アポカリプス・ランページ⑱〜宇宙を捕食するモノ
●宇宙の幼生
「アポカリプスヘルでの戦争も中盤となりましたが、皆さま状況のほどはいかがでしょうか」
グリモアベースに開かれたブリーフィングルームにて猟兵たちを待ち構えていた神在月・碧唯(その優しさは時に残酷で・f29142)は、その姿を認めるなりにそう問うた。
「開いていない道は残り1つではありますが、その前に倒さねばならない敵がまだまだいることを忘れてはなりません」
元凶であるフルスロットル・ヴォーテックスを除いたすべてのヴォーテックス一族と、スーパー戦車、プレジデントが倒されているものの、復活した「フィールド・オブ・ナイン」はまだ残っている。
「今回、皆さまにはフロリダ州タラハシーで発生した巨大なオブリビオンストームの対処に赴いていただきたいのです」
そのオブリビオンストームの中心にいるという「フィールド・オブ・ナイン」の1体である「ポーシュボス・フェノメノン」が、ヒューストン宇宙センターに所蔵されていた宝石「宇宙の幼生」を狙っているらしい。
「皆さまがヒューストン宇宙センターにて獲得した宝石「宇宙の幼生」。
ポーシュボス・フェノメノンはこれを捕食し、さらに強大なオブリビオンストームとなることを目的としているようですの」
善の心に寄生する現象であるポーシュボス・フェノメノンには、意思と呼べるものはないかもしれない。
しかし、宝石「宇宙の幼生」を捕食されてしまえばポーシュボスは取り返しのつかないほどのエネルギーを得てしまうだろう。
「それだけは絶対に避けなければなりません。
危険な依頼であることに変わりはありませんが、皆さまなら狂気に取り込まれることなく必ずやり遂げてくださると信じています」
碧唯の手の中のグリモアが輝き繋がった先に見える巨大なオブリビオンストームからは、離れていても理解る程の狂気に満ちている。
「皆さまは決して狂気に飲み込まれぬよう。
その手の宝石の扱いにも十二分にお気をつけ下さいませ」
猟兵でさえも発狂させる力を持つ宝石「宇宙の幼生」。
抗うことのできないその狂気に、果たして猟兵達は打ち勝つことが出来るのだろうか。
綺朔
そろそろ戦争も終盤に入ってきつつあるような気がしますが、皆様いかがでしょう。
どうも、綺朔(キサク)です。
狂気と聞いて、こちらも書かずにはいられませんでした。
さて、今回お送りするのはポーシュボス戦、2本目となります。
今回も例により、戦争シナリオのため1章構成となっております。
また、やや難かつ最低限必須事項のプレイングボーナスがありますため、プレイングの際はご注意ください。
●ボス戦『ポーシュボス・フェノメノン』
前作のポーシュボス戦とは異なり、今回は巨大なひとつの塊と化したポーシュボスが相手となります。
ポーシュボスは宝石「宇宙の幼生」を取り込むことを目的としており、その宝石を持つ猟兵を優先的に狙います。
また、「善の心」を持つ生命に寄生する性質は集団戦のポーシュボス同様に持ち合わせていますので、ポーシュボス化した場合は取り込まれる恐れがあります。
●宝石「宇宙の幼生」について
ヒューストン宇宙センターにて猟兵達が獲得したこの宝石は、よく見るとその内部に広大な「本物の宇宙の如き光景」が見えますが、数秒以上見続けると猟兵でも発狂するという非常に危険な宝石でもあります。
ポーシュボスと戦う際にはこの宝石を利用して戦うことで有利に働くことでしょう。
なお、この宝石の所持についてはプレイングにて言及していただければ問題ございません。
プレイングボーナス(最低限必須)……『邪悪ナる者』になるorポーシュボス化してでも戦うor敵の巨体や「宇宙の幼生」を利用する。
(最低限必須事項が含まれていなければ苦戦あるいは失敗判定となります。)
●プレイング募集について
OP公開後から随時募集します。
なお、今回の断章の追加はありません。
受付状況等はタグやマスターページにてお知らせいたしますため、あわせてご確認お願いします。
その他については、綺朔のマスターページをご参照ください。
以上、皆さんの素敵なプレイングお待ちしています。
第1章 ボス戦
『ポーシュボス・フェノメノン』
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POW : ポーシュボス・モンストライズ・フェノメノン
自身の【体積】を代償に、【生物をポーシュボス化する現象】を籠めた一撃を放つ。自分にとって体積を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : ポーシュボス・ウェポナイズ・フェノメノン
いま戦っている対象に有効な【武器形態ポーシュボス】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : ポーシュボス・シンパシー・フェノメノン
【ポーシュボスの威容】を披露した指定の全対象に【ポーシュボス化したいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
イラスト:爪尾
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
蛇塚・レモン
宇宙の幼生を使用
オーバーロードで真の姿へ
人格:オロチヒメ
くかかっ!
