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アポカリプス・ランページ⑥〜Exhaust Exist

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#アポカリプス・ランページ⑥


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「皆、ヴォーテックス一族の残り一人、デスファイア・ヴォーテックスの本拠地が見つかったで!」
 グリモアベースに集った猟兵達に、グリモア猟兵、ツキカ・アシュヴィン(星追いの渡り鳥・f24375)が呼びかける。
「ヤツはロッキー山脈の山中にトゲトゲガチガチのでっかい鋼鉄の要塞を建てて、そこを本拠地にしとる。如何にもレイダーの要塞ちゅう建物やな」
 グリモアを展開して映し出したその要塞の風景。成程、分かりやすくヒャッハーと鳴くモヒカン達が詰まってそうな建物である。
「で、今回お願いしたいんは勿論デスファイアをやっつけるコト……やねんけど、単に突っ込むだけやとちぃとばかし面倒なんよね」
 と言うのもこのデスファイア、周りに奴隷や手下のレイダーが居ようが戦場が自分の本拠地だろうがお構いなしに火炎放射を撒き散らす、極めてカオスな戦い方をする男である為だ。
 レイダーは兎も角、奴隷を殺されるのはよろしくない。ではどうするか。
「せやから、何とかデスファイアを要塞の外に引きずり出して戦えばええねんけど。一つ、有効な手段があるんよ」
 それは何か、と猟兵の一人が問えば。
「――『ライディングバトル』や!」

 ライディングバトルとは。
 お互いにバギーや戦車などといった車両に乗りこみ、その状態で互いを攻撃するという形式のバトルである。勿論、勝敗は両者いずれかの死を以てつけられる。
 車両を用いる関係上、外に出なければ行えないので、室内戦を避けるならば確かに理に適っていると言えるが。
「デスファイアはどうもライディングバトルにえらい拘りがあるみたいでな。挑まれれば絶対にそれを断らへん」
 彼の男としての美学がそうさせるのでは、とはツキカの推測である。
 また、猟兵が少数であるため、デスファイアも同行させるのは精鋭の部下のみ。攻撃に際し奴隷とされた一般人の心配は不要だ。
「こっちの乗り物は『地上を走る乗り物』やったら何でもOKやで。バギーや戦車は勿論、キャバリアでもええし馬でもええ。もし乗り物持ってへん言う人がおったら、言うてくれればバギーか戦車を貸せるで」
 今回の任務のために近隣拠点から数台調達してきたとのこと。性能は汎用的な量産品のレベルだが、うまく使えばデスファイアにも対抗できるだろう。
「ヴォーテックス一族も、今回カタストロフを起こそうとしとるフルスロットルを別にすればコイツが最後や。ばっちり仕留めて、一族の脅威を完璧に叩き潰してやってな!」
 気炎を上げると共に、ツキカはグリモアを展開。猟兵達の転送を開始してゆく。



「ほう、クライストもブラッドルビーもロンメルも、全員その猟兵とか言う連中に殺されたってか」
 ロッキー山脈山中、鋼鉄要塞デスファイア。
 部下から報告を受ける大男、彼こそがこの要塞の主、『火炎大王』デスファイア・ヴォーテックスである。
 分厚い筋肉を纏った身体に、炎の如きモヒカンヘア。何より、下半身が戦車そのものの無限軌道と化しているという、異様ながらも分かりやすく『力』を持つ者、という風体を有する男だ。
「ハッ! 所詮神だの奴隷だの軍隊だの、他のモノに頼った連中はそんなモンだな!」
 豪放に笑い飛ばすデスファイア、その意に応えるかの如く、両腕の火炎放射器が炎を噴いた。
「――で、その猟兵とかいう連中が、オレにライディングバトルを申し込んできた、ってか?」
 身を屈め、報告する部下に顔を近づける。是の返答を聞けば、火炎大王は愉快そうに大笑した。
「ハッハッハ! いい度胸しているな! このオレにライディングバトルを挑むってか!」
 無限軌道が駆動を開始し、デスファイアの身を前進させる。彼がライディングバトルの挑戦を絶対に断らないのは、部下達も知るところだ。意を得たとばかりに、数人のレイダーが彼に随い後を追う。
「いいだろう! このオレの力、思う存分見せてやろうじゃねぇか! オレは誰にも負けやしねぇ! 誰よりも強いからだ!」
 猟兵よりも、フィールド・オブ・ナインよりも。
 絶対的な自信と、炎噴き上げる肉体と共に、デスファイア・ヴォーテックスは要塞を出る。
 猟兵達との、ライディングバトルへ赴く為に。


五条新一郎
 暴力と炎を纏って走れ。
 五条です。

 アポカリプス・ランページ、次なる敵は王道的世紀末世界の荒くれ者と言えそうなデスファイア・ヴォーテックス。
 彼とのライディングバトルを制し、かの火炎大王を打ち倒してくださいませ。

●目的
『デスファイア・ヴォーテックス』の撃破。

●戦場
 アポカリプスヘル、ロッキー山脈。
 この山中を爆走しながらライディングバトルを行います。
 山の中なので起伏もカーブも多いです。草木は殆ど生えていません。

●プレイングについて
 OP公開直後よりプレイングを受け付けます。今回は特に〆切は設けず、此方のキャパシティを超えそうな段階で締めきらせて頂こうと思います。
「乗り物に乗って戦う」ことでプレイングボーナスがつきます。乗り物は「地上を走るもの」であれば馬からキャバリアまで何でもOKです。
 乗り物を持たない方は、プレイングで指定頂ければバギーか戦車が借りられます。
 因みにデスファイアは自身の下半身の戦車で走り、周囲をバイクに乗った精鋭レイダー達に護衛させています。

●リプレイについて
 現在執筆中の「アポカリプス・ランページ⑦〜Think Tank」完結後から執筆開始、9/10(金)までの完結を予定しております。

 それでは、皆様の爆走するプレイングお待ちしております。
199




第1章 ボス戦 『デスファイア・ヴォーテックス・ライド』

POW   :    デスファイア・ニトロクラッシュ
【ニトロの爆発力】によりレベル×100km/hで飛翔し、【自身の火力】×【速度】に比例した激突ダメージを与える。
SPD   :    デスファイア・スピードラン
【下半身の戦車】を操縦中、自身と[下半身の戦車]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
WIZ   :    デスファイア・ノンブレーキ
自身が【速度を落とさず走り続けて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【高熱の火炎】によるダメージか【心が燃えること】による治癒を与え続ける。

イラスト:V-7

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミルフィ・クロノラヴィット
アドリブや連携等も歓迎

『わたくしも…「脚」には些かの覚えがございますわ…☆』

自身の
ホバーバイク型ビークル
『ラビィエクステンダー』
に乗り
『アームドクロックワークス』も展開し戦闘

【足場習熟】【悪路走破】も
駆使
【運転】【操縦】
【ダッシュ】【ジャンプ】で
障害物等も回避しつつ走行

【砲撃】【誘導弾】の【一斉発射】【弾幕】等で攻撃

『デスファイア!勝負はここからですわ…!』

UC発動
アームドクロックワークスを
巨大ロボ形態に変形させ
遠隔操作で
ブーストダッシュで走行する
巨大ロボに
走りながら
ビークルごと搭乗
そのままロボで走行し攻撃
(味方を巻き込まない様)

