに荷わせ機体のコンディションを保たせる

彼我共に長距離砲撃が有効に作用する周辺環境を鑑み、重装甲とEMフィールドによる耐久性で攻撃を受け止めつつカウンタースナイプを行う

被弾方向より敵位置を算出
ユーベルコード、電磁加速投射狙撃砲を反映したデュールジャベリンで砲撃
制圧力が不足する場合はフラッシュフラッドの連射を加える
更に進攻遅滞を目的としてパンドラボックスよりメテオリーテを連続発射
戦線の進退の主導権を維持し続ける



●交戦開始
「敵機確認。照合情報と相違は認められず」

 ダビングはアークレイズに搭乗すると、専用大型アームドフォート「ヨルムンガンド」をドッキングさせた状態で出撃する。アークレイズ・ディナとの戦闘を考慮し、なおかつ早期の制圧を目的として、極力ヨルムンガンドの搭載兵装を優先させる方針だ。

「メインシステム、戦闘モード起動します」
「ソプラノよりアークレイズ、12時方向にボギー。数は3です」

 アリアからの報告にダビングはレーダー位置を確認。オブシディアンMk43機がキャバリアライフルによる狙撃を試みようとしていた。しかしダビングは避けようとしない。そもそも避ける必要が認められないからだ。

 銃声が3発、幹線道路に響き渡る。しかし、銃弾は展開されていたEMフィールドによって阻まれてしまった。もとより貫通力はそこまで高くない。その意味では、この狙撃はむしろ逆効果であった。ダビングは狙撃方向から敵の完全な位置情報を得ることに成功していたのだから。

「照準誤差修正……捕捉」

 次の瞬間、ヨルムンガンドの主砲とも言えるデュールジャベリンが3発放たれる。レールガンの正確無比な砲撃は発射とほぼ同時にオブシディアンMk4の機体を貫いていた。3機のオブシディアンMk4はバイタルパートをひどく損傷し、その場で爆散する。

「ソプラノよりアークレイズ、ターゲット3ダウン。引き続き迎撃を」
「アークレイズ了解」

 程なく後方からさらなるオブシディアンMk4の集団が、キャバリアライフルを手にヨルムンガンドを狙う様子が確認された。しかしダビングは、今度は先制を選ぶ。マイクロミサイルユニット「RSメテオリーテ」でミサイルの弾幕を張って足止めを行いつつ、足の止まった敵に対してはデュールジャベリンでの狙撃やフラッシュフラッドによる制圧射撃によって確実に仕留めていった。

「彼我の戦力差は我々優位で進行中。戦闘を継続します」

 今はただ、淡々と敵を撃墜し続けるダビング。戦線の進退の主導権を掌握する形で、猟兵側の優位を維持する。彼にとっての本命、アークレイズ・ディナの姿はまだ見えない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

赤城・晶
アドリブ、連携OK

途中参加、失礼するぜ!
社長さんかな?なんかうまい話があるって聞いてとんできたぜ!
挨拶は終わった後でまたさせてもらうぜ?

さてウィリアム、ミラージュ装甲展開【迷彩】、レーダー【索敵】、敵機側面に隠密で距離を取りつつ遮蔽物に陣取る。ビームライフルをキャノンモードにして撃つ!と同時に【ジャミング】をフルパワー、同時にUC発動。識別認識を妨害し、幻影を展開。
常に状況を把握、更新しつつ攻撃を継続。
情報は常に味方に共有だ。
攻撃のタイミングは仲間が攻撃した後にやるぜ。


シル・ウィンディア
アルジェント・リーゼの初陣だね
さぁ、行くよっ!

最初から全開っ!
青の雷光でビームランチャー(狙撃モード)・ツインキャノン・ビームガン・ビームバルカンの一斉発射っ!

範囲攻撃でまとめて叩くよっ!

