アポカリプス・ランページ⑫〜戦車、はしゃぐ(作者 ささかまかまだ
5


#アポカリプスヘル  #アポカリプス・ランページ  #フィールド・オブ・ナイン  #スーパー戦車  #アポカリプス・ランページ⑫ 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アポカリプスヘル
🔒
#アポカリプス・ランページ
🔒
#フィールド・オブ・ナイン
🔒
#スーパー戦車
🔒
#アポカリプス・ランページ⑫


0




「集まってくれてありがとう……その、今回は厄介な仕事を頼みたい」
 どこかバツの悪そうな表情を浮かべつつ、茜谷・ひびき(火々喰らい・f08050)は猟兵達を出迎える。どうやら今回も戦争の案内らしい。
「今回の敵は『スーパー戦車』、フィールド・オブ・ナインの一体だ。間違いなく強敵ではあるんだが……何だか様子がおかしくてな」
 そう話しつつ、ひびきはグリモアで敵の姿を映し出す。そこにいたのは多くの猟兵が予知で見たスーパー戦車の姿があった。
 トゲトゲやチェーン、大きなフラッグなどで飾られた巨体はもちろん気になるが――それより目立っているのは、蠢く何本ものロボットアームだ。
「この状態のスーパー戦車は主砲である『スーパー戦車砲』を使わずに、猟兵を生け捕りにしようとしているみたいなんだ。けれど生け捕りっていうのもこいつの主観で……最終的には死体だろうと持ち帰ろうとするだろうな。自律思考の中身は子供みたいに純粋だが、こいつは凶悪なオブリビオンだ。でもその純粋さは利用も出来ると思うぜ」
 スーパー戦車は好奇心に溢れる子供らしさとフィールド・オブ・ナインの凶暴さを兼ね備えた存在だ。普通に戦えばなかなか苦戦する相手だろうが……だからこそ、付け入る隙もある。

「スーパー戦車は面白いもの、ビックリするものを見れば素直にそれに見惚れるぜ。それに最初は生け捕りにしようとしてくるから、捕まってすぐに殺される訳でもない。だからここは敢えて敵に捕まって、そこから逆転するのがいいんじゃないかって思うんだ」
 最初は捕縛され苦戦を演じ、そこから相手を驚かしつつ華麗に反撃。
 敵の性質を活かしつつ勝つには、なかなか良い手段ではないだろうか。
「ロボットアームは普通にこっちを捕まえてくるタイプのもあれば、先端が釘や刃物みたいになってて突き刺して捕まえてくるやつもある。どのアームにどう捕まって、どう脱出するか……それがポイントになるだろうな」
 ロボットアームを何らかの手段で破壊したり、突き刺された状態からの逆転劇を見せたり。他にもスーパー戦車が驚くような方法なら、きっと勝機も掴めるだろう。

「相手は巫山戯てるけど強敵だ。くれぐれも生きて帰ってきてくれよ。それじゃあ、気をつけて」
 話を締めくくり、ひびきは転移の準備を進めるのだった。


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 わわんわん。

 ※このシナリオは「やや難」です。
  頑張っていきましょう。

●プレイングボーナス
 あえて捕まり、驚くほどピンチになった後、敵が驚嘆するような方法で脱出し、反撃する。

 スーパー戦車は無数のロボットアームで猟兵を捕まえにきます。
 「普通に掴んで捕まえるタイプ」と「先端が刃物や釘のようになって突き刺したり出来るタイプ」のアームが中心のようですが、他にも色々あるかもしれません。
 こんなアームの対処をしたい、というのがあればプレイングに記載して下さい。
 そして華麗に脱出し反撃しましょう!

●『スーパー戦車・エクスペリメントモード』
 「フィールド・オブ・ナイン」の一体、体高30mの自律思考型巨大戦車です。
 猟兵達の活躍により「禁断のコンピュータウイルスを籠めた侵蝕プログラム弾」を撃ち込まれ弱体化していますが、それでも強敵であることに変わりはありません。
 車体から不気味な機械音を響かせており会話に応じることはありませんが、なぜかこちらの言葉は理解しているようです。

 戦場は廃墟と化したダラスです。
 広大な更地となります。


 オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。断章の追加はありません。

 シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
 また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。

 それでは今回もよろしくお願いいたします。
108




第1章 ボス戦 『スーパー戦車・エクスペリメントモード』

POW ●ピースフル・キャプチャー
【邪悪な好奇心】を籠めた【捕縛兵器】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【行動自由度】のみを攻撃する。
SPD ●ホーミング・キャプチャー
【誘導式捕縛兵器】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ ●キャプチャー・フラッド
【捕縛兵器の発動】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【キャプチャーマシン】で囲まれた内部に【大量捕縛兵器】を落とし、極大ダメージを与える。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』唯一忍者
一人称:わし 豪快古風

対処は突き刺す系のかの?…ちとトラウマかするんじゃが(死因:腸食われた)
で、このときに黒燭炎取り落としておけばよいじゃろ。

アームの先を掴もうとして、このときに両手を包むような形で中に影を作る。これは『義透の影』だからの…陰海月、ここより触手を伸ばして指定UC効果にて壊せ!

で、たぶん、空中になるから、そのまま出てきてもらって陰海月に乗るか。
黒燭炎回収がてら、触手による地形破壊レベルの雷属性アタックしておけばよいかな?