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】
【オーラ防御】で
防御・回避



「イヤッハー!!」
 無限軌道が唸り、炎を噴き上げ、ロッキー山脈の荒れた大地を、雄叫びと共に爆走するはデスファイア・ヴォーテックス。猟兵達とのライディングバトルに挑まんする、ヴォーテックス一族の一員だ。
「さあ猟兵共! オレは逃げも隠れもしねぇ! 誰でも何処からでもかかってきやがれ!」
 大音声で以て堂々宣言。応えるように、そこかしこから疾走するもの達の気配。最初に近づいてきたのは、兎を模した形状のホバーバイク型ビークルだ。
「わたくしも……『脚』には些かの覚えがございますわ……☆」
 そんな『ラビィエクステンダー』の機上、悩ましげな声音で自信を以て告げるは、幼き貌に不釣り合いな程の豊かな身体を持つ少女。ミルフィ・クロノラヴィット(メイドオブホワイトラビット・f20031)である。
「ハッ! 上等だ! オレの炎で焼き尽くしてやるぜ……勝負だ!!」
 ミルフィの闘志を受け、デスファイアは好ましいとばかりににやりと笑う。ここに、火炎大王対猟兵達による、ライディングバトルの幕が切って落とされたのである。

 辛うじて道とは呼べるものの、凹凸放題で岩や瓦礫といった障害物もそこかしこに転がる劣悪なコース。なれど両者とも、それらをまるで意に介さぬが如く爆走する。
 ラビィエクステンダーはホバー機構による跳躍やコーナリングを以て軽やかに。デスファイアは頑強なる肉体と強靭なる無限軌道を以て強引に。
 そうして両者が左右に並んだその時、ミルフィが仕掛ける。
「それでは……参りますわよ……!」
 ラビィエクステンダーの各部から分離したパーツが其々に変形、砲台や機銃、ミサイルランチャーがその砲口を露わとする。コチコチと刻まれる時計仕掛けの音が、眼前の火炎大王の命数を刻むが如く冷徹に狙いを定め。
 一瞬の後、ミサイルが白煙上げて撃ち出されると共に、砲台が魔力弾頭を、機銃が掃射銃撃を一斉に吐き出した。猛烈なる弾雨が、火炎大王を目掛け殺到する。
「しゃらくせぇ!!」
 なれどデスファイアも応じて吼える。弾丸の嵐を払うかのように腕を振ると同時、その手首のノズルから噴出するは高密度の火炎。彼の代名詞たる火炎放射だ。
 猛る炎はミサイルを呑み込んで中途で爆散させ。砲弾と機銃弾とは勢い殺せず彼の肉体や戦車に着弾するも、その傷は浅い。鍛え抜かれた肉体は、銃火器を以てしても容易に傷つけられるものではないか。
「今度はこっちから行くぜぇ!!」
 そしてデスファイアの反撃。戦車に搭載された砲台が、ロケット弾や砲弾、銃弾を猛烈な勢いで吐き出しミルフィを目掛けて浴びせてくる。
「くぅ……っ!」
 巧みなハンドル捌きで火線を躱すミルフィ、なれどデスファイアの攻撃は狙い定めずミルフィの周囲へバラ撒かれる。回避や防御を意に介さぬ、敵対者を捻じ伏せるが如き面制圧攻撃。地面に着弾したロケット砲が爆炎を上げ、ラビィエクステンダーをその中へと飲み込んでゆく。
「ハッハァ! どうしたどうした、これで終わりじゃねぇだろぉ!?」
 仮にも己に挑むような命知らずだ、この程度でくたばるとは思えない。ある種の期待すら籠めて後方を振り返りながら、デスファイアは笑う。
「勿論ですわ……!」
 応えるような叫び。爆炎を突っ切ってラビィエクステンダーが飛び出す。ミルフィ共々至る処が傷ついた姿だが、戦闘続行に支障は無し。
「勝負はここからですわよ、デスファイア……!」
 加速するラビィエクステンダーから、時計仕掛けの武装が次々と脱落してゆく。軽量化の為のパージか。否。外れたパーツが、ユーベルコードの光を帯びて巨大化、変形しながら再結合――合体してゆく!
「巨大戦と参りますわ! ナイトオブホワイト、起動……!」
 ラビィエクステンダーは更に速度を上げ、飛翔しながら変形してゆく武装群のもとへ飛び込み、その内側へと収まって。そして変形を終えたその姿は――時計仕掛けの白き巨大ロボ!
「ハッ! こいつは大物だな! だが、オレの攻撃には耐えられ――」
 現れたる威容が、瞬く間にデスファイアと並走を開始する。その姿を前としてもデスファイアは余裕の笑み、己の火砲で粉砕せんとするが――ミルフィの動くが、早かった。
「わたくしの全力攻撃、受けてご覧なさいませ……!」
 ナイトオブホワイトの各部装甲が展開、ガトリング砲とミサイルランチャーが四方八方に弾丸の嵐を巻き起こす。周囲の味方を巻き込む心配は不要、故に加減も無用。
「ぬおおおおお!? や、やるじゃねぇか、テメ――」
 その密度、火炎大王すらも圧倒する程の勢いで。漏れ出した叫び諸共、銃火と爆炎が飲み込んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルケン・ピーチ
幼女ボディのぺしぇで出撃

【ライディングピーチ】で召喚した山に【環境耐性】ある恐竜さんに乗り、【騎乗】でバイクの手下たちの間を走り回って【騎乗突撃】て転ばせてっちゃうぞ!

バイクをみんなやっつけたらデスファイアおじちゃんと勝負だ!
【悪路走破】で山を登り、体の小ささと身軽さを生かして上へ上へ昇ってくぞ!
もちろんおじちゃんも地形ダメージを受けないからどんどん追ってくると思うよ

それである程度まで逃げたら…出てこい、ピンクケルベロス!
山の中に隠してたサイキックキャバリアを【念動力】で読んで後ろから飛び掛からせ、自分もジャンプでその中に恐竜さんごと搭乗!
【重量攻撃】で戦車の上のおじちゃんを踏み潰しちゃうぞ!



「な、何だこいつっ、ぐわぁぁ!?」
「恐竜とか有り得ねぇだろ、ぎゃあぁぁ!!」
 デスファイアの後を守るかのようにバイクで爆走していたレイダー達が、後ろから迫ってきた『それ』に蹴り飛ばされ体当たりされ、次々に崖下へと叩き落とされてゆく。
「恐竜! 恐竜ときやがったかテメェ! 面白ぇヤツに乗ってきやがったモンだ!」
 振り向き『それ』を確かめたデスファイア、愉快そうに笑う。彼を追って現れたるはまさしく恐竜――その背に、有り得ない程に胸を豊かに膨らませた幼い少女を乗せた、所謂獣脚類に分類される恐竜だ。
「デスファイアおじちゃん! 魔法少女ミルケンピーチがお相手しちゃうぞ!」
 恐竜の背の上で器用に立ち上がり、ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)――今回は弱冠6歳の幼女、花園・ぺしぇのボディで参戦――が堂々と名乗りを上げる。其に倣うかのように、乗騎たる恐竜もまた咆哮を上げる。かつてアースクライシス2019の折に手懐けられて以来の仲である両者、息はぴったりと見える。
「ガキだろうとオレに挑んでくるなら加減はしねぇ! かかってきやがれ!」
 デスファイアもまた対抗するかの如く、両腕の火炎放射器から炎を噴きつつ吼えてみせる。第二ラウンドの開始である。

