アポカリプス・ランページ③〜炎の中の狂信者
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「アポカリプスヘルで戦争が起きておるのは知っておるじゃろう? 今回もその件についてじゃ」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は顎髭を撫でながら、そう切り出した。
「今回はカリフォルニア州エルドラド郡での依頼じゃ」
カリフォルニア州エルドラド郡――かつてはその名の通り巨大な黄金鉱脈を擁する都市が存在していたが、今やその地表は燃え盛る炎に包まれている。その炎は、ある者を覆い隠しているのだという。
「それが最強格のソーシャルディーヴァ『プレジデント』の大規模通信サーバじゃ」
ただ炎、というのなら耐えればいいだけ。しかし、問題はこの炎の中で耐火装備をしたオブリビオン軍団が警備している、ということだ。
「今回、おぬしらに担当してほしいのは黙示録教の信者の軍勢じゃ」
黙示録教の信者は、耐火ローブに身を包み、その下に更に耐火装甲を着込んでいる――炎の中で自在に動き、襲ってくるのだ。これを放置していては、とてもソーシャルディーヴァ『プレジデント』の大規模通信サーバにたどり着くことなどできない――だからこそ、事前に対処しておく必要があるのだ。
「燃え盛る炎に耐えて戦う必要があるじゃろう。どう炎に対処するかはおぬしら次第じゃろうな」
個々で対策を行ない、炎の戦場で戦わなくてはいけない。対処せずに挑めば、それこそ向こうの思うつぼ、一方的に殴り倒されてしまうのはこちらになりかねない。
「なんにせよ、ひとつひとつの戦場で勝利を積み重ねていくのが重要じゃ。どうか、よろしく頼むぞ」
波多野志郎
夏は終わったはずなのに熱い! どうも波多野志郎です。
今回はカリフォルニア州エルドラド郡にて、炎の中で待ち構える黙示録教の信者と戦っていただきます。
プレイングボーナスに関しては『燃え盛る炎に耐えて戦う』となっております。各々のキャラの対策法は、プレイングで示していただければ幸いです。
それでは、炎の戦場でお会いしましょう!
第1章 集団戦
『黙示録教の信者』
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POW : 【黙示録教の信仰】我らガ祈りを聞き届ケ給ヘ!
【常人には理解不能な狂った教義と信仰】を聞いて共感した対象全てを治療する。
SPD : 【黙示録教の崇拝】我ラが願イヲ聞き届け給え!
【常人には理解不能な狂った教義と信仰】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ : 【黙示録教の殉教】幸福なル滅びト終焉ヲ此処に!!
【心臓と同化したオブリビオン爆弾による自爆】が命中した対象に対し、高威力高命中の【疑似超大型オブリビオン・ストーム】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:嵩地
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
藤・美雨
敵は耐火装甲を着てるみたいだけど殉教者でも気取ってるのかな
あの手の輩は生かしておいてもいいことないし
さくっとやっちゃおう
『防護用の外套』をしっかり着込んでこっちも【火炎・環境耐性】だ
ただ防護があるとはいえ、あんまり肌は晒したくない
今回は武器を使って戦おう
相手は仲間と共感しあうために何かを喋っているんだろう?
燃え盛る炎の中に潜みつつ奇襲のチャンスを見つけよう
声の大きいやつを片っ端から追いかけていけばきっとだいじょうぶ
手近な敵を発見しだい炎の中から不意打ちだ
私の腕をスタンガン代わりに、機械の心臓から生み出した電気で気絶させていく
倒れた敵は匕首で喉を裂いてさよならさ
あの教義、うるさかったからね!
