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とびだせ! エロ本の島

#グリードオーシャン #戦後 #エロ本

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「はあ~~~~~~~~」
 ムルヘルベル・アーキロギアは盛大なため息をついた。
 そして猟兵たちをちらりと見て、またため息をついて、観念した。
「あ~……その、だな。グリードオーシャンでちょっとした航海をしてほしいのだ。
 もちろん、ただの海路ではない。オブリビオンによって封鎖された海路ゆえな」
 七大海嘯が斃れたことで、グリードオーシャンにはひとまずの平和が訪れた。
 これにより、今までおとぎ話やほら話だと思われていた「伝説の島」が、
 どうやら実在している上に船で移動できるらしい……と、わかってきたのである。
 ムルヘルベルの頼みたい仕事とは、まさにその「伝説の島」への渡航。
 とある島から交易路を開拓してほしい、という依頼があったというわけだ。

 んで、なんでため息ついてるかっつーと。
「依頼元の島がな、そのう……カセンジキ島、というのだが……」
 ムルヘルベルはまた、盛大なため息をついた。
「………………この島の特産品は、その~~~……アレな本なのだ。
 たいへん遺憾で、不服で、マジで嫌そうな顔で彼は言った。
「アレというのはつまり……だからぁ! エロ本である!!!!!!」
 そして顔を覆って丸まった。

 ――エロ本。
 それはトレジャー。
 それは希望。
 それは光。
 それはロマン。
 男子にとっての避け得ぬ……通過点!!
「ワガハイだってあんな島に関わり合いになりたくないのである」
 ムルヘルベルは死にそうな顔で言った。
 カセンジキ島は、なぜかあちこちにエロ本が落ちている不思議な島。
 島民は中学生マインドを持つ男ばかりという、悪い夢みたいな場所だ。
 この島に伝わる、あるおとぎ話に登場するのが、目的地である「伝説の島」。
 伝承によればその名を……「コウエンノスミッコニアルクサムラ島」という!
「一体どこのバカなんであるかこんな名前つけたのは」
 ムルヘルベルは真顔で遠い目をした。誰なんだろうね。

「まあ、とにかくだ」
 ムルヘルベルは、無理やり真面目モードで乗り切ることにした。
「オヌシらには、エロほ……交易品を乗せた船で海路を開拓してもらいたい。
 異常気象なりなんなり起きるかもしれんし、他にも障害はあるだろう。
 ここを乗り切らんと、目的の島に到達できんのでな。到達しなくていい気がするが」
 グリモア猟兵としてあってはならないことまで言う始末。
「もちろん仕事はそれだけではない。交易路を結ぶには品物を売り込まねばな。
 ……なんだその顔は。そうだ、オヌシらが向こうの島の特産品を探すのだぞ」
 ムルヘルベルは他人事みてえな面で言った。
 他人事みてえな面をしているが、実は2章は日常フラグメントだし、オブリビオンと戦うわけでもないので、巻き込もうと思えばこいつも巻き込めてしまう。
「伝説の島に住んでる者らがどんな連中かは、ワガハイにもまったくわからん。
 カセンジキ島の連中の同類かもしれんし、そうでないかもしれん。
 どっちにしろ、まあなんだ、勢いで押し切ればなんとかなるんでないか?」
 ムルヘルベルはやる気ゼロの顔で言った。
「しかし、なんでワガハイ何度もこんな予知してるんであろうなあ」
 最後の方はもう猟兵たちのほうすら見てなかった。ネタシナリオの弊害ですね。


唐揚げ
 本当は8月中に出したかったんですが……。
 というわけで(?)恒例の(?)エロ本シナリオです。
 今回は拾うのではなく、エロ本を売り込むシナリオとなります!

 エロ本を売り込むって何? 当方にもわかりません。
 わかるのは、1章が冒険フラグメントで2章が日常フラグメントだということ。
 そして、このシナリオが全体的にトチ狂ったネタシナリオだということです。
 一体伝説の島に住むのは、どんな人たちなのか……気になりますね!

 あ、1章では嵐とかなんか危険な海中の罠とか、
 あとエロ本だけを狙って鉄甲船に襲いかかってくる特殊な海洋生物とか、
 エロ本を疑似餌代わりに獲物を誘い込もうとする危険な怪物などがいます。
 とても危ないですね。猟兵の力で頑張って突破しましょう!

 採用は出来るだけ多くの人を採用できるように頑張ります。
 締切とかは特にありません。そんな感じでよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『伝説の島を目指せ』

POW   :    目の前の問題を力任せに解決します。満載された積荷が崩れそうな場合などは、全力で支えたりします

SPD   :    敵が想定しない速度で鉄甲船を操ったり、類まれな操船技術によって困難を乗り切ります

WIZ   :    伝説の島の謎を解いたり、策略を逆手にとって利用する事で、島を目指します

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鉄甲船"スリッド号"。
 かつてこのグリードオーシャンに到達するため、鹵獲された船の名だ。
 いくつもの島を巡り、戦争を終えてなお健在である。

 なんだかんだ、頑張っている船だった。
 その船がいま満載しているのは……そう、エロ本!
 カセンジキ島の男たちが頑張って拾い集めた、カッピカピのエロ本!
 もちろん猟兵も、頑張って拾い集めたことにしてもいい。
 実写のエロ本もあるだろう。
 コンビニで売ってそうな消しのチョー強いエロ漫画もあるだろう。
 エロ本に貴賎などない。あるのは地雷かどうか、それぐらいだ。
 このエロ本たちを、伝説の島へと送り届ける。
 それが、猟兵たちに与えられた崇高なる使命なのだ。

 だが猟兵たちよ、心せよ。
 伝説の島への海路には、数多の危険が待つ。
 渦潮! ……と、その真ん中になぜか浮かんでるエロ本!
 予測不能な潮目! ……と、なぜか大量に流れてくるエロ本!
 空から降り注ぐ雹! ……と、なぜか降ってくるエッグいエロ本!
 オブリビオンの仕掛けた水中機雷! ……と、水中に沈んでるエロ本!
 獰猛な海獣! ……が狙うのは、なぜか主にエロ本!
 得体のしれない海の魔獣の誘惑! ……も、主にエロ本!

 気を抜けばやられてしまう。そして大切なエロ本も台無しだ。
 大事なお宝を守り抜きつつ、ロマン溢れる海路を進もう!
 まあ正直こんなネタシナリオでまともに障害突破を考えるほうが狂ってるっていう説もあるんで、なんか普通に船旅楽しんでるプレイングでも特に問題なく大成功になります!
アニエス・アルカンシェル
◆虎鉄と
(そしてこちらもグリモア猟兵からの話を以下虎鉄と同文のため依頼のアホらしさを把握していないのである!)

そうですね。
交易路への襲撃は即ち民のライフラインへの襲撃。決して許してはなりません。

(自前の銃による射撃でエロ本海賊団のエロ本サーベルを撃ち抜き、エロ本マスケット銃を撃ち落とし、エロ本大砲を破壊する)
(そんな激闘を終え、ふと近くに落ちていたものを拾い上げ)
……これは?積荷の一部、あるいは賊の物でしょうか。
いわゆる漫画のようですね。中身は──
(偶然にも自分によく似たキャラのラブラブ甘イチャエロ本を一部見てしまうアニエスの図)
……な、なんでもないよ虎鉄くん!?
膝枕とか……なんでもないよ!?


牙・虎鉄
◆アニエスと

(グリモア猟兵からの話を「交易品を乗せた船で海路を開拓してもらいたい」の下り以降からしか聞いてなかった🐯である)
(つまり依頼の核心部分を理解しないままただの護衛任務のノリで駆けつけたのである!!)

――騒がしいな。
交易品を狙う賊共が現れたか。
征こうアニエス、交易品(※エロ本とは知らない)を護らねば――!!

(持ち前の『毀鋼拳』で海賊(エロ本狙い)を千切っては投げる。)
何故こうまでして交易品を護るか、だと?
笑止千万。この荷が誰かへ安寧を齎し命を繋ぐものであれば
俺は全身全霊でそれを護るのみ――!!

ふぅ、護りきれたか……
む、どうしたアニエス?
(※瞑目の為惨状やアニエスの見た物に無知な🐯)



●グリモアいぇーがーのはなしは きちんとぜんぶききましょう
 最初に言っておくと、どこぞの賢者はこんな依頼でもちゃんと説明をする。
 なのになぜかわからないが、こんな依頼の時に限って、普段ならちゃんと話を聞いているはずの猟兵が全体像を把握しそびれることが頻発するのだ。
 一体なんでだろう。賢者はとっても悩んでいる。悪くないのに。
 でも仕方ないんですよね。世界の修正力とか、なんか……そういうのが悪いんだ!

 はい、そんなわけで誰も悪くないことになりました。
 つまりアニエス・アルカンシェルと牙・虎鉄も全然悪くない。
 彼らはこの依頼を――というか交易品の中身がなんなのか知らないのだが、
 それは偶然話を聞いていなかったからで、それも世界のなんかのせいであり、
 だからふたりが抜けてるとかそんな話じゃ全然ない。責任転嫁おしまい!
「交易品を狙うとは、この世界にもまだまだ不逞の輩がいるようだな」
 と、虎鉄はカッコよく腕を組み、瞼を閉じたまま凄んだ。
 一体どんな交易品かはわからないが、きっと島民の大事なものなのだろう。
 それを狙うなんて、許せないぜ……突然生えてきた海賊ども!
 突然生えてきたから特に設定は決まってないけど、許せないぜ!
「そうですね。交易路への襲撃はすなわち、民のライフラインへの襲撃です」
 と、アニエスもカッコいい表情でうなずいた。
 シリアスなふたりを、爽やかな潮風が優しく撫でる。
 それはまるで、嵐の前の静けさのようでもある。
 あるいは「お前らさっさと気づけよネタシナリオだぞ」と必死で伝える、
 グリードオーシャンという世界の……なんか、意志的なものを感じた。
「断じて許せることではありません。私たちの手で必ず守り抜きましょう」
「ああ。アニエス、君がいれば百人力だ。その腕、頼りにしているぞ」
 ダメだこいつら全然気付いてねえ! あーあ! しーらね!!

「「「うおー! 略奪だー!!」」」
「「……!」」
 と、そこにタイミングよく現れたのは、明らかに武装した海賊団だ!
 なんかこうメガリスの暴走とかそういうのでコンキスタドールになった、
 きっと語るも涙聞くも涙のシリアスな過去を背負った悲しい奴らなのだろう。
 先程も言ったように突然生えてきたので具体的にはなんもわからないが、
 とにかくこいつらは許せない奴らなのだ! 狙いエロ本なんだけど!
「さっそく、賊どもが現れたか」
「ええ、そのようですね。襲ってきたことを後悔させてやりましょう」
 ふたりは(片方目閉じてるけど)視線を交わすとこくりと頷きあった。
「征こうアニエス、交易品(※エロ本のことです)を護らねば!」
「はい! 島の人々の大事な交易品(※エロ本のことです)は渡しません!」
 ふたりは甲板を蹴って駆け出した。そこへ飛び込んでくる海賊団!
「ヒャッハー! お前らの運んでる品のこた知ってるぜー!」
「あの島は(一部の猟兵がめちゃくちゃ頑張って護ってたので)今まで手を出せなかったが、島の外に出たなら話は別だぜ~!」
「この海のすべての宝(※エロ本のことです)は俺たちのものだ~!!」
 おお、見よ! はためく海賊旗に刻まれているのはウサギの横顔!
 これあれじゃん! あの……海外のあの雑誌の、あれの、アレじゃん!
 そう、こいつらはエロ本海賊団なのだ! プレイングに書いてあるからそうなった!
 すでにいくつものエロ本を抱えた島が、こいつらに略奪されている!
 なんて奴らだ、許せないぜエロ本海賊団! 原案はアニエスさんです!

「貴様らも、かつては誇りある海賊だったのだろう。だが!」
「「「グワーッ!?」」」
 SMASH!! 毀鋼拳炸裂! こんな雑魚を相手に魔神の力は必要なし!
 というか、仮に要求しても絶対にシャンユエが応じねえだろう!
「愚かにも略奪をしようとするなら、この俺とアニエスが叩き潰すまで」
「こ、こいつ、強え!」
「こんな船に乗ってる理由がまったくわかんねえぐらい強え!」
「つーかなんか温度差ねえか!? 俺らこんな強者と戦う連中じゃないよ!?」
「――笑止千万」
(ノリの違いに)慌てふためく海賊どもに、虎鉄は言い放った。
「この荷が誰かへ安寧をもたらし命を繋ぐものであれば、俺は全身全霊でそれを守る」
「いやだから命を繋ぐとか何!? 勘違いしてね!?」
「ああでも安寧はあるかもしれない」
「まあねそこはね、やっぱ安心感とかあるよね持ってると」
「問答無用ッ!」
「「「グワーッ!?」」」
 SMASH!! 虎鉄なんて強さだ! 描写の必要もないぐらいの無双だぜ!

「くっ、なんだかわからねえが俺たちめちゃくちゃピンチな気がするぜ!」
「こうなったら武器だ! 大砲だ! 船を沈めても構わねえーッ!」
 DOOM!! BLAMN!! 大砲にマスケット銃が火を噴くぞ!
 アニエスさんのプレイングによると、これらはエロ本大砲とエロ本マスケット銃らしい。
 いやエロ本大砲って何? わかんないけど、多分強いぜ! 原案はアニエスさんです!
「遅いですよ!」
 BLAMBLAMBLAM! アニエスは超絶のクイックドロウで砲弾を撃ち落とす!
「なっ!? ガンマンまでいやがるのか!」
「どうなってんだおい! 俺らが言うのもなんだけどこんな積み荷におかしくね!?」
「くっ、こうなったら白兵戦だ!(エロ本サーベルを構える。エロ本サーベルって何?)」
「愚かな……もうすでに、撃ち終わっていますよ」
「「「グ、グワーッ!?」」」
 なんたる早撃ち! エロ本海賊団、壊滅!
 ウサギの横顔のマークを刻んだ海賊旗ごと、船は海に沈んでいく。
 ついでに大砲が壊れたおかげで爆発が起きて、あちらの船の積荷が吹っ飛んできたぜ!
「片付いたようだな。大事ないか、アニエス」
「ええ、虎鉄くんも怪我なくなによりで……と、これは? 奴らが狙っていたものということは、交易品と同じものでしょうか」
「ふむ」
 アニエス、足元に落ちてきた謎の本を拾い上げる。
 謎もクソもねえんだが、彼女にとっては謎の本である。
「奴らの略奪品を取り戻せたのは大きいな。元の島に返せればいいのだが」
「そう、ですね……いえ、でもこれは……」
「どうした? アニエス」
「…………これ、は…………」
 ぺらり。ぺらりぺらり。
 なんとその中身は、偶然にもアニエスによく似た銀髪碧眼色白肌ついでにケモ耳剣士属性のキャラがラブラブ甘々イチャイチャしちゃうエロ本だったのだ!
 ちなみにそのキャラは豊満な胸をしておりお尻もビッグだ。おっとよく見るとバニースーツであれこれもしちゃってるぞ! こいつは数奇な偶然だぜ!
「な、な――!」
「アニエス?」
「な、ななななんでもないよ虎鉄くん!?」
「???」
 虎鉄、目を閉じているのでなんのことかわからない。
 アニエスが開いたままの本に載ってるチャイナ服とか、競泳水着とか、メイド服であんなことやこんなことしてる銀髪碧眼色白肌お尻のビッグな何の関係もない架空のキャラのあられもない姿はまったく見えてないというわけだ!
 作為性を感じる? プレイングに書いてあるから仕方ないね。
「膝枕とか……なんでもないよ!?」
「??????」
 このことは墓まで持っていこう。アニエスはそう思った。
 だがあいにく、墓穴は二人揃って掘ってるのでどうしようもなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

水衛・巽
【エロ本大サーカス】
………… 今なんて?
We are,とか言って拳突き上げとけばいいんですかこれ?
とりあえず何か色々と渋滞していそうなので
トンチキ具合に浮かされないうちに(正気度の)舵取りしますかね

やめてくださいそんな夢繋いでもらわなくていいです
ナウでヤングとやらな我々には重くて嵩張る紙より良い媒た いえなんでもありません
まあ常に力を尽くすのは吝かではありませんが…
渦潮引っこ抜くってそれ青龍要求してます?いや海ですし当然出しますけど!
そのかわり雹はぶん投げしますのでよろしく ああ窓に!窓に!

……
ところで『夢』ってなんですかね…
ポケットには何も入っていないんですが


納・正純
【エロ本大サーカス】
それじゃ往こうぜ、巽
      ワ  ン  ピ  ー  ス
俺らだけの『ひとつなぎの大えっち本』を求めて……大航海の幕開けだ!
若き男たちが探し求めるありったけの夢を、我らもかき集めるなどす

・方針
エロ本の夢は、常に若き世代へと引き継がれていくもの――
もう俺も20後半だ、決しておっさんではないが、若くねえのも事実……
だから俺たちは繋ぐのさ、ナウなヤングたちへの『希望』って奴をな
そのためなら、邪魔する渦潮は海から引き抜く!
雹はもう全部撃ち抜く!
弾が無くなったら他の奴らの応援(ヤジを投げる行為のこと)に回る!
弾と命(タマ)を惜しむな!全力でかかれ!
分かったか、巽 これが……『夢』さ



●我々、行く!
「……あの、正純さんちょっといいですか」
 水衛・巽は背景に宇宙を背負った顔のまま、納・正純に問い返した。
「いま、なんと?」
「なんだ、聞いてなかったのか巽。いいか、つまりこれはただの船旅じゃねえ」
 正純はイマジナリーカメラを意識した、ナイス角度でキリッと微笑む。
 一番カッコよく見える角度を、彼は日々研究している。脳内で。

        ワ ン ピ ー ス
「俺らだけの『ひとつなぎの大えっち本』を求める、大航海の幕開けなんだよ!」
「…………?」
 巽は首を傾げた。骨がなかったら720度ぐらい回転しそうな勢いで。
「なんですかこれ。「我々!」とか言って拳突き上げとけばいいんですか?」
「どうして直訳なんだよ巽」
「いやそれはいいんですよ何言ってんのかってこと言ってんですよ」
 巽は気がおかしくなりそうだった。
 とはいえまあ、この船に乗っておいていまさら何言ってんだって話だが。
「いいか巽!!」
 正純はぐっと拳を握りしめて、巽の目をじっと見つめた。
「は、はあ」
「若き男たちが探し求めるありったけの夢を、俺たちもかき集めるんだよ!」
「いやこれ輸送任務ですよね。かき集める必要は」
「そういう話じゃねえんだよ!!!!!!!!!!」
 正純、大いに語る。唾がめちゃめちゃ飛ぶので巽は嫌な顔をした。
「エロ本っていう夢は、常に若き世代へと引き継がれていくものなんだ!!
 そう、そしてエロは常に、うねり続ける時代の潮流に揉まれ続けることになる」
「はあ」
「あ、この場合の揉まれ続けるっていうのは別にシモネタじゃなくてな」
「なんでそこだけ注釈入れるんです??? 手遅れですが???」
「いいから真面目に聞け巽! 大事な話なんだよ!!」
「横道逸らしたの正純さんですよね……」
 巽は思った。これまともに相手してるとツッコミ追いつかねえ! と。
 正純の目は完全にイッている。目が$マークになるような感じで、
 どこぞのクレジットカード会社のマスコットみたいに「エ」「ロ」になってた。

「とにかくだ。俺たちには夢を繋ぐっていう大事な使命がだな」
「やめてくださいそんな夢繋いでもらわなくていいです。というかですよ」
 巽は至極真面目な顔で言った。
「若者とかどうとか、そんなこと言ってると正純さんまるでおじさ」
「俺はけっしておっさんではない!!!!!!!!」
 ぐっ! 正純、大いに力説する! 29歳はまだおっさんではないのだ!
 だってほら20代だからおっさんじゃない。まだ若者。健康診断も年一でいい。
「だが! ナウなヤングたちへの希望ってやつを守るのは大人の仕事だろ!」
「ナウなヤングなんて言葉はおじさんでもないと使わないと思うんですが」
「巽!! お前を連れてきたのは他でもない!!!」
 正純、話を強引に前に進めた! 文字数がいくらあっても足りないから!
「見ろ、あそこに渦潮があるだろう。船が巻き込まれたらぶっ壊れそうなやつ」
「ありますね。っていうかこの海域なんで普通に荒れ模様なんですか」
「ちなみにあの真ん中にあるのは……ン~、外国人モノだな」
「その注釈はいらないです」
「とにかくだ、お前の力が必要なんだ巽! あの渦を引っこ抜いてくれ!」
「ええ……」
 こんな流れで青龍呼ばなきゃなんねえのかよ、と全力で顔で主張する巽。
 だが正純は聞いちゃいなかった。無言の圧も完全スルーである。
「いや海ですし当然出しますけど……ってなんか雹降ってきましたけど!?」
「任せておけ! 俺の弾で全部撃ち抜いてやるぜ! 命(タマ)を賭けてな!」
「わかりました、おまかせしますっていうか丸投げしますよ」
「あ、ちなみにこの場合のタマっていうのはアッチのタマとかかってて」
「その注釈要らないって言いましたよねっていうか結局シモネタじゃないですか!!!!!」
 わーぎゃー騒ぎながら、頑張ってエロ本を守る20代男性ふたり。
 はたから見るとまるで学生のようだが、片方はそろそろ三十路である。
「わかるか巽! これが……夢さ」
「夢ってなんですかね……ポケットには何も入ってないんですが」
「そこがいいんだよそこが! デカいほうがロマンあるだろ何事も!
 あ、この場合のデカいのってのはつまりこう胸とかそういうのも指」
「もう海に蹴落としていいですか???」
 巽の心労がマッハであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
関わりを持った島の発展に寄与するのはいいですが……本当にこういうのばっかりですかあの島は……!!
交易品といえば、こう……穀物や香辛料、貴金属の類いが相場だと思うんですが……!

船上での戦いということで、動きやすいように水着で出撃(水泳・高速泳法)
水の魔力(トリニティ・エンハンス)を纏い、自身の水への親和性を高める(水中戦・水中機動・水上歩行)

積荷を狙ってくる――なんでこんな物を狙うんですか?――海洋生物を炎を纏った拳で焼き殴る(属性攻撃)
…………や、積荷の方は見ていませんよ? 燃やしたいなんて思ってませんよ?
どうあれ大事な商品であることは確かなんですから……ほんとですよ?(海産物を殴りながら)



●エロは時として黄金にも勝る
「また……また、こんな依頼ですか……ッ!!」
 オリヴィア・ローゼンタール、のこのこ転移についてきたことを後悔した。
 多分こう、何度か依頼に参加してるグリモア猟兵だし、
 丸まったり顔を覆ったり苦しんでるのを見かねて来たんだと思う。
 オリヴィアは心優しい女性だし、決してエロ本に興味はないのでそのはずだ。
 そうでなければ、転移してから後悔してる理由が思いつかねえもの!!
「どうしてこんな破廉恥な本が交易品になるんですか、いや出来ると思ったんですか……! 行き先の島の人たちに白眼視されるのは私たちなのにぃ……!」
 それでもきちんと仕事をやりとげよう、というのは見上げた精神である。
 ついでに言うと、彼女はまだ知る由もないが、行き先の住人も似たような連中なのであんま問題ないんですよね!

