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アポカリプス・ランページ⑫〜Final Farawel

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「皆様、フィールド・オブ・ナインが一角『スーパー戦車』の所在が判明しました」
 グリモアベースに集った猟兵達に、グリモア猟兵、愛天・真澄(愛神の使徒・f32265)が告げる。
「かの存在は、かつてダラスという街が存在していた地にて、己の計画を実行するべく準備を進めています」
 即ち、オブリビオンのミサイル武装化に核ミサイル連射。更にはそれへのユーベルコード阻害機能追加に、それら核ミサイルを搭載した自身の量産。実行されれば、此度の戦の終わった後にも大きな脅威となる存在だ。現状にて撃破しておくに越したことは無い。
「ですが皆様、お気をつけを。敵は、超超射程の砲撃兵器『スーパー戦車砲』にて砲撃を仕掛けてきます」
 それは凄まじいまでの射程と威力、そして精密さを兼ね備えた超強力な兵器。生半な見切りや防護手段では容易く突破されるだろう。
 更に、高速且つ複雑な軌道を描く機動も行う為、此方から狙撃戦を挑むのも得策ではない、と真澄は言う。
「しかし、それだけに。敵の予想を超えた手段によって砲撃を凌げば、敵は驚き、混乱することでしょう」
 機械ならではの精密さが、かの敵の強みのひとつ。そこを乱せれば、有利になる可能性は高い。
「そうして接近を果たせましたら、後はかの敵を打ち倒すのみです……が、スーパー戦車砲を抜きとしても敵はかなりの強敵です」
 デス・バレーで確保した禁断のコンピュータウイルスにより弱体化はしているものの、依然として強敵であることに変わりは無い。遠距離戦の絶対的有利を成す高機動力はそのままであるし、火力も装甲も、尋常の兵器のものではない。
「ですが、決して倒せぬ敵ではありません。皆様の力を以て、かの兵器を今度こそ、永遠に眠らせてくださいませ」
 両手を組んでそう願い、真澄はグリモアを起動する。
「それでは、転送を開始します。皆様、どうかご無事のお帰りを……」


五条新一郎
 終末の向こうの最終兵器。
 五条です。

 アポカリプス・ランページ、いよいよ大ボスの一角の登場でございます。
 一番手は超射程超威力の砲撃を有する超兵器『スーパー戦車』。
 強力無比なる砲撃を乗り越え、かの兵器を撃滅してくださいませ。

●このシナリオについて
 このシナリオの難易度は「やや難」です。
 普段より厳しい結果が出やすくなっておりますのでご注意ください。

●目的
 フィールド・オブ・ナイン『スーパー戦車』の撃破。

●戦場
 旧アメリカ合衆国テキサス州、ダラス跡。
 スーパー戦車はフォートワース国際空港付近に存在します。
 周囲はほぼ更地となっており、身を隠せる場所は全く存在しません。

●プレイングについて
 OP公開と同時にプレイング受付開始、ある程度集まったところで締め切らせて頂く予定です。
 募集状況はタグにて。
「敵の先制攻撃ユーベルコードに、敵が驚嘆するような方法で対処する」ことでプレイングボーナスが得られます。敵に接近する段階で確実にユーベルコードによる砲撃が来ますので、それへの驚くべき対処を見せてやりましょう。

●リプレイについて
 9/12(日)いっぱいにて完結の予定です。

 それでは、皆様の終末に別れを告げるプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『スーパー戦車・バトルオウガモード』

POW   :    スーパー戦車砲・ブルズアイ
【正確無比のスーパー戦車砲】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    スーパー戦車砲・ラピッドファイア
レベル分の1秒で【正確無比のスーパー戦車砲】を発射できる。
WIZ   :    スーパー戦車砲・アポカリプス
【大量の戦車砲の砲弾】を降らせる事で、戦場全体が【最終戦争】と同じ環境に変化する。[最終戦争]に適応した者の行動成功率が上昇する。

イラスト:御崎ゆずるは

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

オリヴィア・ローゼンタール
流石は最終兵器、弱体化してもこれほどの力とは……
常道にて突破は叶わず、ということですか

ヘラクレスを召喚、【騎乗】し吶喊(ダッシュ)
一撃貰うのは覚悟の上、ヘラクレスの片腕を犠牲にして砲撃を殴り返す(カウンター)
可能な限り距離を詰め、残った片腕の【怪力】で【投擲】する――私自身を!
魔力によって防護している(オーラ防御)とはいえ、パイロットを投げつけるロボット、驚嘆しない筈がない――!

白き翼の姿に変身
投擲の勢い、私自身の飛行能力(空中戦)、魔力の放出(全力魔法)を加えた【烈煌天翔翼】!
【限界突破】した超音速突撃で【ランスチャージ】、【串刺し】にする!



 かつて、この地に大きな街があったなどと、今この世界に生きる者の誰が信じられるだろうか。
 それ程までに何も無い更地となってしまったダラス市跡を、鋼鉄の巨兵が疾走する。『ヘラクレス』、古き神話の大英雄の名を冠した機体の肩上、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は砂塵の向こうの巨大な影を見据える。
(あれが……スーパー戦車)
 未だ彼我の距離はかなり離れている筈。なれど確と見えるその姿。フィールド・オブ・ナインが一角『スーパー戦車』。相当に巨大な兵器だ。
 全身から棘や槍、何故か音響機器の類も見えるが、何より目を惹くのは前面に大きく黒々とした砲口を晒す、桁外れの口径を有するであろう大砲。この兵器の最大の脅威、スーパー戦車砲。如何に回避し、かの敵へ肉薄するか――
「!」
 と、その時。スーパー戦車の車体が振動し。それと共に車体を支える無限軌道が駆動を開始。此方に気付いたか。砲塔が旋回し、オリヴィアへと狙いを定める。
 来る。ヘラクレスの肩上、オリヴィアは身を屈めて衝撃に備える。その腕を掲げる鋼鉄英雄。
「……ヘラクレス!」
 直後。漆黒の砲口に光が満ちた。今だ。オリヴィアの目がそう認識した、それより早いか否か。ヘラクレスは片腕を大きく振りかぶり――

