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アポカリプス・ランページ⑤〜シュートレンジOP!

#アポカリプスヘル #アポカリプス・ランページ #アポカリプス・ランページ⑤

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#アポカリプス・ランページ⑤


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●ソルトレークシティ近郊にいるヤツ
「デミウルゴス本体が発見されたけど、まだまだデミウルゴス式偽神細胞を移植されたオブリビオンも暴れてるって感じなのよ」
 シャナミア・サニー(キャバリア工房の跡取り娘・f05676)はグリモアベースに集まってくれた猟兵たちに礼を告げた後、そう続ける。
「『暴走する生産プラント』って言って、見た目通りの巨大生産プラントなんだけどさ。まだ自律行動というかプログラム通りに動いているというか、オブリビオン・ストームって面倒よね」
 この生産プラントは集落を目指して荒野を徘徊する巨大な機械にして、人間を捕獲した後、ナノマシンで改造するという狂った装置でもある。
「ちなみに、捕まった人間は兵器に使われる部品になる……」
 そんな生産プラントにデミウルゴス式偽神細胞が移植されたらしい。
「迷惑なことに、暴走度アップ、防御アップ、捕獲速度アップに改造速度アップだよ」
 こんなヤツを放っておくわけにはいかない。今も人間の集落に向かって突き進んでいるのだから。
「とはいえ、近づくとたぶん回避不可能じゃないかって速度で捕まる」
 猟兵でもそこから脱出するのは厳しいかもしれない。
「でも射程範囲が決まっている。そこがヤツに付け込む弱点だ」
 つまり、近寄らずに一方的に攻撃できる……。
「狙撃。ヤツの射程である半径100mの外から遠距離攻撃で仕留めるのが今回の作戦だよ」

 しかしそこで問題になってくるのが生産プラントの防御力である。デミウルゴス式偽神細胞のせいで凶悪なまでに硬くなっている装甲を貫くにはかなりの技能が必要だろう。
「だから、3発だ。短時間の内に3発叩き込んでよ」
 そう告げてシャナミアが説明を続ける。
「実はデミウルゴス式偽神細胞を移植されたせいで、生産プラントは強烈な拒絶反応が起こってるんだ」
 この拒絶反応は生産プラントがユーベルコードを使うか、不意打ちからの連続攻撃を食らうことで激しくなる。
「ってことでね。射程外、ヤツが気付いていないタイミングで狙撃する」
 不意打ちを食らうと、状況確認と目標探知のために少しの間、生産プラントの動きが止まる。動き出す前、あるいは接近される前にあと2発叩き込めば、拒絶反応で自壊が急速に進む。
「そこまで行けば離脱してくれれば大丈夫だよ」
 何回か、あるいは何人かの波状狙撃で生産プラントを一気に自壊へと追い込む。これが今回の作戦。
「狙撃に自信アリって人はぜひ頼む。自信なくても全然大丈夫だけどね」
 そう言ってシャナミアは有志をアポカリプスヘルへと転送するのであった。

●皆さんの射程
 射程距離は『狙撃に関する技能(※)の合計レベル』によって算出します。合計技能レベル×1m。ユーベルコードを使用する場合は、この射程距離にさらに距離をプラスできます。
(※)スナイパーや視力、集中力といった直接関係する技能をはじめ、限界突破やリミッター解除、封印を解くといった上限突破系、制圧射撃や威嚇射撃などの射撃に関する技能など関係ありそうな技能を含みます。簡単に言うと言ったもの勝ち。

●用語説明
 遠距離攻撃=空間を捻じ曲げてーの系統も含みます。
 不意打ち=初撃を射程外から行うと必ず発生します。
 短時間=1リプレイの間。
 かなりの技能=貫通攻撃Lv100以上(UCでの補助はOK)


るちる
 まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
 ちゃんと『射程外から狙撃で倒そうぜ!』的なシナリオも作りました! タイトルのOPはオペレーションとお読みください。

●全体
 1章構成の戦争シナリオです。
 シリアス寄りの依頼ですが、リプレイの雰囲気はプレイングに左右されますのでご安心ください。おちゃらけ大丈夫ですが、ちゃんと攻撃してくださいねー。

 場所はソルトレークシティ近郊の荒野。何故かおあつらえ向きに狙撃ポイントになりそうな高い岩場や隠れるポイント、廃棄された小屋などがあります。

 基本戦術は生産プラントの射程である半径100mの外からの狙撃。3発or貫通1発で一人分のミッションクリア。もちろん3発以上、ないしは貫通してもさらに攻撃していってもオッケーです。
 100mぎりぎりはどーすんだ? とか離脱は失敗しないのか? とかいう話は皆さん有利で処理します。
 ちなみに接近する場合はプラントの超高速連続攻撃(狙いも正確)をどうにかかわして、攻撃を叩き込むという流れになります。射程外に逃げない限り延々と攻撃されますのでご注意を!