出鼻をくじいたら…
推力移動で平面機動を心掛け、ハイパーバズーカ、ランチャー(連射モード)をメインに、ツインキャノンを合間に挟んで射撃戦だね

敵の攻撃は、第六感を信じて、瞬間思考力で相手の攻撃を見切り、残像での回避、もしくは、被弾箇所をオーラ防御で防いでいくね

近接間合いになったら、ビームバルカンと腕部ビームガンで攻撃しつつ
近接間合いで、ビームガンをビームダガーに切り替えて
敵の武装を中心にダメージを与えていくね



●幹線道路上の射撃戦
「ふぅ、合流が送れっちまったお陰できちんとした挨拶が出来なかったな」

 出撃した赤城・晶(無名のキャバリア傭兵・f32259)はひとりごちる。うまい話がある、ということで作戦参加したは良いものの、慌ただしくまともに顔合わせが出来ていなかった。

「いや、追加戦力も大歓迎だ。一人でも多いに越したことはない」
「すまんね社長さん。また後できちんとご挨拶させてくれ」

 アイアンズと軽く通信を交わすと、愛機ヴェルデフッドを駆って作戦領域へと向かう。そこでは先行していたシルがアルジェント・リーゼで派手に戦いを繰り広げていた。

「最初から全開っ!」

 シルは早速ビームランチャー・ツインキャノン・ビームガン・ビームバルカンといった全ての射撃兵装から高出力のビーム照射を浴びせる大技、「青の雷光」をオブシディアンに片っ端から浴びせていく。高出力のビームをまともに受けたオブシディアンたちは1機また1機と蒸発していく中、ビームランチャーを連射モードに切り替えつつ、武装をハイパーバズーカに持ち替えてツインキャノンを交えながら射撃戦を継続。

「派手にやってるな、こっちも負けてられないぜ! さてウィリアム、ミラージュ装甲展開、レーダー確認を厳に頼む」
「了解、マスター」

 サポートAIに光学迷彩を展開させて索敵を任せつつ、自身はオブシディアンたちが展開する地点の側面にある遮蔽物の近くに身を隠す。ちょうど幹線道路の近くに廃墟となった建物があったため、それを利用することにした。

「いい位置だ、一気に行くぜ!」

 ビームライフルをキャノンモードにして斉射しつつ、敵が陣取る一帯をターゲットにEMPを展開。オブシディアンMk4は突然の奇襲に対応できず、側面からの攻撃をしたたかに食らっていく。

「敵からの攻撃が緩くなってる……? チャンスだね!」

 オブシディアンからの反撃を回避してやり過ごすシルは、徐々に間合いを詰めていく。そのまま敵陣に切り込み、ビームガンをビームダガーに切り替えて近接戦闘へと移行。晶が展開したEMPも相まって、最早オブシディアンたちはまともな反撃も出来ずに狩られるばかりであった。

「こっちはそろそろ片付きそうだが……っと、増援だ!」

 掃討戦を続けつつ、レーダーがキャッチした次なるオブシディアンMk4の群れを見て、晶はすぐに他の猟兵にこの情報を共有する。戦線は着実に猟兵勢力が押し上げている状況だ。戦闘の終わりは近づいている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィリー・フランツ
WIZ【ワンダレイ】
リリー先生・f30386
バルタン・f30809
嬢ちゃん・f32263
心情:おうおう、随分と数を揃えたもんだな。

それじゃ塵は塵に灰は灰に、廃棄品はジャンクに戻ってもらおうか!
手段:まずはUC【電子対抗手段】を発動しECMドローンを展開、相手のマイクロミサイルの誘導を封じる。
後は正面切っての撃ち合いだが…俺のヘヴィタイフーンに削り合いで勝てると思ってるのか?
増加装甲とシールドで防御を固め、射撃戦に備えコングⅡ重無反動砲と肩のクロコダイル電磁砲を選択、ECMが干渉しないようEP-Sアウル複合索敵システムのECCMを実行、後は味方と協力しながらロックオンした敵を攻撃すりゃいい。


フレスベルク・メリアグレース
【ワンダレイ】
いよいよ動き出したようですね
アリアさん、聖教皇国方面の者と連絡して式典の処理は任せます
わたくしはUCにより全てを飲みこむ無を展開 敵手の攻撃に内包されているエントロピーを無によって消失させることで無効化していきます
他の皆さんが攻撃に専念されているならわたくしはそれを援護しましょう
白騎士の力を宿した銃型の召喚器で他の皆さんの攻撃を敵の未来位置へと誘導するようサポート
そこにわたくしが持つエンジェリックSAA・ガイオウガで熱量の籠った銃弾をオブリビオンマシンに叩き込んで行きますよ
バルタンさんとドクターは攻撃を、ヴィリーさんは電子戦をよろしくお願いします


バルタン・ノーヴェ
【ワンダレイ】POW
アドリブ歓迎!
ヴィリー殿、リリー先生、フレスベルク殿と連携デース!

HAHAHA! ワンダレイメンバー(一部)、出撃デース!
ドリュー殿にメンテしてもらって、快調となったスコールの稼働デスヨー!
油断はしマセンガ、試運転の相手となってもらいマース!