 そして、轟音。衝撃。爆風。高熱。

「くぅ……っ!!」
 ヘラクレスの肩から落ちそうになる程の振動と圧力を、どうにか堪えるオリヴィア。堪えながら視線をヘラクレスの身へと向ければ。
「……流石は最終兵器。弱体化しても、これほどの力とは……!」
 驚嘆するオリヴィア。砲撃を受けたヘラクレス、たたらを踏みながらもそれ自体は尚健在。なれど、その片腕は肘から先が吹き飛び、断面から焼け焦げた内部構造物がはみ出す無残な有様を晒していた。
 だが、オリヴィアとしても想定していた被害ではある。放たれた砲撃を、今吹き飛んだ巨腕で以て殴り返したのだから。失敗していれば、片腕どころか全身がオリヴィア諸共吹き飛んでいただろう。『この程度』で持ち堪えたるは、この鋼の大英雄の膂力と耐久力の賜物と言える。
(――ですが)
 すぐにでも第二射が来るだろう。それを同じように防いだとしても、その次はヘラクレス自体を犠牲とするより他に無い。そして何より、そのようにして近づくことは、完全にあの兵器の想定内の筈だ。これ程の力、常道にて突破叶う敵ではない。かの敵へ刃を食い込ます為には、如何すれば良いか――
(――ならば!)
 否、答えは既にあった。跳躍、その身は鋼鉄英雄の肩から残る手の中に。主を乗せた手を、大きく振りかぶるヘラクレス。そう、その答えは――
「行け――ッ!!」
 その出力の全てを籠めた腕を振り下ろす。オリヴィアの身が、スーパー戦車より放たれた砲撃にも負けぬ速度で投げ放たれる。直後、擦れ違うかの如く飛来した砲弾が、鋼の巨英雄を直撃。かの威容が、激しい爆発の中へと消えてゆく。

『――――!!?』
 砲撃を終え、即座に次なる標的を探さんとしたスーパー戦車。その砲塔が、明らかに振動によらぬ要因で震える。まるで、信じられぬものを見た人間が、動揺したかのように。
 己の砲弾に匹敵する速度で飛翔するものは、しかし砲弾ではない。あれは――人! 人が、あんな速度で飛翔するというのか――!?

「おおおおおおおお!!」
 大気を切り裂く飛翔、伴う爆音に負けじとばかりにオリヴィアは咆哮する。その背にはユーベルコードを以て形作った純白の翼。纏う魔力は焔となって、ジェットが如く背後へ噴き出す。
 ヘラクレスによる投擲の勢いに、それらを上乗せし。飛翔速度は更に速く、速く。大気の壁を引き裂いて、音の速さすら超越し。
「――破滅齎す悪しき兵器よ!」
 瞬く間に迫る、スーパー戦車の巨体。回避行動を取ろうとしているようだが、もう遅い。この速度ならば逃がさない。聖槍を構え、力を籠める。限界を超えて高まる魔力と気力が、最後の加速を齎して。
「我が槍と炎を以て――滅びよ!!」
『!!!!????』
 その突撃は、一条の流星の如く。最終兵器の、巨大なる鋼鉄の機体を一直線に貫通し、深い、深い傷を穿ったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
スーパー戦車。正にスーパーって感じの見た目してるじゃない。
面白そうね、相手になってあげるわ。

まずは全力で真っ直ぐ距離を詰める
スーパー戦車砲に対して回避はしない
両腕をしっかり脇と肘を締めた状態で前に出し
そのまま前腕部で受けながら「怪力」で跳ね上げる
……そう、バレーボールの「レシーブ」のように!
本当はレシーブで腕跳ね上げたりはしないんだけど、細かい事はこの際気にしないわ

意表を突けたならこの隙に【究極!電離蹴】発動
魂の炎を身に纏いながら全力で突撃&キックをぶちかます
今回は気合と努力と根性な成分を上げるためにスポ魂なノリを入れてみたし、威力は十分以上のはずよ!



 荒野の向こうに聳え立つ、巨大なる破壊兵器。かの兵器に迫るべく、かつての都市の痕跡の粗方が消え失せた大地を荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)は駆けてゆく。
「スーパー戦車……まさにスーパーって感じの見た目してるじゃない」
 未だ遠くに在りながら、明確に『大きい』と感じ得るその偉容。全身これ破壊の為と言わんばかりの武装。機械兵器としてフィールド・オブ・ナインの一角を占めるだけのことはある。面白い。
「さあ、かかって来なさい! 相手してあげるわ!!」
 目指す先のかの兵器へ、力強く声を張り上げる。正確無比な砲撃。上等だ。
『――――!!』
 其に反応したのか、或いは偶然にもかの兵器が此処を攻撃の好機と判断したのかは定かならざるが。スーパー戦車の、漆黒の砲口に火が灯り――直後、轟音を発し巨大なる砲弾がつかさ目掛けて撃ち出された!
「来たわね……!」
 砲撃を、己目掛けて真っ直ぐ飛来する砲弾を確認。つかさは脚へと力を籠めて疾走の速度を殺す。正確無比なスーパー戦車の砲撃、回避を試みるのは得策ではない。ならば。
 同時に腰を落とし、両腕を前へ。脇と肘とを内側へ引き絞り、握り込んだ拳を合わせる。その姿はさながら、バレーボールのレシーブ動作に似る。
 砲弾は瞬く間につかさの眼前まで迫る。意識を集中する。成否を握るは只々、鍛えに鍛えた己の膂力と、最適なタイミングを見出す『努力』、砲弾の勢いに挫けぬ『気合』と『根性』――
「――ここね!!」
 砲弾がつかさを捉える、コンマ0.1秒前。その一瞬を逃さず捉え、つかさは腕を振り上げる。前腕が砲弾へと打ち付けられ、前進せんとするベクトルに強烈な上昇ベクトルを付加する。
 まだ足りない、このままでは命中を逃れられぬ。更なる力を絞り出す。肉体のみならず、精神と魂の力をも動員し。つかさの膂力を、更に一段階上へと引き上げて。
「――はぁぁぁぁぁっ!!」
 最後の一押し。気合の一声。以て振り上げきった腕は、必殺の砲弾を遥か上空へと打ち上げた。
『――――!!??』
 砲弾が爆発しない。どころか、命中直前で有り得ない軌道を描いて飛んでいってしまった。スーパー戦車の機体が、僅かにたじろいだように、つかさには見えた。
「はぁ、はぁ……!さあ、今度は私の番よ!!」
 己を振り絞った業の直後。消耗は無視できない。だが今こそ好機、休んでなどいられない。つかさの瞳に燃える魂の炎が、そのまま全身を燃え上げる。
 跳躍、その速度は音速を遥かに超越。瞬く間にかの兵器の頭上を取り、そして急降下。
「この一撃! 止められるものなら止めてみなさいッ!!」
 気合と。努力と。根性と。其を以て成した先の業により、つかさの魂は今、熱く、激しく燃えていた。
 燃える炎は脚へと集い、その熱を更に高めて。プラズマ化さえも引き起こし。
「アルティメット・プラズマキィィィィィィィック!!!」
『!!!!!?????』
 以て、この巨大兵器さえをも揺るがす一撃が叩き込まれたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