陰海月「ぷきゅっ」
影作戦知ってる。やる気満々。でも、無茶するなぁって思ってる



 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)を構成する悪霊の一人、『侵す者』は相棒である陰海月と共に広い荒野に立っていた。
 視線の先にいるのは――とてつもなく巨大な戦車。あれこそがフィールド・オブ・ナインが一体、スーパー戦車に違いない。
「相手は強大だ、戦いは険しいものになるだろう。陰海月、作戦は把握しているな?」
「ぷきゅっ」
 きちんと返事を返す陰海月だが、その鳴き声はいつもより控えめだ。
 それはきっと、此度の作戦を心配しているからこそで。
「……大丈夫だ。わしらが力を合わせれば必ず勝てる」
 だからこそ義透は力強く頷いて、陰海月へと笑顔を向ける。
 その様子に陰海月も覚悟を決めたのか、義透の影へとぽちゃんと身を沈めたようだ。
 それと同時に――スーパー戦車の魔の手が、義透の元へと迫ってきていた。

 スーパー戦車が伸ばしていたのは釘のような機械腕だ。
 義透も黒燭炎で打ち払うフリをしてみるが……抵抗虚しく、釘の先端が深々と義透の身を貫いた。
「ぐっ……」
 似たような状況から腹を食われたことを思い出し、思わず冷や汗が出てしまうけれどここは冷静に。
 義透が腕の力を緩めれば、黒燭炎はカランと地面へ落ちた。
 スーパー戦車は他の機械腕を構え、義透の元へと少しずつ迫らせている様子。
「離さんか、このデカブツめ……!」
 どうにか抵抗しようと義透は釘に手を伸ばし、けれどしっかりと相手のことは掴まない。
 両手を包むような形を作り上げれば、そこに生じるのは自身の影だ。そしてそこからは――。
「……陰海月!」
 ふいに、影の中から半透明の触手が伸びる。
 その触手が勢いよく釘を殴れば、一瞬にして釘は崩壊。拘束から脱出しつつ、義透は足元の影へと視線を向ける。
 そこから改めて飛び出すのは、功績者の陰海月だ。
「ぷきゅっ!」
「行くぞ、反撃じゃ!」
 陰海月に乗りつつ黒燭炎を回収し、義透はスーパー戦車との距離を詰めていく。
 相手は突然飛び出してきた陰海月へと興味を示しているようで、機械腕を再びわらわらと差し向けるが――ここからはもう遠慮はいらない。
 義透が黒燭炎で地面を突き刺し衝撃を起こせば、スーパー戦車の巨体が揺らぐ。そこへ向け、陰海月が放つのは強力な雷だ!
 二人の連携によりスーパー戦車の目論見は崩れ、立派な巨体に確かな傷が刻まれていったのだった。
大成功 🔵🔵🔵

夜刀神・鏡介
フィールド・オブ・ナインの一角、スーパー戦車……
純粋、無邪気とはいうが、とんでもない力を持った奴がこうだと寧ろ恐ろしい
後の事もあるけれど、それとは関係なしに確実に倒しておきたいな

まずは神刀の封印を解除。通常タイプのロボットアームに捕まる前に、素早く一度斬撃を食らわせておく。一見すると何もおきないが、これは後の布石
その後、アームに捕まり戦車元へ(車体の上で宙吊りに)
少々の間なすがままにされるが、最初に食らわせた斬撃が時間差で発動し、アームが切断される

落下の最中、足元に向けて斬撃波を放って棘を壊してから、神刀に黒い神気を纏わせる
そのまま、落下の勢いを乗せて戦車本体に肆の秘剣【黒衝閃】を叩き込む



 猟兵の攻撃を喰らいつつも、スーパー戦車の好奇心は揺るがない。
 不気味だがどこか楽しげな機械音を鳴らしつつ、巨体は未だ荒野に聳え立っていた。
 その姿の迫力に小さく息を吐きながら、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は神刀【無仭】の柄に手をかける。
「フィールド・オブ・ナインの一角、スーパー戦車……」
 発する音にアームの様子。そこからは確かに純粋、無邪気な気配は感じている。
 けれどそれ以上に感じているのは、相手のとんでもない力だ。
「後の事もあるけれど、それとは関係なしに確実に倒しておきたいな」
 覚悟を決めて、鏡介は刀の封印を解き放つ。
 強敵相手に遠慮は無用だ。鋭い視線で迫る機械腕を睨みつつ、鏡介は堂々と刀を構えていた。

 相手の様子は無邪気だが、やはり凶悪なことには変わりなかった。
 一切合切容赦なく、戦車は機械腕を鏡介に目掛けて振り回す。
「くっ……させるか!」
 抵抗として斬撃を一度放ってみるも、金属のぶつかり合う音が響くだけ。
 次の瞬間には鏡介の身体は機械腕に囚われて、戦車の元へと運ばれていく。
 相手はただの機械なのに、何故だかこちらを覗き込まれているような感覚があるのが不気味だった。
「何をするつもりだ、離せ!」
 精一杯身をよじり、どうにか拘束から逃れようとする鏡介だが……力は当然相手の方が強い。
 誰がどう見ても絶体絶命。鏡介は目を伏せて、諦めたかのような表情を浮かべている。
 でも、これはあくまで演技。
「……そろそろ、だろうな」
 次の瞬間、鏡介を捕まえていた腕がぱっくり二つに割れた。先程放っていた斬撃が時間差で発動したのだ。

 拘束から逃れた瞬間を見計らい、鏡介は自身の下方にも斬撃を手早く放つ。そこにあったのは戦車の巨体を彩る棘だった。
 神刀の刃をもってすれば、あの程度の障害はあっさりと打ち砕ける。そのまま刃に黒い神気を纏わせれば、最後の仕込みも完了だ。
「神刀解放。剛刃に依って地を穿つ――肆の秘剣【黒衝閃】」
 戦車目掛けて撃ち込むのは、地を穿つ神刀の一刀だ。
 至近距離で神気をまともに食らっては、神の一柱だろうと容赦なく切り裂かれる。
「真に斬ると決めたもの……無事に断つことが出来たな」
 悲鳴のような機械音を耳にしつつ、鏡介は地面へと華麗に降り立つ。
 彼の示した覚悟は、着実にスーパー戦車の力を削いでいったのだ。
大成功 🔵🔵🔵

ゲニウス・サガレン
【連携歓迎】

うーむ、私では牽制と拘束が精一杯か、頑張ろう

アイテム「潜水作業服」、まあ地上だけど念のため……
おっと、そんな昔懐かしいロボットアームに捕まるものか
……は、速い!? 捕まった!?