 それはそれとして、オリヴィアは水着である。えっなんで?
「船の上の戦いなら、この装いが最適ですよね」
 キリッ。オリヴィアは一切変な気持ちなしの真面目な顔でうんうん頷いた。
 なんてことだ。もしかしてこの子、ただの天然なのでは!?
「スケベェエエエエエエ!!」
「は?」
 と、そこに現れたのは……ああっ、これはエロ本を狙う巨大海獣!
 通称「スケベスキーサーペント」と呼ばれる、極めて凶悪な蛇竜だ!
「スゥウウウケベェエエエエ!!」
「…………」
 オリヴィアはぽかんとした。鳴き声とか、思った以上のガチなデカさとか。
 いやこんな普通にでけえ海獣がなんでエロ本狙ってくんねん、とか思った。
 関西弁ではないかもだが。なんかもう呆れを通り越して放心状態である。
「な、な、な……なんなんですかこの生物はーっ!?」
「スケベグワーッ!?」
 SMASH!! オリヴィア、反射的に燃える炎の拳をサーペントに叩きつけた!
「なんでこんなものを! こんな! 普通に強そうな魔物が狙うんですか!」
 SMASH! SMASH!! SMAAAASH!!
「スケベアバーッ!!」
「だいたいなんですかその鳴き声! そんな鳴き方をする生物はいません!!
 いえここにいるんですが! 焼き尽くしてその存在を海から消し去ります!!」
 オリヴィア、いつも以上に全力でスケベサーペントを殴りまくる。
 水着姿で激しくアクションするので、こう色々ととってもすごいのだが、
 残念ながらイラスト化はされていないのでご想像にお任せするしかない!
 あとこのシナリオは全年齢向け健全シナリオを目指しているので、
 青少年のなんかにひっかかりそうな描写はぼかされる! 猥雑は一切ない!
「…………こうなったらもう、積荷も燃やしてしまえば……」
 ぶくぶく沈んでいくサーペントを消し炭にしつつ、呟くオリヴィア。
 レンズの下の瞳は、割と冗談に聞こえないタイプの眼光を放っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】
まさかまたこの島に来ることになるとは…理緒さんなんでそんなに楽しそうなんです?
理緒さんが何選んだのかは気になりますが…まぁ、男の娘本でしょうし、見ない方がきっと精神衛生上よさそうです

ともあれ私も出荷準備として本を色々選別しました
え?私のは何って?
まぁヌード写真集を中心にですね?
巨乳は多いですが…なんで責められる感じなんです?
いいじゃないですか趣味くらいー…ヌードは芸術なんですっ
…それに理緒さんのちっぱいだって好きですし(ぼそっ

などと議論中に敵が出てきてる感じですが
【異界の深焔】の生きた炎を放っておきますので、自動的に迎撃させます

ええ、そんな事より、理緒さんとの話の方が大事ですしっ


菫宮・理緒
【恋華荘】

今回まずは、エロ本を商品としてしっかり届ける感じだね。
商品の選定はわたしたちも手伝ったし、売れるかどうか楽しみだね。

わたし? わたしが選んだのははもちろん半脱ぎぺったんと男の娘もの!
あと性癖歪みそうだけど三角百合とか快楽Mものとか。

いちごさんはどんなの?

ぜんら、きょにう……?
予想はしていたけど、やはりそこだけは越えられない壁があるね!
将来のためにも、今日こそはしっかり話し合わないと!

と、いちごさんと正面から向き合ったら、海獣がエロ本を狙って……くるけど邪魔。
【Nimrud lens】で焼いて、おつまみにしたら、ジュースを飲みながら話し合い続行。

向こうに着くまでとことん話し合うよ!



●持って生まれた性癖(サガ)はいかんともしがたいものです
「いつかは、お互い向き合って話をしなければいけないと思ってたんだよね」
 菫宮・理緒、なぜかものすごく真面目な顔で言った。
 なんとなくだが、雰囲気的に離婚間際の夫婦の話し合いみたいな感じがする。
 なお対面に座っているのは、誰であろう彩波・いちごにほかならない。
 トレードマークの狐耳はぺたんと垂れ、ものすごく肩を落としていた。
 ていうか、小さく丸まっていた。叱られる子供そのものである。

「なんで私がこんな責められる感じなのかわかんないんですが……」
 しょんぼり肩は落としているけど、腑に落ちない顔をしてるあたりも子供っぽい。
 ざざーん、ざざーんと揺れる船の甲板に正座させられてるのもあって、
 いちごはとても不満そうな顔をしていた。ふたりの横にはエロ本の山。
「なんでも何もないよ! 本当はいちごさんだってわかっているんだろう!?」
 バン! 理緒はエロ本の山の一番上をつかみ取り、いちごの前に叩きつけた。
 表紙には、きわどい格好をした大人の女性の写真がデカデカと印刷されている。
 するとそこに潮風が吹き、叩きつけられた本をぱらぱらとめくった。
 表紙と同じ女性のいろーんな構図の、エローい写真がたっくさん!
 なによりその女性は……こう、豊かなのだ! ぺえぺえがすげえのだ!
 あまりにもぺえぺえがすごいので、二次元のはずなのに飛び出しそうな勢いだ。
 なんで野菜の星の人風なのかって? 迫力が伝わるかなと思いまして。
 よく見ると、積み上がったエロ本はどれもぺえぺえがすごいのばかりだった。
 なんだこりゃすっげえなあ! オラワクワクしてきたぞ!

 イマジナリー野菜星人はさておき、理緒はマジのシリアスな顔である。
「いちごさん……どうしていちごさんが選んだエロ本は巨乳ばかりなのさ!」
「いや、どうしてと言われましても……そういう趣味だからとしか……」
 まるで、課長とか部長に理不尽になじられるサラリーマンみたいなノリだった。
 実際無理もない。性癖というのは、そう簡単に変えられるもんではないのだ。
「しかもどれもこれも全裸全裸全裸全裸! そんなにぜんらきょにうが好きなのかいいちごさん!」
「好きですよ!? ていうか理緒さんも絶対男の娘本ですよね選んだの!」
「チッチッチ、甘いねいちごさん。たしかに男の娘ものもあるけどさ」
「あるんじゃないですか……ていうかなんでちょっと呆れられてるんですか私」
 急に日本一の復讐鬼みたいに指を振り始めた理緒のノリに呆れるいちご。
 一方理緒はというと、なぜか渾身のドヤ顔で言い放った。
「今回は、定番の半脱ぎぺったんと三角百合、さらに快楽Mものもあるよ!」
「様々な方面に配慮しましたみたいな顔で言わないでもらえませんか!?」
「何さ! たしかに性癖歪みそうだけどこれだって悪くないもん! むしろいいもん!」
「急にかわいこぶられても……(普通にかわいいって褒めるのはやめておこう)」
 ぷんすこと逆ギレする理緒のノリにいよいよついていけないいちご。
 ちなみに彼女らが言っているのは、島で手に入れたエロ本ではない。
 せっかくだし、という老婆心(またの名を面白半分、もう半分は同志を増やしたいというよこしまな狙い)で差し込まれた、彼女らの私物が大半である。

 まあともあれ、理緒としてはいちごの性癖に物申したいらしい。
 その理由? 言うまでもない。理緒をよく見ていれば一目瞭然である。
 そう、よく見ていればわかる……非常に空気抵抗の少なそうな身体つき……。
 特徴でもわざわざ取得してるぐらいだからそりゃもうスレンダーだ。
 このやりとりも今に始まったことじゃねえのだが、ほぼ起きるとわかっててあえて己の性癖(サガ)を優先したいちごもなかなかのもんである。
「これは将来のための大事な話し合いなんだよいちごさん、真面目にして!」
「理緒さんあの島絡みになるとテンション壊れますよね……」
「それはそれ! これはこれ!! 今日という今日は徹底的に」
「「「グォオオオオオ!!」」」
 と、その時! 突如として海中から現れる謎の敵!
 こいつらは数行したらユーベルコードで焼き払われるための敵なので、
 特に具体的な描写はないし仮に立ち絵があったとしても汎用イラストである!
「邪魔!」
「勝手に燃えててください!」
「「「グォオオオオ!?」」」
 ほら焼かれた。実は頭足類だったのでこんがり美味しいおつまみになりました。
「いちごさん、今日は腹を割って話し合おうか(ジュースを取り出す)」
「仕方ないですね、私の趣味は趣味で尊重してほしいですし(こんがり焼けた触腕を素早く調理する)」
 あれ? 真面目な話し合いなんですよねこれ? めっちゃくつろいでない?
「「お互い納得するまで話し合いだよ(です)もぐもぐごくごく」」
 とりあえず、白熱したのは間違いないようである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

深山・鴇
逢真君と/f16930

心情:あっはっは!

逢真君、依頼だってさ
行くかい? 行く、よし行こうか!

だって君、どんな依頼かって聞かなかったじゃないか
(心外みたいな顔をしているがエロ本に囲まれた彼がどうなるのか見たいという一心だけでやって来た)
気に障ることはしてないが…待った、君よく考えたら俺に色々やらかしてるな??
逢真君、ここは既に海の上だぞ? 今から帰るなんてとてもとても。泳いで戻るのも無理だろう? そも泳ぐ体力ないしな、君
船を沈めたら交易品(エロ本)が台無しになるだろ、あっちびの姿になって全力の駄々を…エロ本の前にプライドもクソもあるかって奴だな!?
仕方ないな(エロ本で首元を軽くストンして落とす)


朱酉・逢真
深山の兄さんと/f22925
心情)深山の兄さんはぜったいにゆるさないし賢者先生の訴訟も辞さない。此岸はクソ。
会話)やだーーーーーーーー! なンっで俺連れてきたンだよ旦那このヤロウ、なンか俺気に障ることしたか? キマフュで昼ドラに巻き込んだからか? カクファンで目玉抉ろうとしたから? 女装させたからか? 坊とつるンだ時ツッコミ任せてボケ倒しがちなンは悪かったって、謝るし金ならやるから帰らせてくれよォ! 眷属使うから! ッゲホ、こォなったら高波起こして船沈めて ウッ(峰打ち気絶で影ポチャ・エロ本は腐る)
行動)船内で(重要)、同情を買うためにちびの姿で全力駄駄こね。ジタバタ暴れて津波起こそうとする。



●なんでや最高裁まで争うぞとグリモア猟兵は申しており
「やだーーーーーーーーーー!!!」
 スリッド号船内に響き渡る、小さな子供の喚き声。
 えっこんなやべー船に子供が? いいえご安心ください。
 おもちゃ買ってもらえない子供みたいにじたばたしてるあのチビ、
 誰がどう見ても子供モードに変身した朱酉・逢真ですね。問題なし。
「やだやだやだやだー!! なンって俺連れてきたんだよ旦那このヤロウ!!」
「あっはっは! だって君、どんな依頼かって聞かなかったじゃないか」
 このかみさまを連れ出した張本人こと深山・鴇は、爆笑していた。
 ドッキリを成功させた仕掛け人みたいな、ものすげえいい顔をしている。

 ちなみに、どんなやりとりがあったかというと。
『逢真君、依頼だってさ。転移は賢者の彼がやるみたいだよ』
『へェ、戦争も終わったばっかだってのに賢者先生は忙しねェこった』
『で、行くかい? 行く、そうかよし行こう!』
『……旦那、どォして妙に話を急ぎ』
『さあ転移が始まるぞ! 移動だ逢真君!!』
 という感じだったようだ。
 ……んっなんか作為性を感じるな!? 気のせいですね。

「しかしだ逢真君、別に面白半分で連れてきたわけじゃないんだぞ」
「ウソつけ旦那いま爆笑してただろいまさら心外そうな顔すンなよ!!!」
「うーん、波の音がやかましくて聞こえないなあ。ここ、船内だからね」
「ずりィぞ旦那ァ!!」
 完全に大人と子供のやりとりである。実年齢差は大概のはずなんだけども。
「アレか? 俺なンか旦那の気に障ることしたか???」
「いやぁ、特にそういうわけでは」
「キマフュで昼ドラに巻き込んだからか?」
「ん?」
「カクファンで目玉抉ろうとしたから?」
「んん??」
「女装させたからか? あっそれともあれか!?」
「んんん???」
「坊とつるンだ時ツッコミ任せてボケ倒しがちなンは悪かったって!」
「君よく考えたら俺に色々やらかしてるな???」
 鴇、ちょっと悪いかなって思いかけてたけど気を取り直した。
 ていうか雲珠君にも一言物申すっていうか一発ひっぱたく権利ぐらいあるんじゃないか、よく我慢してるな彼いやだからからかわれてるのか、とも思った。

「わかったよォ、謝るし金ならやるから帰らせてくれよォ……」
 逢真、ついにじたばたモードをやめて鴇の足にすがりつく始末である。
 見た目は幼子なので、めちゃくちゃアレな図だ。そこも狙ってやっている。
 しかし無理もない。彼にとってエロ本はめちゃくちゃ大敵なのだから。
 そもそもグリードオーシャンという世界自体、逢真にとってはアウェイだ。
 陽の気に溢れた海、そこにさらにリビドーの集合体であるエロが重なるともう大変。
 どこぞの白いのに引っ張られて昔のブラクラみたいな勢いで目から耳から血を流しまくったのは記憶に新しい。ちなみにその白いのは黒いのを引っ張ってきているようです。
「そうは言うがなあ逢真君、ここはすでに海の上だぞ?」
 鴇はあくまで常識人みてえな面で説き伏せた。大人はずるい。
「今から帰るなんてとてもとても……泳いで戻るのも無理だろう?
 そもそも泳ぐ体力ないしな、君。まあそこまで織り込んで連れてきたんだが」
「旦那テメェ!! ああもう、だったら眷属使いやいいンだろォ!」
「あっこら、君の眷属なんて出したら船が沈んでしまうじゃないか!」
 完全にわんぱく小僧をたしなめる先生みたいな言い方だ。
「知らねェ知ったこっちゃねェ、高波起こして船沈めてやらァ!!」
「ちびの姿になったと思ったら今度は実力行使か!? プライドもクソもあるかってやつだな!?」
「当たり前ェだろうおおお来なヤンぼウッ」
 どさり。逢真は灰皿で頭殴られたサスペンスの被害者みたいに倒れた。
 鴇がエロ本で峰打ちをかましたのである。エロ本は腐ってボロボロ崩れ落ちた。
「フー……こんなこともあろうかと分厚いエロ漫画雑誌を用意しておいて正解だったな」
 くいっ。鴇はクールなイケメンの顔でメガネをあげ、キリッと流し目をした。
 残念だが、エロ本に囲まれてる状況なのでさっぱりキマっていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御魂・神治
......オェ
天将『船酔いですか』
こんな揺れるとは思わんかった...やっべ吐く
なん...や、これ...海にエロ本が捨ててあるで
誰や捨て...あぁ、これ罠やな、罠や罠、そんなもんには引っかからんで
天将『そうですね、神治はコンビニの面妖な本が泣いて逃げ出す様な有明で配布されている薄くて高い本が好みですからね』
余計な事言わんでええ!それよりド変態海獣ども何とかせえ、ゲロ吐きたても吐けんわ
天将『いいものがあります、家族会議まったなしな神治の有明秘蔵コレクションです』
天将『この海域の胡乱な海獣の注意を引き付けるには刺激が強すぎますかね...』
せやからなんで持ってくるんや!それワイの大切な――あっ



●会場でだけ味わえる空気がある(スメル的な意味で)
「…………オェッ」
 御魂・神治、デッキの手すりに両手を置き、青い顔で遠くを見つめていた。
『船酔いですか』
 と、どこからともなくサポート式神・天将の声が響く。
「見ればわかるやろこんな揺れるとは思わんかった……オエッ」
『はい、見てすぐにわかりましたが聞いておくのが礼儀かと思いまして』
「いらんわそんな礼儀……オエップ」
 神治のツッコミも、さすがに今日ばかりはふにゃふにゃのへろへろだ。
 ちょっと動くだけでも胃が揺れて大変なことになりそうな有様である。
 戦いでは切った張ったで飛び跳ねる神治も、船の揺れには勝てないらしい。
 まあ実際グリードオーシャンの海は異常気象で荒れ放題。
 しかも今はちょうど海が荒れる頃合いにさしかかっているようであり、
 鉄甲船はそれはもうぐわんぐわん揺れていた。無理もなかろう。

 ところで、その荒れ放題の海面に浮かぶもの。
 それは……そう、エロ本である! しかも多種多様なエロ本の海だ!
「なん……や、これ……海にエロ本が捨ててあるで、誰や捨て……」
 神治、目をごしごしこすってよーく見てみる。
 ……なんかあのエロ本、動いてないか? いや波のせいとかでなく。
「あぁ、これ罠やな、罠や罠、そんなもんには引っかからんで! ……ウップ」
 実はこのエロ本、本物のエロ本ではない。
 よ~~~~~く見ないとわからないが、海中にはいくつもの怪物の影……!
 チョウチンアンコウめいてエロ本を擬似餌にする、恐るべき海獣なのだ。
 いわば疑似餌ロといったところか。それを見抜くとは神治は大したものである。
 そんな言葉は存在しない? 騎士以外の発言は受け付けないッ!

 それはそれとして、神治の船酔いはひどくなるばかり。
 が、天将は相変わらずの冷たいドSボイスで淡々と言う。
『そうですね、こんな罠にひっかかるわけがありません。神治はコンビニの面妖な本が泣いて逃げ出すような、ありやけで配布されている薄くて高い本が好みですからね』
「余計なこと言わんでええ! ……オゥフ」
 慌てて口元を抑える神治。ツッコミも命がけだ。
 だが吐きたくても吐けやしない。ド変態海獣がわんさかいるので。
『そこでいいものがあります。家族会議待ったなしな、神治の有明秘蔵コレクションです』
「は?」
 二度見。姿を表した天将の手には表紙からしてエッグいウスイホンが!
「ちょっ」
『胡乱な海獣どもの注意を惹き付けるには刺激が強すぎますかね……』
「いやなんで持ってくるんや!? それワイの大切な」
『ものは試しなのでやってみましょう』
「あーーーーーーー!!!!!!」
 もはや船酔いも吹っ飛ぶレベルの大ショック!
 しばらくあと、甲板の隅っこで膝を抱える神治が目撃された。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月凪・ハルマ
……おかしい、何故俺はこの船に乗っているんだ
依頼内容は確かに聞いた筈なのに

◆SPD

他の猟兵や船員の様子を見て改めて思うんだが、
ムルヘルベルさんが頭抱えてた理由がよく分かるな……

ただなぁ……ヤドリガミとしては、そういうイケナイ書籍でも
モノはモノだし、無下に扱うのもどうなのかなって……
(ものすごく苦悩中)

……あれ、なんか空模様が怪しい。波も荒くなってきてるし、
これはもしかして嵐が来るんだろうか

もし必要なら船の【操縦】は任せてくれ
船員さんらも無事に送り届けないといけないしな
あ、いや……なんかこう、エロ本の為とか言うと
微妙にやる気削がれちゃうんでそういう事にしといて……

※アドリブ・連携歓迎



●他にも謎の強制力に惹かれてきた方がたくさんいます
「……おかしい、なぜ俺はこの船に乗っているんだ」
 依頼内容はたしかに聞いた。そして大変に呆れた。
 そのはずなのに――なぜ、月凪・ハルマはここにいるんだろう。
 ハルマ自身にもわからない。きっと宇宙的ななんかのせいなのだろう。
 そういうことにしておこう。そのほうが……楽だからね! 色々と!

 まあそんなわけで、比較的常識人のハルマはとてもとても呆れていた。
 猟兵たちは明らかに目がイッてたり本を燃やそうとしてるのさえいるし、
 そもそもこの海域に棲んでる生き物もイカれてるのばかりだし。
 だいたいなんだよ、交易品がエロ本って。既製品じゃねえか。
「でもなあ、イケナイ書籍でもモノはモノだし、なあ……」
 ハルマ、ヤドリガミとしてのアイデンティティに悩む。まっじめー!
 そんな彼の苦悩をよそに、いや、あるいは苦悩が鏡写しになったかのように。
 急速に空模様がわるくなっていき、波は高くそして荒れ始めていた!
「……はっ! これ、もしかして嵐が来るのか!?」
 だとしたらとんでもないことだ。だって、エロ本が!
 いやエロ本はどうでもいい。いやよくない。よくないけど船の転覆は避けねば!
「さすがにここで船がひっくり返ったらまずいぞ、エロ本はいいとして……!
 いや、でもエロ本も交易品なんだし島の人達の生活とかあるんだから、
 ちゃんと護らないと……あんなイケナイ書籍を? うーん、うーん!」
 口に出して真面目に考えれば考えるほど、状況のトンチキさにやられかかる。 負けるなハルマ! 彼は考えるのをやめて、とりあえず操舵に集中することに!
「俺が一番うまく鉄甲船を操縦できるんだ……!」
 せめてそれっぽい台詞で、萎えかけたモチベーションを補強した。
 そのかいあってか、とりあえず嵐を越えることは出来たようである。
 ……でもここで沈んでいたほうが世界のためだったのかもしれない。エロ本だし。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
グルメ姫「バッカじゃねぇでケキ!?」

軍犬「ムルヘルベルさんも疲れてるんだよ
責めてあげないで?」

グルメ姫「いや、おめぇもだよ
何でこんなトコに私を連れてきたでケキ!?」

…ほら、女の子がいればね、唐a…ムルヘルベルさんも
普通の本の間にエロ本挟んでレジに持ってく的な
中学生マインド的な手心を加えたリプレイをね
返してくれるかなって?

グルメ姫「Q:そもそも何で、こんなシナリオに参加したでケキ?」

軍犬「A:獰猛な海獣(海産物) 海の魔獣(海産物)」

グルメな話にならない筈が無く…?

という訳で、早速
美味しそうなタコやイカっぽい海獣・魔獣のお出ましだぜ!

グルメ姫「わ~いタコ焼き~♪…ッて! 嫌な予感しかしねぇ!?」



●ええ、バカと言われても仕方ありません(某医療漫画の患者風)
「バッカじゃねぇでケキ!?!?」
 スリッド号甲板に、グルメ姫の至極まっとうなお言葉が響き渡った。
 特に非難する人は誰も居ない。だって、おっしゃるとおりですからね!
「ムルヘルベルさんも疲れてるんだよ、責めてあげないで」
 と、秋山・軍犬はフォローを入れた。あれっグリモア猟兵が悪いことになってる!?
 グリモア猟兵がやれと言ったわけでは……いや、あるんですけども。
 しかしそこには依頼されたとかやんごとなき事情が色々、はい関係ないですね。
「いや、おめぇもだよ」
「えっ!?」
 グルメ姫の冷徹な言葉に軍犬は心底驚いた。なぜ自分が、みたいな顔だ。
「なんでこんなトコに私を連れてきたって話をしてんだよケキ!!」
「あー、それか。それはね、ほら」
 軍犬は急に朗らかな笑みを浮かべて言い訳、もとい説明を始めた。
「女の子がいればね、こう……海の魔物とかも喜んでくれるんじゃないかなって」
「は?」
「普通の本の間にエロ本を挟んでレジに持ってく的な、中学生マインド的な手心を加えてくれるんじゃないかなって思ったんだよ」
「は???」
 グルメ姫は心の底から、こいつやべえと思った。
 ちなみに性別によるプレイングボーナスなどは特にございません!
 だってこんなシナリオみんな大成功なのが当然だからね。ネタだから。

 ちなみに、軍犬自身にはきちんと目的があるらしい。
「「「スケベェエエエエ!!」」」
「とか言ってる間に、出てきたぞ美味しそうなタコやイカが!」
「いや頭足類ではあるけど何ケキかあの鳴き声」
 ザバァ! と海の中から現れたのは、エロ本を好むエロ本魔獣どもだ!
 エロ本を好むので、ああいう鳴き声をしてるんだね。勉強になりますね。
「話はたこ焼きを作ってからだ!」
「わ~いたこ焼き~♪ ってなるわけねーでケキー!?」
 結局魔物は速攻でぶっ殺されて調理されたのだが、ひとつ誤算があった。
 ……食生活が偏りすぎてるので、こいつら別に美味しくなかったのだ……!!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立
海をゆけ/中学生の/宝船



ご存知ですか。エロ厨は三つに分けられます。
絵面を求める奴。性癖に生きる奴。際物を読める奴。この三つです。
あいつは――



亡き友の遺志を継ぎ出立しました。
この軽めなものから引くほどエグいのまで全て奴の趣味です。まあウソなんですけど

…む。水面をたゆたうあれは…新たなエロ本。
波間に消えゆかんとする財宝。世界では1秒に9冊のエロ本が消えています。まあウソなんですけど
あいつが存命なら今頃カピカピんなったエロ本の風合いを楽しめたでしょうか。色んな意味で。
ともあれ貴重な資源を『朽縄』で引っ掛けて回収しまワッでけえ提灯鮟鱇、バカじゃないですかこの海域の生き物 どうやって生きてんだ普段


淵守・竜二郎
【POW】満載された積荷が崩れそうな場合などは、全力で支えたりします

・心情
長いこと猟兵やってるんですからね、いい加減に慣れたものですよ
身体を張って積み荷のエロ本を支えますよ
爆発とかそういうの危ないですからね
乳の話じゃないですよ投げ飛ばすぞ
年ごろの青少年には危険な、しかし浪漫のある船旅ですね
上からも下からも危険とお宝がやってくるじゃないですか!

・行動
大事なお宝を守り抜きつつ、ロマン溢れる海路を進みます
ところで今年の水着コンテストなんだけどさあ


ルヴトー・シフトマン
…これは一体…?いや、分からない
分からないけど…心が征けと言っている気がする
あの空の向こうで親父と国父が「それでいい」と言ってる気がする
あ、オフクロがなんかキレてそう 親父…あの世でも尻に敷かれてるのか…

むっ──なんか敵の気配!『重圧』ドン!
しかしこいつは一体何を持って……
ほう…これは…なるほどね、そういうこと
こっちは?あーーーー…可哀そうなのは、ちょっとなぁ
やっぱりこう、こういうのは救われてないといけない
暴力とか略奪とか良くないよ(キャバリアヤクザは純粋だった)

やーーー年下系も悪くないなと思えてきたな
俺も大人になったということか…ランとローヴォは絶対嫌だけど
…まさか知り合い誰もいないよね?



