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アポカリプス・ランページ⑰〜プレジデント・ノー・ピース

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 ……おや? また私を見ているのかね、猟兵の諸君。
 私は「プレジデント」。昔は人の名もあったが、色々無くしてね。いまや「昔大統領だった事がある」という肩書だけが自慢の、しがないナイスガイさ。

 私の目的は……すでに聞いている者もいるだろう。
『全世界全人類のオブリビオン化』だ。
 止めるには私を倒すしかない。
 私を倒すのは簡単ではない。だからこそ君たちの真の実力を見せてもらおう。
 それこそが超克(オーバーロード)に至る道となるだのだから。

 ワシントンD.C.にて待っておくとしよう。


 君と直接会えないのが残念だ、獅子の狼くん?


「く、口説かれた……」
 なにいってんだこいつ。
 そんな視線に気づいて秋月・充嘉(キマイラメカニカ・f01160)ははっとした。
「あ、はは……よーし、お仕事っすよー!」
 オブリビオンフォーミュラ『フィールド・オブ・ナイン』の一体、『プレジデント』が確認された。
 かつて大統領と呼ばれたと男は自称しているが……。
「一応、他世界の大統領の記録もさらってみたんすけど、該当する人物はいなかったっすね」
 調べられるところは調べていたらしい。
 まぁ、他世界の記録を漁ったところでというのはあるが。
「本名も分らないし、本人もそう呼んでるんでプレジデントと呼ぶんすけど」
 彼のやろうとしていることは『全人類のオブリビオン化』。
 それもアポカリプスヘルだけでなく、他の世界の人類もオブリビオン化しようと目論んでいる。
「そもそも出来るのかって話しになるんすけど。向こうから言ってきた以上、無視するわけにもいかないし……」
 向こうから明かしたこともあり、場所も簡単に特定できた。
「旧ワシントンD.C.。あえて、旧を付けさせるっす。そこで猟兵が来るのを待っているっす」

 プレジデントは機械化された両腕のみを使ったボクシングスタイルで戦う。
 そして、猟兵たちの実力をさらに引き上げる強力な精神波。
 こちらは常時発動型のようなもので、猟兵を真の姿にさせようとするもの。
「精神波は、耐えようと思えば耐えられるとは思うっすけど、むしろ利用する方をすすめるっす」
 ついでに相手に合わせてのボクシングスタイルも。
「とはいえ、真の姿が実は腕がないとかあると思うんで、強制はしないっす。はー、それにしても……」
 言うことは伝えきったのか、充嘉がため息をついた。

「ナイスガイと言うだけあって、いい男っすねぇ……」
 お前の守備範囲はどうでもいい。


川内嘉治
 この大統領は歌わないだろうけど、めっちゃ良い声で歌いそう。歌わないだろうけど。

 どうも、川内嘉治です。

 何故かぽんぽん浮かぶアポカリプス・ランページのシナリオ。
 今回は、オブリビオン・フォーミュラの一体『プレジデント』。
 ボクシングスタイルで猟兵を迎え撃ちます。
 また、強力な精神波を放っており猟兵は窮地に陥らずに真の姿を取ることができます。
(真の姿のイラストがあれば、プレイングにそちらをご記載ください。可能な限り参考にします)
(イラストがない方もお待ちしてます。その際、描写はなんか強くなったという感じにします)

 今回のプレイングボーナスは以下の通りです。
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 プレイングボーナス……真の姿を晒し、ボクシングで戦う(🔴は不要)。
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 では、嘉き殴り愛を。
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第1章 ボス戦 『プレジデント・ザ・ショウダウン』

POW   :    アイ・アム・プレジデント
自身の【大統領魂】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    プレジデント・ナックル
【竜巻をも引き起こす鋼鉄の両拳】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    アポカリプス・ヘブン
【対象を天高く吹き飛ばすアッパーカット】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夜刀神・鏡介
骸の海から出てきたものがオブリビオン。であれば今生きている人をどうやってオブリビオン化するもんか
疑問はあるが、答えを信用できるかも分からない
それに……なによりこの計画は潰すからな。お前が何を企んでいても関係ない

精神統一して真の姿に変化。相手の望み通りに徒手空拳で立ち向かう
無の型【赤手】、剣の体捌きを応用した立ち回りで相手をしよう

実のところ、左腕は完全に生身という訳じゃないので、他の部位に比べて多少無茶が効く
基本的には回避を優先して動くが、避けきれない、かつ重たい一撃には左腕で受け止めてからのカウンター
気合いと覇気を込めた全力の拳を、プレジデントの生身部分に叩き込んでから一気に畳み掛ける