全盛期とまではゆかぬが、霊力が溢れ出てくるぞ!
これがオーバーロード……“超克”を齎す“究極の力”!
異界の邪神よ、よく聞け
余の名はオロチヒメ!
神話級の邪な龍蛇を祖に持つ邪神である!
貴様らに本物の邪神の神格を見せ付けてくれよう!
基本的に戦闘は目を閉じて敵を視認せぬぞ
五感で情報収集し、結界術とオーラ防御で身を守る
余の第六感と幸運が味方するであろう
攻撃は余の霊波動を太陽のごとく爆散させて巨神を蹴散らす!
(念動力+範囲攻撃+なぎ払い+衝撃波+属性攻撃+全力魔法)
一度でも攻撃が当たれば感電(マヒ攻撃+捕縛)し
巨躯ゆえに乱れ撃ちで勝負である
もし憑依されたとて、体内のポーシュボスを逆に余が呪殺してくれるわ!
(呪詛+精神攻撃+オーラ防御+カウンター)
ぬるいぞ、ポーシュボス!
世界を滅ぼすならば、もっと派手にやったらどうだ?
余は巨神に指鉄砲を向け、ニタリと愉悦に顔を歪める
――斯様になぁっ!
刹那、周囲は黄金の雷光に包まれ
敵は撃ち抜かれるであろう!
ロバート・ブレイズ
情報収集でポーシュボスの脆い部位を探しておく。攻撃の際は集中して狙う
貴様が現象(フェノメノン)で在るならば我々(おれ)も一種の現象(フェノメノン)と解せる。たとえばチクタクと泣き叫ぶ機械仕掛け、彼等には無数の悪意が込められて存在(あ)るのだ
王冠――登場人物は悉く『悪』として描写される筈だ。重ねて、全ては生物ではなく、混沌(カオス)は恐れを撒き散らすだろう。掴んだ得物の名を忘れるな、戯れる為には鉄の塊が不可欠なのだ
貴様が巨体で在るならば複数を相手取るのに手間掛かるだろう。蟻が餌を千切るのと同じと知れ、我々は最後の一欠片までも身体(にく)として認識する
それでも貴様は存在する、と仮定して真の姿を晒そう
我が名は千にも至り、その輪郭は貴様の物量に匹敵すると思え――クカカッ!
此処からは邪神(かみ)同士の殴り合いだ。素晴らしい冒涜と否定を表現し給えよ、貴様
何度『黒幕』として記されたのか数えるが好い、我こそが邪悪の化身、N――!
ジェイ・バグショット
ケビ/f00041と
んだアレ。キモチワリィなぁ…
取り込まれたヤツらで大賑わいじゃねぇか
俺に良心の欠片でも残ってるなら喜ばしい限りだな
ケビの言葉にさぁ、どうだかとすっとぼけ
…そうだな
アンタがどうにかなったなら俺が助けてやる
俺が万一アレになったら、その時は頼むぜ?
さて、とっておきを使うとしよう
邪悪の塊みたいな女なんだ
拷問具『神化せしクグーミカ』を召喚
自立型で対空戦闘での機動力を持ち
装備したギロチンによる切断、本体による傷口を抉る行為や暴力で嬉々として獲物に襲いかかる
宇宙の幼生を囮に敵を誘導
ケビの攻撃に拷問具『荊棘王ワポゼ』を合わせる
ふはっ、心配するなケビ
お前が飲まれるより早く俺が叩き起こしてやるよ
ケビ・ピオシュ
ジェイ殿/f01070と
それでも考える事が止められないなんて、苦しい話じゃないか
キミにも良心があるから此処に居ると思っていたのだけれど
なるほどね
私は正しくありたいと願う者だ
きっと私はああなってしまうだろう
そうであって欲しい
だからこそ、キミと来たのだよ
ジェイ殿
互いにどうにかなってしまったら、どうにかしようじゃ無いか
頼んだよ
やあ
キミのとっておきに合わせて私も行こう
背から大きな掌を伸ばして
例え取り込まれても、予め攻撃をプログラムしておけば最後まで戦えるだろう
叩いて、潰して、キミの拷問具に合わせて踊るよう
もしそのまま飲み込まれてしまいそうなら
私も叩いておくれ
文献によれば電化製品は叩いて直す、そうだよ
仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!
お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ
口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ
よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね
アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!