電話・ボックス
何ということだ、フォートワース国際空港と言えば
アメリカン航空のハブ空港として名高い交通の要所。
そこがこうも更地にされてしまうとは……素晴らしい。
つまり現在絶賛テナント募集中と言うことだ。
ーグリモア・テレコムセンターCEOー

↑(と言う貼り紙が風に揺れる電話ボックスが鎮座している)

敵性機体より、長距離狙撃を、確認しました。

UC起動

弾着に備え自身はその場に留まり、自身の製造マシンを戦車砲に巻き込まれないように散らしておく。

戦車砲により電話ボックス大破

製造マシンから出てきた機体で一斉突撃(しかも時間でどんどん増える)

ビームキャノンの射程に入った機体からスーパー戦車に砲撃を仕掛ける



 ※本パートはスーパー戦車の視点で記述しているため、スーパー戦車の発言は人間の言葉に翻訳して表記するものとする。

 およそ一切の建物が跡形もなく崩壊し、只々真っ更な荒野が広がっている旧ダラス市。
『あはは、猟兵ってば強くて面白いー。次は何が出てくるかなー?』
 その北西部、フォートワース国際空港跡に鎮座するフィールド・オブ・ナインが一、スーパー戦車。かの兵器は、己に近づく猟兵をその主砲で以て撃破するべく、周辺索敵を油断なく行っていた。
 直接的に理解するのは困難であるが、その思考は遊び盛りの少年そのもの。戦闘を、殺し合いを、遊び感覚で楽しむ、無邪気で残酷なものだ。
 そんなスーパー戦車であったが、索敵を続ける中、ふと気付いた。
『あれ……なんだろ、これ?』
 己の索敵網に、いつの間にか現れていた『それ』が映ったことに。

『それ』は、荒野の只中にたった一つ設置された、高さ9フィート強の、金属質の土台と屋根を持つガラスめいた材質の円筒状の物体――そう、電話ボックスである。
 見れば、その電話ボックスの表面には一枚の貼り紙がされている。荒野の風に吹かれて揺れる貼り紙には、こんな文章が記されていた。

『何ということだ、フォートワース国際空港と言えば、アメリカン航空のハブ空港として名高い交通の要所』
『そこがこうも更地にされてしまうとは……素晴らしい』
『つまり現在絶賛テナント募集中と言うことだ』
『-グリモア・テレコムセンターCEO-』

『……なぁにこれぇ?』
 スキャンによって文章を把握したスーパー戦車は困惑する。確かにこの地の過去と現在はその通りなのだが。テナント募集など誰がするというのか。或いはこれからこの地を復興するという意思の現れなのか。
 それ以前に、グリモア・テレコムセンターとは何処の企業なのか。と言うか何で荒野の真ん中に電話ボックスだけがあるのか。
 思考は幼いながら知能は高いスーパー戦車だが、その疑問への答えは皆目見当もつかない。
 故に。
『……よくわかんないから、壊しちゃおう♪』
 設置位置は余裕でスーパー戦車砲の射程内だ。そして静止目標に砲撃を命中させるなど、己の演算能力を以てすれば朝飯前である。
 そして放たれた砲撃。砲弾は電話ボックスへと狙い違わず命中し、これを跡形もなく粉砕する――が。

 その数秒前。
『敵性機体より、長距離狙撃を、確認しました』
 電話ボックス内の公衆電話から響く電子音声。
『中継ポイント策定、建設を、開始します』
 周囲に現れる、全88基の機械群。全てが、電話ボックスを製造・建設するための機械だ。迫る砲撃の影響を受けぬよう、四方へ散って。
 直後、電話ボックスに砲撃が命中。当然のように大破する電話ボックス。だが、その直後である。

『あったりー♪ ……って、え、え、えええええ!?』
 ブルズアイ。歓喜するスーパー戦車だが、その歓喜は直後、驚愕に取って代わられる。
 今し方破壊した筈の電話ボックスが、数十倍に増えている……!?
『ど、どういうこと!? ぜ、全部壊さなきゃ……!』
 スーパー戦車は悟った。この電話ボックス、只の電話ボックスじゃない。
 戦車砲を連射し、現れる電話ボックスを片っ端から破壊していくが、破壊のペースより生産のペースの方が圧倒的に早い。最初の電話ボックスが展開した、製造マシン群の力だ。
 砲撃を逃れた電話ボックスは、何故か存在する脚部を蠢かせ、次々とスーパー戦車を目指して進撃。その間にも電話ボックスは次々と生産され、進撃の列に加わってゆく。
 やがて荒野を埋め尽くした、数百台もの電話ボックス。否、電話・ボックス(旧式・f17084)。そう、この電話ボックス、猟兵である。
『何で!? 電話ボックスが猟兵なの何で!?』
 その在り様、スーパー戦車を混乱させるには充分すぎる代物で。その間に距離を詰めた電話ボックス軍団の上部から、ビームキャノンが展開される。電話ボックスとて猟兵である。戦闘能力だって備えているのだ。
 完全包囲、一斉砲撃。電話ボックスの群れからビーム砲撃を浴びせられる巨大戦車という、シュールな光景が、此処に現出していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