ルイス・グリッド
アドリブなど歓迎
銀の魔銃のレプリカを使用して戦闘
炎の戦場、確かに普通ならどうしようもないな
接近されないように戦うしかないか
お前らはお前らの信じる者の所に行けばいい
POWで判定
炎は風の【結界術】で防ぎながら【火炎耐性】【気合い】【勇気】で耐える
炎のせいで見えない、聞こえない状態だろうが魔銃のレプリカでUCを使用
まずは義眼の橙の災い:爆破【爆撃】を【範囲攻撃】【全力魔法】で放ち、少しだけでも炎を吹き飛ばし敵の位置を確認
その位置に藍の災い:圧壊【重量攻撃】を【スナイパー】【属性攻撃】【鎧無視攻撃】の技能を使い攻撃する
七那原・望
なんていうか、異様ですね。炎に包まれながら意味の分からない言葉を延々と。正直ちょっと怖いのです。
炎の届かない高度に浮遊させたプレストの上にアマービレでねこさん達を呼んだら、多重詠唱全力魔法で水と氷属性の結界術をわたしとねこさん達をそれぞれ護るように展開してもらい、炎や熱を遮断します。
準備が出来たらねこさん達にはその場で結界を維持してもらい、わたしは単身敵陣へ舞い降りましょう。
何を言ってるのかわからないですけど、とりあえず一人残らず斬り崩します。
結界を張ってるとはいえ長期戦にはしたくないので、早業で絶・蘇威禍割を放ち、治療不可能な程に概念ごと粉砕して手早く敵を蹂躪しましょう。
ニクロム・チタノ
確かに一つの勝利を重ねて行かないとですね、そういえばお義母さんにも積み重ねが大切と言われていましたね
さてまずは炎ですね、ヨダレを撒き散らして地面をヘドロ化して【地形破壊】を駆使して炎を吹き出す地形そのものをヘドロの底に呑み込んでいきましょうか
次はアナタ方ですよアハハどれだけ治療してもヘドロの海では猛毒ガスが発生し続けていますから無駄ですよ?
仲良く信仰を叫びながらヘドロの底に沈んでください
地形そのものが変わってしまってはご自慢の耐火ローブも意味がないですね、ヘドロの底ではどんな叫びも届かないかつてのボクのようにねぇ
ボクのチタノへの信仰も反抗の導きももうない、あるのは果てしないヘドロだけ、アハハハ
トリテレイア・ゼロナイン
敵の戦力を減らせば新たな道が拓かれる以上、アポカリプスヘルに住まう人々の安寧の為、どんな戦場で在ろうと赴かねばなりません
幸い、私の故郷は恒星の熱と極寒が支配する過酷な真空の戦場
このような炎熱でも動作に支障はありません
(環境耐性+継戦能力)
敵は狂信者、理性無き攻撃には注意せねばなりませんが…!
(マルチセンサーでの●情報収集と●瞬間思考力で胸部の熱源反応から意図を●見切り)
自爆攻撃など、許す訳には参りません
電脳剣を指揮棒の如く振るい、誘導兵器召喚
敵集団を茎で刺し貫き、エネルギーを吸収し花を開花
自爆を阻止
申し訳ございませんが、果てて頂きます
脚部スラスターの推力移動で戦場を疾走
動けぬ信者達を斬り捨て
神宮時・蒼
……このような、環境下に、オブリビオン
…余程、大事な、物を、隠していると、言わん、ばかり、ですね
…炎は、厄介、ですし、迅速に、行動、しましょう
【WIZ】
【火炎耐性】はありますが、念のため冷気を纏わせた【結界術】も張っておきましょう
用心するに、越したことは、ありません
相手の、自爆は、厄介、ですね
距離を取りつつ
【先制攻撃】と【高速詠唱】【範囲攻撃】で先手を打つとしましょう
【彩花万象ノ陣】で荒れ狂う吹雪を呼びましょう
凍らせてしまえば、爆弾も誘爆する事はないでしょう
トドメは【全力魔法】の【弾幕】で頭を撃ち抜いてしまいましょう
流石に、オブリビオンでも、頭を撃ち抜かれればひとたまりも無いでしょうから
ハルア・ガーラント
●WIZ
こんな渇いた世界じゃ炎の勢いも衰えなさそう……翼が焦げるのだけは防がなきゃ
[火炎耐性]を溶け込ませた[オーラを身に纏い、防御]障壁を張りますね
時折羽ばたき炎を押し返しながら、仲間の攻撃に≪パニッシャー≫で[援護射撃]を重ねたい
皆に信頼を寄せて貰う為には自信を持って言うことが大事!
ポケットに忍ばせた≪仄昏い小瓶≫を握り込み[勇気]を得ます
肺いっぱいに空気を吸い込んで
皆さん、熱いのなんてへっちゃらになりますから!
