アポカリプス・ランページ⑩〜瞬く宇宙のデスティニー
●深淵を覗くものは
ヒューストン宇宙基地、それはアメリカ航空宇宙局(NASA)によって有人飛行の管制と打ち上げが行われていた人類の英知。
だがこの世界ではすでに跡地となってしまっていて地上施設もほぼ廃墟しかないような状態だ。
だがこの場所には秘密の地下施設があるのをご存じだろうか?
この地はすでに邪神ポーシュボスの影響下にあり狂気に犯されたものや人類を逸脱してしまったような者しか寄り付かない不毛の地。
住人の顔は独特なカエルのようなものに近くなりとてもではないが常人が直視できるものではないだろう。
だがそれ以上に恐ろしいのはこの施設にいくつも保管されているという深淵が如く輝き、見る者を狂わせる宝石「宇宙の幼生」の存在だ。
これがあるだけで超宇宙の恐怖によりオビリビオンはポーシュボス化していくという恐るべき効能を持っている。
その宝石を見た者は、近づいた者は、存在を感じた者は狂気に犯される。
そして少しずつ変貌しあちら側へと簡単に行ってしまうのだ。
あぁ……私はそれを知っている、知っているからこそ最後の気力を持ってここにこの手記を残そう。
●グリモアベース
「あっ……異教徒というか邪神とかバケモノのようなので確実にやっちゃってください❤」
集まった猟兵を見るなりグリモア猟兵のユウラ・キッペンベルグはそう言い放ち今回何をすべきかそれはそれはもういい笑顔で説明を始めた。
「ヒューストン基地の地下施設にちょっぴり超宇宙の狂気100%で出来た宝石「宇宙の幼生」という物がありますので完全破壊してきてください!」
もう、シンプルすぎて迷う必要のない説明だった。
見るだけでも所持するだけでも狂気に犯されポーシュボス化が進むという邪悪な物なので持ち帰るなどは絶対に無しだ。
「基地内にトラップ等は何もありません、ただそこに近づいていくだけで影響が出ますので、とにかく狂気に耐える方法を構築していくのが無難だと思います」
絶対の信仰心もその邪悪の前には打ち砕かれ正気を失う可能性があるというのだから恐ろしい。
狂気の末にどのような事になるのか……それはどうやらユウラにはわからないようだ。
だからこそ猟兵達はここで確実に目的を果たさねばならない。
グリモアの輝きに包まれながらふと思う事がある。
……はたして、この狂気の元凶に近づいてしまってよかったのだろうか?
轟天
これはアポカリプス・ランページの1章完結戦争シナリオです。
クリアに必須である適度な人数で締め切る場合もありますのでご注意ください。
どのような狂気に陥るのか、プレイングに書くのも面白いかもですね。
宇宙の狂気に犯されてしまう、キャラ崩壊が待っている場合もありますので、そのような描写が苦手な方はご注意ください。
宇宙センター地下に厳重保管されている、深淵が如く輝き、見る者を狂わせる宝石「宇宙の幼生」を最終的に破壊するのが目的です。
●プレイングボーナス……「宇宙の幼生」を見たことによる狂気に耐える。
第1章 冒険
『宇宙の幼生』
|
POW : 強靭な気合いで狂気に耐える。
SPD : なるべく宝石を見ないようにしつつ破壊を試みる。
WIZ : 魔術や薬を使い、狂気を抑える。
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マリア・ルート
宇宙の幼生、ね。確実に破壊しないと面倒なことになりそうね……
……ってこれが宇宙の幼生?狂気100%とか言うけど……
(『狂気耐性』で耐えようとする、がやられてありえないはずの妄想を信じてしまう)
ふふふ、この手に宇宙を掴む……そう、ついに私はこの手に宇宙を掴むまでに至った……
宇宙の全てが記されているというアカシックレコードにたどり着くのも夢ではなくなった!そうなれば私は偽りの創造者から真の創造者へとなれるはず!
(しかし万が一のため発動してた【指定UC】の幻影にひっぱたかれ手の宇宙の幼生を壊されて正気に戻ろうと)
はっ……私はいったい何を!