岩永・勘十郎
「図体のデカイ奴だ。斬り甲斐がある」

そういうと【残像】が残る程の速度で間合を詰めようと走り出す。
敵は勘十郎目掛けてスーパー戦車砲を放つ。

「芸の無い……」

【第六感】で【読心術】のように読んだ敵の攻撃を【瞬間思考力】で幾億幾兆にも解析。【戦闘知識】や【幸運】も相俟って次々に来る攻撃に対する最適解を導き出せた。

なんと放たれた砲弾を足場に宙に飛び上るという神業を見せる。次々に撃ち込まれる弾丸を足場にしながら間合を詰め、敵の主砲に飛び乗るとちくわを輪切りにするように斬り進み、UCを発動。敵の存在という概念ごと叩き斬る。こうなっては敵の自慢の装甲も紙切れ同然。

「これが剣術だ」

そう言い残し刀を鞘に納めながら



 荒野の向こうに、土煙を上げながら機動する巨大な影が見える。あれがスーパー戦車か。彼我の距離に対すれば、あまりにも巨大なその偉容。
「図体のデカイ奴だ」
 其を眺め、岩永・勘十郎(帝都の浪人剣士・f23816)は口角を吊り上げる。故にこそ斬り甲斐のある敵である、と。
 抜き放つは兗州虎徹、アポカリプスヘル産の素材のみにて作り上げたる刀。此度の戦には相応しかろう。
 そして、目標たる巨大戦車を目掛け疾走を開始。その速度、残像を後に残す程の瞬速。瞬く間に戦車との距離を縮めてゆく。
『――――!』
 なれど、スーパー戦車も黙ってはいない。漆黒の孔が如き砲口を勘十郎へ向け狙い定め、その速度を計算に加えて偏差弾道を算定。勘十郎の予測到達地点目掛けて、砲撃を繰り出す。
(――芸の無い……)
 安直と言えば安直な、その攻撃。研ぎ澄ました第六感と思考力は、一瞬にして飛来する砲弾の弾道と着弾地点を割り出し。そして、此に対処する最適解を導き出した。
「――ここだ!」
 迫る砲弾を前に、徐に跳躍する勘十郎。砲弾を飛び越え、その後ろへ着地――否、彼の足は、地へつくのではなく――砲弾を蹴って、更に跳んだ!
『――――!!??』
 そんなことが可能なのか。とばかりにスーパー戦車から驚愕とも錯乱とも取れる音声が響く。実際に其を為した、彼の猟兵の動きが信じられぬかのように。
 高く跳躍した勘十郎の着地を狙わんと、戦車は更なる砲撃を繰り出す。だが勘十郎はそれさえも足場かの如く蹴って更に跳躍。続けて放たれた砲弾も、また同様に足場として蹴り、更に前へと跳ぶ。
 一瞬の判断、戦闘知識からくる弾道の読み、そして持ち前の幸運。それら要因が合わさって、この神業を可能としていた。
「――さて。捉えたぞ」
『――――!!』
 砲弾を飛び石じみて蹴り渡る業を繰り返すこと幾度。勘十郎の足は、砲弾の源――スーパー戦車の砲塔、その上へと着地するに至った。
 スーパー戦車、機体を右へ左へと振り回し勘十郎を振り落とさんとするが。勘十郎、巧みな重心移動にて砲塔の上を保つ。
 改めて刀を構え、下から掬い上げるような軌道で振るう。砲塔に刃が食い込む。用いたるユーベルコードの作用により、刃は大した抵抗を受けることもなく砲塔へと食い込む。
 そのまま疾走、砲塔の根元まで駆け抜けながら其を真っ二つにするかの如く斬り抜けて。その先、車両本体へまでも深く刃を食い込ませながら駆け抜ける。
 やがて見えてくる、車両最後部。その先に広がる荒野。車体を蹴って飛び出して。同時に刃を下から上へ。流れるように振り抜いて。
『――――!――!、――!!』
 呻くような音声を発する巨大戦車。その車体に一切の傷は無い。なれど、その巨体が齎す存在感は、それまでに比して些かならず減少したように感じられる。
 それこそが、勘十郎が今振るった剣の本質。対象の肉体には一切傷をつけることなく、その存在そのものを斬る刃。万有を返す一太刀。
「斬り得るものは形あるものに限らん。これが、剣術だ」
 空中で身を捻り、スーパー戦車のその後部へ視線を投げつつ。勘十郎は、刀を納めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…弱体化してなお強敵なのは流石、オブリビオン・フォーミュラ

…だけど、だからと言って座して滅びを待つつもりは無い
荒廃したこの世界とは縁もゆかりも無い身なれど、
お前を打ち砕き救世への足掛かりとさせて貰うわ

第六感を頼りに敵の殺気を感じて敵UCによる砲弾の雨を暗視して捉えた瞬間、
風の精霊を降霊して限界突破した魔力を溜めた「嵐の精霊結晶」を破壊し、
自身を旋風のオーラで防御する竜巻を起こして砲弾の弾道を逸らしUCを発動
突然の竜巻に驚いた敵に"闇の引力"を付与し、
敵UCによる砲弾の雨を引き寄せ自爆させられないか試みる

…確かに、半端な攻撃では小揺るぎもしそうにない。だけど、お前自身の力ならどうかしら?



