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銀河帝国攻略戦⑪~深き戦場の底にて

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●銀河帝国攻略戦⑪~深き戦場の底にて
「皆さん、お集まり頂きありがとうございます」
 銀の髪に、沈む青の瞳をした男は目礼の後に口を開く。
「帝国との戦いが次の段階へと進みました。防衛艦隊とエンペライダーズを排除したことにより、スペースシップワールドの艦隊は、帝国大要塞『エンペラーズマインド』に本格的な攻勢を開始しました」
 これにより、帝国大要塞『エンペラーズマインド』に一度は大打撃を与えることができたのだ。
「お気づくの通り、一度は、です。彼らもそう、容易い相手でも無い故」
 規格外のコアマシンです、とリオは告げた。
「帝国大要塞『エンペラーズマインド』の防御装甲と対艦武装は、規格外の『コアマシン』である『エンペラーズマインド・コア』によって修復され続けることが判明しました」
 その為、撃破するには至らず、戦いは膠着状態に入ってしまったのだ。
「こちらが打撃を与えたのは事実ですが、この状況、あまりに良く無い。この状況を打開する為に、作戦が立案されました」
 猟兵による『コア』への突入作戦だ。
「内側に入ってしまえば、防御装甲と対艦武装は関係ありませんからね。ーーですが、容易い戦いでは無いのは事実」
 エンペラーズマインドへの突入は、スペースシップワールドの艦隊の援護によって、比較的安全に行う事が出来る。
「エスコートは完璧に。内部の巨大隔壁についても先行して突入した猟兵によって破壊され、コアマシンルームへ至る侵攻ルートも確保されている状況です」
 ですが、とリオは言葉を切った。
「あちらも、ただでは通してくださらないようで。コアマシンルームを守るものがいるのが分かっています」
 最後の難関。
 古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』だ。
「これを排除しなければ、コアルームに向かう事は不可能です」
 戦闘のみに特化し、感情を持たない『デストロイ・ウォーマシン』は、かつての『解放軍』の英雄達を何人も殺害したとされる強敵だ。
「ーーたとえ、猟兵であっても油断をすれば簡単に敗北しかねない相手でしょう。容易くは無くーーですが、万全の態勢で挑めば勝機はあります」
 
●エンペラーズマインド・コア
「無事に『デストロイ・ウォーマシン』を倒した先、あと一つ問題があります」
 コアマシンルーム内には、殺人ウイルス『オロチウイルス』が充満しているのだ。
「猟兵であっても数秒程度しか活動する事が出来ません。理屈は不明ですが、明らかに普通のウイするが効かないであろう存在にも効いている以上、急ぎ事を成す方が良いでしょう」
 使える時間はほんのわずかだ。
「コアマシンルーム突入後は、渾身のユーベルコードを1度放つのが精一杯です。ユーベルコードを撃った後は、私の方で皆さんを帰還させます」
 強制帰還ですよ、とリオは告げる。
 現状の打開のための作戦。穿つ一撃ではあるがその牙を、刃を失うつもりなど無いのだから。
「たとえその身が崩れ落ちようとも、必ず帰還させますのでそのつもりで。どうか、武運を」
 そして見せましょう。これが我らの反抗であると。


秋月諒
 秋月諒です。
 どうぞよろしくお願いいたします。

 このシナリオではエンペラーズマインド内部にてコアの破壊を目指します。
 がっつり戦闘系になるのではないかと。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 デストロイ・ウォーマシン撃破後のコア破壊について。
 コアマシンルーム内には、殺人ウイルス『オロチウイルス』が充満しています。猟兵であっても数秒程度しか活動する事が出来ません。
(理屈は現状不明ですが、なぜかウォーマシンやバーチャルキャラクターなど、明らかに普通のウイルスが効かないであろう存在にも効いてしまいます)
 その為、コアマシンルーム突入後は、渾身のユーベルコードを1度放つのが精いっぱいとなります。
 ユーベルコードを撃った後は、グリモア猟兵によって強制帰還させられます。

 そんな雰囲気になると思いますので、皆様の覚悟と戦い、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デストロイウォーマシン』

POW   :    デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●デストロイウォーマシン
 駆け抜けた先、たどり着いたその場所に『それ』は立ってた。高い天井に響く足音を、とうの昔から知っていたとモノアイを向ける。
「ーー」
 かかる声は無かった。ただ、起動したままの武装が動き出す。隠すことのない殺意が叩きつけられる。
「侵入者ヲ確認。これヲ排除ス」
 ブォン、と鈍い音を立て、サーベルが色をーー帯びた。
ガイ・レックウ
【POW】で判定
「最初から飛ばしていくぜ!!」
【怪力】と【2回攻撃】と【鎧砕き】のスキルを使用したドラゴンランスでの【串刺し】と【なぎ払い】で連続して攻め立てるぜ!!
相手の攻撃は【見切り】による回避と【オーラ防御】での防御で防ぐぜ
ここぞのタイミングでユーベルコード【紅蓮開放『ヴリトラ』】を発動、紅蓮の炎で焼き尽くすぜ
突入後は再び発動した【紅蓮開放『ヴリトラ』】の炎を一点に集中させて叩き込んでやる!!


