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クロムキャバリアのとある休日にて

#クロムキャバリア #【Q】 #各章とも、🔵>👑到達予定日時までプレ受付中 #参考:るちるの能力→1日に執筆できる人数:4人くらい #オーバーロードについてはマスターページ参照ください #3章、🔵>👑到達予定日時未定 #3章プレ受付開始→10/20の0:00 #模擬戦か、修理か、新兵のケアがお選びいただけます

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#クロムキャバリア
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#【Q】
#各章とも、🔵>👑到達予定日時までプレ受付中
#参考:るちるの能力→1日に執筆できる人数:4人くらい
#オーバーロードについてはマスターページ参照ください
#3章、🔵>👑到達予定日時未定
#3章プレ受付開始→10/20の0:00
#模擬戦か、修理か、新兵のケアがお選びいただけます


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●クロムキャバリアにありがちな日々
 のどかな晴天の下、クロムキャバリアの平原をごごごごごっと鈍い音をさせながら、大きなコンテナを乗せた大型トレーラーがゆっくりと走っていく。その前後左右にも大型トレーラー。そしてその周辺に数機の量産型キャバリア。
 クロムキャバリアではとてもありがちな『輸送キャラバン』である。

 先頭の車両……というか、大型トレーラーを操縦しているのはステラ・タタリクス(紫苑・f33899)であった。
 本日の積み荷は新型キャバリア一式(小隊規模)。
「皆様、街が見えてきました。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」
 グリモアベースからお願いしてきてもらった猟兵たちにステラはそう告げるのであった。

●グリモア猟兵、依頼する
「これは私の個人的なお願いというか、依頼なのです」
 最初にそう断って、ステラはグリモアベースで見かけた猟兵に話し出す。
「実は新型キャバリアの輸送を請け負っておりまして」
 クロムキャバリアでの話である。普段、猟兵の仕事やグリモアが静かな時はクロムキャバリアで生活しているステラ。そこでの生業、輸送請負でそんな仕事をもらったらしい。
「輸送そのものは非常に普通で、輸送キャラバンも組んであるので問題ないのですが」
 そこで妙に渋った顔をするステラ。そして意を決して言葉を紡ぐ。
「手伝ってください」
 きりっ、とした表情でした。いや、なんでカッコつけたの。

 それはさておき、ステラの手伝ってほしい気持ちは本物である。
「こちらをご覧ください」
 どうやら輸送依頼の契約書だ。読んでみる。
 『新型キャバリアの輸送』『現地に着いた後の最終メンテナンス』まではいいとして。
「ここに『新兵のフォロー』とあるのが見えますでしょうか?」
 つつっ、とステラが指さした場所には、確かに『新兵がキャバリアに慣れるまでの訓練と使い方の指導』があった。
「ちょっと報酬に目がくらんで見落としておりました」
 そっと視線を逸らすステラ。これ、普通にやったら、専門チーム複数で組んでやる仕事を報酬に目がくらんでひとりで受けたということだね。
「メンテナンスまでは計算の内なので問題ないのですが、新兵のフォローをお願いできないでしょうか?」
 現地では凄腕の傭兵、あるいは生身でキャバリアと渡り合う超人。そんな者たちの指導となれば、面目も立つというものだ。
「あ、報酬はこちらからキャッシュでお支払いしますので。現地での滞在費などもお任せください」

●こんな部分をお願いしたいのです
「具体的には『講習会』と『模擬戦』という感じでしょうか?」
 まずは講習会。
 新兵の中には初めてキャリバリアに触れたり、あるいは触れたことはあっても実地に出たことが無かったりという者たちがいる。そんな者たちに知識や経験を伝えたり、実際の操縦を教えてあげてほしい。
「現地にはギムレウスが練習機として置かれています」
 数機しかないが操縦系を教えるには十分だろう。

 そして次に模擬戦。
「こちらは皆様が、新兵の相手をしてあげて欲しいのです」
 自分のキャバリアを持ち出してきてもいいし、生身で戦ってもいい。とにかくキャバリア戦闘に慣れさせてあげて欲しい。
「新兵たちが使うのは『イカルガ』。量産体制の整った新型キャバリアです」
 空中戦及び近接戦闘に主眼を置いて設計されており、優れた機動力と運動性能を有する。その分、操縦の難度はギムレウスより格段に上。これだけは体に覚え込ませるしかない。
「後は……納品したばかりなので、大破は避けてもらえると嬉しいのですが」
 中破までならなんとか直せる。大破になるとたぶん調達し直しだ。結構懐に来るのでその辺り、ご配慮いただけると幸い。
「それから、コックピット直撃はお控えください」
 あくまで模擬戦。相手の命を奪う戦闘ではないのでその点は注意だ。
 とはいっても手を抜いては意味がない。
「叩きのめす分には全力で構いませんよ。その程度で挫ける方々ではないでしょうから」
 むしろ今後のためにもがっつりやってあげてほしい。
 こんなところがステラからの依頼である。

「もしかしたら現地で緊急対応をお願いするかもしれませんが、その辺は動ける方だけでも大丈夫です」
 そして途中から参加してもらう分にも全然問題ない。人手はあればあるだけ嬉しい。
「猟兵の任務とは勝手が違うので、大変申し訳ないのですが」
 頼れる相手もそういない。
「よろしくお願いします」
 猟兵に対して、ステラは深々を頭を下げるのであった。


るちる
 まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
 戦争お疲れさまでした!
 クロキャにありがちな日々を想像して作ったシナリオですが、よろしければお付き合いください。

●全体
 【注意!】このシナリオにはオブリビオンマシンが出てきません。全力バトルはできないかもしれないのでその点はご留意ください。

 3章構成の日常系に近いシナリオです。1章・日常、2章・冒険、3章・集団戦です。
 全体的にまったり進むと思います。なお、『キャッシュ』の部分はフレーバーですので、具体的にアイテムが届いたりはしません、ご注意ください。

●1章(周知済)
 日常『クロムキャリバリア講習会』です。
 新兵(一般人)に対して、キャバリアのことを教えてあげてください。教えてあげることはキャバリアに関係することなら何でも。パイロットの面からでもメカニックの面からでもOKですし、単純に経験談でもOK。
 操縦についてはギムレウスを使ってください(コックピット内は一般的な量産型キャバリアのシステムです)
 また新兵側に入って、誰かの話を聞くこともできます。操縦を教えてもらうなんてこともできますのでご参考に。こういう機会に経験の少ない猟兵さんはぜひいかがでしょうか?

●2章(現地で突発)
 冒険『日暮れの市街地戦』です。
 不意を突いて、隣国のキャバリアが攻めてきます(ステラも認識していない突発事項になります)。
 敵戦力の撃退、住民の避難、要所の護衛などがポイントになります。キャバリア使用可です。

●3章(周知済)
 集団戦『イカルガ』。イカルガに乗った新兵との模擬戦となります。少し物足りないかもしれませんが、指導者的な戦いができるチャンスでもあります。
 明記が無い限り、コックピットに直撃したりパイロットが死んだりすることはありません。狙わない限り、大破するようなことも無いと思いますが、大破するとステラが泣きます(懐的に)。泣かせたい人はどうぞ(笑)


 オープニング公開後、1章の状況説明を入れます。それから各章の開始時も。
 採用人数は決めていないのですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも?  プレ受付等含め、その辺はタグでご案内します。
 それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす。
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第1章 日常 『クロムキャリバリア講習会』

POW   :    とりあえず一通り触ってみる。

SPD   :    他の世界の似たような物を、参考にしてみる

WIZ   :    まずは文献などを確認。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 街の外に輸送キャラバンが到着する。
「まずは街に入る許可を取ってきます。少しお待ちください」
 ステラが街の入り口まで駆けていき、門番と何かを話している。

 見上げれば街の外観が見える。
 この街は国境付近にある。人口5万ほどの街であるが、交易の中継点となる場所であるため、国から防衛のための人員が割かれているのだ。
 街をぐるりと囲む石の塀。人の身であれば侵入は容易ではないが、キャバリアであれば紙のような守りだろう。
 それでも無いよりはマシか。

 そんなことを思っていたら、ステラが戻ってきた。どうやら無事街の中に入れるっぽい。
「私は搬入口から入って、キャバリアを納品してまいります」
 ここからは別行動ですね、と告げるステラから差し出されたのは本日の宿舎。
「夜には戻りますので。皆様は講習会が終わればご自由に行動していただいて構いません」
 ツケは全部ステラにしておけばいいって言ってる。

「それで件の新兵たちですが」
 遊ぶ前にお仕事って話です。
「既に基地へ集まっているようです」
 基地とは、街の西側(入り口は南にあたる)に造られた、外壁を挟むように内外に突き出した施設。キャバリアの配備場所でもあり、兵士の駐屯場所でもある。
「基地の外がそのまま訓練場所になっているようです」
 そこでレッツ講習会。
「新兵以外の駐屯兵はいま巡回で出払っているとのこと」
 つまり、この街に今いるのは新兵(小隊規模)とその指導役数人。
「何事も起こらないと思いますが、一応お気をつけて」
 そんなステラと別れて、猟兵たちは訓練場所に向かうのであった。

※訓練場所データ※
 街の外。広大な荒野。街に向けて攻撃しない限り、何かを巻き込むことはありません。暴発注意!
 5機のギムレウスが練習用に配置されています。イカルガは街の中の工房で最終メンテナンス中です。
 指導役の兵士は見守り態勢で何も言ってきませんので、皆さんの思ったように講習してあげてください。
 新兵は小隊規模=30人です。
●新兵講習会・開始です
 猟兵たちが訓練場所に着いた頃には、新兵たちの準備は万端であった。
 整列して敬礼。そして指導役からも猟兵たちにお礼があり。

 ただ、この講習会は学校の授業のような形を取らないようだ。訓練場所を広く使って、各所で猟兵たちが各々、伝えたいこと教えたいことを講習する。新兵たちは好きな場所に訪れ、好きな内容を聞いて、あるいはもう一度教え乞う。

 そんな感じで結構フリーダムな感じの、新兵講習会が開始されたのである。
新城・真希奈
【POW】
アドリブ・連携歓迎

うー、新型機、見たい触りたい……むしろ最終メンテナンスの手伝いに行きたい……
まあ、それは後でゆっくり見せてもらうとして。

操縦技術とか戦闘技術は他の人に任せて、メカニックとしての知識を交えつつ
乗り込んで歩かせるくらいの段階を実機で説明してみようかな
機体の外観チェック、実際にコクピットに座ってシステムの立ち上げ……
まあギムレウスなら1回やってみせて、あとはやってみて貰えば多分大丈夫なはず。
実際に動かして何かあれば都度対応

あとアレだ。これは覚えて帰ってください!
『機体をしょっちゅう壊す奴は整備兵に嫌われる!』


桐嶋・水之江
新型機の輸送…ねぇ
一機ぐらいいなくなっても気付かれないわよね
それにしてもイカルガってどこかで聞いたような…
ん?いえ、こっちの話しよ

講習会はこうしゅるかいなんちゃって
操縦云々を教える人は間に合ってそうだし、整備とか理屈とかの技術分野での講習をしてあげましょうか
確かギムレウスがあったわよね?
これを使って実演してあげるわ
まず整備の基本は(エキセントリック過ぎて人類には早過ぎる内容のため中略)だから機体が違っても使われているパーツの種類と名称はだいたい同じ…というわけよ
わかった?わかったわね




 意外と広い訓練場所。新兵たちも一度散開している、その中を練習用のギムレウス(これまた数機が分かれるように配置されている)の1機に向けて、てくてくと歩く猟兵が2人。
「うー、新型機、見たい触りたい……」
 ちらっちら街の方、というかおそらく新型キャバリアが置いてある方角を見ている新城・真希奈(歩く修理工場・f30014)。
「むしろ最終メンテナンスの手伝いに行きたい……」
 歩く修理工場は新兵より新型がお好きらしい。まぁ確かに新型と聞いて心躍らない者はいないよね。
「……一機ぐらいいなくなっても気付かれないわよね」
「!?」
 隣からすごい不穏な言葉が聞こえてきて、真希奈は思わず二度見した。桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)こと桐嶋博士の声である。当の本人はごく自然に言っているのっで、真希奈の視線に気づいていない……というより考え込んでいるようだ?
「……それにしてもイカルガってどこかで聞いたような……」
「え?」
「ん? いえ、こっちの話しよ」
 とかなんとか意味深な会話がありましたが。
「まあ、後でゆっくり見せてもらうとして」
 真希奈が気を取り直して言葉を紡ぐ。目の前には訪れた真希奈と桐嶋博士に対して期待の目を向けている新兵たち。
「講習会はこうしゅるかいなんちゃって」
 ……フゥ。脊髄反射系のツッコミ役がいなくてよかったな。命拾いしたぜ?


 ――乗り込んで歩かせるくらいの段階を実機で説明してみようかな。

 真希奈が取った手段は実機での実演であった。操縦技術というよりは、彼女の本職・メカニックをメインとした、大切な事前準備。
 まずは外観のチェック。見た目で異常がないかを確認する。目視は簡単なので軽視しがちだが適当にするとひどい目にあう、大切な項目だ。
「問題なければ、システムの起動だね」
 実際にコックピットに乗り込み、コンソールに指を滑らせて真希奈がキャバリアのAIを起ち上げていく。
「これも順番とチェック項目だけ覚えたら後はルーチン」
 ルーチンといっても手を抜けと言っているわけではない。必ずしろと言ってる部分だ。
 システムからの起動後チェックがオールグリーンを返してくれば、真希奈の顔に笑みが浮かぶ。
「動かしてみるね」
 ハッチ開けっ放しのコックピットから落ちないように、と告げて。真希奈がゆっくりとギムレウスを稼働させ。
「ん……?」
 違和感に気づいた。『え?』って顔で真希奈を覗き込む新兵たち。
「この辺りは場数もいるけど……っと」
 真希奈がギムレウスをスタンバイモードで起動させ続けながら、コックピットから降りる。
 音は機械にとって大切な要素だ。簡単に言えば赤ちゃんの泣き声のような、キャバリア自身から返してくる返事。
「あ、ここだね」
 ほんの少し、関節部のかみ合いが悪かったようだ。戦闘にも影響ないレベルだが……いっそこれなら、と修理する真希奈。
 その技術に新兵から拍手が起こる。当の真希奈はくるりと新兵に向かい。
「あとはやってみて貰えば多分大丈夫なはず」
 と告げて。実際にギムレウスの起動と正しい駆動音を新兵たちに経験させていく真希奈であった。


 ――整備とか理屈とかの技術分野での講習をしてあげましょうか。

 とは桐嶋博士の言葉である。『操縦云々を教える人は間に合ってそうだし』というのはまったく真希奈と同感で、しかしアプローチの仕方が少し違う。
 向こうはいわゆる叩き上げだが、桐嶋博士は理屈から入る。

 というわけでこちらもギムレウスに。
「これを使って実演してあげるわ」
 とギムレウスの下に立つ桐嶋博士。
 
「まず、整備の基本は……」
 ギムレウスに視線を向けながらその口から零れてきた言葉は……同じ人間が話す言葉なんだけれども。
「%@#&$という考えが中心にあって、それから*>!#$という派生はあるものの……」
、一切理解の及ばない『あれ? 俺、ヒトと話しているよな?』っていう感じのすごい理論でした。いや、そんな単語初めて聞いたよ、って顔の新兵たち。
 だが理論……そう、規格化なんてことが行われている以上、それに至る経緯と理屈があるはずだ……!
 え? そんなに難しい理論なの????(新兵たちの心の声)
「だから機体が違っても使われているパーツの種類と名称はだいたい同じ……というわけよ」
 ごめん。全然わかんね(新兵たちの心の声)
 いや、誤解を与えないように正確に言おう。
 大変にすごいことを言っているのはわかる。そして最終的にパーツの種類や名称が規格化に至っている『現状』とざっくりとした理由もまぁわかる。だが、その途中が一切わからない。
 内容がエキセントリック過ぎて人類には早過ぎたんだ……!
 まったくこれだから、顔と頭の良い女性博士は……授業じゃなければ最高です。

「わかった? わかったわね」
 とかなんとか思っていたら、博士から圧力をかけられた。授業は真面目に受けましょう。

 とりあえず、こくこくと頷きを返す新兵たちでした。


 そんな感じでお互いの生徒(新兵です)を交代させながら、キャバリアの整備や基礎についてレクチャーしていく真希奈と桐嶋博士。

「そう言えば大切なことを忘れていました」
 最後に、といった感じで手をぱむっと合わせながら真希奈が言う。
「これは覚えて帰ってください! 『機体をしょっちゅう壊す奴は整備兵に嫌われる!』」
「そうね。私なら……ふふふ……」

 真希奈の勢いと言い方、そして桐嶋博士の不穏さに、思わず顔を引きつらせる新兵たちでした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

チェスカー・アーマライト
教導を頼まれるってのも
名の売れた傭兵には
良くある話だ
そんな仕事が受けられるたぁ
感慨深いモンがあるな
ギムレウスは重量機だったか
ビッグタイガーと操作系統が似てるのは
やりやすくて助かるぜ
実践で体に染み付かせてやる
ちょいと手荒になるが
しっかり付いて来いよ
ルーキー共!

まずは機体のチェック
外側もコクピット内部も
主要部品を一つ一つ指差し確認してけ
抜き打ちで部品の名称と役割を質問してやる
乗り込んでからの機動訓練中も
事あるごとに秒単位の制限時間をつけて
そこに抜き打ちの質問やら
ビッグタイガーからの威嚇射撃を挟む

とにかく不測の事態に慣れろ
一番の敵は自分自身の焦りだ
一瞬の判断が
テメェの生死を
味方の生死を分けると思え!




