アポカリプス・ランページ⑯〜美しき世界へ
「皆、遂に最後の『フィールド・オブ・ナイン』たるオブリビオン・フォーミュラ……『マザー・コンピュータ』へと殴りこむことが出来た。ここまでの戦い、天晴という他無いな」
黒いセーラー服に長い黒髪を携えたグリモア猟兵、東雲・深耶(時空間切断剣術・空閃人奉流流祖・f23717)はこれまでの『アポカリプス・ランページ』における猟兵達の戦いぶりを素直に賞賛した。
「奴ら『フィールド・オブ・ナイン』の内『スーパー戦車』と『プレジデント』は撃破済み。『デミウルゴス』は明日にも撃破報告が出るだろう。『ポーシュボス・フェノメノン』と『フルスロットル・ヴォ―テックス』の戦場攻略体制も万全……皆、本当によくやってくれた」
この状況は完勝への王手が迫っていると言って良い。
戦後のアポカリプスヘルに禍根を一切遺すことなくこの戦いを猟兵達は納められると、猟兵達は自証したのだ。
「だが、最後の『フィールド・オブ・ナイン』、第二席『マザー・コンピュータ』の力は伊達ではない。ひょっとしたら、純粋な戦闘能力では奴らの中では最強かもな」
『マザー・コンピュータ』の力をそう語る深耶。
では、その力とは?
「奴は『時間質量論』なる論文を書いているが……その『時間質量』なる存在を操ることで『任意の対象の時間を2〜4倍速で「巻き戻し」「早送り」しつつ、自身のユーベルコードも行使できるようになる』という出鱈目な力を持っている」
つまり、あの『白騎士』や『黒騎士』と同じく時間を操作するユーベルコードを持ったオブリビオン……それも、フォーミュラ級の存在がそんなユーベルコードを有しているのだ。
「幸い、あの二名と違って先制攻撃を対処しなければ問答無用で敗北。という訳ではないようだが……脅威な事には変わらない」
だが、と深耶はこの依頼に集まってくれた猟兵達の貌を見渡す。
「君達は、これまで多くの難敵と戦ってきた……だから、最後に困ったときは『己』に問え。どうやって対処すればいいかを……そうすれば、今回も問題なくかの生体コンピュータを撃滅できるはずだ」
ゆるぎない信頼を込めて猟兵達を讃える深耶。
故に帰ってくると信じていると、グリモアの術式を起動させるのであった。
黒代朝希
滅茶苦茶なユーベルコードを有しているなぁ……
だが、倒さなければならないですね。
プレイングボーナス……敵の「巻き戻し」「早送り」を含めた先制攻撃に対処する。
に加え、
プレイングボーナス……絶体絶命の時に『己』に打開策を問い、その『答』を以て対処する。
が存在します。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『マザー・タイムフォール・ダウン』
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POW : タイム・タイド・アタック
【時間質量の開放がもたらす超加速】によりレベル×100km/hで飛翔し、【速度】×【戦闘開始からの経過時間】に比例した激突ダメージを与える。
SPD : タイム・アクセラレーション
【時間の超加速】による素早い一撃を放つ。また、【時間質量の消費】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : オールドマンズ・クロック
攻撃が命中した対象に【時計型の刻印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【肉体が老化し続けること】による追加攻撃を与え続ける。
イラスト:有坂U
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
卜二一・クロノ
「捉えたぞ、我が機織りを阻む者よ」
時空の守護神の一柱、あるいは祟り神として参加します
時の糸を紡ぎ、歴史の柄を織る者にとって、好き勝手に時間を遡る行為は織り直しを強要するので害悪
そのような、猟兵やオブリビオンの事情とは無関係な動機で祟ります
時間を操るユーベルコードを以て、敵の時間を操るユーベルコードを完封します
神の摂理に反する者には神罰を
何なら先制攻撃の受け皿になったっていい
ある程度のダメージはやむを得ないものとします