テリブル・カトラリー
デストロイ、ウォーマシンか、そんなのもあったか。
もう、古い記憶だ。

クイックドロウ、スナイパー、二回攻撃で関節部等の比較的脆い箇所を狙い
砲撃で装甲を砲撃。
機を見てジャンプ、ブーストで自身を吹き飛ばし敵へ取りつき、
杭打ち機を怪力で装甲をぶち抜いて内部に杭を射出、鎧無視攻撃。

これでもまだ壊れないのなら
ラストデザートで頭部に弾丸を放つ。
眠れ。


コアルームへ入る前に破壊工作。
換装・戦争腕で大型ブースター付きの大型ドリル腕に換装し、
爆弾を取り付ける
一定時間、もしくはドリルの回転が止まった後、爆発する用に設定

コアルーム内へ侵入後
ドリルをパージ。ブーストでドリル腕を吹き飛ばし、
スナイパーで狙いコア目掛けて射出。


ニトロ・トリニィ
【心境】
あれが帝国の古代超兵器か…
とても強そうだね…
でも、仲間と一緒なら倒せるはず!
みんな!油断は禁物だよ!

【行動】
今回は、前に出て戦おうかな。
固そうだし、物理攻撃は効果が薄いかもね。
技能〈地形の利用〉を使って地の利を活用しながら〈盾受け/激痛耐性/火炎耐性/かばう〉を使って敵の技を防ぐよ!
もちろん仲間も守るから、頼ってくれて良いよ!
攻撃は〈鎧砕き/2回攻撃〉だったら少しは効果があるかもね。
《集約する炎》と〈目潰し〉を合わせた攻撃で、装甲の薄い部分か目を積極的に狙うよ!

アドリブ・共闘歓迎です!


郁芽・瑞莉
現在を奪い去ろうとする悪辣な力に対する抗い、
大切な人を、場所を、世界を守ろうとする意志と覚悟。

解放軍の尊い意志と覚悟、
その身に今一度、刻み込みましょう!

攻撃は【ダッシュ】しつつ、【残像】や【見切り】で回避。
直撃を避けられない場合は薙刀や苦無を【投擲】して【武器受け】、
それでもさばけない場合は各種耐性と【オーラ防御】で最小限で切り抜けて、【カウンター】で巫覡載霊し、舞を違う型で続けて、
【2回攻撃】で、魅せますよ!

ウイルス…、私達の何かを利用しての作用でしょうか?
それさえ分かれば無効化出来そうですが…。

ウォーマシン撃破後にはコアに向けて巫覡載霊の舞を放ちます。
この一撃は水の一滴、必ずや穿ちますよ!


黒蛇・宵蔭
さあ、かつて流れた血の分まで、購っていただきましょう。

デストロイ某とは距離をとりつつ、装甲の弱体化を狙います。
極力人の影や地形を利用し、目立たぬよう立ち回ります。
また、鉄錆に生命力を啜らせることで内側からの崩壊を期待しつつ。
機械相手で不満でしょうが、頑張ってもらいますよ。
本来強者と直接立ち会うのは、私の本分ではないのですが。
血界檻鎖は雷帯びた鉄の拘束具を。
私が倒れるのが先か、そちらがスクラップになるのが先か、ひとつ勝負と参りましょう。
何、死にかけるのは今日が初めてでもありません。案外愉しいものですよ?

コアマシーンの元まで辿り着けたならば、血界檻鎖で重たそうな籠を。
邪道ですが、叩きつけようかと。


シュデラ・テノーフォン
アノガラクタ強いんだ
なら狩ろうか

ユーベルコードで攻撃しなきゃコピーしないんだな?
なら、Cenerentolaに雷の精霊弾を装填し撃ち込む
ショートしな機械人形

あァ暴走しだしたな
速く動くモンに反応?じゃあ、俺の銃弾はどうかな
Aschenputtelの銃撃を獲物のすぐ側に何度も放つ
無駄に良い処理速度なんだろ?
俺の銃弾に気を取られたら、その隙に皆攻撃して