危ないわね、こんなの破壊するに限るわ!(正気のうちに銃で破壊)
●
ヒューストン宇宙基地、その地下施設の階段を下りながら赤毛の少女は周囲を見渡す。
そこはすでに遺棄され何年経ったかもわからない荒れ果てた施設の残骸、そしてここは宇宙への玄関口だったはずの場所。
だがこの世界においてそれはもはや過去の物のでありここにいるのは失われた過去の残滓でしかない。
「宇宙の幼生……ね」
壁を手で触れながら一歩一歩進んでいく、ぐにゃりと歪んだ鉄枠などあいてにはならない、ここはやはり確実な壁に触れながらでないと。
吹き抜けの階段だけに下を覗き込めば幾層あるかもわからぬ螺旋階段がいつまでも続くここはまさに秘められた場所。
地上の明るさから切り離されマリア・ルート(紅の姫・f15057)はぶるりと寒気が走ってしまうのを我慢した。
もしもに供えマグナムルート・βを握りしめている手にいつの間にか手汗が滲んでいる。
“まるで心の中を覗かれているような”気がして身体を手で支え寒気を一度追い払う、あまりにも……そうあまりにもここに来てからというもの心が重いのだ。
「ん……あれは、何?」
辿り着いたフロアの一角、保管用のロッカーが破壊され中身が床に散らばっている、その中に“何故か興味を惹いて目が離せない”石が転がっている。
(あぁ……これを拾わないと、なんて綺麗な輝き……まるで宇宙の深淵……なんて、なんて綺麗な……)
虚ろな目で一歩一歩近づいていくマリア。
「って、そうかこれが宇宙の幼生、狂気100%なんていうけれど……ふふふ❤」
遠い目をしながら虚ろな表情でマリアは話し続ける。
「宇宙のすべてが、うん、わかって……きたぞ…… そうか、宇宙と時間と私達の関係はすごく簡単なことなんだ ははは……どうして 地球にこんなに生命があふれたのかも」
「マリアっ! それは宇宙の真理じゃなくて、ただのゲッ●ー線だからっ!」
謎の黒髪長髪をたなびかせた男の娘が現れ思いっきりマリアをビンタした、それも手形がくっきりとつくぐらいに。
尻もちをついたマリアの瞳に正気の光が戻ってきた。
「はっ……私はいったい何を! くっ……油断したっ!」
正気に戻るなり手にしていた銃を弾が尽きるまで撃ち込み石を完全に破壊する。
危なかった……もう少しであちらの世界の住人になっていたかもしれない恐怖。
これ以上の滞在は危険だとマリアはすぐに撤退を始める、そんなマリアを見送って男の娘は静かに姿を消したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ペイン・フィン
狂気、狂気、ね
生憎、そんなの、効果が無い
護るものがないなら、ゆるりと、そこまで向かって、壊して終わりにしようか
理性を融かす音がする
常識が壊れる感触がする
己を見失いそうになる
それら全てが、自分には、意味が無い
自分は、拷問具"指潰し"
生けるものを傷つけ、恐怖を与える存在
苦痛を、悲鳴を、怨念を喰らうモノ
そんなのが、縁とか、ロマンとか
世界とか、仲間とか、その他もろもろ
そう言った、あたたかいモノのために、動いてきたし、これからもそう
飢えて、餓えて、それでもそれを止めない
これ以上無いほど、すでに、狂っているんだよ
●
ヒューストン宇宙基地、その地下の一室にて保管されていた石を前にしてペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は自らの存在について自問自答を繰り返す。
その存在は“生まれた時点で狂っていた”、指潰しと呼ばれる拷問具として作られた存在であるペイン。
そんな彼は生来……ヒトの道とは外れた生き方を強いられてきた、いやそれしか知らないし今更生き方を変えれるほど器用でもない。
ヤドリガミとして指潰しの拷問具であるという自負が無ければそもそも存在を維持できるかどうかも怪しいものなのだ。
(あぁ狂気……狂気、ね)
目元を隠した仮面はいったい何のため?
見られたくないから?
何を?
今更?
あなたの存在は元々そんなものでしょ?
宇宙の幼生なる石を見てから心がざわつく、いや……心なんてものが自分にはあるのか?
今でも定期的に悲鳴などを聞くか拷問しなければ己の存在に疑問さえ抱く自分だぞ?
チックタックチックタク
何処かで時計の音がしている、こんな場所で柱時計のようなそんなアナログな音だ、聞いているうちに何だか自分という定義が薄れていっているような気がする。
なんだろうこれは?
チックタクチックタク
(理性が溶けていく? 理性、理性ってなにをもって理性なんだ?)
チクタクチクタク……
(常識が壊れていく 常識? 自分の常識とはいったい何なんだ?)
チクタクチクタク
「あぁ……自分はこんなにも……っ」
存在が希薄な存在だったのかと心が張り裂けそうになる、いやそもそもヤドリガミの自分に心なんて本当にあるのか?
