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銀河帝国攻略戦⑫~細れ石は巌となりて~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「さぁ語ろうか。舞台はスペースシップワールド、時は銀河帝国攻略戦、再び集まらんとした悪の尖兵を散らした英雄の活躍を――」

●諸君らこそがアイギスとなる
「貴方作る平和は小さな石が大きな岩となって積もるまで長く続くだろう」
 グリモアベースに突如としてとある古き歌の意味を語る声が響いた。
 突拍子もない語り口に、その女がグリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートであることに気付くのはすぐのことだろう。
「有名な歌の意味なのだがね、それが我々ならば良き事なのだが、相手が違うから何とも言えないものがあるよ」
 そんな猟兵の視線も構わずに、スフィーエは手帳を開くとグリモアを輝かせ、周りに集まった猟兵達を見回していつものように言葉を告げた。

「さぁ語ろうか。今回の舞台はスペースシップワールド、君達にはエンペラーズマインド目指して新たに結集せんとする帝国兵を撃墜して貰いたい」
 銀河帝国が誇る大要塞、エンペラーズマインドとの戦いは今も続いている。
 だが帝国軍とて反撃をしないわけではない。
 こちらも順調に戦力が集められている以上、向こうが戦力を集めなおすのもまた当然のことなのだと語った。
 スフィーエの映し出した帝国軍の戦艦の一つにも、そうした戦力が乗っているそうだ。
「元は敗残兵とはいえ侮っちゃいけない。肉の形を整える為に切り捨てた場所でも中身は極上の肉、とは良い挽肉料理の決まり文句だが正にそれだ」
 集まって美味しいソーセージやハンバーグになってしまうように、結集して戦力が整えられてしまえば大きな脅威となる。
 であれば、その前に叩くのが道理というものだろう。
「君達に倒して欲しいのはこの『タイプ・メデューサ』だ。元はブラックタールだったが、悲しいことに帝国軍に改造され自我を奪われてしまっている。……だが、これ以上の凶行を侵す前に君達の手で葬ってあげて欲しい」
 そう言ってスフィーエは、大きなクラゲにも似たブラックタールの姿を示す。
 強烈で重い触手の一撃は強力無比、自己増殖機能にも優れて数で押してきたり、石化硬化のある液体を吐いてくるともいう。
 石化に対しては何かしら注意をしておけば有利になるかもしれない、とも補足し。
「さて、と……私からは以上かな」
 あとは、目的の艦船までは送るから心配は要らないと告げてから一息し。
 突然また深く頭を下げて、暫し経ってから頭を上げて微笑み。
「激戦は予測されるが、君達ならば何の心配もいらないと私は確信している。だからここで、君達の活躍を疑わずに待ってるよ。さぁさ、行ってくれたまえ」


裏山薬草
●注意
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 どうも、裏山薬草です。
 説明はいりませんね。
 エンペラーズマインド目指して再結集しようとする、ブラックタール改造兵をバッタバッタとなぎ倒してください。
 基本的には無双シナリオです。
 基本的に一体一体は弱いので、具体的な対処よりもどう活躍したいか、どう動いてみたいかをプレイングに書いて頂ければこちらも描きやすくなると思います。
 が、お好きにプレイングは書いてください。

 それではプレイングお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 集団戦 『タイプ・メデューサ』

POW   :    触手の一撃
単純で重い【液状触手】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    強化増殖
自身が戦闘で瀕死になると【(強化版)タイプ・メデューサ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    石化粘液
【液状の触手】から【石化粘液】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 グリモアの転送ゲートを通り輸送戦艦の中にやってきた猟兵達の前に聳え立つのは、黒い壁であった。
 侵入の警報が鳴ったかと思えば、たちどころにぞろぞろと集まるクラゲのような生命体。
 実際には黒い壁ではないが、全身が黒で構成され、一体一体が2メートルはあろうかという巨体が並ぶ姿は進軍を阻む壁にも見えた。
 一体一体は猟兵に及ぶところでは無いのかもしれないが、集まれば相応に強力な戦力となるだろう。
 そして帝国軍と合流し別の戦力と統合、再編成を経て整えられてしまえばより手がつけられなくなる――だから、そうなる前に。
 猟兵達は一斉に各々の得物を構えるのであった。
フルール・トゥインクル
集まる前にやっつけちゃうのですね
私も頑張るのです。オランジェも力を貸してくださいですよ!