曽我部・律(サポート)
『この力を得たことは後悔していない……』
『私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね』
『こういうのには疎いんだが……ふむ、こんな感じか?』
とある事件で妻子を失い、その復讐の為にUDC研究を続けているUDCエージェントです。ですが、UDCを強引に肉体に融合させた副作用として徐々に生来の人格は失われつつあり、妻子の記憶も彼らの写真によって辛うじて繋ぎ止めています。
多重人格者としての別人格『絶』は凶悪なオブリビオンの存在を察知すると、律に代わって表に出てきて戦います。その際、口調は『おい律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』みたいな凶悪な感じになります。
●「善性」のあり方
狂気は伝播するものだというのはおそらく周知されたことだろう。
ゆえに、ポーシュボス現象はここまで膨れ上がり、巨大な塊(コロニー)を形成した。
「……美しくないわ」
仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)――否、彼の中のひとりであるネイルにとってそれは当然の帰結だった。
全てがごちゃまぜで、どれが本来の姿かさえもはっきりとしない。
「あれがこの狂気の元凶……
私以外が不幸になることを、見過ごすことはできないな」
『律よぉ、そんなキレイゴト言っても連中には無駄だぜ?』
曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)が憂うような言葉を発すると、彼のユーベルコード【脈動切断(ミャクドウセツダン)】により現れた交代人格である絶が嘲笑うように声を上げた。
「んだアレ。キモチワリィなぁ…
取り込まれたヤツらで大賑わいじゃねぇか」
ポーシュボスの一塊となったそれらの様子をみたジェイ・バグショット(幕引き・f01070)は、率直な感想を漏らす。
ジェイとともに戦場に立つケビ・ピオシュ(テレビウムのUDCメカニック・f00041)はその様子に苦笑しながらも、それでも彼ら(ポーシュボス)は考えることが止められないなんて、ただただ苦しい話じゃないかと感慨にふける。
「キミにも良心があるから此処に居ると思っていたのだけれど」
「俺に良心の欠片でも残ってるなら喜ばしい限りだな」
自身が純粋なる悪であるとは言い切ることはできない。
故にケビの「良心」という言葉に【虚弱のジェイ】と呼ばれている男は、恍けるように答える。
「……なるほど」
ひとつ納得して、ケビは再びポーシュボスを見据えた。
ただそれだけだというのに、まるで魅入られたようにケビは視線を離すことができなかった。
「……い、おい」
「……どうしタ?」
何事もないかのように首を傾げるケビに、さすがにジェイは心配になる。
「まあ、アンタがどうにかなったなら俺が助けてやるか」
「ああ、そうしてクれると助かるヨ」
常に正しく在りたいと願うケビは確実にポーシュボス化の餌食となってしまうだろう。
否、むしろもうなり始めているのかもしれない。
それはそれで彼の願った通りのことだった。
「まったく、あなたたちも物好きよねぇ」
「お褒めに預カり光栄だよ」
ポーシュボス化するということはその生物に善性があるということだ。
だが、たとえそうだとしても好き好んでポーシュボス化したいとは誰も思わないだろう。
「で、だ。
俺が万一アレになったら、その時は頼むぜ?」
「ああ、ダから私はキミと一緒に来たノだよ、ジェい殿。
互いにどウにかなってしまっタら、互いにどうにカしようじゃ無いか」
その言葉からほんの少しの狂気が漏れているような気がするのを、ジェイは気付かないふりをして、そうだな、とうなずいた。
●“超克”を齎す“究極の力”
ポーシュボスに挑んでいるのは彼らだけではなく――
「くかかっ!
全盛期とまではゆかぬが、霊力が溢れ出てくるぞ!
これがオーバーロード……“超克”を齎す“究極の力”!」
「真の姿」であるオロチヒメとしての人格を下ろしている蛇塚・レモン(白き蛇神憑きの金色巫女・f05152)にとって、ポーシュボスは異界の邪神だ。
神話級の邪な龍蛇を祖に持つ邪神であるオロチヒメにとって、ポーシュボスの狂気などちっぽけなものだろう。
そしてそれは同時にオーバーロードにより真の姿を晒しているロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)にとっても同様で――
「ポーシュボス・フェノメノン。
貴様が現象(フェノメノン)で在るならば我々(おれ)も一種の現象(フェノメノン)と解せる」
ロバートの冒涜的なその姿はまさしく邪悪そのもので、善性の欠片も見当たらない。
それもそのはずだ。
彼のユーベルコード【王冠(クラウチ・エンド)】の「登場人物」たちは悉く『悪』として描写されている。
さらに、それら全ては生物ではなく、混沌(カオス)を司るためにポーシュボス達とは別の恐れを撒き散らすものとなる。
故に、その「登場人物」達は狂うこともなくポーシュボスを恐怖に落とし入れ、善性への寄生とは異なる狂気を生み出すのだった。
●ポーシュボス・フェノメノン
助けて、死にたくない、殺さないで――
様々な言葉が、声が、巨大なポーシュボスから聞こえてくる
それはポーシュボスと化した者たちの嘆きに他ならない。
だからこそ、だれかが幕を引かねばならない。
「その役目は俺が引き受けるぜ」
ロバートの召喚する有象無象の如き「登場人物」達に気を取られているポーシュボスだったが、無数にあるその目にジェイ達の動きは捉えられていた。
「さて、とっておきを使うとしようか」
気付かれることは想定済みだったのか、にやりと【幕引きのジェイ】としての顔を覗かせて、ジェイは拷問具『神化せしクグーミカ』を召喚した。
「邪悪の塊みたいな女だろ?」
召喚された拷問具『神化せしクグーミカ』は、自立型で対空戦闘での機動力を持ち装備したギロチンによる切断、本体による傷口を抉る行為や暴力で嬉々として獲物たるポーシュボスに襲いかかる。
「ジェイ殿はもうとっテおきを出しタのか」
ならば、とケビもジェイの攻撃に合わせるように背から大きな掌を伸ばしてユーベルコード【プログラムド・ジェノサイド】を発動させた。
「さて、アタシも働かないとね。
かつて美しかった者たちを醜く変えちゃったのは許されないことよ」
衣吹――もといネイルが投げた影色の招待状がポーシュボスの目のひとつに刺さり、ユーベルコード【影の城への招待状(アイン・ラードゥング・シャッテン・シュロス)】によりその動きが止まった。
それと同時に耳鳴りのように聞こえ続けていた嘆きの声が一時やんだ。
「む、ポーシュボスの動きが止まったか?