咎人に死の宿命を見出したら、満足して帰ります
※時間操作を行う猟兵は見て見ぬふりをします。できれば同時には採用しないでください
「捉えたぞ、我が機織りを阻む者よ」
卜二一・クロノ(時の守り手・f27842)……時の糸を紡ぎ、歴史の布を織り成す時空の守護神の一柱である彼女は『マザー・コンピュータ』の存在を許容しない。
「時の糸を紡ぎ、歴史の柄を織る者にとって好き勝手に時間を遡る行為は織り直しを強要する害悪。その存在を赦す訳にはいかぬ――『神罰・時間操作の代償(パニッシュメント)』」
「ならば、神でさえ私の『時間質量論』の前に……ッ!?」
「言ったはずだぞ。その存在を赦す訳にはいかぬ、とな」
瞬間、静謐に増殖無限戦闘機械都市へと変貌したデトロイト市を満たすのは『時間操作のユーベルコード禁止効果』。
それに加えて『これまで使ってきた時間操作に応じた副作用』の状態異常を『マザー・コンピュータ』に付与し、時間を悪戯に改竄した罰を与えていく。
「神の摂理に反する者には神罰を……」
指を鳴らすと同時、生体コンピュータである『マザー』の人間としての肉体が老化して朽ち果てていく。
それは『マザー・コンピュータ』の老化ユーベルコード『オールドマンズ・クロック』の効果が『神罰・時間操作の代償(パニッシュメント)』によって使用者である彼女自身に牙を向いた形として顕現した結果だ。
「ぐ、あは……!!」
「咎人よ。汝に死の宿命を見出した……後は他の猟兵に任せるとしよう」
終わりの時は近いと判断したトニー。
老化していく肉体に悶える『マザー・コンピュータ』から踵を返し、転移して去っていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
陽殿蘇・燐
生配信してる場合じゃないわね。
でも、わかったわ。こういうのは柄じゃないのだけれど。
愛しのマザー・コンピュータさま。お会いできて嬉しいわ。
巻き戻しも早送りも先制攻撃も。言うなれば『行われれば全て過去』なの。
つまり…『黒揚羽』よ、常に過去を燃やしなさい!
わたしは元ラスボス。打開策を考えさせる側だったわね。
でも、今はそうではない。ならば…どうするか。
私は『炎術士・燐』。武器を駆使するのも悪くはない。あの主人公のように。
『烏揚羽』で加速、『紅紋揚羽』による重力で押さえつけて。鋼糸に変形させた『尾長揚羽』で焼却の炎属性攻撃(『紋黄揚羽』で増幅済)よ。
最後は、幸運を引き寄せるわよ。
四王天・燦
可愛いね、衣類は不純物ってか♪
眼福だが討たざる得ないことは詫びるぜ
神鳴をぶん回して戦うよ
被弾は覚悟の上
武器受け・オーラ防御でダメージをそれなりに食い止める
医術の符で応急処置する
ジリ貧の絶体絶命だ
視点を変えれば相手の好機、よほど戦闘慣れしてねー限り攻めに来てしまうと分かり切った反撃チャンスさ
回復前の状態・位置まで戻ることを前提にするよ
早送りのマザーを見失わないよう見切るぜ
マザー接近に合わせて、激痛耐性任せに体を動かしカウンターで殺戮剣舞をブチかます
限界突破で第二段階の封印を解き、巻き戻ろうと追いかけるぜ
最期に遺髪くらい寄越せと頼むよ
墓を建て、何時か真理を報告したいんだ
可愛い女の子には報いたいもん
「生配信してる場合じゃないわね。でも、わかったわ。こういうのは柄じゃないのだけれど」
長い黒髪と怜悧な容姿が特徴的な女性……バーチャルキャラクターのラスボス、陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)は目の前に存在しているオブリビオン・フォーミュラが尋常ならざる相手だと確信しながらも、典雅な雰囲気を崩さずに『マザー・コンピュータ』へと語り掛けていく。
「愛しのマザー・コンピュータさま。お会いできて嬉しいわ」
にこやかに――だが、目だけは笑っていない笑みを浮かべる燐。
その様子に不吉な物を感じたのか、マザーは返答の代わりに「早送り」の権能を以て見敵必殺(サーチアンドデストロイ)を仕掛けていく。
「でも、知っているかしら?巻き戻しも早送りも先制攻撃も……言うなれば『行われれば全て過去』なの」
そこへ、戦場一帯に炎纏ったクロアゲハが召喚されていく。
しかし、このクロアゲハはただのクロアゲハでは決してない。