 新兵たちが散開している訓練場所の一角。
 練習実機のギムレウスの下に立つ猟兵はチェスカー・アーマライト(錆鴉・f32456)であった。
 チェスカーの見た目は軍隊のそれと比べれば、いわゆるアウトローと呼ばれる部類。本人にして、『無し草の女傭兵』と名乗っているくらいだ。
 しかし、その身に纏う雰囲気は歴戦の戦士。
(教導を頼まれるってのも名の売れた傭兵には良くある話だ)
 緊張した様子も無く、内心でそんなことを思うチェスカーの前には、彼女の雰囲気に負けてずらーっと並ぶ新兵たち。堅っ苦しさがあるが、それも新兵ゆえだろう。
(そんな仕事が受けられるたぁ感慨深いモンがあるな)
 悪そうな顔で楽しそうに笑いながら、錆びたシガーケースから野菜スティックを取り出す。新兵たちが『え?』って顔をするが、チェスカーは気にせず。
「さて……」
 煙草感覚で人参スティックをくわえながら、チェスカーが話し出す。『好きな様に生きて好きな様に死ぬ為なら多少の無茶も辞さない戦闘脳の傭兵』が伝えることはもちろん戦場をいかに駆けるか。
(ギムレウスは重量機だったか)
 彼女の愛機『ビッグタイガー』と操作系統が似ているのはありがたい。
「ちょいと手荒になるがしっかり付いて来いよルーキー共!」
 『実践で体に染み付かせてやる』とギムレウスに乗り込むチェスカーであった。


 とはいっても、模擬戦は新型キャバリアが来てからなので。
 まずはキャバリア全般に通用するものから。
「まずは機体のチェック。外側もコクピット内部も主要部品を一つ一つ指差し確認してけ」
 そう言いながらチェスカーがギムレウスのマニュアルを放り投げながて、新兵たちに実際にやらせる。時折、抜き打ちで部品の名称と役割を質問して、その理解を問えば、どれだけ身についているかを体感させて。

 次は実際に乗り込んでの機動訓練。
 動き出すギムレウスに並走するようにビッグタイガーを走らせ、オープン回線でこれまた鋭い質問が飛ぶ。
「3、2、1、0。時間切れだ」
 実戦ならば考えている時間は無い、と事あるごとに秒単位の制限時間をつけて抜き打ちの質問やら、あるいはビッグタイガーからの威嚇射撃やら。
 その仕打ちというか、無軌道な講習に、思わず不満そうな顔を向ける新兵たち。しかし彼らにチェスカーは告げる。
「とにかく不測の事態に慣れろ」
 一番の敵は自分自身の焦り。それだけは新兵であっても熟練兵であっても変わらない、と。
「一瞬の判断がテメェの生死を味方の生死を分けると思え!」

成功 🔵​🔵​🔴​

支倉・燐華
通常タイプのギムレウスは久しぶりですね
私のギムレウスRC(燐華カスタム)は、メタルファングを無くしてセンサー・カメラ系を、地雷敷設装置を外して積載量増加とサブアーム追加による火力増強型ですし……
そもそも、何故空中戦及び近接戦闘に主眼を置いた新型の練習機にギムレウスが用意されているのですか?
コンセプトが真逆ではないですかっ!せめて汎用機を用意できなかったのですか!?
これは、下手にギムレウスに慣れさせると乗り換えた時に逆効果になりますよ!
……もう、精々がコクピットに慣れさせるしかないのは?
でなければ、サブフライトシステムのザーブトンに練習機のギムレウス乗せて飛行体験でもしますか?


支倉・錫華
講習では量産型キャバリアの使い方とか戦い方を講義しようかな。

量産機は特別に尖った性能はないけど、劣った機体というわけではないからね。
そしてそのメリットは、なんといってもその汎用性。

操縦のしやすさや整備や修理にかかる時間の短さ、
それに代わりの機体の調達のしやすさだね。

戦闘時は、その長所を生かした集団戦が基本になるよ。
クロムキャバリア相手でも、5機くらいで袋だたきにすればいい。
これは卑怯でもなんでもないからね。立派な戦術だよ。

あともうひとつ。
みんなは戦闘での一番の戦果ってなにかわかるかな?
敵機の撃墜? 作戦の完遂? 違う。一番の戦果は生きて帰ってくること。
だから無理は絶対にしちゃダメだからね。




「あれ?」
「え?」
 それは本当に唐突にばったり遭遇。支倉・錫華(Gambenero・f29951)と支倉・燐華(戦闘侍女・f31277)は目の前にいる血縁者を見て、気の抜けた声をあげた。
 まぁ姉妹とは言え、別の生活をしているわけだし、こういうところの差し合わせがなくても普通と言えば普通か。しかし、広い訓練場所の中で同じギムレウスに向かうところは、仲良し姉妹といえよう。ハニトラ姉妹とか言っちゃダメですよ?

 というわけで。レッツ講習会。

「講習では量産型キャバリアの使い方とか戦い方を講義しようかな」
「通常タイプのギムレウスは久しぶりですね」
 1機のギムレウスを挟んで、各々そんな言葉をもらす錫華と燐華。錫華は特定のキャバリアに頼らない量産型キャバリア使い。一方、燐華は自身に合わせたカスタム機を愛用するキャバリア使いだ。例えば、燐華のギムレウスは、メタルファングを無くしてセンサー・カメラ系を搭載、地雷敷設装置を外して積載量増加とサブアーム追加といった火力増強型(ギムレウスRC(燐華カスタム))となっている。
 だから、同じキャバリアを見て、やっぱりちょっと感想が違う。

「そもそも、何故空中戦及び近接戦闘に主眼を置いた新型の練習機にギムレウスが用意されているのですか?」
 とは燐華さんの談である。
「コンセプトが真逆ではないですかっ! せめて汎用機を用意できなかったのですか!?」
 燐華、キレる。でもわからなくはない。ほんとだよねー。何考えてるんだろうね、ここの常駐軍。
 まぁあれです。汎用機や空中戦が可能な機体は今、巡回の部隊が使っていて、つまりそのなんだ。普段使わないキャバリアが置いてあるんだ、ここには。
「これは、下手にギムレウスに慣れさせると乗り換えた時に逆効果になりますよ!」
 と憤慨する妹を横目に。
「えーと、これかな?」
 さっくりコックピットに乗り込んだ錫華が起動チェックをしているのでした。

「……もう、精々がコクピットに慣れさせるしかないのは?」
 がっくりと肩を落とす燐華の目の前で、姉がレクチャーを開始している。
「量産機は特別に尖った性能はないけど、劣った機体というわけではないからね」
 実際にギムレウスの操縦を見せながら、錫華が続ける。
「そしてそのメリットは、なんといってもその汎用性」
 仮に1対1の決闘なら。尖った性能や強力な兵器が勝敗を分けることも多いだろう。だが、戦場では必ずしもそうとは限らない、というよりそんなことの方が少ない。例外は猟兵くらいのもの。
 だから、汎用性はメリットになる。何故かと言えば。
「操縦のしやすさや整備や修理にかかる時間の短さ、それに代わりの機体の調達のしやすさだね」
 しやすさ。ひとつの技術で多くの機体を乗りこなせるということは、こと戦争においては強さになるのだ。ありていに言えば、どれを使っても同じ強さになる。これはすごいことだ。
「戦闘時は、その長所を生かした集団戦が基本になるよ」
 仮に相手がクロムキャバリア――最新鋭の試作機相手だったとしても。
「5機くらいで袋だたきにすればいい。これは卑怯でもなんでもないからね。立派な戦術だよ」

 といった感じで錫華がレクチャーを続けている間に、燐華閃く!
「はっ!  サブフライトシステムのザーブトンを使えばいいのでは?」
 キタコレ。『SFSザーブトン』、燐華が所有する無人仕様のサブフライトシステムである。これにギムレウスを乗せて飛べば、新型機の有視界に近くなるか。感覚は掴めるかもしれない。
「飛行体験でもしますか?」
 そう呟いて、ザーブトンの準備に取り掛かる燐華。そんな準備をいそいそをし始めた妹を見てから、錫華が視線を新兵たちに戻す。
「あともうひとつ」
 手を止めて、じっと新兵たちを見て。
「みんなは戦闘での一番の戦果ってなにかわかるかな?」
 錫華が問う。
 何が一番の戦果なのか。敵機の撃墜? 作戦の完遂?
「違う。一番の戦果は生きて帰ってくること、だよ」
 戦争においてそれは一番難しいことかもしれない。もしかしたら……。だからこそ錫華は告げる。
「だから無理は絶対にしちゃダメだからね」
 錫華が新兵たちにそう告げて。
「終わったらこちらにー!」
 そしてザーブトンの準備を終えた燐華の声が新兵たちを新たな訓練へと誘うのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
戦友のユーフィさん(f14574)と一緒に


高機動空戦型?
それってわたしのリーゼと同じコンセプトだね
それなら、お役に立てるかな?
行ってみようか、ユーフィさん


操縦の心得は
基本は同じだけど
機体毎の特性を生かした操縦のコツは必要だからね

大事なのは機体の特性をしっかりとつかむこと
せっかくの新型だからしっかりと覚えてあげてね

任される新型は、空戦型ということで
わたしが乗っているキャバリアに近い形だね

空戦時は高度と速度に注意
これは、この世界の人ならわかってると思うけど
戦闘時も忘れないでね
あと、三次元機動だから、上下もしっかり把握することだよ

近接戦闘の心得はユーフィさんにお任せだよ
専門の人に聞く方がいいと思うしね

射撃戦の注意は…
基本を忘れずに、索敵だね
偏差撃ちとかいろいろ小技はあるけど
一番重要なのは索敵

索敵して…
例えば、こっちに気づいていない敵がいたらどうする?
それって、絶好のチャンスだよね?
じゃぁ、逆を突かれたら?
そうならないためにも索敵は重要だよ
それに、近接でも索敵はおろそかにしたらダメだよ?


ユーフィ・バウム
戦友のシル(f03964)さんと一緒に

皆さんの練度を上げの役に立てればいいのですが
私はトレースシステムの機体に普段乗ってますので

お役に立てるのは近接戦での心構え
当然ですが相手が相手もただで攻撃を当てさせてはもらえません
状況をどう作るかというのが肝心ですよね

フェイントを使うか、相手からの攻撃を待つか
遠距離戦の得意な僚機と共に叩くのであれば
牽制をお任せするのもよいかと

そして近接戦を主に行うなら、無傷とはいきません
損傷を軽くしつつ、どう致命的な攻撃を見舞うか
瞬時に判断できるようにしていければよいかと。

皆さんの機体ですと、機動力で攪乱・
上を取るポジショニングをしっかりする、など行えば
当てられる状況作り、損傷を抑えることも同時に出来そうですね

最後は、けして負けない
やられても勝つという
気合いが大事になるでしょうね
先ほど損傷を軽くすると申しましたが、
個人的にですが大破してもいいのです、負けるよりは。

まとめますと、
1に撃ち込む状況を作る
2に損傷を軽く、相手に致命的な一撃を。
最後は気合。

となるでしょうか。




 新型キャバリア納品に付随する新兵講習。広い訓練場所で猟兵――傭兵たちが各々、自分が持てるモノを伝えていく。操縦、心構え、あるいは理論や理屈。
 そんな講習の中でひときわ人が集まっているのが、シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)とユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)の戦友コンビの講習であった。

「高機動空戦型? それってわたしのリーゼと同じコンセプトだね」
 愛機の精霊機を思い浮かべながら、『それなら、お役に立てるかな?』とシルが微笑むと。その様子を見てユーフィが隣でほんわか笑う。
「皆さんの練度を上げの役に立てればいいのですが」
 こちらは少し困り顔のユーフィ。普段乗っている輝闘機の操縦系統はトレースシステム系。つまりユーフィの動きをそのままトレースすることで戦う機体である。
 そんなわけで今回はお仕事的にちょっと不安、なわけだが。
「だいじょーぶだいじょーぶ」
 とシルに励まされて。
「行ってみようか、ユーフィさん」
「はい」
 そんなわけで、シルとユーフィの新兵レクチャーが開始されるのでした。

●シルの操縦の心得!
「基本は同じだけど、機体毎の特性を生かした操縦のコツは必要だからね」
 自分の前に集まった新兵たちにギムレウスのコックピットを指しながら、シルが各所を説明していく。シルの担当は『操縦の心得』。
 キャバリアの規格が統一されている以上、その操縦系も基本的には似通ったものになっている。量産型キャバリアならなおさらだ。
 だが、かといって。どんな機体でも同じように操縦すれば、同じ強さがが引き出せるかといえばそんなことは無い。
「大事なのは機体の特性をしっかりとつかむこと」
 高機動型であればそれに合わせたアクセルワークが必要だし、ギムレウスのように砲撃タイプならそれに応じた出力調整がいる。基本は一緒だが、その差をどれだけ捉えられるか。これが実力であり、経験の差として出てくる箇所なのだ。
 特に高機動の空戦型となれば、特に癖が強い。同じ新型機でも機体ごとにシビアな感覚が求められるかもしれない。
「せっかくの新型だからしっかりと覚えてあげてね」
 そう言って優しく笑うシル。
「あ。近接戦闘の心得はユーフィさんにお任せだよ」
 そう言ってシルが指し示すのは新兵たちを挟んで、反対側で講習しているユーフィのゾーン。
「専門の人に聞く方がいいと思うしね」
 というわけで。
 新型機『イカルガ』のコンセプト、空中戦と近接戦闘。うち、空中戦のレクチャーはシル先生が担当でした。

●ユーフィの近接戦の心得!
 そんなわけでこちらは、ユーフィによる、新兵への『近接戦での心構え』のレクチャーである。
「当然ですが、相手もただで攻撃を当てさせてはもらえません」
 ユーフィが新兵たちの目を見ながら話し続ける。
 ダメージを受けるということは多少の差はあれど、劣勢に追い込まれるということである。そんな状況を敵がくれる、というのはそうそう無いわけでして。なので、その状況をどう作るかというのがとても肝心になってくる。
「フェイントを使うか、相手からの攻撃を待つか」
 指折りながら手段をあげていくユーフィ。そして一度言葉を止めて、くるりと新兵たちを見渡し。
「あるいは遠距離戦の得意な僚機と共に叩くのであれば、牽制をお任せするのもよいかと」
 基本的に彼らは軍である。単独行動の方がイレギュラーだ。ならば同じ機体でも役割を分けて戦うこともまた大切なことだろう。

 そして最後に。近接戦を主に行うなら、とても大切なことがある。

「無傷とはいきません。損傷を軽くしつつ、どう致命的な攻撃を見舞うか」
 相手も必死なのだ。当然、攻撃もしてくるし、場合によっては卑怯な手もつかってくるだろう。
 こちらの攻撃、相手の攻撃、お互いの動き。そしていかに効果的にダメージを与えていくか、そのバリエーション。考えることはたくさんある。
「瞬時に判断できるようにしていければよいかと」
 すぐに出来ることではないけれども。知っているのと知らないのでは全然違う。
 ユーフィ先生の近接戦闘レクチャーはこんな感じで進んでいったのでした。

●最後に二人のレクチャー
 シルとユーフィの二人から基本的なレクチャーを受けた新兵たち(交互に1回ずつ受けました)。
 最後に、とシルとユーフィの前に集まった新兵たちの前には、シルとユーフィの愛機が佇んでいた。精霊機『ブルー・リーゼMk-Ⅱ』と輝闘機『ブライト・ナイト』である。サイキックキャバリアとスーパーロボットなので見た目は全然違うが、キャバリアという意味では同じ。
「任される新型は、空戦型……わたしが乗っているキャバリアに近い形だね」
 シルがブルー・リーゼを見上げながら告げる。あくまで『コンセプトは』である。操縦のピーキーさというか、兵装の特殊性というか。おそらくブルー・リーゼのソレはクロムキャバリアの性質に近い。
 それでも共通する戦い方がある。
「空戦時は高度と速度に注意」
 もう注意する必要が無いくらい『わかってる』ことだと思うけど。戦闘の際は常に『非常時』だ。
「戦闘時も忘れないでね」
 それは死に直結する。決して見失ってはいけないこと。
「あと、三次元機動だから、上下もしっかり把握することだよ」
 シルの両手の人差し指が上と下を指す。空は360度が隙となり得る。前方視界だけはなく、周囲に気を配るのが大切なことだ。まぁ全方位にぶっぱするという手も……けふんけふん。
「皆さんの機体ですと……」
 おっとりとした口調を崩さず、ユーフィが話を引き継ぐ。彼女の手元にあるのは新型機『イカルガ』のマニュアル・諸元。つまり、性能のデータ。
「機動力で攪乱・上を取るポジショニングをしっかりする、など行えば……」
 そこでちらりと視線をあげるユーフィ。新兵たちに視線を投げかけるのは先のレクチャーの内容と被るからだ。じっ、と見渡すと、大丈夫わかっているっぽい雰囲気を醸し出している。
 こくり、と頷きを返してユーフィが続ける。
「攻撃を当てられる状況を作り、損傷を抑えることも同時に出来そうですね」
「その前にやることがひとーつ」
 ここでシル先生の出番ふたたびである。
「射撃戦だよ。まぁすぐに近接戦闘になるかもしれないけど」
 牽制、間合いを取る、あるいは敵の遠隔操作兵器を撃ち落とす、など。いかに近接戦闘がコンセプトといっても、射撃を完全に捨てることは出来ない。
「射撃戦の注意は……基本を忘れずに、索敵だね」
 テクニックとしては『偏差撃ち』とかいろいろ小技もあるが、それ以上に大切な基本はやはり索敵だ。
「一番重要といっていいかも」
 シルの言葉にユーフィもこくこくと頷き。そんな戦友に微笑みと視線を送りながら、シルが新兵たちに問いかける。
「索敵して……例えば、こっちに気づいていない敵がいたらどうする?」
 シルの問いに返ってきた答えはもちろん『撃つ』というもの。敵に対してこんな絶好のチャンスを逃すわけにはいかないのだ。
「だよね。じゃぁ、逆を突かれたら?」
 新兵たちが息を呑む。そんな状況になれば、それはすなわち。
「そうならないためにも索敵は重要だよ」
「近接戦闘でも索敵はおろそかにしたらダメですよ?」
 シルの言葉に乗っかるように、ぐいっとくるユーフィ。
 そう、索敵こそが戦闘の基本の基本なのだ。
「最後は、けして負けない……やられても勝つという気合いが大事になるでしょうね」
 そっと、しかしこれまでの熱に負けないように。ユーフィが言葉を添える。
「先ほど損傷を軽くすると申しましたが、個人的にですが大破してもいいのです、負けるよりは」
「「「……?!」」」
 いや、意外と熱が入っていた。新兵たちが動揺を必死に隠している。世の中のメカニックが卒倒しそうな言葉を残しながら。
「まとめますと……」
 ユーフィが指折りする様を見せながら、最後のまとめ。

 1に撃ち込む状況を作る。
 2に損傷を軽く、相手に致命的な一撃を。
 最後は気合。

「後は実際に機体を触って、だね」
「はい。確か私たちとの模擬戦の用意があったはずです」
 こうしてシルとユーフィはレクチャーを終えて。明日、ある予定の模擬戦について思いを馳せて。新兵たちと笑い合うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
ステラさんの頼みとあれば、聞かないわけにはいかないですね!