まずはライオンライドでライオンさんに乗って敵の群れに突撃するのです
なるべく敵の多いところを目指して、足元をすり抜ける感じでゴーゴーですよ!

敵の多いところについたら茉莉花の夢で届く範囲全部攻撃しちゃうのです
可哀想なブラックタールさんがおやすみできるように
可能だったら誘導弾の要領で、花びらを触手になるべく向くように動かすです
上手くいけば粘液を放たれないように潰したり、そうでなくても花びらが防いでくれそうなのです
見えないところから放たれることもあるですし、そこは勘でライオンさんに声をかけて動いてもらうのです



●ヘンルーダ
「集まる前にやっつけちゃうのですね」
 その中で声を挙げたのはクラゲのような生命体の一割にも満たない体躯、背中の翅は何処か木の葉を思わせる妖精族の少女。
「私も頑張るのです。オランジェも力を貸してくださいですよ!!」
 フルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)はその手に持つ、小さな柑橘の生った杖――頼れる存在である樹の精霊が転じた姿を軽く振り。
「もちろん、ライオンさんも」
 跨る下には、金色に輝く雄々しき獅子――といっても、大きさからすれば猫と変わらないが勇壮さは勝るとも劣らない。
 二つの頼れる戦友を伴い、オランジェを軍配のように突き出して、彼女はクラゲの群れへ駈け出した。
 クラゲの一体が太く強靭な足を振り上げて小さな妖精と獅子を文字通り潰そうとするが、相手は子猫ではない――小さくとも、勇壮な獅子だ。
 優れた反射神経を生かし、丈夫な戦艦の床を砕き散らすほどの一撃を軽々と躱していく姿は、フルールの翅も相まって舞う木の葉のように。
 また一つ、振り下ろされた脚の上に獅子は飛び乗り、順調に跳躍していくことで友の狙い――クラゲが集まる場所の中央まで導けば。
「可哀想なブラックタールさんがおやすみできるように」
 オランジェを振るう。
 爽やかな柑橘の香りと、甘い茉莉花の香りを放ちながら、白く美しい花弁が舞った。
「心地よい香りに包まれて……」
 送る詠唱は鎮魂歌のように。
 クラゲ達の放つ石化の液体を大量の白い花弁があっけなく飲み込んで、その勢いのままに、香しい茉莉花の花が触手にまとわりついていく――気高き白は、黒に染まることも無く。
「どうぞおやすみなさい」
 苦し紛れに放たれた石化液――彼女の背後から襲うそれを、野生の勘に優れた獅子が跳躍し避けさせて。
「……なのですっ」
 クラゲ達を埋め尽くしていた茉莉花が弾けるように戦場に舞い――クラゲの群れを一つ、安らかな眠りに帰した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルリリー・ベルベット
タイプ・メデューサ……メデューサねぇ
ホンモノのメデューサのように、お前達も生まれ持った美しさを奪われてしまったのね
可哀想な子たち
今、リリが幕を下ろしてあげる

他の猟兵と協力できそうなら一緒に戦いたいわ
遠くにいる敵をフック付きワイヤーで引き寄せたり、バランスを崩して転倒させたりして翻弄してあげる

敵の攻撃は『見切り』で回避に努めて、反撃のチャンスを探しましょう
特に石化粘液には注意
避けた粘液が別の個体に当たるように位置取って、相打ちを狙うわ

反撃のチャンスを見つけたら【レギーネル危機一髪】でみーんな薙ぎ倒してあげる
ほらほら、ちゃんと逃げないと真っ二つだからね

◆絡みやアドリブも歓迎です


トレーズ・ヘマタイト
同胞か、救う手段がないならば終わらせてやるだけだな

UC:バウンドボディを使用し機動力をあげ、UC:ブラッド・ガイストで強化した装備で蹂躙する

敵が複数いれば災魔の腕のグレネードで吹き飛ばし、その隙に災魔の腕のスタンガンで【マヒ攻撃6】をし足止めしつつ、黒剣と白剣で切り刻む
増殖する前に、黒剣の【生命力吸収10】で吸い尽くすなり、体を肉食獣の口のようにして【怪力5】で引きちぎり【大食い5】で喰らい尽くすことで阻止する