『――――!!!』
 雄叫びめいて大きな電子音を上げるスーパー戦車。伴って掲げられた砲塔から、数十――否、百発を超すであろう砲弾が狂ったように撃ち上げられる。
 砲弾は何も無くなったダラスの大地に降り注ぎ、地を抉り、炎を広げ、天地を赤く染め上げる。その様はまさに、最終戦争の戦場が如き、地獄めいた様相。
「……弱体化して尚、ここまでやれるというのね」
 降り注ぐ砲弾の雨の間を駆け抜け、スーパー戦車のもとへと向かいながら。リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、これだけの破滅的な攻勢を為す破壊兵器の力に内心で舌を巻く。その全てがオブリビオン・フォーミュラであるというフィールド・オブ・ナインの一角を占めるのは伊達ではない、ということか。
 だが、しかし。
「……だからといって、座して滅びを待つつもりは無い」
 このまま、最終戦争の災禍に沈みはしないし、させない。己にも、そしてこの世界にも。
 この世界とは縁もゆかりも無いリーヴァルディだが、破滅より救わんとする意志は確と有する。以て、戦火渦巻く荒野を駆けてゆけば。
「……ここが仕掛け時ね」
 スーパー戦車が再び砲弾を撃ち上げたのを認める。歴戦の直感が告げる、あの雨は己の在る位置を狙って降ってくる、と。
 対して懐より取り出すは、緑色に色づいた結晶体。ここに至るまでに臨界点に近い量の魔力を溜めておいたことで、内側からは眩いばかりの光を放っている。
「……風の精霊よ。その力、貸して貰うわ」
 そして結晶を砕けば、溢れ出した膨大な魔力は風の力を帯び、リーヴァルディの身を包む。ここに、リーヴァルディのオーラ障壁を形成する力を合わせれば。
 魔力は風の流れを生み、リーヴァルディの周りを守るように渦を巻く。膨大な魔力によって、その渦巻く速度は瞬く間に加速していき。十秒としないうちに、リーヴァルディの身は、天まで届かんばかりの巨大竜巻に覆われた。
 そこへ発射された砲弾が飛来するが、その強烈無比な嵐の壁を突破するにはまるで力が足りず。全てが竜巻に巻き込まれて、遥か上空まで吹き飛ばされてゆく。
『――――!!?』
 スーパー戦車の混乱したかのような電子音声が響く。砲弾の弾道計算の為、周辺の気象条件も事細かに情報収集していたかの兵器であるが。それ故に、今は竜巻が起こるような気象条件ではない、と判断していたのだ。だからこそ、そこに生じた竜巻に驚愕したのだろう。
 だが、ここからがリーヴァルディの攻勢である。
「――限定解放。テンカウント」
 竜巻の中、己の身に流れる吸血鬼の血を限定的に開放する。竜巻が巻き起こす砂塵によって、陽光はある程度遮られる。問題は無い。
「吸血鬼のオドと精霊のマナ。それを今、一つに……!」
 己の身に宿る吸血鬼の魔力。先に解放した精霊の魔力。一つに重ね、自然環境への干渉能力を得る。以て、その手をスーパー戦車へと翳し、生じた魔力を解き放てば。
『――――? ――――!!!』
 リーヴァルディが何をしたのか分からず、呆けたかのような反応を示すスーパー戦車。だが、その直後。驚愕したかのように、警告音めいた電子音を辺りに響かせる。
 上空より響く、空気を裂くかのような音。見上げたリーヴァルディは、策の成ったを確信する。先に彼女がスーパー戦車へと付与したもの。『闇』の『引力』。以て、降り落ちてきたもの――先程、己が竜巻にて上空へ巻き上げた、スーパー戦車の砲弾。その全てを、かの兵器へ叩き返しにかかったのだ。
「……半端な攻撃では小揺るぎもしそうにないけど。お前自身の力ならどうかしら?」
「――――!!!」
 回避機動を取ろうにも、砲弾はスーパー戦車を確実に追尾してくる。為す術なく、かの兵器は自ら撃った砲弾を次々と浴び。機体の複数部位で、相次いで爆発が生じ、装甲やパーツが吹き飛ばされてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
対WIZ
竜眼号搭乗
電磁バリア展開
大破し軟着陸するまで接近

「ご主人サマ!最終戦争といえばもうあれだよ!」
…があああ!!ロンメルで終わりじゃねーのかよ!

UC発動
幼女最終戦争が今始まる…!

最終戦争に相応しき地獄の軍団が突撃!

10師団
【念動力・属性攻撃・武器受け・弾幕】
主の周囲に展開し敵の砲弾を超高熱熱線で迎撃
念動障壁も多重展開し主を徹底的に防衛

残り
「「ヒャッハー今度は戦争だー☆」」
【空中戦・集団戦術】
空を飛び砲弾迎撃しつつ怒涛の勢いで迫る幼女軍団

念動障壁を纏いダメージを抑え
超高熱熱線の集中砲火

【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
距離を詰めて超戦車に群がる鎌剣持った幼女軍
切断し資源となる物を根こそぎ強奪



 驟雨が如く降り注ぐ砲弾の嵐の中、一隻の黒き戦艦が飛翔する。その名を『竜眼号』。
「ちっ、電磁バリアを張っていても無事とはいきませんか……!」
 その操縦席に座するカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は唸る。降り落ちてくる砲弾は大きく重く、故に電磁バリアを貫いて船体に突き刺さってくるのだ。
 これは途中で不時着するより他に無いか。その後は如何にして接近するか――そうカシムが算段を立てていたその時。
「ご主人サマご主人サマ! 外が凄いよ! まるで最終戦争みたい!」
「……分かってるってーの」
 隣の座席からかけられる声。今は人間形態になっている機神『メルクリウス』のものだ。やけにはしゃいだその声に嫌な予感を覚えつつ、適当に流そうとしたカシムだが。
「最終戦争といえばもうアレだよ! またアレでいこう!」
 カシムの嫌な予感は、的中した。
「……がああああ!! ロンメルで終わりじゃねーのかよ!!」
 ロンメル・ヴォーテックスとの交戦の際に用いた『アレ』。カシムにとってはトラウマとも言えるアレをまたやると言われ、思わず叫ぶカシム。が。それで操縦が疎かとなってしまい。
「ぬわーっ!?」
「きゃーっ☆」
 降り注いできた砲弾が電磁バリアを貫き、立て続けに竜眼号へと命中。大破を示すレッドランプが点灯する。ここまでか。カシムは徐々に高度を下げつつある機体をどうにか軟着陸させるべく、操縦桿に力を籠めて――

『――――』
 墜落してゆく戦艦を確かめ、スーパー戦車は何処か楽しげな電子音を辺りに響かせる。その様は、己の成果を親に見せたい子供のようとも見えるだろうか。
 なれど、其が為す行いは紛いなき破壊と殺戮。あの戦艦が墜落した後も形を残すなら、完全に破壊しなければならない。それが己の受けた『言いつけ』であるから。
 戦車砲を、地面に軟着陸しつつある戦艦へと向けて。完全に停止した処を砲撃――と思ったその次の瞬間。
「「「「「ヒャッハー! 今度は戦争だー☆」」」」」
『――――!!?』
 その戦艦の周りで起こった変化に、かの兵器は動揺せずにいられなかった。
 戦車の周囲に現れる、無数の同じ顔をした幼女達。今艦内にいるメルクリウスを幼くしたような容姿だが、その数が尋常ではない。
 実に1130個師団。一個師団1万人としても、軽く1000万は超えるという、圧倒的過ぎる数の暴力。文字通り、一帯は幼女メルクリウス達で埋め尽くされたのである。
「よーし、やっちゃえー☆」
 軟着陸を終えた艦内で、ノリノリで指示を出すオリジナルのメルクリウス。その横で、カシムは只々頭を抱えていた。