さて、ここからだ
UC「水魔アプサラー召喚」
ダラスは元々河川の交差地点の街だ
地下水も含めれば水には困らない

アプサラーよ、友よ、君の力を見せてやれ!

地下水の濁流を戦車の直下に集めて、地面を泥沼化する!
キャタピラでは脱出に苦戦するだろう

アイテム「フライング・シュリンプ」&「沈滞の投網」
金属の投網を有翅エビを使い、キャタピラに絡ませる

私は潜水服を抜け殻のごとくぬるっと脱ぎ捨ててアームから脱出だ
後は仲間の猟兵に任せよう



 ガシャン、ガシャンと音を立てつつスーパー戦車は猟兵達を狙い続けている。
 果たしてどう戦うべきか。少し離れた位置から敵を観察しつつ、ゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)は小さく唸る。
「うーむ、私では牽制と拘束が精一杯か、頑張ろう」
 あの巨体を打ち倒すことは出来なくても、何かしらの結果は残せるはずだ。
 そう決心し、ゲニウスが取り出したのは――まさかの潜水作業服。しっかりと作業着を装備した頃に、敵も此方に気付いたようだ。
 見れば戦車はロボットアームをうねらせて、一斉に差し向けてくるではないか。
「おっと、そんな昔懐かしいロボットアームに捕まるものか」
 作業着を着込んでいるにも関わらずゲニウスの動きは俊敏だ。
 けれど相手の物量も速度も凄まじく――。
「……は、速い!? 捕まった!?」
 ゲニウスは機械腕にがっしりと掴まれて、宙ぶらりんの状態にされてしまった。絶体絶命、大ピンチである。

 ぶんぶん持ち上げられては地面が遠い。けれど地面が見えているということは……まだまだ出来ることはある。
 掴まれた腕をなんとか動かし、ゲニウスが取り出したのは小さな壺だ。
「魔力の流れ、水の気配……双方問題なしだね。それじゃあ……アプサラーよ、友よ、君の力を見せてやれ!」
 ざぱん!
 壺の中から水の音が鳴り響けば、そこから飛び出したのは流水の悪魔・アプサラーだ。
 そのままアプサラーは地面の中へと潜っていき、そして大量の地下水を引き連れて戦車の元へと浮かび上がる!
 この世界のダラスは荒野になってしまっているが、元々は河川の交差地点の街だ。ならばよく探せば地下水だって残っているだろう。
 アプサラーが呼び出した水は戦車の周囲を泥地へと変えていき、巨大なキャタピラの動きを阻害していく。
「っとと……更にもう一つ、これもおまけだ! フライング・シュリンプ、頼んだよ!」
 衝撃で拘束が緩んだのを見計らい、ゲニウスは更に頼もしい仲間達――空飛ぶエビの大群を呼び出した。
 彼らは協力して『沈滞の投網』を運び出し、戦車の下方へと投げ入れる。
 泥地にとられた足元に、更に修復し続ける投網も絡まされればもう大変。戦車の機動力は大幅に落ちただろう。
 しかし、これ以上揺れるアームに掴まれていては大変だ。
 ゲニウスは作業着をさっと脱ぎ捨て、アームの拘束からぬるりと抜け出す。
 どうにか地面へ着地すれば、自分の役割はお終いだ。
「よしよし、後は仲間の猟兵に任せよう」
 こうしてゲニウスは自分の知識と持てるものを用いて、スーパー戦車に一矢報いていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ヴィクティム・ウィンターミュート
へぇ、捕縛モードってやつか
こんな取るに足らない悪党捕まえたって、大して旨味も無いと思うがな
まぁいいさ、そんなに熱烈なラブコールを送りたいなら、付き合おう
だが覚悟しな…俺ぁ自由な男だからな…油断すると、ドロンだぜ

あーあ、捕まっちまった
見てくれよ、この貧相なフィジカルっぷりをさ
どう見たって、大して有益な情報も無さそうだろ
だからさ、離して欲しいんだ…頼むよ、お願いだ
じゃないとさ───後悔しちまうぜ

『Amputate』──はい、強制切除
切り離した部分はどっかの誰かのとこに行く 悪いね
じゃ、ここからはバラバラにしてやるよ
俺の忠告を聞かないのが悪いんだぜ
あんだけ言ったのにさ…優しさを疑っちゃあダメなのさ



 キャタピラをぎこちなく動かしつつも、スーパー戦車は未だ猟兵の捕縛を諦めていない。
 巨体から飛び出すロボットアームも健在で、その様はどこか大樹の枝を思わせた。
 そんな相手の前に姿を晒しつつ、ヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)はいつものように笑みを浮かべる。
「へぇ、捕縛モードってやつか。こんな取るに足らない悪党捕まえたって、大して旨味も無いと思うがな」
 彼の言葉に対し何を思ったのか。戦車は腕をぶんぶん振りつつ、虎視眈々とヴィクティムへと狙いを定めている様子。
「まぁいいさ、そんなに熱烈なラブコールを送りたいなら、付き合おう。だが覚悟しな…俺ぁ自由な男だからな……油断すると、ドロンだぜ」
 ひらりと手を振り、かけた言葉は素直な忠告。けれどスーパー戦車はそんな聞き分けの良い相手でもないだろう。
 次の瞬間には数本の機械腕がヴィクティムへと迫り――彼の身体はあっさりと金属の手中に収まった。