石化粘液は刻印から使い捨ての盾を出して防ぐ

援護が必要そうな者がいれば災魔の腕のグレネードで【援護射撃5】をするとしよう

魂の一欠片すら糧とする、救いになるかはわからんがな

以上



●ラ・メルヴェル
「……メデューサねぇ。ホンモノのメデューサのように、お前達も生まれ持った美しさを奪われてしまったのね……可哀想な子たち」
 クラゲ達に憐みの声を向ける声があった。
 見る者全てを魅了するような、薔薇水晶が如き瞳のダンピール、ベルリリー・ベルベット(ルーナフラウ・f01474)はクラゲに付けられた名と、その逸話を想った。
「同胞だ」
 その彼女の言葉に答えたのは――小さな黒い山のような男だった。
 比喩ではない、実際その形、つまりブラックタールであり。
 大きな一つ目は血のように見る者を圧倒する、トレーズ・ヘマタイト(骸喰らい・f05071)だった。
 かつて同胞を失った過去を想いながら。
「いや……救う手段がないならば終わらせてやるだけだな」
「そうね、今、リリ達で幕を下ろしてあげましょう」
 悲しくもせめてもの救いを齎す、白と黒の戦いが始まった。
 先陣を切ったのはトレーズだった。
 元々液状の、弾性に満ちた身体の弾性を更に高めて戦場を強く駆け抜ける力を。
 そして目の赤と同じ、体に流れる血の力を己が体に仕込んだ武装に流し込み敵を倒す力を宿す。
 強化された災魔の腕と名付けられた一対の機械腕を体内から取り出すと、密集したクラゲの一団に手榴弾を投げつける。
 開戦の一撃が轟音と共に花開き、熱と衝撃の膨張が何体かのクラゲを散らした隙にその場所へ液状の身体を弾ませ飛び込んで。
 だが同胞の身体が形で生き延びたクラゲは、トレーズがかつての同胞とも知らずプログラムされた敵意のままに足を振り上げ叩き潰そうとした。
 が、その一撃が彼に決まることはない――何故ならば、ベルリリーの放った鉤付きのワイヤーが振り上げられた足を縛り上げていたからだ。
 そのまま、ワイヤーを引くとクラゲの巨体を強かに転倒させて――トレーズが新たな武器を構えようとしているのを見ると、その先へと導くように引き寄せた。
 その先――トレーズの構えるスタンガンが触れれば高圧の電流がクラゲへと流された。無論電流の被害に遭う前にきっちりとワイヤーは回収していたが。
 液状の身体を波打たさせて怯むクラゲへと――間髪を入れずにトレーズは白と黒の長剣を取り出すと、モノクロの残影を残し、身体を痺れさせるクラゲを一気に切り刻んだ。
 そしてクラゲ達が今度は石化の液体を放って逆に動きを止めようとすれば。
 トレーズは刻印から使い捨ての障壁で容易く受けて、ベルリリーは軽々と見切って飛び上がり、逆に射程上にいた別のクラゲへと当たらせた。
 今が好機と背後から液体を放ったクラゲに向き直ると、彼女は奇術用の回転ノコギリ――尤も、ここから先は「手品ではない」が。
「さあ始まるわ世紀の大脱出ショー!! 本日の挑戦者は、お前とお前と、お・ま・え」
 次々にクラゲを指差していき威嚇もするが、
「ほらほらほら、ちゃあんと逃げないと、真っ二つだからね」
 解き放たれた回転ノコギリは無差別に。
 指名を免れて心なしか安堵していたように見えたクラゲをも巻き込み、タールの身体を真っ二つ――勿論、これは手品ではないのだから、その結果は本物なのだ。
 最初から逃げられない脱出劇の刃に喰われ、命をギリギリのところで保っていた個体は、ここぞとばかりに追い詰められた時に発動できる増殖機能を発揮しようとしたが。
「救いになるかは分からんが」
 ぐさり。
 突き立てられる黒い刃に残さず命を吸い取られ。
「……せめて、魂の一欠片も残さず糧とする」
 ぐしゃぁ。
 同じ液体の身体を肉食獣の顎のように変え。
 その力もまた肉食獣に劣らぬ剛を持つ顎で引き千切られ。
 一滴も残さずに「同胞」の糧となれるのは――せめてもの、救いであると思いたい。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジロリア・アンブッシュ
生きる者の在り様まで作り変えて手駒にするとは、吐き気がする程の悪逆ですね。
あの人(亡夫)も、決して許しはしないでしょう。