「『黒揚羽』よ、常に過去を燃やしなさい!」
――『過去』なる概念を燃やす焔を纏う使い魔。それが本質だ。
それは過去操作ユーベルコードにおいて屈指の力量を持つ『黒騎士アンヘル』からも感嘆の一声を貰う力量の程。
「わたしは元ラスボス。打開策を考えさせる側だったわね」
最後の敵『炎術士・燐』――そうゲームのキャラとして在り、今では猟兵となった彼女。
「でも、今はそうではない。ならば……どうするか」
その応えは、重力で『マザー・コンピュータ』を押さえつけると同時に鋼糸に変形させた『尾長揚羽』で炎属性攻撃を仕掛けていくと同時に告げる。
「私は『炎術士・燐』。武器を駆使するのも悪くはない。あの主人公のように」
「可愛いね、衣類は不純物ってか♪眼福だが討たざる得ないことは詫びるぜ」
眼福として全裸の女性であるオブリビオン・フォーミュラ……キマイラフューチャーのオブリビオン・フォーミュラである『ドン・フリーダム』も全裸のオブリビオン・フォーミュラであったが、あちらと違い淑とした美しさの在る『マザー・コンピュータ』の裸体は四王天・燦(月夜の翼・f04448)の目に叶うものであった。
「被弾は覚悟の上……神鳴をぶん回して戦う!!」
武器受けとオーラ防御を用いる事で「早送り」による加速攻撃のダメージをそれなりに食い止めていく燦。
その負った傷を医術の符で応急処置しながら状況を判断する。
「ジリ貧の絶体絶命……視点を変えれば相手の好機、よほど戦闘慣れしてねー限り攻めに来てしまうと分かり切った反撃チャンスさ」
そこに活路を見出した彼女は、『マザー・コンピュータ』が止めを刺しに来る時を守勢に回って待ち続ける。
「トドメです」
「……そこだ」
やがて、好機(ピンチ)は訪れた。
背面から首を狩ろうとした『マザー・コンピュータ』に合わせ、体の激痛を耐性でねじ伏せて勢い任せに体を動かしカウンターを仕掛けていく!
「――『四王殺人剣『殺戮剣舞』(ブレイドダンス・マカブル)』!!」
殺戮剣舞を裏胴回し蹴りの要領で叩き込み、生体コンピュータの人間体を切り刻んでいく妖狐の剣豪。
その手痛い反撃を受けて『マザー・コンピュータ』は「巻き戻し」で回避して回復を図ろうとするが……
「限界突破!第二段階の封印解除!」
その時間制御の頸木を無視し、燦は剣の切っ先を『マザー・コンピュータ』の胸へと突き刺す。
「最期に遺髪くらい寄越せと頼むよ。墓を建て、何時か真理を報告したいんだ……可愛い女の子には報いたいもん」
その言葉に「戯言を」と返そうとした『マザー』だったが……
気が付くと、ケーブルLANでもあった髪の一房……それを妖狐の手の中に納めていたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
中小路・楓椛
私の休暇が潰れた責任は元凶に取っていただきます。
演算(シミュレーション)に耽るのは結構ですが先に進む事を放棄した時点で時の織り手紡ぎ手としては失格です。赤点をあげましょう。
永劫回帰の更に先、繁栄滅亡に関わらず指一本でも前へと進み可能性を掴もうとする――定命のニンゲンの生き挑む覚悟を学ぶと宜しいでしょう。
装備【ばーざい】全技能行使、【神罰・呪詛・封印を解く・限界突破】併用でUC【まりぐない】起動、自律動作する時計の偽神を召喚。
この戦場で一度でも時流改変を行った時点で神の粛清対象、時間を如何に加減速或いは凍結しようと時間の権能としては偽神といえど上位。神は対象を滅ぼすまで自動追跡し粛清です。
パトリシア・パープル
問:時間操作を封じる方法
解:『真実の上書き』で対抗
時間を加速させて突っ込んで来る以上、防御も回避もできそうにないわね
だったら、対抗策として最初から全身にUC発動用のあやかしメダルを裏返して装着した状態で挑む!
相手が私に触れたらメダルが何枚かは張り付くはず
最悪、1枚でも張り付けばOK
攻撃食らった瞬間にUC発動!
ヨーヨー、フォーク、ガス爆弾、あらゆる武器で攻撃開始!
UC効果で相手の行動は全て『嘘』になるから、攻撃も回避も、そして時間操作も全部キャンセルされるわ
メダルを外そうとしても、その行動もキャンセルされるから、これでチェックメイトね
あらゆる真実を『嘘』に上書きされちゃ時間操作も意味ないっしょ!