全力砲撃は受けて立つさ、指輪の盾を展開して防御を
もし防ぎきれないのなら硝子の城壁で弾切れ迄耐え切る
あ、防御持ってない仲間が居るなら俺の後ろにいてね

ラストはコア破壊ね、任せな
Accoladeで強化したAschenputtelの光線銃撃で撃ち抜いてやるさ


ミニョン・エルシェ
SPD

「正に強敵、ですね。…本懐です。」
連携は必須ですね。

万里走破・如煌星で騎乗戦闘を仕掛けます。
「武器受け」で攻撃を凌ぎながらチャージを行い、
「鎧無視攻撃」、「二回攻撃」でダメージを蓄積させていきましょう。
クリムゾンバーストの予備動作と見られる動きをしたら、
相手の砲門が向いている先を外す様に、「逃げ足」で回避を優先します。

全武装を用いたなら次弾装填の隙も大きい筈。
「カウンター」として、鉤爪を掛けて距離を一気に詰めて取り付き
「鎧無視攻撃」で刺し貫きます。

コアルームでは万里走破・如煌星で時間の許す限り加速、
「鎧無視」を載せて、渾身の「槍投げ」を行います。
「銘に見合う働きを期待します。…鐵貫!!」


枯井戸・マックス
連携・アドリブ・特技応用、歓迎です。

「正に正念場だな。たまには本気で運動するか」

仮面を額から顔正面に掛け直し心のスイッチオン。

「遺物の王の名の下に……集え!サモンアーマー・フルカウル!」

召喚した様々な遺物が鎧となってその身に装着され、全身鎧姿となる。
モチーフは山羊座、山羊の跳躍力を高める風の【属性】持ち。

敢えて速く動き【かばう、武器受け】で仲間の盾となりつつ、【怪力、鎧無視攻撃、衝撃波】など攻撃系特技を全活用。

「少し早いが歳末棚卸しセールだ!」
自身の遺物装備(オリジナル武装)を全て召喚し取っ替え引っ替え連続攻撃をしかける。
超過駆動による自身へのダメージは一切無視。

「やれやれ、明日は筋肉痛だな」


ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
コアマシンルームも目と鼻の先。
さ、こんなポンコツ兵器さっさと突破してしまおう。
大丈夫。私達ならいけるよ。

対ポンコ…ウォーマシンでは味方の援護に徹するよ。
味方を狙う相手の武装を【貫通する矢(アインス)】で一つ一つ確実に撃ち抜いていこう。相手の手数が減ればそれだけ私たちは有利なんだしね。
敵の全力砲撃が来たら【無効化の矢(フュンフ)】で妨害するよ。
味方に攻撃を通させるつもりはないからね。

撃破完了後、コアマシンルームについたらやる事は一つ。
1度しか放てないとは言うけれど、1撃放てればそれだけで十分。
だって私の矢は全てを貫くから。
いくよ。貫け、アインス。


ワン・シャウレン
流石に守り手も相応の者よな
じゃが、なればこそここで止められる訳にはいかぬ

他の参加者とも協力。
ウォーマシンのような高火力高耐久等の敵に長期戦など出来ぬ話。
僅かなりとしても隙を見出し渾身の技を叩き込む他あるまい。
わしを優先して狙って来るのであれば隙作りと弾除けをわしが務めることにしよう。

一切殺戮モードの敵は後回しで解除まで回避。
耐久力を上げているのでは仕留めきれぬ。

砲撃はある程度覚悟の上じゃが、見切りとフェイント、敵を盾にする等技能も駆使。
潜り抜け連ね流星を叩き込める所まで踏み込めば
後は全身全霊。
防御などさせぬわ。
パターンはいくつかあるので、最適と思うものを(アドリブ歓迎)

コアも渾身叩き込むのみ。


ソラスティベル・グラスラン
帝国の巨大要塞!
ふふふ……相当な困難が待っているでしょう
だからこそ、わたしの勇気は嘗て無く昂っています!
さあ行きましょう、ナイくん(f05727)!

ウォーマシン戦!
ただ只管に【勇気】を持って前へ、前へ
【オーラ防御・盾受け・見切り】それらを全てを併用しがっちり防御
そのまま強引に接近し【怪力】による蒼雷纏う大斧の一撃を!
後ろはわたしの最も信を置くパートナーさんが支えてくれているのです!
決して退きはしませんよ!

コアルーム戦
【怪力・捨て身の一撃・力溜め】を籠めた天空斧
尚足りぬなら、全力の【勇気】で補いますッ!
此処こそが、戦渦の最前線!我らの勇気は貴方を砕く!
最後に勝つのは、勇気ある者ですッ!!


ナイ・デス
私、破壊力には自信ない、ですが
ソラ(f05892)のサポート、します!

ウォーマシン戦
私を、ソラを、一緒に戦う仲間を、常に生まれながらの光で包んで回復、オーラ防御して、支えます!
疲労、しますが。地形の利用
地縛鎖を要塞のどこかに突き刺し、霊的ハッキング
ゴーグルも使って、電脳魔術でもハッキング
電力など、要塞から生命力吸収して、エネルギー確保、疲労を補って
常に支援、です!