『――――!! ――――!!』
 来るなと言わんばかり、スーパー戦車は立て続けの砲撃を繰り出す。だが複数の幼女メルクリウス達が念動障壁を幾重にも展開するせいで威力が通らぬ。
 一方の幼女メルクリウス達達は只管に突撃する。超高熱の熱線を連射しながら、一気に距離を詰めてゆく。その様、最終戦争に相応しき地獄の軍団の如し。とはカシムの弁である。
 そしてスーパー戦車に取り付いた者から、オリジナルの小型版っぽい鎌剣を取り出し次々と戦車へ殺到。総軍勢1000万を超える大軍が、スーパー戦車のボディが見えなくなるほどに群がり、そして無数の傷を刻み込んでゆく。
「ふふーん、どんなもんだい☆」
 その戦果に満足げなメルクリウスが自慢げに胸を張る。その横で、カシムはただただげんなりしていたが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スコグル・ノルン
●心情
視界良好、正面からぶつかれば良さそうですし、私好みの戦場です

●対策
降り注ぐ砲弾は、特に狙ってはいなさそうですので、【落ち着き】をもってよく見て武器で迎撃します
【切断】してみたり、【武器受け】してからの【なぎ払い】で砲弾を【吹き飛ばし】てみたり
対処の最後の要素は【幸運】
戦場を生き残るのに必要なものです

こうして最終戦争と同じ環境になったら…ふと、ある最終戦争のことを思い出しUCで戦乙女の正装となり適応します

そういえば、かのラグナロクでも、火が至るところに降り注ぎましたね
ならばここは戦乙女たる私にとっても縁のある場と言えましょう
さあ次は私の番です
加速をつけた槍の一突きでも与えましょう



 建物の跡一つなき旧ダラス市。見渡す限り大地と空と、そしてその果てに聳える巨大兵器しか見えぬ風景を見渡し。荒れた大地を疾走するスコグル・ノルン(気ままな戦乙女の悪魔・f32014)は一つ頷く。
「視界良好。私好みの戦場です」
 呟いた一言は、淡々としつつも何処か高揚しているように思える。正面きってぶつかり合えば良い、というのはシンプルで良い。
 疾走を続けながら目的地たるスーパー戦車を見据えるスコグル、だがそこで敵に動きが見えた。スーパー戦車は己の長大なる砲塔を上向け、複雑な機動を繰り返しながら何十発という砲撃を開始。上空高く撃ち上げられた砲弾は重力に引かれて落下し、大地へと爆撃じみて猛烈に降り注ぐ。
(凄い威力。しかし特に狙っているわけではなさそうです)
 なれど、スコグルはその攻勢を冷静に見極める。広域へと降り注がせる乱射であれば、実際に対処すべきは自身に影響するものだけで良い。
 早速降り落ちてきた砲弾を、真紅の大鎌振るい一閃。砲弾はスコグルを逸れて左右の地面へ突き刺さる。続いて飛び込んできた一発は、鎌で受けて勢いを殺してから薙ぎ払う。損害を与えられぬままに吹き飛んでゆく砲弾。
 そして砲弾の襲撃なくば駆けてゆく。こんな攻撃が続けば体力が持たぬかという懸念はあったが、何とかなりそうだ。スコグルの強運の賜物である。

 砲弾の雨が降り出してから数分。
 大地には炎が広がり、舞い上がる硝煙が空を黒く染め上げる。その様は最終戦争の最中の如し。
(――最終戦争。ですか)
 その光景に、ふと思い返す。伝説に語られる『最終戦争』を。
(炎の雨。ラグナロクの折にもこんな光景が広がっていたと聞きます)
 巨人族の王が振るう剣は炎そのもの。降り注ぐ炎は天を、地を、世界支える大樹を燃やした。
 そして戦乙女達は、己が選定した戦士達と共に最終戦争を戦う中、その光景を見届けたという。ならば。
(私も戦乙女である以上。最終戦争の中を戦うことは可能な筈です)
 纏う衣が、真紅の装甲ドレスへと変ずる。携えた大鎌が槍の形に変形する。背に、輝く光の翼が広がってゆく。其は戦乙女としての正装。
(では――行きましょう)
 翼を以てその身を浮かせ、飛翔を開始。目指す先はスーパー戦車。
『――――!!!』
 スーパー戦車の方も接近する敵に気付いたか、直接の砲撃を仕掛ける方針に転換。狙い定めて砲撃を開始する。
「何の……!」
 身を捻り砲弾を回避。続く砲撃も、最小限の動きで回避。
(――身体が軽い)
 スコグルは確信する。己も、この最終戦争の只中に適応できていると。故にこその、ギリギリでの回避機動の繰り返しだ。
 そして砲撃を為す砲門をやり過ごす。即ち、これ以上の砲撃は無い。
(ここまで来れば、後は――!)
 槍を構えたスコグルの身は、更に加速して。
『!!!!!』
 スーパー戦車の頭脳と言うべきシステム、其を構成するブロックの一部へと。見事に槍を突き立ててみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジル・クリスティ
理緒と

でっか…私との体格差ひどいなぁ
でも!これでも私は宇宙の戦士!この身一つで宇宙の機動兵器とやり合ってきた騎兵なんだ
サイズ差が戦力差じゃないこと、教えてあげるよ

敵の先制攻撃は、理緒の艦を囮に
私は小さな身体を利用して物陰に潜み隠密しながら近づくよ
守りは理緒が全て受け持ってくれているから、その分も私は攻撃に全力で

接近しながらロングレンジライフルにフルチャージ
両手で持って振りかぶると同時にリミッター解除
砲身から無限に伸びる白い光の刃…銀河を切り裂く無限の光!
くらえ【Gigantic Sword】!
真っ向から一刀両断にしてあげるっ!

うまくいったら理緒とハイタッチ…って、人形みたいに愛でるなぁ!?


菫宮・理緒
ジルさん(f26740)さんと

ウイルスを使ってこの強さか。げっとしておいて良かった!
いえ、今後がとかじゃないからね? 今戦えるなーってことで……。

こほん。
でもまだまだ強敵なのには変わりないし、こんな戦車はここでしっかり倒しておかないと!

