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アポカリプス・ランページ⑪~偽神を討つ一矢(作者 遊津
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「ああ、あああああ、煩い、煩い、煩い……!」
 頭の中に声が絶え間なく響く。
 それは助けを乞う悲痛な声だ。それは許しを請う悲嘆の声だ。それは裁きを請う懺悔の声だ。
 ――煩い、煩い、煩い煩い煩い!!
 己にその声の主たちを救う力などないことは、自分が一番わかり切っている。
 自分は狂った教団に造られた、偽物の神でしかないのだから。
 それなのになぜ、声はこの脳髄に響き続けるのか!!
 ああ、俺の方こそ狂ってしまいそうだ。あるいはもう、狂っているのか?
「黙れ。黙れ……ああああ煩い、黙れ、黙れ!」
 どれほど耳を塞いでも、声は聞こえてくる。
 それがこの黙示録の黄昏に生きる人々の、声だというのなら。
「黙らないのなら、俺がお前たちを殺し尽くしてやる」
 さもなくば、誰か俺を、殺してくれ。


「やあ、来てくれてありがとう。アポカリプスヘルの戦争だけれど、早速行ってほしい場所があるんだ」
 贄波・エンラ(Liar Liar Liar・f29453)は自らの呼びかけに応えて集まった猟兵たちを前にして、咥えていた煙草を口から離すとふぅっと紫煙を吐き出してそう言った。
「フィールド・オブ・ナインの一体「デミウルゴス」への道が開けたんだ。ただし彼との戦いにはひとつ、難点があってね。……デミウルゴスは、「体内に偽神細胞を持たない存在」からの攻撃を「完全に無効化する」。それが例え攻撃だと双方が認識していないものでも同じのようだ。だからこのままでは、彼と戦えるのは偽神細胞を持つストームブレイドだけであったところなんだけれどね。幸い、まだ手立ては残されていた」
 エンラは手近にあったアタッシュケースを開ける。そこに収められていたのは注射器と、そしてドギツイ色をしたアンプルたちだった。
「ソルトレイクの研究所があったね? あそこには「デミウルゴス式偽神細胞」を移植されたオブリビオンが徘徊していたわけだけれど……これはそこで研究されていた「偽神細胞液」だよ」
 ストームブレイド以外の猟兵はこのアンプルの中の液体を体内に注射し、一時的に「偽神化」しなければならない。そうでなければ、デミウルゴスに傷一つ与えることはできないのだとエンラは言う。
「ただし、気を付けて。偽神細胞の接種は激しい拒絶反応をもたらすようだ。……それこそ、絶命の危機さえある……君たちには、文字通り命を賭けて戦ってもらうことになる」
 注射による一時的な「偽神化」によってようやく攻撃が通るようになるデミウルゴスは、体内の偽神細胞によって造られた変化する肉体、強毒化した偽神細胞、そして手にする偽神細胞によって作られた「偽神断罪剣」なる大剣を用いて攻撃してくるという。
「戦場になるのはアイオワ州デモイン。19世紀に建てられたデモイン砦を再建した場所にデミウルゴスはいる。偽神細胞液の注射による接種での一時的「偽神化」が保つのは、時間的に考えても彼を倒すまでだろう。それまでに、拒絶反応に耐えて……彼を、殺してあげるといい」
 ふぅわりとエンラの吐き出した紫煙がけぶる。
「それじゃあ、準備が出来た人から現地への転送の前に偽神細胞液を注射していくから、……一列に並んでくれるかな?」
 彼はそう言って、にっこりと微笑んだ。


遊津
 遊津です。注射は何回されても慣れないですね。こわい。
 アポカリプスヘルの戦争シナリオをお届けします。
 ボス戦のみの一章編成となっております。
 当シナリオには以下のプレイングボーナスが存在します。
 ※……「偽神化」し、デミウルゴスを攻撃する。

 「戦場について」
 再建されたデモイン砦の内部となっております。入り口から入ってすぐにデミウルゴスはいるので、捜索にかけるプレイングは必要ありません。中は天井が高くなっており、空中戦を行うことも可能です。
 砦内部なので、戦闘に利用できるものもあるかもしれません。何かを利用する際は「使えるものは何でも使う」といった曖昧なものでなく、「何を」「どのように」使用するのかプレイングに明記してくださると助かります。