コア戦
生まれながらの光で、コア破壊する猟兵を支援します
オロチウイルス相手に、時間を延ばせるかは、わからない、ですが
痛みをやわらげたりで、ウイルスの影響で動きが鈍るの阻止してより万全に近い状態で、全力の一撃を、放てるように!



●虚空の相対者たち
「ファイア」
 短な言葉を合図に空間がーー裂けた。散開を告げる声が重なり、床を蹴った猟兵たちの真横を熱がいく。熱源ーー光線だ。砲塔を構える動作など然程必要としないのは機械故か。モノアイは左右に散った猟兵たちの姿を捉えていく。
 見られている、とそう感じた次の瞬間、肩のポットが開くのが見えた。
「忙しいものじゃな」
 全くと、落とす息はワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)のものだ。一瞬にして、艦内の温度が上がる。熱風が戦場を白く染めーーだが次の瞬間、かき消される。管理された空調のお陰かそれともデストロイウォーマシンが守る以上は当たり前の処置か。
「流石に守り手も相応の者よな」
 じゃが、とワンはみ空の瞳を巨影へと向けた。最初の一撃、外れた事実を認識したデストロイウォーマシンが鈍い音を立てる。軋みに似たそれは、稼働に憂いを残すものではないだろう。感じるのは敵意。殺意ではなくーーだが、強い、と悠然と立つ機械に思う。
「なればこそここで止められる訳にはいかぬ」
「あぁ、正に正念場だな。たまには本気で運動するか」
 は、と息を吐きーー枯井戸・マックスは仮面を額から顔に掛け直す。心のスイッチを切り替えたのは、眼前の敵を強敵と認めた故。迫る熱源を仮面の奥に見据え珈琲屋のマスターはひとつ、笑った。
「前だ」
「あぁ……!」
 応じた男が床を蹴る。熱した床を足裏に捉え前へーー飛ぶ。
「最初から飛ばしていくぜ!!」
 ガイ・レックウ(流浪の剣士・f01997)だ。赤の瞳は眼前の敵を見据え、踏み込んだ間合いにてガイは竜の名を呼ぶ。来いと告げ、吠えた剣士の手の中に落ちたのは竜の槍。至近にて、穿つ一撃が生まれた。
「猟兵の攻撃を確認。損傷は軽ーー……!?」
 装甲に切っ先が触れる。掠るように火花が散る。手に返る感触は高くーーだが、だからこそ、ガイは床を踏む足に力を込めた。
「一度だけだと思うか?」
「!」
 デストロイウォーマシンの装甲の上、滑った槍を引き寄せーー穿つ。装甲に罅が入りデストロイウォーマシンの鎧が砕けた。
 ガウン、と重い音と共にガイの一撃がデストロイウォーマシンを串刺しにしたのだ。バチ、と派手な火花が散りーーだが次の瞬間、何かが来る。
「……!」
 拳だ。鉄の拳。穿つというよりはただ、叩きつけるだけのそれが、ガイに沈む。
「……ッく」
 は、と吐く。息に血が混じる。一瞬、揺らぎかけた視界に、だが、ガイは腹に力をいれた。握る腕に武器は残っている。最初から飛ばし、向かったガイを己の間合いから吹き飛ばす為の一撃か。オーラ防御で受け止め切れなかった分のダメージが、全身に回る。だがそれでもーー男は立っていた。解放軍の数多の英雄たちを屠っていた古代超兵器を前に、だ。
「コード確認。デルストロイトリガー承認。これよりイレギュラー達の排除を開始スル」
 キュインと甲高い音が響く。来るぞ、とワンの警戒が響く。デストロイウォーマシンの形状が変わっていく。換装された武装の全てが熱を帯びーーぶおん、と足元、風が、生まれた。
「排除」
 ノイズがかった声と共に、デストロイウォーマシンがーー来た。超高速の接近に、だが、踏み込む影があった。
「防ぐよ!」
 ニトロ・トリニィ(楽観的な旅人・f07375)だ。ガギン、と構えられた大剣が一撃を受け止めていた。爆ぜたのは火花か炎か。踏みとどまれたのは、あの時、焼けた床をニトロは見ていたからだ。ここであれば、足場にちょうど良い。ひらけた空間である以上、艦内に盾として使えそうなものは無かったがーー。
「受け止め、られた……!」
 ガン、と大剣を刎ねあげる。瞬間、こちらを向いたモノアイが至近にて一撃を放つ。
 ーー筈だった。
「その時間、確かに貰ったよ」
 穿つ一撃が、デストロイウォーマシンに届いていたのだ。ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)の矢は外れない。
「コアマシンルームも目と鼻の先。さ、こんなポンコツ兵器さっさと突破してしまおう」
 ガウンと火が上がる。敵の構えた砲塔から、その奥を破壊するかのように。
「大丈夫。私達ならいけるよ」
 ルエリラの貫通する矢が、デストロイウォーマシンの砲塔を射抜いていたのだ。