わたしは【ネルトリンゲン】で出撃。
見た目で囮になって、相手の攻撃を引きつけて、ジルさんから注意を逸らさせるよ。

相手の攻撃は、初手の砲撃タイミングに合わせて【偽りの丘】を発動。
相手のすべての攻撃を打ち消させてもらうとともに、【M.P.M.S】でチャフを撒いて、相手の目を潰すね。

攻撃はジルさんにお任せ!
しっかりできたら、あとですーっごく愛でちゃうから、ねー!



 旧ダラス市の荒野を、一機の戦闘艦がホバーで以て疾走する。菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)操る『リオ・セレステ』だ。
「ウイルス使ってこの強さか……!」
 デス・バレーに在するコンピュータ研究所より入手した、禁断のコンピュータウィルス。これを以てすればスーパー戦車の弱体化が見込める、という話だったが。
(げっとしておいて良かった……!)
 これまでの猟兵達との交戦を通して得られた情報は、半減した上で尚凄まじい強さである、ということ。もし禁断のコンピュータウィルスが無かったら、と思うと、なかなかぞっとしない話ではある。
(これでもまだまだ強敵だけど、ここでしっかり倒しておかないと!)
 改めてその意志を確認し、機体を更に加速させる。彼女が此度己に任じた役割は囮。大きさと挙動の派手さで以て、敵の意識を惹き付ける役だ。
(……来た!)
 砲塔を上向け、猛烈な勢いで主砲の連射を開始する姿を理緒は認める。直後、放たれた砲弾が雨の如くリオ・セレステ目掛けて降り落ちてきた!
(凄い数――だけど!)
 その砲弾の密度、到底回避できるものではない。なれど、理緒はこれだけの弾雨を乗り越える術を携えて此度の戦に臨んでいる。
 上空から降り落ちてくる、更なる砲弾の雨。だがそれは本物ではない。そして狙う先は、リオ・セレステではなく――本物の砲弾達!
 ぶつかり合った本物と偽物の砲弾は、対消滅を起こしたかのように双方ともが消失。それを繰り返すことで、リオ・セレステへと命中するコースにあった砲弾は、その全てが役割を果たせず消えていった。
「って、もう次が来てる……!」
 尚もリオ・セレステを狙う砲弾の雨は続く。再度偽物を生み出して相殺を試みるが、理緒の内心には焦りが滲む。というのも、この偽物の生成を可能とするユーベルコードには、限界を超えて用いると理緒の命を奪うという強烈な代償が存在する為だ。合計にして113秒。その間に、現状を突破しなければならない。
「ジルさん、早めにお願いね……!」
 此度の理緒はあくまで援護役。攻撃を任せた相棒が、事を成し遂げると信じて。偽りの丘にて奮闘を続ける。

(理緒が囮として頑張ってるんだ、私も全力で決めなきゃね……!)
 そんな理緒の奮闘に応えるべく、乾いた大地の地表スレスレを飛翔する小さな影。ジル・クリスティ(宇宙駆ける白銀の閃光・f26740)、フェアリーである。
(――にしても、ここまで更地だとは思わなかったな)
 ジルは周囲を見回して眉根を寄せる。ほぼ更地と化した旧ダラス市の大地には、遮蔽として使える物体が全く存在しない。身の丈20cm少々しかないジルの身をすら隠せない程の有様だ。
(でも、それならそれで前に行くだけだよ!)
 故に、可能な限りで身を隠すべく。ジルは地表近くを滑るように飛翔する。巻き上がる砂塵が、多少なりともジルの身を隠す。視線の先、砲撃を繰り返す巨大な戦車の姿が見える。
(うわっ、でっか……)
 改めて実感するその巨大さ。フェアリーである以上、人間が感じるより更に大きく感じる。ジルは己との体格差を実感するが。
(でも、サイズの差が戦力の決定的差じゃあない!)
 小さな姿ではあれどジルは宇宙の戦士。かつては身一つで宇宙の機動兵器と、猟兵となってからは巨大な帝竜達と戦ってきた身だ。今更30m程度の戦車相手に挫けている場合ではない。
(教えてあげるよ、フェアリーの力を!)
 決意と共に、携えたビームライフルにエネルギーを充填してゆく。切り札たる一撃を繰り出す為の力を。
 飛翔続けるうち、視界に映る巨大な姿はよりその大きさを増し。やがては視界を埋め尽くすまでに至る。理緒の奮戦のおかげか、ここまで気付かれずに迫ることに成功だ。
『――――!!!』
 だが、ここでスーパー戦車の挙動に変化。警報音めいた電子音声が響いたかと思えば、機体側面から無数の機銃や砲塔、ランチャーが出現。狙いを定めるかのように発射口を彷徨わせる。
(近づいていることに気付かれたかな。でも、まだ見つかってはいない今がチャンス)
 打って出るのは今だ。意を決し、ジルはライフルを両手に掴んで高く掲げる!
「行くよ、銀河を斬り裂く無限の光……!」
 銃口から迸るは、ジルの身長に数倍する光の柱。だがそれは尚も長く、太く延びてゆく。光そのものも輝きを更に増して、高く、強く。
「はぁぁぁぁぁ……!」
 雄叫びめいた気合の叫びが、光へ更なる力を齎す。その長さ、今やジルの身長の百倍を超えようかという程へと至り。
『――――!!?』
 己の至近で突如高密度エネルギーが生じたことに、スーパー戦車にも動揺めいた反応が見られる。だが遅い。
「銀河斬り裂く電光石火の一撃――喰らえぇぇぇぇぇっ!!」
 そして。振り下ろされた光の刃。一刀両断と言うべき勢いで、最終兵器たる戦車の機体を、深く傷つけてみせたのである。

「ジルさーん!!」
 後退してきたジルに、囮として動いていた理緒が合流する。リオ・セレステから飛び出し、ジルのもとへと駆け寄っていく。
「理緒! うまくいったよ!」
 ジルもまた、彼女の方へと飛翔して。掲げられた理緒の手に、ジルの小さな小さな手が打ち付けられる。人間とフェアリーとのハイタッチである。
「見ての通り、あいつの損傷は甚大。もうちょっとで倒せるくらいまで――」
 遠目に見える、全身至る処を損傷し深手を負っているかのようなスーパー戦車の姿を示し、何処か自慢げなジルだったが。その言葉が途切れる。何故なら。
「えへへへへ、すごいよすごいよジルさーんっ♪ うん、かっこいいしかぁいいよぉ」
 ジルの小さな身体を両手で掴んだ理緒が、そこに思いっきり頬ずりをかましたからである。
「に、人形みたいに愛でるなぁ!?」
 流石にそういう扱いは心外である。どうにか脱出しようとばかり、じたばた暴れるジルであったとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ歓迎
※電脳で戦車と会話可
※愛機搭乗