せめて解放を。
そして彼らが望むなら、応報の機会を。(新UC作成の為の前振りです)

【『あなた』はここにいる】使用。
聖塩の結晶を爪で削って振りかけ、生じた炎を媒介に炎の壁(最大3㎥大)を18枚生成。
1枚を常に自分の前に盾として展開して敵の接近を阻み、また自分に放たれた石化粘液を燃やし蒸発させる。
残りは敵を三次元的に包囲するように浮遊・移動させ、残さず焼き尽くす。
それは亡夫が用いた炎の壁を、(方法は違うが)代わりに行使する役割演技。

燃えていく者達の魂の安らぎの為に、祈りを捧げつつ。



●Dies Irae
「生きる者の在り様まで作り変えて手駒にするとは、吐き気がする程の悪逆ですね」
 ――あの人(亡夫)も、決して許しはしないでしょう。
 ジロリア・アンブッシュ(燈狼の未亡人・f05791)はその髪のように内で燃える、帝国軍への非道と、この上なく愛した人狼の――今は向けることも叶わないあの人の怒りも共に向けるように。
 あの人なら、こんな時は。
 最期に掴んだ貴き傷跡の残る右手で、神々への隠し味と銘打たれた聖なる塩の結晶体を削る。
 聖塩が振りかけられた床から、一瞬にして立ち上がる紅蓮の壁――それは、クラゲ達をも一飲みにして、蒸気に帰すことも容易い業火。
 内一枚は、彼女の傍に。
 猛火を潜り抜け、その激情諸共閉じ込めんとする黒き液体を一瞬で蒸発させ、触手の剛腕を振り下ろすことも許さない防壁。
 残る全ては攻撃の為に。
 クラゲ達が物量を以て押し返さんとしても、一枚一枚が全て軽く通るだけで蒸発させることも容易い熱量の壁が動き、統制の取れた動きを阻む。
 四方八方は言わずもがな、跳躍を以て避けようとも、上方にも炎の壁は張り巡らされている。
 もはや、完全な詰みだった。
 おしくら饅頭のように、横と縦、全ての周囲から迫る紅蓮から逃げようとすればするほどに、クラゲ達は一つの場所へと集められていくばかり。
 そして、逃げる余裕を遂には無くしたクラゲ達は――その時はもう既に、壁というよりもドームのように取り囲む紅蓮に一瞬にして飲まれ、濁った液状の身体を業火の中に委ねていくのだった。
 ――亡夫ならば、必ずこうしただろう。
 燃え上がり、跡形もなく蒸気すらも焼き尽くされ消えていく姿を見てジロリアは完全な役割(パーフェクト・ロールプレイ)を熟したのだった。
「せめて解放を。そして彼らが望むなら、応報の機会を」
 ――彼女の為した炎は、無念を清める浄化の炎であるだろう。
 手を組み、業火の照り返す熱を感じながら、生きる意志を奪われ道具にされた命に、安らぎを深く祈るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
一生懸命応援するね!とシエナはテフラ君に宣言します。

今日のシエナはテフラ君の応援に来ました
シエナはスカートの中からお友達を呼び出すと奮闘するテフラ君の応援を始めます

あはははははは!テフラ君頑張って!とシエナは笑い声と共にテフラ君を応援します。

どんなに絶望的な状況であっても絶える事のない少女達の笑い声と応援はテフラ君に狂戦士の如き力を与えてくれるでしょう

これでもっと頑張れるよね?とシエナはテフラ君に微笑みます

幾ら狂戦士な無双状態でも多勢に無勢、隙をつかれてテフラ君は石像にされるかもしれません
その時の対応をテフラ君に頼まれていたシエナは【友達作りのおまじない】によりテフラ君に再び頑張ってもらいます


テフラ・カルデラ
シエナさん(f04107)と同行

相手が相手ですが容赦しませんよ!
決して石化粘液ぶっかけられたいなんて願望持っていません!持っていません!!

ウィザード・ミサイルで撃退します!シエナさんも応援してくれているのでいっぱいがんばれます!!
いや、相手増殖していません?これ倒しきれるでしょうか…?
いやいや!そんな弱音を吐いている暇はありません!ひたすら撃退せねば…!

あっ…石化粘液が当たって…石化が始まってる!?
動きにくいどころか周りから石化粘液を大量に浴びせられて石化進行が早まっていってる!?
こ…こんな時にフラグ達成しなくても!?
でもこういう時に…シエナさんにあることを頼んで…おいたから…大丈…夫…



●兎人形劇倶楽部
 凄惨な筈の戦場には、色々な意味で似つかわしくない二人が現れた。
 片や人形であった少女と、片やウサギの耳と尾を生やした少女――と見せかけての、実は少年。
 シエナ・リーレイ(年代物の呪殺人形・f04107)とテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は、他の猟兵達の活躍によって着実に数を減らしても、いまだに減らないクラゲ達を眺めて言った。
「相手が相手ですが容赦しませんよ!!」
「うんうん、一生懸命応援するね!!」
 ごうんごうんと蠢くクラゲの触手と、先端から時折迸る黒い液体が掛かった宇宙船の壁を石に変える光景に怯まず闘志をむき出しにするテフラに、乾いた音を立てて柏手を打ち応援の意志を示す。
 シエナの応援もそこそこに、テフラは触手からの液体でざらついた石に変わっていく壁をどこか、震える眼で熱く眺めて。
「……決して石化粘液ぶっかけられたいなんて願望持っていません!! 持っていません!!」
 これほど伺える本音と言葉が食い違うことのあるだろうか。
 両掌に魔力を高めていくテフラに対し、シエナはスカートを軽くたくし上げて、下から樹木の如き褐色の肌と、葉が如き髪を持った樹精(アルラウネ)の人形を送り出す――まるで、戦場に草が生えたかのようにアルラウネの人形が現れて。
 ――さぁ、みんなで楽しく笑いましょう!!とシエナはアルラウネさん達と笑い始めます。
 本来のアルラウネならば、聞く者の命を奪う筈の甲高い笑いの合唱がクラゲ達の液状の身体に波紋を呼び、集音に優れたウサギの耳に深く深く入り込めば、テフラの陶酔が掻き立てられ掌からあふれ出る魔力が瀑布のように増す。
 応援というには不気味かもしれないが、効果はあるかどうかが重要――昂揚するテフラが、その熱情を叩きつけるように、次々と矢継ぎ早に掌から炎の矢を放ちクラゲ達を貫き燃やしていくが。
「いや、相手増殖していません? これ倒しきれるでしょうか……?」
 追い詰められて増殖を始める個体を見て、途端に弱気になるが。
 だが弱音を吐いている暇はない、というか、与えてくれない。
「あはははははは!! テフラ君頑張って!!」
 少女の無邪気な笑い声が、既に脳髄に響くアルラウネの笑い声と共振を齎し、浮かんだ弱気な心に狂える戦士が如き闘争心を燃え上がらせ強引に掻き消させる。
「これでもっと頑張れるよね?」
「もちろんです!!」
 むふーっと鼻から高温の蒸気が如く息を抜き。
 額から何のための汗なのかは不明だが、兎にも角にも溶けるように汗を流して両手から次々と放つ炎の矢が増殖していく分ですらも構わずに焼き尽くしていく。
 これで終わるかと思った……が。
「あっ……石化粘液が当たって……始まってる!?」
 流石に多勢に無勢。
 一人が放つ矢では数多くの触手から放たれた汚汁を免れることは出来ず、床に飛散った飛沫を頬に喰らってしまう。
 徐々にそこから物言わぬ石に変えられんとしていくが、その顔はどこか――嬉しそうにも見えるのは、鋭い者なら分かるだろう。
「こ……こんな時にフラグ達成しなくても!? くっ……シエナ、さん……あ、あと……は……」
 不測(?)の事態への備えは事前に打ち合わせてある。
 シエナは頷くと完全に物言わぬ石像になったテフラへと、特製の「おまじない」を施した。
 ――あなたもわたしのお友達になって!!とシエナは特性のおまじないをお友達候補にかけます。
 するとどうでしょう。
 さっきまで物言わぬ石像と変えられた兎さんが、伝説のゴーレムのように動き出したではありませんか。
 力は落ちてしまいましたが、ゴーレムとして蘇った兎さんは、また真っ赤に燃える炎の矢を放つのでした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
他の猟兵と連携・アドリブ歓迎!

蛇神様とあたいに対してメデューサを名乗るなんて罰当たりだねっ!
ガチの蛇神様の実力を全宇宙に知らしめちゃうよっ!

先制攻撃で仲間の猟兵たちを包み込む結界を作成!
(範囲攻撃+地形の利用+時間稼ぎ)
敵の攻撃を軽減して味方を強化するよっ!

確か、あの液体に触れると石化するんだっけ?
触れないように注意!
オーラ防御と盾受けで身を護るよ

蛇神様!
邪眼からの念動力で視界に入った敵を片っ端から潰しちゃってっ!
ついでに動きを封じてっ!
(2回攻撃+念動力+範囲攻撃+呪詛+マヒ攻撃)
あたいは結界内から超霊力オーラガンを連射っ!
(クイックドロウ+スナイパー+援護射撃+衝撃波)
消し飛んじゃえ~っ!


ジンガ・ジンガ
あら、クラゲちゃん大豊作ゥ
メデューサちゃんだっけ?
べっつに恨みとかはねェんだけどさァ
戦争ってそういうモンだからしょーがねェじゃんよ?

Drop Deadで銃器召喚
メデューサちゃん達に乱射
数多いし、機関銃系のヤツが良いかにゃー?
効率よく数減らしてくじゃんよ

弾が切れたら銃を捨て
いつものダガーに持ち替え
影から【フェイント】かけて【だまし討ち】したり
隙見て【2回攻撃】叩き込んだり
思いっきり撹乱してサクッと殺っちまいたいトコだわ

石化粘液はタイミングを【見切り】
他の【敵を盾にする】ことで回避

まァ、安心して葬られちゃってよ
俺様ちゃんはともかく
ヤサシー猟兵ちゃんは覚えててくれンじゃない?
知らねーけどォ

※連携歓迎



●Storongest Zero
 また別の戦場に、黒饅頭のような頭と、その下をやや生理的嫌悪感を煽るような大量の触手が大瀑布のように連なる光景を眺め、歓喜の声を挙げた者がいた。
「あら、クラゲちゃん大豊作ゥ!! メデューサちゃんだっけ?」
 羅刹族のジンガ・ジンガ(塵牙燼我・f06126)は額の角に手を当て、並ぶクラゲとその型番の名を思い出す。
 伝説の蛇の魔物の名前だったか、確か。
「でも蛇神様とあたいに対してメデューサを名乗るなんて罰当たりだねっ!!」
 その「偽物」へと声を張り上げるのは、その心に蛇の神を繋ぐ多重人格者、蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)はその怪物を名乗ることに怒りを覚えていた……尤も、彼ら自身が名乗っているわけではないだろうが。
 怒らせると恐ろしい、とは蛇の逸話であるが、その化身が如く闘志を燃やすレモンをジンガは横目で眺め口笛を軽く吹く。
「ひゅゥ、意気込んじゃってるゥ。俺様ちゃん別にそーゆーのとか無いけどさァ」
 からかっているような、素直な感想のような。
「でもあたいにはあるんだ。ガチの蛇神様の実力を全宇宙に知らしめちゃうよっ!!」
 尤も、彼女の強い意志の前には、些細なことかもしれないが。
 士気と闘志も十分に燃えるレモンの様子にジンガは肩を竦め、その犠牲となるクラゲ達に塵一つ程度の同情を覚えつつも。
「わお、クラゲちゃんたちこりゃかわいそ……でも、戦争ってそういうモンだからしょーがねェじゃんよ?」
 ……ゼロか全かの命のやり取りを語る彼の口は、何処か虚無的でも正鵠を射抜いているようだった。
 そんな彼らにクラゲ達は瀑布の如き触手の先端から石化を齎す粘液を振り掛けにいくが、彼等を石化で止めるどころか液体で溺れ死にさせかねない質量は届く前に光輝く壁に依って止められていた。
 それは、先んじて動いていたレモンの結界――心なしか、そのヴィジョンは白く輝く大蛇がその身を挺してとぐろを巻き弾いているようにも見えた。
「やっちゃえ蛇神様!!」
 その結界は守りに使われるだけではなく、場に立つ蛇神と鬼神の力を高めていく。
 その様子に軽く手を叩きながらもジンガは軽くも鋭い調子で――大量の軽機関銃を呼び出す。
「んじゃ……挨拶してよ、俺様ちゃんの古いトモダチにさァ?」
 両手に機銃を構え、圧倒的な数をそれよりも勝る手数の銃弾で弾き散らしていく。
 弾が切れれば次々と近くに捨てては呼び出した機銃に持ち替え、けたたましく響く銃弾の音と接近を許さない弾幕の嵐がクラゲ達の勢いを着実に削いでいく。
「蛇神様!! 邪眼からの念動力で視界に入った敵を片っ端から潰しちゃってっ!!」
 ――ついでに動きを封じてっ!!
 レモンの片目が鬼灯のように紅い輝きを帯びる――その姿は正に人知の及ばない蛇の守り神が如く。
 蛇に睨まれた何とやら、のように――念動力と呪詛を孕む眼で液状の身体を縛り付けると。
「消し飛んじゃえ~っ!!」
 優れ過ぎた霊格故に可視化すらするほどの霊力が、彼女の指先に束ねられる。
 その指先は拳銃のように象られ、手首に嵌められた輪が尚更に力を高めて――解き放たれた光の奔流が、縛り付けていたクラゲ達を纏めて――まるで、大蛇が丸呑みするかのように、神話の怪物を飲み込んでいた。
 蛇神の真の力を示せたことに満面の笑みで、硝煙を吹き消すように指先にレモンは息を吹き付けた。
 だがその蛇の裁きを逃れた一体がいた。
 しかし逃げること敵わず――機銃を全て討ち尽くし、忍び寄っていた羅刹の一対のダガーが脳天に突き立てられていた。
「まァ、安心して葬られちゃってよ」
 ダガーを引き抜き巨体から降りれば、ずるりと形を崩し黒い粘液上の身体が床に広がっていく。
 ダガーを鞘に納めると、どこか虚無的でも形は変わらない軽い笑みで、彼なりの追悼なのか言葉を告げた。
「俺様ちゃんはともかく、ヤサシー猟兵ちゃんは覚えててくれンじゃない?」
 だがまあ、すぐに虚無的な感情は奥底に押し込めて、
「……知らねーけどォ!!」
 広がった液体が消えていく様を眺め笑う鬼の声が響き渡っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴェスター・アーベント
目的/敵の殲滅
銀河帝国滅すべし、慈悲はない。
「暗黒を滅ぼすのは暗黒…俺が全て消してやる」