●アホなこと言ってるティーンがちょうど3人いたので
「……これは一体……?」
 ルヴトー・シフトマンは、なぜか船に乗っている自分に気付いた。
 おかしい。依頼の内容を聞いてからの記憶が少し飛んでいる。
 こんなわけのわからん依頼に参加するようなキャラじゃないはずなのに。
 わからない……なぜかわからないが、心が"征け"と言っている気がする。
「あの空の向こうで、親父と国父が「それでいい」と言ってる気がする……!」
 ルヴトーは空を見上げ、拳を握りしめた。
 なんとなくだが、お母さんは(お父さんに)ブチギレてそうな気配があった。

「それでいいんですよ!」
「!?」
 ルヴトー、突然聞き覚えのない声を聞いて慌てて周りを見渡す。
 するとそこには、崩落寸前の積荷を身体で支える健気な少年が居た!
「それでいいんです。僕らは猟兵、どんな困難にも身体を張って立ち向かうもの。
 そうして奇跡を起こし、どんな悲劇だろうと叩き潰すものなんですからね!!」
 と、めちゃめちゃいい笑顔でカッコいいことを言う少年の名は、淵守・竜二郎

 めちゃくちゃいいことを言っているが、いかんせん絵面が絵面だった。
「とても含蓄ある言葉ですが……あの、なぜ積荷に抱きついて……?」
「突然船が爆発したりしたら危ないじゃないですか!!!!」
「船は突然爆発したりしないと思うんですが……」
「僕は爆乳が好きなんですよ!!!!」
「は???」
 ダメだこれ会話出来ねえタイプのクリーチャーだ! ルヴトーは思った。
 だが同時に、彼はこうも思っていた――たしかに、おっきいのはいいことだと。
「いやそうじゃない。あのすいませんが俺はこれで」
「待ってください! 僕としてはもちろんこう上だけじゃなく下も大きいほうが」
「すいません俺用事があるんで」
「ついでに言うと背も高いほうが」
「すいません……」
 ルヴトーはさっさとこのやべー頭のクリーチャーから逃げ出そうとした。
 でないと、せっかく築き上げてきた自分のキャラもやべーことになりそうなので。
 プレイング見るとその気配は全然ないけど、ほら、お年頃だからね。

「――海を征け/中学生の/宝船」
「「!?」」
 その時である。突如としてどこからか謎のハイク!
 暗がりから意味深な重要キャラっぽく現れたのは、矢来・夕立だった。
 フィクションでよくある物語の鍵を握る重要人物っぽく、眼鏡をくいっと上げる。
「あ、あの、あなたは……」
「ポエット……!(感動に打ち震える竜二郎。エロ本の山を抱きしめたまま)」
「まずハイクの評価からするんですか???」
「ご存知ですか」
 ルヴトーと竜二郎に対し、夕立は謎めいて言った。
「えっ? な、何をですか……?」
 ルヴトーは夕立の迫力に、ゴクリと唾を呑み込み聞き返した。
 何か、重要な事実が明かされるのではないか? 緊張が走る……!
「エロ厨は、3つに分けられます」
「は?」
「絵面を求める奴。性癖に生きる奴。そしてキワモノを読める奴。この3つです」
「は???」
「なるほど、わかります! ちなみに僕はどちらかというと2番目ですね!!」
「なんでこの流れで自分の性癖どんどん開陳してるんです???」
 ルヴトー、完全にツッコミになっていた。だって彼しかいないから。
「そう、あいつは――」
「しかも急に物思いに耽り始めましたね!?」
 明後日のほうを遠い目で見つめる夕立。しばし瞑目したのち、彼は言った。
「実を言うとオレは、亡き友の遺志を継ぎここへ来ました」
「「……!?」」
 夕立の言葉に、ルヴトーと竜二郎はそれぞれ息を呑んだ。
 竜二郎は、「そんな、なんて立派な志なんだ……!」という意味で。
 ルヴトーは、「いやどういう友でどういう遺志なんだよ」という意味で。
「あなたも亡き人の想いに突き動かされてここへ来た。オレにはわかります」
「そ、それは……!」
 だが明かしていないはずの事実を指摘され、ルヴトーは動揺した。
 ああ、また空の彼方で、父親と国父がいい笑顔でサムズアップしている。
 そして父親の方は、お母さんにボッコボコにされている気がする。気が。
「そのご友人は、一体どのタイプだったんですか?」
「この流れでそれ聞くんですか???」
「すべてですよ」
「そんな……!!」
「そこまで驚くことです???」
 ツッコミが、ツッコミが追いつかない!
「ちなみに、あなたが今支えているその積荷も、奴の集めてた本です」
「「えっ!?」」
 ふたりは思わず、竜二郎が抱擁してるエロ本の山を見た。
 コンビニにありそうな軽めなやつから、さすがに竜二郎でもヒくほどエグいのまで、多種多様な本が揃っている。
「「つ、強者(つわもの)だ……!!」」
「まあウソなんですけど」
「「えっ!?」」
 久々に夕立の口癖が炸裂した瞬間である。

 ところでそんな話をしていると(※ここは甲板です)水面にいくつものエロ本がぷかりと浮かび上がってきた。
「なんてことだ! やっぱりここは危険海域なんですよ!!」
 エロ本を抱擁したままの竜二郎が声をあげる。
「エロ本を手にしたまま海の藻屑と消えるなんて、悲しすぎる……!」
「不法投棄したっていう可能性は考慮しないんですね……(呆れるルヴトー)」
「あれは財宝ですよ。世界では1秒に9冊のエロ本が消えていますからね」
「緊急事態じゃないですか! 宣言が必要ですよ!!」
「まあウソなんですけど」
「そのウソつく必要あります???」
「あいつが存命なら、今頃カピカピんなったエロ本の風合いを楽しめたでしょうに」
「口惜しいみたいなこと言ってますけど全然悲しそうな顔じゃないですよね」
 夕立は相変わらずの鉄面皮である。
「とにかくですよ! あんな貴重な資源、回収しないと世界の損失ですよ!」
 竜二郎は(エロ本の山を抱擁したまま)力説した。
「まあ、海のゴミは見逃せないですが……」
「ゴミとか言うなよ投げ飛ばすぞ!!!!」
「いやなんで俺が怒られてるんです???」
 理不尽ここに極まれり。ルヴトーは世界を呪った。
「こいつで回収しましょう」
 夕立、紙垂状の式紙『朽縄』を取り出してエロ本に引っかけようとする。
 しかしその時、ルヴトーの視界が2秒先にズレた! これは……『先駆け』の発動!
 彼の命が危機に瀕したりピンチになった時発動する異能だ!
(えっこんな流れでこんな依頼で発動するの!?)
 ルヴトーは困惑したが、2秒先の未来視を見て理解した。
 あれはエロ本ではない――エロ本に擬態した疑似餌、いわば疑似餌ロ!
「うおおお重圧ドン!!!!!」
 くわわっ! ルヴトーのプレッシャー発動! 謎の海獣はびくりと麻痺!
 疑似餌ロは、馬鹿みてえにデカいチョウチンアンコウに繋がっていた!
「ワッなんだこいつバカじゃないですか普段どうやって生きてんだこのアンコウ」
 あわや食われるところだった夕立、まず生態にツッコミを入れた。
「危ないところでしたね……! ところでその疑似餌切り離して読めません?」
「この状況でエロ本のほうに興味持てるのある意味尊敬しますよ」
「命の危険が迫っているんですよ!!!!!」
「命の危険は過ぎたばっかりなんですが……」
 医療モノの先生みたいな顔で激昂する竜二郎。ルヴトーは困惑した。
「そんな話をしている間に、他のゴミアンコウも始末しておきました」
「えっ!? 早っ!?」
「さっすがぁ!!」
 行間で魔獣を殺す夕立、さすがに驚くルヴトー、カートゥーンのお茶目なボーイみたいに指を鳴らす竜二郎。なんだこいつら。

「いやー、上からも下からも危険とお宝がやってくるとは、浪漫がありますね。
 ところでその、僕はいま文字通り手が離せないので読み聞かせてくれませんかエロ本」
「いいですよ。まずはこのおばあちゃん専門本から」
「いきなりA級危険物に挑むのやめてもらえませんかね!!!」
 などと漫才をしている竜二郎と夕立をさておき、ルヴトーもさりげなーくエロ本を読んでみることにした。ツッコミ役に(やむを得ず)なっているが、彼だって16歳なのだ。
「ほう……これは……なるほどね、そういうこと」
「えっ爆乳モノ!? 爆乳モノですか!? ところで今年の水着コンテストなんですけど」
「本の内容に食いつくかコンテストの話するかどっちかにしてもらえません!?
 いやほらお渡ししますよ。お望みの……こう、デッカいやつですからこれ」
「ありがとうございます!! これで家内も助かります!!!!!」
「じゃあオレが読み聞かせましょう」
「なんで子守唄みたいになってるんですか……? あと家内って誰……?」
 エロ本の読み聞かせってなんだよと思いつつ、別の本も読むルヴトー。
「こっちは……あー……かわいそうなのは、ちょっとなぁ。
 暴力とか略奪とか、そういうのはよくないですよ……SENKAはちょっと」
 とかなんとか言ってるが、こいつはバリバリのキャバリアヤクザである。
 旅団では自己紹介のときおひけえなすって! 的なアレやってんのに何いってんだこいつは。
「でも、年下ものは悪くない……そう思えるようになったってことは、俺も大人になったのかもしれませんね」
 ルヴトーは(SENKAのよさを力説する竜二郎と、爆乳ものを絵本みたいに読み聞かせる夕立をさておいて)空を見上げた。
 青空の彼方で、顔をハチに刺されたみたいにボコボコにされた親父が、サムズアップしている気がした――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

笹乃葉・きなこ
水着コンテストの水着で戦うんだべぇ♪

エロ本エロ本♪
こんなでも金になるんだから世の中わっかんねーよなぁ♪
あー!さっそく化け物がわんさかやってきたんだべぇ
うんじゃぁー化け物退治を始めるんだべぇ!

攻撃は野生の勘頼りに避けてぇ
ジャンプで間合いをつめてユーベルコードで、エロ本を疑似餌にしている化け物の処へシュートォ

海面におちても空中浮遊で受け身をとって水上歩行で間合いをつめるべ

あれー?そういえば怪物はどんなエロ本を疑似餌にしてるんだべかぁ?
投げまくってみてやるんだべぇ
ほらぁ♥(鎧無視攻撃で投げ)はずかしがらずにぃ♥(鎧砕きで投げ)み・せ・て♥(怪力でぶん投げ)
化け物にはこういうのが人気なんだべかぁ…



●化け物にだって血は流れてるしエロ本を読みたくなるときはあるんだ
「エロ本エロ本♪ エッロッ本~♪」
 なにやら妙な節をつけて歌っている笹乃葉・きなこ。
 歌詞は「エロ本」だけである。こんな世紀末な歌があってたまるか。
「こんなでも金になるんだから、世の中わっかんねーよなぁ♪」
 金になる……か、どうかは猟兵次第なのだが!
「「「スゥウウケェベェエエエエ!!(鳴き声)」」」
 それはそれとして、エロ本目当ての海の怪物はいるのがこの海域だ。
 冷静に考えずとも、エロ本目当ての海の怪物って一体なんだ?
 その答えは誰にもわからない……これもまた海の神秘……。
「ってさっそくやってきたべな、化け物どもぉ! 退治してやるべぇ!」
 鮫、シャチ、鮫、半魚人(!?)、河童(!?!?)などなど。
 RPGの海マップで出てきそうな海の怪物がわんさか甲板に乗り込んでくる!
「ウオオオ~エロ本よこせぇ~!」
「出来れば素人モノが読みたいぃ~!」
「セイフクモノ~!(※サメ型魔獣の鳴き声)」
 しかも言ってることがだいぶアレだった。どういう生態してんだこいつら。
「まるで男子中学生みたいなこと言うべなこいつら! とうっ!」
 きなこ、高く飛び上がって魔獣の掴みかかりを回避!
 着地ざまに半魚人の首根っこを掴み、ぶんぶんと振り回す!
「アバーッ!?」
「「「グワーッ!?」」」
 91トンの物体だろうと軽々と振り回すのが、きなこの怪力である。
 エロ本を主食(?)にしてきた怪物が耐えられるようなパワーではない。
 他の怪物も、ハンマーめいて振り回される半魚人にふっ飛ばされた!
「よーし、だいたいこんなとこだべなぁ、ぽいっと」
「アバーッ!」
 さんざん武器代わりにされた半魚人も海にポイされた。無情である。
 だいたいこんな勢いで、きなこは群がる怪物どもを投げてはちぎって投げてはちぎりまくった。

 で、そうすると、連中が疑似餌にしていたエロ本が散乱するわけで。
「……化け物にはこういうのが人気なんだべかぁ……」
 拾い上げて中身を読んだきなこは、しみじみとした様子で言った。
 ……エロ本って、実はなんかヤバい成分とか含まれてるんじゃなかろうか?

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
ありったけのエロ本かき集めてエロダチ探しに行くのさ

四度目ともなればもはや慣れたもんで途中新たなエロ本を求め冒険や襲撃があったでござる…が本題ではないので省略する
せっかくの船旅、甲板で思案に耽るのも一興でござるな
思うこと…

△エロ本
□性癖

島のエロ本、冒険で手に入れた本…これら至高の領域に近い
このエロ本達もそれまで受け継いできた性癖無しで生まれることはなかった物…
過去の何千何万ものエロの血と汗なくして今日のエロ本は有り得ない
そしてそんなエロ本を受け継ぎ超えんとする者達が
明日のエロ本をまた作る――
交易ってこういうもんだよね!!!

そういえばアーキロギア氏の性癖を聞きそびれてる気がするな
今度こそ暴かないと



●猟兵のプレイングじゃない……!
「思うこと――……」
 エドゥアルト・ルーデル、なぜかスリッド号に用意した風呂(?)で物思いに耽る。
 ここに来るまでそれはもう激しい冒険にスリルにバトルがあった。
 リプレイにすると軽くキロバイト越えてメガバイト行きそうなぐらいのやつ。
 でもそれらは重要ではないのですべて省略する。時は無情なり。

 ところでエドゥアルトが考えているのは……エロ本ではなく、性癖のことだった。
「ここまで手に入れてきたエロ本、これら至高の領域に近い……。
 このエロ本たちも、それまで受け継いできた性癖なしでは生まれなかったでござる」
 エドゥアルトは目を開いた。ついでに蒙を啓けたような感じがあった。
 はじめに性癖ありき、そしてエロ本あり。
 かつて神が最初に「性癖(ひかり)あれ」とおっしゃられたように、癖なくしてエロ本は生まれ得ないのだ。
 そう、日本においてVHSがエロありきで普及したように……!!
「過去の何千何万ものエロの血と汗なくして今日のエロ本はありえない。
 ……なるほど、わかってきたでござる。性癖こそがエロの根源、いわば恥の呼吸……!!」
 なんか変な回路が頭んなかで繋がってねえかこれ。
「そして、そんなエロ本を受け継ぎ超えんとする者たちが、明日のエロ本をまた作る――無限交易編完成でござるな!」
 どちらかというと下劣の市場でなかろうか。

「……よし。となれば島についたらやることはひとつでござる」
 エドゥアルト、ひとつ上の男の顔になって立ち上がった。朝日が眩しい!
「アーキロギア氏の性癖を暴かんとでござるな!!」
 誰かー! 男の人呼んでください男の人! だーれーかー!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・源次
【義煉】
性癖:自分でも良く分かって無いが多分スレンダーとか細身とかなんかそんな感じ
好き:多分清楚とか上品な感じとか儚げな感じとか
目的:相棒に付き合わされた

(何故俺はエロ本の物色をしているのだろう…脳裏に疑問がよぎったがまぁ…これもまた経験だ。と自分を納得させる)
ん…ああ、確かにこのバストは豊満だな。下からのアングルだと顔半分が隠れてしまっている所にそこはかとない趣を感じる

(抜刀。迫りくる脅威に真っ向から立ち向かう)
今ここにある『快楽昇』『エクスゼロス』『RO』(目についたエロ本のタイトル全部声に出して言った)…タイトルを上げればキリはないがどれも思いが籠ったものなら…守護るに値する。


杜鬼・クロウ
【義煉】
性癖:きょぬー至上主義
好き:黒髪ロング、チラリズム、大和撫子系
目的:新たな性癖を開花させる(貧乳以外なら自由

この超超重要任務、俺がいなけりゃァ始まらねェだろ!
伊達に修羅場は潜ってねェよ…(半分ガチ
船にはどんな本があっかなァ(寝転んでるんるん読む

ハ?源次お前そんな付け焼き刃の知識で此処へ来たのか?ア?
エロ本の極意がまるでわかっちゃいねェ!
ERO…それは男のパッション、浪漫だ
もっと心燃やしてけや!!
お前だけの一冊を見つけるまで帰らせねェぞ(目がマジ。脱朴念仁!
因みにこのきょぬーどう思う?下からのあんぐる最高じゃね?
きょぬーしか勝たねェわ

命のバイブルを狙う敵や機雷は容赦なく海の藻屑に
本は死守



●エロに興味なさそうな人がエロを品定めすることからのみ摂取できる栄養がある
「…………クロウよ」
「ア? なンだよ源次」
 叢雲・源次は、訝しむ杜鬼・クロウの顔を見つめて、こう言った。
「何故俺は――エロ本の物色をしているのだろうか」
「アァ?」
 源次の至極まっとうな疑問に、クロウはなぜか片眉を吊り上げる。
 お前、何言っちゃってんの? 俺らのチームナメてくれてんの? って凄むヤンキーみたいである。
「何言ってンだ源次ィ! この超・超重要任務に対してよォ!」
「超を2回つけるほど重要な任務か? これが……?」
「当ッたり前ェだろォがッ!!」
 クロウ、口角泡を飛ばす勢いで力説した!
「……では何故、お前は横になって本を読んでいるのだ」
「それが俺らの仕事だからだよ! エロ本読むのに正座してられッか!」
 と、クロウはごろーんと寝転びつつ、お母さんにキレる内弁慶の中学生みたいに力説した。……だめだこいつ!!

 というわけで、エロ本捜しの達人(!)クロウは、今回の仕事にエロ本に一切興味のなさそうな源次を引き連れてきたようだ。
 源次も源次で、よせばいいのに仕事だからということで真面目にやってしまう。
 本当にすべきは、このなんか変なスイッチ入っちゃった相棒の頭にゲンコツでも降らせて、さっさと帰って店の仕込みをすることなのだが……。
「まぁ……そうだな。これもまた経験だ」
 ほら、クロウの屁理屈に丸め込まれちゃったよ! 大丈夫ですか!?
「俺ァ、伊達に修羅場は潜ってねェ。源次、お前にエロ本の極意を教えてやらァ」
「エロ本の極意。……寝転んだままでか?」
「それだよ。その付け焼き刃の知識、まるでなっちゃねェ!」
「…………むう」
 源次、クソ真面目な仏頂面で唸る。だから耳傾けちゃだめですって。
「ERO――それは男のパッション、浪漫だ」
「浪漫」
「もっと心燃やしてけや!! お前の性癖(サガ)を知るとこから始めろ!!」
 クロウ、顔だけ見るとすげえいいことを言ってるように思える。顔がいいので。
「お前だけの一冊を見つけるまで、今日は帰さねェぜ……?」
 こんなこと言ってフッと微笑んだりすると、いよいよイケメン感強い。
 まあ首から下は甲板にごろ寝してるし、手に持ってるのエロ本なんだけど。
 タイトルは「乳肉大旋風」。クロウの大好きな、巨乳モノである。
「……わかった。どうやら俺の認識が甘かったようだ。心を入れ替えよう」
「おう。わかりゃいいンだよわかりゃ。ところでよ」
 クロウ、クソ真面目に頷く源次に、持っていた本をばさっと差し出した。
「で、さっそくだが、このきょぬーどう思う?」
「どう思う、とは」
「これよ、これ! 下からのあんぐる最高じゃね? 寝っ転がってっとなお没入性高くね?」
「…………」
 ごろり。源次も寝っ転がってエロ本を覗き込んでみる。
 構図だけ見ると、原っぱに寝そべって夢を語り合う少年のようである。
 まあ語り合ってんの性癖だし、見上げてんの青空じゃなくて下乳なんだが。
「ん……ああ、たしかにこのバストは豊満だな」
「そォじゃねェよ源次、もっとフィーリングに従えよ……!」
「…………下からのアングルで、顔が半分隠れているな」
「おう、それで!?」
「そこはかとない趣を感じる。これが――EROなのか?」
「…………ハッ」
 クロウ、なぜか爽やかな笑みを浮かべ、起き上がると源次に本を差し出した。
「快楽昇」「エクスゼロス」「RO」「ギガミルク」「エンスリスリウム」「デビルCLUB」「ペンギン同好会」「永劫娘」「ノットリアル」……多くない!?
「多くないか、クロウ」
「命のバイブルだ。大切にしろや」
「だから多くないか、クロウ」
「お前だけの性癖(ヒビキ)――見つけ出せよ」
 クロウ、太陽を背負い微笑んだ。ピンナップにできそうな綺麗さだった。
 まあ手に持ってんのエロ本だし、言ってること最悪なんだけども。
「たとえお前がスレンダーや細身に覚醒めても、俺たちは無二の相棒だぜ?」
「だから俺は……」
 言いつつ、源次はぺらりと本をめくった。
 そこにはちょうど、空気抵抗の少なそうな美しいお嬢様が、こう……使用人とアレをアレしてしまう……そういうのがあったんだよ、わかれ!!
「なるほど」
 源次は頷いた。彼の中でカチリと何かが噛み合う感覚があった。
 これが……ERO。これが……パッション――!!
「「「グォオオオオ!!」」」
「チッ、エロ本求めて海獣どもが出やがった! 話は奴らを倒してからだ源次ィ!」
「ああ。思いが籠もったエロ本――守護るに値する」
 さあ、戦いだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スキアファール・イリャルギ
【モノクロフレンズ】
わ、悪い大人のちょっぴりワルワルな社会勉強です
……何故かトーさんに誘われて来ましたが私エロには疎いですよ??
私その、盛りの時期?には殆ど人間生活できてないので……
そもそも怪奇影人間とエロってなんだ???(宇宙怪奇)

えっトーさんはがっつり見れるタイプなんです?
わ、私はまじまじと女性の裸を見るのはちょっと……
目のやり場に困ります……
ほらこの前のマザー・コンピュータとか、あとドン・フリーダムとか……
なんであいつら裸なんですか破廉恥な!!(顔赤い)
……す、すみませんありがとうございます
確かに綺麗な方はいますよn……ごふっ(頭から煙ぼっふん)

……これ絶対コローロとラトナには内緒ですね


茜崎・トヲル
【モノクロフレンズ】
わーい、船だー!エロ本だー!あーさんと来たぞー!

えっ なんで誘ったかって、そりゃー……ノリだよ!(ノリ)(あと勢い)
わっはっは!だいじょぶだいじょぶ、おれもそーゆーのはないからね!子どもさん作れないし!
あっスーさんが宇宙怪奇に!

さっき貨物室の見てきたけどすげー量あったよ!エロ本!
え?うん。変身するときとかの参考になるしい。それにフォーミュラでも全裸さん多いし!
あっ、わー!あーさん真っ赤!だ、だいじょぶ?冷たい水のむ?
そーゆー胸ドキもーないからなー、おれ……でもたまにすげーきれーな人いるよねえ!
あとほら、この紐の縛り方とk……うわーっスーさんが!

うんうんっ!なーいしょ!だね!



