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銀河帝国攻略戦⑪~真紅の破壊者

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 帝国大要塞『エンペラーズマインド』――その防御装甲と対艦武装は、規格外の『コアマシン』である『エンペラーズマインド・コア』によって修復され続けるものだった。そのため、この『エンペラーズマインド・コア』が健在な内は、『エンペラーズマインド』の陥落は難しく、膠着状態が続いていた。
 この状況を打破するために、猟兵達が『エンペラーズマインド』へ突入。『エンペラーズマインド・コア』を破壊するしか無い。しかし、銀河帝国とてその弱点を把握していない訳がない。そのための守護者を、そこに控えさせていた。

『――――』

 古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』。戦闘のみに特化し、感情を持たない真紅の破壊者は、かつて伝説の解放軍の英雄達を屠ったことで知られている。
 だが、この凄まじい強敵を倒せなければ先はない――猟兵が、覚悟を決める時が来たのだ……。


「ここが、踏ん張りどころです」
 八剣・花蓮(古流殺法八剣派奥伝・f13987)は、厳しい表情でそう切り出した。
 現在、帝国大要塞『エンペラーズマインド』は攻略が進んでいるものの、『エンペラーズマインド・コア』がある限り陥落の二文字はない。そのため、膠着状態が続いているのだ。
「皆さんには、『エンペラーズマインド・コア』を破壊するため乗り込んでほしい……のですが」
 道中は平和なものの、問題は『エンペラーズマインド・コア』がある手前だ。古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』――戦闘特化のこのウォーマシンがいる限り、破壊する事はかなわない。そのため、この強敵と戦って勝つというのが前提条件である。
「そして、勝ったとしてもコアマシンルーム内には、殺人ウイルス『オロチウイルス』が充満しています。例え猟兵でも、活動できるのは数秒がせいぜいです」
 コアマシンルーム突入後は、渾身のユーベルコードを一度放つのがせいぜい――その事を忘れずに、挑んでほしい。
「良いか? 『デストロイ・ウォーマシン』は強い。こちらが歯が立たず、返り討ちにあう可能性もあります。だからこそ、万全の体勢を整えて挑んでください」


波多野志郎
さあ、蹂躙する準備は整ってるよ? どうも、波多野志郎にございます。
今回は伝説の古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』に挑み、コア破壊を目指していただきます。

多くは語りません。あらゆる手と知恵、連携を持って強敵と排除し、コア破壊を目指しましょう。


それでは、渾身のプレイングをお待ちいたしております。
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第1章 ボス戦 『デストロイウォーマシン』

POW   :    デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒川・闇慈
「デストロイウォーマシンですか。実力はどんなものでしょうかねえ」

【行動】
属性攻撃、全力魔法、高速詠唱の技能を活用して風獄刃軍を使用します。
まずは足止めです。竜巻の中に相手を捉えれば、少なくとも遠距離攻撃の精度は大幅に落ちるでしょう。その間に他の猟兵が痛撃を浴びせてくれるのを期待しましょうか。何も私だけで戦う訳ではないのですし。

『吹き荒れるは命を逃さぬ致死の風。一切全てを切り刻め、テンペスト・センチネル』
「どこまで抑えておけるでしょうかね……クックック」

【アドリブ・連携・組み合わせ歓迎】


夜舞吹院・兎鞠
成程、相手は強敵のようですね。特に攻撃が一癖あるようで。
ならば私は、皆様の盾となるのみです。

接敵後、自分や他の猟兵が攻撃を喰らいそうな時に『無敵城塞』と【武器受け】により防御します。

残念なことにコアマシンルーム内での有効な行動は、私には出来なさそうです。その分、他の猟兵の方の体力を温存するためにも、経路中積極的に攻撃を庇いに行きたいですね。あとは任せました。
「コアマシンの破壊、宜しくお願いします!」

●改変アドリブ連携歓迎です。


桐崎・早苗
【同行:御狐・稲見之守(f00307)】
●事前に
強大な敵…しかしここで引きたくはありませぬ。
やはり、妖狐の力も使いこなせなければならないのでしょうか

…御狐さん、私は、自身の不明の力、妖狐の血が怖いのです…。狐火を教えてくれた祖母は祖父の寿命の後に姿を消し、私はそれ以上を知りませぬ

(【古びた鈴】に触れ覚悟を決め)
伊吹(双子の姉)のためにも、私は立ち止まる訳にはいかないのです…!