近接戦闘がし辛い地形ではありマスガ、スコールは射撃戦もできるのデース!
ヴィリー殿がミサイル妨害、フレスベルク殿が狙撃を防いでくれるので、気にせず攻撃に専念できマース!
四足歩行形態でガトリングガンを構え。

「六式武装展開、鉛の番!」
複製したガトリングガンを116門展開!
命中率は気にしなくてOK、文字通りの弾幕で蹂躙制圧射撃デース!


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】【ワンダレイ】(f30809/f27848/f32263)
※アドリブ絡み連携歓迎
※バルタンさんは『バルたん』呼び
※髪飾りはコクピット内に保管

バルたん経由で皆と合流っ

オブシディアンMK4は実弾兵装偏重
しかも今回は旧ロットで与し易い
ヴィリーさんとフレスさんのアシストもあるし
バルたんの弾幕展開に合わせて蜂の巣さね

まずオペ34番【フィフス・デヴァステイター】で
【ブラスト・ラビット】が跳ねつつ撃ち合うよ

そして本命の【ナインス・ライン】は
両手ビーム系銃器と各種ミサイルに加えて新装備活用
両肩の【アーク・ファランクス】を開放バレル型粒子砲に変形
両足踵【マギ・メルキオール】の機動力で避けつつ撃ち放題♪



●ワンダレイ隊、再び
「おうおう、随分数を揃えたもんだぜ……こんだけ殲滅されてもまだ来るとはな」

 第2波襲来の情報をキャッチしたヴィリーはやれやれとコックピット内でタバコの火をもみ消した。

「ドリュー殿にメンテしてもらって、快調となったスコールの稼働デスヨー! 油断はしマセンガ、試運転の相手となってもらいマース!」

 バルタンはこれを受けて気勢を上げる。今この場にいるのは飛空戦艦ワンダレイのメンバーたち。先のエルディスタン事変の終結に一役買ったその連携は今回も健在だ。フレスベルクも式典に出席する外交団と連絡を済ませ、自分は戦闘に集中する。

「じゃあ手はず通りに行こうか。ヴィリーさん、フレスさん、よろしくっ」
「OK、それじゃ塵は塵に灰は灰に、廃棄品はジャンクに戻ってもらおうか!」

 リーゼロッテの合図とともに、ヴィリーは早速ECMドローンを展開。マイクロミサイルの誘導を封じて機先を制する。

「了解しました。エントロピー無効化領域、展開します」

 フレスベルクも敵の攻撃が宿すエントロピーを無力化させる特殊領域を展開し、ライフルなどの運動エネルギーを要する攻撃を無効化。オブシディアンはほぼ攻撃手段を失い、加えてECMでレーダーも封殺。このあとの攻撃はかなりやりやすくなったと言えるだろう。

「オブシディアンMk4は実弾兵装偏重……しかも今回は旧ロットで与し易い。ひとまずは作戦通り事が進められそうさね」

 ナインス・ラインのコックピットの中でリーゼロッテはほくそ笑んだ。そのまま敵機の前へと躍り出るヴィリーのヘヴィタイフーンとバルタンのスコールの後に続く。EMPと特殊領域の範囲外に運良く陣取っていたオブシディアンMk4から散発的な攻撃こそ届くが、それらは全てヘヴィタイフーンの装甲が弾き飛ばした。

「俺のヘヴィタイフーンに削り合いで勝てると思ってるのか?」

 増加装甲とシールドで防御を固めたヘヴィタイフーンは並の攻撃は通さない。まさにキャバリアサイズの要塞だ。負けじとコングⅡ重無反動砲と肩のクロコダイル電磁砲で撃ち返す。ECCMを展開することで自ら張ったEMPの影響も皆無だ。

「近接戦闘がし辛い地形ではありマスガ、スコールは射撃戦もできるのデース!」

 一方のバルタンはスコールを4足歩行形態に変形させる。この形態の利点は、機動力の向上だけではない。4脚で機体を支えるために、射撃兵装を安定して運用することが可能となる。命中率や集弾性能は人型形態よりもさらに向上し、射撃戦を挑む上では理想的な戦いが可能だ。背面のガトリング砲をユーベルコード「無限の弾幕」によって116門に増加、弾丸の嵐をオブシディアンに浴びせていく。