さて新兵のみなさま、はじめまして。
『なんだこの乳臭いガキは』
とか思ってるでしょう。思ってますよね。思いましたね。

え?思ってない……?

(突然キレて)
いまわたしに意見したのはその口か?【威圧】
おまえら訓練で何を習ってきた!【殺気】
上官に言っていいのは「Yes」か「はい」だ!【精神攻撃】

(ステラさんもしくは地の文に)
軍隊ってこんなでいいんだっけ? え?普通でいい? そなの?

(こほん)わたしの講習の内容は、
軍隊だけでなく、生きる上でいちばん大事なものかもしれません。
それはそう、ごはんです!

飢えて勝った軍隊は存在しないんです。ごはんは大事なんです!

おいしいごはんをしっかり食べれば、冷静に行動できますし、やる気も出ます。
レーションだって、一工夫で美味しく食べられますからね。

あと、食べられる野草とかも知っておくといいですよ。
戦場で緑のものは大事ですからね!

普段から研究しておけば、
いざというときに美味しいものが食べられますから頑張ってくださいね!




 傭兵――猟兵たちの講習(レクチャー)をひと通り終えた新兵たち。ステラのミスによって、もしかしたら通常よりも上質な講習が受けられたかもしれない。まぁ、そんなことがわかるのは指導役の兵士だけなのだが。
 さておき、時間も時間なのでそろそろ一度撤収して……と撤収準備を始めていた新兵たちの前に、ざっ、と土煙を立てて立ち塞がる(?)影があった。

「ステラさんの頼みとあれば、聞かないわけにはいかないですね!」

 勇者である。違う、いや違わない。ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる自称『光の勇者』・f32689)であった。
 そう、こう見えても(?)ルクスは勇者である。他世界では名の知れた(たぶん)パーティーのリーダーにして勇者なのである。そんな彼女とステラの関係は友人にしてパーティーメンバー。実は勇者パーティー所属なのである、あのメイド商人。『クロムキャバリアの世界は相性悪いっていってませんでしたっけ?』とは後のステラの談である。

 まぁそんな関係もあって、ルクスもまた助力に参上してくれたのである。

「さて新兵のみなさま、はじめまして」
 ルクスが礼儀正しくお辞儀する。そんなルクスの妙なオーラに『え? このタイミングで?』という顔と『えっ、勇者?』って顔が混在する新兵たち。
「…………」
 必然、無言になる新兵たち。その様子に気づいてか気付かずか、ルクスは話を続ける。
「『なんだこの乳臭いガキは』とか思ってるでしょう。思ってますよね。思いましたね」
 なんでそんなに自虐的なの勇者。こんな可愛い勇者そうそういないよ??
「え? 思ってない……?」
 ルクスの呆然とした呟きに、こくこくと頷きを返す新兵たち。

 次の瞬間。

「いまわたしに意見したのはその口か?」
 なんか静かに威圧を放ちながらルクスがキレた。勇者だめまって、それ新兵が一番プレッシャー受けるやつ……!
 だがルクスは止まらない。こういうところは師匠に似てきたよね。
「おまえら訓練で何を習ってきた! 上官に言っていいのは『Yes』か『はい』だ!!!!」
 勇者まってほんとにまって。殺気まき散らしながら、新兵のピュアハートにダイレクトアタックだめです!?
 そんな新兵たちを見かねてか、あるいはルクスを見かねてか。指導役の兵士がとてとてと歩いてきてルクスの横に立つ。
「はい?」
 ルクスが振り向くと同時に、そっと耳打ちする兵士。
「え? 普通でいい? そなの?」
 かっくん、と首を傾げるルクス。ルクスの仕草と声の落差に、もし目の前にいるのが新兵でなければ、膝からかっくんと崩れ落ちるのは必然、というくらい落差あった。
 そう、ルクスはルクスで内心、『軍隊ってこんなでいいんだっけ?』とか思っていたのだ! セーフ、危うく間違った方向に突っ走るところだったセーフ。

「こほん」

 そんなわけで仕切り直し。ちなみに咳払いには『さっきの忘れてくださいね?』というお願いも含まれている。
 普通でいいなら、ルクスにもレクチャーするモノがある。彼女の得意分野だ。
「わたしの講習の内容は、軍隊だけでなく、生きる上でいちばん大事なものかもしれません」
 じっ、と新兵たちの目を見るルクスの目は、先ほどまでと違って自信と経験によって輝いている。
 そしてルクスが言い放った言葉は!
「それはそう、ごはんです!」
 ……はい?
「飢えて勝った軍隊は存在しないんです。ごはんは大事なんです!」
 誰もが知っていることで、しかし絶対無視はできない。キャバリア戦闘だけが戦いじゃないってことをルクスは新兵たちにレクチャーする。
 そう、彼女はエヅケマスターでもあるのだから。

 てなわけでここからはルクス劇場だった。
「おいしいごはんをしっかり食べれば、冷静に行動できますし、やる気も出ます」
 ルクスの言葉に宿る説得力はすごい。それは曲がりなりにも彼女が戦場(?)を駆け抜けてきた証拠である。
「レーションだって、一工夫で美味しく食べられますからね」
 栄養補給とごはんは違う。どちらも大切だけれども、できればごはんを食べて欲しい、とルクスは思う。
「あと、食べられる野草とかも知っておくといいですよ。戦場で緑のものは大事ですからね!」
 そんな感じで周辺が一気にお料理教室へと変わる。
 というか、ルクスがまかない作ってる。いかに講習だけとはいえ、長時間に及ぶ訓練。お腹が空いてくるのも当然というものだ。
 ルクスから手渡される椀には温かいシチューが。
「普段から研究しておけば、いざというときに美味しいものが食べられますから」
 そう言って実演していくのが彼女のすごいところ。
「頑張ってくださいね!」
 そう言ってルクスは新兵たちを全力で応援するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『日暮れの市街地戦』

POW   :    パワープレイ(強硬突撃、強引な突破、性能差を見せつけるなど)

SPD   :    スピードプレイ(高速機動、迂回戦術、側面攻撃など)

WIZ   :    頭脳プレイ(搦手、策を弄しての戦闘、トラップなど)

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●初日:講習会は終わりを告げ
 そんなこんなで、街に来訪した初日における講習会は盛況に終了した。新兵たちは持ち場、あるいは訓練に戻り。猟兵たちは解放された。

 まだ日が高い。あと2~3時間ほど自由時間がありそうだ。
 街の中を散策したり遊びに出かけたり。あるいはさっさと宿舎に戻って休んでもいいかもしれない。
 そういえばステラは『夜には戻る』といっていたが……今は新型キャバリアのメンテナンス中だろうか? そこを訪ねてみるのもいいだろう。

 そうして解散した猟兵たちは、自由時間を満喫……したいところだったが。
 そうは問屋が卸してくれなかったのだ。

●夕暮れ:唐突の襲撃
 それは本当に唐突であった。
 町中に警告のサイレンが鳴り響く。常駐軍のアナウンスが響き渡る。

「敵襲! 敵襲! 兵士たちはすぐに基地へ! 住民の皆さんは地下のシェルターへ避難を!」

 何度も繰り返される警告。
 どうやら巡回しているキャバリア隊の隙をついて、少数がこの街を強襲したらしい。キャバリア隊は敵の囮部隊と交戦中。街を守れるのは残っている兵士のみ。
 本来であれば……この街は絶体絶命なのだが。

「皆様! 緊急事態です! 皆様の得手でご助力ください!!」

 ステラの声が軍の回線から街中に飛ぶ。勝手に使っていいんかい、というツッコミをするよりも早く、猟兵たちは次のアクションへ移る。
「今から指定する回線を開いてください! 私はここから皆様のフォローに回ります!」
 どうも軍の1回線を借り受けたらしい。猟兵たちのみで会話できる回線というわけだ。キャバリアであればチャンネルを合わせればオーケーだし、生身でも軍備である受信送信機を借りれば会話に入れる。
「敵部隊、小隊規模。街の真正面から突撃してきます。キャバリアが出せる人は迎撃に。他の方は街の方の避難誘導をお願いします!」

 緊急事態:日暮れの市街地戦。猟兵たちは巻き込まれるような形で、この市街地戦の対応に当たるのであった。

※補足※
 できること――敵戦力の撃退、住民の避難、要所(基地や街の入り口など)の護衛

 敵戦力の撃退につく場合は、戦闘の章ではありませんが戦闘と同じようにプレを書いていただいて大丈夫です。
 避難誘導をしてくださる方は、地下のシェルターへの誘導および戦闘の余波で崩れてくる街から住民を守ってください。
 要所の護衛につく場合も、戦闘と同じようにプレを書いていただいて大丈夫ですが、基本待ちからの迎撃になります。

 敵は一方向からのみ。周辺への索敵は(シナリオ的には)必要ありません。
 敵機は陸戦型と空戦型の混合部隊。敵機数は30機程度です。量産型キャバリアのみで、エース機はいませんが、熟練したパイロットが乗っているようです。
 戦闘で使用した消耗品や経費はステラ持ちです、ご安心ください。
桐嶋・水之江
小隊をごしょうたい…なんちゃって
暇だったし丁度よかったわ
どう料理してあげましょうか
あ、そうだわ
ここでグレイルとジオルードのデモンストレーションをやりましょう

そこそこの数が来てるのね
じゃあこっちも人形機兵隊で頭数を揃えて…30ずつあれば十分よね
作戦は至って簡単
ジオルードで前線を押し込みグレイルを側面から回り込ませて殲滅させるわ
無理に突破してこようものならパイルでズドン
密集陣形を組んでるならグレネードをどかすか撃ち込ませるわ
ワダツミのメガビーム砲の援護を添えれば完璧よ
空の敵は…私の仕事じゃないわ
他の人が勝手に何とかするでしょ

どう?私の新型機の戦い振りは
気に入った?お買い求めは清く正しい桐嶋技研まで




「あら……?」
 町中に響き渡る警報と緊急を告げるアナウンス。それを聞いても、桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)こと桐嶋博士は特段取り乱す様子もなく。
「小隊をごしょうたい……なんちゃって」
 ……よかった、緊急事態じゃなければ死人が出ているところだった(どっちに?)
「暇だったし丁度よかったわ。どう料理してあげましょうか」
 当の桐嶋博士はその言葉を風に残しながら、白衣を翻してゆったりと街の入り口に向かう。本当に偶然だが、現在位置は桐嶋博士が一番近いらしい。
「あ、そうだわ」
 ぴこん、と桐嶋博士の頭の上で電球が点灯するイメージをご想像ください。
「ここでグレイルとジオルードのデモンストレーションをやりましょう」
 さらっと告げるそのふたつの名は博士の『桐嶋技研』で開発したキャバリアたち。この人さりげなくワダツミ(ワダツミ級強襲揚陸艦のことだよ)で来ているからね。たぶん今ならこの街をユーベルコード無しで滅ぼせるよね、うん。
 そんなわけでワダツミに門の外まで迎えに来させた水之江は悠然と迎撃に向かうのであった。

「そこそこの数が来てるのね」
 ワダツミの艦橋でコンソールを叩きながら索敵。ついでに他の猟兵たちにチャンネルを経由して情報を流しておく。
「じゃあこっちも」
 自身の席から立ち上がり、向かう先は格納庫。そこに在るのは先に述べた『グレイル【グレイル級キャバリア】』と『ジオルード【ジオルード級キャバリア】』である。

 扱い易く生産性に優れたグレイルと頑丈な構造を有するジオルード。装備は同じくアサルトライフル・グレネード・パイルシールドという構成だが、コンセプトが違う。

 その2機の前に立ち、水之江が命令として叩き込むのは【機巧の魔女の人形機兵隊】。ユーベルコードで頭数を増やしたグレイルとジオルードが格納庫と甲板にずらーっと並んだ。
「30機ずつあれば十分よね」
 博士!! 多いよ!! 敵機30機程度ってステラが言ってたでしょ!

 動揺したのはもちろん襲撃してきた敵機群――隣国のキャバリア隊である。
「なんだあの小隊は!!」
「この街には戦力残ってないんじゃなかったのか!」
 彼らにしてみれば味方が主戦力を釣り出して、ここに残っているのはほぼいない、というのを確認してから突撃してきたというのに。
 蓋を開ければ見れば、街の入り口なんて到底見えないほどにキャバリアがいた。
「ええい、ここまで来たら引き下がれん! 怯む……っ、散開しろっ!!」
 隊長と思しき男の声でキャバリア隊が一気に散開する。その間を突き抜けるのは。
「あら……意外と俊敏ね」
 ワダツミからメガビーム砲をぶっぱした桐嶋博士のお言葉である。援護射撃には十分。おかげで少数精鋭のキャバリア隊がさらに3つに分かれた。
「往け、忠実なる機兵達よ……なんちゃって」
 そのひとつへジオルード隊を突っ込ませる水之江。パイロットが乗っていない、所謂ハリボテではあるが、質量はあるし兵装も本物だ。
「数は力……戦術の基本よね」
 そう呟く桐嶋博士の前、モニターの中ではジオルード隊と敵キャバリア隊が激突していたのである。

「硬い……! ソードが通らん!」
「だが、この程度の動きなら! 1機ずつ連携して潰すぞ!」
 ジオルードが押し寄せてくる様に対して、敵キャバリア隊は連携攻撃によって1機1機を倒していく。だが硬い。とにかく硬い。時間がかかった分だけ、敵キャバリア隊は囲まれていく。
「ちっ……!」
「突出するな! フォローしていけば戦える!」
 逸る味方機を押し留めて密集陣形を取る敵キャバリア隊。均衡、いやパイロットが乗っていない分だけ敵キャバリア隊に優勢か……。そんな時に空から降ってきたのは、大量のグレネード弾である。

「え? 撃つでしょ?」
 固まってるんだし。というか固めたし。
 桐嶋博士の立てた作戦はシンプル。装甲の頑丈なジオルードで押し込んで側面からグレイルでズドン。そのズドンが今発射したグレネード弾だ。ジオルードを巻き込んでいるが、特段問題ない。その程度で中破するような機体ではないから。

「ぐあぁぁぁっ!」
「落ち着け! まだ動ける!!」
 大量のグレネード弾は致命的であった。それでもまだ機体が死んだわけではない。撤退だけなら……。
 そんな希望を撃ち砕くかのように、退路へ回り込むグレイルたち。その手にはアサルトライフルとパイルシールド。
「……っ!」
 敵キャバリア隊が息を呑むのと同時に、グレイルたちのアサルトライフルが火を噴く。
「えぇいっ!!」
 弾幕の中を強引に突き抜けていく敵キャバリア――フィールドランナー。半戦車形態なら……! 弾丸を弾き返しながら退路を作るフィールドランナーの前に、グレイルが数機立ち塞がる。その手に構えているのはパイルシールド。それを……突撃とともに突き出す!!
 鈍い音と同時にグレイルが吹っ飛ばされ、しかしフィールドランナーの駆動系に突き刺さったパイルが楔となって、完全に機動停止に追い込む。
「くっ……だが退路は」
 と言いかけて。敵兵士は呆然とする。
 ほら、博士が奮発したから機体数。絶望させるには十分な数のグレイル機がまだそこらに無傷でいた。
「……あ」
 再びグレネード弾とアサルトライフルの分厚い弾幕に、今度こそ敵キャバリア隊の一角は完全に沈黙したのである。

「パーペキね」
 ワダツミの艦橋でワインでも飲みだすのか、っていうくらい悠然と告げる桐嶋博士。そのワダツミの上を空戦特化キャバリアが飛び越えていく。
「空の敵は……私の仕事じゃないわ。他の人が勝手に何とかするでしょ」
 そういって、桐嶋博士は目の前の戦果に満足そうに微笑む。
「どう? 私の新型機の戦い振りは」
 と話しかける先はコンソール……ではなく、どうも基地に繋がっているらしい? あ、チャンネルか。軍も見れますしね。
「気に入った? お買い求めは清く正しい桐嶋技研まで」
 ちゃっかりアピールしていく桐嶋博士。
 クロムキャバリアに桐嶋技研あったっけ? とか思っちゃいけませんよ?

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
シルが講習しているって此処かな
っとこれは演習…実践…どっちでもいいや
兎に角無力化させねーと

UC発動
【戦闘知識】
敵の動きと狙いを把握

【属性攻撃】
炎を機体に付与
【見切り・第六感・残像・空中機動・武器受け・オーラ防御】
高速で飛び回りながら敵の攻撃は回避
複雑な機動で攪乱

【弾幕・貫通攻撃・重量攻撃】
ドリルビットとガンドライド展開
重力弾の弾幕を展開して敵の動きを止めて
四肢等をドリル攻撃で貫いて無力化
【二回攻撃・早業・串刺し】
剣のよる斬撃で敵の武装や四肢を切り裂き
槍に切り替えて駆動系の重要な部分を貫く
コックピットは狙わず乗ってる人は捕まえるぞ
後で何者かをしっかりと尋問しないといけないだろうからな!