●もしかしなくてもこの白いの面白がってんな?
「わーい、船だー! エロ本だー!!」
 茜崎・トヲル、ピクニックに来た子供みたいな無邪気な顔である。
 両手を天高く突き上げ、これまた明るく元気にニコニコ笑っていた。
 そんなトヲルに連れてこられたのは、可哀想な怪奇人間ことスキアファール・イリャルギである。
「どーよあーさん! エロ本だよエロ本!」
「えっ……と、どう、と言われましても……」
 スキアファール31歳、31歳とは思えない顔で頬を赤らめた。
 なまじ病人みたいな青白い肌なので、照れるとわかりやすい。かわいいね!
「わ、悪い大人のちょっぴりワルワルな社会勉強、というところでしょうか」
「ひゅー、いいねー! エロ本はおとなのたしなみ、だもんなー!」
「はあ……そうは言っても私、エロには疎いんですよ」
「え? そーなの?」
 トヲル、きょとんとして首をかしげる。
「だってこう……私、その、盛りの時期? にはほとんど人間生活出来てないので」
「あー、なるほどなー」
「いいんでしょうかね、こんな私が船に乗ってて」
 スキアファールは、そこかしこから感じる異様な"熱気"に気圧されていた。
 エロの持つ力、陽の力……! 邪悪妖怪とかを倒せそうな力!
 スキアファールにとって、それは無縁の力である。だって陰キャだし。
「わっはっは! だいじょぶだいじょぶ、おれもそーゆーのはないからね!
 子どもさん作れないし! そもそもあーさん連れてきたのノリだから!」
「えっ」
「あと勢い?」
「えっ」
 そんなテキトーな理由でこの鉄火場に連れられてきたの? みたいな顔。
 だがトヲルは気にしない。なぜなら彼は……アホだから!!
「私がここにいる意味って、なんだ……? ていうか怪奇人間とエロの関係性とは……???」
「あっ、スーさんが宇宙怪奇に! おーい、もどってこーい!」
 スキアファールが我に返るまで、けっこうかかった。

「ところでさあーさん、貨物室のほう見てみた?」
「え、いえ……貨物室ってつまり、そのエロ……つ、積荷があるところですよね」
「うん! おれねー、さっき見てきたよ! すっげーエロ本があった!」
 トヲル、かっけー棒を拾った小学生みたいな笑顔であっけらかんと言う。
「えっ、トーさんは女性のその、は、はだ……裸、見れるタイプなんですか?」
「え? うん。変身するときとかの参考になるしい」
 マジかよすげえ。スキアファールはちょっとトヲルを尊敬した。
 中学生ぐらいになると、エロ本を買っても老け顔だからバレない男子生徒、いたでしょ。あれね。アレと同じタイプのリスペクト。
「それにさー、フォーミュラにも全裸さん多くない?」
「……た、たしかに」
 スキアファール、考え込む。
「その、私はまじまじと女性の裸を見るのは、ちょっと……目のやり場に困るというか……」
「そっかー。でもさー、こないだのマザーとかすっげー裸だったよね!」
「そうなんですよ!!」
「えっ」
 スキアファール、急に大声を出した!
「マザー・コンピュータとかドン・フリーダムとか! なんであいつら裸なんですか破廉恥な!!!!」
「スーさん、スーさん急にどうしたのスーさん! 顔まっかだよ!?」
「そんなのと真面目に戦わないといけない私たちの気持ちとかも考えてくださいよ!!!」
「おちついてあーさん! ほら冷たい水あるから、ね」
「アッハイありがとうございます(ごくごくごくごく)」
 ぷはー。スキアファールは茹で蛸みたいな顔になっていた。
「おれなー、そーゆー胸ドキもないからなー……でもさ、たまにすげーきれーな人いるよねえ!」
「そう、ですね。見目麗しいというのは、素晴らしいことだとは思います」
「ほらこのエロ本のひととかさ! 肌めっちゃきれーじゃない!?」
「えっ」
 トヲル、さも当然とばかりにエロ本を開いた!
「え、あ、ちょ、トーさ」
「あとほら、この紐の縛り方とか」
「ゴフッ」
「あー!? スーさんが頭から煙吐いたー!!」
 完全にダウンしたスキアファール。31歳の姿か? これが……。
(こ、コローロとラトナには、内緒にしない、と……)
 ぐるぐる回る視界の中、スキアファールの頭の半分を占めるのはそんな思考。
 もう半分? 網膜に焼き付いた、肌色のリフレインである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エンティ・シェア
【花面】

待て待て待て待て待ちなさい
流石の私でもあれが罠だと言うのは分かるよ分かるから落ち着いてシェルゥカ
君ね、私の事はあーだこーだ言うくせにどうしてそう向こう見ずなの!?
ていうか、塔と塔って何???
もう、仕方がないから手伝ってあげるよ!
確かにその内容は気になるし

(羽搏く大量のエロ本に「わぁ…」って顔になる)
風…流…?
宇宙猫というやつを垣間見たよ
エロ本って、飛ぶんだね…

奇天烈な光景だし記念撮影も面白いから構わないけど
あの沖つエロ本、捕まえられたら交易品に追加出来…ええ、こっちきた…
…おや?見覚えのある表紙だ
あぁ、去年読んだやつ
もしかしてまた読んでもらいたくて寄ってきたのかな?
仕方がない子だねぇ


シェルゥカ・ヨルナギ
【花面】

(エロ本で海へ引き込もうとする魔獣の罠に)
大丈夫だからエンティ!
もう少しで手が届くから!
だって塔と塔のエロ本だよ!?
見てみたい!

(夢中で伸ばした手の先の景色にふと勢いが止まる)
沖の波が雲みたいに真っ白で
そんな古の歌を思い出す
『雲居にまがふ沖つ白波』
なんだか心が洗われるようだね

…でもあの波何かおかしい
白い部分が…
あっ!
あれエロ本だ!
波に乗って羽搏く大量のエロ本
光が反射して白く輝いてる
『雲居にまがふ沖つエロ本』!
風流!

折角なので沖つエロ本と記念撮影
エンティも入って!
風流を解した気分でいたら沖つエロ本達が飛んできた
これは…去年拾ったエロ本!
おかえり…!
カピカピ度が増して、少し逞しくなったねー



●男には罠とわかっていても飛び込まねばならないときがある
「待て待て待て待て、待ちなさい」
「大丈夫だからエンティ! もう少しで手が届くから!」
 なにやら、甲板上で押し問答するふたり。
 エンティ・シェアは、海に飛び込みそうな勢いで身体を乗り出すシェルゥカ・ヨルナギを、普通に止めていた。危ないもの。
 いやでも理由それだけじゃねえ。シェルゥカが手を差し伸べる先にぷかぷか浮かんでいるのはエロ本だ!
「さすがの私でも、あれが罠だというのはわかるよ? わかるから落ち着いてシェルゥカ」
「でも! だって塔と塔のエロ本だよ!?」
「塔と塔って何??? いやそもそも君ね」
 エンティ、お説教モードに入る。
「私のことはあーだこーだ言うくせに、どうしてそう向こう見ずなの!?」
「見てみたいじゃないか! エンティは見たくないの!?」
「いやたしかにその内容は気になるけどさ……ああもう、仕方ないな」
 エンティは結局根負けして、シェルゥカを手伝ってあげることにした。
 ところで、塔と塔のエロ本って何? ……マジで何!?

 そんなこんなで、明らかに罠なエロ本を頑張って拾う……いや浚う? まあとにかく回収しようとあーでもないこーでもないと試行錯誤するふたり。
「もうちょっと、もうちょっとだ……!」
 シェルゥカは夢中で手を伸ばしていた。こう、高い木に止まってるかっけークワガタを手で掴み取ろうとする子供みたいに。網を使え。
「落ちないようにねシェルゥカ、気をつけて」
「大丈夫だよエンティ、よしこれで――あ」
「……シェルゥカ?」
 シェルゥカは、手を伸ばす先の景色に目を奪われた。
「……沖の波が、雲みたいに真っ白だ」
「シェルゥカ? いまエロ本拾おうとしてるところなんだけど?」
 わたの原/漕ぎ出でてみれば/ひさかたの――。
「……雲居にまがふ/沖つ白波」
「シェルゥカ?? エロ本拾おうとしながら詠む歌なのそれって??」
「なんだか心が洗われるようだね、エンティ」
「うんまあいい景色ではあると思うけどさ、状況……」
 塔と塔のエロ本(だからマジで何?)に手を伸ばしながら言うことではない。

 しかしそこで、シェルゥカは何かに気付いた。
「でも待ってエンティ、あの波何かがおかしいよ」
「すべてがおかしい状況ではあるよね」
「……あっ!」
 シェルゥカは見抜いた。あれはただの白波ではない!
「あの波の白い部分――あれ、エロ本だ!」
「は???」
 エンティ、つられて波を見つめる。するとその時……ざっぱーん!
 波に乗って、無数のエロ本が跳んだ……そう、羽ばたいたのだ。
 きらきらと、宝石を散りばめたように光が反射し、白く輝いている。
「わぁ……」
 エンティはそれしか言えなかった。まともに考えると気が狂いそうな光景だ。
「雲居にまがふ/沖つエロ本! ……風流!」
「ふう、りゅう……???」
 エンティ、完全に宇宙を背負った猫の顔である。
「エロ本って、飛ぶんだね……」
 問題はそこではない。

 しかもシェルゥカ、なにやら記念撮影を始める始末だ。エロ本と記念撮影って何?
「ほら、エンティも入って! こんな光景めったに見れないよ!」
「えっあっ、うんまあ奇天烈な光景だし面白いからそれはいいんだけど」
 あれ捕まえ(エロ本を捕まえるって何??)られたら交易品に追加できないか? とかなんとか思いつつ、おとなしく言うとおりにするエンティ。
 すると……ばさばさと飛んで(???)いたエロ本が、こちらへ飛んできた!
「えぇ……こっちきた……」
「これは――去年拾ったエロ本!」
「あぁ、あの時読んだやつ」
 シェルゥカは、味わい深い表情をして、そのエロ本を受け止めた。
「おかえり……! カピカピ度が増して、すこしたくましくなったねー」
「もしかしてまた読んでほしくて、寄ってきたのかもしれないね」
 仕方のない子だなあ、みたいな顔をするエンティ。もう状況を受け入れていた。
 そんなふたりの間で、あの頃からちょっぴり成長したエロ本は、嬉しそうにばさばさとはばたいていた。
 そして青空に飛び立つ、無数のエロ本たち。この子たちもきっと、波風に乗って新しい場所へと飛んでいくのだろう――。

 エロ本は飛ばないしはばたかないしそもそも生きてないのだが?
 ツッコミのいない空間は容易に狂気が閾値を超える。その好例だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
あっひゃひゃ、なんだよ特産品がエロ本の伝説の島って!
「……というか、何でこんな依頼を受けているんでしょう私達。」

と、相棒。話の途中だがワイバーンだッ!どうやらエロ本が狙いのようだぜッ!
「…なんでエロ…んん、交易品を狙ってんですか。式、召喚【飛び鎌鼬】。適当になぎ払って。」
わぁお、適当な指示。

エロ本落としていったな。
…ひゅー、すげえな…おいおい、こんなところまで見せるのかよ…。
「って、何じっくり見ているんですかッ!……何ですかコレ。」
(取り上げた本『お色気猟兵【ヒーローマスク編】』)
なんだよ、相棒も見たいのか?このムッツリめ。
「……私には仮面のカタログにしか見えないんですが。」


【アドリブ歓迎】



●世の中には色んな性癖がありますからね
「あっひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
 ヒーローマスク、神代・凶津はゲラゲラ笑っていた。
「なんだよ、特産品がエロ本の島って! しかもそれで交易するだぁ!?
 そんなの売れるわけねーだろ! そもそも売るなよ、あっひゃひゃうひひ!」
「……というか、なんでこんな依頼を請けてるんでしょう私たち」
 凶津の相棒である巫女『桜』は、遠い目をした。
 エロ本絡みになると、なぜか短時間の記憶を喪失する人が多い。
 きっと現実を受け入れられなくて、精神が防衛本能を働かせているのだろう。
 でもここに来てしまった以上、仕事はせねばならない!

「そりゃ相棒……っと!」
 その時である。バサバサといくつもの羽ばたく音。
 空を見上げれば、そこには!
「「「スケベェエエ!!」」」
「話の途中だがワイバーンだッ! ありゃあいわば、スケベワイバーン!!」
「スケベワイバーン」
 桜は無表情で復唱した。呆れてる眼だこれ。
「どうやらエロ本が狙いのようだぜ、相棒ッ!」
「……なんでエロ……んん、交易品を狙ってんですか。ていうか何あの鳴き声」
「「「スケベェエエエ!!」」」
 ライダーっぽい感じのワイバーンが空から襲いかかる!
「……式、召喚『飛び鎌鼬』。適当に薙ぎ払って」
 符をぞんざいに投げる桜。出てきたイタチもかなりやる気がない。
 ほんとにやんなきゃいけないの? こんなアホな魔獣相手に?
 みてえな顔で何度も振り返りつつ、ものすごく投げやりに敵を切り裂いた。
「「「スケベアバーッ!!」」」
 ワイバーン、沈黙。ところで何かバサバサと落ちてきた。

「……おい桜、こいつはエロ本だぜ! あいつら狩りの途中だったのかよ!」
「……そういう本って狩るものなんですか。というか他に落ちてるところが???」
 おかしいだろと呆れ返る桜。一方、凶津は何やらハァハァしている。
「……ひゅー、すげえな……おいおい、こんなところまで見せるのかよ……」
「って、何じっくり見ているんですかッ!」
 桜、慌てて本を取り上げた! のだが。
「…………「お色気猟兵:ヒーローマスク編」? なんですかコレ」
「なんだよ、相棒も見たいのか? この……むっつりめ!」
 凶津は顔を赤らめつつ「お前も好きよのう」みてえな声で言った。
 いや、もとから真っ赤だから赤面しててもわからんのだけど。
「……私には仮面のカタログにしか見えないんですが」
「バッカ、このへんとかもう……うおおお! こんなセクシー許されんのか!?」
「……はぁああ……」
 桜は遠い目をした。水平線の彼方では、スケベカモメが呑気に鳴いていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
つまり、エロ本を守れとな?
…業が深くない?

全く、そういった劣情を抱くとは…
不健康間違いなし、と言うわけで、レッツダンシング!
全力脱衣!開催最強筋肉祭、発動だぁ!

積み荷を守る広背筋
積み荷を移動する大殿筋
積み荷を拾い上げ、そして、ちゃんと整理するヒラメ筋
さらには、止めの不審者に浴びせかける結界術からのモストマスキュラぁ!

これだけ、肉体美を魅せつければ、薄い本への興味という邪念など、吹き飛ぶのがこの世の常だ
だが、それでも、抵抗するならば、仕方がない
鍛え、備え、そして、語り合い、筋肉のすばらしさに目覚めさせ用ではないか!

まずは、上腕二頭筋から、鍛え上げるが吉だな!

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



●業の深さとエロさは比例する(独自研究)
「「「うおおお! エロ本だぁあああ!!」」」
 海の危険は、何も海獣や自然現象だけではない。
 道を外れてしまった、海賊もどきによる略奪も起きているのが現実だ。
 コンキスタドール予備軍とでも呼ぶべき、悲しき生き物たち……。
「……いやエロ本のためにそこまでするか!?」
 備傘・剱は常識人なので、ものすごくまともなツッコミを入れた。
「うるせえ! 憧れは止められねえんだ!」
「信じていればいつか必ず夢は叶う!」
「綺麗事言いやがって……業が深すぎるだろ……」
 これがまだ黄金とかなら浪漫という概念を理解できなくもないが、エロ本だ。
 劔は呆れ返ってため息をつき、突然――服を! 脱いだ!?

「「「へ、変態か猟兵ーッ!!」」」
「馬鹿野郎ども! 見ろ、俺のこの肉体を!!」
「「「……!?」」」
 劔はぐぐっと腕を曲げ、上腕二頭筋を誇示した。
「エロ本のために略奪を働く、そんな劣情を抱くとはまったく嘆かわしい。
 不健康間違いなし、つまり……お前らに必要なのは! 筋肉とダンスだ!!」
「き、筋肉と」
「ダンス!?」
「そうだ! まずこの、積荷を守る広背筋!」
 バシィ! 劔は自慢の筋肉を見せつける!
「そして積荷を移動する、大殿筋! 積荷を拾い上げちゃんと整理する、ヒラメ筋!」
「う、ううっ! なんてキレてる筋肉なんだ!」
「心なしか、筋肉が光を放っているようだぜ……!」
「これが、健全の力……?」
 略奪者たちはだいぶ呑まれていた。狂気に。
「ぬううん!! 俺のこのモストマスキュラーを見ても、まだ邪念が湧くか!?!?」
「「「ウワーッ!!」」」
 神々しい筋肉オーラが、略奪者たちを飲み込んだ。あるいは狂気が。
 略奪者たちは途端に武器を捨て、自分たちも服を脱ぎ捨てる!
「もう居ても立ってもいられねえ!」
「語り合いてえ! 肉体言語で!」
「俺たちの筋肉を味わってくれーッ!」
「フッ……有り余る筋肉への愛がそうさせるか。ああ、いいぜ」
 劔、白い歯をキラリと光らせて頷いた。
「鍛え、備え、そして肉と肉をぶつけあって語り合おうじゃないか!」
「「「ウオオオーッ!!」」」
 そして男たちは、激しく踊り、ポーズを取り、相撲したり夜空を見上げた!
 噫、筋肉よ永遠なれ。ありがとう筋肉、よろしく筋肉……!

 ……これはこれで別の業が煮詰まってないだろうか?

大成功 🔵​🔵​🔵​

守田・緋姫子
なぜ私はこんな所に来てしまったのだろうか......(諦観)
学校通ってないけど気分で入手したセーラー服は役に立ったが、まさかこんな使い方をすることになるとは......。

とりあえず怨霊なのでたまには人を脅かして見るか。具体的には、エロ本を吟味している猟兵にこっそり近づき、後ろから話しかけて好みのブツをじろじろチェックしてやろう(笑)
きっと肝を冷やすに違いないぞ、フフフ......。私に見られまいと隠すなら、むしろ見たくなるので後ろに回り込む(ドS)。

周りに猟兵がいなかったら私もこっそりエ......本を仕分けしよう。女性向けの過激なやつがあれば、こっそり【システムメニューウィンドウ】で表紙をコミックとかに改竄して持って帰ろう。こっそり。コンビニで私が買おうとすると止められそうだし(試したことはない)。

ところでこの依頼、中学生が参加していいのか?

アドリブ連携歓迎、バーリトゥード!



●むしろ中学生こそがある意味で最適の年齢なのでは?
「……なぜ私は、こんなところへ来てしまったのだろうか……」
 守田・緋姫子は遠い目をして、太陽を見上げた。
 なお、他にもけっこうな数の猟兵が、参加を後悔していた。
 グリモア猟兵の話を聞いた上で来てるのに、不思議な話である。
 なぜかこういう依頼だと、ちょっとした記憶喪失が多発するんですよね。
 多分そういうオブリビオンがいるんじゃない? そういうことにしておこう。

 ところで、そんな緋姫子は、怨霊らしく猟兵を驚かすつもりでいた。
 エロ本を読んでいるところに後ろから話しかけ、じろじろとチェックする……。
 驚かせるというか、どう考えても性癖チェックが主目的である。

 ……だが!
「おかしい……恥じらっている猟兵が全然いないじゃないか……!!」
 緋姫子は愕然としていた。
 なぜなら、エロ本を読んでいる猟兵は、みんな堂々と読んでいたからだ!
 なんか性癖について力強く語っていたり、むしろ同志を増やそうとしてたり、
 かと思えばなんかカップルっぽいのが言い争いをしていたり、
 誰も恥じらいという概念を持っていなかった。少なくとも読んでるのは。
「おかしいだろう、エロ本というのはもう少し恥ずかしがりながら読むものでは?
 いや、私は中学生だからエロ本のことには詳しくないのだが、しかしだな!!」
 緋姫子は悔しさに唇を噛み締めた。驚かしたかったのか性癖を暴露されて恥ずかしがる男の子の顔が見たかったのか、どっちだろうね。

「まあ仕方ない……私も仕分けをしておくか」
 などと言いつつ、緋姫子はこそこそと女性向けの過激なエロ本を捜して積荷を物色する。
 ところで話はズレるんですが、男性向けより女性向けのほうが時々マジでエッグいやつありますよね。あれなんなんですかね、やっぱ本場ってこと?
 まあとにかく、緋姫子が探し当てたのは、まさしくそのエッグいぐらい過激なやつだった。
「…………」
 きょろきょろと周りを伺う緋姫子。そしてエロ本を手にとり……あっ!
「ふふふ、表紙を書き換えておけばばれないはず……!」
 姑息! エロ本の表紙を当たり障りないコミックに変えている!
 だがこれは、男子中学生がエロ本を買う時、周りにバレないようせめてもの矜持として行う「エロ本サンドイッチ」と同じ技。
 やはり中学生は、自然とそういう知識を持つのだ……緋姫子は悪霊なんだけども。
「しかしこれエッグいな……わあ、す、すごい……」
 顔を赤らめながらエロ本をこそこそ読んでいるのは、緋姫子のほうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェルト・フィルファーデン
ムルヘルベル様も大変ね……破廉恥本にこんなにご縁があるなんて。
とはいえ、これも立派な猟兵のお仕事。頑張りましょうか!

とりあえず航海の邪魔をされないようにUCで兵士人形を呼び出すわ。
ええと……5体くらい?ええ、それでなんだか何とかなる気がするもの。


さてと……建前はここまで。さあ来なさい残り550体の兵士人形達よ!
今回の目的、それは彼(🍗)似の破廉恥本を探しその格好良さを売り込むこと!
彼の魅力はオーバーロードしても語り尽くせないから割愛するけどわたしの最高の彼氏の魅力皆に知ってほしいの!
それに、ほら、その……わたしも色々と参考になるかもしれないしね?

というわけで兵士人形達よ!彼似のワイルド系イケメン本を探しなさい!
あら、これなんか似て……『ファーストフードとか(笑)』彼はそんなこと言わない!!
これも違うこっちも微妙違うそうじゃないわ解釈違いよ!!
あら!これは見た目も性格も完璧・・・お相手が!わたしじゃ!!ないっ!!!
はあ……やっぱり破廉恥本なんて(ピー)よ(ピー)。後で全部処分しなきゃ……



●建前のためにオーバーロードになっちゃってんの、いいんですか?
「ムルヘルベル様も大変ね……破廉恥な本にこんなにご縁があるなんて……」
 丸まったり崩折れたり、おもちみたいになってたグリモア猟兵を思い返し、
 フェルト・フィルファーデンは心配……心配ですよね? 憐れんでないよね?
「ええ、けれどこれも立派な猟兵のお仕事、頑張りましょうか!」
 と、フェルトはやる気だ。いやー健気健気、見上げた猟兵精神ですね。
「さっ、頑張って兵士人形を……えーと……」
 さっそくユーベルコードを発動し、ずらっと555体の人形を喚び出した。
 ……のだが、何か様子がおかしい。さっさと警護させればいいのでは?
「……うん、5体もいればいいわね。それじゃあよろしくね!」
 えっ!? みたいな顔をする、不運な5体の兵士たち。
 めちゃくちゃテキトーである。そんなんで船が守れるかよ!
「「「グォオオオオ! スケベェエエエ!!」」」
「話は魔物を倒してからよ、さあ行きなさい! なんとかするの!」
 今日の王女様は、完全に女王様だった。
 そしてこれでなんとかなってしまうのである。だって、ネタシナリオだから!