「こっちも負けてられないね、っと」

 ナインス・ラインも電脳経由遠隔操作用の無人機「ブラスト・ラビット」に撃ち合いを演じさせつつ、自身は両手ビーム系銃器と各種ミサイル、両肩のアーク・ファランクスを開放バレル型粒子砲に変形させて周辺の制圧を図る。散発的に飛んでくる敵の攻撃も脚部の大型装甲輪「マギ・メルキオール」が生み出す機動力によってたやすく回避。

 最早蹂躙とも言えるこの一大攻勢を支えるのがフレスベルクの支援だ。白騎士の力を宿した銃型の召喚器で他の皆さんの攻撃を敵の未来位置へと誘導するようサポートすることで、オブシディアンは次々と弾幕の前に身を晒していく。もちろんフレスベルクも攻撃に参加しないわけではない。エンジェリックSAA・ガイオウガから放たれる熱量の籠もった弾丸が敵機の装甲を溶かし、電子機器を熱暴走させ、着実に機能停止に追い込んでいく。

 激しい弾丸の嵐と射撃兵器の応酬……というよりもほぼ一方的な攻勢の果て、稼働するオブシディアンMk4は本来彼らが辿るべきであった物言わぬスクラップとなる運命を、形は本来の想定より大きく異なれど辿るのであった。そして、いよいよ敵の親玉──元凶たるアークレイズ・ディナの登場を待つこととなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アークレイズ・ディナ』

POW   :    孔壊処刑
【ドリルソードランス】が命中した対象に対し、高威力高命中の【防御を無視或いは破壊する掘削攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガンホリック
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【デュアルアサルトライフルとテールアンカー】から【実体弾の速射とプラズマキャノン】を放つ。
WIZ   :    パワーオブザ・シール
命中した【テールアンカー又は両肩部のアンカークロー】の【刃】が【生命力やエネルギーを吸収し続けるスパイク】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リジューム・レコーズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嚆矢
「全滅か……まさかイェーガー社が出張ってくるとは」

 コックピットの中でモニターに視線を走らせながら、パイロットの男は忌々しげに呟いた。

「まぁ、いい。これはあくまで嚆矢に過ぎん。失敗した所でそれはそれで大勢に変更はないと言えるだろう。とはいえ、せめて一糸は報いさせてもらおうか。では──メサイアのために」

 男はラスタニアの軍服に身を包んでいるが、胸についているエンブレムはラスタニアに存在しないものであった。縦に突き立った剣の両脇から翼が1対というエンブレムに手を当てて呟くと、男はキャバリアを起動させる。

 彼の乗機──アークレイズ・ディナが動き出す。

●強襲、アークレイズ・ディナ
「ソプラノより各機、高速で接近する反応を確認! 数は1機──アークレイズ・ディナです!」

 アリアが鋭い声で猟兵たちに敵襲を知らせる。幹線道路上を高速で移動するアークレイズ・ディナが姿を現した。

「現れたか……いいか、コックピットは徹底的に避けてくれ。全滅した以上、敵方もこれ以上戦闘を続ける意味はないと判断できるが、おそらく我々の戦力を調査するべく出てきたのだろう。ある程度交戦した後不利を悟れば撤退する可能性が大だ。ただ、深追いはするな。繰り返す、深追いは禁物だ」

 あくまで今回依頼されているのは終戦記念式典の警備であるため、持ち場から大きく距離を離すわけにはいかない。故に、アイアンズは深追いを固く禁ずる。

「大丈夫だ、こちらの方が性能も腕も上だ! 一気に畳み掛けてやれ!」

 アイアンズの激励を背に、猟兵たちはアークレイズ・ディナと相対した。
クネウス・ウィギンシティ(サポート)
※アドリブ&絡み歓迎

●特徴
サイボーグ(四肢機械化済み)の技術者&狙撃手。SSW出身の鎧装騎兵。
民間人互助や義侠心に厚い。
口調 通常(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
メイン武器 アームドフォート、マシンガン、パイルバンカー

●台詞例
『敵影捕捉、これより戦闘行動に入ります』
『索敵完了、狙撃開始』
『一対一なら勝機はあるはず』
『膝を屈する前にやるべきことをやりましょうか』

●行動
狙撃手としての『狙撃・援護射撃』や技術者として『(技術)支援』がメイン。
遠距離狙撃や砲撃メインで援護に徹します。

主な技能:スナイパー・メカニック・武器改造・情報収集


ソリン・クザ(サポート)
 ダンピールの探索者×戦場傭兵、表の顔はルーマニアの警察官な25歳の男です。
 普段の口調は「礼儀正しい(私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、覚醒時は「尊大(我、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)」です。