●おやつどき
「シルが講習しているって街は此処だったはずなんだが……」
 どこかで話を聞きつけてきたのか、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は街中を歩いていた。
 まぁそうはいっても簡単に見つかるような街の広さでもなく。
 その時まで街中を散策することになったのである。

●そして夕暮れ
 街中に響く警報。それを聞いてテラも気を引き締める。
「これは演習……じゃないな」
 街の中の騒然さ、そして街の外から聞こえる戦闘音。そもそも機密である軍設備にステラが乗り込んでいるのだ。演習であるわけがない。
(兎に角無力化させねーと)
 街の外までテラが駆けつけた時には既に戦闘が開始されていた。
 呼び出すのは三界神機『ヘカテイア』、虚空より現れる謎の機神。へカティアに乗り込みつつ、テラは星刃剣『グランディア』を握りしめる。
「グランディアよ……全ての存在がもつ原初の力よ。我が身に宿り力と成せ……! グラビティフィールド……展開!」
 へカティアの全身に超重力フィールドを纏ったテラは戦場を見据える。

 まだ、街と敵機群までは距離がある。どうやら索敵が上手く働いて、ギリギリ防衛ラインに引っかかった感じだ。だが、陸のキャバリアを飛び越えるように数機、街に向かって空戦特化キャバリアが飛翔してくる。
「ちっ……!」
 舌打ちしながらテラがRS-F『ガンドライド』とF-RXドリルビット『エンプーサ&モルモー』を放つ。
 まずは宙に浮いたガンドライドたちが弧を描くように展開、その砲身から重力弾の弾幕を放つ。それで動きを止めた空戦特化キャバリアに突撃するドリルビット。キャバリアの翼を貫くも、機動停止まではまだ
「なら……!」
 墜ちながらなお、街を目指すキャバリアに跳躍して肉薄するテラ&へカティア。剣のよる斬撃で今度こそキャバリアの翼を切断し、剣の腹でそのまま地に叩き落す。そのまま息のつく間を与えず、持ち替えた槍を空中から投擲。大地に縫い付けて行動停止に追い込む。
 数機すべてにそのように対応しつつ、コックピットは狙わずに仕留めていくテラ。
(後で何者かをしっかりと尋問しないといけないだろうからな!)
 こうして空の第一波はテラ&へカティアが押し留めたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

チェスカー・アーマライト
弾薬費の肩代わりはマジに助かる
お言葉に甘えて大盤振る舞いと行こう
オブリビオンマシンに比べりゃ
肩慣らしみてーな相手だが
ま、これも仕事だ
いつも通りキッチリやらしてもらうぜ

ビッグタイガー、スタンディングモード
脚部側面のアンカーを地面に打って機体固定
これでスタンディングモードでも戦車砲を使える
当然こちらは動けねーが
濃密な弾幕を展開して
敵を寄せ付けなけりゃ問題無え
戦車砲に装填してるAPFSDS弾は
杭みたいな弾芯を
金属が融解する程の速度で叩き込むシロモノだ
生半可な装甲相手なら
複数の機体を纏めて貫ける事もある
誤射には気をつけつつ
普段は温存してる砲弾を
両手のライフルとマシンガンと一緒に
しこたま連射するぜ




 街に攻めてきた敵キャバリア隊。既に応戦に出ている猟兵たちもいて、彼女らが前線で街への接近を食い止めている。だが敵も熟練したもの、戦力を分散して街への侵略を優先すれば、必然と前線を突き抜けてくる個体が数機。
 だが、その前にもまた猟兵が待ち構える。

「弾薬費の肩代わりはマジに助かる。お言葉に甘えて大盤振る舞いと行こう」
 チェスカー・アーマライト(錆鴉・f32456)は愛機『ビッグタイガー』のコックピットで不敵に笑う。
 弾幕。これをどこまで張れるかが防衛のポイントだ。個人で活動している傭兵ではその辺の経費も考えないといけないが、そこを持ってくれるというなら戦い方も変わる。
 ビッグタイガーをスタンディングモードに変形させて、脚部側面のアンカーを地面に打って機体を固定する。
(これでスタンディングモードでも戦車砲を使える)
 もちろん固定によってこちらの機動力はゼロになっているわけだが、そこは先に言った『濃密な弾幕』でフォローできる。
「オブリビオンマシンに比べりゃ肩慣らしみてーな相手だが……」
 前線を抜けて地を滑るように突撃してくる敵機を確認したチェスカー&ビッグタイガーは『パジョンカ』とBXS-PMG42『電動ノコギリ』を構える。
「ま、これも仕事だ。いつも通りキッチリやらしてもらうぜ」
 出会いがしらの挨拶といわんばかりに、パジョンカから弾丸をばら撒くのであった。

「ちっ、こちらにも敵機が!」
「1機な上に、固定砲台だ! 突破しろ!」
 5機ほどのチームを組んだ敵機――カルキノスが突撃してくる。高機動型、その推力を頼りに一気に街に迫らんとするが。
「敵は寄せ付けなけりゃ問題無え」
 それを押し留めるかのごとく、チェスカー&ビッグタイガーの放った弾幕がカルキノスたちを飲み込む。何せ弾数を気にする必要はない。とにかく撃ち続けれればいいのだ。ビッグタイガーの両手に持ったパジョンカと電動ノコギリから弾丸がしこたま吐き出される。
 その弾幕に足をとどめるカルキノスたち。
「だがこの程度なら……突き抜ける!」
「了解しました!」
 濃密な弾幕ではあるが、どこまでいっても通常弾。カルキノスとて名を馳せた量産型キャバリア。ただの弾幕で墜ちるほどヤワな装甲はしていない。
 その丈夫な装甲を頼りに弾幕を突破……させないのがチェスカーだ。
「そう簡単にいくわけないだろ?」
 直後、ビッグタイガーの主砲――戦車砲が火を噴く。

 がごんっ。

 鈍い音がして先頭を走っていたカルキノスがくの字に折れて大破する。
「とっておきだ」
 チェスカーが言ったのは戦車砲から放った砲弾のこと。『APFSDS弾』、杭みたいな弾芯を金属が融解する程の速度で叩き込むシロモノ。桁違いの貫通力を誇るソレはカルキノス程度の装甲では防ぎようもない。
 弾薬費の肩代わりはここでも機能する。
「真っ向からの削り合いならビッグタイガーに分がある。根比べと行こうじゃねーか!」
 【人力パトリオット】――アンカーを地面に打ち込み、全武装斉射を行う要塞と化したビッグタイガーからあらゆる砲弾と弾丸が斉射される。
「しこたまお見舞いしてやるぜ」
 普段は温存してるAPFSDS弾をしこたま連射するチェスカー。
 その攻撃の前に、カルキノスたちは成す術もなく、撃墜されていくのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

支倉・錫華
30機か。それなら1人6~7機ってとこだね。

新兵のみんなは街の人の避難をお願いね。
戦いたいと思うけど、こういう無茶してくるのはだいたい手練れって決まってるし、
住民の安全が、みんなの一番の任務だからね。

それと……これからわたしたちがすることは『絶対に』真似しちゃダメだからね。
しっかり言い含めて、ギムレウスを借りたら【チューニング】で移動力5倍、装甲半分にして、
こっちに向かってくる敵にランチャーで煙幕弾を撃ち込んで目くらまし。

【アーマーパージ】でさらに速度を上げたら、その辺にあった剣とか持って突撃。ノルマ+1くらい落としたら撤収かな。

新兵のみんなは、ギムレウスをこんな使い方したら、ダメだからね。




 けたたましく鳴り響く警報。続いて緊急アナウンス。それが基地から街中に響いた時、支倉・錫華(Gambenero・f29951)はその基地の中にいた。何かをしていたわけではないのだが、流れで、なんとなく。こっそり忍び込んでいたともいう。
「敵戦力規模……30機か」
 猟兵用のチャンネルに流れてきた索敵情報を確認して、錫華が『ふむ』と頷く。
「それなら1人6~7機ってとこだね」
「「「!?」」」
 錫華の呟きを聞きつけた新兵たち(緊急事態の中、講師をしていた錫華を見つけて近寄ってきました)が三度見するくらいの勢いで錫華を凝視する。しかし、当の錫華は気付いていない、というか視線に気づいて『ん?』って顔をしている。
「みんなは街の人の避難をお願いね」
 本来であれば、新兵たる彼らは傭兵――猟兵たちの制御下に無い。いかに着任したばかりといえど、残っている指導役の元、全力で迎撃に出るのが普通。しかし、そこら辺はステラが交渉しているのであろう。当の指導役たちも既に街中へ出て、住民たちの避難誘導を行っている。
 ゆえに彼らは錫華に指示を求めたというわけだ。
 だが彼女は出撃するのを良しとしない。
「戦いたいと思うけど、こういう無茶してくるのはだいたい手練れって決まってるし」
 タイミングが悪すぎる。まだ自身のキャバリアすら配備されていないのだ。無駄に命だけを散らす結果しかないのであれば、今の最善は傭兵たちが打って出ることだ。
「住民の安全が、みんなの一番の任務だからね」
 そう言って新兵たちを街へ向かわせる。こればかりはいかに腕の立つ傭兵たちでも簡単にはいかない。『信頼』がものを言うからだ。
 『こっちはまかせて』と錫華は基地に格納されているギムレウスの元へ駆け出そうとして、ぴたっと止まって振り返る。
「それと……これからわたしたちがすることは『絶対に』真似しちゃダメだからね」
「「「???」」」
 錫華の釘刺しに首を傾げながら、自身の任務に取り掛かる新兵たち。錫華の言葉の意味を理解したのは、この迎撃戦が終わってからである。皆して『あー……』って顔をしたという。


 新兵たちをしっかり言い含めた後。
 練習用のギムレウスを拝借した錫華が参戦。
 錫華の駆るギムレウスはさっきまで新兵たちが講習で触っていたギムレウスとは全然別物になっている。新兵たちが見たら、『いや、ギムレウスそんな動きしないから?!』っていうレベルの移動速度。どうやら装甲を犠牲にしてその速度を実現したらしい。【脈動臨界チューニング】、錫華が掌握した、量産型キャバリアの可能性の極点。真似しようとしても出来るものじゃない。
 そんな錫華&ギムレウスの前に、前線を抜けてきた敵機数機が現れる。
(ローエンド機……じゃあ)
 流れるような思考で錫華がランチャーを発射。煙幕弾を撃ち込んで目眩ましを放つ。
(低火力・低装甲・高機動……だっけ?)
 記憶から敵機の特徴を引っ張り出しつつ。エンジン出力の脈動点すら利用し、極限までピーキーにしたチューニングしたギムレウスのスピードで敵機に肉薄。機体質量で体当たりした後、素早くその手にあったナイフを奪い取る。
「まず1機」
 体勢を立て直すより早く、ナイフを一閃。敵機の駆動部を破壊して機動停止に追い込む錫華&ギムレウス。
「なんだこのギムレウス!」
「砲撃特化機体だろ!?」
 錫華&ギムレウスの動きと煙幕によって動揺が広がっている敵機チームに錫華は止まらず、次の攻撃を繰り出す。
「あげてくよ」
 スピードの話。【アーマーパージ】によってさらに速度を上げたギムレウスが素早い一撃によってさらに1機沈める。ナイフは使い捨てのごとく、一回使ったら投げ捨て、撃墜した敵機の手から新しいナイフを奪い取って。煙幕の中で次々と敵機を仕留めていく錫華。

 そして煙幕が晴れた時。その場に立っていたのは錫華&ギムレウスだけであった。
「うん、撤収かな?」
 スコア、8機。いや、ゲームじゃないんだけれども。
 敵戦力規模からすれば十分すぎる戦果だ。
 ギムレウスを駆って基地まで下がる錫華。
「新兵のみんなは、ギムレウスをこんな使い方したら、ダメだからね」
 一応、通信回線にそう言っておきました。

成功 🔵​🔵​🔴​

支倉・燐華
ギムレウスRC(燐華カスタム)で出撃ですよ
さて、先程、姉様が「量産機は特別に尖った性能はない」と言っていましたが、例外も結構あります
ウォッグなどの水陸両用機もそうですし、砲戦機のギムレウスなど特化機というのは時として得意分野ではクロムキャバリアにも劣らぬどころか凌駕することもあります
ファングや地雷施設装備といった近接装備を外して砲戦に振り切ったこの機体ともなれば余計に
背部キャノンにミサイルポッド、サブアーム保持のバズーカ、手持ちのマシンガン、ついでにパトローネファウストと
瞬間火力投射は下手なクロムキャバリアどころかモノによってはスーパーロボット並ですよ?
ですので、火力支援はお任せを




 敵隣国からの突然の襲撃。相手からしてみれば『街の主力が留守の間を狙った強襲』だったはずが、偶然居合わせた猟兵たちによって迎撃を受けている。
 戦争は数だ。それを実現する量産機は強い……が。その常識すら覆すのは一騎当千の猟兵たち。
 その一角、支倉・燐華(戦闘侍女・f31277)は別の意味で『別の意味』で常識の外を征く。

「さて、先程、姉様が『量産機は特別に尖った性能はない』と言っていましたが」
 燐華がコックピットの中でコンソールに指を滑らせていく。
「例外も結構あります。ウォッグなどの水陸両用機もそうですし」
 呟きながら燐華の手は止まらない。その動作はルーチンのように体に染みついていて、そしてキャバリアを駆る彼女らの生命線。
 システムグリーン。彼女の乗る機体が駆動音をあげて、ゆっくり立ち上がる。
「砲戦機のギムレウスなど特化機というのは時として得意分野ではクロムキャバリアにも劣らぬどころか凌駕することもあります」
 燐華の言う通り。
 でなければ、この世界の主力はクロムキャバリア一辺倒になっていておかしくない。そうじゃないということこそが『量産型キャバリアは強い』という証左だ。
 そしてその証左が結実した機体こそ、燐華の駆る『ギムレウスRC(燐華カスタム)』。ギムレウスの標準装備であるファングや地雷施設装備といった近接装備を外して、砲戦能力に振り切ったこの機体ともなれば。
「瞬間火力投射は下手なクロムキャバリアどころかモノによってはスーパーロボット並ですよ?」
 言うが早いか、ギムレウスRCの背部キャノンが発射される。雑に撃たれたような砲撃は、しかし突き進んできたドッグ隊の先頭、その足元に的確に突き刺さり、爆発とともに機動力を奪い取る。
「くっ、このっ、うごけっ!」
「無理をするな、援護しろ!」
 損傷したドッグがキャノンモードに変形。自分たちを追い越して街へと進む僚機の支援に砲撃を開始しようとするが。
「遅い」
 既に燐華&ギムレウスRCは次の一手を打っている。いや、撃っていた。両肩に背負ったミサイルポッド、そのロックをオープン、中の弾頭を全弾残らず射撃。移動力を捨てたキャノンモード・ドッグへ雨あられとミサイルを叩き込む。
「おいっ!? くっ……!」
「余所見している暇があるのですか?」
 僚機が撃破され、思わず振り返ったドッグ隊に。燐華が肩から伸びたサブアームで保持しているバズーカと手持ちのマシンガンを一斉射撃。機動力頼りに突っ込んでくるドッグの一団を弾幕で飲み込む。
「ちぃぃぃっ! この程度で、沈むかぁっ!!」
「ではついでに」
 強引に弾幕を抜けてきたドッグへ、燐華は冷静にパトローネファウストを発射。がごんっ、と鈍い音がした後。ドッグが派手な爆発を巻き起こして大破する。
「撃って撃って撃ちまくるとは、よく言ったものです」
 燐華&ギムレウスRCによる【バラージファイア】。本来は弾幕による牽制、着弾の衝撃やダメージによって敵機の動きを一時的に封じる……ものなのだが。
「……うーん?」
 燐華が思った以上に敵機の装甲が薄い。牽制攻撃で墜ちていっているのだ。
「ああ、もしかして動力炉がオーバーロードしているのですか?」
 キャノンで間近まで近づいていたドッグを大破に追い込みつつ、燐華は冷静に観察。
「火力支援はお任せを……と言いたかったのですが」
 思わず愚痴をこぼす燐華。火力支援どころか、主力でした。
 そんなわけで街に近づいてくる敵機を叩き落して、燐華は鉄壁のガードを化すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

チロル・ツークシュピッツェ
わぁ~、講習会はタルイからサボってたけど、これは流石に仕事した方がいいよねぇ?
いや、もうほぼ終わってるかな?でも、やっちゃうんだよぉ~♥

ガレオノイドからツークシュピッツェ級水陸両用双胴戦闘空母五番艦チロルの姿になるよぉ
右舷がキャバリア空母、左舷が戦艦のホバー双胴艦だよぉ
異世界で百年近く幽霊船やってたけど、こっちじゃ撃沈から半年経ってないから艦種は現役バリバリだよぉ~、艦載機もねぇ♥
というわけでー、サブフライトシステムのゾーリに乗ったジェネムⅡ隊をどんどん発艦させて空戦機の対応にあたらせるよぉ
主砲のビーム連装砲、副砲の実体弾連装砲も撃っちゃうんだなぁ~これが
味方の砲撃に当たるざぁこはいないよね?




 街を襲撃してきた敵隣国キャバリア隊。
 しかし、猟兵たちの迎撃によって被害はほぼ無く、逆に押し込まれている状況だ。
「わぁ~、講習会はタルイからサボってたけど、これは流石に仕事した方がいいよねぇ?」
 と戦場まで駆けつけてきたチロル・ツークシュピッツェ(メスガキガレオノイド・f34507)であるが、まぁ、その、なんだ。こちらの戦力的に負けているとはとても思えない。
「いや、もうほぼ終わってるかな? でも、やっちゃうんだよぉ~♥」
 そう言ってチロルはユーベルコードを発動。かつての姿、ツークシュピッツェ級水陸両用双胴戦闘空母五番艦チロルに変身する。右舷がキャバリア空母、左舷が戦艦という、ホバー双胴艦。
 ついで発動するのは【悪霊懲罰部隊】。呼び起こすのは『艦』の時代の、今は亡きクルーたち。
「アタシを撃沈させられた、ざぁ~こ部隊でも今度はアタシを護ってみせてよぉ~♥」
 と、彼らをパイロットとして、サブフライトシステムのゾーリに乗ったジェネムⅡ隊を編成。どんどん発艦させて空戦機の対応にあたらせる。

 前線に動きがあった。陸戦型キャバリアの頭上を軽やかに飛翔する機動殲龍。作戦は何段階にも練られている。陸戦型キャバリアの進軍が止まったなら、空から攻めるしかない。味方の危機すら放置して、空から舞い降りる機動殲龍に。
「撃っちゃうんだなぁ~これが」
 空に並んだジェネムⅡ隊から主砲のビーム連装砲、副砲の実体弾連装砲が全力で発射される。数によって弾幕を形成すれば、機動殲龍たちも軌道を修正して上昇するしかない。しかし、ジェネムⅡ隊の数は機動殲龍たちを上回る。弾幕役とは別の、追撃を主任務としたジェネムⅡ隊が機動殲龍を追撃。後ろからビームで撃墜していく。
「楽勝かなぁ~これは」
 艦の姿のまま、街の前に鎮座するチロル。その上にもゾーリに乗ったジェネムⅡ隊が発進準備を完了した状態でずらり。
 敵戦力の空からの襲撃はどうやら完全に失敗したようである。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
戦友のユーフィさん(f14574)と同行希望

ふぅ、終わったーって思ったら、まさか襲撃あるなんて…
まぁ、それならそれで、迎撃行きますか。
ちょうど、新兵さんへの見本にもなるかもしれないしね

…ブルー・リーゼ、シル・ウィンディア、行きますっ!
陸戦型のメインはユーフィさんにお任せして、わたしは空戦型に対応するよ

高度に気を付けて、推力移動で加速してからの空中機動っ!
まずはご挨拶に一発…
ホーミングビームとビームランチャー(連射モード)、ツインキャノンの一斉発射での範囲攻撃だね

これで仕留められるとは思ってないけど、陣形を崩せたら…
急加速で敵機に接近っ!
ビームセイバーで推力部や空戦ユニットを切断していくよっ!