 不運な人形たちに行間で戦闘を任せつつ、フェルトは本懐を遂げに行く。
 ん? 本懐? いやこの章はエロ本を護送するのが一応の目的で……。
「さあ残り550体の人形たちよ、ケン様似のワイルド系イケメン本を捜しなさい!」
 え?
「そしてその格好良さを、伝説の島の方々に売り込む……これこそ私の目的!
 語り尽くせぬケン様の魅力に、皆様もきっと気付いてくださるはずよ!!!」
 フェルト、拳を握りしめてメラメラと瞳に炎を燃やす。
 駄目だこいつのろけてえだけだ! くっついた途端これかよ!
「王女サマー見ツケマシター」
 リプレイ初、わかりやすさのために喋れるようになった兵士人形!
「あら、なかなか似て……って、これは駄目よ」
「エ? ナンデデスカ?」
「彼は「ファーストフードとか(笑)」なんて言わないわ!
 むしろ8段バーガーを食べるためなら罠にだって飛び込むワイルドさがあるの!
 そう、目的のためならどんなところにだってケン様は勇敢に戦いを挑むのよそして必ず勝利して私にそれを捧げてくれるのなのにケン様ったら恥ずかしいからかそんなこと言わないで適当に理由をつけてぶっきらぼうにしつつ私のことを大事にしてくれるのよねこの間なんて私がちょっと転びそうになったらぎゅって抱きしめてくれてもう本当に素直じゃないんだからでもそういうところが大好」
「次ノ捜シテキマスネー」
 おい誰かこいつなんとかしろ。

 そして、結局フェルトのお眼鏡に適うものが見つかったかというと。
「これも違う! こっちも微妙に違う! これなんか解釈違いよ!!」
「コレドウデスカ」
「あら! これは見た目も性格も完璧……って! キーッ!!!!」
 バリバリバリィ!! フェルト、すさまじい怪力でエロ本を破り捨てた!
「「「エッドウシタンデスカ」」」
「お相手が! わたしじゃ!! ないっ!!!」
「「「無茶言ウナヨ……」」」
「やっぱり破廉恥本なんて……全部処分しなきゃ……!!」
 フェルト、完全に目的を見失っていた。積荷の明日はどっちだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
今年もこの季節がやってきたな……
この時期になると大勢のアセンショニスト達が産声を上げるんだ
やはり高次元のエロ本は人類の性癖を新たなステージへと引き上げるからか
ふ…既にマスター・アセンションに達した俺でさえも…高鳴りを抑えきれん

じゃあはい、働け──『Extra』(戦闘プレイング終了)

…ほう、なるほど素晴らしい表紙だな
購買意欲をそそる為にはやはり第一印象が重要だ
この見るからにだらしなさそうな年上が、肥えた舌には良く刺さる
こういうステレオタイプでいいんだ
俺達は特殊なシチュエーションや特異な設定に毒され過ぎた
こういう、シンプルに好きになれる造形…純粋なエロさ
古びた定食屋の看板メニューくらいのものでいい…

……しかし、うーん
何故だろうな。昔ほど興奮はしない
例えばこんな、あからさまにピンク髪のキツネ娘モノがあっても
結局オリジナルの良さには敵わねえんだよなぁとか思っちゃうわけよ
俺も大人になっちまったってことなんかなぁ
…そろそろ引退の時、か
フッ……アセンションは次世代へと託す時が来たのかもしれねえ



●幼年期の終り、あるいは新たな始まり
「――今年も、この季節がやってきたな」
 ヴィクティム・ウィンターミュートは腕を組み、水平線を見つめる。
 そんな彼のかんばせには、10代を終えつつある「男」の色気があった。
 思えば二年前、あのエロ本拾いから始まったひとつの縁。
 ヴィクティムは多くの戦いと経験を経て、そして今、大人になりつつある。

「この時期になると、大勢のアセンショニストたちが産声を上げやがる」
 はい?
「高次元のエロ本ってのは、人類の性癖を新たなステージに引き上げるからな。
 ……ふっ、マスター・アセンションに達した俺ですら、胸が高鳴るぜ……」
 なんか知らない概念が頻出しましたね。何? アセンショニストって。
 ちなみにその背後では、エロ本ビーストのみなさんが行間でやられていた。

 しばし水平線を見つめていたヴィクティムは、ふと海面に手を伸ばす。
 行間でやられたエロ本ビーストからドロップ(?)した、エロ本だ。
「ほう……素晴らしい表紙だな。購買意欲をそそる、見事な一品だ」
 ちなみに表紙に映っているのは、ちょっとお腹の肉があまり気味のお姉さんだ。
 いかにもだらしなさそうな年上のお姉さん。ある種のステレオタイプ。
「エロを極めようとすると、どうしても特殊なシチュや設定に走っちまう。
 ときにはこういう、シンプルに好きになれる造形が、グッとくるもんさ」
 それは、街の片隅にひっそりと佇む古びた定食屋のようなもの。
 どこまで旅をしても、結局僕らはそこに帰ってくる。
 ああ……僕らには帰れるところがあるんだ……エロの故郷が……!

 ……しかし。
「……ふう」
 ヴィクティムは諦めともつかぬ吐息をつき、エロ本を積荷に加えた。
 そして水平線を見つめる。彼の横顔には、大人の色気があった。

 そう、ヴィクティムは、昔ほどはしゃぐことが出来なくなっていた。
 それが大人になるということ。エロは、男の浪漫であり、通過儀礼でもある。
 いつしか人は、そうやって成長していき、出会いと別れを学ぶのだ。
「いやーやっぱなー、オリジナルの良さには敵わないんだよなあ」
 は?
「ピンク髪でキツネ娘だからって、本じゃなあ、どうしてもなあ……」
 おい誰かこいつ一発殴れ! 大人になったとかそういうんじゃねえぞこれ!
 裏切り者じゃ! 村の掟を破った裏切り者がおる! 罰を与えねばならんーッ!!

 失礼しました、イマジナリー寒村のおじいちゃんが混ざってしまったようです。
 とにかくヴィクティムは、幼年期の終わりを迎えつつあった。
 ただ単に色ボケかましてるだけな気がしなくもないが、そこはまあ、ね?
「なら俺がやるべきことは、たったひとつだ」
 ヴィクティムは微笑んだ。
「新たな次世代へ、アセンションを託す――それだけさ」
 だから、アセンションってなんなんだよ。
 ツッコミの代わりに、優しい潮風と波の音が彼を抱きしめた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『宝探しをしよう』

POW   :    とりあえず目の前から探してみる

SPD   :    周りをよく見て探してみる

WIZ   :    第六感に従って探してみる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●やるこた結局変わらねえんですよ
 かくして猟兵たちは、壮絶な船旅を経て伝説の島へ辿り着いた。
 奇しくもそこは、カセンジキ島と同じUDCアースから漂着した場所。
 そして住んでいるのは、やはり男たちばかり……なのだが。

「なんですかあなたがたは。商人? それとも海賊ですか?」
 猟兵たちを訝しげな顔で出迎えたのは、黒縁メガネをかけた七三分けの男。
 他にも刈り上げ頭にそばかすが目立つ若者とか、あだ名が「ハカセ」っぽい感じの少年とか。
 そう――この島の男たちは、みんな童て……ピュアっぽい見た目をしていた!

 そして、それは見た目だけではない。
「は? エロ本? 交易? 何を言ってるんですあなたたちは」
 七三眼鏡はくいくいと眼鏡を上げたり下げたりする。
「そんなもので交易になるわけないでしょう。食料とか貴金属とかないんですか。
 申し訳ないのですが、私、これからアサインとタンジェントしてグローバル化するMTGがマッハなので。失礼します」
 と、男たちは取り付く島もない。彼らは中身も童て……ピュアなのだ。
 一体どうすれば、彼らにエロ本を売りつけることが出来るのか!?

 ……だが、きっとここまで辿り着いた猟兵たちなら感じるだろう。
 この島から漂う、カセンジキ島とよく似た「気配」に。
 あそこの暗がりや、そこの川辺にも、きっと「アレ」は隠されている!
 ……そうだ、ないはずがない。なぜならそれは男の永遠の象徴。
 この島にもきっと、この島特有のエロ本があるはずなのだ。
 それを見つけ出し、島民たちの心を開いてやれば、きっと交易は上手くいく。
 え? 島にあんなら交易が成立するわけねえだろ?
 バカ! スゴイバカ! エロ本はいくらあったって困らない!

 ともあれ。
 はたして猟兵たちは、童……ピュアな男たちの心を拓くことが出来るのか!?
 ただしこのシナリオは健全なので、色仕掛けとかはやめておこう!
 ピュアな男たちはあまりに刺激が強いとドラミングをしてゴリラになるぞ!!

 ※締切は特にありません。気が向いたタイミングで採用していきます。
オリヴィア・ローゼンタール
交易品といえば食料や貴金属……えぇ、至極真っ当な意見です
ですが……忙しなく眼鏡を上げ下げしているのは、隠し事をしている挙動でしょうね

隠し事を暴き立てるというのは酷なこと
しかし、ここまで荒波を越えてきた彼らに報いるためにも、少しだけ心を開いてはいただけませんか?
誠心誠意お願いする
【傾城傾国の艶美】は、ほんの少しの後押し

交易が始まれば売り子としてお手伝いしましょう
本の中身は決して読みませんが、大まかなところだけ聞き、それに合わせて衣装を変える
シスター、天使、雪女、ミニ浴衣、中華服にセーラー服、バニーやパイロットスーツ
水着はビキニに競泳、スクールと3種
写真? ご自由にどうぞ
ポーズ? こうですか?



●はたしてシスターは魅惑系のユーベルコードを使うものだろうか(疑問提起)
「交易品と言えば、食料や貴金属……ええ、至極まっとうな意見です」
「そうでしょう。わかったら早くお引取りください。私は忙しいんです」
 オリヴィア・ローゼンタールはしかし、島民の顔をじっと見つめた。
 島民はさっきから、眼鏡を上げたり下げたり上げたり下げたりしている。
 こう、眼鏡のフレームを人差し指と親指で支えてくいくいするやつ。
 ガリ勉系の浪人生とかがよくやるやつ。明らかに不自然だ。
(……隠し事をしている挙動、ですね)
 聡明なオリヴィアは、島民の不自然な仕草をなんとなく察していた。
 しかし、彼女は聡明なシスター……あえて隠し事を暴いたりはしない。
 なにせ聖職者というのは、懺悔を聞く役目があるし、聞いた懺悔は絶対に明かしてはならないという誓いがあったりするぐらいだ。
 なので、オリヴィアはあえてそこをほじくったりはしなかった。
 さすがはシスター、敬虔なる神の僕!

「あなたがたのお言葉は、まったくその通りではあります。しかし……」
「な、なんですか。しつこいですよ!」
 オリヴィアは両手を顔の前で握りしめ、じっと島民を見つめた。
「ここまで荒波を越えてきたのは、かの島の人々からの依頼があったからこそ。
 遠く離れた島の人々の思いに報いるためにも、少しだけ心を開いてはいただけませんか?」
「ううっ!」
 島民はうろたえた。オリヴィアの眼差しは、あまりに真摯だったからだ。
 なにせシスターなので、人の心に訴えかける純粋な眼差しである。
 おもいっきり魅了系のユーベルコード使ってる? 忘れとけ忘れとけ!
「……わ、わかりました、そういうことであれば……」
「ありがとうございます!」
 オリヴィアはにこりと微笑む。実に純真可憐なシスターの微笑だ。
「もちろん、私は中身を読んだりはしません。が、せっかくですし売り子としてお手伝いいたします」
「はい?」
「もしご希望であれば、私に出来る範囲でコスチュームを変えることも……」
「…………」
「……あの? 何か失礼なことを」
「ホキョアァアアアアアア!!」
「!?!?」
 オリヴィア、後退り身構える! 島民、激しく胸をドラミングする!
「ウホッ、ウホホホウホッ! ウホホホーッ!!」
「あの、島民さん? 島民さん!?」
 島民、ドラミングしながらお代だけ置いてエロ本を持っていった!
「……な、なぜゴリラのマネを……?」
 オリヴィアは純粋な心を持つシスターなので、気が付かなかったのだろう。
 ピュアな心を持つ童て……島民には、写真撮影なんてハードルが高すぎることを……!

成功 🔵​🔵​🔴​

御魂・神治
あー...ワイの有明秘蔵コレクションが
天将『ここはカセンジキ島、神治の有明秘蔵コレクションに匹敵する薄い某が』
んなワケあるかい!ウスイホンは一期一会なんや!全部の本が書店に委託される様なブツやないで!
天将『そうですか、ならこの波打ち際に漂っている特殊加工がされたフルカラーのウスイホンは島民の取引用に』
それはワイのモンにせえ、コレクションに追加しといてや(説得力のない真面目な顔)
島民には80~90年代のOVAみたいなヤツにしとけ、一応健全やけど規制が緩て唐突なエロが挟まるようなヤツや
絵柄は古いけどな、丁度ええやろ
天将『取引するのは私ですか...何ですかこの絵面は』
90年代美少女風実体化や



●あの時代のOVAのエログロ推しはなんだったんでしょうね
『いつまで落ち込んでいるんですか、神治』
「っさいわ、ほっとけ……あー、ワイの有明秘蔵コレクションが……」
 御魂・神治は背中を丸め、ぐすぐすと未だに凹んでいた。
 さもありなん。彼のコレクションは無情にも海の藻屑と消えたのである。
 しかも有明である。コンビニとか書店で買えるのとは一味も二味も違うのだ。
 なので、凹みに凹んでいた。天将は呆れた様子で頭を振る。
『ここにはその秘蔵コレクションに匹敵する薄い某があるかもしれませんよ』
「んなワケあるかい! ウスイホンは一期一会なんや!!」
『そうですか。ならこの波打ち際を漂っていた、特殊加工がされたフルカラーのウスイホンは島民との取引用に加え』
「それはワイのモンにせえ、コレクションに追加しといてや」
 秒である。手のひら返しもここまでくるともはやドリルだ。
 いよいよ呆れる天将。神治は会心のマジ顔でキリッとしていた。ダメだこいつ。

「ちょ、ちょっとあなた! あなたが持っているその、それは……!」
「ん? なんや、興味あるんか。ダメやダメや、これはワイのや」
 いてもたってもいられず食いついてきた島民を、神治はつっけんどんに追い払う。
『神治、それでは本来の目的が果たせませんが』
「なあに、ちゃんと代わりの品は用意してあるで。これや!!」
 ててーん。神治が取り出したのは……うーん、絵柄が二昔以上古い、80'sって感じの微エロ漫画雑誌だ!
「そ、それは!?」
「今から30年前ぐらいはこういうのが流行ってたんやで、一応健全やけど規制が緩て唐突なエロが挟まったりするんや」
 絵柄は古い。だが、それが逆に妙に男心をくすぐるのだ。
「ちょうどええやろ。てなわけで天将、売り子頼むわ」
『……なぜ私が?』
「90年代美少女の実体化や! 夢を叶えたらんかい!!」
『意味がわかりません。まあやりますが……』
「うおおおー!! 本場のAI少女だぁー!!」
 ぞろぞろぞろぞろ、出てくる出てくる。古いタイプのオタクの島民が!
「やっぱ男の夢ってのは、いつの時代でも変わらんのやなあ」
 神治は、氷の眼差しを向けてくる天将をほっといて、誇らしげな顔で水平線を眺めた。やっぱりダメだこいつ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラヴィニア・アートレイト
ねこは絶望していた

南の島!海の幸たくさん!魚は取り放題!
にもかかわらずムルヘルベルは人間の裸が映った良く判らない本を探して売って来いと言う
まさしく鬼の所業
しかしムルヘルベルがまるで乾いた土地を旅しそして行き倒れたかのような憔悴っぷりだ
なんか責めれない。仕方ない
見れば周囲の人間は発情期だ。此方も頼れない

(にんげんはおろか…)
宇宙猫のツラでビジネス
匂いで件の本に探して段ボールに放り込む
人間の趣味嗜好は判らない適当に。鎖剣を段ボールに突き刺し引きずって島民に売り込みに行く

「交易。発情期本、物資と交換」(ごはん)
「人間の嗜好、興味ない。物資と交換」(ごはん食べたい)
「ごはんたべたい。さかな」仕事放棄。



●またたび吸ったらぐにゃぐにゃになる生き物のくせに……ッ!!
「にんげんは、おろか」
 ラヴィニア・アートレイトは絶望していた。
「にんげんは……おろか……」
 南の島。
 海の幸。
 魚捕り放題。
 日向ぼっこもし放題。
 まさしく楽園、約束された休日がそこにあるはずだった――だったのだ。

 だが、実際に遅れて飛んできてみたらどうだ。
 グリモア猟兵は意味のわからんことを言うし、
 島の人間は眼鏡を上げたり下げたりしてるし、
 肝心の猟兵も、なんか頭おかしくなってるし。
 こんなにも魚の気分でやってきたラヴィニアを苦しめるとは。
 まさしく鬼の所業! 畜生にも劣る蛮行!
 ねこが言うのも大概アレだが、それぐらいラヴィニアは絶望していた。

 しかし。しかしだ。
 水を求める瀕死の旅人じみた、あの憔悴した顔。
 おまんじゅうみたいに丸まったり(美味しそうだった)真っ赤になったり。
 なんだかすごく消耗していた。なんならこの島でも(猟兵に)酷使されている。
 このリプレイを書いている時点ではまだ着手していないのだが、
 それはもう徹底的にあれを辱めようというプレイングがたくさんきている。
 なぜだ。グリモア猟兵に対する当たり強くない? まあ妥当な扱いだが。

 閑話休題。
 とにかくラヴィニアは、そんな賢者を責めることはできなかった。
 とてもいい子だ。他のみなさんもそのぐらい優しさを持ってるといいのに。
「にんげんは、おろか……」
 そんなわけで、ラヴィニアはダンボールに大量のエロ本を放り込んでいた。
 さすがにねこに人間の趣味嗜好はわからないので、内容はかなり適当だ。
 見つけた本を子供のおもちゃ箱よろしく放り込み、鎖剣でずるずる引きずる。
「ネコチャンだ」
「お猫様だ!」
「ネコチャンかわいいねぇ!」
 さすがの島民たちも、ねこには心を許す。だってお猫様はかわいいから。
「交易」
「「「えっ」」」
「発情期本、物資と交換」
「「「えっ」」」
 そのお猫様が、突然ダンボール一杯のエロ本を突き出してきた。
 わけがわからない。島民たちは顔を見合わせ、眼鏡を上げたり下げたりした。
「人間の嗜好、興味ない。物資と交換」
「えーと……煮干し要る?」
「いる。さかなも」
「魚釣ってこようねえ!」
「美味しいご飯作ろうねえ!」
「ごはんたべたい。さかなも」
 ラヴィニアは早々に仕事を放棄した。
 でも島民たちも(エロ本が手に入ったしお猫様を眺めることが出来たので)幸せそう。よかったね!

大成功 🔵​🔵​🔵​

笹乃葉・きなこ
おう、そうだべ。(ユーベルコードを常に利用しつつ)
お前さんはエロ本をただエロい事しか乗ってない本としか見てねぇんだなぁ…
かっっっっっっわいそうにぃ
騙されたと思ってこの本の序盤から中盤を呼んでみるんだべェ

な?解るだろう。
良い歳した大人の男性が学生みたいな恋愛をして彼女を作ってるんだべェ
こんなん現実だと友達にしか見えない無理って言わてるべ
お前さんもこんな恋愛じゃなく大人な恋愛をしてんだろ?

エロ本とは大人が非日常を楽しむ『エンターテイメント』なんだべぇ
お前さんはどうだべ?
そんな難しい横文字使って日ごろ疲れてねぇんだべかぁ?
それなら、数分だけでも良い非日常を味わって楽しんでみねぇか…?



●エロ本のエロでない部分にも価値がある……ってコト!?
「かっっっっっわいそうにぃ……」
「な、なんですって!?」
 突然、全力でこちらを憐れんできた笹乃葉・きなこに、島民は慌てた。
 眼鏡を上げ下げしているあたり、思い当たるフシはあるらしい。
 ほら、ピュアなあたりとかね。やっぱ節々に出るものだからね。
「お前さんは、エロ本をただエロいことしか載ってない本としか見てねえんだなぁ」
「それ以外のなんだと!? だってエロ本ですよ、エロの、本です!」
「はいはい、わかったべぇ。ほら、いいからこれ読んでみ」
 きなこが差し出したのは、とてもエロ本とは思えない清純な感じの表紙のエロ漫画だ。こう、青空を背景に女子学生がポーズ取ってるようなやつ。
「なんですかこれは……」
「いいからいいから。まずは序盤から中盤まで読んでみるんだべぇ」
 生暖かい笑みを浮かべるきなこを訝しみつつ、島民は本を読み始めた……。

 表紙からわかるとおり、このエロ本は半分近くがエロ以外に比重を置かれた、典型的な「作者がストーリーとかも描きたいけど一般誌で活躍できるほどキャリアを積んでないのでとりあえずエロ漫画でその欲求を発散しようと思って描いたやつ」だった。
 中身は大人の男女の、こう、むず痒いエモーションに溢れた恋愛ものである。
「こ、これは……」
「な? わかるだろう」
 きなこは生暖かい笑顔を浮かべたまま、島民の肩に手を置いた。
「いい歳した大人の男が、学生みたいな恋愛をして彼女を作ってるんだべぇ。
 こんな、現実だと友達にしか見えない、無理! って言われてるべなぁ」
「ううっ!!」
「え、なにその苦しみ方。思うところあるべか」
 予想外のところで地雷を踏んだ感があるが、それはさておき。
「お前さんも……こんな恋愛じゃなく、大人の恋愛をしてんだろ?」
「ううっ!!」
「え、なにその苦しみ方。もしかしてしたことないべか」
 予想外のところで地雷を以下略。

 気を取り直して、きのこはまくし立てた。
「とにかくだべ……エロ本とは大人が非日常を楽しむエンターテイメントなんだべぇ」
「え、えんたー、ていめんと……」
「お前さんはどうだべ? あぐりーとかあさいんとか、そんな難しい横文字使って日頃疲れてねぇんだべかぁ? そもそもMTGってどこですんだべこんな島で」
「そ、それは……!!」
「……なぁ、エンターテイメントしようべやぁ……」
 きなこの笑顔は悪魔めいていた。コワイ!
「数分だけでも、いい非日常を味わって楽しんでみねぇか? なぁ?」
「…………か、買わせていただきます……」
「まいどありだべぇ~! いやぁ、息抜きはちゃんとしねえとだべなぁ!」
 きなこは晴れやかな笑顔でエロ本を売りさばいた。
 下唇を片手の親指でなぞるその表情は、まさに商人のそれ。
 どこにこれほどのネゴシエーションスキルがあるというのか、恐るべしきなこ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
はっ、興味ない風でも心を完全に偽る事はできねぇぜ。
茂みや川辺をチラチラみている奴を見切って探して話かけるぜ。お、あの中学生位の素直で純朴そうな少年がいいな。

少年、お宝がすぐそこにあるのに何故手を伸ばさねえ。本当はもう自分の心は分かってるんだろう。なら迷う必要はねえ、そうだろ?
「…呪いの仮面が男の子を悪い道に引き込んでるような光景。」

ほう、黒髪ロングの巫女物がお前さんの好みか。なら良い事を教えてやる。そこにいるお前さんの好みと一致する巫女さんが他の島のエロ本を売ってくれるぜ。
相棒、こいつに交易エロ本を見繕ってやんなッ!
「……え!?私が売るんですか!?」


【アドリブ歓迎】



●これ性癖ひん曲がらない?
「…………」
 こそこそと、周りの様子を伺いながら川辺で何かを探す少年。
 例にもよって眼鏡をかけており、刈り上げ頭だ。多分部族の風習か何か。

『そこの少年!!』
「!?」
 少年は突然の声に、泡を食った様子で振り返った。
 そこに立っていたのは……神代・凶津を被った桜である。
『少年。何をしているのかはわかってるぜ……気になってるんだろう?』
「な、何を……」
『俺たちの運んできたあのお宝が! 気になって仕方ないんだろう!?』
「……!!」
 少年は後ずさった。なぜ、なぜこの仮面はそれを見抜いたのか!?
『わかるさ。我慢できないあまりに、この島のお宝を探していたこともな』
 凶津は、あくまで穏やかに、そして優しく語りかけた。
『だから警戒することはねえ……しかしだ、よく聞きな少年』
「は、はい」
『お宝がすぐそこにあるなら、是が非でも手を伸ばすべきだ、そうだろう?
 だがどうして、お前さんは手を伸ばさない? 本当はもうわかってるんだろう』
「そ、それは……」
『少年! いいか、これは男になるかならねえかの瀬戸際なんだよ!!』
 凶津はまくしたてる!
『迷う必要はねえ。お前さんの心に従って、求めるものを掴み取るんだよ!!』
「か、仮面さん……!!」
 少年は興奮と感銘に震えた。この人……人?……は、なんてすごい人なんだ!
「……呪いの仮面が男の子を悪い道に引き込んでるような光景にしか思えない」
 桜は呆れていたが。これは、男のロマンだから仕方ないね!

『ところで少年、お前さんの好みを教えてくれないか?』
「それが、実は……」
 少年は、凶津を外した桜のほうをチラチラ見ていた。
「?」
『……ほう、黒髪ロングの巫女ものか。なるほどな』
「何がなるほどなんですか」
『言うな相棒! だがお前さんにはひとつ大事な役目がある』
「はあ」
 桜は完全に呆れ返っていた。
『相棒……お前さんが、こいつに交易エロ本を見繕ってやるんだッ!』
「なるほど、それくらいなら……え!?」
 桜、勢いに呑まれかけて慌てて聞き返した!
「私が売るんですか!?」
『当たり前だろ! 少年にとっちゃ初めてのエロ本なんだぞ! つまりチェ』
「やめてください風評被害にも程があります。ていうか海に捨てていいですか」
『ヤメロー! ヤメロー!!』
「ドS系巫女さん…………ある!!」
 少年は何か新しい道に目覚めていた。大丈夫かなこの子の将来。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月凪・ハルマ
島に着いてからちょいゴタゴタがあったが

エロ本交易は少なくとも猟兵全員の総意ではないと
理解してもらえたらしい
で、島を案内してもらえることになったけど

案内人の方、ちょいちょいあらぬ方向に視線が向くのはなぜ?

視線の先に足が向く。一見何もない、が

俺がヤドリガミだからか、さっきまで感じていた
『モノ』の気配を感じる。そう、エロ本の気配を
(その後、感覚を頼りに即発見)

……こんな形で発揮される能力とか非常に不本意だが
え、コレ案内人さんの本?