「イレ、ギュラァアア……!」
 キュイン、と再び、デストロイウォーマシンが熱を帯びた。熱風が戦場を走り、暴れるままニトロを振り払い戦場の奥へと飛び込む。ぐん、と一気に加速する兵器を男とて逃がした訳では無い。ただ構えられた銃口を見ていたからだ。
「……」
 関節部に打撃が来た。ガウン、と重い一撃に、デストロイウォーマシンのモノアイが動く。キュインと甲高い音と共に、自分を捉えたことをテリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)は知る。ーーだが。
「デストロイ、ウォーマシンか、そんなのもあったか」
 猟兵に選ばれ強制起動されたウォーマシンは、静かに息を落とす。黒の瞳が迷うことなく敵を見据え冷徹に正確に一撃をーー選ぶ。
「もう、古い記憶だ」
 装甲は、二度目の攻撃にーー爆ぜた。罅が入り、だがむき出しになった装甲から這い出た砲塔がテリブルを捉える。
「エラーを確認。イレギュラー、認証、認証コードヲ!」
 イレギュラー、と吠えた超広大兵器の弾丸がテリブルの肩口を穿つ。バキン、と爆ぜたのは装甲か、それとも落ちた中身か。弾けた火花を気にすることなく、迫る兵器に対しーー踏み込む。詰められるその前に、自ら行けば狭い間合いはこちらの管理するものとなるのだから。
「取り付くのか?」
「あぁ。その方が早い」
 踏み込む、二歩めは大きかった。だん、と重く音を響かせてブーストで自分を吹き飛ばし、一気に間合いを詰めるテリブルを視界にシュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)は笑った。
「アノガラクタ強いんだ。なら狩ろうか」
 再びの殺戮モードに変じ、暴れる巨体にシュデラはCenerentolaを向けた。装填するのは雷の精霊弾。敵にユーベルコードをコピーする能力があるのであれば、使わずそれを封じれば良いだけのこと。
「ショートしな機械人形」
「コードにエラー発生、損耗率、率、リリリリ……!」
 狂ったように上がる声に、爆ぜた雷の弾丸にデストロイウォーマシンの振り下ろす腕がーー鈍る。ほんの少し落ちたスピード。一拍の間。だがそれだけあればテリブルには十分だ。
「……」
 杭打ち機で装甲をぶち抜き内部に杭を射出する。ギュイン、と重い音と共に、戦場に響き渡る硬音が貫通を告げていた。
「イレ、ギュラァアアア……!」
 吠える古代兵器に。叩きつけられる敵意に、戦場が震えていた。砕けた破片さえ、熱に飲まれて消えてゆくのを黒蛇・宵蔭(聖釘・f02394)は悠然と見送る。理性を失い、暴れる兵器の砲撃が天井を焼いた。落ちる熱に足を引きーーひゅん、と腕を振るう。
「損傷ヲ確認。イレギュラーを……!?」
 打ち据える一撃にデストロイウォーマシンの装甲から火花が散り、こちらを探すように一瞬揺れた瞳に宵蔭は人影に紛れる。なるべく目立たぬように立ち回っていたのだ。引き戻す鞭は、荊持つ鉄の鞭。損傷は軽微と兵器は告げるがーーだが、その鞭に引き裂かれた部分は、赤く変色していた。錆びついたそれに近く、その意味を宵蔭は知っている。
「成る程、通りましたか」
 硬い装甲とて絶対のものでは無い。砕けるように、切りつければ火花が出るように限界は存在しうる。鞭で打ちすえれば瓦解のその時もやってくる。
「機械相手で不満でしょうが、頑張ってもらいますよ」
 ひゅん、と振るう鞭に、今度はデストロイウォーマシンの瞳がーー向いた。否、理性なき状態である今、こちらを捉えたという訳でも無いのだろう。ただただ、攻撃の方向として選んだだけのこと。
「やれやれ」
 肩のポッドが開く。降り注ぐミサイルに宵蔭は前にーー出た。熱源に鉄錆を振るい、眼前に生じた爆発が肌を焼く。だがその程度、真正面から受けるよりは幾分かマシだ。
「騎馬武者の戦いをお見せします。宜しくお願いしますね、煌星」
 その爆炎の中を、同じく駆け抜ける少女の姿があった。炎の中、ミニョン・エルシェ(木菟の城普請・f03471)は召喚した神馬「煌星」に跨り一気に距離をーー詰める。
「……突撃!」
 ぐん、と距離を詰める。突撃にデストロイウォーマシンの砲門がミニョンを捉えた。
「斉射」
 駆ける熱線を煌星と共にミニョンは躱す。全武装からの全力砲撃は流石に全て躱し切るには足りないか。腕を焼く熱を、なぎ払うように振り上がる砲門からの一撃をミニョンは武器で受ける。弾きあげ、なお狙うのはーー接近だ。
「正に強敵、ですね。……本懐です」
「イレギュラーの接近ヲ確認」