モノに意思があるというのか? いや自我の定義は何だ? あぁ……誰か誰か教えて
不安に駆られ荷物に触れたペインの指先にピタリと吸い付くような金属の感触、それは親指潰し“ペイン・フィン”、そうだ……これこそが自分だ、これこそが答えだ。
(生きる者を傷つけ、恐怖を与える存在……苦痛を悲鳴をそして怨念を喰らうモノ)
ペインの目が見開かれる、睨む先にあるのは宇宙の幼生、だが先ほどまでの不安は少しばかり影を潜めている。
今の自分には“縁”がある、“ロマン”がある、世界、仲間……そういった温かな物こそが今のペインを形作っている。
自分は元から狂っている……そして様々なものに飢えている、飢えて飢えて、そしてそれでも立ち止まらない事……それこそがペイン・フィンという男だ。
静かに自らの本体である拷問具に目的の石を挟むと、何の迷いもなくそれを砕いてしまった。
そう……元から狂っているものをそれ以上に発狂させるなど不可能、ペインの常軌を逸した笑い声がヒューストンの地下にいつまでも響き続けていた……。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
アドリブ・キャラ崩壊大歓迎
宇宙の狂気……これが有名な『SAN値直葬』ってやつかな?
わたしたちでも狂気に犯されるってことだし、これはしっかり壊しておかないと危ないね。
宝石に近づいていくだけでも狂気の影響がでるってことだから、
【Oracle Link】と【HMD-270】をしっかり装着して【狂気耐性】整えておかないとだね。
それにしても『宇宙の狂気』がどんなことになっちゃうのか興味はあるけど、
【Nimrud lens】でしっかり炭にしちゃわないとかな。
……うふ、うふふふふふっ、この世界の電脳とウイルスはわたしのものだー!
あれ?わたしなにか言った?
ちょっと前にこんなテンションだった気もするけど……。
●
アポカリプスヘルに来てからというもの、少しずつ精神のどこかに負荷がかかり続けているのか菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は少しばかり頭を振ると雑念を追い出し先へと進もうとする。
ヘッドセットとゴーグルを装着し万が一言葉が発せなくなっても瞳と脳波で全てを行えるよう万全の準備はできた。
そうでもしないとこの恐るべき脅威には打ち勝てない気がしたからだ。
「あぁ……そっか、これが噂の『SAN値直葬』ってやつかな?」
軽口を叩いて胸に引っかかる不安を打ち払う、猟兵であろうとも狂気に陥るというのだから油断なんて絶対に出来ない。
限界まで狂気に耐えるため装備類は確保した、そしてこの先なにがあろうとも決して持ち帰ったりはしないし絶対に破壊する。
そう何度も何度も心に誓う、誘惑に負けたりなんか絶対にしない。
理緒は立てるだけフラグを立てまくり地下へと挑み始めた……。
(それにしても宇宙の狂気ってどんなことになっちゃうのかな?)
石を見る前から理緒の決意が崩れているけど気にしてはいけない、これも建物内にすでに充満していた宇宙の幼生の力によるもの(ということにしてあげて!)だ。
ズキズキズキと片頭痛が今日は特にひどい、まるで何かを拒否しているかのようでとてもとてもそれはもったいなく感じてしまう。
「あれ……私なんでここに来たん……だっけ……?」
おかしい、この階段はいつから降り続けていたんだろう?
あれれ? 今日は何月何日だっけ?
理緒はふと疑問に思う。
(あれれ? 私こんなに胸大きかったっけ?)
ぽよよんと視界の隅で揺れる自分の胸を見て理緒は悟った、これはすでに幻覚の世界で夢を見てしまっているのだと!
『 特徴 胸が小さい 』
こんな理由で気付きたくなかった!
むしろこんな理由で正気に戻った気になっている自分が怖い。
ということは目の前にあるそれこそが宇宙の幼生に間違いない!
「屈折率、固定……収斂!」
理緒の大気を屈折させ作り出したレンズで光を集め……ってここ地下だよ!?
もはやユーベルコード選択時点で狂気に犯されてたよこの子。
だが本人はすでに石を焼き切り破壊した気になっているようだ。
「うふふ♪ うふふふう……この世界の電脳とウィルスはわたしのものだー❤」
終いには興奮し始め理緒はヒューストンの地下室で自分からそっと指を……。
ザザザ……と映像はそこで途切れ理緒の着けていたゴーグルのみが回収されていた。
はたして理緒はあの後どうなったのか?