 このシナリオには特別なプレイングボーナスがあります。活用してください。
 『プレイングボーナス』
 (1)超強力な攻撃を耐え凌ぎ、敵の自壊を誘う。
 (2)狙撃による攻撃で拒絶反応を引き起こす。
 (3)装甲を貫通する。


 プレの受付はオープニング公開から。冒頭の状況説明追加はありません。
 採用人数は決めていないのですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも? その辺はタグでご案内します。
 それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす。
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第1章 ボス戦 『暴走する生産プラント』

POW   :    対象ヲ捕獲ホカク捕獲ホカク
【ナノマシン】を注入し、対象の【肉体】【神経】を過敏にし、改造を【肉体】【精神】に施すカプセルへ捕獲する【機械腕】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    ナノマシン注ニュウチュウ入
【機械腕】で捕獲した対象に【注入器】から【対象の体内にナノマシン】を放ち、【カプセル内で改造処置を施す事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    改造カイゾウ改ゾウカイ造カイゾウ改造
攻撃が命中した対象に【カプセル内でナノマシン】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【追加ナノマシン注入と改造機械】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクレア・ハートローズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●皆さんの射程補足説明
 皆さんの射程距離=限界狙撃距離(ここまで離れることが可能)

 射程距離=(合計技能レベル×1m)+ユーベルコードで指定された距離(レベル半径など)

 例1)技能・視力120の人
  →射程距離120mとして処理します
 例2)スナイパー2、『レベル半径内』の技術があるユーベルコードを使用するレベル100の人
  →射程距離102mとして処理します
 例3)スナイパー、集中力、視力、制圧射撃、幸運、限界突破、リミッター解除、零距離射撃、足場習熟、封印を解くがそれぞれ10ある人
  →射程距離100になります。プレで上手いこと補足してください。
  (足場をしっかり作って、武器の封印を解き限界突破&リミッター解除、制圧射撃と零距離射撃の技術も使って〜〜という感じで言ったもの勝ち)
緋月・透乃
ふむー、やばい代物が徘徊しているねぇ。
本体も気になるけれど、こっちも放ってはおけないし、ささっと倒してしまおう!

私は本来は接近戦が得意というか接近しないと話にならないねぇ。
とはいえ、なんかいけそうな手が思いついたし、たまには遠距離戦もやってみようか。

やることは単純に武器を投げてぶつけるだけ!
射程と威力は腕や全身の【怪力】を発揮し、命中は投擲そのものを暃迅滅墜衝の命中率重視で行い、そして【気合い】で能力全般を更に絞り出して渾身の投擲を見せてやるぞー!
投げる武器は投げやすいシンカーキャロットから!後は鎚、斧、スプーンと重い順に。
その辺にあったら岩とか瓦礫とかを投げて更に追撃してもいいね。




 射程距離100m。手を伸ばすにはだいぶ遠く、視界に収めるには難しくない範囲だ。しかも『暴走する生産プラント』のように巨大な建造物であるならば、それは容易いというもの。
「ふむー、やばい代物が徘徊しているねぇ」
 緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)は、ともすれば不謹慎と言われてしまいそうな楽しそうな笑顔を見せていた。別に特に問題があるわけではない。ここは戦場だし、『戦闘好き』であることや『自分の楽しみのため』に戦うことの何が悪いのか。
「本体も気になるけれど、こっちも放ってはおけないし、ささっと倒してしまおう!」
 好戦的な笑みを浮かべて、透乃は戦闘準備に入るのであった。

 本来、透乃は接近戦のパワーファイターだ。左手の重戦斧で、豪快にあるいは大胆に、時折大雑把かもしれないが、いわゆる『ぶちかます』のが彼女の持ち味。そのためには『接近しないと話にならない』わけだが、今日の戦闘のコンセプトは遠距離戦である。
 しかし、今日の透乃は特に困った感じはない。
「なんかいけそうな手が思いついたし、たまには遠距離戦もやってみようか」
 と意気揚々に透乃は思いついたその手段を実施するのであった。

 ――ぶんっ……ぶんぶんっ!!