「恐竜さん、やっちゃえー!」
 ミルケンの声に応えて恐竜が跳躍し、デスファイアの真上に飛び掛かり。踏みつけじみた跳び蹴りを繰り出す。
「叩き落としてやらぁ!」
 勿論デスファイアも黙って受けはしない。迎撃するかのように、降下してくる恐竜目掛けて迎撃の拳を突き出す。蹴り足と拳とがぶつかり合い、そして――
「恐竜さん、じゃーんぷ!」
 そこにミルケンの指示。届くが早いか、恐竜はデスファイアの拳を足場に更に跳躍。パンチのエネルギーも上乗せした大跳躍にて、一気に崖を登り山の上へと登ってゆく。
「ちっ、逃がすものかよ!」
 だがデスファイアもそのまま置いていかれはしない。手近な崖へと真っ直ぐに突っ走ったかと思えば――無限軌道がそのまま崖へと乗り上がり、エンジンが唸りを上げて。そして彼の巨体は、真っ直ぐ上を目指して爆走し始めた!
「うわぁ、やっぱり登ってくるぅ!?」
「ハッハッハァ!! オレを邪魔できるモノなんざ、この世に存在しねぇんだよ!」
 崖を噛み、車体を安定せしめ、肉体を真っ直ぐ上へと走らせる無限軌道。あまりの力強さに、振り返ってその様を確かめたミルケンが驚愕の声を上げる。恐竜は巧みな跳躍と疾走で崖を登っているが、それでも油断すれば忽ち追いつかれてしまうだろう。
(でも、もうちょっと引きつけたら……!)
 ミルケンには策があった。其が最大の効果を発揮できる好機まで、後少し。そこまで逃げきれれば己の勝ちと。

 崖を登り切り、尾根を駆けだすミルケンと恐竜。そのすぐ後に、崖を走りきったデスファイアが続く。
(ここだ……っ!)
 猛烈な勢いで地を抉り迫る機銃掃射を左右に躱しながら、機を窺うミルケン。そして間もなく、好機が訪れた。
「ぬ? ……ぉぉおおおおぉぉぉ!?」
 己に差す影に気付いたデスファイア、振り向けば――己に伸し掛からんばかりに飛び掛かる、巨大な犬型ロボの姿を目の当たりとし驚愕の声を上げる。
 これこそはピンクケルベロス、念動力による外部からの制御も可能なサイキックキャバリアだ。
「よぉし、恐竜さんじゃーんぷ!!」
 ピンクケルベロスに乗っかられてもがくデスファイア、振り解かんともがくものの、その前にミルケンが恐竜と共に再度跳躍。その着地先は――
「ぐえぇぇ!?」
 恐竜ごとピンクケルベロスに乗りこんだミルケン、一人と一頭と一機の重量が、衝撃を伴って火炎大王の身を押し潰さんとしてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
ライディングバトル……レースっていうわけではないんだね。

レースならさすがにキャタピラに負けるとは思わなかったけど、
なんでもありっていうならそれはそれで、思い切りいける感じかな。

わたしは【リオ・セレステ】で挑ませてもらおう。
飛ばないで陸上モードでいけば、おっけー、だよね。ホバー走行だけど!

相手はキャタピラではあるけど、狙うならやっぱり駆動系だね。
【E.C.O.M.S】を発動させてユニットを召喚したら、キャタピラの転輪とスプロケットを狙って突撃させるよ。
部下の乗り物はわからないけど、そっちも同じように駆動部を狙っていくね。

相手の動きが止まったら【M.P.M.S】で対戦車ミサイルを斉射するよ!



 無限軌道を唸らせ荒野を爆走するデスファイア・ヴォーテックス。その側面へと、空色の小型戦闘艦が追い付いてきた。飛行可能な機体ではあるが、今はホバー走行の陸上モードゆえ、ライディングバトルの参加要件は満たす。
『ライディングバトル……レースっていうわけではないんだね?』
 その戦闘艦『リオ・セレステ』から声が響く。操縦者たる菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)の確認めいた問い。
「そうとも! 殴り合い、撃ち合い、最後まで生きていた方の勝ちだ!」
 リオ・セレステが如何なる性能を有するものか値踏みするような睥睨と共に、デスファイアが応える。その声音、己の力に対する絶対の自信が伺える。
『なるほど。それならそれで、思いっきりいける感じかな!』
 納得したような声と共に、リオ・セレステの各部が展開、武装群が顔を出す。戦闘態勢だ。
「応よ! テメェの全力でかかってきやがれ! 本気でオレに勝てる気でいるならなぁ!」
 吼えるデスファイア、その闘志に応えるかのようにエンジンが唸りを上げて、無限軌道が更なる力で以て荒れた大地を噛んで走り。一気にリオ・セレステを引き離す超速度を発揮する。
「は、速いー!?」
 無限軌道であそこまでの速度が出るのか。これは勝負形式がレースだったとしても勝ちが決まっているとは言えないか。驚愕する理緒。驚愕しつつも、己も後を追わんと機体を加速させるが。
「ヒャッハー! まずは俺達が相手だー!」
「デスファイア様自ら相手する価値のある奴か、見せてもらうぜ!」
 その前後を包囲するように、四台のバイクが立ちはだかる。デスファイアのライディングバトルに同行することを許された精鋭レイダー達だ。
「むう、ヒャッハーはお呼びじゃないの!」
 唸る理緒、なれど行動は冷静に、既に実行されている。リオ・セレステから飛び出した無数の正八面体ユニットが、次々とレーザーを発射。精鋭たるレイダー達は巧みなバイクテクニックで躱してゆくが、回避機動を取ることは織り込み済みだ。
「そこっ!」
 回避機動で移動範囲を絞り込んだ上での、必殺の射撃。それは狙い違えることなく、レイダーのバイクのエンジンを撃ち抜いて――エンジンを爆発させた!
「「「「みぎゃーーーー!!?」」」」
 爆発でバランスを崩したレイダー達は、そのままマシン諸共遥か後方へ吹き飛んでゆく。後はデスファイアだ。理緒は機体を加速させる。

「追いついてきたか! そうこなくっちゃあな!」
 後方にリオ・セレステの姿を認め、デスファイアは愉快げに口元を歪める。そして徐に両腕を広げたかと思えば。
「だが! オレの炎を乗り越えること、お前にできるか!」
 其々の手首に接続された火炎放射器が炎を撒き散らす。辺り一帯を焼野原にせんばかりの猛烈な炎を。
「わ、わ、わ……!」
 渦巻く炎の嵐を前に、減速を余儀なくされるリオ・セレステ。浮遊ユニットを差し向けるも、殆どが火炎に巻かれて落ちてゆく。一撃でもダメージを受ければ壊れてしまう、このユニットの弱点。
「むう、こうなったら!」
 だがこのままデスファイアの後塵を拝するわけにはいかない。決意を籠めて、理緒は加速。デスファイアの隣まで走り込んだ!
「よく来たな! そのまま黒焦げになっちまうがいい!!」
 無論のことリオ・セレステへと襲い来る炎。熱で装甲が剥げ、内部構造にも損傷が認められる。だが理緒は恐れぬ。
「黒焦げになるのは、そっちの方だよ!」
 炎を突っ切り懐へ。至近距離から放った浮遊ユニット群が、デスファイアの左右へと滑り込み。レーザーを撃ち放てば。
「ぐ、ぬおおおおおおお!!?」
 戦車の無限軌道を回す転輪などの駆動系パーツを破壊。バランスを失った火炎大王は、盛大なスピンと共に崖へ激突した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ絡み連携歓迎
※『ナインス・ライン』搭乗

