アポカリプス・ランページ⑪〜ViolateVictim(作者 五条新一郎
5


#アポカリプスヘル  #アポカリプス・ランページ  #フィールド・オブ・ナイン  #デミウルゴス  #アポカリプス・ランページ⑪ 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アポカリプスヘル
🔒
#アポカリプス・ランページ
🔒
#フィールド・オブ・ナイン
🔒
#デミウルゴス
🔒
#アポカリプス・ランページ⑪


0



「皆様、次なるフィールド・オブ・ナインの所在が判明しました。討伐を、お願いできますでしょうか」
 グリモア猟兵、愛天・真澄(愛神の使徒・f32265)は猟兵達へ呼びかける……が、その表情は何処か不安の色を纏う。
 何故かと問えば、真澄は「はい」と小さな返事の後に応える。
「此度討伐頂きたいフィールド・オブ・ナインは『デミウルゴス』……人造の神、として生み出された存在のオブリビオンです」
 信仰に生きる者である真澄にとって『人造の神』という存在には思う処もあろうが。本質はそこではない、と真澄は言う。
「かの敵は、全身が偽神細胞で出来た、存在そのものが偽神兵器と言うべき存在。その肉体は、一切の攻撃を受け付けず無効化するのです」
 つまり『無敵』ということだ。そのような敵を、如何にして倒せというのか。
「――一つ、方法はあります」
 躊躇いがちに、真澄は告げる。
「かの敵は一切の攻撃を受け付けない、と言いましたが、一つだけ例外があります。――己同様、偽神細胞を持つ者からの攻撃だけは、かの敵を傷つけることが可能となっているのです」
 偽とは言え、神に対抗できうるのは神だけ、ということなのかもしれない。真澄はそう推測する。
「ですので、元々体内に偽神細胞をお持ちの方――ストームブレイドの方は、ダメージを通すことが可能です」
 ということは、此度の任務はストームブレイド専用ということだろうか。猟兵達が問えば、真澄は数瞬の逡巡の後、告げる。
「いえ――ストームブレイドでない方にも、かの敵と戦う術はあります」
 告げると共に取り出すのは、一本のアンプル。
「ソルトレークシティの研究施設に保管されていた、この『偽神細胞液』を接種することで、皆様の肉体は一時的に『偽神化』します。この状態でも、デミウルゴスにダメージを与えることが可能となります」
 ただし。真澄の声音が、一際硬さを増す。
「偽神細胞の接種においては、皆様の肉体が激烈な拒絶反応を示します。激しい苦痛は最低限存在するでしょうし、それ以外にも多くの不具合が心身に生ずる恐れがあります」
 最悪の場合は絶命に至る程のもの。それ程の拒絶反応を抱えたままでデミウルゴスと戦うのは、生半な覚悟では成し得まい。
「自然、戦闘続行可能な時間も短くなります。危険と判断致しましたら直ちにグリモアベースへ送還致しますので、皆様にはそれまでの間に可能な限りデミウルゴスへの攻撃を行って頂けたらと」
 因みに、ストームブレイドの場合も、デミウルゴスの存在が体内の偽神細胞を活性化する為、同様に戦闘続行時間が短くなるだろうと真澄は見立てる。
 限られた時間の中で、可能な限り大きなダメージをデミウルゴスに与えること。それこそが勝利の鍵となるだろう。
「此度の戦い、いつになく皆様に多大な負担を強いるものとなります。どうか、お覚悟をお確かめの上にて、参加のご判断を頂きたく――」
 申し訳なさそうに頭を下げる真澄。そのような負担を押し付けることへの罪悪感が、彼女の身から滲んでいた。


五条新一郎
 その覚悟こそが力となる。
 五条です。

 アポカリプス・ランページ、フィールド・オブ・ナイン戦第三戦。
 人造の神『デミウルゴス』との決戦シナリオとなります。

●このシナリオについて
 このシナリオの難易度は「やや難」です。
 普段より厳しい結果が出やすくなっておりますのでご注意ください。

●目的
 フィールド・オブ・ナイン『デミウルゴス』の撃破。

●戦場
 アポカリプスヘル、旧アメリカ合衆国領アイオワ州デモイン。
 この地に建つ砦の前が主な戦場となります。周囲には瓦礫が散らばっていますが地形は概ね平坦です。

●プレイングについて
 OP公開直後からプレイング受付、ある程度の人数が集まったところで〆切予定です。募集状況はタグにて。
「偽神細胞液を接種し『偽神化』する」ことでプレイングボーナスが得られます。メインかサブのいずれかのジョブがストームブレイドである方は無条件でこのボーナスを得られます。
 また、本シナリオではこれに加えて「短時間でデミウルゴスに大きなダメージを与える」ことで追加のプレイングボーナスが得られます。

●リプレイについて
 現在執筆中の「アポカリプス・ランページ⑰〜Show by Blow」完結後より執筆開始、9/17(金)までの完結を予定しております。

●補足
 偽神細胞液の効果は、原則本シナリオ限りとなります。

 それでは、皆様の黄金のプレイングお待ちしております。
131




第1章 ボス戦 『デミウルゴス』

POW ●デミウルゴス・セル
自身の【偽神細胞でできた、変化する肉体】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[偽神細胞でできた、変化する肉体]から何度でも発動できる。
SPD ●偽神断罪剣
装備中のアイテム「【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ ●デミウルゴス・ヴァイオレーション
自身が装備する【偽神断罪剣(偽神細胞製の大剣)】から【強毒化した偽神細胞】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【死に至る拒絶反応】の状態異常を与える。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


リーヴァルディ・カーライル
…人造の神ね。人が造りだした物ならば人の手で破壊できるはず

…たとえどれ程の苦痛に襲われたとしても、
闇に覆われた私の故郷の世界を救うまで止まりはしないわ

…長々と闘うつもりは無い。この一撃で朽ちるが良い、偽神デミウルゴス

偽神化の反動による激痛を心の中で救世の祈りを捧げる事で気合いで耐えて受け流し、
「影精霊装」を防具改造して全身を闇に紛れるオーラで防御して吸血鬼化を行いUCを発動
血の魔力を溜めた全長17mの吸血魔竜に転身し、
限界を突破して生命力を吸収する闇属性攻撃のブレスを放ち、
敵がUCをコピーしたら吸血鬼化により陽光で全身を灼けないか試みる

…ああ、それは悪手よ。吸血鬼が太陽の下に出るものじゃないわ


 デモイン砦。
 この世界が崩壊するより遥か前には既に放棄されていた砦は、此度の戦を迎えるにあたって再建された。眠りについた筈の過去を、無理矢理叩き起こすかのように。
 そんなデモイン砦の前で、爆音と共に土煙が舞い上がる。戦闘の始まりだ。