「あーあ、捕まっちまった。見てくれよ、この貧相なフィジカルっぷりをさ」
 態度は大きく崩さず、ヴィクティムは戦車の様子をのんびり窺う。
 確かに相手の拘束は強固であり、それこそ身体能力に特化した異能でもなければ打ち破ることは難しいだろう。
「どう見たって、大して有益な情報も無さそうだろ。だからさ、離して欲しいんだ……頼むよ、お願いだ」
 困ったように眉を下げて、身体に力を籠めて。そうして放たれる懇願も、スーパー戦車は全く意に介さない。
 むしろ既に彼(もしくは彼女)の興味は津々のようで、ゆっくりとヴィクティムの身体を手繰り寄せているが――。
「本当に離してくれよ。じゃないとさ――後悔しちまうぜ」
 次の瞬間、荒野に響いたのは凄まじい切断音だ。
 見ればヴィクティムを拘束していた機械腕は真っ二つに切り裂かれ、その破片は既に周囲から消え去っている。
 実はヴィクティムは捕まった瞬間を見計らい、切断と転移のコード『Amputate』をセットしていたのだ。
 そのままヴィクティムは乾いた大地に降り立って、再び魔術のコードを叩く。
「じゃ、ここからはバラバラにしてやるよ。俺の忠告を聞かないのが悪いんだぜ」
 ニヤリと笑って告げられる言葉に、戦車が返すのは意味不明な機械音。いや、声色から何となく把握は出来るが――多分あれは、子供の癇癪のようなもの。
 そんな悪い子には、しっかりと世界の厳しさを教えてやらないと。
「あんだけ言ったのにさ……優しさを疑っちゃあダメなのさ」
 教訓代わりと言わんばかりに、ヴィクティムは容赦のない斬撃を叩き込む。
 その衝撃で機械腕や戦車のパーツ達は儚く消え去っていったのだった。
大成功 🔵🔵🔵

アハト・アリスズナンバー
スーパー戦車かぁ……いやどうしようかなこれと思ってたんですよ。
腐ってもオブリビオンフォーミュラ。戦いには相当な力が必要です。
じゃ、それ相応の力を見せつけないといけませんね。

向こうは捕縛兵器で私を狙ってくることでしょうから、まずはできる限り近づいておこうと思います。ダッシュとランスチャージです。
まあ当然捕まりますがそこは想定済み。ロボットアームで持ってかれますけど、ユーベルコード起動。オウカ・コードによるリミッター解除した自爆です。捕まえた以上、アームは粉みじんになってもらいます。
次の私が着任したら、スナイパーによるレーザー狙撃で砲塔の中を狙い、部位破壊を狙いましょう。



「スーパー戦車かぁ……いやどうしようかなこれと思ってたんですよ」
 聳え立つ巨体を前にして、アハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)は静かに呟く。
 実際に目の当たりにした戦車の様子は思ったよりも無邪気で、それでいて凶悪で。腐ってもオブリビオンフォーミュラという訳だろう。
 ならば戦うにも相応の力が必要だ。
「じゃ、それ相応の力を見せつけないといけませんね」
 ぐっと気合を入れて、アハトは力強く荒野を踏みしめる。
 そんな彼女を出迎えるかのように、戦車はロボットアームを展開しはじめていた。

 接近の最中、アハトが握りしめたのは『アリスズナンバーランス』だ。
 ランスチャージの要領でしっかりと構え、迫るアームを迎撃しようとしたのだが――。
「……まあ当然捕まりますよね」
 何度かアームを弾いても、手数は文字通り相手の方が上だ。
 スーパー戦車は容赦なく、ランスごとアハトの身体を拘束していく。
 アームの力は強力で、使われている金属自体も特殊なものなのだろう。このままでは絶体絶命、そこでアハトが選んだのはユーベルコードの発動だ。
「オウカ・コード起動、リミッター解除。死ぬ程痛いですが……やむを得ませんね」
 次の瞬間、アハトの体内から凄まじい量のエネルギーが弾けた。
 見ればアハトの身体は大爆発、自身を拘束していたアームも巻き込み木っ端微塵に砕いていく。
 さすがの行動にスーパー戦車も困惑するような音を発していた。きっと「なんで?」とか「どうして?」とか言っているのだろう。
 そんな彼を見下ろすように――空からふわり、小さな影が飛来した。

「何してくれるんですか。死ぬほど痛かったですよ。死んだけど」
 そこにいたのは別個体のアハトだった。彼女は量産型のフラスコチャイルド、オリジナルさえ無事ならば何度でも個体を呼び出せるのだ。
 前任の記憶は勿論所持している。そして目の前の相手が倒すべき敵であることも、きちんと覚えていた。
 舞い降りたアハトはレーザーライフルを構え、スーパー戦車へとしっかり狙いを定める。
「これが私なりの相応の力です。驚いてくれたのなら幸いですが……これでお別れですね」
 出力を調整し、銃口でしっかりと砲塔内部を睨みつけ――そして引き金を引けば、先程とは違う光が荒野を照らした。
 アハトの狙撃は的確に戦車の砲塔を撃ち抜き、その力を削ぐことに成功したのだ。
大成功 🔵🔵🔵

柊・はとり
【暁光】

釘のようなアームがラブリーに迫るのを見て
咄嗟に庇いに走った
…あえて捕まるまでもなく普通に捕まったな…
痛みはあるが顔に出さないよう堪える

下手な芝居が打てなくて助かった
おい、ラブリーを離せ!
敵への恫喝は本気で
変な音出しやがって…え
こいつそんな事言ってるのか?