仲間に届くよう≪セイクリッドデバイス≫の出力を上げUCを発動
恩寵の光で火炎耐性を上げましょう
自爆は[第六感]で最期の殺気を察知、回避に努めます
その後は仲間と協力して道を切り拓きたい
ヴィクティム・ウィンターミュート
…あっちぃ、マジであっちぃ
ここまで暑いと流石に気が滅入りそうになるぜ
オーバーヒートする前に片付けて、さっさと次の仕事をしねーとな
つーわけで…さっさと終わらせてやる
かかってきな、イカれ野郎ども
まずは炎を抑えなきゃならねえな──『Robbery』
炎を奪い取り、俺の物にする
これで暫くは活動しやすくはなるだろ…耐火装甲がある以上、再利用には向かないな。そのままにしておくのがいいだろ
とにかく自爆攻撃されちゃお終いだ
遠距離から仕留めさせてもらおう…右の仕込みクロスボウを展開
安定姿勢になって、とにかく速射してドタマをぶち抜いてやる
近づかれる前に全員殺せば、それで終いだ
カルトに用は無ェんだ!消えちまいな!
●業火の戦場とともに――
カリフォルニア州エルドラド郡――かつてはその名の通り巨大な黄金鉱脈を擁する都市は、もはやその面影さえ残していなかった。炎の海、そう呼ぶのにふさわしい光景が、ただ広がっているだけだ。
「……あっちぃ、マジであっちぃ。ここまで暑いと流石に気が滅入りそうになるぜ」
ヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)のぼやき、それも仕方はない。視界を埋め尽くすのは炎、炎、炎――しかも、ただの炎ではない。絶えず燃え続ける、地獄の業火なのだから。
「敵の戦力を減らせば新たな道が拓かれる以上、アポカリプスヘルに住まう人々の安寧の為、どんな戦場で在ろうと赴かねばなりません」
トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)にとって、その過酷な環境でさえある意味では懐かしい。
「幸い、私の故郷は恒星の熱と極寒が支配する過酷な真空の戦場。このような炎熱でも動作に支障はありませんが――」
「……このような、環境下に、オブリビオン……余程、大事な、物を、隠していると、言わん、ばかり、ですね……炎は、厄介、ですし、迅速に、行動、しましょう」
……用心するに、越したことは、ありません、と火炎耐性に重ねて神宮時・蒼(追懐の花雨・f03681)の冷気を纏わせた結界術が展開される。呼吸するだけで肺を焼くような熱も、それでようやく下がる――七那原・望(封印されし果実・f04836)が地獄の業火に交じる祈りの声にこぼした。
「なんていうか、異様ですね。炎に包まれながら意味の分からない言葉を延々と。正直ちょっと怖いのです」
「敵は耐火装甲を着てるみたいだけど殉教者でも気取ってるのかな。あの手の輩は生かしておいてもいいことないし、さくっとやっちゃおう」
藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)の視線の先、地獄の業火の中で黒いローブの狂信者達が猟兵の存在に気づき、動き出す。
「オオ、神よ、我らガ祈りを聞き届ケ給ヘ! 我らニ滅ニノ安寧を! 揺らギ無キ終ワリを! 騒音ノ中にコソ、静寂ハ在ルのデス!」
「確かに一つの勝利を重ねて行かないとですね、そういえばお義母さんにも積み重ねが大切と言われていましたね」
ニクロム・チタノ(反抗を忘れた悪堕ちヘドロ・f32208)は、戦いに赴く前に向けられた言葉を思い出す――アレ等はその積み重ねの一つ、倒さなければならない敵なのだ、と。
黙示録教の信者達が、散開する。それを迎え撃つべく、猟兵達も地獄の業火の中へと自ら飛び込んでいった。
●教義とは狂気、狭義にして供犠たるモノ――
黙示録教の信者達が、地獄の業火の中を疾走する。そのローブや中に着込んだ装備が耐火装備とはいえ、暑さは在るはずだ。だというのに、彼らの動きには一切の乱れがない。むしろ、嬉々として死地へと駆けていくのだ。