それを知る者は今この場には誰もいないようだった……。
大成功
🔵🔵🔵
マヒロ・ゾスティック
◎
ある意味今のボクがもう狂ってるようなもんだけどなー
あれ、てことは……ま、いっか!
なんとかなるでしょ!
あ、あひいん、頭おかしくなりゅう♪頭の中、もういっかいぐちゃぐちゃにされちゃうのおん!
もうらめ、あっ、いっちゃうん、おかしくなりゅう!
成程、狂気に狂気を重ねれば正気に裏返るのは道理でござるな
自分でも信じられぬ程に、昔の忍であった頃に精神が戻っているでござる
拙者の格好と我が下半身の状態はさておき任務をこなすとしよう
UC発動にござる
妖魔を身に宿し
クナイ型にした自由自在ベルトや手裏剣にて魔の石破壊しようぞ
任務達成
我がかつての正気もここまでにござるか
これもまたたまには…………良いよねえ♪面白かったあ♪
●
狂気に支配されたと言われるヒューストン宇宙基地、そんな怪しげな場所地下へと気楽に足を踏み入れたのは“狭い場所への”潜入の達人であるマヒロ・ゾスティック(堕ちし快楽の淫魔忍・f31759)。
本人としては狭い場所に入られるのも好きらしいけれど今はどうでもいいよね☆
(全くもう~開幕の自己紹介から狂気に犯されてどうするのー☆)
あまりにも気楽に容器を開けて中身を直視したマヒロはいきなり内股になり何やらモゾモゾと赤面し始めた。
「あ、あひぃん❤ 頭おかしくなりゅう~ そ、そんな所を触らせないでぇ❤」
仰け反る身体、指先が絡み合い、交差しそして不可思議すぎるポーズをマヒロはとってしまう。
ありえないような甘い声をあげながらマヒロは興奮しボトボトと涎を零してしまった。
はっきり言ってこのポーズはきつすぎる、けれども我慢なんてできないこれを今しないでいつするというのか。
床に引かれたマットの上でツイスターに興じながら喘ぎ声をあげ続けるマヒロ。
宇宙の幼生なんかを直視するからこんな事になるのです、普段なら卑猥一直線なのに今日は狂気に犯されて比較的まともなマヒロ、このようなツイスターゲームで脳みそがぐちゃぐちゃにされちゃうのおん!もうらめ、あっ、いっちゃうん、おかしくなりゅう!などとなってしまったらそれ自体がもはや狂気の産物だ。
「はっ、ボクは正気に戻った☆」
マヒロは狂気と狂気のマイナスが合わさって正気に戻れるというファインプレイ、もうなんといっても危険すぎるこれは早く処分しなければ。
クナイでざくりと石を割ってしまいマヒロはようやく平穏を手に入れたのだ。
そう……今のマヒロはスーパー賢者タイムの真っ最中、もうひさしぶりすぎていつぶりの正気かわからないけれど、それでも今日はいい仕事をしちゃったかもしれない☆
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
×~◎/任意
■方針
・アド/絡◎
■行動
大変な代物ですねぇ。
早目に何とかしませんと。
【遍界招】を発動、この空間に適応する為の『首飾り』と『衣装』を召喚、着用して参りますねぇ。
『首飾り』は時折使用する「様々な悪影響を『反動による胸の肥大化』に変換する品」、此方で『狂気』の影響は大きく軽減出来るでしょう。
そして『衣装』は「『反動』の影響を抑える代わり、脱いだ際に倍加して影響を受ける品」となりますので、これで「途中で『反動』で動けなくなる」可能性は低くなりますぅ。
後は『FAS』による低空飛行も加え、少しでも早く到着しての破壊を試みますねぇ。
まあ、帰還後の『反動』は相当酷いことになりそうですが(遠い目)。
●
「大いなる豊饒の女神、その鴻大なる知と力を持つ『祭器』を此処にお与え下さい……」
ヒューストン宇宙基地の敷地に入る直前に夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はしゃがみこみ自らの奉ずる女神様へと祈りを捧げた。
目の前に広がる宇宙基地に漂う禍々しき気配を肌で感じてしまうとこうして祈らずにはいられなかったのだ。
ここはあまりにも背徳的で退廃的でそれでいて人類の何か大事なものを飛び越えた先にあるナニカ。
そんな根源的な嫌悪感が湧きあがってしまい正気を保つことがこんなに大変なのかとるこるは思ってしまう。
だが今るこるの目の前にある輝きはなんだ!