いや別に軽蔑したりしませんけど
そういうのに興味持つのは普通では

(そんなやりとりに向こうは友情を感じたらしく、その後
ヤドリガミは彼の秘蔵エロ本押し付けらそうになったという)



●心と心で通じ合う
「……はぁ、なんとかなってよかった」
 月凪・ハルマは、心の底から安堵した様子で胸をなでおろした。
 あくまで真面目な態度を崩さない(といっても島民の反応は至極当然、というかカセンジキの連中がどう考えてもおかしいとハルマは思っている)島民と、ちょっとしたゴタゴタ……うんゴタゴタというか起きて当然のトラブルがあったのだ。
 が、色々あった結果、こんなもんを持ち込んだのは猟兵全員の総意ではない(居ないとは言っていない)と理解してもらえたようである。
 そんなわけで、ハルマは案内人に連れられて島を回っていた。

 ……の、だが。
「あの、案内人さん」
「はい? なんですか猟兵さん」
「……その、聞いたら悪いかと思って黙ってたんだけど」
 ハルマは言いづらそうにしつつ、案内人に問いかけた。
「さっきからちょいちょい、あらぬ方向に視線が向いてるのはなんで?」
「は? 向いてませんが??? 誰がいつよそ見してたって証拠ですか???」
「動揺のあまり言語崩壊してるし眼鏡めちゃめちゃ上げ下げするじゃん……」
 カチャカチャカチャカチャと超高速上げ下げをする案内人。怪しすぎる。
「……まさか……」
「あっ、猟兵さん! お待ち下さい! 待って! ねえ待って!!」
 ハルマはまるで引き寄せられるように、案内人の見ていたほうへ向かった。
 そこは一見、なんの変哲もない草むらだ……だが、ハルマは。
(感じる……さっきまで感じていた『モノ』と同じ気配――これは!)
 ハルマはあっさりと、それを見つけ出した――そう、エロ本を!

「……」
「……」
 ハルマと案内人を、沈黙が包み込む。
「……え、これ案内人さんの本?」
「は? それがいつ私のものだって証拠ですか???」
「いやだから言語野崩壊してるしすごい眼鏡上げ下げするし」
 あからさまだった。
「いや別に軽蔑したりしませんよ。興味持つのは普通じゃないですか」
「えっ」
「……あの、俺はただ感じ取ったから見つけただけなんで」
「わかってくれますか!!」
「えっ」
 今度はハルマがキョドる番だった。
「やっぱり猟兵さんも"同志"だったんですね!」
「いや、えっと」
「それはお近づきの印……いえ、友情の証としてぜひ取っておいてください!!」
「それはいらないです!!!!」
 おお、悲しきかな。芽生えた友情、秒で崩れ去る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

淵守・竜二郎
芸術を届けに来たんですけど???は??エロとかそういう目で見てほしくないんですけど???(眼鏡クイッ
いや全く困るんですよねほんと…賢者殿もまるで生物的芸術性啓蒙本を品性下劣ないやらしいモノみたいに仰って…皆さんはね、そういう、近視眼的な意見に流されることのない方々と思いますから、この交易品もね、その価値がおわかり頂けると思います
ほらこちらとかね、マジ芸術デュフッです
胸部がたいへん美しい極大曲線を描いて僕の知性もアップリフト急上昇、母性が強く感じられて理性が強く感じちゃいますですねグフフッ
あとこの…モロ…いやこれはね、生物学!学術的興味がね、やっぱ強いわけですよ僕らぐらいの年頃はねンフッ



●やましいことある人間って妙に学術的な言葉使いたがりますよね
 エロ本を、ディスられた。
 淵守・竜二郎にとって、これほど許しがたいことはない。
 エロ本とは男のロマン、竜二郎にとっては食べ物と同じレベルで大事なもの。
 かの邪智暴虐でもない島民を必ずアレせねばならない。
 竜二郎は強く決意した。そこで、ロジカルで対抗することにした。

「芸術を届けに来たんですけど???」
 一言目ですべて瓦解していた。
「は??? エロとかそういう眼で見てほしくないんですけど???」
「エロ本って言ったじゃないですかさっきご自分で!」
「は~~~これだから、っは~~~これだから素人はダメ、トーシロはメダ!」
「中途半端な業界人ムーブやめてもらえます!?」
 竜二郎は存在しないイマジナリー眼鏡をクイクイ上げたり下げたりした。
「いやまったく困るんですよねほんと……いいですか我々が持ってきた本は、
 生物的芸術性啓蒙本、つまり生物的な芸術性を啓蒙するための本なんですよ」
「つまりも何も何もつまれてないんですよ!」
「素人は黙っとれ!!!!! お前に僕が救えるのか!!!!」
 竜二郎、キレた!
「あのですね皆さんね、わからないうちから品性下劣扱いはやめてください。
 そういう近視眼的な意見に流されることのない方々だと僕は思ってます。
 もっとあの、あれです。マクロファージ? 的な視点でものを考えてください」
 IQの低さが露呈しまくっているが、竜二郎はイマジナリー眼鏡をクイクイ上げ下げすることでIQをカバーしようとした。出来てはいない。
「いやでもエロ本ですよね」
「でももヘチマもないんですよ!! 言い訳ばかりじゃ立派な大人になれませんよ!!! ちゃんとピーマンも食べなさい!!!!」
「えっあっはい! えっ!?」
「ほらこちら見て! ほら! マジ芸術デュフッです。ね、グフフ」
 めちゃめちゃ気持ち悪い笑みである。
「どう見てもエロ本ですよこれ!」
「胸部がたいへん美しいでしょ! この極大曲線は……こう……社会的な、統計学的な……つまりそういうアレですよ! 僕の知性もアップリフト急上昇! まあ血流は逆の方に集中するんですけどねブヘヘ」
「最低だこの人!!」
「母性だって強く感じられるでしょう! 母性は……あの、あれです、ほらあれ土偶! ね! つまり歴史ですよ! 理性が強く感じちゃいますですねグフフッ」
 ぺらり。竜二郎はエロ本をめくった。
「ウワーッモロ!」
「えっあっ(エロ本二度見)あーいやこれはね、そう、あのあれ、生物学! バイオ……バイオテクノロジーですよ! わかります!? 学術なんです!!」
「でもこれどう考えてもエロ」
「アカデミックなんですよ!!!!!!!!!」
「うわ唾汚っ!!」
「じゃあ聞きますけど要らないんですかエロ本!! 要らないなら僕がもらいまーす! はいあと10秒以内に答えてください109876543210はいダメでーす」
「小学生かよ!!」
「高校生ですが!?!?!? もちろん身体も!!!!」
「知らねえよ!!!! あと本欲しいのでもらえます!?」
「毎度でーす」
 売上は出たので結果的には正解だったんだと思う。何もかも台無しだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立
●ムルヘルベル・アーキロギア(宝石賢者・f09868)を連行
あるんでしょ/ピュアな男の/センサーが

鉱石ってやつは電波を受信できるらしい。
持ち上げてダウジングするんで光ってください。えっ無理?現場で覚えろ

しかし…この島特有のエロ本ってなんだと思います?
オレの推測が正しければ――この島の名の所以とは“公園の隅っこにある草むら”。
未来のアセンショニストたる子どもらを思う父祖によって纏められた小綺麗なエロ本の束が産出されるに違いない。
マイルドなものをちらつかせりゃあ心を開いてくれるでしょう。地産地消って言うしな。
海の向こうにはあんなものこんなものもありますよ。

ところで鉱石さん息してますか?



●多分こんな扱いされたグリモア猟兵他に居ないと思います
「ご存知ですか? 鉱石ってやつは電波を受信できるらしいんですよ」
「……」
「であれば、ダウジングの代わりにもなるはずです。光ってください」
「…………」
「鉱石さん生きてます?」
「呆れておるのだばかもの!!!!!!!」
 ムルへルベル、キレた! だが矢来・夕立は相変わらず無表情だ!
「というか鉱石ラジオとワガハイを一緒にするなしかもエロ本探しなど出来るか!!」
「あるんでしょ/ピュアな男の/センサーが」
「もうマジで!/歌人にいっぺん!!/殴られろ!!!!!!」
 雅やかである。返歌ってこういうことなんですね。やんごとなき~(雅やかな擬音)
「無理なら現場で覚えてくださいよ。そのぐらいじゃないとウチではやってけません」
「職人仕事みたいな言い方するでないわ! あーもーおーろーせー!!」
 ムルヘルベル、ジタバタするが力量差は絶対である。
 首根っこを持ち上げられぶらんぶらん揺れるさまは猫めいていた。

「しかし……この島特有のエロ本って、なんだと思います?」
「ワガハイの抗議全無視で話進めるのマジで何???」
「オレの推測が正しければ、この島の名の所以は、"公園の隅っこにある草むら"でしょう」
「オヌシ歌人の次は猟奇探偵に喧嘩売るつもりか???」
「未来のアセンショニストたる子供らを思う父祖がいたはずです」
「アセ……え、何? アセン……何???」
「であれば、この島にあるのは……そんな父祖によってまとめられた、小綺麗なエロ本の束ではないでしょうか。いや、そうに違いない」
「ねえワガハイ置いてけぼりにするのやめてくれぬか? それかワガハイ置いてってくれぬか物理的にもうマジで」
 会話が……会話が成り立たない!
 ムルヘルベルは疲れ果てていた。なんだって予知して転移したあげくにこんな扱いされなきゃならないんだろう。グリモア猟兵って大変だね。
「というわけで、マイルドなものをちらつかせりゃ心を開いてくれると思うんですよね。そのへん同じピュアな鉱石さんとしてはどう思います?」
「オヌシな!!!!! マジでな!!!!!」
「やかましいなこのラジオ(キュッ)」
「ヒュッ」
「地産地消とも言いますからね。海の向こうにはあんなものもこんなものもある、と言えば興味を惹かせることも出来ると思うんですが」
「……」
「なにはともあれ、交易のためには鉱石さんの助力が必要不可欠です。アンタがよこした依頼なんだから少しは働けオラッ」
「…………」
「鉱石さん息してます?」
「………………」
「鉱石さん? 鉱石……し、死んでる」
「殺しかけといて何言っておるかもおー! もーおー!! かーえーしーてー!! ワガハイかーえーしーてーーーーー!!!」
「あ、光った」
 エロ本は無事見つかったそうです。

大成功 🔵​🔵​🔵​

深山・鴇
逢真君と/f16930

君、ほんとそのなんだ…? 落差激しくないか?
(神様ムーブと残念ムーブ)

ムルヘルベル君はうん、ちょっと付き合ってやってくれ
最終的にエロ本投げればなんとかなる
もう裁判長が君の眷属な時点でアレだが!

意義あり!
まず、予知は選べるものではない
予知が向こうからやってきた、いわば出合い頭の事故みたいなものだ!
えっ四回目?これ四回目なのかい?(ムル君を可哀想な目で見る)
そもエロ本だろう、無くすのは無理だと思わないか?
一般的になければ薄い本が出回るだけで、今より酷くなるのは火を見るよりも明らか!
俺? 俺はそんな本にお世話になる程困ってはいないんでね
(余裕の顔で煙草スパー)

判決結果お任せ


朱酉・逢真
深山の兄さんと/f22925
行動)眷属らを呼び出し、テキトウなイスやらテーブルやらを並べる。被告人は賢者先生・弁護役は旦那・検事役は俺。裁判長にオウムを据えて裁判開始。
会話)裁判長(オウム)、検察側は準備完了だ。被告人ムルヘルベル氏・弁護人の深山サンも準備はイイな。よし。被告人にはムッツリスケベの容疑がかかっている。証拠として(テーブルを叩く)被告人はエロ本に深く関連する予知を何度もしている!(指差す)確認するだけで4度だ。4度! こりゃもう確実に故意だろよ。よって裁判長! 検察側は宇宙船『閉架書庫』へのエロ本定期便の刑を求める!
…いまのセリフだけで島のやつら暴れね?
裁判鳥)シケイ! シケイ!



●プレイングで「判決結果おまかせ」なんて書かれたの初めてですよ
「なにこれ」
 ムルヘルベルは心の底から呆れた声で言った。
 彼が座るのは証言台。そして左右には深山・鴇と朱酉・逢真。
 後ろにはずらりと眷属の皆さんが並び、正面にはオウムが座っていた。
 オウムの前にはあのカンカンやるやつが(わざわざくちばしで出来るように)置いてある。つまり裁判鳥という、裁判長と鳥をかけた超絶ハイパーミラクルおもしろギャグ……ってコト!?
「なにこれ」
 ムルヘルベルはもう一度、心の底から呆れた声で言った。
 残念ながら、証言に値しない彼の発言は誰からもスルーされた。

 そう、ここは南の島の裁判所。
 ……南の島の裁判所って何? だがそうとしか言いようがない。
「よォし、検察側は準備完了だぜ裁判長」
 と、逢真は真顔で言った。いつにないマジ顔である。
「いや何が!? 検察!? えってことはワガハイが被告であるか!?」
「ムルヘルベル君……」
 位置的に弁護人らしい鴇が、心底憐れみを込めた眼差しを向けた。
「うん、なんていうかだね、ちょっと付き合ってやってはくれないかな」
「ええ……?」
「実はかくかくしかじかで、逢真君はここに連れてこられたのを不服がっていてね」
「なるほど……ってそれワガハイ交通事故もいいところではないか!?」
「まったくその通りなんだが、でも君も最高裁まで争うだろう?」
「いやまあそりゃこんなの弾劾裁判どころではないのでな」
 さもありなん、と頷く鴇。
「まあ、最終的にエロ本投げればなんとかなるはずだ。うん」
「黄泉平坂を駆け上ってくる女神か何かではあるまいに……」
 ムルヘルベルは完全に呆れ返っていた。さもありなんと鴇は頷いた。
「というかだな、君……ほんとその、なんだ? 落差激しくないか???」
「俺はいつだってシリアスだぜ兄さん、特に今回はマジの大マジさ」
「「そこが問題だって言ってるんだ(のである)が???」」
 鴇とムルヘルベルは声を揃えたという。

 そんなわけで始まった、何もかもが逢真に有利なトンチキ裁判。
「被告人ムルヘルベル氏には、ムッツリスケベの容疑がかかっている!!」
「ワガハイいきなり喧嘩売られておるのだが???」
「もちろん証拠だってあるぜェ。お手元の資料をご覧ください」
「急にガイドさんみたいになったな(鴇)」
 眷属が夜なべをして作ったらしい捜査資料を読む鴇。
 そこには眷属が頑張って書いた文字で、これまでムルヘルベルが予知し(てしまっ)たエロ本絡みの依頼に関する、どうやって集めたのかいまいちよくわからんデータが列挙されている!
「これがその証拠だ。被告人はエロ本に関する予知を何度もしている!
 裁判長、こいつは間違いなく有罪だぜェ。動かぬ証拠がここにあるんだ!」
「こんなもん証拠になるわけがなかろうが!?」
「シケイ! シケイ!」
「しかもこの鳥まったく裁判官として機能しておらぬぞ!?」
「……異議ありッ!!」
 ビシィ! 鴇がカッコよく逢真を指差した!
「何ィ? いいじゃねェか弁護人、言ってみな」
「まず、予知は選べるものではない。一部の依頼を除けばすべて偶発的なものだ」
(うんうん頷くムルヘルベル)
「予知が向こうからやってきた、いわば出会い頭の事故のようなものだ!」
(うんうん頷くムルヘルベル)
「……たしかに、普通であればそうだろうなァ」
 逢真はニヤリと笑った。
「だが兄さん……こいつがすでに四度繰り返されたことだとしたらどうする!?」
「なっ……!?」
 鴇、愕然としてムルヘルベルを見た!
「えっ四回目? これ四回目なのかい?」
「ワガハイだって見たくて見たわけではないのだが???」
 鴇、心の底から可哀想なものを見る目をした。
「しかもそのうち一回は、予知ですらねェただの夏休みのバカンス枠だ。
 そもそも今回だってグリモアで視たわけじゃねェ、依頼があったンだろう!?」
「た、たしかに……!!」
「弁護人? なあ弁護人??? 押し負けておる場合ではないが???
 というかワガハイの証言もう少し斟酌されんのかこの法廷! 不当であろう!」
「シケイ! シケイ!」
「裁判長はこの通りおっしゃってるぜェ」
「オヌシなんでこの鳥が裁判官やれると思った???」
 旗色が悪い。鴇はダン! と机を叩き、歯噛みした。
「どうすればいいんだ、このままではムルヘルベル君は死刑にされてしまう……!」
「えっそこまで深刻!? エロ本投げつければどうにかなるって話は!?」
「往生際が悪いぜ賢者先生、己の罪を受け入れるべきじゃねェか?」
 スパー。逢真は煙管をニヒルに吸った。画になる男だ。
「お前さんの予知は確実に故意。もはや有罪は揺るがねェ……ってコトさ」
 逢真はマジ顔でどん! と机を叩いた。
「よって裁判長! 検察側は宇宙船『閉架書庫』へのエロ本定期便の刑を求める!!」
「それが刑罰として成立する時点でワガハイの犯人性が揺らいでおるではないかーッ!? というか! ワガハイの拠点を!! 巻き込むな!!!!」
 これまで、特にエロ本に関係ない依頼でなぜかエロ本を送られたり押し付けられたり、勝手にクレジットで購入された苦い記憶が蘇る。
 定期便まで届いたら(いやそもそもどうやって定期便すんだよ)いよいよムルへルベルは名実ともにむっつりスケベである。主にどこぞの自称・可憐な猟兵がぎゃあぎゃあ騒ぐのは間違いない。
「……異議あり!!」
 鴇は再び勇ましく言った!
「何ィ?」
「と、鴇よ……!」
「そもエロ本だろう、無くすのは無理だと思わないか?」
「は???(感銘を受けてたのが即座に呆れ顔になるムルヘルベル)」
「一般的になければ薄い本が出回るだけで、いまよりひどくなるのは火を見るより明らかだ。つまり、被告人の行為は妥当であり、違法性はまったくない!」
「ねえ弁護の方向性完全に間違えておらぬ???」
「チッ、そこを言われちゃアたしかに認めざるを得ねェな……!」
「オヌシもなんで悔しがっておるの???」
「ちなみに、俺はそんな本にお世話になるほど困ってないのでね(煙草スパー)」
「誰も聞いておらぬが??????」
「恐ろしいぜ兄さん、今の台詞だけで島の奴らはゴリラになるだろうによ」
 逢真は汗を拭った。これほどまでに手強い弁護人は初めてだ。そもそも検察側になること自体が初めてだが。
「だが仕方ねェ、裁判長! 判決を!」
「シケイ! シケイ!」
「だそうだ賢者先生、腹をくくりな」
「こんな流れで死んでたまるかばかもの!!!!!!」
「安心しなィ、彼岸に来たら眷属総出で迎えてやるからよゥ」
「思い出したように! 神要素を!! 出すなである!!!!!」
「シケイ! シケイ!」
「残念だよムルヘルベル君……」
「決まり……だな」
「ええい控訴だ控訴! 最高裁まで争ってやるのである!!!!」
 結局、予言されていた通り(?)の流れになったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
つまり、目覚めさせろ、とな?
つまり、そういう事よね?
おっと、変身前だった

と言うわけで、真転身、発動!
この姿なら、純真な男達も、心を開いてくれるわよね?
…ドラミングし始めたら、ダッシュで逃げるけど

貴方たち、男なら、男の本能を隠しちゃだめよ!
それは、男を貶め、否定する事なの
解る?私たち、総てがその結果の果てに、そう、文字通り、生きとし生ける物、総てがその結果の果てに生まれた存在なのよ
エロを否定しないで、そのまま、受け入れなさい
そうすれば、素晴らしい世界がまって…

…るのかしら?
まぁ、少年の心を持った大人たちもいるだろうし、余り焚きつけるととんでもない事になりそうよねぇ…

アドリブ、絡み、好きにしてね❤



●エロとはなにか別のものに目覚めさせようとしてませんかこれ
「真・転・身っ!!」
 ピカーッ! とまばゆい輝きが備傘・剱を包み込む。
「「「うおっまぶし!!」」」
 あまりの眩しさに、島の男どもは眼鏡を上げたり下げたりも出来ない。
 しばしの間、視界は真っ白に染まり、何が起きたのかもわからなかった。

「うう、一体何が……あ、あれは!?」
 その中のひとりが視界を取り戻した時、彼は驚愕した。
 なんと光の中に立っていたのは、劔ではない――謎の女だったのだ!
「あなたたち……男なら、男の本能を隠しちゃダメよ!」
 その女――実は変身した劔である――は、男たちに語りかけた。
「お、男の本能……?」
「そうよ。男の本能を隠そうとするのは、男を貶め否定することなの」
 ところでなぜ、劔はわざわざ女の姿になったのか。
 それはどうやら、これなら男たちが心を開いてくれるだろうという、
 彼なりの考えのうえでの変身だったらしい。
 それが功を奏したかはさておき、男たちはとりあえず話を聞いていた。
「わかる? 私たちすべてがその結果の果てに……そう、文字通り生きとし生けるもの、すべてがその結果の果てに生まれた存在なのよ」
 劔は拳を握りしめ、語る。いいこと言ってる感が全身から出ていた。
 え? その結果って何の話って? 言わねえでもわかるだろそんなの!
「エロを否定しないで、そのまま受け入れなさい」
 もはや、誰もが劔の言葉に耳を傾けていた。
「エロを否定せず、受け入れる……」
「男の本能を、さらけだす……」
「で、でもエロ本を読むなんて不純だし」
「そんなことはないわ!!」
 劔は力説した!
「あなたたちが本当の自分を解放した時、そこには素晴らしい世界が待って……」
「「「待って……」」」
「………………るのかはさておき」
「「「そこ言い切らないの!?」」」
「いいからとにかく! エロ本を!! 読みなさい!!!」
 なんというゴリ押し! 島民たちは気圧された!
「というわけでここに、交易用のエロ本があるわ。一冊10Gね」
「「「うおおおお、俺たちにも売ってくれー!!」」」
 どこぞのイベントの三日目めいて押し寄せる男たち!
 劔はニコニコ笑顔で、ひとつずつ手売りしていく。
「やっぱり人間、正直が一番よね」
 これはこれでOK……なの、かなあ!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】
…有意義、だったでしょうか(疲れた顔
まぁ、理緒さんが楽しそうで何よりです(遠い目

それはそうと…人の営みがある以上、ソレがないわけはないです
いつだって文化を発展させるのはエロの力なのですし…
…やっぱりソレっぽい所に隠してありましたね『お宝』

では見分って…え、なんですかこれ
ひんぬーばっかり…この島にはそれしかないのか?
い、いえ、悪いとは言いませんが…
(理緒の圧に負けそうになりつつここから反撃
…ですが、ぺったんしかないという事は、これは巨乳の商機です!
大きなおっぱいがないからこそ、今この島では求められているはずです!
(力説

なのでトレードしましょう!
素敵な巨乳本いろいろ持ってきましたからねっ


菫宮・理緒
【恋華荘】

ふぅ、有意義な話し合いだったね(いい笑顔)

さて、人の基本は、食欲、睡眠欲、そして性欲!

ならば!
それが商品にならないなんてことがあるだろうか!
いやない!(反語)

だいたいこの島にだって、その手のものがないはずがない。
っていうかあった!

秘密基地っぽい洞穴とか、ちょっといってみたら、
使用済みの『お写真』とかみつけちゃったんだよね。

ぺったん、ぺったん、つるぺったん♪
なかなかいい趣味してると思うんだよ!

ほらほらいちごさん。
このスレンダーなのとかいいと思わない。っていうかいいよね。
い・い・よ・ね?(圧)

わたしもそんなのいっぱい持ってるんだよー♪
交易っていうよりは、交換からはじめるのはどうかな!