ライディングバトル…いいねえ♪
『卓越したパイロット』として挑もうか

最初は少し鈍目に振る舞い誘引
「アタシ、倒された奴の奴隷になっちゃうのかな♡」
…って世紀末的誘惑で有効射程に招いたら
オペ47番【マトリクスドライブ・グラビティ】最大解放

機動力の差を極限まで広げつつ【アダマンタイト】臨界
両肩へ展開した新装備【プルート】と両手銃器のビーム弾幕で
ライディング蜂の巣さ♪

その上【マトリクス・メモリ】で『猛毒の発生源』構築
バラ撒いた対生物有毒ビーム弾の毒性を急激に高めて
雑魚を一斉崩壊させると同時にデスファイヤへ追撃

「アンタはもう死んでいる…なんてね♪」



 応急修理を終えて再度走り出したデスファイア・ヴォーテックス。そんな彼の隣に、次なる挑戦者が現れた。
「ライディングバトル。良い響きじゃないか♪」
 ブースタを吹かし追いついてきたのは、蒼き重装キャバリア『ナインス・ライン』。搭乗者たるリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は楽しげに呟く。卓越したキャバリアパイロットでもある彼女、機体の使用を前提とした勝負ということで闘志を擽られている模様。
「次はテメェか! 随分とまぁ大仰なマシンに乗ってるが、オレに勝てる程のモノか……見せて貰おうじゃねぇか!」
 未だ余裕の見える笑みと共にデスファイアが応え。両者のライディングバトルが幕を開ける。

「おらおらおらおらぁぁ!!」
 デスファイアの火炎放射と、戦車部分から放たれる砲撃。辛うじて躱すナインス・ラインだが、猛烈なる攻撃はその重装甲が意味を為さぬ程の威力を以て機体へ損傷を積み重ねてゆく。
「ヒャッハー! 俺達もいるぜ!」
「この程度でデスファイア様に挑むとか無謀もいい処だぜ!」
 更にはお供たる精鋭レイダー達も追撃してくる。棍棒やショットガンによる攻撃は殆どが装甲で凌げるものの、デスファイアに損傷させられた部位に受けると少々痛い。
「うぅっ、思った以上に強いっ」
 リーゼロッテの表情に焦りが滲む。が、実の処は全てが演技。敢えて少しだけ手を抜いているのだ。己の構えた策の為に。
「このまま負けたら……アタシ、倒された奴の奴隷にされちゃうのかな……」
 などとレイダー達の性質を踏まえた己の末路への不安を装った誘惑までしてみせる。
「ハッ、テメェの心がけ次第だな。だがまぁ、一度くらいは楽しませてもらいてぇモンだな?」
 典型的レイダー気質の持ち主と言えるデスファイア、彼女のそんな言葉に興味を持ったようで。減速し距離を詰めてきた。
(――今だ)
 好機。ナインス・ラインのコクピットの中、リーゼロッテの手には輝くメモリデバイス。これを首元のバーコードへ押し当てれば。
『マトリクス・メモリ認証完了。現象再現用ホロアーカイブ、リローデッド』
 以てリーゼロッテの中に、重力へ干渉する術式が組み上げられてゆく。本来魔術と縁の無い彼女に、疑似的な魔術技能を齎す力、マトリクス・メモリ。
『悪いけど、お断りするよ。――アタシはまだ、負ける気はしないんでね!』
 そして完成した術式を走らせれば。戦域の重力が、乱れ狂う。
「ぬぐお……っ!? 何だ、こいつぁ……!? 身体が、重い……!?」
 突如、身体に何トンもの重みが伸し掛かってきたかのような重圧。あまりの重みに戦車のフレームが軋み、装甲にも著しい影響が生じる。何が起きたのか、デスファイアにも見当がつかぬ。
「こいつが重力系魔法ってヤツさ! 最大出力の味はどうかな!」
 補助ジェネレータも稼働させてブースタを最大限に吹かし、一気にデスファイアを引き離しながらリーゼロッテが告げる。息が荒いのは、その重力系魔法の齎す負荷故に。
「じゅ、重力……魔法……!? な、何なんだそいつぁ……!!」
「それじゃあオマケのプレゼントだ、遠慮なく受け取ってよ!」
 あまり耳馴染みの無い概念であるが故か、理解が及んでいない様子のデスファイア。だがこれ以上説明してやる義理は無い。代わって、リーゼロッテが展開したのはナインス・ラインの両肩に装着された連装ビームガトリングガン。放たれる光子弾が、デスファイアへ、周辺の地面へと突き刺されば。
「ぐっ、だがこの程度……あががががががぁぁぁぁ!!?」
 それだけならばデスファイアにとって大したダメージではない、だが光弾には毒性も含まれる。ましてやマトリクス・メモリによって更に高められた毒性は、彼の強靭な肉体をも侵し、衰弱に追い込んでゆく。配下のレイダー達に至っては、全員その肉体が溶け崩れてしまっていた。
「アンタ達はもう死んでいる……なんてね♪」
 その成果を見届けて、リーゼロッテは呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…成る程、要するにこの世界流の騎馬戦ということね
私は騎士では無いけれど、その真似事ぐらいなら出来るもの

…勝負よ、デスファイアとやら。お前に敗北を味あわせてあげる

瞬間的に吸血鬼化を行い「風の精霊結晶」に血の魔力を溜めUCを発動
移動力を5倍、射程を半減にした高速の"嵐の精霊馬"を召喚して騎乗する

…一瞬だけなら、太陽光の下で吸血鬼化しても問題ない

…来たれ、この世界を巡る大いなる力よ。其は地を削り、炎を消し、嵐を統べるもの…!