◆先制対策
キミは「正確すぎる」のさ
だからアタシは動かない

どんな戦車砲も静止目標は普通に撃つ
弾道軌道等物理法則を超える手はあるが
方向転換や急加速等の特殊弾は無し

故に静止で答えを絞り【カイルス】で未来位置算定
※『プロジェクトディアブロ2.0』2章のレーダー準拠
後は実弾より速い【プロキオン】の光弾で迎撃
【アーリー・バード】で爆風を凌げば…

◆反撃
DA00号【プライマル】の『簡易ワープドライブ』展開
死角へ転移を繰り返し接敵(攻撃力5倍・回数半減)
【マトリクス・メモリ】で『貫徹力の発生源』が付与され
APFSDS化した【プロキオン】の特殊反応弾を撃ち込む



「目標の推定損傷率80%超、けれど主要機能に異常は無し――と」
 荒野の只中に佇む蒼きキャバリア『ナインス・ライン』の機内、リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)はレーダーに映るスーパー戦車の状態を細かく確認していた。
 その損傷は大きく、多くのパーツが破損し、脱落している。だがスーパー戦車砲をはじめ、戦闘に必要な主要機能は問題なく稼働している。ナノマシンを用いた自己再生機能で、それらを優先的に修復しているのだろう、とリーゼロッテは推測する。
『――まだ、まだ遊び足りないよ』
 その時、リーゼロッテの頭の中で声がする。スーパー戦車の発した電子音声が、リーゼロッテの電脳を介して人の言葉に翻訳されたのだ。
「そうかい。けど、残念だね。遊びの時間はもう終わりさ」
 コンソールを操作しつつ、リーゼロッテは冷たく返す。会話が可能とて、かの敵へ思うところは特に無い。只々、倒すべき敵である。
『嫌だ! ぼくはもっともっと遊びたい! 遊べなくなるまで、ずっと、ずっと!』
 返ってくる応えは駄々を捏ねる子供そのもの。なれど彼の目的は、まさにその『遊び』――この世界の全てを灰燼に帰すという行いであるが故に。
「だろうね。なら、付き合ってあげるよ」
 であれば、中途まで付き合うもまた一興か。全ての設定を終えて、リーゼロッテは戦車を促す。
『あは、嬉しいなあ! それじゃ、いっくよー!』
 返ってきた応えは、正しく子供の喜び方で。スーパー戦車砲の照準が、ナインス・ラインに合わせられる。ディスプレイに『LOCKED』の警告表示。
 だが、ナインス・ラインは動かない。どんな戦車砲も、静止目標は普通に撃つ。スーパー戦車砲とて例外ではない。ある程度の物理法則の超越は可能だが、方向転換や急加速までは実現できていない。
 故に。砲弾を回避せず防ぐ、また迎撃するという手段を取るならば、動かぬことで計算を容易にする。それがリーゼロッテの選択である。
『どーん!』
 無邪気な声と共に放たれる砲弾。空を裂き、砲弾はナインス・ラインへと真っ直ぐ迫る。
「未来位置算定……確定、予測到達時刻展開。迎撃準備完了……と」
 しかしやはりリーゼロッテは動かない。動かず、迎え撃つ体勢を構築する。片腕にビームランス、片腕に大盾。超高速で飛来する砲弾に狙いを定めて。
「……ここっ!」
 叫ぶと同時、ビームランスから撃ち出された光子弾。其は狙い違わず飛来していた砲弾を撃ち抜き爆発。爆風は大盾で凌ぎ、被害は一切無し。
『……え? 当たってないのに爆発?』
 一方のスーパー戦車は、困惑の電子音を響かせていた。何故途中で爆発してしまったのか。何の不具合があったのか。思案……しようとして、即座に『それ』に気が付いた。
『……何で!? 何でおねーさんもう『そこ』にいるの!?』
 今しがた砲撃しようとしたナインス・ラインが、砲撃の届きそうもない背後へ、いつの間にか姿を現していたのだ。
「ふふっ、ちょっとした小道具の恩恵さ」
 それは本来キャバリアには適さない武装を展開するユーベルコード。以て、簡易的なワープドライブというものを用意し、戦車の背後への転移を果たしたのだ。
「じゃ、次はアタシの番だね。――この一撃、耐えられるかい?」
 ビームランスを構えるナインス・ライン。開いた砲口から覗くは特殊反応弾。撃ち込む位置次第では、スーパー戦車すらも粉々にしてしまいそうな代物だ。
 そして撃ち出されれば――貫通力を高めた特殊反応弾が、スーパー戦車の車体、その奥深くまで浸透し――以て、大爆発を引き起こした。
 それまでに蓄積したダメージで、最早ボロボロとなっていたスーパー戦車は、この一撃で完全に機能維持が不可能となった。崩壊してゆく、鋼鉄の巨躯。
『――ぁ、ぁ――ぼく――負ける――まだ――何も、できてな――』
 そんな中、リーゼロッテの脳内に響く、ノイズ混じりの声。スーパー戦車の断末魔。
「残念だったね。ま、続きはお母さんにしてもらえばいいさ。そう遠くないうち、再会できるんじゃないかね」
 即ち、マザーをも討たんというリーゼロッテの意志。それが今か、当分先かは分からずとも。
『――そ、か――お母さん――今度は、ぼくと――』
 漏れ聞こえる声は、何処か安心したかのようで。直後、スーパー戦車の上部構造が完全に崩壊。下部との激突を経て、それら諸共にバラバラに砕け散っていった。



 以て、フィールド・オブ・ナインが一角『スーパー戦車』の撃破に成功。かの敵の計画、阻止に一歩前進。
 なれど、フィールド・オブ・ナインは未だ5名を残す。此度の戦で仕留めきれるか、或いは。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月14日


挿絵イラスト