まるでガキだが凶悪な敵だ
だがもし機械に心があるなら
俺のUCが効くかもしれない
『普通にお母さんと遊びたい』
その想いを具現化した玩具を
証拠品として創造し突きつける

なあ…お前がやりたいのは
本当にこんな戦争だったのか
ビー玉に映る光景と
鮮やかな花火を眺めれば
暫し痛みも忘れ
…俺達を離してくれないか
頼む

お前の願いはきっと
未来で俺達が叶えるから
剣で一閃


ラブリー・ラビットクロー
暁光

らぶを庇ったはとりはまるで図鑑の虫の標本みたいで
きっと凄く痛い筈なんだ
アイツは楽しんでるかのよう
らぶも脚を掴まれて逃げられない
早くなんとかしなきゃ

アイツ何言ってんだ?
マザーわかる?
【解析音声を再生します。“ぼくは普通にお母さんと遊びたいなあ。だって永遠って退屈なんだもん”】
やっぱりらぶ達をオモチャにして楽しんでたんだ
でもチャンスだぞ
はとりの出した物に反応してる
なららぶも取引なんな
これはとっておきのタカラモノ
【ビー玉に映る映像を拡大して投影します】
楽しそうな光景が映るでしょ
それにほら
らぶの花火も打ち上げちゃえ

アームが緩んだ
今ならはとりのアームもチェーンソーで断ち切れる
一緒に未来を切り拓くんだ



 二人の猟兵がスーパー戦車と対峙して、事が大きく動くまではそれほど時間が掛からなかった。
 最初に動いたのはスーパー戦車だ。彼が差し向けたのは普通のロボットアームに釘のようなロボットアーム。その様子はまるで、子供が玩具に手を伸ばすかのようで。
 次に動いたのは柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)だ。彼は友達の元に釘アームが届きそうなのを視認すると同時に、そちらの方へと身を差し出していた。
 そして腹部を貫かれ宙ぶらりんにされた友達と共に、アームにがっしりと足を掴まれたのはラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)だった。
「はとり、大丈夫……なワケないんな」
「気にするな、あえて捕まるまでもなく普通に捕まったのは都合がいいだろ」
 下手な芝居が打てないからな、なんて呟くはとりの表情は涼しげだ。
 けれどラブリーは知っている。はとりはこんな時にそういう表情をするんだ。本当はきっと凄く痛い筈なんだ。だから、早くなんとかしなきゃ。
 虫の標本みたいにされた友達を見ているのはとても辛くて、でも視線を逸らせば見えるのはスーパー戦車という現実。
 戦車は他のアームも振り乱し、猟兵達をゆっくりと引き寄せようとしている様子。機械なのに妙に動きが人間的なのが引っかかった。

「おい、ラブリーを離せ!」
 はとりは自分の痛みも気にせずに、友人を気にかけ戦車へ怒鳴る。
 その恫喝に戦車は一瞬動きを止めて――すぐに不可解な機械音を返してきた。
「なんだ、変な音出しやがって……」
「アイツ何言ってんだ? あ、でも、もしかしたら……マザーわかる?」
 ラブリーはなんとか動く両手を使い、懐のタブレットを手繰り寄せる。すぐにアプリが起動して、ビッグマザーが周囲の音を拾い始めてくれた。
『解析音声を再生します。“怖いことを言わないで。ぼくは遊びたいだけなのに”“ぼくは普通にお母さんとも遊びたいなあ。だって永遠って退屈なんだもん”』
「やっぱりらぶ達をオモチャにして楽しんでたんだ」
「え、こいつそんな事言ってるのか?」
 確かに相手の動きは子供のようだが、発言内容まで子供そのものとは。解析結果を確認し、はとりは思わず目を丸くしていた。
 けれどこの状況、きっと何かに使えるはず。
 例え相手が機械でも、心やそれに近しいものがあるのなら――探偵は必要な答えを手繰り寄せられるのだ。
「スーパー戦車、これを見ろ」
 痛む身体に力を籠めて、はとりが差し出したのはありふれた玩具だった。
 ふわふわのぬいぐるみにちょっとレトロなミニカー。子供がお母さんと遊べるような、そんな玩具達。
 これにアームを壊す力はないだろう。敵を倒す力はないだろう。けれどこの玩具こそが状況を切り拓く、何よりも確かな証拠品だ。
「……これがお前の想いなんだろ」
 はとりが静かに紡いだ言葉に、戦車は機械音を返さない。けれど……ロボットアームが数本、そっと差し向けられているのは興味を示した証だろう。
 ラブリーもその様子を眺めつつ、再び懐に手を突っ込む。
「チャンスだぞ、らぶも取引なんな」
 ユメを叶えるショーニンだって、相手の心を読んでなんぼのお仕事だろう。
 ラブリーが懐から取り出したのは――きらきら輝く幾つものビー玉だ。
「戦車、こっちにも良いものがあるぞ。これはとっておきのタカラモノなんだ」
『ビー玉に映る映像を拡大して投影します』
 誘いに促されるようアームが伸ばされ、その先端がそっとビー玉を摘む。すると端末としての機能が起動して、周囲に更に鮮やかな景色を映し出したのだ。
 人々が手を取り合って笑う様、見たこともない大自然、どこか遠い空の景色、それから素敵なものがたくさん。
 それに合わせ、ラブリーは特製の花火をぱぁっと咲かせた。きらきらと七色が相まって、出来上がるのは夢心地のような光景だった。
 その光景にスーパー戦車は思わず大はしゃぎ。ゆらゆら動くアームの様子はやっぱり子供のようだ。
 コイツはどうしようもなく邪悪だ。でも同じくらい純粋で――きっとユメがある。