 それは一言でいえば『ハンマー投げ』であった。いや、飛距離のために回転がいるわけではない。回転すらも『威力の上乗せ』である。
(やることは単純に武器を投げてぶつけるだけ!)
 とってもシンプルだった。しかし、透乃の腕力、否、怪力はそれを可能とする領域をかるーく突破している。さらには【暃迅滅墜衝】、一撃の重さを確実に叩きつける命中率をユーベルコードによって補正。一撃必殺という彼女のスタンスはいつも通りなのだ。
 後は……。
「気合いだー!!」
 裂帛の叫びとともに全身を活性化させる気合を乗せて、『シンカーキャロット』を握る手をはなす透乃。ちなみに長くて丈夫な葉の付いた重く巨大で頑丈なにんじんである。
 元々投げやすい構造に加えて、今の透乃が持てる全てをのっけたにんじんの投擲は、ものっすごい勢いで放物線を描いて生産プラントに向けて飛翔する!

 ずがーん!!

 なんかオカシイ音がした。直撃だけど、それニンジンが当たった音じゃない。そして生産プラントのふらつき具合が機能的な静止じゃなくて、真面目にたたらを踏んでいるというか、ふらついて態勢崩している。どんなニンジンなのそれ。
「おー」
 誰か側にいたらそんなツッコミもあったかもしれないが、透乃さんは平常運転である。生産プラントへの直撃とダメージを確認。どう見てもクリティカル。
「よっし。次々いっちゃうよー」
 感覚を掴んだ透乃は視線を足元に。そう、既に透乃の足元には投擲用に、と鎚(ロケットハンマー。柄以外はキャバリア用のまま)、斧(非常に重く頑丈。本来投げるものじゃない)、スプーン(ひとかきで大量に掬える身の丈程もある巨大なスプーンだよ)が用意されている。
 待って、普段からそれら持ち歩いてるの?
「てやーっ!」
 そんなツッコミをしてくれる人もおらず、透乃は順調に要領よく順番に投擲していく。

 どごんっ! ずしゃぁっ! ごがんっ!

 なんていうか、その。狙撃で起こっちゃダメな音じゃないかな? しかし効果はてきめん。射程外からの投擲、しかも超重量に成す術もなく、凹んでいく生産プラント。
「あとはー……これかな?」
 最後に側にあった、透乃の身長を越える大岩を『ていっ』と持ち上げて、ぶんっと雑に投擲する。

 がんっ。

 透乃の連続攻撃で生産プラントの一角がべっこり凹む。あれはどう見ても中の設備使えないだろうなぁと思えるほどに、遠目から見ても凹んでいる。そして凹んだ場所とは全然関係ない逆側の施設がざらざらっと崩壊していく。こちらが自壊。
「他に投げるものないかなー?」
 着実な成果を残しつつ、更なる弾(投擲用)を探して一度その場を離脱する透乃。
 『後で装備回収しないと』とちゃっかり思っていたのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩華・夜翔(サポート)
地味でゆる系な僕だけど、役に立てると良いな。

とりあえず可能であれば先制攻撃や不意打ちを狙うかな?
こっそり敵の背後とったりするの好き。
いい感じにみんなのサポートができたら嬉しいよ。

お手伝いついでに綺麗な景色が見れたら良いな、なーんて。
よろしく、ね。


戦闘は基本的には装備武器の双刃刀を使用。
スピードを活かした素早い動きで敵を翻弄するのが得意。遠距離や咄嗟の時の為にこっそり銃も持っている。

二人称(君(きみ)/名前+くん、さん)
いつも笑顔で戦闘中でも口調は柔らかい落ち着いた少年

アドリブは細かく気にせず遠慮なく!
共闘、負傷、ネタ等、何でもガンガンお好きにどうぞー!




 ソルトレークシティの郊外。荒野と化したその地を『暴走する生産プラント』は疾走する。否、獲物たる人間を探して徘徊しているといった方がいいかもしれない。
 その生産プラントを射程外から狙撃するオペレーション。その参加要請をグリモア猟兵から受けた彩華・夜翔(闇彩変幻・f02015)はすぐに行動を開始する。

(とりあえず……これでよし)
 荒野に点在する大きな岩のひとつに身を隠し、様子を窺う夜翔。どうも生産プラントはまず視覚で状況を把握するようだ。もちろん射程内に入れば、あらゆるセンサーが夜翔を捉え始めるのだろうが。
 その証拠に今、隠れているとはいえ、射程ギリギリいる夜翔に反応することなく、生産プラントは距離を取ろうとしている。
 ゆったりと落ち着いて。いつも通りゆるーく。笑みを絶やさず、夜翔が構える武器は『ツミキリ』。星の力を秘めた断罪の双刃刀、空間と時間を制御し時空の法則すら超越する……かもしれない刃である。

 そう、いつも通りだ。

 生産プラントがどういう存在かなどは特に関係なく。正しく『適当』という言葉を体現する夜翔は一瞬、意識を生産プラントに集中する。
 その瞬間で思考するのはこの仕事を成功に導くパターン。既に周辺の情報は得ている。生産プラントの動きも観察、その動きを見切るのは容易い。後は……距離。それも見切った。
(星の煌めきを刻んで……!)
 【星彩】。ツミキリを握る手に力を籠める。直後、横薙ぎの一閃から放つ斬撃波。それは完全に生産プラントの不意を突いていて、夜翔が狙った場所へと直撃する!
 夜翔の先制攻撃&不意打ちに動きを制止する生産プラント。
(ここが攻めどころだね)
 あくまで目立たない、というか、生産プラントの索敵から逃れて。死角から更なる斬撃波。素早く二度振るえば斬り裂く刃は二重となって飛翔する。再び直撃。今度は生産プラントから伸びているアームの数本を斬り落とす。
 と同時に生産プラントが体に配置しているカプセルが次々と割れていく。これは拒絶反応による自壊。

 もはや壊れる未来は避けようが無く、されどその未来への到達を遅らせるわけにはいかない。
「救いがないのなら……せめて安らかな終焉を」
 動きが完全に静止した生産プラントへ夜翔は渾身の一撃を放つ。上段から振り下ろされた刃、それに従って放たれた斬撃波が生産プラントに大きな損傷を刻み込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

片桐・公明(サポート)
快活な女性ですが知的な一面もあり、依頼に参加する際事件の背景について思考を巡らせ考察します。感情的な行動は滅多にしません。

主に二挺拳銃『Mathem842』『臥龍炎』を使用した遠近問わない戦闘を行います。時折、または接近戦を重視する場合は妖刀『血吸』を使用します。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します。ただし敵の攻撃に対しては回避を主体にして、なるべく負傷しないように立ち回ります。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




 猟兵たちの攻撃によって自壊が進む『暴走する生産プラント』。だがまだ完全に活動を停止するほどまで至っていない。
 グリモア猟兵の依頼を受けてアポカリプスヘルに降り立った片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は。
 普段の、白いシャツに蒼いパーカー&ホットパンツスタイルのまま、生産プラントの動きを観察。状況を推し量る。
「なるほど」
 猟兵の攻撃による破壊や拒絶反応による自壊が進んでいる状況下においても、生産プラントは徘徊を止めず。なおも獲物を探して走り去ろうとしている。
 事件の背景……は深く考えなくてもよさそうだ。戦争という状況下でもあるが、目の前の存在の成り立ちは既に明かされており、その暴走もまたデミウルゴス式偽神細胞という原因がわかっている。
「わからないとすれば……どうしてあんなプラントが作られたかってことくらいだけど……」
 アポカリプスヘルという環境を考えれば、それは深く考えるだけ無駄なのかもしれない。

 ならばやることはただひとつ。

 徐に。公明は両手をそれぞれ『Mathem842』『臥龍炎』に遣る。父と母に由縁する二挺の拳銃は公明の手にしっくりと馴染み、どのような距離であっても対応できるという自信と実績を彼女に与えている。

 今日も同じだ、単純に狙い撃つのみ。

 無造作にクイックドロウ。ともすれば雑に見えるその銃撃は寸分違わず、公明の狙い通りの位置へ着弾。先端が装甲を貫通すれば、びしびしっとひび割れて装甲を砕いていく。その衝撃に動きを静止させる生産プラント。
「ここしかないよね」
 先ほど砕いた装甲の部分を晒しながら静止した生産プラントに対して、公明は赤い瞳を細めて。直後、左右の手に握る銃から交代で弾丸を放つ。弾倉から銃弾が無くなるまで連続射撃。絶え間ない銃撃によって生産プラントの装甲へ回復不能なまでのダメージを叩き込む! その衝撃に吹き飛ばされて地に落ちる生産プラント。
 だが。
「っと。気付かれたみたい」
 自身の体を晒しながらの連続射撃はさすがに目立ってしまったようだ。生産プラントの標的が公明に向いたのがわかる。何故なら公明に向けてアームが伸ばされたからだ。