「……猟兵! お前達が猟兵とやらか……!」
 爆心地から身を起こすは、異形の大剣と左半身とを持つ男。フィールド・オブ・ナインが一角『デミウルゴス』。人間の手によって作り出された偽りの神。
「……そうね。今の私は……猟兵でもある……」
 己の本分は吸血鬼狩りなれど、今は猟兵として。デミウルゴスが見据える先、土煙を払う風に黒き戦装束をはためかせリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が応える。
 あどけなさ残しつつも怜悧なその貌には、隠しようのない苦悶が滲む。此度の任務に当たって投与された偽神細胞液。其の齎す拒絶反応が、彼女の体内にて荒れ狂っているのだ。常人ならば絶命しかねぬ程の激痛。なれど。
「……闇に覆われた、私の故郷の世界を救う……。……その日まで、倒れるわけにはいかない……!」
 今の彼女を支えるものは、祈り。終わらない夜に沈む故郷へ、黎明を齎さんとする祈り。未だ遠い、なれど漸く見えてきた光へと祈る。その意志が、千切れてしまいそうな意識を繋ぎ留める。
「救う……救うだと! お前達に何が! 何ができるというのだ!!」
『救う』、かの偽神に求められた、或いは押し付けられた使命。苛立ちにも似た叫びと共に、デミウルゴスは巨剣を振るう。跳び退き躱すリーヴァルディだが、眉間に深く皺が刻まれる。明らかに普段より動きが悪い。やはり、長くは戦えぬか。だが。
(……元より、長々と闘うつもりは無い……!)
 リーヴァルディの首元から闇が溢れる。首に巻いていた影精霊装が闇へと変化し、彼女の身を覆ったのだ。
「……限定解放」
 一瞬、己の身に宿る吸血鬼の血を励起する。引き出した魔力を己が身に纏えば、その肉体は徐々に膨張、巨大化を始めてゆく。
「真紅の鱗……鮮血の躯体……悪しき光を羽撃かせ……」
 首は長く、四肢は逞しく。白い肌には真紅の鱗が浮き上がり、背からは鮮血色の魔力が光となって溢れ出しては翼を形作る。
『――現れ出でよ、血の魔竜!』
 そして闇が晴れたその時には。リーヴァルディの肉体は、全長17mという巨大な血色の竜へと変化を果たしていた。
 なれど構わず巨剣を振るい斬り込むデミウルゴス。彼を睥睨し、リーヴァルディは宣告する。
『……この一撃で朽ちるが良い、偽神デミウルゴス……!』
 大きく息を吸い込み、デミウルゴスがその剣の間合いまで踏み込む、その寸前。リーヴァルディの顎より、血の如く赤黒い闇が滝の如き勢いで吐き出され、デミウルゴスを包み込む。
「これがどうしたと……っぐ、ち、力、が……!?」
 尚も踏み込まんとするデミウルゴスだが、直後に感じる。己の力が抜けつつあることを。
 リーヴァルディの吐き出したそのブレスは、変身に吸血鬼の魔力を用いた為か生命力吸収の効果を持つ。以てデミウルゴスの生命力を吸い取り、その体力を減らしにかかっているのだ。
「――小賢しいッ!!」
『………っ!!』
 だがデミウルゴスは尚も動き。徐に左腕を振るえば、その手が獣の顎の如き形状へと変形。リーヴァルディの脚へと噛みついて――引き千切った!
『ぁあぁ……っ!』
 苦悶するリーヴァルディ。デミウルゴスの左腕が、食い千切った肉を咀嚼し、飲み込んでいく。
「魔竜化の魔力、使わせてもら――がぁぁぁぁぁっ!!?」
 それはデミウルゴスの用いる、敵を捕食してユーベルコードを行使するユーベルコード。以てリーヴァルディの魔竜化の業を自ら用いんとしたデミウルゴスだが――直後、悶絶する。その皮膚が、猛烈な勢いで焼けただれてゆく……!
『……ああ、それは悪手よ』
 膝をつきながらも、リーヴァルディは彼の有様にそう言い放つ。リーヴァルディのそのユーベルコードは、行使に際して一時的に吸血鬼化する効果を含む。先のリーヴァルディと違い、デミウルゴスはそれをそのまま用いた――陽光の下で。
『……吸血鬼が……太陽の下に出るものではない、わ……』
 陽光に焼かれる偽神を見届け、リーヴァルディの肉体はその場から消滅する。グリモアベースへ送還されたのである。
大成功 🔵🔵🔵

ジフテリア・クレステッド
全身偽神細胞…同類としてそれがどれだけの地獄か少しは分かる。
…精一杯、ぶっ殺してあげよう。

煩さに苦しんでるあなたには悪いけど!私のパンク・ロックで揺さぶってあげるよ!大音量の音楽で少しでも冷静な判断を奪えれば儲け物!
【毒使い】の私の音波による【衝撃波】には毒が含まれていて【マヒ攻撃】や【目潰し】の効果もある。これで大剣による攻撃を弱体化させる。
音波は【範囲攻撃】、スピーカーの移動距離も考えれば射程は私が上!
攻撃を食らわない距離を保ちつつ、それでも直撃しそうになったら【念動力】で軽減。【激痛耐性】で耐えて【継戦能力】で演奏続行!

あなたの頭の中、救いを求める声ではなく私の音楽で【蹂躙】してあげる!


「……全身偽神細胞……それがどれだけの地獄か、少しは分かる」
 ガスマスクの下、荒い呼吸音を響かせながら、ジフテリア・クレステッド(ビリオン・マウスユニット・f24668)は対峙した偽神に語りかける。
「お前に……お前に何が分かるというのか! 知った風な口を――」
「私も……同類だから」
 苛立たしげな唸りを上げるデミウルゴスの言葉を遮り、ジフテリアは続ける。己の身を満たし、蝕み続ける猛毒の偽神細胞。ガスマスクが無ければ周囲に毒素を撒き散らし、あれば己が息苦しい。デミウルゴスを前としてそれらが活性化しているのか、常以上に息苦しく全身が痛む。だが、戦える。故に。
「その地獄を終わらせる……精一杯、ぶっ殺してあげよう!」
 構えるはマイク、随うは浮遊するスピーカー。それこそがジフテリアの戦闘スタイル。息苦しくとも歌う、彼女の生き様。
「やってみろ……! できぬなら、お前を殺すまでだ……!」
 デミウルゴスが巨剣を構える。ただでさえ巨大なそれが、より長く、より重く形を変えてゆく。この剣もまた偽神兵器、故に形も変わり得る。
 其を前とし、ジフテリアは息を吸い込む。毒素が肺を満たす。苦しいが、この程度はいつものこと。大丈夫、歌える。
「―――♪―――!!」
 そして歌い出す。スピーカーより発される歌声はパンク・ロック。あらゆる理不尽に叛逆する怒りの音楽。理不尽の化身たるオブリビオンを滅ぼす毒を乗せて、音波が広がり偽神を襲う!
「ぐっ……ぅ……!?」
 耳を貫き己の脳裏にまで響きだした音楽に、デミウルゴスが声を上げ悶える。絶えず己の脳裏で木霊する救い求める声、それさえ塗り潰す程の音量、そして毒。
「煩い……黙れ、黙れ……!」
 どちらであれ己を苛む音であることは変わらぬ。唸るように叫び、巨剣を振り回してジフテリアへ肉薄せんとする。速い。だが直線的に過ぎる。脳裏に轟く音が、彼の思考を妨げているのだ。何より。
「♪―――! ―――!」
 振り抜く刃は、ユーベルコードによる強化が感じられぬ鈍さ。ジフテリアの放つ音波には毒が伴う。麻痺毒が回ってきたことで、挙動が重くなっているのだ。
 以てジフテリアは巨剣を躱し、再度距離を取りながら歌う。断続的に放たれる音波が毒の衝撃波となり、内外から偽神を苛んでゆく。
「がぁ……っ! 煩い……煩い……ッ!!」
 苛立ちのままに叫び、尚も巨剣を振り回しジフテリアを追うデミウルゴス。騒音に徐々に順応してきたのか。先よりも刃が鋭さを取り戻している。
「っ!」
 存外に速い。歌い続けながらも距離を取ろうとしたジフテリアだが、その背が砦の外壁に当たる。拙い、逃げきれない。だが手はある。
「黙れ! そして死ね!!」
 吼えると共に、デミウルゴスは唐竹に巨剣を振り下ろす。ジフテリアは咄嗟に片手を掲げ、歌う声を一時止めて意識を集中する。振り下ろされる巨大な刃が僅かに横へ弾かれて。
「うぁ……っ……!!」
 漏れる悲鳴と噴き出す鮮血。巨剣の切っ先はジフテリアの左肩に深く食い込み、左腕を半ば切断しかける程に引き裂いた。溢れる激痛、荒れ狂う己の内の偽神細胞。飛びかけるジフテリアの意識。だが。
「まだ……! まだ、私は歌える……ッ!」
 それでもジフテリアは歌う。痛みを、苦しみを抑え込み。怒りを、叛逆を歌う。
「がぁ……っ! やめろ、その歌をやめろぉぉぉぉッ!!」
 悶えるデミウルゴス。彼の脳内、本来響き渡る救い求める声と諸共に蹂躙するべく、ジフテリアは歌い続ける。
大成功 🔵🔵🔵