「ほら、ビー玉は楽しそうな光景が映るでしょ。花火だって綺麗でしょ。ほんとは……こういう風に、遊びたいんでしょ」
 ラブリーのかける言葉は本心からのものだった。
 例え敵だろうとユメを抱く相手なら、相応の商品をお届けするのが自分達の役割だ。
 はとりもラブリーの言葉にしっかりと頷き、更に自身の見解を述べる。
「なあ……お前がやりたいのは本当にこんな戦争だったのか。玩具にビー玉、それに花火を楽しむ気持ちがお前にもあるんだろう」
 それは自分も同じこと。ラブリーが作ってくれた光景は本当に素敵で、思わず身体の痛みも吹き飛んでしまっていて。
 戦車も同じ気持ちなら、してやれることがあるはずだ。
「……俺達を離してくれないか。頼む」
 その懇願に何か思うところがあったのだろうか。はとりの身体は少し地面に近づいて、ラブリーの足も少しだけ自由になった。
「あっ……今なら!」
 すぐさまラブリーはチェーンソーを振り回し、はとりを拘束から助け出す。腹部の傷が痛々しいけれど、それを治すのは後だ。
 はとりも氷の大剣でラブリーを助け出し、すぐに二人で顔を見合わす。
「助かった、俺はもう大丈夫だ。ラブリー、合わせてくれるか?」
「もちろん。任せて!」
 二人はそれぞれの刃を構え、一気に戦車へと肉薄していく。
 刃に乗せるのは強い想い。スーパー戦車の本当の願いを叶えるため、探偵と商人が為せる精一杯だ。
「お前の願いはきっと、未来で俺達が叶えるから」
「一緒に未来を切り拓くんだ」
 二人の放った一閃は見事に金属の巨体に刻まれていく。その時聞こえた機械音は――もしかすると、感謝の言葉を述べていたかもしれない。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シホ・エーデルワイス
アドリブ&連携歓迎


確かに大抵の人にとっては厄介な依頼でしょうが
『聖痕』の宿命を背負っている私には最適でしょう


怪しまれない様
聖銃で攻撃し最低限回避しながら接敵し
不意を突かれた演技で捕まる

される事に恐怖を感じるも
この世界で助けた人々を思い浮かべ
勇気を奮い覚悟を決める

透子…

【贄証】の発動条件クリアを最優先で
各種耐性と継戦能力で長く耐えられる様
時間稼ぎ


痛い苦しい
でも
負けない!


頃合いを見て【贄証】発動

多分敵の捕縛兵器が暴走し敵自体を拘束して
私にした実験を敵自身に行うでしょう

落ちている聖銃を拾い
敵の自戒を解かない様注意しつつ
爆炎属性攻撃の追跡誘導弾で砲身の中を貫通攻撃


私達はあなたのおもちゃではありません!



 わざと捕まり逆転する。此度のスーパー戦車との戦いは少なからず危険が伴うものだ。
 けれど決意を秘めた表情を浮かべつつ、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は堂々と戦車の前に姿を晒す。
(確かに大抵の人にとっては厄介な依頼でしょうが、『聖痕』の宿命を背負っている私には最適でしょう)
 人々を救う為なら、この身を捧げることも厭わない。そういう星の元に、シホは生まれているのだ。
 そんな彼女の想いなどつゆ知らず、戦車は容赦なくアームを差し向けてきている。
「っ、来ないで下さい!」
 鋭い言葉と共に二丁の聖銃を構え、シホも戦いを始めていく。
 けれど今行うのはあくまで演技。精一杯抵抗はするけど、最後には――シホの細い身体はがっしりとアームに捕らわれてしまった。
「は、離して……!」
 捕まること自体は想定済みだ。けれどそこから先は何もわからない。
 戦車が差し向けているのは普通のロボットアームだけでなく、釘のようなものだって含まれている。
 果たしてあれで何をされてしまうのだろう。自分はどうなってしまうのだろう。考えれば考えるほど、身体の奥が冷えるような気がした。

(でも……この世界には、守り抜いてきた人達がいる。)
 この身を犠牲にしてでも戦うのは、宿命だけではない。誰かを救いたいと思ったから此処にいる。
 脳裏に浮かぶ様々な人の名前に笑顔。それがシホの心を支え、立ち向かう勇気を与えてくれた。
(痛い苦しい、でも……負けない!)
 釘のアームが羽根を擦り傷をつけられても。ロボットアームが身体を強く握りしめても。
 シホは歯を食いしばり、耐えて耐えて耐え抜いて――。
「――悪因悪果。全ての行いによる報いから逃れられる術はありません」
 いよいよ裁きの時だ。
 シホの『聖痕』が輝けば、発動するのは埒外の力。それに当てられた戦車は混乱するように動き回り、ロボットアームで滅茶苦茶に自分を傷つけ始めた。
 その衝撃で自分の拘束も緩んだのを確認すれば、シホは翼を広げて自由に飛び立つ。
 聖銃を回収し、そのまま狙うは巨大な砲身だ。
「それが、あなたが私達にしようとした行いなのでしょう。ですが……私達はあなたのおもちゃではありません!」
 怒りを籠めて放つのは特製の属性弾だ。
 その炎は見事に砲身の中へ撃ち込まれ、爆撃が内側から敵の身体を削いでいく。
 シホの覚悟と決意が、スーパー戦車の悪意を打倒したのだ。
大成功 🔵🔵🔵

ルドラ・ヴォルテクス
●アドリブ連携OKです

『捕縛兵器接近!回避を!』

わかってる、策はある。

【アーディシェーシャ】
捕縛兵器はあくまで前座、奴の狙いは別にある!