奉じる女神より賜った首代わりと衣装、これこそが信徒たるるこるを守るべく遣わされた祭器なのである。
「くっ……これはさすがに反動がこんなペースで……」
るこるは立坑を階段も使わずにゆっくりと浮遊を緩めて降下を続けていく、階段よりも遥かに早くそして確実に目的地につけると思ったからだ。
(おかしい、おかしいです……ここはいったい何層あるというのです???)
不安が増していく、ほんの1~2分で終わると思った降下はもう何時間も続いているかのようにるこるには感じられる。
こんなにも深く宇宙基地に地下施設があるというのだろうか?
何か光が足元のほうで輝いている気がする、この照明器具もない暗闇の地下施設だというのにう一体何が?
答えは最初から分かっていた気がする、それでもるこるはそれが何かを考えたくはなかった。
考えれば考えるほど首飾りの神力で精神への影響はバストの肥大化という形で逃がしており、その反動すらも衣による脱いだ後で倍の代償を払うという本当に大丈夫かそれという力で先延ばしの真っ最中。
そのうちに限界を越えるだろうが今の時点ではまだ大丈夫なはずだ……はずだった。
オーラの翼が揺らぎ飛行が不安定になる、それでも限界までるこるはそれを維持しようやく辿り着いた場所。
そこには壊れたロッカーなどが充満し、その一つから輝く石が転がり出てその不気味な輝きをるこるの瞳に映していた。
(あぁ……これが宇宙の幼生、これが神秘の……あぁ、あぁ……なんと、なんと禍々しい……)
ふらふらと進んでしまう足、だが首飾りが輝きその瞳に正気の輝きが一時的に戻る。
「くっ……思った以上にきついですよこれぇ!」
普段あまり使わない霊刀を抜刀しその石へと突き刺した、穢れともなんとも言えない何かが空間を揺るがす叫びをあげそしてこの場から霧散していく。
「はぁ、はぁ……どうにか、なりましたぁ……」
るこるはその場へとへたり込みほっと一息ついた、だがるこるにとってはここからがある意味本番だ、邪神の力の副作用……はたしてるこるのバストはどこまで肥大化してしまうのだろうか。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…狂える神とその狂気の対処ならば、ダークセイヴァーでも経験があるけど、
肉体が変異するレベルで強力な狂気は流石に経験が無いわね
…あまり好ましい方法では無いから、なるべくなら使いたくなかったけど…致し方無い
…貴女の御業を借りるわ、母様
UCを発動して吸血鬼の血の香気で自分自身に洗脳を施し、
精神を固定して救世の誓いを狂信者のように祈り続け狂気耐性を限界突破して強化し、
「宇宙の幼生」の精神攻撃を受け流しながら宝石を索敵して銃撃を行い遠距離から破壊する
…人類に今一度の繁栄を。そして、この世界に救済を…
…私は、必ず世界を救ってみせる。闇に覆われた、世界を…必ずや
…ふふ、ふふふ。アはは…ハハハハハハハ!
●
「あぁ……これは墓標なのね……」
朽ちたヒューストン宇宙基地の建物と遥か以前に宇宙を目指しロケットを打ち上げていた発射台の残骸を見上げリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はフードの端を手で持ちながら少し溜息をついてしまった。
ここは生まれ故郷とは違い“昼”のある世界、そして空には曇っているとはいえ明るい空がまだ見えている。
そしてこの地そのものに宿ってしまっている何らかの負の力もその鋭敏な感覚ですでに感じ取っているのかもしれない。
異世界の事にはあまり興味はないけれど……とは思うものの放置して滅んでしまうというのも目覚めの悪い話だ。
だからこうして邪神の力が漂うこの地へと足を踏み入れその力の一端とこれから対峙しようというのだ。
(…狂える神とその狂気の対処ならば、ダークセイヴァーでも経験があるけど)
肉体は変異するレベルの狂気はさすがに経験していない、いわゆる宇宙的恐怖(コズミックホラー)というものを相手するには人類という存在はまだまだ微細な生き物ということだろう。
宇宙の幼生と呼ばれる石がある場所までは順調に、いや順調すぎるほどに何もなく辿り着くことができた。
まるでここにリーヴァルディが辿り着くのを歓迎されているようなそんな気さえしてくる。
ズキン
……まただ、ここに来てから頭痛がひどい、まるで頭の中にコンクリートミキサーをぶちまけてダイナマイトでも爆発させているかのようなそんな得体のしれない何かが脳細胞を刺激しているとしか思えない気持ち悪さだ。