「えぇ。その通りです。この一撃は……!」
 通す為にあるのだから。
 ガウン、と重い一撃が、デストロイウォーマシンに落ちた。散る火花に、僅か身を逸らした古代兵器がーーだが、跳ねるように身を起こす。
「全武装……」
「そう何度も、叩き込めると思うかのう?」
 熱を帯びた砲門に、穿つ一撃が通る。衝撃に銃口が上向く。モノアイが己を見据えたのを確認しながら、ワンは笑みを敷いた。
「来るかの?」
 ウォーマシンのような高火力高耐久等の敵に長期戦など出来ぬ話、僅かなりとしても隙を見出し渾身の技を叩き込む他あるまい。
 例えそれが多くの英雄を屠った兵器であったとしても。一撃、放てば次の一撃まで僅かな隙ができる。駆動兵器の隙など一瞬だ。だがそれを、確かに逃すことなく掴みとればーー。
「届きます」
 郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)は言った。
「現在を奪い去ろうとする悪辣な力に対する抗い、大切な人を、場所を、世界を守ろうとする意志と覚悟」
 解放軍の尊い意志と覚悟。
「その身に今一度、刻み込みましょう!」
 前にーー行く。踏み込みと同時に身を低め、瑞莉は加速する。接近に、足元、薙ぐように砲撃が走った。熱源を飛び越え、足りぬ分を振るう薙刀で散らす。
「ーー」
 残る武装が、肩のポッドが降る熱が瑞莉の足を焼く。だがその熱で、その程度の痛みで戦巫女の歩みは止まらない。その程度の炎で瑞莉の斬撃はーー。
「はぁあああ……!」
 揺るがない。
 巫覡載霊し、引く足は舞のそれ。振り上げた薙刀を舞うように瑞莉はデストロイウォーマシンへと叩きつけた。
「イレギュラァアア……ッ」
 装甲が、爆ぜる。撃ち出す筈の銃弾が天井へと弧を描く。中空で爆ぜた光に、一瞬の眩しさにソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は息を吸う。
「ふふふ……相当な困難が待っているでしょう。
だからこそ、わたしの勇気は嘗て無く昂っています!」
 降り注ぐ熱に、た、とソラスティベルは床を蹴った。ただ只管に勇気を持ってーー前へ。
「さあ行きましょう、ナイくん!」
「はい。私、破壊力には自信ない、ですがソラのサポート、します!」
 応じたのはナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)だ。息を、吸う。ナイが紡ぐのは生まれながらの光。自分を、ソラを、一緒に戦う仲間を聖なる光で包む。
「……ッ」
 それは疲労し続けることを、示していた。高速治療の代償か。それとも、それ故に聖なる光であるのか。だが、熱と炎に満ちた戦場をナイは真っ直ぐに見据えていた。伸ばす手で地縛鎖を要塞の壁に突き刺し、展開したゴーグルと一緒にこの場を霊的に、そして電脳魔術でもハッキングする。
「この要塞から、生命力を吸収、します!」
「侵入者の妨害を確認。排除ヲ……」
 デストロイウォーマシンのモノアイが、ナイを捉える。キュイン、と高く響いた音にーーだが、ソラスティベルが踏み込んだ。
「させませんよ!」
 その視線に、その軸線に。ソラスティベルは踏み込む。接近を嫌うように、侵入者と響く声と共に振るわれたサーベルを盾で受け止め、ぐん、と前に出た。強引な接近に、デストロイウォーマシンの影がソラスティベルに落ちる。
「これぞ我が勇気の証明、来たる戦渦の最前線!」
 だが、少女は臆さない。揺るがない。
 踏み込む足をそのままに、ぐん、と前に出て振り上げるは蒼雷纏う大斧。
「故に応えなさい、勇者の大斧よ!!」
 ゴウ、と雷光が落ちた。一撃にウォーマシンは身を守るように腕を出す。ーーだが、一撃の方が、重い。
「……!」
 ガギン、と火花が散る。装甲の一部が欠け落ちる。
「後ろはわたしの最も信を置くパートナーさんが支えてくれているのです! 決して退きはしませんよ!」
 ぐらり、ぐらりとデストロイウォーマシンは身を揺らす。構えた銃口が爆ぜ、砕けて落ちる。ダメージは通っている。ーーだが、まだ、と猟兵たちは思った。まだ『動いてくる』と。
「コード、コード確認。トリガー承認。デストロイトリガァアアアアア……!」
 機械の咆哮が、響き渡った。瞬間、キュインという音と共に至近にあったソラスティベルにウォーマシンの刃が届く。
「……ッまだ!」
「癒し、ます!」
 ナイの紡ぐ光が落ちる。一切殺戮モードに変化したウォーマシーンの駆動が唸るように響き、砲門が一気に稼働した。
「殲滅スル」
 言葉と同時に、光がーー来た。