 UCはあまり使わず、基本的に自力での解決を優先します。
基本的には、警察官としての職業倫理のもと動きます
直接戦闘よりも謎を解いたり、だれかを守ったり、対象を確保したりという方向で動きます



●目と指
「目標、目視確認しました」
「了解、ひとまず武装だけでも持っていきましょうか」

 幹線道路の主戦場から遠く離れた所で、1機のキャバリアとその足元に停車するパトカーがあった。キャバリアを操るのはクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)。そのすぐそばで双眼鏡を覗いている男こそ、パトカーの持ち主たるソリン・クザ(デイウォーカー・f15556)だ。

「しかし良いのですか。私はルーマニア警察に属していますが、特殊部隊のSIAS所属ではありませんからね。観測に関しては素人ですよ」
「そこは大丈夫です。風向きと弾着観測だけお願いしますね」
「了解です。北北西の風、目標はまっすぐ交戦ポイントに接近中、残り距離500」

 仮に狙撃が外れたとしても、一定の威嚇にはなる。スナイパーの存在はそれだけで敵に対する心理的な抑圧を生むのだ。

「照準誤差修正」
「ユーハブ」
「アイハブ」

 ソリンが射撃タイミングを委ね、クネウスがそれを受諾する。クネウスの愛機であるアルゲスが誇るロングレンジライフル、RBSイーグルレイの銃口は今や遅しとばかりにターゲット──ディナの姿を捉え続け、火を噴くときをただ待ち続けていた。

 ディナが射程内に入った瞬間、クネウスはついにトリガーを引き絞る。イーグルレイは銃弾を吐き出し、狙い過たずディナの持つデュアルアサルトライフルめがけて吸い込まれていった。ディナの手から弾き飛ばされるデュアルアサルトライフル。警戒したようにその場で足を止めるディナを目にしたソリンは淡々と結果を告げる。

「ブルズアイ」
「了解。移動しましょう、先導をお願いします」
「次の狙撃ポイントへ案内します」

 ソリンはパトカーに乗り込むと、アルゲスを導くように走り始める。幹線道路から外れてはいるため多少路面状態は悪いが、車が走れない程ではない。加えて彼らには幸運なことに、ここ数日ラスタニア周辺の天気はぐずついており、昨日の雨で地面はやや湿気を帯びていた。ぬかるみこそ解消していたが砂煙が発生するほどでもないため、遠くから走行に伴う砂煙で気づかれることもない。

 狙撃手と観測手の2人は次なるポイントを目指し、荒野を駆けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
祭典を乱すものが来たわけだね
アルジェント・リーゼ、出ますよっ!

高度に気を付けつつ空中機動で接敵し
全射撃武器での一斉発射でまずは足止め!
狙うけどこれが当たるとは思ってないよっ!

そのまま、地上付近まで高度を下げて…
推力移動に切り替えて、メインはバズーカと連射型ビームランチャーをメインに射撃戦

ところどころにツインキャノンも挟んで射撃していくけど
近接間合いになったら、ビームバルカンで牽制しつつ
ビームガンからダガーに切り替えての、腕部での斬撃っ!

何か攻撃が当たったら…
蒼の閃光で一気に押すよっ!

敵UCは、オーラ防御全開で被害を少なくするよ

…魔力持っていくなら覚悟してね
わたしの魔力の多さは伊達じゃないっ!!



●銀青の閃光
「祭典を乱すものが来たわけだね。アルジェント・リーゼ、出ますよっ!」

 狙撃が開戦の号砲となり、シルは愛機たるアルジェント・リーゼを駆って飛び出していく。ある程度の高度を取って滑るように動きながら搭載する全兵装の一斉射撃でアークレイズ・ディナの足止めを図る。もちろん、高度を上げすぎないように、シルは高度計に逐次目を走らせることを忘れない。

「狙撃の次は火力での制圧……なるほど、私を釘付けにするか」

 ディナのパイロットは冷静だった。ならば、とディナのテールアンカーを射出し、アルジェント・リーゼとの1対1の状況を作り出そうとする。しかしシルはもちろん迎撃も織り込み済みだ。防御魔法を展開してアンカーを弾き飛ばし、1対1の戦いを拒絶してみせた。ディナは結局、他の機体にも意識を向けざるを得なくなる。

 高度を下げつつ、バズーカとビームランチャーの斉射を行うアルジェント・リーゼ。ディナはこれを最小限の動きで回避し、狙いの逸れた榴弾やビームが次々と地面を穿って行く。