「こんな渇いた世界じゃ炎の勢いも衰えなさそう……翼が焦げるのだけは防がなきゃ」
ハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)が火炎耐性を溶け込ませたオーラを身に纏い、防御障壁を展開――その障壁を広げるのと同時、背中の翼を羽ばたかせた。ゴウ! と巻き起こる風、それが地獄の業火に道を切り開く。
「皆さん、熱いのなんてへっちゃらになりますから!」
ギュ、とポケットに忍ばせた≪仄昏い小瓶≫を握り込み、ハルアは勇気を絞り出し、大きく息を吸い込んだ。熱いその空気も、今はまだ耐えられる――そして、ヘルデンリートによって火炎耐性を与える恩寵の光を放った。
そのハルアの光を受けて、ルイス・グリッド(生者の盾・f26203)が迷わず風の結界を展開した。
「炎の戦場、確かに普通ならどうしようもないな。接近されないように戦うしかないか――お前らはお前らの信じる者の所に行けばいい」
ルイスが抜くのは、銀の魔銃:レプリカ――そして、義眼の橙の災いが輝く。
「メガリスと魔銃のリンク強化完了、発射!」
放たれた強化属性弾射出(エンチャントバースト)の銃弾が、爆発する! その爆発は、黙示録教の信者達の一部を巻き込み爆風を吹き荒らさせた。
「我ラが願イヲ聞き届け給え! 滅ビを! 完全無欠ノ終わリを! 二度と蘇ラヌ、コノ地獄の終わリを望マン!!」
「幸福なル滅びト終焉ヲ此処に!!」
一人の黙示録教の信者が、突撃してくる。心臓と同化したオブリビオン爆弾、それを起動させようとした刹那、美雨が踏み込んでいた。
「はいはい、おやすみー」
ヴォルテックエンジンから生み出した電気を纏わせた拳打が、自爆しようとしていた信者の心臓を打つ。美雨の小休止への誘い(チルアウト)による一撃が、心臓の鼓動を狂わせる――自爆のタイミングがズレた瞬間、トリテレイアを突撃していた。
「自爆攻撃など、許す訳には参りません」
電脳禁忌剣アレクシア、その刺突が黙示録教の信者の心臓を貫き、エネルギーを奪取する――その僅かな時間で自爆の手段を奪われた狂信者をトリテレイアは剣を振るい、投げ放った。
「幸福なル滅びト終焉ヲ此処に!!」
「終焉ヲ!」
「終わリを、此処に!」
だが、自ら終わろうとする黙示録教の信者は一人ではない。否、全員がそうなのだ。だから、蒼は先手を譲らない。
「……踊れ、幾多の色彩、抱く、花脣。……舞え、優雅に。……幻想よ、現に至れ」
蒼の彩花万象ノ陣(シキサイノジン)が生み出した吹雪の嵐が、黙示録教の信者達が飛びかかってくるのを吹き飛ばした。その吹雪の暴風を前に、なす術なく吹き飛ばされるしかなく――大きく後方へ弾かれ、遠くで自爆した。
「本当に、なにを考えているのかわからないのです」
機掌・プレスト――自律して飛翔する機械掌、その上に立ってその嬉々として死んでいく黙示録教の信者達を見やりながら望が呟く。理解できないし、理解してはならないのだろう――共達・アマービレを振るうと多くの魔法猫を召喚、望は多重詠唱全力魔法で水と氷属性の結界術を築き、炎と熱を遮断していった。
「さてまずは炎ですね」
ニクロムは、ダレを撒き散らして地面をヘドロ化していく。ジュウ! とそれだけで周囲の炎がヘドロに飲まれ、地形が破壊されていく――それと同時にヴィクティムがForbidden Code『Robbery』(ゴウダツノキバ)で触れたものから尽くを奪う無数のガラス片へと炎を変えていく。
「まずは炎を抑えなきゃならねえな──『Robbery』」
炎がきらめくガラス片となり、散っていく。それを見て、ヴィクティムは吐き捨てる。
「これで暫くは活動しやすくはなるだろ…耐火装甲がある以上、再利用には向かないな」
炎を触れる端からガタス片とし、その場に積み重ねながらヴィクティムは右腕改造型攻撃用サイバーデッキ『ヴォイド・チャリオット』のクロスボウをガシャン! と起動させながら動き出した。
●滅びは平等に訪れる。例えそれが、神の手によらぬものであろうと――