御狐さんの【憑依の術】を受け入れ【妖狐の血】(今回が初使用)で自己強化して挑みます
●戦闘
2人の力を重ね高速移動からの【石縛ノ太刀】による一撃を加えます。

力に飲まれそうになりながら御狐さんの声で理性を保ち目の前の敵に集中


微笑本・ウサ氏
小生、チョリースでござる!
戦闘中は拙者、ござる
うぬ、名字氏呼び

一切モードに変形したらただ早く走る玩具のS四駆を走らせ
攻撃をおびき寄せ騙し討ちに
動きを野生の勘で見切り
属性攻撃・酸で鎧無視攻撃のexカリをセンサー目掛けて念動力の補助付きで目潰し串刺し暗殺の槍投げ

周りの猟兵と連携して接近を試み淡いピンクのブウンと金属剥離で質量のある残像が出現し回避行動や武器受け流しや盾受け流ししながら
カウンターで武器落としのナウ剣からの斬撃

コア破壊用に
アクライザーにコマンド入力
↓↘→↓↘→+D
伝説の狼の牙を喰らうが良いでござる

バトキャラ金髪のナイスガイ
が闘気を纏った拳を零距離で撃ち抜く

Are you OK!?


御狐・稲見之守
【同行:桐崎・早苗f10614】
●事前
ウォーマシンにオロチウィルス…厄介な。なれば早苗殿に憑依しその身を保護するとしよう。

ん? ふふっこの力が不明の力か。

妖狐とは夢と現つ…その境界の立つ者。妖狐の力とはその境界に石を投げてやるだけよ。さすれば夢は現つへ、現つは夢へと変わる。思わば、叶う。

御せぬ力は怖いものだが、それは未来を歩む力にすることもできる。全ては早苗殿次第。

【WIZ】UC憑依の術、早苗殿に憑依し『妖狐の血』の力となろう。ふふっ、我と意識を共有する今なら、その力の意味……少しはわかるだろう。

●戦闘
我の力、その未来への一太刀に重ね預けよう! さあ早苗、前に進むならば我をも御してみるがよい!


メンカル・プルモーサ
……マインドコア破壊…の前に…強敵……
まず、【現実を侵せし狩猟団】を召喚……援護射撃と仲間の防御に回す……
積極的に高速機動させて優先的に狙われるように……
……耐久力と攻撃力が高いなら……【鳴り止まぬ万雷の拍手】や【空より降りたる静謐の魔剣】で動きを封じる……動きを分析して……先の先を取る……
●ユーベルアナライザーに対しては……借用されたUCは『一度見ている』から【崩壊せし邪悪なる符号】で消す…
……倒せたらコアマシンルームには【尽きる事なき暴食の大火】をぶつける…コアマシンとウィルスに延焼するように設定して帰還かな……
あのウィルス……解析したいけどサンプル取る事が危険か…


鷲生・嵯泉
そうか、お前を斃せば新たな1手を打てるという訳だな
ならば為すべきは決まっている
必ずや討ってみせよう

しかし流石に独りではどうにもならんな
他と連携を以って当たるとしよう
多少の傷は激痛耐性で無視し
攻撃優先の姿勢にて、怯む隙があれば前へ出る
見切りと第六感で出来るだけ攻撃は躱すか武器受けにて弾く事に努め
フェイントでの攪乱とカウンターでの剣刃一閃を狙うとする
其の強さ、確かに脅威と言える
しかしお前が立ち塞がり続けるならば、私も断ち続けてやろう
命を賭けた根競べ、勝負を降りる道は無いぞ

コアの破壊、か
後も先も考える時間なぞあるまい
残っている力があるなら、此処で全て使ってしまって構わんだろう
剣刃一閃、叩き付ける


照崎・舞雪
>マシン戦
心なき者、戦う事しか知らぬ者
なんとも哀れなものなのです

シンフォニックキュアを歌います
感情のない機械が相手なら、万が一にも敵に利することはないでしょう
強敵を相手にするならば、万全の態勢を可能な限り維持するべきでしょうし
戦いが終わるまで、歌い続け、皆さんを癒し続けるのです