烏丸・都留
POWアドリブ共闘OK
「貴女の処理能力で、全ての行動を裁けるのかしら……」
UCの効果(最低でも144倍の戦闘力増強)により、
『時騙しの懐中時計』と併用する事で凡ゆる相手に対し後の先を取ることが容易となる。
自身はCICユニット(身代り可)を介して対オブリビオン戦略呪操機 朧蟲を操作、その分体を100万機迄運用し、周りのオブリビオンの力を捕食、自身強化。
また聖魔喰理扇で周囲の理を破壊し攻撃を外らし、味方含むメンテナンスユニットでの戦線維持。
無数の対神霊/UDC対応ステルス型アンチ・アストラルマイン、クラスタード・デコイ、アサルトユニットΓ、ガードユニットでのカウンター/攻撃陽動/行動阻害/防御。
空桐・清導
POWで挑む
UCは攻撃力5倍、装甲半減です
先制の超加速による突進
当たりゃあ洒落にならねえなら!
初撃は[気合い]で避ける
巻き戻しや早送りによる追撃は経験による感で避ける
つっても、大ダメージを避けられた位か…
だが、ヒーローは負けられねえ
それにオレは猟兵だ
なら、やってやれないことはねえ!
やるぞブレイザイン!今がその時だ!
UCが発動
[限界突破]していく心と躰
[存在感]が爆発的に上昇
背に碇を2つ合体させた様な武器を浮遊
腕部と下半身を覆う鎧を纏った形態へ変身
オレの生きる時間を他人に操作されてたまるか!
時間に碇を下ろした様に揺るぎはない
喰らいやがれ
超必殺!パニッシュ・アンカー!!
背の武装を振りかざし、斬る!
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ああ、うん時間操作ね。仙術なんかにもあるからそんなにチートにも感じないわ。太極図なんて森羅万象を操るしねぇ、そもそも質量を持った物質という時点で私にも干渉可能な事象に成り下がってしまっているのよね。
質量の開放、加速、逆行、そこにはエナジーが生じるわけで、エナジーを糧とする私にはそれは料理して捕食可能な食材でしかない。そして、多重詠唱結界術で周囲に私が“定義”した“理”を展開すればもはや私に時間質量による干渉は不可能よ。ま、マザーが操る時間質量が残っていればだけど。
で、ここまでは「早送り」「巻き戻し」への対処でユべコへの対策も必要なのよねぇ。ま、時間質量を失って不完全なユべコならさっき展開した結界術で位相をずらすなり量子的可能性から最善を選択なり回避できるでしょう。
ではでは、私のターン♪さっき捕食した時間質量でタイム・フォールダウン☆ところで料理には物事をうまく収める意味や敵対者を懲らしめるって意味もあるのよね♪
えっちなのうみそおいしいです♡
「私の休暇が潰れた責任は元凶に取っていただきます」
粛々と厳罰を『マザー・コンピュータ』へととらせんと中小路・楓椛(■■の断■にして■滓・f29038)はユーベルコード『事象因果律改竄阻止術式:まりぐない(イマノナシ)』を起動させていく。
「演算(シミュレーション)に耽るのは結構ですが……先に進む事を放棄した時点で時の織り手、紡ぎ手としては失格です」
赤点をあげましょう。と、貴様は論外だと暗に告げる楓椛。
その言葉に『マザー・コンピュータ』は老化ユーベルコード『オールドマンズ・クロック』を放って猟兵の肉体を朽ち果てさせんとする。
「正しい時間運行に御協力を御願いしますね?――永劫回帰の更に先、繁栄滅亡に関わらず指一本でも前へと進み可能性を掴もうとする――定命のニンゲンの生き挑む覚悟を学ぶと宜しいでしょう」
しかし、老化ユーベルコードは発動しない。
それは『事象因果律改竄阻止術式:まりぐない(イマノナシ)』の効果によるもの。
超感覚で他者が既に実行した時間遡行改竄を感知すると同時、109体の改竄結果を巻き戻して無効化する時計の偽神が現れていく。
偽神とはいえ『時計の神』だ。
時間操作に対抗する術を彼らは一柱で十分持っている。
「さて、そんな彼らが109体……貴方の『時間質量論』とやらはその偽の神の軍勢を超越出来ますかね?」
答えは『オールドマンズ・クロック』の不発という形で既に出ているが、あえて『マザー・コンピュータ』へと問いかけていく楓椛。
「言っておきますが、神は対象を滅ぼすまで自動追跡し粛清です」
問:時間操作を封じる方法は?