●深き戦場の底
 光線は熱の帯となって、圧倒的な力を以って猟兵たちをなぎ払うーー筈であった。
「遺物の王の名の下に……集え! サモンアーマー・フルカウル!」 
 光は、熱は、一人の男の前で止まっていた。
 召喚した様々な遺物が鎧となり、身に纏ったマックスがその光を受け止めていたのだ。光線は、弾きあげた腕によって天井に抜ける。
「イレギュラー……侵入者ヲ殲滅、滅滅滅滅……!」
 キュイン、と高く音を上げたウォーマシンが、殺戮モードを展開したまま飛ぶ。距離を詰めるというよりは、ただぶつかるようなそれに真面な狙いなど無い。ただただ暴れているだけのそれは、それ故に避けにくい。だが同時にーー。
「じゃあ、俺の銃弾はどうかな」
 キン、と弾丸が床を叩いた。その速度にデストロイウォーマシンは反応する。機械であるが故に、正しく銃弾の速度を、動きの速いそれと認識してしまうのだから。そしてシュデラの腕であれば、ウォーマシンの直ぐ側に銃弾を撃ち込むのもーー可能だ。
「無駄に良い処理速度なんだろ?」
 ふ、とシュデラは笑い、仲間の猟兵たちに声をかけた。
「俺の銃弾に気を取られたら、その隙に皆攻撃して」
 視線はそのまま、獲物を捕らえて。銃口を向けて。
「あぁ。行くぜ……!」
 踏み込んだガイの妖刀が熱を帯びる。紅蓮の炎が、咆哮と共にウォーマシンへと届いた。
 熱が、爆ぜる。装甲が砕ける。落ちた銃口を自ら砕き、深く殺戮モードへと入り込んだウォーマシンが加速してくる。
「殲滅、殲滅ヲ……!」
 暴れるように、銃弾が周囲に振りまかれた。降り注ぐ熱と砕けた鉄の中、戦場は加速する。殺戮を告げる兵器は光線を放ち、広い上げた理性と共に全武装を展開する。
「本来強者と直接立ち会うのは、私の本分ではないのですが」
 炸裂する力が、宵蔭の腕を染めていた。鞭で払った砲撃ではない。暴れるウォーマシンの銃弾が腕を射抜いていたのだ。痛みより先、熱が来るのは光線の所為か。降り注ぐミサイルを前に、ふ、と男は笑う。
「私が倒れるのが先か、そちらがスクラップになるのが先か、ひとつ勝負と参りましょう」
 血に濡れた手を宵蔭は引く。じゃらりと響く鎖の音。顕現するのは血に濡れた拘束具。己の周囲に生じた影に、ウォーマシンの砲塔が起動する。長銃による狙撃はーーだが、搦めとる拘束具によってズラされる。
「何、死にかけるのは今日が初めてでもありません」
 頬を一筋、掠った銃弾に宵蔭は笑む。払うように振るうウォーマシンの腕が、その装甲がーー爆ぜた。
「ナ……!?」
 それは、宵蔭の鞭によって生命力を削られ続けていたが故。無茶な機動には、最早ついては行けない。
「案外愉しいものですよ?」
「イレギュラァアアアア……!」
 咆哮と共に、砲撃が来た。爆炎の中、払う鞭が弧を描く。派手に散る光の中、た、とニトロは行く。
「狙いを定めて……発射!」
 指先を向けた先、デストロイウォーマシンのモノアイを熱線が撃ち抜いたのだ。
 ギン、と派手な音を立てウォーマシンの『目』が駆ける。降り注ぐ筈だったミサイルが一瞬、その制御を見失う。
「侵入者、最大警戒。殲滅ヲ殲滅滅滅滅……!」
「暴れる程度か」
 振り下ろす、その砲塔をワンは潜る。一気に踏み込んだ間合い。胴へと叩き込んだ一撃。その姿に気がついたウォーマシンの腕が動く。ーーだが。
「防御などさせぬわ」
 その腕に、ワンは足をかける。蹴り上げて、宙に舞い上がれば落下の勢いごと足をーー落とす。ガウン、と重く落ちた一撃。火花が散り、装甲が砕け落ちる。ガン、と床を震わせるほどに重く響いたのは、砲塔の一つが落ちたからか。肩のポットをルエリラが射抜けばーー展開される武装も減る。
「認証。コード認証、全武装……!」
「ーー」
 爆炎の中を、ミニョンはいく。全武装を用いた今、次弾装填の隙はーー大きい。
「行きます」
「いくよ……!」
 ミニョンの鉤爪と、ソラスティベルの斧がデストロイウォーマシンに落ちる。火花を散らし、砕け落ちた機械の破片が床に落ちる。
「侵入者、イレギュラ、ァアア」
 炎が上がる。腕が爆ぜ落ちる。それでもまだ、動き出そうとするウォーマシンにテリブルはラストデザートを向けた。
「イレギュ、ラ……ッ!」
「眠れ」
 頭部への一撃。ガウン、と放たれた弾丸がデストロイウォーマシンを打ち抜きーー砕く。ぐらり、と巨体が揺れた。古代超兵器の最後、向けた銃口は熱を持てぬまま、モノアイが揺れる。
「侵入者、脅威ノ、再判定ヲ、コレハコレ、ハ……」
 銃口が落ちる。サーベルから光が消えーー古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』は猟兵たちの前に、崩れ落ちた。