 「デミウルゴスについて」
 体内に偽神細胞を持たない場合、それが事故や突発的な事象、攻撃の意思を持たない物でもあらゆる「攻撃」を完全に「無効化」します。
 ジョブがストームブレイドの方は既に体内に偽神細胞が存在しているため改まって注射の必要はありませんが、そうでない方は偽神細胞液を注射しなければなりません。
 デミウルゴスはオープニングで説明した三種のユーベルコードの他、主に偽神細胞による大剣や偽神細胞による肉体を用いて戦います。

 当シナリオのプレイング受付は9/15(水)朝8:31~となっております。
 時間帯によっては上部タグに受付中の文字がないことがございますが、受付開始時間を過ぎていればプレイングを送ってくださって構いません。
 戦争中のため、採用人数は絞らせていただく可能性がございますこと、あらかじめご了承ください。

 それでは、皆様からのプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デミウルゴス』

POW ●デミウルゴス・セル
自身の【偽神細胞でできた、変化する肉体】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[偽神細胞でできた、変化する肉体]から何度でも発動できる。
SPD ●偽神断罪剣
装備中のアイテム「【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ ●デミウルゴス・ヴァイオレーション
自身が装備する【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】から【強毒化した偽神細胞】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【死に至る拒絶反応】の状態異常を与える。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


七那原・望
痛い……苦しい……けれど……殺してあげますよ……そんなにも生きるのが辛いなら……

アマービレでねこさんをいっぱい呼んで多重詠唱全力魔法でわたしに強化と結界術を施してもらいます。
彼らは偽神細胞を接種してないけれど支援なら出来ますからね。

激痛に耐えながら第六感と野生の勘を駆使して敵の動きを見切り、回避だけに専念しながら簡易生成・勝利の果実で創り出した果実を食し、ねこさんの魔法と合わせて自身の限界を超えた強化を。

十分に強化が済んだら反撃開始です。
オラトリオで足元から奇襲攻撃を行い、相手の意識が逸れた瞬間、全ての魔力を込めた浄化属性全力魔法を高速詠唱クイックドロウで放ち、終わらせます。

おやすみなさい……



偽神細胞液を体内に注入し、七那原・望(封印されし果実・f04836)はデモイン砦の入り口前で息を潜めていた。砦の中に入ればデミウルゴスがいる。すぐさま戦闘となるだろう。けれどそれより先に、望にはやるべきことが残っていた。
(痛い……苦しい……)
 体内に摂取された偽神細胞は望の体を巡り、彼女を苦しめている。全身を苛む激痛。まるで高熱を出した時のように悪寒にひっきりなしに襲われ、視界はぼやけ、手足の先がかじかんだように感触が鈍い。
「はぁ……はぁっ……」
 荒い息の下、望は鈴のついた白いタクト「共達・アマービレ」を振る・りぃんと澄んだ涼やかな音がして、たくさんの魔法猫が現れる。かれらは具合の悪そうな望の様子を察し、彼女の周りに集まってきた。
「ありがとう……ございます……ねこさん。わたしなら……だいじょうぶですよ……それよりも……」
 望の願いに応え、大量の魔法猫たちはその力を全開まで使って、にゃあにゃあと鳴く声を共鳴させながら望の肉体を強化する術と結界の術を張る。魔法猫たちに偽神細胞は注入されていないからデミウルゴスを攻撃することはできないが、望を支援させることならいくらでもできる……それが、望の立てた作戦だ。