>コア破壊
ところであのオロチウィルスってちょっと好奇心そそられるんですけど、回収とかできませんかね?分析とかしてみたい……だめ?やっぱりだめですか、ちぇー

技を指定できるなら威力の高い、万里呑み込む大海嘯(トライデント・アトラティカ)でコアを攻撃するのです


水衛・巽
古代超兵器か、なるほど。
相手に不足なしって奴だね。

マシンルーム前までは余計なことを考えず
最短で到着を目指そう。
のんびりしている時間はなさそうだ。

いくら強かろうが行動させなきゃただの電気人形。
すこしでもこちらの被害は抑えたいし
七星七縛符で拘束してサポートに回ろう。

たとえ防御されたとしても何度でも試みる。
寿命が減ろうがこちとら生命力吸収があるんでね、
攻め手が欠けると思われる状況になったら身代わりにもなろう。
多少は打たれ強いと自負しているんだ。

…それに最初っから、
私はマシンルームに入れるものとは思っていないよ。
誰かをコア近くへ送り込むことができれば、
それで私の目的は達成される。
後は任せた!


月宮・ユイ
古代超兵器ですか…

可能な限り仲間達と情報を共有。私は”情報収集”に専念する予定
【根源識】を併用しつつ、”視力、暗視、聞き耳、第六感”等感覚を研ぎ澄ませ、兵器コアとしての高い”学習力”と”メカニック、戦闘知識、世界知識”も基に敵の動きを”見切り、情報収集”
敵の攻撃・動き、味方の攻撃・動きへの反応・対処等、あらゆる動きをつぶさに観察。何か一手有利となる様な隙や弱点が無いか探る。
もし見つかったなら、即座に共有
必要なら自身で’ストレージ:ライフル’で”スナイパー”として一撃を

コアへの一撃
侵入前に”高速詠唱、2回攻撃”分の【破壊の理】を一つに纏め”力溜め”
侵入と同時に”全力魔法”

アドリブ・絡み協力歓迎


上野・修介
【POW】
「覚悟」はもとより出来ている。
猟兵になる前から、拳の握り方を覚えた時から。

ボス破壊に専念。
コアの破壊は他の猟兵に任せる。

元より武器は素手喧嘩。遠距離から攻撃する手段はない。
「捨て身」で懐に飛び込む。

敵が機動力に長けているなら先ずは足(特に関節部、装甲の接合部を重点的に)を潰して動きを止める。
そうでないなら武装を狙ってまず攻撃力を削る。

・敵UC対策
発動したら、下手に距離を取って回避することはせず、むしろ被弾上等で懐に張り付つき、自分に攻撃を向けさせることで味方の被弾率を減らす。
それで攻撃が単調になれば「見切れる」可能性がある。

・自UC
敵が機動力があれば命中重視。そうでないなら攻撃重視。


エスチーカ・アムグラド
宇宙に風ってあるんでしょうか?
戦うことに特化した古代超兵器は、髪を揺らす、頬を撫でる風の気持ちよさを知っているでしょうか?
金属や火薬、光線ばかりしか知らないのなら、チーカの呼ぶ風は解析に時間がかかるかもしれませんね!
チーカは【烈風】の、風の斬撃をお見舞いします!
【属性攻撃】はチーカの得意とするところですからね、全身で風を味わってもらいましょう!

あやや、コアのあるお部屋にはウィルスですか……
でもでも!数秒あればチーカには十分です!
一振りで百の斬撃、【烈風】をお見舞いしましょう!

……百より多かった?
ふふふー!チーカは日々成長していますからっ!


セゲル・スヴェアボルグ
あれとまともにやり合うのは骨が折れるな。
承従タル対者で文字通りやつの主導権を握らさせて貰うとしよう。
まぁ、その為には血がいるわけだし、接近が必須なわけだが……まぁ、やつの攻撃を鑑みれば血の心配は不要だな。
少しずつ、じっくり距離を詰める。いくら怪我など気にしないとは言っても、倒れては元もこもないからな。
近づいてしまえばあとは鎖で繋ぐのみ。
やつの行動をこちらが制限してしまえば、あとは殴り放題だな。
猟兵達よ、遠慮は無用だ。各々好きにするといい。



●帝国大要塞『エンペラーズマインド』
 猟兵達が、『エンペラーズマインド』の通路を駆けていく。防御装甲と対艦武装は、いくら破壊しても再生される――その規格外の奇跡を可能にするのは、『エンペラーズマインド・コア』だ。
 それを破壊しなければ、勝利はない。それは、帝国側からすれば敗北がない事と同義であった。ならば、その道を塞ぐ者がいるのは当然の事だった。
「止まれ!」
 セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)の声に、猟兵達が急停止。直後、高い天井から落下してくるモノがあった。
 ズン……! と地響きを立てて降り立ったのは、真紅のウォーマシンだ。その姿に、ポツリと月宮・ユイ(死ヲ喰ラウモノ・f02933)が呟く。
「古代超兵器ですか……」
 古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』、かつて銀河帝国に立ち向かった解放軍の英雄さえ殺してみせた、戦闘特化型ウォーマシンである。
「デストロイウォーマシンですか。実力はどんなものでしょうかねえ」
 黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)は、喉を鳴らして笑う。その強さは、肌で感じている。デストロイが現われただけで、周囲の空気が明らかに変わった――そう思えるほどに。
「古代超兵器か、なるほど。相手に不足なしって奴だね」
「そうか、お前を斃せば新たな1手を打てるという訳だな。ならば為すべきは決まっている――必ずや討ってみせよう」
 水衛・巽(鬼祓・f01428)が言ってのけ、鷲生・嵯泉(烈志・f05845)が告げた瞬間だ。

『――――』

 デストロイの姿が、眼前から消えた。そう見えるほどの超機動で、一気に猟兵達の頭上へとバーニアを吹かせて飛んだ。夜舞吹院・兎鞠(明鏡華筏・f13330)はその瞬間、考えるより速く前に出ていた。
 ギィン! と兎鞠のサムライブレイドとデストロイのレーザーブレイドが激突する。無敵城塞によってその斬撃を紙一重で受け止めた兎鞠は、ぐるりと視点が回転する奇妙な浮遊感を体験した。
「!?」
 デストロイの尻尾部分が兎鞠の首を巻取り、壁へと叩きつけたのだ。デストロイの猛攻は、それで止まらない。壁と兎鞠をマニュピイレーターの砲門で抑えつけ――。
「ォオオオオオッ!」
 連続射撃が始まる前に、上野・修介(元フリーター、今は猟兵・f13887)の捨て身の拳が、砲門を弾き飛ばした。拳に伝わる重みに修介が息を飲んだ瞬間、横殴りの衝撃に薙ぎ払われる。デストロイの脚部による、回し蹴りだ。
「洒落にならないでござるな!」
 微笑本・ウサ氏(the freedom~歩く悪巫山戯~・f01154)もExカリバールを念動力で操り放つが、デストロイの速度に追いつけない。これがボクシングであれば、ジャブよりも速い速度でかわされているようなものだ。高速機動だとか、先読みだとか、そんなありきたりなものではない。
「読込、演算……」
 ユイの根源識(ラプラス)が、デストロイの動きをつぶさに観察し――その膨大な情報量にユイは戦慄する。ただ、殺す事。ただ、壊す事。目の前のウォ―マシンが積み上げた研鑽と手段は、凄まじいものだった。
「我が軍勢よ、集え、出でよ。汝は電霊、汝は猟団。魔女が望むは現を狩り取る百鬼夜行」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)の現実を侵せし狩猟団(エレクトロ・ファンタズム・ワイルドハント)が、戦闘用プログラムを実体化させたガジェットの群れを召喚する。ガジェットの群れが取り囲んでいくが、デストロイはカメラアイを向ける事もなく、複数の砲門で正確無比に薙ぎ払っていった。
「……体勢を――」
 立て直して、というメンカルの言葉は、最後まで続かない。数秒でガジェットを破壊したデストロイが、一気に前へ出たからだ。嵯泉はその動きを呼んでカウンターの秋水による剣刃一閃を繰り出していた。
 だが、それもデストロイのレーザーブレイドに受け止められ、バーニアの噴射で上を抜けられる。頭上で撃たれる砲撃を、嵯泉は返す刃で断ち切った。
「止まれ!」
「吹き荒れるは命を逃さぬ致死の風。一切全てを切り刻め、テンペスト・センチネル」
 巽の放った護符が、闇慈が魔法陣から吹き出させた竜巻が、デストロイへと迫る。だが、そのことどとくが砲撃によって迎撃され撃ち抜かれていった。
「風の精霊さん、チーカに力を貸してください!」
 エスチーカ・アムグラド(Espada lilia・f00890)が、無数の風の刃を放つ。その一つ一つを、デストロイは左右に最小限度の動きでかわし、掻い潜っていった。
「あれとまともにやり合うのは骨が折れるな」
 セゲルが思わずそうこぼすほどに、デストロイの戦闘能力は脅威だ。もはや、自分達と同じ領域にない――圧倒的高みにいる敵だ。ならば、相応の賭けが必要になるだろう。
(「強大な敵…しかしここで引きたくはありませぬ。やはり、妖狐の力も使いこなせなければならないのでしょうか」)
 桐崎・早苗(天然風味の狐娘・f10614)は深呼吸を一つ、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)を見上げた。
「……御狐さん、私は、自身の不明の力、妖狐の血が怖いのです……。狐火を教えてくれた祖母は祖父の寿命の後に姿を消し、私はそれ以上を知りませぬ」
「ん? ふふっこの力が不明の力か」
 早苗の不安に、稲見之守は慈しみの視線を向けて言葉を続ける。
「妖狐とは夢と現つ……その境界の立つ者。妖狐の力とはその境界に石を投げてやるだけよ。さすれば夢は現つへ、現つは夢へと変わる。思わば、叶う。御せぬ力は怖いものだが、それは未来を歩む力にすることもできる。全ては早苗殿次第」
 稲見之守は、早苗の背後に立つ。無意識に古びた鈴に触れていた早苗は、その感触に覚悟を決めた。
「伊吹のためにも、私は立ち止まる訳にはいかないのです……!」
「それが早苗殿の願いじゃな?」
 稲見之守は同族の少女の決意に、微笑みながら告げた。

「今こそ、神様を頼ってもいいんじゃゾ」

 ダン! と憑依の術で稲見之守と憑依合体した早苗が、妖狐の血で強化してデストロイへと挑みかかる! 一つ、二つ、三つとデストロイと切り結び、更に加速していく――不意に、デストロイの目が点滅した。
「心なき者、戦う事しか知らぬ者。なんとも哀れなものなのです」
 照崎・舞雪(未来照らし舞う雪の明かり・f05079)は、歌う。舞雪のシンフォニック・キュアの歌声が響き渡る中、猟兵達とデストロイの戦闘は加速していった。

●真紅の破壊者
 デストロイが蹂躙し、猟兵が食らいつく。その戦いの均衡は、削れない。全力を引き出し、なお届かない――それが、この古代超兵器の圧倒的戦闘能力だった。

(「それでも、無敵ではないわ」)

 膨大な演算を続けるユイは、知っている。デストロイは、オブリビオン――過去の産物だ。それは、この強大な存在でさえ敗れたのだという証なのだ。
 ならば、勝てる。最強だろうと、無敵でないのなら――突破口は、必ずあるのだから。「ぐ、う、う――!?」
 兎鞠は、デストロイのクリムゾンバーストを零距離で撃ち続けた。無敵城塞で攻撃の威力を殺してるはずなのに、兎鞠を重い衝撃が襲う。このままでは、強引に突破される――否、ここまで耐えただけでも脅威なのだ……ユーベルコードという力を持ってしても。
 そこへ、セゲルが走る。賭けに出たのだ。セゲルが腕を伸ばした瞬間、グルリとデストロイの頭部が180度回転、セゲルを振り返った。
「そういうのも有りか!」
 セゲルの手が触れるよりも速く、レーザーブレイドがセゲルの首へと放たれる。そのレーザーブレイドが――宙を、舞った。
「今よ」
 演算を終えたユイの狙撃が、レーザーブレイドを撃ち抜いたのだ。間に合った、賭けに勝った瞬間だった。
「忠なれば即ち二心無し。逆らわない方が身のためだぞ?」
 セゲルの承従タル対者(チェナレ・ロイヤリティエット)が、デストロイと自身を不可視の鎖で繋ぐ。デストロイがそれでも強引に動こうとした瞬間、大量の護符と竜巻がデストロイを飲み込んだ――巽の七星七縛符と闇慈の風獄刃軍(テンペスト・センチネル)による拘束だ。
「いくら強かろうが行動させなきゃただの電気人形だ」
「どこまで抑えておけるでしょうかね……クックック」
 少しでも気を緩めれば、拘束が弾き飛ばされる――その確信が、巽と闇慈にはあった。そして、それはセゲルにとっても同じ事だった。
「猟兵達よ、遠慮は無用だ。各々好きにするといい」
「ああ」
 一気に駆け込んだ嵯泉が、デストロイの砲門を剣刃一閃によって斬り飛ばす! そして、ウサ氏がデストロイの頭上を取った。
「いただきでござるよ!」
 投擲した後、念動力で加速したExカリバールが、デストロイのメインカメラを破壊する。それでもなお、デストロイは動こうと足掻いた。
「風の精霊さん!」
 エスチーカの烈風(ヴィエント・フエルテ)が放たれた瞬間、デストロイもまた風の刃を繰り出した。ユーベルアナライザーによるコピーだ。互いの風の刃が空中で激突し――しかし、押し勝ったのはエスチーカだった。
「戦うことに特化した古代超兵器は、髪を揺らす、頬を撫でる風の気持ちよさを知っているでしょうか? 金属や火薬、光線ばかりしか知らないのなら、チーカの呼ぶ風に勝てるはずがありません!」
 ゴォ! とデストロイの巨体が、後退する。そこへ真っ直ぐ迫ったのは、修介だ。
「――シッ!」
 修介の渾身の力を込めた殴打が、デストロイの脚部を破壊する! デストロイが大きく体勢を崩したそこへ、メンカルがシルバームーンの月を掲げた。

「観測せし虚像よ、沸け、轟け。汝は観客、汝は賞賛。魔女が望むは舞台を止めし大喝采」

 ドン! とメンカルの鳴り止まぬ万雷の拍手(ショウ・ストッパー)が、メインカメラを破壊されたデストロイの感覚器官の許容量を超える情報を幻覚で与え、その動きをフリーズさせた。
「我の力、その未来への一太刀に重ね預けよう! さあ早苗、前に進むならば我をも御してみるがよい!」
「はい!」
 そして、そこへ早苗が駆け込む。力に飲まれそうになりながら稲見之守の声で理性を保ち、早苗は渾身を振り絞った。

「一族に伝わりし退魔の業がひとつ……秘剣、『石縛ノ太刀』……!」

 研ぎ澄ました霊力を込めた斬撃と不可視の斬撃が、デストロイの巨体を十字に断ち切る。全力を使い果たした早苗がその場に膝を付くのと同時、完全に石化したデストロイの巨体がその場に転がった……。

●心臓部を討て
「後は任せた!」
「そうだね、クックック」
 自身も力を使い果たして、巽と闇慈が言った。デストロイを倒すのが、目的ではないのだ。本番はこれから――『エンペラーズマインド・コア』の破壊にある。
「コアマシンの破壊、宜しくお願いします!」
 兎鞠もまた、デストロイの攻撃を引き受け続けて余力は残っていない。いや、巽と闇慈、兎鞠がデストロイの動きを拘束し攻撃を受け持たなければ被害は、凄まじいものになっていただろう。
「ところであのオロチウィルスってちょっと好奇心そそられるんですけど、回収とかできませんかね? 分析とかしてみたい……だめ? やっぱりだめですか、ちぇー」
「あのウィルス……解析したいけどサンプル取る事が危険か……」
 舞雪やメンカルは、オロチウイルスに興味を抱くものの、今は回収の手段自体がない。二人共、少なくとも順番を間違えない程度に理性的だ。二次災害、三次災害を引き起こす可能性を考えれば、当然とも言えるが。
「行くわよ、いい?」
 ユイの確認に、仲間達はうなずく。与えられた時間は、数秒。その数秒が、結果を分けるのだ。
 ユイがコアルームへの扉を開けた瞬間、高速詠唱で準備を整えていた破壊の理(ブレイカー)による炎を二回攻撃で全力で叩き込む! そして、それに合わせるようにメンカルも尽きる事なき暴食の大火(グラトニー・フレイム)の白色の炎を放った。
 その炎を追うように駆けた嵯泉の斬撃と、エスチーカの烈風(ヴィエント・フエルテ)が一閃で百を超える風の刃を繰り出す!
 即座に、ウサ氏がアクライザーにコマンド入力。
『Are you OK!?』
 出現したバトルキャラ、金髪のナイスガイが闘気を纏った拳を零距離で撃ち抜いた。
 そして、舞雪は魔法で生み出した水の三叉槍を投擲。ザン! とコアに深々と突き刺さると、巨大な津波が『エンペラーズマインド・コア』を蹂躙した。
 舞雪の万里呑み込む大海嘯(トライデント・アトラティカ)が、止めとなる。猟兵達は、素早く部屋から退避した。
 誰も、口を開く余力は残っていない。超兵器とオロチウイルス、二つの驚異は、確かに踏破したのだ。

 こうして、猟兵達は古代超兵器『デストロイ・ウォーマシン』を倒し、『エンペラーズマインド・コア』への攻撃に成功した。この先、銀河帝国との戦いがどうなっていくのか、それはまだ定かではない。
 しかし、これだけは言える。銀河帝国がいかに強大と言えど、届かない相手ではない。オブリビオンを討ち倒すため、猟兵達の戦争は続くのであった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト