アポカリプス・ランページ⑰~大地を覆う
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男は待っている。
猟兵たちを待っている。
其の胸には、嘗てこの血を統べたという誇りだけが煌々と燃えている。
其処はワシントンD.C.。繁栄を極めた虚実交わう都。
誰もいない完璧な都で、男は戦士たちを待つ。
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「デスファイアで、ヴォーテックス一族の兄妹は全員だったみたいね」
佐々・夕辺(凍梅・f00514)は猟兵を見渡し、お疲れ様、と頭を下げた。
「でも、まだフルスロットルが残ってる。彼を倒さなければこの世界の危機は終わらないけど、でも、まだフィールド・オブ・ナインも残っているわ。今回は其の内の一人、“プレジデント”とその部下たちが敵よ」
場所はワシントンD.C.。何故か完璧に復興されているが、当然無人であるらしい。彼は“国立公文書記録管理局(アーカイブス・ワン)”にて猟兵を待っているという。
「一人で待っているように見えるけど、彼は独りではないわ。アーカイブス・ワンに記載されたあらゆる公文書。其処に記載された事象から軍勢を作り出し、集団で猟兵を狙って来る。秘密裏に処理されたものまで出して来るらしいから、実在しないと言われているものが出て来るのも想定しないといけないわ。おまけにこれは確定の先制。相手が攻撃してくるところで予知が途絶えたから……其処は変えようがない。相手は軍勢を使って先制攻撃してくる。でも、どんな軍勢かは判らない。そんな感じかしら」
ある程度説明を終えた後、質問はないかと周囲を見回したけれども。夕辺は、そうね、と肩を竦めた。
「質問はあるでしょう。でも、其れはきっと本人に聞いた方が良い。幸い会話の通じない人物ではなさそうだし、貴方達も聞きたい事があるでしょう?」
さあ、いってらっしゃい。
精霊の狐たちが輪を作って、空間に穴を開ける。其処は無人の都。嘗て栄華を極めた虚構の都、ワシントンD.C.だ。
key
こんにちは、keyです。
今回は個別戦と全体戦で同じ敵を出してます。こちらは全体戦です。
●目的
「プレジデントに勝利せよ」
●プレイング受付
断章公開後、すぐに受付開始です。
受付終了日時はタグ・マスターページにてお知らせ致します。
●このシナリオについて
1章で終わる戦争シナリオです。
ただ、相手は「先制攻撃」してきます。其処にだけ気を付けて下さい。
●プレイングボーナス!
「大統領の軍勢による先制攻撃に対処する」
銃。剣。大砲。ミサイル。或いはテロリスト。
アメリカを取り巻く様々な事象を軍勢にして、プレジデントは攻撃してきます。
其れ等にどう対処するかが今回の攻略のカギとなります。
●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。(合言葉がない場合、別れ別れになってしまう危険性があります)
出来れば失効日が同じになるように投げて下さると助かります。
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此処まで読んで下さりありがとうございました。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『プレジデント・ザ・マスディレクション』
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POW : プレジデント・アーミー
レベル×1体の【大統領の軍勢】を召喚する。[大統領の軍勢]は【アメリカ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : プレジデント・セキュリティ
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【アメリカ合衆国シークレットサービス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : アーマード・ディヴィジョン
【かつてのアメリカ軍の最新兵器】で武装した【精鋭アメリカ陸軍兵】の幽霊をレベル×5体乗せた【戦車部隊】を召喚する。
イラスト:色
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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或いは剣。
或いは銃。
或いは爆弾やミサイル。
或いは秘密工作員。
或いは、もっと別の何か。
アメリカという国を取り巻く噂や陰謀は後を絶たなかった、らしい。
そして其の秘密への回答は――恐らく全て、プレジデントが立っている“国立公文書記録管理局”――其の本館にあるのだろう。
「まあ、今知ったところで君たちには意味などないかもしれない。だから破壊されても私は一向に構わないがね」
其れとも、私の軍勢が君たちを破壊してしまう方が早いだろうか。
戦車を後列に、ガトリングガンを手にした歩兵を前列に。
まずは基本からとでも言いたげに隊列を並べながら、彼は煙を吐いて笑った。
ユウキ・スズキ
話す事など何もない。
貴様が民主主義を曲解し、洗脳等と言う手を使うなら……貴様を大統領とは呼ばん。
シークレットサービスの動きなど、理解しているよ。
私を誰だと思っている?【戦闘知識】
基本的に奴らはほとんど長距離を狙える武器を持たない。
奴らの仕事は大統領の身辺を守る事だからな。
だが、少数のカウンタースナイパーが居る筈だ。
まずはそいつらを仕留めれば、反撃は恐くない。【暗殺】【スナイパー】
カウンタースナイパーが殺られれば、必ず大統領の周囲で守ろうと固まる筈。
その時こそ、Hervǫr alvitrで一網打尽に片付ける。
「さぁ、タイマンだぜフラスコチャイルド」
システム起動。
一気に接近して……叩く。
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ユウキ・スズキ((自称)不審者さん【少尉】・f07020)はプレジデントと語り合う言葉を持たない。
民主主義を曲解し、洗脳などという手を使うというなら、彼をプレジデントと呼ぶ事すらしたくない。
長々遠距離のビルの上。シークレットサービスを召喚したのを確認すると、ユウキはライフルを構える。目に見えて守護しているシークレットサービスの他に、カウンタースナイパーがいるはずだ。彼らを先に仕留めれば、反撃はおそるるに足らず。どれだけの数がいようとも――
建物の上で待機しているスナイパーを確認すると、ユウキは照準を合わせ、躊躇いなく引鉄を引く。かくん、とスナイパーの頭が弾かれたように揺れて、倒れ込む。其れだけだ。人間もオブリビオンも、死とはあまりにも呆気ない。
一方でアーカイブス・ワン前は騒然とし始める。プレジデントに張り付くように護るもの。拳銃を構えるもの。通信を続けるもの。統制の取れたそれらの行動は、流石と言えるかもしれないが――相手が猟兵でなければ、の話だ。
「システム直結、……対象認識に問題なし」
もって3分。いや、移動を考えればもっと短いかもしれないが。寿命なんざくれてやる。どうせいつ死ぬか判らん命だ。【Walküre】! 奴を殺す力を俺に寄越せ!
筋肉が隆起する。肉体が限界を超えていくのが判る。其れはユウキを死に近付けながら、彼に圧倒的スピードを齎す。銃弾さえ超えるスピードで、――ユウキはビル屋上のの縁を蹴った。
其れは一瞬だった。
シークレットサービスたちは何が起こったか判らなかった。目の前に男が現れたと思ったら、彼を中心に巻き起こったソニックブームによって吹き飛ばされ、宙を舞っていた。
音さえも超える速さ。プレジデントは葉巻を加えたまま、ユウキにとっては酷くゆっくりと彼を捉え――
――遅い。何もかもが。
「タイマンだぜ、フラスコチャイルド」
其の言葉がプレジデントに届いたかは判らない。
ただ、拳の連撃は間違いなく、プレジデントに届いた。
大成功
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黒城・魅夜
ふふ、本物のナイスガイならば、大統領などというただの肩書ごときで
己を誇示したりはしないものですよ、薄っぺらい三文役者さん
いかに最新兵器に身を包んだ大軍勢であろうとも所詮は亡霊
大統領と同じく中身のない虚ろな影です
「早業」「ロープワーク」で鎖を舞わせ「衝撃波」を発生
攻撃を防御しつつ周囲を破壊しその瓦礫を巻き上げ
「闇に紛れ」て間合いを詰めます
相手がレーダーや特殊スコープで我が実態を掴もうとしても
「結界」を張って探査を阻害しましょう
あとは「オーラ」に投影した私の「残像」たちでも
相手にしていてもらいましょうか
素敵な悪夢と共に朽ち果てなさい
世界中から軽蔑と嫌悪の視線を注がれ
唾棄して追われる無様な己の悪夢を
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「ふふ」
黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は笑う。其の蠱惑的な笑みには、確かな嘲笑が混じり入っている。
「本当のナイスガイならば、大統領などというただの肩書ごときで己を誇示したりはしないものですよ」
薄っぺらい三文役者さん。
小首を傾げた少女に、銃が一斉に向けられる。其の引鉄が引かれないのは、命令がないから、ただ其れだけだ。
「誇示などしていないとも。ただ私を表す言葉がそれしかなくてね。気分を害したなら謝ろう、レディ。――しかし残念だ。会うのがこの場所でなかったなら、口直しのダンスに誘う所だが……」
私達は出会ってしまった。敵として。ならば撃つしかあるまいよ。
プレジデントが手を上げる。其れが全ての合図だった。
魅夜は前列の兵が引鉄を引く前に鎖を操る。ぐるん、と大きく回せば其れは見えぬ衝撃を生み、まず前列の歩兵たちを蹴散らす。
ばちばちばち、と音がする。鎖が弾丸を捉え、弾く音。戦車のきゅりきゅりとした音を聞きながら、破壊した周囲の建造物の瓦礫の影へ魅夜は消える。
「敵位置不明! 探索班!」
「判りません! 瓦礫の影に入った途端……なんだ……?」
ひら、ひら、ひら。
蝶が舞う。
真っ赤な胡蝶が周囲を舞い、鱗粉を舞わす。
「蝶……?」
およそ戦場の尖った空気に似合わない彼らは、気ままに宙を舞う。其の鱗粉を受けた男の腕が、ぼろり、と崩れた。
「……は?」
其の美しさに見とれてはいけなかった。…いいや。其の蝶の間合いの外に、彼らは早く出るべきだった。最早手遅れだが。蝶は全てを侵食し破壊する死の鱗粉を振りまきながら、周囲に喧噪をもたらす。其れは魅夜が紛れるに丁度いい喧噪。
武器と手を失い喘ぐもの。
頭の装備を失い周囲を見回し身を護るもの。
仲間に駆け寄る足を失うもの。
「ふうん……レディ、君はなかなかに残酷だ」
「ええ、そうでしょうとも。私は悪夢と共にやって来るのよ、知らなかったでしょう」
あらゆる光学装置の合間を結界ですり抜け惑わしながら、新たにやってきた戦車部隊をも破壊の狂乱に巻き込む魅夜。
躍る残像を銃弾がでたらめに穿つ。だが当然そこに彼女はいない。
まさに悪夢のような光景だった。
素敵な悪夢と共に朽ち果てなさい。世界中から軽蔑と嫌悪の視線を注がれ、唾棄して追われる無様な己の悪夢と共にね。
大成功
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夜刀神・鏡介
プレジデントのお出ましか。全人類をオブリビオンと化して一体何の意味があるのやら
ま、聞いた所で仕方ない。俺達は相容れないものな
神刀を片手に『八咫烏』に乗って戦場へ
召喚された軍勢に対しては一番層が薄い場所に向けてバイクで騎乗突撃
周辺の建物などを壁にしながら強行突破して一度距離を取る
そこで神気を練り直し、陸の秘剣【緋洸閃】を発動
バイクに乗ったまま、刀の雨で軍勢を纏めて攻撃しながら一気に突破
駆動音で位置を把握されるにせよ、速度の有利は捨てがたい
この際なので、大統領にも直接バイクで体当たり……受け止められるだろうからぶつかる寸前でバイクから飛び降り、奴がバイクに対応している間に渾身の一刀を叩き込む
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「全人類をオブリビオンにして何の意味があるのやら」
夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)ははてなはてなと首を傾げるが、答えが返ってくるはずもない。相容れぬものに聞いたところで、其れを受け入れる訳もない。
ならば戦うしかあるまいと、大型バイク“八咫烏”に乗って戦場へと駆け入る。
「撃て」
プレジデントの非情な言葉一つ。前方の再編成された歩兵たちが鏡介に向かって銃弾を放った。バイクのハンドルを一気に切り、建物の影に一旦逃げ込む鏡介。じゅいん、とコンクリートを削る音がする。其れが一旦やんだところでもう一度、うおん、とバイクのエンジンを鳴らした。
神気を練る。建物の影から飛び出せば、歩兵たちとの距離は思ったより近付いていた。成る程、銃声が止んだのは包囲しようとしていたからか。
だが、近ければ話は早い。鏡介は刀の封印を解き、天に掲げる。練り上げた神気が宙へ昇り、紅い刀となって顕現する。
「相手は生身だ! ファイア! ファイア!」
「そうだ、生身だ。……だけど其れは、お前たちも同じだろ」
いや、オブリビオンを生身というのはどうなのかな。
僅かに逡巡したが、そんな事はどうでもいいやと、鏡介は考えをも切り捨てた。
この場に味方は鏡介しかいない。緋色の雨は歩兵を穿ち、彼らの体感速度を鈍らせる。其の間にバイクですり抜けて、シークレットサービスへと更に緋色の雨を降らせた。
「成る程。極東の神剣かね? そういう文化はどうも……相容れなくてね」
プレジデントが笑う。
其の笑みに鏡介は応えなかった。バイクから飛び降りて蹴りを放ち、バイクそのものをくれてやった。おっと、と彼が両手で優しく――そう、優しく――バイクを受け止めるのを見ながら、神刀を振り下ろす。
「――大統領!」
間に入ったシークレットサービスごと、プレジデントを切り裂いた。
大成功
🔵🔵🔵
マリア・ルート
いいえ、知ったところで意味はある。
だからあんたを超えさせてもらうわ、プレジデント。
――さあ、クーデターを始めましょう。
軍勢は『威圧』で怯ませつつ、『オーラ防御』『激痛耐性』による防御と『野生の勘』『残像』による回避をしてUC発動可能までの『時間稼ぎ』をするわ。(『継戦能力』)
発動可能になったら軍団とUC発動可能範囲(できればミッドレンジ)の距離に陣取り【指定UC】発動。
ガトリングガンなど相手の無機物を全て武器にして私がのっとって操作する!これでプレジデント含む人形の存在に攻撃よ!
舐めないでよねプレジデント!
あんたがいくら強くても――私達はそれを凌駕して見せる存在なんだから!
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「いいえ」
マリア・ルート(紅の姫・f15057)は高らかに言う。
「知ったところで意味はある。だからあんたを超えさせてもらうわ、プレジデント」
――さあ、クーデターを始めましょう。
「総員構え!」
命令に合わせて歩兵がマリアに照準を合わせる。其の銃口が僅かに震えているのは、気のせいではない。マリアの威圧に僅かにだが、怯えている兵士がいる。
「くそっ……撃てぇ!」
其れは小隊指揮官も同じだったらしい。其の恐怖を打ち払おうと、歩兵たちに発射を許可する。同時に背後の戦車部隊も砲撃を開始する。完璧だった街並みが、砲弾と銃弾によって再び瓦礫へと変わっていく。
マリアは其れを踊るようにかわす。時に残像を残して囮にし、時に銃弾の雨の中を痛みに耐えながら走る。
「あの女……銃撃を受けてもピンピンと……!?」
「迷うな、撃て! 大統領を護れ!」
――しかし、時は来る。
走り回っていたマリアが、ふと立ち止まった。其れは諦めたからではない。
銃口と砲弾の間合いに大胆に入り込み、そして、
「悪いけど、ここから逃げ切れると思ってる?」
がちゃん、と音がした。
「は?」
歩兵が声を上げた。手に持っていたガトリングガンが、真っ二つになっている。其れはぱらぱらと鉄くずのように崩れ、マリアの傍で再びガトリングガンとして形成される。
其れは全て同じだった。戦車すら中の乗組員を残して解体され、マリアの傍にはべる事となる。ふん、と誇らしげに紅の皇女は笑い。
「ナメないでよねプレジデント! あんたが幾ら強くても――私達は其れを凌駕して見せる存在なんだから!」
「……成る程」
「大統領! お下がりください!」
銃声と砲撃の音が始まる。其れはプレジデント側ではなく、マリア側から。武器を持たぬ兵士たちは憐れ蜂の巣になって過去の海へと還っていく。
大統領を護れ、と誰かが言った。プレジデントへ向けられた銃弾を、指揮官らしき人物が額に受けて青黒い灰になった。逃げ回っていた歩兵が、其れでも大統領にはと、銃の方へ突撃して死んだ。
「……。アンタは見てるだけなのね」
苦々しくマリアは吐き捨てる。プレジデントはそうさ、と頷いた。
「私が動くとは、そういう事だからね」
大成功
🔵🔵🔵
カイム・クローバー
直接アンタに聞け、と言われてね。
質問は一つだ。(指で葉巻を吹かす真似をして)その葉巻、美味いかい?……いや。親切心で言ってやろうと思ってよ。
──この世界で最後に吸う葉巻になる。よく味わっておきな。
召喚された軍勢を前に口笛。
こいつは壮観だ。俺を出迎える為に総出で休日出勤かい?ご苦労なこった。
ま、出勤して貰って悪いが──命をくれてやるつもりは無いんでね。
軍勢の真ん中に飛び込む。爆弾?ミサイル?
最高だ!此処で爆発しようものなら軍勢そのものが吹き飛ぶぜ。下手すりゃ大統領ごとだ!
一瞬の動揺に乗じて二丁銃でUC。ついでに大統領の頬をワザと掠める。
『直接手を下さずに俺を殺す?笑わせるな』という意味を込めて。
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「直接アンタに聞け、と言われてね」
銃口が向いている。其れをものともせず、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)はプレジデントを紫電の瞳で見上げた。
「ほう、何かね? 答えられる範囲で答えよう」
「質問は一つだ」
すう、ふう。
葉巻を吸う真似をするカイム。
「……其の葉巻、美味いかい?」
「……。ふ、はっはっはっは! ああ、美味い。私の数少ない贅沢だからね」
「ご冗談。――……ああでも、質問は親切心なんだぜ?」
――この世界で最後に吸う葉巻になる。よく味わっておきな。
カイムは歩き出す。銃口が其れに沿って動く。
何故大統領は射撃命令を出さないのか。其れは既に、カイムがフレンドリーファイアを起こしかねない位置に入っているからだ。
撃ちたくても、撃てない。じりじりと炙られるような緊張感が歩兵を苛立たせる。
其れを知ってか知らずか、カイムは其の豪勢な敵にひゅうと口笛を吹いた。
「こいつは壮観だ。俺を出迎えるために総出で休日出勤かい? ご苦労なこった」
ま、出勤して貰って悪いが――命をくれてやるつもりはないんでね。
カイムが駆けて、跳んだ! 其の瞬間、小隊指揮官が撃てと叫ぶ。ぱらぱらと玩具みたいな音を立てて放たれた銃弾は、カイムの髪を掠めていく。
彼が着地したのは戦車の上、軍勢の真ん中。銃撃がやむ。下手に撃ち込めば爆発でこちらがやられる。
「爆弾? ミサイル? 最高だ! 此処でやってみな、軍勢そのものが吹き飛ぶぜ」
下手すりゃアンタらの大事な大統領ごとな!
カイムの言葉に思わず大統領に視線を向ける軍勢。其の隙がいけなかった。カイムの二丁拳銃が火を噴いて、周囲に弾丸をばらまく。銀で造られた其れは魔性を蹴散らすもの。歩兵が青黒い灰になっていく。
「――大統領!」
誰かが叫んでいた。プレジデントの頬に、赤い筋が付いていたから。
SSは何をやっている、と怒り声がする。プレジデントは静かに其れをなぞり、血を視認して笑った。そして懐から葉巻を一本取り出すと、カイムに向けて放る。
「……なんだ、くれるのかい?」
「ああ。貰っておきたまえ、贅沢な味がする」
――直接手を下さずに俺を殺すなんて、笑わせるな。
其のカイムのメッセージが伝わったのかは判らない。
プレジデントなりの褒美だったのかもしれないし、ただの気紛れかも知れない。
大統領は何も言わず、葉巻をくゆらせて笑うばかり。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクティム・ウィンターミュート
ハッハー!!数は力、シンプルで結構な事じゃねえか!
古今東西世界の何処に行ったって変わりはしねえからな
だから、俺もそれに習ってやる
面白いマジックを見せてやろう…腰を抜かすなよ
大量の数で先制攻撃かますなら…それを上回る数で対処するだけだ
コピースタート──『Dead Copy』
お前のアメリカ陸軍、俺も使わせて貰うよ
えーと、俺の陸軍が…31万飛んで3600人、さらにそれを乗せた戦車の部隊が付いてくるってわけだ
じゃあ、呑み込み返すとしようかな
タクティクスなんて必要ない 却って足を鈍らせるだけだ
圧し潰せ、砲撃で前線をゴリゴリ押せばいいんだ!
ようプレジデント…軍勢に気を取られるなよ
【暗殺】の警戒、怠ったな
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「数は力! シンプルで結構な事じゃねぇか!」
ヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)は其れでこそだ、と頷く。古今東西、世界のどこに行ったって、其のルールは変わりはしない。
だから。
だから、“俺も其れにならってやる”。
「面白いマジックを見せてやろう……腰を抜かすなよ」
ざざっ、と宙にノイズが走った。コピースタート。走査完了。具現します。
「……な!?」
「大統領、アレは!?」
ヴィクティムの周囲に大軍勢が現れる。さながら霞から現れるように。
「えーと? 俺の陸軍が……31万飛んで3600人」
指差し数えるヴィクティム。其れはパフォーマンスだ。
「更に其れを乗せた戦車の部隊が付いてくる。いいオマケだ、気に入ったぜ」
これで戦力は互角。――いや? 俺の方がちいとばかし上か? なら、呑み込み返すとしようかな。
ヴィクティムの歩兵が前進を始める。続いて戦車が動き出す。ハッピーマーチだ、笑顔の時間だぜ。
「タクティクスなんて関係ないね、かえって足を鈍らせるだけだ。圧し潰せ!」
「し、指揮官……!」
「怯むな! 撃て! 撃……ぐあっ!!」
プレジデント側の指揮官が、ヴィクティム側の歩兵に撃たれて倒れ込む。怯えた部隊は瓦解を始めていく。戦ってのは怯えた方の負けだ。其れもまた、古今東西変わらない戦のルールといえるだろう。
プレジデントはヴィクティムを見る。細身の男が恐ろしい数の軍勢を率いて、右手を前に――前に? 彼は何を、
「っぐっ……!」
其れを庇ったのは、SSだった。肩に矢のようなものを受けて倒れ込む。
「……チ、外したか。だがな、プレジデント……軍勢に気を取られてたらこういう事が起こるんだぜ。いつだって戦争はキングの駒を狙うものなんだからな」
「成る程、勉強になる。これでまた、私の軍は強化される訳だ」
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
こうやって見ると本当にいろいろなところからかき集めてきたのですね。
しかし、どれだけ数を集めてきても、猟兵の前では紙切れと同じということをわからせてあげましょう。
先制攻撃は弾丸は建物の影に隠れてやり過ごし、当たりそうなものは【念動力】で軌道を逸らして回避します。
弾幕が途切れたら反撃開始。
【ダッシュ】で相手の懐に飛び込んで魔法剣『緋月絢爛』の【衝撃波】で【なぎ払い】ます。
これを繰り返して、敵が集まってきたところでUC【乱舞雷花】を発動。まとめて片付けます。
●
「成る程、こうやってみると本当い色々なところからかき集めてきたのですね」
銃声。
「しかし――どれだけ数を集めても、猟兵(わたしたち)の前では紙切れと同じという事を判らせないといけませんね」
銃声。
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は建物の影にいる。歩兵たちは射撃許可を得て、其処に鉛玉を集中させている状態だ。
「うーん、しかし一向に弾幕が収まらない。相手は無尽蔵の弾丸を持っている? ……いやいや、そんな莫迦な……あ」
なんて呟いていると、射撃が止まった。さて、反撃といきましょう。摩那が建物の影から飛び出して走り出した瞬間、背後の建物が轟音を立てて砕け散った。
「な、」
「アルファからオメガ、標的の排除に失敗した」
「何事ー!?」
テロ活動もまた、アメリカを彩る武装神話の一つだ。アメリカがテロを仕掛けたというよりは、アメリカが被害を受けた、という方が多いかもしれないが――其れをも武器と変えて、プレジデントは内密に摩那に向かって放っていたのだ。
――ええいままよ、これならさっさと駆けこむに限りますね!
魔法剣“緋月絢爛”を構え、歩兵へと突っ込む摩那。銃弾を視認する前に一気に速度を上げて突っ込みながら、魔法剣を振るう。斬撃は見えない衝撃波となって、歩兵と戦車部隊を襲った。銃がぶれては照準が合わせられない。
其処に更に摩那は衝撃波を畳み掛ける。近くなったプレジデントを見上げれば、シークレットサービスに守られていた。ならば、自分に出来るのはこの軍隊の排除だろう。
「……そろそろ頃合いですか! 励起せよ!」
魔法剣がひらり、七色の花弁に変わる。ばちりと花弁らしくない音を奏でながら摩那の装備武器が全て花弁へと変わり、軍勢を巻き込む形で竜巻を引き起こす。高圧電流を帯びたそれらは、触れただけで通常のオブリビオンなら青黒い灰へ返してしまう。
プレジデントはシークレットサービスにぴったりと護られながら、其れを見下ろしていた。竜巻の中心にいる摩那もまた、プレジデントを見ていた。
――次こそ。次こそ、貴方を。
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
大統領は、国民を、世界を守る人だと思っていました
オブリビオン化しても……オブリビオンの立場なりに、実は成長の糧になろうとしていたり、します?
勝手にそう思って、大統領が世界を骸の海に沈めるの、阻止させてもらいます!
【第六感推力移動ダッシュ】で戦車部隊の攻撃を急加速回避
部隊を抜けて迫り
【鎧無視攻撃】腕の黒剣鎧から刃をだして【暗殺】の刃を通そうと
するけれど、敵の方が上手
でも、そんなことは私にとって当たり前で
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】再生する。意志と激痛の経験、再生能力で止まらない
光を放ち、より速く強く
【浄化、生命力吸収】光は幽霊から力を奪い、浄化して消し去って
大統領に、刃を届かせる
●
「大統領は、国民を、世界を護る人だと思っていました」
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は悲しそうに呟く。でも、と。
「オブリビオン化しても……オブリビオンの立場なりに、実は成長の糧になろうとしていたり、します?」
其れは判らない。プレジデントの考えは、プレジデントにしか判らないから。でも、ナイはそういう事にした。大統領の目論みを阻止して、彼の思惑通り、成長して見せます!
ナイは加速する。
歩兵を蹴り飛ばし、戦車の間をすり抜ける。戦車の砲撃を急加速してかわし、他の戦車に当てていく。
部隊を抜けて、一気にプレジデントへ迫る。けれど。
「特殊歩兵部隊、構え」
プレジデントの命令を受けて、ナイの刃を受け止めたのは黒い装束の部隊。そのまま数度やりあいながら、ナイを大統領から引き離す。
「(敵の方が上手……)」
ナイは刃の傷を負いながら、でも、と心中で紡ぐ。そんなの、当たり前。判ってる。この人達の方が、戦いの腕前は上に決まってる。
だけど私は、死なないから。
だけど私は、死ねないから。
だから、怪我した分だけ強くなる。より速く、より強くなって、特殊部隊の人を押し返す。
「こいつ、傷が治って……!?」
「避けろ!」
「!」
咄嗟に特殊部隊員が横へ転がって、ナイの斬撃が空を切った。
其処へ凄まじい音の銃声が響き渡る。痛い。熱い。焼けた鉄の気配がする。
歩兵が戦車部隊をすり抜けて、後方へ配置し直したのだと知る。其の分だけナイは強くなるけれど、でも、痛いのには変わりない。ナイはいちかばちか、大統領が保護されていった方へと駆けた。走って、走って、跳ぶ。歩兵越しに、特殊部隊員越しに、プレジデントの巨体が見えた。
「――そこ!」
聖者の光が部隊員を消し去って。ナイの刃が、プレジデントを切り裂いた。
ねえ、これで良いんですよね?
私、もっと強い私に、一歩でも近付けたでしょうか。
大成功
🔵🔵🔵
寺内・美月
アドリブ・連携歓迎
「亡霊総軍に命令、全軍突撃」
・〖霊兵統帥杖〗の効果を使用し、此方も敵軍主力やシークレットサービスの攻撃を耐えうる物量の特殊部隊および護衛の機械化歩兵部隊を召喚。通常兵器だけでなくNBC兵器にも対応できるよう準備。
・先制を受け流したら隙を見て指定UC発動。公文書館の資料に記入されている『実際に編制された数』を遙かに上回る20個砲兵軍団を召喚。
・他戦線で展開中の正面軍にてワシントンを包囲させつつ、こちらは大規模な砲火力によって敵野戦軍を殲滅する。
・もし敵軍が増えるならば、此方も〖霊兵統帥杖〗を用いて更に動員し質も物量も押し切られないように奮戦。
・大統領の討伐は他の猟兵に任せる。
朱鷺透・小枝子
…人の居ない国。
亡国の主を操縦。BS-B朧影を主の周囲へ伸ばし念動力のオーラ防御。
ミサイルや大砲等の弾丸を朧影の武器受け流しで軌道を逸らして対処し、【眼倍】を起動、超視力で持って敵位置を把握。
王と、兵士だけがいる国。
……人がいない。
パルスガトリングの徹甲榴弾弾幕で周辺の敵を、潜む建造物ごと粉砕。
瞬間思考力、更に朧影を生やして操り、その先端を付近に潜む敵へ、吸血貫通攻撃。
こんなモノ、国ではない!
壊せ、こんな歪な国を、この国の王を、壊せ、亡国の主よ!!
呪詛ブレス攻撃、熱線の如く大統領へ放ち、早業、跳んでメガスラスターで推力移動、ブレスで脆くなったプレジデントへ騎兵刀の重量攻撃を叩きつける!
●
寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)はオブリビオンを使役している。其の数は数千とも、数万とも言われる。
其れが何故かは知らないが、使える物は使うべきだと、美月は祖父から教わった。だから今日も“霊兵統帥杖”を振るう。
「亡霊総軍に命令、全軍突撃」
機械化歩兵と、其の影に隠れた特殊部隊員。霊兵は美月の命令に従い、進軍を開始する。
「……人のいない国」
朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は静かに、亡国の主のコクピットで呟いた。集団戦は任せて欲しい、と美月に言われたから、小枝子はただプレジデントを狙えば良い。
「王と、兵士だけがいる国。……人がいない」
美月の部隊とプレジデントの部隊がぶつかる。歩兵の射撃は機械化歩兵に通らず、機械化歩兵の鉛玉が一方的にプレジデント側の歩兵を蹂躙していく。
プレジデントの傍にはぴったりとシークレットサービスが付いている。プレジデント側の超遠距離支援兵が、美月の特殊部隊員の頭を打ち砕いた。
殺し、殺される戦場。小枝子は其れが許せなかった。
「こんなモノ、……こんなのは、国ではない!!」
亡国の主のパルスガトリングが、周囲の建物と敵を破壊していく。機械化歩兵の歩みを助けるように、徹甲榴弾は砲撃を繰り返すプレジデントの戦車部隊を蹂躙した。
「壊せ! こんな歪な国を、この国の王を、壊せ! 亡国の主よ!」
亡国の主の龍めいた頭部、其の顎が開いて呪詛のブレスが放たれる。其れはシークレットサービスと、護られるプレジデントへと真っ直ぐに。シークレットサービスがピッタリとくっついて守ったが、幾名かが青黒い灰となって消えた。
「……」
美月はそんな小枝子の叫びを、戦乱の喧噪の隅に聞き置いていた。片目を瞑り、僅かに考える。だが、敢えて指摘する事もあるまいと冷静に霊兵を指揮する。
「頃合いでしょう。 全打撃部隊に発令、『地獄雨』を発動」
砲兵たちが其の砲撃で答える。点ではなく面を制圧する其の砲撃は、次々とプレジデント側の歩兵たちを蹂躙し、更には戦車部隊をも蹂躙せんと迫る。特殊部隊員がするすると滑るように移動し、現況を美月に伝達する。勿論、小枝子の事もだ。
「壊せ! 壊せ!!!」
小枝子はただただ狂兵のように亡国の主を駆る。スラスターで移動して跳躍、ブレスを吐いた亡国の主の口が閉まらぬうちに、騎兵刀を振りかざす。
「大統領!」
シークレットサービスの一人が、プレジデントを横合いへと引っ張る。その直後、プレジデントのいた場所に騎兵刀の一撃が突き刺さり、アーカイブス・ワンごと破壊した。
大成功
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フレスベルク・メリアグレース
元アメリカ合衆国大統領……アース系世界において最大最強を誇る国家の元首……
わたくしも聖教皇国の教皇として負けられませんね
大統領の軍勢による先制攻撃は、サイキ・アンリミテッドレールガンとエンジェリックSAA・ガイオウガのエネルギー放出で薙ぎ払って対処します
竜神親分様と火山司る帝竜(イフリート)の力を内包せしこの二丁、薙ぎ払うには充分です
そして、UCを起動
様々なキャバリアに乗った我が騎士達が殺竜武器を持って精鋭アメリカ陸軍兵を相手取ります
わたくしはここですよ、プレジデント
その陸軍と聖騎士が戦う様子に気を取られていたプレジデントの元へヴォーパルソードを振るって近接戦を挑んでいきましょう
●
元アメリカ合衆国大統領。
アース系世界において最大最強を誇る国家の元首。
――其の威光がどれほどのものだったのか、正確にはフレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)は知らない。だが、フレスベルクもまた聖教皇国の教皇として一国を背負う身。負ける理由は見当たらない。
プレジデントの歩兵が鉛玉を放つ。超電磁砲と魔導銃で其れ等を薙ぎ払い、フレスベルクは進む。嘗て戦った敵の力を宿せし二丁なら、薙ぎ払うには充分だ。
だが、フレスベルクは今は一人だった。一人では物量に押し負けるかもしれない。ならば、仲間を増やせば良い。
「――我が騎士たちよ!」
教皇の声に応えて、天からキャバリア達が降り立つ。其の手には銃型、剣型、様々な殺竜兵器を持って。
プレジデントたちの部隊は、其れをぼんやりと見ていた。彼らのいた過去にはヒト型兵器など存在していなかったからだ。其れはまだ人の夢とうたわれていた頃だったからだ。だから其れがまさか本物で、自分たちを攻撃してくるなんて、思わないじゃないか。
「ヒト型兵器……? き、来ます!」
「砲撃開始。航空戦も考えたまえ、ステルス性能を持った機体を飛ばすんだ。まだ距離はある、爆撃の準備を」
プレジデントは各指揮官に命令を下しながら、戦況を見守る。盛大に破壊されたアーカイブス・ワンの比較的安全な高所に立って、不利だと悟る。
相手は見た事のないロボット。弱点があるかどうかも、乗組員がいるかすら判らない。砲撃で潰すしかないが、其れを許せばあの姫君が歩兵のように――
「――考え事とはずいぶん余裕ですね、プレジデント」
そう、来るかもしれなかったから。
ヴォーパルソードを振るい、フレスベルクは真っ直ぐにプレジデントの首を狙う。首を逸らして其れを皮一枚譲って避けたプレジデントは、まだ幼い少女の太刀筋、その迷いのなさに笑った。
「やあ、姫君。ごきげんよう」
「もうお別れの時間です。貴方は長居し過ぎた、そろそろお暇する時間です!」
更に振るわれた剣を、鋼鉄の腕で弾く。指揮官は見守るもの。そう笑うプレジデント。いいえ、指揮官とは最も前線を走るもの。フレスベルクはそう言って、剣を振るう。
戦乱は続く。そう、まさに戦乱と言ってもいいだろう。国と国の意地のぶつかり合いだ。
大成功
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トリテレイア・ゼロナイン
壮観な光景ですね、プレジデント
人の英知…戦の業を煮詰めたかのような光景です
私も、その業の結実の一つではありますが
マルチセンサーでの●情報収集と●瞬間思考力で敵の包囲状況を把握
脚部スラスターの●推力移動で常に脚を止めず格納銃器を展開
更に●防具改造、武器改造で増やした増設ブラスターキャノンで●乱れ撃ち
歩兵を蹴散らし、武器を撃ち落とし、戦車は●怪力で振るう剣盾で破壊し軍勢を●蹂躙
…私の思い描く理想の騎士は、こんな存在ではないのですがね
ですが、今は誇りましょう
無辜の人々に代わって、貴方の政策に否を唱えられる権利を勝ち得るのですから
この一閃が、その回答です!
充填していたUC解放
巨大光剣で軍勢を飲み込み
●
「壮観な光景ですね、プレジデント」
きっとこの声は聞こえないだろうけれど。トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)は呟く。
まるで人の叡智、戦の業を片っ端からかき集めて煮詰めたような光景だと、思う。でも、其れを笑う事はトリテレイアには出来ない。彼もまた、戦の業のなれの果て。矛盾を許容する奇異な機械兵なのだから。
「射撃許可! 撃て! 撃て!」
プレジデントの軍隊が動く。歩兵のガトリングガンがうなりをあげて、トリテレイアに鉛玉が迫った。
「成る程、銃弾ですか。テクノロジーの程度はやや高いようですね」
蘇った街並みなどを考えると、UDCアースの文化レベルが近いのかもしれない。トリテレイアは脚部スラスターでの推力移動で弾丸を交わしながら、あらかじめ増設しておいたブラスターキャノンを展開して乱れ討つ。光の弾が降り注ぎ、歩兵を青黒い灰に変える。そのままスラスターでの高速移動で歩兵の手薄な所へと滑り込むと、剣と盾で彼らを一息に蹴散らし、戦車を破壊した。
――トリテレイアの思い描く“理想の騎士”は、こんなものではないのに。
――悪い竜を打ち払い、お姫様を助け出す、そんな、……そんな存在に、なりたかったのに。
けれど、今は誇ろう。
無辜の人々の代わりに、プレジデントにNOを突きつけられるのだから。お前には従わないと真正面から言えない人たちの代わりに。剣を、盾を持てない人たちの代わりに、プレジデントと戦えるのだから。
「――この一閃が、私達の回答です!」
お前の思い通りになんかさせない。
柄は白い粒子によって剣となる。巨大な光剣は軍勢を呑み込み、一息に骸の海へと追いやった。
大成功
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リーヴァルディ・カーライル
…成る程。一国の主と言えるお前は、その国の軍勢その物を操る事が出来るのね
…確かに強力だけど無駄よ。数で私を止められると思わない事ね、プレジデント
敵の先制攻撃を「闇の精霊結晶」を投擲し戦場を闇のオーラで防御して覆う事で受け流し、
闇に紛れた数秒後に両眼を閉じて「閃光の精霊結晶」を破壊し、
暗視スコープ等で索敵を行う敵に強力な閃光を浴びせて視力を喪失させ、
敵の集団戦術を乱した隙にUCを発動し反響定位を用いた第六感により敵の位置を見切り、
超音波振動による斬撃波を乱れ撃ちする音属性攻撃を行う
…この世界、お前達の国の技術なら闇を見通す機械だって造れるでしょう?
確かに脅威だけど、それならそれで利用するだけよ
●
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は戦場を見回して素早く戦況を把握すると、懐から取り出した結晶を大地に叩き付けた。
ぶわ、と闇のオーラが噴き出すと同時、ぱらたたた、とガトリングガンの音がこだまする。闇のオーラが受け流してくれているが、そうしなければ自分は転移して直ぐに蜂の巣になっていただろう。
「……成る程? 一国の主と言えるお前は、その国の軍勢そのものを操る事が出来るのね。でも無駄よ。数で私を止められると思わない事ね」
其の呟きがプレジデントに届いたかは判らない。ただ、見据えた男は黒服に守られながら、葉巻を優雅にくゆらせていた。其れが無性に癇に障る。
イライラを収めるように目を閉じ……もう一つリーヴァルディは結晶を取り出し、指先でぱりんと割る。
――カッ!
閃光が解き放たれて、あちこちで悲鳴が上がる。矢張り、と目を閉じたままリーヴァルディは確信する。
「うわああああ!」
「目が、くそっ、目が、何も見えない……!」
「隊長! 索敵班が……!」
軍隊ならば明確な役割分担があるものだ。指揮をするもの。引鉄を引くもの。照準を合わせるもの。そして敵を探すもの。
――この世界、この国の技術レベルなら、闇を見通したり遠くを見る機械だって造れるのでしょう。其れは確かに脅威だけど、其れなら其れで利用するだけよ。
リーヴァルディは闇の中、目を閉じたまま耳を澄ます。例えばイルカやコウモリが音波の反響でものの位置を探るように、リーヴァルディは超音波振動による斬撃波を打つ。当たる感触と悲鳴。ざわざわとした人のざわめきを聞き取り、位置を把握しながら、闇に包まれた世界を走る。
斬撃波もまた音の波。跳ね返ってきたものを捉えて、障害物がない事を確認すると、更にリーヴァルディは攻勢を強めていった。
大成功
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ラブリー・ラビットクロー
【ネットワークに接続されました】
凄い大部隊
そーやってセカイを虐めてきたんだ?
【世界各地に散らばったビー玉へ映像を中継し投影します】
ヒトを永遠にする?そんなのよけーなお世話
ヒトは未来を目指して輝いてん
ホントの永遠はな
ドレイにしたり
奪ったり
殺したり
そんなの全然必要ねーのん
【賛同人数を集計中】
みんなのユメと笑顔の輪を繋いでいく事がホントの輝く永遠なんだ!
お前にそれができるもんか!
【各拠点の防衛システムへのアクセス権限がマザーシステムに譲渡されました】
らぶがみんなのユメを叶えてやる!
【軍事衛星にアクセスしました。レーダー照射目標:アメリカ軍】
だってらぶは
ヒトのユメを叶える大ショーニンなんだ!
【発射】
●
【ネットワークに接続されました】
ラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)は歩兵の前に立っている。プレジデントを真っ直ぐ見上げる赤い目は透き通っている。
この世界では珍しい目だと、プレジデントは思った。だが、思えば猟兵はみんなあのような目をしているな。
「すごい大部隊だね。そーやってセカイを虐めてきたんだ?」
【世界各地に散らばったビー玉へ映像を中継し投影します】
「虐めるとは酷いな。私は私の信念に従っているまでさ」
「ヒトを永遠にする? そんなのよけーなお世話なのん」
――ビー玉を通して、ラブリーの姿が投影されている。
――其れを、アポカリプスヘル中の人が見ている。
――ビー玉を渡したあの人や、この人が、見てくれている。
「人は未来を目指して輝くのん。ホントの永遠はな、ドレイにしたり、奪ったり、殺したり、そんなの全然必要ねーのん」
「判っているとも。だから私は、オブリビオン化を推し進めている。奴隷にもしない、奪ったり殺したりもしない」
【賛同人数を集計中】
――ラブリーの言葉に、頷く人がいる。
――そうだ、と言う人がいる。
「みんなのユメと笑顔の輪を繋いでいく事が、ホントの輝く永遠なんだ! お前に其れができるもんか!」
【各拠点の防衛システムへのアクセス権限がマザーシステムに譲渡されました】
「出来るとも。君は何をもって、オブリビオン化を否定するのかな? オブリビオンになっても笑顔にはなれる。人間のように生きる事が出来るのに」
「そんなの違う! 其れは永遠じゃねーのん! 其れはホントの幸せじゃねーのん!」
【軍事衛星にアクセスしました。レーダー照射目標:アメリカ軍】
――そうだ、違う。
――頑張れ。頑張れ、猟兵のお姉ちゃん。
――俺たちは、生きていたいんだ!
「だってらぶは、……らぶは!」
「大統領! 軍事衛星がハックされています! 既に発射シークエンスに移行して、目標は――」
「ヒトのユメを叶える大ショーニンなんだ!」
【発射】
――閃光が、全てを呑み込んだ。
大成功
🔵🔵🔵