●需要とは時に供給によって発生する
「……やっぱり、あったね」
「ええ。ないはずがありませんからね」
「そうだね。だって、エロはいわば原初のパワーだからね」
「人の営みがある以上、必ずエロはある。エロは文化を発展させてきた、ですね」
 あまりにもIQの低い会話を繰り広げる、彩波・いちごと菫宮・理緒。
 船上での問答(というか一方的な説教)のせいで疲れちゃったんだろうか。
 あるいは、状況のトンチキさのせいで脳細胞が死滅したかのどちらかである。

 さて、そんなふたりが見下ろしているもの――それは、エロ本。
「それにしても……なんでひんぬーばっかり!?」
 中身を検分したいちごは、驚異的な貧乳率に愕然とした。
 ここに隠した奴が、たまたまそういう趣味だったのか。
 あるいは、この島の連中がみんな貧乳フェチなのか。
 どちらかは統計を待つほかないが(?)とにかくエロ本は貧乳ばかりだ。
 これは、よくない。巨乳派のいちごにとっては由々しき事態である!
「ほほう……なかなかいい趣味してるねえ、この島の人たち」
 一方、理緒はとても満足そうな笑顔を浮かべていた。
 太古の偉い人は言った――貧乳はステイタスだと。
 図らずしも、理緒の主張はある意味で補強されたのである。
「ぺったん、ぺったん、つるぺったん♪ やっぱりスレンダーだよね!」
「お餅突くようなトーンで何歌ってるんですか理緒さん……」
「まあまあ、いちごさんもこの機会に、改宗したらどうかな? ん?」
「宗教みたいな物言い止めてもらえますか!? いや宗教みたいなものですが!」
 理緒、グフフフと危険な笑みを浮かべていちごににじり寄る。
「このスレンダーなのとかいいと思わない? 思うよね? 思えよ!」
「怖い怖い怖い! しかも最後命令形ですよ! 本音出てますよ理緒さん!」
 あまりの"圧"に、いちごは本能的恐怖を憶えた。
「べ、別に悪いとは言ってないじゃないですか!?」
「だって、いちごさんってば巨乳ばっかりじゃないか!」
「それは……はっ、そうだ!」
「え? 何? ついにスレンダーのよさを認めるつもりに?」
「だから悪いとは言ってないですって! あと、違います!」
 いちごは息を吹き返したかのごとくまくしたてた。
「この島に大きなおっぱいがないなら、そこに巨乳の商機があるはず!
 トレードするということは、ないものを手に入れるってことですからね!
 今この島に求められているのは、大きなおっぱいなんですよ……!!」
「な、何をぅ!? そんなことないもん! ぺったんがシェアを握ってるんだから!」
「ちょっとかわいい言い方ですね……ってそうじゃなくて!」
 バチバチバチ! 理緒といちごは火花を散らす!
「こうなったら」
「ああ、そうだね」
「「トレード対決だよ(です)!!」」
 ふたりはさっそく、島民にアタックを仕掛けた!
「さあ皆さん、巨乳に目覚めましょう! 素敵な本を持ってきましたよ!」
「わたしはみんなの同志だよ。ぺったんな本を交換しようじゃないか!」
 どっちが稼いだかで勝敗を決めるつもりらしい。
「なあ、なんか目的変わってる気がしないか?」
「うーん、でも楽しそうだし、そっとしておいたほうがいいんじゃない?」
 島民たちはそんな会話を交わしつつ、とりあえずふたりの申し出に応じた。
 結果として、多種多様なエロ本が、島中に流通したという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

水衛・巽
【エロ本大サーカス】
極意ねえ…まあ話半分か話128分の1くらいでお聞きしておきます
生物ですか 一理ありますけどそんなんおるやろか…
ナイスガイかどうかは心底どうでもええですけど手段はね、ええ、まあ

…はい↑?
今なんて言わはりました??
どっかそこらの草でも食べはりましたかねこの人

ところで微妙に人の名前にかけるのやめてくれはってええですかね!!
風評被害とか結構洒落にならないって知ってはります?
二重底って そない器用な事して隠すって随分とまあ熱心な…
リスペクト…リスペクトせざるを得ないって…もうちょっとこう、あの
あの 正純さん? 聞いてはります?

…それただ『夢』って言いたかっただけでは…?


納・正純
【エロ本大サーカス】
お前に極意を教えてやるよ、巽
エロ本を探したきゃ、それに一番適した生物になれば良い……
そして俺は手段を選ばないナイスガイだ
つまり――俺は今から『お母さん』になるッッッ

たっちゃん! アンタもうこんな時間まで寝て~~ッ!
毎日夜遅くまでいやらしい本ばっか見とるからやで~ッ!
アンタが寝とる間にこの島の掃除もしといたから!
ホラ! いやらしい本がこんなにたくさん!
引き出しの最下段の二重底とは小賢しい子やでこの島の子らはも~ッ認識阻害までかけてからに!
……でもマッ……この島の子らも男の子やもんね……その熱意へは……リスペクトを送らざるを得ない、カァ……

ふゥ……どうだ、巽?
これが……『夢』さ



●バブみってこういうことじゃねえんだよな
 島民の印象は最悪。協力を取り付けようにも一筋縄ではいくまい。
 そもそも、なんでエロ本なんぞ売るために交渉せにゃならんのか。
 水衛・巽はやる気/Zeroだった。発奮できるわけもなかった。

 ……が。
「ふっ、この状況――朝飯前だな」
 納・正純はグラサンをくいっと上げ、ニヒルに笑った。
 状況のせいでまったくキマッてないんだが気付いているのだろうか。
「はあ。ずいぶん勝算があるみたいですね」
 巽は話半分、いや話1/128くらいで聞いていた。
「極意があるんだよ、巽。せっかくだ、お前にも教えてやろうじゃねえか」
「極意ねえ……別に必要ないんですけどね」
「まあそう言うな。いいか? エロ本を探す最良の方法は、ひとつだ」
 ぎらりと、正純のグラサンが鈍く輝く。
「エロ本を探すのに、一番適した生物になればいいのさ」
「……そんな生物おるやろか」
 一理ある。一理あるが、そもそもエロ本探しに適した生物って何?
 あまりに呆れているので、巽は地の方言がちょっと出ていた。
「いるのさ。そして俺は手段を選ばないナイスガイだ!」
「ナイスガイのとこは心底どうでもええですね」
「つまり――俺は! 今から!! お母さんになるッッッ!!!」

 間。

「はい?(語尾上がり)」
 今なんつったこいつ。なんて言わはりました? このグラサン。
 どっかそこらの草でも食べたのかな? 国で栽培が禁止されてる系のやつ。
「たっちゃん!! アンタもうこんな時間まで寝て~~~ッ!」
「は?(マジ顔)」
 しかもなんか、人の名前使って寸劇始めたぞ。
「毎日夜遅くまでいやらしい本ばっか見とるからやで~ッ!」
「いや、あの」
「アンタが寝とる間にこの島の掃除もしといたから!
 ホラ! いやらしい本がこーんなにたくさん! まぁーいやらしわ~!!」
「あの、正純さん?」
「引き出しの最下段の二重底とは小賢しい子やでこの島の子らはも~ッ!」
「ちょ、ちょっといったんストップしてもらえへん? いやストップしなさい」
「んだよ巽、いまいいところなんだぞ!!」
「何がええところなのかまったくわからんわ。てかそうやなくて」
「なんだよ」
「なんで人の名前使って寸劇始めはったんです?」
「あらも~たっちゃんったら思い当たるフシが」
「風評被害とかけっこう洒落にならんし今日び刑事罰もかかるんやで?」
 マジ声である。
「しかもなんやの二重底って、そない器用なことして隠す息子ってなんです?」
「エロの力は無限大だからな、この島の奴らだってそのぐらいやってるぜ!
 その証拠に……ほら見ろ! お母さんの気持ちでさっそくエロ本発見だ!」
「ウソやろ……」
 巽は愕然とした。こんなトンチキな方法でエロ本が見つかることに。
 そして、マジでエロ本を隠していた童て……ピュア野郎どもの幼稚さに。
「……でもマッ……この島の子らも、男の子やもんね……」
「またスムーズに寸劇始まってもうたし」
「認識阻害までかけて、その熱意へは……リスペクトを送らざるを得ない、カァ……」
「なんで遠くのほう見はってるんです? え? 何このシリアスな空気」
「――これが、夢ってことさ」
「それ言いたかっただけやろ正純さん」
 エロ本が見つかってるんだから、結果オーライだよね!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叢雲・源次
【義煉】

(源次がふと思った。『彼らがもし歌舞伎町に放り込まれたらどうなるのか。』

源次がふと思った 『ここにサキュバスが乗り込んで来たら誰も彼も枯れ果てるのだろうか…』

───源次がふと思った 『彼らの未来(貞操)を守護らねば…)


「クロウ、これはもしや『教育』が必要なのではないか。」
幸いな事に『教科書』はいくらでもある。憚りながら俺も経験は…あったのかもしれないがその記憶ももはや消失している身ではある(シュレティンガーの童貞)しかし、彼らは余りにも耐性が無さすぎるように見受けられる。

ここは一つお前の情熱を滾らせる時なのではないだろうか。
何、これでも副業で教職もやっている身だ。フォローは任せろ。


杜鬼・クロウ
【義煉】
輸送したきょぬーオンリーのエロ本抱えてたら断られた
だが諦める俺じゃねェ
島限定の探すっきゃねェだろ行くぞ源次!
きょぬーのヤツな

白春とアマリリスも手伝う(呆れてる?知らねェ!
島特有のエロ本片手に再度交易

教育?…お前が言うと何かアレだな
エッ!お前童貞じゃ
さっきまでEROを知らねェ面してたお前が言うのか?(教職なら補佐してイイのかってツッコミは無しだ

何事も最初が肝心
眼鏡装着
きょぬーは至高!を布教
仲間を増やし仲良くなる

おっぱいはおっぱいでもきょぬーにしか癒せないあの柔らかさと包容力!
まさに神秘、男の浪漫
手を伸ばせばほら…楽園はすぐ近くにあるンだぜ(エロ本渡す
攻撃力も防御力も兼ね備えた最凶の武器よ



●心に欲望(エロ)のある生き物、なんて素晴らしい!
 ――叢雲・源次は、ふと思った。
「クソッ、これもきょぬーものじゃねェ……!」
 もしこの島の男たちが、歌舞伎町に放り込まれたらどうなるのかと。

 ――源次は、ふと思った。
「おっ、こいつは……ってこれ偽乳じゃねーかクソがァ!!」
 ここにサキュバスが乗り込んできたら、誰も彼も枯れ果てるのだろうか、と。

 ――源次は、ふと思った。
「こいつは女ですらねーじゃねェか!!!」
 彼らの貞操(みらい)を、守護らねば……。

「おい白春! アマリリス! お前ら首尾は……は? やってられない?
 バカ野郎! エロ本探しはロマンを探すことと同……おい帰ンな! オイ!!」
「クロウ」
「あァ!? なンだよ源次こっちは忙しいンだよ!」
「これはもしや、『教育』が必要なのではないか?」
「は?」
 杜鬼・クロウはきょとんとした。
「俺は思った……この島の男たちは、か弱い。だからあまりいじめたくないと」
「何言ってンだお前? 鉄か何かで出来てンのか?」
「たしかにサイボーグだがそうではない」
 源次はシリアスな顔をしていた。
「童て……ピュアである男たちに、正しいエロの『教育』が必要ではないか」
「お前が言うとなんかアレだな……」
「そう、これはいわばエロ教育……いや、性教育……か」
「だからさっきからどうしたお前???」
 源次の様子がなにかおかしい。いやこの島はすべてにおいておかしい。
 さっきから必死こいてエロ本探してるクロウも大概アレだ。
「しかし、どういう風の吹き回しだ。さっきまでEROを知らねェ面してたお前が」
「……もしやすると、俺も経験はあったかもしれないからな」
「エッ!? エロ本拾いがか!?」
「そちらではない」
「それ以外に何があるってンだ!?」
「…………まあいい」
 源次はさておくことにした。未確認の貞操はシュレディンガーの貞操だ。
「とにかくだ。俺も教科書探しを手伝おう。これは、星のために必要なことだ」
「そう来なくちゃなァ! 見つけ出すぜ、きょぬーもののエロ本をよォ!」
「お前のその情熱が、時々眩しく見えるな」
 源次は、誇らしげに目を細めた。
 状況がアレすぎて、いいセリフも台無しである。

 まあそんなこんなで、目的のエロ本は見つかった。
 クロウは眼鏡をスチャッと装備し、再び島民の前に現れる。
「あ! あんたはさっきのエロ本野郎! 帰れ帰れ!」
「待ちな! その前に見てくれよ……この、楽園をよォ」
 クロウは巨乳モノのエロ本をズパッと差し出した。
「「「こ、これは!!」」」
「おっぱいはおっぱいでも、きょぬーにしか癒せない柔らかさと包容力。
 それはいわば神秘、男の浪漫……この世にふたつとないパラダイスなのさ」
「「「……!!」」」
 島民たちは息を呑んだ。この男たちは、一味「違う」と。
「お前たちも、本当は求めているのだろう。この、EROの世界を」
「そ、それは……」
「さァ、楽園はすぐ近くにあるンだぜ。攻防兼ね備えた最凶の武器がよ」
 男たちの目には、エロ本が輝いて見えた。
 やがて島民たちは静かに手を差し出し――クロウとがっちりと握手を交わした!
「わかってくれて嬉しいぜ、戦友(とも)よ」
「あんたたちのこと誤解してたよ、朋友よ!」
「やはり、最後に状況をこじ開けるのはお前の熱意なのだな、クロウ」
 源次は誇らしげに頷いた。
 状況がアレすぎて、いいセリフも台無しだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

茜崎・トヲル
【モノクロフレンズ】
なぜか!ふしぎなことに!あーさんが倒れてしまったので、猫なバスに変身して乗せてきました!
今回はラーさんもコロちゃんもいないからね
おれがしっかりしないと……!(ぐっ)

それでそれで?このエロ本を売り込むんだっけ
んーんー、おれあんまり言葉たくみじゃねーからなあ……さっきひとりゴリラにしちゃったし
そしてスーさんも、とーってもピュアだから……

なのでプロの方を呼びました!ムルへルベルさん、つまりムーさんです!
ムーさんはエロ本に呼ばれエロ本の到来を告げる、つまりエロ本のプロ!
あと賢者だからすごい!(すごい!)
さあムーさん!心ゆくままにアピっちゃって!(キラキラ目)


スキアファール・イリャルギ
【モノクロフレンズ】
いつの間にやら猫なバスになったトーさんに乗車してました……
もふもふでリフレインが少しマトモに……

えっと、島に着きました?
本の売り込み……わ、私は詳しくないのでトーさんお願いします
ってえっ既にひとりゴリラに?
Oh,Gorilla……
というか何故刺激しすぎるとゴリラに……?
(この影人間、ピュアである)
(でも婚約者はいる)

はっ、そうか
ムルヘルベルさんは何度もエロ本に呼ばれている
つまりプロ中のプロ!(誤解が発生)
頼みますムルヘルベルさん逃げないでください近くにこれあったので使ってください
私も相槌を打って助太刀しますから……!
(この島のエロ本を渡す)
(呪瘡包帯で逃走阻止しようとする)



●なんでNPCに肝心の仕事させようとする???
「ウホッ! ウホホホッ! ウホホホホーッ!!」
「あ、ちょっとま……あーあ、行っちゃった」
 ドラミングしながらどこかへ駆け出した島民を、茜崎・トヲルは見送るしかなかった。
 何がいけなかったんだろう。トヲルは白雉なりに頑張って考える。
「おっかしーなー、エロ本いりませんかーって聞いただけなんだけどなー」
 それだよ! そこが問題なんだよ!!
「う、うーん……」
「ってスーさん、起きた!?」
 呻きつつ目を覚ますスキアファール・イリャルギ。
「あれ、ここは……もしかして、目的の島ですか?」
「うん! あーさん途中で倒れちゃったからなー、なぜか」
「……え?」
「え?」
「あ、いや……は、はい、不思議ですね」
 スキアファールは目をそらした。トヲルがのほほんと笑っていたので。
 さすがにこの笑顔を前にしては、抗弁したくとも出来ない。
 それにまあ、自分が倒れた原因は自分にあんだし……!
「今回はラーさんもコロちゃんもいないからね、おれがしっかりしないと!」
「トーさん、あんまり無理はしないでくださいね。私もがんばりますよ」
「ほんと? じゃああーさん、エロ本の売り込み手伝」
「すみません私は詳しくないのでトーさんお願いします」
「あれぇー!?」
 だが、誰がスキアファールを責めることが出来ようか。
 なぜなら、スキアファールも、とってもとってもピュアだから……!

「しかしそしたらどうすっかなー、おれさっきひとりゴリラにしちゃってさー」
「ゴリラにしたってなんですか???」
 なんで刺激するとゴリラになるんだ? スキアファールは訝しんだ。
 でもそういうものなんです。詳しくは第一作目のシナリオを参照してね!
 まあ、参照したところで、別に確たる理由があるわけじゃないんだけどね!
「せめてそういうプロの方でもいれば……」
「……それだ! それだよスーさん!」
「え? どれですかトーさん」
「ちょっと連れてくる!!!」
「えぇ!? トーさん!?」
 ぴゅーん、と土煙を上げてどこかへ駆け出したトヲル。
 スキアファールは、唖然としつつも帰りを待つしかなかった。

 ……しばらくして。
「たっだいまー!! 呼んできたよ、プロの人!!」
「え? その米俵みたいに抱えてるのがそうなんですか?」
「しにたい」
 トヲルが抱えてきたのは、誰であろうグリモア猟兵のムルヘルベルだ。
 無理やり連れてこられたので(あと他の猟兵にめちゃくちゃにされたので)かなり死にたそうな顔をしている。かわいそうだね。自業自得だね。
「……はっ、そうか!」
 スキアファールは何かに気付いたらしい。
「ムルヘルベルさんは、何度もエロ本に呼ばれている――つまり、プロ中のプロ!!」
「おいぐったりしてたらオヌシ何言い出してるの!?」
「そう! そうなんだよあーさん! ムーさんはプロなんだよ!」
「オヌシも何言ってんの!? ワガハイの話聞いて!?」
「でもほらムーさんは賢者だからきっとすごいし……」
「なるほど、賢者なら……たしかに、すごいですね」
「オヌシらのIQ合計して5ぐらいしかないのか???」
 ムルヘルベルは圧倒されていた。あまりの低IQに。
 おかしい。トヲルはともかくスキアファールはまとものはず……!
「というわけでムーさん、島の人たちにエロ本をアピールして!」
「は?」
「頼みますムルヘルベルさん、近くにこれあったので使ってください!」
「は???」
 スキアファールにエロ本を渡され、トヲルにキラキラした目で見つめられ。
 ムルヘルベルはしばしぽかんとしていたが、やがて叫んだ。
「いーーーやーーーだーーーー!! ワガハイかえるーーーー!!」
「ムルヘルベルさん逃げないでくださいお願いします!!!」
「ウワーッ包帯で縛るな巻くなモゴゴーッ!?」
「さっすがスーさん、やるーっ!」
 哀れ、ムルヘルベルは囚われの身となってしまった。
 その後の顛末については書く必要はない。だって彼は……NPCだから!!!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シェルゥカ・ヨルナギ
【花面】

鑑賞会かー
理解が深まりそうで良いね
なら俺は質問係をするよ

ねぇエンティ、この人は縛られてるのにどうして嬉しそうなの?
…信頼の形!
エンティは誰かに縛らr
アッ次の質問だね! 任せてー

頭に被った下着以外全裸で綱引きしてるこれは…何かの行事?
…人心掌握術!
なら勝負はポーカーやビリヤードでもいいんだね!
ところでこの羞恥を煽る頭の下着だけど…(青年をチラリ)
もし、そんな付け方も認め合える仲間がいたら…?
本当の居場所はここじゃないかもとか思った事、無い…?(青年へ微笑む)
わかるよ…君は“こちら側”だね…(優しく囁く)
ここへ行ってみて
欲しかった何かが…みつかるかもしれないよ(エロ本交易所の地図を渡す)


エンティ・シェア
【花面】

さて、売り込まねばならないわけだし
そこらの純朴そうな青年を誘って観賞会をしようじゃないか
こういう時こそ演技&言いくるめをフル活用しないとね
本は知識を豊かにするものだ云々
性知識は人類の子孫繁栄という最も重要な分野で云々
シェルゥカ君いい質問ですね
それはずばり束縛とは信頼の形だからだ
無防備な自身の全てを預けるに足る存在と出会えた喜(悦)び!
それがここにあるんだ!
はい次の質問は?

これは全裸で下着をかぶると言う屈辱的な姿を晒させる強制力
つまり、勝負という口実の下に羞恥心を煽る高等技術!
このように、エロには人の心が絡む
つまり、エロ本にはあらゆる人心掌握術が詰まっていると言っても過言ではない!(過言



●これもう説得っていうかアジテートじゃねえですか?
 ぞろぞろと、何人もの島民がなにやら集まっていた。
「なあ、ここか? その……例のアレの鑑賞会をする会場ってのは」
「ああ……まあほらあれだな、害がないかチェックしないとだから!」
「そうだな! 何事もまず試してみないとだからな!」
 と、いかにもピュアそうな青年たちは眼鏡を上げ下げしながら語り合う。
 欺瞞である。そこかしこに欺瞞の香りが満ちていた。

 そも、彼らはなぜこんなところへ集まったのだろうか?
 それは……エンティ・シェアの呼びかけによるものだ。
「やあみんな、エロ本鑑賞会に集まってくれてありがとう!」
 人間をたぶらかす悪魔の笑みを浮かべたエンティが、大仰にお辞儀した。
 その隣には、アシスタント……もとい、シェルゥカ・ヨルナギが控えている。
「エロ本は汚らわしい。有害だ。必要ない。……君たちの意見はもっともだ。
 しかしそれは、無知からくる前時代的な恐怖と、私は言わざるを得ないね」
 エンティの語り口は見事なもので、青年たちの心を完全に惹きつけている。
 なんせ技能レベル100の演技と言いくるめだ。並の男どもでは敵わない。
「そこで今日は君たちに、正しい知識と観点を身につけてもらいたいんだ。
 エロ本は、敵でもなんでもない。むしろ、よき隣人になるものだからね」
「(小声で)惚れ惚れするぐらいのアジテートだね、エンティ」
「(小声で)それほどでもあるよ。それじゃあ質問係、よろしくね」
「(小声で)任せておいて。俺がうまくサポートしちゃうよ」
 シェルゥカ、グッとサムズアップした。完全に悪党の悪巧み会議である。

「そもそもだ、本は知識を豊かにするもの。いわば文明の産物。
 そして性知識は、は人類の子孫繁栄というもっとも重要な分野に関する学問。
 その両方を満たしたエロ本は、インテリジェンス溢れるアイテムなんだよ!」
「な、なるほど!」
 エンティのペテン……もとい屁理屈……もとい演説に飲まれる男たち。
「すごいや、初耳だね! ところでこのエロ本、読み始めてもいい?」
 シェルゥカはノリノリだった。初耳でない人類がいたらやべえと思う。
「もちろんだよシェルゥカ、今日は鑑賞会なんだからね」
「じゃあさっそく……んん? ねぇエンティ、質問いいかな?」
「なんでも聞いてくれていいよ」
「この人は縛られてるのに、どうして嬉しそうなの?」
 シェルゥカが開いたのは、いわゆるSM系のエロ本だった。
 男たちはざわめく。刺激が強すぎて気絶する童て……ピュアもいた!
「シェルゥカ君、良い質問ですね。それはずばり、束縛とは信頼の形だからだ」
「信頼の形」
「無防備な自分のすべてを預けるに足る存在と出会えた喜び!」
「悦楽のほうの字でも成り立ちそうな理屈だね!」
「そう、その歓喜がここにあるんだ。わかったかな?」
「うん、よくわかったよ! ところでエンティは誰かに縛ら」
「はい次の質問は?」
「アッ次の質問だね! 任せて!」
 なんかあからさまなスルーがあった気がするが、気にしてはいけない。
 踏み込めば、"終わる"――そういう確信が男たちにはあった。

 そして次に開いたエロ本は……えっなにこれ? 何……?
「なんか頭に被った下着以外全裸で綱引きしてるけど、え、何?」
 さすがのシェルゥカも二度見した。どこ向けの需要だよこれ。
「えっと……これ、何かの行事? ていうかそれ以外で説明つく?」
「これは、全裸で下着を被るという屈辱的な姿を晒させる強制力が重要なんだ」
(片棒担いでおいてなんだけど本当にすらすら出るのすごいなあエンティ)
 シェルゥカは相棒をちょっと尊敬していた。
「つまり――勝負という口実のもとに、羞恥心を煽る高等技術!」
「高等技術かーそっかー高等すぎてわかんないなこれ」
 わかる人類がいたらやべえと思う。
「でもさ、それなら勝負はポーカーやビリヤードでもいいんだね!」
「そうとも、重要なのは……そう、人心掌握術だからね」
「じんしんしょうあくじゅつ(棒読み)」
「エロには人の心が絡む。すべてのエロ本には人心掌握術が詰まっていると言っても過言ではないんだ!」
 過言でしかなかった。

「ところで……この羞恥を煽る頭の下着だけど」
 ちらり。シェルゥカは青年たちのほうをちらりと見た。
「もし、そんな付け方も認めあえる仲間がいたら……?」
「……!?」
 視線に気付いた青年は、言いようのない恐怖を憶えた。
 既存の価値観を完全に破壊される、そういうたぐいの恐怖を。
「本当の居場所はここじゃないかもとか思ったこと、ない?」
 怪しい微笑み! これは危険だ! 顔がいいのにやってることが最悪だ!
「ほ、本当の居場所……」
「わかるよ……君は"こちら側"だってことがね」
 シェルゥカは青年に歩み寄り、一枚の地図を渡した。
「こ、これは」
「ここへ行けば、欲しかった何かが――見つかるかもしれないよ」
「ま、待ってくれ! 俺にもその地図をくれ!」
「俺もだ!!」
「はいはい押さないでーいくらでもあるからねー」
 熱狂が渦を巻く。青年たちはもはやエロの虜だった。
 地図が指し示す場所が、エロ本交易所であることは疑いようもなし!
「いいことをすると気分がいいなあ」
 エンティはいい笑顔で汗を拭った。人をたぶらかす悪魔のそれだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
で、エロ本を見つけるのはともかく
ピュアな男たちの心を拓くって
どうすりゃいいんすかね…

よし!【指定UC】でエロ本の精霊とコミュって
この事態の解決に協力して貰おう!
これで解決したも同然! だってエロ本の精霊だし!
所でエロ本の精霊って、男? 女?
…どっちでも何かこうアレですよね!