「……小細工は済んだか」
 砦の内部には、デミウルゴスが大剣を構えて待っていた。拒絶反応によって弱った望ひとり、強化をされる前に砦から出てきて急襲を仕掛けることは彼にとっては容易かっただろう。けれどデミウルゴスはそれをしなかった。おのれの中に響く内なる声に苛まれていたからか、それとも砦の中に入らなければ敵として見做さないというルールでも設けているのか。そんなはずはない。彼はフィールド・オブ・ナインの一体、アポカリプスヘルに住むすべての人を殺し尽くすと決めた人間なのだから。……ならば、それでも望を待ったのは、何故か?
「……殺してもらうのを、待っていたんですか……?」
「何を――」
「あなたには私に攻撃する幾千以上の機会がありました、この砦を出さえすればいくらでも。ねこさんたちの声があなたに聞こえなかったとは思えません。それなのにわたしの準備が整うのを待っていたのは……殺してほしかったからでは?」
「ふざけるな。俺にも殺される相手を選ぶ余裕くらいある」
「殺してほしい事は、否定しないんですね……いいですよ。殺してあげます……そんなにも、生きるのが辛いなら……」
「お喋りは終わりだ……お前こそここで、死に絶えていけ!!」
 ぶぉん、とデミウルゴスの大剣が振るわれる。縦横無尽の軌道を描く剣を相手に、望は回避だけに専念する。時折刃がすぐそばをかすめるが、魔法猫たちによって施されていた結界術によって彼女には傷一つついてはいない。
「強化は、まだまだ……!【簡易生成・勝利の果実(フルーション・ザ・ホープ)】!」
 望の手の中に金色の果実が現れる。それを食べたとき、望は力を増し、果実の神としての神格を取り戻す――それが彼女のユーベルコード。果実を咀嚼し、自身の中の魔力と力とが膨れ上がるのを感じる望。
「“感じます……無数の望み……数多の希望……わたしは、望む……”」
「……黙れ。無数の望みなど、俺にとっては絶望でしかない……!」
「それなら、終わらせてあげます、すぐに」
 望の影がエクルベージュ色に染まった。それはあらゆる姿に変化する、実体のある影「影園・オラトリオ」。エクルベージュ色の刃がデミウルゴスの足元から次々と突き立っていく。
「くぅっ!?」
 デミウルゴスの意識が足元の刃に奪われた隙を見て、望はデミウルゴスを指さす。その指先に、浄化の属性を与えた金色の魔法の弾丸が現れ――そして、最大出力で発射される!
「この攻撃はユーベルコードではありません……だから、あなたの細胞でもコピーすることは、不可能です……!終わらせ、ますっ……!!」
「ぐっ……が、あああああっ……!」
 金色の魔弾に飲み込まれ、絶叫を上げるデミウルゴス。倒れたその体躯に、望は終わりを告げる言葉をかけた……だが。
「おやすみなさい……っ――!?」
「いいや、まだだ。……俺はこの程度では、まだ死ねんぞ……!」
 大剣を杖替わりにし、デミウルゴスは血まみれになりながらも起き上がる。そして、望のタイムリミットが訪れるのもそろそろだった。全身にかけられた強化魔法も結界術も、金色の果実によって目覚めた神性も、扱う肉体が十全でなくては意味がない。望の体は偽神細胞との拒絶反応によって、これ以上は戦うことが適わないだろうと、望は本能で感じ取った。これ以上戦えば、それこそ絶命に到りかねない……魔法猫たちも一丸となって彼女の体を案じる声を上げる。
「……く……一時、離脱しますっ……」

 望の姿が砦から遠ざかっていく。デミウルゴスは大剣を肩に担ぎ、頭を掻きむしって血を吐くようなうめき声をあげた。
成功 🔵🔵🔴

マリア・ルート
死をも厭わず進む。
やってやろうじゃない、偽神化。

…相当な苦痛ね。
理性がたまに飛びそう、体が焼けそうなほど血が熱い。

ーーでも覚悟はできている。
デミウルゴスーー造物主。『創造』の力使う者として、あんただけは許せない。

必要最低限の『オーラ防御』と『残像』による回避だけ考えて、【指定UC】で怒りのまま大勝負!インファイトで速攻あるのみ!
相手がコピーしてもこれなら真っ向からのぶつかり合いよ!

拒絶反応が苦しい。
息が詰まりそう。体も黒くなってきたし、感覚がなくなりそうーーでも。
痛覚も何もないんなら、自分の痛みとか気にせず存分に奴を攻撃できるーー!

ただ怒りのままに、理性もコストにし、奴を攻撃しまくるわ!