(あまり使いたくはなかったけれど……致し方なし、ね)
深呼吸をする、そしておもむろにフードを脱ぎウェーブのかかった銀髪が流れるように広がった。
「限定解除……ひれ伏しなさいっ」
全身から忌み嫌う吸血鬼としての魔性が漏れ出した、それは吸血鬼狩rを生業としている少女には苦渋の決断を強いている。
それはリーヴァルディの生き様そのものに関わる事だ、だがいくら嫌悪しようともその力が無ければ乗り越えられない事態もこうして存在をしている。
『あなたは……世界を救いなさい、これは義務ではありません使命なのよ』
自らの心にそうエンドレスで響く己の声、自分自身に救世の誓いを立てさせてそして神への祈りを永遠に繰り替えさせるのだ。
それは正気を失わせ見開いた紫の瞳に宿るのは狂信者の輝きだ。
「…人類に今一度の繁栄を。そして、この世界に救済を…」
マスケット銃が火を噴きマネキン人形を砕く。
「…私は、必ず世界を救ってみせる。闇に覆われた、世界を…必ずや」
この国の国旗が張られていたであろう壁に何発もの銃弾が撃ち込まれズタズタの穴あきチーズの完成だ。
「…ふふ、ふふふ。アはは…ハハハハハハハ!」
その顔に浮かぶのは愉悦、あぁ何てこの吸血鬼の力は歓喜を呼び起こすのだ、節制している普段の自分などクソくらえの偽善者だ。
なんだこんなにも世界はシンプルで……救うのに必要なのはこの“力”あるのみっ!」
バンバンバンバン
弾丸をこめては撃ち尽くし部屋中が穴だらけにされていく、その内の一発が宇宙の幼生と呼ばれる石に命中し完全にそれは砕け散りこの世から消滅してしまった。
ヒューストン宇宙基地に満月が昇るころ、紫の瞳を輝かせた少女は地上へと帰還する。その双眸の狂気がこのまま暴走を続けるのか、それとも元に戻れるのか……真の勝負は心の中でこそ行われている真っ最中のようだ。
大成功
🔵🔵🔵
在原・チェルノ
◎
蜜香ちゃん(f20221)と一緒にターゲット破壊を目指すわよ!
近づくだけアウトっていうならシンプルな話よね
真っ直ぐターゲットを目指して射程距離ギリギリから【雷刃無尽】+【早業】+【乱れ撃ち】で直視しないでひたすら撃ちまくって当たってくれるのを祈るだけ!
接近するだけでも狂気に汚染されていくから無駄かもしれないけど、やるだけやってみる!
※NGなし・アドリブOKです
美波・蜜香
◎
チェルノさん(f06863)と一緒に妨害する敵を片っ端からやっつけながら「宇宙の幼生」目指して突き進む!
もちろん本当は怖いけど、世界の平和のためだもんね!
【勇気】と【気合い】で狂気に耐えながら【スーパー・ジャスティス】でパワーアップして【怪力】+【槍投げ】でアリスランスを全力で投げつけて「宇宙の幼生」を木っ端みじんにしちゃうよ!
もし狂気に陥ったら自分の中の秘められた欲望を解放し、すっかり色情狂となってアリスランスを使って自分を慰めたりチェルノさんに襲いかかったりします
※アドリブOK・NGなし
●
ヒューストン宇宙基地での不可思議な出来事はその侵入者に等しく襲いかかっていく、それは絶対にこの方法ならば大丈夫とタカをくくっていた者達にももちろん容赦なく……。
コツコツと階段を下りる音が響いている、そこは宇宙基地の地下施設でありどこまで続くかわからない長い階段だ。
在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)と美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)の二人のヒーローはそこをもう何時間も降りているような錯覚に陥りかなりの及び腰でキョロキョロと周囲を見渡している。
「ひゃ!?」
蜜香が素っ頓狂な声をあげチェルノにしがみついた、ぽよよんと魅惑的な弾力の真ん中に顔を埋め落ち着くまでよしよしと頭を撫でてやる。
途中で敵がいたらぶっとばしてやるーと息巻いていたものの、ここは“廃墟”であり“無人”というまさに無防備極まりない場所だったりする。
なぜなら近づくだけで狂気に犯されてしまうのだからずっとここになんていたくはないよねという感じの流れだ。
「もう~蜜香ちゃんたら気合気合! もうすぐだから一緒にがんばるわよ!」
「う、うん……あたしも足手まといにならないよう頑張るんだよ♪」
どうやら蜜香は復活したらしい、顔を押し当てられていた胸元の温もりを何故か感じつつもチェルのは先を急ぐことにした。
何故だろうか? いつのまにやら追い詰められている気がしないでもないからだ……。
「はぁぁぁぁ!」