あ、所で精霊さん
この島に美味しいスイーツの店とか
珍しいお菓子の材料売ってる店ってあります?

いえね、うちのグルメ姫ってお姫様がね
へそ曲げちゃってね…

この前、呼び出した時は
カクリヨのヤンデレかぐや姫の婚活会場
今回はグリードオーシャンのエロ本航海記

流石に機嫌とっとかないと不味いと思うんすけど
そこら辺どう思います、エロ本の精霊さん!



●エロ本の精霊がまともなわけないじゃないですか
「……あー、もしもし、エロ本の精霊さん?」
『我を呼び出したるは汝か……』
「ええ……? こんなノリ想定してないっすよ……?」
 煙とともに現れたのは、ムッキムキのランプの精めいた男の精霊である。
 まあ男でも女でも、エロ本の精霊なんてどっちでもアレなんだが。
 さすがにこのパターンを想定してなかった秋山・軍犬は、ちょっとヒいていた。
「なんかすごい荘厳なオーラ出してますけど、エロ本の精霊なんすよね?」
『そうだが……? 我はエロ本の精霊、いわばエロを伝導せし者。
 すべての悩める男たち、時には女たちにもエロを提供するために生まれた』
「言ってることはすごい見上げたものっすけど内容が最低っすね」
『そういった誹りを万人に代わり受けることも、我の役目なり』
「本当、精神性は高潔っすね、ここまで気高い精霊さん初めてかもっす」
 でもエロ本の精霊なんだよね。

『我を喚んだ理由は解っている……ピュアな男たちの心を開けばよいのだな』
「話が早いっすね、さすがエロ本の精霊さん!」
『任せよ……カーッ!』
「「「アババババーッ!?」」」
 突如として、目から怪光線を放つエロ本の精霊!
 怪光線を浴びた男たちは、明らかに無事でないタイプの叫び声をあげる!
「えっ、大丈夫っすかあれ!」
『案ずるな……見るがいい』
 むくり、と立ち上がった男たちは……眼鏡を投げ捨てた。
「巨乳最高!」
「でっけえ尻に目がねえんだ」
「ロリコンにだって人権はあるんだぜ!!」
 男たちは、欲望に素直になっていた。心の扉が開かれたのだ。
「……あれ大丈夫なんすかね?」
 と心配はしつつも、特にケアはしない軍犬である。

「ところで精霊さん」
『なんだ』
「この島に美味しいスイーツの店とか珍しいお菓子の材料売ってるお店は」
『カーッ!!』
「ウワーッ!?」
 突然の怪光線! 軍犬は慌ててビームを回避!
「何するんすかいきなり!?」
『女だな』
「は?」
『女への贈り物だな! 許さじ!!』
「いや女の子って言ってもグルメ姫はそういうのじゃ」
『カーッ!!』
「狭量すぎるっすよこの精霊ぃーっ!?」
 恐るべし、エロ本の精霊。リア充の判断基準がクソアクションゲーより厳しい!
 二度とエロ本の精霊は喚び出すまい……軍犬はそう決意した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

守田・緋姫子
フッ......。DT共にエロ本を売りつけるなど容易い。売り子さんが若い女性なら勝手に群がってくるだろう。

というわけで私はオーバーロードだ。真の姿(血色が良くなる)で自分の用の販売コーナーを作るぞ。水着姿だと島民がゴリラ化してしまいそうだからな。

「いらっしゃいませー、いらっしゃいませー」(商売慣れしていない棒読み)

しかし、その時の私は気付いていなかった。普通の商品ならともかく、エロ本を買う時に店員さんが異性だとDT共はむしろ躊躇してしまうことに。

むう、なぜだ。やはり私が怨霊だからか......。それとも色気が足りないのか......。
仕方ない。ここはグリモア猟兵のムルヘルベルさんを呼んで指示を仰いでみよう。なんか賢そうな顔してたし、きっと商売上手だろう。この大量のエロ本も見事に売りさばいてくれるに違いない(キラキラした瞳でムルヘルベルさんを見つめる。緋姫子の後ろにはそびえ立つエロ本タワー)。

アドリブ歓迎



●ここまで平和的かつトンチキな真の姿の用法初めて見た
 守田・緋姫子は考えた――ピュアな男どもにエロ本を売るなどたやすいと。
 どんな商売でも、接客するのが若い女性だと明らかに売上が伸びるという。
 あまり感心できる話ではないが、まあそういう需要があるというわけだ。

 であれば、エロ本も同じ。自分が売り子になれば問題解決!
「水着姿……は刺激が強くてゴリラ化してしまいそうだな。よし」
 真の姿にわざわざ変身し、血色をよくして威圧感を与えないようにする緋姫子。
 そこの気遣いは出来ているのに、彼女は大事なことに気付いていなかった。
「おい、あれが例のエロ本交易所だぜ」
「本当にエロ本が売ってるんだな」
「恐ろしいぜ、カセンジキ島……」
 そこへ、人間の気配を感じた獣めいて、恐る恐る近づいてくるDTども。
 ここからが重要だ。緋姫子はばさりと髪をかきあげ、エプロンを装着した!

「いらっしゃいませー」
「「「……」」」
「いらっしゃいませー」
「「「…………」」」
 棒読みだった。
 どこから湧いてたんだあの自信、というぐらいの棒読みだった。
 なにせ緋姫子はバーチャルキャラクターである。売り子なんて初経験。
 バイト初日の学生ぐらい慣れていない。それが逆に微笑ましいが。
(この初々しさも、きっとDTどもを惹き付けるはず!)
 しかしそれも計算のうち、さすが緋姫子だ!
 これはもう入れ食い状態……と、思いきや。
「あとで来ようぜ」
「ああ、そうだな」
「今はちょっとな」
「あれぇー!?」
 人間の気配を感じた獣めいて、引き返していく男ども!
 なぜだ? 緋姫子は考える。怨霊だから? 色気が足りないから?
 だが、考えても答えは出ない。やがて緋姫子は……名案を思いついた。

「…………で、ワガハイを呼び出したと」
「そうだ。ムルヘルベルさんは賢そうだったからな」
 緋姫子に緊急案件と呼ばれて飛び出てきたムルヘルベル。死にそうな顔だ。
「それに、商売上手なんじゃないかと私は思ったんだ。なんとなく」
「仮にそうだとして、エロ本の売り方なんぞわかるわけがなかろうが!?」
「えっ!? で、でも本当に原因がわからないんだ! 助けてくれ!」
「…………うーむ」
 ムルヘルベルは緋姫子の必死な言葉に、腕を組んで唸った。
「まあ、原因……は、わからんでもない……が……」
「本当か!? それは一体!?」
「……いや、その……オヌシだから、気後れするというか」
「や、やはり私が怨霊だから……」
「そうでなく!」
 ムルヘルベル、大変に言葉を選んでいる様子で口をもごもごさせた。
「だから、そのー……うら若い女性がいるところでは買いづらいというか……」
「そういうものなのか?」
「しかもオヌシは見た目未成年であるしなあ、さすがに……」
「ムルヘルベルさんもそうなのか?」
「ワワワワワワガハイは関係ないだるるるぉ!?」
 ピュアなことが丸わかりの動揺ぶりだった。
 その後、キラキラとあこがれの眼差しを向ける緋姫子に負け、
 エロ本タワーはムルヘルベルが死にそうになりながら売りさばいたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アニエス・アルカンシェル
◆虎鉄と
つまり、今回の任務はこういった本で交易を行うことというわけですか。
……聞いてないんですが!?
(説明を聞いていなかったのだから聞いていないのは当然だった)

というかなんですか島特有の……本って。
そんなものあるわけ──あった。
(あった)
なぜ港の休憩所の剥がれかけたポスターの裏に本があるんですか。
というかなんで私がこんな……いやでも任務だし……はぁ……。
(生真面目さゆえに覚悟を決めて開いてみれば、そこにはアニエス似のキャラクターがより肢体を強調させて水着姿でとてもいい感じだった。いい感じとはいい感じである)

なんでまたちょっと私に似てるんですか!?
……え、島民の説得? えと、その……とてもスタイルのいい女の子が、水着姿でセクシーなアピールをして……それで……。
(生真面目さゆえに自分似の本の魅力を語って聞かせる図。なんのプレイだ)
……もう、いったい何なんですかこの状況!
あ、虎鉄くんも本を……なんでそっちも私に似てるんですか!?
それは人の命を繋いだり救ったりしませんからね!?


牙・虎鉄
◆アニエスと

(偶然とはかくも恐ろしいものだった。何が恐ろしいかと聞かれれば幸運なことにエロ本のエの字も聞くこともなくそして目を閉じているが故に本の中身を目視する事もなく🐯が上陸できた事なのだ)

ふむ……ふんわり話を聞く限りは交易品で島のもの達を揺さぶれとの事だが……ヨシ。

(見はしなくとも手にはとれるのだ。どうやって見つけたか?野生の勘がなんとかしてくれる。)
苦労している様だなアニエス……
何やら渋るようだがコレならどうだ。

貴君らにも見るだけで判るだろう……この書籍(※何故かアニエスに似ておりしかもバニーを着ている)が如何に人の命を繋ぎ救うかを……
(ページを捲る。なんか着替えてるアニエス似の子のグラビアページが出てきたりチャイナ服を来たりその他etcな感じだったりする。オススメは実絵師の軍服チャイナだ。)

諸兄とてこの本に感銘を受ける何かがあるのではないか……

うむ?俺か?
噫、俺とて無論……
(目を開け本を見た。)


…………。
(プピーーーーーーーーーーーッッッッ)
(●🐯ー知人ににた浪漫本◯)



●誰もが予想していた当然の帰結
 一説によると、カジノで大当たりする確率と、地球に致命的なサイズの隕石が飛来する確率はおおよそ同じなのだという。
 その確率はざっと1/100000。学問上は「ありえない」と表現される数字。
 だが、現実は計算を凌駕する。時として偶然は連鎖するものだ。

 そう、今まさに、天文学的確率の偶然が起きていた。
 牙・虎鉄はエロ本のエの字を耳にすることも(閉じてるので)見ることもなく、アニエス・アルカンシェルは結局積荷のことを言い出せずじまいだった。
「こ、こんな本で交易を行えというのですか……!?」
 ついでに言うなら、いまさら怖気づいていた。本当にいまさらだなオイ!

 まあとはいえ、仕事は仕事。アニエスも一応働きはする。
「なぜ港の休憩所の、剥がれかけたポスターの裏に本があるんですか……」
 まさかと思って探してみたら、なんか本当にエロ本があった。
 中身については違いがよくわからないが、エロ本はエロ本である。
「というかそもそも、なんで私がこんな……いやでも任務だし……はぁ……」
「苦労しているようだな、アニエス」
「こ、虎鉄くん!」
 そこへサッと現れた虎鉄、手にはカッピカピのエロ本。しかもたくさん。
「虎鉄くん……そんな数、一体どうやって見つけたんですか……?」
「この程度、造作もない。いわば野生の勘だ」
「野生の勘」
 それで済ませていいのか? 済んでいいのか? アニエスは悩んだ。
「交易品で島の者どもを揺さぶればいいのだろう? これだけあれば問題ない」
「か、数はそうかもしれませんが……(やっぱり気付いてない……!)」
 アニエス、真実を伝えられない。伝えられるわけがなかった。
 苦悩するアニエスは、思わず持っていた本をぱさりと落としてしまう。
「あっ、いけない! 大事な……いえ大事とはまったく思えないんですが……」
「何を言う。仕事を達成するための重要な書籍だろう」
「そうなんですけどそうじゃないんです! ……って、こ、これは!?」
 アニエスは本を拾い上げようとして、その内容に目を見開いた。

 なんとそこに載っていたのは、またアニエスに似たキャラクターのエロだった。
 具体的に言うと水着を着ていて、こう……とても、いい感じだったのだ。
「なんでまたちょっと私に似てるんですか!?」
「? よくわからないが、アニエスに似て勇敢な戦士が記されているのか」
「え、あ、いや、褒められてるんですよねこれ。褒めてますよね……?」
 事情を知らない虎鉄の言うことは、あってるんだけど間違っている。
 アニエスはまさかと思い、虎鉄が持ってきた本のひとつを開いてみた。
 覚悟を決めた彼女でも、さすがにその内容にはへたりこみそうになった。
 なぜなら、そちらもやはり……アニエスにとても似ている!!
 こちらは彼シャツを着ていた。ワオ、まるでイラストが実際にあるかのような解像度の高さだぜ!
「おいおい、一体何の騒ぎだ?」
「あんたたちまだいたのか、さっさと帰ってくれ」
「我々はインサイダーがマクロファージでTKGをリスクヘッジするので忙しいんですよ」
 アニエスの声を聞きつけ、何事かとやってくる男たち。眼鏡を上げ下げ。
「ちょうどいいところに来たな。貴君らに用があったのだ」
「こ、虎鉄くん!?」
「どうしたアニエス、これが仕事なのだ。臆するとは君らしくもない」
「う、うううう……!」
 アニエス、眼鏡を高速で上げ下げする男どもに向き直る。顔は真っ赤だ。
「えと、その……こ、この本はですね……と、とてもスタイルのいい女の子が、水着姿でセクシーなアピールをして、それで……」
 頭から湯気を出しながら、アニエスは考えていた。
 一体なんだって、自分によく似たよくわからんキャラクターのエロ本を、
 こんな眼鏡を音速で上げ下げしてる野郎どもにプレゼンせにゃならんのだ。
 どう考えてもおかしい。おかしいのだが、彼女は生真面目なので頑張った。
 だが完全にプレイにしか見えない。虎鉄はうんうん頷いていた。
「なんのプレイだこれ」
「あきらかにプレイだな……」
「ド級の変た……アレだな」
「変な勘違いしないでくださいっ!!」
 男たちにアニエスはキレた。逆ギレもいいところである。
「苦労しているようだな、アニエス」
 そして虎鉄は、都合よく重要なところは聞き逃していた。
 ラブコメ漫画によくいる難聴主人公みたいだぜ!
「だが貴君らも、見ればわかるはずだ」
 ばさり。虎鉄は、アニエス似のエロ本を広げて掲げた!
「こ、こ、こ、虎鉄くん!?!?」
「この書籍が、いかに人の命を繋ぎ救うかを……」
「「「人の命」」」
 命……それは事実上エロと同じ……森羅万象はエロ……。
「うん……わかってきたぞ」
「1+1がなんで2なのかも……銀河と俺の関係も……」
「こんなに簡単なことだったんだ」
 男たちの目はぐるぐるし始め、なんとなく緑色に輝いていた。
 ちなみにエロ本の中身はというと、チャイナだったり軍服チャイナだったり、
 まるでイラストが存在するかのような解像度だった。すごいぜ!
「諸兄とて、この本に感銘を受ける何かがあるのではないか?」
「まあたしかに感心はしてますよね」
「すげえもんな、なんかもう」
「あんたはどのページが好きなんだよ!」
「うむ? 俺か? 俺は無論……」
 虎鉄、目を開けてエロ本を……見た!
「あ」
「…………」
 ブピーーーーーーーーーッ!!(鼻血噴出)
「「「ウワーッ!?」」」
「こ、こここ虎鉄くん!?」
 アニエス、慌てて駆け寄る! 虎鉄、仰向けにぶっ倒れる!
「虎鉄くん!? 大丈夫ですか虎鉄くん、虎……」
 アニエスは脈を測り、愕然とした。
「し……死んでる……!」
 その後、救命措置によって無事に救われたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
(性癖を)暴かせろ
ガードが固い事オブリビオンフォーミュラの如し難易度至難なアーキロギア氏の性癖を暴かせて貰うでござるよ面白そうだから!
最終的に夜な夜なアーキロギア氏ん家の窓から本を勢いよく贈呈してぇんだ!

はぁ交易?ドラミングゴリラ?知るかバカ!
しゃーないでござるね纏めて全部やる
そんな訳でアーキロギア氏もあそこでたむろってる童帝共の席に座るんだよオラッ

北風と太陽の話は知っているな?
過去のアレコレから考えて正面からエロをぶつけると固くなる…頑なになるのは明白…北風が如く迫って見せても反発するのみ、照らさねばならない
この場合の太陽とは…実物を見せる事

つまり見せてエロのフィールを高める競りがいいでござるな
あるよーあるよー新鮮なエロ本の山々!まずはこれ金髪!
お前反応したな?隠してもムダ…拙者プロ…強いね…(第六感と読心術)

次々行くぞ!乳尻太もも髪色も様々大人も子供もおねーさんも各種揃ってまずぞ!これぞエロ繋ぎの大秘宝!
男の娘?あるよ

デュフフ…性癖を一つづつ網羅してけばアーキロギア氏も耐えられまいて



●黒髭……伝道師になれ……
「ワガハイなんでここに座っておるの?」
「そりゃ当然アーキロギア氏もピュアだからでござろう?」
「ななななななな何を突然んんん!!?!?」
 ムルヘルベルは大変慌てた。その反応がなによりもわかりやすい証拠だ。
「大丈夫大丈夫! 拙者そのへんはどうでもいいから!」
 エドゥアルト・ルーデルは、胡散臭さ1000%の笑顔でサムズアップした。
「じゃあなんでワガハイを島民の中に入れる!?」
「ダーク・拙者はアーキロギア氏の性癖を暴きたい気持ちをコントロール出来ない……」
「こいつ最低であるな!? しかも拘束までしおってからにー!!」
「これもすべて、夜な夜なアーキロギア氏の家の窓からエロ本を入れるためでござる」
「どこの寿命を削る新聞だ!? ええい、はーずーせー!!」
 ムルヘルベルはジタバタするが、拘束はまったく外れない。
 別にユーベルコードを使ったわけじゃねえのだが、話の都合で外れない。
 話の都合……それはどんな強制力よりも強い力……!

「というわけで童帝諸君、ここに新鮮なエロ本の山々があるでござる」
「「「なんで我々まで!?」」」
「うるせえでござるないいから黙ってエロのフィールを高めろでござる!」
 エドゥアルトの作戦、それは有名な寓話「北風と太陽」になぞらえたもの。
 正面からエロをぶつけると固くなる(この場合はシモネタでもなんでもない)……だが、太陽のように暖めたらどうなるか? つまり、実物を見せる。
 あれっこれ北風も太陽も同じことやってね!? 意味なくね!?
「はいまずはこれ、金髪!」
「むっ!!」
「お前反応したな」
「あっいや今のは違って」
「隠してもムダ……拙者プロ……強いね……」
「アイエエエ! ありがとうございます!」
 好みのエロ本を押し付けられて解放される島民!
「えっこれ性癖を開陳すると解放してもらえるの!?」
「俺おっきいぺえぺえがでえすきだ!」
「おらは男の娘が大好きだべ!」
「地震もいいけど美少女の尻は芸術だと思う」
 次々にパトスを解放する島民たち! ダメだこいつら!
「こ、こいつら、揃いも揃って……!」
「デュフフ、さあ観念するでござるよアーキロギア氏、次は太ももだァ」
「ヤメロー! ヤメロー!!」
 ムルヘルベルは抵抗を続ける! だがエドゥアルトはやりたい放題だ!
 なお、どれかというとお尻などに比較的反応したそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
…フッ、どうやらアセンションを教える時がきたようだ
分かるぜ…その隠し切れない童貞の匂い…なぁに、俺も同じだ
そりゃあその気になれば、その手の店なんてのはどこにでもある
だが俺は、そうしない たとえ愛する女が居てもな
何故だか分かるか?─真のアセンションには、清らかな身体が必要だからだ
(そんなことはない。大嘘)

なぁ、新たな迷い人たちよ
愉しむ権利はさ…誰にでもあるんだよ
俺がお前達を…この世のしがらみから解き放ってやる
読もうぜ、この俺のイチオシ作品──「それでも僕は大家さんに勝てない」シリーズをな…

いいか、こいつらみたいなピュアボーイは母性を求めている
甘えたいんだ…どれだけデカくなろうともな…。
年上の包容力に甘やかされてさ…されるがままにされてみたい…だろ!?
何よりこの大家さんはすごい…本人が抜けているところがあって、庇護欲をそそるっ!!そう、守ってあげたいとか養ってあげたい気持ちも湧き上がる!攻防一体の年上モノよ!!

…アセンションしたいか?すると誓うのなら…読むがいい
そして扉を開け若人たちよ!!



●そしてアセンションは受け継がれる
 ヴィクティム・ウィンターミュートは、運命を感じた。
 彼は決められたさだめというものを信じない。尊ぶこともない。
 人生は己の意思で切り拓くものであり、事実そうしてきた。

 だが、今日。此処に、自分が居る。
 これはもはや、運命と呼ぶしかないのではないか。
「――フッ、どうやらアセンションを教える時が来たようだ」
 ヴィクティムの笑みは、いっそ爽やかですらあった。

「「「あ、アセンション……?」」」
 当然、島の男たちは困惑する。そりゃ誰だってする。
「わかるぜ、その隠しきれないピュアな匂い……なぁに、俺も同じだ」
「「「なっ!?」」」
「おっと、勘違いするなよ。俺は確固たる決意を以て貞操を守ってるんだ」
 動揺する男たちに、ヴィクティムは言った。
「そりゃあその気になれば、その手の店なんてのはどこにでもある。
 だが俺はそうしない……たとえ愛する女が居てもな。何故だか分かるか?」
「そ、それは一体……」
 勇気ある島民の問いかけに、ヴィクティムはしばし間をおいて、答えた。
「―─真のアセンションには、清らかな身体が必要だからだ」
「「「いやだからアセンションって何……?」」」
 島の男たちは困惑していた。説明されてるのに何も説明になってない。
 ついでに言うと、ヴィクティムが言ってることは完全な嘘っぱちである。
 だが、彼らの心には響いた。彼もまた、"同"じ"志"を持つ者、すなわち同志なのだと。

「なぁ、新たな迷い人たちよ。愉しむ権利はさ……誰にでもあるんだよ」
「「「愉しむ、権利……?」」」
「そうだ。俺がお前たちを、この世のしがらみから解き放ってやる」
 ヴィクティムが取り出したエロ本は、まるで黄金のように輝いていた。
「読もうぜ、この俺のイチオシ作品――「それでも僕は大家さんに勝てない」シリーズをな!!」
 一冊ではない! シリーズ全巻持ってきやがってるこいつ!
「こ、これは……」
「年上もの!?」
「しかも、女性上位!!」
「年上の包容力に甘やかされてさ……されるがままにされてみたい……だろ!?」
「「「ゴ、ゴクリ……」」」
「なによりこの大家さんはすごい……本人が抜けているところがあって、庇護欲をそそるっ!! そう、守ってあげたいとか養ってあげたい気持ちも湧き上がる!! 攻防一体の年上モノ――それが、このシリーズなのさ」
 ヴィクティムは熱を込めて演説した。それこそ下手な戦いよりも。
 これまでヴィクティムに倒されてきたすべてのオブリビオンが、草葉の陰で泣いていそうなぐらいのマジな顔で語り続けた。
「アセンションしたいか?」
「「「あ、アセンション……!」」」
「アセンションすると誓うのなら、読むがいい! そして扉を開け若人たちよ!!」
「「「あ、アセンション!」」」
「もっと大きな声で!!」
「「「アセンションッ!!」」」
「もっと元気よく!!」
「「「アセンション!!!!!!!!」」」
 男たちの魂は、いま、ひとつになっていた。
 ヴィクティムは満足気に頷き、何も言わず本を差し出した。
 そして彼らは――燃えたぎる魂で、大家さんのバブみに酔いしれた。

 ――結局、アセンションってなんなんだよ。
 その疑問に答えが出されることはなく、ミームは受け継がれていく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月09日


挿絵イラスト