解:『真実の上書き』で対抗する。
そんな方程式で『マザー・コンピュータ』に挑むのはパトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)。
「時間を加速させて突っ込んで来る以上、防御も回避もできそうにないわ……だったら、対抗策として最初から全身にユーベルコード発動用のあやかしメダルを裏返して装着した状態で挑む!」
瞬間、「早送り」の権能を用いた上で時間の超加速による素早い一撃をパトリシアに叩き込んでいく『マザー・コンピュータ』。
その一撃を喰らって流血し吐血するパトリシア。しかしその顔に浮かべるは笑み。
「……わたしを攻撃して、メダルが張り付いたわね……『あやかしメダル「あぎょうさん」』!!」
その笑みに危険性を感じたか二撃目を放ってパトリシアを仕留めようと「早送り」を使おうとする生体コンピュータ。
「……!?」
しかし、発動しない。
その不発の隙を突かれてヨーヨー、フォーク、ガス爆弾、あらゆる武器で反撃を『マザー・コンピュータ』へと叩き込んでいくパトリシア。
「そのメダルは、貼り付けている間は『やること全てが『嘘』になる』効果があるの!」
つまりは『マザー・コンピュータ』の体に張り付けられたメダルがある限り、『マザーはあらゆる行動は『真実』とならない』。
「ユーベルコードの効果によって、相手の行動は全て『嘘』になるから、攻撃も回避も、そして時間操作も全部キャンセルされるわよ!」
そして、何より凶悪なのは『メダルを外そうとしても、その行動もキャンセルされる』という点に尽きる。
「あらゆる真実を『嘘』に上書きされちゃ時間操作も意味ないっしょ!」
やってやったと笑顔を浮かべ、ヨーヨーでオブリビオン・フォーミュラ切り刻んでいくパトリシア。
そのハッタリの効いた作戦は、キマイラフューチャー出身の猟兵らしいものであった。
「貴女の処理能力で、全ての行動を裁けるのかしら……」
純粋に『マザー・コンピュータ』という演算装置のスペックに疑問を抱いているのは烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)。
彼女は『生体型宇宙強襲揚陸艦 烏丸級二番艦鶴丸』のヤドリガミ。
同じ無機物から心を持つようになった存在としてある種の興味を抱いているが、今はオブリビオン・フォーミュラである『フィールド・オブ・ナイン』の第二席を撃破しなければならない。
「――『聖蝗(セイコウ)』」
全身を敵能力に即応無害化する強化済みの召喚装備で覆い、その召喚制御する任意装備数の自乗数に比例した戦闘力増強と10100km/hに達する飛翔能力を得た彼女。
それに加え、『時騙しの懐中時計』と併用する事で凡ゆる相手に対し後の先を取ることが容易となっている状態だ。
「対オブリビオン戦略呪操機『朧蟲』を操作。分体を100万機迄運用」
今回の戦場であるデトロイト市はいわば主である『マザー・コンピュータ』の力によって『戦場そのものがオブリビオン化』している状態にある。
その状況を利用した烏丸は周りのオブリビオン……増殖無限戦闘機械都市の力を捕食し、自身強化していく。
「させませんよ」
そこに『マザー・コンピュータ』が『時間質量の開放がもたらす超加速』の突撃を以て烏丸の強化を阻止しようと抜き手を放つ……が。
「『聖魔喰理扇』」
瞬間、突撃しようとしたその場所の慣性重力が意味を無くし、慣性が作用しない状態となった空間にいた『マザー・コンピュータ』は慣性が働かない事による破滅的な力場に巻き込まれていく。
「――!!何ですか、それは!?」
「この扇は『理を喰む能力』を有している」
そして、その力で『重力と慣性の理』を『喰らった』のだ。
「これでチェックメイト、です」
倒れ伏す『マザー・コンピュータ』の肉体に銃弾を叩き込んでいく烏丸。
しかし『マザー・コンピュータ』も負けずに重力慣性が機能しない空間の状態を演算し、その状態を利用して離脱するのであった。
「大分他の猟兵と交戦する事で弱っているみたいだな。だが、侮りはしねぇ!」
その意気に死を以て応えんと先制の超加速による突進と貫手を放っていく『マザー・コンピュータ』。