 一見するとディナがアルジェント・リーゼを翻弄しているように見える構図だが、実はシルは隠し玉を用意していた。ここまで一切見せていない近接戦闘手段を繰り出す。ツインキャノンやビームバルカンの弾丸を撃ち続ける中で、不意にビームガンをダガーに変形させて一撃を見舞う。

「な……」
「今だっ! リーゼ、全開で行くよっ!!」

 ディナの胸元に浅く掠った一撃、しかしそこに魔力のマーキングが施される。次の瞬間、アルジェント・リーゼとシルの魔力が惜しみなく注がれた全武装による一斉攻撃がディナに向かって襲いかかる。

「わたしの魔力の多さは伊達じゃないっ!!」
「消極的な戦闘を心がけているとは言え、流石に油断が過ぎたか……!」

 ビームの数々がディナの周囲の空間に飽和していく中、ディナのパイロットは後悔を口にしながらダメージを最小限に抑えるべくマニューバを繰り返すのが精一杯であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
【ワンダレイ】POW
心情:ふん、所謂威力偵察なら尚更帰さん方が良さそうだが…政治的判断ってやつか、確かに藪を突っついて熊が出たんじゃ堪らんからな、なら早々にお帰り願うか。
手段:【熟練操縦士】を発動し性能を底上げする、相手を生きて帰す事が前提だ、此方の手の内を全て見せる必要もねぇな。
コング無反動砲には対空霰弾を装填、貫通力はちと低いが確実に当てられる、近接攻撃に移るタイミングならそれなりに脅威に見えるだろう、二の足を踏ませれば上出来だ。 後はクロコダイル砲で弾幕を張って接近を阻止、そのうち根負けして撤退するか?
二人とも、あまり余計な事は探るなよ?それが長生きの秘訣だ。 そう思うだろ、バルタン?


フレスベルク・メリアグレース
【ワンダレイ】
※アドリブ絡み連携歓迎
騎兵搭乗
威力偵察、という訳ですか

なら皆様と同じく手札を開示しないよう戦術を練るとしますか
UCを起動してヴォーパルソードを認識不可の状態へと変容
不可視ならぬ認知する事すら不可能な刃が縦横無尽に敵機体を切り刻む事でしょう
無論、深追いとコックピット狙いは危険との事なのでそれを意識してUCを操作していきます
しかし、今回のラスタニア救国会議の動き……これだけでは済まされないでしょう
念の為式典会場の状況を報告してもらいながら戦闘を進め、敵機体の動きや戦術などから背後の意図を洞察していきましょう
ふふふ、ヴィリーさん。わたくしもそこは履き違えませんよ?


バルタン・ノーヴェ
【ワンダレイ】
アドリブ絡み連携歓迎!
引き続きスコールに乗って、ファイッ!

深追いせずに追い払えば良いのデスネ?
……逃げる先を追跡する手筈デスカナ?
まー、考えるのは任せマース!
ワタシも手の内を隠して戦いマショー!

普段なら白兵戦を挑む頃合いデスガ、機動力はスコールの得意分野。
ここでは披露せずに射撃戦のままお相手しマース!

ガトリングガンやミサイルポッドなどの通常装備で牽制しつつ、タイミングを見計らってUC!
「六式武装展開、炎の番!」
粘着する炎を足回りめがけて撒くことで、敵と間合いを取りつつ相手に撤退する言い訳を与える寸法デスネー!

長い戦いが始まりそうな予感がしマスネー。じっくり腰を据えて行きマショー!


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】【ワンダレイ】
※アドリブ絡み連携歓迎、愛機搭乗

さて、こちとら潤沢な手数がウリだけど
威力偵察相手なら出し惜しみもするモノさ

背部推進機へ変形した【アーク・ファランクス】と
【ヴァルカン】の推力で低空高機動戦を挑むよ
両手武器も【ユーディット】に持ち替え弾幕展開
更に【ブラスト・ラビット】が後方で援護射撃

でも本命はオペ35番【クイーンズ・パニッシャー】
狙いは【アーリー・バード】の光刃で両腕と尾を断つ事
視認不可の超音速で乱戦の隙を突き攻撃力を奪う

後は深追いせずレーダー追跡に期待
更に駆動音・識別信号・エンブレム等も記録済
ん?アタシはフィクサーもヤってるしクセでね
無論しこりが出ない様『社外秘』厳守さ♪



●君子、危うきは密やかに追う
「所謂威力偵察なら尚更帰さん方が良さそうだが」

 眼前で交戦中のアークレイズ・ディナを前に、ヴィリーは呟く。下手にこちらの情報を持ち帰られてもまずい。だが、今回の終戦記念式典襲撃の裏には何やらただならぬ背景があると考えられるのもまた事実だ。