(死をも厭わず進む。……やってやろうじゃない、偽神化)
 マリア・ルート(紅の姫・f15057)は迷うことなく偽神細胞液の注射を受けると、転移しデモイン砦の前へとやってきていた。
(……相当な苦痛ね。理性がたまに飛びそう……体が焼けそうなほど血が熱い)
 マリアの体を苛む偽神細胞の拒絶反応はそれだけではない。高熱を出した時のように悪寒がひっきりなしに全身を襲い、発熱によって意識が霞む。全身を苛む苦痛たるや、まるで、体中を肉叩きで叩かれているようだ。
(ああもう、ステーキ肉にでもなった気分よ……でも、その程度の覚悟はできている……!)
 そのまま砦の中に入り、待ち構えていたデミウルゴスをきっと睨んで告げる。
「「デミウルゴス」――「造物主」の名を冠するもの。『創造』の力使う者として、あんただけは許せない」
「……許せない? その言葉は頭の中から聞こえたことはなかったな。だが俺は紛い物の神。狂った教団に造られた偽物の神だ。造物主どころか、俺のほうこそ造られたものだ。俺に造れるものなど、偽神細胞を使ってのものだけ……フン、わかっている。そんな理屈は、お前にはどうでもいいことなんだろう。俺がこの名を持っていることだけが気に食わない。そんなところか?」
「黙りなさい。どうせ許してほしいわけでもないんでしょう?」
「どうやら、黙るのはお前の方のようだ。俺に対抗するために偽神細胞を摂取したか? ストームブレイドでもなしに偽神細胞を体内に取り込んだ代償に、錯乱でもしているのか?」
 そのままデミウルゴスの肉体が膨れ上がり、マリアの体を捕えてねじ切ろうとする。それを自らの体にかけた防護壁で防ぎ、高速で移動することにより残像を生み出して躱して、マリアはこぶしを握った。
「ああああああ、ぐっ、この、破壊衝動――ああ――■■■■■■■■■■――――!!!」
 絶叫がやんだ時、マリアの肉体は大きく変わっていた。【解放、破壊の怪鳥フレースヴェルグ(リベレイト・フレースヴェルグ)】。体の一部を怪鳥フレースヴェルグに変化させ、攻撃力と耐久力を得る技。その代償は、マリア自身の理性だ。
「さぁ、コピーしてみなさい……これなら真っ向からのぶつかり合いよ……!!」
 怪鳥の部分で駆け、空を羽ばたき、そして人間の部分で殴りつける。その拳を受けたデミウルゴスは、唇からぷっと血を吐き出して笑った。
「良いだろう、狂っていれば俺に希う声も聞こえなくなるというものだ。その力、取り込ませてもらうぞ……!」
「ふふっ、うふふふふっ、あははははは……!あんただけは殺す、許さない、殺してやる……!!」
 デミウルゴスの腕がマリアを捕え、その先から彼の肉体もフレースヴェルグへと変化していく。
「おおおおおおっ!!」
「はあああああっ!!」
 二人の異形化した拳がぶつかり合い、爆ぜ、拉げながらまた相手を殴るためだけに繰り出される。邪魔するもの無き殴り合いの中で、マリアの中の千切れそうなほど細い理性は確実に自分の限界を感じていた。
(拒絶反応が苦しい――息が詰まりそう。体も黒くなってきたし、感覚がなくなりそう――でも、痛覚も何もないんなら、自分の痛みとか気にせずに存分に奴を攻撃できる――!!)
 理性は浮かび上がるそばから狂気に食い荒らされる。自壊することを前提とした戦い方を選び、マリアは異形と化した脚でデミウルゴスを蹴りつける。
「ああ、あああああ、あああああああ――!!」
「くく、いいぞ、何も聞こえない……!!これをどんなに求めていたか……!!はははははっ!!」
「あっははははははは……!!死ね、死になさい、殺してあげるわ……!!」
 怒りの儘に。理性をも投げ捨て、マリアは自身の体が拒絶反応で動かなくなる寸前までデミウルゴスと殴り合い続けたのだった――。
大成功 🔵🔵🔵

リーヴァルディ・カーライル
…例えどれ程の苦難が待ち受けていようとも、私には果たすべき誓いがある

…こんな道の半ばで、救世の旅路を終らせるつもりは無い
此処でお前を討ち果たし、私は必ず生きて帰る、闇に覆われた故郷に

「写し身の呪詛」を乱れ撃ちして敵の索敵を乱して攻撃を受け流し、
無数の残像による集団戦術で出来た死角から切り込みUCを発動

…っ、あまり時間は掛けられない
全魔解放。この一撃に全てを賭ける…!