黄金色のオーラを解き放ち勇気を振り絞る蜜香、狭い地下なので飛ぶことはできないがこのヒーローであるとる力を解放することで精神への浸食はかなり遅らせれるはず……との希望を込めての行動。
そんな蜜香にふらふらと寄りかかえり少しばかり困惑した表情のチェルノがしがみつく。
(あれれ? チェルノさんいつもならもっと元気に……)
そうここで意外だったのがチェルのは施設育ちでありこのような建物内などで戦う事は苦手などでは決してない。
だがその得意分野はどりたかといえば侵入や戦闘に特化したものが多くこのような場所での精神抵抗にはあまり向いていない。
気づけば汗がじわりと滲み出ていてコスチュームが何故か透き通ってきてしまっている、押し付けられた二つの膨らみが蜜香の膨らみに押し付け合って双方が潰れたようにぐにゃりと変形してしまっていた。
「蜜香ちゃん、あたし……あたしっ❤」
「えっ、ちょっと……チェルノさんっ???」
スーパー・ジャスティスの力とその素養によって耐えていた蜜香だったが心臓の高鳴りが止められない。
(あぁ……チェルノさんがこんな甘えた声で耳元で囁いてきて、あたしは……あたしはっ)
我慢も限界が近い……そんな蜜香の視界の隅に入ったローッカーから転がり落ちている物体、あれだ……あれに近づいたせいでチェルノはこうなってしまったに違いない。
「蜜香ちゃん……愉しもっ、ねっ❤」
するりとコスチュームの上半身を脱いでしまったチェルノ、蜜香を見る目に正気の輝きはなく完全に色情魔のそれ。
完全に堕ちてしまったであろうチェルノの指が蜜香のコスチュームの内側へと滑り込み……。
「せめて……これだけでもっ!」
花の蕾を思わせるアリスランス・シュランペランツェを開いた手で蜜香は投げた、それが今の彼女にできる最後の行動。
なぜなら次の瞬間にはその唇にはチェルノの唇が重ねられそして魅惑的なバストを包み込むコスチュームもチェルノによって脱がされてしまい……。
「おまたせだよチェルノさん☆ あたしも……あたしも我慢なんてできなっ❤」
「あぁ……蜜香ちゃんたらそんなっ❤」
二人の影が重なり水音が暗闇に響き続ける、その少し先でアリスランスに貫かれ砕かれた宇宙の幼生の残骸が転がっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ノエル・フィッシャー
【WIZ】
見ただけでキャラ崩壊が起きる宝石かあ。おお怖い怖い。でもいくらコズミックホラーであろうと、心を持たない影を狂わせることは出来まいね。
という訳でUC【光と影の王子様】の出番だ。
↑のアイコンのようなちっこくてもにゅっとした530体の影を召喚。一発小突かれればやられちゃうかわいい奴だけど、こう見えて戦闘用。火力と物量は必要十分な筈だ。
日頃からトレーニングで養成してきたボクの陽性の光から生まれた、妖精みたいな彼らに要請することで宇宙センター最深部の幼生を叩き壊すんだよ。
え? 本体であるボクが既に狂気に冒されてる。そんな話はよーせー。
アドリブ・共闘歓迎なんだよ。
アイ・リスパー
「ラプラスの悪魔による未来予測シミュレーション実行!
……オチが見えましたっ!」
どうせ基地に入ったら、オベイロンのコンピュータが狂気に侵されて暴走し、またAI再インストールによるローンで銀行口座が赤字になるという狂気に襲われるに違いありません。
「ならばオベイロンのAIはOFFにして出撃です!
これなら狂気に侵される心配はありません!」
機動戦車オベイロンに乗り込んでマニュアルで操縦し『宇宙の幼生』の破壊に向かいましょう。
「えーっと、確かこっちがブレーキですよね」(アクセルベタ踏み
最高戦速で宇宙基地の液体燃料タンクに突っ込んだオベイロンは激しい爆発に巻き込まれ……
「なんでまた大破するんですかーっ!?」
●
「見ただけでキャラ崩壊する宝石かぁ……それはそれで、怖い怖い♪」
なんでそこで心底楽しそうなんだろうこの王子様。
そのセリフと裏腹に頭より高く持ち上げたポットからカップへと紅茶を注ぎながら可憐にティータイム。
ノエル・フィッシャー(イケメン王子様・f19578)ほどの王子様ともなるとキャラ崩壊もそれはそれで美味しいよね❤とばかりに怖いものなんてないのではと思えてしまう。
優雅にミルクティーを嗜むとくるりと振り返りケネディ宇宙センターの残骸を眺めた。この廃墟で自分を見失わない、これこそがこのような狂気に立ち向かうには必要な工程なのかもしれない。
というかですね王子様、あなた……地下施設へ潜らなくていいの???