「……逃げる先を追跡する手筈デスカナ?」
「だろうねぇ。イェーガー社の諜報班がそのあたりは上手いことやるはずさね。最悪、機体は破壊してもパイロットは泳がせるってとこかな……ひとまずこっちは威力偵察相手なら出し惜しみもするモノさ」

 バルタンとリーゼロッテがその目的について類推し、ひとまず結論を出す。相手を泳がせる以上、必要以上の情報を渡すわけには行かない。

「式典会場の方は如何でしょうか」

 フレスベルクはそこが気になっていた。ラスタニア救国会議の動向がこれだけで終わるとは思えなかったのだ。その言葉に通信先でアイアンズが答える。

「心配は無用だ。先程両国家間の元首が共同で和平宣言を出した。式典会場周辺に動きはない」
「了解です、ありがとうございます」

 ならば、と眼の前の問題に集中するワンダレイ隊。基本骨子はなるべく手の内を明かすこと無く戦う、ということで作戦をまとめる。

「相手を生きて帰す事が前提だ、此方の手の内を全て見せる必要もねぇ」

 ヘヴィタイフーンが対空霰弾を無反動砲から放つ。貫通力は低いものの命中率の高さは保証できる代物だ。これで足止めを図り、撃ち合いに持っていく。近接戦闘を仕掛けようとしたディナはヴィリーの思惑通り、足を止めざるを得なくなった。

「ち……あのヘヴィタイフーン、厄介な」

 射撃戦を余儀なくされるディナ。すでにデュアルアサルトライフルを失っている状態で長期間の戦闘は出来ないため、退路の確保が急務だった。最悪、機体を捨てる必要も出てくるだろう。その思考をさらに進めるファクターとして現れたのが低空で踊るようにマニューバを繰り出すナインス・ラインが放つ弾幕だ。

「ほらほら、長居は禁物だよ」

 ブラスト・ラビットからの援護射撃も加えながら、弾丸の嵐を容赦なく浴びせていくリーゼロッテ。ダメ押しとばかりに本命の両刃剣「アーリー・バード」の射出準備を整える。

「弾幕さらに追加オーダーデース! あ、それとこれも……六式武装展開、炎の番!」

 背面ガトリングとミサイルポッドの射撃を加えるスコールは、さらに敵の足元に向けて炎を放つ。確実に追い込んでジリ貧にさせていく。すでにディナは接近戦を諦め、撃ち合いの消耗戦を強いられている。

「完全にあちらの思惑通りか……! 連携も高度だ、流石はエルディスタン事変を終結させただけのことはある……」

 ディナのパイロットはいよいよ自らの不利を認めざるを得なくなった。機体の損耗はすでに無視できないレベルに達している。決定的となるのはフレスベルクとリーゼロッテの一手だった。

「よし、今だよ!」
「はい!」

 ナインス・ラインのアーリーバードが飛び、ノインツェーンのヴォーパルソードが空間に不可視の刃を刻む。たちまちテールアンカーと両腕が切り刻まれたディナは、ついに弾幕の前に無防備を晒すこととなった。

「これ以上の戦闘は危険か──!」

 果たして、ディナは後退し、ある一点へと追い込まれていく。そこにはもうひとりの猟兵が待ち構えている。少なくとも機体の撃破は果たしたいという思惑を抱える彼に決着を託しつつ、一方でリーゼロッテは機体のデータとパイロットの生体反応をしっかりとマーキングすることを忘れない。

「こっちはしっかり情報をゲットしておいたよ」
「おいおい、あまり余計な事は探るなよ?」

 抜け目ないリーゼロッテに、ヴィリーは思わず苦笑する。

「アタシはフィクサーもヤってるしクセでね。無論しこりが出ない様『社外秘』厳守さ♪」
「だったらいいがな。藪をつついて熊が出たんじゃ割に合わねぇ。教皇の嬢ちゃんも覚えときな、長生きしたいなら首を突っ込む範囲はわきまえておかねぇとな。そうだろ、バルタン」
「デスネー。考えるのは後からでもできマース」
「ふふふ、ヴィリーさん。わたくしもそこは履き違えませんよ?」