虚属性攻撃の魔力を溜めた大鎌を怪力任せになぎ払い空間ごと敵を切断し、
全てを呑み込む虚無空間のオーラが防御を無視して敵を捕縛し消滅させる

…この御業、受け流す事が出来ると思うな

もう苦しむ必要は無い。消えなさい、この世界から…



(……例えどれ程の苦難が待ち受けていようとも、私には果たすべき誓いがある)
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は体内に偽神細胞液を注射され、そしてデミウルゴスの前へやってきていた。偽神細胞液を取り込んでまだ数十分と立っていないというのに、頭はふらふらとし、発熱の症状も見える。ひっきりなしに襲い来る全身の痛みと悪寒に、今すぐに膝を折ってしまいたくなる……けれど。
「こんな……道の半ばで、救世の旅路を終わらせるつもりは無い……!」
「どうした。戦う前から満身創痍といった様子だな。お前も俺を殺すために偽神細胞を移植してきたと言う訳か? ストームブレイドでもなしに、よくもまあやるものだ」
「黙って。……此処でお前を討ち果たし、私は必ず生きて帰る、闇に覆われた故郷に」
リーヴァルディは「写し身の呪詛」――戦闘力を持たない自身の分身を無数に呼び出す。デミウルゴスの異形の腕が分身たちを次々と握り潰し、リーヴァルディへとかけようとするその手からするりするりと抜け出すと、分身――残像たちが一斉にデミウルゴスへと鎌を振り下ろした。
「……貴様は偽神細胞を持っていても、貴様の分身は違うようだな。俺は無傷のようだ」
(確かにそう。でも、これでいい……!)
 確かに分身たちではデミウルゴスに傷一つつけられない。けれど、死角を生み出すことはできる。そうして生まれた四角からリーヴァルディは大鎌で斬りこむ。
(……っ、あまり時間はかけられない……――全魔解放、この一撃に全てを賭ける……!)
虚属性の魔力を溜め込んでいた大鎌を力任せになぎ払い、その斬撃は空間ごとデミウルゴスを斬る。
「“……虚空を穿ち、虚無へと還れ”」
デミウルゴスに楔のように埋め込まれた虚属性の魔力は全てを飲み込む虚無空間へと変化し、無数の手のようなものが虚無空間の中から伸びてデミウルゴスを捕える。
「ぐっ……が、あああああっ……!」
「……この御業、受け流すことが出来ると思うな」
 やがて、デミウルゴスを飲み込んで虚無空間が閉じる……リーヴァルディは痛む頭を抑えながら目を閉じた。
「もう苦しむ必要は無い。消えなさい、この世界から…」

「――いいや、まだだ」
 デミウルゴスの声が響いたのは、次の瞬間。リーヴァルディが目を開けた先にあったのは、全身から血を流すデミウルゴスと、閉ざされたはずの虚無空間に開いた大きな創傷だ。
「俺はまだ死なない。死ねない体のようだ。忌々しいことに、まだ、な」
「……!」
 皮肉そうに自虐的に笑うデミウルゴスを前に、リーヴァルディは大鎌を再び構える。しかし。そこで襲った悪寒とともに、全身の感覚が遠くなり――痛みだけが焼きつくように脈打ちだす。
(駄目。これ以上は保たない。これ以上の戦闘を続ければ……本当に、死ぬ)
 ――死。そうなれば故郷への帰還も叶わなくなる。誓いを果たすことも。
ここで死ぬまで戦い続けるか、撤退しても生きて誓いを果たすのか。
リーヴァルディは生を選んだ。生きて故郷の土を踏むことを選んだのだ――
「一つ予言をしてあげる。お前はここで死ぬ。必ず……」
「……それは、願ってもないことだな」
 デミウルゴスの自嘲的な笑みを背中に、リーヴァルディは砦を飛び出し、撤退していった。
大成功 🔵🔵🔵

金宮・燦斗
おやおや、殺してほしいという声が聞こえました。
ということで、ちゃんと殺してあげますね?

……っつーか偽神細胞の反発、最悪すぎるだろ……。
あぁ、クソ、頭がガンガンする……とっととケリつけねぇとヤバい。
昔の思い出したくねぇことばっか頭に過る。

UC【影をも超える狂気の黒】発動。
偽神細胞の反発を理性ぶっ飛ばしで耐えて。
2本の黒鉄刀を使って足、腕、身体、頭と徐々に部位破壊で潰しながら殺してやるさ。
闇の中に紛れつつ、少しずつ、少しずつな。

カミサマが殺されたいって願うなら、私はそれを叶えてやるだけだ。
ついでにこの偽神細胞とやらを試す絶好のチャンスだからなぁ!!
ああ、痛い痛い! この痛みを分けてやるよ!!