 しかし次の瞬間。公明に向けて高速で伸ばされた生産プラントのアームがばぎんっと音を立てて砕ける。拒絶反応による自壊反応だ。次々に伸ばされるアームのことごとくが自壊していき。
「今の内ね」
 その隙にすぐ側に用意しておいた『赤兎』に飛び乗る公明。間髪入れずに赤兎のアクセルをフルスロットル。その場から華麗に離脱するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐那・千之助(サポート)
「手が要るか?」
入り用ならば、なんなりと。

ダークセイヴァー出身のダンピール
困った人を放っておけない
いつも人への敬意と好意を以て接する
よく言えばお人好し。たまに騙されていることは秘密。
可愛い動物や甘いものに懐柔されやすい

戦闘は前衛、盾役向き。治療も可能。
焔(他の属性は使えない)を黒剣に宿し斬り込んだり、遠くの敵でも焔を飛ばして燃やしたり。
負傷は吸血や生命力吸収で持ち堪える

平和主義なので戦わずに済む敵なら平和的解決
かわいい敵は抱いてもふりたい
想い人がいるので色仕掛けは効かない

物語に合わせて諸々お気軽に、どうぞご自由に。
よき手助けができれば嬉しいです。




 猟兵たちの攻撃で徐々に自壊が進む『暴走する生産プラント』。その暴走っぷりはいまだ止まる気配は見せないものの、その身は既に半壊といったところ。あともう少し。
 それを遠目に視認した佐那・千之助(火輪・f00454)は『ふむ』と唸って、改めて周辺を見渡す。
 生来のお人好しが幸か不幸か。グリモアベースでグリモア猟兵に見つかった千之助は彼女の頼みを断り切れず、いま此処にいる。

 来た以上は事件が解決しないと戻れないわけでして。
 改めて千之助は生産プラントを確認する。
 生産プラントが獲物とする人の集落はこの辺りには無く、なればこそこの場で仕留めにかかるのが良策。
「しかし……うむ」
 ほんのり残念そうな声をあげる千之助。ここでグリモア猟兵の言っていた『報酬はちょっと待って。戻ってくるまでに用意しておくから』といった理由が分かった。アレから血を吸うのは無理そうだ。ちなみにグリモア猟兵的としては無理言っている方なので報酬程度用意するのが筋だと思っている、そこは気にせず後で受け取って欲しい。たぶん本人の血だけど。

 そんなわけでその辺の諸々は解決しつつ。
 千之助の目の前にあるのは事件のみ。
「早々に片付けるとしよう」
 刃を横にして、大きく振りかぶる『黒剣』に焔が迸る。その焔が刀身と絡まり、焔の刃を作り出す。
 焔に照らされた陽光にも似た髪がふわりと揺らぐ。

 一閃。

 狙い澄ました斬撃。もちろんここは生産プラントの射程外。刃は直接届かない。しかし、斬撃によって形作られた焔の三日月が風を斬り裂いて飛び、生産プラントのアームを数本斬り裂いて、その破断面から焼き尽くす。
「このまま燃やしてくれよう」
 ゆるりとその場で舞の足を踏むように。体を回転させつつ、刃を振るって、焔の乱れ撃ち。本来の彼は前衛、あるいは盾役。このような派手な動きは取れないのだが、今はひとりで、かつ敵の射程外だ。気兼ねなく、刃を振るうことだって出来る。
 次々と飛翔する焔の三日月。不意打ちによって動きを静止した生産プラントの表面を抉り、燃やしていく。
「……かの拒絶反応、私には想像もつかぬが……」
 自分が燃やした部分ではない箇所が崩れていく。その様はまるで陥落寸前の砦。それも中から。

 ――ならばせめて。

「この一撃を終わりとしよう」
 両手で黒剣の柄を握り、再び大きく振りかぶる千之助。後ろで炎が激しく燃え盛り、これまで以上の刃を形作る。

 再び、一閃。

 横薙ぎの一撃が極大の焔を放ち。巨大な焔の三日月が生産プラントを飲み込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