しかし空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は笑みを浮かべたまま――気合で避けていく。
「!!馬鹿なのですか、貴方は!?」
「何、ヒーローなら気合と根性と勇気で何とかしなくちゃならないんだよ」
「理屈になっていません……!」
巻き戻しや早送りによる追撃は経験による感覚で避けていく空桐だが、それは大ダメージを何とか避けたくらいで、負傷自体は負っている。
「だが、ヒーローは負けられねえ……それにオレは猟兵だ。なら、やってやれないことはねえ!」
瞬間、気合と根性と勇気でユーベルコードを起動させていく空桐。
それは想いと勇気にブレイザインが反応すると同時、全身を光が包み込んでその場限りの特殊形態を発現させる変身系ユーベルコード。
「――『超越変身!(ミラクル・トランスフォーメーション)』」
背に碇を2つ合体させた様な武器を浮遊させ、腕部と下半身を覆う鎧を纏った形態へ変身する『ブレイザイン』。
「感情に比例して自己強化と機能拡張を行うユーベルコードですか……!!」
「へっ、そんな理屈で決めつけちゃ……ヒーローと戦うことは出来ないぜ!」
「なら――『巻き戻し』、その変身状態を『回帰』させ無効化しま――!?」
発動しない、『巻き戻し』が。
「オレの生きる時間を他人に操作されてたまるか!」
「その、碇ですか……時間操作に対するアンカー!!」
「小難しい話は抜きだ!喰らいやがれ……超必殺!パニッシュ・アンカー!!」
時間に碇を下ろした様に揺るぎはなく、背の武装を振りかざして――ブレイザインはオブリビオン・フォーミュラを斬る!
「ああ、うん時間操作ね。仙術なんかにもあるからそんなにチートにも感じないわ。太極図なんて森羅万象を操るしねぇ」
そう呟くのは魔術的パラダイムシフトによる世界観の転換をコンセプトとする混沌魔術の実践者にして猟兵屈指の結界術を誇る猟兵、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。
色物に見えてその実力は確かであり、ユーベルコードの性能はオブリビオン・フォーミュラに匹敵する性能を誇る物が複数存在する。
「そもそも質量を持った物質という時点で私にも干渉可能な事象に成り下がってしまっているのよね」
「……あれでも、『時間質量論』は私の起源と言える論文であり、理論です。例えフォーミュラの地位を剥奪されるとしても、それを侮る事だけは赦しはしませんよ……!!」
「ま、その理論はその理論なりに面白い着眼点と言えるわ。さ、アリスと遊びましょ♪」
「……『フィールド・オブ・ナイン』第二席!『マザー・コンピュータ』!――私の総てを以て……貴方を打ち砕く!」
瞬間、『時間質量の開放がもたらす超加速』でアリスを貫こうと貫手を放とうとする――
「言ったはずよね?『私にも干渉可能な事象』、って」
「……え」
対して、アリスが放ったユーベルコード。
それに、『マザー・コンピュータ』は忘我の域に達するしかない。
何故なら、そのユーベルコードは。
「――『模倣結界術『タイムフォール・ダウン』』」
「『タイムフォール・ダウン』の……模倣!?」
「質量の開放、加速、逆行、そこにはエナジーが生じるわけで、エナジーを糧とする私にはそれは料理して捕食可能な食材でしかない」
冷然と告げるアリス。猟兵間の中にもオブリビオン・フォーミュラに伍する性能を誇るユーベルコードの使い手は多数存在するが、アリス・セカンドカラーはやはりその中でも上位に入るだろう。
結界術と魔術的パラダイムシフト、そしてエナジーを糧に生きるサイキックヴァンパイアとしての性質を以て、己の興を引いた存在総てを模倣できるその有様は……
「……埒外ですよ、猟兵……私達『フィールド・オブ・ナイン』……六体のオブリビオン・フォーミュラを『群』として圧倒しながら、『個』としてもオブリビオン・フォーミュラに準ずるか伍する戦闘能力を有する等……!!」
「お褒めに預かり恐悦至極。さ、これからは私のターン」
そうして、『捕食』を開始しようとするアリス。
それを前に、『マザー・コンピュータ』は敗北を確信。
せめてもの抵抗として――自身を自爆させる事で尊厳を守るのであった。
大成功
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