何者かは知らぬが、感謝するぞ」
目を閉じて敵を視認せずに戦っていたレモン――否、オロチヒメは、宝石「宇宙の幼生」を取り込もうとするポーシュボスの動きを利用していた。
それは邪神である自身でさえ狂気に陥れようとする宝石「宇宙の幼生」を直視しないためでもあり、視覚以外の五感全てで敵の動きを感じるためでもあった。
「そんなに長くは抑えられないわ!」
『ああ、問題ねえよ』
苦しい声を上げるネイルの横を走り過ぎたのは絶だった。
すでに律はポーシュボス化しているが、絶が消えていないということは彼の意識はまだ残っているのだろう。
『律の「善性」は美味かったかよ?
残念ながらアイツはテメエには渡せねえんでね』
『オーブ・オブ・ウーズ』から召喚したUDC達が一斉にポーシュボスへと向かっていく。
それはロバートの召喚する「登場人物」達同様に生物ではないために狂気の影響を受けることはなく、ポーシュボスの狂気を喰らっていく。
その付近ではジェイの召喚した拷問具『神化せしクグーミカ』がユーベルコード【黒嵐(ブラックストーム)】を発生させていた
範囲内全てを巻き込むほどの無差別攻撃は、ポーシュボスだけでなく味方をも巻き込んでいく。
「ほら、お前の欲しいものはこっちにあるぜ!」
ジェイの手にある宝石「宇宙の幼生」を狙い、ポーシュボスが猛毒の羽が舞う中に触手を伸ばす。
その一方で、ケビはジェイの無差別攻撃に合わせるように自身の仕込んでいた攻撃プログラムによる攻撃をし続けていた。
「叩イて、潰しテ、壊シて、砕いテ……」
すでにほとんど全身が黒で彩られ、その身体から黄色い眼光が覗くまでに侵食されているケビは、意味の成さない言葉を発しながら攻撃を続ける。
「おう、だいぶキマってるがまだ狂気に落ちるにゃ早いぜ?」
ガツン、とジェイが叩いたのはケビの頭のテレビだった。
電化製品は叩いて直すと古い文献で読んだことのあるケビが、事前にジェイに進言したことをジャイは躊躇なく実行した。
「……壊レるにハ、まだ早イ?」
「壊れてもいいがそれは少なくとも今じゃねえよなぁ?」
ふはっ、と吹き出したジェイのおかげか、ケビはほんの少しの正気を取り戻した。
「向こうさんも俺たちの攻撃で大分小さくなってきてるからな。
あとちょっとだと思うぜ」
戦い始めと比べて小さくはなってきているものの、それでもなおポーシュボスは巨大だった。
「ぬるいな」
そんなポーシュボスの様子に、思わずオロチヒメはつぶやきを漏らす。
「ぬるいぞ、ポーシュボス
世界を滅ぼすならば、もっと派手にやったらどうだ?」
ニタリと愉悦に顔を歪めたオロチヒメは、指鉄砲をポーシュボスへと向けていた。
「――斯様になぁっ!」
刹那、周囲は黄金の雷光に包まれる。
オロチヒメのユーベルコード【真・超電竜撃滅衝(ネオ・ライトニング・ドラゴン・ブラスター)】により、撃ち抜かれたポーシュボスは、威力が上がり続ける黄金雷竜の雷に焼かれ、跡形もなく消滅したのだった。
成功
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