鏡繰・くるる
グリモア猟兵として他人に命を賭けろと言ったなら、まず率先してボクも命を賭けなくちゃ。ベアトリーチェに乗って出撃するよ。

ルシファーズウイングを分離・射出。角度や速度に差をつけながら敵を攻撃、UCで分析するよ。敵の攻撃は幻影で回避し、近づかれたら粒子ビーム砲で牽制しつつ離れる。

と、言う戦い方はいつも通りなんだけど、偽神細胞が本当にキツい……!
ボク自身の激痛もさる事ながら、AIが暴走寸前。リアルタイムでプログラムを組んで、必死に制御する。
もちろん戦闘行動とのマルチタスクだから、過負荷で脳が焼き切れそう……!

それでも覚悟を決めて、やり遂げてみせるよ。データ解析が終わったら、ホワイトアッシュでトドメッ!


「おおおおお……!!」
 偽神が吼える。己の身の丈よりも巨大化した剣を振るい、眼前の機械巨人と斬り結ぶ。
 機械巨人を守るは、幾枚もの漆黒の羽。時に盾となり主の身を守り、時に剣となり偽神へと放たれる。機械巨人の左腕から放たれる拡散ビームが、偽神の更なる肉薄を許さない。
 唸りを上げるその機械巨人の名は『ベアトリーチェ』。電脳魔術にて制御される、女性的フォルム有するオブリビオンマシンである。

「うぅ……っ、く……覚悟してたよりずっとキツい……!」
 そのベアトリーチェのコクピット内、操縦者たる鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は、苦悶の声を上げながら、必死に激痛に耐えていた。己に接種した偽神細胞液が齎す、苛烈なまでの拒絶反応に。
 グリモア猟兵として多くの任務を予知してきた彼であるが、自ら猟兵として任務に赴くは此度が初めて。己の予知したデミウルゴスとの戦いにて、猟兵達に命を賭けて任務に臨むよう促した以上、己も率先して覚悟を示さねばと判じたが故の参戦である。
 なれど接種した偽神細胞が齎す激痛は、彼の想像を超える程のものであった。無論、甘く見ていた訳ではない。十二分に過酷であろうとした想像を、現実が更に上回っていただけの事である。
「ルシファーズウイング制御プログラムアップデート……っく、駆動系にもバグが……!」
 更に、変調に苛まれるはくるる本人だけではない。乗機たるベアトリーチェもまた、オブリビオンマシンたる身に偽神細胞が何等かの作用を齎したか暴走寸前の状態に陥っていた。
 くるるはその場でプログラムを組み立て変調要因に随時対処、辛うじて暴走を免れているが、その作業は戦闘行動との完全なマルチタスク。敵の攻撃への対処、自身の攻撃、敵の挙動分析。それら全ての情報を己の脳ひとつで管理しているが故、くるるの脳は最早焼き切れかけていた。
「く、あう……っ!!」
 駆動系の変調に対処するプログラムの組み立てと、デミウルゴスの攻撃への牽制を期したルシファーズウイングによる攻撃を同時進行。だが牽制を抜けてきた偽神の振るう刃がベアトリーチェに食い込む。駆動系の不調が災いし、幻影による回避が間に合わなかった。
 姿勢を崩すベアトリーチェ、だが駆動プログラムを更新せねば立て直しはきかない。デミウルゴスが追撃の刃を振るう。狙うは胸部、くるるの乗るコクピットの存在する位置。即ち、間に合わねば機体諸共彼も斬られる。羽刃による牽制も物ともせず、偽神の刃が迫る。
「……駆動プログラムアップデート! 間に合え……!」
 プログラムの更新により、崩れた姿勢の立て直しに成功。そのまま全力で機体を後退させ、迫る凶刃は胸部装甲を浅く抉るに留めた。
「C-KITTYアナライズデータ更新、武装管制プログラムアップデート……よし、いける……!」
 危機を凌げど尚もマルチタスクは続く。それでも攻撃に必要な手札は揃った。デミウルゴスの戦闘データ解析の完了、切り札たる武装の制御系へのバグの修正。反撃の時だ。
 なれど偽神細胞が齎す激痛は増す一方。消耗は限界値に迫る。これが最初で最後の攻勢となるだろう。
「ルシファーズウイング展開、フォーメーションGE!」
 先のアップデートで追加したフォーメーション攻撃プログラムを走らせる。攻撃の速度と角度を詳密に計算した羽刃群の飛翔は、あたかも一つの生物であるかのように有機的な連携を見せ。回避行動を取る偽神を、一点へと誘い込んでゆく。
「計算通りだ……! そこ、貰ったよ……!」
 ベアトリーチェもまた、狙いの一点を目掛けて飛翔する。右腕に装着したパイルバンカーを展開。計算通りの地点へ追い込まれた偽神を狙い、振りかぶり――
「いっけぇぇぇぇぇ!!」
 くるるの叫ぶと共に繰り出された鉄杭が、爆裂と共に射出され。狙い違わず、デミウルゴスの胴へと命中。
「う、ぐ……ぐああああああ!!?」
 そして、傷口から直接注ぎ込まれる高熱が、偽神たる身を灰と化さんばかりに焼き苛んでいった。
大成功 🔵🔵🔵

ルドラ・ヴォルテクス
⚫︎アドリブ連携OKです

これは慟哭か、デミウルゴス。
嵐を鎮めるのは、同じ嵐の剣を持つ者の宿命、嘆きも哀しみも全て断ち切る。

【アストラ】
偽神断罪剣、己の存在そのものを賭ける一刀ならば!
アストラ解放!リミッター、限界突破!

アストラを最初から解放、討滅の意思そのものを纏い、攻防一体の形態として、最終決戦形態へ移る。
限界を超えた一撃をもって、撃つ他なし。
一刀を受け止める覚悟を力へと昇華し、剣戟と撃ち出されたアストラをぶつけ、剣と弓というありえない組み合わせの鍔迫り合いを。

最後に決めるのは、生きるという意思、俺は……お前の悔恨も怨嗟も引き受ける、眠れ……嵐の剣は救済の力だ。


 己の身に宿る偽神細胞が疼く。燃えるような痛みが全身を駆け抜ける。偽神デミウルゴス、眼前にて己を睨む男。その眼を見返し、ルドラ・ヴォルテクス(終末を破壊する剣“嵐闘雷武“・f25181)は理解する。
「――これは慟哭か、デミウルゴス」
 応えは無く、ただ殺気と、その具象たる巨大剣――常より更に巨大化した大剣があるのみ。なれど、全身を灼く痛みが理解させる。彼の悲愴な殺意を。
「――良いだろう」
 嵐を鎮めるのは、己の身に宿る嵐の剣を持つ者の宿命。そして眼前の偽神が振るうは、己の存在そのものを賭けた一刀。ならば己も、己の全てを賭けて挑まねばならぬ。
「嘆きも哀しみも全て断ち斬る! ――アストラ解放!」
 解き放つは偽神を、彼の背負う嘆きと哀しみを滅ぼす意志。弓の形を取った其に、討滅の意思を最大限に纏わす。其は攻防一体の形。
 リミッター限界突破、最終決戦形態へと移行。元より長くない命数を更に削る行いなれど、彼の敵はそうせねば討てぬ程の敵、そう判じたが故に。
「殺せ――さもなくば、死ね!!」
 吼えるが早いか、巨剣を振るい疾走するデミウルゴス。速い。躱せるか――否、躱すべきものではない。ルドラもまた駆ける。迫る偽神を目掛けて。瞬く間に詰まる間合。デミウルゴスが、巨大剣を、振り下ろす――!
「――させん!」
 弓を掲げる。巨大剣に打ち当てる。質量に膂力を上乗せした重厚なる一撃を、弾いてみせる。デミウルゴス、弾かれた勢いに逆らわず、逆に利して身を捻る。続けざまに繰り出すは横薙ぎの刃。ルドラは再び弓を振るい受ける。衝撃で身が横に滑る。なれど崩れず押し返す。デミウルゴス、再度弾かれるままに巨剣を掲げ直す。反動を利して繰り出すは袈裟懸け。アストラを以て受け止めた刃。そのまま鍔迫り合いに――剣と弓という、本来有り得ざる鍔迫り合いに移る。
「俺に祈るな……俺に人など救えない……!」
 漏れる声音は譫言じみて。至近距離よりルドラを睨むデミウルゴスの瞳は、殺意に満ちて――何処か、縋るような眼をしていた。
「救う、か」
 かの人造の神は、ひとたび眠りという安息に至ったのだろう。なれどフィールド・オブ・ナインの一角という存在が、彼に安息を許さなかった。禍風に招かれるままに蘇り、尚も救済を願われ続けているのだ。
(――やはり。この男も)
 己の剣は救済の剣、奪われた未来を奪還する剣。なれば、眼前のこの偽神にも。その苦悶を終わらせ、禍風に妨げられし安息を奪還する。それが今の、己の為すべきこと。
「ならば、俺がお前を救ってみせよう!」
 剣を押し込みにかかるその一瞬。弓をずらして剣を脇へと受け流す。突然に破れた均衡。偽神が態勢を崩す。好機。
「生命よ、我が敵を討つ意志よ!」
 一歩退きながら腰を落とし、弓を構える。身中で荒れ狂う痛みを、限界を超える覚悟で抑え込む。番えるは討滅の意思が形作る光の矢、引き絞るに従って輝きを増し、偽神を狙う。
(俺は生きる。生きて、この手で救える限りを救い、可能な限りの未来を奪還してみせよう)
 態勢を立て直そうとするデミウルゴス、なれどその前に矢の輝きが臨界点に達する。撃ち抜ける。
「俺は……お前の悔恨も怨嗟も、全て引き受けよう!」
 故に眠れ、と。祈りを籠めて矢を放つ。
 撃ち出された光矢は音よりも速く。狙い澄ました偽神の胸を撃ち抜き、吹き飛ばしてみせた。
大成功 🔵🔵🔵

柊・はとり
普段とは比にならない程身体が冷える
恐れはない
覚悟はとうに出来てる
唯寒さによる震えが止まらない
お前はさぞ嬉しいだろうコキュートス
俺の苦痛を何より望むお前は

だがこの痛みさえ
『俺達』には好都合でしかない
【第五の殺人】受けて貰うぜ

偽神断罪剣の攻撃タイミングは
第六感である程度読むが
最悪頭と利き手の左手が無事なら構わない
威力を殺し切らない程度に武器で受け
押されていると見せかける…
までもなく押されそうだが
…これが無敵の偽神か
面白くないね

殺すとか殺せとか
軽々しくそう言う奴が
俺は一番気に食わない

屍人の継戦能力で戦闘続行時間を引き伸ばし
その間封印を段階的に解除
送還寸前に全力の氷属性攻撃を叩き込み
神に仇為す一太刀を


 普段とは比にならぬ程に身体が冷える。寒さで震えが止まらない。彼に宿る偽神細胞、そして携える偽神兵器が齎す影響は、見据えた先に在る『偽神』の存在により常から格段に強大化していた。
 その事実自体には恐れは無い。此度の任務への参加を決めた時には、既に覚悟を決めていたからだ。だが、其による痛み、苦しみの存在を否定はできない。肉体が末端から崩れ落ちていくような感覚を、柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は感じていた。
(お前はさぞ嬉しいことだろう、コキュートス)
 携えたる偽神兵器、己の命を蝕み続ける氷獄の大剣に内心で毒づく。大剣の蒼白い刃、仄かに放つ光が明滅する。彼の苦痛を何より望んでいることを、肯定するかのように。
(――だが、好都合だ。『俺たち』にはな)
 己を苛むこの偽神兵器が抱えるバグ――或いは仕様かもしれないが――其が存分に活きることだろう。
 ユーベルコードによって身の丈の倍以上まで巨大化した剣を振りかざし、偽神が迫る。氷獄剣を構える。唐竹に振り下ろされた巨刃を、蒼白の刃掲げて押し留める。
 身体が沈む。刃が下がってくる。このままでは押し斬られる。刃をずらし受け流す。巨刃が流れる。
「受けて貰うぜ――『第五の殺人』」
 振り抜かれた巨大剣が再び襲い来る、その間隙に。はとりもユーベルコードを解き放つ。吉報岬の殺人。かつて高校生探偵であったはとりが関わった幾つもの殺人事件、その中でも最悪の連続殺人。苛む記憶。
 加速する苦痛が、氷獄剣の冴えを増す。突き込む刃が、デミウルゴスの脇腹を抉る。
「おおおおおお……!」
 偽神が吼える。苦悶とも、慟哭とも、歓喜とも聞こえる音で。そのまま、巨大剣を横薙ぎに振るう。はとり、縦に構えたコキュートスで受ける。デミウルゴス本人より大きく重いと紛う巨剣、その衝撃ははとりの身を浮かす程。逆らわず、飛ばされる。空中で姿勢を制御、滑るように着地すれば、目の前に振り下ろされる刃。間に合わない。ならば。
 身を左へ逸らす。重刃がはとりの右肩へ食い込み、そのまま地へ叩き付けられる。吹き飛び宙を舞う、はとりの右腕。重なる痛みに顰む貌。なれど覚悟はしていた。最悪、頭と利き腕――左腕が残れば良いと。既に死んだ肉体は、生者よりは長く戦える。例え四肢が千切れるとも。
「殺せ! 俺を殺せ……! さもなくば、お前を殺すッ!!」
 何処か失望すら滲ませて喚く偽神。再度横薙ぎに振るわれた巨刃を受ける。選ぶまでもなく吹き飛ぶ身体。衝撃が全身へ伝播し、全身を貫く冷気が一層強まる。最早、肉体が氷と化したかのよう。
(……これが無敵の偽神か)
 姿勢制御、その最中。追撃せんと駆ける偽神を視界に捉える。その力、その強さ。確かに、そう称するに相応しいものではあるが。
(……面白くないね)
 歩けば悲劇が前に横たわる。生前も死後も。うんざりするほど耳にした言葉。偽とはいえ神ともあろう者ですら、こうも容易く口にするものか。
「軽々しくそう言う奴が……俺は、一番気に食わないんだよ……!」
 着地。左腕一つで氷獄剣を背負うが如く構える。全身が砕け散るような感覚。限界が近い。ならば。
 前方右上から巨刃。右腕なき今、防ぐは叶わぬ角度。躱さない。地を蹴り、偽神へと吶喊。巨剣支える身は動けぬ。いける。
 封印は既に全て解いた。背負った氷獄剣を、上半身全ての発条を使って振り下ろす。袈裟懸けの刃が、偽神の右肩から胸を斜めに斬り裂いて。傷口を、白く冷たく凍らせる。伝わる冷気が身を苛む。
「神殺し――とやらには、まだ……遠い、か――」
 よろめくデミウルゴスの姿を確かめた処で、はとりの視界は白に満ちる。最早肉体の限界。その身は、グリモアベースへと引き戻されていった。
大成功 🔵🔵🔵