黙示録教の信者に、死への恐怖はない。むしろ、まったくの逆。死とは救い、死とは救済――ならば、彼等が恐れているのは生そのものと言えた。それが過去から再現されたオブリビオンとなる……生に恐怖するモノへの死の報いに、これ以上はないだろう。
「迷惑はなはだしい」
ルイスが言い捨てる。しかも、彼らは教義で一人死ぬことはない。一人でも多くに救済を与えんと善意で巻き込むのだ。これほど迷惑な存在もそうそうないだろう。
だが、その戦い方――否、戦いでさえない。その生命の浪費の仕方は、はっきり言って戦闘には向かない。事前に知り、戦場と共信者への対策を練っていた猟兵達の敵ではなかった。
「何を言ってるのかわからないですけど――」
機掌・プレストから降り立ち、望が夢奏・スタッカートを振るう。絶・蘇威禍割(アブソリュートリィ・ディバイド)による概念的に粉砕する無数の剣閃が、地獄の炎ごと狂信者達を切り刻み、粉砕していった。
「――終焉、ヲ」
その中でかろうじて片腕だけですんだ黙示録教の信者が自爆しようとする。だが、背後の死角から忍び寄っていた美雨の鍔の無い短刀が、自爆する前に喉を切り裂き絶命させた。
「その教義、うるさかったからね!」
ただただ、死にたい――そんな泣き言ばかりだった。美雨にとって、それは救いではなく逃避でしかない……死が終わりではなく、始まりとなる者もいるのだから。
「この花園での狼藉は、ご遠慮頂きましょう」
トリテレイアが電脳禁忌剣アレクシアをオーケストラの指揮棒のように振るう。電脳禁忌剣・通常駆動機構:抑止兵装『守護の花』(ディタレンスウェポン・ブローディア)による、膨大な数の誘導兵器召喚による乱舞、ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガガン! と黙示録教の信者達の心臓を正確無比に猟犬の牙のように刺し貫いていった。
「申し訳ございませんが、果てて頂きます」
そして、脚部格納型メインスラスターで加速――電脳禁忌剣アレクシアの薙ぎ払いによって、狂信者達を薙ぎ払っていった。
「とにかく自爆攻撃されちゃお終いだ、近づかれる前に全員殺せば、それで終いだ――カルトに用は無ェんだ! 消えちまいな!」
「道を切り拓きます」
背中あわせてヴィクティムの仕込みクロスボウの連射とハルアの天獄製の狙撃銃パニッシャーの支援射撃が黙示録教の信者達の頭を貫き、動きを制する。その激しい弾幕を抜けても、待っているのはニクロムが生み出した猛毒のヘドロの海だ。
「次はアナタ方ですよアハハどれだけ治療してもヘドロの海では猛毒ガスが発生し続けていますから無駄ですよ? 仲良く信仰を叫びながらヘドロの底に沈んでください地形そのものが変わってしまってはご自慢の耐火ローブも意味がないですね、ヘドロの底ではどんな叫びも届かないかつてのボクのようにねぇ」
黙示録教の信者達は、ヘドロの海に沈んでいく。確かに、これでは耐火装備も意味がない――ただ重く、沈んでいくのを早めるだけだ
「ボクのチタノへの信仰も反抗の導きももうない、あるのは果てしないヘドロだけ、アハハハ」
笑う、笑う、笑う。ニクロムの笑い声が、響く。それを、無数の自爆音がかき消した。巻き起こるオブリビオンストーム、ヘドロの海の中で自爆した黙示録教の信者達の置き土産だ。
「無駄だ」
しかし、ルイスはその嵐を抜けてやって来る狂信者達を正確に藍の災い:圧壊によって撃ち抜き、近づくことさえ許さない――そして、蒼が告げた。
「……流石に、オブリビオンでも、頭を撃ち抜かれれば……ひとたまりも、無い。でしょうから」
蒼の全力魔法による弾幕が、縦横無尽に撃ち放たれていく! ダダダダダダダダダダダダダダダダン! と放たれた弾幕が黙示録の信者達の頭を撃ち抜き、その身体はヘドロの海へと一つ残らず沈んでいった……。
大成功
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