リミッター解除、限界突破、タービュランス、インシネイトで迎撃する!だが、これもいずれ限界がくる。
そこが奴の油断を誘う狙い目。

大量捕縛兵器を落とす直前にアーディシェーシャで無力化する。
分析の準備を進めていた奴が再度攻撃に転じるまで時間があるはず。

その隙に、エレクトロキュートの放電爆破で機能を一時麻痺させ、装甲を破るアンピュテイターで溶断、隙間にラプチャーズをばら撒いて内部から焼夷炎上弾で燃やし切る。

他人を詳らかにしようなんて、趣味が悪かったな。



 猟兵達から傷を刻まれ、駄々をこねるようにアームを振り回すスーパー戦車。
 そんな相手を前にして、ルドラ・ヴォルテクス(終末を破壊する剣“嵐闘雷武“・f25181)の纏うスーツが大音量で警告音を慣らしていた。
『捕縛兵器接近! 回避を!』
「わかってる、策はある」
 次の瞬間、凄まじい勢いで迫りだしたのはロボットアーム達だ。
 腕のような形のものは虎視眈々とルドラの周囲を蠢き、釘のようなものの先端は常にルドラに狙いを定める。
 まるで四面楚歌のような状態だが、ルドラの表情に焦りはなかった。
「……来るか」
 釘のアームはタービュランスで打ち払い、遠くから狙いを定めるアームにはインシネイトで迎撃を。
 次々迫る兵器達を的確に払いのけるルドラだが、彼の視線はアーム以外のところにも注がれていた。
(捕縛兵器はあくまで前座、奴の狙いは別にある!)
 だからこそ、ルドラが選んでいたのは長期戦だ。
 何度も何度も攻撃に対処していても、ルドラはあくまで生身の存在。体力の限界というものはやってくるのだ。

「! しまった……!」
 思わず足取りが緩んだ瞬間、ルドラに迫ったのは無数のアーム達だ。ギリギリまで存在を隠し、ルドラの危機を待ち侘びていたのだろう。
 けれど――それは此方も同じこと。
 ルドラは咄嗟に手を前へと突き出し、埒外の力を発揮しだす。
「繋ぎ止めろ! 『今』という環の裡へ!」
 放ったのは見えざる波紋、時間停止コード・アナンタだ。その波は迫るアーム達をその場に堰き止め、身動き一つ取らせない。
 相手は強敵だ、いつまでも拘束出来るとは思っていない。攻勢に出るなら――今しかないだろう!
 すぐさま機構剣エレクトロキュートを取り出して、まずは一閃。放電爆破がアーム達に襲いかかれば、激しい閃光が周囲を埋め尽くした。
「これで終わりではないぞ、俺の武器はまだあるからな!」
 次に取り出したのはアンピュテイターだ。そのビームの刃を戦車の巨体へ振りかぶれば、金属装甲だろうとひとたまりもないだろう。
 どろりと溶けた金属の隙間に見えるのは、見たこともない複雑な装置達。
 けれどそれも、全て殲滅してしまえば問題ない。
「他人を詳らかにしようなんて、趣味が悪かったな。暴かれ滅ぶのは……貴様の方だ」
 最後に戦車の内部へ焼夷炎上弾をぶち込んでやれば、見事な装置達もズタズタになって燃えていく。
 相手の狙いを見破り、油断せず冷静に立ち回る。闘争心の赴くまま戦い、けれど戦士として多くの経験を積んだルドラこそが為せる技だった。
大成功 🔵🔵🔵

青霧・ノゾミ
ニノマエ【f17341】と

鎖でぐるぐる巻きにして引き寄せられてるよー
わー、ぎりぎりと痛いーっていうか、
吊るされて砲弾の的にされるとか、
それどういうお遊び?

……でも、ニノマエがいる限り僕は捕まえられないよ。
深霧。
ニノマエが呼んでも、呼ばなくても。
逆もまた然り。
僕が、ニノマエを解放する。
妖刀の力を十全に振るえるように。

ニノマエを捉える戦車のアームを、切断。

切断は得意なんだ。
僕をまた捕まえる?
逃げ足と残像でかわして、捕まってもまた霧になって逃げて、
瞬時にニノマエの盾になることもできる。
僕を捕まえようとすればするほど、状況は悪くなるよ。
敵君、素敵な火力と装備だけど、
きみにも相棒がいれば良かったのにね。


ニノマエ・アラタ
ノゾミ【f19439】と

アームに捕まえられてぎりぎり締め上げられる。
……そんなに間近で見つめられても困るぜ。
うるさい。
ノゾミもまとめて、うるさい。

言ってやる。
今すぐ、断て!

ノゾミの攪乱も長いこと続けりゃネタバレ必至。
アームから手放され、落下することも考慮しながら、
鋼鉄の身体に宿る魂……
こいつ(戦車)を動かす原動力がどこにあるのか見切る。
注意をひきつけてるノゾミとタイミングを合わせて、
必殺の一閃を放つ。
硬い殻の向こうにある縁を一刀で斬る。
何で猟兵にこだわるのかわからんが、
子供の心に語り掛けてみるか。
帰る時間だぜ。
だだをこねるんじゃない。
ノゾミが存分に遊んでくれたろ?
送りは俺だが文句は言うな。