 決着を残る1人に託しつつ、4人の猟兵はこれから再び始まるであろうアンサズ地方での新たな戦いの予感を感じ取っていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ダビング・レコーズ
ヨルムンガンドはドッキング解除と同時に後退
あの機体は本来存在し得なかったもの
猟兵の介在によって生まれた異物は猟兵が除去しなければならない
例え完全消失に至らなかったとしても

衝角を警戒し中距離から遠距離までの相対距離を維持
ユーベルコード、ガンホリックを起動
多重ロックオンしたスレイプニルを連続発射
誘導弾への対処行動を誘発させた所にベルリオーズの集中射撃を行う
小から中程度の威力の兵装で継続して攻撃する事で目標の搭乗者に撃墜時の脱出猶予を与える

目標からの攻撃について、連続しての被弾をしない限り脅威性が低いデュアルアサルトライフルはEMフィールドで防御
テールアンカーのプラズマキャノンは回避を主軸とする



●果たさねばならない責務
 ディナが追い込まれた先で待ち構えていたその機体、決着を託された者こそ、アークレイズ・ディナの原型機たる白亜の鉄騎──アークレイズを駆るダビングであった。すでにアームドフォートのヨルムンガンドはパージされている。

「あの機体は本来存在し得なかったもの」

 そう、本来アークレイズという、ダビングが搭乗する機体がこの世界に介在することで生まれたオブリビオンマシン、それがアークレイズ・ディナという機体だった。だからこそ、とダビングは痛感する。

「あれは猟兵が除去しなければならない……例え完全消失に至らなかったとしても」

 アンサズ地方の外でもすでに何度か相対し、撃破を繰り返してきたアークレイズ・ディナ。果たして、この世界で何機のディナが産み落とされているのか、どれほどの国家で運用されてしまっているのか、想像もつかない。だからこそ、1機でも多くこの世界から排除せねばならないのだというのがダビングの考えだった。

 もちろん、他の猟兵たちの意思を無下にはしない。パイロットは脱出させ、以降の動向をイェーガー社に追わせてその大元を探る必要はある。

「同型機……いや、原型機だと?」

 一方、ほとんど同型の機体が目の前に現れたことを知ったディナのパイロットは目を見開いた。おそらく性能も同等だろう。しかしこちらは損傷を受けている分不利。であれば、撤退するしかない。退路を探しながらも、残った武装で血路を開かんとする。

 思惑こそ異なれど、選んだ戦術は同一であった。

「「ガンホリック、アクティブ!!」」

 空中に飛び上がった2機は並走するように武装の撃ち合いを始める。足止めの偏差射撃として放たれたプラズマキャノンを互いに鼻先で回避しながら、白と黒の軌跡を空中に刻み込んだ。その最中、先の戦闘中に失ったデュアルアサルトライフルを拾い上げたディナの弾幕が張られるも、これはアークレイズのEMフィールドが無効化する。

「パイロットの熟練度もあちらが高い……くっ、私が遅れを取っているのか」
「スレイプニルロックオン、ファイア」

 アークレイズが放った小型ミサイルが押し寄せてくる。やむを得ずデュアルアサルトライフルで迎撃しようとしたところに、ベルリオーズの集中射撃がディナに襲いかかった。

「くっ……!」

 コックピットの中では赤い警告灯がひっきりなしに点灯し、アラート音が機体の限界を主張してがなり立てる。潮時か、とディナのパイロットはコックピット内のベイルアウトレバーを引き、イジェクションシートごと空中に射出された。次の瞬間、迎撃しきれなかった小型ミサイル群が主を失ったディナに突き刺さり、空中で散華する。

「こちらアークレイズ。ディナを撃破、ミッションコンプリート。パイロットは脱出しました。パラシュートの開傘を確認」

 ダビングは空中で開いたパラシュートを確認すると、すぐさま通信を送る。

「ソプラノよりアークレイズ、了解。以降は諜報班が追います。ソプラノよりスパイダー各隊に通達、オブジェクトは傘をさしました。引き続き蜘蛛の巣を広げてください」

 符牒混じりの通信が諜報班に送られる中、アークレイズは爆炎を背にその場を去る。

 一方で、ラスタニア首都での式典は郊外での戦闘を他所に、つつがなく幕引きを迎えた。両国はこれから先、アンサズ地方全体での連帯の動きに加わることとなる。

 融和への道を歩み続けるアンサズ地方の各国であったが、その陰では新たな動乱の種火がくすぶり続けていた──。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月13日


挿絵イラスト