空さえ飛べなければ、ただのキャバリアだしね
ユーフィさん、地上の敵は任せたよー

敵の攻撃は、バレルロールや急加減速での残像を生み出す機動で回避
被弾しそうな時は、オーラ防御で致命箇所を防いでいくよ

後は、ホーミングビームで敵を動かして、丁寧にランチャー・ツインキャノンで撃ち抜いていくね

…ふぅ、お仕事終わりっ♪


ユーフィ・バウム
戦友のシル(f03964)さんと共に戦いたいですね

終わったと思ったら突然の襲撃ですね
新兵さんの見本になるよう、
実戦でも張り切りましょうか
敵戦力の撃退へ――
ブライト・ナイト――ユーフィ・バウム。参ります!

空の敵はシルさんが対処してくれます
今回は陸での戦いをメインに、
パワープレイで押していきましょうか

近づく敵にこちらからも【ダッシュ】で寄ると
BX-Aブリッツ・ファウストに自慢のオーラの【衝撃波】を
まとわせ、近づく敵を拳撃一閃!【なぎ払い】で
叩き込みます

まとめての攻撃で機先を制したところで、
さらに間合いを詰め、1機1機倒しますよ

シルさんの攻撃で空が飛べなくなった敵機体も含め、
ブライトナイトの【鎧砕き】の拳撃をお見舞いなのです

敵からの攻撃は【見切り】機動力を生かし避けつつ
避けきれないものは【オーラ防御】を噴出、
弾き飛ばして見せましょう
軽い機体に見えるかもしれませんが、私同様に頑丈な機体です!
そのくらいで倒れるものですか!

囲まれないようにして一度に戦う敵を絞れば
確実に倒せますね

よし、勝ちましたっ!



●お休みしてたのに……
 街中にけたたましく鳴り響く警報とアナウンス。それは新兵との交流を終え、『お夕飯どうしよう?』と悩んでいたシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)とユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)の上にも等しく降ってきて。
「ふぅ、終わったーって思ったら……」
「突然の襲撃ですね」
 シルとユーフィがため息とともに顔を見合わせる。
「まぁ、それならそれで、迎撃行きますか」
 気を取り直してシルがそう呟けば、ユーフィがこくりと頷く。
「ちょうど、新兵さんへの見本にもなるかもしれないしね」
「新兵さんの見本になるよう、実戦でも張り切りましょうか」
 そう言って隣に並んだシルとユーフィは軽くハイタッチをして。
 再び街の外へと舞い戻ったのである。

●街の裏手に
 街の外、正面。奇襲を仕掛けてきた敵隣国キャバリア隊はもはや虫の息であった。
(どうにか大きな被害なく終わりそうですね)
 基地のオペレート席で、ほっと胸を撫で下ろすステラ……の前でモニターが新たな敵影を捕捉する。
「なっ?! さっきまで反応なかった……ステルスですか!?」
 しまった、と思いながらステラが猟兵への通信チャンネルを開く。マイクを握り、『皆様!』と叫びかけて……。
「……あれ?」
 今度はステラが首を傾げる番だった。街の裏へ回り込んできた敵小隊の前に、何故か味方機の識別信号が2つ。
「えーと……?」
 ステラの間抜けな声がチャンネルに流れる。前線の猟兵たちは理由がわからず首を傾げるばかりで。
「こちらはわたしとシルさんが」
 そこへユーフィの声がチャンネルに流れる。
「あ、お手本にしたいからドローンで撮っておいてよ」
 とリクエストまでしてくるシルがいる。そう、迎撃準備万端なユーフィとシルが既にそこにいたのである。二人の第六感と野生の勘が成す危機察知能力がレーダーを上回ったのだ!

「ブルー・リーゼ、シル・ウィンディア、行きますっ!」
「ブライト・ナイト――ユーフィ・バウム。参ります!」
 そう言って、シルの駆る精霊機『ブルー・リーゼMk-Ⅱ』とユーフィの駆る輝闘機『ブライト・ナイト』が敵戦力の撃退へ突撃したのである!

●地
 敵機の構成は、陸を突き進んでくるステルス機ナイトゴーストと空を飛ぶ機動殲龍。表に気を取らせてさらに少数で裏手から突っ込んでくる作戦だったらしい。

 だがその前に立つシル&ブルー・リーゼとユーフィ&ブライト・ナイト。
「こっち、任せて!」
「はい。ではわたしはこちらを!」
 空を飛ぶブルー・リーゼと大地に構えるブライト・ナイト。必然、対応する機体は各々得意なフィールドに分かれて

「……! 逃がさないよ!」
 シルのブルー・リーゼを見て、高度を上昇。ブルー・リーゼを迂回して街へ突撃しようとした機動殲龍たちに対して、ブルー・リーゼも高度を上げる。
(高度に気を付けて……加速っ!)
 先の講習で伝えたように。殲禍炎剣を避ける高度は頭の中に叩き込んである。その高度を越えないように、そして推力フル稼働で加速して空中機動を仕掛けるシル&ブルー・リーゼ。
 それを嫌うように機動殲龍は3次元機動でブルー・リーゼを振り切ろうとすれば、空でぶつかり合う両陣営が空を上昇していく。

 機動殲龍を引き付けてくれたシルを見上げて、『らしい』とちょっと微笑み。ユーフィは表情を引き締めて視線を前に戻す。
(空の敵はシルさんが対処してくれています。なら)
 自分は自分の役目を果たそう。
 ぐっ、とユーフィが構えを取れば、ブライト・ナイトもまた同じ構えを取る。トレースシステムによって、今やブライト・ナイトの体はユーフィの体に等しい。

 直後、射撃音。敵機からのライフル射撃によって弾幕を形成するほどの弾丸の雨が飛来するが。
「……っ」
 ユーフィの目がその弾丸の起動を見切る。脚に力を籠めれば思い描いた通りにブライト・ナイトが機動してその弾丸を回避していく。しかし、弾幕が厚い。全てを回避するのは不可能。
「ですがっ!」
 掌を開いて前に突き出せばその前に噴出されるオーラの盾。直撃コースの弾丸を弾き返し、かすめた弾丸は装甲に食い込むことすら許されず、弾かれていく。
「軽い機体に見えるかもしれませんが、私同様に頑丈な機体です! そのくらいで倒れるものですか!」
 裂帛の気合とともに、オーラの盾を展開したまま、ユーフィ&ブライト・ナイトが地を駆ける!
(今回は陸での戦いをメインに……パワープレイで押していきましょうか!)
 思考はそのまま行動に、行動はそのままキャバリアの動きに。一気に間合いを詰めて肉薄したブライト・ナイトが流れるような動きでが『BX-Aブリッツ・ファウスト』を握り込む。ユーフィの意志に応じて彼女自慢のオーラを纏わせれば、同時に発生する衝撃波。
「いけっ!」
 間髪を入れず、ナイトゴーストに拳撃一閃! なぎ払うように叩き込まれた拳がナイトゴースト数機をまとめて吹き飛ばす!
「うぉっ?!」
 集団行動をしているがゆえの弊害。先頭から吹き飛んできた僚機を回避、あるいは受け止めるナイトゴーストたちが強いられた『その動き』が隙となる。
「そこですっ!」
 そこへさらに間合いを詰めてきたユーフィ&ブライト・ナイトが今度は真正面から拳を叩き付ける!
「1機1機倒しますよ!」
 射撃戦から接近戦に移行しきれないナイトゴーストたちを、ユーフィ&ブライト・ナイトが着実に機動停止へ追い込んでいくのであった。

●空
 一方、シル&ブルー・リーゼは。
「よっし、動き覚えたっ」
 空中戦の中で機動殲龍の動きをようやく捉えた。直後、ブルー・リーゼが空中で一瞬、急制止。
「まずはご挨拶に一発……」
 とシルが軽く呟いてトリガーを引く! 直後、BSビームランチャー『ブラースク改』(連射モード)とBS-Sホーミングビーム砲『リュミエール・イリゼ』とBS-Sツインキャノン『テンペスタ』の一斉発射で範囲攻撃が放たれる。
 その場から飛翔して離脱するブルー・リーゼの下でビームの嵐が機動殲龍たちに襲い掛かる。
「どこが……挨拶だっ!?」
「むしろ全力だろそれ!!」
 どうやら通信がオープンになっていたらしい。シルのほんわかした口調とは裏腹に、痛烈な範囲攻撃をどうにか3次元機動で回避する機動殲龍のパイロットたち。
「あー、やっぱりこれで仕留められるわけないかぁ……」
 言葉とは裏腹にそうは思っていなかったシルさんであるが、ちょっと残念そうな声。そのシルに対して機動殲龍たちは速度をあげながらミサイルと機銃による追尾攻撃を放つ。
「あ。あぶないあぶない」
 機動殲龍からの初撃を急加速で回避。そのまま速度を落とさず、追尾攻撃をバレルロールで回避しながら接近していくブルー・リーゼ。そのブルー・リーゼに対して、機動殲龍たちも軌道を読んで、正面を塞ぐ。後方からの追尾攻撃と挟み撃ち!
「くらえっ!」
「甘いよっ」
 正面からの攻撃を腕に展開した魔力とオーラの盾で弾き返しつつ、空を疾駆するブルー・リーゼが敵機に急速接近する。
「ていっ!」
 すれ違いざま。ブルー・リーゼがBXビームセイバー『エトワール』を一閃。その一瞬で、推力部や空戦ユニットを切断していくシル。
「空さえ飛べなければ、ただのキャバリアだしね」
 いとも簡単に言うシル。しかしその言葉の通りに機動殲龍たちは空を飛ぶ力を奪われ、落下していくのみだ。
「ユーフィさん、地上の敵は任せたよー」
 通信回線を開いて地上のユーフィに話しかけるシル。誘導も上手く、ユーフィがいる付近まで戻ってこれたようだ。
「はーい」
 通信回線から元気なユーフィの返事が返ってくるのであった。

●天地を制する
 囲まれないようにして一度に戦う敵を絞りつつ、ナイトゴーストの群れの中で暴れ回るユーフィ&ブライト・ナイト。そこへシルの攻撃で空を飛べなくなった機動殲龍が墜ちてくる。
(ここで一気に……決めますっ!)
 ぐっ、と拳を握り込んで腰に構えるユーフィ。その動きと連動して白く輝く闘士もまた構える。
「行きますよぉっ! これが森の勇者の、一撃ですっ!」
 突撃しながら放つ拳の一撃。それは本来であれば、ユーフィの鍛え上げられた豊満な肉体から放たれる、超高速かつ大威力の一撃。それがブライト・ナイトの機体によって放たれる。いかなる鎧すら砕かんとする一撃は至近距離にいたナイトゴーストを捉えて。
 その衝撃は1機を砕くだけでは収まらず。機体を貫通した衝撃が後続の機体をも破壊していく。墜ちてきた機動殲龍ごと一群を破壊して行動不能に追い込むユーフィ&ブライト・ナイト。

「おー。ユーフィさんやるねー」
 空に残っていた機動殲龍を相手にしながら、地上の戦況を見ていたシルがそう言って微笑む。
(後はっと)
 目の前の機動殲龍を叩くのみ。シルの目の前にはブルー・リーゼのホーミングビームによって一箇所に追い込まれた機動殲龍たち。
「撃ち抜くっ」
 そこを丁寧にビームランチャーとツインキャノンで撃墜していくシル&ブルー・リーゼ。
「……ふぅ、お仕事終わりっ♪」
「よし、勝ちましたっ!」
 シルとユーフィの声が同時に通信回線に流れて。二人は回線越しに笑うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『イカルガ』

POW   :    クイックスラッシュ
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【ビームソード 】から【連続斬撃】を放つ。
SPD   :    クイックショット
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【アサルトライフル 】から【連続射撃】を放つ。
WIZ   :    マイクロミサイル
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【超高機動小型誘導弾 】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●襲撃の顛末
 結果として。
 国境付近にあるこの街を襲撃したのは今戦争をしている敵隣国からのキャバリア隊であった。防衛ラインを突破しつつ、陽動と奇襲を組み合わせて一気呵成にこの街を獲るつもりだったのである。
 しかし、想定外は傭兵――猟兵たち。敵とて少数精鋭を突っ込んできたのだ。熟練のパイロット擁する強襲部隊は、振り返ってみれば結構容赦なく、ボッコボコにされて捕縛されたという結末に終わった。
 まぁここから先は国同士の話なのでそちらに預けるとして。

 街を防衛した傭兵たちは、基地の兵士たちにも街の人々にも感謝され、夜は歓待の宴であったらしい。そんなわけで街の夜は騒がしく楽しく、猟兵たちを包み込んだのでした。

●一夜明けまして
 猟兵たちは用意されていた宿舎にて起床。今日のスケジュールをもう一度確認する。今日は……新兵と新型キャバリア『イカルガ』の試運転&模擬戦の日。
 昨日と同じ訓練場へと赴くと、イカルガの機体がずらりと並んでいた。
「ああ、皆様。おはようございます」
 イカルガの足元にいたのはステラである。昨日の襲撃でスケジュールが押してしまい、徹夜でメンテナンスを仕上げたステラである。
「今日はよろしくお願いします。とはいえ、皆様が殲滅の勢いで全力を出すと、イカルガが塵と化すので、力加減はしっかりお願いしますね?」
 私、泣いてしまいますので。
 そう添えて、ふらふらっと基地の方へ歩いていくステラでした。

●一方、新兵は
「「「…………」」」
 基地の中で新兵たちは無言でいた。いや、無言にならざるを得なかったというべきか。新兵たちが朝から見ていたのは昨日の襲撃に対する傭兵たちの動き――監視ドローンが録画していた戦闘の風景である。
 昨日の講習では『あ、傭兵たちはやっぱりすごいんだなー』くらいだったのに、昨日の襲撃で猟兵たちの本気の一端を見てしまった。
「……え? マジで模擬戦するの?」
 思わず素の口調が出る新兵。そうです、やるんです。
「死ぬの、俺たち?」
「いや、まさかそんな……はずは……ない、よ、な?」
 声がどんどん小さくなっていく。大丈夫、生きて。

 そんなわけで、契約書に従って猟兵vs新兵(イカルガ隊)の模擬戦が行われようとしていたのである。
===模擬戦ルール===
・普通のキャバリア戦闘になります。そのため、アイテム及びユーベルコード使用可能。
・猟兵vsイカルガ隊(30機)という集団戦になります。それでも皆さんの方が強いという状況です。むしろ彼我戦力差がひどいことになっていますが、一応遠慮はいりません。
・ただし、一撃で致死に至る攻撃はその手前、大破で止まります。
・基本的に新兵たちは中破程度で離脱します(生きろと講習で言われているため)
・一方で勝機があれば決死の突撃をしてきます(勝てばオッケーと講習で言われたので)
・新兵たちは5機1チームの単位で行動します。連携もしてきます(それも作戦だと言われているので)
・イカルガは空中戦特化型なので、基本空に居ます(安全高度は頭の中に叩き込んでいます)。低空からもツッコんできますので注意してください。
・その他、講習で受けた特訓や教えは忠実に再現してくる可能性が高いです。

・戦闘のたびにイカルガは壊れていくと思いますが、ステラおよびメンテナンスチームが一生懸命直します。というか最後はたぶんまた納品し直しになると思いますが、遠慮なく模擬戦してあげてください。
===模擬戦ルール===

●プレイング
・模擬戦の戦闘の他、休憩の時にイカルガを修理&メンテナンスのお手伝いをしてくれるメカニックを大募集しています(メンテナンスパートをお任せします)
・あと新兵たちの心のケアをしたい人がいましたら、そちらも募集しております。
・ただしプレイングの内容は1本に絞ってください(模擬戦か修理&メンテナンスか心のケアか)
・プレイングの内容で不採用となるのは新兵を殺しに行くプレイングだけです。後はるちるの方でマイルドにするので、やりたいこと書いてください。
支倉・燐華
アドリブ&絡み歓迎

まぁ新兵がいきなりの経験でしたし、あの一方的になってしまった戦いを見て模擬戦に怖気づくのも理解できなくはないです
ですので、私は新兵の皆さんのメンタルケアにまわりますね
とはいえ、私は医師でもなんでもないのでやることは侍女としてお世話しながら話を聞くぐらいですね
あ、お世話といっても夜のお世話は対象外です。それはお仕事には含まれていませんので、調子に乗って触ってきたりしたら、ちょっと折檻することになりますよ?
いえ、まぁ……私の服装が侍女としては露出多すぎなのは理解してますが、そこはあまり気にしないでくださると助かります
では、食事やらのお世話に模擬戦でのアドバイスや激励を行います



●メイド、出撃
「まぁ新兵がいきなりの経験でしたし」
 支倉・燐華(戦闘侍女・f31277)は基地の通路を歩きながら、独り言ちる。
 模擬戦の開始までまだまだ時間があるのだが。
「あの一方的になってしまった戦いを見て模擬戦に怖気づくのも理解できなくはないです」
 と新兵たちの状況を小耳に挟み、急いで出勤してきたのである。そう、出勤である。

「私は新兵の皆さんのメンタルケアにまわりますね」

 今日の燐華は専ら『侍女』側であった。側仕え……ではなく、支える者である。
 いやまぁ、彼女の普段着が侍女としてどうなのかと言われるとですね。
「いえ、まぁ……私の服装が侍女としては露出多すぎなのは理解してますが」
 何やら視線を感じた(?)らしく、独り言でフォローする燐華。そこはあまり気にしてはいけないらしい。というわけで手を出す(?)と怒られます(?)