そんな宇宙基地の敷地内で優雅にティータイムを嗜むノエルは遠くからフェンスを突き破り、まるで老人が運転しているかのような蛇行運転で飛び込んできた機動戦車の姿を見つける。
とりあえずマフィン美味しい。
「ラプラスの悪魔による未来予測シミュレーション実行! ……オチが見えましたっ!」
色々と面倒くさくなった時のオチ要員の少女がそんなことを叫びながらその戦車内で叫んでいた。 はっきり言ってヤケである、ハッキングされるからとコンピューターを切ってのマニュアル運転。
だが私が知る限りアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)の助手席に乗るぐらいならば歩いて目的地に行ったほうがましというそんな悲惨な腕前なのだからオチはとてもわかりやすい。
「ならばオベイロンのAIはOFFにして出撃です! これなら狂気に侵される心配はありません!」
なんて言ってるけど、一番の狂気はアイが自分で運転することなのである、免許取り上げてください猟兵公安委員会さん。
ノエルがなにあれと紅茶を口にしている目の前を突き進みそして穴の開いたサイロの中へと飛び込んで落下していった。
そうだね……地下施設への縦穴をそうやって落ちていけば目的地まで一直線だったね、でも車体ごと落ちちゃったけど大丈夫かな?
「まっ……いっか❤」
マフィンは熱いうちに食べるに限る、ミルクティーでそれをもう一口流し込むとノエルは何事も無かったかのようにようやく席から立ち上がった。
一方暗闇に包まれた地下では何かがカサカサカサカサと大量に動き回っていて余計に恐ろしい光景が広がっている。
闇に溶け込む影のようななにか、その一体一体がまるでノエルの影絵のような存在達。
彼らこそが光と影の王子様、ノエルによって500体以上も呼び出されすでに地下へと侵入していたただの影。
心を持たない影は狂気に犯されるもなにもとにかくあるべき行動をただとりそして片っ端からそれっぽい物を見つけては打ち砕いていくだけの簡単なお仕事。
パキン
また一つ宇宙の幼生が砕かれた、いくら保管しているのだろうかこの基地は、だからこそ狂気に犯される中心地とんっているともいえるのが皮肉だが。
そんな影たちが活躍する縦穴の底へと轟音とと共に振ってきた機動戦車オベイロン、アイはアクセルとブレーキを踏み間違えたままもはや声にならない悲鳴と涙を流しながら底へと突き刺さるのを待つしかない。
ここでオートならば周囲の壁にアンカーでも打って急減速できるだろうけど今日は頭から一直線だ。
ついでにここの底には燃料備蓄タンクがあってですね……そこへともしこんな機動戦車が落ちていったとしたら。
ズン
基地の何処かから震動が伝わってきて縦穴の中から煙が吹き上がった、ビクビクとノエルに繋がっていた影たちの接続が切れていくのを理解しようやく席を立ったノエルは煙吹き上がる穴へと近づいて底を覗き込んだ。
「うわぁ……燃えてる燃えてる、あはは明っかるいんだよ♪」
穴を見下ろすノエルの瞳にグルグルと狂気の輝きが回る、普通に見えていてもノエル自身が狂気みたいなものなんてシャレになっていないけれど被害が出てないならセーフ。
「ボクが既に狂気に犯されている? 冗談はよーせー♪」
黒煙巻きあがる炎が何かに引火したらしい、いきなり爆風が噴火のように駆けあがってきてノエルはそれを両手を広げて見送った。
作戦成功の花火……きっとそうに違いない、祭りはこうでなくちゃと大笑い間違いなし。
「いやぁぁぁ~~~っ、なんでこうなるの~~~っ!?」
爆風の中で声が今空に向かって飛んでいった気がするけれどノエルは気にしない。
こうして宇宙の幼生の代わりにアイ・リスパーがおほしさまになったのです。
(数km先の海で服が千切れ飛んたアイがプカプカ浮いているのを発見されたのは本当に幸運な話でした)
大成功
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