自身を嵐のオーラで防御して周囲の空気を受け流して加速しつつ切り込み、
第六感が捉えた敵の殺気から戦闘知識を頼りに突撃機動を見切り、
呪詛を纏う大鎌をなぎ払う早業のカウンターで迎撃する



 猟兵達と激しいライディングバトルを繰り広げる、巨大戦車の下半身を持つ大男――デスファイア・ヴォーテックス。その戦いの様子を、崖上から見据える者あり。
「……成程。この世界流の騎馬戦、というわけね」
 ライディングバトル。言葉だけでは今一つピンと来なかったが、実際の戦いぶりを見て理解した。リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は首肯する。
 互いに乗騎を駆って武を競う。リーヴァルディの知るそれに比べれば随分と野蛮さが増しているが、本質は恐らく同じだ。
「……私は騎士ではないけれど。その真似事くらいならできる」
 取り出したるは、緑色を帯びたる結晶。精霊の力宿る結晶。これは風の精霊に由来するものだ。
「……限定解放。血の契約に従い、始原の姿を此処に顕現せよ」
 己の身に流れる吸血鬼の血を、一瞬だけ励起。陽光の下で行うには危険の伴う行為だが、一瞬ならば問題無い。以て生じた血の魔力を、精霊結晶へ注ぎ込む。
「……来たれ、この世界を巡る大いなる力よ。其は地を削り、炎を消し、嵐を統べるもの……!」
 そして詠唱を唱えれば、結晶は翠色の光となって、膨張と変形を始め。数瞬の後、リーヴァルディの前には、美しい鬣を靡かせる翠色の馬――『嵐の精霊馬』がその姿を顕現させていた。
 リーヴァルディが跨ると同時、精霊馬は嘶きを一つ上げて跳躍。山道へと軽やかに着地すると、文字通り風の如くとなって駆けだしてゆく。

 先の猟兵が撤退したのと入れ替わるように、リーヴァルディ駆る精霊馬はデスファイアへと追いついた。
「……勝負よ、デスファイアとやら。お前に敗北を味あわせてあげる」
 デスファイアの隣に追いつけば、早速とばかりに。片手に構えた漆黒の大鎌を突きつけながら、冷厳たる声音で以て宣戦布告する。
「ハッ! いいだろう、やってみろ! 本気でオレを負かせるつもりでいるならなぁ!」
 対するデスファイアも両手の火炎放射器から炎を噴き上げ、闘志を示す。ここまでの交戦で少なからず損傷を受けているようだが、今だ戦闘には支障は無しと見える。
「……勿論、そのつもりよ」
 冷たく言い放つが早いか、リーヴァルディは大鎌を振り回す。刃の軌跡が大気を刻み、斬撃波となってデスファイアを襲う。
「ハッ、この程度効くかよ! 攻撃ってのはこうするもんだ!」
 放たれた斬撃波は命中するものの、戦車の車体に僅かな斬痕を刻んだのみ。返礼とばかり、デスファイアの両腕のノズルがリーヴァルディ目掛け激しい火炎を放射すると共に、戦車部分からは機銃が弾丸をバラ撒いてきた。
「……無駄よ」
 リーヴァルディは嵐の精霊馬の力を借り、己の身の周囲に気流の流れにも似たオーラを展開。以て質量なき攻撃である火炎を受け流し、己と精霊馬とを守る。機銃弾の幾らかはオーラを突き抜け肉体を穿つが、この程度は戦闘に障り無い。
「……!」
 だがリーヴァルディは目を見開く。いつの間にかデスファイアの姿が消えている。今の炎を目くらましにして移動したか。何処に――
「ハッハァー! こいつで吹っ飛ばしてやるぜぇぇ!!」
 後方、目を向ければ、戦車部分の後方から爆発じみたロケット噴射を放ち、以て機体を超加速させて迫るデスファイアの姿。その身の周りには高密度の炎を纏い、これらで以て体当たりを浴びせようというのだ。
「……それも、無駄よ」
 なれど狙いが分かれば対処のしようはある。リーヴァルディは呟き、意識を集中する。音の速さを超えた速度で迫る火炎大王を見据える。チャンスは一瞬。見逃すことは許されない。
 そして巡った機。リーヴァルディ、精霊馬を後方へ跳躍させる。黒鎌を構える。迫る炎と鋼鉄。その瞬間を見据えて、意識を研ぎ澄ます。鎌持つ手に力を籠める。そして。

 ――両者が、交錯する。

「くぅ……っ!」
 纏わりつく炎に呻くリーヴァルディ。だがそれは攻撃の失敗を意味しない。攻撃は、既に完了している。
「ぐあぁぁぁぁ……!!」
 前方より苦悶の声。デスファイアだ。その身には深い、深い斬痕が刻まれ、夥しい血を噴き出していた。無論、リーヴァルディの刃によって。
「……言ったでしょう? 敗北を味わわせてあげると」
 未だ実際の敗北には遠くとも、その実現は確実と。そう思わせる、リーヴァルディの一閃であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリー・シュバルツ
ライディングバトルねぇ…
つまり、オレのレスキューダイバーの出番ってわけだな?

オレは医者だ
患者がいるところになら、どこでも最速で駆けつける
そのためのダイバーだ
速さも強さも誰にも負けねぇ
試してみるか、汚物野郎?

ダイバーの救急車モードで高速走行
周りの配下のバイクは轢き飛ばしてガンガンぶっちぎるぜ
ヤツの火炎放射も、華麗なドライビングテクで右に左に避け続け、先行する
ダイバーのテールランプしか見せてやらねぇよ

スピードでぶっちぎった後は、ダイバーを砲戦モードに
俺に追いつけず後方を走るヤツ目掛けて
【全武装展開広域殺菌殲滅砲撃】で、汚物は殺菌!消毒!
展開した全火器、機関銃も大砲もランチャーも、全弾くれてやらぁ



 エンジンを唸らせ、荒れた山道を爆走するのは救急車。やがて前方に、先行するデスファイア・ヴォーテックスの姿を捉える。
「おう、何だ何だ。こんな山ん中に急患か?」
 振り向き、追い上げてくる救急車を視界に認めたデスファイア、揶揄うように笑うが。
「今はいねえ。が、その為の速さを見せるべき場と聞いたんでな」
 そのままデスファイアに追いつく救急車。開いたままの運転席の窓から、ドライバーたるマリー・シュバルツ(死神をチェーンソーでバラバラにする女・f24670)が眼光鋭く火炎大王を睨みつける。
「オレは医者だ。患者がいるところになら、どこでも最速で駆け付ける」
 その為にこそ、この救急車――『レスキューダイバー』があるのだと。
「速さも強さも誰にも負けねぇ。試してみるか、汚物野郎?」
 そして、患者を生み出す病巣たるオブリビオンには遠慮も容赦も不要。明白な殺意を持ってマリーは言い放つ。
「ハッ、良い度胸だ! いいだろう――」
 その殺気を快いとばかりにデスファイアは笑う。そして。
「このオレにすぐ殺されねぇだけの腕前、見せてみるんだな!!」
 腕のノズルから高密度の火炎を噴き出し、マリー操るレスキューダイバー目掛けて浴びせかけてきた!
「当然だ!!」
 マリーは車両のギアを上げ、アクセルを踏み込む。一気に加速したレスキューダイバーが、浴びせられる火炎を潜り抜けてデスファイアの前へと飛び出す。
「オレを殺すってんなら追いついてみやがれ、汚物野郎!」
 レスキューダイバーの速度は、デスファイアの戦車を上回る。見る見る距離を離してゆく。
「上等だ! 行け、テメェら!」
 なれどデスファイアも黙ってはいない。自らも無限軌道を唸らせ加速すると共に、随うレイダー達に命令を飛ばす。
「ヒャッハー! これ以上は行かせねぇぜ!」
「デスファイア様の前を走り続けるのは許可できねぇなぁ!」
 応えてレイダー達がバイクで以てレスキューダイバーの前へと飛び出し、その進行を遮る。
「邪魔するんじゃねぇ!!」
 マリーにとって治療の邪魔をする者は何であれ悪だ。今は患者は居ないと言えど、ライディングバトルの最中ゆえに心境は似たようなものだ。怒りも露に吼えると同時、カーブのコーナリングの勢いでレイダー達に体当たりを仕掛ける!
「「ギャァァァ!?」」
 堪らず吹き飛んでいくレイダー達。だがコーナリング中というのも相俟ってある程度速度は落ちざるを得ない。
「ハッ、所詮奴らじゃあの程度か。だが捉えたぜ!」
 殆どスピードを落とすことなく強引にカーブを曲がりきったデスファイア、射程に捉えたマリーを目掛け砲火を浴びせる。砲弾が、ミサイルが、次々とレスキューダイバー目掛けて飛来する。
「そんなもんが当たるかってんだよ!」
 マリーはハンドルを左へ右へ、鋭い切り返しを繰り返して襲い来る火砲を躱す。至近距離でミサイルの爆発を受けて傾きかけるも、気合で立て直す。
「今度はこっちの番だ! ダイバー、砲戦モード!」
 雨霰と降り注ぐ砲撃に間隙が生まれる。反撃の時だ。マリーが叫べば、レスキューダイバーの音声認識システムが応え、その車体後部を変形させる。
 アポカリプスヘルの無法の荒野を征く救急車、丸腰ではとても患者を守ることはできない。故にこそ、このレスキューダイバーには武装が施されている。
 機関砲、キャノン砲、ミサイルランチャー――デスファイアの戦車にも負けぬ火砲の数々が姿を現し、追いすがる火炎大王へと向けられる。
「なっ!? テメェ、救急車とか言いながら何だその武装は!」
 まさか救急車がここまで重装備だとは思っていなかったのか、驚愕の声を上げるデスファイア。だがマリーにとっては当然の事だ。
「治療の邪魔するクソッタレ共を蹴散らすには、この程度でも生温いぐらいだ!」
 そしてステアリング中央のボタンを叩く。即ち、一斉攻撃の合図。
「吹き飛びやがれ! 汚物は消毒だぁぁぁぁぁ!!」
 マリーの叫びを背に受けて。機関砲が、キャノン砲が、ミサイルランチャーが。硝煙と白煙を上げてそれぞれの弾頭を吐き出して。
「うおおおおおおお!!?」
 思わず驚愕するデスファイアを、その爆炎の中に沈めていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