湊川・亮一(サポート)
基本的に屋外では宇宙バイクに搭乗。屋内では十分な広さが確保されている場合のみ宇宙バイクを使用。
センサーゴーグルで【索敵】しつつ行動し、情報を元に【戦闘知識】で有利な位置取りを取る様に移動。
敵を確認出来る位置まで来たらブラスターカービンの【スナイパー】で【先制攻撃】する。
状況に応じて味方を【援護射撃】で支援するが、基本的にはガトリングブラスターの【弾幕】と複合兵装ユニットの【誘導弾】の【一斉発射】で【制圧射撃】を行いながら宇宙バイクで突撃し、車体による【吹き飛ばし】と【衝撃波】で追加ダメージを与える。
突撃に合わせて状況に応じたUCを使用する。
敵の攻撃は【地形の利用】【見切り】【ジャンプ】で回避




 射程外からの猟兵たちの攻撃。巧みな攻撃によってほぼ一方的にダメージを受けて、さらにデミウルゴス式偽神細胞の拒絶反応によって。2つの要因によって『暴走する生産プラント』は半壊を越える損傷を受けている。だが、まだ止まらない。

「まだ止まらないのか」
 センサーゴーグル越しに生産プラントの状況を確認した湊川・亮一(スペースノイドの鎧装騎兵・f06481)は愛車の大型宇宙バイク『スペース・ファルコン』の上でそう呟く。
 このまま突き進むと、そろそろ奪還者たちの拠点が見えてきてもおかしくない距離。そろそろ足を止めてもらわねば。
「それじゃ、いくか!」
 スペース・ファルコンのハンドルをフルスロットル。亮一は生産プラントと『並走』する形で射程距離外を保つ。
(……ここだ!)
 生産プラントより少し前に出たその瞬間、スペース・ファルコンの進路は変えず速度は落とさず、素早く振り向いて『ブラスターカービン』を斉射。生産プラントの進路を阻むように前から狙撃。
 空を斬り裂く音と光が生産プラントに直撃。その衝撃とダメージで生産プラントが動きを止める。
「おっし……!」
 すかさずスペース・ファルコンを旋回させて停止した亮一は、生産プラントに対してブラスターカービンによる弾幕を張りながら、『19式複合兵装ユニット』からミサイルの一斉射撃。生産プラントのホバリングユニットを着実に潰す制圧射撃を仕掛ける。
 移動はおろか迎撃すらろくに出来ず、生産プラントがミサイルの爆発に飲み込まれていく。

 本当はここからが亮一の見せ場、【スペースマニューバー】によるスペース・ファルコン突撃ショーなのだが。
(ちょっと今回はヤバい気がするぜ)
 もう一度、複合兵装ユニットから全武装の一斉射撃を放ってから、その場を離脱する亮一であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フリル・インレアン
ふえ?なんで私はここにいるのでしょうか?
私が狙撃なんて絶対無理ですよ。
どうするんですか?アヒルさん。

ふえ?
サイコキネシスを【念動力5】の【限界突破1】で強化して、先に狙撃した猟兵によって落ちた敵の機械腕を【空中浮遊4】させて敵の【傷口をえぐる1】ように【武器落とし5】の【重量攻撃1】をするって、
全然届かない気がするんですけど。
まだ続きがあるんですか?
なので、私に敵の射程距離内に入る【勇気9】と敵に捕まるかもしれない【覚悟8】を持って、自慢の【逃げ足7】で【ダッシュ4】して【存在感4】を示して敵に【追跡8】させて【おびき寄せ8】ることで【体勢を崩して3】ほしいって絶対無理ですよ。
そんな無謀なことに挑むから【狂気耐性7】で【落ち着い1】て周辺の【情報収集5】をし【地形を利用2】して【悪路走破2】してほしいって、あと【天候操作6】で走りやすい天気にして【無酸素詠唱4】の呼吸で挑んでほしいって、それにオーバーロードの【封印も解3】かれているじゃないですか。
私の【幸運2】を【祈る4】って酷いですよ




 ついに崩壊直前まで追い込まれた『暴走する生産プラント』。度重なる猟兵の攻撃とそれに対するデミウルゴス式偽神細胞の強烈な拒絶反応。激しくプラントを構成する部品を崩壊させながら、しかし暴走しているがゆえに、生産プラントはその稼働を止めない。
 この先にあるであろう人々の集落に向けて、軋む音をあげながら施設を稼働させて……再び移動を開始しようとする。
 あと数撃。

 そんな生産プラントの進路上、遥か後方(もちろん射程外)で首を傾げている猟兵がいた。
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)である。