 精神統一し己の真の姿をさらす夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)。
 オブリビオンとは骸の海から生れ出た存在。であれば、今生きている人々をどうやってオブリビオン化するのか。
 疑問はあるが、それを聞いて得られた答えがはたして信用できるものなのか。
 是非を問う必要はないだろう。
「この計画は潰すからな。お前が何を企んでいても関係ない」
 拳を構え、プレジデントに相対する。

「君のその左腕……なるほど、ただの生身ではなさそうだ」
 同じく拳を構えるプレジデントは鏡介の真の姿を見て笑う。
「ファーストアタックは譲ってあげよう、きたまえ」
「その余裕、後悔させてやる」
 剣術の体捌きを応用した徒手空拳でプレジデントに肉薄する鏡介。
 斬りこんでいく拳を受け止めるプレジデント。
「悪くない。が、その程度ではないだろう!?」
 受け止めきったプレジデントの反撃が襲い掛かる。
 鋭いジャブの連続をかわす鏡介。
「これはどうかね!!!」
 回避の隙を狙ったプレジデントの重い一撃が、かわせないタイミングで向かってくる。
 鏡介はそれを左腕で受け止めた。
「ほう!」
「完全な生身じゃなくてね、多少の無茶は効く!!」
 感心するプレジデントの生身の胴体に気合と覇気の籠ったカウンターを打ち込む。
 くぐもった声を上げるプレジデントにさらに追い打ちを畳みかける。
 その連続攻撃を受けたプレジデントはしかし、立ち続ける。

「……面白い、こうでなくてはつまらんよ」
 口内の血を吐き出しニヤリと笑うプレジデント。
 勝負はまだ、始まったばかり。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
真の姿ver.2:紅炎狼(生前は狼獣人)

ふむ、わしもまだまだ戦い足りぬでな。来たのだが。
やはり好ましいのよな…。やることは許さんが。

さて、武器は陰海月と霹靂に預けた。(でないと四天霊障が危険)
では、参ろうか。あの二匹は応援団である。

やはり、第六感で掻い潜りながらのパンチになるか。
そう、攻撃が一度でも当たればよいのだ。傷は必ずつくからの。

転移は断固拒否。ダメージ受けようが、そこは関係ない。天高く吹き飛ばすというのなら、落下利用でのパンチ攻撃も考える。

わしらは、再び戦うために舞い戻った者らなり。




 馬県・義透(屍天山彷徨う四悪霊・f28057)の人格の一人、第三『侵す者』が真の姿をさらす。
 その姿は狼。猛る炎のごとき人狼。
「ふむ、わしもまだまだ戦い足りぬのでな。来たのだが」
 やはり好ましいのよな。
 全人類のオブリビオン化、という馬鹿げた計画は許せるものではない。だがそれでも、プレジデントに対して好敵手という好意を抱く義透。
「陰海月、霞靂」
 自身の影に潜む二匹を呼び、自身の持つ武器を全て預ける。
「応援を頼むぞ」
 言って、二匹を攻撃の届かない場所まで下がらせる。
「では、参ろうか。……待たせたなプレジデント」
 プレジデントに相対し拳を構える義透。
「なに、かまわんよ」
 ふ、と笑いこちらも拳を構えるプレジデント。
 静かに、だが二人の中でたしかに戦いのゴングが鳴った。

 先制は、プレジデント。風を切るジャブが義透に襲う。紙一重でかわす義透に連続してジャブを続ける。
 第六感の助けも借りながらかわした義透は攻撃の隙を見つけストレートを。
「甘いっ!」
 しかし、それをかわしたプレジデントは逆に生まれてしまった義透の隙をつきアッパーカットを仕掛ける。
「己の住処に帰るがいい!!」
「こと……わるっ!!」
 当たる直前、転移を拒否した義透。
 拒絶ダメージで身体も思考も高く飛ぶが、落下の勢いを使って拳を振り落とす。
「ぐぅ……!」
 頭を狙った拳は肩で防がれたが、軋むような、骨にヒビが入るような音が聞こえたのは気のせいではない。
 片腕で投げ飛ばされた義透は地面にぶつかる直前に受け身をとり、体勢を整える。
「まずは、一撃」
 肩を押さえるプレジデントに義透は笑ってみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御剣・刀也
真の姿いしはま絵師のJC参照
プレジデント。大統領ね
お前さんの目的に俺は欠片も興味がない
とはいえ、押し売りみたいな真似は辞めて欲しいもんだ
俺はオブリビオンになる気はない。じゃ、全力の勝負を楽しもうか。ボクサー

アイ・アム・プレジデントで自分に不利な行動をとったら、その奢りを見逃さず、勇気で反撃を恐れず、ダッシュで懐に飛込み、第六感、見切り、残像で拳を避けつつ、カウンターでこちらの正拳突きを打ち込む
「刀を使うのは気が進まなかったからな。拳で相手させてもらった。俺の拳もなかなか効くだろ?」




「プレジデント。大統領ね」
 真の姿となり青い炎を燃え上がらせる御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)はプレジデントへ相対する。
 あいにくと、プレジデントの目的に対して欠片の興味もない。
「とはいえ、押し売りみたいな真似はやめて欲しいもんだが」
「それならば、私を倒すしかあるまい?」
 明白な答え。
 なるほど、たしかに倒せれば問題はない。
 俺はオブリビオンになる気はない。
 猟兵以前に一人の人間として刀也は拳を構えた。
「じゃ、全力の勝負を楽しもうか。ボクサー」

 最初の攻撃は譲るとプレジデントが言い放つ。
 それはあえて不利になるという、驕り。ある種の優越。
「そうかい、それなら遠慮なく!」
 その驕りを逃さず、反撃を恐れず、懐へ飛び込む。
 飛んでくる拳を見切り、避け、自分の右拳に力を込める。
 狙うは正中、プレジデントの胴体。
「覇王武皇拳!!」
 掛け声と共に叩きつけた正拳突きはプレジデントを壁へと吹き飛ばした。
「刀を使うのは気が進まなかったからな。拳で相手させてもらった。俺の拳もなかなか効くだろ?」
 瓦礫で埋まったプレジデントに対し、刀也は言う。
 すぐに瓦礫が砕け散りプレジデントは這い上がる。
「ああ、まったくだ」
 血や埃で汚れながらもプレジデントは笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
(真の姿イラストは無いので描写はご自由に)
POW 心情・理由:ヤツの言うオーバーロードの意味が過負荷だか大君主だか知らねぇが、俺はアンタみたいな大言を吐く政治家は嫌いでな、遠慮無く潰させてもらうぜ!

手段:(武装は解除)
何にせよ大統領との対面だ、俺も[葉巻]を吸いながら登場させてもらう、同時に【喫煙者】を発動し、どう戦うか方策を練るか。

戦法は、スウェーやダッキングを主軸とした回避からのカウンター狙い、あのアイアンアームを一発でも食らったらK.O.確定だ。
挑発を交えて此方のペースに引き込む事を試みる、隙を見せたらクリーンヒットを狙う!
「どうしたタフガイ、旧世界の大統領は皆従軍してたと聞いたぜ?」




 ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は葉巻を吸いながらプレジデントに向かい合う。
「ほう、私と同じヘビースモーカーかね」
「まあな」
 その返事に納得したのかそうでないのか、プレジデントもまた葉巻を吸い始める。
 余裕のつもりだろうか。
「この世界では貴重な嗜好品の一つだが、他の世界では煙草を嫌うところがあるそうじゃないか」
 まったく喫煙家の肩身が狭いとプレジデントは言う。
「そうらしいな」
 ヴィリ―は先ほどと似たような返事を返す。
「全人類をオブリビオン化したら喫煙家も大手を振れるだろうな?」
「そんなわけあるか」
「そうかい?……ところで」
 葉巻を捨て、拳を構え始める大統領。

「考えは、まとまったかね?」
「…………」
 どうやら読まれていたようだ。
 これ以上の時間稼ぎは無理だろう。吐いた以上の煙がヴィリ―のまわりに漂う。
「……俺はアンタみたいな大言を吐く政治家は嫌いでな」
 吸っていた葉巻が丸ごと煙になる。
「過負荷だか大君主だか知らねぇが、遠慮無く潰させてもらうぜ!」
 白い煙をまとわせながらヴィリ―は拳を構えた。

 プレジデントの拳をスウェーやダッキングで回避するヴィリ―。
 機械化された両腕から放たれる拳は、受ければ一発でK.O.だろう。
 近づかなければこちらの攻撃は届かない。
 ならば、相手のペースを崩す。
「どうしたタフガイ、旧世界の大統領は皆従軍してたと聞いたぜ?」
「安い挑発だな。だが、乗ってあげようじゃないか!」
 挑発と分かっていて攻撃を続けるプレジデント。
 その拳がヴィリ―の頭を捉えた。
「さらばだ、マーセナリーイエーガー!」
 だが振りあげた拳は、空を切る。
「なにっ!?」
 ヴィリ―だったものは煙となって拡散し消える。
「デコイだと!本物はどこに!?」
「ここだ」
 煙が集まったのは、大統領の眼前。
 クリーンヒットを狙ったアッパーが大統領の顎を捉えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ローゼマリー・ランケ
「ベル、今回は純粋な戦闘、任せて貰いマスヨ!」
「問題は無いでしょうが、気を付けるんですよ……ロミィ」

ドコまでルール通りになるか分かりませんケド
ルールブック位は読んでおきマスカネェ?

・真の姿
使用UCによる変化の増強
目元の古傷からの出血
肌の色の変化、パンプアップ

・戦闘
戦闘前にどこまでボクシングを踏襲するかを確認
提示されたルールに則って戦う
精神波は素直に受けて真の姿になる
相手のUCの転移に関しては拒否

「ボクシングスタイルはハンデのつもりでしょうか……」
「マァ、やるならやるで正々堂々デスネ」

純粋に体格差が有るので
ローブローにならない様に注意する

立ち上がりは相手の変則(であろう)ボクシングの
動きを見る為にアウトボクシング気味に防御や回避に徹する

相手のリーチや巨大な腕の動きを確認したら
インファイトに持ち込んで攻撃に転じる

相手の動きを封じる様に細かく動きながら
至近距離に詰めてボディからの連携を狙う

攻撃の出掛かりが見えるなら
先んじて牽制を入れて潰しを狙う

結果はどうあれルールに則っていれば素直に受け入れる




「ベル、今回は純粋な戦闘、任せて貰いマスヨ!」
「問題は無いでしょうが、気を付けるんですよ……ロミィ」
 声音を変えて自分自身に話しかけるローゼマリー・ランケ(ヴァイスティーガー&シュバルツシュランゲ・f01147)。
 彼女の中にはロミィとベル、二人の人格が存在している。
「デュアルパーソナリティ、二重人格か。どちらもレディと扱って良いのかな?」
「レディ?いいえ、私達は猟兵としてきまシタ!」
「ロミィの言うとおりです、なめられては困ります!」
 言って、自分の真の姿をさらすロミィ。
 目元の古傷から流れる血と全身に残る無数の傷跡、筋骨隆々の浅黒い肉体のその姿は、なるほど歴戦の猟兵と言ったほうがしっくりとくる。
 プレジデントは認識を改め、拳を握る。
「戦う前に確認デス」
「なにかね?」
「どこまでボクシングを踏襲するのデスカ?」
「刃物や銃火器、仲間の強化や召喚の禁止。使うのは己の肉体のみ」
 シンプルだろう?とプレジデントは言う。
 その上で彼はボクシングスタイルを貫くと。
「……ハンデのつもりでしょうか」
「マァ、やるならやるで正々堂々デスネ」
 そしてロミィも拳を構える。

「では、行くぞ!」
 先行は、プレジデント。
 その巨体からは想像がつかない速度でロミィへ接近。
(早イッ……!)
 巨体からくるジャブは想像より大きく鋭い。
 出方をうかがうつもりだったロミィは回避に専念。
 真の姿であっても体格差があり、迂闊には近づけない。
(リーチと腕の動きをよく見テ……!)
「どうした、動きが臆病だぞ!?」
 バックステップで下がるロミィに追いすがるプレジデント。
「クッ……!」
「では、帰りたまえ!!」
 プレジデントの右腕が後ろに下がる。その動きは。
(転移のアッパー……!ですガ!)
「転移はお断り、デスッ!」
 両腕でアッパーを防ぎきり、踏み込む。
 狙うはがら空きになった胴体。 
「ハァァッ!」
 カウンターブローが決まった。
 プレジデントの巨体が、どさりと地面に倒れこむ。
 息を荒らげながら、構えをとくロミィ。
 プレジデントは顔をロミィの方へ向ける。
「……見事だ」
「私たちの勝ち、そうですネ?」
「ああ、そうとも。君たち猟兵の勝ちだ。忌々しいね」
 そう笑うプレジデントはどこか満足気な様子で。
「全人類オブリビオン化計画が潰され、私自身もこのザマ。……だが、まぁ」
 悪くはなかったね。
 言ってプレジデントは起き上がる。
 反射的に構えるロミィ。だが、しかし。
「もう戦うほどの生命はないさ」
 いのち、とオブリビオンの男は言う。
「……行きたまえ。時間は待ってはくれないぞ」
 立ち上がらずに、手で立ち去るようジェスチャーをする男。
「……プレジデント、ナイスファイトデシタ!」
 そう言ってロミィはワシントンから脱出する。


 残ったのは無人のワシントンと、大統領だった男のみ。
 男は葉巻に火を付け、ゆっくりと吸い、空を見上げ、ゆっくりと煙を吐く。
「…………こんなに、不味い葉巻だったかな」
 自嘲して、まだ吸える葉巻を投げ捨てる。
 葉巻が、地面をはねる。
 それと同時か、少し遅いくらいか。
 かつてプレジデントと呼ばれた男は、骸の海へと還っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月20日


挿絵イラスト