 ぎり、ぎり、と身体を締め付けられる感覚。
 それを前進で味わいつつ、青霧・ノゾミ(氷嵐の王子・f19439)は緩く笑みを浮かべている。
 目の前には鎖でぐるぐるにされたノゾミを引き寄せ、どこか楽しそうにしているスーパー戦車。
「……そんなに間近で見つめられても困るぜ」
 横に視線を向ければ、ニノマエ・アラタ(三白眼・f17341)が戦車を睨みつけながら、機械腕に締め上げられているのが見えた。
「わー、ぎりぎりと痛いーっていうか、吊るされて砲弾の的にされるとか、それどういうお遊び?」
 ノゾミの疑問への返答は鎖をゆらゆらすることで為された。この戦車、何処までも遊びのつもりらしい。
 その揺れはアームを通してニノマエの身体にも伝わってきている。なんというか、絶妙に厭な感覚だ。
「わー、怖いなー。ここから何をされちゃうんだろ」
 どこかはしゃいでいるようにも見えるノゾミに対して、次に返ってきたのは機械音。
 何を言ってるか分からないし、至近距離だし、自分には言われてないだろうし。ニノマエは眉間に皺を寄せ、友人と戦車を交互に睨む。
「うるさい。ノゾミもまとめて、うるさい」
「あー、ごめんね。それじゃあ……そろそろ動こうか」
 怒る友人にノゾミがニッコリと笑みを浮かべれば――何もないはずの荒野の景色が少しずつ変わり始めた。

 荒野に漂うのは白い霧だ。その色合いがノゾミの方へ集中すれば、次の瞬間には彼の身体ごとふわりと消える。
 予想外の展開に戦車は驚きの音を発するが、ニノマエは眉間に皺を寄せたまま特に驚きもしない。
 だって、探し人はすぐ近くにいるのだから。
「……ニノマエがいる限り僕は捕まえられないよ。ニノマエが呼んでも、呼ばなくても。逆もまた然り、だね」
 再び霧が漂い出せば、響き渡るのはノゾミの声。
 そこにいるのは分かっているけれど、彼はそう簡単に出てきやしない。
「僕が、ニノマエを解放する。妖刀の力を十全に振るえるように」
 だから、分かっているよね?
 言葉として紡がれない部分だって、言いたいことは分かっている。
 ニノマエは霧に鋭い視線を投げかけ、そして大きく息を吸い――。
「……言ってやる。今すぐ、断て!」
「呼んでくれたね。それじゃあ、お望みのままに」
 叫びに呼応するように、霧の中から現れたのは漆黒の刀を構えたノゾミだ。
 そのまま落下の勢いを活かして刃を振るえば、切り裂かれたのはニノマエを捕らえていたアーム。
 二人の身体はゆっくりと落ちていくが、足元にあるのは乾いた地面ではなく戦車の巨体。
 けれど此方の方が都合がいい。ニノマエが戦車を睨むのを確認し、ノゾミは砲身の前へと舞い降りた。

「僕もニノマエも逃げてしまったね。僕をまた捕まえる?」
 ノゾミが挑発するように腕を広げれば、戦車も大きくアームを広げる。振り乱す様は、どこか子供の癇癪のようだ。
 次の瞬間には、再びアームがノゾミを狙う。けれど今の彼は自由で、すぐ側には頼もしい仲間もいるのだ。
「僕を捕まえようとすればするほど、状況は悪くなるよ。分かっているかな?」
 ひらりひらりと身を躱し、時折霧になって変身して。ノゾミは自在に戦車の周囲を駆け回り、敵の意識を此方へ向ける。
 けれど相手の手数は文字通りに多いのだ。アームのうち数本は、戦車の観察を続けるニノマエにも迫っていた。
「おっと、そうはさせないよ。ニノマエ、そちらの方も大丈夫?」
 迫るアームには敢えてノゾミが突っ込んで、すぐに霧になって離脱して。ニノマエもその様子を見遣り、感謝の頷きを返していた。
「……ああ、もう狙うべき場所は見えた。ノゾミ、そろそろ合わせるぞ」
 ノゾミが戦車の気を引いている間に、ニノマエが探していたのは鋼鉄の身体に宿る魂――原動力の位置だ。
 心臓部である機構は硬い金属の内側にあるようだ。でも、二人なら問題なく其処を切り裂けるはずだ。
 ノゾミは再び『氷刃』を構え呼吸を正し、その傍らでニノマエが妖刀『輪廻宿業』をしっかりと構える。
「そろそろお終いだね。じゃあ、やろう」
「ああ……諸共に」
 二人で同時に斬撃を放てば、硬い殻はあっさりと打ち破られ――白熱する心臓部分に、この世界に存在するための因に、深い深い傷が刻まれた。
 その瞬間に聞こえた機械音は、まるで悲鳴のようだった。

 戦車の巨体は揺らぎ、もうすぐ完全に倒れるだろう。
 このまま近くにいては危険だ。猟兵達は少しだけ戦車との距離を取り、その終わりを見届けていた。
「敵君、素敵な火力と装備だったけど、きみにも相棒がいれば良かったのにね」
 へらり笑って、ノゾミが告げる。どれだけ強力なオブリビオンだろうと、一人きりでは出来ることに限界がある。
 自分達は互いに名を呼び合い、手を取り合える。だからこそ――此度の戦いにも勝てたのだろう。
「何で猟兵にこだわったのかは分からんが……帰る時間だぜ」
 ニノマエの言葉に対し、戦車はアームを振るって応えようとした。駄々っ子のような動きだけど、それはとてもか細いものだ。
「だだをこねるんじゃない。ノゾミが存分に遊んでくれたろ?」
「追いかけっこは楽しかったよね。ニノマエも混ざれなかったのが残念だよ」
「……送りは俺だが文句は言うな。次があるなら、その時は一緒に遊んでやるから」
 そう紡がれたニノマエの言葉は、とても優しくて。
 それに何かを感じたのか、戦車はアームの動きを止めて――そして、完全に動かなくなった。


 激戦が続いていたせいか、日も傾く頃合いになっている。
 消えゆく巨体と、立ち続ける猟兵達。
 その全てを、ダラスの夕日が染め上げていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年09月16日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