「ふえ? なんで私はここにいるのでしょうか?」

 あなたが知らないなら、他の人は知らんがな。
 そんなツッコミをする人はおらず……いや、アヒルさんいましたわ。いつもフリルと一緒にいるアヒルちゃん型のガジェット(性格はドSだと思われます)である。推測で決めつけるのはいけないが、たぶんきっとアヒルさんのせい、めいびー。

 そうとは思わず、頭の上に乗っているアヒルさんに話しかけるフリル。
「私が狙撃なんて絶対無理ですよ。どうするんですか? アヒルさん」
 さりとて接近戦でフリルが対応できるレベルじゃないのも事実である。どうするのか……!
 その策はアヒルさんから提示されたのである。
「ふえ?」


 まず大前提としてこの戦いにおいて重要なのは猟兵の技能だ。特別、狙撃に特化していなくても持てる力を組み合わせれば、生産プラントの不意を打てる。

 まずアヒルさんが仕掛けたのはフリルの念動力を使う方法。
 限界を突破するほどまで強化した念動力で眼前に落ちている生産プラントのアームを捉えて浮かび上がらせる。そのままその場で高速回転、この回転力で重量というか威力を増して、他のアームにぶつけて叩き落す。
 だがやってみたものの。
「全然届かない気がするんですけど」
 残念、まだ有効打とはいえない感じ。
 だがアヒルさんの目はまだ諦めの色を宿していない。
「まだ続きがあるんですか?」
 あるらしいです。

 そう、足りないのは心構えだ。アヒルさんはフリルを叱咤激励する!
「敵の射程距離内に入る勇気と敵に捕まるかもしれない覚悟を持って、自慢の逃げ足でダッシュして存在感を示しつつ、敵に追跡させておびき寄せることで体勢を崩してほしいって絶対無理ですよ」
 えらい具体的な指示きた。あれ、激励ってこんなにスパルタな事例でしたっけ? しかも射程距離外から攻撃しろっていってるのに、囮になれって言ってるアヒルさん。こいつはドSだぜ……っ!
 ついでに言うと、そんな無謀なことしなくていいって言うんじゃなくて、『狂気にも耐えうる気持ちで落ち着いて、周辺の情報収集をしつつ、地形も利用してどんな悪路であっても突破してほしい』と添えていた。
「えっ。あと天候操作で走りやすい天気にして、無酸素詠唱の呼吸で挑んでほしいって?」
 だれかーだれかツッコミの方はおりませんかー!? 無酸素詠唱の呼吸って何する呼吸なのー?!
 そして事態は急速に展開する。
「いつの間にか、オーバーロードの封印も解かれているじゃないですか」
 ここで唐突にフリルの【超克(オーバーロード)】である。
 えっ、ここまでのアヒルさんとの会話、なんかの儀式だったもしかして?
「なるほど。これがアヒルさんの作戦だったんですね!」
 何か納得した感じのフリルさん。これなら生産プラントまで、さっきの念動力作戦で攻撃が届くかもしれない……!
 その時、ふっ、とフリルの上に影が覆いかぶさる。
「……え?」
 アヒルさんと一緒に上を見上げるフリル。アヒルさんと一生懸命作戦を練っていたせいか、全然気づいていなかったのだが……いつの間にか生産プラントが接近してきていました。
「ふえぇぇぇっ!」
 慌てて戦闘態勢に入るフリル。
「あ、アヒルさんっ……ってもういないじゃないですかーっ!?」
 ええ、アヒルさんは既に生産プラントの射程外に逃れているぞ!
「私の幸運を祈るって、酷いですよー!」
 それ、もう完全に悪者のセリフやん。
 涙目になりながら、フリル、念動力アタック(アーム高速回転アタック)発動!
 がごんっ、と強烈な音を立てて生産プラントに直撃すれば、生産プラントがたたらを踏むように体勢を崩す。
「ふえ?」
 そういえば射程内にいるのに全然攻撃されてない。
 どうやら生産プラントは内部の自壊が急速に進んでいるようだ。そしてこれまでの攻撃によって外部のアームも遠くまで動かない。もはや至近距離でしか獲物を捕らえる術が生産プラントに残されていないのだ。
「こ、これなら……」
 フリルの足でも逃げながら攻撃できる……!