無間・わだち
はとりさん(f25213)

乗るのは三面六臂の異形のキャバリア
腕や肩に彼を乗せ

一応気をつけますけど
落ちないでくださいね

心配はそこまで
黒球の偽神兵器を外に放って大剣へと変形・巨大化させれば
阿修羅の手によく馴染む

操縦に意識を割き敵へ駆ける
山中の起伏もカーブも耐えられる
そういう容をしているだろう【地形耐性、環境耐性

走れ、奔れ
殴って蹴って踏みつけろ
あなたの脚なら、あの戦車など苦にならない
三度振るう刃で蹂躙しろ【マヒ攻撃

敵味方分けぬ攻撃に晒されても
彼は平気な顔
…あれは、忘れてる?

はとりさん
約束、守ってください
ちゃんとここを、狙って(ピット越し、顔を見る

彼のいのちが
これ以上削られぬよう
たった一度の刃を受ける


柊・はとり
無間f24410と

キャバリアの肩か腕に乗せて貰い
己の足元を氷属性攻撃で凍らせ固定
落ちねえよ
だから好きなだけ暴れてやれ

無間の偽神兵器が巨大化するのに合わせ
俺もUC発動
無間の刃に敢えて巻き込まれる事を
恐れぬ勇気と覚悟で継戦能力を維持
敵に近づく度
嵐の如きなぎ払いで蹂躙してやる

下半身の戦車は特に優先して切り刻み

涼しい面しちゃいるが
本当はクッソ痛え
けれど故郷を救う為なら
俺達の衝動はどんな痛みも超えていく

無間の奴こっち見てら
余裕だな
…あ、約束
余計な事考えやがって…
口元だけで笑みを返し
キャバリアに刃を叩きつける

腕が軋む
今この瞬間だって
痛み続ける心と軀
あんたには分からないだろうな
カウンターで最大級の加速攻撃を



「腕が六本に面が三枚! ハッハァ! 随分と面白ぇナリをしてんじゃねぇか!」
 続いて駆けてきた『それ』を目にし、デスファイア・ヴォーテックスは愉快そうに笑う。三面六臂のジャイアントキャバリア『阿修羅』。その名に相応しき威圧的な神性を纏う巨兵。
「――楽しそうですね」
 阿修羅の胸部、半透明のキャノピーを持つコクピットの中。土気色の肌の右目周りだけが真白い継ぎ接ぎの青年――無間・わだち(泥犂・f24410)が皮肉を宣うでもなく呟く。
「馬鹿なんだろ」
 なれど横からは棘を隠さぬ声。阿修羅の六本の腕、その下部右腕の上。白き戦衣を纏った少年、柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)が眼鏡越しの鋭い眼光をわだちへと寄越していた。
「そうかもしれません。それはともかく」
 はとりの言を肯定も否定もせず、わだちは一旦、彼へと視線を返す。右は大きな少女の瞳、左は小さな己本来の瞳。死人ならではの異様。なれどはとりは意に介さぬ。
「一応気をつけますけど。落ちないでくださいね」
 かける言葉は気遣わしげに。はとりが乗るその位置は、本来人が乗る為の部位ではないから。
「落ちねぇよ。だから好きなだけ暴れてやれ」
 返す言葉はぶっきらぼうながらも寛容。はとりの足元は凍り付き、足場たる阿修羅の下腕へ確と癒着している。多少の振動程度ならば危なげも無い。
「はい。ではいきましょう」
 応えを得れば心配は終わり。放り出したる黒き球体を、阿修羅の中左腕が掴み取る。握り込めば圧縮されて柄となり、溢れた体積が長く延びて鋭く平たく――長大なる刃を形作る。形状自在の偽神兵器『夜叉』。此度取った大剣の形も、阿修羅にはよく馴染む。
 そして巨いなる鬼神は駆ける。前方で土煙上げる、無限軌道の男を。
「テメェの足で走って追いつく気か! 面白ぇ!」
 阿修羅はあくまでその脚で以て駆ける。巨人とはいえ二本の脚で走るその様に、デスファイアは揶揄い気味の驚きを見せつつも。
「だがオレの前には出させやしねぇ!」
 後ろへ向けた手首のノズル。そこから噴き出る紅蓮の炎が、阿修羅とその上のはとりを目掛け襲いかかる!
「跳べ、阿修羅!」
 なれどわだちの判断は迅速に。巨兵、地を蹴り空中へ大跳躍。足元に迫り来ていた火炎流を飛び越えて。
 そして再度疾走。阿修羅の二本の脚は勾配を力強く踏み越え、強力な踵のグリップを以てコーナーを曲がり切る。あらゆる障害を意に介さぬが如き疾走。そういう容だ。