ミレア・ソリティス
……任務了解しました。ミレア・ソリティス、出撃します。
拒絶反応は《激痛耐性》並びに戦闘に不要な機能をカットし対処を試みます

一手目で『ジャミングミサイル』を転送・発射。対象への《ジャミング》を実行。
続けて2型兵装のランスとシールドへ換装。最大推力でのランスチャージと
内部への《零距離砲撃》後、ランスを破棄、
『グライフフリューゲル』の副腕と、『プラズマグリーブ』での蹴撃での近接戦に移行。

限界時又は敵による「捕食」時には副腕及び《怪力》で組み付き、
そのまま【コード・レギオン:Ω】による自爆を実行します

「私」の再転送後は遠距離より『ノヴァ・バスター』による大規模範囲砲撃を放ちます

※アドリブ他歓迎です


 デモイン砦周辺に轟く爆音。飛来したミサイルの爆発に、デミウルゴスの身が飲まれてゆく。
「ジャミングミサイル着弾確認。2型兵装装着、突撃開始」
 淡々とその成果を確かめたミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)は、全弾射出を終えたミサイルポッドを除装、騎槍と盾とを構え、黒煙立ち昇る中へと吶喊してゆく。
 常に増して機械的な物言いは、戦闘に不要な機能を全てカットしたが故のもの。偽神細胞液投与による拒絶反応の抑制と、戦闘能力の維持。ミレアが有するリソースの全てをそれらへつぎ込んだが故のこと。
「ぐっ、おのれ……何っ!?」
 黒煙を突っ切り、デミウルゴスが飛び出してきた。だが迫るミレアの姿に驚愕の反応を示し身が固まる。先のミサイルが有するジャミング機能に五感を鈍らされていたが故、ミレアが迫っていることに気付けなかったのだ。
 そのまま、ミレアは正面に捉えた偽神の腹へと槍を叩き込む。腹を抉り貫いて、背中までも串刺しとする。
「ぐおぉぉぉぉ!?」
「砲撃、開始」
 腹を貫くその痛みに悶えるデミウルゴスに、ミレアは淡々と告げる。直後、轟き渡る爆発音。傷口へ直接砲撃を受けた偽神が大きく吹き飛び、地面に叩きつけられ転がって。
「5型兵装展開、白兵戦へ移行」
 更にミレアは攻勢を続ける。背より展開するは竜翼じみた副腕、両脚にはプラズマ炎を噴出する鎧装。
「ぐっ、だがまだだ……俺を殺すには、遠い……!」
 起き上がったデミウルゴスは大剣を振るう。横薙ぎのその刃を、プラズマ噴出による跳躍で躱せば。
「攻撃、開始」
 そのまま空中からデミウルゴスへと肉薄、両腕と副腕とによる拳打を立て続けに繰り出す。
「ちぃ……っ! だが軽い、この程度は……!」
 雨霰と繰り出される拳を凌ぐデミウルゴス、左腕を以て掴みかからんと手を伸ばすが。その直前、ミレアの身が不意に弧を描くように翻る。プラズマ噴射による宙返りと、噴き出すプラズマを浴びせる攻撃。
 プラズマの熱にデミウルゴスが怯む間にミレアは着地、再度拳を以て殴りかかる。両腕、副腕、脚部鎧装による巧みなコンビネーション。大剣を駆使して防ぐデミウルゴスだが、守りを抜けた拳が確実にその身を打つ。
「……っ。出力低下……」
 だが徐々にミレアの挙動が鈍る。偽神細胞の拒絶反応。表情には出ずとも、着実に進行していたのだ。
「そこだ。お前の肉体……喰わせてもらう……!」
 その隙を見逃すデミウルゴスではない。再度左腕を伸ばせば、今度こそミレアの身に掴みかかる。首を掴んで吊り上げて。左腕の肉が広がって、ミレアを包み、押し潰しにかかる。そうして後、捕食せんというのだ。
「……オプションΩ、適用」
 だが。それさえも想定の内とばかり、肉の内から響くミレアの声。直後、肉と肉の隙間から迸る光。まさか。
「継戦用データ送信、完了。後は任せます、『私』」
 言い終えると同時に、ミレアの身体が爆発。即ち、自爆。溢れ出した爆風と爆炎が、偽神の左腕を吹き飛ばし、全身を焼き苛む。

 そして、それで終わりではなかった。
「『私』よりデータを受信。目標捕捉」
 交戦地点より少し離れた街路の上。巨大なるランチャーを構えるその人影は、紛い無きミレアのもの。先のミレアの自爆に備え待機すると共に、砲撃を構えていたのだ。
 尤も、此方のミレアも偽神細胞液の接種は受けている。戦闘状態ではなかった分、先のミレアよりも消耗は少ないが。それでも砲撃は一度が限度。確実に決める。
「――ノヴァ・バスター。発射」
 告げると共にトリガーを引く。撃ち出された榴弾が、真っ直ぐに爆心地近くのデミウルゴスのもとへと飛び至り。爆発に、更なる爆発を上乗せし、更なるダメージを与えてゆく。
大成功 🔵🔵🔵

アルトリウス・セレスタイト
多少消耗が出るか
まあ問題あるまい

戦況は『天光』で逐一把握
攻撃には煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し阻み逸らし捻じ伏せる
破壊の原理から逃れる術、無限の先へ届く道理いずれも無し
要らぬ余波は『無現』にて否定し消去
全行程必要魔力は『超克』で“世界の外”から常時供給