 そんなわけでアヒルさんを追いかけつつ、振り返りながらアーム回転アタックを叩き込み続けるフリル。攻撃が直撃するごとに、当たった箇所に加えて、全然別の場所の表面のカプセルが割れていく。次々と連鎖するように弾け、壊れ、崩れていく生産プラント。
 骸の海へ還る……その終焉はすぐ目の前に来ていたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
戦争してるっていうから情報収集に来てみたんだけど、生活費も稼がないとだね。

任務はあまり使わなかったけど嫌いじゃないし、今回は【スナイパー】でいかせてもらおう。

【FdP XFAM-120】はセミオート。銃弾は最初は徹甲弾を使って貫通を狙うよ。
【視力】で捉えて、【集中力】で狙いを、タイミングは【瞬間思考力】と【第六感】。

命中したら【ディレイ・アタック】を使って、ポイントをマークするね。

相手のレンジ外ではあるけど、狙撃して倒せないなら移動は基本だよね。
次の狙撃地点へ移動して、ポイントへ一射、そしてまた移動。
それを繰り返して、銃弾を叩き込んでいくね。

最後は豪華に鉄鋼榴弾。内部で花火を上げてあげるよ。




 明らかに軋む音を立てながら、崩壊しつつ……しかし、まだ暴走という名の歩みを止めない『暴走する生産プラント』。もはや移動するための推進機関も出力不足で、動く捕獲用アームもわずか。体中に纏うカプセルもまた機能しているものはなくとも、その本能ともいうべき目的のためだけに動き続けようとしている。

 その生産プラントの前に立ったのは支倉・錫華(Gambenero・f29951)であった。
「戦争してるっていうから情報収集に来てみたんだけど」
 そう言いながら生産プラントを見据えつつ、その手には『FdP XFAM-120』――ブルパップ方式のセミ/フルオート式試作型ライフルが握られている。諜報活動から戦闘まで、『影』を好む彼女であるが、このように真正面から戦えないわけではない。
 なにしろ彼女は傭兵なのだから。
「生活費も稼がないとだね」
 まぁ、その、今は養わないといけない妹分が大変だしね。

 そんな心持ちで、しかし身に沁みついた動きは自然と流れるようにライフルを構える。
(任務はあまり使わなかったけど嫌いじゃないし)
 今回は依頼通り、狙撃でいかせてもらおう。
 そう考えた瞬間には『FdP XFAM-120』のトリガーを引いていた。

 モードはセミオート。最初にチョイスした銃弾は徹甲弾。
(貫通を……狙う)
 遠目からでもよくわかる崩壊箇所。そこを狙って銃弾を放つ。無造作に見えても、錫華の集中力はハンパなく、相手の動きに合わせて、その瞬間瞬間に射角を変えて撃ち続けていく。

 数秒遅れて、ガガガガッと鈍い音が生産プラントから響く。ただでさえ崩壊していた箇所が錫華の銃弾によってさらに崩壊していく。
(……ここ)
 すかさず、思考を【ディレイ・アタック】に切り替える。ホログラフィックポインターによる追尾照準が狙うべきポイントを明確に捉え、直後。錫華の体が高速機動によって疑似分身。
(一点集中……!)
 何人もの錫華がただ、その一点を集中砲火。絶えることない連続攻撃が生産プラントを突き崩していく……!

「……」
 一度。トリガーを引く手を止めて銃口を下ろす錫華。本来ならば反撃あるいはかく乱のために足を止めるなどいうことは愚策だ。相手のレンジ外であっても狙撃して倒せないなら移動は基本、と錫華も心得ている。
 だが。
「必要ない、かな?」
 錫華の視界の中でゆっくりと崩れていく生産プラント。それは錫華の銃撃で明確に破壊した部分もそうだが、その一撃が完全なるトドメとなって、あらゆる箇所が崩壊していっている。拒絶反応が限界に達し、自壊が行きつくところまで行きついたのだ……。
「最後は豪華に、中で花火を上げてあげるよ」
 もはや反撃すらないと踏んだ錫華はまっすぐ生産プラントに向かって駆け。
 至近距離、崩壊してできた穴から鉄鋼榴弾を投げ込む。本来はキャバリア戦闘で使うライフルの砲弾だが、このように投げ込めば。
 素早く離脱する錫華の後ろで盛大な爆発をあげる生産プラント。
 
 それは本当に最後を飾る花火のように。

 爆発に飲み込まれて『暴走する生産プラント』はついにその動きを止め、塵のひとつにいたるまで骸の海へと沈んでいったのであった。

 こうして、猟兵たちは任務を無事終えた。
 『アポカリプス・ランぺージ』も終盤。もうすぐデミウルゴス式偽神細胞による被害者も完全に駆逐されるであろう。
 そんな予感を感じつつ、猟兵たちは帰還するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月23日


挿絵イラスト