●オロチ
 爆炎と共に、ウォーマシンは砕け散った。爆風にばたばたと靡く外套と、残る傷の痛みを置いて猟兵たちはコアマシンルームへと急ぐ。駆け抜けた先、その向こうにある『何か』を彼らは知っている。だが、ここで足を止めるという気は無かった。この為に向かい、この為に辿りついたのだから。
「開けますよ」
「私は、ソラを、仲間を援護します」
 扉へと手をかけたソラスティベルの横、ナイが回復を展開する。オロチウイルス相手に、時間を延ばせるかはわからないが、痛みを和らげたりはできるかもしれない。
「ウイルスの影響で動きが鈍るの阻止してより万全に近い状態で、全力の一撃を、放てるように!」
「うん……!」
 力強く頷いたソラスティベルの手によって扉がーー開く。エンペラーズマインド内部コアマシンルームへと猟兵たちは飛び込んだ。瞬間、空気が変わる。間違いなく、口にする間でも無く此処は『危険』だとそう分かる。だが、コアは見えていた。ならば、そこにーー届かせる。
「我が刀に封じられし、炎よ!!」
 抜き払ったガイの妖刀ヴァジュラに獄炎が解き放たれる。
「紅蓮の竜となりて、すべてを焼き尽くせ!!」
 コアへと一点に集中して、炎が走った。向かう熱を視界にシュデラはAschenputtelを向ける。
「任せな」
 充満するウイルスの向こう、身を焼く痛みに狙いを揺るがせることなくシュデラが一撃を放つ。ガウン、と響く音に聞こえるのは破砕の音か。
「少し早いが歳末棚卸しセールだ!」
 マックスは己の遺物装備を全て召喚し、取っ替え引っ替え連続の攻撃を叩き込んだ。爆撃に斬撃、轟音と共に見えた火花にワンは笑みを刻む。
「行こうぞ!」
 それは友たる老拳士の秘奥を完全に模倣した連撃。穿つ一撃に、握る拳に迷いなど無い。
「こいつは、苦痛を与えるための一品ですよ」
 重たそうな籠を召喚し、宵蔭はコアの直上に振り落とす。重量による打撃だ。ガウンと鈍く、響いた音に、派手に見えた火花に瑞莉は神霊体へとその身を変える。
「この一撃は水の一滴、必ずや穿ちますよ!」
 薙刀から衝撃波が、ザンとコアを切り裂いた。
「狙いを定めて……発射!」
 ニトロの放つ熱線がコアを焼き、鈍く落ちた光を視界にテリブルはドリル腕をパージする。それは、爆弾を取り付けた腕だ。コア目掛けて射出された大型ドリルが再奥へとーー届く。
 ガウン、と重い音と共に、ドリルが突き進む。破砕の音に迷う事なくミニョンは渾身の槍投げを放った。
「銘に見合う働きを期待します。……鐵貫!!」
 穿つ、一撃が爆砕を招く。落ちた光を視界に、ルエリラは弓に手をかけた。1度しか放てないとは言うけれど、1撃放てればそれだけで十分。
「だって私の矢は全てを貫くから」
 構えるのは全てを貫通する魔力の矢。青の瞳は迷う事なく、まっすぐにコアを捉えーー。
「いくよ。貫け、アインス」
 放った。
 貫通の一撃が、コアへと届く。破砕の音が、大きくなる。
「此処こそが、戦渦の最前線! 我らの勇気は貴方を砕く!」
 痛みは、熱はいつまでもあるけれど。それをせめてと、光を届けてくれるパートナーもいる。
「最後に勝つのは、勇気ある者ですッ!!」
 宣言に似たソラスティベルの叫びが、響き渡った。明日へとつなげる為、現状の打開の為、この瞬間の為に駆け抜けた猟兵たちの一撃がーーコアを炎に沈めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト