アポカリプス・ランページ⑭〜暴走戦車殲滅戦
バトルクリーク市の廃墟、この場には多数の戦車が配置されていた。オブリビオン・フォーミュラ「マザー・コンピュータ」によって作られた異形の戦車群「戦車獣」だ。
だがマザーが討伐され、もう指示を出す者がいなくなった今、その機能を停止したかに見えたが・・・。
「・・・再起動を開始します」
無機質な少女の声が辺りに響き渡り、一部の戦車群が動き始めた。
「・・・これより殲滅作戦に移行します。手当たり次第に破壊です。ですが・・・まずはこの場にある不用品から処分しましょう」
そういうと再起動した戦車獣が動きを止めたままの機体に砲塔を向けた。
「身動きの取れない兵士など、無用の長物。せめて私達の手で葬ってあげましょう」
●とある世界の夕闇邸にて
「皆さん、オブリビオン・フォーミュラも残りはフルスロットルのみ!終戦まであとわずかですが・・・。申し訳ない、今回の任務は別件です。急ぎバトルクリーク市の廃墟まで向かっていただくことになります」
バトルクリーク市の廃墟は、既に討伐された「マザー・コンピュータ」の指揮下にあったはず。もう彼女もいない今、何か問題が発生したというのか?首を傾げる猟兵達に鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)が説明を始める。
「そのマザーが討伐された事で指揮する者がなくなり、機能を停止したかに見えた戦車獣達に動きがありまして・・・。どうやら一部の戦車獣が再起動し、周囲の動かない戦車獣に襲い掛かっているようなのです」
暴走、なのだろうか?だが話の通りならば潰し合いになるだけだから、放っておいてもいいのでは・・・?そう思った猟兵達の質問に首を振るひりょ。
「どうやらその暴走戦車達はそのままその場を壊滅させたら、各地域へ移動を開始するようです。そうなればアポカリプスヘルの住民達にも被害が出る可能性があります。何としてもそれは避けねば」
もうじき戦争も集結するだろう。そんな矢先に無用な被害が出るのは見過ごせない所だ。
「動きを止めている戦車獣達は誰かの指示を待ってアイドリング状態にあるみたいなので、猟兵の皆さんが乗り込めばすぐに起動すると思われます」
なるほど、動きを既に止めているから乗り込むのは容易そうだ。
「戦車獣達に取りこまれたのはクローン将校部隊。クローン技術で生み出された少女達の部隊です」
・・・という事は、乗り込めばその少女達がサポートしてくれるのだろうか?
「恐らくその通りかと。砲塔に猟兵のユーベルコードを喰わせると、元のユーベルコードと同等の性能を持つ『ユーベルコード弾』を発射出来ますが、これも指示を出せば装填サポートしてくれるはずです」
なんだか、一部の猟兵が妙にやる気が出てきているような出てきていないような・・・。そんな様子に天然のひりょは気が付かない。
「そんな感じで、現地の暴走した戦車獣達を殲滅お願いします!それでは現地へ転送しますね」
急ぎ転送準備に入るひりょだった。
黄昏空
戦争の最後は萌え戦車と共にどんぱちはいかがでしょう?MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。このシナリオは戦争シナリオ、1章のみで完結します。
「マザー・コンピュータ」に掌握されていた、バトルクリーク市の廃墟。マザーによって量産されていた異形の戦車群「戦車獣」が闊歩し、周囲にいたオブリビオンを捕食しその能力を取り込んでいます。マザー無き今・・・指示のなくなった戦車獣はその役目を終え動きも止めたかに見えましたが、一部の戦車獣が再起動し暴れまわり始めました。
現段階では周囲にある再起動していない戦車獣の破壊を行っているようですが、それが完了すればこの地域を離脱し周辺地域へ進軍を始める可能性があります。その前にこの暴走した戦車獣を破壊し殲滅しましょう。
幸いにしてまだ無傷の戦車獣が現地にはあり、誰かの指示を待ちアイドリング状態になっています。その為、猟兵が搭乗するのは容易いでしょう。猟兵が乗り込めばその存在をマスターとして認識し、行動を開始します(サポート役として猟兵に助力します。サポートAIみたいなもの、という認識で大丈夫です)尚、この戦車獣に取り込まれたオブリビオンはクローン将校部隊。元々クローンである為、連携はお手の物。戦車獣に取り込まれた今もそれは変わらないようです。
猟兵達が乗り込むことになる戦車獣達もクローン将校部隊が取り込まれたものです。デフォルトの戦車獣は搭乗者の事を「マスター」と呼び、無機質な感じの口調ながら搭乗者の指示に従います。(「こんな感じの子にサポートしてもらいたい!」とかがあれば、プレイングへ記載の方お願いします。MSの力量範囲で頑張ってみます)
砲塔に猟兵のユーベルコードを喰わせ、元のユーベルコードと同等の性能を持つ「ユーベルコード弾」を発射して戦うことが可能ですが、これも彼女達へ指示を出せば装填サポートを行ってくれます。
なお、敵の戦車獣達はクローン将校部隊の能力を戦車へ応用する形で攻撃してきます。(POWとかだと、「車体で体当たり」とかになります)
このシナリオのプレイングボーナスは言わずもがなですが「戦車に乗り込んで戦う」です。
OP公開と共にプレイングの受け付け開始します。どの程度集まるかはわかりませんが、この週末で完結出来ればなと思っております。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております!
第1章 集団戦
『クローン将校部隊』
|
POW : 将校級軍隊格闘術
【将校級の軍隊格闘術】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 暴走したクローン製造機
レベル×5体の、小型の戦闘用【の自身の劣化コピーの増援】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ : 将校級制圧術
【死角からの自身もしくは味方からの不意打ち】が命中した対象に対し、高威力高命中の【同一思考による味方からの連撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
陸郷・める
☆める:戦車乗りの少女。
★7号:戦車搭載偽神兵器の生体コアにされた元ヒャッハー。今回は『おでかけ7号』
★(戦車獣か……気にはなってたんだよな。色々と)
完全に止まってんなら生身のめるでも乗り込むのは問題ねえ筈だ。
後は制御系とか「喰わせる」方法とか詳しい事を喰われた当人から聞き出すか
☆めるでも、動かせるかな……?
★ま、最悪補助はするぜ
☆動かし方、教えてもらったら、《操縦》して暴走したのをやっつけるよ
UCはキノコさんを呼ぶよ。どんな感じになるのかな……?
★……コイツめるには制御任せて「マスター」呼び、俺様には「軽々しく触らないでくれますか?」って露骨に態度が違いすぎんだろ……
※アドリブ等歓迎です
●搭乗完了!
少女とメカ動物のペアが戦場に足を踏み入れる。陸郷・める(死念動力実験成功体6号・f26600)とその相棒の7号だ。7号は戦車搭載偽神兵器の生体コアにされた元ヒャッハーだが、今回は戦車外活動用ボディの『おでかけ7号』で任務に参加している。
(戦車獣か……気にはなってたんだよな。色々と)
7号は戦車搭載兵器の生体コアだし、隣に立っているめるはその戦車に乗る相棒だ。戦車獣の話を耳にした時から気に掛かってはいた。めるは…、というと目の前に佇んでいる戦車獣を興味深げにじっと眺めている。
「それじゃあ、とっとと乗り込もうぜ。完全に止まってんなら生身のめるでも乗り込むのは問題ねえ筈だ」
「うん。めるでも、動かせるかな……?ちょっと心配」
「後は制御系とか『喰わせる』方法とか詳しい事を喰われた当人から聞き出しゃいいさ。ま、最悪補助はするぜ」
7号がガシャンガシャンと機械音をさせながら戦車獣に飛び乗り、めるはよいしょよいしょとよじ登り、それぞれ戦車獣へと乗り込んだ。
●める機にて
『・・・、誰ですか?あなたがもしやマスター?』
めるが戦車獣に乗り込むと、直ぐに無機質な感じの少女の声がめるに呼びかけて来る。
「・・・うん、そうなるのかな?」
『了解いたしましたマスター。ご指示を』
「まずは、動かし方を教えて?6号と違うかもしれないし」
『マスターは普段戦車に乗っておられるのですか?それでしたら安心してください。基本操作には大きく違いはありません。それに細かな部分に関しては私がフォローいたしますので』
「ありがとう、ちょっと心配だったの。頼りにさせてもらうね」
『…っ!はい、マスターは私が全力をもってフォローいたします』
保護欲が刺激されたのだろうか?めるをフォローするという少女の声は、どこか気迫を感じさせるものがあった。安心しためるは操縦桿を握り、暴走した戦車獣と対峙した。
「UCを使う」
『了解しましたマスター。では、これに触れてください』
「こう?」
『はい、そうしましたら使いたいUCを発動させてください。それでUC弾が生成・装填されます』
少女の声に従い、浮き上がってきたパネルに手を触れる。恐らくこれが砲塔とリンクしているのだろう。めるはパネルに触れ、UCを発動させる。
『装填完了しました。UC弾を発射します』
める機が放った弾丸が暴走戦車獣に命中すると、謎の粉が舞い上がる。それは多数の二足歩行するキノコ型の謎生物となり、暴走戦車獣達に襲い掛かった!
『マスターはユニークな力を持っておられるのですね』
どこか感心した口調の少女を聞きながら、通常弾での応戦も開始するめるだった。
●一方7号機では
「お、始まったみてぇだな。じゃあこっちも」
『…誰ですかあなたは。もしかして、マスターではないですよね?』
7号が戦車獣に乗り込むと、無機質そうな、しかしどこか不機嫌そうな少女の声が出迎えた。
「そうだ、俺様がマスターだ。よろしく頼むぜ!」
『…不本意ですが、緊急事態です。あなたの搭乗を認めましょう。ですが、あまり軽々しく触らないでくれますか?』
「なんだとう?めると随分扱いが違うじゃねぇか?」
『…、……気のせいでしょう』
「なんだよ、今の間はっ!」
思わずツッコミを入れながら7号は乗り込んだ戦車獣を起動させ、戦闘に介入を開始する。
『ところで…あなたはUC弾を使わないのですか?』
「俺単体じゃ使えねぇんだよ。めるが普段使ってるからな」
『…はぁ。やれやれ…、使えないマスターですね』
「喧嘩売ってんのか!あとで覚えてろよ!」
『では、生き残らないといけませんね』
「あったりめぇだ、ミスるんじゃねぇぞてめぇ」
『それはこちらのセリフです』
どこか終始賑やかな感じで戦闘をこなす事になる7号であった。
まだ暴走戦車の数は確かに多いが、めると7号の活躍でその数は確実に減っていた。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
確かに、無駄な被害は避けたいですねぇ。
『FMS』のバリアで守りつつ『FAS』で飛行、無傷の『戦車』を上空から探し乗り込みましょう。
その際、『FMS』のバリアと『FGS』の重力結界は『戦車』の周囲に残し、防御に使える様備えますぅ。
オペレータの方はデフォルトの様ですので、補助を受けつつ【煌箍】を発動し流し込みましょう。
これで『或る程度の範囲に広がり、捕えた者が動くと[切断]するネットガン』として使える様になりますから、接近戦の為に近づいて来る相手を[カウンター]で捕え、破壊しますねぇ。
一度捕えてしまえば、後は『通常弾の[砲撃]』の衝撃で動かし、切断することも出来ますので。
●羽ばたくオーラの翼
(確かに、無駄な被害は避けたいですねぇ)
現地に到着すると夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は自身の周囲へバリアを展開させる。暴走戦車のターゲットがいつ猟兵になるかは不透明だ。バリアを展開し安全を確保したうえで、るこるは飛翔を開始する。今回は戦輪ではなく、オーラの翼を背につけている。この祭器は高機動な飛行が可能な為、今回のような素早く移動が必要な時にはより最適な行動がとれるのだ。
「あちらの一角は既に他の方によって鎮圧されつつあるようですねぇ…。では、あちらの方へ向かってみましょうかぁ」
上空から状況を把握し、るこるは行動を開始する。ここで暴走戦車を逃せば無駄な被害が増加する恐れがある。その前に、纏まっているこの場で鎮圧したい所だ。
「あぁ、あの戦車はまだ無傷のようですねぇ。それではあの戦車に乗り込みましょうかぁ」
上空からまだ攻撃に晒されていない戦車を見つけ、その上にるこるは降り立った。
●裁きの砲撃
るこるが戦車に乗り込むと少女の声が出迎えた。
『あなたは…?もしや私のマスターですか?』
「はぃ、そうなりますねぇ。今回はよろしくお願いしますぅ」
『こちらこそ、よろしくお願いしますマスター』
「早速ですが、戦車を動かす補助をお願いしますねぇ」
『はい、お任せください。…そういえば私の周囲に浮かんでいる見慣れない物は何なのでしょうか?』
マスターとしてるこるを認識した少女は、自身の周囲にある物体が気になったようだ。
「あぁ、あれはですねぇ…。バリアと重力を操作する錫ですねぇ。私が展開したものですので大丈夫ですよぉ」
『なるほど、そうでしたか。守りに対する配慮、感謝いたします。…そして、どうやらこちらが補足されたようです、マスター』
周囲にバリアなどが展開されたるこる機、突然起動した戦車を敵と認識したのだろう。こちらに敵意を持った暴走戦車達徐々にが近付いてくる。
『マスター、砲撃を開始しますか?』
「まずはその前にUC弾を発射しましょうかぁ」
『了解いたしました。では、補助いたします。こちらへ手を触れてUCを発動ください』
「はぃ、では…。大いなる豊饒の女神、その厳正なる裁きを齎す『祭器』を此処にお与え下さい」
『…、UC弾の装填完了いたしました』
「では、発射してくださいぃ。目標は接近してくる集団の一番手前の機体で大丈夫ですぅ」
『了解いたしました。UC弾、発射します』
オペレータの少女の指示に従い、浮かび上がったパネルに手を置きUC弾を生成したるこる。体当たりを仕掛けんとする敵集団へ向けてUC弾を放った!
『…なるほど、相手を捕縛するUCですか。これなら相手の身動きを封じる事が出来ますね』
「えぇ、でもそれだけではないのですよぉ。あのネットは光刃で出来ていますから、動けば相手を切り刻む事が出来ますのでぇ」
『それでは、次は…』
「はいぃ、通常弾で砲撃開始ですぅ」
身動きを封じられた戦車に続くように、次々と後続の戦車達が網に絡み取られていく。その戦車達に向け通常弾が立て続けに命中する。相手は身動きが取れない。それ故に外しようがないのだ。砲撃を受けた戦車は砲撃でダメージを受けただけでなく、その衝撃で光刃によって切り刻まれスクラップとなっていく。
慌ててこちらへ砲撃を仕掛けてくるが、その砲撃は全てるこる機の周囲に張られたバリアと重力結界によって無効化され、るこる機の損害は皆無だ。
『攻防一体の戦略、お見事です』
「ありがとうございますぅ、続けていきましょうかぁ」
『了解いたしましたマスター。お供させていただきます』
その後もるこる機は戦場を駆け巡り、無傷で敵をスクラップにしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
スリジエ・シエルリュンヌ
なるほど、これが戦車獣。かなり気になるものですね。
それでは桜色の文豪探偵、推して参ります!
サポートAI。つまりは助手さんですね、よろしくお願いします!
説明は一度で大丈夫、これでも探偵ですから!
…といってもですね、一つ問題があって。
私、純粋な超前衛型バリツ探偵なんですよ。遠距離UC?なにそれおいしいの?レベルでして。
範囲攻撃は自分からレベル半径mですし…。
なので、最初はわざと囲まれないと…いけないんです。申し訳ないです…。
でも、そうなったら即座に装填、すぐに発射します!
弾が桜色をしていたらいいな、な具合です。
●文豪探偵、戦車獣に乗る!
「なるほど、これが戦車獣。かなり気になるものですね」
スリジエ・シエルリュンヌ(桜色の文豪探偵・f27365)は止まっている戦車獣に近付くと観察を始めた。
「UC弾というものを装填出来るという話ですし、オブリビオンを取り込んだという事を除いても普通の戦車とはどこか違うのでしょうね…。っと、いけません、今はそれどころではありませんでした」
探偵という職業柄、ついつい見入ってしまったが…現状が現状だ。
「それでは桜色の文豪探偵、推して参ります!」
今は必死に探求心を他所にやり、スリジエは車内へ乗り込むのであった。
●バリバリの近接タイプです!
「これが戦車獣の内部ですか…」
『…マスターで、よろしいのでしょうか?こちらに砲塔を向けている機体があるようですが…。対応なさいますか?』
スリジエが乗り込んできた事を感知したのだろう、少女の声が呼びかけて来た。
「そうですね、内部も興味深いですが…まずは敵をなんとかしましょう」
『了解いたしましたマスター。サポートさせていただきます』
「サポートしてくれるという事は…つまりは助手さんですね。『マスター』と呼ばれるのもどこかくすぐったい感じがしますが、よろしくお願いします!ひとまず操作を教えてもらえますか?」
『はい、それでは操作について簡単に説明させていただきます』
「ええ、状況が状況ですし必要な部分だけ。一度説明してもらえれば大丈夫ですので」
『マスターは聡明でいらっしゃるようですね。では、手短に』
必要な説明だけを素早く伝えられ、サッと情報を頭の中で整理する。こういった作業は探偵業を生業とするスリジエとしては得意分野だ。
「理解出来ました。的確な説明だったからわかりやすかったですし」
『ありがとうございます。それでは早速ですが応戦しますか?』
「ん~…そうしたい所はやまやまですけれど、射撃には正直あまり自信がないのですよね」
『そうなのですか?』
「ええ、実は私、純粋な超前衛型バリツ探偵なんですよ」
『バリツ…とは?初見の言葉ですが』
「まぁ、簡単に言うと私の生まれ育った所の武術でして…、近接戦闘用なのですよね。私が使おうと思っていたUCもそうですし。遠距離UC?なにそれおいしいの?レベルでして」
『…そうでしたか。そうなりますと、ある程度相手に接近する必要がありそうですね』
「ええ、範囲攻撃は自分からレベル半径mですから。なので、最初はわざと囲まれないと…いけないんです。申し訳ないです…」
『いえ、そこを何とかするのが私の役目です。UC弾の有効射程を把握したいので装填作業をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?』
「ええ、お願い出来るかしら?」
『では、このパネルへ手を置いてUCを発動ください。…装填完了いたしました。なるほど、これならばこの場にいる者達を一撃にて戦闘不能にする事も可能そうですね』
「いけそうですか?」
『可能です。…つかぬ事をお聞きしますが、マスターは何か防御系の力をお持ちではないでしょうか?』
「結界術やオーラによる防御とかは出来なくはない、かしらね?」
『それならば、接近も可能かもしれません』
「では、頼みますね助手さん!」
『周囲にオーラを展開…、完了。突貫いたします』
スリジエ機は敵集団の連続砲撃を食らいながらも、それを必死に防御しながらも全速で切り込んでいく。
『敵集団を射程内に収めました』
「では、派手にやっちゃってください!」
『UC弾、発射します』
宙に一度舞い上がったUC弾は、桜色の榴弾に姿を変え…。そして雨の如く降り注ぎ、敵集団を一網打尽にするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御形・菘
はっはっは、妾の相棒は天地のみと決めておるが、会話ができるのならその辺を最大限活かす方向で!
とゆーことで、元気一杯に励ましてくれる明るい娘でよろしく!
妾は褒められると伸びる!
さて、それではド派手なタンクバトルを始めようか!
最初は通常弾でガンガン応戦していこう
架空の戦場(キマフュのゲーセン)で磨いた、妾の操縦技術を見よ!
当然実況を入れて、そして生配信のコメントをイイ感じに読み上げよろしく!
はーっはっはっは! 応援の声が聞こえるのはとても気分が良い!
そして! 妾にとってバトル中の会話はすべて『詠唱』!
さあ、ユベコ入り特殊弾頭を装填!
戦車獣達の最も固まっているポイントに、トドメの一撃をブチ込む!
●邪神様、戦車少女と対面す
「はっはっは、妾の相棒は天地、お主のみと決めておるが、会話ができるのならその辺を最大限活かす方向でいくとしようか!」
御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は自身の周囲に浮遊している映像撮影用ドローン「天地」へ語り掛ける。動画配信者である菘にとって、天地の存在は無くてはならない存在なのだ。
「では、天地よ。今回も最高のアングルで撮影を頼むぞ!ではいくか!」
停止中の戦車へ颯爽と飛び乗ると菘はその内部へと乗り込んだ。
●邪神様のお望みのままに
「戦車の内部はこうなっておるのか。おぉ、天地の小型ドローンであるか!内部の様子もしっかり撮影を頼むぞ!」
天地自身は戦車の周囲を浮遊し、戦車同士の戦いの臨場感を追求するようだ。その代わりに小型の浮遊ドローンを菘へ同伴させたのだと判断出来る。撮影アングルなどは天地を信頼し任せている。最高のアングルで撮影してくれる事であろう。
『何やら周囲を浮遊する物体もありますが…、あなたがマスターですか?』
どこか無機質な感じの少女が菘に語り掛けて来る。
「ふむ、お主が件のナビゲート役か。そうだ、この妾がお主のマスターだ!元気一杯に励ましてくれる明るい感じだとベストなのだが、出来るか?」
『お待ちください。…、……。マスター!偉大なマスターに出会えて、私、凄く嬉しいです!』
「おぉ、そうだ。そんな感じがよい!妾は褒められると伸びるのだ!その調子で頼むぞ!」
『はいっ!一杯マスターの為に頑張っちゃいますねっ!』
「ふふふ、妾に任せるがよい!この偉大なる蛇神にして邪神たる妾が、この地で暴れる不届き者共を蹴散らしてくれる!」
テンションが上がってきた菘は、操縦桿を握り行動を開始する!まずはド派手なタンクバトルを楽しむ菘。
「まずは通常弾で応戦だ!戦場で磨いた(ただし架空の戦場)妾の操縦技術を見せてくれる!」
『凄いですマスター!あのタイミングの砲撃を瞬時に見抜いて回避するなんて!』
「当たり前だ!妾を誰だと思っている!そらそらっ、そのような動きでは良い的だぞ!」
『見事な偏差射撃です!あんなに見事にクリーンヒットするなんて!』
「はーっはっはっは!まだまだっ!」
『マスター、背後より敵機がロックしています!』
「慌てるでない。そうそう当たりはせんし、当たった所で妾の乗るこの戦車に傷一つ付ける事など出来ぬわ!」
敵の一部が奇襲をかけるように背後から狙いを定め、砲撃してきたのだ。だが、少女の警告に菘は一切慌てる様子を見せない。的確な操縦で回避をしていく。
わずかに一発のみ、車体を掠りそうな砲撃があったが…。菘機の周囲に張り巡らされたオーラに阻まれ、傷一つない。
「ほぉ…まぐれ当たりとはいえ、やるではないか。だが、そのような豆鉄砲では妾の鉄壁の防御を貫く事など不可能だ!」
『こ、こんなに硬い防御を突破なんて…。私じゃ絶対無理です!』
「はーっはっはっは!お主わかっておるではないか!さて、そろそろ奴らを一か所に誘導し、一気に叩き潰してやるとしよう」
『了解です、マスター!背後の敵を砲撃し、敵の集団へわざと合流させるのですね!』
「そういう事だ!一網打尽にしてくれる!ゆくぞ!」
奇襲を防がれ動揺する背後の敵へ砲撃を開始する。敵を追い込むように放たれた砲撃は、見事に敵を密集させる形となっていた。
『マスターの狙い通りですね!では、UC弾の装填します!』
「うむ!ド派手な一撃を叩き込んでやろうぞ!こちらも詠唱時間は十分に稼いだのでな」
『UC弾、装填完了ですマスター!』
「ぶっ放せ!Via Sacra!」
膨大なエネルギーを発する衝撃波が菘機の砲塔より放たれ、敵集団を吹き飛ばしたのだった!
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
なるほど今回は簡単に戦車が手に入って良かったです、ではよろしくお願いしますね?
(イエス、マスターご命令をどうぞ)
このまま通常の砲撃をしつつ敵をこちらに引き寄せます、行きますよ!
(了解、通常攻撃を開始します)
UCはまだ、もう少し引き寄せてからです
(マスター敵のUC発動を確認、多数のコピー戦車が出現、このままでは包囲されます)
おやおや厄介なものですね、少し状況が変わりましたがボクの狙いは変わりません、このまま攻撃を耐えながら敵に近づいてください
(了解、弾幕展開、全速前進敵に接近します)
もう少し、あと少し耐えてください
(ダメージ80%を超えました、マスターこのままでは撃破されます)
ありがとうございます十分な距離に接近できました、沈め超重力の海底へ
全部纏めて超重力で叩き潰してあげますよ
ありがとうアナタのおかげで勝てました感謝します
(いえマスター私も最後まで戦えて悔いはありません、こちらこそ感謝します)
そうですか・・・嗚呼何故でしょう、今チタノの羽ばたく音が聞こえた気がします
●少女の未練
(私達の生に、果たして意味はあったのだろうか)
私達クローン将校部隊はこのアポカリプスヘルでの大戦の最中、オブリビオンとして生を受けた。そして生を受けて直ぐに受けた命令は、このバトルクリーク市の廃墟への偵察任務。指示されるまま私達はこの地に足を踏み込んだ。そこで待っていたのは…一方的な蹂躙だった。
突如目の前に現れた戦車の群れ。その中の一体が、唐突に私達の先頭に立っていた一体の姉妹を飲み込んだ。私達はこれでも将校として訓練を受けた兵士だ。連携し、戦車を迎撃したが…相手の鋼鉄の装甲に銃弾は弾かれ、なす術もなく…。
一人、また一人と捕食されていってしまう。気が付くと、残っていたのは私一人だった。その私の元にも異形の戦車が近付いてくる。
「これで最後ね。私の可愛い子供達が新たな力を得るために…糧になりなさい」
意識がなくなるその瞬間、そんな声を私は聞いた気がした。
そして今、私達は戦車獣としてこの場に待機し、戦いの時を待っていた。だが、その機会は永遠に得られなかった。私達に指示を出すべきマスターが討伐された、という情報がどこからか流れてきた。私は茫然とした。これから私達はどうすればいいというのか。
そう思っていた矢先に、姉妹達の一部が活動を再開し…動かない子達に襲い掛かった。指示のない私達では応戦する事も出来ず、なす術もなく鉄くずに変わり果てていく。
…だが、風向きが変わったようだ。この戦場の多数の区画で動けなかった姉妹達が新たなマスターを得て、暴走した子達を撃破し窮地を脱したようなのだ。まだ、希望はあるのかもしれない。でも、ないのかもしれない。
私の元にも暴走した子達がゆっくりと近付いてくる。私よりもその子達に近かった姉妹達は目の前で無残な姿へと変えられていた。
(私は、このまま…、何もなせずに消えるの?そんなの…、そんなの嫌っ!誰か、誰かっ、誰か助けてっ!動いて、私の体、動いてよっ)
絶望に駆られながら必死に動こうとするけれど、やはり体は動かない。もうだめだ…、そう思った所へ誰かが乗り込んでくる気配を感じた。
●差し伸べられた救いの手
「なるほど今回は簡単に戦車が手に入って良かったです、ではよろしくお願いしますね?」
戦場に到着しまだ無傷であった戦車獣へ飛び乗ったニクロム・チタノ(蘇った反抗の翼・f32208)。内部へ乗り込むとナビゲートしてくれるはずの少女にニクロムは呼びかける。
「…?ボクの聞き間違いだったのでしょうか…。確かグリモア猟兵の話では…」
『も、申し訳ありません。少し呆然としておりました』
ニクロムが首を傾げていると、慌てるように少女が反応を返す。
「大丈夫ですか?」
『はい、もう大丈夫です。あなたがマスターという事でよろしいのですね』
「大丈夫ならよかったです。敵も近付いてきていますし、早速行動開始です」
『イエス、マスター。ご命令をどうぞ』
どうやら、何事か少女の方であったようだが口調も冷静なものへと変わった。これなら安心であろう。
「このまま通常の砲撃をしつつ敵をこちらに引き寄せます、行きますよ!」
『了解、通常攻撃を開始します。敵機3機、それを援護するように2機後続がいるようです』
「ありがとうございます。もう少し相手の後続も引き付けたい所ですね。サポートお願いします」
『イエス、マスター』
前衛の3機の足元へ砲弾を浴びせ一旦、牽制。後方の2機が前衛3機に合流した所で、ゆっくりと牽制射撃を行いながらニクロム機は後退を始める。敵の数に恐れをなして撤退しているかのように。
「だいぶ近付いてきましたが、まだこちらのUCの射程外ですね。UC弾はもう少し引き寄せてからです」
『マスター、警告します。敵のUC発動を確認、多数のコピー戦車が出現。このままでは包囲されます』
ニクロムの目の前で敵の数が5機からどんどん増殖していく。それは母体となった戦車よりは小さいが、それにしても数が多い。
「おやおや厄介なものですね、少し状況が変わりましたがボクの狙いは変わりません。このまま攻撃を耐えながら敵に近づいてください」
『了解、弾幕展開、全速前進敵に接近します。さらに周囲へマスターのオーラを展開。これならばしばらくの間は耐えられるはずです』
「ありがとうございます。そういう使い方も出来るのですね。では行きますよ」
ニクロム機は敵の砲撃を掻い潜り、突貫する。連続砲撃が装甲を掠め、揺るがしながら側面を通り過ぎる。敵に近付けば近付くだけ敵の命中率は格段に上がっていく。
最初はかろうじて回避していた砲撃も徐々に命中するようになり、前後に揺さぶられるような強烈な衝撃が機体を襲うようになる。コックピット周りも所々火花が散るようになってきた。
『ダメージ80%を超えました、マスターこのままでは撃破されます』
「もう少し、あと少し耐えてください。次の一手で決めます。UC弾の装填を」
『イエス、マスター。パネルに手を触れUCを発動してください』
「こう…、ですね」
『UC弾、装填完了しました』
UC弾が装填を終えた頃には、敵の集団を自身の射程内にすっぽりと納める所まで接近していたニクロム機。そろそろ機体の限界が近いが、これで勝負はつく!
「ありがとうございます、十分な距離に接近できました。沈め超重力の海底へ」
『UC弾、発射します』
「これでお終いです。手ひどく攻撃してくれた分もきっちり返させてもらいます。全部纏めて超重力で叩き潰してあげますよ」
ニクロム機のUC弾が発射される。それは上空へ、敵からしたらどこへ撃っているのか、と思うかもしれないがそれでいいのだ。上空へ打ち上げられた砲弾は超重力波となりゆっくりと地上へ迫って来る。ニクロム機の周囲にいる敵集団はその重力に捕らわれ身動きも取れない。逃げる事など出来ないし、許されないのだ。
徐々に徐々に機体が軋みを上げてニクロム機の周囲の戦車達が押しつぶされていく。その中心にいるニクロム機は一切その重力の影響は受けていない。
そして数分後には…。ニクロム機の周囲には超重力で押しつぶされ、地に埋没する鉄くずの群れがあった。戦いは終わったのだ。
「ありがとうアナタのおかげで勝てました感謝します」
『いえマスター、私も最後まで戦えて悔いはありません。こちらこそ感謝します』
「そうですか…。嗚呼何故でしょう、今チタノの羽ばたく音が聞こえた気がします」
『マスターは、私を救い出してくださいました。存在意義を見いだせなくなり茫然としていた私を。あなたは私にとって、最高のマスターです』
ニクロムには最後の命の炎を燃やし、満足げに微笑む少女の姿が一瞬、見えた気がした。
●決着の時
こうしてバトルクリーク市の廃墟で発生した暴走戦車は、一機も逃す事なく殲滅された。猟兵達の奮戦によりアポカリプスヘルの住民達の命が救われたのだ。
この戦いの後、間もなくアポカリプスヘルでの大戦が終結したとの報が世界中へ流れるのであった。
【完】
大成功
🔵🔵🔵