 そんなこんなの百面相を繰り広げつつ、燐華は新兵たちがいるキャバリア工房、その脇にある操縦者控え室に辿り着いたのである。

●メイド、奮戦する
 結論から言おう。
 メンタルケアは成功した。気概だけなら猟兵たちを食う勢いである。

 しかし、控え室の中の光景は異様であった。
「この温かみが戦場で生き抜く力になる……」
 と言っている兵士は燐華に膝枕されている(許可済)し。
「あの。この戦いが終わったら、お礼を……」
 ええい、変なフラグを立てるな。いや、死なんけども!! むしろ、味方から『リア充爆発しろ』的なフレンドファイア喰らうぞ!?
「そうだ。やれる……俺たちだって師匠たちのように戦えるんだ!」
 こちらは比較的まともだが、師匠って誰だよ、あ、猟兵たち? 師匠認定しちゃった?
「やってやる。やってやるぞぉぉぉぉ!!」
 えっと、変なクスリ決まった?
「あ、あははは……」
 この光景のど真ん中にいる燐華さんもこれにはびっくりである。いや、作戦としては大成功ですよ?
 まぁこんな感じのは少数派。ほとんどの新兵たちは普通に、しかし気合を漲らせている。

 何したかって言うと、食事のお世話とストレッチのお手伝い、そして模擬戦でのアドバイスをして激励をしただけ。
 燐華曰く。
(とはいえ、私は医師でもなんでもないのでやることは侍女としてお世話しながら話を聞くぐらいですね)
 ということらしいので。
 だが彼女はそれを突き詰めたというわけだ。
「では、メイドとして、やるべきことをさせていただきます」
 と【侍女の心得】で奉仕と支援を行ったわけだね。
「あ、お世話といっても夜のお世話は対象外です」
「「「え?」」」
 言わなきゃ誰もそんなこと思わないのに。卑下癖が悪い方向に出たっぽい。逆に新兵たちがそういう反応である。しかし、中には頭のキレる者もいる。
「えっ、じゃあ握手は?」
「え? いえ、そのくらいなら」
 えっちな意味じゃなくて。ただ単に申し出られた握手を拒否するなんて、そんなことはそうそうない。そして少しずつ要求がグレードアップしていく。 
 調子に乗ったわけではないが、人肌恋しいと言われれば、まぁ膝くらいは。
 そんなわけで一部が先の大惨事に辿り着いたのである。

 まぁでも。さっきも言ったように士気向上には大成功した。猟兵を前にしたとて怯む者はいないだろう。
「あの調子なら、もしかしたら勝つかもしれませんね?」
 特に新兵たちを舐めてかかるような者がいれば。
 そんな感じで燐華はお役目を終えて、無事新兵たちを送り出したのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チロル・ツークシュピッツェ
ツークシュピッツェ級水陸両用双胴戦闘空母五番艦チロルのままで模擬戦するよぉ~♥
心配しないでも大丈夫だよぉ~、ちゃぁーんっと主砲の連装ビーム砲は演習用の最低出力で、副砲の連装砲やミサイルなんかの実体弾はペイント弾にしよくから直撃でも死なないよぉ~
貴重な対艦戦の模擬戦だよぉ~?逃げたりするざぁこはいないよねぇ~?
あ、艦載機は出撃済みで護衛のジェネムⅡが3機だけ残ってるって設定で君らは後方の敵母艦を攻撃するってシチュエーションだよぉ?
ジェネムⅡのビームライフルも演習モードだからねぇ

弾幕薄いよぉ、なにやってのぉ!?
あー、もう!AUC爆雷撃てぇ!ユーベルコード攪乱幕散布後に一斉反撃!ちゃんと当ててよぉ!


桐嶋・水之江
あれが新型…ってイカルガじゃない
開発設計者として軽く捻って…ちょっと待った
閃いちゃったわ

猟兵相手にイカルガを大活躍させる

評価ウナギ登りでライセンス販売が捗る

私のお財布ホクホク

やっぱり私って天才ね
やれやれ、自分の発想力が恐ろしいわ
でも新兵じゃ性能を引き出せないでしょうから細工が必要ね
私が乗る機体はエレノアよ
これで機巧感染を込めた干渉波を飛ばしてイカルガの制御をこっそり奪取
でもって遠隔操作でかっ飛び回らせるわよ
私は適当に苦戦する振りをしてるわ
音速で右へ左へと高速機動を繰り返しておけば否応無しに注目の的になるでしょう
そんな挙動に新兵が耐えられるかって?
耐えられるかじゃない
耐えるのよ



●模擬戦の裏で暗躍する人
 新兵たちが駆る新型機『イカルガ』。それによって編成されたイカルガ隊との模擬戦を前にして。
「閃いちゃったわ」
 悪魔……じゃなくて、とし……ごめんなさい。麗しきマッドサイエンティスト、桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)こと桐嶋博士はそうのたまった。
 その実、このイカルガ、博士の開発設計らしい。
「あれが新型……ってイカルガじゃない」
 と呟いた事実は決して消えない。だからこそ『開発設計者として軽く捻って……』とか思っていたのだが、ちょっと待ったと閃いてしまったのだ。
 つまり!!

 猟兵相手にイカルガを大活躍させる⇒評価ウナギ登りでライセンス販売が捗る⇒私のお財布ホクホク。

 悪魔か。
「やっぱり私って天才ね」
 ふっ、と口端に笑みを浮かべつつ、かぶりを振る水之江。どうやら常人には理解できない位置にいる天才(?)らしい。
「やれやれ、自分の発想力が恐ろしいわ」
 ほんとだよ。このブレの無さが水之江の魅力である。
 しかしここで問題がある。
 どうやってイカルガを大活躍させるかという点だ。
(新兵じゃ性能を引き出せないでしょうから細工が必要ね……)
 と悩むふりをして、速攻【蝕む機巧感染】発動である。
 『アークレイズ・エレノア』と『RXグラン・エグザストロッド』による凶悪電子干渉波コンボを戦闘前にこっそり放つ水之江。
「ふっ……」
 新兵たちのイカルガの制御をこっそり奪取に成功した瞬間である。だが、まだタイミングが早い。【蝕む機巧感染】のすごいところは、そのコントロールとタイミングを水之江の意志で完全に制御できることだ。
 今はまだ遠隔操作でわずかに機体性能をあげるのみにして……。

「あれ……?」
「なんかさっき乗った時より反応が?」
「すっごく軽い?」
 新兵の皆さんの声である。

 そんなわけでこっそり強化されたイカルガ隊が向かう最初の模擬戦の相手は チロル・ツークシュピッツェ(メスガキガレオノイド・f34507)でした。


「このままで模擬戦するよぉ~▼」
 とチロルが言うその姿は人の身ではなく、【ガレオン・チェンジ】で戻った元の姿『ツークシュピッツェ級水陸両用双胴戦闘空母五番艦チロル』である。全長100m……が街の外にでーんと滞空している。
「貴重な対艦戦の模擬戦だよぉ~? 逃げたりする子はいないよねぇ~?」
 と新兵たちを煽るチロルだが、はっきり言って逆効果である。
 何故かというと先に心のケアがばっちり終わっていて、さらにイカルガの性能があがっているっていうか、博士がこっそり手を出している。
 負ける気がしないっていうのはこういうことだよね。
 さらに、だ。
「心配しないでも大丈夫だよぉ~、ちゃぁーんっと主砲の連装ビーム砲は演習用の最低出力で、副砲の連装砲やミサイルなんかの実体弾はペイント弾にしよくから直撃でも死なないよぉ~」
「「「……え?」」」
「あ、艦載機は出撃済みで護衛のジェネムⅡが3機だけ残ってるって設定で君らは後方の敵母艦を攻撃するってシチュエーションだよぉ?ジェネムⅡのビームライフルも演習モードだからねぇ」
「「「…………」」」
「……?」
 懇切丁寧なチロルの解説に無言なイカルガ隊。首を傾げるチロル。

 そして模擬戦開始の合図。……と同時にイカルガ全機が真っ直ぐチロルに突っ込んできた。
「……は?」
 その様子に間の抜けた声をあげるチロル。
 そりゃそうなる。当たっても死なない攻撃を撃ってくる敵なんてただの的である。これは模擬戦であってゲームじゃないんだし。ペイント弾が当たっても停止するなんてルールこともなく。
 チロルの張る弾幕に突撃するイカルガ隊。
 基本的に攻撃は回避している。しかし、そこは技量の差だろう、機体に当たる弾やビームもあるが、小破程度で済むのなら。その先に勝機があるなら突撃あるのみである。
 本当に真っ直ぐ突っ込んできたイカルガ隊が一斉にマイクロミサイルを発射する。
「弾幕薄いよぉ、なにやってのぉ!? あー、もう! AUC爆雷撃てぇ!」
 とチロルが慌てて【ユーベルコード攪乱幕】をばら撒く……が落ち着くんだ。一般人はユーベルコード使えない。なのでそこまでの精度もなく、攻撃が激しいのはただただ博士のせいである。
「~~~~~っ」
 そんなわけでいかに強大であろうとも、30機の集中攻撃を無防備(護衛いたけども)で受けたチロルはあっさりと大破したそうな。


「さすが新型機ね……」
 イカルガ隊の戦闘を見て、水之江がエレノアのコックピットで静かに、皆に聞こえるようにオープン回線で、驚愕したように呟く。
 いや、操作してるの貴女ですよね? とツッコむ人は誰もいなかった。だって誰も気づいてないし。
 チロル撃破で調子づいたイカルガ隊が水之江のエレノアに向かって突撃してくる。
「くっ……」
 そして本人も『適当に苦戦する振り』である。本当に悪い女だなこの博士。
 だが、先の空母を仕留めた30機のマイクロミサイル一斉射撃が水之江&エレノアに襲い掛かる!
「……っ!」
 全部迎撃するのは容易い。しかし、それをしてはイカルガの評価が下がるかもしれない……!
(ここは……回避!)
 水之江の手がエレノアを駆る。

 ぎゅんっ。

「……はい?」
 マイクロミサイルの弾幕から音速の高速機動で離脱していくエレノアに、間の抜けた声をあげるしかない新兵。しかし、それは序章であった。
「はいぃぃぃぃ!?」
 何か知らんが、自分の乗っているイカルガもエレノアと同じ速度で飛び出した。
「り、リミッター……解除されてるぅぅぅ!?」
 叫ぶ新兵。もちろん通信回線は閉じられているし、コックピットの中を映す映像も『録画ミス』の状態である。
 え? 犯人? 桐嶋博士以外いないでしょ?

 【蝕む機巧感染】によって全力を強制的に引き出されたイカルガ隊。
(こうしておけば否応無しに注目の的になるでしょう)
 と桐嶋博士の目論見は成功するのだが。
 そんな挙動に新兵が耐えられるかって話である。
「耐えられるかじゃない。耐えるのよ」
 博士の有り難いお言葉でした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


●インターミッション
 チロル、そして桐嶋博士との模擬戦を終えたイカルガ隊。
 見た感じ、戦闘続行に支障は無いような状態だが、中の新兵たちが意外とぐったりしていたので、一度休憩を挟む。その休憩にもメイドが奮闘していたとかいなかったとか。
 その間にイカルガはメンテナンス。こちらは猟兵たちの中から協力を申し出てくれたメカニックたちが担当してくれた。

 そんなわけで、戦闘可能となった新兵&イカルガ隊。
 なお、桐嶋博士の『仕込み』は継続中です。
支倉・錫華
新兵相手の模擬戦とはいえ、この機数の差はなかなかだね。

しかもこっちはギムレウス、向こうはイカルガで飛んでくるって、
手を抜きすぎないようにっていうステラさんの配慮かな?

ま、せっかくだからいろいろな戦い方を見せてあげるのもいいか。

今回も【脈動臨界チューニング】を使うけど、防御力5倍、移動力半分でいこう。
空を飛ぶイカルガに機動力では敵わないからね。

だけどイカルガの火力でこの装甲を抜けるかな?
ただでも重装甲なのにそれが5倍増しだからね。簡単には抜けないと思うよ。

相手を目一杯引きつけたら、
元々ある砲門に【スネイル・レーザー】と【ライフル】も合わせて対空砲火。

爆発はさせないようにするけど、落ちると痛いよ?



●戦闘前
「うーん、壮観だねぇ……」
 空に並ぶイカルガ隊を見て支倉・錫華(Gambenero・f29951)はキャバリアのコックピットの中で呟く。
「しかもこっちはギムレウス、向こうはイカルガで飛んでくるって」
 まぁ……そうは呟いてみたものの、錫華的には追い込まれているとかそういうことはない。例え乗っているのが、講習で使っていた練習用のギムレウスであったとしてもだ。
「手を抜きすぎないようにっていう配慮かな?」
 いや、そんなことないから。普通に自分のキャバリア乗ってもいいルールだから。どうも伝達に行き違いがあったようだが、歴戦の量産型キャバリア使い、錫華さんは全然動じてない。
「ま、せっかくだからいろいろな戦い方を見せてあげるのもいいか」
 そんなわけで錫華の超絶技巧【脈動臨界チューニング】が今回も猛威を振るうのであった。

●開戦
 模擬戦開始の合図が走る。
 空で待機していた新兵たちがイカルガのスラスターを噴射、速度を上げて空を上昇する。それに追いすがるように錫華のギムレウスが背部大型キャノン砲を放ってくる。一度、二度と放たれる砲弾を、しかしイカルガは得意の高速機動で容易く回避する。
 そしてそのまま急降下、ビームソードを構えて突撃する。
「いくら傭兵だってギムレウスじゃイカルガを捉えられるもんか!」
 その言葉は正しい。ギムレウスの性能ではイカルガに追いすがることはできないだろう。

 速度をさらに上げて、地面をえぐり取るように弧を描きつつ、ギムレウスを捉えるイカルガ。すれ違いざまにビームソードを叩きつけて再度上昇していく。
「続くぞ!」
 チームを組んでいる他の機体も同じような軌道を描いて。ギムレウスのあらゆる側面を斬り付けて離脱を繰り返す。
「どうだ……!?」
「へっ、手も足も出ないって……」
 そこまで言いかけて、新兵たちはモニターに映るギムレウスを見て、目を見開く。
「ウソだろ……!?」
 そこにいたのは、ほぼ無傷のギムレウスであった。

「うん、いい動きしてるね」
 イカルガの超高速突撃によるビームソードを受けてなお、錫華のギムレウスは健在であった。否、ほぼ無傷。それもそのはず。【脈動臨界チューニング】によって、今やギムレウスの装甲は通常の5倍。
(空を飛ぶイカルガに機動力では敵わないからね)
 という錫華の見解から、今のギムレウスは移動力を捨てて、超防御力を持つ固定砲台と化していた。
「さて、イカルガの火力でこの装甲を抜けるかな?」
 通常の攻撃方法では歯が立たないことは先ほど見せつけた通り。
 空で次の攻撃に移りあぐねているイカルガたちに向けて砲撃を叩き込むギムレウス。さすがにその一撃はあっさり躱されるが。
「ただでも重装甲なのにそれが5倍増しだからね。簡単には抜けないと思うよ」
 そう言いながら砲撃を止めない錫華。それも回避されるが、次はアサルトライフルからの射撃が返ってきた。もちろんその銃弾も装甲で跳ね返す。
 遠距離からの牽制をし合い、間合いを取りつつ……お互いに次の『タイミング』をはかる両者。

 そして。

「お。覚悟を決めたかな?」
 錫華の呟き。彼女の視線の先でイカルガ隊が2つに分かれて編成を取っていた。射撃支援の部隊と突撃の部隊。
 そう、イカルガ隊の全機突撃という猛攻勢が彼らの答えであった。

「いくぞっ!!」
 生き残ることが大事だと錫華に教えられた彼らであるが、しかし目の前にある勝機を逃すなとも他の猟兵に言われている。
 決して捨て身ではない、活路を見出すための突撃。それは『錫華に勝つ』という意志の元で実行されたのである。

「いい、連携だねっ」
 錫華が思わず声を出す。背中のキャノンは相変わらずイカルガを狙っているが、まったく捉えられていない。そして装甲を抜いてくることはないとはいえ、360度から銃撃を浴びせられれば、さすがにギムレウスも平然とはしていられない。そこへ時間差をつけてのクイックスラッシュの連続攻撃。
 ダメージが無いわけではないのだ。少しずつでも削られていけば、いつかは突破される。そのいつかがどこになるかは、イカルガ隊の奮戦次第。
「弾幕っ」
 誰かの合図でマイクロミサイルが一斉射され。ギムレウスを中心に断続的な爆発が巻き起こる。
「……っ!」
 錫華が息を呑む。誰がどう見ても『決めにかかる』合図だ。
(まだ青いなぁ)
 だが作戦と連携は何の問題も無い。ならばその素直さこそ彼らの美点にして弱点だ。
 錫華が読んだ通り、爆風を斬り裂いて四方八方から絶妙な時間差でビームソードを構えて超高速で突撃してくるイカルガ!

 ……だが。

「奥の手はそう簡単に見せないものだよ?」
「……!!?」
 イカルガの中の新兵が、斬り裂かれた爆風の中でギムレウスを確認した時。ギムレウスが構えていたのはカタツムリ型の弾倉を持つレーザーマシンガンとキャバリア用多目的ライフル。
 そう、このタイミングまで錫華はイカルガ隊を仕留める手段を使わずに、簡単に言えば誘い込んでいたのだ。相手を目一杯引きつける、そのために。
「しまっ……」
「遅い」
 もはや軌道も攻撃も止めることができないイカルガたちに対して、錫華が『スネイル・レーザー』と『FdP CMPR-X3』を制圧射撃の要領でばら撒く。乱れ飛ぶレーザーと誘爆して飛散する榴弾の破片。
「ちょっと迂闊だったね。爆発はさせないようにするけど、落ちると痛いよ?」
 突っ込んできていたイカルガたちに錫華が攻撃を叩き込み、次々と中破させていく。中には錫華の言う通り、地面に墜落したものもいるが。
「うーん、さすがそう簡単にはいかないか」
 不測の事態に慣れる。それもまた先の講習で叩き込まれたことである。軌道修正が間に合った機体はすぐに空へ退避して、態勢を立て直している。
「それじゃ、第二ラウンド開始、かな?」
 大型キャノンから砲弾、ライフルから徹甲弾を放ちつつ。
 錫華は楽しそうに笑うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
メカニックを探してるって聞いてきてみたんだけど……。
ステラさんだいじょぶ? 何かいろいろ果ててる感あるんだけど(汗)

って、うわぁ。これはうわぁ。
この半スクラップの山、これ全部修理に回ってきたイカルガ?

さすがみんな、模擬戦って言っても容赦ないね。
状態からみてパイロットは怪我くらいですんでいそうだけど、その分機体がダメージもらってるね。

わたしはこういうの大好物だけど!
【モーター・プリパラタ】として、メカニック魂が刺激されるよね!

さーて、それじゃ久々に全力でやっちゃうよー♩
新兵さんには整備兵さんとかもいるのかな? いるなら一緒にがんばろー!

メインフレームが壊れてなければ、しっかり直してあげるからね!


新城・真希奈
新型に触り放題なんてまたとない機会だもんね!
頼まれなくても手伝いに来ちゃう。

うわ、早速派手にぶっ壊してきた。
……それじゃ、お仕事といきますか!

ユーベルコードと【メカニック】技能を使用
損傷して下がってきた機体は片っ端から修理
動けない機体は空いてるキャバリアを操縦して運搬

……損傷がひどい機体を部品取りにしたりニコイチにしたりしたから
機数が減ってるけど大丈夫だよね、たぶん。
(機体が壊れるたびに顔色が悪くなっているような気がするステラさんには気づかないフリ)



●戦場ってのは武器を持って戦う場所だけじゃない
 模擬戦が進むにつれて、新兵たちも慣れてきたようだ。戦う場にもイカルガの操縦にも。そうするとこれまで躊躇っていた『箇所』へ踏み込むようになる。空の高度は即死なので絶対しないけど、超接近戦や超高速飛翔など。
 猟兵たちの反撃もハンパない。実戦さながらの戦いが繰り広げられれば、当然、実戦のようにキャバリアが壊れる。それは仕方のないことなのだ。

 ……なのだけれども。

「うわ、早速派手にぶっ壊してきた」
「って、うわぁ。これはうわぁ」
 何度か戦闘を終えて戻ってきたイカルガ隊を見て、新城・真希奈(歩く修理工場・f30014)と菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は同時に声をあげた。
 修理・メンテナンスのために設けられた臨時ガレージ。そこまで自力で到達した機体はまだいい。
「半スクラップだね、これ」
 理緒がトレーラーで運び込まれてくるイカルガを見て、そう呟く。まぁ自力で動けない機体なら、そう言われても仕方ないか。
(さすがみんな、模擬戦って言っても容赦ないね)
 ここでいう『みんな』は猟兵側です。まぁ容赦しなくていいって言われてるんだからそうなるに決まっている。
「状態からみてパイロットは怪我くらいですんでいそうだけど、その分機体がダメージもらってるね」
「……それじゃ、お仕事といきますか!」
 理緒の言葉に、『ええい、あれほど壊すなと』とか考えていた真希奈は『ハッ?!』と正気を取り戻して。その手に修理用の工具を握る。
 ここに戦場を支える『もうひとつの戦場』で戦いが始まったのである。

 ……ちなみに、ガレージの壁に寄りかかって魂が抜けている某グリモア猟兵は見ないふりをしている真希奈と理緒でした。

●ちょっとだけ回想なんじゃ
「メカニックを探してるって聞いてきてみたんだけど……」
 と臨時ガレージまで足を運んだ理緒。キャバリアや戦艦を駆ることもあるが、本来の彼女はメカニックだ。その場で電子制御もいける理緒はキャバリア整備に欠かせない人材といえよう。
 そしてそんな彼女よりも先にガレージにいたのが真希奈である。
「新型に触り放題なんてまたとない機会だもんね!」
 講習の時からそわそわしていた真希奈さんは模擬戦などぽーんと放り投げて、こちらへ赴いた。だってキャバリア整備士だもん。曰く『頼まれなくても手伝いに来ちゃう』真希奈は、おそらくこの模擬戦のために用意された予備パーツの数々を見て、目をキラキラとさせていた。
「じゃあ、わたしも!」
 そんな真希奈に親近感を抱きつつ、いそいそと予備パーツを見て触って、きゃっきゃするメカニック二人。
 そんな平和な時間が続けばよかったのに。
 突如、後ろから聞こえる悲鳴。そして気を失う女性。いや、まぁステラなんだけど。
「だ、だいじょぶ? 何かいろいろ果ててる感あるんだけど」
 倒れたステラに向かって歩き出そうとする理緒の肩を、ぽむっと叩く真希奈。
 模擬戦で機体が壊れるたびに顔色が悪くなっているような気がするステラに、気づかないフリをしていた真希奈はそっと首を横に振るのでした。

●戦場をくぐり抜けろ!
「作業掛れ!」
 真希奈が理緒を含めたキャバリアの整備士に声をかける。それは作業開始の号令にして、真希奈のユーベルコード発動の合図である。
「絶対直すぞー!」
「「「おー!!」」」
 真希奈の指示のもと、ひとつの目標に向かって臨時ガレージ内の整備士が走る。
「一緒にがんばろー!」
 横に並んだ整備士に掛け声をして、理緒が向かうのは大破しかけのイカルガ。
「わたしはこういうの大好物だけど!」
 ツナギ姿できゅっと袖口を直しながら、理緒がユーベルコードを発動。
「【モーター・プリパラタ】として、メカニック魂が刺激されるよね!」
 【モーター・プリパラタ】――自身の機材に対する修理・調整・整備・補給の能力が通常の12倍の精度と速度になり、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になるという理緒の必殺(?)技。
 簡単に言うと、『おっと、修理に没頭していたら時間と空腹を忘れてやっていたぜ』的なやつの超強力版である。
「さーて、それじゃ久々に全力でやっちゃうよー♪」
 1人で12人分動く理緒によって、イカルガのパーツが予備パーツへと軽やかに変換されていく。
「わーお」
 そんな理緒の常人じゃない動き(猟兵だしね!)を見て、そっちは大丈夫そうと判断した真希奈は自身の方へ整備士を呼び集める。ちなみに整備士は『うん、あれは人間じゃない』という判断の元、参考にしていない。
 なので、整備士たちも整備士たちの意志で真希奈の元に集まろうとしていたのである。
「これ、お願い!」
 中破でも程度の軽い機体を整備士たちに任せて、真希奈はより被害の大きい機体へと向かう。
(腕が鳴る~~っ)
 メカニック魂を強烈に刺激されながら、真希奈は数人の整備士と組んで壊れて戻ってきた機体を片っ端から修理していく。
 一人一人の技術は真希奈に及ばずとも、チーム戦であれば。真希奈の【整備班集合!】によって強化された技術と精度で以て、全力で機体を直していく。
「うわー中の配線までやられてるよ。スペア持ってきてー!」
「はい!」
「そっち! 被害は表面だけだから任せた!」
「了解です!」
「こっちは……パーツ交換しかないかー!」
 そんなこんなやりとりしながら戦場を駆け抜けていく真希奈&整備士たち。
「こっちも終わった、よー!」
「次、おねがーい!」
「りょーかーいっ」
 そして理緒もまた休むことなく(必要ないんだけれども)、次の機体へと向かう。
「メインフレームが壊れてなければ、しっかり直してあげるからね!」
 こうして、理緒と真希奈と基地の整備士たちと。
 獅子奮迅の働きでイカルガ隊は無事、模擬戦へと返り咲いていったのである。

●それでも……ねぇ?
 そんな感じで繰り返される模擬戦に対して、メカニックチームのバックアップは健全に機能し続け。まだまだイカルガ隊はいけるぜ! って感じなのだが。
「こらー! 予備パーツ少ないんだから壊すなー!」
 真希奈が叫ぶ。
 戦いが続けば続くほど、修理の回数も箇所も増えていく。パーツは有限だ。修理をするにしても応急処置で補えないなら、戦場に戻すわけにはいかない。
 そうなると必然的に『動けない機体』が増えてくる。
 で、動かなくなった機体がどうなるかというと……パーツ提供機になる。あるいはニコイチ――その場しのぎで機体を組み上げるための素材。
「……機数が減ってるけど大丈夫だよね、たぶん」
「……うん、たぶん」
 そっと視線で会話する真希奈と理緒。
 目に見えてイカルガ隊の数が減っているのだが、基地の司令から模擬戦中止の連絡もないし、新兵たちからも何も申し出ないし、むしろ別の機体で出撃してるし。
 まぁこのままいってもいいんだろうなーと思いつつ。
「…………」
 口から魂が抜け出しかけているステラを見て、二人はそっと視線を逸らすのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チェスカー・アーマライト
さんざんシゴき倒したモンだから
新兵たちは
あたしに対するフラストレーションが
溜まってんじゃねーかな
自信をつけるにゃ実戦が一番
これで萎縮せず思いっきりやれるだろ

ビッグタイガー、スタンディングモード
防衛戦の時と同じく機体固定して弾幕で迎撃する
主砲には榴散弾を装填
徹底的な面攻撃だ
一応いい感じに隙間を作るし
適当に被弾もしておく

相手が腕部や主砲を狙って接近してきたタイミングで煙幕を展開
この時あたしは機体を降りて
以降の操縦はビッグタイガー自身が行う
頼んだぜ
『了解』(ディスプレイに文章が表示される)

固定を解除し乱戦に持ち込むが
途中でパジョンカを取り落とす
そこが勝機と見るだろーな
だがパジョンカは
機体から離れても発射制御が可能だ
あたし自身が近づいて直接操作すればな

言ったはずだぜ
常に不測の事態を想定しろってな
だが
あたしらに隠し球まで使わせたのは見事だった
(尚、鈍重なビッグタイガーに
空戦機の相手は正直キツいので
虚をつく戦法を取らざるを得なかっただけである)




 新型機『イカルガ』を擁する新兵たちのイカルガ隊。模擬戦という名のほぼ実戦において、機体は損傷し、そのうち動けなくなり、さらには部品取りに使われたりしてその数を減らしつつも、機体の性能が落ちる整備が施されることはなく。
 だが中のパイロットたる彼らには徐々に疲労が蓄積していく。疲労が溜まれば普段は冷静に流せるような嫌がらせにも過敏に反応してしまう。

(さんざんシゴき倒したからなー)

 愛機『ビッグタイガー』のコックピットの中で新しい野菜スティックを口元に運びながら、チェスカー・アーマライト(錆鴉・f32456)はにやりと笑みを浮かべる。誰かが見ていたら確実にチェスカーが悪人と決めつけるような、悪そうな笑み。その実、彼女は楽しそうに笑っているだけなのだが、まぁそれはご愛敬としておこう。
 今の模擬戦にその誤解を解く必要はない。

 既にビッグタイガーはスタンディングモード。重量逆関節の二脚形態で機体をバンカーで固定しつつ、昨日の防衛線と同様に『パジョンカ』とBXS-PMG42『電動ノコギリ』を使って弾幕を形成している。
 だがその弾幕を縫って、こちらの様子を探るかのように。イカルガ隊もまたアサルトライフルからの射撃で応戦してきている。だがどこかその銃撃は雑い……というか、遠慮がない。当てに来たというよりは、当たってもいいというか当たれという雰囲気を感じ取れる。
(ま、あたしに対するフラストレーションが溜まってんじゃねーかな)
 散々やったシゴキが効いているのか、あるいは遠慮をしていてはやられるだけと感じているのか。数による弾幕を、機体固定している状態ではさすがにかわし切れるはずもなく。ビッグタイガーの機体表面に次々と銃痕がついていく。
 どちらにしてもいい傾向だ。
(これで萎縮せず思いっきりやれるだろ)
 自信をつけるにゃ実戦が一番なのだから。

 直後、機体固定をしているバンカーに全重量をかけながら、ビッグタイガーの主砲が火を噴く。装填されていたのは榴散弾。空中で炸裂すれば、イカルガの機体を穿たんと破片がまき散らされる。
「散開っ!!」
 その攻撃を合図にイカルガ隊が散開する。左右はもちろん、上――空にも。どうやらチェスカーの徹底的な面攻撃に対して、突撃のタイミングを計っていたらしい。
 ここが好機と一斉に仕掛けてくるイカルガ隊。地を滑るように、あるいは空を舞い上がり。高速で飛翔しながら自身のアサルトライフルから連続射撃を放ってくる。
 全機突撃。
 それを確認したチェスカーは素早く煙幕を展開する!
「……っ!?」
 広範囲に広がった煙幕に、イカルガ隊は一瞬ためらったものの。事前まで視認していた世界とセンサーが捉えているデータを瞬時に照らし合わせて。
「怯むなっ!」
 突撃を敢行する。
 煙幕が晴れた後、そこに在ったのは何も変わらないビッグタイガー。別の猟兵が仕込んでいたような新たな武器を構えていたわけではない。変わっているとすれば、機体の固定が解除されていることだろうか。
 鈍重とはいえ、今のビッグタイガーは二足歩行が可能。走れば戦車では不可能なヒトのような稼働が可能だ。すなわち、攻撃を回避しながらイカルガの飛翔速度に合わせた迎撃。
 構えたパジョンカが火を噴いて突撃してきたイカルガを射撃で叩き落す。次いで電動ノコギリから放たれたパルスがイカルガの駆動系を焼いていく。
「だが……!」
 新兵が声を張り上げる。いかに強大でも敵は1機。味方がやられたその隙すらも連携に組み込んで。イカルガ隊のクイックショットがビッグタイガーに直撃していく。
 その衝撃に傾ぐビッグタイガー。その拍子にパジョンカを落とすものの、足を止めずに移動を続け、手に残った電動ノコギリと主砲でイカルガ隊を迎撃する。
「このまま数で押す! 仕留めろ!」
 1対多すら正道であると教えられた彼らは躊躇うことなく、ビッグタイガーに攻撃を仕掛けていく。攻撃が途絶えたビッグタイガーを完全に包囲して、イカルガ隊が照準を合わせる。
「これで勝負ありです!」
 パイロットのひとりがそう叫んだ瞬間。

 ドォォオオン!

「なんだ……っ!?」
 背後からの攻撃に体勢を崩すイカルガ。視線の先にあったのは先にビッグタイガーが落としたパジョンカ。それが勝手に火を噴いて……否。
「言ったはずだぜ。常に不測の事態を想定しろってな」
 側にいたのはチェスカーであった。

 少し前。
 煙幕を張った瞬間、チェスカーはビッグタイガーのハッチを開けて。
「頼んだぜ」
 チェスカーがそう呼びかける相手はビッグタイガーだ。旧式重戦車のビッグタイガーはAI未搭載。だから本来自律行動など出来るわけがない。チェスカーとてただの人間だ。
 だが……共に視線を潜り抜けてきたチェスカーには絶対なる信頼と自信がある。だから。

 ――【ハードラック・ロックンロール】といこう。

 『了解』とビッグタイガーのディスプレイに文章が表示された。それを確認する暇もなく……いや、するまでもなく。チェスカーは外へ飛び出していったのである。

 煙幕に紛れてその場を離れたチェスカーは巻き込まれないようにまずは身を隠す。そして戦況をしばし見守った後。ビッグタイガーが落としたパジョンカへと駆け寄る。
 ビッグタイガーの動きはパジョンカからイカルガを引き離すように。

 ビッグタイガーを追い込んだイカルガ隊が勝負を決めようとした瞬間。
(パジョンカは機体から離れても発射制御が可能だ。あたし自身が近づいて直接操作すればな!)
 その勝機をひっくり返すように、チェスカーはトリガーを引いたのである。

 形勢逆転。
 チェスカーとビッグタイガーの挟み撃ちを受けたイカルガ隊が中破して戦線離脱していく。数さえ減れば後は地力がものを言う。歴戦のタッグに新兵たちが叶うわけもなく。
 そして勝敗は決した。
「だが、あたしらに隠し球まで使わせたのは見事だった」
 もちろん、先のチェスカーの作戦である。本来、戦車乗りが戦車から降りるなど戦場ではありえない。ありえないからこその隠し球。それを引き出したのは紛れもない事実なのだ。
(ま、ビッグタイガーに空戦機の相手は正直キっツイからな)
 虚をつく戦法を取らざるを得なかっただけ、というのは秘密にしておこうと思ったチェスカーであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
戦友のユーフィさん(f14574)さんと一緒に

新型機のお披露目って、やっぱりワクワクしちゃうよねっ♪
やっぱりあれかな?新型機を触るので緊張しているのかな?

大丈夫っ!あなた達が信じないと、この子達も力を出せないよ?
だから、めいっぱい、頑張ろーっ♪

模擬戦開始とともに、上空に舞い上がるよ
推力移動と空中機動での空中戦だね

まずは、あいさつ代わりに
新兵さんの陣形を崩していこうかな?
当てないように、陣形の真ん中をツインキャノンで撃ちぬくよ

あえてよけやすいように撃ってるから、これで当たる人はさすがにいないでしょ…

その後は、低出力のビームランチャー(連射モード)で丁寧に撃っていくよ
油断したら、急速接近して
ビームセイバーでフライトユニットを切断っ!

…これくらいなら許してもらえるかな?

気づいたことはその都度言って、突っ込んでいくよ

しっかり索敵っ!
上下もしっかり確認っ!
包囲したら味方に注意して射撃!
行けると思ったら思い切って近接っ!

など

褒めるところは褒めてあげるよー

今の機動はよかったよ
おもっきりいいね!

などだね


ユーフィ・バウム
戦友のシル(f03964)さんと

無事に強襲部隊は片づけましたねっ!
それでは今度はイカルガのお披露目に模擬戦ですか、
ブルーのボディも美しく素敵ですね

何やら新兵さん達は緊張しているようですが、
大丈夫ですよ?優しくいたします(にっこり)
ね、シルさん

さて、模擬戦が始まったら昨日の迎撃戦同様
上空・遠距離をシルさんにお願いして、
近距離戦・地上で働くとしましょう
――《戦士の手》と共に。輝け、”ブリッツ・ファウスト”!

間合いを【ダッシュ】で詰め、ビーム発生装置で機体の拳に
自慢のオーラを纏う拳撃を一閃ですっ。
必殺の【なぎ払い】ですが
勿論死なないよう加減はします。
吹き飛んでも着地はしっかりしてくださいねっ

新兵さんからの攻撃は、【オーラ防御】で
しっかりと受け止めましょう
死角や隙を突くのもなかなかですが、
防御力に長けた相手を貫くには、
もう少し火力が欲しいでしょうかねっ

決死の突撃を仕掛けてきた場合は、
その思い切りは良いですねっ、と笑顔を向けますが
【力溜め】つつ十分に引き付けてから
【衝撃波】で【カウンター】ですよ!



●模擬戦が始まる前に
「無事に強襲部隊は片づけましたねっ!」
 昨日の唐突な敵襲。それを退けたという戦果を改めて噛みしめて。
 いい天気の中、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)はぐーっと背伸びをしてから、目の前にずらりと並んでいる新型機『イカルガ』を見て微笑む。
「それではイカルガのお披露目に模擬戦ですか」
「新型機のお披露目って、やっぱりワクワクしちゃうよねっ♪」
 キャバリアを足元から見上げて呟くユーフィの横に並ぶようにぴょこんと飛び出してきたシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)も微笑み。ユーフィと同じようにイカルガを見上げる。
「ブルーのボディも美しく素敵ですね」
「リーゼには負けるかなっ」
 ユーフィの言葉にシルがそう返せば、お互い顔を見合わせて笑い合う。
「さ、模擬戦模擬戦っ♪」
 そう言ってシルが猟兵たちの集まっている場所へと足を運ぶ。
「……あれ?」
 模擬戦の順番。くじ引きの結果、残念ながらシルとユーフィは最後だったのでした。

●模擬戦開始
 空が少しずつ茜色に染まりつつある。
 その様子が今日はとても美しいように思える。

 そんなことを考えながら、イカルガを起動。目の前で既にスタンバイしている傭兵のキャバリアを見る。
 視界内、そこに佇んでいたのは精霊機『ブルー・リーゼMk-Ⅱ』と輝闘機『ブライト・ナイト』。街の裏側を奇襲してきた一部隊を完全に撃破した2機である。
「……」
 新兵たちの頬につーっと冷や汗が垂れる。
 イカルガの操縦にはだいぶ慣れたが、アレに勝てるだろうか。特にシルのブルー・リーゼはイカルガと同じく、空戦を得意としている。
 そんな緊張感がもしかしたら機体から出ていたのかもしれない。

「何やら新兵さん達は緊張しているようですが」
「やっぱりあれかな? 新型機を触るので緊張しているのかな?」
 ユーフィとシルが回線越しにひそひそ話。まさか自分たちの昨日の戦闘を見て、ちょっとビビっているとは思ってもいなかった、かも?
 なので、回線を開いてユーフィが話しかける。
「大丈夫ですよ? 優しくいたします。ね、シルさん」
 にっこり。
 いや、ユーフィさんそれナチュラルにプレッシャーかけてるから……。ユーフィに悪意が無いのも事実なのだが、さらに緊張する新兵たち。
 その様子を見てシルも回線に割り込む。
「大丈夫っ! あなた達が信じないと、この子達も力を出せないよ?」
「……!」
 シルの言葉に、新兵たちの操縦桿を握る手に力が入る。否、正確には正しく力を入れた、というべきか。今日一日、さながら実戦とも思えるような戦いの中で操縦し続けたイカルガは彼らにとってもただの兵器の枠を超え始めている。
「だから、めいっぱい、頑張ろーっ♪」
 そう告げながらシルのブルー・リーゼがバーニアを噴かせて浮かび上がる。
 隣にいるユーフィのブライト・ナイトもまた戦いの構えを取って。

 時間的に本日最後の模擬戦となるだろう。
 その激戦がいま、始まった!

●SIDE:Sky
「いくよっ」
 開始直後。掛け声とともに、シルとブルー・リーゼが飛翔する。青い機体が茜色の空に美しい軌跡を残して上空へと舞い上がる。
「……っ!」
 上を取られるわけにはいかない。イカルガ隊・空を担当する機体たちが一斉にバーニア噴射! ブルー・リーゼを追撃すべく、一直線に空を駆けあがる。
「オッケー。まずは機動力勝負だね!」
 お互いの機体の推力による移動と空中機動の精密さ。いわゆるドッグファイトを仕掛けるイカルガ隊に、シルのブルー・リーゼは受けて立つとさらに速度を上げていく。
「くっ……」
 この辺は量産機とワンオフ(あるいはサイキックキャバリア)機との差異か。ブルー・リーゼに追いすがるのが精一杯なイカルガ隊。
 一方、どこまでスピードを上げてもどうにか食いついてくるイカルガ隊をモニター上で確認して、シルは微笑む。
(それじゃ……)
 シルの手が動く。
「まずは、あいさつ代わりに新兵さんの陣形を崩していこうかな?」
 シルがそう告げた時には既にブルー・リーゼはくんっと小さく宙返りをするように空中機動。同時にブルー・リーゼの背中にあるBS-Sツインキャノン『テンペスタ』がその照準をイカルガ隊に合わせる。

 一発、二発!

 少しの時間差を置いて二門のビームキャノンが火を噴く。イカルガ隊のど真ん中を撃ち抜くような射撃。
(あえてよけやすいように撃ってるから、これで当たる人はさすがにいないでしょ…)
 一応、当てないように撃っているらしい。
「散開っ!」
 直後、イカルガ隊が四方に散る。その真ん中を通り過ぎていくビーム。と、同時に。大きく弧を描いて元の軌道に戻ろうとするイカルガ各機から大量のマイクロミサイルがばら撒かれる。同時にアサルトライフルから追撃。
 幾何学模様を描いて複雑に飛翔しながら迫るマイクロミサイルとその隙間を抜くように飛んでくるライフルの射撃。
「うん、いいね!」
 冷静に反撃してきたイカルガ隊に賞賛の言葉を送りながら。
「でも……!」
 シルもまたいつも通りに対応する。マイクロミサイルを直前まで引き付けて、シルはブルー・リーゼを急加速させてその場を離脱! さっきまでブルー・リーゼがいた地点で、標的を失ったミサイルが互いに爆発・誘爆を繰り返し、その場に大きな爆風を巻き起こす。
「うぉぉっ!?」
「くぅぅっ!」
 思った以上に大きい爆風に煽られるイカルガ隊。しかし、動揺はしていない。素早く機体を立て直して、センサーに目を向け……。
「しっかり索敵っ! 上下もしっかり確認っ!」
「……っ!?」
 シルの声が聞こえてきた。つまり既に至近距離。爆風に紛れて高速で接近してきたブルー・リーゼがそこにいた。
「くっ、おぉぉ!」
 どうにか反応してブルー・リーゼを回避しようとするイカルガ。
「ちょっと反応が遅いっ!」
 しかし声を聞いて動揺していた分、反応が遅れたのだろう。回避が間に合わず、すれ違いざまシルのブルー・リーゼがBXビームセイバー『エトワール』を振るってフライトユニットを切断する!
(……これくらいなら許してもらえるかな?)
 シルの脳裏に浮かんだのはもちろん運送してきたグリモア猟兵の顔である。シルの手加減は最高だったわけだが、もう魂が抜けてしまっているグリモア猟兵である。
 まぁそんなことを思いながらも。
 シル&ブルー・リーゼは止まることなく、空を駆け抜ける。
 距離を保ちながら、牽制射撃。BSビームランチャー『ブラースク改』から低出力にしたビームを連射モードで放っていく。
(ここは丁寧に……頭を押さえるっ)
 イカルガの飛翔に合わせるように放たれるビームランチャーに、イカルガ隊の動きが直線から3次元を意識した動きに変わる。
「やるね。でもまけないよーっ」
 素早く小さく機動することでビームを回避しながらも距離を詰めてくるイカルガに対して、シルは次の作戦を練る。

 依然、距離を保ったままま牽制の射撃で相手の出方を探る両者。

 傍目から見ることがあれば、これは教導の戦い方であろう。シルがイカルガ隊に対して導いている。しかしそれをしてもなお、シルとブルー・リーゼの方がレベルが高いのは事実。
 だがイカルガとて最新機。ましてやとある天災(誤字じゃないよ)博士の設計だ。それが数機集まれば……数は力である。

「……捉えたっ!」
「散開っ、そして包囲だっ」
 イカルガのセンサー類は類を見ない精度を誇っている。そしてそこからの予測演算も。シル&ブルー・リーゼの速度と予測ルート、そこからこれまでの戦闘で得たデータを加えたシミュレートから弾き出された計算結果に従い、イカルガ隊がブルー・リーゼに対して、包囲攻撃を仕掛ける。
「うんうん。いい動き」
 包囲されてなお、シルが見ているのはイカルガ隊の動きであった。『包囲したら味方に注意して射撃!』とは昨日、シルが講習の後に伝えた言葉である。それを実現しているのか、配置、方角、攻撃の角度ともに完璧な包囲作戦。
 1点、難点があるとすれば。味方機に気を使いすぎて、少し攻撃が緩い。だから……ブルー・リーゼを捉えきれない。
「行けると思ったら思い切って近接っ!」
 それもまたシルが既に伝えている言葉だ。それを実践するのがシル側だと、まぁなんていうか、ハンパない。ぎゅんっ、と尋常じゃない速度と機動で接近してきたブルー・リーゼ。
「くっ……」
 その接近に対してライフル連射で対応するも捉えきれないイカルガは、再びエトワールの一閃を受けて、大地へと落下していくのであった。

●SIDE:Ground
「さて……働くとしましょう」
 上昇していったシル&ブルー・リーゼに上空・遠距離をお願いするのは昨日の迎撃戦同様。
 つまり、ユーフィ&ブライト・ナイトが担当するのも昨日と同様、近距離戦・地上である。
 優れた機動力とは空を飛び回ることだけではない。その推進出力を制御できれば、地を滑るように移動することだって可能だ。
 それを体現するかのごとく、地上に残ったイカルガ隊がアサルトライフルを構えて、突撃してくる。直線ではなく、左右に揺れながら、しかし決してブライト・ナイトから照準を逸らさず。直後、イカルガ隊から放たれる弾幕。
「……!」
 弾幕に対して、ユーフィが右手を前に突き出す。開いた掌に展開されるはオーラの護り。ブライト・ナイトのパイロットトレースシステムがユーフィの動きをそのままトレース&再現すれば、ブライト・ナイトの掌に生まれるオーラの盾。大きく展開されたオーラの盾が銃弾を弾き返していく。それをすり抜けた銃弾はブライト・ナイトの装甲をかすめるものの、ダメージらしいダメージを受けることなく。
「今度はこっちから……!」
 ユーフィが足に力を籠める。直後、地を蹴って素早く間合いを詰めるブライト・ナイト。その間に開いていた掌は握られて拳となっている。その拳から零れ出る光。それはビーム発生装置を通じて、拳に纏われるユーフィのオーラ。

「――《戦士の手》と共に。輝け、”ブリッツ・ファウスト”!」

 ユーフィの叫びとともに放たれる必殺の一閃。自慢のオーラを纏った拳撃によるなぎ払いが間合いにいたイカルガたちを吹き飛ばす!
 『勿論死なないよう加減はします』とはユーフィの談。必殺なのに死なないとはこれ如何に、とかツッコミを入れている余裕など新兵たちにあるわけもなく。
 ただでさえ格闘戦に長じているユーフィ&ブライト・ナイトの性能が【戦士の手】によって、より強力に特化されている。その拳の一閃は地を走る雷の如く。
 イカルガ隊のアサルトライフルの反撃を受けながらも、拳を振るい続けるユーフィ&ブライト・ナイトの猛攻。
「吹き飛んでも着地はしっかりしてくださいねっ」
 イカルガを吹っ飛ばしつつ、そう告げるユーフィには余裕がある。だがイカルガ隊もやられっぱなしではない。
「……ここだっ!」
 拳のなぎ払いという、ブライト・ナイトの大きな動作のわずかな隙を縫って。数機のイカルガが密着するほどに接近する!
「……!」
「もらったっ!」
 前後を捉えられたユーフィの動きが一瞬硬直する。その隙にイカルガがビームソードを一閃! ブライト・ナイトを斬り付ける。
 が。
「死角や隙を突くのもなかなかですが……!」
 ビームソードの一撃は確かにブライト・ナイトの装甲をえぐり取った。しかし、それでも。
「防御力に長けた相手を貫くには、もう少し火力が欲しいでしょうかねっ」
 ブライト・ナイトの動きを止めるほどのダメージには至っていない。そう、見た目は軽やかなブライト・ナイトだが、その装甲はユーフィと同じくとても『頑丈』なのだ。
「しまっ……!」
 イカルガが退避するよりも早く。そう、ユーフィが講義で告げていた『やられても勝つ』を体現する一撃がイカルガたちに降り注いだのであった。

●SIDE:X(Cross)
 数の面では圧倒的に有利であったイカルガ隊。それでもなお、シル&ブルー・リーゼとユーフィが&ブライト・ナイトを撃破するには至らない。というか、まだ相手は小破にも至っていない。
 だがそれでも。戦いを投げ出すような者は、いないっ!

 戦闘を続けるうちに、空での戦いと地上での戦い、その場所の距離が徐々に詰まっていく。それは偶然であったかもしれないし、新兵たちの作戦であったかもしれない。

「「……!!」」

 シルとユーフィがお互いの機体の距離に気づいたその瞬間、イカルガ隊が動いた。
 それはとても単純な作戦。担当の相手を交代しただけ。
 すなわち、地上にいたイカルガ隊が急上昇でシル&ブルー・リーゼに迫り。空中にいたイカルガ隊が急降下でユーフィ&ブライト・ナイトを狙う。
 急上昇しながらクイックショットでブルー・リーゼを襲うイカルガ隊。そして急降下しながらイカルガ隊はマイクロミサイルをブライト・ナイトを降らせる。これで終わるとは思っていない。全てのイカルガがビームソードを構えて、速度を緩めずに突撃する!

 不意を突いたのは事実だ。その証拠にシルとユーフィは即応出来ていない。
 しかし、基本である索敵、あるいは野生の勘、第六感といった超感覚。あるいは脊髄反射にも近い反応速度。そういった経験値において言えば、新兵たちがシルとユーフィに叶うはずもなく。

「いい攻撃だけどっ」
「まだまだですっ」

 多少被弾しながらも、シルのブルー・リーゼがぐんっと急加速&上昇。ジグザグに稲妻のように空を駆け抜けて振り切れば。
 ユーフィのブライト・ナイトは両腕にオーラの護りを集中。空から降ってくるマイクロミサイルを防御の態勢で受け止める。

「くっ、速い!」
 速度を上げてブルー・リーゼに追い付こうとするイカルガ隊。その時、センサーがアラートをあげる! それは遠距離から放たれたブルー・リーゼのツインキャノンの砲撃を感知したため。
「ちっ……!」
 回避行動に移ろうとしたその瞬間。
 自分が放ったビームよりも早く、イカルガに向けて飛翔するブルー・リーゼ。ビームランチャーを広範囲に連射しながら、距離を詰めてきたシル&ブルー・リーゼがイカルガ隊と交差する!
「回避っ、なっ、うわぁぁぁ!」
 ブルー・リーゼの突進を回避して上昇した、『そこ』を撃ち抜くツインキャノンのビームがイカルガに直撃。そのまま撃墜される。
「んなっ」
「よそ見っ!」
 している暇ないよ? とシルが告げるよりも早く、エトワールが一閃、二閃とされて。
「うわぁぁぁぁっ!?」
 空にいたイカルガが全て、シル&ブルー・リーゼによって落下していくのであった。

 マイクロミサイルの直撃。爆風によって巻き起こされる煙。
「油断するなっ! このまま連続攻撃で仕留めるっ!」
 その煙の中へセンサーを頼りに突進するイカルガ隊。飛翔で発生した風が煙をまき散らし、視界をクリアにしていく。爆風の中心にいたのはブライト・ナイト。被弾して装甲が一部破損しているものの、健在なユーフィ&ブライト・ナイトだ。
 コックピットにいるユーフィは笑顔を浮かべている。
「その思い切りは良いですねっ」
 ぐっ、と腰に構える拳。ブリッツ・ファウストが再び輝く。
 動かなかったのは防御のためだけではない。この一瞬のために……溜めていたのだ、力を。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
 振り抜かれる拳。オーラとともに放たれる衝撃波が爆風ごと空を飛ぶイカルガを吹き飛ばす!
「うおぁぁぁぁっ?!」
 イカルガ隊の決死の突撃に対して、惜しむことなくカウンターの一撃で以て。ユーフィ&ブライト・ナイトが迫ってきていたイカルガ隊を全て地に落としたのである。

●戦い終えて
 ゆっくりと日が沈んでいく。
 模擬戦の会場となっていた街の外から基地への帰還が始まる。イカルガ全機は回収班がトレーラーで格納庫に運び込むらしい。
 激戦をくぐり抜けた戦友に言葉をかけ、あるいは手を添えて。新兵たちはその場を離れる。
 もう動けない。なので、新兵たちもトラックで運んでもらえることになった。
 そこに同乗するシルとユーフィ。
「あの機動はよかったよ。思い切りいいね!」
「ええ、とても良い連携でした」
 笑顔とともにかけられる言葉は賞賛の言葉。模擬戦としては負けたものの、何とかシルとユーフィのお眼鏡にはかなったらしい。
 そんな心地よい言葉と眠気に揺蕩いながら。

 新兵たちの模擬戦は無事終了したのである。

 その後、街を去る際に。この訓練に協力した猟兵たちは、新兵たちをはじめとした基地の皆から盛大な感謝と見送りを受け取ったという。

●どうでもいいエピローグ
「まあ、納品し直せと鬼のようなことは言わんから」
 基地の司令はグリモア猟兵に対してこう告げる。
「でも稼働できるようにはしておいてくれよ。スクラップじゃ意味ないから」
 つまり修理用のパーツとかちゃんと仕入れてメンテナンスとかしっかりやれよ、って話である。
「……あぁぁぁぁぁぁぁ……しくしくしくしく……」
 泣き崩れ落ちるグリモア猟兵。
 結局ほぼ稼ぎは無かったという。まぁ最初が強欲すぎましたね。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月03日


挿絵イラスト