 徐々に視界に大きく見えてくる、火炎大王の姿。その横に並ぼうかという処に至れば、わだちとはとり、二人は動く。
 阿修羅の携える黒き大剣が、その長さと重さとを数倍とする。掴む左上腕と左中腕に力が籠もる。
 はとりは得物を抜く。氷の如く冷たい蒼の大剣。コキュートス。蒼の刀身に蒼き光が宿る。
「来やがったか! だが、前は譲りはしねぇぞ!」
 己に並ばんとするキャバリアの姿を認めたデスファイア、そうはさせじとばかりに炎を浴びせにかかるが。
「――断ち斬れ」
 わだちが一言。それで充分だった。阿修羅の腕が、巨大なる黒の大剣を力強く振り抜く。嵐が巻き起こる。迫りきていた炎を消し飛ばし、その主たる火炎大王を斬り刻む。
「ぐおぉ……っ!?」
「――まだです」
 呻くデスファイア、だが阿修羅の刃は止まらない。二度目の斬撃は更なる刃を引き連れて。振り抜くと共に、デスファイアの肉体を、戦車を、鋭く切り刻む。そして――はとりをも。
「いいぜ――もっと来い……!」
 白の戦衣の随所が裂け、その下からも少なからぬ血が噴出する。なれど意に介さぬかの如くはとりの表情は平静を保つ。痛くはない。嘘だ。死ぬ程痛い。もう死んでいるから耐えられるだけだ。否、それだけではない。
「俺達の故郷……お前達なんかに、これ以上好き放題はさせねえ……!」
 荒廃し尽くせども、己らが生まれ、生きて、死に、蘇り、今また生きている世界だ。其を救う為ならば、如何なる痛みとて己らに再度の死は齎し得ぬ。その衝動が、肉体の、精神の限界を超越してゆく。
「斬り刻め、コキュートス……!」
 薙ぎ払うかのような大振りの刃、だがその太刀筋は速く、鋭く。戦車の車体に、深い斬痕を刻み込む。
 ひとつ、ふたつ、みっつ。蒼の刃が振り抜かれる毎に、斬痕は刻まれて。戦車を構成するパーツがどんどんと脱落し、剥離してゆく。
 よっつ、いつつ、むっつ。火炎大王が悲鳴じみた咆哮を放つ。効いている。この敵を、着実に追い詰めている。実感と共に、はとりは更に刃を振るう。
「もう一撃――いきます」
 阿修羅は翳した巨大剣で以て、三度目の斬撃を繰り出した。確かな手応え。デスファイアの肩口が深く裂け、鮮血が噴き上がる。視界に映っていた蒼の剣閃が、ひとたび途切れる。はとりもまた、阿修羅の齎した嵐に巻き込まれたのだ。
 わだちの視線が彼を向く。平静そのものの表情。平気な筈はない。だがそういうものだと、わだちも理解している。だからそれは良い。だが。問題は別に存在する。
(――あれは、忘れてる?)

(無間の奴、こっち見てら。余裕だな)
 ななつめの刃を振り抜き、戦車に据えられたミサイルランチャーを両断する。残っていた弾丸が爆発し、火炎大王を苛む。
 はとりの視線がふと、己の足場たるキャバリアの胸部を向く。此方を見るわだちの貌。己の心配でもしているのか。――否。只の気分の問題ではない。
(――あ、約束)
 思い出した。此度の任務に先だって交わした約束。これ以上、はとりの命が削られぬようにと、わだちが考えた約束。
(――余計な事考えやがって)
 口元が綻ぶ。余計とは思う。だが不快とは思わない。キャノピーの向こう、ここを狙って、と半透明のそこを叩くわだちの姿が見える。
 望む処だ。蒼剣を振るう。切っ先はキャノピーを裂いて、その先の、わだちのもとへと届く。やっつめの刃は、矛先を違えて。命数の代わりに支払うべき代償。
「――ハ、ハ……! 狂ってやがるな、テメェ……!」
 その様を見たデスファイアが、痛みを堪えてか引き攣った笑みを返す。向ける視線は、ある種の同類を見るかの如く。
「――――」
 腕が軋む。軀が痛む。心が痛む。そうする、と決めておいて尚。だが、それこそが。
「――あんたには、分からないだろうな」
 火炎大王を睨みつける鋭き視線。阿修羅の胸より引き抜いた刃より、尚冷たく、鋭く。
「ハ、知ったことか――」
 嘲るが如き返答も、同時に再度構えられた火炎放射も。纏めて斬り捨てるかの如く。迸るここのつめの刃。最後の、そして最速の刃。
 冷たく駆け抜けた一閃が、火炎大王の身より、炎とは異なる真紅を噴出せしめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリア・ルート
ライディングバトル…あんまりしたことないのよね。
ただ、そういえばこいつがあったわね。来い、ブリュンヒルデ!

人型キャバリアのブリュンヒルデで参戦するわ。コックピットからたまに顔を出して相手の戦車のキャタピラとか火炎放射部分に【指定UC】で『部位破壊』を試みようかしら。攻撃来そうなら『野生の勘』で察知してすぐ戻るけど。

あとは起伏もカーブも多い…なら、人型キャバリアのアドを活かそうかしら。
ジャンプしてショートカットを図るわ!邪魔なものはUCと『オーラ防御』『吹き飛ばし』『なぎ払い』でぶっ飛ばす!
汚い?どうせあんたらも似たようなこと考えてるんでしょ?ならおあいこ。こういうのは出し抜いた方の勝ちってね。



 荒れ果てた山道を走る無限軌道と二本の脚。デスファイア・ヴォーテックスと、赤と黒の人型キャバリア『ブリュンヒルデ』だ。
『ライディングバトルの経験はあまり無いけれど、負ける気はしないわね』
 そのコクピットに座すマリア・ルート(紅の姫・f15057)は強気に、不敵な笑みを以て告げる。その意思に応えるかの如く、ブリュンヒルデは力強い駆動音を響かせる。
「ハハハハ、大した自信だな! どれだけやれるか、見せてもらうぜ!」
 豪放に笑うデスファイア、その意思を示すと共に、腕を向けて火炎放射を、戦車からはミサイルや砲弾を撃ち出し。ブリュンヒルデへと浴びせかけてゆく。
『その程度なら!』
 なれど二足のブリュンヒルデは細かな回避機動を可能とする。跳躍し、デスファイアを飛び越えて反対側へ。マリアの姿を一時見失い狼狽える火炎大王。その隙にマリアはコクピットを開き、彼の姿を直に見据える。
「行きなさい、刃の群れよ!」
 そして繰り出すはユーベルコードにて創造せし無数の武器群。撃ち出されたそれら刃は戦車を斬り刻み、据えられた銃砲を次々と破壊してゆく。
「ぐっ、テメェ……!」
 漸く気付いたデスファイア、その身を晒すマリアへ向けて火炎放射器のノズルを向ける。なれど炎が放たれた時には、既にマリアの姿はブリュンヒルデ機内に引っ込んでいた。
(こうして地道に削っていくのも手ではあるけど)
 ひとたび減速して火炎放射をやり過ごしつつ、マリアは思案する。デスファイアは既に他の猟兵との交戦を経て相当のダメージを負っているが、完全に仕留め得るにはまだまだ遠い。何処かで大きな一撃を叩き込みたいところだ。
(――っと!)
 思案するうち、眼前に崖が迫っているのを目とする。素早くブリュンヒルデの片脚で地を踏み込ませ、身を傾けながら道の続く方向へとその向きを捻り込む。逆脚を前に出し、以て再度の前進を開始。
「ハッハァ! 前は貰ったぜぇ!」
 その間にデスファイアが前に出る。彼の後を追いかけ、バラ撒かれるグレネードをやり過ごす間にも、マリアは思案する。
(起伏もカーブも多い、そしてここは山道)
 モニタに映る前方の光景。右側に崖、そして遠くには右へと曲がるスプーンカーブが見える。ならば、この手だ。