戦術/UC【終焉ヲ齎ス黒】で攻撃
「消えろ、オブリビオン」
基本戦術は『怪力』を以って振るう攻防一体の剣技。
聖剣の『武器受け』で攻撃をいなしながら、容易く『鎧砕き』を為す【終焉ヲ齎ス黒】で敵を次々と跡形も無く粉砕、傷を受けたら魔剣で斬りつけて『吸血』し『生命力を奪い』受けた傷を癒しながら敵を殲滅するまで地形を壊しながら戦う継戦能力と破壊力に長ける戦術。
「俺に滅せぬ物などない…」
石化攻撃は聖剣で切り払い、敵を複数巻き込みながら暗黒纏う魔の大剣で敵を群ごと屠ってゆく。

※アドリブ歓迎



●ブラックホール
 黒の怪物が闊歩する戦場に現れたのは、同じ黒だった。
 いや――黒よりも尚深き闇、と形容する方が正しいだろうか――肌以外の殆どを黒で誂た美丈夫だった。
「暗黒を滅ぼすのは暗黒……俺が全て消してやる」
 ――銀河帝国滅すべし、慈悲はない。
 美丈夫ことヴェスター・アーベント(漆黒の騎士・f09560)はかつて己から全てを奪った存在に決着をつけても、闇の狂気は、過去を骸に帰すまで収まらないようだった。
「消えろ、オブリビオン」
 その手に聖、亡霊の悪行を裁く正義の心を――クラゲの放つ触手の太い殴打を、白き聖の剣で一刀の元に斬り飛ばし、次々とくる細い腕の殴打を剣の腹で受け流す。
 もう片手に魔、復讐の衝動を――あらゆるモノを無に帰す引力を纏った黒き魔の剣で、一滴も逃れることも許さぬ勢いで斬りつけて滅ぼす。
 聖と魔の気迫に慄くクラゲ達は破れかぶれに石化を齎す濁汁を次々と放つが、眩き聖の刃が、その汁を太陽に向かう愚か者の如く虚空に帰し。
「俺に滅せぬ物などない……」
 飛び退かんとするクラゲを再び、暗黒の下に薙ぎ払う。
 更に立て続けに聖と魔の刃を交差させ振り下ろせば、盛大な地響きを起こし頑強な宇宙船の床に窪地を作り上げ、最後に残ったクラゲ達がその中点へと追いやられていく。
「この黒き炎が見えるか」
 取り込んだ命を糧に、刀身に揺らめく暗黒。
 空間を歪め、全てを無に帰す狂気と復讐の衝動。
「全てを滅ぼす暗黒の炎が……!!」
 ――正に、あらゆる者を滅ぼし、灰ですらも残さない暗黒の炎。
「食らえ、ダークエンド!!」
 集まったクラゲ達に振るわれる、全てをゼロに帰す暗黒の刃が、増殖をも許さずに飲み込んだ。
 膨大な闇の引力と超重力が空間を歪め、クラゲ達を取り囲み四方八方へとうねり身体を引き千切り――最後に収束し、消え去れば。
 最初からそこには何も無かったかのように――黒き蛇の怪物達は、全てを滅ぼす闇の中に帰っていくこととなったのだ。

●苔のむすまで
 戦いは、終わった。
 挑んだ者の想いは様々、哀れな境遇の液状生命体に同情した者、どこか楽しんでいた者、命のやり取りを割り切っていた者――論えばその思いは様々なものであったかもしれないが。
 少なくとも、自我を奪われ犠牲となった命が、新たな凶行を犯す前に止められたことは間違いないだろう。
 銀河帝国の戦力も、一つ潰せたことに変わりはない。
 今はただ、猟兵達の大いなる奮戦を称えよう。
 彼等の為した戦いは、必ずや本当の終わりの為に役立ってくれるに違いないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月10日


挿絵イラスト