破界で掃討
対象は戦域のオブリビオン及びその全行動
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無

高速詠唱を『刻真』『再帰』にて無限に加速・循環
瞬刻で天を覆う数の魔弾を生成、周囲全方向へ斉射
更に射出の瞬間を無限循環し殲滅まで一切止まらず継続
戦域を魔弾の軌跡で埋め尽くす

尽く消え失せれば毒も万人に無意味
理不尽とはこういうものだ
精々憤れ

※アドリブ歓迎


 身に纏う蒼の燐光が、此度はやけに強い光を放つ。アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は肉体への変調を自覚する。
「――多少消耗が出るか」
 己の操る原理の力は、本来人の容へ収めるには余りある代物。己が人の形を保つ為に、少なくない制約を課している程。即ち、その力が強まることは、人の形を損ねることに繋がりかねない。
「まあ、問題はあるまい」
 要は、それまでに仕済ませれば良いのだ。藍の瞳にて、前方の偽神を見据える。流動する肉を晒す人造の神。原理の端末たる己にさえ影響を及ぼす偽神細胞の塊。如何なる理が働いたものか。
「偽神細胞に反応する光……お前は、何だ……!?」
 其処への疑問はデミウルゴスもまた同じと見え。なれど己にては答え持たぬが故に問う。無論、アルトリウスに答える理由は無い。
「何にせよ、討つだけだ」
 淡々とした宣言と共に、戦闘行動を開始。高速詠唱。無限加速――
「―――!」
 を、行いかけた処で気付く。肉体が、砕けかけている。原理の力の作用が、強まり過ぎている。外から見れば瞬刻とはいえ、彼自身の時間は確かに経過している。普通に加速するだけでは、攻撃より先に肉体が崩壊するだろう。
 ならば、と。詠唱と無限加速、魔力循環の行程に、肉体時間の巻き戻しを加える。巻き戻しの行程自体にも崩壊は伴うものの、単純な無限加速よりはダメージは小さい。
 以て、彼の頭上を満天の星々の如き蒼の魔弾が覆う。要した行程の数は異なれど、外から見れば瞬刻である事に変わりは無い。
「お前が何を求めているかは知らない。聞くつもりも無い」
 睥睨するかの如く偽神を見据え、アルトリウスは言い放つ。
「俺が与えられるものは只一つ。――行き止まりだ」
 そして宣言すると同時。全ての魔弾が、一斉に、デミウルゴスを目掛けて撃ち出された。
「おおおお……!?」
 驟雨が如く降り落ちる魔弾の猛攻。万象消滅せしめる圧倒的なまでの攻勢。偽神の口から思わず漏れる驚愕の声。だが。
「――だが……足りない……!」
 これ程の攻勢を以てしても、かの偽神を消滅せしめるには足りぬという。皮肉なまでに強固な存在格は、魔弾の雨にも耐えきった。耐えきってしまった。
 無傷ではない。その総身には無数の傷が刻まれ、偽神細胞を以てしても完全回復とはいかぬことが伺える。
「――そうか」
 魔弾の雨が止む。其を確かめたアルトリウスの姿が薄れる。魔弾の雨を長く続かせる為の、循環の行使。肉体が崩壊する直前まで使い続けた原理の力。ここまでだ。
 後は、後続の猟兵に任せるより他にないだろう。そのまま、アルトリウスはその場より消え去っていった。
大成功 🔵🔵🔵

月夜・玲
人造の神…ね
丁度いいサンプル…だけど楽にデータ収集とはいかないよなあ…
仕方ない、少し無茶をしてでも実戦データ取らせて貰おうか!


《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
偽神化で活動時間は限られてる…なら一撃の全力を尽くす!
両剣を構え、『斬撃波』で周囲の瓦礫を狙って『吹き飛ばし』、視界を少しでも奪い牽制する!
駆け、接近しながら偽神細胞液を接種
近付く一瞬までで良い、激痛にも耐えてみせる
意識が飛びそうなら、剣を自分に突き刺してでも進む
そして接近出来たら【断章・機神召喚〈極限熱量〉】起動
デミウルゴスの真上に腕を召喚!
後は重力に従ってそのまま落とす!
そして追撃の蒼炎で焼いてやる!


「人造の神……ね」
 対峙したその存在――デミウルゴスの姿を値踏みするかの如く眺めながら、月夜・玲(頂の探究者・f01605)は思案する。UDCの力の限定再現を目指した模造神器、そして疑似邪神の開発を成してきた彼女にとり、かの偽神の存在は絶好のサンプルと言えた。が。
「流石に、楽にデータ収集とはいかないよなあ……」
 ゆっくりと歩み迫るデミウルゴス。そのデータを得るには、彼との交戦を経る必要がある。然しこの場に今いる猟兵は玲だけだ。ならば。
「仕方ない、少し無茶をしてでも実戦データ取らせて貰おうか!」
 《RE》IncarnationとBlue Bird、二振りの刀を抜刀。身構え、戦闘態勢へと移行する。
「……データを、取る……? ……貴様、貴様も俺を……!!」
 然しその目的意識が何かのスイッチを刺激したか。憎々しげに唸るかのような声を上げ、デミウルゴスは大剣を振るい玲を目掛け――
「おっと、落ち着いてもらおうか!」
 だがその機先を制するように放たれる斬撃波。玲の有する二振りの刀から放たれたものだ。
「そんなもの!」
「まあ、躱すだろうね!」
 身を反らし斬撃波を躱すデミウルゴス。だが玲にとってはその程度は予測の内。元より玲は未だ偽神細胞液を接種していない、偽神を傷つけることは叶わない。本命は――すぐ横の崩れかけたビル!
「っ!?」
 斬撃波の貫通によって基礎を砕かれたビルは即座に倒壊。デミウルゴス目掛けて崩落、土煙の中に彼の姿を覆い隠してゆく。
「今だ……!」
 其を見届け玲は駆け出す。駆けながら取り出すは一本の無針注射器。グリモア猟兵から受け取った偽神細胞液の入ったものだ。
 これを自らの身に注射すれば――直後、全身を駆け抜ける鋭い痛み。まるで全身を引き裂いて、違う何かが出てくるかのような激痛が玲を襲う。
「――っ――ぁあぁぁぁぁ……!!」
 力を籠めて叫ぶ。今にも飛びそうな意識を繋ぐ為に。見据えるは目の前に生じた瓦礫の山。その下に埋もれた偽神の気配――
「おぉぉぉぉぉ!!」
 瓦礫の一点から爆発。飛び出してきたはデミウルゴス。偽神細胞液接種前の攻撃故か、その身に新たについた傷は無し。だがそれは目的外故に問題無い。既にその目的は達成した……!
「行くぞ偽神……!」
 二刀を構え、瓦礫の山を駆け上る玲。身構え、迎撃の構えを取る人造の神に向かい、――呪文の詠唱を開始。
「偽書・焔神継続起動……断章・機神召喚の章、深層領域閲覧……!」
 それは彼女の研究成果の一つ。彼女の手になる偽神を顕現せしめる召喚術。そして現れ出るは。
「――システム、起動!」
 詠唱の結びと同時、天より飛び出すは巨大なる機械の腕。携えたる鉄塊が如き剣を、真下のデミウルゴス目掛け――振り落とす!
「ぐわぁぁっ!?」
 駆け迫る玲に注意を払っていたか、頭上からの全く予想外の攻撃に、デミウルゴスは反応できず。鋼鉄の機械剣に叩き潰され、地に伏せられる。
「焼き払え、焔神……!」
 偽神細胞の拒絶反応で、眉間には深い皺が刻まれ、汗が滲む。それでも尚告げるは、焔神への更なる攻撃命令。応え、デミウルゴスを押し潰した鉄塊が、蒼き炎を噴出する。
「ぐおぉぉぉぉぉ……!!」
 大質量によって動けぬままのデミウルゴス、その身を激しき蒼炎に焼かれ苦悶の叫びを上げる。与えたダメージは確かな筈だ。
 それを見届けて――玲は、意識を手放した。
大成功 🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