「ハハハハハ! あの女、とうとう諦めやがったか!」
 後方、ブリュンヒルデが追いかけてくる気配が失われ、デスファイアは笑みを浮かべる。
「スッキリはしねぇが勝ちは勝ちだな! 全く、腰抜け女め!」
 敵を殺しての勝利ではないのが不満だが、それでも勝利は事実。ならば次の挑戦者が現れるまで、暫しのウィニングランといこうではないか――そう考えながらカーブを曲がり切った、まさにその時。
『待ってたわよ、デスファイア!』
「な、何ぃ!?」
 脱落したと思われていたブリュンヒルデが、進行方向にて待ち構えていたのだ。その身に、魔力を注いで物理的な障壁にまで至らしめたオーラを纏って。
「ぐっ、汚ぇぞ……! 先回りして待ち伏せなんざ……!」
『あら、どうせあんたらも似たようなことを考えてるんでしょ?』
 唸るデスファイアに、平然とマリアは応える。事実、ライディングバトルで『先回りして迎撃してはいけない』というルールは無いのだ。
『こういうのは出し抜いたもの勝ちよ! 行けぇぇぇぇぇ!!』
 そしてブリュンヒルデが腰を落とし、身を屈めたまさにその直後。弾丸じみた勢いでブリュンヒルデがタックルを繰り出し。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」
 デスファイアの重厚なる肉体を、崖下まで叩き落としたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
これはまた、豪快な方ですねぇ。
お相手願いますぅ。

車両は『戦車』をレンタル、出来るだけ『遅い代わり、重くて装甲の厚い車両』をお借りしますぅ。

レースが開始に合わせ『F●S』各種を展開、『FMS』のバリアで守りを固めつつ『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]を降らせ、[範囲攻撃]を行いますぅ。
デスファイアさんが『ニトロ』を起動したら【耀衣舞】を発動、騎乗状態での『光速突進』を回避に使い、相手の激突を躱しますねぇ。
そして『ニトロ』が切れた隙を狙い『FGS』の重力弾と『FBS』による『履帯切断の[部位破壊]』で足を止め、『光速突進』を今度は攻撃に使い叩き落しますぅ。



「グ……ッ、ま、まさかこのオレが、ここまで追い詰められるたぁな……!」
 下半身の戦車も含む全身を斬り刻まれ、血を流し。満身創痍のデスファイア・ヴォーテックスが呟く。その声音には驚きと、そして歓喜が滲んで。
「だが、面白ぇ……! ここから捲り返してこそ、オレの最強を証明できるってモンよ!」
 それは久しく感じていなかった感覚。己をここまで追い込んだ存在が現れるなど、果たしていつぶりか。
「さあ、次の相手はどいつだ! オレにライディングバトルを挑む命知らずは――」
『それでは、僭越ながら私がぁ』
 気炎を吐くデスファイアに聞こえた声。振り向けば、重厚なる装甲をその身に纏った重戦車の姿。
(ここまで弱っていながら、豪快な方ですねぇ)
 相当な深手を負っているはずだが、闘志には些かの衰えも無い。かの火炎大王の様相を、戦車の車内で確かめて、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は舌を巻く。
(ですが、ここまで来れば後一息の筈ですぅ。ひとつ、やってみるとしましょうかぁ)
 なれど、ここで彼にトドメを刺すことも可能な筈だ。その意志のもと、るこるはライディングバトルへと臨んでゆく。

『さあ、参りますよぉ!』
 戦車を駆るるこるが展開するは、主武装たる複数種の浮遊兵器群。八枚の銀色の円盤が戦車の周囲を巡り、るこると戦車を護る。
 熱線を放つ十六の砲台、炸裂弾を放つ八の光盾付砲台、更には卵型の対大型目標用爆撃機構が八。これらによる猛攻が、止め処なくデスファイアを目掛けて降り注ぐ。
「ぐおおおおぉぉ!? な、なんて火力だ……!」
 その攻勢に、デスファイアは被害を可能な限り抑えるのがやっとと見え。反撃の糸口が掴めない様子。
「こうなりゃ、取れる手段はこれしかねぇな……!」
 だが、彼は反撃を諦めてはいなかった。搭載したニトロのありったけを戦車へ投入。肉体が、機体が熱を帯びる。戦車後部からエネルギーの奔流が噴出する。
「行くぜ! これが! オレの生き様だぁぁぁぁ!!」
 以てデスファイアの肉体は、飛翔するが如く急加速。るこるを目掛けて突撃する……!
「す、凄い速さですぅ……! あれで、戦車に突っ込んでこられたら……!」
 その超速度を前にし、驚嘆しつつも脅威を覚えるるこる。浮遊兵器群だけでは、かの突撃を食い止めることは不可能だろう。ならば。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて舞を捧げましょう……!」
 祈りを捧げ、ユーベルコードを発動。戦車が乳白色の光に包まれ、小さく浮き上がる。るこるのユーベルコードは、本人のみならず乗騎にも影響を及ぼすのだ。
「うおぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 その間にも迫り来たデスファイア。だが、るこるの行動は、その時点でも充分に間に合うものであった。
「――うおっ!?」
 突如、デスファイアの視界からるこるの姿が消える。彼女の移動速度は光の速さに達するが故、回避行動もそのように見えたのだろう。
『それでは、ここで一気に決めさせてもらいますよぉ!』
 そしてるこるの反撃。飛来するは十四の錫が放つ重力弾と、敵を斬り刻まんと飛翔する十二の戦輪。
「がぁ……っ!?」
 重力弾がニトロで加速する身を引き留め、その間に飛来した戦輪が無限軌道の履帯を斬り裂く。足を潰されたデスファイア、直後にニトロが切れて失速。バランスが保てず、大地を転がるが如く何度も地に叩きつけられる。
「がっ、ぐぉ、うおぉぉぉぉぉぉ!!?」
 そして、そのような無様は、長くは続かなかった。彼を貫くかのように駆け抜けた、一陣の風――
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 それは光速で飛翔するるこるの戦車。質量に速度を上乗せした渾身の突進が、火炎大王の肉体へと激突。全身に強烈な衝撃を叩き込みながら、ロッキー山脈の空へと彼の身を吹き飛ばしていった。

「オレが……負ける……!? 最強のはずの、このオレが……何故だ……!?」
 致命傷を負ったと悟ったか、空中へ投げ出されながらデスファイアは叫ぶ。何故己は負けたのかと。しかし。
「……いや、あいつらがオレより強い……それだけの……話、か……」
 その悟りへと至れば、いっそ潔いくらいに静かに。『火炎大王』デスファイア・ヴォーテックスの肉体は荒野に叩きつけられ、火薬や燃料に引火して大爆発。その姿を、世界から消し飛ばしていったのである。



 以て、猟兵達はデスファイア・ヴォーテックスの撃破に成功。
 此度の戦の首魁たるフルスロットル・ヴォーテックスを除く、ヴォーテックス一族の全てを殲滅せしめたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月11日


挿絵イラスト