「……おやおや。殺してほしいという声が聞こえましたね?」
「人違いだ、帰れ」
 金宮・燦斗(《夕焼けの殺人鬼》[MörderAbendrot]・f29268)の問いかけに、デミウルゴスは実にすげなく返した。
「いいえ、あなたが言ったんですよ、「俺を殺してくれ」とね。……だから、ちゃんと殺してあげますね?」
「……だから人違いだ。だが、それが敵対の表明だというのならば受けて立つぞ」
 デミウルゴスは大剣を抜く。対する燦斗の表情はいつものように胡散臭い笑みを浮かべていて、けれどそれは今この状況にあっては無理矢理に張り付けたものだった。
(……っつーか偽神細胞の拒絶反応、最悪すぎるだろ……)
 よく見れば顔色は蒼褪め、どこか目の焦点も定まっていない。その内側では全身を内側から破壊するような痛みが荒れ狂い、ひっきりなしに悪寒が襲ってきている。
(あぁ、クソ、頭がガンガンする……とっととケリつけねぇと、ヤバい。昔の思い出したくねぇことばっか、頭に過って――……)
「余所見をしている余裕がお前にあるのか?」
「――っ……!」
 咄嗟に転がって避ければ、燦斗がいた場所を大剣が薙いで行く。背中に一筋流れた冷たい汗を振り切って、燦斗はユーベルコードを発動させる
「【影をも超える狂気の黒(ロゥクーラ・プレート)】……“「コレ」を見られたからには、生かして帰さねぇよ”」
 優しげな医者という偽りの姿を捨て――殺人鬼としての側面を前に出す。二振りの黒鉄の刀を両の手にし、デミウルゴスの大剣を受け止めた。気を抜けば断続的に襲い来る偽神細胞の拒絶反応を、痛みを、理性を削ることで耐える。黒鉄刀から溢れる闇が、砦の中を黒く染め上げていく。
燦斗にとって、彼の“息子”が持つ物と同じ一振り目の黒鉄刀とは異なり、二振り目の黒鉄刀はただ闇をまき散らすだけのものではない。それは己が殺人鬼であるということを思い出させる、乾いた血が固まって変色したかのような黒い刃。砦を染める闇の中から少しずつ、少しずつ、燦斗の二振りの刃はデミウルゴスを切り裂いていく。
――まずは、脚。デミウルゴスの膝から下は異形化しているから、切り刻みやすい腿を切る。闇とついても、仮にとついても、どんなにそれっぽくなくても医者である燦斗には、人体に走るいくつもの急所が目に見えるようにわかる。デミウルゴスの肉体の人間の部分を斬って、斬って、斬り開いて。
次は腕。異形化した左手は始末に負えない。だから剣を持つ右手を狙う。黒鉄の刃が腱を断ち、がらんと闇の中に大剣がとり落とされた音が響いた。残るは身体。ここは異形化しすぎていて難しい。人間の部分がほとんど残されていない。それでも胸を貫いてやれば、デミウルゴスは燦斗の首を刈ろうとその異形の手で襲い掛かってきた、最後は頭だ、さあどうしてやろうか、目を抉ってやろうか、喉を裂いてやろうか――
「……悪趣味だな」
「ふふふっアハハハハ、それで結構!今の私は殺人鬼だからなァ!!カミサマが殺されたいって願うなら、私はそれを叶えてやるだけだ!」
「何を言っている……? 人は、神に願う者だろう。叶えるのは神だ。俺とは違う、本物の」
 ひと時、子供のように無垢な目でデミウルゴスは燦斗に問い返した。
「私は殺人鬼ですから」
「……そうか」
「……それにねぇ、ついでにこの偽神細胞とやらを試す絶好のチャンスだからなァ……!!」
 デミウルゴスの異形化した腕と、二振りの黒鉄の刃とが交差する。がりがりと金属のようなものがこすれあうような音が闇に沈んだ砦にけたたましく響いた。
「あぁ、あぁ、痛い痛い痛い……!!この痛みを、分けてやるよ……!!」
 闇の中に、燦斗の哄笑が響く。
偽神細胞の拒絶反応によって全身が動かなくなるタイムリミットまで、燦斗は二振りの刃でデミウルゴスを攻め立てるのだった。
大成功 🔵🔵🔵