化術の可能性は無限大♪ユべコに組み込んでるから必要ないけどプレボの為に偽神細胞液をキめて変身☆
ほう?『夜』(デモン)を喰らうか。なるほどなるほど。でも、私は寄生を特性とするサイキックヴァンパイア。喰われた細胞片を化術肉体改造でデミウルゴス・セルと融合させ、結界術で定義を書き換えながら内部から侵食(捕食)し乗っ取ることもできるのよ?
ユべコをコピーされるのも好都合。『夜』になるということは即ち私と同一になるということなのだから、より侵食はしやすくなるわ。さぁ、『夜』に蕩けましょ♡
後、このUCはギャグ補正(結界術、継戦能力)前提で無いと酷いことになるわ


「ふふふふふ、人造の偽神だなんて…面白いじゃない♪」
 楽しげな笑みと共にデモイン砦前に降り立ったアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。値踏みするような視線を眼前の偽神――デミウルゴスへと向ける。
「面白い……だと? 言うに事欠いて、この俺を……!」
 馬鹿にされていると感じたか、苛立たしげに唸り叫ぶデミウルゴス。
「ええ、人造の、偽神細胞のカタマリ。この私の『夜』(デモン)とどう違うのか、ってね♪」
 尚も笑みを崩さぬアリスの影が、膨張しながら盛り上がる。アリス自身の三倍はあろうかという体積を有する、形ある影の悪魔。それこそが『夜』、強き光と共に在る影そのもの。
 その肉体はマグマの如く泡立ち、輪郭は揺らめく。この『夜』を構成するのもまた偽神細胞。アリスが自らの細胞を変異させ生成したものに加え、偽神細胞液を取り込んだもの。どちらも、眼前の偽神の存在を感じて昂るように活性化する。それはアリス自身にも消耗を強いる程のもの。
「さあ、見せてちょうだいな♪」
 己の肉体が沸騰するかの如き感覚に、しかし苦悶などおくびにも出さず。アリスの『夜』が触手じみた闇を幾本も撃ち出す。一本一本がデミウルゴスの腕よりも太い、強靭なる闇鞭が偽神へと襲い掛かる。
「舐めるな……ッ!」
 なれどデミウルゴス、大剣を振るって迫る闇鞭を片っ端から斬り捨てる。そして迫るは『夜』のたもと、微笑と共に佇むアリス。
「俺を殺せぬなら……死ね……!」
 振り下ろす刃をアリスは避けようともせず。両断。その肉体は、呆気ないまでに二つに割れて――影に溶けてゆく。
「……貴様!?」
 その意味をデミウルゴスが悟った直後。アリスだった影から触手の群れが飛び出し、偽神の身へと絡みつき戒める。
 今、彼が斬ったものはあくまで端末体。アリス本体は既に『夜』へと変じた後であるが故に。
『うふふ、それじゃあなたのコトも頂いちゃいましょうか……♪』
 影が染み込む。影を形作る偽神細胞が、デミウルゴスの肉体を為す細胞に染みこみ、融合し、侵蝕していく。
「う……ぐ、や、やめろ……! 俺は……喰われなど……!」
 侵蝕に抗うデミウルゴス、左半身を変形させて触手を食いちぎりにかかる。自由を取り戻せば、そのまま大元の影にも食らいつき。
「貰ったぞ……貴様の力……!」
 以てアリスの身を『夜』と為すユーベルコードを複製。デミウルゴスの身もまた闇と変じて『夜』と化す。以てアリスを侵食し返さんとするが。
『ほう? 『夜』を喰らい『夜』となるか。なるほどなるほど……』
 然しアリスは余裕を崩さぬ。何故ならば。
『つまり私と一つになりたいということね♪』
『……!? 貴様、何を言って……!?』
 というのも。そもそも『夜』とは自他を区別せぬもの。溶けてしまえば皆同じ。ある意味、デミウルゴスは自らアリスと同一の存在となってしまったに等しかった。
『さあ、『夜』に蕩けましょう♪』
『や、やめろ……!?』
 そうして、ふたつの『夜』は溶けあって――

 完全に溶け合う前にアリスの限界が来てグリモアベースへ送還されたため、デミウルゴスは離脱に成功。なれど様々な意味において少なくないダメージを負ったとか。
大成功 🔵🔵🔵

藤・美雨
偽神細胞を打ち込んで戦うよ
ああ、なんだこれ
死ぬほど辛いな
でも死んだ時ほどじゃない、やれるさ

ヴォルテックエンジンをフル稼働、魂の衝動を糧に戦う
無理矢理にでもニコニコ笑うよ
技自体はコピー出来てもお前はニコニコ出来ないだろう?

振るわれる剣には気をつけて
いつもより身体の調子が悪いんだ
回避する時は多少大げさに、そして早めに動くことを意識
多少のダメージは【激痛耐性】で我慢
笑うのは絶対止めない

このまま相手の攻撃を回避して接近する
ずっと笑っていれば次の行動だってうまくいくのさ
笑顔が足りなければ一発くらい攻撃を食らってやろう
それでも笑ってやるから

そうして放つのは――全力の衝動と【怪力】を乗せた拳さ!
吹き飛びな!


 振り下ろした踵と掲げた大剣とが激突する。偽神は、掲げた剣越しに見えた敵の表情に苛立ちを露わとする。
「――何が可笑しい……!」
 その敵は、振り払った剣の勢いを利して宙返り。猫めいた軽やかさで地に降り立つ。再度偽神を見据えた藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)は、笑っていた。
「笑うとも! それが私だから!」
 だがしかし、美雨の笑顔は引き攣っていた。理由は言うまでもない。その身に接種した偽神細胞のためだ。
(なんだこれ……死ぬほど辛いな……!)
 身体が内側から押し広げられていくような激痛。今にも全身がバラバラになって死んでしまいそうな程の激痛。なれどかつて何者かに殺されデッドマンとなった美雨、本当に死ぬような痛みは身を以て知っている。その時程の痛みではない。故に、やれる。
 胸のヴォルテックエンジンが唸る。魂の衝動が電力となり、五体を満たす。身体は千切れそうな程に痛いが、動く。大丈夫。戦える。
「さあ、行くよぉ!」
 地を蹴り、疾走する。デミウルゴス、大剣を横薙ぎに振るう。美雨は身を屈める。拒絶反応は彼女の身のこなしをも鈍らせている。其を踏まえた早めの、そして大袈裟な動作による回避。その間も笑みは絶やさず。
 立ち上がる動作に力を籠めて、デミウルゴスへと飛び掛かる。振りかぶった拳。偽神の胸を狙って打ち込まれる。
「ぐっ……!」
 呻く偽神。ひとたび死したことで限界を超えた美雨の膂力は、細腕に似合わぬ破壊力を有する。美雨の笑みが深くなる。
「もう一発っ!」
 再度拳を振りかぶる美雨、だが偽神の動くが先んじる。
「図に乗るな……!」
 左腕、剥き出しの筋肉じみた腕の細胞群が変形する。繰り出された美雨の腕を、受け止めるかのように展開され――食いついた!
「っ!?」
 異変を感じた美雨、腕を抜こうとするもがっちり食い込んだ牙を抜けぬ。それでも美雨は笑う。ややあって、漸く引き抜いた時には――腕が肘から先より千切れ飛んでいた。
「貰ったぞ……! これでも笑えるか、貴様!」
 苛立ちとも嫉みとも見える荒い声で言い放つデミウルゴス。だが美雨の笑みは崩れぬ。
「笑えるとも! お前と違ってね!」
 彼の境遇を思えば、笑うことなどきっとできないだろう。それを理解した上で美雨は言い放つ。
「私の身体はもう死んでるけど! 心までは死にたくないからね!」
 それは僵尸たる彼女の在り方。そして心の支え方。何より。
「それに、大体のコトは笑っていれば何とかなるモノだよ! 私がそうしてきたんだからね!」
 続けると共に、残る腕に拳を握り、振りかぶる。エンジンが唸る。己を拳に握り込み、以てかの偽神に叩きつけろと。
「そうさ――『笑う門には福来る』!」
 だからこそ美雨は笑う。その意志は、笑顔を保つ時間に応じて行動がうまくいきやすくなるユーベルコードとして結実する。
「貴様――ッ!?」
 先の捕食を通して美雨のそのユーベルコードをコピーしていたデミウルゴス、なれど彼には使いこなせぬ。このような身体となって以来、一度も笑ったことのない彼には。
「吹き飛びなッ!!」
 咄嗟に掲げられた守りの大剣を、振り下ろした拳はすり抜けるように躱して。以て、渾身の膂力と衝動を籠めた拳は、偽神の胸を抉るように殴りつけ、その身を弾丸じみて吹き飛ばした。
大成功 🔵🔵🔵

オリヴィア・ローゼンタール
偽神化……忌々しいですが、駄々を捏ねていられる状況ではありませんね

摂取すれば血が沸騰し肉が爛れるような激痛が全身を駆け巡り……それがどうした
【気合い】と【根性】で【限界を超えれば】、どうということはない!(激痛耐性)

白き翼の姿に変身
聖槍に光の魔力(破魔・属性攻撃)を集中・圧縮(全力魔法)、【嚇怒の聖煌剣】を形成
貴様の出自、望まぬ力――憐れに思う。だが容赦はしない

全霊を以って【なぎ払い】、極光の斬撃を以って放たれる毒細胞諸共一切合切を消し飛ばす(斬撃波・浄化・蹂躙・神罰)
我が全霊を以って貴様を滅ぼす。この極光こそ最期の慈悲と識るがいい!


 全身の血液が沸騰する。肉が焼けて爛れる。そう形容できる程の激痛。偽神細胞液の接種が齎すそれを、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は只々、気合と根性で以て抑え込む。
(偽神化――忌々しいですが、駄々を捏ねていられる状況ではありません)
 信ずる神のあるオリヴィアにとり、神と詐称する存在となることは並々ならぬ抵抗がある。なれど偽りの神を討つ手がそれしか無いのならば、受け入れるより他に無し。
 そして降り立てるはデモイン砦前。全身に傷を受け、佇む男の姿を捉える。デミウルゴス。人造の神。神と祭り上げられた男。救世の使命を押し付けられた男。
「――お前も、俺を殺そうという者か」
 携えた大剣を握る手に力籠め、偽神が語りかける。渇望、諦観、憤懣、様々な感情の渦巻く声音。殺してくれ。そんな願いさえ滲む。
「貴様の出自、望まぬ力。憐れに思う。だが」
 オリヴィアは得物たる聖槍を構える。その穂先に魔力が集束し、刃を拡大させてゆく。
「容赦はしない、我が全力全霊を以て貴様を滅ぼす!」
 目を見開くと同時、その背より白翼が力強く広げられる。魔力が高まり、聖槍の穂先へ集束する。刃が一気に長さを増す。その様、槍の柄を丸ごと柄とした大剣の如し。ユーベルコードを以て形成されたる、光輝く聖剣である。
「ならばやってみろ……できないならば、死ね!!」
 偽神が吼える。大剣を構え、振り抜けば。放たれるは漆黒の斬撃波。彼の身を形成する偽神細胞が、猛毒と化して放たれたもの。
「望む処だ……!」
 形成されたる聖剣を振るい、オリヴィアが駆ける。刃の一振りごとに斬撃波と光刃とが衝突し、光と共に毒細胞が浄化され消し飛んでゆく。
 続けざま襲いくる斬撃波、聖剣を振るい相殺を重ねてゆくオリヴィアだが、全身が断末魔じみた悲鳴を上げるのを感じる。最早血液はマグマの如く煮え滾り、肉は焼け焦げ爛れ落ち。全身を引き裂いて、内側から何かが現れ出るかの如き激痛がオリヴィアの肉体を破壊せんとばかりに荒れ狂う。
(まだだ……! まだ私は進める! 戦える! この足を、この刃を、止めはしない……!)
 肉体の限界を、その魂の叫びで乗り越える。聖剣の柄を握る手が、白熱せんばかりの力を籠める。
「受けよ、浄化の刃……!」
 膂力の限りを以て、聖煌剣を横薙ぎ一閃。薙ぎ払う光の刃が、猛毒の黒風を消し飛ばし。その源たる大剣と鍔迫り合う。
「こんな光が……俺の、俺の死……だと、いうのか……!?」
 放たれる光もまた浄化の魔力を帯び、至近距離で浴びる偽神の細胞が、焼け落ちるように溶けてゆく。同じ細胞でできた大剣も、崩壊を始めて。
「――おおおおおおおおお!!」
 オリヴィアが吼える。聖剣が振り抜かれる。偽神による断罪を象徴する剣が砕け折れ、遣い手の胸をも深く裂いて。
「が……ぁ……!?」
 よろめくデミウルゴス。彼は見る。デモインの空まで届かんばかりに立ち昇る無窮の光を。神を偽造せし者達への怒りの刃を。偽りの神とされた身を浄化する、絢爛たる勝利の煌きを。
「この極光こそ、最期の慈悲と識るがいい! 滅びよ、偽りの神よ!!」
 そして、光は振り下ろされて――

「……っ」
 全てを振り絞った一撃の後、オリヴィアは膝をつく。最早、拒絶反応は抑えきれぬ程にまで激しさを増している。
 それでも前を見れば、只々静かに立ち尽くす、偽りの神――であった男の姿。その表情は、憑き物が落ちたかのように静かなもので。
「――声が、聞こえない。俺に、救いを求める人間達の声が」
 譫言めいた呟きと共に、その肉体が灰となって崩れてゆく。
「――嗚呼、やっと、全てが終わる――やっと、眠れる――」
 安堵じみた笑みを、最後に零して。デミウルゴス、人造の神とされた男は、再びの生に、幕を下ろしたのである。



 以て、フィールド・オブ・ナインが一角『デミウルゴス』の打倒に成功した猟兵達。
 残るは、後三体。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月18日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